高温熱伝達用途において用いるための安定化HFO及びHCFO組成物

申请号 JP2014051339 申请日 2014-03-14 公开(公告)号 JP2014211157A 公开(公告)日 2014-11-13
申请人 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド; Honeywell Internatl Inc; 发明人 GARY ZYHOWSKI; THOMAS RAYMOND H; ALAN P COHEN;
摘要 【課題】高い 温度 において、有害な分解生成物を生成することなく、又は他の形態でシステム及び/又は環境に影響を与えることなく用いることができる有機ランキンサイクル作動 流体 組成物を提供する。【解決手段】HFO作動流体は、式:CxFyHz(式中、y+z=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数である)によって表され;HCFO作動流体は、式:CxFyHzCln(式中、y+z+n=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数であであり、nは1又は2である)によって表されるヒドロフルオロオレフィン(HFO)及び/又はヒドロクロロフロオロオレフィン(HCFO)作動流体であり、元素状酸素と反応してそれを循環している作動流体から永久的に除去することができる少なくとも1種類の酸素除去成分;を含む有機ランキンサイクルシステム。【選択図】なし
权利要求
  • (a)式(I):
    (式中、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、C 〜C アルキル、C 〜C フルオロアルキル、C 〜C 15アリール、C 〜C 15フルオロアリール、C 〜C 12シクロアルキル、C 〜C 12フルオロシクロアルキル、C 〜C 15アルキルアリール、及びC 〜C 15フルオロアルキルアリールからなる群から選択され、化合物は少なくとも1つのF原子を含む)
    の構造を有し;
    HFO作動流体は、式:C (式中、y+z=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数である)によって表され;
    HCFO作動流体は、式:C Cl (式中、y+z+n=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数であであり、nは1又は2である)によって表されるヒドロフルオロオレフィン(HFO)及び/又はヒドロクロロフロオロオレフィン(HCFO)作動流体;
    (b)作動流体を気化させるための熱源;
    (c)気化した作動流体を凝縮させるための冷却源;及び (d)元素状酸素と反応してそれを循環している作動流体から永久的に除去することができ、易酸化性金属、易酸化性金属塩、易酸化性金属酸化物、有機酸化防止剤、α−メチルスチレン、トコフェロール、ヒドロキノン、イソプレン、ゲラニオール、ミルセン、及びこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択され、易酸化性金属は、銅、鉄、ニッケル、マンガン、モリブデン、コバルト、バナジウム、クロム、亜鉛、及びこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の酸素除去成分;
    を含む有機ランキンサイクルシステム。
  • HFO及びHCFO作動流体が、HFO−1234ze(E)、HFO−1234ze(Z)、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234yf、及びこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  • (a)熱源を用いて請求項1又は2に記載の作動流体を気化させて、気化した流体を形成し;
    (b)気化した流体を膨張させ、次に冷却源を用いて冷却して蒸気を凝縮させて、凝縮した作動流体を形成し;そして (c)凝縮した作動流体をポンプ移送する;
    ことを含む、ランキンサイクルにおいて熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法。
  • 说明书全文

    本出願は、2013年3月15日出願の米国仮出願61/792,115(その全ての開示事項を参照として本明細書中に包含する)の35USC§119(e)に基づく優先権の利益を主張する。

    本発明は、概して、幾つかの非限定的な形態においては、安定化及び/又は除去基材を用いて酸素の利用可能性並びに塩化物及びフッ化物イオンの生成を管理することによって、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)及びヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)を作動流体として作用させることができる温度を上昇させることに関する。

    ヒドロフルオロカーボンは、冷却、空調、ヒートポンプ、有機ランキンサイクル、並びにヒートパイプ又は熱サイフォンを用いるものなどの他の熱伝達用途などの数多くの用途(以下、「熱用途」と呼ぶ)におけるそれらの安定性に関して周知である。 HFCの熱的及び化学的安定性によって、これらの用途におけるそれらの使用が促進された。 この代表例は、高い仕事出及び高い熱効率が達成されるように高いソース温度に対処することが通常は望まれている有機ランキンサイクルにおける使用である。 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンのようなHFCは、この点に関して成功裏に用いられている。

    しかしながら、HFCの安定性及び反応性が比較的欠如していることは、数多くの関係者が許容できない高い地球温暖化係数として現在みなしているものの一因である。 上記で言及した熱用途は、食品の保存、快適さ及び健康、エネルギー効率、熱管理、及び工業のために価値があるので、HFCに対する好適な代替物が探し求められている。

    HFO及びHCFOはより低い地球温暖化性の物質であるが、それらの性質によって、かかる用途において用いられているより高い地球温暖化性のヒドロフルオロカーボン(HFC)ほどは安定でない。 HFO及びHCFOに関する炭素−炭素二重結合は、これらの化合物に対してHFCよりも大きな化学反応に関するポテンシャルを与えるとみなされている。 特にHCFOに関しては、炭素−塩素結合の存在は、HFCと比較して減少した安定性をもたらす可能性がある1つの構造的特徴である。 また、これはHFOにおいては見られない脆弱性も示す。 このように、HCFOは、幾つかの使用条件下において分解して塩化物及びフッ化物イオンの両方を解離する可能性がある。 一般に、二重結合、及び炭素−フッ素結合と比べてより低い炭素−塩素結合の結合エネルギーの両方によって、HCFOは殆どのHFCよりも反応に対してより脆弱になっている。

