Hydrogen combustion gas turbine plant

申请号 JP30613095 申请日 1995-11-24 公开(公告)号 JP2880938B2 公开(公告)日 1999-04-12
申请人 株式会社東芝; 发明人 SUZUKI KENSUKE; YAMADA MASAHIKO;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器を設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記高温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記低温熱交換器、高圧タービン、前記高温熱交換器および前記復水タービンを順に接続したクローズドサイクルとを形成したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 【請求項2】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 【請求項3】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルを形成したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 【請求項4】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンに前記燃焼器からの蒸気供給配管と異なる位置に供給する蒸気供給配管を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 【請求項5】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設け、さらにブレイトンサイクル側の前記低温熱交換器から前記圧縮器に還流する作動流体をランキンサイクル側の前記加圧ポンプから前記燃焼器に供給される加圧水で冷却する冷却器を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 【請求項6】 不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設け、さらにブレイトンサイクル側の出力軸とランキンサイクル側の出力軸とを別にしてその各軸に各別に発電機を接続したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラント。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は素燃焼ガスタービンプラント、すなわち水素を燃料とするガスタービンを用いた発電プラントに関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】水素を燃料とするガスタービンプラントは、従来の化石燃料を用いたプラントとは異なり、地球温暖化の原因とされている炭酸ガス(CO 2 )を排出しないため、新しい世代のクリーンエネルギー源として注目されている。 また、水素は燃焼した後に不活性な水蒸気となるために、水蒸気または他の不活性なガスを作動流体としたクローズドサイクルで利用すると、高温酸化による問題を回避することができる。 現在の化石燃料を用いるオープンサイクルガスタービンプラントは、作動流体に燃料より生じた酸化ガスや、作動流体に相当量残存する酸素が原因となり高温酸化による高温部品の劣化が問題となっている。

    【0003】高温酸化は、タービンを構成する部品、特に作動流体に接する部品の温度が高くなるほど進行が早くなる。 このため、当該部品に対しては冷却を行う必要があるが、この冷却に使用する冷却媒体が増加するほどガスタービンプラントの熱効率は低下することが知られており、現に作動流体の高温化に伴い、少ない冷却媒体量で冷却を行うための技術開発が盛んに行われてきた。

    【0004】一方、ガスタービンプラントでは、最高温度を高めるほど熱効率が上昇することが知られており、
    前述の冷却技術開発の成果と併せて、この最高温度は近年加速度的に上昇してきた。 しかしながら、冷却に対する技術開発にも最近では限界が見られ、最高温度を上昇させることで得られる熱効率の上昇分が、冷却媒体量の増加に伴う熱効率の低下に見合わなくなってきており、
    最高温度の上昇は頭打ちになろうとしている。

    【0005】水素を燃料とする発電プラントは、別の意味でも注目されている。 水素は電があれば、化石燃料とは異なり、どのような場所でも生産が可能であるという点である。 このことは、水力等の潜在的な電力資源が豊富にもかかわらず、それを必要とする産業および民需が不足している発展途上国が、水素というエネルギー源を生産し輸出することにより産業の活性化を図ることが可能であるということである。

    【0006】水素燃焼を行うガスタービンにおいて現状では、水素を製造するコストが化石燃料を製造するコストを上回るため、化石燃料を使用するガスタービンプラントよりも高い効率を達成しなければ実用的にならなない。

    【0007】高い効率を得るためには、従来のガスタービンプラントよりも高い最高温度にしなければならない。 水蒸気は不活性であるため、これを作動流体とする場合には高温酸化問題に特に制限されることなく、最高温度を上げることができる。 しかし水蒸気は、従来のガスタービンプラントの作動流体である燃焼空気に比べて比熱が非常に大きいため、冷えにくい特性がある。 このため、タービンの段落数、特に冷却が必要な段落数が増加し、システム全体の熱効率が低下し、最高温度を上昇させた効果を相殺することになる。 また、水蒸気を非常に高温な状態で使用すると、流体通路部で水蒸気腐食が生じる問題がある。

