【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はスクイズスイッチに係り、特にプラッシュ玩具(ぬいぐるみ玩具)に組み込まれ複数の方向のうちどの方向から把持しても作動し、音声、光または動きを発生させるものに関する。 例えば、 音声を発生する装置で、ぬいぐるみの動物に組み込まれる場合には、一般的にその動物の外見に対応すると常識的に思われている音声を発生するようにしたものに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、圧縮力を加えると音や光や動きを発生するプラッシュ玩具は広く知られている。 この種の玩具用の音や光や動きを発生させる機構は、一般的には電池式で負荷装置に接続された電気回路と、この電気回路と組み合わされプラッシュ玩具に力が加わったとき電気回路を作動させるスイッチ機構とにより構成されている。 この場合、電池の寿命は限られているため、電池の取り外しができるように電気回路は玩具に設けられたジッパー付きの小袋内に収納されていることが多い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のジッパー付きの小袋内に発生装置を収納する構成の玩具では、ジッパーは縫い閉じた合わせ目より高価なため、ジッパー付きの小袋を設けることはプラッシュ玩具に余分なコストがかかることになる。 もちろん、プラッシュ玩具がジッパーなしで、電池の取り換えができないようになっていれば玩具はいずれその魅力を失う。 すなわち、電池の寿命が尽きれば音や光、動きを発生できなくなる。 したがって、その種のプラッシュ製玩具においては機構はできるだけ安価でなければならない。 また、音や光や動きを発生させる機構を取り出すことができないようになっている場合も電池の寿命は最大限長いことが重要である。 【0004】しかし、出願人の知る限りでは、従来の技術でプラッシュ玩具に装着される前に発生装置が不用意に作動されることに対する対策を施したものはない。 従来の機構は、組み立てが完了すればプラッシュ玩具に組み込まれる前でも正しい方向に圧縮力を加えるだけで作動できる。 したがって、持ち運びや収納中、あるいは輸送の際うっかり力を加えてしまい、その結果、機構をプラッシュ玩具に組み込む前に電池の寿命が大幅に減ってしまうことも容易に起こり得ることは明白である。 【0005】また、出願人の知っている従来の音・光・ 動作発生装置のもうひとつの問題点は回路を作動するスイッチを閉じるためには圧縮力を特定の方向に加えねばならないということである。 米国特許第5074820 号明細書に開示されている子供が鞍部に座ることでスイッチが作動する揺り木馬のように、圧縮力が常にあらかじめ定められた方向に加わる玩具ならば問題ないが、手で持ったり抱えたりするプラッシュ玩具のように、玩具の内部に音声を発生する機構が収められている玩具の場合には、その内部の機構が見えず、その機構を作動させるにはどの方向に押さねばならないのかを子供が試行錯誤により判断しなくてはならない場合は問題となる。 【0006】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、プラッシュ玩具に組み込まれ、このプラッシュ玩具に対し複数の方向のうちどの方向から圧縮力を加えても作動させることが可能な音声・光・動作を発生させるスクイズスイッチを提供することを目的とするものである。 【0007】本発明のもう一つの目的は、安価で組み立ての比較的容易な音声・光・動作を発生させるスクイズスイッチを提供することである。 