熱機械的補償素子を有するヒューズ

申请号 JP2015542262 申请日 2013-11-14 公开(公告)号 JP2015536546A 公开(公告)日 2015-12-21
申请人 太平洋精工株式会社; 发明人 フェルナンデス,ペドロ; フレイタッグ,ジューゲン; スチャルテ,サスカ; 清水 明彦; 明彦 清水; ウィルスターマン,ハートゥング;
摘要 本発明は、電気的絶縁ハウジング(1)を有し、該ハウジング内に、2つの接点(3)を互いに接続する溶融導体(5)が配置されている、特に高圧電気回路を備えた自動車のためのヒューズ(10)であって、溶融導体(5)が隣接し合う2つの長さ方向の領域間に回動箇所(7)を有し、熱機械的膨張が生じた場合に、この回動箇所を中心に長さ方向の領域が回動可能である、ヒューズに関する。
权利要求

電気的絶縁ハウジング(1)を有し、 該ハウジング内に、2つの接点(3)を互いに接続する溶融導体(5)が配置されている、特に高圧電気回路を備えた自動車のためのヒューズ(10)であって、 前記溶融導体(5)が、隣接し合う2つの長さ方向の領域間に回動箇所(7)を有し、 熱機械的膨張が生じた場合に、該回動箇所を中心に前記長さ方向の領域が回動可能であることを特徴とする、ヒューズ。前記溶融導体(5)が、点対称の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のヒューズ。前記溶融導体(5)が、前記絶縁ハウジング(1)内で消弧剤(11)によって取り囲まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のヒューズ。前記消弧剤(11)が、石英砂であることを特徴とする、請求項3に記載のヒューズ。前記溶融導体(5)が、該溶融導体を取り囲む消弧剤(11)の中で可動であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のヒューズ。

说明书全文

本発明は、請求項1の前提部に記載の、特に自動車の高圧電気回路のためのヒューズに関する。

ヒューズは、かなり前から公知である。ヒューズは、溶融導体の溶断によって電気回路を遮断する過電流保護装置である。溶融導体は、これに流れる電流が特定時間の間、著しく超過されると、流れる電流によって加熱および溶融される。

ヒューズは、多大な電気的負荷がかかると発熱する。それによって引き起こされる熱機械的膨張が、結局は溶融導体を疲労破壊に至らしめ得る。

電気駆動装置またはハイブリッド駆動装置を備えた自動車における高圧電気回路を保護するために高圧電気回路に組み込まれるヒューズには非常に高い要求が課される。制御不能な短絡は、電気系統全体を破壊に至らしめるかもしれない。さらに、高圧電気回路のすぐ近くにいる人が事故の危険にさらされる可能性は非常に大きい。

ヒューズの信頼性の高い機能を保証できるようにするためには、繰り返し負荷がかかった後でも、ヒューズの物理特性および化学特性がそのまま変わらないことが確保されなければならない。したがって、ヒューズが溶融導体の熱機械的膨張にもとづいてその特性を失うことを防止しなければならない。そうでなければ材料疲労にもとづく溶融導体の誤作動または早期破断が生じる。

ヒューズにおける溶融導体の疲労破壊を防止する数々の開発がなされている。その目的で、例えば、熱機械的膨張が生じた場合に溶融導体の運動を制限するための固められた石英砂もしくはセメントに溶融導体が固着される。その場合、溶融導体は、固着部への応の伝達が最適になるように締付けられる。溶融導体は、折曲した構造であるが、これは、機械的応力ピークが溶融導体の個々のに生じ、結局は疲労破壊を早めることにつながるという欠点を伴う。別の溶融導体は、セメントの中で波形もしくは螺旋形状に固着される。それによって、溶融導体としての螺旋ワイヤには潜在的屈曲箇所(Knickstelle)はないものの、その全長に沿って直径が等しく、このこともまた、いわゆる目標溶融箇所(溶融しやすい部分)がないために、迅速で確実な作動を難しくする。セメントまたは固められた石英砂中に固着された溶融導体のさらに別の欠点は、そのようなヒューズの製造工程に課せられる要求が高いことであり、そのことも製造コストに反映される。

本発明の課題は、寿命を著しく延ばすとともに、その製造コストを低く抑えることができる、−特に高圧電気回路を備えた自動車のための−ヒューズを提供することである。

上記課題は、請求項1の特徴を有するヒューズにより解決される。

このようなヒューズは、電気的絶縁ハウジングを有し、該ハウジング内に、2つの接点を互いに接続する溶融導体が配置されており、溶融導体は、隣接し合う2つの長さ方向の領域間に回動箇所を有し、熱機械的膨張が生じた場合に該回動箇所を中心に長さ方向の領域が回動可能である。その際、溶融導体が、熱機械的応力にもとづいて生じる溶融導体の膨張を的確に回動運動に変換することを可能にする、屈曲のないように均等に曲げられた1つまたは複数のばね要素のように反応することが特に有利である。それによって、機械的ピーク負荷を吸収しなければならなくなる屈曲運動(Knickbewegung)が回避され、それによって溶融導体の早期の疲労破壊の恐れが最小限に抑えられる。