    重要なことには、HFO及びHCFOの分解の開始はHFCに関するよりも低い温度で起こり、分解速度は通常は与えられた温度においてHFCのものを超える。 HFCが分解の大きな危険性なく使用されている昇温温度の用途においては、低地球温暖化性のHFO及びHCFOは非実用的なほど短い作動流体の寿命を有する可能性がある。

    高温用途のためのHFO及び/又はHCFOに対する数多くの代替物は、炭化素、アルコール、及びケトンのような可燃性の流体である。 火災又は爆発をもたらすことは許容できないので、安全性の理由から可燃性の流体を用いることはしばしば望ましくない。

    したがって、かかる高い温度において、有害な分解生成物を生成することなく、又は他の形態でシステム及び/又は環境に影響を与えることなく用いることができる作動流体組成物に対する必要性が当該技術において存在する。

    幾つかの非限定的な形態においては、本発明は、少なくとも1種類のHFO及び/又はHCFO化合物;及び少なくとも1種類の酸素除去基材又は安定剤;を含む、高温熱伝達組成物又は有機ランキンサイクル作動流体のような安定化熱伝達組成物に関する。

    幾つかの形態においては、少なくとも1種類のHFO及び/又はHCFO化合物は、式(I):

    (式中、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、及びC 〜C アルキル、少なくともC のアリール、特にC 〜C 15アリール、少なくともC のシクロアルキル、特にC 〜C 12シクロアルキル、並びにC 〜C 15アルキルアリールからなる群から選択される)
    の構造を有する化合物を含む。 幾つかの態様においては、かかる化合物は少なくとも1つのFで置換されており、他の態様においては、化合物は少なくとも1つのF及び少なくとも1つのClで置換されている。

    幾つかの態様においては、少なくとも1種類のHFO化合物は、式:C (式中、y+z=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数である)によって表される。 幾つかの形態においては、xは3〜12であり、yは1〜23である。 他の態様においては、少なくとも1種類のHCFO化合物は、式:C Cl (式中、y+z+n=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数であであり、nは1又は2である)によって表される。 幾つかの形態においては、xは3〜12であり、yは1〜23である。 更なる態様においては、少なくとも1種類のHFO及び/又はHCFO化合物は、HFO−1234ze(E)、HFO−1234ze(Z)、HCFO−1233zd(E)、HCFO−1233zd(Z)、HFO−1234yf、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

    少なくとも1種類の酸素除去基材又は安定剤としては、元素状酸素を除去して、本発明におけるHCFO及び/又はHFOの熱的及び化学的安定性限界を測定できる程度に向上させるように適合している任意の材料又は化合物が挙げられる。 幾つかの形態においては、かかる基材はHCFO及び/又はHFOの熱安定性を向上させ、更なる好ましい態様においては、かかる安定剤はHCFO及び/又はHFOを、有機ランキンサイクルなど(しかしながらこれに限定されない)の高温条件において作動流体として安定にする。

    幾つかの態様においては、少なくとも1種類の酸素除去基材は、元素状酸素と反応して循環している作動流体からそれを永久的に除去することができる酸素除去吸着剤又は収着剤を含む。 幾つかの態様においては、酸素除去吸着剤又は収着剤は、易酸化性金属、金属塩、又は金属酸化物を含む。 かかる易酸化性金属は、銅、鉄、ニッケル、マンガン、モリブデン、コバルト、バナジウム、クロム、亜鉛、及びこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択することができる。 更なる態様においては、酸素除去吸着剤又は収着剤は有機酸化防止剤を含む。 更なる態様においては、酸素除去吸着剤又は収着剤は、α−メチルスチレン、トコフェロール、ヒドロキノン、イソプレン、ゲラニオール、ミルセン、及びこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される液体酸素除去材料を含む。 かかる安定剤の更なる態様は本明細書において与えられており、当業者には容易に明らかになるであろう。

    酸素除去基材は、単独で与えることができ、又は幾つかの態様においては1種類以上の担体物質又は媒体と共に与えることができる。
    かかる組成物は、驚くべきことに且つ予期しなかったことに、高温熱伝達用途のための化学的及び熱的安定性を有する低GWP組成物を提供することが本発明において示される。 本発明の組成物は、作動流体を気化させて得られる蒸気を膨張させるか、又は作動流体を気化させて作動流体の加圧蒸気を形成することによって熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法において用いることができる。 更なる態様は、二次ループを有するバイナリー動力サイクル及びランキンサイクルシステムに関する。 しかしながら、本発明の組成物はかかる用途に限定されず、媒体及び高温ヒートポンプシステムなどの任意の高温熱伝達システムにおいて用いることができる。

    更なる態様及び有利性は、特に本明細書に与える更なる開示を考慮すれば当業者に容易に明らかになるであろう。
    本発明の理解を促進するために、以下の非限定的な定義を与える。

