蒸気タービン弁駆動装置

申请号 JP2017015467 申请日 2017-01-31 公开(公告)号 JP2018123732A 公开(公告)日 2018-08-09
申请人 株式会社東芝; 東芝エネルギーシステムズ株式会社; 发明人 常川 拓浩; 中村 優一; 永石 晃一; 遠藤 壽彦; 後藤 寿史;
摘要 【課題】小型化および省電 力 化を容易に実現可能な蒸気タービン弁駆動装置を提供する。 【解決手段】実施形態の蒸気タービン弁駆動装置は、ピストンとシリンダと双方向ポンプとサーボモータと急閉機構とを有する。ピストンは、蒸気タービンへ流れる蒸気の流路に設置された蒸気弁部を操作する操作ロッドに設けられている。シリンダは、ピストンを内部空間に収容しており、内部空間がピストンによって第1油圧室と第2油圧室とに区画される。双方向ポンプは、第1油圧室に作動油を供給することで蒸気弁部の開動作を実行すると共に、第2油圧室に作動油を供給することで蒸気弁部の閉動作を実行する。サーボモータは、双方向ポンプを駆動する。急閉機構は、閉動作よりも急速に蒸気弁部を閉じる急閉動作を実行する。ここでは、急閉機構は、アキュムレータが蓄える作動油を第2油圧室に供給し、第1油圧室から作動油を排出することによって、急閉動作を実行する。 【選択図】図2
权利要求

蒸気タービンへ流れる蒸気の流路に設置された蒸気弁部を操作する操作ロッドに設けられたピストンと、 前記ピストンを内部空間に収容しており、前記内部空間が前記ピストンによって第1油圧室と第2油圧室とに区画されるシリンダと、 前記第1油圧室に作動油を供給することで前記蒸気弁部の開動作を実行すると共に、前記第2油圧室に作動油を供給することで前記蒸気弁部の閉動作を実行する双方向ポンプと、 前記双方向ポンプを駆動するサーボモータと、 を備える蒸気タービン弁駆動装置であって、 前記閉動作よりも急速に前記蒸気弁部を閉じる急閉動作を実行する急閉機構 を有し、 前記急閉機構は、アキュムレータが蓄える作動油を前記第2油圧室に供給し、前記第1油圧室から作動油を排出することによって、前記急閉動作を実行することを特徴とする、 蒸気タービン弁駆動装置。前記急閉機構は、 前記第1油圧室に接続された第1の急閉用油路に設置された第1ダンプ弁と、 前記第2油圧室に接続された第2の急閉用油路に設置された第2ダンプ弁と、 励磁状態から無励磁状態に変わることによって、前記第1ダンプ弁および前記第2ダンプ弁を閉めた状態から開けた状態に変えるように構成されている急閉用電磁弁と を含み、 前記急閉動作を実行する際には、前記急閉用電磁弁が無励磁状態に変わって、前記第1ダンプ弁および前記第2ダンプ弁が開くことによって、前記アキュムレータから作動油が前記第2ダンプ弁を介して前記第2油圧室に流入すると共に、前記第1油圧室から作動油が前記第1ダンプ弁を介してリザーバへ流出する、 請求項1に記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記双方向ポンプと前記第1油圧室との間に設けられた第1の開度制御用油路に設置された第1の遮断用電磁弁と、 前記双方向ポンプと前記第2油圧室との間に設けられた第2の開度制御用油路に設置された第2の遮断用電磁弁と を有し、 前記急閉動作を実行する際には、前記第1の遮断用電磁弁を励磁状態から無励磁状態にすることによって前記第1の開度制御用油路を遮断すると共に、前記第2の遮断用電磁弁を励磁状態から無励磁状態にすることによって前記第2の開度制御用油路を遮断する、 請求項2に記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記急閉動作の解除動作を実行する際には、前記急閉用電磁弁を無励磁状態から励磁状態に変えることによって、前記双方向ポンプが前記急閉用電磁弁を介して前記リザーバから作動油を前記第1ダンプ弁のパイロットポートおよび前記第2ダンプ弁のパイロットポートに供給し、前記第1ダンプ弁および前記第2ダンプ弁を閉める、 請求項2または3に記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記双方向ポンプが吐出した作動油がチェック弁を経由して前記急閉用電磁弁に流入するように構成されている、 請求項4に記載の蒸気タービン弁駆動装置。給油動作を実行する際には、前記急閉用電磁弁が励磁状態であって前記第1ダンプ弁および前記第2ダンプ弁を閉められた状態で、前記双方向ポンプが前記リザーバから作動油を前記アキュムレータに給油する、 請求項2から4のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記アキュムレータが蓄える作動油の油圧を検出する油圧検出器 を有し、 前記油圧検出器が検出した油圧が規定値よりも小さいときに、前記給油動作を実行する、 請求項6に記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記双方向ポンプが吐出した作動油がチェック弁を経由して前記アキュムレータに流入するように構成されている、 請求項6または7に記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記リザーバに蓄えられた作動油がパイロットチェック弁を介して前記双方向ポンプに流入するように構成されている、 請求項4から8のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記蒸気弁部を閉める方向に付勢する閉鎖用バネ を備える 請求項1から9のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。ダイナミックブレーキ装置と、 前記サーボモータがサーボドライバとダイナミックブレーキ装置とのいずれか一方に電気的に接続するように切り替えを行うスイッチと を備え、 前記サーボドライバに異常が生じたときには、前記サーボモータと前記ダイナミックブレーキ装置とが電気的に接続するように、前記スイッチが切り替えを行うことによって、前記ダイナミックブレーキ装置が前記サーボモータの動作を止める、 請求項1から10のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記急閉機構を複数有する 請求項1から11のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。前記アキュムレータは、ガスが内部に充填されており、前記ガスの膨張によって作動油を外部へ放出するように構成されており、 前記アキュムレータに充填されたガスの圧を検出するガス圧検出器が設置されていると共に、 前記ガス圧検出器が検出した圧力が規定値よりも小さいときに、前記アキュムレータにガスを充填する、 請求項1から12のいずれかに記載の蒸気タービン弁駆動装置。

说明书全文

本発明の実施形態は、蒸気タービン弁駆動装置に関する。

一般に、蒸気タービン発電設備においては、蒸気タービンの回転数および出の調整を行うために、蒸気タービン弁駆動装置が蒸気弁の開度を制御し、蒸気タービンへ流入する蒸気の流入量を制御する。

蒸気タービン弁駆動装置は、作動油が流れる油圧系統を含み、作動油の供給または排出を行う。これにより、蒸気タービン弁駆動装置において、シリンダの内部に収容されたピストンが駆動し、蒸気弁の動作が制御される。

蒸気タービン発電設備において異常が発生したときには、蒸気タービン発電設備を構成する機器を保護するために、蒸気弁を急速に閉じる急閉動作を行うことによって、蒸気タービンへ蒸気が流れる蒸気流路を遮断し、蒸気タービンを停止させる。

特開平08−170503号公報

蒸気タービン弁駆動装置として、たとえば、シリンダの上部油室と下部油室の間に双方向ポンプを設置し、双方向ポンプの回転数をサーボモータで制御することによって、蒸気弁の開度を制御するものが提案されている。この場合において、蒸気弁の急閉動作は、たとえば、自己閉鎖バネのバネ力を利用して行われる。このため、蒸気弁を開ける動作を行うときには、サーボモータは、蒸気弁を流れる蒸気の蒸気力と自己閉鎖バネのバネ力との両者に打ち勝つトルクが必要になる。その結果、サーボモータの容量が大きくなる。

