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受動的コントロール・カラムへの手動作動による転換機能を有する能動的コントロール・カラム

申请号 JP2011164578 申请日 2011-07-27 公开(公告)号 JP5868057B2 公开(公告)日 2016-02-24
申请人 ウッドワード エムピーシー,インコーポレーテッド; Woodward MPC,Inc.; 发明人 ダリル エス.スターチニアク; トーマス エム.ルサク;
摘要
权利要求

メカニカルグラウンドに対して移動可能な受動的なフィードバック機構と; 前記メカニカルグラウンドに対して移動可能なスティックと; 前記受動的なフィードバック機構が前記メカニカルグラウンドに対して固定位置に維持されるロック状態と、前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動が許容される通常状態とを有する、グラウンドロックメカニズムと; 前記グラウンドロックメカニズムが前記通常状態にあるときに、前記受動的なフィードバック機構へ作動可能に連結されて前記受動的なフィードバック機構を前記メカニカルグラウンドに対して移動する、アクチュエータを更に備え; 前記グラウンドロックメカニズムは、前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動が許容されると共に、前記受動的なフィードバック機構が前記アクチュエータから独立して前記メカニカルグラウンドに対して移動可能となるように前記アクチュエータが前記受動的なフィードバック機構から作動可能に連結解除された中間移行状態を更に有し; 前記グラウンドロックメカニズム及び前記受動的なフィードバック機構は、相互間に係止機構を含み、前記係止機構は、前記通常状態及び前記中間移行状態では、前記グラウンドロックメカニズムが前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の移動を禁止しないように連結解除され、前記ロック状態では、前記グラウンドロックメカニズムが前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を固定するように連結される; 航空機用のコントロール・カラム。メカニカルグラウンドに対して移動可能な受動的なフィードバック機構と; 前記メカニカルグラウンドに対して移動可能なスティックと; 前記受動的なフィードバック機構が前記メカニカルグラウンドに対して固定位置に維持されるロック状態と、前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動が許容される通常状態とを有する、グラウンドロックメカニズムとを備え; 前記受動的なフィードバック機構は、カム面を与えるカムと前記カムに作用する抵抗機構とを含み、前記スティックは、前記カム面と相互作用するカムフォロワを含み、前記カム面に沿った前記カムフォロワの移動は、前記抵抗機構を介して前記スティックに加えられる偏倚を変化させるように構成され; 前記受動的なフィードバック機構は、前記メカニカルグラウンドに対して移動可能なジンバル機構を含み、前記スティック及び前記ジンバル機構は、共通軸周りに枢動可能に構成され、前記カムは前記ジンバル機構に支持されると共に、前記ジンバル機構に対して移動可能に構成され、前記抵抗機構は、前記スティックが前記カム面に沿って移動するときに前記ジンバル機構と前記カムとの間で作用するように構成された; 航空機用のコントロール・カラム。メカニカルグラウンドに対して移動可能な受動的なフィードバック機構と; 前記メカニカルグラウンドに対して移動可能なスティックと; 前記受動的なフィードバック機構が前記メカニカルグラウンドに対して固定位置に維持されるロック状態と、前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動が許容される通常状態とを有する、グラウンドロックメカニズムとを備え; 前記グラウンドロックメカニズム及び前記受動的なフィードバック機構は、相互間に係止機構を含み、前記係止機構は、前記通常状態では、前記グラウンドロックメカニズムが前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動を禁止しないように連結解除されるように構成され、前記ロック状態では、前記グラウンドロックメカニズムが前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を固定するように連結するように構成された; 航空機用のコントロール・カラム。前記グラウンドロックメカニズムが前記通常状態にあるときに、前記受動的なフィードバック機構へ作動可能に連結されて前記受動的なフィードバック機構を前記メカニカルグラウンドに対して移動する、アクチュエータを更に備えた、請求項3に記載のコントロール・カラム。前記グラウンドロックメカニズムが前記ロック状態にあるときに、前記アクチュエータが前記受動的なフィードバック機構から作動可能に連結解除されて、前記アクチュエータが前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動を禁止しないように構成された、請求項4に記載のコントロール・カラム。前記グラウンドロックメカニズムは、前記受動的なフィードバック機構の前記メカニカルグラウンドに対する移動が許容されると共に、前記受動的なフィードバック機構が前記アクチュエータから独立して前記メカニカルグラウンドに対して移動可能となるように前記アクチュエータが前記受動的なフィードバック機構から作動可能に連結解除された中間移行状態を更に有する、請求項4又は請求項5に記載のコントロール・カラム。前記係止機構は、前記中間移行状態では、前記グラウンドロックメカニズムが前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の移動を禁止しないように連結解除される、請求項6に記載のコントロール・カラム。前記係止機構は、ロック部材と、収容孔を含む共動する収容部材とを含み、前記ロック部材は、前記通常状態及び前記中間移行状態において、前記収容孔の外に維持されるように構成され、前記ロック状態において、前記収容孔に挿入されて前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の位置を固定するように構成される、請求項7に記載のコントロール・カラム。前記ロック部材を前記収容部材側に偏倚させる、前記ロック部材に作用する偏倚メカニズムを更に備え、前記通常状態において、前記偏倚メカニズムに偏倚されたロック部材が前記収容孔に挿入されることを防止すると共に、前記ロック状態において、前記偏倚メカニズムが偏倚するロック部材を前記収容孔に挿入することを許容する、ブロックメカニズムを更に備えた、請求項8に記載のコントロール・カラム。前記収容部材は、前記収容孔を囲む当接面を含み、前記中間移行状態において、前記ロック部材は、偏倚されて前記当接面に当接されるように構成され、前記グラウンドロックメカニズムが前記中間移行状態から前記ロック状態へ移行する際に、前記ロック部材は前記当接面に沿って摺動するように構成される、請求項8又は請求項9に記載のコントロール・カラム。前記通常状態及びロック状態の両方において、前記スティックが前記受動的なフィードバック機構を介して前記アクチュエータに対して移動することが許容されるように、前記スティックは前記受動的なフィードバック機構を介して間接的に前記アクチュエータに連結されるように構成される、請求項4乃至請求項10のいずれか一項に記載のコントロール・カラム。前記受動的なフィードバック機構は、カム面を与えるカムと前記カムに作用する抵抗機構とを含み、前記スティックは、前記カム面と相互作用するカムフォロワを含み、前記カム面に沿った前記カムフォロワの移動は、前記抵抗機構を介して前記スティックに加えられる偏倚力を変化させるように構成される、請求項3乃至請求項11のいずれか一項に記載のコントロール・カラム。前記受動的なフィードバック機構は、前記メカニカルグラウンドに対して移動可能なジンバル機構を含み、前記スティック及び前記ジンバル機構は、共通軸周りに枢動可能に構成され、前記カムは前記ジンバル機構に支持されると共に、前記ジンバル機構に対して移動可能に構成され、前記抵抗機構は、前記スティックが前記カム面に沿って移動するときに前記ジンバル機構と前記カムとの間で作用するように構成された、請求項12に記載のコントロール・カラム。前記グラウンドロックメカニズムが前記ロック状態にあるときに、前記受動的なフィードバック機構は、グラウンド中立位置に固定されるように構成された、請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載のコントロール・カラム。前記グラウンドロックメカニズムが前記中間移行状態にあるときに、前記受動的なフィードバック機構は、前記グラウンド中立位置から偏位するように設けられた、請求項14に記載のコントロール・カラム。コントロール・カラムを能動的なコントロール・カラムから、前記コントロール・カラムのスティックに受動的なフィードバックを供給する受動的なコントロール・カラムへと転換する方法であって: 前記コントロール・カラムのグラウンドロックメカニズムを、メカニカルグラウンドに対する受動的なフィードバック機構の移動が許容される通常状態から、前記メカニカルグラウンドに対して前記受動的なフィードバック機構が固定位置に維持されるロック状態に、又はその逆に移行させるステップを備え; 前記通常状態及び前記ロック状態の両方において、前記スティックは、前記受動的なフィードバック機構を介して前記メカニカルグラウンド及び前記受動的なフィードバック機構に対しての移動が許容され; 前記グラウンドロックメカニズムが前記通常状態にあるときに前記受動的なフィードバック機構を前記メカニカルグラウンドに対して移動するために前記受動的なフィードバック機構に作動可能に連結するアクチュエータを、前記受動的なフィードバック機構が前記アクチュエータから独立して前記メカニカルグラウンドに対して移動できるように、前記受動的なフィードバック機構から連結解除するステップを更に備え; 前記グラウンドロックメカニズムを前記ロック状態に移行するために、前記受動的なフィードバック機構によって与えられる係止機構を前記グラウンドロックメカニズムと係合するステップを更に備える; 方法。前記係止機構は、第1及び第2の係止部材を含み、前記グラウンドロックメカニズムを通常状態からロック状態に、又はその逆に移行させるステップは、前記アクチュエータにおいて前記アクチュエータの連結が解除されて前記受動的なフィードバック機構が前記メカニカルグラウンドに対する移動を許容される中間移行状態を含む、請求項16に記載の方法。前記中間移行状態において、前記第1及び第2の係止部材は互いに当接するように構成され、前記係止機構が係合して前記グラウンドロックメカニズムが前記ロック状態となるまで前記第1及び第2の係止部材を当接状態のままで互いに対して摺動させるステップを更に備える、請求項17に記載の方法。前記係止機構を係合するステップは、ロック部材を収容部材の収容孔に挿入するステップを含み、前記ロック部材が前記収容孔に挿入されると、前記ロック部材は前記メカニカルグラウンドに対する前記受動的なフィードバック機構の移動を防止する、請求項16に記載の方法。前記通常状態において偏倚部材を用いて前記ロック部材を前記収容孔側に偏倚させると共に、ブロック部材を用いて前記ロック部材の前記収容孔側への移動をブロックし、前記ロック状態において前記ブロック部材を初期状態に移行することによって前記ロック部材の前記収容孔側への移動のブロックを解除するステップを更に含む、請求項19に記載の方法。

