Four-stroke engine

申请号 JP2005507196 申请日 2004-06-07 公开(公告)号 JP4234716B2 公开(公告)日 2009-03-04
申请人 ヤマハ発動機株式会社; 发明人 純一 大場; 修 瀧井; 英浩 西村;
摘要
权利要求
  • エンジンの排気ポートに排気管を接続し、該排気管内に、触媒を配設するととも に空気を導入するようにした4サイクルエンジンにおいて、
    上記排気管内に第1触媒を配置し、該第1触媒より下流側の排気管内に第2触媒を上記第1触媒との間に所定の間隔をあけて配置し、
    上記排気管の上記第1触媒と第2触媒の間の部分に、該排気管の第1触媒及び第2触媒が配置されている部分の内径より細い内径の部分を形成し、
    リードバルブを備えた二次空気導入管を、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に接続し、
    上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に発生する負圧で空気を上記第1触媒と第2触媒との間に導入し、
    上記二次空気導入管の接続部と上記第2触媒との間の距離を、上記二次空気導入管の接続部と上記第1触媒との間の距離より長くし、
    上記第1触媒と第2触媒のエンジン冷機始動から所定の運転時間が経過するまでの運転域における温度差を所定範囲内としたことを特徴とする4サイクルエンジン。
  • エンジンの排気ポートに排気管を接続し、該記排気管内に、触媒を配設するととも に空気を導入するようにした4サイクルエンジンにおいて、
    上記排気管内に第1触媒を配置し、該第1触媒より下流側の排気管内に第2触媒を上記第1触媒との間に所定の間隔をあけて配置し、
    上記排気管の上記第1触媒と第2触媒の間の部分に、該排気管の上記第1触媒及び第2触媒が配置されている部分の内径より細い内径の部分を形成し、
    リードバルブを備えた二次空気導入管を、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に接続し、
    上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に発生する負圧で空気を上記第1触媒と第2触媒との間に導入し、
    上記二次空気導入管の接続部と上記第1触媒との間の距離を、上記二次空気導入管の接続部と上記第2触媒との間の距離より短くし、
    導入された空気が排気脈動により上流側の第1触媒にも作用することを特徴とする4サイクルエンジン。
  • 請求項1又は2において、上記排気管の一部を囲む消音器を設け、上記第1触媒は上記消音器より上流側に配設され、上記第2触媒は上記消音器の内部に配設されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  • 請求項1又は2において、上記排気管の一部を囲む消音器を設け、上記第1触媒は上記消音器より上流側に配設され、上記第2触媒は上記消音器の内部に配設されており、上記二次空気導入管は、排気管の上記第2触媒より上流側でかつ上記消音器の内部に位置する部分に接続されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  • 说明书全文

    本発明は、エンジンの排気ポートに排気管を接続し、該排気管内に触媒を配設するとともに二次空気を導入するようにした4サイクルエンジンに関する。

    一般に、4サイクルエンジンの空燃比(A/F)と排気ガス成分との関係においては、図15に示すように、空燃比が14.6(理論空燃比=ストイキ)を境に排気ガス成分が大きく変化する。 即ち、CO,HCの排出量については、空燃比が上記ストイキよりリッチ側のときには多く、リーン側になると少なくなる。 一方NO の排出量については、ストイキ近辺では逆にリッチ側で少なく、リーン側で多くなる。

    このような排気ガス中のCO,HC,NO の浄化を図るための排気ガス浄化装置を備えたエンジンとして、従来、図11,図12に示すものがある。 排気管30の途中に三元触媒31を配置するとともに、該三元触媒31の上流側に排気ガス中の酸素濃度を検出するO センサ32を配置し、該酸素濃度に基づいて求めた検出空燃比が理論空燃比(14.6)となるようにエンジンへの燃料噴射量をフィードバック制御し、これによりCO,HC,NO を浄化するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。

    ところで、上記O フィードバック制御による排気ガス浄化装置では、空燃比が常に理論空燃比となるように燃料噴射量を制御する必要があることから、エンジン出を増大するうえで不利であると言える。 このため例えば自動車に比べて排気量の小さい自動二輪車等の車両では、満足できる乗車感が得られないという懸念がある。 またO フィードバック制御を行なうためには、インジェクタを用いた燃料噴射システムが必要となり、これを実現するには燃料ポンプ,燃料レギュレータ,コントローラ等を追加しなければならずコストアップとなる。

