自転車制御装置およびその制御装置の製造方法

申请号 JP2015196426 申请日 2015-10-02 公开(公告)号 JP2016074417A 公开(公告)日 2016-05-12
申请人 カンパニョーロ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ; CAMPAGNOLO SOCIETA A RESPONSABILITA LIMITATA; 发明人 ロサティ・ステファノ;
摘要 【課題】簡単に製造かつ装着可能な自転車の車載電子装置の制御装置の提供。 【解決手段】自転車の車載電子装置の指令を入 力 する、少なくとも1つの電気スイッチ(71,72)と、拘束領域(50,150)、少なくとも1本の指で押圧される駆動領域(46,47,146,147)およびその駆動領域の作動により前記スイッチを作動させる被駆動領域(55,56,155,156)を含む、少なくとも1つの制御部材(32,33,132,133)と、を備える制御装置(10)において、前記制御部材がレバー様であり、かつ、前記拘束領域、駆動領域および被駆動領域が、一方向に長い本体(48,49,148,149)に、その拘束領域を中心として弾性的に屈撓するように形成されており、かつ、この屈撓により前記被駆動領域が、意図的に前記駆動領域および/または前記拘束領域に対して偏位される制御装置。 【選択図】図2
权利要求

自転車の車載電子装置の制御装置(10)であって、 −電気式の少なくとも1つのスイッチ(71,72)であって、その状態の変化が前記車載電子装置の指令を入する、電気式の少なくとも1つのスイッチ(71,72)と、 −少なくとも1つの制御部材(32,33,132,133)であって、拘束領域(50,150)、少なくとも1本の指によって押圧される駆動領域(46,47,146,147)、およびその駆動領域(46,47,146,147)が作動されると前記少なくとも1つのスイッチ(71,72)を作動させるように構成された被駆動領域(55,56,155,156)を含む、少なくとも1つの制御部材(32,33,132,133)と、 を備える、制御装置(10)において、 前記少なくとも1つの制御部材(32,33,132,133)が、レバー様の制御部材であり、かつ、前記拘束領域(50,150)、前記駆動領域(46,47,146,147)および前記被駆動領域(55,56,155,156)が、一方向に長い本体(48,49,148,149)に、その拘束領域(50,150)を中心として弾性的に屈撓するように形成されており、かつ、この弾性的な屈撓性により、前記被駆動領域(55,56,155,156)が、意図的に前記駆動領域(46,47,146,147)および/または前記拘束領域(50,150)に対して偏位されることを特徴とする、制御装置(10)。請求項1に記載の制御装置(10)において、前記拘束領域(50,150)が、ピボット領域でない、制御装置(10)。請求項1または2に記載の制御装置(10)において、前記拘束領域(50,150)が、少なくとも1つの前記レバー様の制御部材(32,33,132,133)をブレーキレバー(31,131)に拘束する、制御装置(10)。請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置(10)において、2つの前記レバー様の制御部材(32,33,132,133)が、単一のボディ(51,151)に、それぞれの前記被駆動領域(55,56,155,156)が各々のスイッチ(71,72)に対応するように形成されている、制御装置(10)。請求項4に記載の制御装置(10)において、共通の拘束領域(50,150)が、前記2つのレバー様の制御部材(32,33,132,133)をブレーキレバー(31,131)に拘束する、制御装置(10)。請求項5に記載の制御装置(10)において、前記単一のボディ(51,151)が、溝のかたちをした構造(52,152)を有しており、前記少なくとも1つのスイッチ(71,72)が、前記単一のボディ(51,151)のその溝(52,152)内に挿入するように形成されている、制御装置(10)。請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置(10)において、弾性的に屈撓する前記一方向に長い本体(48,49,148,149)が、前記駆動領域(46,47,146,147)の押圧方向(X,Y)に比較的高い屈撓性を示し、その押圧方向(X,Y)と直交し且つ相互にも直交する2つの方向に比較的低い屈撓性を示す、制御装置(10)。請求項7に記載の制御装置(10)において、弾性的に屈撓する前記一方向に長い本体(48,49,148,149)が、前記駆動領域(46,47,146,147)で押圧方向(X,Y)に比較的小さい厚さを有し、その押圧方向(X,Y)と直交し且つ相互にも直交する2つの方向に比較的大きい厚さを有する、制御装置(10)。請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置(10)において、前記少なくとも1つのスイッチ(71,72)が、同じプリント回路基板(PCB)(70,70A)に実装された二つのスイッチ(71、72)から構成され、このPCB(70,70A)が、2つの前記レバー様の制御部材(32,33,132,133)を保持する単一のボディ(51,151)に形成された溝(52,152)内に収容されている、制御装置(10)。請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置(10)において、それぞれのレバー様の制御部材(132,133)または前記単一のボディ(151)が、前記ブレーキレバー(131)と共成形されている、制御装置(10)。自転車の車載電子装置の制御装置(10)のうちの、制御サブセット(130)を製造する方法であって、 −制御レバー(131)を形成する、補強繊維を有する熱可塑性又は熱硬化性マトリクスを含む複合材料の少なくとも1層と、少なくとも1つのレバー様の制御部材(132,133)とを、一体品(130)として金型に配置する工程と、 −前記金型において、前記制御レバー(131)と前記少なくとも1つのレバー様の制御部材(132,133)との間に付着防止材を配置する工程と、 −前記金型のキャビティを、前記熱可塑性又は熱硬化性のマトリクスの架橋結合または硬化に適した温度および/または圧力プロファイルに曝す工程と、 −前記金型から前記一体品(130)を取り出す工程と、 −前記付着防止材を取り除く工程と、 を含む、制御サブセット(130)の製造方法。自転車の車載電子装置の制御装置(10)であって、 −自転車固定ボディ体(12)と、 −少なくとも1つのレバー様の制御部材(32,33,132,133)を含む制御サブセット(30,130)と、 を備え、前記制御サブセット(30,130)が、当該制御サブセット(30,130)の部品を互いにばらばらにすることなく一体品として前記自転車固定ボディ体(12)から取外し可能である、制御装置(10)。