【0008】本発明のもう一つの目的は、プラッシュ玩具に発生装置が組み込まれた後は、この発生装置に出力を供給する動力源はアクセス不可能で、装置の製造、組み立ておよび保管中は電池の電力を保存する手段を設けた音声・光・動作を発生させるスクイズスイッチを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明のスクイズスイッチは、プラッシュ玩具に使用する装置であって、音声、光および/または動きを発生させる回路で(a)前記音声、光および/または動きに応じた電気信号を発生させ、前記回路を作動させるためのプッシュスイッチを組み込んだ手段と(b)前記電気信号で励起された時に前記音声、光および/または動きを発生させる負荷装置と(c)前記回路手段から負荷手段へ前記電気信号を導電して負荷手段を駆動する導電手段とで構成する回路と、前記回路のための二つのセクションから成るハウジング手段と、前記二つのセクションが第一の所定の距離を保って配置される第一の位置とこの第一の距離より短い第二の所定の距離を保って配置される第二の位置との間で相対的に移動するよう二つのセクションを支持する手段と、前記二つのセクションが第一の位置にあるよう力を加え、かつ二つのセクションが互いに近付く方向に圧縮力を加えられたとき前記第二の位置に移動せしめるバイアス手段とから成り、前記二つのセクションを支持する手段はセクション内に設けられた複数のスロットとこのセクションから外側に突出し、かつスロット内に支持されてセクションの相対運動の際にスロット内で移動可能な複数の突起部から成り、前記プッシュスイッチは二つのセクションの一方に支持され、前記負荷手段は他方のセクションに支持されて二つのセクションが第二の位置にある時前記プッシュスイッチを作動させ、 前記バイアス手段は二つのセクションが第一の位置にあるよう力を加え、前記二つのセクションが互いに強く把持されるとき前記二つのセクションを第二の位置に移動可能としたものである。 【0010】請求項2記載のスクイズスイッチは、突起部は前記スロットから取り外し可能で、この突起部を取り外すことで前記二つのセクションを分離することができ、一方のセクションは他方のセクションに嵌合するものである。 【0011】請求項3記載スクイズスイッチは、二つのセクションは、それぞれ矩形の側面を有し、そのうち一つの側面は他方の側面の内側に嵌合するものである。 【0012】請求項4記載のスクイズスイッチは、二つのセクションは、その一方の内側には複数のスロットが設けられ、他方のセクションの外側にはこれらのスロットに対応する複数の突起部が設けられ、これらの突起部は前記第一の位置において前記スロットの一端部に支持され、前記第二の位置において前記スロットの他端部に支持されるものである。 【0013】請求項5記載のスクイズスイッチは、前記電気信号発生手段はマイクロチップおよびこのマイクロチップに電力を供給する電池手段から成るものである。 【0014】請求項6記載のスクイズスイッチは、前記電池手段からの零入力電流を遮断するための絶縁部材を前記回路に設け、前記ハウジングにはこの絶縁部材を回路から取り去るための穴を設け、絶縁部材は前記装置をプラッシュ玩具に組み込む前にこの穴から抜き取るものである。 【0015】請求項7記載のスクイズスイッチは、前記電池手段は複数の電池から成り、前記絶縁部材はそのうち二つの電池の間に配置されているものである。 【0016】請求項8記載のスクイズスイッチは、前記電気信号発生手段は音声に対応した電気信号を発生する手段で構成され、前記負荷装置はスピーカー手段であり、前記ハウジング手段は一つ以上開口部を設けた壁面を備え、前記スピーカー手段は前記開口部に対向する位置に配置された音声発生部材で構成され、前記プッシュスイッチは前記二つのセクションの一方に支持され、スピーカー手段は他方のセクションのこのプッシュスイッチと一直線上に対応する位置に支持されて両セクションが前記第二の位置に移動されたときこのプッシュスイッチを作動するものである。 【0017】請求項9記載のスクイズスイッチは、前記バイアス手段は一つ以上のばねから成り、このばねの一端は前記セクションの一方に接触し、他端は他方のセクションに接触しているものである。 