Exhaust emission control device

申请号 JP2006094897 申请日 2006-03-30 公开(公告)号 JP2007270672A 公开(公告)日 2007-10-18
申请人 Toyota Central Res & Dev Lab Inc; Toyota Motor Corp; トヨタ自動車株式会社; 株式会社豊田中央研究所; 发明人 TAKAGI NOBUYUKI; MIURA MASAHIDE; MATSUMOTO SHINICHI; TANABE TOSHITAKA; NAGAI YASUTAKA; HATANAKA YOSHIO; DOMAE KAZUHIKO; YAMAMOTO TOSHIO; IKEDA YASUO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an exhaust emission control device capable of preventing the purification rate of NOx from being lowered even during the regeneration of a catalyst. SOLUTION: This exhaust emission control device comprises a regenerable catalyst installed in the exhaust gas flow passage of an internal combustion engine and containing a carrier including a basic oxide and platinum carried on the carrier, a three-way catalyst or NOx storage/reduction catalyst, and an oxygen supply means. COPYRIGHT: (C)2008,JPO&INPIT
权利要求
  • 内燃機関の排ガス流路に設けられ、塩基性酸化物を含む担体とこの担体上に担持された白金を含む再生可能な触媒と、三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒と、酸素供給手段とを備える排ガス浄化装置。
  • 排ガス流路上流側より、酸素供給手段、再生可能な触媒、及びNOx吸蔵還元触媒を順に備える、請求項1記載の排ガス浄化装置。
  • 排ガス上流側より、三元触媒、酸素供給手段、及び再生可能な触媒を順に備える、請求項1記載の排ガス浄化装置。
  • 前記塩基性酸化物がアルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、又はジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素との複合酸化物である、請求項1記載の排ガス浄化装置。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関の排ガス流路に設けられ、シンタリングした白金粒子を再分散させて再生することができる触媒を備えた排ガス浄化装置に関する。

    自動車エンジンからの排ガス中のHC、CO及びNOxなどの有害成分を除去するために、従来より排ガス浄化用触媒が用いられている。 この排ガス浄化用触媒としては、例えば、理論空燃比で燃焼された排ガス中のHC、CO及びNOxを同時に浄化する三元触媒が知られている。 この三元触媒は、コーディエライト、金属箔などからハニカム形状に形成された担体基材と、活性アルミナ粉末やシリカ粉末などからなり、担体基材表面にコートされた触媒担持層と、触媒担持層に担持された白金などの貴金属とから構成され、排ガス中のHC及びCOを酸化して浄化するとともにNOxを還元して浄化している。

    またゼオライトは吸着特性に優れているため、ゼオライトを触媒担持層に用い、それに貴金属を担持した酸化触媒も知られている。 この酸化触媒では、低温域において排ガス中のHCが触媒担持層に吸着され、それが昇温時に放出されて活性温度以上となった貴金属によって酸化されるため、始動時や冬季などの低温時におけるHCの排出を抑制することができる。

    さらに、排ガス雰囲気の変動を緩和するために、酸素吸蔵放出能をもつセリアなどを触媒担持層に担持した触媒や、貴金属とともにアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属などのNOx吸蔵材を触媒担持層に担持したNOx吸蔵還元触媒なども知られている。

    ところで触媒活性をもつ貴金属としては、特に活性に優れた白金(Pt)が主として用いられている。 ところが白金は、高温で酸化雰囲気の排ガスに長時間晒されると、白金粒子が凝集してシンタリング(粒成長)が生じ、比表面積が減少するため触媒活性が低下するという問題があった。 そのため、このようなシンタリングを起こした排ガス浄化触媒を再生する種々の方法が開発されている。

    例えば、担体として、アルカリ土類金属酸化物及び希土類酸化物から選ばれる少なくとも1種を含む担体を用い、この担体に白金を担持した触媒において、酸素を含む酸化雰囲気中で加熱する酸化処理を行い、次いで還元処理を行う排ガス浄化用触媒の再生方法が開示されている(特許文献1参照)。 この再生方法によれば、シンタリングして粗大化した白金金属粒子表面において、酸化処理によって白金酸化物が形成される。 この白金酸化物は上記の特定の酸化物を含む担体との相互作用が強いため、白金金属粒子表面から担体表面に移動し、白金金属粒子表面には金属白金が表出することになる。 この金属白金は酸化され白金酸化物となり、担体表面に移動する。 このような現象が繰り返されて、担持されている白金金属粒子は次第に粒径が小さくなり、担体表面に分散し、その結果、担体に白金酸化物が高分散担持された状態となる。 次いで還元処理することによって白金酸化物は金属白金に還元されるため、金属白金が高分散担持された状態となり、触媒活性が復活すると考えられる。