    「低GWP」という用語は、二酸化炭素に対して500未満のGWPを有する流体を指す。 好ましくは、これらは400未満のGWP値を有する流体である。 より好ましくは、これらは200以下のGWPを有する。

    「流体」という用語は、熱システム及び熱用途において用いられる冷媒、作動流体、熱伝達流体を指す。
    「熱用途」という用語は、冷却、空調、ヒートポンプ、並びに顕熱伝達及び相変化熱伝達など(しかしながらこれらに限定されない)の熱伝達用途に関する。

    「熱システム」という用語は、冷却、空調、ヒートポンプ、有機ランキンサイクル、及び顕熱伝達(ブライン適用)、並びに相変化熱伝達(特にヒートパイプ及び熱サイフォン)のプロセスがその中で行われる装置を包含することができる。

    「安定剤」という用語は、抑制剤、安定剤、及び/又はスキャベンジャーを指す。 かかる安定剤は、特に50℃以上の温度において、安定化化合物の化学的及び/又は熱的分解、及び/又は安定化化合物の重合を軽減する。

    「有効量」という用語は、少なくとも1種類のヒドロフルオロオレフィン及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィンを含む組成物に加えるか又はそれと接触させた際に、熱システム又はそれらの部品を腐食させる可能性があるか、或いは熱用途において用いた際に同様の条件下で安定剤を用いない組成物と比べて性能に対して他の形態で悪影響を与える可能性がある望ましくない副生成物を生成させるHFO及び/又はHCFOの分解を最小にするか又は排除する組成物を与える本発明の安定剤又はスキャベンジャーの量を指す。 而して、少なくとも1種類のヒドロフルオロオレフィン及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィンを含む組成物は、従来同様のシステムにおいて用いられているR−134a、R−245fa、又はR−365mfcのようなHFCに匹敵する実用レベルの有用性及び寿命を有して機能させることができる。

    低GWP化合物の使用条件及び/又は貯蔵条件に関する「高温」という用語は、少なくとも50℃を意味する。

    本発明の幾つかの形態は、有機ランキンサイクル、ヒートポンプ、高環境空調、及びヒートパイプ/熱サイフォンを用いる他の熱伝達プロセス、並びに顕熱伝達流体(ブライン)など(しかしながらこれらに限定されない)の高温熱用途において、HFO及び/又はHCFOの有用な運転温度範囲及び/又は流体の寿命を拡大することに関する。 蒸発器、予熱器、過熱器、又は凝縮器のようなシステムの1つ又は複数のセクションが高温に曝される用途においてしばしば用いられる熱伝達流体は、かかる1つ又は複数の部品内における滞留時間によって影響を受ける可能性がある。 分解反応に関する開始温度以上になると、滞留時間及び温度は組み合わさって分解を促進し、その結果、流体の寿命を早める。 考えられる反応としては、中でも酸化、加水分解、及び熱分解が挙げられる。

    与えられたシステムにおいて起こる特定の反応は、時間、温度のようなパラメーター、及び空気、水、金属、又は化学的に不適合性の種、例えばOHラジカルの発生をもたらす可能性がある望ましくない汚染物質が存在するか否かによって定まる。 しかしながら、特定の分解生成物は条件によって変化する可能性がある。 分解生成物としては、起こる1種類又は複数の特定の反応にしたがって、塩化物及びフッ化物イオン、並びに有機酸(フッ素化種を含む)、或いはHFO及びHCFO構造の他の残留物を挙げることができる。 ヒドロフルオロオレフィン及びヒドロクロロフルオロオレフィンに関する1つの物質分解機構は、それと酸素及びOHラジカルとの反応である。 酸素の存在が原因で生じる反応によって、副生成物の有機酸が生成する可能性がある。 時間が増加すると、分解生成物は熱システム内で濃度を増加させると予測することができる。 金属の腐食は、遊離イオンと金属構造体との反応によって引き起こされる可能性がある。 腐食によって流体からイオンが除去されるが、この作用それ自体が望ましくない。 水の存在は、システム中の金属の腐食を激化させる可能性がある。

    ここで、本発明の一形態においては、驚くべきことに且つ予期しなかったことに、システムから少なくとも酸素及びOHラジカルを除去することによってシステムの寿命を延ばすことができることが見出された。 本発明を必ずしも限定しないが、特に作動流体からの酸素及びOHラジカルの除去を助ける種々の態様を本明細書において与える。 かかる流体は、冷却、空調、ヒートポンプ、有機ランキンサイクル、顕熱伝達、並びにヒートパイプ及び熱サイフォンを用いるもののような相変化熱伝達用途など(しかしながらこれらに限定されない)の高温熱伝達用途において用いることができる。 この目的のために、本発明の組成物、方法、及びシステムは、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、幾つかの態様においては低GWPのヒドロフルオロオレフィン(HFO)及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)など(しかしながらこれらに限定されない)の化合物の化学的安定性を維持することに関する。

    幾つかの形態においては、低GWPのHFO及びHCFOなどの本発明のHFO及びHCFOは、式(I):