    一方、他の排気ガス浄化装置を備えたエンジンとして、図13,図14に示すように、排気管30内に第1,第2触媒35,36を間隔をあけて配置するとともに、該排気管30の第1,第2触媒35,36の間に二次空気を導入する二次空気導入管37を接続し、第1触媒35でNO を還元し、続いて下流側の第2触媒36でCO,HCを酸化させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。

    この第1,第2触媒35,36の間に二次空気を導入するようにした排気ガス浄化装置では、エンジンに供給される混合気の空燃比を上述の理論空燃比よりリッチ側に設定できることから、上述の排気量の小さい自動二輪車のエンジン出力を高めることが可能となり、乗車感を向上できるという利点がある。 また従来からのキャブレタで十分に対応でき、燃料噴射システムを採用する場合に比べてコストの点で有利である。

    特開平5−98955号公報

    特開2002−161737号公報

    ところが、上記従来の第1,第2触媒の間に二次空気を導入するようにした排気ガス浄化装置を備えたエンジンでは、その二次空気の導入位置の如何によっては触媒の寿命が短くなるという懸念がある。 即ち、二次空気の導入によって触媒が高温状態となり、しかもその高温状態が時間的に長くなると触媒は劣化し易く、寿命が短くなる傾向にある。

    また上記従来の排気ガス浄化装置では、例えばエンジンの冷機始動時には触媒の活性化が遅れがちとなることから、CO,HCの浄化が十分に行なえない場合がある。

    本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、2つの触媒の間に二次空気を導入する場合の触媒の劣化を抑制でき、さらには冷機始動時の触媒の活性化を促進できる4サイクルエンジンを提供することを目的としている。

    本件発明者らは、上述の触媒の劣化を抑制するための構成を見出すべく鋭意研究し、第1,第2触媒の活性化後における両者の温度差が大きくなると2つの触媒の負担が一方に偏り、結果的に劣化し易くなっていることに着目した。 そして上記第1,第2触媒の活性化後における温度差が所定値以内となるように二次空気導入位置を設定することによって触媒の劣化を抑制できることに想到し、本発明を成したものである。

    そこで請求項1の発明は、エンジンの排気ポートに排気管を接続し、該排気管内に、触媒を配設するとともに空気を導入するようにした4サイクルエンジンにおいて、上記排気管内に第1触媒を配置し、該第1触媒より下流側の排気管内に第2触媒を上記第1触媒との間に所定の間隔をあけて配置し、 上記排気管の上記第1触媒と第2触媒の間の部分に、該排気管の第1触媒及び第2触媒が配置されている部分の内径より細い内径の部分を形成し、リードバルブを備えた二次空気導入管を、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に接続し、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に発生する負圧で空気を上記第1触媒と第2触媒との間に導入し、上記二次空気導入管の接続部と上記第2触媒との間の距離を、上記二次空気導入管の接続部と上記第1触媒との間の距離より長くし、上記第1触媒と第2触媒のエンジン冷機始動から所定の運転時間が経過するまでの運転域における温度差を所定範囲内としたことを特徴としている。

    ここで本発明において、 「運転域」とは、冷機状態でエンジンを始動して走行を開始し、第1,第2触媒が活性化温度(例えば300℃)に達し、さらに所定の時間が経過して両触媒温度が安定するまでの運転域を意味し、具体的に例えばエンジン冷機始動から1000〜1200秒程度の運転域を意味する。 また「温度差が所定範囲内」とは、採用されている触媒の耐熱性や要求される耐久性等によって変化するが、具体的には例えば100℃程度を意味している。

