Thin film switch

申请号 JP30799391 申请日 1991-11-22 公开(公告)号 JPH05109341A 公开(公告)日 1993-04-30
申请人 Gm Nameplate Inc; ジーエム ネイムプレイト,インコーポレイテツド; 发明人 ARAN EMU BAAKU;
摘要 PURPOSE: To improve a manufacturing yield, and reduce the treating processes of respective thin film layers significantly by providing an upper portion thin film whose down side surface is conductive, a bottom portion thin film whose up side surface is conductive, and an intermediate spacer.
CONSTITUTION: A thin film switch 10 is equipped with an upper portion thin film 12 whose down side surface is conductive, a bottom portion thin film 14 whose up side surface is conductive, and an insulation intermediate annular spacer 20. The spacer 20 is arranged between the thin film 12 and the thin film 14, a large rectangular central opening portion is provided so as to specify the up side surface and the down side surface. Two (y) axis electrodes are formed on the up side surface of the spacer 20, two (x) axis electrodes are formed on the down side surface, and simultaneously an upper portion adhesive layer and a lower portion adhesive layer are respectively provide on and below the spacer 20 so as to fix the thin film 12, the spacer 20, and the thin film 14 together. Thereby, the respective electrodes and the surfaces of the thin films 12, 14 facing thereto can be brought into electric contact. Accordingly, the treating processes of the respective thin film layers are significantly reduced, and a manufacturing yield can be improved.
COPYRIGHT: (C)1993,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 第1の導電性表面を有する柔軟な第1基板と、 第2の導電性表面を有する第2基板と、 中央開口部および第3および第4の対向する表面を規定し、第1基板を押すことによりこの中央開口部を通して第2基板と接触させることができる絶縁体の中間基板と、 中間基板の第3の表面上に一つもしくはそれ以上の第1
    の電極を規定するとともに中間基板の第4の表面上に一つもしくはそれ以上の第2の電極を規定する手段と、 第1基板の第1の表面と第2基板の第2の表面との間に中間基板を固定するとともに、第1および第2の電極と第1および第2の表面それぞれとの間の電気的な接触を維持する手段と、を備えている薄膜スイッチ。
  • 【請求項2】 固定する手段は、中間基板と第1および第2基板との間に設けられた接着剤によってなされる請求項1記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項3】 中間基板の少なくとも一部に設けられた接着剤は導電性である請求項2記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項4】 導電性の接着剤は、この接着剤が設けられる中間基板の表面に垂直な方向だけにおいて導電性である請求項3記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項5】 第1および第2の電極はそれぞれ、対応する第1および第2の表面およびリード部分と電気的に接触するための接触部分を有しており、 この接触部分に設けられる接着剤は導電性であって、リード部分に設けられる接着剤は実質的に非導電性である請求項3記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項6】 中間基板は、中央開口部を取り囲むフレーム部分および中央開口部から離れるようにしてこのフレーム部分から延在するテール部分を有している請求項1記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項7】 第1および第2の電極はそれぞれ、対応する第1および第2の表面と電気的に接触するために中間基板のフレーム部分上に設けられた接触部分と、中間基板のフレーム部分から中間基板のテール部分へと延在するリード部分からなる請求項6記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項8】 さらに、中間基板の第3および第4の表面上の第1および第2の電極のリード部分上に形成された絶縁層を備えている請求項7記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項9】 中間基板は絶縁ポリマーフィルムから形成されている請求項1記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項10】 第1の電極は少なくとも、中間基板の中央開口部の反対側の第3の表面上に形成された2つの対向するx軸電極を備え、 第2の電極は少なくとも、中間基板の中央開口部の反対側第4の表面上に形成され、x軸電極とほぼ垂直に配置された2つの対向するy軸電極を備えている請求項1記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項11】 固定する手段は、中間基板と第1および第2基板との間に設けられた接着剤によりなされ、この接着剤は中間基板に垂直なz軸方向において導電性であってx軸方向およびy軸方向においては実質的に非導電性である請求項10記載の薄膜スイッチ。
  • 【請求項12】 導電性コーティングがなされた第1の表面を有する柔軟な第1基板と、 導電性コーティングがなされた第2の表面を有する第2
    基板と、 中央開口部および第3および第4の対向する表面を規定するとともに、第1基板を押すことによりこの中央開口部を通して第2基板と接触させることができる絶縁体のフレーム、このフレームの第3の表面上に形成された第1の電極、およびこのフレームの第4の表面上に形成された第2の電極を有している中間環状スペーサと、 この中間環状スペーサーを、第1および第2の電極が第1および第2の表面それぞれと電気的な接触を維持するよう第1基板の第1の表面と第2基板の第2の表面の間に固定する手段と、を備えた薄膜スイッチ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は2次元座標位置決め装置、具体的には薄膜スイッチ、さらに具体的にはアナログおよびデジタル式の感触乃至感圧型薄膜スイッチに関する。