    【0008】温度を上げる別の手段として、作動流体の大半を不活性ガスにして、そこに酸素と水素とを燃料として投入し、反応により生じる水蒸気または、水を作動流体に加える方法がある。 この場合、燃焼ガスと同等の比熱を有するアルゴンや窒素等の不活性ガスを用いることにより、従来と同等のタービンの冷却段落数とすることができ、この場合には水蒸気のみを用いた場合と異なり効率が下がらない。 また、水蒸気の割合も減少するため、水蒸気腐食による通路部品の劣化もある程度解決できる。 しかし、不活性ガスを用いる場合、システムは基本的にクローズドサイクルとなるので、循環する作動流体の全てを復水器に通すことになり、放出熱量が大きくなるため効率が上がらない。

    【0009】ここで、以上の問題を解決するガスタービン発電プラントの従来技術の一例を図7によって説明する。

    【0010】この図7に示されるプラトシステムは、大きく分けて2つの部分からなる。 一つは不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルの部分であり、他は水蒸気または水を作動流体とするランキンサイクルの部分である。

    【0011】ブレイトンサイクルは、圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2および低温熱交換器6から構成される。 まず、圧縮機1で圧縮された高温高圧の不活性ガスは高温熱交換器5に導かれ、水素と酸素からなる燃料11の燃焼による高熱ガスと熱交換されて、更に高温にされる。 この非常に高温高圧な不活性ガスは、背圧タービン2に導かれ、膨張して高温低圧の不活性ガスになる一方、出力軸12を介して圧縮機1を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6
    を経て冷却され、低温低圧の不活性ガスとなり再び圧縮機1に導かれる。

    【0012】ランキンサイクルは、高温熱交換器5、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9からなる。 高温熱交換器5には水素と酸素からなる燃料11が投入されて燃焼が行われ、非常に高温の蒸気が発生する。 この非常に高温高圧な水蒸気は、高圧タービン4に導かれて膨張し、低温低圧の水蒸気になる。 そして、この低温低圧の水蒸気は低温熱交換器6でブレイトンサイクル側から加熱されて高温低圧の水蒸気となった後に、復水タービン3に導かれて膨張し、低温で非常に低圧の水蒸気となる。 この低温で非常に低圧の水蒸気は、復水器8に導かれて水に戻され、復水ポンプ9により移送される。 この水は一部を排水10として系外に排出される。 また、背圧タービン2
    と高圧タービン4、復水タービン3からの出力は、出力軸12により発電機7を駆動して電力を発生させる。

    【0013】このシステムでは、高温高圧ブレイトンサイクル部分の作動流体を不活性ガスとしており、冷却段落数の増加を制限し、効率の低下を防ぐことができる。
    また、最高温度が不活性ガスのブレイトンサイクル側にあるため、水蒸気腐食の問題も解決される。 復水器8を通る作動流体はランキンサイクル側の水蒸気に限られ、
    排熱熱量の増加を抑えられる。

    【0014】しかし、このシステムにおいては、不活性ガスを使用するブレイトンサイクルと水蒸気を使用するランキンサイクルとの間で熱の授受を行う高温熱交換器5の条件が厳しくなる問題がある。 つまり、ランキンサイクル側では、高温熱交換器5の下流に高圧タービン4
    および背圧タービン2が配設されているため、高温熱交換器5内が非常に高圧となってブレイトンサイクル側との圧力差が非常に大きくなり、熱交換器の成立が技術的に困難になる。

    【0015】

    【発明が解決しようとする課題】以上のように、不活性ガスによるブレイトンサイクルと水蒸気によるランキンサイクルとを併用した従来の水素燃焼ガスタービンプラントにおいては、高温熱交換器における作動流体間の圧力差が大きく、熱交換が技術的に困難になる。

    【0016】そこで、本発明が解決しようとする課題は、不活性ガスによるブレイトンサイクルと水蒸気によるランキンサイクルとを併用しつつ、高温熱交換器での作動流体間の圧力差を抑制して高温熱交換を技術的に可能とし、あわせて熱効率および出力の上昇を図ることにある。

