Braking device for electric motor

申请号 JP23342893 申请日 1993-09-20 公开(公告)号 JPH06198578A 公开(公告)日 1994-07-19
申请人 Marquardt Gmbh; マルクアルト ゲーエムベーハ; 发明人 AUGUSUTO GAIGA; AREKUSANDA KUNAPA; MIHIYAERU BUUFUE;
摘要 PURPOSE: To provide a braking device that has a braking switch including a changeover switch for an electric motor for driving an electric hand tool such as a drilling machine, a rectangular grinding machine, and hedging scissors with a positive operation. CONSTITUTION: During a changeover from an electric motor operation to a braking operation, both changeover switches S1, S2 substantially synchronously open the electric motor circuit, a switch contact of the changeover switch S1 close to a power supply is moved later than a switch contact of the changeover switch S2 far from the power supply, an a braking current circuit of the changeover switch S1 close to the power supply is delayingly switched on. During a changeover from the braking operation to the electric motor operation, both of the changeover switches S1, S2 are substantially synchronously opened, the switch contacts of the changeover switches S1, S2 are moved without delay, and the changeover switches S1, S2 substantially simultaneously switch on the electric motor circuit.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 少なくとも2個の切り換えスイッチ(S
    1、S2)から成るブレーキスイッチを有し、電動機動作中の電動機の少なくとも1個の界磁巻線が電機子巻線に直列に切り換えスイッチ(S1、S2)を介して供給電圧に接続していることによって電動機回路が形成されており、切り換えスイッチ(S1)がスイッチングコンタクトを介して界磁巻線の電源に近い端子に接続されていて、電源極に接続された接点(a1)とブレーキ電流回路への第一端子に接続された接点(b1)との間で切り換えることによって、並びに第二切り換えスイッチ(S2)がスイッチングコンタクトを介して電源に遠い界磁巻線の端子に接続されていて、電機子巻線への端子に接続した接点(a2)とブレーキ電流回路への第二端子に接続した接点(b2)との間で切り換えて、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に両切り換えスイッチ(S1、S2)のスイッチング行程の時間のずれが存在することによって、ブレーキ動作中の界磁巻線が電機子巻線と共に両スイッチ(S1、S2)を介して閉じたブレーキ電流回路を形成する、主にボール盤、アングルサンダー、刈り込み鋏等の電動手工具の駆動のための電動機のブレーキ装置であって、 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に電源に近い切り換えスイッチ(S1)のスイッチングコンタクトが電源から遠い切り換えスイッチ(S2)のスイッチングコンタクトに比べて遅延して動かされ、電源に近い切り換えスイッチ(S1)のブレーキ電流回路を遅れてスイッチオンし、ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時に両切り換えスイッチ(S1、S2)が実質的に同期開路し、切り換えスイッチ(S1、S2)のスイッチングコンタクトが遅延せずに動かされ、実質的に同時に電動機回路をスイッチオンすることを特徴とするブレーキ装置。
  • 【請求項2】 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に両切り換えスイッチ(S1、S2)が電動機回路を実質的に同期開路し、その場合に切り換えスイッチ(S1)のスイッチングコンタクトが遅延せずに少なくとも5〜10mm開路し、その後初めて遅延して動かされることを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項3】 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に切り換えスイッチ(S2)のスイッチングコンタクトが遅延せずに動かされることを特徴とする請求項2
    記載のブレーキ装置。
  • 【請求項4】 電動機の供給電圧が交流電圧であり、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に、スイッチングコンタクトが接点(b1)に達する以前に、切り換えスイッチ(S1)に生じるアークが供給電圧の位相の零通過によって消えるように、切り換えスイッチ(S
    1)のスイッチングコンタクトが遅延して動かされることを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項5】 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に、切り換えスイッチ(S1)のスイッチングコンタクトが接点(b1)に当接するまでに少なくとも10
    msec遅延していることを特徴とする請求項4記載のブレーキ装置。
  • 【請求項6】 両切り換えスイッチ(S1、S2)の共通操作部が機械装置へ作用し、該機械装置が両切り換えスイッチ(S1、S2)を互いに係合させ、上記切り換えスイッチ(S1、S2)のスイッチングコンタクトがスイッチング順に運動することを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項7】 抵抗器(4)が電源から遠い切り換えスイッチ(S2)と電機子巻線(5)との間の電動機回路内に接続されており、その場合に抵抗器(4)がフリーホイーリングダイオードとして動作する2個のダイオード(10、7)にブレーキ電流回路内で接続されていることによって抵抗器(4)が電動機動作時の保護抵抗として且つブレーキ動作時のブレーキ抵抗として使われることを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項8】 ダイオード(10)のアノードが電源に遠い切り換えスイッチ(S2)の接点(b2)に接続し、別のダイオード(7)のアノードが抵抗器(4)に接続していることを特徴とする請求項7記載のブレーキ装置。
  • 【請求項9】 抵抗器(4)に並列に別のスイッチ(S
    3)が配設されており、該スイッチ(S3)が閉路した状態で抵抗器(4)をバイパスすることを特徴とする請求項8記載のブレーキ装置。
  • 【請求項10】 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時にスイッチ(S3)のスイッチングコンタクトが遅延せずに且つ実質的に切り換えスイッチ(S1、S
    2)と同時に開路し、ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時にスイッチ(S3)のスイッチングコンタクトが切り換えスイッチ(S1、S2)に比べて遅延して閉路することを特徴とする請求項9記載のブレーキ装置。
  • 【請求項11】 別のスイッチ(S3)がスイッチング順序を実現する機械装置を介して両切り換えスイッチ(S1、S2)に係合し、切り換えスイッチ(S1、S
    2)及びスイッチ(S3)の共通操作部が前記機械装置に作用することを特徴とする請求項10記載のブレーキ装置。