    (式中、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、C 〜C アルキル、C 〜C フルオロアルキル、少なくともC のアリール(好ましくはC 〜C 15アリール)、C 〜C 15フルオロアリール、少なくともC のシクロアルキル(好ましくはC 〜C 12シクロアルキル)、少なくともC のフルオロシクロアルキル、C 〜C 12フルオロシクロアルキル、C 〜C 15アルキルアリール、及びC 〜C 15フルオロアルキルアリールからなる群から選択され、場合によって少なくとも1つのF、Cl、又はBrで置換されている)
    の構造を有する化合物を含んでいてよく、ここで式(I)の化合物は、少なくとも1つのF原子、及び場合によっては(しかしながら好ましくは幾つかの態様においては)少なくとも1つのCl原子を含む。

    好適なアルキル基としては、メチル、エチル、及びプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。 好適なアリールとしてはフェニルが挙げられるが、これに限定されない。 好適なアルキルアリール基としては、メチル−、エチル−、又はプロピル−置換フェニル;ベンジル;メチル−、エチル−、又はプロピル−置換ベンジル;及びフェネチルが挙げられるが、これらに限定されない。 好適なシクロアルキル基としては、メチル−、エチル−、又はプロピル−置換シクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。 通常のアルキル基は、アリール環のオルト、パラ、又はメタ位置に結合していてよく、C 〜C アルキル鎖を有していてよい。 式(I)の化合物は、好ましくは線状化合物であるが、分岐化合物は排除されない。

    幾つかの形態においては、この化合物は少なくとも1つのフッ素原子を含み、式:C (式中、y+z=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数である)によって表すことができる。 特に、xは3〜12であり、yは1〜23である。

    更なる形態においては、この化合物は少なくとも1つの塩素原子及び少なくとも1つのフッ素原子を含み、式:C Cl (式中、y+z+n=2xであり、xは少なくとも3であり、yは少なくとも1であり、zは0又は正の数であであり、nは1又は2である)によって表すことができる。 特に、xは3〜12であり、yは1〜23である。

    例えば、幾つかの態様においては、この化合物は、C (例えば、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze−E及びZ異性体の両方)又は2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf))の群からのものである。 更なる形態においては、この化合物は、C Cl(例えば、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd−E及びZ異性体の両方)及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf))の群からのものであってよい。 更なる態様においては、この化合物は、C HCl (例えば、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233za)又は1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xd−E及びZ異性体の両方)の群からのものであってよい。幾つかの態様においては、この化合物は1233zd(Z)から実質的に構成される。幾つかの他の態様においては、この化合物は1233zd(E)から実質的に構成される。更なる態様においては、この化合物は1234ze(E)から実質的に構成される。更なる別の態様においては、この化合物は1234ze(Z)から実質的に構成される。更なる別の態様においては、この化合物は1234yfから実質的に構成される。

    かかるHFO及びHCFOは、単独か又は互いと組み合わせて一緒に用いることができる。 幾つかの好ましい態様においては、この化合物は、1234ze、幾つかの形態においては1234ze(E)を、1234yfとのブレンドで含む。 1234ze及び1234yfの量は、本出願の教示にしたがって実施されるブレンドを形成する任意の量であってよいが、幾つかの非限定的な態様においては、1234yfは約0重量%より多く約40重量%までの量で、そして1234zeは100重量%未満で約60重量%までの量で与える。 更なる非限定的な態様においては、1234yfは、約0重量%より多く約30重量%まで;約5重量%〜約30重量%;又は約10重量%〜約30重量%の量で;そして1234zeは、100重量%未満で約70重量%まで;約95重量%〜約70重量%;又は約90重量%〜約70重量%の量で与える。

    低い地球温暖化係数(GWP)、特に150未満のGWP、及び0又は0付近のオゾン層破壊係数(ODP)を示すHFO及びHCFOの具体的であるが非限定的な例としては、1234zeのE及びZ異性体(CF CH=CHF)、1234yf(CF CF=CH )、1234zf(CF CH=CH )、1233zdのE及びZ異性体(CF CH=CHCl)、1233xf(CF CCl=CH )、及び1223zaの異性体(CF CH=Cl )、並びに1233xdのE及びZ異性体(CF Cl=CHCl)が挙げられるが、これらに限定されない。

    かかる化合物の1つ又は任意の組み合わせは、少なくとも1種類の有効量の安定剤と共に与えることができる。 安定剤は、本発明においてHCFO及び/又はHFOの熱的及び化学的安定性限界を測定できる程度に向上させる任意の化合物又は薬剤であってよい。 幾つかの形態においては、かかる安定剤はHCFO及び/又はHFOの熱的安定性を向上させ、更なる好ましい態様においては、かかる安定剤は、HCFO及び/又はHFOを、有機ランキンサイクルにおけるような高温条件において作動流体として安定にする。

