Manipiyure - inverted microscope with data

申请号 JP3545685 申请日 1985-02-25 公开(公告)号 JPH0760219B2 公开(公告)日 1995-06-28
申请人 オリンパス光学工業株式会社; 株式会社成茂科学器械研究所; 发明人 康夫 井上; 桂 元村; 栄一 成茂; 利美 早坂; 新二 米山; 到 遠藤;
摘要
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】被観察物体に対して種々の微細な操作を行うためのマイクロマニピュレータを備えたマニピュレータ付倒立型顕微鏡において、ステージとコンデンサレンズとの間に配置されて、光軸方向にガラス針を保持すると共に、該ガラス針を光軸に一致させるべく、該光軸に直交する平面内で芯出し調整可能にされたホルダ枠を有するニードルホルダと、前記ステージの上面に設置されて、前記ガラス針を保持したニードルホルダを支持し、
    且つ該ニードルホルダを前記光軸に沿って上下に駆動する油圧駆動部と、前記油圧駆動部に油圧伝達チューブを介して接続され、該油圧駆動部を油圧作動させる油圧操作部と、前記油圧操作部に揺動操作可能に設けられて作動油圧を調整する操作ハンドル,及び前記ガラス針の先端にピントが合った状態を前記ニードルホルダの下限位置とすべく、該操作ハンドルの操作量を規制するストッパ部とを備えて構成したことを特徴とするマニピュレータ付倒立型顕微鏡。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、顕微鏡の被観察物体に対して種々の微細な操作を行うためのマイクロマニピュレータを備えたマニピュレータ付倒立型顕微鏡に関するものである。

    従来技術 この種の従来のマニピュレータ付倒立型顕微鏡は、例えば、第13図に示した如く、ステージ1と、該ステージ1
    上に載置されて内部に細胞2aが収納された培養容器2
    と、前記ステージ1の上方に設けられて内部にリングスリット3aを含むコンデンサレンズ3と、前記ステージ1
    の下方に設けられたレボルバー4に装着された内部に位相板5aを有する対物レンズ5と、前記ステージ1の下面側端部に取付金具6を介して固定され、そのガラス針7a
    が前記培養容器2内の細胞2a,即ち、この場合、顕微鏡の焦点位置付近に延びているマイクロマニピュレータ7
    等を具備し、該培養容器2内の細胞2aにマイクロマニピュレータ7のガラス針7aを穿刺することで、該細胞2a内に培養液中の酵素等を浸透させるようにするところの,
    所謂、プリッキングなる手技を行い得るように構成していた。

    ところが、この従来例の場合には、マニピュレータ7における複数の操作部7bを機械的に連動させるようにしているために、該連動機構の構成が複雑になり、装置の信頼性や耐久性が低いという問題点があり、又、一方では、各操作部7bの位置が夫々に制限されるので、その操作性が必然的に劣ることになるという問題点もあった。

    更に、一般的には、培養容器2の底面や培養細胞の表面が一様でないことから、ガラス針7aの針先をピント位置まで下降させた場合に、該ガラス針7aの針先で容器2の底面を誤って刺突して了い、このためにガラス針7a自体を破損することも多く、その結果、プリッキングの作業効率が低下するという問題点があった。

    目的 本発明は、上記従来の各問題点を改善するためになされたもので、その目的とするところは、装置における信頼性や耐久性が高く、且つ操作性にも優れると共に、プリッキング操作の際にガラス針を破損する惧れがなくて、
    該プリッキング操作の作業効率を飛躍的に向上させ得るようにしたマニピュレータ付倒立型顕微鏡を提供することである。