上記のような事情により、蒸気タービン弁駆動装置は、小型化および省電力化を実現することが困難になる場合がある。

したがって、本発明が解決しようとする課題は、小型化および省電力化を容易に実現可能な蒸気タービン弁駆動装置を提供することである。

実施形態の蒸気タービン弁駆動装置は、ピストンとシリンダと双方向ポンプとサーボモータとを備えると共に、急閉機構を有する。ピストンは、蒸気タービンへ流れる蒸気の流路に設置された蒸気弁部を操作する操作ロッドに設けられている。シリンダは、ピストンを内部空間に収容しており、内部空間がピストンによって第1油圧室と第2油圧室とに区画される。双方向ポンプは、第1油圧室に作動油を供給することで蒸気弁部の開動作を実行すると共に、第2油圧室に作動油を供給することで蒸気弁部の閉動作を実行する。サーボモータは、双方向ポンプを駆動する。急閉機構は、閉動作よりも急速に蒸気弁部を閉じる急閉動作を実行する。ここでは、急閉機構は、アキュムレータが蓄える作動油を第2油圧室に供給し、第1油圧室から作動油を排出することによって、急閉動作を実行する。

図1は、第1実施形態に係る蒸気タービン発電設備において、蒸気弁部および蒸気タービン弁駆動装置の要部を模式的に示す図である。

図2は、第1実施形態に係る蒸気タービン発電設備において、蒸気弁部について急閉動作を行う場合の様子を模式的に示す図である。

図3は、第1実施形態に係る蒸気タービン発電設備において、蒸気弁部について実行した急閉動作の解除を行うときの様子を模式的に示す図である。

図4は、第1実施形態に係る蒸気タービン発電設備において、アキュムレータ522に作動油を供給する給油動作を行うときの様子を模式的に示す図である。

図5は、第2実施形態に係る蒸気タービン発電設備の要部を模式的に示す図である。

図6は、第3実施形態に係る蒸気タービン発電設備の要部を模式的に示す図である。

図7は、第4実施形態に係る蒸気タービン発電設備の要部を模式的に示す図である。

図8は、第5実施形態に係る蒸気タービン発電設備の要部を模式的に示す図である。

<第1実施形態> 本実施形態において蒸気タービン発電設備を構成する蒸気弁部10および蒸気タービン弁駆動装置20の要部に関して、図1を用いて説明する。図1では、蒸気弁部10のうち一部については、鉛直方向zに沿った鉛直面(xz面)の断面を示している。図1には、蒸気タービン弁駆動装置20が蒸気弁部10について、通常の開閉動作を行う場合の様子を示している。ここでは、通常の開動作を実行するときの作動油の様子を太い実線の矢印で併記しており、通常の閉動作を実行するときの作動油の様子を太い破線の矢印で併記している。

図1に示すように、本実施形態の蒸気タービン発電設備においては、蒸気弁部10が蒸気タービン弁駆動装置20によって駆動することによって、ボイラ(図示省略)から蒸気タービン(図示省略)へ作動媒体として供給される蒸気の流れが制御されるように構成されている。各部の詳細について、順次、説明する。

蒸気弁部10は、蒸気弁本体であって、図1に示すように、蒸気タービン弁駆動装置20によって弁棒14が移動することによって、弁箱部11の内部において弁座13と弁体15との間の開度が変動する。蒸気弁部10は、蒸気タービンへ流れる蒸気の流路に設置されており、たとえば、蒸気タービンの起動時に蒸気流量を制御するために開度が制御される。

蒸気弁部10のうち、弁箱部11は、蒸気F11が内部へ流入する蒸気入口11Aと、蒸気F12が外部へ流出する蒸気出口11Bとが形成されている。弁座13は、弁箱部11の内部に固定されている。弁座13は、蒸気弁部10が閉められたときに、弁体15が接する部分を含む。

弁棒14は、棒状体であって、弁箱部11の下部に形成された貫通孔を貫くように設置されている。弁箱部11の貫通孔は、管状のブッシュ14Bが設置されており、弁棒14は、ブッシュ14Bを介して、弁箱部11の貫通孔を貫通している。弁棒14は、軸が鉛直方向zに沿っており、その軸が沿った鉛直方向zにおいて移動するように設けられている。

弁体15は、弁箱部11の内部に収容されている。弁体15は、弁棒14の一端(図1では上端)に連結されており、弁棒14と共に鉛直方向zにおいて移動する。弁体15は、蒸気弁部10が開けられるときには上方(第1方向)へ移動して弁座13から離れる。これに対して、蒸気弁部10が閉められるときには、弁体15は、下方(第2方向)へ移動する。そして、弁体15が弁座13に接触することで蒸気弁部10が全て閉められた状態になる。

蒸気タービン弁駆動装置20は、蒸気弁部10を動作させるために設置されている。蒸気タービン弁駆動装置20は、油圧駆動部30が油圧回路部50によって駆動することによって、蒸気弁部10を動作させる。蒸気タービン弁駆動装置20では、制御装置70が油圧回路部50の動作を制御することで、油圧駆動部30の動作が制御される。

蒸気タービン弁駆動装置20において、油圧駆動部30は、油圧駆動装置であって、図1に示すように、鉛直方向zにおいて蒸気弁部10の下方に設置されている。油圧駆動部30は、蒸気弁部10を操作する操作ロッド31にピストン35が設けられており、そのピストン35がシリンダ32に収容されている。油圧駆動部30は、シリンダ32の内部においてピストン35が作動油の作用によって駆動することで、操作ロッド31が蒸気弁部10を操作するように構成されている。

油圧駆動部30のうち、操作ロッド31は、棒状体であって、軸が鉛直方向zに沿っている。操作ロッド31は、弁棒14の軸と同軸であって、一端(上端)が弁棒14に連結されている。操作ロッド31は、他端(下端)に開度検出器38が設けられている。そして、操作ロッド31は、中央部分にピストン35が設けられている。

油圧駆動部30のうち、シリンダ32は、内部空間C32にピストン35を収容している。シリンダ32の内部空間C32は、ピストン35によって、第1油圧室C32aと第2油圧室C32bとに区画されている。また、シリンダ32は、第1作動油ポートP32a、第2作動油ポートP32b、第3作動油ポートP32c、および、第4作動油ポートP32dが形成されている。

第1油圧室C32aは、下部油圧室であって、シリンダ32の内部空間C32においてピストン35の下方に位置している。第1油圧室C32aには、第1作動油ポートP32aおよび第3作動油ポートP32cが設けられている。第1作動油ポートP32aは、油路L1(第1の開度制御用油路)が接続されており、第3作動油ポートP32cは、油路L3(第1の急閉用油路)が接続されている。

第2油圧室C32bは、上部油圧室であって、シリンダ32の内部空間C32においてピストン35の上方に位置している。第2油圧室C32bは、第2作動油ポートP32bおよび第4作動油ポートP32dが設けられている。第2作動油ポートP32bは、油路L2(第2の開度制御用油路)が接続されており、第4作動油ポートP32dは、油路L4(第2の急閉用油路)が接続されている。

油圧駆動部30のうち、ピストン35は、シリンダ32の内部空間C32において、作動油の作用により鉛直方向zに摺動するように構成されている。具体的には、ピストン35は、蒸気弁部10を開ける場合には、蒸気弁部10に働く蒸気力の影響の下で、鉛直方向zにおいて上方に移動するように、油圧回路部50に制御される。この場合には、油圧回路部50において、第1油圧室C32aに作動油が供給され、第2油圧室C32bから作動油が排出されることによって、ピストン35が上方に移動する。蒸気弁部10を閉める場合には、ピストン35は、蒸気弁部10に働く蒸気力の影響の下で、鉛直方向zにおいて下方に移動するように、油圧回路部50に制御される。この場合には、油圧回路部50において、第2油圧室C32bに作動油が供給され、第1油圧室C32aから作動油が排出されることによって、ピストン35が下方に移動する。そして、蒸気弁部10の開度を保持させるときには、蒸気弁部10に働く蒸気力の影響の下でピストン35が鉛直方向zに同じ位置で停止した状態になるように、第1油圧室C32aの圧力と第2油圧室C32bの圧力の調整が行われる。

