減速機械式ターボ過給機

申请号 JP2015208907 申请日 2015-10-23 公开(公告)号 JP2016084815A 公开(公告)日 2016-05-19
申请人 ヴァンダイン スーパーターボ,インコーポレーテッド; 发明人 ジャレッド ウィリアム ブラウン; トム ウォルドロン; ライアン シェリル;
摘要 【課題】本発明の一目的は、エンジンシステム用の改善した機械式ターボ過給機を提供することである。 【解決手段】トラクション 接触 部を用いてターボ軸に連結される逓減ローラーを使用する減速機械式ターボ過給機が開示される。平坦か又は形状加工されたトラクション接触部を用いることができる。逓減ローラーは、機械的伝達装置若しくは油圧式伝達装置のいずれかを機械的に作動させるか、又は電気モーター/発電機に機械的に連結することができる。 【選択図】図1A
权利要求

エンジンシステム用の機械式ターボ過給機であって、 ターボ軸と、 前記ターボ軸の第1の位置に接続されたコンプレッサーと、 前記ターボ軸の第2の位置に接続されたタービンと、 前記ターボ軸の第3の位置でトラクション接触部を介して前記ターボ軸に連結されたローラーであって、前記ローラーの回転速度が前記ターボ軸の回転速度より小さくなるように前記第3の位置おける前記ターボ軸の直径より大きい直径を有する前記ローラーと、 前記ローラーに接続された低速軸と、 前記機械式ターボ過給機と前記エンジンシステムとの間で動を伝達するように前記低速軸と前記エンジンシステムとに連結され、前記ターボ軸の前記回転速度より小さい回転速度で前記低速軸により駆動される伝達装置と、 を備える機械式ターボ過給機。前記伝達装置は、前記エンジンシステムに電気的に接続されている電気モーター/発電機である請求項1に記載の機械式ターボ過給機。前記伝達装置は、前記エンジンシステムに機械的に連結されている機械的伝達装置である請求項1に記載の機械式ターボ過給機。前記機械的伝達装置は、無段変速機である請求項3に記載の機械式ターボ過給機。遊びローラーは、減速トラクションドライブから前記ターボ軸にかかる垂直力を均衡させるために、前記ターボ軸に対して前記ローラーと反対の側に配置されている請求項1に記載の機械式ターボ過給機。前記ローラーと前記ターボ軸との間に、前記ターボ軸を軸方向に位置決めする形状加工されたトラクション接触部がある請求項1に記載の機械式ターボ過給機。機械式ターボ過給機をエンジンシステムに連結する方法であって、 タービンとコンプレッサーとに接続されたターボ軸と、前記ターボ軸の直径より大きいローラー径を有するローラーとの間にトラクション接触部を形成することと、 前記ローラーに接続された低速軸を、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達する伝達装置に接続することと、 を含む方法。前記伝達装置は、前記エンジンシステムに電気的に接続されている電気モーター/発電機を含む請求項7に記載の方法。前記伝達装置は、前記エンジンシステムに機械的に連結されている機械的伝達装置である請求項7に記載の方法。前記機械的伝達装置は、無段変速機である請求項9に記載の方法。遊びローラーは、減速トラクションドライブから前記ターボ軸にかかる垂直力を均衡させるために、前記ターボ軸に対して前記ローラーと反対の側に配置されている請求項7に記載の方法。前記ローラーと前記ターボ軸との間に、前記ターボ軸を軸方向に位置決めする形状加工されたトラクション接触部がある請求項7に記載の方法。エンジンシステム用の機械式ターボ過給機であって、 第1の直径を有するターボ軸と、 前記ターボ軸の第1の位置に接続されたコンプレッサーと、 前記ターボ軸の第2の位置に接続されたタービンと、 前記ターボ軸の第3の位置で第1の側において前記ターボ軸と接触し、前記ターボ軸の前記第1の直径より大きい第2の直径を有する第1のローラーと、 前記ターボ軸の前記第3の位置で前記ターボ軸の前記第1の側とほぼ反対の側の第2の側において前記ターボ軸と接触し、第3の直径を有する第2のローラーと、 前記第1のローラーに連結されるとともに、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達することができるように前記エンジンシステムに電気的に接続されている第1の電気モーター/発電機と、 前記第2のローラーに連結されるとともに、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達することができるように前記エンジンシステムに電気的に接続されている第2の電気モーター/発電機と、 を備える機械式ターボ過給機。

