プラント及びプラントの運転方法

申请号 JP2017014204 申请日 2017-01-30 公开(公告)号 JP2018123690A 公开(公告)日 2018-08-09
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 上地 英之; 眞竹 徳久; 堀添 浩司; 末森 重徳; 青木 泰高; 紺野 勇哉;
摘要 【課題】高圧 燃料 ガスの圧 力 エネルギーを有効活用してプラント全体としての出力及び効率を向上可能なプラントを提供する。 【解決手段】プラントは、高圧燃料ガスを供給するための燃料供給ラインと、前記燃料供給ラインに設けられ、前記高圧燃料ガスを膨張させて該高圧燃料ガスから動力を取り出すように構成された少なくとも一つの膨張機と、を備える。 【選択図】 図1
权利要求

高圧燃料ガスを供給するための燃料供給ラインと、 前記燃料供給ラインに設けられ、前記高圧燃料ガスを膨張させて該高圧燃料ガスから動を取り出すように構成された少なくとも一つの膨張機と、 を備えることを特徴とするプラント。前記少なくとも一つの膨張機のうち何れかの膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられ、該膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するための加熱器を備えることを特徴とする請求項1に記載のプラント。前記少なくとも一つの膨張機は、前記高圧燃料ガスの流れ方向に並べて設けられた複数の膨張機を含み、 前記複数の膨張機のそれぞれに対応して各々の前記膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられ、各々の前記膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するための複数の加熱器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラント。CO2リッチガスが流れるCO2リッチガスラインと、 前記CO2リッチガスラインに設けられ、前記CO2リッチガスを昇圧するための少なくとも一つの圧縮機をさらに備え、 前記加熱器は、前記少なくとも一つの圧縮機の排熱により、前記高圧燃料ガスを加熱するように構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のプラント。前記少なくとも一つの圧縮機は、前記CO2リッチガスラインに直列に並べて設けられた複数の圧縮機を含み、 前記加熱器は、前記複数の圧縮機のうち隣り合う一対の圧縮機間を流れる前記CO2リッチガスとの熱交換により前記高圧燃料ガスを加熱するように構成された ことを特徴とする請求項4に記載のプラント。前記少なくとも一つの圧縮機は、 前記CO2リッチガスラインにおいて、隣り合う一対の圧縮機間に前記加熱器が介在する複数の上流側圧縮機と、 前記CO2リッチガスラインにおいて前記上流側圧縮機よりも下流側に設けられる1以上の下流側圧縮機と、 を含み、 前記CO2リッチガスラインにおいて、複数の前記上流側圧縮機のうち最も下流側に位置する圧縮機と前記下流側圧縮機との間、または、隣り合う一対の前記下流側圧縮機の間に設けられ、前記高圧燃料ガス以外の冷却媒体により前記CO2リッチガスを冷却するように構成された熱交換器をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のプラント。前記少なくとも一つの圧縮機の下流側において前記CO2リッチガスラインに設けられ、前記少なくとも一つの圧縮機で昇圧された前記CO2リッチガスからCO2を分離するためのCO2分離装置をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載のプラント。アノードと、二酸化炭素を含む排ガスが供給されるカソードと、前記排ガス中に含まれる二酸化炭素由来の炭酸イオンを前記カソードから前記アノードに移動させるように構成された電解質と、を含む燃料電池をさらに備え、 前記少なくとも一つの圧縮機は、前記アノードの出口ガス由来の前記CO2リッチガスを圧縮するように構成され、 前記燃料電池の前記アノードは、前記少なくとも一つの膨張機により動力が回収された前記高圧燃料ガスが供給されるように構成された ことを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載のプラント。前記少なくとも一つの圧縮機は、前記少なくとも一つの膨張機で取り出した前記動力を用いて駆動されるように構成された ことを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載のプラント。燃料供給ラインを介して高圧燃料ガスを供給するステップと、 前記燃料供給ラインに設けられた少なくとも一つの膨張機により、前記高圧燃料ガスを膨張させて該高圧燃料ガスから動力を取り出すステップと、 を備えることを特徴とするプラントの運転方法。前記少なくとも一つの膨張機のうち何れかの膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられた加熱器を用いて、該膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するステップを備えることを特徴とする請求項10に記載のプラントの運転方法。CO2リッチガスが流れるCO2リッチガスラインに設けられた少なくとも一つの圧縮機により、前記CO2リッチガスを昇圧するステップをさらに備え、 前記高圧燃料ガスを加熱するステップでは、前記少なくとも一つの圧縮機の排熱により、前記高圧燃料ガスを加熱する ことを特徴とする請求項11に記載のプラントの運転方法。前記少なくとも一つの圧縮機は、前記CO2リッチガスラインに直列に並べて設けられた複数の圧縮機を含み、 前記高圧燃料ガスを加熱するステップでは、前記複数の圧縮機のうち隣り合う一対の圧縮機間を流れる前記CO2リッチガスとの熱交換により前記高圧燃料ガスを加熱する ことを特徴とする請求項12に記載のプラントの運転方法。前記少なくとも一つの圧縮機は、 前記CO2リッチガスラインにおいて、隣り合う一対の圧縮機間に前記加熱器が介在する複数の上流側圧縮機と、 前記CO2リッチガスラインにおいて前記上流側圧縮機よりも下流側に設けられる1以上の下流側圧縮機と、 を含み、 複数の前記上流側圧縮機のうち最も下流側に位置する圧縮機と前記下流側圧縮機との間、または、前記CO2リッチガスラインにおいて隣り合う一対の前記下流側圧縮機の間に設けられる熱交換器において、前記高圧燃料ガス以外の冷却媒体により前記CO2リッチガスを冷却するステップをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のプラントの運転方法。前記少なくとも一つの圧縮機の下流側において前記CO2リッチガスラインに設けられたCO2分離装置により、前記少なくとも一つの圧縮機で昇圧された前記CO2リッチガスからCO2を分離するステップをさらに備えることを特徴とする請求項12乃至14の何れか一項に記載のプラントの運転方法。二酸化炭素を含む排ガスの少なくとも一部を燃料電池のカソードに供給するステップと、 前記燃料電池の電解質内において、前記排ガス中の二酸化炭素由来の炭酸イオンを前記カソードから前記燃料電池のアノードに移動させるステップと、 前記少なくとも一つの膨張機により動力が回収された前記高圧燃料ガスを前記燃料電池の前記アノードに供給するステップと、 をさらに備え、 前記CO2リッチガスを昇圧するステップでは、前記少なくとも一つの圧縮機により、前記アノードの出口ガス由来の前記CO2リッチガスを圧縮する ことを特徴とする請求項12乃至15の何れか一項に記載のプラントの運転方法。