说明书全文

本発明は一般に航空機用のコントロール・カラム(操縦桿/操縦輪)に関し、より詳細には航空機用のフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムに関する。

民生用航空機及び軍用航空機の性能要件は高まってきており、機械式のリンク機構を用いる従来の制御技術では、操縦士(パイロット)が高度な精神活動及び手動制御活動から解放されることはない。従って、今日の高性能な航空機だけでなく、一部の輸送用航空機は「コントロール・カラム」とも呼ばれる「フライバイワイヤ」方式のサイドスティックやセンタースティックを用いている。

こうしたフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムは、航空機の操縦翼面(操面)に関する触覚フィードバックをコントロール・カラムに再現する。

「受動的(パッシブ)な」コントロール・カラムにおいて、操縦士は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対してコントロール・カラムのスティックに与えられた偏位に応じてスプリング又はダンパからの(操縦反力)を感ずる。スティックのこの偏位は、所望のピッチ及び/又はロールに関する、操縦士から飛行制御コンピュータ(FCC)への制御入力である。触覚で感知できるこの力(操縦反力)は、スティックに対して作動可能に作用するスプリング及びダンパのパッケージにより実現される。このような受動的なコントロール・カラムでは、操縦士の操縦力(即ち、受ける感触)は、通常は(所定の設定に)固定されている。

この受動的(パッシブ)な制御という概念の欠点は、従来の操縦装置とは対照的に、操縦士が航空機の操縦翼面(操舵面)との接触を失い、又、コックピットにいる第2の操縦士との接触を断たれる点である。このため、操縦士は触覚情報を失って、視覚的な手掛かりだけで、実際のフライト(飛行)状態、利用可能なトリム制御パワー(動力)、他の操縦士の行動に関する情報を得るしかない。更なる欠点は、例えば、高度や天候の変化又は操縦翼面の機械的な故障等による航空機のフライト状態又は操縦翼面のその他の変化を補償するようにフィードバックプロフィールを調整することができないという事実である。