蒸気タービン弁駆動装置20において、油圧回路部50は、複数の油路L1〜L12を介して、油圧回路部50を構成する各部が接続されている。詳細については後述するが、油圧回路部50は、双方向ポンプ51、サーボモータ512、レゾルバ513、およびサーボドライバ514などを用いて、蒸気弁部10について通常の開閉動作を行うように構成されている。また、油圧回路部50は、第1ダンプ弁V52a、第2ダンプ弁V52bおよび急閉用電磁弁V524で構成された急閉機構52を用いて、蒸気弁部10について急閉動作を行うように構成されている。

油圧回路部50のうち、双方向ポンプ51は、第1油圧室C32aに作動油を供給することで蒸気弁部10について通常の開動作を実行すると共に、第2油圧室C32bに作動油を供給することで蒸気弁部10について通常の閉動作を実行するように構成されている。

具体的には、双方向ポンプ51は、第1ポンプポートP51aと第2ポンプポートP51bとを有し、第1ポンプポートP51aおよび第2ポンプポートP51bのそれぞれにおいて作動油を吐出するように構成されている。双方向ポンプ51において、第1ポンプポートP51aは、油路L1を介して、シリンダ32の第1作動油ポートP32aに接続している。これに対して、双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bは、油路L2を介して、シリンダ32の第2作動油ポートP32bに接続している。双方向ポンプ51は、たとえば、可逆回転型ポンプであって、駆動軸が正方向と逆方向とのそれぞれに回転することで、第1ポンプポートP51aまたは第2ポンプポートP51bから作動油が吐出する。双方向ポンプ51は、第1ポンプポートP51aから作動油を吐出することで油路L1を介して第1油圧室C32aに作動油を供給し、第2ポンプポートP51bから作動油が吐出することで油路L2を介して第2油圧室C32bに作動油を供給する。この他に、双方向ポンプ51は、双方向ポンプ51でリークした作動油がリークラインLLを介してリザーバ560に流出するように構成されている。

油圧回路部50のうち、サーボモータ512は、双方向ポンプ51に駆動軸が連結されている。サーボモータ512は、駆動軸の回転方向を変えることによって、双方向ポンプ51が作動油を吐出する方向を変える。これと共に、サーボモータ512は、駆動軸の回転速度を変えることによって、双方向ポンプ51が作動油を吐出する量を変えるように構成されている。

油圧回路部50のうち、レゾルバ513は、回転速度検出器であって、サーボモータ512の回転数を検出することで得たデータを、検出信号として出力する。

油圧回路部50のうち、サーボドライバ514は、レゾルバ513から実回転数データが検出信号として入力される。この他に、サーボドライバ514は、制御装置70から回転数指令が制御信号として入力される。サーボドライバ514は、レゾルバ513から入力された実回転数データと、制御装置70から入力された回転数指令とに基づいて、サーボモータ512を駆動する。ここでは、サーボドライバ514は、回転数指令に対応した回転数にサーボモータ512の回転数がなるように、サーボモータ512の動作を制御する。つまり、蒸気弁部10において、予め設定された要求開度と、開度検出器38が蒸気弁部10について検出した開度とが一致するように、フィードバック制御が行われる。

油圧回路部50において、油路L1(第1の開度制御用油路)は、双方向ポンプ51の第1ポンプポートP51aに一端(右端)が接続されており、シリンダ32の第1作動油ポートP32aに他端(左端)が接続されている。油路L1は、分岐部J1と分岐部J2と分岐部J3とが、シリンダ32側から双方向ポンプ51側へ向かって、順次、設けられている。また、油路L1においては、第1の遮断用電磁弁V53aがシリンダ32と分岐部J1との間に配置されている。

第1の遮断用電磁弁V53aは、制御装置70から出力された制御信号に基づいて動作する。ここでは、第1の遮断用電磁弁V53aは、蒸気弁部10に関して通常の開閉動作を行う際には、励磁状態であって、油路L1を開けた状態にしている。つまり、通常時には、作動油が第1油圧室C32aと双方向ポンプ51との間を流れる状態になっている。これに対して、蒸気弁部10について急閉動作を行う際には、第1の遮断用電磁弁V53aは、無励磁状態になり、油路L1を閉じた状態にする。つまり、異常時には、第1油圧室C32aと双方向ポンプ51との間において作動油の流れが遮断される。

油圧回路部50において、油路L2(第2の開度制御用油路)は、双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bに一端(右端)が接続されており、シリンダ32の第2作動油ポートP32bに他端(左端)が接続されている。油路L2は、分岐部J4と分岐部J5と分岐部J6とが、シリンダ32側から双方向ポンプ51側へ向かって、順次、設けられている。また、油路L2においては、第2の遮断用電磁弁V53bがシリンダ32と分岐部J4との間に配置されている。

第2の遮断用電磁弁V53bは、制御装置70から出力された制御信号に基づいて動作する。ここでは、第2の遮断用電磁弁V53bは、蒸気弁部10に関して通常の開閉動作を行う際には、励磁状態であって、油路L2を開けた状態にしている。つまり、通常時には、作動油が第2油圧室C32bと双方向ポンプ51との間を流れる状態になっている。これに対して、蒸気弁部10について急閉動作を行う際には、第2の遮断用電磁弁V53bは、無励磁状態になり、油路L2を閉じた状態にする。つまり、異常時には、第2油圧室C32bと双方向ポンプ51との間において作動油の流れが遮断される。

油圧回路部50においては、油路L1の分岐部J1と油路L2の分岐部J4とのそれぞれに、油路L9(第1のチェック弁設置油路)が接続されている。油路L9は、第1チェック弁V54aと第2チェック弁V54bとが分岐部J8を挟むように設けられている。

第1チェック弁V54aは、油路L9の分岐部J8と油路L1の分岐部J1との間に配置されている。第1チェック弁V54aは、油路L1の分岐部J1から油路L9の分岐部J8へ向かって作動油が流れるが、油路L9の分岐部J8から油路L1の分岐部J1へ向かって作動油が流れないように配置されている。

第2チェック弁V54bは、油路L9の分岐部J8と油路L2の分岐部J4との間に配置されている。第2チェック弁V54bは、油路L2の分岐部J4から油路L9の分岐部J8へ向かって作動油が流れるが、油路L9の分岐部J8から油路L2の分岐部J4へ向かって作動油が流れないように配置されている。

油圧回路部50においては、油路L1の分岐部J2と油路L2の分岐部J5とのそれぞれに、油路L10(第2のチェック弁設置油路)が接続されている。油路L10は、第3チェック弁V55aと第4チェック弁V55bとが分岐部J9を挟むように設けられている。

第3チェック弁V55aは、油路L10の分岐部J9と油路L1の分岐部J2との間に配置されている。第3チェック弁V55aは、油路L1の分岐部J2から油路L10の分岐部J9へ向かって作動油が流れるが、油路L10の分岐部J9から油路L1の分岐部J2へ向かって作動油が流れないように配置されている。

第4チェック弁V55bは、油路L10の分岐部J9と油路L2の分岐部J5との間に配置されている。第4チェック弁V55bは、油路L2の分岐部J5から油路L10の分岐部J9へ向かって作動油が流れるが、油路L10の分岐部J9から油路L2の分岐部J5へ向かって作動油が流れないように配置されている。