本発明の特に好ましい一実施形態において、溶融導体は点対称の形状を有する。溶融導体のそのような実施形態により、寸法設定に応じて、膨張する溶融導体の個々の運動範囲もしくは回動範囲を予め考慮に入れることが容易になる。さらに、点対称の形状は、溶融導体内の熱機械的応力の均一な分布を可能にする。特に、溶融導体の横断面が回動箇所の場所、−ここでは対称点−、すなわち静止極において縮小されている場合に有利である。なぜなら、そのような場合、目標溶融箇所の横断面縮小部に生じる機械的負荷が最小限だからである。

溶融導体が絶縁ハウジング内で消弧剤によって取り囲まれていることが特に合理的である。電気回路をオフにするとき、とりわけ、接続される電流の大きさに強度が依存するアークが発生し得るので、電気回路が特に効果的に冷却できなければならない。

好ましい一実施形態において、消弧剤は石英砂である。短絡時に溶融導体を流れる電流は、保護装置のヒューズの定格電流を数オーダー上回り得る。その際、溶融導体は、短絡の間、−固体、液体、気体という3つの凝集状態を経る。溶融導体が気体状態のときに、プラズマが発生し、プラズマを介して電流が流れ−石英砂を強度に加熱するアークが生じる。その際、溶融する石英砂は、−プラズマの−新たな点火が効果的に防止されるように集中的にアークを冷やす。その場合、アークが消弧し、それにより保護対象の導線が供給電流から、−もしくは電圧源から切り離される。

本発明の特に好ましい一実施形態では、溶融導体は、これを取り囲む消弧剤−石英−の中で可動である。溶融導体が固められたセメントまたは石英砂の中に不動に固着される従来のヒューズとは異なり、本発明の実施形態に係る溶融導体は、ハウジング内、およびそこに入っている石英砂もしくは消弧剤中に可動に配置されている。このような運動の自由度は、溶融導体が、熱機械的膨張によって引き起こされる膨張をばね弾性的な回動運動に変換することを可能にする。それによって、本発明によるヒューズの溶融導体の寿命が著しく延び、その物理・化学特性が長期にわたって保証される。そのようなヒューズの製造工程に課せられる要求は高くないので、 コストを削減することもできる。

本発明の一実施形態に係るヒューズの側面図である。

本発明の一実施形態に係る目標溶融箇所が形成された溶融導体である。

以下、図面をもとにして本発明およびその実施形態を詳しく説明する。

図1において、電気的絶縁ハウジング1を備え、該ハウジング内に、2つの接点3を互いに接続する溶融導体5が配置されている本発明によるヒューズ10の一実施形態が示される。ハウジング1内には、−ここでは点を打った面として示されている−消弧剤11がさらに設けられており、消弧剤は、溶融導体をゆったりと取り囲み、すなわち、溶融導体5は、消弧剤11の中に可動に埋設されているということである。

多大な電気的負荷がかかると、ヒューズ10の溶融導体5が発熱する。溶融導体は、その熱機械的応力にもとづいて変形するが、これは、一般に、早期の疲労破壊を招き得る。図1の実施形態において、溶融導体5は、隣接し合う2つの長さ方向の領域間に回動箇所7を有し、熱機械的膨張が生じた場合に、この回動箇所を中心に長さ方向の領域が回動し得るように形成されている。

図1において、冷却された状態の溶融導体5が実線で示されるのに対して、破線は、多大な電気的負荷がかかった、−すなわち、加熱された−溶融導体5の状態を示す。溶融導体5の形状を適切に選択することにより、熱機械的応力によって生ぜしめられる膨張を回動運動に変換することができる。それに従って、溶融導体5が生じる熱応力を「緩衝する(abfedern)」。

この実施形態において、溶融導体5は点対称の形状を有しており、回動箇所7は対称軸と溶融導体との交点である。

溶融導体5が本発明によるヒューズ10のハウジング1内の消弧剤の中で可動に支持されていることによって、溶融導体5の動きを妨害する力もほとんどない。したがって、溶融導体5は、ハウジング1内で妨げられることなく変形することができる。この場合に好ましい消弧剤11は石英砂である。短絡が起こった場合、石英砂は、発生するプラズマが、−溶融導体5の溶融にもとづいて−特に迅速に冷却されることをもたらす。

図1に示された、特に溶融導体5の点対称の形状に該当する実施形態は、「S字」形には限定されず、複数の「波の腹(最も振幅が大きい部分)」および「固定した節(動かない部分)」を含んでもよい。特に、溶融導体5における熱機械的応力にもとづく膨張を溶融導体5のばね弾性的な(回動)運動に変換するあらゆる溶融導体5の形状が適している。

図2において、目標溶融箇所8(溶融が起こる箇所)を有する溶融導体5が例示的に選定されている。目標溶融箇所8は、回動箇所7の領域に配置されていることが好ましい。このことは、とりわけ、溶融導体5が、本発明の例示的実施形態にしたがって、溶融導体5の対称点、−ここでは回動箇所7に配置されている場合に、溶融導体5にかかる機械的負荷が回動箇所7の領域において最小であるため有利である。目標溶融箇所8によって、溶融導体5の迅速な反応を保証することができ、溶融導体5の残りの部分は、目標溶融箇所8におい、又は目標溶融箇所8から発生する熱を逃がすために利用される。

上記の特徴を有するヒューズ10によって、熱機械的負荷がかかるにもかかわらず寿命と耐久性を向上させることができる。

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