「直接駆動方式による能動的(アクティブ)な」コントロール・カラムでは、操縦士は精巧なサーボシステムのみを用いて再現される制御力を体感(体験)する。直接駆動方式による能動的な制御システムでは、モータ、駆動用電子機器、並びに高帯域閉ループ力及び減衰制御アルゴリズムを用いて、航空機の操縦翼面(操舵面)の触覚フィードバックを再現するスティックに直接に触覚フィードバックを供給する。この高帯域システムを用いることにより、システムは多数のセンサと複雑な制御システムのために高価でかさばるものとなっている。更に、こうした直接駆動方式による能動的なシステムでは、モータが故障したり、ロックしたりすると、スティックがロックされて操縦士は航空機を制御できなくなってしまうことが考えられる。また、電子制御機器が故障すると、場合によってはスティックの操作に対する抵抗が作用しなくなって、操縦士はスティックの偏位を適切又は容易に操作してFCCに所望の入力を行うことができなくなる。これを是正するには、不必要な冗長性をシステムに組み込んで機械的及び/又は電気的な故障を防止することが必要である。

能動的(アクティブ)なシステムの利点を備えながら、コントロール・カラムの能動的(アクティブ)な部分が故障した場合に受動的(パッシブ)なシステムへと移行することができるコントロール・カラム用の調整可能な触覚フィードバックシステムを提供することが望まれている。

一の態様において、本発明は、コントロール・カラムの能動的(アクティブ)な部分が故障した場合に、コントロール・カラムを能動的(アクティブ)なコントロール・カラムから触覚フィードバックを供給する受動的(パッシブ)なコントロール・カラムへと手動で転換(移行)させる、改良された機能を有するコントロール・カラムを提供する。特定の実施の形態では、コントロール・カラムは、能動的(アクティブ)な間接駆動方式のコントロール・カラムから完全に受動的(パッシブ)なコントロール・カラムへと転換(移行/反転)することができる。

一の実施の形態において、受動的(パッシブ)なフィードバック機構、スティック、及びグラウンドロックメカニズムを含む航空機用のコントロール・カラムが提供される。受動的(パッシブ)なフィードバック機構は、スティックに供給されるフィードバックプロフィールを調整するためにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に設けられる。スティックは、メカニカルグラウンド及び受動的なフィードバック機構に対して移動可能に設けられる。グラウンドロックメカニズムは、受動的なフィードバック機構がメカニカルグラウンドに対して固定位置に維持されるロック状態を有する。グラウンドロックメカニズムは、受動的なフィードバック機構のメカニカルグラウンドに対する移動が許容される通常状態を更に有する。

一の実施の形態において、コントロール・カラムは、グラウンドロックメカニズムが通常状態にあるときに、受動的なフィードバック機構へ作動可能に連結されて受動的なフィードバック機構をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動する、アクチュエータを更に含む。

加えて、グラウンドロックメカニズムは、通常作動中に受動的なフィードバック機構をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動するように構成されるアクチュエータとしては設けられない(別個に設けられる)。

更なる実施の形態では、グラウンドロックメカニズムがロック状態にあるときに、アクチュエータが受動的なフィードバック機構から作動可能に連結解除されて、アクチュエータが受動的なフィードバック機構のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する移動を禁止しないように構成される。

更なる実施の形態では、グラウンドロックメカニズムは、受動的なフィードバック機構のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する移動が許容されると共に、受動的なフィードバック機構がアクチュエータから独立して(とは無関係に)メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能となるようにアクチュエータが受動的なフィードバック機構から作動可能に連結解除された中間移行状態を更に有する。これにより、アクチュエータが機械的に故障してアクチュエータがロックした場合にも、受動的なフィードバック機構をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動することができる。このため、こうした機械的故障が発生した場合に、グラウンドロックメカニズムをロック状態へ移行するために、受動的なフィードバック機構のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する移動を行うことができる。

一の実施の形態において、グラウンドロックメカニズム及び受動的なフィードバック機構は、相互間に係止機構を含む。通常状態及び中間(移行)状態では、グラウンドロックメカニズムが受動的なフィードバック機構のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する移動を禁止しないように、係止機構が連結解除されるように構成され、ロック状態では、グラウンドロックメカニズムがメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的なフィードバック機構の位置を固定するように、係止機構が連結されるように構成される。

一の実施の形態において、係止機構は、ロック部材と、収容孔を含む、共動する収容部材とを含む。通常状態及び中間(移行)状態において、ロック部材は、収容孔の外に維持されるように構成される。ロック状態において、ロック部材は収容孔に挿入されてメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的なフィードバック機構の位置を固定するように構成される。

一の実施の形態において、係止機構は、ロック部材に作用する(ロック部材を駆動する)偏倚メカニズムを更に含む。偏倚メカニズムが含む偏倚部材は、ロック部材を収容部材側に偏倚させるように構成される。また、係止機構は、通常状態において、偏倚メカニズムに偏倚されたロック部材が収容孔に挿入されることを防止する、ブロックメカニズムを更に含む。ブロックメカニズムが含むブロック部材の操作によって、ロック状態において、偏倚部材が偏倚するロック部材を収容孔に挿入することを可能とすることができる。

一の実施の形態において、収容部材は、収容孔を囲む当接面を含む。中間(移行)状態において、ロック部材は、偏倚されて当接面に当接されるように構成される。グラウンドロックメカニズムが中間(移行)状態からロック状態へ移行する際に、ロック部材は当接面に沿って摺動するように構成される。

一の実施の形態では、通常状態及びロック状態の両方において、スティックが受動的なフィードバック機構を介してアクチュエータ及び/又はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動することが許容されるように、スティックは受動的なフィードバック機構を介して間接的にアクチュエータに連結されるように構成される。

一の実施の形態において、受動的なフィードバック機構は、カム面を与えるカムとカムに作用する抵抗機構とを含む。スティックは、カム面と相互作用(連動)するカムフォロワを含む。カム面に沿ったカムフォロワの移動は、抵抗機構を介してスティックに加えられる偏倚力を変化させるように構成される。

一の実施の形態において、受動的なフィードバック機構は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に設けられたジンバル機構を含む。スティック及びジンバル機構は、共通軸周りに枢動可能に設けられる。カム部材はジンバル機構に支持されると共に、ジンバル機構に対して移動可能に設けられる。抵抗機構は、スティックがカム面に沿って移動するときにジンバル機構とカム部材との間で作用するように設けられる。