    特開2000−202309号公報

    ところが上記公報に開示された再生方法を利用して、排ガス浄化装置に組み込んだ触媒を再生しようとすると、この再生方法では、白金を再生する酸化処理方法としてエンジンに流入する混合気の空燃比(A/F)を極めて高くする方法が挙げられているが、運転条件によっては、白金の再生が必要とされる時期と空燃比が高くなる時期とが一致しないため、白金を確実に再生することが困難になる。

    また空燃比を高くしても、酸素濃度が低い場合は、触媒下流側まで酸素が十分に到達できず、再生処理が効率よく行えない可能性がある。 さらに、触媒上流側に空気供給装置を配置することも提案されているが、排ガス中にNOxが存在する場合、通常の三元触媒では酸素過剰下においてNOxを完全に浄化することが困難であり、NOxがそのまま排出されてしまうという問題がある。

    本発明は上記問題点を解決し、白金の再生を確実に行い、かつこの再生中においても排ガスの浄化性能を維持することができる排ガス浄化装置を提供することを目的とする。

    上記課題を解決するため、1番目の発明によれば、内燃機関の排ガス流路に設けられ、塩基性酸化物を含む担体とこの担体上に担持された白金を含む再生可能な触媒と、三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒と、酸素供給手段とを備える排ガス浄化装置が提供される。

    上記課題を解決するため、2番目の発明によれば、1番目の発明において、排ガス流路上流側より、酸素供給手段、再生可能な触媒、及びNOx吸蔵還元触媒が順に備えられている。

    上記課題を解決するため、3番目の発明によれば、1番目の発明において、排ガス上流側より、三元触媒、酸素供給手段、及び再生可能な触媒が順に備えられている。

    上記課題を解決するため、4番目の発明によれば、1番目の発明において、前記塩基性酸化物として、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、又はジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素との複合酸化物が用いられている。

    本発明の排ガス浄化装置によれば、酸素供給手段を設けることにより、再生可能な触媒を確実に酸化雰囲気にすることができ、シンタリングした白金を酸化、還元することによって再分散させることができる。 また、酸素供給の際に、酸化雰囲気での再生可能な触媒におけるNOx還元浄化率が低下するが、三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒を配置することにより、NOxを還元浄化することができ、再生可能な触媒の再生時においても排ガス浄化性能を維持することができる。

    上記のように、本発明の排ガス浄化装置は、内燃機関の排ガス流路に設けられ、塩基性酸化物を含む担体とこの担体上に担持された白金を含む再生可能な触媒と、三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒と、酸素供給手段とを備えている。

    再生可能な触媒の担体に含まれる塩基性酸化物としては、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、又はジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属、希土類元素及び3A族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素との複合酸化物を用いることができる。

    アルカリ土類金属酸化物としては、Mg、Ca、Sr、Ba及びRaの各種価数の酸化物を用いることができるが、金属Pt及びPt酸化物との相互作用が強く、親和性の高い酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。

    希土類酸化物としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Yb、Lu等の金属の各種価数の酸化物を用いることができるが、金属Pt及びPt酸化物との相互作用が強く、親和性の高い酸化ランタン(La 23 )、酸化セリウム(CeO 2 )酸化イットリウム(Y 23 )及び酸化ネオジム(Nd 23 )から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。

    ジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属、希土類元素及び3A族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素との複合酸化物としては、ジルコニア(ZrO 2 )及び/又はアルミナ(Al 23 )と、上記のMg、Ca、Sr、Ba及びRaのアルカリ金属及びSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Yb、Lu等の希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素との複合酸化物を用いることができるが、金属Pt及びPt酸化物との相互作用が強く、親和性の高いMg、Ca、Ba、La、Ce、Y又はNdとの複合酸化物を用いることが好ましい。 このような複合酸化物としては、例えばCeO 2 −ZrO 2 −Y 23 、ZrO 2 −La 23 、CeO 2 −ZrO 2 、CeO 2 −ZrO 2 −La 23 −Pr 23等が挙げられる。 ここで複合酸化物を構成するジルコニア及び/又はアルミナと、アルカリ土類金属、希土類元素及び3A族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素との比率(組成比)は特に制限されないが、その効果の点から、複合酸化物中のジルコニア及び/又はアルミナの比率が10〜90wt%であることが好ましく、30〜90wt%であることがより好ましい。