    請求項2の発明は、エンジンの排気ポートに排気管を接続し、該記排気管内に、触媒を配設するとともに空気を導入するようにした4サイクルエンジンにおいて、上記排気管内に第1触媒を配置し、該第1触媒より下流側の排気管内に第2触媒を上記第1触媒との間に所定の間隔をあけて配置し、 上記排気管の上記第1触媒と第2触媒の間の部分に、該排気管の上記第1触媒及び第2触媒が配置されている部分の内径より細い内径の部分を形成し、リードバルブを備えた二次空気導入管を、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に接続し、上記排気管の上記第1触媒と第2触媒との間の部分に発生する負圧で空気を上記第1触媒と第2触媒との間に導入し、上記二次空気導入管の接続部と上記第1触媒との間の距離を、上記二次空気導入管の接続部と上記第2触媒との間の距離より短くし、導入された空気が排気脈動により上流側の第1触媒にも作用することを特徴としている。

    請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記排気管の一部を囲む消音器を設け、上記第1触媒は上記消音器より上流側に配設され、上記第2触媒は上記消音器の内部に配設されていることを特徴としている。

    請求項4の発明は、請求項1又は2において、上記排気管の一部を囲む消音器を設け、上記第1触媒は上記消音器より上流側に配設され、上記第2触媒は上記消音器の内部に配設されており、上記二次空気導入管は、排気管における、上記第2触媒より上流側でかつ上記消音器の内部に位置する部分に接続されていることを特徴としている。

    請求項1の発明に係るエンジンによれば、冷機状態でエンジンを始動すると、まず上流側に配置された第1触媒が昇温開始し、少し遅れて下流側の第2触媒が昇温開始する。 そして第1触媒はエンジン始動後短時間で最高温度に達し、その後徐々に降温し、上述の運転域内において安定する。 また第2触媒はエンジン始動から徐々に昇温し、上述の運転域内において安定する。 この場合に、二次空気導入位置を上記第1,第2触媒の上記運転域における最高温度同士の差が、所定の温度範囲内となる位置に設定したので、第1,第2触媒の温度差を所定範囲に保持することができ、温度差が過大となることによる負担の偏りを抑制でき、その結果触媒の劣化を抑制して寿命を延長できる。

    具体的には、例えば二次空気導入位置を下流の第2触媒側に近づけるほど、該第2触媒の温度がより大きく上昇し、同時に第1触媒のエンジン始動短時間後に達する最高温度が低くなり、その結果第1,第2触媒の温度差が大きくなる。 一方、二次空気導入位置を上流の第1触媒側に近づけるほど、該第1触媒の最高温度が高くなり、同時に第2触媒の温度上昇が抑えられ、その結果第1,第2触媒の温度差が小さくなる。

    請求項2の発明では、二次空気導入管を二次空気が排気脈動により第1触媒に作用する位置に接続したので、二次空気の一部が第1触媒の下流側から吹き返ることとなり、該吹き返った二次空気と第1触媒とでCO,HCが酸化されることとなる。 このようにエンジンが冷機状態のときには、排気脈動により吹き返った二次空気と第1触媒とでCO,HCの酸化を行なうことができ、第1触媒の活性化を促進するするとともにエンジン冷機始動時の排気ガスの浄化性能を高めることができる。

    請求項3の発明では、第2触媒を排気管の消音器内部分に配設したので、排気管全体の外観を損なうことなく第2触媒の容量の大型化が可能となり、浄化能力の高めることができる。

    また第2触媒を消音器内に配設したので、排気管の第2触媒配設部分が外気により冷却されることがなく、それだけ第2触媒の活性化温度に達するまでの時間を短縮することができる。

    請求項4の発明では、二次空気導入管を消音器内部分に接続したので、二次空気導入管を排気管と消音器とで支持することができ、外観を損なうことなく二次空気導入管の接続強度を高めることができる。

    以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。

    図1は、請求項1,3,4の発明の一実施形態による4サイクルエンジンを説明するための模式構成図である。 なお、本実施形態では、本発明におけるエンジン冷機始動から触媒温度が安定するまでの「運転域」を「計測運転域」と称する。

    図において、1はモータサイクル,スクータ等の自動二輪車に採用される4サイクルエンジンであり、該エンジン1の吸気ポート(不図示)には吸気通路2が接続され、該吸気通路2の途中には燃料供給装置としての気化器3が介在され、上記吸気通路2の上流端にはエアクリーナ4が接続されている。 このエアクリーナ4はクリーナケース4a内をエレメント5により空気吸込側aと吐出側bとに画成した構造となっている。

