【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば変電所や開閉所に設置される電力用開閉装置における遮断器等の開閉機器の操作装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】開閉機器としての遮断器の操作装置の操作力として、ばね力を利用したものが実用化されている。 図32〜図35は、例えば特開昭63−30454 2号公報に示された従来の遮断器の操作装置を示すもので、図32は遮断器の操作装置の構成を示す斜視図である。 図33は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態を示す。 【0003】図34は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態にあり、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態を示す。 図35は遮断器の操作装置の要部構成図であり、 遮断器が閉路状態にあり、開路用のトーションバーが蓄勢しており、閉路用のトーションバーが放勢した状態を示す。 【0004】これらの図において、1は筐体、24は筐体1に固着された筒体、26,27は筒体24の端面に設けられたピン(図示せず)に嵌合されて回転可能なレバーである。 28,34は開路用のトーションバー、2 9,35は閉路用のトーションバーである。 なお、閉路用のトーションバー29,35の放勢により開路用のトーションバー28,34の蓄勢を行うために、閉路用のトーションバー29,35の蓄勢エネルギーを開路用のトーションバー28,34のそれよりも大きくしている。 開路用のトーションバー28は、一端が筐体1に固着され、他端がレバー26に固着されている。 開路用のトーションバー34は、一端が回転軸32に固着され、 他端がレバー26に固着されている(図32)。 【0005】閉路用のトーションバー29は、一端が筐体1に固着され、他端がレバー27に固着されている。 閉路用のトーションバー35は、一端が回転軸33に固着され、他端がレバー27に固着されている(図3 2)。 図33において、37は回転軸33に固着された投入レバーであり、閉路用のトーションバー29,35 によって回転軸33を介して反時計方向の回転力が与えられる。 なお、回転方向や左右上下の方向は特に断らない限り、以下においては、図示を基準にいうものとする。 【0006】図33において、2は筐体1に回転可能に支承されたカム軸、3はカム軸2に固着されカム軸2と一体になって回転するカム、13はカム3に設けられたピン、14はピン13と係合した投入ラッチである。 1 5は投入ラッチ14に係合した投入トリガである。 16 は投入電磁石であり、プランジャ17を有する。 38は筐体1に回転可能に支承された回転軸であり、電動機(図示せず)により反時計方向に駆動される。 39は回転軸38に固着された小歯車、40はカム軸2に固着されて小歯車39と噛み合う大歯車である。 大歯車40 は、閉路用のトーションバー29,35が蓄勢された状態のとき、小歯車39との噛み合いが外れるように図3 3に示すように一部分の歯が欠いてある。 【0007】41は投入レバー37と大歯車40とを連結するリンクである。 36は回転軸32に固着された遮断レバーであり、開路用のトーションバー28,34によって回転軸33を介して反時計方向の回転力が与えられる。 8は遮断レバー36に設けられたピン、9は遮断レバー36に設けられた回転体である。 18は引外しラッチであり、ピン8と係合し、ばね43によって時計方向の回転力が与えられている。 【0008】19は引外しラッチ18と係合した引外しトリガ、20は引外し電磁石で、プランジャ21を有する。 プランジャ21は、引外し電磁石20の励磁により図33における右方へ駆動され、引外し電磁石20の励磁がなくなると図示しない復帰ばねにより元の位置に戻る。 10は遮断器の開閉接点であり、固定接触子12と可動接触子22を有する。 可動接触子22は、リンク機構23、ロッド61を介して遮断レバー36に連結されている。 42は遮断レバー36に連結された緩衝器であり、可動接触子22の開閉動作時の衝撃を緩和する。 【0009】次に、開閉動作について説明する。 まず、 開路動作であるが、図33において、遮断レバー36は開路用のトーションバー28,34により常時反時計方向の回転力が与えられており、その回転力を引外しラッチ18を介して引外しトリガ19にて保持している。 この状態で引外し電磁石20が励磁されるとプランジャ2 1が右方向に動作し、引外しトリガ19が時計方向に回転駆動され引外しラッチ18との係合が外れる。 すると、引外しラッチ18がピン8からの反力により反時計方向に回転し、ピン8から外れる。 引外しラッチ18とピン8との係合が外れると、遮断レバー36は反時計方向に回転し、可動接触子22が開路方向に駆動され、開路する。 この開路動作が完了した状態が図34である。 【0010】図34の状態からの閉路動作は次のように行う。 図34において、カム軸2に固定されたカム3 は、カム軸2、このカム軸2に固定された大歯車40、 及びリンク41を介して投入レバー37に連結され、閉路用のトーションバー29,35により時計方向の回転力が与えられている。 その回転力を投入ラッチ14を介して投入トリガ15にて保持している。 【0011】この状態にて投入電磁石16が励磁されるとプランジャ17が右方向に移動し、投入トリガ15が蹴られて時計方向に回転して投入ラッチ14との係合が外れる。 すると、投入ラッチ14がピン13からの反力により、反時計方向に回転し、ピン13との係合が外れる。 投入ラッチ14とピン13との係合が外れると、閉路用のトーションバー29,35により時計方向の回転力が与えられている大歯車40及びカム3が時計方向に回転し、遮断レバー36に設けられた回転体9を押し上げるため、遮断レバー36が時計方向に駆動される。 遮断レバー36が時計方向に駆動されることにより、開路用のトーションバー28,34がねじられ蓄勢される。 同時に、遮断レバー36の時計方向の回転により、可動接触子22が閉路方向に駆動される。 【0012】遮断レバー36が時計方向に所定角度回転すると、引外しラッチ18とピン8が係合し、引外しトリガ19と引外しラッチ18が係合する。 カム3はなおも回転しながら、引外しラッチ18とピン8との係合及び引外しトリガ19と引外しラッチ18との係合が安定するまで、回転体9を介して遮断レバー36を保持し、 その後回転体9から離れ、図35に示す状態になる。 なお、図35は閉路動作が完了し、開路用のトーションバー28,34が蓄勢してピン8が引外しラッチ18にて係止され、閉路用のトーションバー29,35が放勢した状態である。 【0013】閉路用のトーションバー29,35の蓄勢動作は次のように行う。 図35に示すように閉路動作完了直後には、閉路用のトーションバー29,35は放勢している。 電動機(図示せず)によって小歯車39を反時計方向に回転することにより、大歯車40が時計方向に回転し、リンク41に連結された投入レバー37が時計方向に回転し、回転軸33を介して、閉路用のトーションバー29,35は蓄勢される。 【0014】大歯車40が時計方向に回転するのにともない、リンク41の引張荷重方向がカム軸2の中心と交差するデッドポイントを越えた位置で、大歯車40すなわちカム軸2は閉路用のトーションバー29,35の力によりリンク41を介して時計方向の回転力が与えられると同時に、大歯車40は一部の歯を欠いているので、 小歯車39と大歯車40の係合が外れる。 従って、もし電動機が回転を続けた場合でも、大歯車40は回転しないでその位置に留まる。 そして、ピン13が投入ラッチ14に係止され、閉路用のトーションバー29,35の蓄勢力による大歯車40の時計方向の回転力が保持され、蓄勢動作が完了する。 このようにして再び図33に示す状態に戻る。 【0015】ところで、上述のような従来の遮断器の操作装置は、大歯車40にリンク41及び投入レバー37 を連結して閉路用のトーションバー29,35を蓄勢する。 このような操作装置においては、閉路用のトーションバー29,35を蓄勢する最終段階に向かうに従い、 蓄勢に要する電動機のトルクが増大する。 このため、電動機を始め、大歯車40、リンク41、投入レバー37 等の部品を強度の大きいものにする必要がある。 また、 リンク41を大歯車40に連結して大歯車40をクランクとして利用するために、大歯車40の直径を大きなものとしなければならない。 【0016】このような問題点を解決するものとして、 例えば実開昭56−165319号公報に示されたように、大歯車の回転軸に大歯車とともに回転するカムを固着し、このカムにより、閉路用のばねを蓄勢するものが知られている。 このようなものは、カムの形状を工夫することにより、トーションバー29,35の蓄勢の終わりの段階においても、大歯車を駆動する電動機の所要トルクが増大しないようにでき、蓄勢装置の小形化を図ることができるものである。 【0017】以下、具体的に説明する。 図36〜図39 は、上述したようなカムを用いて蓄勢する従来の遮断器の操作装置を示すもので、図36は遮断器の操作装置の構成を示す斜視図である。 図37は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態を示す。 図38は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態にあり、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態を示す。 図39は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態を示す。 【0018】これらの図において、先に示した図32〜 図35の従来の操作装置と同様であるものについては、 同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。 図32〜図35に比し、閉路用のトーションバー35及び回転軸33の位置が異なるが、トーションバー35は一端が回転軸33に固着され、他端がレバー2 7(図32)に固着されているのは、同様である。 回転軸33に固着された投入レバー37は、閉路用のトーションバー29,35によって、図37において時計方向の回転力が与えられている。 図32に示したものは、反時計方向の回転力が与えられているのに対し、図37においては時計方向の回転力が与えられている点が異なるが、作用効果については同様である。 【0019】2は筐体1に回転可能に支承されたカム軸、3はカム軸2に固着されたカム、5はカム3に設けられたピン、6は投入レバー37に設けられたピン、4 1はリンクである。 投入レバー37とカム3とはピン5、6を介してリンク41にて連結されている。 7は、 ピン6と同軸に設けられた第2の回転体である。 閉路用のトーションバー29,35の蓄勢力は、回転軸33、 投入レバー37、ピン6、リンク41、ピン5を経てカム3に伝えられる。 なお、図32の従来のものにおいては、符号を付していなかったが、25は投入トリガ15 を回転可能に支持する回転軸、98は引外しトリガ19 を回転可能に支持する回転軸、75は引外しラッチ18 を回転可能に支持する回転軸である。 【0020】4は筐体1に回転可能に支承された回転軸、48は投入ラッチであり、回転軸4と独立して回転しうるようにして回転軸4に支持され、図示しないばねにより常に反時計方向の回転力が与えられており、ピン6と係合する。 49は投入ラッチ48に設けられたピンであり、投入ラッチ48はピン49を介して投入トリガ15により係止される。 45は筐体1に回転可能に支承され図示しない電動機にて回転駆動される小歯車、46 は回転軸4に固定された大歯車であり、大歯車46は小歯車45と噛合して回転駆動される。 