Power transmission device

申请号 JP2002283137 申请日 2002-09-27 公开(公告)号 JP3937989B2 公开(公告)日 2007-06-27
申请人 株式会社デンソー; 发明人 泰生 田渕; 祐一 青木;
摘要
权利要求
  • 駆動機器のトルクを従動機器に伝達する動力伝達装置であって、
    前記駆動機器側により回転駆動される第1回転体(1)と、
    前記従動機器側に連結された第2回転体(7)と、
    前記第1回転体(1)から前記第2回転体(7)にトルクを伝達するとともに、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、一部が破断することによりトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部(8)と、
    前記第1、2回転体(1、7)間のトルクの伝達経路途中に設けられた弾性変形可能な材質からなるダンパー(5)と、
    前記ダンパー(5)が前記第1、2回転体(1、7)の回転軸方向に変位することを規制するとともに、前記第1回転体(1)及び前記第2回転体(7)のうち少なくとも一方側に係止固定されたカバー(9)とを有し、
    前記カバー(9)には、前記カバー(9)を前記ダンパー(5)に近接した状態で係止固定する第1係止部(9a)、及び前記カバー(9)が前記第1係止部(9a)によって係止固定された状態より前記ダンパー(5)から離れた状態で前記カバー(9)を係止固定する第2係止部(9b)が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  • 前記両係止(9a、9b)は、前記カバー(9)と共に樹脂にて一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  • 前記トルクリミッタ部(8)が破断した後、前記トルクリミッタ部(8)が回転軸周りに回転して衝突する部位は、回転方向に対して傾斜した傾斜面が無い角部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  • 前記トルクリミッタ部(8)は、金属粉を焼結させて製造されていることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、エンジンや電動モータ等の駆動機器のトルクをポンプや圧縮機等の従動機器に伝達する動伝達装置に関するものであり、車両用空調装置の圧縮機にエンジンの動力を伝達する継ぎ手に適用して有効である。
    【0002】
    【従来の技術】
    出願人は、トルク変動を吸収するためのダンパーゴム、及び伝達トルクが所定トルク以上となったときにトルクの伝達経路を破断させることにより動力の伝達を遮断するトルクリミッタ部を有する動力伝達装置を既に出願している(特願2002− 15693号)。
    【0003】
    【発明が解決しようとする課題】
    ところで、上記出願に記載の発明を試作試験したところ、以下のような問題が発生した。 すなわち、上記出願に係る動力伝達装置、つまりプーリでは、図8に示すように、ダンパーゴム5が変位脱落することを防止するために、樹脂製のカバー9をプーリ1に係止固定しているが、伝達トルクが所定トルク以上となり、トルクリミッタ部8が破断した際に、カバー9がプーリ1から外れてしまい、破断したトルクリミッタ部8の破片やダンパーゴム5が飛散してしまった。 そこで、カバーが外れた原因を調査したところ、以下の点が明らかになった。
    【0004】
    トルクリミッタ部8が破断すると、トルクリミッタ部8のうち駆動側は回転し、従動側は停止するので、駆動側の部材と従動側の部材とが衝突して、図9示すように、従動側の部材が駆動側の部材に乗り上げて回転軸方向に変位してしまう。 このため、カバー9が従動側の部材により押されてプーリから外れてしまう。
    【0005】
    なお、この原因に対して、例えば従動側の部材の最大移動量(トルクリミッタ部の厚み相当)を見込んだ隙間を予めカバーとプーリとの間に設けると言った手段が考えられるが、この手段では、ダンパーゴムとカバーとの隙間が大きくなるので、ダンパーゴムが変位することを防止するといったカバー本来の機能を有効に発揮させることができない。
    【0006】
    また、隙間を設けた分、他の機器とのクリアランスが小さくなるので、プーリ、つまりカバーと他の機器とが干渉してしまうおそれがある。
    【0007】