  • 【請求項12】 ブレーキ電子装置(8)がブレーキ電流の制御または調整のためのブレーキ電流回路内に配設されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項13】 別のダイオード(9)がブレーキ電子装置(8)と電機子巻線(5)との間のブレーキ電流回路内に配設されており、その場合に該ダイオード(9)
    のアノードがブレーキ電子装置(8)に接続されていることを特徴とする請求項12記載のブレーキ装置。
  • 【請求項14】 ブレーキ動作のための起動コンデンサーとして使われるコンデンサ(6)が電機子巻線(5)
    に並列に接続されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  • 【請求項15】 コンデンサ(6)がダイオード(9)
    のアノードとダイオード(7)のカソードとの間に接続されていることを特徴とする請求項14記載のブレーキ装置。
  • 【請求項16】 少なくとも2個のコンタクトシステム(S1、S2)を有し、その場合に両コンタクトシステム(S1、S2)が各々第一接点(a1、a2)、第二接点(b1、b2)並びにスイッチングコンタクトを有し、スイッチングコンタクトがそれ自体押し棒により操作可能な揺動部材によって両接点(a1、b1又はa
    2、b2)間でばね要素を介して切り換え可能であり、
    その場合に接点(b1、b2)がコンタクトシステム(S1、S2)の操作されない状態で接続されるようにされた切り換えスイッチとして形成されたブレーキ装置のためのスイッチであって、 少なくとも接点(b1、b2(34、36))から接点(a1、a2(33、35))への切り換え時にスイッチングコンタクト(37、38)の接触面(61、6
    4)が接点(a1、b1、a2、b2、(33、34、
    35、36))から実質的に少なくとも同期的に持ち上げられるように、ばね要素(30)が揺動部材(29)
    及びスイッチングコンタクト(37、38)に配設されていることと、コンタクトシステム(S1(31))が遅延装置(41)に係合し、第一接点(a1(33))
    から接触面(64)が持ち上げられた後の第一接点(a
    1(33))から第二接点(b1(34))への切り換え時に係属スイッチングコンタクト(37)の運動が前記遅延装置(41)によって遅延され、その場合に該スイッチングコンタクト(37)の接触面(61)が他方のコンタクトシステム(S2(32))のスイッチングコンタクト(38)より遅れて第二接点(b1(3
    4))に当接し、第二接点(b1(34))から第一接点(a1(33))への切り換え時に遅延装置(41)
    がスイッチングコンタクト(37)に全く実質的な遅延を生じさせないことを特徴とするスイッチ。
  • 【請求項17】 遅延装置(41)がスイッチングコンタクト(37)に係合した手段及び運動阻止要素から成り、その場合に第一接点(33)から第二接点(34)
    への切り換え時に上記手段が運動阻止要素への嵌入を可能にすることを特徴とする請求項16記載のスイッチ。
  • 【請求項18】 スイッチングコンタクト(37)に係合した手段がスイッチングレバー(45)として形成され、該スイッチングレバー(45)の一端側がスイッチングコンタクト(37)にヒンジ結合され、他端側が係止要素(44)を有することを特徴とする請求項17記載のスイッチ。
  • 【請求項19】 運動阻止要素が回動可能に支持されたドラム(42)から成り、該ドラム(42)内に別の内部ドラム(60)が配設されていて、その場合にドラム(42)と内部ドラム(60)との間に粘性の液体が存在することを特徴とする請求項17記載のスイッチ。
  • 【請求項20】 粘性の液体がシリコーン油であることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  • 【請求項21】 コンタクトシステム(31)に対向した側のドラム(42)の外被面に歯車(43)が配設されていて、該歯車(43)へスイッチングレバー(4
    5)の係止要素(44)が嵌入できることを特徴とする請求項19記載のスイッチ。
  • 【請求項22】 摺動案内部(46)がスイッチ(2
    0)のケース(21)内に配設されていて、スイッチングレバー(45)が第一接点(33)から第二接点(3
    4)への切り換え時に前記摺動案内部(46)に沿って案内され、それにより係止要素(44)がドラム(4
    2)の歯車(43)へ嵌入することを特徴とする請求項21記載のスイッチ。
  • 【請求項23】 摺動案内部(46)が下の引込んだ面(50)と中間の張り出し面(49)と上の引込んだ面(48)とを有し、その場合に下の引込んだ面(50)
    及び上の引込んだ面(48)へのスイッチングレバー(45)の当接時に係止要素(44)が歯合せず、中間の張り出し面(49)へのスイッチングレバー(45)
    の当接時に歯車(43)に歯合していることを特徴とする請求項22記載のスイッチ。
  • 【請求項24】 摺動案内部(46)の移動方向の力による係止要素(44)の付勢のためにばね要素(47)
    がスイッチングレバー(45)に配設されていることを特徴とする請求項23記載のスイッチ。
  • 【請求項25】 スイッチングコンタクト(37)の接触面(64)が第一接点(33)から遅延せずに約5〜
    10mmの間隔持ち上がるように、下の引込んだ面(5
    0)が設けられていることを特徴とする請求項24記載のスイッチ。
  • 【請求項26】 スイッチングコンタクト(37)が少なくとも10msecの遅延時間で第一接点(33)から第二接点(34)へ切り換わるように、中間の張り出し面(49)及びドラム(42)が設けられ、並びにドラム(42)内の液体の粘度が選定されることを特徴とする請求項24記載のスイッチ。
  • 【請求項27】 第二接点(34)から第一接点(3
    3)へのスイッチングコンタクト(37)の切り換え時に分力が生じ、該分力が係止要素(44)を歯車(4
    3)から離脱させるように、ドラム(42)の歯車(4
    3)及び係止要素(44)が協働することを特徴とする請求項21記載のスイッチ。
  • 【請求項28】 歯車(43)の歯(62)が各々傾斜フランク面(51)及び急傾斜フランク面(52)を有することにより、歯車(43)及び係止要素(44)が協働し、その場合に第二接点(34)から第一接点(3
    3)へのスイッチングコンタクト(37)の切り換え時に係止要素(44)が傾斜フランク面(51)と協働し、逆に第一接点(33)から第二接点(34)への切り換え時に急傾斜フランク(52)と協働することを特徴とする請求項27記載のスイッチ。
  • 【請求項29】 第二接点(34)から第一接点(3
    3)への切り換え時に逆運動方向よりも大きなばね力が作用するような初期張力をスイッチングコンタクト(3
    7)の板ばね(30)が有することを特徴とする請求項28記載のスイッチ。
  • 【請求項30】 第二接点(34)から第一接点(3
    3)への切り換え時に板ばね(30)のばね力が逆運動方向よりも少なくとも5倍大きいことを特徴とする請求項29記載のスイッチ。
  • 【請求項31】 接点(54)及びスイッチングコンタクト(55)を有する接点として形成されたコンタクトシステム(53)がスイッチ(20)のケース(21)
    内に配設されていて、その場合に遅延装置の補助を伴うスイッチングコンタクト(55)の運動が、他の両コンタクトシステム(31、32)の第二接点(34、3
    6)から第一接点(33、35)へのコンタクトシステムの切り換え時のコンタクトシステム(31、32)に比べて遅延していることを特徴とする請求項16記載のスイッチ。
  • 【請求項32】 別のコンタクトシステム(53)のための遅延装置としてコンタクトシステム(31)用と同じ遅延装置(41)が使用されることを特徴とする請求項31記載のスイッチ。
  • 【請求項33】 ドラム(42)が別のコンタクトシステム(53)の領域内において歯車(56)を有し、接点(54)の方向へのスイッチングコンタクト(55)
    の運動時にスイッチングコンタクト(55)に配設された手段が前記歯車(56)へ嵌入することを特徴とする請求項32記載のスイッチ。
  • 【請求項34】 上記手段が別のコンタクトシステム(53)のスイッチングコンタクト(55)にヒンジ結合されたレバー(57)を有し、該レバー(57)には係止歯(59)を有する係止レバー(58)がヒンジ結合されていて、上記係止レバー(58)にはドラム(4
    2)の軸に揺動可能に支持された連結レバー(63)が配設され、その場合に接点(54)方向へのスイッチングコンタクト(55)の運動時に係止歯(59)がレバー(57)を介してドラム(42)の歯車(56)に歯合されることを特徴とする請求項33記載のスイッチ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は電動機のためのブレーキ装置及びブレーキ装置内の使用に適合したスイッチに関する。