【0021】なお、小歯車45及び大歯車46は、理由は後述するが閉路用のトーションバー29,35を蓄勢するときに必要とされる最大負荷トルクが小さいので、 図33に示した従来の操作装置の小歯車45及び大歯車40よりもそれぞれ小さい径のものでよい。 50は第2 のカムであり、回転軸4に固着され、大歯車46と一体となって回転する。 なお、小歯車45、大歯車40、第2のカム50、第2の回転体7、投入レバー37、投入ラッチ48、投入トリガ15、投入電磁石16及びプランジャ17により、蓄勢装置30が構成されている。 【0022】次に、開閉動作について説明する。 まず、 開路動作であるが、図37において、遮断レバー36は開路用のトーションバー28,34により常時反時計方向の回転力が与えられており、その回転力を引外しラッチ18を介して引外しトリガ19にて保持している。 この状態で引外し電磁石20が励磁されると、プランジャー21が右方向に動作し、引外しトリガ19が回転軸9 8を中心にして時計方向に回転駆動されて引外しラッチ18との係合が外れる。 すると、引外しラッチ18がピン8からの反力により反時計方向に回転し、ピン8との係合が外れる。 引外しラッチ18とピン8との係合が外れると、遮断レバー36は反時計方向に回転、可動接触子22が開路方向に駆動され、開路する。 この開路動作完了状態が、図38である。 【0023】図38からの閉路動作は、次のように行う。 図38において、カム3はリンク41を介して投入レバー37と連結されている。 投入用レバー37は、回転軸33を介して閉路用のトーションバー29,35により時計方向の回転力が与えられており、その回転力を投入ラッチ48を介して投入トリガ15にて保持している。 また、この状態にて投入電磁石16が励磁されると、プランジャ17が上方向に動作し、投入トリガ15 が回転軸25を中心にして反時計方向に回転する。 投入トリガ15が反時計方向に回転すると、投入ラッチ48 がピン49からの反力により時計方向に回転し、投入ラッチ48とピン6との係合が外れる。 【0024】ピン6が投入ラッチ48から外れると、投入レバー37は時計方向に回転し、リンク41で連結されたカム3がカム軸2を中心にして時計方向に回転し、 遮断レバー36に設けられた回転体9を押上げる。 このため、遮断レバー36は時計方向に駆動される。 遮断レバー36が時計方向に駆動されると、開路用のトーションバー28,34が時計方向にねじられ蓄勢される。 同時に、遮断レバー36の時計方向の回転により、可動接触子22が閉路方向に駆動され、遮断レバー36が時計方向に所定角度回転すると、引外しラッチ18とピン8 が係合し、引外しトリガ19と引外しラッチ18が係合する。 【0025】カム3はなおも回転しながら、引外しラッチ18とピン8との係合及び引外しトリガ19と引外しラッチ18との係合が安定するまで、回転体9を介して遮断レバー36を保持し、その後回転体9から離れ図3 9の状態になる。 この図39は閉路動作が完了し、開路用のトーションバー28,34が蓄勢し、閉路用のトーションバー29,35が放勢した状態である。 【0026】なお、遮断器の操作装置の動作責務として、図39の状態から開路する動作として閉路動作直後の再開路動作がある。 この再閉路動作は、閉路用のトーションバー29,35が放勢してまだ蓄勢されていない状態のときに、再開路指令を受けて引外し電磁石20が動作し、開路用のトーションバー28,34が放勢するとともに開閉接点10を開路するものである。 このときは、遮断器は開路状態で、閉路用のトーションバー2 9,35及び開路用のトーションバー28,34がともに放勢した状態になる。 【0027】閉路用のトーションバー29,35の蓄勢動作は、次のようにして行う。 図39に示すように閉路動作完了直後には、投入レバー37は、図37の状態から図示のように時計方向に回転した位置にあり、閉路用のトーションバー29,35は放勢状態にある。 例えば、この図39の状態から、閉路用のトーションバー2 9,35を蓄勢する。 電動機を回転させると、小歯車4 5が時計方向に駆動されこの小歯車45に噛合する大歯車46が反時計方向に回転し、この大歯車46に固定されている第2のカム50も反時計方向に回転する。 【0028】第2のカム50が反時計方向に回転し所定位置まで来ると、第2のカム50が投入レバー37に設けられた第2の回転体7に接触し押しながら回転を続け、投入レバー37及び回転軸33を反時計方向に回転させる。 投入レバー37の反時計方向の回転によって回転軸33を介して閉路用のトーションバー29,35がねじられ蓄勢される。 【0029】さらに、投入レバー37は第2のカム50 に押されて、投入ラッチ48との係合位置を少し越えて反時計方向に回転し、その後、第2のカム50は第2の回転体7から離れる。 第2のカム50が投入レバー37 (第2の回転体7)から離れると、投入レバー37は閉路用のトーションバー29,35の力により時計方向に逆回転し、上記係合位置において投入ラッチ48がピン6を介して投入レバー37を係止する。 同時に、投入ラッチ48のピン49を投入トリガ15が係止する。 従って、閉路用のトーションバー29,35による投入レバー37を時計方向に回転させようとする力が投入ラッチ48及び投入トリガ15にて保持され、蓄勢動作が完了する。 【0030】また、閉路用のトーションバー29,35 が蓄勢され投入レバー37が投入ラッチ48との係合位置に来た時点で、投入レバー37が図示しないレバースイッチを押して開路させ、電動機の電流を遮断する。 その後、電動機は慣性によりしばらく回転を続け、第2のカム50も反時計方向にしばらく回転してから停止する。 なお、投入レバー37が投入ラッチ48に係止された状態では、上記図示しないレバースイッチは開路した状態を維持する。 このようにして、再び図37に示す状態に戻る。 【0031】上記のように、第2のカム50により閉路用のトーションバー29,35をねじることにより蓄勢するので、第2のカム50の形状は、大きな力を要求される蓄勢の最終段階においても電動機や大歯車46に加わるトルクが大きくならないように、すなわち蓄勢の最初の段階から最終段階までの間ほぼ一定の負荷トルクとなるようなカム曲線を有するものにする。 これにより、 電動機を始め、小歯車45、大歯車46の大きさを小さくできる。 【0032】 【発明が解決しようとする課題】上記のようなトーションバーの蓄勢にカムを用いた従来の遮断器の操作装置においては、閉路用のトーションバー29,35の蓄勢が完了し、電動機への給電が遮断された後、第2のカム5 0は電動機の慣性回転により反時計方向に過回転してから停止する。 この慣性による過回転角度は、摩擦抵抗の大きさによって変化する。 摩擦抵抗は、蓄勢装置を構成する各部品の寸法関係や潤滑油の粘度等の影響を受け、 温度が変化するとかなり変動する。 また、摩擦抵抗は、 経年変化する。 従って、第2のカム50の停止位置は、 一定せず、所定の回転角度位置の範囲を外れて、その手前で停止したり、あるいは行き過ぎて停止するおそれがあった。 【0033】第2のカム50が、所定の回転角度位置より手前すなわち所定の停止範囲より時計方向側にて停止すると、開閉接点10の閉路及び開路用のトーションバー28,34の蓄勢のために投入ラッチ48による投入レバー37の係止を解除したときに、投入レバー37が第2のカム50と衝突し、閉路動作が途中で止まってしまうおそれがある。 また、投入レバー37が第2のカム50に衝突して、大きな衝撃が発生する。 【0034】また、投入レバー37が投入ラッチ48との係合位置に来た時点で、レバースイッチを押して開路させ電動機の電流を遮断するが、投入レバー37と投入ラッチ48とを係合させるために電動機の慣性に頼って投入レバー37を少し反時計方向に過回転させなければならない。 この過回転させる値が大きいとそれだけ大きなエネルギーを要することになるので、電動機の慣性力に頼って過回転させるとすれば、過回転の途中で電動機が停止してしまわないように過回転の値を十分に小さくする必要があり、各部品を精密に作らなければならない。 このために、費用の増加を招く。 【0035】なお、第2のカム50を所定の停止範囲に停止させるために、ブレーキ付きの電動機を用いることも考えられるが、費用が高くなる。 【0036】この発明は、上記のような問題点を解消して、小形軽量化が可能で、また安価な開閉機器の操作装置を得ることを目的とする。 【0037】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の開閉機器の操作装置は、開閉接点駆動装置と、保持装置と、蓄勢装置とを有するものであって、開閉接点駆動装置は、回転可能に設けられ開閉機器の開閉接点に連結される蓄勢用レバーと、この蓄勢用レバーに連結されたエネルギー蓄積手段とを有し、保持装置は、 係止レバーを有し、蓄勢装置は、電動機により所定方向に回転駆動されるカムと、電流遮断手段と、制動手段とを有し、蓄勢装置のカムは所定方向に回転して第1の回転角度位置から蓄勢用レバーとの接触を開始し蓄勢用レバーを蓄勢方向に回転駆動してエネルギー蓄積手段を蓄勢して蓄勢用レバーを蓄勢方向と逆方向に回転しないように保持装置の係止レバーにより係止させることによりエネルギー蓄積手段を蓄勢状態に保持させ、さらに所定方向に回転して蓄勢用レバーから離れ、カムが第1の回転角度位置から第1の所定回転角度回転した第2の回転角度位置に来たとき電流遮断手段が動作して電動機の電流を遮断し、さらにカムは電動機の慣性回転により回転を続け第2の回転角度位置から第2の所定回転角度回転した第3の回転角度位置において制動手段により制動されて所定の回転角度位置範囲内に停止するものである。 制動手段により制動し、温度変化や経年変化等にともなう摩擦抵抗の変化によるカムの過回転のばらつきを抑制し、所定の回転角度位置範囲内に停止させ、エネルギー蓄積手段が放勢して蓄勢用レバーが蓄勢方向と逆方向に回転したときにカムに衝突して、衝撃が発生するのを防止する。 さらに、制動手段により電動機の慣性回転の終りであって、慣性エネルギーが減少した後に、カムを制動するので、制動に要するエネルギーも小さく、簡易な制動手段とすることができる。 【0038】そして、保持装置は、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるとき係止レバーが蓄勢用レバーの係止を解除するのを禁止する蓄勢用レバー動作禁止手段を有するものであることを特徴とする。 蓄勢用レバー動作禁止手段により、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止の解除を行うことができないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 【0039】さらに、蓄勢装置は、蓄勢レバーが係止レバーに係止されているとき電動機の動作を禁止する電動機動作禁止手段を有するものであることを特徴とする。 蓄勢レバーが係止レバーに係止されているときは、すでにエネルギー蓄積手段は蓄勢されているので、電動機が無駄な蓄勢動作をしないようにする。 【0040】また、保持装置はカムが所定の回転角度位置範囲外にあるとき係止レバーが蓄勢用レバーの係止を解除するのを禁止する蓄勢用レバー動作禁止手段を有するものであり、蓄勢装置は蓄勢レバーが係止レバーに係止されているとき電動機の動作を禁止する電動機動作禁止手段を有するものであることを特徴とする。 蓄勢用レバー動作禁止手段により、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止の解除を行うことができないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 また、蓄勢レバーが係止レバーに係止されているときは、すでにエネルギー蓄積手段は蓄勢されているので、電動機が無駄な蓄勢動作をしないようにする。 