【0018】請求項10記載のスクイズスイッチは、プラッシュ玩具に使用する装置であって、音声、光および/または動きを発生させる回路で(a)前記音声、光および/または動きに応じた電気信号を発生させ、前記回路を作動させるためのプッシュスイッチを組み込んだ手段と(b)前記電気信号で励起された時に前記音声、光および/または動きを発生させる負荷装置と(c)前記回路手段から負荷手段へ前記電気信号を導電して負荷手段を駆動する導電手段とで構成する回路と、前記音声発生機構のための二つのセクションから成るハウジング手段と、二つのセクションが第一の所定の距離を保って配置される第一の位置とこの第一の距離より短い第二の所定の距離を保って配置される第二の位置との間で相対的に移動するよう二つのセクションを支持する手段と、前記プッシュスイッチは二つのセクションの一方に支持され、前記負荷手段は他方のセクションのこのプッシュスイッチと一直線上に対応する位置に支持されて二つのセクションが第二の位置にある時プッシュスイッチを作動させ、前記二つのセクションが第一の位置にあるよう力を加え、かつ二つのセクションが互いに近付く方向に強く把持されたとき前記第二の位置に移動せしめるバイアス手段と、とを具備したものである。 【0019】請求項11記載のスクイズスイッチは、前記電気信号発生手段はマイクロチップおよびこのマイクロチップに電力を供給する電池手段から成るものである。 【0020】請求項12記載のスクイズスイッチは、前記電池手段からの零入力電流を遮断するための絶縁部材を前記回路に設け、前記ハウジングにはこの絶縁部材をこの発生回路から取り去るための穴を設け、絶縁部材は前記装置をプラッシュ製の玩具に組み込む前にこの穴から抜き取るものである。 【0021】請求項13記載のスクイズスイッチは、前記電池手段は複数の電池から成り、前記絶縁部材はそのうち二つの電池の間に配置されているものである。 【0022】請求項14記載のスクイズスイッチは、前記バイアス手段は一つ以上のばねから成り、このばねの一端は前記セクションの一方に接触し、他端は他方のセクションに接触しているものである。 【0023】 【作用】請求項1のスクイズスイッチでは、本装置が静止状態にあるときは、バイアス手段により突起部がスロットの一端部に位置するよう一方のセクションに対して他方のセクションが離反する方向にバイアス力が加えられ、二つのセクションは第一の所定の距離を保った第一の位置に配置されている。 【0024】つぎに、二つのセクションが強く把持され、二つのセクションが互いに近付く方向に圧縮力を加えて圧縮することにより、二つのセクションは第一の所定の距離を保った第一の位置から第二の位置に移動されるとともに、突起部がスロットの他端部に位置され、負荷手段が、音声、光および/または動きを発生させる回路のプッシュスイッチをオン動作し、このプッシュスイッチのオン動作により回路手段の回路が作動される。 【0025】そして、この回路手段に設定された音声、 光および/または動きの出力信号が負荷手段に出力され、この出力信号によって負荷手段が作動され、この負荷手段が作動されるとともに、この負荷手段から音声、 光および/または動きが発生される。 【0026】請求項2のスクイズスイッチでは、請求項1の構成において、二つのセクションはスロットと突起部とにより着脱自在に、かつ、一方のセクションに対して他方のセクションが互いに近付く方向に嵌合される。 【0027】請求項3のスクイズスイッチでは、請求項2の構成において、一方のセクションに対して他方のセクションは相互の矩形の側面にて互いに近付く方向に嵌合される。 【0028】請求項4のスクイズスイッチでは、請求項2の構成において、一方のセクションの複数のスロットと他方のセクションの複数の突起部とにより、二つのセクション相互の第一の位置と第二の位置が支持される。 【0029】請求項5のスクイズスイッチでは、請求項1の構成において、マイクロチップが負荷手段に出力される音声・光・動作に対応した電気信号を発生する。 【0030】請求項6のスクイズスイッチでは、請求項5の構成において、ハウジングの穴から電池手段の回路中に絶縁材料を差し込むことにより、電池手段の零入力電流が遮断され、組み込み時の電池の寿命の減少が防止される。 【0031】請求項7のスクイズスイッチでは、請求項6の構成において、二つの電池間に絶縁材料を配置することにより、二つの電池間の零入力電流が簡単に遮断される。 【0032】請求項8のスクイズスイッチでは、請求項1の構成において、二つのセクションの相互が第二の位置に移動されることにより、スピーカ手段の接触部にてプッシュスイッチが確実に作動され、音声に対応した電気信号が発生されるとともに、この出力信号にて音声発生部材から所定の音声が発生される。 