油圧回路部50においては、油路L1の分岐部J3と油路L2の分岐部J6とのそれぞれに、油路L11(パイロットチェック弁設置油路)が接続されている。油路L11は、第1パイロットチェック弁V56aと第2パイロットチェック弁V56bとが分岐部J10を挟むように設けられている。

第1パイロットチェック弁V56aは、油路L11の分岐部J10と油路L1の分岐部J3との間に配置されている。第1パイロットチェック弁V56aは、パイロットポートが油路L2に連通する部分に接続されており、パイロットポートに加わる油圧に応じて、作動油の逆流が生ずるように構成されている。ここでは、双方向ポンプ51が油路L2を介して第2油圧室C32bに作動油を供給することによって、第1パイロットチェック弁V56aのパイロットポートに油圧が加わったときに、第1パイロットチェック弁V56aにおいて逆自由流れが許可される。つまり、第1パイロットチェック弁V56aにおいては、油路L1の分岐部J3側から油路L11の分岐部J10へ向かって、作動油が逆流する。これに対して、双方向ポンプ51が油路L2を介して第2油圧室C32bに作動油を供給しない場合には、第1パイロットチェック弁V56aにおいては、油路L11の分岐部J10から油路L1の分岐部J3側へ向かって、作動油が流れる。

第2パイロットチェック弁V56bは、油路L11の分岐部J10と油路L2の分岐部J6との間に配置されている。第2パイロットチェック弁V56bは、パイロットポートが油路L1に連通する部分に接続されており、パイロットポートに加わる油圧に応じて、作動油の逆流が生ずるように構成されている。ここでは、双方向ポンプ51が油路L1を介して第1油圧室C32aに作動油を供給することによって、第2パイロットチェック弁V56bのパイロットポートに油圧が加わったときに、第2パイロットチェック弁V56bにおいて逆自由流れが許可される。つまり、第2パイロットチェック弁V56bにおいては、油路L2の分岐部J6側から油路L11の分岐部J10へ向かって、作動油が逆流する。これに対して、双方向ポンプ51が油路L1を介して第1油圧室C32aに作動油を供給しない場合には、第2パイロットチェック弁V56bにおいては、油路L11の分岐部J10から油路L2の分岐部J6側へ向かって、作動油が流れる。

油路L11の分岐部J10は、油路L12(給油用油路)を介して、作動油を貯蔵するリザーバ560に接続されている。

油圧回路部50において、油路L3(第1の急閉用油路)は、シリンダ32の第3作動油ポートP32cに一端が接続されており、リザーバ560に他端が接続されている。油路L3には、第1ダンプ弁V52aが設置されている。

第1ダンプ弁V52aは、AポートとBポートとパイロットポートとが設けられており、パイロットポートに供給される作動油の作用に応じてAポートとBポートとの間が連通状態または遮断状態になるように構成されている。第1ダンプ弁V52aは、蒸気弁部10に関して通常の開閉動作を行う際には、AポートとBポートとの間が遮断された状態であって、閉じている。これに対して、蒸気弁部10について急閉動作を行う際には、第1ダンプ弁V52aは、AポートとBポートとの間が連通した状態になって、開けられる。

油圧回路部50において、油路L4(第2の急閉用油路)は、シリンダ32の第4作動油ポートP32dに一端が接続されており、油路L9の分岐部J8に他端が接続されている。油路L4には、第2ダンプ弁V52bが設置されている。

第2ダンプ弁V52bは、AポートとBポートとパイロットポートとが設けられており、パイロットポートに供給される作動油の作用に応じてAポートとBポートとの間が連通状態または遮断状態になるように構成されている。第2ダンプ弁V52bは、蒸気弁部10に関して通常の開閉動作を行う際には、AポートとBポートとの間が遮断された状態であって、閉じている。これに対して、蒸気弁部10について急閉動作を行う際には、第2ダンプ弁V52bは、AポートとBポートとの間が連通した状態になって、開けられる。

この他に、油路L4において第2ダンプ弁V52bよりも油路L9の分岐部J8側には、アキュムレータ522が連結されている。アキュムレータ522は、底部の給排油ポートに接続されたアキュムレータ油路LAを介して、油路L4に接続している。アキュムレータ522は、内部に作動油を蓄えていると共に、窒素ガスなどのガスが充填されており、ガスの膨張によって作動油を外部へ放出するように構成されている。そして、アキュムレータ522と油路L4とを連結するアキュムレータ油路LAの圧力(ライン圧)を計測するために、油圧検出器523が設置されている。

油圧回路部50において、油路L5(第1ダンプ弁パイロット油路)は、第1ダンプ弁V52aのパイロットポートに一端が接続されている。油路L6(第2ダンプ弁パイロット油路)は、第2ダンプ弁V52bのパイロットポートに一端が接続されている。油路L5の他端と油路L6の他端との両者は、油路L7の一端に位置する分岐部J7に接続されている。油路L7の他端は、油路L10の分岐部J9に接続されている。

油圧回路部50において、油路L7には、急閉用電磁弁V524が設置されている。ここでは、急閉用電磁弁V524は、蒸気弁部10に関して通常の開閉動作を行う際には、励磁状態であって、AポートとPポートとの間が連通しており、開いている。これに対して、蒸気弁部10について急閉動作を行う際には、急閉用電磁弁V524は、無励磁状態になり、TポートとAポートとの間が連通した状態になる。

油圧回路部50において、油路L8は、急閉用電磁弁V524のTポートに一端が接続されており、他端がリザーバ560に接続されている。油路L7は、第1の急閉用電磁弁設置油路であって、油路L8は、第2の急閉用電磁弁設置油路である。

制御装置70は、演算器(図示省略)とメモリ装置(図示省略)とを含み、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うことによって、各部の制御を行う。制御装置70は、各部の状態を検出することで得られた検出信号が入力される。この他に、制御装置70は、たとえば、操作装置(図示省略)に操作者が入力した操作指令信号が入力される。制御装置70は、入力された各種信号に基づいて、油圧回路部50に油圧駆動部30を駆動することによって、蒸気弁部10の動作を制御する。

以下より、上記の蒸気弁部10について、通常の開動作を行う場合(ケース1)、通常の閉動作を行う場合(ケース2)、急閉動作を行う場合(ケース3)、および、急閉動作の解除動作を行う場合(ケース4)に関して説明を行う。また、アキュムレータ522に作動油を供給する給油動作を行う場合(ケース5)に関しても併せて説明を行う。

まず、上記の蒸気弁部10について蒸気タービン弁駆動装置20が通常の開動作を行う場合(ケース1)に関して説明する(図1に示す実線の矢印を参照)。

通常の開動作を行う場合には、油圧回路部50では、双方向ポンプ51が第1ポンプポートP51aから作動油を吐出するように、制御装置70がサーボドライバ514を用いてサーボモータ512を動作させる。このとき、第1の遮断用電磁弁V53aは、励磁状態であって、作動油が油路L1を介して第1油圧室C32aと双方向ポンプ51との間を流れる状態になっている。同様に、第2の遮断用電磁弁V53bは、励磁状態であって、作動油が油路L2を介して第2油圧室C32bと双方向ポンプ51との間を流れる状態になっている。

このため、第1油圧室C32aにおいては、双方向ポンプ51の第1ポンプポートP51aから吐出された作動油が第1作動油ポートP32aに流入する。これに対して、第2油圧室C32bにおいては、作動油が第2作動油ポートP32bから双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bへ流出する。これにより、蒸気弁部10に働く蒸気力の影響の下で、ピストン35がシリンダ32の内部空間C32において鉛直方向zの上方に移動する。その結果、蒸気弁部10では、弁体15が上方へ移動して、弁座13と弁体15との間の距離が広がることによって、開度が大きくなる。