    本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な動力伝達装置を提供し、第2には、トルクリミッタ部が破断した際に、カバーが外れてしまい、破断したトルクリミッタ部の破片やダンパー等が飛散してしまうことを防止することを目的とする。
    【0008】
    【課題を解決するための手段】
    本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、駆動機器のトルクを従動機器に伝達する動力伝達装置であって、駆動機器側により回転駆動される第1回転体(1)と、従動機器側に連結された第2回転体(7)と、第1回転体(1)から第2回転体(7)にトルクを伝達するとともに、伝達トルクが所定トルク以上となったときに、一部が破断することによりトルクの伝達を遮断するトルクリミッタ部(8)と、第1、2回転体(1、7)間のトルクの伝達経路途中に設けられた弾性変形可能な材質からなるダンパー(5)と、ダンパー(5)が第1、2回転体(1、7)の回転軸方向に変位することを規制するとともに、第1回転体(1)及び第2回転体(7)のうち少なくとも一方側に係止固定されたカバー(9)とを有し、カバー(9)には、カバー(9)をダンパー(5)に近接した状態で係止固定する第1係止部(9a)、及びカバー(9)が第1係止部(9a)によって係止固定された状態よりダンパー(5)から離れた状態でカバー(9)を係止固定する第2係止部(9b)が設けられていることを特徴とする。
    【0009】
    これにより、第1係止部(9a)の係止状態は、従動側トルクリミッタ部(8)の破片が回転軸方向に変位することにより外れるものの、従動側トルクリミッタ部(8)の破片が駆動側トルクリミッタ部(8)の破片に乗り上げた以降は、従動側トルクリミッタ部(8)の破片を更に回転軸方向に変位させる力が発生しないので、カバー(9)は第2係止部(9b)により係止固定されて外れることはない。
    【0010】
    したがって、予めカバー(9)ダンパー(5)との間に大きな隙間を設けることなく、トルクリミッタ部(8)が破断したときにカバー(9)が外れることを防止できるので、ダンパー(5)が変位することを防止するといったカバー(9)本来の機能を有効に発揮させつつ、カバー(9)と他の機器とのクリアランスが小さくなることを防止しながら、破断したトルクリミッタ部(8)の破片やダンパー(5)等が飛散してしまうことを防止できる。
    【0011】
    請求項2に記載の発明では、両係止(9a、9b)は、カバー(9)と共に樹脂にて一体成形されていることを特徴とするものである。
    【0012】
    請求項3に記載の発明では、トルクリミッタ部(8)が破断した後、トルクリミッタ部(8)が回転軸周りに回転して衝突する部位は、回転方向に対して傾斜した傾斜面が無い部が設けられていることを特徴とする。
    【0013】
    これにより、駆動側トルクリミッタ部(8)の破片と従動側トルクリミッタ部(8)の破片とが衝突した際に、案内面となる傾斜面が無いため、従動側トルクリミッタ部(8)の破片が駆動側トルクリミッタ部(8)の破片に乗り上げてしまうことを抑制できる。
    【0014】
    請求項4に記載の発明では、トルクリミッタ部(8)は、金属粉を焼結させて製造されていることを特徴とするものである。
    【0015】
    因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
    【0016】
    【発明の実施の形態】
    (第1実施形態)
    本実施形態は、本発明に係る動力伝達装置を車両用空調装置の従動機器をなす圧縮機に駆動機器をなすエンジンの動力を伝達するプーリ1に適用したものであって、図1は本実施形態に係るプーリの断面図であり、図2は図1の左側面図であり、図3は図1のA部拡大図である。
    【0017】
    プーリ1はVベルトを介して走行用エンジンから駆動力を受けて回転する略円筒状に形成された金属又は硬質樹脂(本実施形態では、フェノール)製の第1回転体であり、このプーリ1の内周側にはプーリ1を回転可能に支持するラジアル転がり軸受2が装着される円筒状のプーリハブ1aが一体成形されている。 因みに、ラジアル転がり軸受2の内輪は、圧縮機(図示せず。)のフロントハウジングに圧入装着される。
    【0018】
    なお、本実施形態では、プーリ1として、複数列のV溝1bが設けられたポリードライブベルト対応型のプーリを採用しているとともに、プーリ1を樹脂製としているので、プーリハブ1aのうち軸受2が装着される内周側には、金属製のスリーブ3がインサート成形にてプーリハブ1aに一体化されている。
    【0019】