    1つの代表的な態様においては、安定剤としては、元素状酸素と反応してそれを循環している作動流体から永久的に除去することができる酸素除去収着剤(吸着剤及び収着剤を含む)、好ましくは固体材料が挙げられる。 幾つかの形態においては、安定剤としては、金属、金属塩、又は金属酸化物の1つ又は組み合わせが挙げられ、これは単独で(例えば固体、又は例えば微粉砕粉末として)用いることができ、或いは幾つかの形態においては、下記に議論するように担体基材又は媒体上で与えることができる。 かかる材料としては、銅、鉄、ニッケル、マンガン、モリブデン、コバルト、バナジウム、クロム、亜鉛、及び酸化物として存在することができる他の金属のような易酸化性金属(又はその塩)が挙げられるが、これらに限定されない。 これらとしては、0の酸化状態、又は更に酸化することができる任意のより高い酸化状態の金属が挙げられる。 元素状酸素と反応させることができる他の材料としては、第一鉄系材料(例えば炭酸第一鉄)、亜硫酸塩、又はピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)の塩が挙げられる。

    他の態様においては、酸素除去収着剤は、有機酸化防止剤の粉末、ペレット、又はビーズである。 かかる酸化防止剤の非限定的な例としては、ビタミンC及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。 更なる態様においては、安定剤は、α−メチルスチレン、トコフェロール又はヒドロキノンのようなフェノール類、又はイソプレン、ゲラニオール、若しくはミルセンのようなテルペン類のような液体酸素除去材料であり、或いはこれらの混合物を用いることもできる。

    幾つかの好ましい態様においては、吸着剤又は収着剤材料は、流体から酸素を有効に除去し、それを熱システムに対して有害でない副生成物又は材料と置き換える。 例えば、収着剤が鉄である場合は、副生成物は酸化第二鉄である。 収着剤として炭酸第一鉄を用いる場合には、二酸化炭素が副生成物である可能性がある。 同様に、チオール、チオエーテル、ホスファイト、テルペン、テルペノイド、有機ホスフェート、ラクトン、オキセタン、アルキルアリールエーテル、ニトロメタン、トリアゾール、及びエポキシドのような他の安定剤、スキャベンジャー、及び抑制剤を含ませることができる。

    他の態様においては、酸性度及び/又は湿分を除去する目的のために、上記の安定剤の1以上を、シリカゲル、モレキュラーシーブ、デシカントなどのような他の除去媒体と共に用いることができる。

    作動流体内又はシステムに与える安定剤の量は、HFO及び/又はHCFOの化学的及び熱的安定性を向上させて商業的に許容できるレベルで作用させることができるようにする任意の量であってよい。 この目的のために、1種類以上の安定剤の量は、HFO及び/又はHCFO作動流体を、高温熱伝達システム、特に(排他的ではないが)有機ランキンサイクル、ヒートポンプ、高環境空調、並びに、ヒートパイプ/熱サイフォン、及び顕熱伝達流体(ブライン)を用いる他の熱伝達プロセスにおいて用いることができるような任意の量であってよい。 幾つかの非限定的な形態においては、安定剤、特に可溶性の安定剤は、作動流体又は組成物の約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは作動流体又は組成物の約0.01重量%〜約5重量%、更により好ましくは作動流体又は組成物の約0.3重量%〜約4重量%、更により好ましくは作動流体又は組成物の約0.3重量%〜約1重量%を構成してよく、ここでかかる量は本明細書に記載する少なくとも1種類のヒドロフルオロオレフィン及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィンを含む組成物の全重量を基準とするものである。

    幾つかの形態においては安定剤は作動流体と共に溶液中で与えることができ、他の態様においてはそれは装置と共に与えることができ、ここで安定剤は装置に留めるか、或いは最終的には作動流体中に可溶にする(又は徐々に可溶化する)ことができる。 酸素除去収着剤を含む装置は種々の形態をとることができ、種々の担体基材又は媒体上に与えることができ、このそれぞれの形態によって収着剤を流体と接触させ、化学吸着によって酸素を除去することが可能になる。

    好適な担体基材/媒体の非限定的な例としては、ゼオライト、膜などが挙げられる。 幾つかの態様は、本明細書に記載する少なくとも1種類のヒドロフルオロオレフィン及び/又はヒドロクロロフルオロオレフィンを含む組成物の全重量を基準として約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、更により好ましくは0.3重量%〜約4重量%、更により好ましくは約0.3重量%〜約1重量%など(しかしながらこれらに限定されない)の有効量が達成されるように流体可溶性の安定剤で予め処理した担体基材を用いる方法を包含する。

    幾つかの別の態様においては、金属、金属塩、又は金属酸化物を、ゼオライト、膜、又はアルミナのような他の担体基材と混合する。 金属、金属塩、又は金属酸化物は、約1重量%〜約60重量%、幾つかの態様においては約5重量%〜約55重量%の量で担体に与えることができる。 担体がゼオライトである場合のような幾つかの態様においては、この範囲は、約5重量%〜約30重量%の範囲、更なる態様においては約10重量%〜約20重量%の範囲で与えることができる。 担体がアルミナである態様においては、金属、金属塩、又は金属酸化物のより高い装填量を与えることができる。 幾つかの非限定的な態様においては、金属は、約10〜約60重量%の量、更なる態様においては約20〜約50重量%の量で与えることができる。