なお、通常の開動作を行う場合には、急閉用電磁弁V524は、励磁状態であって、AポートとPポートとの間が連通している。このため、双方向ポンプ51の第1ポンプポートP51aから吐出された作動油は、油路L1の分岐部J2と油路L10の分岐部J9と油路L7の分岐部J7とを経由した後に、油路L5と油路L6とのそれぞれに分岐して、第1ダンプ弁V52aのパイロットポートと、第2ダンプ弁V52bのパイロットポートとのそれぞれに作用する。これにより、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、AポートとBポートとの間が遮断された状態になる。その結果、アキュムレータ522の内部に非常油として蓄えられた作動油が、油路L4の第2ダンプ弁V52bを介して、第2油圧室C32bの第4作動油ポートP32dへ流入しない。また、第1油圧室C32aの第3作動油ポートP32cから作動油が油路L3の第1ダンプ弁V52aを介してリザーバ560へ流出しない。

つぎに、上記の蒸気弁部10について蒸気タービン弁駆動装置20が通常の閉動作を行う場合(ケース2)に関して説明する(図1に示す破線の矢印を参照)。

通常の閉動作を行う場合には、油圧回路部50では、双方向ポンプ51が第2ポンプポートP51bから作動油を吐出するように、制御装置70がサーボドライバ514を用いてサーボモータ512を動作させる。通常の閉動作を行う場合には、通常の開動作を行う場合と同様に、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bは、励磁状態である。

このため、第2油圧室C32bにおいては、双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bから吐出された作動油が第2作動油ポートP32bに流入するのに対して、第1油圧室C32aにおいては、作動油が第1作動油ポートP32aから双方向ポンプ51の第1ポンプポートP51aへ流出する。これにより、蒸気弁部10に働く蒸気力の影響の下で、ピストン35がシリンダ32の内部空間C32において鉛直方向zの下方に移動する。その結果、蒸気弁部10では、弁体15が下方へ移動して、弁座13と弁体15との間の距離が短くなることによって、開度が小さくなる。

なお、通常の閉動作を行う場合には、通常の開動作を行う場合と同様に、急閉用電磁弁V524は、励磁状態であって、AポートとPポートとの間が連通している。このため、双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bから吐出された作動油は、油路L2の分岐部J5と油路L10の分岐部J9と油路L7の分岐部J7とを経由した後に、油路L5と油路L6とのそれぞれに分岐して、第1ダンプ弁V52aのパイロットポートと、第2ダンプ弁V52bのパイロットポートとのそれぞれに作用する。このため、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、AポートとBポートとの間が遮断された状態になる。その結果、アキュムレータ522の内部に非常油として蓄えられた作動油が、油路L4の第2ダンプ弁V52bを介して、第2油圧室C32bの第4作動油ポートP32dへ流入しない。また、第1油圧室C32aの第3作動油ポートP32cから作動油が油路L3の第1ダンプ弁V52aを介してリザーバ560へ流出しない。

このように、本実施形態では、通常の開動作を行う場合および通常の閉動作を行う場合のそれぞれにおいて、双方向ポンプ51が吐出した作動油の作用によって、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bが閉じた状態になるように構成されている。

つぎに、上記の蒸気弁部10について蒸気タービン弁駆動装置20が急閉動作を行う場合(ケース3)に関して、図2を用いて説明する。つまり、通常の閉動作で蒸気弁部10を閉める速度よりも高い速度で蒸気弁部10を急速に閉める場合について説明する。図2では、急閉動作を実行するときの作動油の様子を太い実線の矢印で併記している。

急閉動作は、蒸気タービン発電設備において異常が発生したときに、制御装置70が急閉機構52を構成する各部の動作を制御することで実行される。急閉動作の実行により、蒸気タービンへ作動媒体として供給される蒸気の流れが遮断され、蒸気タービンが停止する。

急閉動作を行う場合には、通常の閉動作を行う場合と異なり、急閉用電磁弁V524は、制御装置70の制御信号に基づいて、励磁状態から無励磁状態に変えられる。つまり、急閉用電磁弁V524は、AポートとPポートとの間が連通せずに、AポートとTポートとの間が連通した状態に変わる。これにより、第1ダンプ弁V52aのパイロットポートから作動油が油路L5と油路L7とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8を介してリザーバ560へ流出する。同様に、第2ダンプ弁V52bのパイロットポートから作動油が油路L6と油路L7とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8を介してリザーバ560へ流出する。その結果、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、AポートとBポートとの間が連通した状態になり、両者が開いた状態になる。

これに伴って、アキュムレータ522の内部に非常油として蓄えられた作動油が、油路L4の第2ダンプ弁V52bを介して、第2油圧室C32bの第4作動油ポートP32dへ流入する。そして、第1油圧室C32aの第3作動油ポートP32cから作動油が油路L3の第1ダンプ弁V52aを介してリザーバ560へ流出する。ここでは、アキュムレータ522から第2油圧室C32bへ作動油が供給される速度は、双方向ポンプ51から第2油圧室C32bへ作動油が供給される速度よりも高い。これにより、シリンダ32の内部空間C32においてピストン35が鉛直方向zの下方に急速に移動する。その結果、蒸気弁部10が急速に全て閉じられる。そして、蒸気弁部10を全て閉じた後には、必要に応じて、サーボモータ512とサーボドライバ514との接続を遮断することによって、サーボモータ512の回転数を制御しない状態に変えてもよい。

以上のように、本実施形態においては、アキュムレータ522から作動油を第2油圧室C32bに供給し、第1油圧室C32aから作動油を排出することによって、急閉機構52が蒸気弁部10の急閉動作を実行する。本実施形態では、急閉動作は、自己閉鎖バネのバネ力を利用して行われていない。このため、本実施形態において、双方向ポンプ51を駆動するサーボモータ512は、蒸気弁部10を開ける動作を行うときに、蒸気弁部10を流れる蒸気の蒸気力と自己閉鎖バネのバネ力との両者に打ち勝つトルクが不要である。その結果、本実施形態においては、サーボモータ512の容量を小さくすることができる。

したがって、本実施形態では、蒸気タービン弁駆動装置について小型化および省電力化を容易に実現することができる。

なお、急閉動作を行う場合には、油圧回路部50では、通常の閉動作を行う場合と異なり、第1の遮断用電磁弁V53aを励磁状態から無励磁状態にすることによって油路L1を遮断する。これと共に、第2の遮断用電磁弁V53bを励磁状態から無励磁状態にすることによって油路L2を遮断する。つまり、第1油圧室C32aと双方向ポンプ51の第1ポンプポートP51aとの間において作動油が油路L1を介して流れない状態であると共に、第2油圧室C32bと双方向ポンプ51の第2ポンプポートP51bとの間において作動油が油路L2を介して流れない状態にされる。

このため、本実施形態では、急閉動作が実行される場合に、作動油が第1油圧室C32aおよび第2油圧室C32bから双方向ポンプ51に流れることを防止することができる。その結果、本実施形態においては、双方向ポンプ51およびサーボモータ512において、回転数が許容可能な回転数を超えることを防止することができる。

また、本実施形態では、第1チェック弁V54aおよび第2チェック弁V54bが油路L9に設置されているので、急閉動作の際にアキュムレータ522の作動油が双方向ポンプ51へ逆流することを防止可能である。