    【0017】

    【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器を設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記高温熱交換器、復水タービン、復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記低温熱交換器、高圧タービン、前記高温熱交換器および前記復水タービンを順に接続したクローズドサイクルとを形成したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0018】請求項2の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、
    復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0019】請求項3の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、
    復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルを形成したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0020】請求項4の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、
    復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンに前記燃焼器からの蒸気供給配管と異なる位置に供給する蒸気供給配管を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0021】請求項5の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、
    復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設け、さらにブレイトンサイクル側の前記低温熱交換器から前記圧縮器に還流する作動流体をランキンサイクル側の前記加圧ポンプから前記燃焼器に供給される加圧水で冷却する冷却器を設けたことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0022】請求項6の発明は、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、前記燃料を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器とを別に設け、ブレイトンサイクル側では圧縮機、前記高温熱交換器、背圧タービン、低温熱交換器を不活性ガス配管によって順に接続したクローズドサイクルを形成する一方、ランキンサイクル側では前記燃焼器、高圧タービン、低温熱交換器、復水タービン、
    復水器および復水ポンプを蒸気配管によって順に接続したオープンサイクルと、前記復水ポンプの下流側から分岐した分岐管を介して加圧ポンプ、前記燃焼器、前記高圧タービン、前記低温熱交換器、前記復水タービン、前記復水器、前記復水ポンプを順に接続したクローズドサイクルとを形成し、かつ前記高温熱交換器から燃焼ガスである蒸気を前記復水タービンの入口配管に供給する蒸気供給配管を設け、さらにブレイトンサイクル側の出力軸とランキンサイクル側の出力軸とを別にしてその各軸に各別に発電機を接続したことを特徴とする水素燃焼ガスタービンプラントにある。

    【0023】

    【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントについて、第1〜第6の実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。 なお、従来の技術と同一の構成部分には図7と同一符号を付して説明する。

    【0024】 第1実施形態(図1)図1は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第1実施形態を示す系統図である。

    【0025】この実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントは、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有し、燃料の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5が1基設けられている。 そして、ブレイトンサイクル側では、圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6が不活性ガス配管21によって順に接続されてクローズドサイクルが形成されている。

    【0026】一方、ランキンサイクル側では、高温熱交換器5、低圧の復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されて復水を排水10として排出するオープンサイクルが形成されるとともに、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23
    を介して加圧ポンプ13、低温熱交換器6、高圧タービン4、高温熱交換器5および復水タービン3が順に接続されてクローズドサイクルが形成されている。

    【0027】このような構成において、ブレイトンサイクル側では、圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12を介して圧縮機1を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、再び圧縮機1に導かれる。

    【0028】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが高圧状態で高温熱交換器5に供給されて燃焼され、ブレイトンサイクル側に熱を供給し、高温高圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水タービン3で膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。 燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水1
    0として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。

    【0029】残りの水は、加圧ポンプ13を経由して低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から加熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この水蒸気が高圧タービン4に導かれて膨脹し、高温低圧の水蒸気となり、再び高温熱交換器5に導かれる。

    【0030】このような第1実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによると、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0031】このことにより、水蒸気および不活性ガスサイクル分離併用型の水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、高温熱交換器5の厳しい条件が緩和されて、プラントがより容易に成立できるようになる。 なお、最高温度で運転される背圧タービン2の作動流体が不活性ガスであることから、従来のプラント以上に冷却段落を増加する必要はなく、また復水器8の放出熱量を水蒸気の作動流体部分に限定できることでプラント熱効率を従来のプラント同様に維持することができる。

    【0032】 第2実施形態(図2)図2は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第2実施形態を示す系統図である。

    【0033】この実施形態による水素燃焼ガスタービンプラントも、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する。

    【0034】但し、このプラントでは、燃料11を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するための燃焼器14と、燃料11の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5とが別に設けられている。