    概要 本発明のマニピュレータ付倒立型顕微鏡は、被観察物体に対して種々の微細な操作を行うためのマイクロマニピュレータを備えたマニピュレータ付倒立型顕微鏡において、ステージとコンデンサレンズとの間に配置されて、
    光軸方向にガラス針を保持すると共に、該ガラス針を光軸に一致させるべく、該光軸に直交する平面内で芯出し調整可能にされたホルダ枠を有するニードルホルダと、
    前記ステージの上面に設置されて、前記ガラス針を保持したニードルホルダを支持し、且つ該ニードルホルダを前記光軸に沿って上下に駆動する油圧駆動部と、前記油圧駆動部に油圧伝達チューブを介して接続され、該油圧駆動部を油圧作動させる油圧操作部と、前記油圧操作部に揺動操作可能に設けられて作動油圧を調整する操作ハンドル,及び前記ガラス針の先端にピントが合った状態を前記ニードルホルダの下限位置とすべく、該操作ハンドルの操作量を規制するストッパ部とを備えて構成したことを特徴とするものである。

    実施例 以下、本発明の実施例につき、第1図乃至第12図を参照して詳細に説明する。

    第1図乃至第9図は本発明の一実施例を示している。

    ここで、第1図及び第2図は夫々に本実施例を適用したマニピュレータ付倒立型顕微鏡の概要構成を示す側面図及び正面図である。

    これらの第1図及び第2図に示す実施例構成において、
    10は顕微鏡本体、11は該顕微鏡本体10の照明系支柱、12
    は前記顕微鏡本体10に対し、この場合、例えば、実願昭
    58−137655号明細書に記載されている如く、メスアリ部とオスアリ部との組合せ構造によって着脱自在に固定されたステージである。

    又、13は前記ステージ12の上方において、前記照明系支柱11に取付けられたコンデンサホルダ、14は該コンデンサホルダ13に支持させたコンデンサレンズであり、15は前記ステージ12とコンデンサレンズ14との間に配置され、光軸上への後述する芯出し機構を備えると共に、該光軸上でガラス針16を垂下した状態に保持するニードルホルダ、17は前記ステージ12の上面にネジ止め固定させて前記ニードルホルダ15を着脱自在に支持し、且つこれを光軸に沿った上下方向へ駆動し得るようにした,この場合、例えば、特公昭57−28122号公報に記載されている如き油圧駆動部を示し、18は前記顕微鏡本体10外に配置され、且つ油圧伝達チューブ19を介して前記ガラス針
    16と接続され、該油圧伝達チューブ19内にシリコンオイル等を満たしておくことで、前記ガラス針16中の薬液等に圧を加えて、針先から薬液を押し出すように操作するインジェクターである。

    更に、20は前記ステージ12の下方にて、前記顕微鏡本体
    10に上下動可能に装架させたレボルバー、21は該レボルバー20に固定させた対物レンズを示し、22は第2図に示すように前記顕微鏡本体10の左右両側に夫々回動自在に枢支され、この場合、例えば、特公昭52−43688号公報に記載されている如き粗微動装置を介して前記レボルバー20に連繋させた一対の合焦ハンドルであり、23は取付ネジ24によって前記顕微鏡本体10に着脱自在に固定させると共に、その作動部分を上記一対の合焦ハンドル22,2
    2の一方の微動ハンドル22aに連結させ、該微動ハンドル
    22aによって駆動されるところの,例えば、特公昭57−2
    8122号公報に記載されている如き第1の油圧操作部、25
    は該第1の油圧操作部23と前記油圧駆動部17との間を接続する油圧伝達チューブ、26は前記第1の油圧操作部23
    に油圧伝達チューブ27を介して接続させた第2の油圧操作部である。

    引続き、前記夫々の各部の構成について一層詳細に述べる。

    先ず、第3図及び第4図は同実施例におけるニードルホルダ15の詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図である。

