Power window device with safety device

申请号 JP34638693 申请日 1993-12-22 公开(公告)号 JPH07180436A 公开(公告)日 1995-07-18
申请人 Koito Mfg Co Ltd; 株式会社小糸製作所; 发明人 TAJIMA KEIICHI; TAKEDA HITOSHI; NAKAYAMA TORU;
摘要 PURPOSE:To make safety control operation achievable by detecting any insertion in a window without being affected by variations in individual characteristics of a motor being used as a driving source for a power window device. CONSTITUTION:Each opening or closing position of a window is detected by such an electromechanical means as a position sensor 8, and further the extent of thrust pressure being produced in a turning shaft of a motor 9 opening or closing this window is detected as well. On the basis of the window opening or closing position detected, reference pressure F0 to F3 for detecting any insertion is set up, and the detected thrust pressure FM is compared with the reference pressure, thereby detecting the insertion in this window. According to this method, as it is unnecessary to detect the insertion and the window position by a driving current or the like of the motor, such highly accurate safety control that there is no effect of variations in individual motor characteristics is thus realizable.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 モータにより開閉動作されるウインドの挟込みを検出して安全制御動作を行うパワーウインド装置において、前記モータの回転軸に加えられるスラスト荷重を検出する手段と、検出されたスラスト荷重を基準値と比較して挟み込みを検出する手段とを備えることを特徴とする安全装置付パワーウインド装置。
  • 【請求項2】 モータにより開閉動作されるウインドの挟込みを検出して安全制御動作を行うパワーウインド装置において、前記モータの回転軸に加えられるスラスト荷重を検出する手段と、検出されたスラスト荷重を基準値と比較して挟み込みを検出する手段と、ウインドの開閉位置を機械電気的に検出する手段と、検出されたウインドの開閉位置に基づいて挟込みの検出基準値を設定する手段とを備えることを特徴とする安全装置付パワーウインド装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両に適用され、モータ等によってウインドを開閉動作させるパワーウインド装置に関し、特にウインドにおける手や頭の挟み込みに対する安全制御動作を行う安全装置付パワーウインド装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】一般に、パワーウインド装置はモータ等の駆動源によってウインドを開閉動作させるため、ウインドガラスとサッシとの間に手や頭を挟み込む事故が生じることがある。 このため、このような挟み込みを検出してウインドの閉動作を停止させ、或いはウインドを開動作させることで挟み込みに対する安全制御動作を行う安全装置を備えたものが提案されている。 本発明者も既に種々の方式、構成のものを提案している。 このパワーウインド装置では、挟み込みの検出として、ウインドの開閉速度と相関のあるモータの回転速度を測定し、この速度が一定の基準値よりも低下されたとき、即ち挟み込みによってウインド及びモータに加えられる負荷が増大して回転速度が低下されたときを挟み込みとして検出する方式が用いられる。

    【0003】ところが、このような検出方式では、モータの回転速度を検出するための手段が必要となり、この手段として電磁方式や光学方式等が適用されているが、
    いずれも構造が複雑でかつ高価であり、しかも自動車等のように振動、衝撃が加わり易い装置にこの種の回転検出手段を適用したときには、その検出精度の信頼性が低下されるおそれもある。

    【0004】このため、ウインドにおける挟み込みを、
    ウインドに加えられる負荷、即ちこの負荷が最終的に加えられるモータの負荷、更に言えばモータのトルクを検出して行う方式が提案されている。 しかしながら、このトルクを測定するためには伏複雑な装置が必要とされるため、この測定装置をパワーウインド装置に組み込むことは現実的ではない。 そのため、トルクと相関のあるモータ駆動電流を利用する方式が提案されており、モータ駆動電流を検出し、これを基準値と比較することでウインドでの挟み込みを検出している。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モータには個々の特性に微妙なばらつきが存在しているため、
    同一トルクに対する複数のモータのそれぞれの駆動電流は必ずしも一様ではない。 したがって、パワーウインド装置に使用するモータ毎にその電流−トルク特性を測定して挟み込みの基準を個々に設定し、あるいは調整しなければならず、実際にパワーウインド装置を組み立てる際の作業が繁雑になるという問題が生じる。 本発明の目的は、モータの特性のばらつきの影響を受けることなく、高い信頼性でウインドにおける挟み込みを検出して安全制御動作を可能にした安全装置付パワーウインド装置を提供することにある。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】本発明は、ウインドを開閉する駆動源としてのモータの回転軸に加えられるスラスト荷重を検出する手段と、検出されたスラスト荷重を基準値と比較して挟み込みを検出する手段とを備える構成とする。 また、ウインドの開閉位置を機械電気的に検出する手段と、検出されたウインドの開閉位置に基づいて挟込みの検出基準値を設定する手段とを備えてもよい。