    【0035】そして、ブレイトンサイクル側では圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6
    が不活性ガス配管21によって順に接続されて、クローズドサイクルが形成されている。

    【0036】一方、ランキンサイクル側では燃焼器1
    4、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されたオープンサイクルと、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23を介して加圧ポンプ1
    3、燃焼器14、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8、復水ポンプ9を順に接続したクローズドサイクルとが形成されている。

    【0037】また、高温熱交換器5から燃焼ガスである蒸気を復水タービン3の入口配管24に供給する蒸気供給配管25が設けられている。

    【0038】このような構成において、ブレイトンサイクル側では、圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12を介して圧縮機1を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、再び圧縮機1に導かれる。

    【0039】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが、高圧状態で高温熱交換器5および燃焼器14に供給されて燃焼され、高温高圧の水蒸気となる。 高温熱交換器5ではブレイトンサイクル側に熱を供給する。

    【0040】燃焼器14で発生した水蒸気は高圧タービン4に導かれて膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から再熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この再熱された水蒸気が、復水タービン3の入口配管24
    で、高温熱交換器5から供給される水蒸気と合流し、復水タービン3に導かれて膨脹し、低温低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。 燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水10
    として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。

    【0041】残りの水は、加圧ポンプ13を経由して燃焼器14に導かれる。 ここで燃料11の燃焼熱によって加熱されて高温高圧の水蒸気となり、燃焼により新たに発生した水蒸気とともに高圧タービン4に導かれて膨脹し、以後は前記と同様に作用する。

    【0042】このような第2実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによっても、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0043】なお、前記の第1実施形態ではランキンサイクル側のタービンを通る作動流体の流量をそれぞれ自由に設定することができないのに対し、この第2実施形態では高圧タービン4および復水タービン3の温度と圧力条件を個別に設定することができ、しかもランキンサイクル側およびブレイトンサイクル側の作動流体の流量および流量比を自由に調節することも可能である。 したがって、本実施形態によればプラント全体の出力を向上させることができるとともに、熱効率上最適なプラントを選定することができるようになる。

    【0044】 第3実施形態(図3)図3は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第3実施形態を示す系統図である。

    【0045】この実施形態による水素燃焼ガスタービンプラントも、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する。

    【0046】そして、このプラントにおいても、燃料1
    1を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するための燃焼器14と、燃料11の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5とが別に設けられている。

    【0047】ブレイトンサイクル側では圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6が不活性ガス配管21によって順に接続されて、クローズドサイクルが形成されている。

    【0048】また、ランキンサイクル側では燃焼器1
    4、高圧タービン4、低温熱交換器6、高温熱交換器5、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されたオープンサイクルと、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23を介して加圧ポンプ13、燃焼器14、高圧タービン4、低温熱交換器6、高温熱交換器5、復水タービン3、復水器8、復水ポンプ9を順に接続したクローズドサイクルとが形成されている。 また、高温熱交換器5から燃焼ガスである蒸気を復水タービン3に供給する蒸気供給配管26が設けられている。

    【0049】このような構成において、ブレイトンサイクル側では、圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12を介して圧縮機1を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、再び圧縮機1に導かれる。

    【0050】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが、高圧状態で高温熱交換器5および燃焼器14に供給されて燃焼され、高温高圧の水蒸気となる。 高温熱交換器5ではブレイトンサイクル側に熱を供給する。

    【0051】燃焼器14で発生した水蒸気は高圧タービン4に導かれて膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から再熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この再熱された水蒸気が、高温熱交換器5に供給されて、
    さらに加熱された後、復水タービン3に導かれて膨脹し、低温低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。 燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水10として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。

    【0052】残りの水は、加圧ポンプ13を経由して燃焼器14に導かれる。 ここで燃料11の燃焼熱によって加熱されて高温高圧の水蒸気となり、燃焼により新たに発生した水蒸気とともに高圧タービン4に導かれて膨脹し、以後は前記と同様に作用する。