    他の態様においては、酸素除去収着剤は、熱システムのシステム構成部品の上に施したカラー、リング、又は被覆として施す。 このようにすることにより、流体はその通常の循環中に酸素除去収着剤と接触し、それによって循環流体中の酸素が酸素除去収着剤と反応して、これによって熱システム内の循環から永久的に除去される。 他の態様においては、酸素除去収着剤は、収着剤、及びその中に収着剤が分散される少なくともマトリクス又は基材材料を含む、ビーズ、ペレット、又は顆粒、好ましくはビーズの形態である。

    一態様においては、収着剤はバッグである。 収着剤又は収着剤のバッグは、通常の冷却、空調、又はヒートポンプシステムにおいて見ることができるようなデシカントを含む同じ容器内に配置することができる。 バッグは、冷媒システムの冷媒液ラインにおける受容器−ドライヤー容器内、又は冷媒吸込ラインにおけるアキュムレーター−ドライヤー容器内に配置することができる。 或いは、酸素除去収着剤は別の容器内に配置することができる。 収着剤と酸素との反応は高温においてより速く進行するので、理想的な位置は、液体ライン又は吸込ラインのいずれかより高い温度の圧縮器排出ラインであってよい。 酸素除去収着剤はまた、収着剤を露出させ、収着剤を流体と接触させるように配置されているチューブ、カラム、バッグ、又は他の容器を満たすビーズ、ペレット、又は顆粒の形態であってもよい。

    他の代表的な態様においては、装置は、流体、酸素、及びOHラジカルに対して透過性であるが、酸素除去収着剤自体に対しては非透過性である材料で形成されているバッグ、サック、又はカプセル内に含まれている酸素除去収着剤を含む。 例えば、バッグ又はサックは、α−メチルスチレン、イソプレン、フェノール類、又はこれらの混合物のような液体吸着剤を用いる場合などにおいては、熱機械的に膨張させたポリテトラフルオロエチレン膜で形成することができる。 或いは、酸素除去収着剤は、乾燥状態では酸素に対して非透過性であるが、流体及び/又は存在する場合には潤滑油に曝されると溶解する材料で形成されるバッグ、サック、又はカプセル内に収容されているビーズ、ペレット、又は他の固体形態であってよい。 更にこの目的のためには、収着剤は、乾燥状態では酸素に対して非透過性の状態で保持されるが、鉱油、アルキルベンゼン、(ポリ)α−オレフィン、ポリオールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリビニルエーテル、及びこれらの混合物のような流体及び/又は潤滑剤に曝されると溶解する材料で封入又は被覆したビーズ、ペレット、又は他の固体形態であってよい。

    他の態様においては、酸素除去収着剤は、チューブ又は他のシステム部品に施された被覆の形態であってよい。 収着剤は、次に、それが流体及び/又は潤滑油に曝されるまでは酸素に対して非透過性の状態で保持され、それが溶解する時点で収着剤を露出する材料で封入又は上塗りする。 酸素除去収着剤は、他の代表的な態様においては内部穿刺メカニズムを含む、金属箔又は酸素非透過性ポリマーで構成されているバッグ、サック、カプセル、又は他の容器内に収容する。 容器は使用前は安定な状態で保持されるが、熱システムが加圧されるようになると、内部穿刺メカニズムが圧縮によってバッグを穿刺して収着剤を放出する。

    他の態様においては、基材として作用する活性アルミナ上に含侵させるか又はそれと共に団塊状にすることによって、金属の形態の酸素除去収着剤を装填する。 公知の技術によれば、金属は、金属酸化物、又は金属の酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、或いは揮発性アニオンとの他の塩として装填する。 アルミナを金属と共に加熱することによって活性化する。 アニオンは気体中で分解し、金属酸化物を残留させる。 次に、酸化物を部分的か又は完全に還元して、それを酸素除去に関して活性にする。 還元は、昇温温度において水素又は他の還元性ガスと接触させて金属酸化物を金属に還元することによって行う。 熱システムの冷媒のような流体から酸素を除去する方法は、流体を酸素除去収着剤に曝すことを含む。 酸素除去収着剤は、冷却システムの冷媒及び/又は潤滑油中に不溶で、元素状酸素と反応してそれを循環している冷媒から永久的に除去することができる物質を含む。 酸素除去収着剤は、上記記載の任意の形態をとることができ、上記記載の任意の装置内で用いて本方法を実施することができる。

    安定剤を含むHFO及び/又はHCFO作動流体は任意の熱伝達システムにおいて用いることができるが、酸素を吸収及び除去する能力が最も高いシステムの位置においてそれらを供給することが有益である。 それに限定はしないが、安定剤は、熱伝達システムにおける循環中にその中に液体又は別の形態では気体の作動流体を通過させることができるインライン容器又は一連の複数のインライン容器内に配置することができる。 有機ランキンサイクルシステムに関しては、1つのかかる有利な位置は、空気が蓄積されると考えられる有機ランキンサイクルの蒸発器への入口の上流であろう。 更に、安定剤(又は担体基材)は、任意の解離した塩化物及びフッ化物イオンと反応して、それにより、そうしなければシステムの金属の腐食に利用される可能性があるこれらのイオンの循環濃度を減少させることができる。