つぎに、上記の蒸気弁部10について蒸気タービン弁駆動装置20が急閉動作の解除動作を実行する場合(ケース4)に関して、図3を用いて説明する。図3では、急閉動作の解除動作を実行するときの作動油の様子を太い実線の矢印で併記している。

急閉動作の解除動作は、蒸気タービン発電設備が異常状態から正常状態に戻ったときに、蒸気弁部10について通常の開閉動作を実行可能な状態に戻すために実行される。

急閉動作の解除動作を行う場合には、急閉用電磁弁V524は、制御装置70の制御信号に基づいて、無励磁状態から励磁状態に変えられる。つまり、急閉用電磁弁V524は、AポートとTポートとの間が連通せずに、AポートとPポートとの間が連通した状態に変わる。その後、急閉動作の際にサーボモータ512とサーボドライバ514との間を接続が解除された場合(サーボOFF)には、サーボモータ512とサーボドライバ514との間を接続することによって、サーボモータ512の回転数を制御可能な状態に変えられる(サーボON)。このとき、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bについては、無励磁状態を保持させる。

そして、たとえば、蒸気弁部10を閉じる方向へ双方向ポンプ51が作動油を吐出するように、サーボモータ512を駆動させる。これにより、リザーバ560に貯蔵された作動油が油路L12を介して油路L11の分岐部J10へ流入した後に、第1パイロットチェック弁V56aを流れる。そして、その第1パイロットチェック弁V56aを流れた作動油は、双方向ポンプ51において第1ポンプポートP51aから第2ポンプポートP51bへ流れて吐出される。

その後、油路L10においては、作動油が第4チェック弁V55bを介して分岐部J9へ流れる。そして、分岐部J9に流れた作動油は、油路L7において急閉用電磁弁V524を介して分岐部J7へ流れる。そして、分岐部J7へ流れた作動油は、油路L5を介して第1ダンプ弁V52aのパイロットポートへ流れると共に、油路L6を介して第2ダンプ弁V52bのパイロットポートへ流れる。これにより、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、AポートとBポートとの間が遮断された状態になり、両者が閉じた状態になる。

上記のように、急閉動作の解除動作を実行する際には、急閉用電磁弁V524を無励磁状態から励磁状態に変えることによって、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bを閉める。これに伴って、アキュムレータ522から作動油が第2油圧室C32bへ供給されなくなる。また、第1油圧室C32aから作動油がリザーバ560へ流出しなくなる。

上記のように、急閉動作の解除動作を行った後には、図1で示したように、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bを、無励磁状態から励磁状態に変える。たとえば、アキュムレータ522と油路L4とを連結するアキュムレータ油路LAの圧力(ライン圧)について、油圧検出器523が検出した結果が規定値以上である場合に、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bを励磁状態に変える。このようにして、双方向ポンプ51とシリンダ32との間を接続することによって、通常の開閉動作を実行可能な状態に戻すことができる。

なお、上記においては、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bを閉じるために、蒸気弁部10を閉じる方向へ双方向ポンプ51を駆動させたが、これに限らない。蒸気弁部10を開ける方向へ双方向ポンプ51を駆動させることによって、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bを閉じてもよい。図示していないが、この場合には、リザーバ560に貯蔵された作動油は、油路L12を介して油路L11の分岐部J10へ流入した後に、第2パイロットチェック弁V56bを経由して、双方向ポンプ51において第2ポンプポートP51bから第1ポンプポートP51aへ流れて吐出される。その後、油路L10においては、作動油が第3チェック弁V55aを介して分岐部J9へ流れる。そして、上記と同様に、作動油が流れることで、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bの両者が閉じた状態になる。このように、本実施形態では、双方向ポンプ51について蒸気弁部10を閉じる方向および開ける方向に動作させた場合であっても、急閉動作の解除動作を実行することができる。

つぎに、アキュムレータ522に作動油を供給する給油動作を実行する場合(ケース5)に関して、図4を用いて説明する。図4では、給油動作を実行するときの作動油の様子を太い実線の矢印で併記している。

給油動作は、油圧検出器523が検出した圧力が規定値よりも低い場合に実行される。給油動作の実行によって、油圧検出器523が検出する圧力が規定値以上になることで、急閉動作を実行可能な状態に戻される。

給油動作を実行する場合には、急閉用電磁弁V524を励磁状態にすると共に、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bを無励磁状態にする。つまり、急閉用電磁弁V524は、AポートとPポートとの間が連通した状態であって、油路L7を作動油が流れる状態にされる。第1の遮断用電磁弁V53aは、油路L1において双方向ポンプ51と第1油圧室C32aとの間を作動油が流れない状態にされる。そして、第2の遮断用電磁弁V53bは、油路L2において双方向ポンプ51と第2油圧室C32bとの間を作動油が流れない状態にされる。第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bを無励磁状態にすることで、双方向ポンプ51とシリンダ32との間を隔離状態にし、シリンダ32の内部においてピストン35が移動することを防止する。

その後、たとえば、蒸気弁部10を閉じる方向へ双方向ポンプ51が作動油を吐出するように、サーボモータ512を駆動させる。これにより、リザーバ560に貯蔵された作動油が油路L12を介して油路L11の分岐部J10へ流入した後に、第1パイロットチェック弁V56aを流れる。そして、その第1パイロットチェック弁V56aを流れた作動油は、双方向ポンプ51において第1ポンプポートP51aから第2ポンプポートP51bへ流れて吐出される。

これに伴って、油路L10においては、上述した「急閉動作の解除」の場合と同様に、作動油が第4チェック弁V55bを介して分岐部J9へ流れた後に、分岐部J9に流れた作動油が油路L7において急閉用電磁弁V524を介して分岐部J7へ流れる。そして、分岐部J7へ流れた作動油は、油路L5を介して第1ダンプ弁V52aのパイロットポートへ流れると共に、油路L6を介して第2ダンプ弁V52bのパイロットポートへ流れる。これにより、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、AポートとBポートとの間が遮断された状態になり、両者が閉じた状態になる。

これと共に、給油動作では、油路L9において作動油が第2チェック弁V54bを介して分岐部J8へ流れる。そして、分岐部J8に流れた作動油が、油路L4を介して、アキュムレータ522へ供給される。アキュムレータ522へ作動油が供給されることによって、油圧検出器523が検出する圧力が規定値に到達したときに、給油動作を停止する。これにより、急閉動作を実行可能な状態に戻すことができる。

上記のように、給油動作を停止した後には、図1で示したように、第1の遮断用電磁弁V53aおよび第2の遮断用電磁弁V53bを無励磁状態から励磁状態に変える。これにより、通常の開閉動作を実行可能な状態に戻すことができる。

なお、上記の給油動作では、蒸気弁部10を閉じる方向へ双方向ポンプ51を駆動させたが、これに限らない。給油動作においても急閉動作の解除の場合と同様に、蒸気弁部10を開ける方向へ双方向ポンプ51を駆動してもよい。図示を省略しているが、この場合には、油路L9において作動油が第1チェック弁V54aを介して分岐部J8へ流れた後に、油路L4を介してアキュムレータ522へ供給される。このように、本実施形態では、双方向ポンプ51について蒸気弁部10を閉じる方向および開ける方向に動作させた場合であっても、給油動作を実行することができる。

<第2実施形態> 本実施形態に係る蒸気タービン発電設備に関して、図5を用いて説明する。図5では、蒸気弁部10および油圧駆動部30が設けられた部分に関して、鉛直方向zに沿った鉛直面(xz面)の断面を図示している。図5においては、図1と重複する部分については、適宜、図示を省略している。

