【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用パワーシートに適用されるスイッチに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の車両用パワーシートは、実開昭59−103331号公報に開示されており、図7乃至図9に示す。 【0003】この車両用パワーシートに適用されるパワーシート・スイッチ100は、スイッチ101とリクライニングスイッチ102とから構成されている。 このときのスイッチ101は、シートクッションを前後移動するスライドスイッチ105と、シートクッションの前部を上下移動する前部バーチカルスイッチ104と、シートクッションの後部を上下移動する後部バーチカルスイッチ106とから構成されている。 これら3種のスイッチ104,105,106は、スライドスイッチ105 を中心として、前部バーチカルスイッチ104と後部バーチカルスイッチ106とを左右対称に配置して水平方向に並列して設けられている。 【0004】そしてこのスイッチ101は、前記した3 種のスイッチ104,105,106に共通する横方向に長い1個のノブ103を有しており、このノブ103 を動作調節方向に操作することによって各スイッチ10 4,105又は106の切換えを行なうようになっている。 【0005】すなわち、スイッチ101は、シートクッションを前方あるいは後方へ移動させたいときはノブ1 03をB矢印方向(図8参照)に沿って前方あるいは後方へ移動させ、あるいはシートクッションの前部を上方あるいは下方へ移動させたいときはノブ103の前部をA矢印方向(図8参照)に沿って上方あるいは下方へ移動させ、同様にシートクッションの後部を上方あるいは下方へ移動させることによって、シートクッションの所望の作動を得ることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のスイッチ101は、 前、後部のバーチカル及びスライドのための3個のノブホルダ支軸部104a,106a及び105aと、ノブ103の動作方向を限定するための2個の支柱10 7,108とが必要で、支軸部及び支柱の設置数が多くなること、 ノブ103に操作方向限定のための溝109が必要で、ノブ自体の構造が複雑になること、及び 調心機構がばね110と一対の押圧部111aを有する圧子111とから構成しているので、圧子111の収容スペースが必要となると共に複雑な構造となっていることにより、部品点数が多く、かつ構造が複雑で装置全体の大型化を招く、という課題を有している。 【0007】本発明は、前記した課題を解決すべくなされたもので、その目的は部品点数の削減、及び簡単な構造で装置全体のコンパクト化を図ることのできるスイッチを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記した目的を達成するため請求項1記載の発明は、平板部の一側面上に突出形成されると共に他側面に開口部を有する筒部を備え、アウタケースに前記筒部を透通させると共に前記平板部を前記アウタケースとインナケースとの間に揺動可能に挟持したスライダと、前記筒部の突出側端部に固着したノブと、前記筒部からばね付勢されて突出する節度ピンの突出端を、前記インナケースに形成された節度カム部に当接させて、前記スライダを中立位置に付勢する調心機構と、前記インナケースに軸方向摺動自在に設けられ一端をラバーコンタクト部に当接した押しピンの他端を、 前記平板部の他側面に形成したスライドカム部に当接させて前記スライダの揺動で前記ラバーコンタクト部をO N,OFFさせるスイッチ機構と、前記アウタケースに前記筒部の透通する透通孔を形成すると共に該透通孔に開放する複数のガイド溝を形成し、前記スライダの揺動時に前記筒部を前記ガイド溝に出入りさせて前記スライダの揺動方向を規制するガイド機構とを備えたことを特徴としている。 【0009】このため請求項1記載の発明では、ノブに操作力が作用しない状態では、スライダは調心機構で付勢されて中立位置に位置しており、スイッチ機構がOF Fになっている。 ノブに操作力が作用するとスライダは操作方向に揺動し、この移動過程でスライドカム部が押しピンを介してラバーコンタクト部を押して該当するスイッチ機構がONとなる。 ノブへの操作力を解除するとスライダは調心機構により中立位置に復帰してスイッチ機構がOFFになる。 【0010】このときのスライダは、筒部がカイド機構のガイド溝に出入りすることにより揺動方向が制限され、所望のスイッチ機構を適確にON,OFFさせることができる。 