    【0007】

    【作用】ウインドに挟み込みが生じたときのスラスト荷重の増加を検出し、この荷重を基準値と比較して大きい場合に挟み込みを検出して安全制御動作を実行することで、モータの個々の電流−トルク特性のばらつきに係わらず安定した挟み込みを検出することが可能となる。

    【0008】

    【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。 図1は本発明が適用されるパワーウインド装置の全体構成図であり、自動車のウインドの下側車体内にウインド開閉機構1が設けられる。 このウインド開閉機構1
    は、上下方向に延設されたレール2を有し、このレールにはスライダ3を上下に摺動可能に保持している。 このスライダ3にはワイヤ4が連結され、ワイヤ4はレール2の上下端に配設されたプーリ5に巻き掛けられ、更にレールの略中間位置に固定支持されたパワーウインド駆動部6に設けた駆動プーリ10に巻き掛けられる。 このパワーウインド駆動部6には後述するようにモータ9が設けられており、このモータ9が駆動されたときに駆動プーリ10によりワイヤ4を回動させ、スライダ3が上下移動される。 また、このスライダ3にはウインドガラス7が取着され、スライダ3と共に上下移動されたときにサッシで画成されるウインド空間を開閉する。

    【0009】更に、前記レール2の上端寄りの位置にはポジションセンサ8が固定され、スライダ3の移動位置、換言すればウインドの開閉位置を検出する構成とされている。 このポジションセンサ8はポテンションメータとして構成され、その詳細な説明は省略するが、例えば抵抗体上で導電片を直線方向に往復摺動させ、その摺動位置に応じた抵抗値が出されるように構成される。
    図2に示すように、前記導電片は感知レバー8aにより抵抗体上で移動できるように構成され、感知レバー8a
    の先端部はケースの外方に突出されている。 そして、このポジションセンサ8は前記レール2の上端部寄りの位置に固定され、かつ感知レバー8aの先端部がスライダ3の移動軌跡に臨ませられている。 したがって、同図に二点鎖線で示すように、レール2上を移動されるスライダ3がウインドの全閉位置近傍にまで移動されてくると、スライダ3に設けた突片3aに植設した当接ピン3
    bが感知レバー8aの先端部に接触し、これを押して矢印の方向に感知レバー8aを揺動させる。 この感知レバーの8a揺動により導電片が一体的に抵抗体上を移動され、その抵抗値が変化される。

    【0010】そして、図3(a)に示すように、このポジションセンサ8によりバッテリBATの電圧VB を分圧する回路を構成すれば、ウインドの位置の変化に応じてポジションセンサの抵抗値が変化され、この抵抗値の変化に基づいて分圧された出力電圧VOUT が変化され、
    この出力電圧VOUT がウインド位置の検出信号として得ることが可能になる。 そして、ここでは、図3(b)に示すように、ウインドが閉じられる方向に移動されたときに出力電圧VOUT が増大されるように構成される。 ここで、出力電圧の最大値はバッテリ電圧VB であり、最小値は0(零)となる。 そして、前記スライダ3がポジションセンサ8の感知レバー8aに衝突されないとき、
    即ちスライダ3がレール2の下方位置にあってウインドが所定以上開いた状態にあるときにはポジションセンサ8からの出力電圧は最小レベルとなり、ウインドが全閉状態に近づいてポジションセンサ8が動作される状態とされたときに出力電圧VOUT が徐々に増大されるように構成される。

    【0011】前記パワーウインド駆動部6は、図4にその断面図を示すように、樹脂材で形成された本体ケース11を有し、この本体ケース11の複数箇所には車両の車体に固定するためのネジ12が立設され、かつその内部にはウォームホイール13が内装される。 また、本体ケース11の側面一部に設けた開口部には前記したモータ9が取着される。 このモータ9は筒状をしたモータケース14の中心位置に、一端部をモータケース14に他端部を本体ケース11にそれぞれ軸受16で軸支した回転軸15を有している。