说明书全文

本発明は、概して、自転車制御装置および該制御装置の製造方法に関する。

本発明は、詳細には、少なくとも1つの電気的−電子的な制御を、自転車の少なくとも1つの機器、例えば、電気機械式のディレイラ、サイクルコンピュータなどに与えるための自転車用制御装置に関する。

本明細書および添付の特許請求の範囲において、「少なくとも1つの電気的−電子的な指令を与える自転車制御装置」といった表現は、その制御装置が、さらに、少なくとも1つの機械的な指令を、自転車の少なくとも1つの機械的な機器、例えば、機械式のディレイラおよび/または機械ブレーキなどに与えることができる可能性を除外するかの如く限定的に解釈されるべきでない。

公知の自転車制御装置は、1つ以上の手動作動部材を備えている。このような手動作動部材は、レバー型、すなわち、ピボット又は支点を中心とした回転運動によって作動される剛体であったり、ボタン型、すなわち、直線運動によって作動されるものであったりする。上記の手動作動部材は1本の指又は複数本の指によって作動させることが可能である。典型的に、このような手動作動部材は、ハンドルバーのグリップ部に固定するのに適したボディ体によって支持される。

少なくとも1つの電気的−電子的な指令を与える制御装置の場合、前記手動作動部材は、ドーム形状の変形可能なダイアフラムを各自備えたマイクロスイッチタイプのそれぞれの電気式のスイッチに働きかける。スイッチを切り替えるには、それぞれの手動作動部材に固定された作動ヘッドが、当該手動作動部材の休止状態において前記変形可能なダイアフラムに面し、当該手動作動部材の作動状態においてその変形可能なダイアフラムを押圧することによって作用する。

詳細に説明すると、自転車は、典型的に、後輪に対応するリアブレーキおよび/または前輪に対応するフロントブレーキを備えている。これらのブレーキは、適切な制御装置によって制御される。公知のブレーキ制御装置は、典型的に、ハンドルバー固定ボディ体およびブレーキレバーを備えている。ブレーキレバーは、前記ボディ体にピボットされており、ハンドルバー方向に引っ張られることにより、非伸縮性のケーブル(通常、シースが付いており、ボーデンケーブルと称される)を牽引してブレーキを作動させる。

自転車のトランスミッションシステム(motion transmission system)は、ペダルクランク軸に結合した歯車と後輪のハブに結合した歯車との間に延在するチェーンを含む。前記ペダルクランク軸の歯車および前記後輪のハブの歯車のうち、少なくとも一方が複数の歯車からなる場合には、前記トランスミッションシステムに、フロントディレイラおよび/またはリアディレイラを具備したギアシフト装置が設けられる。

通常、フロントディレイラの制御装置は、ハンドルバーのうち、前輪のブレーキを制御するブレーキレバーが配置されている側のハンドグリップ近傍の箇所に、運転者が操作し易いように装着されており、かつ、リアディレイラの制御装置は、ハンドルバーのうち、後輪のブレーキを制御するブレーキレバーが配置されている側のハンドグリップ近傍の箇所に、運転者が操作し易いように装着されている(より単純なギアシフト装置の場合には、一方の制御装置のみが、対応するハンドグリップ近傍の箇所に装着されている)。ディレイラの双方向駆動及びブレーキの駆動の両方を可能にする制御装置は、「統合型の制御装置(integrated controls)」と称される。

具体的に述べると、統合型の制御装置は、ブレーキレバーを備えているのに加えて、電気機械式のディレイラを双方向に指令できるように、ブレーキレバーの背後等に配置される第1のギアシフトレバーと、当該制御装置の自転車固定ボディ体における近位側の表面等に配置される第2のギアシフトレバーとを備えている。

本明細書の以降の説明および添付の特許請求の範囲では、外側、内側、上側、下側、側方、遠位側および近位側といった用語を、制御装置、制御装置を構成する部品(つまり、当該制御装置の装着後の休止状態での向きに向いている)および自転車のハンドルバーについて、これらの幾何学的な要素/構成要素および構造的な要素/構成要素を説明する際に使用している。具体的に述べると、遠位側および近位側といった用語は、ハンドルバーの中央を基準として使用している。

なお、フロントディレイラ及び前輪のブレーキレバーを制御する制御装置をハンドルバーのうちの左側のハンドグリップ近傍に設置し、リアディレイラ及び後輪のブレーキレバーを制御する制御装置を右側のハンドグリップ近傍に設置するのが通例である。

上記のほかにも、単一のレバーが2つ以上の軸心周りに回転可能であり、かつ、この単一のレバーがブレーキ制御レバーの機能、シフトアップ制御レバーの機能およびシフトダウン制御レバーの機能のうちの2つ又は3つの機能を実行する制御装置が知られている。

また、競走用のハンドルバーとして、前方に顕著に向いた2つ又は4つのバー又は端部を有しており、これらのバー又は端部により、胴体を大きく前方に傾かせた空気学的に高効率な姿勢を運転者が取ることを可能にする、特殊な競走用のハンドルバーが知られている。このようなハンドルバーの場合、ブレーキとギアシフト装置の両方に関して特有の制御装置が使用される。これらの制御装置は一般的にバーエンドと称され、事実、ハンドルバーの端部に収まる。これにより、運転者は、自身の姿勢を変える必要なくそれらの制御装置を容易に作動させることができる。

電子的サーボ支援型のギアシフト装置(「電子式のギアシフト装置」と略称することもある)の場合、1つ又は2つの制御レバーが、ギヤ比を上げる指令およびギヤ比を下げる指令を与えるのに使用され得る。そして、それぞれの指令を与えられた制御電子部が、フロントディレイラおよび/またはリアディレイラを適切に駆動する。

本発明は、既述した全種類の制御装置に適用可能であるだけでなく、原則として、自転車の電気的および/または電子的な機器、例えば、ディレイラ、いわゆるサイクルコンピュータ等に指令を与えることが可能な(suitable for)あらゆる装置に適用可能である。