    【0002】

    【発明の背景】感触乃至感圧型の薄膜スイッチは多くの電子装置に採り入れられており、薄膜スイッチの平座標および垂直座標の位置を選択することによって、オペレーターがこの装置に命令を与えることができる。 薄膜スイッチは、例えば陰極線管(CRT)の表示画面上にしばしば取り付けられる。 このような「タッチスクリーン」を含むこれらの装置のユーザーは、希望するメニュー選択に対応する画面上の特定の位置を指さして押すことにより、当該装置を操作することができる。 このときタッチスクリーンはその位置の水平座標(“x”)および垂直座標(“y”)に対応する電圧信号を発生する。
    このような応用例では、薄膜スイッチを構成する層は通常透明である。

    【0003】従来この薄膜スイッチはこの他にも電子レンジ、テレビジョン、計算機、医療機器、その他数多くのエレクトロニクス製品の数字キーやファンクションキーに応用されている。 薄膜スイッチは手の指や尖端部材で押すことによって操作するような設計とすることもできる。 低コストでの薄膜スイッチの製造ニーズが増加するに従って、薄膜スイッチの応用範囲も増加し続けている。

    【0004】タッチスクリーンにしばしば使用される従来の薄膜スイッチの一つのタイプとして、アナログ薄膜スイッチがある。 このような薄膜スイッチは上部と底部の薄膜からなるサンドイッチ状とされ、少なくともこの上部薄膜は柔軟な素材によって作られている。 さらには、両方の薄膜とも柔軟な絶縁シートからなるものもある。 それぞれの薄膜の一方の表面には、インジウム・スズ酸化物(ITO)などの半導体抵抗層もしくは金などの電導層のコーティングが施される。

    【0005】このような従来の薄膜スイッチを製造するには、上部および底部薄膜のシートをエッチングして、
    半導体の矩形部分を取り囲むコーティングが除かれた絶縁体の縁取りが形成される。 次に導電性インクを用い、
    代表的な方法としてシルクスクリーンで上部および底部の各薄膜に電極を設ける。 底部薄膜には、半導体矩形部の平行な第1および第2の縁を渡り、平行な状態で対向する二つの電極細片を設ける。 上部薄膜には、半導体矩形部の平行な第3および第4の縁を渡り、平行な状態で対向する二つの電極細片を設ける。 また上部薄膜上の電極は、底部薄膜上の電極と直交するように配置する。

    【0006】そして、各薄膜上の電極の表面を覆うようにしてアクリル樹脂などの絶縁層を設ける。 これによって電極の各組が、対向する薄膜上の半導体矩形部やリードと接触することを防止する。 そしてわずかに隆起した絶縁突起をランダムにまたは固定的に配列したものを、
    底部薄膜の導電性のコーティングがなされた矩形部に配置する。 最後に電極細片の回りから余分なシートを取り除くために、代表的な方法として打ち抜き型によって上部および底部の薄膜を切断する。

    【0007】さらに、導電性の表面が互いに向き合うようにして上部薄膜を底部薄膜の上に重ね、上部薄膜と底部薄膜とを組み立てる。 各薄膜の縁には接着層を設ける。 絶縁突起の配列があるために、上部薄膜と底部薄膜は通常は離間した状態に維持される。 しかし上部薄膜を押すと、上部薄膜が突起と突起の間で底部薄膜と接触する。 この押された点のXおよびYの座標位置は、電極間の電圧の低下をモニターすることによって知ることができる。 典型的な例では、最初に一方の薄膜上に形成された第1の電極の組に対して5ボルトの一様な電位を加え、他方の薄膜上の第2の電極の組の間の電圧の低下を監視する。 この電圧は押圧用尖端の水平座標、すなわちx座標に対応する。 そして今度は第2の電極の組に対して電位が加わるようスイッチングされ、第1の電極の組の間の電圧の低下を監視して垂直座標、すなわちy座標が決定される。 このような方法で、どこかが押されたときにこの押圧位置のx座標とy座標の両方が素早く測定されるように、第1および第2の電極の組の監視が交互に反復して行われる。