    【0002】

    【従来の技術】電動機はその運動エネルギーによる供給電圧の遮断後に惰性で回転する時間が長引く。 主にアングルサンダー、チエンソー、電動かんな等の電動工具内に使用する場合、電動機の停止時に、電動機の急ブレーキ即ち電動手工具の急ブレーキを提供することが、ユーザーの傷害を防ぐので望ましい。 通常、開路時に即ち電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に電機子巻線と界磁巻線とがブレーキ電流回路へ接続されるブレーキ装置を介して電動機のブレーキは行われる。 その場合にブレーキ装置内で運動エネルギーが熱に変換されて大気中へ放出される。

    【0003】電動機の電機子がスイッチオフ状態では界磁を介して短絡していることによって、ブレーキ電流回路が形成される交直両用電動機のためのブレーキ装置がDE−PS 35 46 719から公知である。 このブレーキ装置は2個の切り換えスイッチS1、S2から成るブレーキスイッチを備え、切り換えスイッチS1、
    S2の端子はスイッチングコンタクトのために界磁巻線の両端子に接続されている。 電動機のスイッチオフ状態では電機子巻線の極性が界磁巻線を基準にして電動機のスイッチオンの極性と逆になるように、スイッチS1、
    S2の接点のための端子が電源極と電機子巻線の両側とに接続されている。

    【0004】電動機のスイッチオフ時のブレーキ電流回路内の高電流による又は電源短絡によるブレーキスイッチの接点の破壊を回避するために、スイッチング動作がブレーキスイッチ内で時間的にずれて行われる。 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時には最初に電源に近い切り換えスイッチS1が操作され、次に電源に遠い切り換えスイッチS2が操作される。 ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時には最初に電源に遠い切り換えスイッチS2が操作され、次に電源に近い切り換えスイッチS1が操作される。

    【0005】更にブレーキ装置のブレーキ電流回路内に配設され且つ電動機のブレーキの制御に使われる電子回路が公知である。 それらのブレーキ電子装置は例えばD
    E−OS 35 39 841、DE−OS 36 3
    6 555に記載されている。 2個の切り換えスイッチから成るブレーキスイッチ及び主に両切り換えスイッチのスイッチング動作の順序については、これらの公開公報には詳細に記載されていない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】上述のブレーキスイッチを用いたブレーキ装置の場合、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に、主にブレーキ電子装置の使用時にミスブレーキが生じ得ることが明らかである。 この事例では電動機が制動されずに惰性で回転する。 ミスのないブレーキ性能が完全に保証されないブレーキスイッチを有するこのような回路は、安全性の理由からブレーキ装置として不適当であることはすぐ分かる。

    【0007】更にDE−PS 35 46 719に記載されたブレーキスイッチは、接点焼損によって短い使用期間で故障しやすくなることがすでに判明している。
    特に高電、例えば1200W以上の電動機に使用すると最短期間内で接点の溶着が生じて、ブレーキスイッチが使用不能になる。 電動機の停止が期待されないのに、
    ブレーキ動作から直接電動機動作にスイッチバックされるという問題がしばしば発生する。

    【0008】本発明は、動作の確実なブレーキ装置並びにそのブレーキ装置に適合したブレーキスイッチを提供すること、特に高電力の電動機の場合でも早期の破壊が心配されないブレーキスイッチを提供することを目的とする。 また主にブレーキ電子装置を用いた使用にも適したブレーキ装置並びにブレーキスイッチを提供することを目的とする。

    【0009】

    【課題を解決するための手段及び作用】これらの目的は、同類のブレーキ装置の場合に、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に電源に近い切り換えスイッチのスイッチングコンタクトが電源から遠い切り換えスイッチのスイッチングコンタクトに比べて遅延して動かされ、電源に近い切り換えスイッチのブレーキ電流回路を遅れてスイッチオンし、ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時に両切り換えスイッチが実質的に同期開路し、切り換えスイッチのスイッチングコンタクトが遅延せずに動かされ、実質的に同時に電動機回路をスイッチオンすることを特徴とするブレーキ装置により解決される。

    【0010】さらに、ブレーキ装置内に使用のための独自のスイッチの場合に、少なくとも接点から接点への切り換え時にスイッチングコンタクトの接触面が接点から実質的に少なくとも同期的に持ち上げられるように、ばね要素が揺動部材及びスイッチングコンタクトに配設されていることと、コンタクトシステムが遅延装置に係合し、第一接点から接触面が持ち上げられた後の第一接点から第二接点への切り換え時に係属スイッチングコンタクトの運動が前記遅延装置によって遅延され、その場合に該スイッチングコンタクトの接触面が他方のコンタクトシステムのスイッチングコンタクトより遅れて第二接点に当接し、第二接点から第一接点への切り換え時に遅延装置がスイッチングコンタクトに全く実質的な遅延を生じさせないことを特徴とするスイッチにより解決される。

    【0011】本発明のその他の効果的な形成は従属請求項の事項である。

    【0012】

    【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 図1には、例えばボール盤、アングルサンダー、電動かんな、電動刈り込み鋏等といった電動手工具に使用される交直両用電動機の回路が電動機動作の状態で示されている。

