熱源からの廃熱を機械的エネルギーに変換する有機ランキンサイクルおよびかかる有機ランキンサイクルを利用する圧縮機設備

申请号 JP2018530943 申请日 2016-08-18 公开(公告)号 JP2018529889A 公开(公告)日 2018-10-11
申请人 アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ; ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap; 发明人 エーマン ヘンリク;
摘要 圧縮ガスを収容した熱源(11)からの廃熱を機械的エネルギーに変換する有機ランキンサイクル(ORC)であって、有機ランキンサイクル(8)は、2相作動 流体 を収容した閉回路(14)を有し、閉回路(14)は、作動流体を閉回路内で、熱源(11)と熱的 接触 状態にある蒸発器(10)に通し、作動流体の熱的エネルギーを機械的エネルギーに変換するタービンのような膨張機(12)に通し、そして冷却要素(17)と熱的接触状態にある凝縮器(16)に通して連続的に循環させる液体ポンプ(15)を有する、有機ランキンサイクルにおいて、有機ランキンサイクル(8)は、膨張機(12)によって生じた機械的エネルギーを求める手段(21)および膨張機(12)に入っている作動流体の蒸気分率を調整する制御装置(22)を備え、制御装置(22)は、膨張機(12)によって生じる機械的エネルギーが最大であるように求めた機械的エネルギーに基づいて蒸気分率を調整することを特徴とする有機ランキンサイクル。 【選択図】図1
权利要求

