ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具、ワイヤーハーネス組立用図板及びワイヤーハーネスの製造方法 |
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申请号 | JP2017050806 | 申请日 | 2017-03-16 | 公开(公告)号 | JP2018156754A | 公开(公告)日 | 2018-10-04 |
申请人 | 住友電装株式会社; | 发明人 | 大槻 浩之; 河村 隆誠; | ||||
摘要 | 【課題】異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かを容易に検知できるようにすることを目的とする。 【解決手段】第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具50には、クランプ部24をその先端側から挿入可能なセット凹部53が形成されると共に、セット凹部53内に、クランプ部24に形成された溝27内に嵌込可能な規制凸部54が設けられている。セット凹部53の底側に、セット凹部53へのクランプ部24のセット状態を検知する検知部70が設けられている。 【選択図】図9 | ||||||
权利要求 | 電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備えるワイヤーハーネス固定用クランプをセット可能なワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、 前記クランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、前記溝内に嵌込可能な規制凸部が設けられた治具本体と、 前記セット凹部の底側に設けられ、前記セット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部と、 を備えるワイヤーハーネス固定用クランプセット治具。請求項1に記載のワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、 前記検知部は、押込操作を受けて開閉状態が切り替るスイッチである、ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具。請求項2に記載のワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、 前記スイッチが前記セット凹部の底側に複数設けられている、ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具。請求項3に記載のワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、 前記複数のスイッチのそれぞれは、押込操作を受けて開状態から閉状態に切り替るスイッチであり、 前記複数のスイッチが直列接続されている、ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具。図板本体と、 前記図板本体に立設され、第1ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、 前記図板本体に立設され、第2ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、 を備え、 前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅よりも大きく、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離よりも大きく設定されており、 前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側及び前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側のそれぞれに、それらのセット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部が設けられている、ワイヤーハーネス組立用図板。(a)第1ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、前記図板本体に立設され、第2ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、を備え、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅よりも大きく、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離よりも大きく設定されており、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側及び前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側のそれぞれに、それらのセット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部が設けられているワイヤーハーネス組立用図板を準備する工程と、 (b)電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備える第1ワイヤーハーネス固定用クランプであって、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記規制凸部を前記溝内に嵌め込んで、前記クランプ部を前記セット凹部内にセット可能で、かつ、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記クランプ部を前記セット凹部内にセットする途中で前記規制凸部が前記溝の底面で前記クランプ部に接触するものを準備する工程と、 (c)電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備える第2ワイヤーハーネス固定用クランプであって、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記規制凸部を前記溝内に嵌め込んで、前記クランプ部を前記セット凹部内にセット可能で、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記クランプ部を前記セット凹部内にセットする途中で前記規制凸部が前記溝の両側部で前記クランプ部に接触するものを準備する工程と、 (d)前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプを前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記セット凹部にセットする工程と、 (e)前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプを前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記セット凹部にセットする工程と、 (f)前記ワイヤーハーネス組立用図板上に複数の電線を配設し、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットされた前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプの電線固定部を前記複数の電線の束部分に固定すると共に、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットされた前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプの電線固定部を前記複数の電線の束部分に固定する工程と、 を備えるワイヤーハーネスの製造方法。 |
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说明书全文 | この発明は、異なる種類のクランプが取付けられたワイヤーハーネスを製造する技術に関する。 特許文献1には、ワイヤーハーネスに取付けられる配線用クリップには、固定部の外形、大きさが異なったり、係止部の外形、大きさが異なる種々の品番が存在することが開示されている。また、種々の品番の配線用を布線板に位置決めする際には、固定部及び係止部に対応した形状の収容孔が形成された支持部材を用いることが開示されている。 特開2005−122975号公報
しかしながら、配線用クリップとしては、固定部及び係止部の外形状及び大きさがかなり類似するが異なる品番のものが存在する場合がある。このような場合に、収容孔の形状を変更することによっては、異なる品番の配線用クリップを区別することが困難な場合がある。 そこで、本発明は、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かを容易に検知できるようにすることを目的とする。 上記課題を解決するため、第1の態様は、電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備えるワイヤーハーネス固定用クランプをセット可能なワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、前記クランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、前記溝内に嵌込可能な規制凸部が設けられた治具本体と、前記セット凹部の底側に設けられ、前記セット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部とを備える。 第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、前記検知部は、押込操作を受けて開閉状態が切り替るスイッチとされている。 第3の態様は、第2の態様に係るワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、前記スイッチが前記セット凹部の底側に複数設けられているものである。 第4の態様は、第3の態様に係るワイヤーハーネス固定用クランプセット治具であって、前記複数のスイッチのそれぞれは、押込操作を受けて開状態から閉状態に切り替るスイッチであり、前記複数のスイッチが直列接続されているものである。 第5の態様に係るワイヤーハーネス組立用図板は、図板本体と、前記図板本体に立設され、第1ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、前記図板本体に立設され、第2ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、を備え、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅よりも大きく、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離よりも大きく設定されており、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側及び前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側のそれぞれに、それらのセット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部が設けられているものである。 第6の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、(a)第1ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、前記図板本体に立設され、第2ワイヤーハーネス固定用クランプのクランプ部をその先端側から挿入可能なセット凹部が形成されると共に、前記セット凹部内に、規制凸部が設けられた第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具と、を備え、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅よりも大きく、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離よりも大きく設定されており、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側及び前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のセット凹部の底側のそれぞれに、それらのセット凹部への前記クランプ部のセット状態を検知する検知部が設けられているワイヤーハーネス組立用図板を準備する工程と、(b)電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備える第1ワイヤーハーネス固定用クランプであって、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記規制凸部を前記溝内に嵌め込んで、前記クランプ部を前記セット凹部内にセット可能で、かつ、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