    【0053】このような第3実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによっても、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0054】なお、前記の第2実施形態では高温熱交換器5においてランキンサイクル側で燃料11である水素と酸素とが燃焼し、温度が急激に上昇する可能性があり、高温熱交換器5における熱の授受についての技術上の困難性が考えられる。 これに対し、この第3実施形態では低温熱交換器6からの水蒸気を高温熱交換器5に向けるので、燃料11の燃焼および熱交換がより容易となる利点が得られる。

    【0055】 第4実施形態(図4)図4は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第4実施形態を示す系統図である。

    【0056】この実施形態による水素燃焼ガスタービンプラントも、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する。

    【0057】そして、このプラントでも、燃料11を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するするための燃焼器14と、燃料11の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5とが別に設けられている。

    【0058】ブレイトンサイクル側では圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6が不活性ガス配管21によって順に接続されて、クローズドサイクルが形成されている。

    【0059】一方、ランキンサイクル側では燃焼器1
    4、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されたオープンサイクルと、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23を介して加圧ポンプ1
    3、燃焼器14、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8、復水ポンプ9を順に接続したクローズドサイクルとが形成されている。

    【0060】また、高温熱交換器5から燃焼ガスである蒸気を復水タービン3に供給する蒸気供給配管26が設けられ、この蒸気供給配管26は、分岐管23の先端側である復水タービン3への入口配管27とは蒸気の供給位置を異ならせている。 つまり、復水タービン3水蒸気を送り込む位置を、発生元の熱交換器毎に分けた構成となっている。

    【0061】このような構成においては、ブレイトンサイクル側では、圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12を介して圧縮機1
    を駆動するとともに、発電機7を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、再び圧縮機1に導かれる。

    【0062】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが、高圧状態で高温熱交換器5および燃焼器14に供給されて燃焼され、高温高圧の水蒸気となる。 高温熱交換器5ではブレイトンサイクル側に熱を供給する。

    【0063】燃焼器14で発生した水蒸気は高圧タービン4に導かれて膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から再熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この再熱された水蒸気が、入口配管27を介し、高温熱交換器5から供給される水蒸気と位置を異ならせて復水タービン3に導かれて膨脹し、低温低圧の水蒸気となる。
    この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。
    燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水10として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。

    【0064】残りの水は、加圧ポンプ13を経由して燃焼器14に導かれる。 ここで燃料11の燃焼熱によって加熱されて高温高圧の水蒸気となり、燃焼により新たに発生した水蒸気とともに高圧タービン4に導かれて膨脹し、以後は前記と同様に作用する。

    【0065】このような第4実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによっても、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0066】なお、前記の第2実施形態では各熱交換器からくる水蒸気を混合してから復水タービン3に供給するので上流の各熱交換器の出口圧力が拘束されるが、この第4実施形態では復水タービン3への各水蒸気供給系統を分けることで、熱効率上で、各熱交換器の出口圧力の最適点がそれぞれ選定できる利点が得られる。

    【0067】 第5実施形態(図5)図5は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第5実施形態を示す系統図である。

    【0068】この実施形態による水素燃焼ガスタービンプラントも、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する。

    【0069】そして、このプラントでも、燃料11を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するための燃焼器14と、燃料11の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5とが別に設けられている。

    【0070】ブレイトンサイクル側では圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6が不活性ガス配管21によって順に接続されて、クローズドサイクルが形成されている。

    【0071】一方、ランキンサイクル側では燃焼器1
    4、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されたオープンサイクルと、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23を介して加圧ポンプ1
    3、燃焼器14、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8、復水ポンプ9を順に接続したクローズドサイクルとが形成されている。

    【0072】また、高温熱交換器5から燃焼ガスである蒸気を復水タービン3の入口配管24に供給する蒸気供給配管25が設けられている。

    【0073】さらに、ブレイトンサイクル側の低温熱交換器6から圧縮器1に還流する作動流体をランキンサイクル側の加圧ポンプ13から燃焼器14に供給される加圧水で冷却する冷却器15が設けられている。