    センターハブ4はプーリ1の内周側に位置してプーリ1と同軸上に配置されて回転するものであり、このセンターハブ4の外周側は、図3示すように、複数箇所の凹凸を有すように星型又は歯車状に形成されている。
    【0020】
    ここで、センターハブ4は、センターハブ4の外周側に配置されたダンパー5と接触する凹凸部が設けられたアウターハブ6、圧縮機のシャフトとスプライン結合する第2回転体をなす円筒部7、アウターハブ6と円筒部7とを機械的に連結してアウターハブ6から円筒部7にトルクを伝達するとともに、アウターハブ6から円筒部7に伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに破断するような強度に設定されたトルクリミッタ部をなす複数本(本実施形態では、3本)のブリッジ部8から構成されている。
    【0021】
    なお、センターハブ4、つまりアウターハブ6、ブリッジ部8及び円筒部7は、金属粉を焼結させることにより一体成形されている。
    【0022】
    ダンパー5は、センターハブ4側の凹凸部とプーリ1の内周側に設けられた凹凸部との間、つまりプーリ1からセンターハブ4に至るトルクの伝達経路途中に配置されてプーリ1からセンターハブ4にトルクを伝達する弾性変形可能な弾性材からなるものである。
    【0023】
    なお、ダンパー5は、その外表面のうちプーリ1及びセンターハブ4と接触しない非接触面には、プーリ1及びセンターハブ4と接触する接触面に比べて酸素透過量が小さい材質からなる酸素透過抑制層を設けるたもので、本実施形態では、酸素透過抑制層をアクリルゴムとし、酸素透過抑制層より内側及び接触面をEPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴム))製としている。
    【0024】
    また、プーリ1のダンパー5の装着側には、図1に示すように、ダンパー5が、所定寸法以上、回転軸方向一端側(紙面左側)に変位することを規制する樹脂製カバー9がダンパー5に近接した状態でプーリ1に係止固定されており、このプーリ1とカバー9との係止固定部は、図4に示すように、弾性変形可能な第1係止突起部9aによりプーリ1に設けられた係止用段付き部1cに係止固定されている。
    【0025】
    第2係止突起部9bは、第1係止突起部9aにてカバー9をプーリ1に係止固定した状態に比べて、ダンパー5から離れた状態でカバー9をプーリ1に係止固定するための係止部であり、両係止突起部9a、9bはカバー9と共に樹脂にて一体形成されている。
    【0026】
    なお、ダンパー5の回転軸方向他端側(紙面右側)への変位は、図1に示すようにプーリ1自体により規制されている。
    【0027】
    次に、本実施形態に係る動力伝達装置の概略作動及び作用効果を述べる。
    【0028】
    プーリ1にトルクが作用すると、プーリ1とセンターハブ4とが相対的に変位するので、ダンパー5は圧縮変形しながらせん断変形する。
    【0029】
    このとき、ダンパー5の変形、すなわち圧縮変形及びせん断変形のうち回転方向成分の変形に伴って発生する反力によりプーリ1からセンターハブ4にトルクが伝達されるとともに、ダンパー5が変形することによりトルク変動が吸収される。
    【0030】
    また、プーリ1からセンターハブ4に伝達されるトルクが所定値以上となると、ブリッジ部8が破断するため、プーリ1からセンターハブ4へのトルク伝達が遮断される。
    【0031】
    このとき、ブリッジ部8のうち駆動側、つまりブリッジ部8のアウターハブ6側(図5の斜線部分)は回転し、従動側、つまりブリッジ部8の円筒部7側(図5の非斜線部分)は停止するので、駆動側ブリッジ部8の破片と従動側ブリッジ部8の破片とが衝突して、図9示すように、従動側ブリッジ部8の破片が駆動側ブリッジ部8の破片に乗り上げて回転軸方向に変位してしまう。
    【0032】
    このとき、第1係止突起部9aの係止状態は、従動側ブリッジ部8の破片が回転軸方向に変位することにより外れるものの、従動側ブリッジ部8の破片が駆動側ブリッジ部8の破片に乗り上げた以降は、従動側ブリッジ部8の破片を更に回転軸方向に変位させる力が発生しないので、図6に示すように、カバー9は第2係止突起部9bによりプーリ1に係止固定され、プーリ1から外れることはない。
    【0033】
    したがって、予めカバー9とプーリ1との間に隙間を設けることなく、ブリッジ部8が破断したときにカバー9がプーリ1から外れることを防止できるので、ダンパー5が変位することを防止するといったカバー9本来の機能を有効に発揮させつつ、プーリ1(カバー9)と他の機器とのクリアランスが小さくなることを防止しながら、破断したブリッジ部8の破片やダンパー5等が飛散してしまうことを防止できる。