    これらの第3図及び第4図に示す前記ニードルホルダ15
    の構成において、28はオスアリ部28aを前記油圧駆動部1
    7のメスアリ部に嵌合させ、且つクランプネジ29の締め付けによって上下調整自在に固定させる環状の支持枠であり、該支持枠28に対しては、その周方向の一半側で一組の各バネセット31,31を螺着させ、且つ他半側で該一組の各バネセット31,31に対向して一組の各芯出しツマミ32,32を螺進退可能に螺合させてある。 又、30は前記支持枠28内に光軸と直交する平面内で移動可能に挿入させた環状の芯出し枠であり、該芯出し枠30は、前記各バネセット31,31によって常時中心部,つまり光軸方向に押圧されると共に、前記各芯出しツマミ32,32の螺進退操作によって芯出しを行ない得るようになっている。 更に、33は前記芯出し枠30に嵌挿させて支持枠28を貫通し、該芯出し枠30に螺装した固定ネジ34を締め付けることで固定され、且つ緩めることで芯出し枠30から離脱し得るようにした環状のホルダ枠、35は前記ホルダ枠33に対して基部側を平状態で貫通保持させると共に、該ホルダ枠33の中心部における光軸上で下方に向かう先端部を延長させたL字型のホルダであって、該基部に対しては、前記油圧伝達チューブ19を接続させ、且つ該先端部に対しては、クランプネジ36により前記ガラス針16を接続保持させてある。

    次に、第5図及び第6図は同実施例における油圧駆動部
    17の詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図である。

    これらの第5図及び第6図に示す前記油圧駆動部17の構成において、37は前記ステージ12の上面にネジ止め固定させて上下方向のメスアリ部37aを形成した取付台を示し、38は該取付台37に横方向から貫通枢支させて、一端部側に抜け防止用頭部38aを有し、且つ周側部にサラバネ39を介した上で、他端部に粗動ハンドル40を螺着させたピニオン軸であって、該ピニオン軸38を固定状態にして粗動ハンドル40をねじ込む方向に回動させることにより、サラバネ39が圧縮されて大きな反発力を生じ、この反発力を利用して該ピニオン軸38と粗動ハンドル40とを一体的に回動させるときの操作力を調整できるようにしたもので、この場合、該ピニオン軸38と粗動ハンドル40
    との間に作用するサラバネ39の摩擦抵抗力を十分大きく設定し得るために、粗動ハンドル40のみがピニオン軸38
    に対し回動されて緩むようなことはない。

    又、41は前記メスアリ部37aと嵌合するオスアリ部42によって前記取付台37に上下動可能に支持させると共に、
    前記粗動ハンドル40の回動操作によって、前記ピニオン軸38及び該ピニオン軸38に噛合させたラック43を介して上下作動されるシリンダであり、44は該シリンダ41内を油室41aと空室41bとに区分するローリングダイヤフラム、45は該ローリングダイヤフラム44に空室41b側から一端部を固定させたピストン杆、46は前記シリンダ41にローラガイド47を介して上下方向に移動可能に装架させ、且つ屈曲した下端部に前記ピストン杆45の他端部を止着させたスライド台で、背部の上下方向に前記ニードルホルダ15における支持枠28のオスアリ部28aを嵌合させるためのメスアリ部46aを形成してある。

    次に、第7図は同実施例における第1の油圧操作部23の詳細構成を示す縦断面図である。

    この第7図に示す前記第1の油圧操作部23の構成において、48は前記合焦ハンドル22と同軸上で前記顕微鏡本体
    10に設けた取付けリング49に対し、前記取付ネジ24によって一端部側を嵌着且つ着脱自在に固定させた一部筒状をなすフレームであり、50は該フレーム49の他端部側に固定させたヘッド、51は前記合焦ハンドル22と同軸上で前記フレーム48内に枢支させると共に、一端部側にあって、前記一対からなる一方の側の合焦ハンドル22に対応する微動ハンドル22aと圧接嵌合するゴム等の弾性材製の伝達ドラム52を固着させ、且つ他端部側にあって、軸方向と平行なキー溝51a付きの伝達ドラム51bを一体形成させた伝達軸である。

    又、54は前記ヘッド50に螺着させたシリンダ、55は該シリンダ54の内端部側から前記伝達軸51と同軸上で且つ軸方向に螺進退可能に螺着され、且つ外周部に突出するピン56を前記キー溝51aに滑合させたねじ軸、57は前記シリンダ54内を油室54aと空室54bとに区分するローリングダイヤフラム、58は該ローリングダイヤフラム57に他端部側を固定させ、且つ一端部側を前記ねじ軸55の中心孔に嵌挿して内底部に当接させたピストン杆である。