    本発明の安定化作動流体は、エネルギー変換流体として有用である。 かかる化合物は、大気の化学的性質に悪影響を与えないための要件を満足し、全ハロゲン化又は部分ハロゲン化炭化水素と比較してオゾン層破壊及び温室効果地球温暖化に対する寄与が非常に小さく、熱エネルギー変換システムにおいて用いるための作動流体として用いるのに好適である。

    而して、特に有機ランキンサイクルシステムを用いて熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法においては、本発明の作動流体は、本明細書に規定する安定化HFO及び/又はHCFO化合物の少なくとも1つを含む。

    本発明は、全ハロゲン化CFC及び部分ハロゲン化HCFC材料と比較して低いオゾン層破壊係数を有し、且つ温室効果地球温暖化に対する寄与が非常に小さく、有効に不燃性であり、それを用いるであろう条件において化学的及び熱的に安定である作動流体に対する当該技術における必要性を満足する。 即ち、本安定化材料は、化学薬剤、例えば酸、塩基、酸化剤などによって、又は周囲温度(25℃)よりも高い温度によって分解しない。 これらの材料は、熱エネルギーの機械的軸動力及び発電への変換において使用可能な適当な沸点及び熱力学的特性を有し;それらは、現在はあまりよく利用されていない低圧水蒸気中に含まれる潜熱の一部をうまく利用することができる。

    上記に列記した材料は、工業廃熱、太陽エネルギー、地熱高温水、低圧地熱水蒸気(一次系又は二次系)、或いは燃料電池、又はタービン、マイクロタービン、若しくは内燃エンジンのような原動機を用いる分散発電装置のような低グレードの熱エネルギー源から更なる機械エネルギーを引き抜くために用いることができる。 低圧水蒸気はまた、バイナリーランキンサイクルとして知られるプロセスにおいて入手することもできる。 化石燃料を動力源とする発電プラントのような数多くの場所において大量の低圧水蒸気を見ることができる。 これらの作動流体を用いるバイナリーサイクルプロセスは、大量の冷水のような天然の低温「貯留層」の迅速な供給を利用することができる場合に特に有用であることが判明している。 特定の流体を、発電所の冷媒の品質(その温度)に適合させてバイナリーサイクルの効率を最大にするように調整することができる。

    本発明の一態様は、高温の熱源によって作動流体を気化させ、得られる蒸気を膨張させ、次に冷熱源を用いて冷却して蒸気を凝縮させ、凝縮した作動流体をポンプ移送する工程を含み、作動流体は上記に規定する少なくとも1種類の安定化HFO/HCFO化合物である、ランキンサイクル(サイクルを繰り返す)において熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法を含む。 温度は、作動流体の気化温度及び凝縮温度によって定まる。

    本発明の他の態様は、作動流体を気化させて作動流体の加圧蒸気を形成するのに十分な温度に作動流体を加熱し、次に作動流体の加圧蒸気に機械的仕事を行わせることを含み、作動流体は上記に規定する少なくとも1種類の安定化HFO/HCFO化合物である、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法を含む。 温度は作動流体の気化温度によって定まる。

    本作動流体は、有機ランキンサイクルシステムを用いるための当該技術において公知の任意の用途において用いることができる。 かかる用途としては、地熱用途、プラスチック、熱又は燃焼用途からの排気、化学プラント又は工業プラント、精油所などが挙げられる。

    供給源の温度は例えば地熱に基づくシステムに関する約90℃から>800℃までで広く変化する可能性があり、幾つかの燃焼ガス及び幾つかの燃料電池に関しては地形、年数等をはじめとする多種多様なファクターによって定まる可能性があるが、本出願人らは、作動流体をシステムの供給源の温度に注意深く且つ慎重に合致させることによって、大きく予期しなかった有利性を達成することができることを見出した。 より具体的には、幾つかの好ましい態様に関しては、本出願人らは、本安定化作動流体は、有効量の安定剤を用いない同じ化合物と比較して、約50℃以上、特に約100℃以上、より特には約200℃以上の温度において非常に有効で、化学的及び熱的安定性を示すことを見出した。 更なる態様においては、かかる安定化作動流体は、ボイラー(蒸発器)内の温度が約80℃〜約130℃の間であるシステムにおいて用いために有利である。 幾つかの好ましい態様においては、かかる作動流体は、約90℃〜約120℃又は約90℃〜約110℃の間の蒸発器温度を用いるシステムにおいて有利である。 幾つかの態様においては、蒸発器温度は約90℃未満であり、これは一般に且つ有利には、比較的低いグレードの供給源の温度に基づくシステム、更には約80℃程度の低い供給源の温度を有するシステムに関連する。 例えばプラスチック製造プラント及び/又は化学プラント若しくは他の工業プラント、石油精製などからの廃水又は低圧水蒸気のような供給源、並びに地熱源に基づくシステムは、100℃以下、幾つかの場合には90℃程度、更には80℃程度の低い供給源の温度を有する可能性がある。 これらの条件下においては、かかる化合物は、特にオレフィン系二重結合において起こる反応に関して熱的又は化学的分解の大きな減少を示す。