記クランプ部を前記セット凹部内にセットする途中で前記規制凸部が前記溝の底面で前記クランプ部に接触するものを準備する工程と、(c)電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定される溝が形成されたクランプ部とを備える第2ワイヤーハーネス固定用クランプであって、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記規制凸部を前記溝内に嵌め込んで、前記クランプ部を前記セット凹部内にセット可能で、かつ、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に対しては、前記クランプ部を前記セット凹部内にセットする途中で前記規制凸部が前記溝の両側部で前記クランプ部に接触するものを準備する工程と、(d)前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプを前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記セット凹部にセットする工程と、(e)前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプを前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記セット凹部にセットする工程と、(f)前記ワイヤーハーネス組立用図板上に複数の電線を配設し、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットされた前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプの電線固定部を前記複数の電線の束部分に固定すると共に、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットされた前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプの電線固定部を前記複数の電線の束部分に固定する工程と、を備える。 第1の態様によると、セット凹部内に、クランプ部の溝内に嵌込可能な規制凸部が設けられている。このため、溝幅が規制凸部の幅よりも小さければ、クランプ部をセット凹部内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。また、溝の底面が、クランプ部をセット凹部内に嵌め込んでセットする途中で、規制凸部のうちセット凹部の開口側の規制面に当接する位置に形成されていれば、クランプ部をセット凹部内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、各ワイヤーハーネス固定用クランプに形成されている溝の幅及び底面の位置が異なれば、両ワイヤーハーネス固定用クランプを区別して治具にセットできる。そして、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされれば、そのセット状態が検知部により検知される。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かを容易に検知できる。 第2の態様によると、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされれば、そのクランプ部がセット部に奥まで挿入されるので、当該クランプ部がスイッチを押す。これにより、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かを容易に検知できる。 第3の態様によると、ワイヤーハーネス固定用クランプが傾いているような場合には、複数のスイッチを同時に押さない状態となり得る。これにより、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かをより確実に検知できる。 第4の態様によると、複数のスイッチの全てがクランプ部により押込操作されると、複数のスイッチの全てが閉状態となって、スイッチ回路全体が通電可能状態となる。これにより、簡易な構成で、複数のスイッチの全てが押されたか否かを検知できる。 第5の態様によると、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部の幅よりも大きく設定されているため、第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に適したクランプ部を、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットしようとすると、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の規制凸部の両側部が、溝の両側部でクランプ部に接触し、クランプ部をセット凹部内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。また、前記第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離が、前記第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の前記規制凸部のうち前記セット凹部の開口側の規制面の位置と前記セット凹部の開口との距離よりも大きく設定されているため、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に適したクランプ部を、第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具にセットしようとすると、第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具の規制凸部の規制面が溝の底面でクランプ部に接触し、クランプ部をセット凹部内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、各ワイヤーハーネス固定用クランプに形成されている溝の幅及び底面の位置が異なれば、両ワイヤーハーネス固定用クランプを区別して治具にセットできる。そして、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具及び第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具のそれぞれに正しいクランプ部がセットされれば、それらのセット状態が検知部により検知される。