    そして、この場合には、前記一対からなる各合焦ハンドル22の内で、前記第1の油圧操作部23を装着させない側の他方の合焦ハンドル22に対応する微動ハンドル22aの一回転操作によって、前記対物レンズ21が、例えば、20
    0μm程度移動されるものとすると、一方では、該微動ハンドル22aの回転が、前記伝達ドラム52,伝達軸51,ねじ軸55を夫々に介した上で、前記ピストン杆58の軸方向移動に転換されることにより、前記ローリングダイヤフラム57を移動させ、この結果、前記微動ハンドル22aの回転量,ひいては、対物レンズ21の移動量に対応した油圧が、前記油圧伝達チューブ25を介して油圧駆動部17のシリンダ41内に与えられ、且つこれによって前記ニードルホルダ15が、該対物レンズ21の移動量相当に同一方向へ移動,つまり、ピント移動されるようになっている。

    又、このとき、前記対物レンズ21とガラス針16との間に何らの連繋もなくて、単に大気層のみが介在されているのであれば、本該当部における作動がこのようになされるのであるが、目的の操作を加える細胞は、通常、培養液,水等の液体中に包含されている場合が多く、該液体中でピント位置を移動させるときは、その光路長が変化して、結果的に、前記対物レンズ21の作動距離も変化し、当初に合焦設定させた前記ガラス針16での針先のピントがずれることになる。

    ここで、前記液中での光路長の変化分をΔlとすると、
    Δl/n(nは液体の屈折率)が前記対物レンズ21の作動距離の変化分に相当し、この誤差を補償するためには、
    前記微動ハンドル22aによる対物レンズ21の移動量とニードルホルダ15の移動量との比が前記液体の屈折率n付近になるように、前記ねじ軸55のネジピッチを選択すればよいもので、このようにしてピントずれの問題が解消される。

    次に、第8図は実施例における第2の油圧操作部26の詳細構成を示す縦断面図である。

    この第8図に示す前記第2の油圧操作部26の構成において、59は基台、60は支柱61を介して該基台59上に固定され、且つ中央部にガイドを兼ねて各内端部をストッパ部とした長溝60aを形成させたハンドレストを示している。

    そして、62は前記基台59上に固定させた筒状のフレーム、63は該フレーム62の側壁下部に固定させたシリンダであり、64は該シリンダ63内を油室63aと空室63bに区分するローリングダイヤフラム、65は該ローリングダイヤフラム64に一端部を固定させたピストン杆、66は前記フレーム62内で前記基台59上に配置され、且つ水平方向,
    ここでは、第8図の矢印A方向に摺動可能にされて、前記ピストン杆65の他端部を結合させると共に、上部に球状頭部付きのレバー66aを設けたスライダ、67は前記フレーム62の頂壁部に対して上下位置調整可能に螺着された支持枠である。

    又、68は前記支持枠67に対して揺動可能に支持させると共に、下部に前記レバー66aの球状頭部と揺回動嵌合する球状凹部68aを形成させたボール、69は該ボール68の上部に一体化固着させたシリンダ、70は該シリンダ69の上端部に対して下端側を固着させた微動ジョイステックであって、該下端部よりもやや上方の外周部が前記長溝
    60aによって第8図の矢印B方向に案内されると共に、
    該長溝60aでの各内端部をストッパ部として揺動範囲が規制されていて、特に、前記ガラス針16の先端にピントが合った状態で、前記ニードルホルダ15の下限位置を設定し得るようになっており、ここでは、該微動ジョイステック70の前記ボール68を回動中心とする揺動作動によって、該揺動量対応に前記スライダ66,ひいては前記ピストン杆65を軸方向へ摺動移動させ得るようになっている。

    更に、71は前記シリンダ69内を油室69aと空室69bとに区分するローリングダイヤフラム、72は前記各油室63a,69
    a間を接続する油圧伝達チューブ、73は前記ローリングダイヤフラム71に下端部を固定させたピストン杆、74は前記微動ジョイステック70の上端部側にあって、前記ピストン杆73の上端部に対し、図示しないねじ軸を介して、中心軸の周り,ここでは、該微動ジョイステック70
    の周りに回動されて、第8図の矢印C方向に螺進退可能に装架されており、その螺進退回動操作によって、該螺進退回動量対応に前記ピストン杆73を軸方向に移動させ得るようにした粗動ツマミである。