【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のスイッチであって、前記スライダが帯状の平板部と、該平板部の長尺方向の両側に突出形成された2個の筒部とから構成されており、前記ノブが前記2個の筒部に跨がって固着されており、前記調心機構及びガイド機構が前記2個の筒部の各々に対応させて設けられており、かつ、前記スイッチ機構が、前記平板部の長尺方向の中央部に対応させて設けられスライダの長尺方向の揺動でON,OFFするスライドスイッチと、前記平板部の長尺方向の両側部にそれぞれ対応させて設けられ前記スライダの幅方向の揺動でON,OFFする2個のバーチカルスイッチとから構成されていることを特徴としている。 【0012】このため請求項2記載の発明では、スライダの揺動は2個の筒部と各筒部に対応させて設けたガイド機構とにより、スライダの長尺方向の揺動と、巾方向の揺動とに適確に選択でき、この選択により、スライドスイッチ及び2個のバーチカルスイッチのいずれかをO N,OFFさせることができる。 【0013】このスライダの巾方向の揺動には、スライダ全体の上下動、スライダの一端部の上動(あるいは下動)及び他端部の下動(あるいは上動)、及びスライダの一端部のみ(あるいは他端部のみ)の上下動を含む。 【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2項記載のスイッチであって、前記節度カム部がすり鉢形状に形成されていることを特徴としている。 【0015】このため請求項3記載の発明では、スライダはすり針形状の節度カム部の底部に節度ピンが当接することによって中立位置に保持され、節度カム部の斜面部に節度ピンが当接することによって中立位置方向へ付勢される。 【0016】さらに請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスイッチであって、前記筒部が断面四角形に形成されていることを特徴としている。 【0017】このため請求項4記載の発明では、ガイド溝に対する断面四角形の筒部の出入りにより、極力がた付きの少ないスライダの揺動が確保できる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基いて具体的に説明する。 【0019】図1乃至図4は、車両用パワーシート・スイッチ1に適用した本発明の一実施形態としてのスイッチ2を示す。 【0020】車両用パワーシート・スイッチ1は、スイッチ2とリクライニングスイッチ20とを備えて構成されている。 【0021】スイッチ2は、アウタケース12とインナケース13との間に揺動可能に挟持されたスライダ3 と、このスライダ3に連係して取付けられたノブ4と、 スライダ3を中立位置に付勢する調心機構5と、スライダ3の揺動でON,OFFするスイッチ機構6と、スライダ3の揺動方向を規制するガイド機構7とから大略構成されている。 【0022】スライダ3は、平板部9と、この平板部9 に突出形成された筒部8とを備えて構成されている。 平板部9は、両側部に巾方向に膨出した端部9a,9bを有する帯状の板状体で形成されている(図1参照)。 筒部8は、平板部9の両端部9a,9bの各内側部位の一側面上に突出形成されると共に、他側面に開口部8aを有して2個形成されている(図2参照)。 この筒部8 は、好ましくは本実施形態のように断面四角形の角筒部に形成される。 このように形成されたスライダ3は、筒部8をアウタケース12に透通させて外方へ突出させると共に平板部9をアウタケース12とインナケース13 との間に揺動可能に挟持して取付けられている。 【0023】なお、アウタケース12及びインナケース13は底板30と共にスイッチケース40を構成している。 【0024】ノブ4は、スライダ3と略同等の長さを有する細長いキャップ形状に形成されており、その内側部に、筒部8,8の間隔に対応させた間隔で取付筒部4 1,41が形成されている。 ノブ4は取付筒部41,4 1を筒部8,8に外挿させると共に筒部8の外側に形成された凸部8bが取付筒部41の内側面に形成された凹部に嵌合して抜け止めが図られることによって取付けられている。 このようにノブ4は、2個の筒部8,8に跨がって固着されている。 【0025】また、調心機構5は、筒部8の開口部8a からばね10により付勢されて突出する節度ピン11の突出端をインナケース13に形成された節度カム部14 に当接させて構成されており、2個の筒部8,8の各々に対応させて設けた前部調心機構51及び後部調心機構52から構成されている。 【0026】節部カム部14は、中立位置にあるスライダ3の筒部8の開口部8aに対向するインナケース13 に形成され、好ましくは本実施形態のようにすり鉢形状に形成される。 