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、治具に正しいワイヤーハーネス固定用クランプがセットされているか否かを容易に検知できる。 第6の態様によると、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に第1ワイヤーハーネス固定用クランプをセットすると共に、第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具に第2ワイヤーハーネス固定用クランプを正しくセットすると、それらのセット状態が検知部により検知される。この状態で、複数の電線をワイヤーハーネス組立用図板上に配設し、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ及び第2ワイヤーハーネス固定用クランプを電線束の正確な位置に固定することができる。 ワイヤーハーネスWHを示す概略図である。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプを示す部分概略正面図である。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプを示す概略底面図である。 第2ワイヤーハーネス固定用クランプを示す部分概略正面図である。 第2ワイヤーハーネス固定用クランプを示す概略底面図である。 ワイヤーハーネス組立用図板を示す概略平面図である。 第1セット治具を示す概略平面図である。 第1セット治具を示す概略正面図である。 第1セット治具に第1ワイヤーハーネス固定用クランプをセットした状態を示す説明図である。 第1セット治具に第2ワイヤーハーネス固定用クランプをセットしようとする際の状態を示す説明図である。 第2セット治具を示す概略平面図である。 第2セット治具を示す概略正面図である。 第2セット治具に第2ワイヤーハーネス固定用クランプをセットした状態を示す説明図である。 第2セット治具に第1ワイヤーハーネス固定用クランプをセットしようとする際の状態を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。 ワイヤーハーネスの製造工程を示す説明図である。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス固定用クランプセット治具、ワイヤーハーネス組立用図板、ワイヤーハーネスの製造方法及びワイヤーハーネスについて説明する。 <ワイヤーハーネス> 図1はワイヤーハーネスWHを示す概略図である。ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が組付対象となる車両等における配線経路に合せて分岐しつつ結束された構成とされている。複数の電線が配線経路に合せて分岐しつつ束ねられた形態を、ワイヤーハーネス本体WHaということにする。ワイヤーハーネスWHの結束は、粘着テープの巻回、結束バンド等によってなされる。ワイヤーハーネスWHの各端部では、電線の端部の端子がコネクタCに接続されている。そして、ワイヤーハーネスWHが車両等に組付けられた状態で、各コネクタCが車両等に搭載された各種電気部品にコネクタ接続される。これにより、ワイヤーハーネスWHは、車両等において各種電気部品同士を電気的に接続する配線材としての役割を果す。 上記ワイヤーハーネスWHには、車両等に固定可能な部品として、ワイヤーハーネス固定用クランプが取付けられる。ここでは、ワイヤーハーネスWHには、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とが取付けられる。 ワイヤーハーネスWHには、その他、必要に応じて、クランプ、コルゲートチューブ等の保護用部品が取付けられることがある。 <ワイヤーハーネス固定用クランプ> 上記ワイヤーハーネスWHには、異なる種類の第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とが取付けられている。 図2は第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を示す部分概略正面図であり、図3は第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を示す概略底面図である。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20は、電線固定部21と、クランプ部24とを含む。 電線固定部21は、複数の電線の束部分に固定される部分である。ここでは、電線固定部21は、バンド部22とバンド固定部23とを備える。 バンド部22は、長尺帯状に形成されるとともに、電線の束部分に巻回可能に形成されている。バンド部22の一方主面(束部分に巻付けられた状態で内側を向く面)には、その延在方向に沿って複数の係止凹部が形成されている。係止凹部は、後述するバンド係止突起が選択的に係止可能に形成されている。 バンド固定部23は、バンド部22の一端につながっており、バンド部22が電線の束部分の周囲に巻回された状態でバンド部22を固定可能に形成されている。 具体的には、バンド固定部23は、扁平な形状に形成されている。バンド固定部23を貫通するように挿通孔23hが形成されている。挿通孔23hは、バンド部22を挿通可能な形状に形成されており、挿通孔23h内には、バンド部22の複数の係止凹部に選択的に係止可能な係止突起23aが形成されている。 そして、バンド部22が電線の束部分に巻付けられた状態で、バンド部22が先端部から挿通孔23h内に挿通される。そして、バンド部22の先端部を引っ張ると、バンド部22が電線の束部分に締付けられた状態で、係止突起23aがバンド部22の係止凹部に係止する。これにより、電線固定部21が複数の電線の束部分に固定される。 電線固定部が上記構成である必要は無い。例えば、電線固定部は、細長い板状の形状に形成され、当該電線固定部が電線の束部分に対して粘着テープ等で巻付固定される構成であってもよい。また、電線固定部は、電線の束部分を覆うプロテクタ形状であり、当該電線の束部分を覆った状態で固定されるものであってもよい。 クランプ部24は、車体等の固定対象部分に固定される部分である。ここでは、クランプ部24は、柱部25と、一対の係止片26とを備える。 クランプ部24は、電線固定部21の1つの主面から外方に突出するように形成されている。一対の係止片26は、柱部25の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在するように形成されている。一対の係止片26の基端側部分は、他の部分より細く(薄く)形成されており、一対の係止片26は、主として当該基端側部分を弾性変形させるようにして、内向きに弾性変形することができる。