    【0008】従来の薄膜スイッチの構成および動作はこの分野においては周知であり、たとえば米国特許第3,52
    2,664 号において説明されている。 また、同様の結果が得られる別の電圧監視方法を使用することもできる。

    【0009】上述のアナログ薄膜スイッチに加えて、他の構成の薄膜スイッチも周知である。 例えば4ワイヤーデジタル薄膜スイッチ、3ワイヤー薄膜スイッチ、5ワイヤーデジタル薄膜スイッチなどである。 これら種々の薄膜スイッチの主たる相違点は、電極の数、電極の構成、電極の配置、それに監視の方法および得られる座標測定の特殊性などである。 これらのどの薄膜スイッチであっても、スイッチ内の各薄膜層は少なくとも上述の一連の工程、すなわち半導体コーティングの一部を除去するためのエッチング工程、電極細片を設ける工程、絶縁シールド層を設ける工程、および希望する形状に切断する工程が行われる。

    【0010】これらの各工程では組み立てられる前の上部薄膜および底部薄膜を取り扱わなければならず、したがって薄膜上の半導体コーティングを引っ掻いたり、または欠陥を生じさせるという可能性がでてくる。 このような導電性のコーティングにおける欠陥は抵抗特性の局所的な変動を生じさせ、得られる座標位置の不正確さの原因となる。 この問題は、アナログスイッチが高い分解能を得るのに抵抗性半導体コーティングの線形性に依存するのでアナログ薄膜スイッチにおいては特に顕著である。 したがって薄膜スイッチの一方だけに小さい引っ掻き傷や欠陥があっても、組み立てられた薄膜スイッチは廃棄されることになる。 この問題は、完全なスイッチであれば高い分解能が得られるはずであるアナログ薄膜スイッチにおいては特に顕著である。 従来の製造技術では薄膜層が多数の処理工程を経ているために、アナログ薄膜スイッチの歩留りは50%程度のオーダーとなり、したがって各薄膜スイッチのコストはほぼ2倍となっている。

    【0011】

    【発明の概要】本発明は上記のような製造上の歩留りを改善すべくなされたもので、各薄膜層の処理工程を大幅に削減する薄膜スイッチおよびその製造方法を提供する。 この薄膜スイッチは、第1の導電性表面を有する柔軟な第1基板、第2の導電性表面を有する第2基板、および第3および第4の対向する表面を有するとともに中央開口部を規定する絶縁体の中間基板からなっている。
    中間基板の第3の表面には一つもしくはそれ以上の第1
    の電極が形成され、中間基板の第4の表面には一つもしくはそれ以上の第2の電極が形成される。 この中間基板は第1基板の第1の表面と第2基板の第2の表面との間に、第1および第2の電極が第1および第2の表面とそれぞれ電気的に接触するようにして固定される。 第1基板はこれを押すことにより中間基板の中央開口部を通して第2基板と接触させることができる。

    【0012】また本発明によれば、中間基板は中間環状スペーサを備えている。 この中間環状スペーサは、中央開口部の端を画する周辺のフレーム部分および中央開口部から離れてこのフレーム部分の一方の側から突き出しているテール部分を有している。 フレーム部分の中央開口部の第3の表面上には、x軸電極が少なくとも二つ形成されている。 スペーサの中央開口部の第4の表面には、y軸電極が少なくとも二つ形成され、x軸電極と直に配置されている。

    【0013】さらに本発明によれば、第1および第2基板の対応する第1および第2の表面を接触させるために、y軸電極およびx軸電極それぞれは、スペーサのフレーム部分に形成された接触部分を有している。 さらに、各電極はスペーサのフレーム部分からスペーサのテール部分へと延びるリード部分を有している。 中間環状スペーサの第3および第4の表面には、x軸電極およびy軸電極のリード部分を覆うように絶縁素材の層が設けられ、これらの電極の接触部分については露出したままとする。