    次に、第9図は実施例における各油圧駆動系全体の構成を示す概略説明図である。

    この第9図に示されているように、各油圧駆動系は、前記第1,第2の各油圧操作部23及び26における各油圧発生部が夫々連通関係に構成されて、前記ニードルホルダ15
    を保持する油圧駆動部17を駆動制御させ得るようになっており、且つ該油圧駆動部17については、この場合、例えば、ストローク12mmのシリンダ容量を有していて、ここでは、第1,第2の各油圧操作部23及び26のストロークの合計が12mmを越えないようにするために、ピン56を滑合させるキー溝51aの内端部にストッパ部が設定されて、夫々の各ローリングダイヤフラム57(第1の油圧操作部23に対応)及び64,71(第2の油圧操作部26に対応)の破損を防止し得るようになっている。

    なお、本実施例の場合には、前記第1,第2の各油圧操作部23及び26を油圧駆動部17に対して直列に接続させているが、これらを並列に接続させるようにしてもよい。

    又、前記油圧駆動部17のストロークを越えない範囲で、
    前記第1,第2の各油圧操作部23及び26のストロークの合計を設定させるようにすれば、これに準ずることで、その他の所要油圧操作部を何台配置させてもよい。

    更に、本実施例の場合には、ピント合せに連動させる第1の油圧操作部23を合焦ハンドル22の微動ハンドル22a
    に連結させているが、これに限らずに、直接,対物レンズ21やレボルバー20の上下駆動機構と連結させるようにしてもよい。

    本実施例によるマニピュレータ付倒立型顕微鏡は、上述の如く構成されており、次のように作用する。

    即ち、先ず、ステージ12上に載置させた標本に対して、
    合焦ハンドル22を用いることでピント合せ操作を行った後に、該合焦ハンドル22の微動ハンドル22aに第1の油圧操作部23を連結する。

    続いて、ニードルホルダ15におけるホルダ枠33のホルダ
    35へのガラス針16のセッティング操作に入るが、最初は、コンデンサレンズ14が邪魔になるので、これを上方側へ跳ねのけておくか、或は取り外しておき、且つ油圧駆動部17の粗動ハンドル40を操作して、前記ニードルホルダ15の支持枠28を充分上方に上げておくようにする。

    そして、この状態のまま、前記ホルダ枠33のホルダ35に適当な長さのガラス針16を取付けると共に、該ホルダ枠
    33を芯出し枠30に嵌め込んで固定ネジ34により固定させ、更に、前記粗動ハンドル40と、第2の油圧操作部26
    の粗動ツマミ74とを併用操作することにより、前記ニードルホルダ15を下降させて、前記ガラス針16の先端をピント位置のわずかに上方に移動させるが、この場合、例えば、4×〜10×の対物レンズ21を用いるときは、該ガラス針16の先端が視野の中に白い点となって現われてくる。

    ここで、前記ニードルホルダ15における一組の芯出しツマミ32,32を夫々に螺進退操作させることにより、別の一組のバネセット31,31によって常時,押圧されている前記芯出し枠30の位置調整,つまり、光軸上への前記ガラス針16の芯出しを行い、これによって、該ガラス針16
    を視野の中心部光軸上に移動設定させる。 更には、この場合、接眼レンズのクロス目盛を用いることで、該ガラス針16を光軸上に設定させるようにすれば一層,正確且つ効果的である。

    その後、前記第2の油圧操作部26における微動ジョイステック70をゆっくりと揺動操作させて、前記長溝60aの内端部に設定されている下限ストッパ部の位置まで倒し、更に、その状態のままで前記粗動ツマミ74を回動して前記ガラス針16を下降させ、その先端をピント位置に一致させることによって、装置全体のセッティングを完了する。