一対の係止片26の先端部の外向き部分には、複数の段部が形成されており、クランプ部24が固定対象部分の固定孔に挿入された状態で、複数の段部のうちの一つが選択的に固定孔の周縁部に係止する。 また、クランプ部24の基端部(柱部25の基端部)には、クランプ部24の先端側に向けて拡開する皿バネ部28が形成されている。 本クランプ部24は、次のようにして固定対象部分に固定される。すなわち、固定対象部分には、固定孔が形成されており、クランプ部24が当該固定孔に挿入される。すると、一対の係止片26の外向き面が固定孔の周縁部に当接して、一対の係止片26が内側に弾性変形する。そして、一対の係止片26のうち最も外向きに突出している部分が固定孔の周縁部を越えると、一対の係止片26が元の形状に弾性復帰し、一対の係止片26の先端部の複数の段部のいずれかが固定孔の周縁部に抜け止係止する。これとは反対側から皿バネ部28が固定対象部分に接触する。これにより、固定対象部分のうち固定孔の周縁部が、皿バネ部28と一対の係止片26の先端部との間に挟まれ、もって、クランプ部24が固定対象部分に固定される。 上記柱部25には、溝27が形成されている。ここでは、溝27は、柱部25のうち一対の係止片26の間の両面側に形成されている。もっとも、溝27は、柱部25のうち一対の係止片26の間の一方側の面のみに形成されていてもよい。 溝27は、柱部25の延在方向に沿う一対の側面27aと、一対の側面27aに対して柱部25の基端側に連なり、当該柱部25の先端側を向く底面27bとによって規定されている。一対の側面27aの間隔と、底面27bの位置については、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30に形成された溝37との関係でさらに詳述する。 図4は第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を示す部分概略正面図であり、図5は第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を示す概略底面図である。 第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30は、電線固定部31と、クランプ部34とを備える。 電線固定部31は、上記電線固定部21と同様に電線の束部分に固定される部分である。 クランプ部34は、上記クランプ部24と同様に、柱部25に対応する柱部35と、一対の係止片26に対応する一対の係止片36とを備える。また、クランプ部34は、クランプ部24と同様に、皿バネ部28に対応する皿バネ部38を備える。そして、クランプ部24が固定対象部分に固定されるのと同様構成によって、固定対象部分に固定される。 上記クランプ部24とクランプ部34との外形状は、同じであるか類似している。ここで、クランプ部24とクランプ部34との外形状が類似しているとは、クランプ部24、34のそれぞれに応じた形状のセット用の凹み(後述するセット凹部参照)を形成したとしても、クランプ部24、34を互いに反対側のものとして形成された凹みに嵌め込むことができる程度に類似していることをいう。特に、クランプ部24の一対の係止片26の間隔と、クランプ部34の一対の係止片36の間隔は同じであるか近似しており、柱部25、35の厚みも同じであるか近似しており、皿バネ部28、38の外形及び大きさも同じであるか近似している。 もっとも、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とは、次の溝27、37に関する構成を除いて、形状、機能的に見て全く同じではない。例えば、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20では、皿バネ部28の一側方にバンド固定部23が突出しており、従って、クランプ部24から側方にずれた位置で電線の束部分が支持されるのに対し、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30では、皿バネ部38からバンド固定部33が突出せず、従って、クランプ部34の真上で電線の束部分が支持される。このため、ワイヤーハーネス本体WHaに対して第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違えて固定することを、避ける必要がある。 そこで、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とでは、溝27、37の形状を変えている。 すなわち、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24に形成された溝27の一対の側面27a間の幅W1は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34に形成された溝37の一対の側面37a間の幅W2よりも大きい。また、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24に形成された溝27のうちクランプ部24の先端側を向く底面27bとクランプ部24の基端部との間隔D1は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34に形成された溝37のうちクランプ部34の先端側を向く底面37bとクランプ部34の基端部との間隔D2よりも大きい。なお、溝27の長さが、溝37の長さよりも短いと捉えることもできる。 このように溝27、37の幅及び長さ(底面27b、37bの位置)を変えることによって、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを、ワイヤーハーネス本体WHaに対して間違えた位置に固定することを避けることができる。 <ワイヤーハーネスの製造方法及びワイヤーハーネス組立用図板> 上記第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違えた位置に固定することを避けるための構成及び方法について説明する。 図6は、ワイヤーハーネスWHの製造に用いられるワイヤーハーネス組立用図板40を示す概略平面図である。 ワイヤーハーネス組立用図板40は、図板本体42と、ワイヤーハーネス保持具44と、第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具50(以下、単に第1セット治具50という場合がある)と、第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具60(以下、単に第2セット治具60という場合がある)とを備える。 