    【0014】さらに本発明によれば、中間環状スペーサは、導電性の接着剤を使用して第1基板と第2基板の間に固定される。 好ましい具体例では、この導電性の接着剤は、中間環状スペーサのx軸電極およびy軸電極と直行するz軸方向においてのみ導電性となっている。

    【0015】さらにまた本発明によれば、z軸方向で導電性を示す接着剤は、電極の露出された接触部分が位置する中間環状スペーサの部分だけに使用され、その他の部分にはコスト低減のために非導電性の接着剤が使用される。

    【0016】このようなマトリックス型薄膜スイッチおよびその製造方法によれば、製造歩留りが大幅に向上する。 従来の薄膜スイッチは半導体がコーティングされた薄膜層上で行われていた多くの工程が、中間環状スペーサのフレーム上において行われることになる。 したがって導電性の表面を有する第1および第2基板は、形状切断されるときだけ取扱われる。 また、一方の基板の上に絶縁突起の配列を設けることもでき、これによると組立前にはそれ以上の処理が不要となる。 このような基板に対してはエッチング工程、電極を設ける工程、および電極のリード部分を絶縁コーティングする工程はいずれも行われず、したがってこの上に形成された傷つき易い導電性のコーティングを引っ掻いたり損傷を与える機会の多いこれらの工程を削除することができる。

    【0017】

    【実施例の説明】図1および図2は、タッチスクリーンなどに使用されるアナログ薄膜スイッチ10を示す。 この薄膜スイッチ10には第1の柔軟な基板である上部薄膜12、および第2基板である底部薄膜14が含まれている。 上部薄膜12の下側の第1の表面16および底部薄膜14の上側の第2の表面18は導電性である。 中間基板である周辺部分からなる中間環状スペーサ20は、
    上部薄膜12と底部薄膜14の間に配置される。 中間環状スペーサ20は大きい長方形の中央開口部24を取り囲むフレーム部分22を有している。

    【0018】中間環状スペーサ20の上側の第3の表面28には二つのy軸電極26a,26bが形成されている。 同様に、中間環状スペーサ20の下側の第4の表面32には二つのx軸電極30a,30bが形成されている。 上部接着層34および下部接着層36はそれぞれ中間環状スペーサ20の上と下に設けられ、上部薄膜1
    2、中間環状スペーサ20、そして底部薄膜14を一緒に固定する。 接着層34,36のうち電極26a,26
    bおよび30a,30bに直接に重なる部分は導電性であり、これらの電極と互いに対向する上部薄膜12および底部薄膜14の対応する表面との電気的な接触を可能とする。

    【0019】ここでは柔軟な第1基板を「上部」薄膜1
    2および、第2基板を「底部」薄膜14と呼んでこれらの符号に対応する上側および下側の表面を説明する。 しかしこれは限定的な意味ではなく、本発明の薄膜スイッチ10は任意の方法、例えば一方の辺の上に直立させるような方法によっても配置することができる。 また、薄膜スイッチ10を水平なx軸および垂直なy軸に沿った長方形のものとして例示し説明しているが、この薄膜スイッチはこれ以外の形状、例えば正方形または曲線からなる形状などに構成することも可能である。 同様にこの薄膜スイッチを、平面的でない形状とすることもできる。

    【0020】好ましい具体例である薄膜スイッチ10を図2に示す。 図示するようにy軸電極26a,26bは中間環状スペーサ20の長尺側の辺39a,39b上に形成されている。 このy軸電極は水平方向、すなわちy
    軸40の方向における座標の決定に使用される。 またx
    軸電極30a,30bは中間環状スペーサ20の短尺辺41a,41b上に形成されており、これらは水平方向、すなわちx軸38の方向の座標の決定に使用される。 z軸(図示せず)はこのx軸38およびy軸40に直交するように位置している。 ここでx,y,zの各軸の指定は例示のみを目的としたものであり、薄膜スイッチ10をこれ以外の方向に配置することも可能である。