この節度カム部14は、節度ピン11をすり鉢形状の底部に当接させることによりスライダ3を中立位置に安定して保持することができる(図2参照) と共に、スライダ3を中立位置から移動させて節度ピン11をすり鉢形状の斜面部に当接させることによりばね10の付勢力をスライダ3の中立位置への復帰力に変換することができる。 【0027】また、スイッチ機構6は、インナケース1 3に軸方向摺動自在に設けられ一端をラバーコンタクト部a,bにそれぞれ当接した押しピンc,dの他端を、 平板部9の他側面に形成したスライドカム部15に当接させて構成されており、平板部9の長尺方向の中央部に対応させて設けられたスライドスイッチ61と、平板部9の両端部9a及び9bにそれぞれ対応させて設けられた前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63とから構成されている。 【0028】ラバーコンタクト部a,bは、配線基板1 9を覆うように設けたラバーコンタクトシート18の一部をドーム状に突出させて形成されており、配線基板1 9上に設けた固定接点(図示せず)に対して接離する可動接点として構成されている。 押しピンc,dはインナケース13に設けた筒部13aに軸方向摺動可能に挿入されると共に、その一端に形成されたフランジ部をラバーコンタクト部a,bの付勢により筒部13aの端面に当接させて取付けられている。 【0029】スライドカム部15は、スライドスイッチ61においては両側の斜面15a,15aと、中央の平坦面15bとにより、両押しピンc,dに跨がる断面略台形状に形成されており(図2参照)、前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63においては、各押しピンc,d毎に、相互に対称形状となるように一個の斜面1 5aと一個の平坦面15bとを連続させて形成されている(図3参照)。 【0030】さらにガイド機構7は、アウタケース12 にそれぞれ形成された筒部8の透通孔16と、この透通孔16に開放する4個のガイド溝17とを有して略十字形状に形成されており(図1参照)、2個の筒部8,8 の各々に対応させて設けた前部ガイド機構71と後部ガイド機構72とから構成されている。 このガイド機構7 によればスライダ3の揺動時に筒部8が一のガイド溝1 7に出入りすることによりスライダ3の揺動方向を規制することができる。 【0031】このように構成されたスイッチ2によれば、ノブ4に操作力が付加されない状態では、前部及び後部調心機構51及び52によりスライダ3は中立位置に保持されている。 このスライダ3の中立位置では、各スイッチ機構6(61,62,63)の押しピンc,d の他端が対応するスライドカム部15の平坦面15bに当接して各スイッチ機構6(61,62,63)はOF F状態となっている(図2及び図3参照)。 【0032】この中立状態にあるノブ4を、図1に示すようにA方向、B方向、又はC方向、あるいはA方向とC方向とが同方向となるように操作することによって、 スライダ3を同方向へ揺動させることができ、このスライダ3の揺動により、揺動方向に該当するスイッチ機構6がON,OFFするようになっている。 【0033】すなわち、ノブ4をスライダ3の長尺方向に沿うB方向に揺動させることにより、スライダ3を同方向へ揺動させることができ、このスライダ3の揺動によりスライドスイッチ61のスライドカム部15の斜面15aで押しピンc又はdを介して該当するラバーコンタクト部a又はbをON,OFFさせることができる。 【0034】また、ノブ4をA方向あるいはC方向に揺動させることにより、スライドスイッチ61をOFFにしたまま前部あるいは後部バーチカルスイッチ62あるいは63のラバーコンタクト部a又はbを前記したと同様にON,OFFさせることができる。 【0035】さらにノブ4をA方向とC方向が同方向となるように揺動させることにより、スライドスイッチ6 1をOFFしたまま、前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63の各ラバーコンタクト部a同士又はb同士を、前記したと同様にON,OFFさせることができる。 【0036】次にリクライニングスイッチ20について説明する。 【0037】リクライニングスイッチ20は、図1,図3,及び図4に示すようにアウタケース12とインナケース13との間に揺動可能に挟持されたスライダ23 と、アウタケース12に固着された支軸25に枢支されると共に連結杆24を介してスライダ23に連結したノブ21と、スライダ23の揺動でON,OFFするリクライニングスイッチ機構22とから構成されている。 【0038】このときリクライニングスイッチ機構22 は、インナケース13の筒部13aに軸方向摺動可能に挿入され一端をラバーコンタクト部a,bにそれぞれ当接した押しピンc,dの他端を、スライダ23に形成したスライドカム部15に当接させて構成されている(図4参照)。 