図板本体42は、方形板状に形成されており、フレーム等によって所定の高さ位置に支持されている。図板本体42には、ワイヤーハーネスWHの布線経路に応じた経路情報が描かれている。 ワイヤーハーネス保持具44は、ワイヤーハーネスWHの端部、分岐部分等を保持する治具であり、例えば、上端部にU字状部分が形成された治具である。そして、電線の束が当該ワイヤーハーネス保持具44に掛けるようにして保持される。 図7は第1セット治具50を示す概略平面図であり、図8は第1セット治具50を示す概略正面図である。第1セット治具50は、図板本体42に立設され、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を支持する治具である。 より具体的には、第1セット治具50は、直方体ブロック状の治具本体52を、棒状部材等によって図板本体42上に支持した構成とされている。 治具本体52には、上方に開口する有底状のセット凹部53が形成されている。セット凹部53の上側部分は、皿バネ部28を収容可能な凹形状の皿バネ収容凹部53aに形成されており、セット凹部53の下側(奥側)部分は、クランプ部24を収容可能な凹形状のクランプ部収容凹部53bに形成されている。 皿バネ収容凹部53aは、皿バネ部28を平面視した形状及び大きさと同じかそれよりも大きく(僅かに大きく)形成されており、クランプ部収容凹部53bは、クランプ部24を平面視した形状及び大きさと同じかそれよりも大きく設定されている。そして、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24及び皿バネ部28をセット凹部53に完全に収容できるが、それよりも大きいクランプ部及び皿バネ部を当該セット凹部53に完全に収容できないようになっている。 また、セット凹部53内には、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27内に嵌込可能な規制凸部54が設けられている。規制凸部54の幅W11は、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27の幅W1と同じかこれよりも小さいが、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37の幅W2及び後述する規制凸部64の幅W12よりも大きく設定されている。また、規制凸部54のうちセット凹部53の開口側の規制面54fとセット凹部53の開口との距離D11は、後述する規制凸部64のうちセット凹部63の開口側の規制面64fとセット凹部63の開口との距離D12よりも大きく設定されている。規制凸部54は、治具本体52のうちセット凹部63の内周面に一体形成したものであってもよいし、ネジ、嵌込構造等によって追加固定されたものであってもよい。 そして、図9に示すように、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24を、セット凹部53内に嵌め込むと、規制凸部54が溝27内に嵌り込みつつ、クランプ部24の柱部25及び一対の係止片26の部分がクランプ部収容凹部53b内に嵌り込むと共に、皿バネ部28が皿バネ収容凹部53a内に嵌り込み、もって、クランプ部24及び皿バネ部28の全体がセット凹部53内に嵌り込むようになっている。この状態では、皿バネ部28の周縁部の全体が、皿バネ収容凹部53aの底の周縁部に接触し、クランプ部24が安定してセット凹部53内にセットされた状態となる。 一方、図10に示すように、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34を、セット凹部53内に嵌め込むと、規制凸部54が溝37の両側部で柱部35に当接する。このため、クランプ部24をセット凹部53に嵌め込む途中で、クランプ部24を奥まで嵌め込むことができなくなる。 つまり、第1セット治具50に対しては、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を奥まで嵌め込んでセットできるが、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30については奥まで嵌め込むことができない。このため、作業者は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセット凹部53に奥まで嵌め込むことができないことをもって、正しくない第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットしようとしていることを認識することができる。 なお、セット凹部53の底側には、セット凹部53へのクランプ部24のセット状態を検知する検知部70が設けられている。検知部70は、上側を向く押込面に対する押込操作を受けて開閉状態が切り替るスイッチであり、より具体的には、押込操作を受けて開状態から閉状態に切り替るスイッチにより構成されている。 上記検知部70は、セット凹部53の底側に複数(ここでは2つ)設けられている。複数の検知部70は、クランプ部24の先端部(下部)を、その軸方向に対して直交する方向から見て長い方向(ここでは、一対の係止片36が並ぶ方向)において分散して設けられていることが好ましい。クランプ部24が傾いてセットされた場合には上記長い方向においてクランプ部24の先端部の上下位置の差が大きくなるため、複数の検知部70を同時に押込み難い状態となる。このため、クランプ部24が正常な姿勢でセットされていないことをより確実に検知できる。 上記複数の検知部70は、直列接続されている。ここでは、1つの検知部70の一端が報知部72に接続され、他端が他方の検知部の一端に接続され、他方の検知部の他端が報知部72に接続されている。このため、初期状態では、全ての検知部70が開状態となっており、直列接続された複数の検知部70を含むスイッチ回路は開いた状態となっている。また、複数の検知部70の一部が閉状態となっても、スイッチ回路全体としては開いた状態に保たれる。そして、複数の検知部70が全て押込操作されて閉状態となると、スイッチ回路全体として閉じた状態となる。このスイッチ回路が閉じた状態となると、その旨、すなわち、セット凹部53に正常な第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20がセットされた旨が報知部72を通じて報知される。報知部72としては、上記スイッチ回路に電源と共に接続されたランプ、発音体(ブザー)等を用いることができる。また、報知部72として、上記スイッチ回路に接続された制御ユニット及び表示装置(液晶表示装置等)、スピーカ等を用いることもできる。 