    【0021】ここで、図2を参照して上部薄膜12および下部薄膜14の構成を説明する。 上部薄膜12としては、ポリエステルフィルムなどの柔軟で容易に曲げられる絶縁素材を使用するのが望ましい。 底部薄膜14については任意の絶縁素材を使用でき、必ずしも柔軟な素材を使用する必要はなく、したがってプラスチック,ガラス等の硬いシートを使用することもできる。 しかしながら上部薄膜12と同じ種類のプラスチックフィルムかならる第2のシートを利用するのが望ましい。 もしも頑丈にしたければ、薄膜スイッチ10を組み立てた後で底部薄膜14を硬い裏張り用のプレートに接着することもできる。 上部薄膜12の下側表面16および底部薄膜14
    の上側表面18はともに、半導体の性質を持つ抵抗性の素材、例えば透明電極材料として周知のインジウム・スズ酸化物(ITO)などでコーティングするのが望ましい。 しかし、金などの他の導電性のコーティングを利用することもできる。

    【0022】上部薄膜12および底部薄膜14はそれぞれ上部電極および下部電極を構成する。 上部電極12および下部電極14は、導電性のコーティングを施した絶縁シートから、それぞれの薄膜を打ち抜きまたは型抜きによって得られる。 この時点で上部電極12については、以後最終の組み立て工程まで処理を行う必要がない。 離間して隆起している絶縁突起42の配列については、底部薄膜14の上側表面18上に従来技術を用いて形成するのが望ましい。 この突起を形成するのに適した絶縁素材はアクリル樹脂である。 底部電極14についても以後最終の組み立て工程まで処理を行う必要はない。

    【0023】図3および図4は中間環状スペーサ20の平面図および底面図をそれぞれ示している。 フレーム部分22は、中央開口部24を取り囲んだ幅の狭い縁からなる。 この長方形のフレーム部分22の他に中間環状スペーサ20には、フレーム部分22の一つの辺から延在していて中央開口部24から遠ざかるように突き出ているテール部分44がある。 例示する好ましい具体例においては、このテール部分44は中央開口部24から遠ざかるようにしてフレーム部分22の短尺辺41bから外側に延びている。 このテール部分44は、電極26aと30aが外部回路との接続のために中間環状スペーサ2
    0から延在するための経路を与える。 例示する具体例ではテール部分44が一つだけ設けられているが、これ以外の数および配置のテールを設けることもできる。 例えば互いに向き合う二つのテールを設け、一方にx軸電極を付随させ、他方にy軸電極を付随させるということも可能である。

    【0024】中間環状スペーサ20はポリエステルフィルムで形成することが望ましい。 このフィルムには、導電性のコーティングを施さない点を除き、上部薄膜12
    および底部薄膜14に使用するのと同じものが使用できる。 適合すると認められるポリエステルフィルムとしては、米国ICIフィルムズ社製の商品名「MELINE
    X ST 504」がある。 その他の絶縁性ポリマーフィルムであっても同様に使用できる。

    【0025】次に、図3に例示した具体例を参照する。
    y軸電極26a,26bは細長い導電性素材の細片からなる。 これらの電極は中間環状スペーサ20上に、銀をベースとしたインクなどの導電性インクをシルクスクリーン法によって形成するのが望ましい。 しかしながらこれ以外の従来からの方法、例えば銅の細片を横たえたスペーサ20上に接着する方法などによっても、これらの電極を形成することができる。

    【0026】各y軸電極26a,26bには、中間環状スペーサ20のフレーム部分22の長尺辺39a,39
    bに沿って配置された接触部分46がある。 すなわちこれらの接触部分46は互いに平行に配置されている。 これらの接触部分46と外部回路との間を電気的に接続するために、各電極26a,26bにはさらに導電性のリード部分48が含まれており、これは接触部分46の一方の端部から中間環状スペーサ20のフレーム部分22
    の短尺辺41bの中程まで延在し、さらに中間環状スペーサ20のテール部分44に縦に沿って延在している。
    図1を参照すると、リード部分48のターミナルの端部は、中間環状スペーサ20のテール部分44の付き出した端部まで延在している。 y軸電極26の接触部分46
    およびリード部分48は連続した細片となっており、中間環状スペーサ20上に同時に形成されている。 これらを異なる部分46,48としたのは、単に電極の機能および取り扱いを理解する目的のためだけである。