    上記気化器3は、アイドリング及び低速走行域において作動するスロー系と、中・高速走行域において作動するメイン系とを備えており、何れの運転域においても空燃比が理論空燃比よりリッチ側となるように設定されている。

    上記エンジン1の排気ポート(不図示)には排気ガス通路6が接続されている。 この排気ガス通路6は上記排気ポートに接続されたエキゾーストパイプ7とこれの下流側に配設された消音器8とを備えている。 上記エキゾーストパイプ7は上流側半部7aと概ねU字状に屈曲形成された下流側半部7bとを有し、該下流側半部7bは上記消音器8内に収容されている。

    上記排気ガス通路6には排気ガス浄化装置が付加されている。 この排気ガス浄化装置は、上記エキゾーストパイプ7内の上流側半部7aに主として還元作用を有する第1触媒9を配設するとともに、該第1触媒9より下流側に位置する下流側半部7bに主として酸化作用を有する第2触媒10を配設し、第1,第2触媒9,10の間に二次空気導入口7cを形成した構成となっている。

    上記エキゾーストパイプ7の上記第1,第2触媒9,10が配置された部分の内径d1は残りの部分の内径d2より大径に形成されており、この大径部内に第1,第2触媒9,10が収容されている。

    また上記エキゾーストパイプ7の第1,第2触媒9,10の間の小径部に上記二次空気導入口7cが位置している。 このように第1,第2触媒9,10が収容された大径部の間の小径部に二次空気導入口7cを形成したので、該部分の排気ガス流速が高くなり、いわゆるベンチュリー効果により該導入口7c部分に負圧が発生し、これにより二次空気の吸引量を増やすことができる。 例えば、図10に示すように、エキゾーストパイプ7の第1触媒9が配設された内径d1部分に二次空気導入口7cを形成した場合にはベンチュリ効果が十分に得られず、二次空気の取り入れ量を増やすことはできない。

    上記二次空気導入口7cには二次空気供給装置が接続されている。 この二次空気供給装置は、上記エアクリーナ4の吐出側bと上記二次空気導入口7cとを二次空気導入管11で連通接続し、該二次空気供給管11の途中に逆止弁として機能するリードバルブ12を介在させた構造となっている。

    このリードバルブ12は、二次空気のエアクリーナ4側から排気ガス通路6側への流れのみを許容し、反対方向への流れを阻止する。 具体的には、エンジン1の吸気,排気バルブ(不図示)の開閉による排気脈動により排気ガス通路6内に負圧が発生するが、この負圧により上記エアクリーナ4の吐出側b内の空気を吸引することとなる。 なお、リードバルブ12の代わりに空気ポンプにより二次空気を加圧供給するようにしてもよい。

    上記二次空気導入管11は、下流側半部7bの消音器8の内部に位置する部分の上流端部に接続されており、該下流側半部7bとともに消音器8に支持固定されている。

    上記第1触媒9の配置位置は、排気ガスの浄化を開始したい時刻に第1触媒9に入る排気ガスの温度,つまり入りガス温度が300℃以上となる位置に設定されている。 この入りガス温度は第1触媒9の活性化が確実に行なわれるのに不可欠な温度の目安である。 上記第1触媒9は、具体的には、上記排気量50cc程度のエンジンの場合には排気ポートから300〜500mmの位置に配置されている。

    上記第2触媒10の配置位置については、該第2触媒10に入る排気ガスの温度は上流側に位置する第1触媒9と導入される二次空気との影響を受けるのであるが、このような状況下において排気ガス浄化を開始したい時刻に第2触媒10への入りガス温度が第1触媒9と略同様に300℃以上となる位置に設定されている。 排気量50cc程度のエンジンの場合、第2触媒10は、具体的には、第1触媒9から200mm程度の位置に配置されている。