    粒状物及び/又は腐食性種を除去するその後の処理によって低い温度がもたらされる燃焼プロセス又は任意の熱源からの排ガスのような気体状の熱源も、約130℃以下、約120℃以下、約100℃以下、約100℃以下、幾つかの場合においては90℃程度、又は更には80℃程度の低い供給源の温度を有する可能性がある。 供給源の温度が約90℃より低いかかるシステムの全部に関して、本発明の作動流体は、幾つかの態様においては、上記の安定化HFO又はHCFO化合物の1以上を含むか、より好ましくは重量基準で大きな割合で含むか、更により好ましくはこれらから実質的に構成することが一般に好ましい。

    上述したように、機械的仕事は、電力を生成する発電機のような電気装置に伝達することができる。
    本発明の更なる態様は、一次動力サイクル及び二次動力サイクルを含み、一次動力サイクルにおいては、高温水蒸気又は有機作動流体蒸気を含む一次作動流体を用い、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する二次動力サイクルにおいては二次作動流体を用い、二次動力サイクルは、二次作動流体を加熱して加圧蒸気を形成し、二次作動流体の加圧蒸気に機械的仕事を行わせることを含み、二次作動流体は上記に規定の式(I)を有する少なくとも1種類の化合物を含むバイナリー動力サイクルを含む。 かかるバイナリー動力サイクルは、例えば米国特許4,760,705(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。

    本発明の更なる態様は、ランキンサイクルシステム及び二次ループを含み、二次ループは、熱源とランキンサイクルシステムとの間に配置されており、ランキンサイクルシステム及び熱源と流体連絡しており、有機ランキンサイクルシステム作動流体を熱源の温度に曝すことなく熱源からの熱をランキンサイクルシステムに伝達する熱的に安定な顕熱伝達流体を含み;作動流体は上記に規定のHFO/HCFO構造を有する少なくとも1種類の化合物である、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法を含む。

    この方法は、本発明のもののような作動流体を高い供給源の温度に直接かけることなく、より高い供給源の温度に対処することが望ましい場合に有益である。 作動流体と熱源との間の直接熱交換を実施する場合には、特に流れの遮断が存在する場合に作動流体の熱分解を回避する手段を設計に含ませなければならない。 この危険性及びより精巧な設計のための追加の出費を回避するためには、高温の供給源に接近させるために熱媒油のようなより安定な流体を用いることができる。 これにより、高い供給源の熱に対処し、設計の複雑さ/コストを管理し、それ以外は望ましい特性を有する流体を利用する手段が提供される。

    上記の発明の詳細な説明においては少なくとも1つの代表的な態様を示したが、数多くのバリエーションが存在することを認識すべきである。 また、1つ又は複数の代表的な態様は例に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、又は構成をいかなるようにも限定することは意図しないことも認識すべきである。 むしろ、上記の詳細な説明は、発明の代表的な態様を実施するための簡便な指針を当業者に与えるものであり、特許請求の範囲に示す発明の範囲及びその法律的な均等範囲から逸脱することなく、代表的な態様において記載されている機能及び要素の配置において種々の変更を行うことができることが理解される。

    本方法、システム、及び組成物は、中温及び高温ヒートポンプ用途など(しかしながらこれらに限定されない)の他の高温熱伝達システムに関して用いるように適合させることもできる。 かかるシステムの非限定的な例としては、60℃より高く、好ましくは70℃〜100℃の凝縮温度を有する中温ヒートポンプシステムが挙げられる。 高温ヒートポンプシステムとしては、100℃より高い凝縮温度を有するものが挙げられる。 かかるシステムの例としては、産業によってボイラーに対する代替物として用いられるものが挙げられるが、これに限定されない。 代表例としては、ショッピングセンター用の水/水ヒートポンプが挙げられる。 これらはまた、熱源を容易に入手できる石油産業又は鉱業産業において用いることもできる。 圧縮器は通常は遠心タイプのものであるが、スクリューのような他のタイプを用いることもできる。 熱交換器は、直接膨張シェル−チューブタイプ又は満液式シェルチューブタイプであってよい。

    幾つかの他の好ましい態様においては、本発明の組成物は、ポリオールエステルオイルなどのような潤滑剤を含むヒートポンプ又は冷媒システムにおいて用いることができ、或いは上記でより詳細に議論したような伝統的にCFC又はHCFC冷媒と共に用いられている他の潤滑剤と共に用いることもできる。 本明細書において用いる「ヒートポンプシステム」という用語は、一般に、圧縮器、膨張装置、及び熱交換器から構成される任意のシステム又は装置、或いはかかるシステム又は装置の任意の部品又は一部を指す。 このシステムは凝縮器によって熱を与える。 圧縮器は、遠心式、スクリュー式、及び容積式タイプのものであってよく、一方、熱交換器は乾燥膨張又は満液タイプのものであってよい。 膨張弁は、設計の仕様によって必要に応じて電子式又は温度自動調節式であってよい。 この記載は具体的な用途から派生する任意の可能な変化を制限するものではない。

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