    【0013】電動機は界磁巻線1を有し、その界磁巻線1の端子に2個の切り換えスイッチS1とS2が接続されている。 切り換えスイッチS1は2個の接点a1、b
    1間で切り換え、その場合に接点a1は電動機回路のための供給電圧の端子2との第一接続を構成する。 その供給電圧は電源の交流電圧によって作られる。 他の接点b
    1はブレーキ電流回路の第一端子である。 切り換えスイッチS2は2個の接点a2、b2間で切り換えられ、a
    2が電動機回路のための第二接続であり、b2がブレーキ電流回路の第二端子である。 従ってこの実施例では切り換えスイッチS1が電源に近い切り換えスイッチであり、切り換えスイッチS2が電源から遠い切り換えスイッチである。 電動機回路内で接点a2に抵抗器4が接続されていて、その抵抗器4が別のスイッチS3を介してバイパスされる。 更に電機子巻線5が直列に接続され、
    その電機子巻線5に供給電圧の他の端子3が接続されている。 当然ながら電機子巻線5と端子3との間又は第一界磁巻線1とスイッチS2との間に別の界磁巻線を接続することもできる。

    【0014】電動機動作中の回路の機能を以下に説明する。 端子2から出る供給電圧のプラス半波について述べるが、電流方向がその逆であるだけのため、そのマイナス半波について詳細な説明は省略する。 電動機動作の起動段階では、スイッチS3がまだ開路しているので、電流が端子2から切り換えスイッチS1の接点a1と界磁巻線1と切り換えスイッチS2の接点a2とを介して抵抗器4へ流れる。 そこから電流は更に電機子巻線5へ流れ、最終的に供給電圧の端子3へ流れる。 従って起動段階では抵抗器4は起動電流の限定のための保護抵抗として作用する。 起動段階の終了後スイッチS3は閉路され、それにより抵抗器4がバイパスされるので、電流が切り換えスイッチS2と接点a2から直接、電機子巻線5へ限定無く抵抗器4を通って流れる。

    【0015】電機子巻線5に並列にコンデンサ6がダイオード7を介して接続されている。 このコンデンサ6
    は、後述するように、ブレーキ動作の起動のための起動コンデンサとして使われる。 ダイオード7のカソードがコンデンサ6に接続しているので、コンデンサ6は図1
    に示した極性で電動機動作中に充電される。 また供給電圧のマイナス半波におけるコンデンサ6の放電はダイオード7によって阻止される。

    【0016】図2に示すように切り換えスイッチS1及びS2が接点b1、b2に各々、接続されると、界磁巻線1及び電機子巻線5はブレーキ電流回路内に存在する。 この切り換えスイッチS1及びS2のブレーキ動作の状態では電動機が発電機として動作する。 その場合にブレーキ動作中の電流は界磁巻線1と電機子巻線5とを互いに逆方向に流れ、また電動機動作中には界磁巻線1
    及び電機子巻線5を同一方向に流れる。 更にまたブレーキ動作中にはスイッチS3が開路しているので、抵抗器4も同じくブレーキ電流回路内に存在している。 場合により、更にブレーキ電子装置8を図2に示すようにブレーキ電流回路内に配設してもよい。

    【0017】ブレーキ動作への切り換え直後にコンデンサ6が放電されると、電流が切り換えスイッチS1の接点b1の接続を介して界磁巻線1及び切り換えスイッチS2を通って接点b2に流れる。 そこから電流はブレーキ電子装置8を介してコンデンサ6に還流する。 それにより界磁巻線1は供給電圧の各位相に無関係にブレーキ開始時に一定の極性で励磁される。 また、界磁巻線1内の残留磁気が励磁には不十分、又は誤った極性を有する場合でも、界磁巻線1は励磁される。 電動機の発電機動作により作られるブレーキ直流電流は同じく正しい極性を有し、電機子巻線5を基準にして前述の極性において更に界磁巻線1は自己励磁する。 電機子巻線5内の誤った方向性によりミスブレーキを生じる可能性のある、接点b2から抵抗4及び電機子巻線5を介したコンデンサ6の放電は、コンデンサ6のマイナス極と抵抗4とは反対側の電機子巻線5の端子との間に接続されたダイオード9によって阻止される。 この目的のためにダイオード9のアノードがコンデンサ6に接続されている。

    【0018】自己励磁開始後、発電機として動作する電動機の電機子巻線5内に誘導される電圧によって、電流が電機子巻線5からダイオード7を介して接点b1に流れ、さらに切り換えスイッチS1を介して界磁巻線1内に流れる。 次に界磁巻線1から電流が切り換えスイッチS2を介して接点b2に流れ、さらに導通接続されたブレーキ電子装置8に流れた後、電機子巻線5に還流する。 このブレーキ動作中のブレーキ電流回路の第一分岐の電流流れ方向が図4に詳細に示されている。 図示されているように、界磁巻線1及び電機子巻線5は正しい極性を持ち、即ち電流は発電機動作中に必要なため電機子巻線5とは逆に界磁巻線1内を流れる。

    【0019】発電機動作によって界磁巻線1内の電流は上昇する。 電流が一定の上限に達するとブレーキ電子装置8は非導通状態に置かれ、即ち遮断される。 従って接点b2の電流は図3に詳細に示すようにブレーキ電流回路の他の第二分岐内へ流れる。 図示されているように、
    電流はダイオード10を介して抵抗器4を通り、さらにダイオード7を介して接点b1及び切り換えスイッチS
    1を流れた後、界磁巻線1に還流する。

    【0020】従ってダイオード7、9及び10は、ブレーキ電流回路の各分岐内の電流が発電機動作に必要な極性を有するようにも配慮されている。 ブレーキ電子装置8が遮断されている場合に電流が流れるブレーキ電流回路の第二分岐はフリーホイーリング分岐とも呼称される。 フリーホイーリング分岐内に配設されたダイオード7及び10は即ち所謂フリーホイーリングダイオードである。 即ちフリーホイーリング分岐内の電流は抵抗器4
    を介して流れるので、そこで電力が熱に変換され且つ電流が減少する。 従って抵抗器4はブレーキ動作中、電子装置8が遮断されている場合にはブレーキ抵抗器として動作する。 電流がある限界を下回るか、又は所定の時間枠を超えると、電子装置8が再度導通状態におかれ、それにより電流が再度ブレーキ電流回路の第一分岐内へ流れる。 次にブレーキ電子装置8が新たに遮断するまで、
    自己励磁によってブレーキ電流回路内の電流が再度上昇する。