一の実施の形態において、グラウンドロックメカニズムがロック状態にあるときに、受動的なフィードバック機構(アセンブリ)は、グラウンド中立位置に固定されるように構成される。但し、スティックはメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び受動的なフィードバック機構(メカニズム)のフィードバック中立位置に対して依然として移動可能であるように設けられる。

一の実施の形態において、グラウンドロックメカニズムが中間(移行)状態にあるときに、受動的なフィードバック機構(アセンブリ)は、グラウンド中立位置から偏位するように設けられる。

本発明の実施の形態では、コントロール・カラムを能動的(アクティブ)なコントロール・カラムから、典型的にはコントロール・カラムのスティックに受動的(パッシブ)なフィードバックのみを供給する受動的(パッシブ)なコントロール・カラムへと、典型的には手動で転換(移行)する方法を提供する。この方法は、コントロール・カラムのグラウンドロックメカニズムを、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的なフィードバック機構の移動が許容される通常状態から、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して受動的(パッシブ)なフィードバック機構が固定位置に維持されるロック状態に、又はその逆に移行させるステップを含む。通常状態及びロック状態の両方において、スティックは、受動的なフィードバック機構を介してメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び受動的(パッシブ)なフィードバック機構に対しての移動が許容される。

詳細な方法において、この方法は、グラウンドロックメカニズムが通常状態にあるときに、受動的(パッシブ)なフィードバック機構をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動するために受動的(パッシブ)なフィードバック機構に作動可能に連結するアクチュエータを、受動的(パッシブ)なフィードバック機構がアクチュエータから独立してメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動できるように、受動的(パッシブ)なフィードバック機構から連結解除するステップを更に備える。

一の実施の形態において、方法は、グラウンドロックメカニズムをロック状態に移行するために、受動的(パッシブ)なフィードバック機構によって与えられる係止機構をグラウンドロックメカニズムと係合するステップを更に備える。

一の実施の形態において、係止機構は、第1及び第2の係止部材を含む。グラウンドロックメカニズムを通常状態からロック状態に、又はその逆に移行させるステップは、アクチュエータにおいてアクチュエータの連結が解除されて受動的(パッシブ)なフィードバック機構がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する移動を許容される中間(移行)状態を含む。

他の実施の形態では、中間(移行)状態において、第1及び第2の係止部材は互いに当接するように設けられる。この方法は、係止機構が係合してグラウンドロックメカニズムがロック状態となるまで第1及び第2の係止部材を当接状態のままで互いに対して摺動させるステップを更に備える。

一の実施の形態において、係止機構を係合するステップは、ロック部材を収容部材の収容孔に挿入するステップを含む。ロック部材が収容孔に挿入されると、ロック部材はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)なフィードバック機構の移動を防止する。

他の実施の形態において、この方法は、通常状態において偏倚部材を用いてロック部材を収容孔側に偏倚させると共に、ブロック部材を用いてロック部材の収容孔側への移動をブロックし、ロック状態においてブロック部材を初期状態に移行することによってロック部材の収容孔側への移動のブロックを解除するステップを更に含む。

本発明の他の態様、目的及び利点は、添付図面を併せ見れば、以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。

本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述と共に、本発明の原理の説明に資する。

図1は、一対のコントロール・カラムを含む本発明の実施の形態の制御システムであって、受動的(パッシブ)及び能動的(アクティブ)なフィードバックの両方がコントロール・カラムのスティックに供給される通常状態にある場合の制御システムの概略図である。

図2は、図1に示す制御システムであって、一方のコントロール・カラムがロック状態にあり、コントロール・カラムのスティックに受動的(パッシブ)なフィードバックのみが供給される状態となっている制御システムの概略図である。

本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、及び均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。

図1に、航空機のピッチ、ロール又はピッチとロールとの両方を制御する航空機制御システム100の単純化した概略図を示す。航空機制御システム100は概して、第1及び第2のコントロール・カラム102、104(総称的に「コントロール・カラム102、104」と呼ぶ)を含む。コントロール・カラム102、104は、操縦士(例えば、操縦士(パイロット)と副操縦士(コ・パイロット)と)がピッチ、ロール及び/又はピッチとロール等の、航空機の多様な機動を制御するために用いる。

航空機のピッチ及び/又はロールを調整するためのコントロール・カラムの操作が機械的装置によって航空機の操縦翼面(操舵面)に直接的に伝えられるわけではないことから、コントロール・カラム102、104は、フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムであるものといえる。実際には、コントロール・カラムの中立位置(ニュートラル・ポジション)からの偏位は、検知されて電気信号に変換される。この信号は、この電気信号を用いて航空機の操縦翼面(操舵面)にそれと比例するだけの変化を生じさせるアクチュエータに送信される。

コントロール・カラム102、104は操縦翼面(操舵面)と機械的にはリンクしていないため、制御システム100は、コントロール・カラム102、104が操縦翼面に機械的に連結されていれば操縦士が得るであろう感触を再現するために触覚フィードバックを組み込んでおり、その触覚フィードバックがコントロール・カラム102、104に加えられる。例えば、操縦士が(大きな舵で)大幅なピッチ又はロールを要求すると、触覚フィードバックは、操縦翼面(操舵面)の変化を実現するために操縦士がコントロール・カラムに加えなければならない力(操縦(反)力)の大きさを増加させる。従って、航空機の姿勢の制御における大幅な(大きな舵角での)偏位は、対応するコントロール・カラムに操縦士が大きな力(操縦力)を加えることで実現される。

コントロール・カラム102、104は概して、第1及び第2のスティック108、110(即ち、操縦士及び副操縦士用のスティック)を含み、これを用いて操縦士は所望のピッチ及び/又はロールに関する制御信号を入力する。第1及び第2のスティック108、110は、第1及び第2のフィードバックアセンブリ112、114と連動して触覚フィードバックを供給する。コントロール・カラム102、104は、フィードバックアセンブリ112、114の動的(ダイナミック)な調整を制御する電子制御機構106に連結されている。