    【0012】この回転軸15には鉄芯とコイルで構成されるロータ17が取着され、かつこのロータ17を包囲する位置のモータケース14の内周面にはマグネットで構成されるステータ18が取着される。 更に、前記回転軸15には絶縁材の円筒状カラー19を介して整流片2
    0が設けられ、この整流片20には前記本体ケース11
    とモータケース14との間に支持されたロッカーリング21に設けた導電ブラシ22を摺接させている。 また、
    前記回転軸15の他端部にはウォームギヤ23を一体に設けている。 このウォームギヤ23には、前記ウォームホイール13が噛合される。 このウォームホイール13
    には図外のプーリが一体に設けられており、自動車ウインドを開閉駆動させるための前記ワイヤ4が巻き掛けられる。

    【0013】更に、前記回転軸15の一端部、ここでは前記本体ケース11側に位置される回転軸の一端部の端面には、この端面に対して軸方向に衝接されるように感圧センサ24を配設し、本体ケース11内に保持している。 この感圧センサ24は回転軸15に生じるスラスト荷重(スラスト圧力)を検出し、このスラスト荷重に対応して電圧または電流を出力することができ、スラスト荷重センサとして構成される。 即ち、モータ9により回転軸15が駆動されると、ウォームギヤ23が一体に回転され、これに伴ってウォームホイール13とプーリが回転され、前記ワイヤ4を駆動してウインドを開閉動作させる。 したがって、ウインドにおいて異物を挟み込む等してその負荷が変化されたときには、この負荷はウォームホイール13を逆方向に回転させる力として伝達される。 このため、このウォームホイール13に生じた力はウォームギヤ23との噛み合わせによりウォームギヤ23をスラスト方向に移動させる力として回転軸15に伝達される。 したがって、この回転軸15のスラスト荷重を感圧センサ、即ちスラスト荷重センサ24で検出することにより、ウインドに加えられる負荷を検出することが可能となる。

    【0014】図5は前記したウインド開閉機構1やポジションセンサ8、及びスラスト荷重センサ24を含むパワーウインド装置の回路構成図である。 同図において、
    マイクロコンピュータ30は、パワーウインドの駆動源としてのモータ9の回転軸におけるスラスト荷重を検出するスラスト荷重センサ24からの出力、例えば電圧が入力される。 また、前記ポジションセンサ8からのウインドの位置検出信号としての出力電圧が入力される。 更に、手操作される機能スイッチ31によりウインドの開閉動作が選択され、その選択信号が入力される。 この機能スイッチ31はウインドをオート或いはマニュアルで開閉動作させる際に自動車の乗員によって操作される。
    更に、マイクロコンピュータ30からの信号に基づいてモータ駆動回路32が前記パワーウインド駆動部6のモータ9の回転を制御するように構成され、また、このモータ駆動回路32に電力を供給するバッテリBATの電圧がマイクロコンピュータ30に入力される。

    【0015】前記マイクロコンピュータ30には、ウインドの開閉動作状態から安全制御領域を検出するための系と、異物挟み込みを検出するための系が設けられる。
    安全制御領域を検出するための系においては、前記ポジションセンサ8からの位置検出信号をウインド位置検出手段33に入力させ、ここでウインドの開閉位置を検出する。 このウインド位置検出手段33は、ポジションセンサ8から出力される電圧VOUT に基づいて、ウインドの位置を検出する。

    【0016】この場合、ウインドが全閉状態となる近傍の開閉位置を前記ポジションセンサ8により細かく分割して検出する。 即ち、例えば、図6に示すような断面構造のウェザーストリップWSをサッシSSに取着しているウインドでは、ウインドの全閉位置よりも約15mm
    程度手前からウインドガラス7の上縁がウェザーストリップWSのリップ部WLに接触されるため、この接触状態が生じる領域(これをランチャンネル領域と称する)
    においてウインドの閉動作に抵抗が生じ、負荷が増加される。 この負荷は、ウインドとウェザーストリップの接触状態により微妙に変化される。 また、ウインド全閉状態から開方向に4mmの寸法範囲は人の指先が挟み込まれることがない寸法である。

    【0017】したがって、前記ボジションセンサは、図3(b)に示したように、ウインドの全閉位置Pxから4mmだけ開いた位置P3を設定し、かつこの位置Px
    よりも更にウインドが開かれた異なる3つの位置P2,
    P1,P0をそれぞれ設定する。 但し、ウインドの全閉位置Pxから各位置P3〜P0までの寸法をそれぞれL
    3,L2,L1,L0とする(L3<L2<L1<L
    0)。 そして、これらの位置P3,P2,P1,P0におけるポジションセンサの各出力電圧V3,V2,V
    1,V0をそれぞれ図外の内蔵メモリに記憶させることで、このウインド位置検出手段21では、ポテンションセンサ8からの出力電圧VOUT を常時検出し、この検出した電圧を前記電圧V3〜V0と比較することにより、
    各位置間でのウインド位置を検出することが可能となる。 なお、ウインド全閉位置Pxの出力電圧Vxは、ポジションセンサ8が出力可能な最大電圧、即ちバッテリ電圧VB よりも若干低い電圧に設定しておく。