【0039】このように構成されたリクライニングスイッチ20は、ノブ21を支軸25を中心にD方向(図1 参照)に揺動させることによって、スライダ23を同方向へ揺動させることができ、このスライダ23の揺動によりスライドカム部15で押しピンc又はdを介して該当するラバーコンタクト部a又はbをON,OFFさせることができる。 リクライニングスイッチ20は、スライダ23が中立位置(図4参照)にあるときは、リクライニングスイッチ機構22のラバーコンタクト部a,b は共にOFF状態になっている。 【0040】以上のように構成されたスイッチ2とリクライニングスイッチ20とを備えた車両用パワーシート・スイッチ1は、例えばシートの側部に、リクライニングスイッチ20がスイッチ2によりも上方に位置するように、かつ前部及び後部バーチカルスイッチ62及び6 3がそれぞれ車両の前部及び後部側に位置するように取付けられると共に、スイッチ2をシートクッションの位置調整機構に、リクライニングスイッチ20をシートバックの位置調整機構にそれぞれ接続させて取付けられる。 【0041】このように取付けられた車両用パワーシート・スイッチ1においては、スイッチ2の各操作方向、 A方向、B方向及びC方向は、図6に示すシート200 のシートクッション201の各調整方向、α方向、β方向、γ方向にそれぞれ対応しており、かつリクライニングスイッチ20の操作方向、D方向はシート200のシートバック202の調整方向、δ方向に対応しており、 各スイッチ2,20のノブ4,21をそれぞれ操作することにより、シートクッション201あるいはシートバック202を前記操作方向と同一方向に位置調整することができる。 【0042】例えば、ノブ4の前部を上方へ操作すると、図5(a)に示すようにスライダ3の端部9aがA 1方向へ揺動し、前部バーチカルスイッチ62のラバーコンタクト部aのみがスイッチONとなり該当する位置調整機構を介してシートクッション201の前部を押し上げることができる。 このときのスライダ3のA 1方向の揺動は、筒部8が前部ガイド機構71の上部ガイド溝17に入ることにより案内される。 【0043】また、ノブ4の前部及び後部を上方及び下方へ操作すると、図5(b)に示すよう、スライダ3の両端部9a及び9bがそれぞれA 1方向及びC 2方向に揺動し、前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63 のラバーコンタクト部a及びbが共にスイッチONとなり、該当する位置調整機構を介してシートクッション2 01の前部及び後部をそれぞれ押し上げ及び押し下げることができる。 このときのスライダ3の揺動は、2個の筒部8,8がそれぞれ前部及び後部ガイド機構71及び72の上部ガイド溝17及び下部ガイド溝17に入ることにより案内される。 【0044】さらに、ノブ4の全体を上方へ操作すると、図5(c)に示すように、スライダ3の全体が同方向へ揺動し、各両端部9a及び9bがそれぞれA 1方向及びC 1方向へ揺動し、前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63の各ラバーコンタクト部a同士が同時にスイッチONとなり、該当する調整機構を介して、シートクッション201の全体を押し上げることができる。 このときのスライダ3の揺動は、2個の筒部8,8がそれぞれ前部及び後部ガイド機構71及び72の各上部ガイド溝17に入ることにより案内される。 【0045】また、ノブ4を中立位置の状態からB方向へスライドすることによりシート200の前後方向の位置調整が可能となる。 すなわちノブ4をB方向へ操作すると、スライダ3の平板部9が同方向へスライドし、スライドスイッチ61のラバーコンタクト部a又はbがスイッチONとなり、該当する調整機構を介してシート2 00を前方又は後方(図6のβ方向)へ移動させることができる。 このときのスライダ3のスライドは、2個の筒部8,8がそれぞれ前部及び後部ガイド機構71及び72のそれぞれの左右のガイド溝17に入ることにより案内される。 【0046】これらの操作において所望の調整位置が得られたときは、ノブ4への操作力を解除する。 この操作力の解除でノブ4及びスライダ3は、前部及び後部調心機構51及び52により中立位置に復帰し、全てのスイッチ機構5,すなわちスライドスイッチ61,前部及び後部バーチカルスイッチ62及び63がOFFとなり、 シート200が所望の調整位置に保持される。 【0047】以上の操作は、節度カム部14をすり鉢形状に形成したので、スライダ3のどの方向の揺動に対しても適確に調心機能を奏することができると共に、ガイド溝17に対する断面四角形の筒部8の出入により、極力がた付きの少ないスライダ3の揺動が確保でき、この結果操作性の向上を図ることができる。 