说明书全文

本開示は、プラント及びプラントの運転方法に関する。

従来より、プラントの出や効率を向上させるための試みがなされている。 例えば、特許文献1には、ガスタービンから排出される高温かつ低圧のフューム(燃焼ガス)を昇圧して高圧フュームを得るとともに、高圧フュームからCO2を分離回収した後のフュームを膨張機で膨張させて膨張エネルギーを回収するようにしたプラントが記載されている。また、このプラントにおいて、フュームは、複数段の圧縮機の間に設けられた熱交換器で中間冷却されるようになっており、フュームと熱交換される冷却媒体が熱交換器で昇温されて、該冷却媒体を作動流体とするサイクルが駆動されるようになっている。

特開2005−2996号公報

ところで、例えばパイプラインからの高圧燃料ガスの圧力エネルギーを有効活用することは、プラントの出力や効率を向上させるために望ましいと考えられる。 しかしながら、特許文献1には、高圧燃料ガスの圧力エネルギーを有効活用する手法について何ら記載されていない。

上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、高圧燃料ガスの圧力エネルギーを有効活用してプラント全体としての出力及び効率を向上可能なプラント及びプラントの運転方法を提供することを目的とする。

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラントは、 高圧燃料ガスを供給するための燃料供給ラインと、 前記燃料供給ラインに設けられ、前記高圧燃料ガスを膨張させて該高圧燃料ガスから動力を取り出すように構成された少なくとも一つの膨張機と、 を備える。

上記(1)の構成によれば、高圧燃料ガスの圧力を有効活用して動力として取り出すようにしたので、プラント全体としての出力及び効率を向上させることができる。

(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、 前記プラントは、 前記少なくとも一つの膨張機のうち何れかの膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられ、該膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するための加熱器を備える。

上記(2)の構成によれば、膨張機の上流側に加熱器を設けたので、膨張機においてより多くの動力を取り出すことが可能になる。これにより、プラント全体としての出力及び効率を一層向上させることができる。

(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、 前記少なくとも一つの膨張機は、前記高圧燃料ガスの流れ方向に並べて設けられた複数の膨張機を含み、 前記プラントは、 前記複数の膨張機のそれぞれに対応して各々の前記膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられ、各々の前記膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するための複数の加熱器を備える。

上記(3)の構成によれば、各々の膨張機の上流側に加熱器を設けたので、各々の膨張機においてより多くの動力を取り出すことが可能になる。また、各々の膨張機で回収される動力を増大させるために、加熱器に用いる熱源として比較的低温の排熱を効果的に利用することができる。これにより、プラント全体としての出力及び効率をより一層向上させることができる。