    【0074】このような構成において、ブレイトンサイクル側では、圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12を介して圧縮機1を駆動するとともに、発電機を駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、さらに冷却器15で冷却されて再び圧縮機1
    に導かれる。

    【0075】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが、高圧状態で高温熱交換器5および燃焼器14に供給されて燃焼され、高温高圧の水蒸気となる。 高温熱交換器5ではブレイトンサイクル側に熱を供給する。

    【0076】燃焼器14で発生した水蒸気は高圧タービン4に導かれて膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から再熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この再熱された水蒸気が、復水タービン3の入口配管24
    で、高温熱交換器5から供給される水蒸気と合流し、復水タービン3に導かれて膨脹し、低温低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。 燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水10
    として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。

    【0077】残りの水は、加圧ポンプ13を経由し、冷却器15でブレイトンサイクル側からの熱を受けて予熱され温水となった後、燃焼器14に導かれる。 ここで燃料11の燃焼熱によって加熱されて高温高圧の水蒸気となり、燃焼により新たに発生した水蒸気とともに高圧タービン4に導かれて膨脹し、以後は前記と同様に作用する。

    【0078】このような第5実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによっても、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0079】なお、前記の第2実施形態では圧縮器1の入口温度がランキンサイクル側の高圧タービン4の出口温度と同等であり、高圧タービン4は露点以下で使用できないため、この出口温度には下限があると同時に、圧縮器1の入口温度が上昇するにつれてブレイトンサイクル側の出力は低下する。 それに対し、この第5実施形態では圧縮機1の入口温度を下げてこの出力を維持することができる。 また、圧縮機1の入口の不活性ガスを、系内で燃焼器14に向かう水によって冷却するため、系外への熱の放出がなく、プラント効率が維持できる。

    【0080】 第6実施形態(図6)図6は本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第6実施形態を示す系統図である。

    【0081】この実施形態による水素燃焼ガスタービンプラントも、不活性ガスを作動流体とするブレイトンサイクルと、水素と酸素からなる燃料の燃焼によって発生する水蒸気を作動流体とするランキンサイクルとを複合したシステム構成を有する。

    【0082】そして、このプラントでも、燃料11を燃焼させてランキンサイクルに燃焼ガスを供給するための燃焼器14と、燃料11の燃焼ガスと不活性ガスとを熱交換させる高温熱交換器5とが別に設けられている。

    【0083】但し、ブレイトンサイクル側の出力軸12
    aとランキンサイクル側の出力軸12bとが別に構成され、その各軸12a,12bに各別に発電機7a,7b
    が接続されている。

    【0084】ブレイトンサイクル側では圧縮機1、高温熱交換器5、背圧タービン2、低温熱交換器6が不活性ガス配管21によって順に接続されて、クローズドサイクルが形成されている。

    【0085】一方、ランキンサイクル側では燃焼器1
    4、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8および復水ポンプ9が蒸気配管22によって順に接続されたオープンサイクルと、復水ポンプ9の下流側から分岐した分岐管23を介して加圧ポンプ1
    3、燃焼器14、高圧タービン4、低温熱交換器6、復水タービン3、復水器8、復水ポンプ9を順に接続したクローズドサイクルとが形成されている。

    【0086】また、高温熱交換器5から燃焼ガスである蒸気を復水タービン3の入口配管24に供給する蒸気供給配管25が設けられている。

    【0087】このような構成において、起動時には、ブレイトンサイクル側だけを起動して、定格回転数に到達して運転状態が安定した後に、ランキンサイクル側を起動すればよい。

    【0088】これにより、ブレイトンサイクル側では、
    圧縮器1で圧縮された高温高圧の不活性ガスが高温熱交換器5に導かれて加熱され、非常に高温で高圧の不活性ガスとなる。 この非常に高温で高圧の不活性ガスが背圧タービン2に導かれて膨脹し、高温低圧の不活性ガスとなる一方、出力軸12aを介して圧縮機1を駆動するとともに、一方の発電機7aを駆動して電力を発生させる。 背圧タービン2から出た高温低圧の不活性ガスは低温熱交換器6に導かれ、冷却されて低温低圧の不活性ガスとなり、再び圧縮機1に導かれる。