说明书全文

本発明は、エンジンシステム用の機械式ターボ過給機に関する。

機械式ターボ過給機は通常のターボ過給機に優る改良形態である。機械式ターボ過給機(スーパーターボチャージャー)は、排気ガスタービン以外によっても動を得るので、過給されたエンジンにおけるターボラグを低減するからである。大幅に発展した機械式ターボ過給機の1つの種類は、電動ターボ過給機である。電動ターボ過給機では、電気モーター/発電機がターボ軸に一体化されており、ターボ軸を迅速に全速まで駆動するとともにターボ軸からの余剰のエネルギーを取り出すことができる。

本発明の一目的は、エンジンシステム用の改善した機械式ターボ過給機を提供することである。

したがって、本発明の一実施形態は、 エンジンシステム用の機械式ターボ過給機であって、 ターボ軸と、 前記ターボ軸の第1の位置に接続されたコンプレッサーと、 前記ターボ軸の第2の位置に接続されたタービンと、 前記ターボ軸の第3の位置でトラクション接触部を介して前記ターボ軸に連結されたローラーであって、前記ローラーの回転速度が前記ターボ軸の回転速度より小さくなるように前記第3の位置における前記ターボ軸の直径より大きい直径を有する前記ローラーと、 前記ローラーに接続された低速軸と、 前記機械式ターボ過給機と前記エンジンシステムとの間で動力を伝達するように前記低速軸と前記エンジンシステムとに連結され、前記ターボ軸の前記回転速度より小さい回転速度で前記低速軸を駆動するか又は前記低速軸により駆動される伝達装置と、 を備える機械式ターボ過給機を含むことができる。

本発明の一実施形態は、 機械式ターボ過給機をエンジンシステムに連結する方法であって、 タービンとコンプレッサーとに接続されたターボ軸と、前記ターボ軸の直径より大きいローラー径を有するローラーとの間にトラクション接触部を形成することと、 前記ローラーに接続された低速軸を、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達する伝達装置に接続することと、 を含む方法を更に含むことができる。

本発明の一実施形態は、 エンジンシステム用の機械式ターボ過給機であって、 第1の直径を有するターボ軸と、 前記ターボ軸の第1の位置に接続されたコンプレッサーと、 前記ターボ軸の第2の位置に接続されたタービンと、 前記ターボ軸の第3の位置で第1の側において前記ターボ軸と接触し、前記ターボ軸の前記第1の直径より大きい第2の直径を有する第1のローラーと、 前記ターボ軸の前記第3の位置で前記ターボ軸の前記第1の側とほぼ反対の側の第2の側において前記ターボ軸と接触し、第3の直径を有する第2のローラーと、 前記第1のローラーに連結されるとともに、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達することができるように前記エンジンシステムに電気的に接続されている第1の電気モーター/発電機と、 前記第2のローラーに連結されるとともに、前記エンジンシステムと前記ターボ軸との間で動力を伝達することができるように前記エンジンシステムに電気的に接続されている第2の電気モーター/発電機と、 を備える機械式ターボ過給機を更に含むことができる。