各フィードバックアセンブリ112、114は、触覚フィードバックを対応するスティック108、110に供給する。一部の実施の形態では、この触覚フィードバックは受動的(パッシブ)な成分と能動的(アクティブ)な成分との2つの成分を有する。

典型的には、受動的(パッシブ)な成分、即ち、触覚フィードバックの第1の部分は、フライト(飛行)状態(姿勢)、即ち、中立(ニュートラル)位置からのスティックの偏位量によって操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に関する。一の実施の形態において、能動的(アクティブ)な成分、即ち、触覚フィードバックの第2の部分は、2つの異なるコントロール・カラム、即ちコントロール・カラム102とコントロール・カラム104との不一致(食い違い)に関する。より詳細には、フィードバックアセンブリ112、114は、2つのスティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して同じ位置にないとき、即ち、両操縦士が互いに矛盾(対立)する制御コマンドを航空機に与えている場合に触覚フィードバックを供給する。しかしながら、例えば、他のシステムでは、高度の変化、操縦翼面(操舵面)への着氷、操縦翼面を制御するアクチュエータの故障又は機能低下等の航空機の(操縦)特性の変化等の、他の入力に基づいて能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを供給することも可能である。

この実施の形態のコントロール・カラム102と104とは、実質的に同一に設けられている。概して、スティック108は第1の握り部(グリップ)116を含み、スティック110は第2の握り部(グリップ)118を含む。両操縦士は、所望量のピッチ及び/又はロールを制御するために手動で握り部(グリップ)116、118を操作する。握り部(グリップ)116は第1の連接棒120に作動可能に連結され、握り部(グリップ)118は第2の連接棒122に作動可能に連結されて設けられる。連接棒120、122は各々、第1及び第2のカムフォロワ124、126に作動可能に連結されている。若しくは、第1及び第2のカムフォロワ124、126を含んで設けられる(本実施の形態においては、ローラとして図示されている)。カムフォロワ124、126は、対応するフィードバックアセンブリ112、114と相互作用(連動)して可変の(変動する)触覚フィードバックプロフィールをスティック108、110に供給する。

スティック108、110は、第1及び第2のグラウンド中立位置132、134の対応する一方に対して、第1又は第2の共通枢着点128、130のうち対応する一方の周りを枢動する。対応するグラウンド中立位置132、134に対するスティック108、110の角変位(入力角)は、操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に比例する。即ち、航空機の対応する操縦翼面(操舵面)の位置の変化(舵角)の量に比例する。

一般に、フィードバックアセンブリ112、114は、グラウンド中立位置132、134からのスティック108、110の移動に対して抵抗を供給することによって、操縦士に触覚フィードバックを供給する。一の実施の形態では、フィードバックアセンブリ112、114は、間接駆動方式の能動的(アクティブ)なフィードバックアセンブリとして設けられる。これにより、システムは能動的(アクティブ)なフィードバックと受動的(パッシブ)なフィードバックとの両方を供給することが可能となる。フィードバックアセンブリ112、114は、受動的(パッシブ)なフィードバックを、典型的には、前述のように、スティック108、110の制御状態に関する触覚フィードバックの第1の形(フォーム/プロフィール)として用いる。これは、要求されたピッチ及び/又はロールの量に関し、航空機の操縦翼面(操舵面)への結合(取り付け)を再現する。この受動的(パッシブ)なフィードバックは、一以上のスプリング及び/又はダンパ、又は他の偏倚装置を用いることにより、フィードバック中立位置からのスティック108、110の回転移動(回転角度)に対抗する抵抗機構136、138(即ち、スプリングダンパ‐パッケージ)によって供給される。

典型的な実施の形態では、抵抗機構の抵抗プロフィールは、スティック108、110のフィードバック中立位置、図示の実施の形態においては、第1及び第2のグラウンド中立位置132、134からの角変位(又は偏位)の量が大きいほど増加する。この抵抗が操縦士にフィードバックを供給し、操縦士がある量のピッチ又はロールを要求するときには操縦士が記憶する筋力が抵抗機構136、138のスプリング及びダンパの力(操縦反力)に打ち勝つ大きさの押す又は引く力(操縦力)を加えるようにする。従って、操縦士は、航空機の制御にはどの程度の力(操縦力)が必要か、即ち、一定量のピッチ及び/又はロールのためにグラウンド中立位置132、134に対してスティック108、110の位置を調整するにはどの程度の力(操縦力)を使うのか「学習」することになる。

図示の実施の形態におけるフィードバックアセンブリ112、114は、第1及び第2のV字型のカム面148、150を各々有する、プロファイル加工された(プロフィール形状を有する)第1又は第2のカム144、146を含み、カム面148、150にはカムフォロワ124、126が相互作用(連動)する。カムフォロワ124、126がカム面148、150の中心、即ち、「V字」の底から離れる方向に移動すると、抵抗機構136、138は、対応するスティック108、110に加えられる角度方向の力を増加させて触覚フィードバック(操縦反力)を操縦士に供給する。

カム面148、150の中心点は、この位置では、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられない、「フィードバック中立位置」又は「ジンバル中立位置」とも呼ぶことができる。一の実施の形態において、フィードバック中立位置では、カムフォロワ124、126は、対応するV字型のカム面148、150の両側に接触し、そのため、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられることがない。図1では、フィードバック中立位置は、グラウンド中立位置132、134と実質的に整列した状態にあるものとして示されている。

第1及び第2の抵抗機構136、138と組み合わされている第1及び第2のカム144、146が発生する力は、フィードバック中立位置に対応するカム144、146の中心に向けてスティック108、110を常に付勢するように駆動(作用)する。そのため、第1及び第2のカム144、146は受動的(パッシブ)なセンタリングメカニズムと呼ぶことができる。

一部の実施の形態において、航空機制御システム100は、2つの異なるスティック108、110への制御入力に食い違い(相違)がある場合に能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを両操縦士に供給するようにも構成されている。食い違いは、一方の操縦士が他方の操縦士とは程度(舵角)の異なるピッチ及び/又はロールを要求しようとすると生じる。これは、前述の触覚フィードバックの第2の形(フォーム/プロフィール)である、能動的(アクティブ)な触覚フィードバックであるものということができる。