本発明の根底をなす技術的課題は、極めて簡単に製造可能かつ装着可能な制御装置を提供することである。

本発明の一構成は、自転車の車載電子装置(bicycle on-board electronic device)の制御装置であって、 −電気式の少なくとも1つのスイッチであって、その状態の変化が前記車載電子装置の指令を入力する、電気式の少なくとも1つのスイッチと、 −少なくとも1つの制御部材であって、拘束領域(constraint region)、少なくとも1本の指によって押圧される駆動領域、およびその駆動領域が作動されると前記少なくとも1つのスイッチを作動させるように構成された被駆動領域を含む、少なくとも1つの制御部材と、を備える、制御装置において、 前記少なくとも1つの制御部材が、レバー様の制御部材であり、かつ、前記拘束領域、前記駆動領域および前記被駆動領域が、一方向に長い本体に、その拘束領域を中心として弾性的に屈撓(elastically yielding)するように形成されており、かつ、この弾性的な屈撓性により、前記被駆動領域が、意図的に前記駆動領域および/または前記拘束領域に対して偏位されることを特徴とする、制御装置に関する。

本明細書および添付の特許請求の範囲において、「レバー様の制御部材」(lever -resembling control member)という表現は、機械的なレバーと同じように、長手軸心を有し、かつ、当該長手軸心に沿った第1の位置で拘束されており、かつ、当該長手軸心に沿った第3の位置に駆動力が加えられると、その抵抗力を当該長手軸心に沿った第2の位置で伝達させる制御部材のことを意味する。ただし、本発明にかかるレバー様の制御部材は、第1の拘束位置を中心として回転するように構成される機械的なレバーのように(意図せず変形する場合を除き)剛体ではなく、むしろ、被駆動領域と拘束領域との間で相対的な偏位が得られるように長手軸心に沿ってフレキシブルな可撓体とされる。

そのような偏位は、本質的に前記弾性的な屈撓性のみにより起こる。

好ましくは、前記拘束領域は、ピボット領域でない。すなわち、前記拘束領域は、ピボットおよび/またはピボット受け(pivot seat)を有さない。

前記拘束領域は、使用状態において、別の何らかに取外し不能に固定された領域である。

このようにして、有利なことに、拘束用のピボットや戻し要素(ばね)をなくすことができる。これにより、従来のピボットされる制御レバーに比べて、組立時間およびコストを減らすことができる。

好ましくは、前記拘束領域は、少なくとも1つの前記レバー様の制御部材をブレーキレバーに拘束する。ただし、前記拘束領域が少なくとも1つの前記レバー様の制御部材を自転車固定ボディ体または自転車に拘束する。

好ましくは、それぞれのレバー様の制御部材は、単一のスイッチのみに各自対応する。ただし、1つのレバー様の制御部材が2つのスイッチに対応し、当該レバー様の制御部材の押圧領域が第1の方向に押圧されると一方のスイッチを作動させ、その押圧領域が第2の方向に押圧されるか又は前記第1の方向により強く押圧されると他方のスイッチを作動させることもできる。

好ましくは、2つの前記レバー様の制御部材は、それぞれの前記被駆動領域が各々のスイッチに対応するように、単一のボディに形成されている。

前記制御部材又は前記単一のボディと前記電気式の少なくとも1つのスイッチとは、自転車または自転車固定ボディ体、特に、自転車のハンドルバーに対して、互いに独立して固定可能なものであり得る。

ただし、好ましくは、前記制御部材又は前記単一のボディと前記電気式の少なくとも1つのスイッチとは、ブレーキレバーに対して、互いに独立して固定可能なものとされる。

より好ましくは、前記ブレーキレバーは、自転車固定ボディ体、特に、自転車のハンドルバーにピボットされる。

このようにして、一まとめのブロック(single block)として簡単に交換可能な制御「サブセット」又は制御「アッセンブリ」(assembly:組立体)が形成される。これにより、例えばサイズ、形状、色、材料等が異なる様々なサブセットを用意しておくことができる。また、これら様々なサブセットは、例えばブレーキレバーのみを含むサブセット、ブレーキレバーと1つのレバー様の制御部材とを含むサブセット、ブレーキレバーと2つ以上のレバー様の制御部材とを含むサブセット、2つ以上のレバー様の制御部材のみを含むサブセット等のように、制御部材の数が異なるものであってもよい。

より好ましくは、前記単一のボディは、ブレーキレバーにおける後向きの溝内(rear channel)に挿入するように形成されている。

一実施形態では、2つの前記レバー様の制御部材が、単一のボディに、それぞれの前記被駆動領域が各々のスイッチに対応するように形成されており、かつ、共通の拘束領域が、それら2つのレバー様の制御部材をブレーキレバーに拘束する。

好ましくは、前記単一のボディは、溝のかたちをした構造(channel-shaped configuration)を有しており、前記少なくとも1つのスイッチが、前記単一のボディのその溝内に挿入するように形成されている。

好ましくは、前記電気式のスイッチは、瞬時変形メンブレン(sudden deformation membrane)タイプである。

好ましくは、前記被駆動領域に、電気式スイッチ作動用凸部が設けられている。

そのような凸部は、作動ピン(actuation pin)を含み得る。

有利なことに、弾性や「クリック感」(click feeling)が、レバー様の制御部材の前記弾性的な屈撓性によって固有なものであるから、前記ピンを、前記被駆動領域に固定的に設ける(fixed)ことが可能となる。

好ましくは、弾性的に屈撓する前記一方向に長い本体は、前記駆動領域への押圧方向に比較的高い屈撓性を示し、その押圧方向と直交し且つ相互にも直交する2つの方向に比較的低い屈撓性を示す。

より好ましくは、弾性的に屈撓する前記一方向に長い本体は、前記駆動領域への押圧方向に比較的小さい厚さを有し、その押圧方向と直交し且つ相互にも直交する2つの方向に比較的大きい厚さを有する。