圧縮ガスを収容した熱源(11)からの廃熱を機械的エネルギーに変換する有機ランキンサイクルであって、前記有機ランキンサイクル(8)は、2相作動流体を収容した閉回路(14)を有し、前記閉回路(14)は、前記作動流体を前記閉回路(14)内で、前記熱源(11)と熱的接触状態にある蒸発器(10)に通し、前記作動流体の熱的エネルギーを機械的エネルギーに変換するタービンのような膨張機(12)に通し、そして冷却要素(17)と熱的接触状態にある凝縮器(16)に通して連続的に循環させる液体ポンプ(15)を有する、有機ランキンサイクルにおいて、前記有機ランキンサイクル(8)は、前記膨張機(12)によって生じた機械的エネルギーを求める手段(21)および前記膨張機(12)に入っている前記作動流体の蒸気分率を調整する制御装置(22)を備え、前記制御装置(22)は、前記膨張機(12)によって生じる機械的エネルギーが最大であるように前記求めた機械的エネルギーに基づいて前記蒸気分率を調整する、有機ランキンサイクル。前記制御装置(22)は、前記液体ポンプ(15)を通る前記作動流体の流量を変化させることによってかつ/あるいは前記膨張機(12)を通る前記作動流体の流量を変化させることによって前記膨張機(12)に入っている前記作動流体の前記蒸気分率を調整する、請求項1記載の有機ランキンサイクル。前記制御装置(22)は、前記膨張機(12)に入っている前記作動流体の前記蒸気分率を連続した仕方で調整する、請求項1又は2記載の有機ランキンサイクル。前記制御装置(22)は、2つの制御アルゴリズムを繰り返し切り替えることによって前記膨張機(12)に入っている前記作動流体の前記蒸気分率を調整し、第1の制御アルゴリズムは、前記膨張機(12)によって生じる機械的エネルギーが局所最大値になるまで前記液体ポンプ(15)を通る前記作動流体の流量を変化させる処理から成り、第2の制御アルゴリズムは、前記膨張機(12)によって生じる機械的エネルギーが更に最適化された最大値になるまで前記膨張機(12)を通る前記作動流体の流量を変化させる処理から成る、請求項2又は3記載の有機ランキンサイクル。前記膨張機(12)を通る前記作動流体の流量の前記変化は、前記膨張機(12)のバイパスによって、前記膨張機(12)の速度を変化させることによって、滑り弁および/又は持上げ弁によって、前記膨張機(12)の押退け量を変化させることによってかつ/あるいは前記膨張機(12)の油注入量を変化させることによって実現される、請求項2〜4のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。前記液体ポンプ(15)を通る前記作動流体の流量の前記変化は、前記液体ポンプ(15)のバイパスによって、前記液体ポンプ(15)の速度を変化させることによって、前記液体ポンプ(15)の押退け量を変化させることによってあるいは前記液体ポンプ(15)のオンオフ頻度を変化させることによって実現される、請求項2〜5のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。前記膨張機(12)に入っている前記作動流体の前記蒸気分率は、10%〜99%質量分率である、請求項1〜6のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。前記膨張機(12)は、液体作動流体と気体作動流体の混合物を受け入れるのに適した形式のものである、請求項1〜7のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。前記膨張機(12)は、容量膨張機(12)であり又は前記膨張機(12)は、スクリュー膨張機(12)である、請求項1〜8のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。潤滑剤を含み又は潤滑剤として作用する作業流体が用いられる、請求項1〜9のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。沸点が90℃未満、好ましくは60℃未満である作動流体が用いられる、請求項1〜10のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル。ガスを圧縮する圧縮機要素(2)と、前記圧縮ガスを冷却する冷却器(6)とを含む圧縮機設備において、前記圧縮機設備(1)は、請求項1〜11のうち何れか一項に記載の有機ランキンサイクル(8)を含み、前記冷却器(6)は、熱交換器(9)内に組み込まれ、前記熱交換器(9)はまた、前記冷却器(6)と前記蒸発器(10)との間における熱伝達のために前記有機ランキンサイクル(8)の前記蒸発器(10)を組み込んでいる、圧縮機設備。前記圧縮機設備は、ガスを圧縮するために直列に連結された少なくとも2つの圧縮機要素(2′,2″)と、2つの圧縮機要素(2′,2″)相互間の中間冷却器(6′)としてか最終段圧縮機(2″)によって圧縮されたガスを冷却する後置冷却器(6″)かのいずれかとして作用する少なくとも2つの冷却器(6′,6″)とを含む多段圧縮機設備(1)であり、前記圧縮機設備(1)は、少なくとも1つの蒸発器(10)を備えた有機ランキンサイクル(8)を含み、各前記冷却器(6′,6″)は、熱交換器(9′,9″)内に組み込まれ、前記熱交換器(9′,9″)はまた、前記有機ランキンサイクル(8)の前記蒸発器(10)の少なくとも一部を組み込んでいる、請求項12記載の圧縮機設備。前記有機ランキンサイクル(8)の前記蒸発器(10)は、複数の蒸発器又は蒸発器部分(10′,10″)で構成され、各蒸発器又は蒸発器部分は、熱交換器(9′,9″)内の中間冷却器(2′)又は後置冷却器(2″)と一緒に組み込まれ、前記有機ランキンサイクル(8)の前記蒸発器又は蒸発器部分(10′,10″)は、前記有機ランキンサイクル回路(14)に互いに直列に又は並列に流体結合されている、請求項13記載の圧縮機設備。前記蒸発器又は蒸発器部分(10′,10″)は、互いに並列に連結され、前記手段は、前記液体ポンプ(15)から来た前記作動流体の流れを前記蒸発器又は蒸発器部分(10′,10″)を通る別々の流れに分割するために設けられている、請求項14記載の圧縮機設備。前記作動流体の前記流れを前記蒸発器又は蒸発器部分(10′,10″)上に分割する前記手段は、三方弁(24)又は絞りおよび/又は弁によって形成される、請求項15記載の圧縮機設備。前記1つの圧縮機要素(2)又は前記複数の圧縮機要素(2′,2″)は、オイルレス空気圧縮機要素である、請求項12〜16のうち何れか一項に記載の圧縮機設備。

说明书全文

本発明は、熱源からの廃熱を機械的エネルギーに変換する有機ランキンサイクル(Organic Rankine Cycle: ORC、以下「ORC」と称する)およびORCの圧縮廃熱を機械的エネルギーに変換するためにかかるORCを利用する圧縮機設備に関する。

WTP(Waste heat To Power:廃熱を電に)用のパワーサイクル、例えばORC、カリーナ(Kalina)サイクル、トリラテラルフラッシュ(Trilateral Flash)サイクルなどが良く知られている。

かかるパワーサイクルは、例えば圧縮機によって生じる廃熱を回収するとともにこのエネルギーを、例えば発電のために発電機を駆動するために用いることができる機械的エネルギーに変換するよう設計されている。