【0041】そして、係止レバーは回転可能に設けられたものであって回転可能に設けられた投入トリガにて係止されることにより蓄勢用レバーを蓄勢状態に保持し投入トリガを電磁石のプランジャに回動可能に連結された回動部材により回転駆動することにより投入トリガによる係止レバーの係止を解除して蓄勢用レバーの係止を解除するものであり、蓄勢用レバー動作禁止手段はカムに押されて回動部材を回動させプランジャが動作しても投入トリガを回転駆動しないようにする操作部材であることを特徴とする。 カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、カムにより操作部材を押して回動部材を回動させプランジャが動作しても投入トリガを回転駆動しないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 【0042】さらに、電動機動作禁止手段は、係止レバーに蓄勢用レバーが係止されているときに蓄勢用レバーにて動作するレバースイッチであることを特徴とする。 簡易な手段としてレバースイッチを用い、レバースイッチが動作しているとき、電動機に電流を供給できないようにする。 【0043】また、制動手段は、所定の弾性を有する弾性部材であって、カムが第3の回転角度位置に来たときカムに押されて弾性変形しながらカムと摺動してカムの回転を制動するものであることを特徴とする。 弾性部材を用いるので構成が簡易となり、装置を小形で安価にできる。 【0044】そして、制動手段は、蓄勢用レバーに連結された連結部材であって、係止レバーに蓄勢用レバーが係止されているときはカムが第3の回転角度位置に来たときにカムに当接してカムを制動しうる位置にあり、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されているときはカムと接触しない位置にあるものであることを特徴とする。 エネルギー蓄積手段を蓄勢するときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されているが、このとき連結部材はカムと接触しない位置にあるようにして、蓄勢時に連結部材がカムに負荷をかけないようにしている。 【0045】さらに、開閉接点駆動装置の蓄勢用レバーは、エネルギー蓄積手段に連結された第1のレバーと、 この第1のレバーと連結されカムによって回転駆動される第2のレバーとを有するものであることを特徴とする。 第2のレバーを設けて、この第2のレバーを回転駆動するので、第1のレバー周りにカム及び係止レバーを設けなくてよく、構成の自由度が高くなる。 【0046】また、エネルギー蓄積手段は、蓄勢用レバーに連結されねじられて弾性変形するトーションバーであることを特徴とする。 トーションバーを用いることにより、エネルギー効率がよい、応力集中のないエネルギー蓄積手段を実現できる。 【0047】そして、エネルギー蓄積手段は、蓄勢用レバーに連結され圧縮されて又は引張られて弾性変形するコイルばねであることを特徴とする。 コンパクトなエネルギー蓄積手段を実現できる。 【0048】さらに、カムは、蓄勢用レバーを回転駆動してエネルギー蓄積手段を蓄勢するとき、電動機がほぼ一定の負荷トルクを受けるカム曲線を有するものであることを特徴とする。 閉路用のエネルギー蓄積手段の蓄勢時における電動機の負荷トルクをほぼ一定にでき、電動機及び蓄勢装置の部品に加わる最大トルクを低減できる。 【0049】また、開閉機器は、遮断器であることを特徴とする。 遮断器に用いて好適な操作装置を得ることができる。 【0050】 【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1〜図9はこの発明の実施の一形態を示すもので、図1は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバー及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図2 は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態で、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【0051】図3は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態で、投入レバーが時計方向に回転して停止しており、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図4は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態から蓄勢動作を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【0052】図5は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢した状態で、閉路用のトーションバーを蓄勢した後第2のカムがカムスイッチに接触したときの状態を示す。 図6は、閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路用のトーションバーが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【0053】図7は、閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路用のトーションバーが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図8は、閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図7の状態から閉路用のトーションバーの蓄勢を開始し、 第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【0054】図9は、閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図8の状態から閉路用のトーションバーを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 なお、図1〜図5においては、構成要素が輻輳するのを避けるために、図6〜図9では図示しているレバー15 2、回転軸153、ばね154、カムスイッチ156、 弾性制動片159の図示を省略している。 また、カム軸2、カム3、リンク47は、便宜上2点鎖線の仮想線で表している。 これらの構成要素の詳細は後述する。 【0055】これらの図において、31は蓄勢装置であり、次のように構成されている。 小歯車45、大歯車4 6、第2のカム50、第2の回転体7、蓄勢用レバーとしての投入レバー37、投入ラッチ48、投入トリガ1 5、投入電磁石16及びプランジャ17は、図35〜図38に示した従来の蓄勢装置30におけるものと同様のものである。 図6〜図9において、151は第2のカム50に固着された円弧状の突起部である。 152はレバーであり、回転軸153に回転可能に支持され、ばね1 54によって常に時計方向に回転する力が与えられている。 【0056】155は電動機動作禁止手段としてのレバースイッチであり、閉路用のトーションバー29,35 が蓄勢され投入レバー37が投入ラッチ48に係止されているとき、投入レバー37に押されて開路している。 なお、レバースイッチ155は従来設けられているものと同様のものであり、図35〜図38に示した従来のものにおいては図示が省略されているものである。 156 は電流遮断手段としてのカムスイッチであり、レバー1 52に押されることによって開路する。 レバースイッチ155とカムスイッチ156とは、電気的に並列に接続され、両スイッチ155,156がともに開路することで初めて図示しない電動機の電流が遮断される。 【0057】158はトリガレバーであり、投入電磁石16のプランジャ17とピン157にて回転可能に連結されている。 159は板状のばね鋼で形成された弾性制動片であり、基部159aが筐体1に固定され、鈎状に曲げられた先端部159bが基部159aを固定点として弾性変形してカム軸4の径方向に移動しうるようにされている。 そして、先端部159bは、第2のカム50 が回転軸4回りに回転するときに第2のカム50の外周部に弾性変形しながら摺動し、第2のカム50の回転を制動する。 【0058】ここで、第2のカム50に設けられた突起部151にて動作するレバー152とプランジャ17にピン157にて連結された回転部材としてのトリガーレバー158が、この発明における蓄勢用レバー動作禁止手段である。 なお、第2のカム50は、投入レバー37 を反時計方向に回転させて、閉路用のトーションバー2 9,35の蓄勢を開始してから蓄勢を終わるまでの間に、図示しない電動機が受ける負荷トルクがほぼ一定となるようなカム曲線を有している。 【0059】この実施の形態における蓄勢装置31は、 以上のように、図35〜図38に示した従来の蓄勢装置30を構成する小歯車45、大歯車46、第2のカム5 0、第2の回転体7、投入レバー37、レバースイッチ155、投入レバー37、投入ラッチ48、投入トリガ15、投入電磁石16及びプランジャ17に加えて、突起部151、レバー152、回転軸153、ばね15 4、カムスイッチ156、ピン157、トリガレバー1 58、弾性制動片159を設けたものである。 【0060】次に、動作を説明する。 閉路用及び開路用のトーションバー29,35,28,34が蓄勢され、 蓄勢装置31が図6の状態にあるとき、遮断器の操作装置は図1に示す状態にある。 まず、開路動作であるが、 図1の状態で引外し電磁石20を励磁してプランジャ2 1により引外しトリガ19を回転軸98を中心に時計方向に回転させると、引外しトリガ19による引外しラッチ18の係止が外れる。 【0061】引外しトリガ19による係止が外れると、 遮断レバー36から反力を受けている引外しラッチ18 は回転軸75を中心にしてばね43に抗して反時計方向に回転し、ピン8すなわち遮断レバー36の係止を解除する。 すると、開路用のトーションバー28,34の放勢により遮断レバー36が反時計方向に回転して、開閉接点10を開路し、図2の状態になる。 このとき、第2 のカム50は動かず、投入レバー37も投入ラッチ48 に係止されたままであり、図6の状態を維持している。 【0062】この図2の開路状態で投入電磁石16を励磁すると、プランジャ17が動作してプランジャ17と直線状をなす状態にあるトリガレバー158により投入トリガ15が回転軸25を中心にして反時計方向に回転駆動される。 そして、投入トリガ15による投入ラッチ48を介しての投入レバー37の係止が解除され、閉路用のトーションバー35の端部に固着された投入レバー37が回転軸33を介して閉路用のトーションバー2 9,35の放勢力を受け時計方向に回転する。 【0063】このとき、投入レバー37にリンク41を介して連結されたカム3が時計方向に回転し、図2の状態にある遮断レバー36を時計方向に駆動し、開閉接点10を閉路するとともに、開路用のトーションバー2 8,34を蓄勢する。 そして、図3のように開閉接点1 0が閉路状態で、開路用のトーションバー28,34が蓄勢され、閉路用のトーションバー29,35が放勢した状態となる。 【0064】この図3の閉路用のトーションバー29, 35が放勢した状態から、閉路用のトーションバー2 9,35を蓄勢する。 この状態では、投入レバー37は時計方向に回転してレバースイッチ155から離れ、レバースイッチ155は閉路している。 よって、電動機に電力を供給することが可能である。 電動機を回転させると、小歯車45が時計方向に駆動されこの小歯車45に噛合する大歯車46が反時計方向に回転する。 