好ましくは、前記少なくとも1つのスイッチは、プリント回路基板(PCB)に実装されている。

好ましくは、スイッチが2つ以上設けられる場合、当該スイッチは、同じPCBに実装され、より好ましくは、そのPCBにおける2つの互いに反対側の表面(両側の表面)に実装される。

前記PCBは、筐体内に収容されている/筐体内に収容可能なものとされる。

一実施形態において、前記PCBは、前記車載電子装置と無線で通信するものであり、かつ、当該PCBが、送信部又は送受信部とバッテリ電源とを有している。

他の実施形態において、前記PCBは、前記車載電子装置と有線で通信するものであり、かつ、コネクタが、自転車側のコネクタと合致するように設けられている(好ましくは、その自転車側のコネクタは、前記自転車固定ボディ体に設けられている)。

好ましくは、その場合の前記PCBは、前記車載装置の電源から有線で給電されるものであり、前記コネクタ内には、少なくとも1本の給電用のケーブルが通されている。

より好ましくは、前記少なくとも1つのスイッチは、同じプリント回路基板(PCB)に実装された二つのスイッチから構成されており、このPCBが、2つの前記レバー様の制御部材を保持する単一のボディに形成された溝内に収容されている。

好ましくは、少なくとも2つの前記レバー様の制御部材は、第1のギアシフト方向へのギアシフト動作を制御する制御部材(member control)、第2のギアシフト方向へのギアシフト動作を制御する制御部材(member control)、および車載電子装置の指令を入力するための部材からなる群から選択される。

好ましくは、前記自転車の車載電子装置は、少なくとも1つの電気機械式のディレイラを含む。

好ましくは、それぞれのレバー様の制御部材は、熱可塑性材料又は熱硬化性材料マトリクスと補強繊維とを含む複合材料から作製されている。好ましくは、その補強繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、および/またはこれらの組合せである。

変形例として、それぞれのレバー様の制御部材は、金属、好ましくは、鋼またはアルミニウムから作製されており、かつ、前記拘束領域が、溶接領域を含んでいる。

それぞれのレバー様の制御部材または前記単一のボディは、ねじで前記ブレーキレバーに固定されるものであってもよいし、ねじで前記自転車固定ボディ体に固定されるものであってもよいし、ねじで自転車に直接固定されるものであってもよい。

実施形態において、それぞれのレバー様の制御部材または前記単一のボディは、前記ブレーキレバーと共成形(co-moulded)されている。

本発明の他の構成は、自転車の車載電子装置を制御する制御装置の制御サブセットを製造する方法であって、 −補強繊維を有する熱可塑性又は熱硬化性マトリクスを含む複合材料の少なくとも1層を、制御レバーと少なくとも1つのレバー様の制御部材とを一体品として形成するように金型に配置する工程と、 −前記金型において、付着防止材(anti-adhesion material)を、前記制御レバーと前記少なくとも1つのレバー様の制御部材との間に配置する工程と、 −前記金型のキャビティに、前記熱可塑性又は熱硬化性のマトリクスの架橋結合または硬化(setting)に適した温度および/または圧力プロファイルを懸ける工程と、 −前記金型から前記一体品を取り出す工程と、 −前記付着防止材を取り除く工程と、 を含む、制御サブセットの製造方法に関する。

本発明のさらなる他の構成は、自転車の車載電子装置の制御装置であって、 −自転車固定ボディ体と、 −少なくとも1つのレバー様の制御部材を含む制御サブセットと、 を備え、前記制御サブセットが、当該制御サブセットの部品を互いにばらすことなく(disassembled)、一体品として前記自転車固定ボディ体から取外し可能である、制御装置に関する。

本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照しながら行う一部の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。なお、後述の実施形態は、あくまでも例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。

本発明にかかる自転車制御装置の一実施形態であって、組立後の状態における同実施形態を示す斜視図である。

図1の自転車制御装置であって、制御サブセットを取り外した状態における同制御装置を示す斜視図である。

図1の制御サブセットの一部の部品を、部分的に分解した(exploded)状態で、第1の方向から見た斜視図である。

図1の制御サブセットの一部の部品を、部分的に分解した状態で、第2の方向から見た斜視図である。

図2の制御サブセットであって、取付後の状態における同制御サブセットを示す背面図である。

図1の制御サブセットのうちの一つの制御部材を示す平面図である。

本発明の他の実施形態の自転車制御装置であって、制御サブセットを取り外した状態における同制御装置を示す斜視図である。

図7の制御サブセットの一部の部品を、部分的に分解した状態で示す斜視図である。

本発明のさらなる他の実施形態のマルチ制御エレメントを示す部分断面斜視図である。

図9のマルチ制御エレメントを示す断面図である。

図1〜図6に、本発明にかかる自転車制御装置10の一実施形態を示す。

制御装置10は、右側の制御装置であり、すなわち、運転者が右手で作動することができるように自転車のハンドルバーの右端部に接続される制御装置である。ハンドルバーの左端部に接続される制御装置の場合、その制御装置は実質的にこの右側の制御装置10の鏡像(mirror image)となる。

図示の制御装置10は、自転車固定ボディ体(bicycle-fixing-body)12を備えている。図示の実施形態において、自転車固定ボディ体12は、走行方向においてハンドルバーの前方に突出するように、その表面13(ハンドルバーへの装着後の状態を空間的な基準とすれば後面13)で、自転車のハンドルバーの湾曲したハンドグリップ部に前方から固定されるのに適している。この固定はどのような連結手段で行われてもよく、例えば、図示のストラップ14等を介して行われる。

好ましくは、自転車固定ボディ体12は、1つの走行状態において運転者がこれを把持できるように、かつ、異なる(他の)走行状態において運転者がハンドルバーを把持した際にはこれが運転者の手の直ぐ上に位置するように形成及び寸法決めされている。

一般的に、自転車固定ボディ体12は、外側又は遠位側の側面15(右側の制御装置の場合には右側の側面)、内側又は近位側の側面16(右側の制御装置の場合には左側の側面)、上面17、下面18、および前記後面13とは反対側の前面19を有している。