ターボ軸の中間部分によって駆動されるローラートラクションドライブの概略図である。

ターボ軸の中間部分によって駆動されるローラートラクションドライブの概略図である。

ターボ軸の外側部分によって駆動されるローラートラクションドライブの概略図である。

ターボ軸の外側部分によって駆動されるローラートラクションドライブの概略図である。

本発明の別の実施形態の概略図である。

ハイブリッド電気車両に取り付けられた電気モーター−発電機伝達装置を示す本発明の別の実施形態の概略図である。

伝達装置として伝達装置/電気モーター/発電機を実施する別の実施形態を示す図である。

トラクションドライブからの垂直力に抗するためにターボ軸に対して単式ローラーと反対の側に配置された遊びローラーを備えるローラートラクションドライブの概略図である。

トラクションドライブからの垂直力に抗するためにターボ軸に対して単式ローラーと反対の側に配置された遊びローラーを備えるローラートラクションドライブの概略図である。

ターボ軸の両側に配置され、2つの電気モーター/発電機に連結されている2つのローラートラクションドライブの概略図である。

ターボ軸の両側に配置され、2つの電気モーター/発電機に連結されている2つのローラートラクションドライブの概略図である。

図1Aは、エンジンシステム116を過給する一実施形態の減速トラクションドライブ機械式ターボ過給機100の概略図である。ターボ軸102は、一方の端部にコンプレッサー106が取り付けられ、他方の端部にタービン104が取り付けられている。減速トラクションドライブ108は、ターボ軸102の中央部分と噛み合うものであり、ターボ軸102と接触するローラー114からなる。ローラー114は、ターボ軸102よりも大きい直径を有し、ローラー114の回転速度がターボ軸102の回転速度より小さくなるようになっている。ローラー114は、ターボ軸102に押し付けられ、ターボ軸102に対して垂直力を発生し、トラクション接触部122においてローラー114とターボ軸102との間でトルクを伝達する。上記力は、低速軸軸受(図示せず)又は他の軸受を介して印加することができ、また、2013年10月22日に発行された「Super-Turbocharger Having a High Speed Traction Drive and a Continuously Variable Transmission」という名称の米国特許第8,561,403号に開示されているような種々の装置によって印加することができる。この米国特許は、この米国特許が開示及び教示している全てに関して引用することにより明確に本発明の一部をなす。ターボ軸102とローラー114との間の接触部(インターフェース)122は、トラクション接触部である。トラクション流体をトラクション接触部122に用いて、トラクション接触部122の摩擦及び寿命を増大させることができる。このようにして、エンジンシステム116の過渡動作中にターボ軸102にトルクを伝達し、ターボ軸102の回転速度を迅速に上昇させるとともにターボラグを低減することができ、また、タービン104が、コンプレッサー106が消費するよりも多い動力を発生させているエンジンシステム116の高負荷動作中に、ターボ軸102からローラー114へトルクを伝達することができる。軸受118、119は、ターボ軸102を図1Aに示す位置に位置決めし、ローラー114からの垂直力又はタービン104及びコンプレッサー106からの推力等、ターボ軸102にかかる力を吸収する。低速軸110は、ローラー114を伝達装置112へ連結する。さらに、伝達装置112は、電気的又は機械的なカップリング120を介して減速トラクションドライブ機械式ターボ過給機100をエンジンシステム116に連結する。低速軸110の回転速度が比較的低いことにより、従来の電気モーター、発電機又は機械的伝達装置を伝達装置112として使用することが可能になる。伝達装置112は、エンジンシステム116の動作状況に応じてターボ軸102の速度を制御するようにエンジンシステム116に機械的に連結される機械式無段変速機(CVT)又は油圧式CVTとすることができる。伝達装置112は、エンジンシステム116に機械的に連結された一又は二以上の歯車比を有する離散的歯車機構伝達装置とすることもできる。第3の選択肢としては、伝達装置112を、図2D、図2Eに示すようにエンジンシステム116の電力エレクトロニクスに電気的に連結される電気モーター/発電機とすることができる。エンジンシステム116の種々の構成が図2C、図2D、及び図2Eに示されており、これらのエンジンシステム構成は、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bに示す実施形態においても用いることができる。軸受118及び119は、ターボ軸102を適所に保持し、また、大きい軸方向力を吸収することが可能なスラスト軸受を含んでもよい。