一の実施の形態において、フィードバックアセンブリ112、114は、一方の操縦士の行為が2つのスティック108、110の位置に食い違いを生じさせる場合に、第1及び第2のスティック108、110をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して同じ位置に維持しようとするように構成されている。

一方のスティック108、110に他方のスティック110、108の作動に関する能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを供給するため、フィードバックアセンブリ112、114は、移動可能な第1及び第2のジンバル152、154の一方を含む。第1及び第2のジンバル152、154は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する第1及び第2のカム144、146の位置を調整するための第1及び第2のアクチュエータ156、158の対応する一方によって駆動される。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するカム144、146の位置の調整は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する力のフィードバックプロフィールを能動的(アクティブ)に調整する。このため、スティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動されるときに、対応するフィードバックアセンブリ112、114によって異なる力が(異なるフィードバックプロフィールで)対応するスティック108、110に加えられるように設けることが可能である。

図示の実施の形態において、アクチュエータ156、158は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に枢動可能に連結され、ジンバル152、154に枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして図示されている。しかしながら、例えば、共通枢着点128、130に配置される回転型のアクチュエータ、又はジンバル152、154に設けられる対応する歯車装置に作用する歯車を有するモータのような、他のアクチュエータを用いることもできる。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の位置を調整可能に設けることができる、他のタイプの駆動メカニズムを用いることもできる。

更に、受動的(パッシブ)なフィードバック部分、即ち、抵抗機構136、138、対応するジンバル152、154、カム144、146がアクチュエータ156、158とスティック108、110との間に配置されているために、アクチュエータ156、158は直接的にスティック108、110に連結されて設けられず、間接駆動が実現される。従って、スティック108、110は、少なくともある程度は、アクチュエータ156、158からは独立して移動し得る。即ち、スティック108、110とそれに対応するフィードバックアセンブリ112、114との間には、少なくとも制限又は偏倚された自由度が設けられる。このため、もしアクチュエータ156、158が万一ロックされたり、固定状態に制御されたりした場合でも、スティック108、110はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して移動可能であるように設けられ、操縦士が航空機の姿勢を制御状態に調整可能であるように設けられている。

ジンバル152、154は、各々第1及び第2の共通枢着点128、130周りに回転できるように(アクチュエータ156、158を介して)メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に回転可能に取り付けられている。このため、このように設けられたコントロール・カラム102、104のスティック108、110及びジンバル152、154は、各々の共通枢着点128、130によって実現される対応する共通軸周りの回転が許容されている。

図示の実施の形態において、ジンバル152、154は、ジンバルフレーム160、162を含む。第1及び第2のカム144、146は、ジンバルフレーム160、162に移動可能に支持されて設けられる。図示した実施の形態において、第1及び第2のカム144、146は、第1及び第2のジンバルフレームアーム168、170に枢動可能に接続されたカム接続アーム164、166を含む。第1及び第2のカム144、146、並びに第1及び第2のジンバルフレーム160、162は、介在する枢支接続部172、174を介して相対的に回転し、抵抗機構136、138内部の偏倚メカニズムの圧縮又は伸張を調整することによって第1及び第2のスティック108、110に加えられる力の大きさ(並びにフィードバックプロフィール)を調整する。

あるいは、ジンバルフレーム160、162に対してカム144、146を移動させる他の手段を設けることもできる。例えば、カム144、146を自在に浮動可能に設けると共に、抵抗機構136、138の端部に取り付けただけとすることもできる。あるいは、カム144、146をジンバルフレーム160、162に沿って直線的に摺動可能に取り付けるものとしてもよい。

抵抗機構136、138は、システムに減衰を付加するダンパ175、176を提供する。図示の実施の形態において、抵抗機構136、138、特にそのダンパは、スティック108、110とジンバル152、154との間に配置されている。他の実施の形態において、抵抗機構136、138の一部、特にダンパ175、176をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159とスティック108、110との間に配置するように設けることもできるが、この実施の形態では、アクチュエータ156、158をダンパ175、176の影響で隔離する他の利点を実現するためにそうしていない。このため、この実施の形態では、アクチュエータ156、158がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の位置を調整する際には、抵抗機構136、138、特にそのダンパ175、176が、アクチュエータ156、158(の作動)に反して作動することはない(アクチュエータ156、158の作動に追従する)。

抵抗機構をスティック108、110とジンバル152、154との間に配置することで、アクチュエータ156、158はフィードバックアセンブリ112、114の受動的(パッシブ)なフィードバック部分を介してスティック108、110を駆動するが、操縦士の入力がない限り、抵抗機構136、138、特にそのダンパ175、176は、アクチュエータ156、158の動きに対抗することはない。

ダンパ175、176は、回転式の流体減衰モジュールとして設けることもできる。あるいは、直動式の流体ダンパとして設けることもできる。電子ダンパ等、他のダンパを組み込むこともできる。

メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するカム144、146の配置のより詳細な制御については、本件出願の譲受人に譲渡された代理人整理番号RBVD507843の本件出願と同時係属する出願である2010年7月28日出願の出願番号12/844,867、「フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムのクロスカップル作動のための位置制御システム(Position Control System for Cross Coupled Operation of Fly−By−Wire Control Columns)」に記載されており、その教示及び開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

一の実施の形態において、ジンバル152、154の位置を能動的(アクティブ)に調整し、延いてはそれに対応するカム144、146の共通枢着点128、130周りの位置を調整することにより、対応するスティック108、110に加えられるグラウンド中立位置132、134及びメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する抵抗又はフィードバックプロフィールが能動的(アクティブ)に変更され、触覚フィードバックが操縦士に供給される。

この能動的(アクティブ)な調整機能は、2つのスティック108、110によって供給されたコマンドの間の食い違いを示すために用いることができる。力(操縦反力)のフィードバックプロフィールにおけるこの調整機能は、他のスティックから偏位(逸脱)させようと試みる他の操縦士によって加えられる操縦力の付加を相殺するように、一方の操縦士がスティックを移動する矯正力を提供して、そのような制御の食い違う操縦力を入力する場合に、2つのスティック108、110を共通位置に維持するために用いることもできる。更に、抵抗又はフィードバックプロフィールにおけるこの能動的(アクティブ)な調整機能は、航空機における、例えば、操縦翼面(操舵面)の変化、操縦翼面を制御するアクチュエータの変化又は故障、操縦翼面への着氷、高度の変化等の他の変化を再現するために用いることもできる。