    担体中には、上記塩基性酸化物が少しでも含まれれば効果があるが、その含有量は多いほど、例えば50wt%以上であることが好ましく、担体全体を上記塩基性酸化物のみで構成することが最も好ましい。 塩基性酸化物を担体の一部として用いる場合、担体の残りの成分としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ等を用いることができる。

    この担体の製造方法としては特に制限されず、例えば上記の塩基性酸化物の原料となる金属の塩(例えば硝酸塩)と、必要に応じて界面活性剤(例えばノニオン系界面活性剤)とを含有する溶液から、アンモニアの存在下において上記塩基性酸化物の沈殿物を生成させ、得られた沈殿物をろ過、洗浄した後に乾燥させ、さらに焼成することによって得ることができる。

    この再生可能な触媒は、上記の担体に白金が担持されている粉末を少なくとも含む。 この担体に担持されている白金の担持量としては、担体に白金が担持されてなる再生可能な触媒において白金の比率が0.01〜10wt%の範囲とすることが好ましく、0.1〜5wt%の範囲とすることが好ましい。 白金の担持量が前記下限未満では排ガス浄化用触媒としての触媒活性が不十分となる傾向にあり、一方、上記上限を超えて白金を担持させても触媒活性の向上は期待できず、コストが高くなるのみであるからである。

    前記担体に白金を担持させる方法は特に制限されず、例えば、白金の塩(例えばジニトロジアミン塩)や錯体(例えばテトラアンミン錯体)を含有する水溶液を前記担体に接触させた後に乾燥し、さらに焼成する、従来の方法を用いることができる。

    この再生可能な触媒の形態は特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。 ここで用いられる基材も特に制限されず、得られる触媒の用途等に応じて適宜選択することができるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。 また、この基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化珪素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。 さらにこのような触媒を製造する方法も特に制限されず、例えばモノリス触媒を製造する場合は、コーディエライトや金属箔から形成されたハニカム形状の基材に、上記の担体の粉末からなるコート層を形成し、このコート層に白金を担持させる方法が好適に採用される。 また、上記の担体の粉末にあらかじめ白金を担持させた後、この白金担持粉末を用いて前記基材にコート層を形成する方法によって製造してもよい。

    上記再生可能な触媒と組み合わせて用いられる三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒は、現在一般に用いられている三元触媒及びNOx吸蔵還元触媒を用いることができる。 すなわち、三元触媒としては、上記のコーディエライト等の基材上に、上記のアルミナ等のコート層を形成し、このコート層に白金、ロジウム等の貴金属を担持させた触媒を用いることができる。 NOx吸蔵還元触媒としては、上記三元触媒において、貴金属に加え、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素等を担持させた触媒を用いることができる。

    酸素供給手段は特に制限されず、酸素もしくは空気を供給することができればよく、空気弁等を用いることができる。 供給される空気は、外侮の空気を直接供給することもできるが、触媒の再生をより効率的に行うためには、エンジン排気管に装着した熱交換機等を利用して、空気をあらかじめ暖めた後に供給することが好ましい。

    本発明の排ガス浄化装置において、再生可能な触媒は、白金がシンタリングしたと判断された場合に、酸化処理と還元処理を行うことにより、白金を微細な粒子として担体上に再分散させ、触媒活性を復活させることができる。 すなわち、本発明の排ガス浄化装置に用いられる再生可能な触媒の担体には、金属白金との相互作用が強い塩基性酸化物が含まれている。 そのため、粒成長して粗大化した状態で担持されている白金粒子の表面が酸化されやすくなり、酸素を含む酸化雰囲気中にて500〜1000℃で加熱することで、粗大化した白金粒子の表面に容易に白金酸化物が形成されると考えられる。

    そして白金酸化物と担体との親和性も大きいので、白金酸化物は粗大化した白金粒子表面から担体表面に移動し、粗大化した白金粒子表面には金属白金が表出する。 表出した金属白金は酸化雰囲気中に存在する酸素により酸化されて白金酸化物となり、それが担体表面に移動する。 このような現象が繰り返されることで、担持されている粗大化した白金粒子は次第に粒径が小さくなり、担体表面に濡れ拡がった状態となって分散される結果、担体に白金酸化物が高分散担持された状態となると考えられる。

    そして次いで還元処理が行われることで、白金酸化物は容易に還元されて金属白金となるため、担体上には微細な金属白金粒子が高分散された状態となり、触媒活性が復活することになる。

    この再生可能な触媒の再生ではまず、この触媒の上流側に配置した酸素供給手段より酸素を供給し、酸素を含む酸化雰囲気中にて加熱する酸化処理が行われる。 酸化雰囲気としては、酸素が少しでも含まれればそれに相当するモル数の白金を酸化することができるが、酸素の濃度が1体積%以上であることが好ましく、1〜20体積%であることがより好ましい。 また雰囲気中の酸素以外のガスとしては、還元性ガスを含まないことが望ましく、窒素ガスあるいは不活性ガスを用いることが望ましい。