    【0018】このウインド位置検出手段33の出力は安全制御領域判別手段34と、後述する基準値設定手段4
    1にそれぞれ入力され、安全制御領域の判別を行う際、
    或いは挟み込み検出基準の基準値設定にそれぞれ利用される。 安全制御領域判別手段34は、ウインド位置検出手段33からの出力により、前記したようにウインドが全閉状態から微小寸法(4mm)だけ開方向に移動された位置P3よりも、ウインドの開方向の位置を全て安全制御領域として判別する。 即ち、前記したように、このこの4mmの寸法は人の指先が挟み込まれることがない最小の寸法であり、この寸法位置よりもウインドが閉じ方向に位置されているときには指先等の挟み込みが生じることはなく、したがって安全制御動作を行う必要がないからである。

    【0019】この安全制御領域判別手段34における判別結果の出力はアンドゲート35の一方の入力端に入力され、更にこのアンドゲート35を通して安全制御動作手段36に入力される。 また、他の一部は動作指令手段37に入力される。 この動作指令手段37は前記機能スイッチ31のスイッチの状態に応じた動作指令をモータ駆動回路32に出力する。 また、前記安全制御動作指令手段36は、挟込み検出信号が入力されたときに動作指令手段37を制御して安全制御動作を行わせる。 ここでは、ウインドをその時の開閉位置から12cmだけ開く方向に動作させる制御を行わせる。

    【0020】一方、異物の挟み込み検出の系は、前記スラスト荷重センサ24からの電流信号を低域ろ波器38
    を通した電流を入力し、その電流値を後述する基準値設定手段41で設定された基準値と比較して挟み込みを検出する挟込検出手段39を有する。 この挟込検出手段3
    9には、機能スイッチ31によりウインドを閉じるスイッチがオンされてから所定の時間を検出するタイマ40
    の出力が入力される。

    【0021】また、挟込検出手段39は前記スラスト荷重センサ24からの電流を圧力値として取込み、これを基準値設定手段41で設定された基準圧力Fthと比較し、平均値が基準圧力よりも大きいときに挟込みを検出するように構成される。 この挟込検出手段39の出力は前記アンドゲート35の他方の入力端に入力される。 前記挟込検出手段39に接続される基準値設定手段41
    は、前記タイマ40からの出力と、前記スラスト荷重センサ24からの圧力値が入力され、これに加えて前記バッテリBATの電圧を検出する電圧検出手段42からの検出値が入力される。 この基準値設定手段41は、クロック43からの時間信号を参照信号として入力し、前記タイマ40で測定した時間S1の時間が経過した後に、
    予め設定された数Nだけスラスト荷重センサ24からの検出圧力をサンプリングし、サンプリングされたN個の圧力の平均を演算する。 そして、この平均値を平均圧力F0として設定する。

    【0022】また、この基準値設定手段41には、モータ9のロック圧力FL とウインド全閉近傍時における特殊基準圧力Fxが予め設定されたメモリが内蔵されており、電圧検出手段42で検出された前記バッテリBAT
    の電圧VB が入力されたときに、このバッテリ電圧値V
    B と前記サンプリング及び演算の結果から求められた平均圧力F0とで、前記ロック圧力FL と特殊基準圧力F
    xとを出力するように構成される。 ロック圧力FL とは、ウインドが全閉状態となって負荷が増大したときの電流値である。 この場合、詳細は後述するが、前記ロック圧力FL はモータの始動時と、ウインド全閉直近時、
    即ち前記ウインド位置検出手段33が検出するウインドの開閉位置P3よりもウインドが閉じられる領域時に採用される。 また、ウインド全閉近傍時における特殊基準圧力Fxは、ウインドの前記した位置P3〜P0の間で採用され、更にP0〜P1,P1〜P2,P2〜P3の各間でそれぞれ特殊基準圧力Fxが変化され、各間における特殊基準圧力F1,F2,F3が階段状に増加されるように設定されている。