    そして上記二次空気導入口7cは、第1,第2触媒9,10の計測運転域における最高温度同士の差を所定の範囲内、具体的には100℃とする位置に設定されている。 なお上記温度差が100℃以内となる接続位置は、実験により求めることとなる。 本実施形態では、第1触媒9から第2触媒10の間隔の概ね1/2程度までの範囲に二次空気導入管11を接続しており、第1触媒9の直近部分とするのがより望ましい。

    本実施形態による排気ガス浄化装置によれば、第1,第2触媒9,10の計測運転域における最高温度同士の差が100℃以内となる位置に二次空気導入管11を接続したので、第1,第2触媒9,10の温度差による負担の偏りを抑制すことができ、その結果、第2触媒10の劣化を抑制でき、寿命を延長できる。

    即ち、二次空気導入管11を第1,第2触媒9,10の何れかの側に近づけると、その近づけた側の触媒は他方の触媒より温度が上昇する傾向にある。 このため第1,第2触媒9,10の温度差ができるだけ小さくなる位置、具体的には第1触媒9から第2触媒10の間隔の概ね1/2程度までの範囲に二次空気導入管11を接続することにより、高温状態が長時間続くという状態を防止できる。

    本実施形態では、第2触媒10をエキゾースパイプ7の下流側半部7bが収納された消音器8内に配設したので、外観を損なうことなく第2触媒10の容量の大型化が可能となり、浄化能力の高めることができる。

    また上記第2触媒10を消音器8内に配設したので、第2触媒10が外気により冷却されることがなくなり、エンジン1の冷機始動時に第2触媒10が活性化温度に達するまでの時間を短縮することができる。

    本実施形態では、二次空気導入管11を消音器8の内部に位置する下流側半部7bに接続したので、二次空気導入管11をエキゾーストパイプ7と消音器8とで支持固定することができ、外観を損なうことなく二次空気導入管11の接続強度を高めることができる。

    次に本実施形態の効果を確認するために行なった実験について説明する。

    本実験は、第1,第2触媒9,10の計測運転域における最高温度差を100℃以内とする二次空気導入口管11の接続位置を見出すために行なった。 この実験では、上記実施形態と同様の構造の排気ガス浄化装置を採用し、予め設定された走行パターンに従って走行時間と走行速度を調整する,いわゆるECE40試験法を採用した。 具体的には、走行速度を略15Km/h,30Km/h,50Km/hと変化させる200秒の走行パターンを6回繰り返して合計1200秒走行し、COの排出量及び第1,第2触媒の温度変化を測定した(図3,図5,図7の(a)〜(c)参照)。 また上記1200秒間に導入した二次空気量は約370〜400リットルとした。

    そして実験例1では、二次空気導入管11を第1触媒9の後端面から20mm下流側の位置に接続して行なった(図2参照)。 また、実験例2では、二次空気導入管11を第1触媒9の後端面から60mm下流側の位置に接続し(図4参照)、実験例3では、二次空気導入管11を第1触媒9の後端面から120mm下流側の位置に接続して行なった(図6参照)。 そして第1,第2触媒9,10のそれぞれの温度変化を測定するとともに、CO量を測定した。 なお、本実験例1〜3において、第1,第2触媒9,10の容量及びエンジン仕様については同一とした。

    図8(a),(b)は、各触媒9,10の温度計測方法を示している。 エキゾーストパイプ7及び触媒9,10に外方から半径方向に3mmφ程度の孔をあけ、この孔内にシースK型熱電対15を該熱電対15の先端が触媒9,10の中心に位置するように挿入固定した。 また他の計測方法としては、図8(b)に二点鎖線で示すように、熱電対15を触媒9,10の軸芯方向に挿入して行なってもよい。

    実験例1〜3の何れにおいても、第1,第2触媒の最高温度同士の差は20℃,60℃,90℃と100℃以内となっており、またCO排出量も満足できる値が得られている。 即ち、触媒を活性化させたい時刻と入りガス温度から第1,第2触媒9,10の配置位置を設定し、続いて第1,第2触媒9,10の最高温度差が100℃以内となるように二次空気導入管11の接続位置を設定することにより、触媒の劣化を抑制できることがわかる。