【0048】このスイッチ2によれば、スライドスイッチ61,及び2個のバーチカルスイッチ62及び63のうちのいずれかを選択してON,OFFさせるスライダ3の揺動を、2個の筒部8,8と、各筒部8,8に対応させて設けたガイド機構71,72により行なうようにしたので、従来必要とした操作方向限定用の支柱を省略することができ、かつ、ガイド機構71,72,節度カム部14,及びスライドカム部15をアウタケース1 2,インナケース13,及びスライダ3自体にそれぞれ設けたので、他部材の付加を伴うこと無くガイド機構7,スイッチ機構6,及び調心機構5を構成することができ、この結果部品点数の削減したものとなっている。 【0049】その上、ノブ4とスライダ3とを一体に揺動するように組付け、この揺動のガイド機構71,72 をアウタケース12に設けたので従来必要とした揺動溝をノブ4に設ける必要がなくノブ4自体の構造が簡単になると共に3個のスイッチ機構61,62,及び63のON,OFFを共通した一個のスライダ3で制御するようにしたので全体構造の簡略化が達成できる。 【0050】さらに、調心機構51,52の節度ピン1 1を筒部8内に収容したので節度ピン11の収容スペースを他に設ける必要が無いので、前記した部品点数の削減及び構造の簡略化と相俟って装置全体のコンパクト化が図れる。 【0051】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば次の効果を奏する。 【0052】すなわち、請求項1記載の発明によれば、 スライダに設けた筒部がノブの支持機能と、ノブ及びスライダの揺動方向を限定する機能を兼ねており、各機能毎の部材を設ける必要が無いこと、 筒部に対する揺動溝をノブに設ける必要が無く、かつスライダを筒部と平坦部とで構成したので、ノブ及びスライダの構造が簡単になること、 調心機構の節度ピンを筒部内に収容したので、節度ピンの収容スペースを他に設ける必要がないこと、及び ガイド機構、節度カム部、及びスライドカム部は、アウタケース,インナケース,及びスライダ自体にそれぞれ設けられるので、別部材の付加を伴なうことが無いこと、により、部品点数の削減、及び簡単な構造で装置全体のコンパクト化を図ることのできるスイッチを提供することができる。 【0053】また請求項2記載の発明によれば、スライドスイッチ、及び2個のバーチカルスイッチのうちのいずれかを選択してON,OFFさせるスライダの揺動を、スライダに設けた2個の筒部と、各筒部に対応させて設けたガイド機構により行うようにしたので、従来必要とした操作方向限定用の支柱を省略することができ、 この結果装置全体のコンパクト化を図ることができる。 【0054】また、請求項3記載の発明によれば、節度カム部をすり鉢形状に形成したので、スライダのどの方向の揺動に対しても適確に調心機能を奏することができ、この結果スムーズな作動を確保することができる。 【0055】さらに請求項4記載の発明によれば、ガイド溝に対する断面四角形の筒部の出入により、極力がた付きの少ないスライダの揺動が確保でき、この結果操作性の向上を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態としてのスイッチを適用した車両用パワーシート・スイッチの概略平面図である。 【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。 【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。 【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図である。 【図5】(a),(b),(c)は図1のスイッチの作動説明図である。 【図6】図1の車両用パワーシート・スイッチの操作によるシートの作動説明図である。 【図7】従来の車両用パワーシート・スイッチの平面図である。 【図8】図7の車両用パワーシート・スイッチのノブ部分を断面にした平面図である。 【図9】図7の車両用パワーシート・スイッチの一部断面にした側面図である。 【符号の説明】 2 スイッチ 3 スライダ 4 ノブ 5 調心機構 6 スイッチ機構 7 ガイド機構 8 筒部 8a 開口部(筒部の) 9 平板部 11 節度ピン 12 アウタケース 13 インナケース 14 節度カム部 15 スライドカム部 16 透通孔 17 ガイド溝 61 スライドスイッチ(スイッチ機構) 62 前部バーチカルスイッチ(スイッチ機構) 63 後部バーチカルスイッチ(スイッチ機構) a,b ラバーコンタクト部 c,d 押しピン |