図1及び2の図示の実施の形態は、更なる特徴を示している。図示のコントロール・カラム102、104は、能動的(アクティブ)なフィードバック及び受動的(パッシブ)なフィードバックを供給する状態から受動的(パッシブ)なフィードバックのみを供給する状態に移行できるように構成されている。上記のように、能動的(アクティブ)なフィードバックを供給するためには、ジンバル152、154をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して移動させてカム144、146によって供給されるフィードバックプロフィールを調整する。

受動的(パッシブ)なフィードバックのみが供給される完全に受動的(パッシブ)な構成では、グラウンドロックメカニズム180、182がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバルの位置、延いてはフィードバックアセンブリ112、114の位置をロックする。

このように設けるより、ジンバル152、154の位置制御に不具合が発生した場合に、受動的(パッシブ)な抵抗がスティック108、110に加えられる。典型的には、このようなシステムでは、平均故障間隔として、「電気部品は先に故障する」(可能性がある)という判断に基づいて構成されることとされている。こうした状況に照らして、電子制御システム106等の電気部品が先に故障した場合には、アクチュエータ156、158には動力が供給されなくなって、ジンバル152、154がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して固定されないこととなる。即ち、アクチュエータがジンバル152、154の移動に対して供給する抵抗が実質的にゼロとなるため、スティック108、110の移動は実質的に一切拘束されないこととなる。ジンバル152、154がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して固定(拘束)されなければ、スティック108、110の移動は、抵抗機構136、138による抵抗を受けることがなく、単純にスティックに従うジンバル152、154の移動のみを引き起こすこととなる。このため、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するスティック108、110の位置の調整に対抗して作用する「学習された」抵抗又は感触(手応え)を操縦士が有することがないために、操縦士がピッチ及び/又はロールを制御することは非常に困難となる。

あるいは、アクチュエータが機械的に故障した場合には、アクチュエータはジンバル152、154の位置を望ましくない位置にロックする可能性もある。アクチュエータ156、158が停止した場合には、故障したアクチュエータ156、158に連結されたジンバル152、154を所望の位置、典型的には、フィードバック中立位置がグラウンド中立位置132、134と整列する位置に移動し、その位置でジンバル152、154がロックされるように、アクチュエータ156、158をジンバル152、154から作動可能に分離するようにグラウンドロックメカニズム180、182を構成することもできる。

アクチュエータ156、158によってジンバル152、154が作動されている場合等の、通常状態では、ジンバル152、154がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して自由に移動できるように、グラウンドロックメカニズム180、182は係合が解除されている。但し、故障が起きた場合、グラウンドロックメカニズム180、182は両方とも、又は独立して(別々に)グラウンドロックメカニズム180、182がジンバル152、154のメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する位置をロックするロック状態に移行することができるように設けられている(図2のコントロール・カラム102参照)。

図示の実施の形態において、グラウンドロックメカニズム180、182、及びジンバル152、154は作動可能に連結するように設けられ、連結解除してロック状態(図2のコントロール・カラム102参照)から通常状態(図1参照)に、又はその逆に移行する係止機構184、186を含むように設けられている。

係止機構184、186は、ロック部材188、190、及び収容孔196、198を含む収容部材192、194の形態で図示した第1及び第2の係止部材を含む。ロック状態では、コントロール・カラム102、104のいずれか故障した方に対応する収容孔196、198と対応するロック部材188、190とが係合する。ロック部材188、190が収容部材192、194と係合すると、アクチュエータ156、158の作動状態に関わらずジンバル152、154はメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して固定され、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して移動できなくなる。

ジンバル152、154がグラウンド中立位置132、134からずれる等、ロック部材188、190が収容孔196、198と整列しないような故障に備えて、故障の際にはアクチュエータ156、158がジンバル152、154から連結解除できるようにグラウンドロックメカニズム180、182が構成されている。これにより、アクチュエータ156、158が機械的に停止していても、操縦士は、制御スティック108、110を用いて、手動でジンバル152、154を位置決めしてロック部材188、190を収容孔196、198に整列させることができる。

この連結解除を、コントロール・カラム102について図2に破断部199で示した。アクチュエータ156をジンバル152から完全に切断するように破断部199が図示されているが、他のメカニズムを組み入れることもできる。例えば、アクチュエータ156そのものをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動できるように、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159とアクチュエータ156との連結を解除するように設けることもできる。しかしながら、これはジンバルをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して固定するモータが有する固定(接地)作用を解除するので、アクチュエータをジンバルから連結解除する構成と等価であるものと考えられる。あるいは、ジンバル152をアクチュエータ156から連結解除する他の手段として、アクチュエータの駆動軸をアクチュエータ156から切り離す(切断する)ことができるような構成も考えられる。このように、アクチュエータ156を介したジンバルとメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)とのリンクを解除する手段は全て、「アクチュエータ156をジンバル152から連結解除するもの」(と等価であるもの)と考えられる。

アクチュエータ156がジンバル152から連結解除されると、操縦士はスティック108を移動させてジンバル152をグラウンド中立位置132に移動するように操作することができる。これは、カムフォロワ124とカム144のカム面148とが相互作用(連動)しているためである。操縦士がスティック108を偏位させると、負荷(操縦力)がカム144に加えられ、ジンバル152も移行される。収容孔196とロック部材188とが整列すると、両者は係合してジンバル152を所望の位置にロックし、抵抗機構136とカム144によって供給される受動的(パッシブ)なフィードバックのみが提供可能となる。

一部の実施の形態では、グラウンドロックメカニズム180、182は、ジンバル152、154がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して自由に移動できると共に、アクチュエータ156、158からは連結解除される、中間(移行)状態を有することができる。この中間(移行)状態の間に、ジンバル152、154はロック状態に移行される。一部の実施の形態では、係止部材を互いに向かって偏倚するように設けてもよい。図示の実施の形態では、こうした中間(移行)状態において、ロック部材188、190は収容部材192、194に当接し、その当接面202、204上を摺動するように設けてもよい。これにより、操縦士は、ロック部材188、190が実際に収容孔196、198に挿入されるまでスティック108、110を前後(左右)に移動することが可能となる。