    【0027】再び図3を参照する。 ここで、上部薄膜1
    2の対応する下側表面16と電気的に接触するように、
    y軸電極26a,26bの接触部分46だけが露出されていることが望ましい。 したがって、中間環状スペーサ20上にy軸電極26a,26bのリード部分48をカバーするようにして絶縁層50が設けられる。 この絶縁層50は、フレーム部分22の一方の短尺辺41bの上側表面および中間環状スペーサ20のテール部分44をカバーする。 絶縁層50を形成するための絶縁素材には、底部薄膜14の上側表面18上の絶縁突起42(図2)の形成に使用したのと同じ素材、すなわちアクリル系樹脂を使用することができる。 この絶縁層は中間環状スペーサ20上にスクリーン印刷することができる。 または、ポリエステルなどの絶縁素材の別々のフィルムを、電極のリード部分48を覆うようにして中間環状スペーサ20に熱融着や接着によって接着させることもできる。

    【0028】図4を参照すると、x軸電極30a,30
    bが中間環状スペーサ20上に同様の方法で形成されている。 各x軸電極30a,30bには接触部分52およびリード部分54がある。 これらの部分52,54も同様に設けられ、連続した電極細片となっている。 第1のx軸電極30aの接触部分52は、中間環状スペーサ2
    0のフレーム部分22の短尺辺41aの長さ方向に沿って延在している。 x軸電極30aのリード部分54は、
    接触部分52の一端からフレーム部分22の長尺辺39
    aに沿って下り、フレーム部分22の反対側の短尺辺4
    1bの中程まで延在して、さらに中間環状スペーサ20
    のテール部分44の上に延在している。

    【0029】例示した具体例においては、全体としてT
    字形となっている部分に第2のx軸電極30bが形成されており、これはフレーム部分22の短尺辺41bの長さ方向に沿って延在する接触部分52を含んでいる。 第2のx軸電極30bのリード部分54は、接触部分52
    の中央からこの接触部分52の長さ方向に沿って延在し、また中間環状スペーサ20のテール部分44の上にも延在している。

    【0030】絶縁層56は、フレーム部分22の第1の長尺辺39aおよびフレーム部分22の第2の短尺辺4
    1bの一端の上に設けられて、またx軸電極30a,3
    0bのリード部分54をカバーするためにテール部分4
    4の上にも設けられている。 したがって中間環状スペーサ20のこの下側表面32上では、x軸電極30a,3
    0bの接触部分52だけが露出している。

    【0031】再び図2および図5を参照する。 中間環状スペーサ20は、その上およびその下の接着層34および36によって上部薄膜12と底部薄膜14の間に固定されている。 y軸電極26と上部薄膜12の間、およびx軸電極30と底部薄膜14の間は電気的に接触させることが必要である。 したがって電極26および30それぞれの接触部分46および52の上に乗っている接着層34および36は、導電性でなければならない。 しかしながら接着層34および36のうちで電極の接触部分の上に乗っていない部分は、導電性である必要はない。

    【0032】したがって上部接着層34は、中間環状スペーサ20のフレーム部分22の長い辺39a,39b
    に対応した導電性の2本の長い接着細片58と、このフレーム部分22の短尺辺41a,41bに対応した実質的に非導電性の2本の短い接着細片60を含んでいる。
    したがって導電性の接着細片58は、y軸電極26a,
    26bの接触部分46の上に乗った状態となる。 逆に、
    下部接着層36は2本の長尺非導電性細片62および2
    本の短尺導電性細片64を含んでおり、後者はx軸電極30aおよび30bの接触部分52の上に設けられている。 絶縁層50,56にひびのある場合、中間環状スペーサ20の非接触部分には非導電性接着剤の使用が望ましい。 しかし希望する場合には、スペーサ20の表面2
    8および32の全体にわたってz軸方向導電性接着剤を使用することも可能である。

    【0033】非導電性接着細片60,62および導電性接着細片58,64はいずれも従来からの方法により、
    すなわち薄膜スイッチ10を組み立てる前に中間環状スペーサ20の対応する部分にシルクスクリーンによって形成することができる。 したがって例えばz軸方向導電性接着剤を、シルクスクリーンによってスペーサ20の表面28および32の全体にわたって形成することができる。