そして、 この大歯車46に固定されている第2のカム50も反時計方向に回転し、弾性制動片の159の先端部159b をその弾性力に抗して外方に押しながら通過し、弾性制動片159から離れる。 【0065】そして、第2のカム50が回転し、第2のカム50が第1の回転角度位置POS1まで来ると、第2のカム50は図4、図8に示すように、投入レバー3 7に設けられた第2の回転体7に当接する。 ここで、第2のカム50の回転角度位置を表す第1の回転角度位置POS1を始め、以下の動作説明における第2の回転角度位置POS2、第3の回転角度位置POS3及び所定の回転角度範囲Δθは、便宜上第2のカムの最大径部5 0aを基準として、図示している。 そして、回転体7を介して投入レバー37を押し上げながら回転を続け、投入レバー37を回転軸33回りに反時計方向に回転させる。 さらに、第2のカムが回転して、最大径部50aが所定の回転角度位置まで来ると、第2のカム50に押されて反時計方向に回転してきた投入レバー37がレバースイッチ155を押して開路させる。 【0066】レバースイッチ155が投入レバー37に押されて開路しても、カムスイッチ156は開路していないので、電動機は回転を続け、第2のカム50も回転を続ける。 その後、第2のカム50は、投入レバー37 を投入ラッチ48との係合位置を少し越えて反時計方向に回転させ、さらに第2のカムの回転にともない、投入レバー37は閉路用のトーションバー29,35の力により時計方向に少し逆回転し、投入レバー37がピン6 を介して投入ラッチ48により係止される。 このようにして、閉路用のトーションバー29,35による投入レバー37を時計方向に回転させようとする力が投入ラッチ48にて保持され、蓄勢が完了する。 【0067】レバー152は、ばね154によって常時時計方向に回転するように付勢されており、閉路用のトーションバー29,35を蓄勢したすぐ後の状態では、 レバー152は、投入電磁石16のプランジャ17に連結されているトリガレバー158を押して時計方向に所定位置まで回転させた状態にしている。 第2のカム50 の回転角度位置は異なるが、トリガーレバー158は図8と同じ状態にある。 この状態で閉路指令が発せられてプランジャ17が移動しても、トリガレバー158は投入トリガ15と接触することはないので閉路動作は行われない。 【0068】その後、第2のカム50は回転を続け、第2の回転体7から離れる。 第2のカム50が、第2の回転体7から離れた後、さらに電動機は回転を続け、第2 のカム50が上記第1の回転角度位置POS1から第1 の所定角度回転して、最大径部50aが第2の回転角度位置POS2に来たとき、第2のカム50に固着された突起部151が、レバー152に当接して、レバー15 2を回転軸153回りに反時計方向に回転させる。 【0069】レバー152の回転にともない、レバー1 52に押されていたトリガレバー158は、図示しないばねにより押されレバー152の動きに追従しながら連結ピン157回りに反時計方向に回転し、プランジャ1 7と直線状をなす状態になる。 この状態では、プランジャ17が駆動されたとき、トリガレバー158により投入トリガ15を反時計方向に回転駆動することが可能になる。 また、レバー152の反時計方向の回転により、 カムスイッチ156が押されて開路する。 【0070】この時点で、両スイッチ155,156がともに開路した状態になり、電動機の電流が遮断される。 電動機の電流が遮断された後も、その回転子の慣性により回転を続けるので、大歯車46及び第2のカム5 0も回転を続ける。 しかし、大歯車45及び第2のカム50の回転は、小歯車45、大歯車46他の摩擦抵抗により減速し、さらに減速の終りの段階で第2のカム50 が第2の回転角度位置POS2から所定角度回転し、最大径部50aが第3の回転角度位置POS3に来ると、 第2のカム50の外周部が弾性制動片159に強く接触して制動されて所定の回転角度位置範囲Δθ内(図6参照)に停止する。 【0071】なお、この回転角度位置範囲Δθは、投入ラッチ48による投入レバー37の係止が解除されて投入レバー37が時計方向に回転するときに、第2のカムに衝突するおそれがないような回転角度位置の範囲に定める。 また、弾性制動片159の強さは、摩擦抵抗の変化があっても上記回転角度位置範囲Δθ内に確実に停止させることができるような強さに選定する。 なお、この実施の形態では、第2のカム50が弾性制動片159に当接してからすぐに停止するようにしているが、第2のカム50が弾性制動片159を弾性変形させながら通過して弾性制動片159から離れた後に停止するようにしてもよい。 【0072】このようにして、図1及び図6に示す遮断器が閉路状態にあり、開路用のトーションバー28,3 4及び閉路用のトーションバー29,35がともに蓄勢し、第2のカム50が所定の回転角度位置範囲Δθ内に停止した状態になる。 この状態になって初めてトリガレバー158は投入トリガ15に当接して投入トリガ15 を押すことができるので閉路動作が可能となる。 【0073】また、図3の状態において、開路動作が行われると、開路用のトーションバー28,34及び閉路用のトーションバー29,35がともに放勢した状態になる。 しかし、第2のカム50の位置は変わらず、この状態から上述したのと同様にして閉路用のトーションバー29,35を蓄勢して、再び図2及び図6の状態となり、遮断器の閉路動作が可能な状態となる。 【0074】以上において、第2のカム50の回転角度位置を図示するのに、便宜上第2のカムの最大径部50 aを基準として図示した。 しかし、第2のカム50の他の部分を、例えば図4において閉路用のトーションバー29,35の蓄勢時に第2のカム50が投入レバー37 の回転体7に最初に触れる接触部等、任意の部分を基準に定めても同様である。 この場合は、基準をどこの部位にするかによって、第1ないし第3の回転角度位置や所定の回転角度位置範囲を図示したときの位置は変わるが、これらの相対的な回転角度の位置関係は変わらない。 以下の実施の形態においても、同様である。 【0075】この発明の実施の形態1に係る遮断器の操作装置は、以上のように構成されているので、カムスイッチ156を設けて第2のカム50の最大径部50aが第2の回転角度位置POS2に来るまでは電動機の電流を遮断しないようにし、第1の回転角度位置POS1と第2のP回転角度位置POS2との間で第2のカム50 が停止して投入レバー47が衝突するおそれがないようにした。 【0076】また、弾性制動片159により制動するので、温度変化や経年変化等にともなう摩擦抵抗の変化による第2のカムの過回転のばらつきを抑制し、所定の回転角度位置範囲Δθ内に停止させることができる。 さらに、弾性制動片159により電動機の慣性回転の最終段階であって、慣性エネルギーが減少した後に、第2のカム50を制動する。 従って、制動に要するエネルギーも小さく、簡易な制動装置とすることができ、装置を小形で安価にできる。 【0077】さらに、第2のカム50の最大径部50a が第2の回転角度位置POS2に来て、第2のカム50 に設けられた突起部151がレバー152を反時計方向に回転させるまでは、レバー152がトリガレバー15 8を時計方向に押して回転させた状態にあるので、プランジャ17が駆動されても投入トリガ15を反時計方向に駆動するおそれはない。 【0078】すなわち、第2のカム50が所定の回転角度位置範囲外にあるときは、投入トリガ15を動作させて投入ラッチ48による投入レバー37の係止の解除を行うことができない。 従って、投入ラッチ48による投入レバー37の係止が解除されて、投入レバー37が時計方向に回転して第2の回転体7が第2のカム50と衝突して大きな衝撃が発生するのを防止できる。 【0079】なお、プランジャ17により投入トリガ1 5を動作させ閉路動作が可能となるのは、図6あるいは図7におけるように突起部151がレバー152を反時計方向に回転させ、トリガレバー158がプランジャ1 7に対して直線状になっているときだけである。 この状態では閉路用のトーションバー29,35の放勢、すなわち閉路動作が起こっても第2のカム50は第2の回転体7と衝突しない位置にある。 【0080】また、レバースイッチ155、カムスイッチ156のいずれかが故障して、小歯車45が回転し続けたとしても、第2のカム50に設けられた突起部15 1がレバー152を押して開路させていない場合には、 トリガレバー158がレバー152に押されて時計方向に回転した状態にあるので、プランジャ17が動作しても投入トリガ15とピン49の係止は解除されず閉路動作はできないので、投入レバー37が回転中の第2のカム50に衝突するのを防止できる。 【0081】また、レバースイッチ155、カムスイッチ156の故障により電動機が回転を続けていて、第2 のカム50の最大径部50aが所定の回転角度位置範囲Δθ内にあるときは、突起部151がレバー152を押してプランジャ17とトリガレバー158とが直線状になっているので、閉路動作が可能である。 しかし、閉路動作をしたとしても、第2の回転体7は第2のカム50 に衝突することはない。 【0082】なお、エネルギー蓄積手段としてのトーションバーは、トーションバー自体の極慣性モーメントしか持たないのでエネルギー効率がよい、応力集中がない等の利点があり、大きなエネルギーを要する比較的大形の遮断器等の操作装置に適している。 【0083】実施の形態2. 図10〜図19は、この発明の他の実施の形態を示すもので、図10は遮断器の操作装置の斜視図である。 図11は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばね及び閉路コイルばねがともに蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図12は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態で、開路コイルばねが放勢し、閉路コイルばねが蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【0084】図13は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢し、閉路コイルばねが放勢した状態で、時計方向に回転して停止しており、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図1 4は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢し、閉路コイルばねが放勢した状態でから蓄勢動作を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【0085】図15は、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢した状態で、閉路コイルばねを蓄勢し終わり第2のカムがカムスイッチに接触したときの状態を示す。 【0086】図16は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図17は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【0087】図18は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図17の状態から閉路コイルばねの蓄勢を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 図19は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図18の状態から閉路コイルばねを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 【0088】先に示した実施の形態1は、遮断器の開閉接点の操作力としてトーションバーの弾性力を用いるものであった。 