グラウンドロックメカニズム180、182は、この2つの係止部材を互いに向かって偏倚する、即ち、ロック部材188、190と収容部材192、194とを互いに向かって偏倚するように構成されている偏倚部材206、208とを含む。図示の実施の形態において、偏倚部材206、208は、伸張された状態のコイルスプリングの形態で示されている。しかしながら、伸張又は圧縮された状態の他のスプリング又は偏倚部材を用いるものとしてもよい。

通常作動中のロック部材188、190と収容部材192、194との望ましくない係合を防止するために、かつ、グラウンドロックメカニズムを通常状態に維持するために、ブロック部材210、212が、偏倚部材206、208による収容部材192、194のロック部材188、190側への移動を妨げるように設けられる。

コントロール・カラム102、104を能動的(アクティブ)な状態から完全に受動的(パッシブ)な状態に、又はその逆に移行させるために、偏倚部材206、208によって供給される負荷(偏倚力)による収容部材192、194のロック部材188、190側への移動がそれ以上妨げられないように、又は妨げられるように、操縦士は、手動でブロック部材210、212を移動することができる。

前述のように、ロック部材188、190が収容孔196、198と整列していない場合、偏倚部材は、収容部材192、194を偏倚させてロック部材188、190に当接させるように設けられている。操縦士は、共通枢着軸128、130周りにスティック108、110を前後(左右)に偏位させてこれらの部品を整列させる。当接された部品は互いに対して摺動し、ロック部材188、190が収容孔196、198と整列すると、偏倚部材206、208はこれらの部品を係合させてジンバル152、154の位置をロックする。一旦係合すると、スティック108、110は受動的(パッシブ)なフィードバックのみを受け、フィードバックプロフィールは調整できないこととなる。

ジンバル152、154はロック部材188、190のようなピン又はペグを含むものとして図示されているが、ジンバル152、154が収容部材として設けられ、収容孔を含むように係止機構184、186を変更して設けるものとしてもよい。

更に、ロック部材188、190を偏倚又は案内して(方向付けて)収容孔196、198に収容する際に補助となるように、収容部材192、194は、収容孔196、198の付近をテーパ状に設けるものとしてもよい。

典型的には、ブロック部材210、212は、係止部材同士の係合を防止する設定を解除するために、手動で連結解除されるように設けられる。この手動による作動は、プッシュ/プッシュ型のケーブル機構によって実現してもよい。一の実施の形態では、プッシュ/プッシュ型のケーブルの操作ハンドルが、個々のコントロール・カラム102、104が完全に受動的(パッシブ)な状態に移行されていることを操縦士に明確に示す表示装置を含むように設けるものとしてもよい。これは、操縦士にプッシュ/プッシュ型のケーブルの操作ハンドルが(操作によって)異なる視覚的表示を実現するように90度(操作ハンドルを)回転させる構成によって実現するものとしてもよい。更に、この操作ハンドルの回転によって、操作ハンドルが、(コントロール・カラム102、104が)完全に受動的(パッシブ)なモードにあることを示す表示を指し示すように構成するものとしてもよい。

典型的には、ブロック部材210、212は手動で解除されるが、ブロック部材210、212の解除は、自動化するものとしてもよい。

加えて、収容部材192、194、即ち、ジンバル152、154をロックするために用いられる部材は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に枢動可能に連結されるものとして図示されているが、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して直線的に摺動可能に設けるものとしてもよい。例えば、グラウンドロックメカニズムの可動メカニズムは、ジンバル152、154に形成された収容孔と係合する直線的に移動可能なピンによって実現するものとしてもよい。特定の実施の形態では、偏倚部材は、このピンの周りに配置されてピンをジンバル152、154側に偏倚させる圧縮スプリングとして設けるものとしてもよい。このように設けた場合には、ブロック部材は、部分的にピンの周囲に延在し、ピンを偏倚させる圧縮スプリングの作用に干渉する、概して二又(フォーク)形状のCクリップとして設けることが考えられる。

本明細書中で引用する公報、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、又、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。

本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(即ち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。

本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物を全て含む。更に、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、全ての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。

100 航空機制御システム 102 第1のコントロール・カラム 104 第2のコントロール・カラム 106 電子制御機構 108 第1のスティック 110 第2のスティック 112 第1のフィードバックアセンブリ(機構) 114 第2のフィードバックアセンブリ(機構) 116 第1の握り部(グリップ) 118 第2の握り部(グリップ) 120 第1の連接棒 122 第2の連接棒 124 第1のカムフォロワ(カムローラ) 126 第2のカムフォロワ(カムローラ) 128 第1の共通枢着点 130 第2の共通枢着点 132 第1のグラウンド中立位置 134 第2のグラウンド中立位置 136 第1の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ) 138 第2の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ) 144 第1のカム 146 第2のカム 148 第1のカム面 150 第2のカム面 152 第1のジンバル 154 第2のジンバル 156 第1のアクチュエータ 158 第2のアクチュエータ 159 メカニカルグラウンド(機械的地面/機体) 160 第1のジンバルフレーム 162 第2のジンバルフレーム 164 第1のカム接続アーム 166 第2のカム接続アーム 168 第1のジンバルフレームアーム 170 第2のジンバルフレームアーム 172 第1の枢支接続部 174 第2の枢支接続部 175 第1のダンパ 176 第2のダンパ 180 第1のグラウンドロックメカニズム 182 第2のグラウンドロックメカニズム 184 第1の係止機構 186 第2の係止機構 188 第1のロック部材(第1の係止部材) 190 第2のロック部材(第2の係止部材) 192 第1の収容部材(第1の係止部材) 194 第2の収容部材(第2の係止部材) 196 第1の収容孔(第1の係止部材) 198 第2の収容孔(第2の係止部材) 199 破断部 202 第1の当接面(第1の収容部材) 204 第2の当接面(第2の収容部材) 206 第1の偏倚部材 208 第2の偏倚部材 210 第1のブロック部材 212 第2のブロック部材

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