図5に示すように、本実施形態の油圧駆動部30は、閉鎖用バネ82が設けられている。閉鎖用バネ82は、たとえば、金属線が螺旋状に巻かれたコイルスプリングであって、鉛直方向zにおいて弁箱部11とシリンダ32との間に設置されたバネ箱部81の内部に収容されている。閉鎖用バネ82は、鉛直方向zにおいて操作ロッド31の内部を貫通するように設置されている。閉鎖用バネ82は、ピストン35により操作される操作ロッド31によって伸縮するように構成されている。

ここでは、操作ロッド31には、バネ受け31Rが固定されている。そして、バネ受け31Rよりも上方には、固定プレート83がバネ箱部81の内周面に固定されている。閉鎖用バネ82は、バネ受け31Rと固定プレート83との間に介在しており、操作ロッド31の移動に伴ってバネ受け31Rの位置が変わることによって、操作ロッド31の軸に沿った鉛直方向zにおいて変形する。閉鎖用バネ82は、バネ受け31Rを下方へ押し付けることによって、蒸気弁部10を閉める方向に付勢している。

本実施形態では、閉鎖用バネ82は、急閉動作を実行するために必要な大きなバネ力を有していない。閉鎖用バネ82は、弁棒14とブッシュ14Bとの間の摩擦力、および、操作ロッド31に設けられたピストン35とシリンダ32との間の摩擦力に打ち勝つ程度の小さなバネ力を有している。つまり、シリンダ32の内部空間C32において作動油がピストン35に作動油が作用せずにピストン35が作動油によって摺動しない状態であるときに、閉鎖用バネ82のバネ力によって、ピストン35が弁体15を弁座13に移動させて、蒸気弁部10が全て閉じた状態になるように、油圧駆動部30が構成されていればよい。

このため、本実施形態において、蒸気タービンの停止時にサーボモータ512が回転数制御から切り離されることでシリンダ32の内部空間C32においてピストン35に作動油が作用しない状態になった場合に、閉鎖用バネ82のバネ力によって蒸気弁部10を全て閉じた状態にすることができる。その後、蒸気タービンの起動を行う際に、ボイラから蒸気タービンへ蒸気を作動媒体として供給することが許可される状態になるまでの間においては、蒸気弁部10について全閉状態を保持することができる。

したがって、本実施形態では、蒸気タービンの起動を行う際に、別途、蒸気弁部10を全閉状態にするプロセスを実行する必要がないので、蒸気タービンの起動をスムーズに実行することできる。

<第3実施形態> 本実施形態に係る蒸気タービン発電設備に関して、図6を用いて説明する。図6では、油圧回路部50のうち、双方向ポンプ51、サーボモータ512、レゾルバ513、および、サーボドライバ514が設けられた部分に関して図示している。図6において図1と重複する部分については、適宜、図示を省略している。

図6に示すように、本実施形態では、ダイナミックブレーキ装置515およびスイッチ516が更に設けられている。

ダイナミックブレーキ装置515は、サーボモータ512において巻線を短絡させることによって、制動力を発生させるように構成されている。

スイッチ516は、サーボモータ512がサーボドライバ514とダイナミックブレーキ装置515とのいずれか一方に電気的に接続するように、切り替えを行う。

具体的には、サーボドライバ514に異常が生じてサーボモータ512の回転数を制御不能な状態になったときに、サーボドライバ514が出力する信号(サーボOFF信号)に応じて、サーボモータ512とダイナミックブレーキ装置515とが電気的に接続するように、スイッチ516が切り替えられる。これにより、サーボモータ512において制動が生じる。

サーボモータ512の回転数制御がサーボドライバ514から切り離された状態になったときには、シリンダ32およびアキュムレータ522から双方向ポンプ51に作動油が流入する場合がある(図1参照)。このため、双方向ポンプ51の回転数およびサーボモータ512の回転数が、許容可能な回転数を超える可能性がある。

しかしながら、本実施形態では、サーボモータ512の回転数制御がサーボドライバ514から切り離された状態になったときには、ダイナミックブレーキ装置515による制動力によって、サーボモータ512で制動が起こる。

したがって、本実施形態では、双方向ポンプ51の回転数およびサーボモータ512の回転数が、許容可能な回転数を超えることを防止することができる。

<第4実施形態> 本実施形態に係る蒸気タービン発電設備に関して、図7を用いて説明する。図7では、蒸気弁部10と油圧駆動部30とが設けられた部分、および、油圧回路部50のうち急閉機構52,52_2が設けられた部分に関して図示している。図7において図1と重複する部分については、適宜、図示を省略している。

図7に示すように、2つの急閉機構52,52_2が設けられている。油圧回路部50において、2つの急閉機構52,52_2は、互いに並列に設置されている。

具体的には、一方の急閉機構52は、第1ダンプ弁V52a、第2ダンプ弁V52b、および、急閉用電磁弁V524で構成されている。これに対して、他方の急閉機構52_2は、第1ダンプ弁V52a_2、第2ダンプ弁V52b_2、および、急閉用電磁弁V524_2で構成されている。一方の急閉機構52と他方の急閉機構52_2との両者は、互いに同様に構成されている。

本実施形態において、急閉動作を実行するときには、一方の急閉機構52では、急閉用電磁弁V524が無励磁状態になる。これにより、第1ダンプ弁V52aのパイロットポートから作動油が油路L5と油路L7とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8を介してリザーバ560へ流出する。同様に、第2ダンプ弁V52bのパイロットポートから作動油が油路L6と油路L7とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8を介してリザーバ560へ流出する。その結果、第1ダンプ弁V52aおよび第2ダンプ弁V52bのそれぞれは、開いた状態になる。

これと共に、他方の急閉機構52_2においても、急閉用電磁弁V524_2が無励磁状態になる。これにより、第1ダンプ弁V52a_2のパイロットポートから作動油が油路L5_2と油路L7_2とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8_2を介してリザーバ560へ流出する。同様に、第2ダンプ弁V52b_2のパイロットポートから作動油が油路L6_2と油路L7_2とを順次流れた後に、急閉用電磁弁V524のTポートから油路L8_2を介してリザーバ560へ流出する。その結果、第1ダンプ弁V52a_2および第2ダンプ弁V52b_2のそれぞれは、開いた状態になる。

これに伴って、アキュムレータ522の内部に非常油として蓄えられた作動油は、油路L4,L4_2の第2ダンプ弁V52b,V52b_2を介して、第2油圧室C32bの第4作動油ポートP32dへ流入する。そして、第1油圧室C32aの第3作動油ポートP32cから作動油が油路L3,L3_2の第1ダンプ弁V52a,V52a_2を介してリザーバ560へ流出する。これにより、シリンダ32の内部空間C32においてピストン35が鉛直方向zの下方に急速に移動する。その結果、蒸気弁部10が急速に全て閉じられる。

以上のように、本実施形態においては、2つの急閉機構52,52_2が設けられている。このため、2つの急閉機構52,52_2のうち、一方において動作不良が生じた場合であっても、他方を用いて急閉動作を実行することができる。したがって、本実施形態では、急閉動作をより確実に実行可能であるので、信頼性を向上することができる。

<第5実施形態> 本実施形態に係る蒸気タービン発電設備に関して、図8を用いて説明する。図8では、蒸気弁部10と油圧駆動部30とが設けられた部分、および、油圧回路部50のうち急閉機構52が設けられた部分に関して図示している。図8において図1と重複する部分については、適宜、図示を省略している。