ORC(有機ランキンサイクル)の使用は、特に、圧縮機設備によって生じる圧縮ガスの熱のような比較的高い温度を持った状態で熱源の廃棄エネルギーを回収することが知られている。

かかる公知のORCは、2相作動流体を収容した閉ループ回路を有し、この回路は、作動流体を回路内で連続的に、熱源と熱的接触状態にある蒸発器に通して作動流体を蒸発させ、蒸発器内で生じたガス状作動流体に伝達される熱的エネルギーを有用な機械的エネルギーに変換するタービンのような膨張機に通し、そして最後に又は周囲空気のような冷却媒体と熱的接触状態にある凝縮器に通してガス状作動流体を作動流体に関する次の作動サイクルのために蒸発器に戻すことができる液体に変換するよう循環させる液体ポンプを更に有する。

圧縮機設備では、圧縮によって生じた高温ガスをORCの蒸発器に接触させることによってかかる高温ガスを冷却するためにORCを用いると同時に、ORCを用いて蒸発器で回収した熱を膨張機で有用なエネルギーに変換する。

圧縮機設備内の廃熱は、比較的高い温度、典型的には150℃以上の温度で利用できる。それと同時に、冷却は、高温圧縮ガスを極めて低いレベルに、典型的には蒸発器の入口のところの作動流体の温度よりも10℃未満高い温度まで減少させる必要がある。

作動流体、例えば冷却水および圧縮ガスの温度レベル相互間で動作するよう設計されたWTP用の公知のパワーサイクルは、かかるパワーサイクルが2つの選択肢の選択を必要とする点で性能上のジレンマに直面している。

パワーサイクルは、圧縮ガス中に存在する利用可能な廃熱の全てを使用するがパワーサイクル効率が極めて低いという難点があるか、あるいはパワーサイクルは、廃熱の一部しか利用せずしかも圧縮ガスを部分的にしか冷却しないが、効率が比較的高いかのいずれかである。後者の場合、圧縮ガスの正確な冷却を達成するためにパワーサイクル蒸発器の後に別個の空気冷却器を置くことが必要とされる。

公知のパワーサイクルは、熱源、例えば圧縮ガスに適しているということで採用されており、かかる公知のパワーサイクルは、圧縮ガスの温度が変化するという問題を呈し、このことは、利用可能な廃熱が経時的に変化するということを意味している。

第1の方式は、圧縮ガスを冷却剤、大抵は水で冷却し、次に冷却剤をパワーサイクルにより冷却し、そしてパワーサイクルにおける冷却を冷却水又は空気によって行うことである。この解決策は、大きな温度差の熱交換に起因して極めて大きな熱力学的損失を生じさせ、それによりシステム効率が極めて低くなる。

第2の方式は、漸変温度蒸発方式、例えばカリーナサイクルおよび超臨界ORCを用いて働く。また、作動流体として非共沸流体混合物又は配合物を用いて作動するORCは、漸変温度蒸発方式に起因した熱力学的損失を減少させる公知の方式である。この方式により、システムが技術的に複雑であり、かくして高価になる。

本発明の目的は、上述の欠点および他の欠点のうちの1つ又は2つ以上に対して解決策を提供することにある。

したがって、本発明は、圧縮ガスを収容した熱源からの廃熱を機械的エネルギーに変換するORCであって、ORCは、2相作動流体を収容した閉回路を有し、閉回路は、作動流体を閉回路内で、熱源と熱的接触状態にある蒸発器に通し、作動流体の熱的エネルギーを機械的エネルギーに変換するタービンのような膨張機に通し、そして冷却要素と熱的接触状態にある凝縮器に通して連続的に循環させる液体ポンプを有し、ORCは、膨張機によって生じた機械的エネルギーを求める手段および膨張機に入っている作動流体の蒸気分率を調整する制御装置を備え、制御装置は、膨張機によって生じる機械的エネルギーが最大であるように求めた機械的エネルギーに基づいて蒸気分率を調整することを特徴とするORCを提供することを目的としている。