    【0021】これでブレーキ電子装置8は導通状態と非導通状態間で切り換えられ、即ちブレーキ電子装置8はタイミング動作し、言わばブレーキ電流回路内の抵抗損により電動機の運動エネルギーが消費されるまで作動する。 従って一方では電動機を非常に急速にブレーキすることができ、他方でブレーキ電子装置が無ければ生じるかも知れないような、電動機の突然のブレーキが回避されることになる。

    【0022】このようなタイミングブレーキ電子装置のための回路構成は、例えばDE−OS 36 36 5
    55又はDE−OS 40 22 637から公知であり、従ってここでは詳細に解説しない。 タイミング動作するブレーキ電子装置の代わりに、ブレーキ電流回路内を流れる電流がほぼ一定に保たれるようになされた連続動作するブレーキ電子装置が使用されてもよい。 またこのようなブレーキ電子装置も例えばDE−OS 35
    39 841から公知である。

    【0023】主に例えば1200W以上の高電力の電動機が使用される場合に、電動機動作中に電動機回路内を高電流が流れることによって、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に両切り換えスイッチS1、S2のスイッチングコンタクトにアークが生じることがある(図1又は図2参照)。 このアークは電源との短絡を生じさせることがある。 アークが切り換えスイッチS1、
    S2の1つのスイッチングコンタクトにのみ生じる場合は、全エネルギーがその接点全体に流れ、過負荷により接点焼損が生じるので特に有害である。 結局それが切り換えスイッチS1又はS2の接点の破壊、即ち切り換えスイッチS1及びS2の早期の故障となる。 更に電源短絡時にコンデンサ6が接点b1及びそこに生じるアークを介して端子2の電源内へ放電する危険が存在する。 それにより界磁巻線1内の自己励磁の起動のためのエネルギーが全く使えず、電動機が制動されずに惰性で回転するミスブレーキとなる。

    【0024】そのような有害な結果を回避するために両切り換えスイッチS1、S2のスイッチングコンタクトは本発明による方式でスイッチングされる。 最初に電動機動作からブレーキ動作への切り換え時に、両切り換えスイッチS1、S2のスイッチングコンタクトが、実質的に同時に接点a1、a2から離間運動されることによって、両切り換えスイッチS1、S2が電動機回路を実質的に同期開路する。 次に電源に近い切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトが、電源に遠い切り換えスイッチのスイッチングコンタクトS2から遅延して動かされ、即ち両切り換えスイッチS1、S2が時間のずれを伴って切り換えられる。 それにより電源に近い切り換えスイッチS1のブレーキ電流回路は遅れて閉路される電動機動作中に電動機回路を通って流れる高電流によって、切り換えスイッチS1、S2の接点a1、a2とスイッチングコンタクトとの部分溶着が生じることがある。 その場合に切り換えスイッチS1又はS2のスイッチングコンタクトが開路にならず、接点a1又はa2との溶着によって電気接続したままになることが起こるかも知れない。 さらにブレーキ動作が起動できなくなる場合、切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトの即時の遅延時には必ずしも当てはまらないかもしれないが、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時の両スイッチングコンタクトの同期開路によって、スイッチングコンタクトのための充分な剥離力が生じ、スイッチングコンタクトの分離が行われる。

    【0025】切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトの遅延が行われる以前に、効果的に切り換えスイッチS1及びS2のスイッチングコンタクトの同期開路が少なくとも5〜10mmの間隔で遅延せずに行われるので、接点a1、a2からのスイッチングコンタクトの分離及び切り換えスイッチS1、S2の開路が実際に確実に行われることになる。

    【0026】アークが発生する場合には、更に切り換えスイッチS1、S2の両スイッチングコンタクトの同期開路によって、各々2つのアークが同時に作られ、即ち切り換えスイッチS1及びS2に各1つ作られることになる。 それによりアークを介し電流が2つの接点間の間隔に分けられて、接点焼損の有害な結果を伴う個々の接点の過負荷が確実に回避される。 仮に切り換えスイッチS1、S2の両スイッチングコンタクトが同期開路しない場合には、最初に接続された接点にのみアークが生じ、全電力がその接点開路間隔を介して流れるであろう。 その場合に両接点は各々倍の電力に設計されなければならなくなり、それは配置及び経費の問題となるかもしれない。

    【0027】供給電圧が交流電圧の場合、スイッチングコンタクトに生じるアークは一定時間がたつと自然に消滅し、即ち電源電圧の位相が零通過すると消滅する。 更に公知の火花消滅室等の追加手段を切り換えスイッチS
    1又はS2に配設することも可能で、この手段によりアークが消滅される。 従って同期開路後に続く切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトの遅延によって、
    スイッチングコンタクトが接点b1に達する前に、切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトと接点a1
    との間でアークは消滅していることになる。 従って電源内へのコンデンサ6の放電の可能性のある電源短絡に至るかもしれないようなアークによる両接点a1及びb1
    の電気接続は阻止されるため、ミスブレーキは回避されることになる。

    【0028】主に通常の50Hz交流電圧の供給電圧の場合には、遅くとも10msec後に結果として起こるアークの消滅を伴う零通過が生じる。 従って本発明によれば、接点b1に当接するまで少なくとも10msec
    の切り換えスイッチS1のスイッチングコンタクトの遅延が保証される。

    【0029】ブレーキ動作中にブレーキ電流回路内に生じるブレーキ電流は同じく非常に高くなりうる。 その場合に電動機電力に応じて24A及びそれ以上の直流電流が生じることがあり、その直流電流はまずブレーキ動作の経過中に零まで減少される。 ユーザーが電動機動作からブレーキ動作へ切り換え、再び電動機動作へスイッチバックすると、高ブレーキ電流がしばしば未だ減衰されていなくて、切り換えスイッチS1又はS2の接点a
    1、b1又はa2、b2間でアークが生じることがある。 またアークは激しい接点焼損及びそれにより切り換えスイッチの早期の破壊をもたらす。 これは、電動機動作からブレーキ動作への切り換え直後に再びスイッチバックされる場合に、通常ブレーキ抵抗によるブレーキ電流の大きな減少が全く行われないので、特に不利である。

    【0030】このような有害な結果を回避するために、
    ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時に両切り換えスイッチS1、S2のスイッチングコンタクトが実質的に同期開路することによって、両切り換えスイッチS
    1、S2が実質的に同時に接点b1、b2から離間運動される。 次に両スイッチングコンタクトは遅延せずに起動された後に実質的に同時に電動機回路が接続され、即ち両スイッチングコンタクトは実質的に同時に接点a1
    及びa2に当接する。