これにより、作業者は、報知部72による報知があれば、正しい第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットできたことを認識することができる。 図11は第2セット治具60を示す概略平面図であり、図12は第2セット治具60を示す概略正面図である。第2セット治具60は、図板本体42に立設され、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を支持する治具である。 より具体的には、第2セット治具60は、直方体ブロック状の治具本体62を、棒状部材等によって図板本体42上に支持した構成とされている。 治具本体62には、上方に開口する有底状のセット凹部63が形成されている。セット凹部63の上側部分は、皿バネ部38を収容可能な凹形状の皿バネ収容凹部63aに形成されており、セット凹部63の下側(奥側)部分は、クランプ部34を収容可能な凹形状のクランプ部収容凹部63bに形成されている。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30との間で、クランプ部24、34及び皿バネ部28、38は、同じか近似した形状及び大きさであるため、皿バネ収容凹部63a及びクランプ部収容凹部63bは、皿バネ収容凹部53a及びクランプ部収容凹部53bは同様構成である。 また、セット凹部63内には、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37内に嵌込可能な規制凸部64が形成されている。規制凸部64の幅W12は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37の幅W2と同じかこれよりも小さいが、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27の幅W1及び規制凸部54の幅W11よりも小さい。また、規制凸部64のうちセット凹部63の開口側の規制面64fとセット凹部63の開口との距離D12は、規制凸部54のうちセット凹部53の開口側の規制面54fとセット凹部53の開口との距離D11よりも小さく設定されている。 そして、図13に示すように、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34を、セット凹部63内に嵌め込むと、規制凸部64が溝37内に嵌り込みつつ、クランプ部34の柱部35及び一対の係止片36の部分がクランプ部収容凹部63b内に嵌り込むと共に、皿バネ部38が皿バネ収容凹部63a内に嵌り込み、もって、クランプ部34及び皿バネ部38の全体がセット凹部63内に嵌り込むようになっている。この状態では、皿バネ部38の周縁部の全体が、皿バネ収容凹部63aの底の周縁部に接触し、クランプ部34が安定してセット凹部63内にセットされた状態となる。 一方、図14に示すように、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24を、セット凹部63内に嵌め込むと、規制凸部64が溝27の底面27bに当接する。このため、クランプ部34をセット凹部63に嵌め込む途中で、クランプ部34を奥まで嵌め込むことができなくなる。 つまり、第2セット治具60に対しては、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を奥まで嵌め込んでセットできるが、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20については奥まで嵌め込むことができない。このため、作業者は、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセット凹部63に奥まで嵌め込むことができないことをもって、正しくない第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットしようとしていることを認識することができる。 また、セット凹部63の底側には、上記と同様に、検知部70が設けられており、この検知部70による検知結果に応じて、報知部72による報知がなされる。 具体的なサイズとしては、例えば、溝27の幅W1を6mm、深さ(クランプ部の挿入方向に沿った長さ)を4mmとし、規制凸部54の幅を5.7mm、深さ(クランプ部の挿入方向に沿った長さ)を4mm未満とすること、また、溝37の幅W2を1.7〜2.0mmとし、深さ(クランプ部の挿入方向に沿った長さ)を8mmとし、規制凸部64の幅を1.5mm、深さ(クランプ部の挿入方向に沿った長さ)を8mm未満とすること、が考えられる。 このため、上記と同様に、作業者は、報知部72による報知があれば、正しい第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットできたことを認識することができる。溝27、37は、これに嵌り込む規制凸部54、64の耐久性を考慮すると、1.5mm以上であることが好ましい。 上記ワイヤーハーネス組立用図板40を用いたワイヤーハーネス本体の製造方法について説明する。 まず、図15に示すように、図板本体42にワイヤーハーネス保持具44及び第1セット治具50及び第2セット治具60が立設されたワイヤーハーネス組立用図板40を準備する(ステップ(a))。 そして、図16に示すように、上記第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを準備する(ステップ(b)及びステップ(c))。 続けて、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24を、第1セット治具50のセット凹部53に嵌め込んで、当該クランプ部24を第1セット治具50にセットする(ステップ(d))。この際、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違って、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を第1セット治具50に嵌め込もうとすると、クランプ部34をセット凹部53に奥まで嵌め込むことができない。また、報知部72の報知動作がなされない。このため、作業者は、間違った第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を第1セット治具50にセットしようとしていたことに気付くことができる。また、正しい第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を第1セット治具50に嵌め込もうとすると、クランプ部24をセット凹部53に奥まで嵌め込むことができ、報知部72の報知動作がなされる。