蒸気分率を調整することによって、液体と膨張機に入っているガス状又は蒸気質作動流体の比が調整されることになる。

膨張機によって生じる機械的エネルギーをORC出力電力と見なすことができる。

本発明のかかるORCの利点は、圧縮ガス温度ばらつきに適合するよう膨張機の入口のところの可変蒸気分率を用い、その結果、従来型ORCおよびトリラテラルフラッシュサイクルと比較して高い効率を得ることができるようになっていることにある。

別の利点として、本発明のORCは、可変蒸発温度システム、例えばカリーナサイクル、超臨界ORCおよび非共沸流体配合物を利用したORCよりも複雑さが低くかつコスト安である。

圧縮ガスと熱的接触状態にある蒸発器内では、作動流体は、その沸点まで加熱され、その後作動流体を少なくとも部分的に蒸発させるということに注目することが重要である。

換言すると、蒸発のために用いられる熱まで予熱するために用いられる熱の比は、作動流体の蒸発部分だけで増大する。

液体作動流体と蒸発し又は蒸気質の又はガス状の作動流体の混合物が膨張機に入ることになる。

例えばポンプ容量を低下させることによって、蒸発器内で蒸発する液体作動流体の量を増大させることができ、すなわち、蒸発のためにより多くの熱が使用される。

これにより、熱を吸収する作動流体と熱を放出する圧縮ガスとの蒸発器内における平均温度差が減少するが、それと同時に、流体の物理的蒸発温度は、一定である。

これにより、作動流体と圧縮ガスとの温度差に関連していて上述したようにWTP用の公知のパワーサイクルが直面する性能上のジレンマが克服される。

好ましい実施形態によれば、制御装置は、液体ポンプを通る作動流体の流量を変化させることによってかつ/あるいは膨張機を通る作動流体の流量を変化させることによって膨張機に入っている作動流体の蒸気分率を調整する。

ポンプ又は膨張機を通る作動流体の流量を変化させることは、ポンプ又は膨張機の容量を変化させるということを意味する。

制御装置は、ポンプおよび/又は膨張機の容量を調整し、その結果として、膨張機によって生じる機械的エネルギーの関数として膨張機に入っている作動流体の蒸気分率を調整する。特に、制御装置は、この機械的エネルギーが最大になるようポンプおよび/又は膨張機の容量を調整する。

しかしながら、膨張機に入っている作動流体の蒸気分率を変化させる他の多くの調整方式を想到できることが明らかである。膨張機に入っている作動流体の蒸気フラクションを変化させることができる調整方式を係属中の本発明に利用することができる。

好ましくは、制御装置は、膨張機に入っている作動流体の蒸気分率を連続した仕方で調整する。

かかる調整により、膨張機に入っている作動流体の蒸気分率が可変であるということが許容される。

このことは、制御装置が変化する作動条件に応答して最適効率、すなわち最大WTP電力出力をあらゆる作動条件で達成することができるということを意味している。

本発明はまた、ガスを圧縮する圧縮機要素と、圧縮ガスを冷却する冷却器とを含む圧縮機設備において、圧縮機設備は、本発明のORCを含み、上記冷却器は、熱交換器内に組み込まれ、熱交換器はまた、冷却器と蒸発器との間における熱伝達のためにORCの蒸発器を組み込んでいることを特徴とする圧縮機設備に関する。

以下において、制限的な特徴のない実施例として、本発明の特徴を良好に示す意図で、添付の図面を参照して熱源からの廃熱を機械的エネルギーに変換する本発明のORCおよびかかるORCを利用する圧縮機設備の幾つかの好ましい実施形態について説明する。

本発明のORCシステムを利用する単段圧縮機設備を概略的に示す図である。

本発明の多段圧縮機設備を概略的に示す図である。

図2の多段圧縮機設備の一実施形態を示す図である。

図2の多段圧縮機設備の別の実施形態を示す図である。

図1に示されている圧縮機設備1は、入口3および出口4を備えていてガス流Qを圧縮するためにモータ5によって駆動される圧縮機要素2および圧縮ガスが圧縮ガスの消費者のネット7に供給される前に圧縮ガスを冷却する冷却器6を含む。