    【0023】このような構成のパワーウインド装置の動作を図7の信号波形図と、図8のフローチャートに基づいて説明する。 機能スイッチ31のウインド閉スイッチをオンしてモータ9が回転を開始すると、スラスト荷重センサ24がモータ9の回転軸15のスラスト荷重の圧力FM の検出を開始する(S10:ステップ10、以下同じ)。 このモータ9の回転に伴ってウインド開閉機構1によりウインドが閉方向に動作される。 次いで、挟込検出手段39ではロック圧力FL が設定されているか否かを判定し(S11)、設定されていない場合には、電圧検出手段42がバッテリ電圧VB を検出し(S1
    2)、この検出された電圧により基準値設定手段41はロック圧力FL を設定する(S13)。 そして、ロック圧力FL とスラスト圧力FM との比較を行う(S1
    4)。

    【0024】一方、ウインド位置検出手段33はポジションセンサ8からの出力電圧VOUTに基づいてウインド位置Pを検出する。 即ち、ウインドが十分に開いた状態のときには、ポジションセンサ8の感知レバー8aがスライダ3によって操作されることがないため、ポジションセンサ8の出力電圧は最小値0であり、これによりウインドが安全制御を行う領域であることを検出する。 一方、ウインドが全閉近傍の状態まで閉じられてきたときには、スライダ3がポジションセンサ8の感知レバー8
    aにより動作されるため、その抵抗値が変化され、ポジションセンサ8からはスライダの移動量に対応した図3
    (b)のような出力電圧VOUT が出力される。 このため、ウインド位置検出手段33は、この出力電圧に基づいてウインドの位置検出を行う。

    【0025】ここで、図3(c)を参照すると、ウインド位置Pの検出はウインドの閉方向から順次行っており、ポジションセンサ8からの出力電圧VOUT と、メモリに設定されている電圧V0〜V3との比較により、ウインド位置Pが位置P3よりも閉じた位置(ウインド位置P<P3)にあるか否か、P3とP2の間の位置(P
    3<ウインド位置P<P2)か、P2とP1の間の位置(P2<ウインド位置P<P1)か、P1とP0の間の位置(P1<ウインド位置P<P0)かを順次検出する。

    【0026】そして、スラスト圧力FM がロック圧力F
    L よりも大きいときには、ウインド位置PをP3と比較し(S15)、ウインド位置PがP3よりも小さいときには、ウインドが全閉状態から4mm以内で開いた状態にあり、挟み込みが生じるおそれがないため、安全制御領域判別手段34から安全動作指令手段36に対して信号が出力されず、したがって安全制御動作が行われることはない。 したがって、この状態はウインドの全閉状態であると判断でき、動作指令手段37はモータ駆動回路32に対して信号を出力してモータ9の回転を停止させる(S16)。 これにより、ウインドが全閉状態のときに安全制御動作が行われてウインドが全閉されなくなることが未然に防止される。

    【0027】逆に、ウインド位置PがP3よりも大きいときには、安全制御領域であり、このときスラスト荷重電流値がロック電流値よりも大きいときには挟み込みが生じたとして検出し、安全制御動作指令手段36から動作指令手段37に信号が出力され、モータ駆動回路32
    によりモータ9を反転方向(ウインド開方向)に駆動し、ウインドを12cmだけ開いて停止させる。 これにより、挟み込まれた手や指等をウインドから外すことが可能となる(S17)。

    【0028】一方、スラスト圧力FM がロック圧力FL
    よりも小さいときには、モータの回転軸に生じるスラスト荷重の初期変動の影響を解消するために、タイマ40
    において時間S1を計測する(S18)。 この時間S1
    を計測するまでモータ9は正転を継続する(S19)。
    そして、この時間S1を経過した後に、基準値設定手段41では、スラスト圧力FM のサンプリングを開始し、
    N個の圧力値をサンプリングする(S20〜S22)。
    そして、N個の圧力値の平均値を求め(S23)、この平均値を平均圧力F0として設定する(S24)。

    【0029】次いで、サンプリングが終了されたときには、前記したようにウインド位置PをP3,P2,P
    1,P0と順次比較を行う(S25〜S27)。 この結果、ウインド位置PがP0よりも大きいとき、即ちウインドがウェザーストリップのランチャンネル領域内に存在していない開状態のときには、ステップS24で設定された平均圧力F0に係数Rを掛けた値(F0×R)
    (例えばR=1.05)をその際の基準圧力Fthとして設定し(S28)、以後この基準圧力Fthに基づいて挟込検出手段39がスラスト圧力FM との比較を行って挟み込みの検出を行う(S29)。 したがって、安全制御領域判別手段36からの信号と、挟込検出手段39における挟込検出の信号が共に出力されたときに、安全制御動作指令手段36から動作指令手段37に信号が出力され、モータ駆動回路32を動作させて前記したような安全制御動作が行われる(S17)。