これに対し、この実施の形態2は、遮断器の開閉接点の操作力としてコイルばねの弾性力を用いるものである。 トーションバーとコイルばねとの形状の相違により、構成上若干の差があるが、作用効果は実施の形態1と同様のものである。 【0089】以下、実施の形態1と相違する部分を中心に説明する。 なお、図11〜図15においては、構成要素が輻輳するのを避けるために、図16〜図19では図示しているレバー152、回転軸153、ばね154、 カムスイッチ156、弾性制動片159の図示を省略している。 また、カム軸2、カム3、リンク47は、便宜上2点鎖線の仮想線で表している。 【0090】これらの図において、遮断レバー36は、 筐体1に回転自在に支持され回転軸56に固定支持されている。 60は開路コイルばねであり、遮断レバー36 に連結され、遮断レバー36に反時計方向の回転力を与える。 投入レバー37は、筐体1に回転自在に支持された回転軸57に固定支持されている。 77は閉路コイルばねであり、投入レバー37に連結され、投入レバー3 7に時計方向の回転力を与える。 【0091】なお、閉路コイルばね77により開路コイルばね60を蓄勢するために、閉路コイルばね77の蓄勢エネルギーを開路コイルばね60のそれよりも大きくしている。 その他の構成については、図1〜図9に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。 【0092】動作についても、実施の形態1と同様であるが、図11においては、閉路及び開路コイルばね7 7,60が圧縮された状態で蓄勢されており、蓄勢装置は図16に示す状態にある。 蓄勢装置31による閉路コイルばね77の蓄勢は、図13の閉路コイルばね77が放勢し伸張した状態であって、蓄勢装置31の第2のカム50が図17に示す所定の回転角度位置範囲Δθ内(図16参照)に停止している状態から行う。 【0093】実施の形態1で説明したのと同様に、第2 のカム50が反時計方向に回転して、図14及び図18 に示すように、最大径部50aが第1の回転角度位置P OS1に来たとき、第2のカム50が投入レバー37の第2の回転体7に接触し、さらに回転して閉路コイルばね77を蓄勢する。 【0094】そして、図15及び図19に示すように、 最大径部50aが第2の回転角度位置POS2に来たとき、第2のカム50に設けられた突起部151がレバー152を動作させて、電動機の電流を遮断する。 電動機は慣性により回転を続け、図11及び図16に示すように最大径部50aが第3の回転角度位置POS3に来たとき、第2のカム50の外周部が弾性制動片159に強く接触して制動され、所定の回転角度位置範囲Δθ内(図16参照)に停止する。 【0095】なお、図11において、開路操作を行うと、引外し電磁石20が励磁されるとプランジャー21 が動作し、引外しラッチ18による遮断レバー36の係止が解除され、開路コイルばね60が放勢して伸張し、 開閉接点10が開路して図12の状態になる。 【0096】この図12の状態で、投入電磁石16を励磁して閉路操作を行うと、プランジャ17が動作してプランジャ17と直線状をなす状態にあるトリガレバー1 58により投入トリガ15が回転軸25を中心にして反時計方向に回転駆動される。 そして、投入トリガ15による投入ラッチ48を介しての投入レバー37の係止が解除され、投入レバー37が閉路コイルばね77のばね力により時計方向に回転する。 【0097】このとき、投入レバー37にリンク41を介して連結されたカム3が時計方向に回転し、図12の状態にある遮断レバー36を時計方向に駆動し、開閉接点10を閉路するとともに、開路コイルばね60を蓄勢する。 そして、図13のように開閉接点10が閉路状態で、開路コイルばね60が蓄勢され、閉路コイルばね7 7が放勢した図13の状態となる。 この図13の閉路コイルばね77が放勢した状態から、上述のように閉路コイルばね77を圧縮し、蓄勢するのも、実施の形態1で説明したのと同様である。 【0098】なお、図13の状態において、開路動作が行われると、開路コイルばね60及び閉路コイルばね7 7がともに放勢した状態になる。 しかし、第2のカム5 0の位置は変わらず、この状態から上述したのと同様にして閉路コイルばね77を蓄勢して、図12及び図16 の状態となり、遮断器の閉路動作が可能な状態となる。 【0099】この発明の実施の形態2に係る遮断器の操作装置は、以上のように構成され、エネルギー蓄積手段としてコイルばねを用いるものにおいても、同様の効果を奏する。 この実施の形態2に係る遮断器の操作装置は、開路用及び閉路用のトーションバーの代わりにコイルばねを用いているので、素線自体の極慣性モーメントと片方固定で他方運動の場合のコイルばね自体の慣性質量(コイルばねの全質量の約3分の1)とを持っており、トーションバーと比べるとエネルギー効率は悪いが、エネルギー蓄積手段としてコンパクトにでき、それほど大きなエネルギーを必要としない比較的中小形の遮断器の操作装置に適している。 【0100】実施の形態3. さらに、この発明の他の実施の形態を示す遮断器の操作装置を、図20〜図28について説明する。 図20は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、閉路コイルばね及び開路コイルばねがともに蓄勢した状態を示す。 図21は、 図20の状態から開路動作をする途中の状態を示している。 図22は遮断器の操作装置の要部構成図であり、図21の状態から開路動作が完了し、閉路コイルバネが蓄勢しており、開路コイルばねが放勢した状態を示す。 【0101】図23は遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、閉路コイルばねが放勢し、 開路コイルばねが蓄勢した状態を示す。 図24は遮断器の操作装置の要部構成図であり、高速再閉路動作の直後に2度目の開路動作を完了した状態で、遮断器が開路状態で、閉路コイルばね及び開路コイルばねがともに放勢した状態を示す。 【0102】図25は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 図26は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【0103】図27は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図26の状態から閉路コイルばねの蓄勢を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 図28は、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図27の状態から閉路コイルばねを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 【0104】これらの図において、51は図示しない筐体に固着された主軸、52は主軸51回りに回転可能に設けた第1の遮断レバーである。 53は第1のリンク、 54は第2のリンク、55は主軸51回りに回転可能に設けた第2の遮断レバーである。 56は第1の遮断レバー52と第1のリンク53を連結するピン、57は第1 のリンク53と第2のリンク54を連結するピンである。 【0105】58は第2のリンク54と第2の遮断レバー55を連結するピン、59はピン57と同軸に設けられた回転体である。 第1及び第2のリンク53,54を屈伸自由な連結部47aを形成するようにピン57によって連結し、これら第1及び第2のリンク53,54、 ピン57、回転体59がリンク装置47を構成している。 【0106】10は遮断器の主回路の開閉接点であり、 固定接触子13及び可動接触子22を有する。 23はリンク機構であり、可動接触子22がリンク機構23を介して第1の遮断レバー52に連結されている。 42は緩衝器、60は開路用のエネルギー蓄積手段としての開路コイルばね、61はロッドであり、開路コイルばね60 及び緩衝器42はロッド61を介して第1の遮断レバー52に連結されている。 【0107】62はガイドであり、案内面としての円弧面62aと、ガイド62の本体部に固着されたピン62 bを有しており、ピン62bは後述の第2の引外しラッチ67と係合可能にされている。 63は回転軸であり、 ガイド62を回転可能に支持している。 そして、円弧面62aの円弧の中心は、ガイド62が後述の第1の引外しラッチ69に係止されているとき主軸51の軸心上にある。 64は第2の遮断レバー55に設けられたピンである。 【0108】65はばねであり、ガイド62を回転軸6 3回りに時計方向に回転するように付勢する。 66はガイド62に設けられたピンである。 67は第2の引外しラッチであり、先端部斜面67a及び角67bを有し、 回転軸63回りに回転可能に取付けられており、遮断レバー55に設けられたピン64と係合する。 68はばねであり、第2の引外しラッチ67を回転軸63回りに時計方向に回転するように付勢する。 69は第1の引外しラッチ、70は回転軸である。 第1の引外しラッチ69 は回転軸70回りに回転可能に取付けられており、ピン66に係合する。 【0109】71は第1の引外しラッチ69に設けられたピン、72はばね、73は引外しトリガ、74は回転軸である。 ばね72は、第1の引外しラッチ69を回転軸70回りに時計方向に回転するように付勢する。 引外しトリガ73は回転軸74回りに回転可能に取付けられており、引外しトリガ73はピン71に係合する。 75 はばねであり、引外しトリガ73を回転軸74回りに反時計方向に回転するように付勢する。 20は引外し電磁石で、プランジャー21を有する。 【0110】76は投入レバーであり、主軸51回りに回転可能に設けられている。 77は閉路コイルばね、7 8はロッドであり、閉路コイルばね77はロッド78を介して投入レバー76に連結されていて、投入レバー7 6を主軸51回りに時計方向に回転するように付勢する。 87は投入レバー76に設けたピンであり、投入レバー76の回転にともない第2の遮断レバー55と接離する。 【0111】また、図25に示すレバー88(詳細後述)が図20における投入レバー76の手前側に主軸5 1回りに回転可能に設けられるとともに投入レバー76 と一体になって回転するように投入レバー76に連結されている。 なお、閉路コイルばね77により開路コイルばね60を蓄勢するために、閉路コイルばね77の蓄勢エネルギーを開路コイルばね60のそれよりも大きくしている。 【0112】次に、蓄勢装置81の構成を図25により説明する。 図25において、上述のようにレバー88が図20に示した投入レバー76と一体になって主軸51 回りに回転するようにして設けられている。 このように、投入レバー76と連動するレバー88を別に設けて、このレバー88を回転させることにより、閉路コイルばね77を蓄勢するようにしているのは、後述する蓄勢装置81周りに構成要素が輻輳して設けられるのを避けるためである。 【0113】図25において、実施の形態1の図6における投入レバー37の代わりに、レバー88を用いている。 また、この実施の形態では、図20に示した投入レバー76、リンク装置47、第2の遮断レバー55、ガイド62によるリンク機構を使って開閉接点10の開閉及び開路コイルばね60の蓄勢を行っているので、図6 におけるカム軸2、カム3、回転軸4は不要である。 その他の構成については、図6に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。 【0114】以下、閉路状態から開路、再閉路、再開路の動作を順に説明する。 図20は遮断器が閉路状態であるときを示し、第1の遮断レバー52は蓄勢した開路コイルばね60により反時計方向の回転力が与えられている。 