    【0031】また前述のごとくアークが生じる場合には、同期開路によって各々1つのアークが切り換えスイッチS1及びS2で作られる。 このようにブレーキ電流は2つの接点間の間隔に分けられることによって、両切り換えスイッチS1、S2のどちらも過負荷されない。
    従って接点焼損による破壊は回避される。 しかし更にブレーキ電流は直流電流であるため、位相零通過によるアークの自己消滅が行われないかもしれないという問題が起こる。 この場合にスイッチングコンタクトが接点b1
    又はb2から一定の間隔、離間するとアークの消滅が起こる。 従って両スイッチングコンタクトは、短時間内に大きな間隔を移動するため且つアークを最短時間内に消滅させるために、開路後に遅滞無く動かされる。 それによりユーザーが電動機動作からブレーキ動作への切り換え直後に再び電動機動作にスイッチバックするという極端な場合にも、切り換えスイッチS1、S2の破壊が効果的に阻止される。

    【0032】切り換えスイッチS1及びS2の各スイッチングコンタクトは、本発明による一定のスイッチング順序を有する。 従って両切り換えスイッチS1、S2のための共通の操作部のみを設ければよく、この操作部はユーザーによって電動機動作からブレーキ動作及びその逆に操作されるという利点がある。 従って操作部は機械装置に作用し、機械装置が両切り換えスイッチS1及びS2を係合させることによって両切り換えスイッチS1
    及びS2のスイッチングコンタクトが前記スイッチング順序に従って運動する。

    【0033】抵抗器4はブレーキ動作中にブレーキ抵抗として使われる。 ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時にはブレーキ動作中に開路したスイッチS3は一定時間更に開路したままの状態で起動段階の抵抗器4
    は、上述したように保護抵抗として使用される。 起動段階の間、決定される両切り換えスイッチS1及びS2を基準にした時間の遅延を伴って、起動段階の終了後に、
    スイッチS3は閉路される。 逆に電動機動作からブレーキ動作への切り換え時にスイッチS3は実質的に両切り換えスイッチS1及びS2と同時に開路され、抵抗器4
    は直ちにブレーキ抵抗として使われる。 スイッチS3と両切り換えスイッチS1及びS2とのこのような相互関係に基づいて、スイッチS3も同様に、このスイッチング順序を実現する機械装置を介して切り換えスイッチS
    1及びS2に係合され、共通の操作部を介して操作することができる。

    【0034】特に小電力の電動機である場合には、経費の理由からブレーキ電子装置を省略してもよい。 また、
    電流限定機能を受け持つ制御されない抵抗器をブレーキ電流回路内に配設するだけでもよい。 本発明によるブレーキスイッチはこの点においても適合している。

    【0035】本発明によるブレーキスイッチへの使用に適したスイッチ20が図5及び図6に示されている。 このスイッチ20はケース21を有し、そのケース内部に切り換えスイッチとして形成された2個のコンタクトシステム31、32が引込線に対応するプラグ40とともに設けられている。 本実施例では電動機への引込線とプラグ40との接続は、コンタクトシステム31がブレーキ装置の切り換えスイッチS1に関係し、コンタクトシステム32が切り換えスイッチS2に関係していることにより行われる(図1も参照)。 両コンタクトシステム31、32は各々第一接点33、35及び第二接点3
    4、36並びにスイッチングコンタクト37、38から成る。 スイッチングコンタクト37、38はプラグ40
    を介して図1に示すブレーキ装置内の界磁巻線1の端子に各々接続されている。 更にスイッチ20内の電気接続は、接点33が切り換えスイッチS1の接点a1に対応し、接点34が接点b1に対応するようになされている。 切り換えスイッチS2の場合、接点a2が接点35
    により、接点b2が接点36により形成される。 従ってスイッチングコンタクト37、38は接点33、35と共に電動機回路のための接続であり、接点34、36と共にブレーキ電流回路のための接続である。

    【0036】両接点33、34又は35、36間でスイッチングコンタクト37又は38の切り換えのために、
    ケース21に操作部22が存在し、その操作部22がジャーナル23を介して復帰ばね24の力に抗して揺動可能に支持されている。 操作部22にヒンジ結合した押し棒25は、弾性ベローズ26を介して密閉された穴27
    を通りケース21の内部に達する。 押し棒25はケース21の内部で凹部28を有し、凹部28へケース21の内部にて揺動可能に支持された揺動部材29の第一レバーアームが嵌入する。 各スイッチングコンタクト37、
    38のためのばね要素として、初期張力下にある板ばね30の一端部が揺動部材29の第二レバーアームに固定され、板ばね30の他端部が接触面61に近いスイッチングコンタクト37、38に固定されている。 接触面6
    1と反対側でスイッチングコンタクト37、38がケース21の内部にある刃受39内に支持されている。

    【0037】操作部22が操作されない状態では、スイッチングコンタクト37、38の接触面61が接点3
    4、36に当接していることによって、ブレーキ電流回路のための接続が形成され、供給電圧と電動機との接続が断たれる。 操作部22がユーザーにより操作されると揺動部材29が押し棒25を介して揺動される。 その場合に両スイッチングコンタクト37、38の板ばね30
    が変形する。 共通の揺動部材29の両板ばね30の対称配置に基づき、一定の変形時に接点34、36から両スイッチングコンタクト37、38の接触面61は実質上、同期的に持ち上げられ、このような持ち上げは、ばね力によって瞬発的に行われる。 逆に操作部22から手が離され、再び操作されない状態に戻ると、接点33、
    35から、スイッチングコンタクト37、38の別の接触面64が持ち上げられる。 本発明では切り換えスイッチS1に関連したコンタクトシステム31が遅延装置4
    1を有し、その遅延装置41によって、電動機動作からブレーキ動作への切り換え時、第一接点33から接触面64が持ち上げられた後、スイッチングコンタクト37
    の運動が遅延され、スイッチングコンタクト37の接触面61は、第二接点36への別のコンタクトシステム3
    2のスイッチングコンタクト38の対応する接触面61
    の当接よりも遅れて第二接点34に当接する。 この遅延装置41は、逆の切り換え方向に、即ちブレーキ動作から電動機動作への切り換え時に、動作しないか又は極く無意味なものとなり、従ってスイッチングコンタクト3
    7は、第二接点34から第一接点33への切り換え時には何ら実質的な遅延を生じない。 切り換えスイッチS2
    に関連した他のコンタクトシステム32のスイッチングコンタクト38は、両切り換え方向に動かされ、即ち第一接点35から第二接点36へ、また逆に遅延せずに動かされ、即ちスナップ動作をする板ばね30のばね力により動かされる。