    【0030】また、ウインド位置がP3とP2の間、P
    2とP1の間、P1とP0の間のときには、予めメモリに設定されている特殊基準圧力Fxに従って図3(c)
    のように、それぞれにおける特殊基準圧力F3,F2,
    F1を各基準圧力Fthとして設定する(S30〜S3
    2)。 そして、このP3〜P0の間では、スラスト圧力FM を前記各特殊基準圧力F1〜F3と比較して挟込検出手段27での挟込みの検出を行う(S32)。 このときの安全制御動作も前記した場合と同じである。 したがって、このP3〜P0の間では、ウインドがウェザーストリップWSのランチャンネル領域に進行してその負荷が徐々に増加して行くため、これに合わせて特殊基準圧力F1〜F3を階段状に増加させることで、このランチャンネル領域における挟み込みを検出することになる。
    これにより、ウインドがランチャンネル領域に達するまで閉じられてウェザーストリップに接触してモータの負荷が増大し、その電流値が増大されても、基準電流値はこれに対応して順次増加されるため、このL3〜L0の間での挟み込みの検出を適切に行うことが可能となる。

    【0031】ここで、スラスト荷重センサとしてロードセルを用い、これを回転軸に取着して回転軸におけるスラスト荷重を検出するようにしてもよい。 あるいは、図9に概略構成を示すように、回転軸15の両端部を圧縮スプリング50,51により軸方向に保持し、かつ回転軸15の軸移動量を検出するポテンショメータ等のストロークセンサ52を設けておくことで、スラスト荷重の大きさに伴って移動される回転軸15の移動量をストロークセンサ52により検出することで、スラスト荷重を検出するようにしてもよい。

    【0032】なお、前記したウインドの開閉動作に伴う回転軸のスラスト荷重電流の特性は一例を示したものであり、ウインド構造の相違によっては異なるスラスト荷重電流特性となる場合があるが、その場合には、それぞれのウインド構造に応じて適宜基準電流値を制御すればよい。 また、前記実施例ではランチャンネルを3つの領域に区分してそれぞれの基準電流値を階段状に設定しているが、区分数を増加させることも可能であり、より精度の高い挟み込みの検出を行うことも可能である。

    【0033】

    【発明の効果】以上説明したように本発明は、ウインドを開閉動作させるモータの回転軸に加えられるスラスト荷重を基準値と比較して挟み込みを検出しているので、
    モータ特性に関係なく異物の挟み込みを検出することができ、個々のモータの特性のばらつきによる基準値の変更、調整が不要となり、高精度の挟み込みが実現できるとともに、パワーウインド装置の製造、組立を容易なものにできる効果がある。 また、ウインドの開閉位置を機械電気的に検出し、検出されたウインドの開閉位置に基づいて挟込みの検出基準値を設定しているので、ウインド開閉動作時に生じるスラスト荷重の変動に伴う安全制御動作の誤動作を防止して、確実かつ安定した安全制御動作が実現できる効果もある。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明のパワーウインド装置の全体構成を示す側面図である。

    【図2】ポジションセンサの動作を説明するための図1
    の要部の拡大斜視図である。

    【図3】ホジションセンサの出力電圧とウインド開閉位置との関係を示す図である。

    【図4】パワーウインド駆動部の断面図である。

    【図5】本発明の安全制御動作回路の一実施例のブロック回路図である。

    【図6】ウインドにおけるランチャンネル領域を説明するための断面図である。

    【図7】本発明の動作を説明するためのスラスト荷重の特性図である。

    【図8】本発明の動作を説明するためのフローチャートである。

    【図9】スラスト荷重センサの他の例の模式的な構成図である。

    【符号の説明】

    1 ウインド開閉機構 6 パワーウインド駆動部 8 ポジションセンサ 9 モータ 24 感圧センサ(スラスト荷重センサ) 30 マイクロコンピュータ 33 ウインド位置検出手段 34 安全制御領域判別手段 36 安全制御動作指令手段 39 挟込検出手段 41 基準値設定手段

    QQ群二维码
    意见反馈