    【0034】
    なお、上記の説明から明らかなように、回転軸と平行な方向における第1係止突起部9aと第2係止突起部9bとの距離は、従動側ブリッジ部8の破片の最大移動量、つまりブリッジ部8の厚み寸法以上とすることが必要である。
    【0035】
    (第2実施形態)
    本実施形態は、センターハブ4のうち図7の楕円で囲まれた部位、つまりブリッジ部8が破断した後、ブリッジ部8の破片が回転軸周りに回転して衝突する部位の端面を、回転方向に対して傾斜した傾斜面が無い角部としたものである。
    【0036】
    これにより、図9に示すように、駆動側ブリッジ部8の破片と従動側ブリッジ部8の破片とが衝突した際に、案内面となる傾斜面が無いため、従動側ブリッジ部8の破片が駆動側ブリッジ部8の破片に乗り上げてしまうことを抑制できる。
    【0037】
    なお、本実施形態では、楕円で囲まれた部位以外の端面には、傾斜面が設けられているが、これは焼結にてセンターハブ4を製造する際に、センターハブ4と製造用金型との離型性を向上させるためであり、可能であれば、ブリッジ部8全ての端面の傾斜面を廃止してもよい。
    【0038】
    (その他の実施形態)
    上述の実施形態では、酸素透過抑制層をアクリルゴムとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばフロロシリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等としてもよい。
    【0039】
    また、上述の実施形態では、ダンパー5を略楕円状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、円柱状等のその他形状であってもよい。
    【0040】
    上述の実施形態では、空調装置に本発明に係る動力伝達装置を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、据え置き型の空調装置等のその他のものにも適用することができる。
    【0041】
    上述の実施形態では、酸素透過抑制層の内側をゴム(EPDM)製としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エラストマ等のその他の樹脂材料にて構成してもよい。
    【0042】
    また、上述の実施形態では、駆動源により回転駆動される第1回転体をなすプーリ1の内周側に、従動機器に接続される第2回転体をなすセンターハブ4が配置されていたが、これとは逆に、第2回転体の内周側に第1回転体を配置してもよい。
    【0043】
    また、上述の実施形態では、第1係止突起部9aと第2係止突起部9bとは、回転軸と平行な方向に並んでいたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1係止突起部9aと第2係止突起部9bとが回転方向にずれていてもよい。
    【0044】
    具体的には、図2において、第1係止突起部9aと第2係止突起部9bとは、回転軸と平行な方向に並んで回転方向に60°間隔で並んでいたが、例えば回転方向において、第1係止突起部9aと第2係止突起部9bとを回転方向に30°ずらした状態で、両係止突起部9a、9bを回転方向に60°間隔で並べてもよい。
    【0045】
    また、上述の実施形態では、センターハブ4を燒結金属にて製造したが、本発明はこれに限定されるものではない。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の第1実施形態に係るプーリの断面図である。
    【図2】図1の左側面である。
    【図3】本発明の第1実施形態に係るセンターハブの正面図である。
    【図4】図1のA部拡大図である。
    【図5】本発明の第1実施形態に係るプーリの作動説明図である。
    【図6】本発明の第1実施形態に係るプーリの作動説明図である。
    【図7】本発明の第2実施形態に係るセンターハブの正面図である。
    【図8】(a)は従来の技術に係る動力伝達装置の断面図であり、(b)は(a)の左側面図である。
    【図9】従来の技術の問題点を説明するための図である。
    【符号の説明】
    1…プーリ、4…センターハブ、5…ダンパー、9…カバー、
    9a…第1係止突起部、9b…第2係止突起部。

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