好ましくは、上面17は、自転車固定ボディ体12において前側−上向きの突起20が形成されていることからフラットではない。好ましくは、前側−上向きの突起20は、さらなる他の走行状態において運転者がこれを把持可能なものとされる。

しかしながら、自転車固定ボディ体12の具体的な形状については、図示のものや既述したものと大きく異なっていてもよい。

本発明にかかる制御サブセット又は制御アッセンブリ30は、自転車固定ボディ体12に取り付けられ、かつ、後述するように、当該制御サブセット30の部品を互いにばらすことなく一体品として自転車固定ボディ体12から取外し可能である。

この構成は、それ自体で進歩性(inventive aspect)を有する。 好ましくは、制御サブセット30は、自転車固定ボディ体12における前側−後行きの凹所(front-rear recess)21に部分的に収容されるようにして取り付けられる。好ましくは、前側−後行きの凹所21は、前側−上向きの突起20よりも下方に位置している。

制御装置10(具体的には、制御サブセット30)は、ユーザが指令を入力できるように、手動制御部材(図示の実施形態では、複数の手動作動部材)を備えている。図示の実施形態において、これら複数の手動作動部材は、それぞれ、第1の機械的な制御レバー31、電気式のスイッチ71を作動させるために設けられた第1のレバー様の制御部材32、電気式のスイッチ72を作動させるために設けられた第2のレバー様の制御部材33である(図3及び図4を参照されたい)。

好ましくは、レバー31は、機械ブレーキを作動させるためのものであり、かつ、第1のレバー様の制御部材32は、ディレイラを1つの方向に(好ましくは、径のより大きい歯車に向かって)作動させる(シフトアップ)ためのものであり、かつ、第2のレバー様の制御部材33は、そのディレイラを第2の方向(好ましくは、径のより小さい歯車に向かって)作動させる(シフトダウン)ためのものである。つまり、図示の場合の制御装置は、いわゆる統合型(integrated)の制御装置である。なお以降では、このような好適な構成についてのみ言及するが、その他の様々な変形形態も実現可能である。

例えば、レバー様の制御部材32,33は、フロントディレイラとリアディレイラとを総合して与えられるギヤ比について、一方のレバー様の制御部材は当該ギヤ比を上げる指令を担い、他方のレバー様の制御部材は当該ギヤ比を下げる指令を担うものとされる。

周知の様式のとおり、レバー31は、自転車固定ボディ体12に対してピボット29を中心として関節接続(回動可能に接続)されている。回動可能な接続用のそのピボット29は、レバー31および自転車固定ボディ体12の、互いに整列したそれぞれの孔34内および孔22内を延びている。

周知の様式のとおり、ピボット35が、レバー31に対して当該レバー31における孔36で関節接続(回転可能に接続)されており、かつ、このピボット35は、ブレーキケーブル(図示せず)のヘッドを受ける座部(seat)37を有している。

同じく周知であるブレーキ解除機構38は、レバー31における孔39を通って当該レバー31の一方又は他方の側から突出するピンであって、自転車固定ボディ体12における異なる深さの凹部23と相互作用することにより、前記ブレーキケーブルを緊張させる動作状態とそのブレーキケーブルを弛緩させる動作状態との2種類の動作状態を取るピンを含む。

図示のスイッチ71,72は、プリント回路基板(PCB)70上に形成されている。具体的に述べると、図示のスイッチ71とスイッチ72とは、そのPCB70における互いに反対側の表面(両側の表面)上に形成されているが、これはあくまでも好適な一構成に過ぎない。

好ましくは、PCB70は、当該PCB70を防すると共に当該PCB70を塵やホコリから保護する(防塵する)プラスチックフィルムと共成形される。この構成に代えて、あるいは、この構成に加えて、PCB70は、筐体内に(好ましくは、緊密に)収容可能なものとされる。

PCB70は、スイッチ71,72と協働して前記車載装置の指令を生成及び入力するのに適した電気的および/または電子的な部品を含み得る。

各スイッチ71,72の状態の変化によって生成される制御信号を前記車載装置(図示せず)に搬送する電気ケーブル73がPCB70から延設されている。

好ましくは、電気ケーブル73には、前記車載電子装置(図示せず)に適切に接続されたコネクタ24と合致するコネクタ74が配設されている。好ましくは、コネクタ24と連結したケーブル(図示せず)は、前記凹所21において自転車固定ボディ体12から引き出される(protrude)。

後で詳述するが、本発明にかかる特に有利な一様式では、レバー様の制御部材32,33がレバー31によって支持される。この構成によると、回動可能な接続用の前記ピボット29を前記孔22内および前記孔34内に挿入し、前記解除機構38を弛緩位置に変位させて前記ブレーキケーブルのヘッドを前記座部37に掛止した後、その解除機構38を緊張位置に変位させて、さらに、2つの互いに合致する前記コネクタ24,74同士を連結させて、これらのコネクタ24,74をそれぞれの電気ケーブルの過剰な長さ分と共に自転車固定ボディ体12における前記凹所21内に収めることにより、制御サブセット30を自転車固定ボディ体12に取り付けることができる。

この制御サブセット30は、上記の作業を逆の順番で実行することにより、一まとめのブロックとして、すなわち、一体品であるかのようにして自転車固定ボディ体12から取り外すことができる。

好ましくは、レバー31は、(装着後の状態を基準として)前側の壁40と2つの側壁41a,41bとによって形成されたC字状の断面を有しており、これにより、後向きに開口した溝42を形成している。好ましくは、前側の壁40は、人間工学的に良好(ergonomic)なように曲線形状(curvilinear)になっている。好ましくは、側壁41a,41bは、レバー31の自由端部(すなわち、下端部)に向かって先細り形状(tapered)になっている。