    【0034】しかしながら、接着剤の位置をコントロールするためには、導電性および非導電性の接着剤を、ワックスを浸み込ませた紙転写テープの間にサンドイッチ状にはさんだフィルムとして使用するのが望ましい。 この接着剤を適用するためには、一方の紙転写テープをはがし、露出した接着剤を中間環状スペーサ20の対応する部分に押し付ける。 そしてもう一方の紙未転写テープをはがし、中間環状スペーサを対応する上部薄膜12および底部薄膜14に接合する。 接着細片60および62
    として使用するのに適合する非導電性接着剤の一つが、
    たとえば米国の3M社から商品名「SCOTCH 467
    」として販売されている転写テープである。

    【0035】接着細片58及び64に使用される導電性接着剤はカーボンまたは金属を充填したものとし、全ての軸方向に沿って導電性とすることができる。 しかしながらz軸方向、すなわちほぼ接着剤の厚さ方向だけに沿って電気伝導性を持つ導電性接着剤を使用するのが最も望ましい。 つまり導電性接着剤細片58および64は中間環状スペーサ20の面に垂直な方向、すなわちx軸3
    8およびy軸40に対して垂直な方向だけにおいて導電性であることが望ましい。 このz軸導電性接着剤として適合するものとしては、たとえば米国特許第4,548,862
    号によって開示されており、これは米国の3M社から商品名「SCOTCH 9730」として市販されている。

    【0036】このz軸導電性接着剤は、中間環状スペーサ20上でこの導電性接着部分の位置を間違えた場合でも、薄膜スイッチ10の破損を防ぐことができるという利点がある。 すなわち、対応する電極26および30の接触部分を越えて延在する導電性接剤細片58および6
    4の任意のどの部分も、薄膜スイッチ10の性能特性を変化させない。

    【0037】中間環状スペーサ20の望ましい製造方法としては、この中間環状スペーサ20上に種々の層を正しく配置することを容易にするために、原料素材のシートからこの中間環状スペーサ20を切断する前に上記種々の層をこの上に設ける。 すなわちまずy軸電極26およびx軸電極30を最初に設け、続いて絶縁層50および56を設ける。 そして外側に保護用の転写テープを付けたまま接着層58,60,62,64を設ける。 こうして中間環状スペーサ20を打ち抜き型などによって原料の素材から切断することにより、フレーム部分22、
    中央開口部24およびテール部分44を形成する。 その後、接着層から紙転写テープの外側のシートを除去することができ、中間環状スペーサ20を上部薄膜12と底部薄膜14の間に固定する。

    【0038】図5は組み立てた状態の薄膜スイッチ10
    の、短尺辺41aの部分の例示的な断面図を示す。 中間環状スペーサ20の厚さによって、上部薄膜12と底部薄膜14とが通常は離間した状態となっている。 さらに隆起した絶縁物突起42が、中間環状スペーサ20の開口部24を通して上部薄膜12および底部薄膜14の表面16と18とが互いに接触することを防いでいる。 薄膜スイッチ10を動作させるときには、この中間環状スペーサ20の中央開口部24を通して上部薄膜12を押して底部薄膜14に接触させることができる。

    【0039】これまでは4ワイヤーアナログ薄膜スイッチの構成を示して本発明を説明したが、本発明が他の構成のアナログ薄膜スイッチ、例えば3ワイヤーや5ワイヤーのスイッチなどにも同様に適合するものであることは明らかである。

    【0040】また、アナログ薄膜スイッチに加え、デジタル薄膜スイッチを構成する場合にも本発明を使用することができる。 本発明によって構成されたデジタル薄膜スイッチ66を図6に例示する。 デジタル薄膜スイッチの場合はアナログスイッチの場合ほど線形特性には依存しないので、薄膜上の導電性のコーティングの表面欠陥によって生じる問題はアナログスイッチの場合ほど重大ではない。 そうであっても本発明はデジタルスイッチにおける使用にもよく適合し、本発明を使用することによって生産性を向上させることができる。

    【0041】図6に例示したデジタル薄膜スイッチ66
    は、上で説明したアナログ薄膜スイッチ10と多くの部分に関して同様の構成となっている。 したがってこの同様の部分に関しては詳細には説明しない。 このデジタル薄膜スイッチ66には、下側の表面70に導電性のコーティングがなされた上部薄膜68および上側の表面74
    に導電性のコーティングがなされた底部薄膜72を有している。 底部薄膜72の上側表面74上の導電性のコーティングは、従来からの技術でエッチングすることによって一連の短く平行な導電性細片76を形成する。 上部薄膜68の下側の導電性の表面70も同様にエッチングされ、対応する数の長くて平行な導電性細片78が上記の短尺導電性細片76と直行するようにして形成される。 上部薄膜68を底部薄膜72の上に重ねると、導電性細片78と76とは交差して重複した四角形の導電性のマトリックスが形成される。 従って、薄膜スイッチ上の位置を特定のマトリックス位置に対応させて位置を決めるのに使用することができる。