    引き続いて、前記標本の培養細胞に対するプリッキング操作に入るが、この実施例の場合には、前記微細ジョイステック70を揺動操作することにより、例えば、ピント位置を下限にして100〜500μm程度のガラス針16の上下動が可能である。 そして、ピント位置を修正するために前記微動ハンドル22aを螺進退回動操作させることにより、その動きが前記第2の油圧操作部26から、前記第1
    の油圧操作部23を経た上で、前記油圧駆動部17に伝達され、且つこれが前記ニードルホルダ15の下限位置,ひいては、前記ガラス針16についても連動する。

    従って、このような作動形態では、前記プリッキング操作を行う場合、培養容器の底面や培養細胞の表面がたとえ一様な平面でなくても、常に、細胞でのピントの合っている位置へ前記ガラス針16の針先が下降してくるので、従来の場合とは異なって該プリッキングを良好且つ正確に実行し得るのであり、誤って、その針先で容器の底面を刺突することで、該ガラス針16を破損してしまうこと等が効果的に防止され、その結果、次々にプリッキング操作を実行することができる。

    そして又、この場合には、前記ガラス針16が環状のホルダ35を介して環状のニードルホルダ15に保持されているので、コンデンサレンズ14と標本との間で位相差検鏡を損うような惧れがない。

    次に、第10図及び第11図は他の実施例によるニードルホルダ15の詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図である。

    この第10図及び第11図に示した他の実施例による前記ニードルホルダ15の構成は、上記実施例におけるホルダ枠
    33の代りに、透明円板75を芯出し枠30に装着させた上で、該透明円板75の中央部において前記ホルダ35の基部を保持させるようにしたものであり、この場合には、前記ホルダ35の被保持部(基部)から前記ガラス針16の針先までの長さを短くできるほかに、この場合においても、前記透明円板75によってホルダ35を保持するために、コンデンサレンズ14と標本との間で位相差検鏡を損うような惧れがない。

    次に、第12図(A)及び(B)は他の実施例による第2
    の油圧操作部26の詳細構成を示す夫々に断面図及び微動ハンドルの側面図である。

    この第12図(A)及び(B)に示した他の実施例による前記第2の油圧操作部26の構成は、上記実施例における微動ジョイステック70と及び粗動ツマミ74の代りに、微動ハンドル76及びねじ軸77と、粗動ハンドル78及びねじ軸79とを用いて、シリンダ63と69とを駆動させるようにし、更に、前記微動ハンドル76には、前記シリンダ63側に固定されたピン80を滑合させる長溝76aを設けて、前記と同様に、その内端縁をストッパ部としたものであり、同様な作用効果を奏し得るのである。

    発明の効果 以上、各実施例によって詳述したように、本発明のマニピュレータ付倒立型顕微鏡によれば、ニードルホルダを保持する油圧駆動部に油圧伝達チューブを介して油圧操作部を接続させることにより、該ニードルホルダのガラス針を油圧駆動方式で遠隔操作するようにしているので、プリッキング操作に際して、たとえ手指に震えを生じたとしても、その振動がガラス針に伝達されることがなく、一方、該ニードルホルダがステージの上方に位置され、且つ油圧駆動部がステージの上面に設置されているので、設置位置からガラス針の先端部までの長さが短縮されて振動し難くなり、このために操作の際の手指の震えを意識して抑制する必要がなく、このために外的振動の影響を少なくし得て、マニュピュレータを容易且つ敏速に操作できるもので、例えば、プリッキングを行う場合に、従来の場合は、1時間に約500個程度の細胞処理をなすのが限界であったのに対し、本発明の場合には、1000乃至2000個程度までの細胞処理が可能になる。

    又、ガラス針を上下作動させるための油圧操作部は、単に油圧伝達チューブを介して油圧駆動部に接続されているだけなので、顕微鏡本体に対して自由な位置に設置できて操作性の向上を図り得るほか、マニュピュレータがステージの上面に取り付けるだけの構成であることから、該ステージを交換するのみで、マニュピュレータ付き倒立顕微鏡から通常の倒立顕微鏡への転換が容易に可能であって、システム性に優れており、且つ位相差検鏡を損なう惧れもない。