このため、第1セット治具50には、正しい第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットすることができる。 また、この前後に、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34を、第2セット治具60のセット凹部63に嵌め込んで、当該クランプ部34を第2セット治具60にセットする(ステップ(e))。この際、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違って、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を第2セット治具60に嵌め込もうとすると、クランプ部24をセット凹部63に奥まで嵌め込むことができない。また、報知部72の報知動作がなされない。このため、作業者は、間違った第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を第2セット治具60にセットしようとしていたことに気付くことができる。また、正しい第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を第2セット治具60に嵌め込もうとすると、クランプ部34をセット凹部63に奥まで嵌め込むことができ、報知部72の報知動作がなされる。このため、第2セット治具60には、正しい第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットすることができる。 この後、図17に示すように、複数の電線Wを、ワイヤーハーネス組立用図板40上に配設する。具体的には、複数の電線を適宜分岐させつつ、ワイヤーハーネス保持具44に掛けたり、また、第1セット治具50上の第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2セット治具60上の第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30上に配設する。そして、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のバンド部22を電線Wの束部分に巻付けると共にバンド固定部23に通して締付け固定する。また、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のバンド部32を電線Wの束部分に巻付けると共にバンド固定部33に通して締付け固定する。これにより、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを、ワイヤーハーネス本体WHaに対して正しい位置に固定することができる。 この前後に、必要に応じて、粘着テープ、結束バンド等による複数の電線の結束、プロテクタ、コルゲートチューブ等の固定を行う。 これにより、ワイヤーハーネスWHを製造することができる。 <効果> 以上のように本実施形態によると、セット凹部53、63内に、クランプ部24、34の溝27、37内に嵌込可能な規制凸部54、64が設けられている。このため、例えば、溝37のW2が規制凸部54の幅W11よりも小さければ、クランプ部34をセット凹部63の奥まで嵌め込んでセットすることができない。また、溝27の底面27bが、クランプ部24をセット凹部63に嵌め込んでセットする途中で規制凸部64のうちセット凹部63の開口側の規制面64fに当接する位置に形成されていれば、クランプ部24をセット凹部63に奥まで嵌め込んでセットすることができない。このため、異なる種類の第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の外形状、大きさが類似している場合でも、両者の溝27、37の幅、底面の位置が異なれば、それらを区別してセット治具50、60にセットすることができる。 また、セット凹部53、63の奥側に検知部70が設けられているため、正しいクランプ部24、34をセット凹部53、63に正常にセットできた場合に、これを検知することができる。 これにより、各位置に正しい第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30が取付けられたワイヤーハーネスWHを製造することができる。 また、検知部70として、押込操作を受けて開閉状態が切り替るスイッチを用いると、治具50、60に正しいワイヤーハーネス固定用クランプ20、30がセットされれば、そのクランプ部24、34がセット凹部53、63に奥まで挿入されるので、当該クランプ部24、34が検知部70を押す。これにより、治具50、60に正しいワイヤーハーネス固定用クランプ20、30がセットされているか否かを容易に検知できる。 また、複数の検知部70が設けられているため、ワイヤーハーネス固定用クランプ20、30が傾いているような場合には、複数の報知部72を同時に押さない状態となり得る易い。これにより、治具50、60に正しいワイヤーハーネス固定用クランプ20、30がセットされているか否かをより確実に検知できる。 さらに、複数の検知部70が直列接続されているため、複数の検知部70の全てがクランプ部24、34により押込操作されると、複数の検知部70の全てが閉状態となって、スイッチ回路全体が通電可能態となる。これにより、簡易な構成で、複数の検知部70の全てが押されたか否かを検知できる。 {変形例} なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。 以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。 20 第1ワイヤーハーネス固定用クランプ 21 電線固定部 24 クランプ部 25 柱部 26 係止片 27 溝 27a 側面 27b 底面 28 皿バネ部 30 第2ワイヤーハーネス固定用クランプ 31 電線固定部 34 クランプ部 35 柱部 36 係止片 37 溝 37a 側面 37b 底面 38 皿バネ部 40 ワイヤーハーネス組立用図板 42 図板本体 50 第1ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具 52 治具本体 53 セット凹部 53a 皿バネ収容凹部 53b クランプ部収容凹部 54 規制凸部 54f 規制面 60 第2ワイヤーハーネス固定用クランプセット治具 62 治具本体 63 セット凹部 63a 皿バネ収容凹部 63b クランプ部収容凹部 64 規制凸部 64f 規制面 70 検知部 72 報知部 WH ワイヤーハーネス WHa ワイヤーハーネス本体 |