好ましくは、第1のレバー様の制御部材32は、レバー31の背後において当該レバー31と整列している(aligned)。より好ましくは、第1のレバー様の制御部材32は、レバー31における後向きの溝42内に部分的に収容されている。このような配置構成(position)により、第1のレバー様の制御部材32における駆動領域46がその溝42から延出するので、この駆動領域46に対して中指および/または人差し指を簡単に届かせて、この駆動領域46を遠位側から近位側への方向X(図5)に押圧(すなわち、ハンドルバーの外側からハンドルバーの中央に向かって押圧、あるいは、図示の右側の制御装置(control)の場合で言えば右側から左側に押圧)することができる。

好ましくは、第2のレバー様の制御部材33は、片持ち支持(cantilevered)の状態でレバー31から延出すると共に、自転車固定ボディ体12から突き出ている。より好ましくは、第2のレバー様の制御部材33は、自転車固定ボディ体12における近位側の壁16から、(装着後の状態を基準として)前側−下方の位置において突き出ている。このような配置構成(position)により、第2のレバー様の制御部材33における駆動領域47も前記溝42から延出するので、この駆動領域47に対して親指を簡単に届かせて、この駆動領域47を近位側から遠位側への方向Y(図6)に押圧(すなわち、ハンドルバーの中央からハンドルバーの外側に向かって押圧、あるいは、図示の右側の制御装置(control)の場合で言えば左側から右側に押圧)することができる。

第1および第2のレバー様の制御部材32,33のそれぞれは、指で押圧するそれぞれの方向X,Yに弾性的に屈撓する、一方向に長い(oblong)それぞれの本体48,49を有している。

具体的に述べると、それぞれのレバー様の制御部材32,33の前記一方向に長い本体48,49は、それぞれの方向X,Yに比較的高い屈撓性(high yield)を示し、それぞれの押圧方向X,Yと直交する方向に比較的に低い屈撓性を示す。

それぞれのレバー様の制御部材32,33の前記一方向に長い本体48,49は、押圧方向X,Yに比較的低い慣性(low inertia)を示し、それぞれの押圧方向X,Yと直交する方向に比較的に高い慣性を示す。

これは、例えば、図示のように押圧方向X,Yにおける断面の厚さを比較的小さくすると共にそれぞれの押圧方向X,Yと直交する方向における断面の厚さを比較的大きくすることによって実現することができる。

また、これは、レバー様の制御部材32,33が複合材料から作製されたものである場合には、補強繊維を適切な配向(当業者であれば、容易に理解できる)に設定することによっても実現することができる。

図示の実施形態において、第1のレバー様の制御部材32の前記一方向に長い本体48は、(装着後の状態を基準として)垂直方向に向いた実質的にフラットな又は二次元の(two-dimensional)部位であって、レバー31における遠位側の側壁41bの一部に沿って平行に且つその遠位側の側壁41bの近傍で延びる部位を有している。

また、第2のレバー様の制御部材33の前記一方向に長い本体49は、(装着後の状態を基準として)水平方向に向いた実質的にフラットな又は二次元の(two-dimensional)部位であって、レバー31における近位側の側壁41aの短手方向断面(short section)に沿って平行に且つその近位側の側壁41aの近傍で延びる部位を有している。

他方で、2つの駆動領域46,47は、既述したようにレバー31から延出している。

図示の実施形態では、有利なことに、2つのレバー様の制御部材32,33が一体品(single piece)として形成されている。それぞれの前記一方向に長い本体48,49同士が、フラットな架け渡し片(cross-piece)50によって継ぎ合わされている。この架け渡し片50は、レバー31における前側の壁40の裏(すなわち、前記溝42の底)に接するようにして収容される(housed on)。

これら2つのレバー様の制御部材32,33およびフラットな架け渡し片50が、C字状断面の部位を有する単一のボディ51を形成している。このC字状断面の部位は、レバー31における前記溝42内に当接すると共に、溝52を形成する。

PCB70は、レバー31における前記溝42内に収容されていると同時に、単一のボディ51の前記溝52内に部分的に収容されている。

PCB70は、レバー31に固定されている。好ましくは、PCB70は、レバー31における近位側の側壁41aに固定されている。図示の実施形態では、一対の取付ねじ53を、レバー31における近位側の側壁41aにおける対応する一対の孔54内に延在させて、さらに、PCB70における対応する一対の孔75に螺合させることにより、PCB70がレバー31における近位側の側壁41aに固定されている。

レバー31へのPCB70の拘束は、それ以外にも例えば接着、溶接等のどのような方法によっても実行することができる。ただし、ねじ又はリベットによる取付が、PCB70が故障や破損した場合に簡単に交換できるので好ましい。

PCB70の主面は、レバー31の側壁41a,41bに対して平行に延びていると共に、レバー様の制御部材32,33の前記一方向に長い本体48,49における前記実質的にフラットな部位の主面に対しても平行に延びている。

装着後の状態において、PCB70上のスイッチ71は、第1のレバー様の制御部材32の被駆動領域55に面し、かつ、PCB上のスイッチ72は、第2のレバー様の制御部材33の被駆動領域56に面する。

好ましくは、スイッチ71,72は、ドーム形状の変形可能なダイアフラム(図示せず)を各自備えたマイクロスイッチタイプである。スイッチを切り替えるには、それぞれのレバー様の制御部材32,33における作動用の凸部が、当該レバー様の制御部材32,33の休止状態において前記変形可能なダイアフラムに面し、当該レバー様の制御部材32,33の作動状態においてその変形可能なダイアフラムを押圧することによって作用する。

好ましくは、それぞれの被駆動領域55,56に、レバー様の制御部材32,33の前記一方向に長い本体48,49から突出する凸部が設けられている。この凸部は、図示のように前記一方向に長い本体48,49に作動ピン57を固定することによって形成されたものであってもよい。図面では、それぞれの作動ピン57の周囲に補強用のワッシャ58が設けられている。