    この酸化処理における加熱温度は、担持されている金属白金が酸化する温度であればよいが、500〜1000℃の範囲の温度とすることが望ましい。 なお酸化処理の時間は酸化処理温度に応じて決まり、温度が低ければ長時間必要となるし温度が高ければ短時間でよい。 500〜1000℃の酸化処理温度であれば、酸化処理一工程あたりの時間は2秒〜1時間程度である。 この加熱手段としては、触媒上における反応熱を利用することができるが、加熱手段によって触媒を加熱してもよい。

    還元処理は、水素、一酸化炭素などの還元性ガスの存在下で加熱することで行うことができる。 例えば、化学量論的に等量比にあるストイキ雰囲気あるいは酸素が不足するリッチ雰囲気の排ガスを再生可能な触媒に接触させることで行うことができる。 これにより再生可能な触媒を排ガス流路内において酸化処理と還元処理を行うことができ、空燃比制御の一環として再生処理を行うことができる。

    還元処理における加熱温度は、白金酸化物が還元される温度であればよいが、200℃以上であることが好ましく、400〜1000℃の範囲とすることが好ましい。 この還元処理に要する時間は、還元処理温度等に応じて適宜選択され、温度が高ければ長時間必要となり、温度が高ければ短時間でよい傾向にある。 還元処理温度が300℃以上であれば、還元処理一工程あたりの時間は2秒〜5分程度である。 この加熱手段としても、触媒上における反応熱を利用することができるが、加熱手段によって触媒を加熱してもよい。

    本発明では再生可能な触媒は、内燃機関の排ガス流路に配置されているため、触媒性能の劣化に応じたリアルタイムで再生処理を行うことが可能となる。 例えば自動車の運転時間や走行距離に応じて定期的に行ってもよいし、この再生可能な触媒の下流にNOxセンサーやCOセンサーを設けて触媒性能を検出し、その値が基準値を超えた場合に行うことも好ましい。

    ところで、この再生の際、酸化処理において酸化雰囲気にあるため、NOxの還元浄化性能が低下するが、本発明の排ガス浄化装置においては、再生可能な触媒と共に、三元触媒又はNOx吸蔵還元触媒を設けているため、再生時においてもNOxの排出を防止することができる。

    図1に、本発明の排ガス浄化装置の好ましい一態様を示す。 この排ガス浄化装置は、内燃機関1からの排ガス流路上流側より、酸素供給手段2、再生可能な触媒3、及びNOx吸蔵還元触媒4を順に備えている。 再生可能な触媒3が劣化したと判断されたときは酸素供給手段2より酸素が供給され、再生可能な触媒3が再生されるが、この際、浄化されずに再生可能な触媒3から排出してきたNOxは、下流に配置されているNOx吸蔵還元触媒4により浄化される。 なお、排ガス中のHC、COは酸素供給時の酸化雰囲気においても再生可能な触媒3及びNOx吸蔵還元触媒4により浄化される。

    図2には、本発明の排ガス浄化装置の他の態様を示す。 この排ガス浄化装置は、内燃機関1からの排ガス流路上流側より、三元触媒5、酸素供給手段2、及び再生可能な触媒3を順に備えている。 再生可能な触媒3が劣化したと判断されたときは酸素供給手段2より酸素が供給され、再生可能な触媒3が再生されるが、再生可能な触媒3に流入する排ガスは上流側の三元触媒5によって還元浄化されており、従って再生可能な触媒3の再生時においてもNOxが排出されることはない。 また、排ガス中のHC、COは酸素供給時の酸化雰囲気においても再生可能な触媒3及び上流側の三元触媒5により浄化される。

    本発明の排ガス浄化装置における触媒再生制御ルーチンを図3に示す。 この再生制御では以下のようにして温度の積算によって酸素供給手段(AI)2を制御し、再生を行う。

    (1)再生可能な触媒3に温度センサーを装着し、酸素供給手段(AI)2を制御するECUにより前記温度センサーによって検知された各温度の積算時間を記録する。

    (2)あらかじめ用意された、温度の積算と再生可能な触媒3の劣化(白金の粒子径)のマップから、現在の再生可能な触媒3の白金粒子径を予測し、白金がシンタリングしたと判断されるときに(t0)、上記ECUから酸素供給手段(AI)2に空気導入の信号を送信する。