図8に示すように、本実施形態においては、アキュムレータ油路LAから2つのアキュムレータ分岐油路LAa,LAbが分岐している。

一方のアキュムレータ分岐油路LAaは、一端(上端)がアキュムレータ522aに接続されており、他端(下端)がアキュムレータ油路LAに接続されている。一方のアキュムレータ分岐油路LAaは、分岐部JAが設けられており、一端と分岐部JAとの間において油圧検出器523aが一方のアキュムレータ分岐油路LAaの油圧を検出するように設置されている。これと共に、一方のアキュムレータ分岐油路LAaは、他端と分岐部JAとの間に、作動油遮断弁V91aが設けられている。そして、一方のアキュムレータ分岐油路LAaの分岐部JAと油路L3に設けられた分岐部JCとの間に介在するように、ドレン油路LBaが設けられている。ドレン油路LBaには、ドレン弁V92aが設けられている。

図8では、一方のアキュムレータ分岐油路LAaの油圧が規定値以上である場合について示している。この場合には、図8に示すように、作動油遮断弁V91aおよびドレン弁V92aを閉じた状態にする。

他方のアキュムレータ分岐油路LAbは、上記した一方のアキュムレータ分岐油路LAaと同様に構成されている。つまり、他方のアキュムレータ分岐油路LAbは、一端がアキュムレータ522bに接続されており、他端がアキュムレータ油路LAに接続されている。他方のアキュムレータ分岐油路LAbは、分岐部JBが設けられており、一端と分岐部JBとの間において油圧検出器523bが油圧を検出するように設置されている。これと共に、他方のアキュムレータ分岐油路LAbは、他端と分岐部JBとの間に、作動油遮断弁V91bが設けられている。そして、他方のアキュムレータ分岐油路LAbの分岐部JBと油路L3に設けられた分岐部JCとの間に介在するように、ドレン油路LBbが設けられている。ドレン油路LBbには、ドレン弁V92bが設けられている。上記した2台のアキュムレータ522a,522bは、オンライン用とスタンバイ用とに役割が分担される。スタンバイ用のアキュムレータについては、ガス圧が監視され、必要に応じてガスが充填される。

図8では、他方のアキュムレータ分岐油路LAbの油圧が規定値未満である場合について示している。この場合には、ドレン弁V92aを閉じた状態で、作動油遮断弁V91aを開ける。そして、上記した給油動作を実行することによって、他方のアキュムレータ分岐油路LAbに接続されたアキュムレータ522bに作動油を供給する。そして、他方のアキュムレータ分岐油路LAbの油圧が規定値に達したときに、給油動作を停止する。

一方のアキュムレータ分岐油路LAaに設置されたアキュムレータ522aは、ガス流路LGaが連結されている。ガス流路LGaは、ガスチャージラインであって、一端がガス供給源(図示省略)に接続されており、他端がアキュムレータ522aのガス供給口に接続されている。ガス流路LGaは、ガス遮断弁V95aが設置されており、他端とガス遮断弁V95aとの間においてガス圧検出器93aがガス流路LGaのガス圧を検出するように設置されている。

同様に、他方のアキュムレータ分岐油路LAbにおいては、アキュムレータ522bがガス流路LGbに連結されている。ガス流路LGbは、ガスチャージラインであって、一端がガス供給源に接続されており、他端がアキュムレータ522bのガス供給口に接続されている。ガス流路LGbは、ガス遮断弁V95bが設置されており、他端とガス遮断弁V95bとの間においてガス圧検出器93bがガス流路LGbのガス圧を検出するように設置されている。

図8では、一方のガス流路LGaのガス圧および他方のガス流路LGbのガス圧が規定値以上である場合について示している。この場合には、一方のガス遮断弁V95aおよび他方のガス遮断弁V95bを閉じた状態にする。

図示を省略しているが、一方のガス流路LGaのガス圧が規定値未満である場合には、一方のガス遮断弁V95aを開けることによって、一方のアキュムレータ522aに、窒素ガスなどのガスを充填する。一方のアキュムレータ522aにガスを充填する動作は、作動油遮断弁V91aを閉じた状態で実行する。ドレン弁V92aについては、ガスの充填中は開けられ、ガスの充填が完了した後に閉じられる。同様に、他方のガス流路LGbのガス圧が規定値未満である場合には、他方のガス遮断弁V95bを開けることによって、他方のアキュムレータ522bに、窒素ガスなどのガスを充填する。他方のアキュムレータ522bにガスを充填する動作は、作動油遮断弁V91bを閉じた状態で実行する。ドレン弁V92bについては、ガスの充填中は開けられ、ガスの充填が完了した後に閉じられる。

以上のように、本実施形態では、アキュムレータ522a,522bに窒素ガスなどのガスを充填可能であるので、アキュムレータ522a,522bに充填されるガスの圧力について規定値を保持することができる。したがって、本実施形態では、急閉動作をより確実に実行可能であるので、信頼性を向上することができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

10…蒸気弁部、11…弁箱部、11A…蒸気入口、11B…蒸気出口、13…弁座、14…弁棒、14B…ブッシュ、15…弁体、20…蒸気タービン弁駆動装置、30…油圧駆動部、31…操作ロッド、32…シリンダ、35…ピストン、38…開度検出器、50…油圧回路部、51…双方向ポンプ、52…急閉機構、52_2…急閉機構、70…制御装置、81…バネ箱部、82…閉鎖用バネ、83…固定プレート、93a…ガス圧検出器、93b…ガス圧検出器、512…サーボモータ、513…レゾルバ、514…サーボドライバ、515…ダイナミックブレーキ装置、516…スイッチ、522…アキュムレータ、522a…アキュムレータ、522b…アキュムレータ、523…油圧検出器、523a…油圧検出器、523b…油圧検出器、560…リザーバ、C32…内部空間、C32a…第1油圧室、C32b…第2油圧室、F11…蒸気、F12…蒸気、J1〜J10…分岐部、JA〜JC…分岐部、L1…油路(第1の開度制御用油路)、L2…油路(第2の開度制御用油路)、L3…油路(第1の急閉用油路)、L3_2…油路(第1の急閉用油路)、L4…油路(第2の急閉用油路)、L4_2…油路(第2の急閉用油路)、L5…油路(第1ダンプ弁パイロット油路)、L5_2…油路(第1ダンプ弁パイロット油路)、L6…油路(第2ダンプ弁パイロット油路)、L6_2…油路(第2ダンプ弁パイロット油路)、L7…油路(第1の急閉用電磁弁設置油路)、L7_2…油路(第1の急閉用電磁弁設置油路)、L8油路(第2の急閉用電磁弁設置油路)、L8_2…油路(第2の急閉用電磁弁設置油路)、L9…油路(第1のチェック弁設置油路)、L10…油路(第2のチェック弁設置油路)、L11…油路(パイロットチェック弁設置油路)、L12…油路(給油用油路)、LA…アキュムレータ油路、LAa…アキュムレータ分岐油路、LAb…アキュムレータ分岐油路、LBa…ドレン油路、LBb…ドレン油路、LGa…ガス流路、LGb…ガス流路、LL…リークライン、P32a…第1作動油ポート、P32b…第2作動油ポート、P32c…第3作動油ポート、P32d…第4作動油ポート、P51a…第1ポンプポート、P51b…第2ポンプポート、V524…急閉用電磁弁、V524_2…急閉用電磁弁、V52a…第1ダンプ弁、V52a_2…第1ダンプ弁、V52b…第2ダンプ弁、V52b_2…第2ダンプ弁、V53a…第1遮断用電磁弁、V53b…第2遮断用電磁弁、V54a…第1チェック弁、V54b…第2チェック弁、V55a…第3チェック弁、V55b…第4チェック弁、V56a…第1パイロットチェック弁、V56b…第2パイロットチェック弁、V91a…作動油遮断弁、V91b…作動油遮断弁、V92a…ドレン弁、V92b…ドレン弁、V95a…ガス遮断弁、V95b…ガス遮断弁

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