    【0089】ランキンサイクル側では、燃料11として供給される水素(H 2 )と酸素(O 2 )とが、高圧状態で高温熱交換器5および燃焼器14に供給されて燃焼され、高温高圧の水蒸気となる。 高温熱交換器5ではブレイトンサイクル側に熱を供給する。

    【0090】燃焼器14で発生した水蒸気は高圧タービン4に導かれて膨脹し、低温で低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は低温熱交換器6に導かれ、ここでブレイトンサイクル側から再熱され、高温高圧の水蒸気となる。 この再熱された水蒸気が、復水タービン3の入口配管24
    で、高温熱交換器5から供給される水蒸気と合流し、復水タービン3に導かれて膨脹し、低温低圧の水蒸気となる。 この水蒸気は復水器8に導かれて冷却され、水となる。 燃料11と等量の水が復水ポンプ9により排水10
    として系外に放出され、系内の作動流体量が一定に保たれる。 そして、高圧タービン4および復水タービン3の回転により、出力軸12bを介して他方の発電機7bが駆動され、電力が発生する。

    【0091】残りの水は、加圧ポンプ13を経由して燃焼器14に導かれる。 ここで燃料11の燃焼熱によって加熱されて高温高圧の水蒸気となり、燃焼により新たに発生した水蒸気とともに高圧タービン4に導かれて膨脹し、以後は前記と同様に作用する。

    【0092】このような第6実施形態の水素燃焼ガスタービンプラントによっても、水蒸気を作動流体とするランキンサイクル側において、復水タービン3を高温熱交換器5の直後に配置することで、高温熱交換器5においてランキンサイクル側の圧力が抑制され、作動流体間の圧力差が大きくなることがない。

    【0093】なお、前記の各実施形態では起動時に不要であるランキンサイクル側の2つのタービンを回転起動するために、無駄なエネルギを消費することになり、総合的な熱効率が低下する可能性がある。 それに対し、この第6実施形態では、起動時にブレイトンサイクル側だけを起動して、定格回転数に到達して運転状態が安定した後に、ランキンサイクル側を起動するという運転方法が可能となるから、必要最小限の起動モータ動力でプラントを始動することができ、プラント運転上の総合的熱効率の向上が図れる。

    【0094】 他の実施形態なお、本発明は以上の各実施形態の構成を種々組合わせて実施することが可能である。 それによって、各構成に基づく作用効果を相乗的に奏することができるものである。

    【0095】

    【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれば、不活性ガスによるブレイトンサイクルと水蒸気によるランキンサイクルとを併用した水素燃焼ガスタービンプラントにおいて、高温熱交換器内の作動流体の過大な圧力差を生じさせることなく、プラントの技術的信頼性を向上させることができるとともに、熱効率の向上、出力上昇等が図れる等の効果が奏される。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第1実施形態を示す系統図。

    【図2】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第2実施形態を示す系統図。

    【図3】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第3実施形態を示す系統図。

    【図4】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第4実施形態を示す系統図。

    【図5】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第5実施形態を示す系統図。

    【図6】本発明に係る水素燃焼ガスタービンプラントの第6実施形態を示す系統図。

    【図7】従来の水素燃焼ガスタービンプラントの系統を示す図。

    【符号の説明】

    1 圧縮機 2 背圧タービン 3 復水タービン 4 高圧タービン 5 高温熱交換器 6 低温熱交換器 7,7a,7b 発電機 8 復水器 9 復水ポンプ 10 排水 11 燃料 12,12a,12b 出力軸 13 加圧ポンプ 14 燃焼器 15 冷却器 21〜27 配管

    フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) F02C 3/22 F01K 23/06 F01K 23/16 F01K 25/00 F02C 3/34

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