    【0038】遅延装置41の詳細な構成は同じく図5及び図6に示されている。 遅延装置41はスイッチングコンタクト37に係合した部材から成り、その部材が第一接点33から第二接点34への切り換え時に動きを阻止する要素への嵌入を可能にする。

    【0039】このような部材がスイッチングレバー45
    であり、そのスイッチングレバー45の一端側がスイッチングコンタクト37にヒンジ結合され、他端側に係止要素44が設けられている。 運動阻止要素は本実施例においてケース21内に揺動可能に支持された筒形ドラム42から成り、その筒形ドラム42内に、主に図6に示すように、別の内部ドラム60が配設されている。 ドラム42は内部ドラム60に相対して動かされる。 ドラム42の内部でドラム42と内部ドラム60との間に、粘性の液体、例えば適切に選定された粘度のシリコーン油が存在する。 従ってドラム42の回転運動は粘性の液体によって抑制される。 このドラム42の外被面には、コンタクトシステム31に対向した側に歯車43(図5参照)が配設され、その歯車43へスイッチングレバー4
    5に設けられている係止要素44が嵌入できる。 この係止要素44の歯車43への嵌入は、ケース21内に配設された摺動案内部46によって行われ、両接点33、3
    4間のスイッチングコンタクト37の切り換え時に、スイッチングレバー45がその摺動案内部46に沿って案内される。 そのために図7に詳細に示されているスイッチングレバー45のばね要素47が摺動案内部46による案内方向の力によってそのスイッチングレバー45を付勢する。

    【0040】第一接点33から第二接点34への切り換え時の遅延装置41の動作は、図7から図9に詳細に示されている。 図7ではスイッチングコンタクト37の接触面64が第一接点33に当接しており、即ち電動機の電動機動作が行われている。 スイッチングレバー45が摺動案内部46の下の引込んだ面50に当接しており、
    従って係止要素44は歯車43と歯合していない。 次に電動機をスイッチオフするために、即ち電動機動作からブレーキ動作へ切り換えるために、操作部22(図5参照)をユーザーが放すと、スイッチングコンタクト37
    は板ばね30のばね力により接点33から持ち上げられ、その際に電動機回路が開路される。 同時にスイッチングコンタクト37にヒンジ結合したスイッチングレバー45が連動される。 この運動時にスイッチングレバー45は、ばね要素47の力により摺動案内部46に沿って案内され、下の引込んだ面50から張り出し面49へ移動する。 そこで図8に示すように、係止要素44はドラム42の歯車43に歯合する。 スイッチングレバー4
    5が摺動案内部46の中間の張り出し面49に沿って摺動している間、ドラム42により、スイッチングレバー45のそれ以上の運動が阻止され、またスイッチングコンタクト37の切り換え運動も遅延される。 摺動案内部46が中間の張り出し面49から上の引込んだ面48へ移動する時に、図9に示すように、係止要素44が再び歯車43から離脱する。 この状態でスイッチングコンタクト37の接触面61が第二接点34に当接し、ブレーキ電流回路、即ち電動機のブレーキ動作がスイッチオンされる。

    【0041】スイッチングコンタクト37の接触面64
    が遅延せずに第一接点33から約5〜10mmの間隔持ち上がるように、摺動案内部46の下の引込んだ面50
    は設計されている。 更にドラム42及び中間の張り出し面49は、スイッチングコンタクト37の接触面61が少なくとも10msecの遅延時間で接点34に当接するように設計されている。 また所望の遅延時間は更にドラム42内の液体の粘度を適切に選定することによっても調節できる。

    【0042】第二接点34から第一接点33へのスイッチングコンタクト37の切り換え時に、即ち電動機のスイッチオン又はブレーキ動作から電動機動作への切り換え時に、ドラム42の歯車43への係止要素44の嵌入は全く行われないか又は無意味な嵌入が行われ、従ってスイッチングコンタクト37の実質的な遅延は何ら生じない。 これは、ヒンジ結合されたスイッチングレバー4
    5による第一接点33へのスイッチングコンタクト37
    の運動時に、歯車43及び係止要素44の協働によって、歯車43から脱する方向を持つ分力が係止要素44
    に作用するように、ドラム42の歯車43が形成されていることによって達成される。 そのために歯車43の歯62は2つのフランク面、即ち図10又は図11に示すように、傾斜フランク面51及び急傾斜フランク面52
    を有する。

    【0043】摺動案内部46の上の引込んだ面48に沿ったスイッチングレバー45の運動時に、係止要素44
    は摺動案内部46の中間の張り出し面49に到達するとばね要素47の力により再び歯車43内へ動かされ、その際にドラム42が逆時計方向に回転運動する。 即ち切り換え運動は第二接点34から第一接点33へ行われるので、図11に示すように、傾斜フランク面51は係止要素44と協働し、その場合に係止要素44と傾斜フランク面51との間の度によって、歯車43から脱する分力が生じる。 これらの分力によって、スイッチングレバー45がばね要素47の力に逆らって摺動案内部46
    の中間の張り出し面49から離間され、係止要素44が歯車43から離脱する。 スイッチングレバー45は従って実質的に遅延せずにスイッチングコンタクト37と一緒に第一接点33へ移動され、その場合にドラム42の回転運動による歯車43への係止要素44の嵌入はこの運動中には行われない。

    【0044】この効果は、第二接点34から第一接点3
    3への切り換え時に逆の運動方向におけるよりもより大きなばね力が作用するように、板ばね30の初期張力が選定されることによって強化されうる。 それによりブレーキ動作から電動機動作への切り換え時、歯車43への係止要素44の嵌入は、ヒンジ結合されたスイッチングレバー45によるスイッチングコンタクト37のより大きな運動速度によって追加的に阻止される。 ブレーキ動作から電動機動作への切り換え方向に逆方向よりも約5
    倍大きなばね力が特に適していることが判明している。