    また実験例1と実験例3とを比較すると、実験例1のように二次空気導管11を第1触媒9の下流側直近に接続した場合には、COの浄化が促進されていることがわかる。 これは二次空気が第1触媒9の下流側から吹き返ることとなり、エンジン冷機時に排出される多量のCOと吹き返った空気が酸化反応し、その結果COの浄化が促進されたものと思われる。

    この第1触媒9の一部がCOの浄化を促進している点については、第1,第2触媒9,10が十分活性化している状態、例えば経過時間で1000秒以降において第1実験例と第3実験例とを比較すると明らかである。 即ち、実験例1のCOの排出レベルは200ppm程度(図3(b)参照)であり、実験例3の400ppm程度(図7(b)参照)に比べて少なくなっている。 第1,第2触媒の活性状態が略同じで、かつ同等の二次空気が供給されている状態でCOの浄化レベルに差が生じるのは触媒の容量を変えた場合だけと考えられるが、本実験例1,3の第1触媒は同一のものであるので、第1触媒の一部がCOの浄化に貢献していることは明らかである。

    図9は、上記実験例1〜3によるモード排気ガス値をまとめた図である。 同図において、触媒なしの場合と比べると、実験例1〜3の何れもCO,HCの浄化率は75〜80%と高く、またNO の浄化率についても70〜75%と高い結果が得られている。

    なお、上記実施形態では、第1,第2触媒の最高温度差が所定の温度範囲(例えば100℃)内となる位置に二次空気導入管を接続した場合を説明したが、本発明では、二次空気導入管を導入された二次空気が排気脈動により第1触媒にも作用する位置に接続してもよく、このように構成したのが請求項2の発明である。

    具体的には、上記二次空気導入管を第1触媒の下流側直近,もしくは第1,第2触媒の間隔の第1触媒側1/3程度の範囲に接続する。 このように構成することによって、二次空気の一部が第1触媒の下流側から吹き返ることとなり、該吹き返った二次空気と第1触媒とでCO,HCが酸化されることとなる。 このようにエンジンが冷機状態のときには、排気脈動により吹き返った二次空気と第1触媒とでCO,HCの酸化を行なうことができ、第1触媒の活性化を促進することができるととにも、エンジン冷機時の排気ガスの浄化を高めることができる。 この点は上記第1実験例と第3実験例との比較において述べたことからも明らかである。

    また上記実施形態では、気化器により燃料をリッチ側に計量してエンジンに供給するようにした場合を例に説明したが、本発明は、排気ガス中の酸素濃度を検出し、該酸素濃度に基づいて求めた空燃比が目標空燃比となるようにエンジンへの燃料噴射量をフィードバック制御するようにした4サイクルエンジンにも適用可能であり、要は二次空気導入管を第1,第2触媒の最高温度同士の差が例えば100℃以内となる位置に接続することにより、上記実施形態と略同様の効果が得られる。

    [図1]請求項1,3,4の発明の一実施形態による排気ガス浄化装置を備えた4サイクルエンジンの概略構成図である。
    [図2]上記実施形態の効果を確認するために行なった実験例1の説明図である。
    [図3]上記実験例1の特性を示す図である。
    [図4]上記実施形態の効果を確認するために行なった実験例2の説明図である。
    [図5]上記実験例2の特性を示す図である。
    [図6]上記実施形態の効果を確認するために行なった実験例3の説明図である。
    [図7]上記実験例3の特性を示す図である。
    [図8]上記実験例に採用した触媒の温度計測方法を示す図である。
    [図9]上記実験結果を示す特性図である。
    [図10]上記実施形態の排気ガス通路の比較例を示す図である。
    [図11]従来の一般的なO フィードバック制御による排気ガス浄化装置を備えた4サイクルエンジンの模式構成図である。
    [図12]上記排気ガス浄化装置の特性図である。
    [図13]従来の一般的な第1,第2触媒と二次空気による排気ガス浄化装置の模式構成図である。
    [図14]上記排気ガス浄化装置の特性図である。
    [図15]一般的な4サイクルエンジンの空燃比と排気ガスとの関係を示す特性図である。

    符号の説明

    1 4サイクルエンジン 6 排気管 7 エキゾーストパイプ 8 消音器 9 第1触媒 10 第2触媒 11 二次空気導入管

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