    (3)白金の再生(再分散)は500〜1000℃でおこり、この範囲外では十分な再生を行うことができない。 よって、上記(2)で空気導入の信号が送信された後、再生可能な触媒3の温度が500〜1000℃という、再生可能な温度範囲に達したとき、酸素供給手段(AI)2から空気を導入し、再生可能な触媒3を再生する。 一方、温度がこの範囲内にないときは空気導入を行わず、上記(1)にもどる。

    (4)上記(3)において酸素供給手段(AI)2により空気が導入される時間は、あらかじめ用意された温度と再生可能な触媒3の再生(白金の再分散)のマップから、再生可能な触媒3の再生度合いを予測し、十分再生されたと判断されるまで空気を導入する。 この際、触媒の温度が500〜1000℃の範囲からはずれた場合には、酸素供給手段(AI)2からの空気の導入を停止し、上記(1)にもどる。

    (5)上記(4)において触媒再生が終了したと判断された後、酸素供給手段(AI)2からの空気の導入を停止し、再び上記(1)からの制御を繰り返すことによって白金の再生を確実に行い、排ガス浄化性能を維持することができる。

    また、上記ルーチンにおいて、温度センサーに代えて酸素センサーを用い、触媒の酸素吸蔵能の劣化によって触媒の劣化を判定し、空気導入の信号を送信し、再生を行うことも可能である。

    実施例1
    白金を1wt%担持させたCeO 2 -ZrO 2系複合酸化物(モル比Ce/Zr=6/4)を、コーデェライト製ハニカム基材に120g/Lのコート密度でコートし、250℃で乾燥した。 乾燥後、600℃で1時間焼成し、再生可能な触媒を得た。 この触媒に950℃において、3%のCO/N 2を15L/minの流速で5時間流通させ、再生可能な触媒の耐久品を得た。 この耐久品のコート層の一部を採取し、特開2005−164391号公報に記載のCO化学吸着法により白金の平均粒子径をもとめたところ、9nmであった。

    一方、コーディエライト製ハニカム基材にアルミナを120g/Lの密度でコートし、得られたハニカム担体を、白金担持量が2g/Lとなるように調製した所定濃度のジニトロジアミン白金の水溶液に浸漬し、250℃で乾燥した。 その後、Ba担持量が0.3mol/Lとなるように調製した所定濃度の酢酸バリウム水溶液に前記白金担持担体を浸漬し、乾燥後、600℃で1時間焼成し、NOx吸蔵還元触媒を得た。

    3Lガソリンエンジンからの排気管に、図1に示す配置で空気弁、上記再生可能な触媒の耐久品、及び上記NOx吸蔵還元触媒を配置した。

    実施例2
    コーディエライト製ハニカム基材にアルミナを120g/Lの密度でコートし、得られたハニカム担体を、白金担持量が2g/Lとなるように調製した所定濃度のジニトロジアミン白金の水溶液に浸漬し、250℃で乾燥した。 乾燥後、600℃で1時間焼成し、三元触媒を得た。

    3Lガソリンエンジンからの排気管に、図2に示す配置で上記三元触媒、空気弁、及び上記再生可能な触媒の耐久品を配置した。

    比較例1
    NOx吸蔵還元触媒を配置せず、3Lガソリンエンジンからの排気管に、空気弁、及び上記再生可能な触媒の耐久品を順に配置した。

    比較例2
    空気弁を配置せず、3Lガソリンエンジンからの排気管に、上記再生可能な触媒の耐久品、及び上記NOx吸蔵還元触媒を配置した。

    触媒の再生試験 上記排ガス浄化装置において、再生可能な触媒の触媒床温度が700℃になるようにエンジンをストイキ近傍で5時間運転した。 この運転中、10分おきに空気弁から空気を2分間導入した。 この5時間の試験後、再生可能な触媒のコート層の一部を採取し、上記と同様にCO化学吸着法にて白金の平均粒子径をもとめた。 また、5時間運転中のNOx浄化率は、触媒を装着しない場合のNOx排出量と、触媒を装着した場合のNOx排出量を測定してもとめた。 なお、比較例2では、再生試験中に空気導入を行わなかった。 以上の結果を以下の表1に示す。

    この表に示すように、本発明の排ガス浄化装置では、NOx浄化率を低下させることなく触媒再生を行うことができる。

    本発明の排ガス浄化装置の1態様の構成を示す略図である。

    本発明の排ガス浄化装置の1態様の構成を示す略図である。

    本発明の排ガス浄化装置における触媒再生を制御するフローチャートである。

    符号の説明

    1 内燃機関 2 酸素供給手段 3 再生可能な触媒 4 NOx吸蔵還元触媒 5 三元触媒

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