【0033】請求項9のスクイズスイッチでは、請求項4の構成において、二つのセクションは一つ以上のばねにて常時は確実に第一の位置に保持される。 【0034】請求項10のスクイズスイッチでは、二つのセクションが互いに近付く方向に強く把持されると、 一直線上に配設された一方のセクションのプッシュスイッチと他方のセクションの負荷手段とはバイアス手段に抗して二つのセクションが互いに第二の位置に移動され、この負荷手段にてプッシュスイッチが確実に押動されて作動され、音声に対応した出力信号が発生されるとともに、この出力信号にて負荷手段から所定の音声が発生される。 【0035】請求項11のスクイズスイッチでは、請求項10の構成において、マイクロチップが負荷手段に出力される音声・光・動作に対応した電気信号を発生する。 【0036】請求項12のスクイズスイッチでは、請求項11の構成において、ハウジングの穴から電池手段の回路中に絶縁材料を差し込みことにより、電池手段の零入力電流が遮断され、組み込み時の電池の寿命の減少が防止される。 【0037】請求項13のスクイズスイッチでは、請求項12の構成において、二つの電池間に絶縁材料を配置することにより、二つの電池間の零入力電流が簡単に遮断される。 【0038】請求項14のスクイズスイッチでは、請求項12の構成において、二つのセクションは一つ以上のばねにて常時は確実に第一の位置に保持される。 【0039】 【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。 【0040】図において本発明の装置全体は10(図6) で示されている。 図示のように、本装置10は矩形状に形成されたハウジングとしてのケーシング12で構成され、 このケーシング12は上側セクション14と下側セクション 16とを有している。 しかして、上側セクション14と下側セクション16の上側及び下側とはケーシング12を平面的に設置した状態から視た表現で、使用例によっては上側セクション14は、たとえば、左右方向の一方のセクションとなり、下側セクション16は、左右方向の他方のセクションとなる。 したがつて、以下はケーシング12を平面的に設置した状態から視た上側セクション14及び下側セクション16として説明する。 【0041】前記上側セクション14には凸面状の上板18 とこの上板18から下方に伸長する矩形の側板20が設けられている。 また、図示のように、前記側板20の側面22には両側に1つずつ上板18から側板20の下端の真上にかけてスロットすなわち溝24が設けられている。 また、前記上板18には複数の音声伝達用のオリフィス26が穿設され、この上板18の内面には後述するスピーカー30とスピーカー用配線32が嵌合されるスピーカーフレーム28が一体的に形成されている。 また、前記スピーカー30は、通常はスピーカーコーン31とマグネット33で構成されている。 【0042】また、前記上側セクション14には前記側板 20と平行に上板18から下方に伸長する電池支持板34が一体的に形成されている。 また、前記上板18の一側部には穴35が穿設され、この穴35には後述する組み立てと保管中の電池の寿命を保つための電池接続遮断機構として機能する細片状の絶縁材料36が挿脱自在に挿入されるようになっている。 【0043】つぎに、前記ケーシング12の下側セクション16は前記上側セクション14の内側にぴったりと緊密に嵌合する大きさで形成されている。 この下側セクション 16は、平らな底部38とこの底部38に連続して上方に伸長する側板40とを有して形成されている。 前記側板40の両側には、装置組み立て時に前記各溝24と一直線上になる位置に突起部としてのフック44が外側に突出されて側板 40と一体的に形成されている。 【0044】また、前記底部38の斜め方向の位置にはそれぞれ互いに対向する2つの係止部46および一対の支柱 48が上方に向かって伸長されている。 また、前記下側セクション16には一体的に形成された側面52,54から成る電池収納室50が設けられ、この側面54で電池接続部56が支持されている。 