ただし、このような作動用の凸部は、前記一方向に長い本体48,49との一体品として形成されたものであってもよい。

2つのレバー様の制御部材32,33同士を継ぎ合わせて単一のボディ51とする前記フラットな架け渡し片50は、レバー31における前側の壁40の裏面に拘束されている。図示の実施形態では、一対の取付ねじ59を、フラットな架け渡し片50における対応する一対の孔60内に延在させて、さらに、レバー31の前側の壁40における対応する一対の孔61に螺合させることにより、前記フラットな架け渡し片50がレバー31における前側の壁40の裏面に拘束されている。好ましくは、前記孔61は、レバー31における前側の壁40の幅広部(widening)62に形成されている。前記孔61は、図示のように貫通孔であってもよいし、あるいは、有底孔(blind hole)であってもよい。

レバー31における前側の壁40への前記フラットな架け渡し片50の拘束は、それ以外にも例えば接着、溶接等のどのような方法によっても実行することができる。ただし、ねじ又はリベットによる取付が、レバー様の制御部材32,33が破損した場合に簡単に交換できるので好ましい。

このようにして、前記フラットな架け渡し片50は、第1のレバー様の制御部材32と第2のレバー様の制御部材33との両方にとっての拘束領域を形成する。

なお、前記拘束領域はピボット領域でなく、むしろ、レバー31に対して示されたケースでは、取外し不能に固定された領域である。

運転者が各駆動領域46,47を押圧すると、押圧方向X,Yにおける前述の屈撓性により、それぞれのレバー様の制御部材31,32における被駆動領域55,56(具体的には、それぞれの凸部又は作動ピン57)が、それぞれのスイッチ71,72に対して押圧を加える。これにより、各スイッチ71,72が、自転車の車載装置に対してそれぞれの指令を入力する。

有利なことに、レバー様の制御部材32,33の戻し要素や、作動ピン周りのコイルばね等の弾性要素を、スイッチを作動させるうえで従来技術のように設ける必要がなくなる。実際に、どちらの目的についても、レバー様の作動部材32,33の弾性的な屈撓性それ自身が有効に機能する。この理由により、作動ピン57を、既述したようにレバー様の作動部材32,33との一体品として形成された凸部(projection)に置き換えることも可能である。本発明によれば、さらに、従来技術において典型的に見受けられる、ディレイラ制御レバーの接続用のピボット(articulation pivot)や小型のレバーを不要にすることができる。

そのため、本発明にかかる制御装置は極めて低コストであり、簡単に素早く装着可能であると共に、その機械強度も極めて高い。

レバー様の制御部材32,33は、単一のボディ51として形成される場合およびそれぞれ個々に形成される場合のいずれの場合にも、鋼、アルミニウム等の金属材料から作製されたものとすることができるが、既述したように複合材料から作製されたものとするのが好ましい。

図7及び図8に、指令を無線で通信する点で図1〜図6に示す上記実施形態と異なる他の実施形態を示す。この場合のPCBを符号70Aで表す。ケーブル73、コネクタ24およびコネクタ74が設けられていない。

したがって、PCB70Aは、送信部又は送受信部と電源(例えば、ボタン電池など)とを有している。この場合のPCB70Aは、有線で通信する実施形態のPCB70よりも高度な(sophisticated)電子部品(electronics)を有し得る。

図9及び図10に、さらなる他の実施形態の制御装置を部分的に示す。この制御装置に関しては、図1〜図6に示す実施形態及び直前の実施形態と異なる点のみを説明する。類似する構成/構成要素には、先の対応する符号に100を加算した符号を付している。

第1のレバー様の制御部材132および第2のレバー様の制御部材133は、先の実施形態と同一の形状を有しているが、相互が一体であるだけでなくレバー131とも一体である一体品として形成されており、これによりマルチ制御エレメント130を提供している。

レバー131における前側の壁140は、レバー様の制御部材132,133の拘束領域、すなわち、レバー様の制御部材132,133同士の「架け渡し片」150において肉厚に形成されている。このようにして、合体領域(joining region)163が形成されている。

レバー131における前側の壁140からは、レバー131の側壁141a,141b、第1のレバー様の制御部材132および第2のレバー様の制御部材133が延びており、第1および第2のレバー様の制御部材132,133は、レバー131におけるそれぞれの側壁141a,141bから、短い距離(それぞれ、ギャップ164,165と称される)で隔てられている。

つまり、前記マルチ制御エレメント130内には、レバー131における前側の壁140と前記合体領域163において一体となる「架け渡し片」150によって互いに継ぎ合された第1のレバー様の制御部材132と第2のレバー様の制御部材133とを含む、単一のボディ151を特定することができる。

この場合においても、2つのレバー様の制御部材132,133のうちの一方のみ、あるいは、3つ以上のレバー様の制御部材が設けられてもよい。概して、第1の実施形態について述べたものと同じ一般化(generalization)を適用することができる。

図9及び図10では、スイッチ付きのPCB、任意で設けられる作動ピン、および自転車固定ボディ体を省略して図示している。

この実施形態は、レバー様の制御部材132,133を連結するための部品を完全になくすことができ、かつ、自転車固定ボディ体(図1)から一体品として極めて簡単に取り外し可能なマルチ制御エレメント又は制御サブセット130を実現することができるので極めて有利である。

この実施形態は、鋳造(moulding)により、例えば鋼、アルミニウム等の金属から作製することができる。

しかしながら、この実施形態は、補強繊維を有する熱可塑性又は熱硬化性のマトリクスを含む、既述したような複合材料から作製するのに極めて適している。好ましくは、その補強繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、またはその組合せである。

複合材料での一実施形態では、制御サブセット130のそれぞれの構成品(part)について所望の厚さを形成するように、複合材料の層が互いに重ねられる。それぞれのレバー様の制御部材132,133と隣接する側壁141a,141bとの間のそれぞれのギャップ164,165は、金型のうちの肉薄な壁部分から形成されるか、あるいは、後で取り除かれる付着防止材(anti-adhesion material)又は剥離体(release material)から形成される。ここでは、付着防止材又は剥離体から形成する構成が好ましい。

例えば、半金型において、レバー131の側壁141a,141bを形成すべき領域について所望の形状及び厚さが形成されるまで、補強繊維の層が交互に重ねられる。これらの層は、その他にも(elsewhere)、前記合体領域163の壁厚の一部およびレバー131における前側の壁140の厚さ全体を形成する。