図1Bは、トラクションドライブ機械式ターボ過給機150の概略図である。機械式ターボ過給機150は、図1Aの機械式ターボ過給機100と同じであるが、ただし、機械式ターボ過給機150は推力吸収トラクションドライブ152を用いている。推力吸収トラクションドライブ152は、形状加工されたトラクション接触部154を有する。トラクション接触部154は、図1Bに示すように、ローラー160又はターボ軸162のいずれかにかかる横力、すなわち平方向の力に応じて形状加工された軸表面158及び形状加工されたローラー表面156を心出しする機能をする。形状加工された軸表面158及び形状加工されたローラー表面156は、湾曲形状として示しているが、2013年11月21日に提出された「Thrust Absorbing Planetary Traction Drive Superturbo」という名称の米国特許出願第61/906938号に開示されているような種々の形状を用いることができる。この米国特許出願が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。

図2Aは、代替的な一実施形態のトラクションドライブ機械式ターボ過給機200の概略図である。この実施形態の動作は、実際上図1Aと同じであるが、ただし、減速トラクションドライブ208は、コンプレッサー206に対して外側のターボ軸202上の位置においてターボ軸202に噛み合う。このようにして、減速トラクションドライブ機械式ターボ過給機200の部品は、タービン204の熱から隔離される。機械式ターボ過給機200の機能は同様である。トラクションドライブ208は、ローラー214とターボ軸202との間でトルクを伝達するトラクション接触部222を形成するようにターボ軸202と接触するローラー214からなり、低速軸210の回転速度がターボ軸202に対して減少する。低速軸210は、ローラー214を伝達装置212に連結し、さらに、伝達装置212は、エンジンシステム216に対して動力の伝達を行う。

図1A、図1B、図2A、及び図2Bに示す伝達装置は、上記で開示したような機械的伝達装置とすることができるか、又は、ローラー214及び低速軸210がターボ軸202によって駆動される場合に電気を生成するか若しくは低速軸210及びローラーを駆動するモーターとして機能する複合型モーター/発電機を備えることができ、それにより駆動コンプレッサー206がエンジンシステムの動作状況に応じて過給を行う。この実施形態は、2013年10月22日に発行された「Super-Turbocharger Having a High Speed Traction Drive and a Continuously Variable Transmission」という名称の米国特許第8,561,403号により詳細に開示されている。この米国特許が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。

図2Bは、トラクションドライブ機械式ターボ過給機250を示している。トラクションドライブ機械式ターボ過給機250は、図2Aの実施形態と同じであるが、ただし、平坦なトラクション接触部222(図2A)ではなく推力吸収トラクションドライブ252を用いている。換言すれば、タービン270と、コンプレッサー272と、伝達装置264と、エンジンシステム266とは、図2Aの対応する装置と同じである。図2Bに示すように、推力吸収トラクションドライブ252は、形状加工されたトラクション接触部254を有する。ここでも、2013年11月21日に提出された「Thrust Absorbing Planetary Traction Drive Superturbo」という名称の米国特許出願第61/906938号に教示されているような、種々の形状を用いることができる。この米国特許出願の引用により、この米国特許出願が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。ターボ軸262は、ローラー260の形状加工されたローラー表面256と実質的に合致する、形状加工された軸表面258を有する。

図2C、図2D、及び図2Eは、図1Aの伝達装置112と、図1Aのエンジンシステム116と、他の図に示す同様の構成部品との組合せを用いる種々の実施形態を示している。図2C、図2D、及び図2Eは全て、本明細書に開示の他の図でシステムを実施する際に用いることができる電気モーター/発電機、伝達装置、及び蓄電池システムといった種々の要素の様々な組合せ方法を開示している。