一方、第2の遮断レバー55はピン64が第2の引外しラッチ67に係合することによって係止されている。 【0115】このため、第1のリンク53及び第2のリンク54は、第1の遮断レバー52と第2の遮断レバー55の両者から力を受けるので、リンク装置47の連結部47aに設けられた回転体59にはガイド62の円弧面62aを押す方向の力が生じている。 このとき、ガイド62に回転軸63回りの反時計方向の回転力が生じるが、ガイド62は第1の引外しラッチ69がピン66に係合することによって係止され、第1の引外しラッチ6 9は引外しトリガ73がピン71に係合することによって保持されている。 【0116】まず、図20の閉路状態からの開路動作について説明する。 開路指令により引外し電磁石20が励磁されるとプランジャー21が右方向に動作し、引外しトリガ73がばね75に抗して回転軸74回りに時計方向に回転する。 すると、引外しトリガ73とピン71との係合が外れ、第1の引外しラッチ69がガイド62のピン66からの反力により反時計方向に回転する。 第1 の引外しラッチ69が反時計方向に回転しピン66から外れると、回転体59が円弧面62aを押しているので、ガイド62はコイルばね65に抗して反時計方向に回転を始め、開路コイルばね60からトルクを受けている第1の遮断レバー52が反時計方向の回転を開始する。 【0117】このとき同時にガイド62のピン62bが第2の引外しラッチ67を押して、第2の引外しラッチ67はばね68に抗して反時計方向に回転し、第2の引外しラッチ67による第2の遮断レバー55に設けられたピン64の係合が外れて、第2の遮断レバー55の係止が解除され始める。 この開路途中の状態が、図21である。 【0118】以下、主として図21を参照しながら、開路動作が完了するまでの過程を説明する。 第2の引外しラッチ67によるピン64、すなわち第2の遮断レバー55の係止が外れると、第2の遮断レバー55は回転可能となる。 また、ガイド62がコイルばね65により時計方向の回転を開始して、回転体59を押し戻し始める。 このとき、第1の遮断レバー52は反時計方向の回転を続けているので、回転可能となった第2の遮断レバー55も反時計方向に回転を開始する。 【0119】そして、第2の遮断レバー55が最終的に投入レバー76のピン87に当接して停止し、第2の遮断レバー55とピン87の位置関係は図22に示す状態になる。 すなわち、第1の遮断レバー52は所定回転角に達して停止し、可動接触子22が固定接触子12から開離するとともに開路動作が完了する。 【0120】また、ガイド62はばね65により時計方向に押されているので、第2の遮断レバー55が反時計方向に回転するとき回転体59と当接しながらピン66 が第1の引外しラッチ69に係合するまで時計方向に回転した後、ストッパー(図示せず)に当接して停止する。 同時に、第1の引外しラッチ69がコイルばね72 の作用によって時計方向に回転してピン66に係合し、 引外しトリガ73がコイルばね75の作用によって反時計方向に回転して第1の引外しラッチ69のピン71に係合する。 このようにしてガイド62が係止される。 すなわち、開路動作の完了時には、ガイド62は第1の引外しラッチ69に係止された状態になっている。 この状態が図22である。 【0121】次に閉路動作について説明する。 図22は開路動作が完了し、開路コイルばね60が放勢し、閉路コイルばね77が蓄勢した状態であり、この状態においては投入レバー76はロッド78を介して閉路コイルばね77により常時時計方向の回転力が与えられている。 投入レバー76は投入レバー76と一体になって回転するレバー88(図25)が投入ラッチ48に係止され、 さらに投入ラッチ48がレバー88に設けられたピン4 9を係止することによって、閉路コイルばね77を蓄勢状態に保持している。 【0122】この図22の状態から、閉路指令により投入電磁石16が励磁されるとプランジャー17が右方向に動作し、このプランジャ17に連結されプランジャ1 7と直線状をなす状態にあるトリガレバー158が、投入トリガ15をばね44の力に抗して回転軸25回りに反時計方向に回転駆動する。 これにより、投入トリガ1 5とピン49との係合が外れ、投入ラッチ48がレバー88のピン6からの反力により時計方向に回転する。 【0123】投入ラッチ48が時計方向に回転すると、 ピン6との係合が外れ、閉路コイルばね77からトルクを受けているレバー88及びこのレバー88に連結された投入レバー76が時計方向に回転を始める。 同時に、 投入レバー76に設けられたピン87が第2の遮断レバー55を押して、第2の遮断レバー55が時計方向に回転を開始する。 【0124】ガイド62は第1の引外しラッチ69によって係止されており、回転体59はガイド62の円弧面62aに当接し回転しながら移動するため、主軸51を中心とした円弧の軌跡を描く運動しかできないので、第2のリンク54、回転体59、第1のリンク53及び第1の遮断レバー52が一体となって、第2の遮断レバー55の回転に連動して、主軸51の回りに時計方向に回転し、可動接触子22が閉路方向に駆動される。 同時に、第1の遮断レバー52に連結された開路コイルばね60が圧縮され蓄勢される。 【0125】第2の遮断レバー55は回転を続け、第2 の遮断レバー55に設けられたピン64が第2の引外しラッチ67の先端部斜面67aに当接して、第2の引外しラッチ67が反時計方向に回転する。 そして、ピン6 4が角67bを越えると、ばね68の作用により第2の引外しラッチ67が時計方向に回転して、第2の遮断レバー55に設けられたピン64と係合する。 同時に、第1の遮断レバー52が投入レバー76に設けられたピン87に押されて所定回転角に達した状態になり、閉路動作及び開路コイルばね60の蓄勢動作は完了する。 この状態が図23である。 【0126】なお、閉路コイルばね77の蓄勢時に投入レバー76が反時計方向に回転され、ピン87が第2の遮断レバー55から離れても、第2の引外しラッチ67 によりピン64が係止されているので、開路コイルばね60は蓄勢状態に保持される。 【0127】次に、再開路動作について説明する。 図2 3の閉路状態で、開路指令により引外し電磁石20が励磁されるとプランジャ21が右方向に動作し、引外しトリガ73はばね75に抗して回転軸74回りに時計方向に回転する。 引外しトリガ73が回転すると、引外しトリガ73とピン71との係合が外れ、第1の引外しラッチ69がガイド62のピン66からの反力により反時計方向に回転する。 【0128】第1の引外しラッチ69が反時計方向に回転しピン66から外れると、回転体59が円弧面62a を押しているので、ガイド62はばね65に抗して反時計方向に回転を始める。 ガイド62が反時計方向に回転を始めると、ガイド62による回転体59の支えがなくなるので、開路コイルばね60からトルクを受けている第1の遮断レバー52が反時計方向に回転を開始し、可動接触子22が開路方向に駆動される。 【0129】このとき同時にガイド62のピン62bが第2の引外しラッチ67を押して、第2の引外しラッチ67がばね68に抗して反時計方向に回転し、第2の引外しラッチ67と第2の遮断レバー55に設けられたピン64との係合が外れる。 第2の引外しラッチ67によるピン64の係止が外れると、第2の遮断レバー55は回転可能になるが、図20の閉路コイルばね77が蓄勢した状態から開路するときと異なり、第2の遮断レバー55が投入レバー76に設けられたピン87に当接しているので、回転せず停止している。 【0130】第1の遮断レバー52は反時計方向に回転するので、第1及び第2の遮断レバー52,55を連結しているリンク装置47の連結部47aが回動し、最終的に第1の遮断レバー52がピン58に当接して停止する。 このとき、可動接触子22が固定接触子12から完全に開離し、開路動作は完了する。 この状態が図24である。 【0131】なお、厳密には、図24の状態では閉路コイルばね77によるトルクを投入レバー76、第2の遮断レバー55、リンク装置47及び第1の遮断レバー5 2等を介して緩衝器42内の図示しないストッパで受けているため、第1の引外しラッチ69によるピン66の係止がなくなり、ガイド62が反時計方向に回転を始めて、ガイド62による回転体59の支えがなくなると、 閉路コイルばね77の放勢力によりピン87を介して第2の遮断レバー55が若干時計方向に押し戻された状態で停止する。 この状態で、第1の遮断レバー52が反時計方向に回転するので、リンク装置47の連結部47a が回動し、第1の遮断レバー52がピン58に当接して停止する。 【0132】次に、閉路コイルばね77の蓄勢は、図2 5に示した蓄勢装置81で行うが、その動作は図6に示した実施の形態1における投入レバー37を第2のカム50によって駆動する代わりに、レバー88を第2のカム50によって駆動する点が異なるが、動作、作用効果については、同様である。 【0133】蓄勢装置31による閉路コイルばね77の蓄勢は、図23又は図24の閉路コイルばね77が放勢し伸張した状態であって、蓄勢装置31の第2のカム5 0が所定の回転角度位置範囲Δθ内(図25参照)に停止している図26の状態から行う。 実施の形態1において説明したのと同様に、図26の状態から第2のカム5 0が反時計方向に回転して、図27に示すように、最大径部50aが第1の回転角度位置POS1に来たとき、 第2のカム50が投入レバー37の第2の回転体7に接触し、さらに回転して閉路コイルばね77を蓄勢する。 【0134】さらに、図28に示すように、最大径部5 0aが第2の回転角度位置POS2に来たとき、第2のカム50に設けられた突起部151がレバー152を動作させて、電動機の電流を遮断する。 電動機は慣性により回転を続け、図25に示すように最大径部50aが第3の回転角度位置POS3に来たとき、第2のカム50 の外周部が弾性制動片159に強く接触して制動され、 所定の回転角度位置範囲Δθ内(図25参照)に停止する。 【0135】このようにして、図23の状態から蓄勢したときは、図20に示すような遮断器が閉路状態にあり、開路コイルばね60及び閉路コイルばね77がともに蓄勢し、第2のカム50が所定の回転角度位置範囲Δ θ内に停止した状態になる。 また、図24の状態から蓄勢したときは、図22に示すような遮断器が開路状態にあり、開路コイルばね60が放勢し、閉路コイルばね7 7が蓄勢し、第2のカム50が所定の回転角度位置範囲Δθ内に停止した状態になる。 この状態になって初めてトリガレバー158は投入トリガ15に当接して投入トリガ15を押すことができるので閉路動作が可能となる。 【0136】この実施の形態3は、以上のように構成されているので、閉路動作前に第1の引外しラッチ69がすでにガイド62を係止しているので、ガイド62と第1の引外しラッチ69との係合及び第1の引外しラッチ69と引外しトリガ73の係合の反発が収まり安定するまで待つ必要がなく、閉路完了後直ちに再開路動作を開始でき、開閉器の動作性能を向上させることができるものであり、このような操作装置においても、上述したような蓄勢装置を適用できる。 【0137】このような蓄勢装置は、この実施の形態3 に限らず、実施の形態1や実施の形態2においても、レバー88を投入レバー76と一体になって主軸51回りに回転するようにして設けることにより、図25に示した蓄勢装置81を適用することができる。 【0138】実施の形態4. 図29〜図31は、この発明の他の実施の一形態を示すもので、図29は閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図1に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 そして、閉路用のトーションバーが蓄勢し、第2 のカムが所定の回転角度位置範囲内において停止いるときの状態に対応するものである。 