これら補強繊維の層は、熱可塑性材料又は熱硬化性材料で予備含浸されてなるものであっても、そうでないものであってもよい。このような予備含浸体内における補強繊維の長さ及び配向については、当業者であれば適宜選択することができる。その補強繊維は、織られていても、織られていなくてもよい。

付着防止材からなる適切な厚さの2つのシート状体(あるいは、付着防止フィルム若しくは剥離フィルムで被覆されるのであれば、どのようなシート状体であってもよい)が、ギャップ164,165を形成すべき箇所、すなわち、レバー様の制御部材132,133の前記一方向に長い本体をレバー131の側壁141a,141bと平行に且つ当該側壁141a,141bの近傍で延ばすために必要な箇所に配置される。

そして、レバー様の制御部材132,133について所望の形状及び厚さを形成するように、補強繊維の追加の層が交互に重ねられる。これらのさらなる層が、前記合体領域163の壁厚を完成させる。

最後に、補強繊維のさらなる追加の層が、レバー様の制御部材132,133における駆動領域146,147の厚さを完成させて、これら駆動領域146,147を人間工学的に良好なもの(ergonomic)とし得る。

前記層が予備含浸されたものでない場合、金型内に、後から(then)熱可塑性材料又は熱硬化性材料のマトリクスが挿入されてその金型が閉じられるか、あるいは、既に閉じられた金型内にそのようなマトリクスが注入される。

そして、成形室において、熱可塑性材料又は熱硬化性材料が架橋結合または硬化させるのに適した温度および/または圧力プロファイルで処理される。

最後に、金型から成形品が取り出されて、付着防止材が取り除かれる。

進歩性を有する各種実施形態について説明してきたが、これらの実施形態には、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更を施すことが可能である。各構成要素の形状および/または寸法および/または位置および/または向きおよび/または各工程の順序(succession)が変更されてもよい。単一の構成要素又は単一の工程の機能が、2つ以上の構成要素又は2つ以上の工程によって実行されてもよいし、その逆も然りである。図面において直接接続されているもの又は直接接触しているものとして描かれている構成要素同士については、それらの間に介在する構造体が設けられてもよい。図面において直接連続するものとして描かれている工程同士については、それらの間に介在する工程が実行されてもよい。一つの図において描かれた詳細および/または一つの図もしくは一つの実施形態について説明された詳細は、それ以外の図または実施形態にも適用可能である。一つの図において描かれた詳細または同じ文脈で説明された詳細は、同じ実施形態内に、その詳細の全てが必ずしも存在していなくてもよい。また、従来技術からみて単独で又は他の構成との組合せで革新的である構成又は態様は、革新的であることが明示されているか否かにかかわらず、本質的に明示されているものとして解釈すべきである。

一例として、湾曲したハンドルバーに用いられる制御装置についてこれまで図示・説明してきたが、当業者であれば、その進歩性を有する思想を、真直なハンドルバー(すなわち、Tバー)に用いられる制御装置やハンドルバーの凸端に用いられる「バーエンド」制御装置にも汎用的に適用可能であることを理解できるであろう。

真直なハンドルバー(すなわち、Tバー)の場合、自転車固定ボディ体は、周知の様式のとおり、ハンドルバーの端部から当該ハンドルバー周りに一定の距離にわたって固定される大幅に異なる形状となる。その場合の制御サブセットは、ハンドルバーのハンドグリップ部の実質上前方に突出するようにして、この自転車固定ボディ体に固定される。

「バーエンド」制御装置の場合、自転車固定ボディ体は、周知の様式のとおり、前記凸端にスリップオン装着するように形成される。その場合の制御サブセットは、走行方向において前方に突出する。

また、進歩性を有する思想は、ハンドルバーの構成にかかわらず、統合型でない制御装置(すなわち、ブレーキレバーを含まない制御装置)、サイクルコンピュータの制御装置、その他の電子式/電気機械式の装置を制御する制御装置等にも汎用的に適用可能である。

また、図示の構成とは異なり、レバー様の制御部材を、ブレーキレバーにおける側壁の外部に形成されたものとしてもよいし、あるいは、一つを外部に且つ一つの内部に形成されたものとしてもよい。また、レバー様の制御部材は、適切な位置であれば、ブレーキレバーにおけるどの位置にも汎用的に設けることが可能である。

また、前記拘束領域の位置は、必ずしもブレーキレバーにおける前側の壁でなくてもよい。

また、レバー様の制御部材は、必ずしもブレーキレバーと連結されるものでなくてもよく、むしろ、制御装置のうちの自転車固定ボディ体に(その自転車固定ボディ体がブレーキレバーも支持するものであるか否かにかかわらず)直接取り付けられるものとされてもよい。

また、レバー様の制御部材は、必ずしも図示のように自転車固定ボディ体に接続されるものでなくてもよく、むしろ、自転車に直接装着されるもの、例えば、ハンドルバー、フレームのうちの所与のチューブ等に直接装着されるものとされてもよい。

また、レバー様の制御部材によって制御される前記電気式のスイッチは、PCBにおける同一の表面上に形成されてもよいし、2つ以上の別個のPCBに形成されてもよいし、自転車固定ボディ体に直接形成されたものであってもよいし、あるいは、自転車に直接形成されたものであってもよい。

より一般的には、単一のレバー様の制御部材が設けられてもよいし、3つ以上のレバー様の制御部材が互いに継ぎ合わされて又は別個に設けられてもよい。

これまでの説明から、本発明にかかる制御装置の構成、該制御装置の製造方法および本発明の目的は明らかであり、相対的な利点も明らかである。

また、これらの考えられ得る前記制御装置には、様々な変更や変形を施すことが可能であり、いずれも本発明に包含される。また、どの詳細についても、技術的に等価な構成/構成要素によって置き換えることが可能である。実際に、技術的な要件に応じて、どのような材料や寸法が使用されてもよい。

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