図2Cは、本発明の別の応用実施形態の概略図である。図2Cに示すように、タービン274が、ターボ軸276によってコンプレッサー275に連結されている。ローラー277は、ターボ軸276と接触する形状加工されたトラクション面を有する。軸278がローラー277に結合され、伝達装置279を駆動するか又は伝達装置279によって駆動される。伝達装置279は、軸278と軸280との間のインターフェースである。伝達装置279は、無段変速機(CVT)、離散的機械的伝達装置、油圧式伝達装置又は他の伝達装置とすることができる。伝達装置279は、軸278と軸280とが異なる回転速度で回転することを可能にする。伝達装置279は、軸280と、連結器282と、クランク軸284と、エンジン285と、コントローラー209とで構成されるエンジンシステム271に連結される。エンジンシステム271は、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bの種々の実施形態のエンジンシステムに対応する。伝達装置279は、エンジンの動作状況に関する動作データ281をモニターするコントローラー209に応答して動作する。これは、2013年10月22日に発行された「Super-turbocharger Having a High Speed Traction Drive and Continuously Variable Transmission」という名称の米国特許第8,561,403号及び2014年7月8日に発行された「Superturbocharger Control Systems」という名称の米国特許第8,769,949号により完全に開示されている。これらの米国特許の引用により、これらの米国特許が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。軸280は、連結器282を駆動するか又は連結器282によって駆動される。連結器282は、チェーン、ベルト、歯車、トラクションドライブ等のような任意のタイプの機械的な連結器を含むことができる。連結器282は、エンジン285のクランク軸284に結合される。エンジン285が高出力で動作し、タービン274から余剰の動力がある場合等のいくつかの動作状況において、伝達装置279は、タービン274からの余剰の動力によって駆動する際にエンジン285のクランク軸284を援助するように調整することができる。始動時等の他の動作状況において、加速が要求される場合、エンジン285は、クランク軸284を駆動して、それによりターボ軸276及びコンプレッサー275を駆動することができ、それにより、図2Cに示すシステムは機械式過給機(スーパーチャージャー)として動作する。ここでも、これは、コントローラー209を用いて伝達装置279を調整することにより行われる。コントローラーの動作は、2014年7月8日に発行された「Superturbocharger Control Systems」という名称の米国特許第8,769,949号に開示されている。この米国特許の引用により、この米国特許が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。

図2Dは、軸287がハイブリッド車両内のモーター/発電機286を駆動するか又はモーター/発電機286によって駆動される、別の実施形態を示している。モーター/発電機286は、電力エレクトロニクス288に電気的に接続される。モーター/発電機286は、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bに記載の伝達装置の一実施形態であり、エンジン291と、クランク軸255と、ハイブリッド伝達装置293と、電力エレクトロニクス288と、蓄電池バンク(蓄電池列)289とで構成されるエンジンシステム290に連結される。エンジンシステム290は、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bの種々の実施形態のエンジンシステムに対応する。モーター/発電機286が発電機として動作する場合、タービン203とローラー201と軸287とがモーター/発電機286の発電機部を駆動し、電力エレクトロニクス288に印加する電力を生成する。その後、モーター/発電機286からのその電力は、制御信号253によって指定されたように、蓄電池バンク289に印加されて蓄電池バンク289を充電するか、又は、ハイブリッド伝達装置293に印加されて車輪295に動力を与える。エンジン291が高出力で動作している場合、タービン203からの余剰のエネルギーは、タービン203からトラクション接触部205を介してローラー201及び軸287に伝達することができる。制御信号253は、モーター/発電機286からの電力を印加して蓄電池バンク289を充電するか又はハイブリッド伝達装置293に動力を与えるように電力エレクトロニクス288を制御する。