【0139】図30は閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図11に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 そして、閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内において停止しているときの状態に対応するものである。 図3 1は閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図20に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 そして、遮断器の操作装置が図20に示した閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内において停止いるときの状態に対応するものである。 【0140】図29〜図31において、160は制動手段としてのレバーであり、棒状の部材で製作され、両端部が紙面に直角に紙面の向こう側へ折り曲げられ、一方の端部が基部160a、他方の端部が制動部160bとされている。 さて、図29の場合は、蓄勢装置58がトーションバーの蓄勢に用いられる場合であり、レバー1 60は、その基部160aが投入レバー37と一体となって回転する回転軸33と同心になるようにして、かつ投入レバー37とともに回転するように投入レバー37 に固着されている。 また、制動部160bは、投入レバー37が投入ラッチ48に係止されているときに、図2 9のように第2のカム50の先端部と接触して制動可能な位置にある。 【0141】また、閉路用のトーションバー29,35 が放勢されて、投入レバー37が図3に示す位置にあるときは、レバー160も投入レバー37と一体になって回転するので、図29の状態から時計方向に所定角度回転し、第2のカム50と離れている。 【0142】次に、図29の蓄勢装置58の動作を説明する。 閉路用のトーションバーの蓄勢時には、投入レバー37は図3及び図7に示す位置にあり、この位置から第2のカム50が反時計方向に回転して、その最大径部50aが第1の回転角度位置POS1に来ると、投入レバー37の回転体7に当接する。 電動機は、さらに回転を続け、投入レバー37は第2のカム50に押されて反時計方向に回転し、第2のカム50が所定の回転角度位置を通過する。 【0143】第2のカム50が所定の回転角度位置を通過すると、図1の実施の形態で説明したのと同様にして、投入レバー37が投入ラッチ48に係止され、閉路用のトーションバー29,35は、蓄勢状態に保持される。 また、同時に投入レバー37がレバースイッチ15 5を押して開路させる。 その後、電動機はさらに回転を続け、第2のカムが第1の回転角度位置から第1の所定角度回転して、最大径部50aが第2の回転角度位置P OS2まで来ると、第2のカム50に固着された突起部151が、レバー152を反時計方向に回転させ、カムスイッチ156を開路させ、電動機の電流が遮断される。 【0144】さらに、電動機が慣性で回転し、第2のカム50が、第2の回転角度値POS2から第2の所定角度回転して、最大径部50aが第3の回転角度位置PO S3まで来ると、第2のカム50の外周部がレバー16 0の制動部160bに当接して制動され、図29に示す所定の回転角度位置範囲Δθ内にて停止する。 【0145】蓄勢する場合は、閉路用のトーションバー29,35は放勢しており、投入レバー37は図3の位置にあり、レバー160も第2のカム50から離れているので、電動機はレバー160から抵抗を受けることなく、蓄勢動作を開始することができる。 【0146】図30の場合は、蓄勢装置58が閉路コイルばねの蓄勢に用いられる場合であり、レバー160 は、その基部160aが回転軸57と同心になるようにして、かつ投入レバー37とともに回転するようにして投入レバー37に固着されている。 また、制動部160 bは、投入レバー37が投入ラッチ48に係止されているときに、図30のように第2のカム50の先端部と接触して制動可能な位置にある。 その他の構成及び動作については、図29に示したものと同様のものである。 【0147】図31の場合は、蓄勢装置96が投入レバー76とは別に設けられたレバー88を介して閉路コイルばねを蓄勢する場合であり、図29や図30に示した蓄勢装置58は、第2のカム50が投入レバー76を駆動するのに対し、図31に示したものは第2のカム50 がレバー88を駆動する点が異なるだけで、その他の構成及び動作は図29に示したものと同様のものである。 【0148】以上のように、この実施の形態によれば、 蓄勢するときに、レバー160が第2のカム50から離れているので、電動機は制動装置であるレバー160から抵抗を受けることなく、蓄勢動作を開始することができる。 【0149】なお、以上の各実施の形態においては、第2のカム50によりレバー152を介してカムスイッチ156を駆動すものを示したが、第2のカム50の代わりに回転軸4に固着され回転軸4とともに回転するレバーを設けてカムスイッチ156を駆動するようにしてもよい。 また、エネルギー蓄積手段は、上記のようなトーションバーやコイルばねに限られるものではなく、他の弾性部材、例えば空気ばねやゴム、あるいは圧縮空気が貯留されたタンクとこのタンクに接続された空気シリンダを組み合わせたもの等であってもよい。 さらに、開閉器は断路器、負荷開閉器等であっても同様の効果を奏する。 【0150】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。 【0151】本発明の開閉機器の操作装置は、開閉接点駆動装置と、保持装置と、蓄勢装置とを有するものであって、開閉接点駆動装置は、回転可能に設けられ開閉機器の開閉接点に連結される蓄勢用レバーと、この蓄勢用レバーに連結されたエネルギー蓄積手段とを有し、保持装置は、係止レバーを有し、蓄勢装置は、電動機により所定方向に回転駆動されるカムと、電流遮断手段と、制動手段とを有し、蓄勢装置のカムは所定方向に回転して第1の回転角度位置から蓄勢用レバーとの接触を開始し蓄勢用レバーを蓄勢方向に回転駆動してエネルギー蓄積手段を蓄勢して蓄勢用レバーを蓄勢方向と逆方向に回転しないように保持装置の係止レバーにより係止させることによりエネルギー蓄積手段を蓄勢状態に保持させ、さらに所定方向に回転して蓄勢用レバーから離れ、カムが第1の回転角度位置から第1の所定回転角度回転した第2の回転角度位置に来たとき電流遮断手段が動作して電動機の電流を遮断し、さらにカムは電動機の慣性回転により回転を続け第2の回転角度位置から第2の所定回転角度回転した第3の回転角度位置において制動手段により制動されて所定の回転角度位置範囲内に停止するものであるので、制動手段により制動し、温度変化や経年変化等にともなう摩擦抵抗の変化によるカムの過回転のばらつきを抑制し、所定の回転角度位置範囲内に停止させ、エネルギー蓄積手段が放勢して蓄勢用レバーが蓄勢方向と逆方向に回転したときにカムに衝突して、衝撃が発生するのを防止するので、装置を小形で安価にできる。 さらに、制動手段により電動機の慣性回転の終りであって、慣性エネルギーが減少した後に、カムを制動するので、制動に要するエネルギーも小さく、簡易な制動手段とすることができ、この点においても、装置を小形で安価にできる。 【0152】そして、保持装置は、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるとき係止レバーが蓄勢用レバーの係止を解除するのを禁止する蓄勢用レバー動作禁止手段を有するものであることを特徴とするので、蓄勢用レバー動作禁止手段により、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止の解除を行うことができないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 【0153】さらに、蓄勢装置は、蓄勢レバーが係止レバーに係止されているとき電動機の動作を禁止する電動機動作禁止手段を有するものであることを特徴とするので、蓄勢レバーが係止レバーに係止されているときは、 すでにエネルギー蓄積手段は蓄勢されているので、電動機が無駄な蓄勢動作をしないようにする。 【0154】また、保持装置はカムが所定の回転角度位置範囲外にあるとき係止レバーが蓄勢用レバーの係止を解除するのを禁止する蓄勢用レバー動作禁止手段を有するものであり、蓄勢装置は蓄勢レバーが係止レバーに係止されているとき電動機の動作を禁止する電動機動作禁止手段を有するものであることを特徴とするので、蓄勢用レバー動作禁止手段により、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止の解除を行うことができないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 また、蓄勢レバーが係止レバーに係止されているときは、すでにエネルギー蓄積手段は蓄勢されているので、電動機が無駄な蓄勢動作をしないようにする。 【0155】そして、係止レバーは回転可能に設けられたものであって回転可能に設けられた投入トリガにて係止されることにより蓄勢用レバーを蓄勢状態に保持し投入トリガを電磁石のプランジャに回動可能に連結された回動部材により回転駆動することにより投入トリガによる係止レバーの係止を解除して蓄勢用レバーの係止を解除するものであり、蓄勢用レバー動作禁止手段はカムに押されて回動部材を回動させプランジャが動作しても投入トリガを回転駆動しないようにする操作部材であることを特徴とするので、カムが所定の回転角度位置範囲外にあるときは、カムにより操作部材を押して回動部材を回動させプランジャが動作しても投入トリガを回転駆動しないようにして、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されて、蓄勢用レバーが放勢方向に回転してカムと衝突して大きな衝撃が発生するのを防止する。 【0156】さらに、電動機動作禁止手段は、係止レバーに蓄勢用レバーが係止されているときに蓄勢用レバーにて動作するレバースイッチであることを特徴とするので、簡易な手段としてレバースイッチを用い、レバースイッチが動作しているとき、電動機に電流を供給できないようにするので、安価にできる。 【0157】また、制動手段は、所定の弾性を有する弾性部材であって、カムが第3の回転角度位置に来たときカムに押されて弾性変形しながらカムと摺動してカムの回転を制動するものであることを特徴とするので、弾性部材を用いるので構成が簡易となり、装置を小形で安価にできる。 【0158】そして、制動手段は、蓄勢用レバーに連結された連結部材であって、係止レバーに蓄勢用レバーが係止されているときはカムが第3の回転角度位置に来たときにカムに当接してカムを制動しうる位置にあり、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されているときはカムと接触しない位置にあるものであることを特徴とするので、エネルギー蓄積手段を蓄勢するときは、係止レバーによる蓄勢用レバーの係止が解除されているが、このとき連結部材はカムと接触しない位置にあるようにして、蓄勢時に連結部材がカムに負荷をかけないようにしている。 【0159】さらに、開閉接点駆動装置の蓄勢用レバーは、エネルギー蓄積手段に連結された第1のレバーと、 この第1のレバーと連結されカムによって回転駆動される第2のレバーとを有するものであることを特徴とするので、第2のレバーを設けて、この第2のレバーを回転駆動するので、第1のレバー周りにカム及び係止レバーを設けなくてよく、構成の自由度が高くなる。 【0160】また、エネルギー蓄積手段は、蓄勢用レバーに連結されねじられて弾性変形するトーションバーであることを特徴とするので、トーションバーを用いることにより、エネルギー効率がよい、応力集中のないエネルギー蓄積手段を実現できる。 