上述のガスは、例えば、空気又は窒素であるのが良い。しかしながら、本発明は、これには限定されない。

圧縮機設備1は、本発明のORC8を更に含み、上述の冷却器6は、熱交換器9内に組み込まれ、熱交換器9はまた、熱源11として用いられる圧縮ガスの廃熱を回収し、そしてこの廃熱をORC8の膨張機12、例えば図1の実施例に示されている発電機13を駆動するタービンによって有用な機械的エネルギーに変換するORC8の蒸発器10を組み込んでいる。

ORC8は、熱源11、すなわち圧縮ガスの温度よりも低い沸点を備えた2相有機作動流体を収容した閉回路14を有し、作動流体は、矢印Fで示されている方向で液体ポンプ15によって回路14内で連続的に循環する。

作動流体は、熱源11と熱的接触状態にある蒸発器10を通り、次に膨張機12を通り、そして次に最終的に凝縮器16を通って連続的に流れるようになっており、その後、回路14内での次のサイクルのためにポンプ15によって再び送り出される。

凝縮器16は、この実施例では、冷却回路18の冷却要素17と熱的接触状態にあり、この冷却回路18は、図1の実施例では、ポンプ20によって凝縮器16中を循環するようタンク19から取り出される低温水Wの供給源として示されている。

本発明によれば、ORC8は、膨張機12によって生じた機械的エネルギーを求める手段21を備えている。

これら手段21は、例えば、電力計又は電力センサであるのが良い。

ORC8は、膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率を調整することができる制御装置22を更に備えている。

本発明のORC8の通常の作動では、制御装置22は、機械的エネルギーが最大になるよう手段21によって求められた機械的エネルギーに基づいて上述の蒸気分率を調整する。

図1の実施例では、そして本発明の好ましい特徴によれば、制御装置22は、ポンプ15を通る作動流体の流量を変化させることによってかつ膨張機12を通る作動流体の流量を変化させることによって膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率を調整する。

また、当然のことながら、制御装置22は、膨張機12又はポンプ15だけを調整することが可能である。

しかしながら、この場合、制御装置22は、2つの制御アルゴリズムを繰り返し切り替えることによって膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率を調整する。

第1の制御アルゴリズムは、膨張機12によって生じる機械的エネルギーが局所最大値になるまで液体ポンプ15を通る作動流体の流量を変化させる処理から成る。

第2の制御アルゴリズムは、膨張機12によって生じる機械的エネルギーが更に最適化された最大値になるまで膨張機12を通る作動流体の流量を変化させる処理から成る。

制御装置22は、膨張機12又はポンプ15を通る作動流体の流量を変化させ、すなわち膨張機12又はポンプ15の容量を変化させ、それと同時に膨張機12によって生じた機械的エネルギーを求め、すなわち、ORC電力出力を求め、そして求めたORC電力出力が最大である膨張機12又はポンプ15の容量を選択する。

第1の制御アルゴリズム後、ORC電力出力は、ポンプ15の容量のみの関数として最適化される。このことは、ORC電力出力が局所最大値にあることを意味している。

第2の制御アルゴリズムを適用することによって、ORC電力出力は、膨張機12の容量の関数として最適化され、その結果、最適化された最大値に達することができるようになる。

再び第1の制御アルゴリズムに切り替えることによって、ORC電力出力は、ポンプ15の関数として再び最適化され、その結果、作動条件の変化を考慮に入れることができ、そして考慮に入れることになる。

作動条件のかかる変化は、冷却されるべき圧縮空気の温度の変化、圧縮空気の流量の変化、周囲温度の変化、冷却水流量の変化、冷却水温度の変化又は熱交換器効率の変化である。

かかる調整を適用することによって、制御装置22は、膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率を連続した仕方で調整し、その結果、作動条件の変化に容易に働きかけることができるようになっている。

このように、最大ORC電力出力を全ての作動条件下において保証することができる。

膨張機12を通る作動流体の流量を変化させるため、幾つかのオプションが採用可能である。

膨張機12の容量を、この実施例のように膨張機12の速度を変化させることによって、あるいは膨張機12のバイパスによって、膨張機12の速度を変化させることによって、滑り弁および/又は持上げ弁によって、膨張機12の押退け量を変化させることによってもしくは膨張機12の油注入量を変化させることによって変化させることができる。