図2Dに示すシステムは、機械式過給機としても機能することができる。モーター/発電機286のモーター部は、制御信号253に応答して、電力エレクトロニクス288を介して蓄電池バンク289により作動し、軸287とローラー201とコンプレッサー207とを駆動して過給をもたらすことができる。これは、高出力が要求されるがタービン203を駆動する排気ガスの生成量が少ない場合(初期加速状況中に発生する)に行うことができる。

図2Eは、モーター/発電機239が、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bの伝達装置として機能し、エンジン249と、クランク軸257と、連結器247と、軸251と、モーター/発電機245と、電力エレクトロニクス241と、蓄電池バンク243とで構成されるエンジンシステム230に連結される一実施形態を示す別の実施形態である。エンジンシステム230は、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bの種々の実施形態のエンジンシステムに対応する。図2Eに示すように、タービン229は、エンジン249からの排気ガスに応じて作動する。タービン229は、トラクション接触部231を介してコンプレッサー233及びローラー235を回転させる。ローラー235は、軸237を回転させる。軸237にかかる機械的な回転エネルギーは、モーター/発電機239の発電機部を作動させる。モーター/発電機239の発電機部は、電力エレクトロニクス241に印加される電気エネルギーを生成する。電気エネルギーの全部又は一部が、蓄電池バンク243に格納される。モーター/発電機239の発電機部からの電気エネルギーは、電力エレクトロニクス241からの電気エネルギーの印加によって、モーター/発電機245のモーター部を作動させることもできる。蓄電池バンク243は、モーター/発電機239の発電機部からの電気エネルギーを補うか又はモーター/発電機239の発電機部からの電気エネルギーの全部に換わる電気エネルギーを提供し、モーター/発電機245のモーター部を作動させることもできる。モーター/発電機245のモーター部は、軸251を回転させる。連結器247は、軸251からエンジン249のクランク軸257に機械的な回転エネルギーを伝達し、クランク軸257の回転を援助する。

図2Eのシステムは、機械式過給モードで動作することもできる。この例では、エンジン249は、クランク軸257に、連結器247に伝達される機械的な回転エネルギーを生成する。連結器247は、軸251とクランク軸257との間で機械的な回転エネルギーを伝達するための任意のタイプの連結器又は伝達装置を備えてもよい。軸251は、電力エレクトロニクス241に印加される電気エネルギーを生成するモーター/発電機245の発電機部を作動させる。蓄電池バンク243からの電気エネルギーを電力エレクトロニクス241に印加することもでき、蓄電池バンク243を用いて、エンジン249によって生成された機械的な回転エネルギーによってもたらされる、モーター/発電機245の発電機部によって生成される電気エネルギーを補うことができる。電力エレクトロニクス241は、モーター/発電機245及び/又は蓄電池バンク243によって生成された電気エネルギーを用いて、モーター/発電機239のモーター部を作動させる。モーター/発電機239のモーター部は、軸237及びローラー235を回転させる。コンプレッサー233は、トラクション接触部231を介して伝達されるローラー235の機械的な回転エネルギーによって回転する。このようにして、図2Eのシステムは、ターボ過給機と機械式過給機の複合型として機能する。これは一般に機械式ターボ過給機と称される。

また図2Eに示すように、モーター/発電機245の発電機部によって、発電機部の磁界を有効にすることにより機械的抵抗を発生させ、それにより、軸251における抵抗を得てエンジン249を減速し、制動を達成することができる。この場合、発電機は、電力エレクトロニクス241に印加される電気エネルギーを生成し、この電気エネルギーを用いて蓄電池バンク243を充電する。このようにして、上記システムによって車両の回生制動を達成することができる。

これに応じて、図2C、図2D、及び図2Eは、図1A、図1B、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、及び図4Bに使用することができる種々の実施形態を示している。