    更に、油圧操作部に設けられて作動油圧を調整する操作ハンドルに対し、ガラス針の先端部にピントが合った状態で、これをニードルホルダの下限位置として規制するストッパ部を配したので、予め該ガラス針の先端部の下限位置をピント位置に設定しておくことによって、下降操作したときに該先端部を常にピント位置に止め得ると共に、ピント合せをし直しても該先端部が常にピント位置に止め得るもので、単に操作ハンドルを操作するのみによって、培養容器内の細胞を光軸上に極めて容易に取り込めることが可能になり、該細胞へのガラス針の穿刺を正確且つ容易に実行できて操作性を著るしく向上し得るほか、プリッキングの際にガラス針を破損する惧れがなく、該プリッキングの作業効率が格段に向上する。

    【図面の簡単な説明】

    第1図及び第2図は本発明の一実施例を適用したマニピュレータ付倒立型顕微鏡の概要構成を夫々に示す側面図及び正面図であり、又、第3図及び第4図は前記実施例におけるニードルホルダの詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図、第5図及び第6図は前記実施例における油圧駆動部の詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図、第7図は前記実施例における第1の油圧操作部の詳細構成を示す縦断面図、第8図は前記実施例における第2の油圧操作部の詳細構成を示す縦断面図、第9図は前記実施例における油圧駆動系全体の構成を示す概略説明図である。 又、第10図及び第11図は前記ニードルホルダの他の実施例による詳細構成を夫々に示す一部破断平面図及び縦断面図であり、そして又、第12図(A)及び(B)は前記第2の油圧操作部の他の実施例による詳細構成を夫々に示す断面図及び微動ハンドルの側面図である。 更に、第13図は従来例によるマニピュレータ付倒立型顕微鏡の要部構成を示す一部破断正面図である。 10……顕微鏡本体、11……照明系支柱、12……ステージ、13……コンデンサホルダ、14……コンデンサレンズ、15……ニードルホルダ、16……ガラス針、17……油圧駆動部、18……インジェクター、19,25,27,72……油圧伝達チューブ、20……レボルバー、21……対物レンズ。 22……合焦ハンドル、22a……微動ハンドル、23……第1の油圧操作部、26……第2の油圧操作部、28……支持枠、29……クランプネジ、30……芯出し枠、31……バネセット、32……芯出しツマミ、33……ホルダ枠、34……
    固定ネジ、35……ホルダ、36……クランプネジ。 37……取付け台、38……ピニオン軸、39……サラバネ、
    40……粗動ハンドル、41,54,63,69……シリンダ、41a.5
    4a,63a,69a……油室、41b,54b,63b,69b……空室、43…
    …ラック、44,57,64,71……ローリングダイヤフラム、4
    5,58,65,73……ピストン杆、46……スライド台、47……
    ローラガイド、48,62……フレーム、49……取付けリング、50……ヘッド、51……伝達軸、51a……キー溝、55
    ……ねじ軸、56……ピン、59……基台、60……ハンドレスト、60a……長溝(一方の内端に下限位置規制用のストッパ部を有する)、61……支柱、66……スライダ、66
    a……レバー、67……支持枠、68……ボール、68a……凹部、70……微動ジョイステック(操作ハンドルの主部)、74……粗動ツマミ(操作ハンドルの一部)。 75……透明円板、76……微動ハンドル、76a……長溝(ストッパ部)、77,79……ねじ軸、78……粗動ハンドル、80……ピン。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元村 桂 東京都渋谷区幡ヶ谷2の43の2 オリンパ ス光学工業株式会社内 (72)発明者 井上 康夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2の43の2 オリンパ ス光学工業株式会社内 (72)発明者 成茂 栄一 東京都世田谷区南烏山4丁目27番9号 株 式会社成茂科学噐械研究所内 (72)発明者 米山 新二 東京都世田谷区南烏山4丁目27番9号 株 式会社成茂科学噐械研究所内

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