また、前記底部38の内側の表面には後述するプッシュスイッチとしてのゴム製のドームスイッチ66を支持するスイッチ支持部58が一体的に形成されている。 【0045】図3乃至図6に示された通り、本装置10には回路基板60、前記支柱48に巻き付けた一対の互いに斜め方向に対向するばね62、3個のバッテリーセル64、およびドームスイッチ66が設けられている。 前記回路基板 60上には二つの開口部68が設けられ、この二つの開口部 68の間には接地リード線70および回路リード線72が露出している。 また、図示の通り、前記回路基板60には前記係止部46を嵌合する穴74が互いに斜め方向に対向する位置に穿設され、これにより回路基板60は底部38に支持されている。 【0046】回路基板60が所定の位置に配置された状態でスイッチ支持部58は開口部68から突出し、これによりゴム製のドームスイッチ66の導電部分66a が接地リード線70および回路リード線72の真上に配置される。 しかして、前記ドームスイッチ66は、前記環状のスイッチ支持部58にて周縁部が支持されたドーム状に形成されたゴム製の押動部66b を有し、この押動部66b 内には前記導電部分66a が設けられ、この導電部分66a が前記3個のバッテリーセル64に接続された前記接地リード線70および回路リード線72の固定接点に対して接離されるようになっている。 【0047】そして、後に詳述する通り、ドームスイッチ66が押し下げられると接地リード線70は回路リード線 72に接続し、これにより、前記スピーカー30を駆動する回路が作動するようになっている。 この回路にはマイクロチップ73、コンデンサー80及び抵抗81が設けられ、これらのマイクロチップ73、コンデンサー80及び抵抗81は前記回路基板60に設けられている。 【0048】以下、本実施例の作用を図2乃至図6に基づいて説明する。 【0049】スピーカー30はそのスピーカーコーン31がオリフィス26に対向するようにスピーカーフレーム28内に支持され、回路基板60からの電気信号をスピーカー30 に伝達するためのスピーカー配線32により回路基板60に接続される。 本装置10の組み立てが完了すると、各フック44は各溝24の一直線上にあってそれぞれの溝24内に嵌合され、スピーカーマグネット33はゴム製のドームスイッチ66の近傍上方に位置して配置された状態にある。 このとき、本装置10が静止状態にあるときには各ばね62にて上側セクション14が附勢され、各フック44がそれぞれの溝24の下端部に位置するように上側セクション14が下側セクション16から離反する方向にバイアス力を加えている。 【0050】本装置10の作動は、ケーシング12に圧縮力を加えて各ばね62を圧縮することにより、スピーカー30 のマグネット33にてゴム製のドームスイッチ66の押動部 66bを接触して押動し、このドームスイッチ66の導電部分66a が接地リード線70の固定接点および回路リード線 72の固定接点と接続することにより行われ、ゴム製のドームスイッチ66の導電部分66a が接地リード線70および回路リード線72の各固定接点と接続することにより、回路基板60上の回路が作動される。 そして、回路が作動すると回路内のマイクロチップ73がスピーカー配線32を介してスピーカー30に出力される音声に対応した電気信号を発生する。 【0051】図6に示された実施例において、前記装置 10はぬいぐるみの動物玩具11の中に入れられており、すなわち、前記装置10はぬいぐるみの動物の腹部位置内に上側セクション14及び下側セクション16を左右方向に配置した状態で埋設されている。 そして、このぬいぐるみの動物玩具11の腹部を強く把持すると、その動物の外見に対応していると常識的に考えられている音を発生する。 各フック44と各溝24の組み合わせで上側セクション 14を移動可能に下側セクション16に嵌合し、二つの斜めに対向する位置のばね62にて上側セクション14が下側セクション16から離反する方向にバイアス力を加えているので、ぬいぐるみの動物玩具11に複数の方向のうちどの方向から圧縮力を加えても容易に本装置10を作動することができる。 