図3Aは、別の実施形態の減速トラクションドライブ機械式ターボ過給機300の概略図である。図3Aに示すように、遊びローラー320は、ローラー314と略反対側の位置でターボ軸302と接触する。トラクション接触部308がトルクを伝達するには、ローラー314とターボ軸302との間に略垂直の力が存在しなければならない。遊びローラー320を追加することは、遊びローラー320が、ローラー314とは略反対側にあり、ターボ軸302にかかる等しいが逆向きの垂直反力を有することができるので、ターボ軸302を圧する垂直力に反作用するのに役立つ。図3Aに示すように、遊びローラー320を用いることにより、ローラー314及び遊びローラー320からターボ軸302にかかる正味の力がゼロに近づくので、ターボ軸302を安定化及び位置決めする軸受318、319にかかる力が低くなる。

図3Bは、別の実施形態のトラクションドライブ機械式ターボ過給機350の概略図である。図3Bに示すように、ターボ軸352は、タービン354をコンプレッサー356に連結する。推力吸収トラクションドライブ358は、ローラー364とターボ軸352との間に形状加工されたトラクション接触部372を設け、トラクション接触部372はターボ軸352を軸方向に位置決めする。そのため、ターボ軸352を軸方向に支持するために軸受318、319が必要とされない。形状加工されたトラクション接触部372は、形状加工された軸表面374に係合する形状加工されたローラー表面380を含む。さらに、形状加工された軸表面374は、形状加工された遊びローラー表面378に係合する。ここでも、図3Bには湾曲形状が示されているが、2013年11月21日に提出された「Thrust Absorbing Planetary Traction Drive Superturbo」という名称の米国特許出願第61/906938号に開示されているような種々の形状を用いることができる。この米国特許出願が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。遊びローラー370は、ローラー364によって生成されるターボ軸352に対して垂直の力に抗し、そのため、ターボ軸をターボ軸352の回転軸に対して垂直の方向において支持するために軸受318、319が必要とされない。遊びローラー370及び形状加工されたトラクション接触部372を追加することにより、ターボ軸352にかかる総合的な力がゼロに近づき、そのため軸受318及び319の設計要件が低くなる。ローラー364をターボ軸352に押し付け、トルクを伝達することが可能な形状加工されたトラクション接触部372を形成する任意の所望の方法を用いることができる。2013年10月22日に発行された「Super-Turbocharger Having a High Speed Traction Drive and a Continuously Variable Transmission」という名称の米国特許第8,561,403号に開示されている、トルクを増大する種々の方法及び負荷に応じてトルクを変化させる種々の方法を用いることができる。米国特許第8,561,403号の引用により、この米国特許が開示及び教示している全ての内容は、明確に本明細書の一部をなす。当然ながら、これは、本明細書に開示の実施形態の全てに当てはまる。ローラー364は伝達装置362に連結され、さらに、伝達装置362はエンジンシステム366に連結することができる。

図4Aは、2つの電気モーター/発電機412、413を用いる別の実施形態のトラクションドライブ機械式ターボ過給機400の概略図である。この実施形態は、2つの同一のトラクション接触部408、409をターボ軸402の両側に有することが効果的である。対向するローラー414、415が、トラクション接触部408、409においてトルクを伝達するのに必要な垂直力によって生じる、ターボ軸402にかかる径方向力を相殺する。このことは、ターボ軸402をターボ軸402の回転軸に対して垂直の方向において位置決めする要件を低減する。各ローラー414、415は低速軸410、411に結合され、さらに、低速軸410、411は電気モーター/発電機412、413に結合される。2つの機械的伝達装置をターボ軸402の両側に組むことは困難であるので、電気モーター/発電機412、413の使用が好ましい。各電気モーター/発電機412、413は、エンジンシステム416に電気的に接続され、エンジンシステム416との間で等量の力を伝達して、トラクションドライブ機械式ターボ過給機400による力を均衡させて維持するように一緒に制御される。電気モーター/発電機412、413は、電気モーター/発電機412、413との間の力を制御するエンジンシステム416の電力エレクトロニクスに接続され、この場合、この電力エレクトロニクスは、図2D及び図2Eに示すような蓄電池システム又はエンジンシステム416のエンジンに取り付けられた別のモーター/発電機に更に接続することができる。