    【0045】逆に電動機動作からブレーキ動作への切り換え時には、歯車43への係止要素44の嵌入、即ち先に説明した遅延が確保されている。 図10に示すように、ドラム42はスイッチングレバー45によって時計方向に動かされ、急傾斜フランク面52は係止要素44
    に実質的に平行に当接している。 従って歯車43から脱する分力は生じず、寧ろ係止要素44から歯車43へ加えられた力がスイッチングレバー45の運動方向に実質的に平行に作用することによって、ばね要素47が歯車43への係止要素44の嵌入に促進的に作用する。 いずれにせよドラム42の運動阻止により生じる力は、その係止要素44から歯車43へ加えられるスイッチングレバー45の運動方向の力とは反対に作用するので、スイッチングレバー45の運動が遅延される。

    【0046】図1により上述したように、ブレーキ装置内には更に別のスイッチS3を保護抵抗及びブレーキ抵抗として動作する抵抗器4のバイパスのために配設してもよい。 このスイッチS3は同じくスイッチ20内へ一体に設ければ効果的である。 接点として形成されたスイッチS3は、主に図6に示すように、別のコンタクトシステム53としてスイッチ20のケース21内に配設されている。 コンタクトシステム53は接点54及びスイッチングコンタクト55のみを有する。 ブレーキ動作においてスイッチングコンタクト55が接点54から持ち上げられることによって、コンタクトシステム53が開路している。 操作部22を介してブレーキ動作から電動機動作へ切り換えられ、電動機がスイッチオンされると、遅延装置を介してスイッチングコンタクト55の運動が阻止される。 他方で電動機回路をスイッチオンするスイッチングコンタクト37又は38が第二接点34又は36から第一接点33又は35へ遅延せずに切り換えられる間、電動機の起動段階がその時間内に完了するように適切に選定された遅延時間が経過した後に初めて、
    スイッチングコンタクト55が接点54に当接し、抵抗器4がバイパスされる(図1参照)。 逆に電動機動作からブレーキ動作への切り換え時には、スイッチングコンタクト55が接点54から遅延せずに持ち上げられ、コンタクトシステム53は遅延せずに開路される。

    【0047】別のコンタクトシステム53の遅延装置として、コンタクトシステム31のために予め存在する運転阻止要素が効果的な方式で共用されうる。 そのためにドラム42はコンタクトシステム53の領域内に同じく歯車56を有し、接点54方向へスイッチングコンタクト55が運動する時に、更に図12に示すように、スイッチングコンタクト55に配設された部材が歯車56へ嵌入する。 この部材はスイッチングコンタクト55にヒンジ結合されたレバー57から成り、そのレバー57は係止歯59を有する係止レバー58にヒンジ結合している。 係止レバー58は、別にドラム42の軸にて揺動可能に支持された連結レバー63に配設されている。 ブレーキ動作から電動機動作への切り換え時には、係止レバー58の係止歯59がスイッチングコンタクト55の運動によりレバー57を介して歯車56に歯合され、スイッチングコンタクト55の運動が上述した原理により遅延される。 電動機動作からブレーキ動作への切り換え時には、係止レバー58がレバー57を介してドラム42
    から瞬発的に持ち上げられることによって、係止レバー58の係止歯59は直ちに歯車56から離脱し、その結果、コンタクトシステム53の開路時には何らの遅延も生じない。

    【0048】本実施例では液体により抑制されるドラム42及びスイッチレバー45から成る遅延装置41が説明されている。 本発明の構造では他の動作原理に基づく遅延装置もブレーキ装置に適合したスイッチに使用できるようになっている。 例えば遅延装置はピストン−シリンダー装置によっても動作可能で、その場合、気体圧力によって抑制される。

    【0049】

    【発明の効果】本発明により達成される効果は、特に故障しない非常に確実なブレーキ装置が提供されることにある。 ミスブレーキによるユーザーの危険性は排除されうる。 本発明によるブレーキ装置は汎用可能であり、高電力の電動機にも使用できる。 ブレーキスイッチの溶着又は接点焼損による早期の故障が生じない。 同時にブレーキ動作中の電動機の過負荷が回避され、電動機は広範囲に保護され、結果的に電動機の寿命が向上される。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】電動機動作の状態にある、電動機のブレーキ電子装置を有するブレーキ装置の原理回路図である。

    【図2】ブレーキ動作の状態にあるブレーキ装置の回路図である。

    【図3】ブレーキ電子装置が遮断されている場合のブレーキ動作中のブレーキ電流回路内の電流の流れを示す回路図である。

    【図4】ブレーキ電子装置が導通状態である場合のブレーキ動作中のブレーキ電流回路内の電流の流れを示す回路図である。

    【図5】ブレーキ装置内にて使用されるスイッチの断面図である。

    【図6】図5の線6−6に沿った断面図である。

    【図7】図5に示すスイッチの詳細図であり、電動機動作にある遅延装置を示す。

    【図8】図5に示すスイッチの詳細図であり、切り換え状態の遅延装置を示す。

    【図9】図5に示すスイッチの詳細図であり、ブレーキ動作にある遅延装置を示す。

    【図10】電動機動作からブレーキ動作への切り換え中の遅延装置の拡大図である。

    【図11】ブレーキ動作から電動機動作への切り換え中の遅延装置の拡大図である。

    【図12】図6の線12−12に沿った断面図である。

    【符号の説明】

    1 界磁巻線 2、3 供給電圧の端子 4 抵抗器 5 電機子巻線 6 コンデンサ 8 ブレーキ電子装置 7、9、10 ダイオード 20 スイッチ 21 ケース 22 操作部 23 ジャーナル 24 復帰ばね 25 押し棒 26 弾性ベローズ 27 穴 28 凹部 29 揺動部材 30 板ばね 31、32 コンタクトシステム 33、35 第一接点 34、36 第二接点 37、38 スイッチングコンタクト 39 刃受 40 プラグ 41 遅延装置 42 ドラム 43 歯車 44 係止要素 45 スイッチングレバー 46 摺動案内部 47 ばね要素 48 上の引込んだ面 49 中間の張り出し面 50 下の引込んだ面 51 傾斜フランク面 52 急傾斜フランク面 53 コンタクトシステム(接点) 54 接点 55 スイッチングコンタクト 56 歯車 57 レバー 58 係止レバー 59 係止歯 60 内部ドラム 61、64 (スイッチングコンタクトの)接触面 62 (歯車の)歯 63 連結レバー

    フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダ クナパ ドイツ連邦共和国 78604 リートハイム −ヴァイルハイム アム−ツィマープラッ ツ 11 (72)発明者 ミヒャエル ブーフェ ドイツ連邦共和国 78604 リートハイム −ヴァイルハイム アム−ツィマープラッ ツ 13

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