【0052】その際、上側セクション14は各フック44と各溝24とによりスピーカーマグネット33がゴム製のドームスイッチ66の真上に、これと間をおいて位置するよう常に下側セクション16にしっかり緊密に嵌合されている。 【0053】前記装置10は通常はジッパー付きの合わせ目ではなく、縫い閉じたぬいぐるみの動物玩具11に内蔵されるため、電池の交換は実際的ではない。 しかも、電池の寿命は限られているので組み立て工程と保管および輸送中、すなわち本装置10がぬいぐるみの動物玩具11に組み込まれる前の電池の消耗を極力減らすことが要求される。 【0054】本装置10の組み立て、保管あるいは輸送中の電池の消耗は、取扱いの際に誤って本装置10を作動させることによって起こり得る。 本装置10は圧縮力または把持することで容易に作動できるので、例えば、組み立て前に大量に積み重ねて保管したり輸送されたりして頻繁に作動してしまうこともあり得る。 電池の消耗はまた、電池のセルからマイクロチップ73を介して流れる静止電流により起こることもある。 【0055】本装置10の組み立て後もアクセスできる取り外し可能な細片状の絶縁片からなる絶縁材料36を用いることで電池の消耗を減らすことができる。 図示および前述のとおり、上側セクション14には二つの電池64の接触点の真上に穴35が設けられ、絶縁材料36を前記穴35から前記二つの電池64の間に挿入し、この絶縁材料36にて二つの電池64間に接続を解除することにより、回路の不用意な作動および零入力電流を防止することができる。 したがって、電池64の寿命の低下を最小限に押さえつつ本装置10を積み重ね、保管および輸送できる。 本装置10 をプラッシュ製のぬいぐるみの動物玩具11に組み込む際には絶縁材料36を穴35から抜き取るだけで本装置10は使用可能な状態になる。 【0056】また、回路基板60の回路には電池64の寿命をさらに保全するためにリセット手段も設けられている。 したがって、本装置10を組み込んだぬいぐるみのおもちゃを強く把持して音声を発生するよう本装置10が作動されたときも、おもちゃをいったん放し、再び圧縮力を加えるだけで本装置10を再度作動させることができる。 【0057】本発明の望ましい実施例を前述したが、これに様々な変更を加えることができるのは言うまでもない。 前記実施例では、負荷装置としてスピーカー30を用いる場合について説明したが、これに限らず、負荷装置としては、例えば、スピーカー30の代わりに電球や振動装置などの光や動きを発生させる各種手段を使用し、これらの手段に合わせて本装置10を駆動するように回路基板60の回路を修正するようにするとよい。 したがって、 負荷装置としてスピーカー30についての前述は一実施例としての説明のためであり、本発明の範囲を限定するものではない。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば、本装置をプラッシュ玩具に組み込むことにより、このプラッシュ玩具に対し複数の方向のうちのどの方向から圧縮力を加えても本装置を確実に作動させることが可能な音声・光・動作を発生させることができる。 【0059】また、本装置は第一の位置と第二の位置との間で相対的に移動する2つのセクションからなるため、安価で組み立ての比較的容易な音声・光・動作を発生させることができる。 【0060】さらに、プラッシュ製玩具に本装置が組み込まれた後は、この本装置に出力を供給する動力源はアクセス不可能で、機構の製造、組み立ておよび保管中は電池の無駄な消耗を確実に防止して音声・光・動作を発生させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示すスクイズスイッチの分解斜視図である。 【図2】同上組立て状態の斜視図である。 【図3】同上a〜a線部の断面図である。 【図4】同上図2のb〜b線部の断面図である。 【図5】同上図2のc〜c線部の断面図である。 【図6】本発明のスクイズスイッチを組込んだ玩具を把持した状態の斜視図である。 【符号の説明】 12 ハウジング 14,16 セクション 24 スロット(溝) 30 負荷手段 32 導電手段 35 穴 36 絶縁材料 44 突起部 60 回路基板 62 バイアス手段 66 プッシュスイッチ 73 マイクロチップ |