図4Bは、別の実施形態の機械式ターボ過給機450の概略図である。図4Bの実施形態は、図4Aの実施形態と同じであるが、ただし、推力吸収トラクションドライブ452を用いている。図4Bに示すように、形状加工されたトラクション接触部454と形状加工されたトラクション接触部455とをそれぞれ形成された、2つのローラー456、458がある。これらの形状加工されたトラクション接触部454、455は、まとめて推力吸収トラクションドライブ452と称する。ターボ軸451は、タービン468とコンプレッサー470とを連結する。ターボ軸451は、ローラー456の形状加工されたローラー表面460及びローラー458の形状加工されたローラー表面462と接触する形状加工された軸表面464を有する。ローラー456、458は、ターボ軸451に向かって内方に押され、推力吸収トラクションドライブ452を形成する。ローラー456、458にかかる力は自然に均衡するため、ターボ軸451はローラー456、458間の心出し位置に留まる。ローラー456は電気モーター/発電機472を駆動する。ローラー458は電気モーター/発電機474を駆動する。電気モーター/発電機472、474はエンジンシステム476に連結される。

これに応じて、本発明の実施形態は、ターボ軸から、より従来的な電気モーター/発電機又は機械的伝達装置に結合することができる低速軸へのトラクションドライブ、すなわち速度逓減変換器を提供する。このトラクションドライブの基本形態は、減速トラクションドライブを形成するようにターボ軸と接触する、ターボ軸より大きい直径を有するローラーである。ローラーは、過剰なスリップがない状態でターボ軸に対するトルク伝達及びターボ軸からのトルク伝達を行うように十分な垂直力によって、ターボ軸に押し付けられる。また、より多くのトルクを伝達することができるように、トラクション流体を用いて摩擦係数を増大させてもよい。このようにして、過渡加速中にターボ軸にトルクを伝達してターボラグを低減することができ、コンプレッサーの駆動に要求されるものを超える余剰のタービン動力が存在する高負荷動作中に、ターボ軸からトルクを伝達することができる。この場合、この余剰の力は、複合力としてエンジンシステムへ伝達し、エンジンシステムの電力及び効率性を高めることができる。

減速トラクションドライブを用いれば、100000〜200000の高いターボ軸速度を、10:1の減速比で低速軸において10000〜20000の範囲の速度へ減少させることができる。一例として、直径10mmのターボ軸の場合、この10:1の比を達成するには100mmのローラー径が要求される。パッケージ要件及び性能要件に応じて、他の減速比を用いることもできる。減速後のより低い速度は、より従来的な電気モーターにとって許容可能な速度であり、電気モーター/発電機は、ターボ軸上の高温のタービン及びコンプレッサーから隔離されたより良好な動作環境に移動させることができる。同様に、より低い速度は、CVT伝達装置及び離散的歯車駆動伝達装置を含む機械的伝達装置にとって許容可能である。その場合、電気モーター/発電機又は機械的伝達装置は、エンジンシステムに連結され、エンジンシステムと機械式ターボ過給機との間で動力を伝達する。

本発明の前述の記載は、例示及び説明のために提示されている。本発明の前述の記載は、網羅的であることも本発明を開示の厳密な形態に限定することも意図しておらず、上記教示に鑑みて他の変更形態及び変形形態が考えられ得る。実施形態は、本発明の原理及び本発明の実際的応用を最もよく説明し、それにより当業者が本発明を種々の実施形態及び意図する特定の用途に合わせた種々の変更形態で最適に利用することを可能にするように選択及び記載されている。添付の特許請求の範囲は、従来技術により制限されることを除き、本発明の他の代替的な実施形態を包含するように解釈されることが意図される。

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