    【0042】中間環状スペーサ80は上部薄膜68と底部薄膜72の間に固定される。 中間環状スペーサ80の上側表面には、長尺導電性細片78のそれぞれに一つづつ対応するように複数のx軸電極82が形成される。 各x軸電極82は、1本の導電性細片78の幅に対応するコンタクトバー部分と、このコンタクトバー部分から中間環状スペーサ80のテール84上に延在するリード部分を含んでいる。 これと対応するように中間環状スペーサ80の対向する下側には、複数のy軸電極86が形成されている。 各電極86は、底部薄膜72上の1本の短い導電性細片76に対応している。 上と同じように各y
    軸電極86は、コンタクトバー部分と、テール84上に延在するリード部分を含んでいる。

    【0043】デジタル薄膜スイッチ66の導電性細片および電極の構成は従来の技術において周知であり、従来からの方法で作られたデジタル薄膜スイッチの構成と同じである。 しかし従来のデジタル薄膜スイッチとは対照的に、電極82および86が上部薄膜上および底部薄膜上ではなく、中間環状スペーサ80上に形成されている。 加えて、従来のデジタル薄膜スイッチは、各電極が反対側の薄膜の電極と接触するのを防ぐために、上部薄膜と底部薄膜それぞれの上に配置された絶縁層を有していた。 中間環状スペーサ80の絶縁特性によってこのような絶縁層の必要性がなくなるので、本発明のデジタル薄膜スイッチ66においてはこのような絶縁層は不要となる。

    【0044】前述したアナログ薄膜スイッチ10の場合と同様に、デジタル薄膜スイッチ66も中間環状スペーサ80の上側表面および下側表面それぞれの上に配置された第1の接着層88および第2の接着層90を用いて組み立てられる。 上部の接着層88は、x軸電極82上に接着させたz軸導電性部分88aと、この接着層88
    の他の部分を構成する非導電性部分88bからなることが望ましい。

    【0045】これに対応して下部接着層90も二つの導電性接着部分90aを含み、これは非導電性の接着部分90bから形成される下部接着層90のバランスを取るようにして、中間環状層80の下側のy軸電極86をカバーしこれに接着される。

    【0046】アナログ薄膜スイッチ10について説明したように、中間環状スペーサ80を切断して中央開口部92を形成する前に、x軸,y軸のリードおよび接着層を中間環状スペーサ80の上に設けるのが最も望ましい。

    【0047】このデジタル薄膜スイッチ66は4本の長い導電性細片78および4本の短い導電性細片76を有するものとして説明したが、より数が多く、またはより少ない導電性細片を有するより大きな、またはより小さなデジタル薄膜スイッチについても本発明に基いて製造することができる。

    【0048】本発明をいくつかの望ましい具体例に関連して説明してきたが、開示された広い概念から逸脱することなく種々の追加、変更、修正、ならびに等価な物の置き換えを行なうことができるであろう。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明によって構成されたアナログ薄膜スイッチの描写図である。

    【図2】図1のアナログ薄膜スイッチの分解図である。

    【図3】図1のアナログ薄膜スイッチに使った中間環状スペーサの上面図である。

    【図4】図1のアナログ薄膜スイッチに使った中間環状スペーサの底面図である。

    【図5】図1のライン5に沿って切り取ったアナログ薄膜スイッチの端部を大きく拡大した部分断面図である。

    【図6】本発明によって構成されたデジタル薄膜スイッチの分解図である。

    【符号の説明】

    10,66 薄膜スイッチ 12,68 上部薄膜 14,72 底部薄膜 16 第1の表面 18 第2の表面 20,80 中間環状スペーサ(中間基板) 22 フレーム 24 中央開口部 26,86 y軸電極 28 第3の表面 30,82 x軸電極 32 第4の表面 34 上部接着層 36 下部接着層 44,84 テール部分 46,52 接触部分 48,54 リード部分 50,56 絶縁層

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