【0161】そして、エネルギー蓄積手段は、蓄勢用レバーに連結され圧縮されて又は引張られて弾性変形するコイルばねであることを特徴とするので、コンパクトなエネルギー蓄積手段を実現できる。 【0162】さらに、カムは、蓄勢用レバーを回転駆動してエネルギー蓄積手段を蓄勢するとき、電動機がほぼ一定の負荷トルクを受けるカム曲線を有するものであることを特徴とするので、閉路用のエネルギー蓄積手段の蓄勢時における電動機の負荷トルクをほぼ一定にでき、 電動機及び蓄勢装置の部品に加わる最大トルクを低減できる。 【0163】また、開閉機器は、遮断器であることを特徴とするので、遮断器に用いて好適な操作装置を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の実施の形態1を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバー及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図2】 この発明の実施の形態1を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態で、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図3】 この発明の実施の形態1を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態で、投入レバーが時計方向に回転して停止しており、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図4】 この発明の実施の形態1を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態から蓄勢動作を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【図5】 この発明の実施の形態1を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路用のトーションバーが蓄勢した状態で、閉路用のトーションバーを蓄勢した後第2のカムがカムスイッチに接触したときの状態を示す。 【図6】 この発明の実施の形態1を示す閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路用のトーションバーが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図7】 この発明の実施の形態1を示す閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路用のトーションバーが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図8】 この発明の実施の形態1を示す閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図7の状態から閉路用のトーションバーの蓄勢を開始し、 第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【図9】 この発明の実施の形態1を示す閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図8の状態から閉路用のトーションバーを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 【図10】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の斜視図である。 【図11】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばね及び閉路コイルばねがともに蓄勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図12】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢し、閉路コイルばねが放勢した状態で、蓄勢装置の第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図13】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢し、閉路コイルばねが放勢した状態で、時計方向に回転して停止しており、蓄勢装置の第2 のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図14】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢し、閉路コイルばねが放勢した状態でから蓄勢動作を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【図15】 この発明の実施の形態2を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、開路コイルばねが蓄勢した状態で、閉路コイルばねを蓄勢し終わり第2のカムがカムスイッチに接触したときの状態を示す。 【図16】 この発明の実施の形態2を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図17】 この発明の実施の形態2を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図18】 この発明の実施の形態2を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図17の状態から閉路コイルばねの蓄勢を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【図19】 この発明の実施の形態2を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図18の状態から閉路コイルばねを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 【図20】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、閉路コイルばね及び開路コイルばねがともに蓄勢した状態を示す。 【図21】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、図20の状態から開路動作をする途中の状態を示している。 【図22】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、図21の状態から開路動作が完了し、閉路コイルバネが蓄勢しており、開路コイルばねが放勢した状態を示す。 【図23】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態で、閉路コイルばねが放勢し、開路コイルばねが蓄勢した状態を示す。 【図24】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器の操作装置の要部構成図であり、高速再閉路動作の直後に2度目の開路動作を完了した状態で、遮断器が開路状態で、閉路コイルばね及び開路コイルばねがともに放勢した状態を示す。 【図25】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが蓄勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図26】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、閉路コイルばねが放勢し、第2のカムが所定の回転角度位置範囲内に停止しているときの状態を示す。 【図27】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図26の状態から閉路コイルばねの蓄勢を開始し、第2のカムが投入レバーに接触したときの状態を示す。 【図28】 この発明の実施の形態3を示す遮断器の操作装置の要部構成図であり、閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図27の状態から閉路コイルばねを蓄勢した後、第2のカムがさらに回転し、カムスイッチを動作させたときの状態を示す。 【図29】 この発明の実施の形態4を示す閉路用のトーションバーを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、 図1に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 【図30】 この発明の実施の形態4を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図11に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 【図31】 この発明の実施の形態4を示す閉路コイルばねを蓄勢する蓄勢装置の要部構成図であり、図20に示した遮断器の操作装置に用いられるものである。 【図32】 従来の遮断器の操作装置を示す斜視図である。 【図33】 従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態を示す。 【図34】 従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態にあり、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態を示す。 【図35】 従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用のトーションバーが蓄勢しており、閉路用のトーションバーが放勢した状態を示す。 【図36】 カムを用いて蓄勢する従来の遮断器の操作装置を示す斜視図である。 【図37】 カムを用いて蓄勢する従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用及び閉路用のトーションバーがともに蓄勢した状態を示す。 【図38】 カムを用いて蓄勢する従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が開路状態にあり、開路用のトーションバーが放勢し、閉路用のトーションバーが蓄勢した状態を示す。 【図39】 カムを用いて蓄勢する従来の遮断器の操作装置の要部構成図であり、遮断器が閉路状態にあり、開路用のトーションバーが蓄勢し、閉路用のトーションバーが放勢した状態を示す。 【符号の説明】 1 筐体、4 回転軸、7 第2の回転体、10 開閉接点、11 第2のカム、15 投入トリガ、16 投入電磁石、17 プランジャ、24 筒体、25 回転軸、28,34 開路用のトーションバー、29,35 閉路用のトーションバー、30,31 蓄勢装置、3 3 回転軸、36 遮断レバー、37 投入レバー、4 5 小歯車、46 大歯車、47 リンク装置、48 投入ラッチ、49 ピン、50 第2のカム、51 主軸、52 第1の遮断レバー、55 第2の遮断レバー、58 蓄勢装置、60 開路コイルばね、62 ガイド、76 投入レバー、77 閉路コイルばね、81 蓄勢装置、96 蓄勢装置、151 突起部、152 レバー、155 レバースイッチ、156 カムスイッチ、158 トリガレバー、159 弾性制動片、1 60 レバー。 フロントページの続き (72)発明者 中嶋 敦哉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内Fターム(参考) 5G028 AA08 |