また、ポンプ15を通る作動流量の流量を変化させるため、幾つかのオプションが採用可能である。

ポンプ15の容量を、この実施例の場合のようにポンプ15の容量の速度を変化させることよってあるいは液体ポンプ15のバイパスによって、液体ポンプ15の速度を変化させることによって、液体ポンプ15の押退け量を変化させることによってもしくは液体ポンプ15のオンオフ頻度を変化させることによって変化させることができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率は、10%〜99%質量分率である。また、当然のことながら、膨張機12に入っている作動流体の蒸気分率を互いに異なる限度相互間、例えば20%〜95%質量分率又は40%〜90%質量分率に維持することが可能である。

膨張機12は、2相流体供給物、すなわち液体作動流体と気体作動流体の混合物の膨張によって機械的エネルギーを発生させることができる任意形式の膨張機12であって良い。好ましくは、液体作動流体と気体作動流体の混合物を受け入れることができるスクリュー膨張機12のような容量形膨張機12又は機械的シリンダなどが利用される。

圧縮機要素2もまた、任意形式のものであって良く、特にオイルレス空気圧縮機要素2である。

また、凝縮器16の冷却は、図1の実施例の場合とは異なる仕方で、例えば、周囲空気をファンなどによって凝縮器16上に吹き付けることによって実現できることは明らかである。

好ましくは、利用可能な熱源11の温度、すなわち、冷却されるべき冷却ガスの温度に応じて、沸点が90℃未満又はそれどころか60℃未満の作動流体が用いられる。

適当な有機作動流体の一例は、1,1,1,3,3‐ペンタフルオロプロパンである。作動流体をORC8の可動部分の少なくとも一部の潤滑に適した潤滑剤と混合するのが良い。変形例として、作動流体それ自体が潤滑剤として働いても良く、このことは、減摩性を有する作動を意味している。

図2には、本発明の多段圧縮機設備1が示されており、この場合、この多段圧縮機設備1は、2つの圧縮機要素、すなわち、それぞれ第1段(初段)圧縮機要素2′および最終段圧縮機要素2″を備え、圧縮機要素2′,2″は、単一のモータ5によって歯車箱23を介して駆動され、これら圧縮機要素2′,2″は、2つのインクレメンタル圧力段内でガスを圧縮するために互いに直列に連結されている。

圧縮機要素2′,2″は、任意形式のものであって良く、特にオイルレス空気圧縮機要素である。

設備1は、第1段圧縮機要素2′によって圧縮されたガスが次の圧縮機要素2″に供給される前にかかる圧縮ガスを冷却する中間冷却器6′および最終段圧縮機要素2″によって圧縮されたガスがネット7に供給される前にかかる圧縮ガスを冷却する後置冷却器6″を備えている。

上述の冷却器6′,6″の各々は、熱交換器9′,9″に組み込まれており、熱交換器9′,9″はまた、ORC8の蒸発器10の一部を組み込んでいる。

図示の実施形態では、ORCは、回路14内で直列に互いに連結された2つの蒸発器10′,10″を有し、ただし、一部10′が中間冷却器6′と熱的接触状態にあり、別の一部10″が後置冷却器6″と熱的接触状態にあるたった1つの蒸発器10を有することが排除されるわけではない。

また、この場合、制御装置22は、図1と同様な方法に従って調整されることになる。

この場合、図1の単段圧縮機要素の場合と同じ利点が得られる。

図3は、蒸発器10′,10″が直列ではなく並列に互いに連結されている点で図4の実施形態とは異なるが、依然として同一の利点を奏する本発明の多段圧縮機設備1の別の実施例を記載している。

図4は、ポンプ15から来た作動流体の流れを蒸発器10′,10″を通る2つの適当な別々の流れに分割するために三方弁24を更に有する図3の設備1の変形例を示している。

三方弁24を用いる代わりに、1つ又は2つの絞り又は絞りと弁の組み合わせを蒸発器10′,10″を互いに連結する並列回路の枝部に使用することができる。

本発明は、形態的に例示として説明し又は図示した実施形態には何ら限定されず、熱源からの廃熱を機械的エネルギーに変換する本発明のかかるORCおよびかかるORCを利用する圧縮機設備の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の形態で実現できる。

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