(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、 前記プラントは、 CO2リッチガスが流れるCO2リッチガスラインと、 前記CO2リッチガスラインに設けられ、前記CO2リッチガスを昇圧するための少なくとも一つの圧縮機をさらに備え、 前記加熱器は、前記少なくとも一つの圧縮機の排熱により、前記高圧燃料ガスを加熱するように構成される。

上記(4)の構成によれば、圧縮機によりCO2リッチガスを昇圧させることで、例えばEOR(Enhanced Oil Recovery)に利用したり、岩盤内や海中へのCO2の封入及び固定化が可能となる。また、CO2リッチガスを昇圧させるための圧縮機の排熱を利用して、加熱器において高圧燃料ガスを加熱するようにしたので、膨張機においてより多くの動力を回収可能となり、プラント全体の出力および効率をより一層向上させることができる。

(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、 前記プラントは、 前記少なくとも一つの圧縮機は、前記CO2リッチガスラインに直列に並べて設けられた複数の圧縮機を含み、 前記加熱器は、前記複数の圧縮機のうち隣り合う一対の圧縮機間を流れる前記CO2リッチガスとの熱交換により前記高圧燃料ガスを加熱するように構成される。

上記(5)の構成によれば、一対の圧縮機間を流れるCO2リッチガスとの熱交換により高圧燃料ガスを加熱するようにしたので、圧縮機の排熱を高圧燃料ガスに回収し、膨張機においてより多くの動力を取り出すことができる。一方、CO2リッチガスラインにおいて加熱器の下流側に位置する圧縮機には、加熱器における高圧燃料ガスとの熱交換により冷却されたCO2リッチガスが流入するため、加熱器が圧縮機の中間冷却器として機能し、圧縮機の運転に必要な動力を削減することができる。

(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、 前記少なくとも一つの圧縮機は、 前記CO2リッチガスラインにおいて、隣り合う一対の圧縮機間に前記加熱器が介在する複数の上流側圧縮機と、 前記CO2リッチガスラインにおいて前記上流側圧縮機よりも下流側に設けられる1以上の下流側圧縮機と、 を含み、 前記プラントは、 前記CO2リッチガスラインにおいて、複数の前記上流側圧縮機のうち最も下流側に位置する圧縮機と前記下流側圧縮機との間、または、隣り合う一対の前記下流側圧縮機の間に設けられ、前記高圧燃料ガス以外の冷却媒体により前記CO2リッチガスを冷却するように構成された熱交換器をさらに備える。

CO2リッチガスは、臨界圧付近において定圧比熱Cpが大きくなる傾向がある。このため、臨界圧に相当する圧力レベルのCO2リッチガスを高圧燃料ガスとの熱交換により冷却しようとすると、CO2リッチガスの温度低下量と、高圧燃料ガスの温度上昇量とのバランスを確保することが難しい。 この点、上記(6)の構成によれば、上流側圧縮機により昇圧されたCO2リッチガスを高圧燃料ガス以外の冷却媒体との熱交換により冷却するようにしたので、下流側圧縮機の入口ガスを適切に冷却し、下流側圧縮機における圧縮動力を削減することができる。

(7)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(6)の何れかの構成において、 前記プラントは、 前記少なくとも一つの圧縮機の下流側において前記CO2リッチガスラインに設けられ、前記少なくとも一つの圧縮機で昇圧された前記CO2リッチガスからCO2を分離するためのCO2分離装置をさらに備える。

上記(7)の構成によれば、CO2分離装置によりCO2リッチガスからCO2を分離することで、高純度のCO2を得ることができる。また、CO2リッチガスに可燃成分ガスが不純物として含まれている場合、CO2分離装置により得られる不純物ガスを燃料として利用することが可能となり、プラント全体としてのエネルギー効率の向上に寄与し得る。

(8)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(7)の何れかの構成において、 前記プラントは、 アノードと、二酸化炭素を含む排ガスが供給されるカソードと、前記排ガス中に含まれる二酸化炭素由来の炭酸イオンを前記カソードから前記アノードに移動させるように構成された電解質と、を含む燃料電池をさらに備え、 前記少なくとも一つの圧縮機は、前記アノードの出口ガス由来の前記CO2リッチガスを圧縮するように構成され、 前記燃料電池の前記アノードは、前記少なくとも一つの膨張機により動力が回収された前記高圧燃料ガスが供給されるように構成される。

上記(8)の構成によれば、燃料電池により発電しながらCO2の回収が可能であるため、CO2回収に伴うプラント全体としてのエネルギー効率の低下を抑制することができる。また、CO2リッチガスを圧縮することで、少なくとも燃料電池により回収した二酸化炭素をEORに利用したり、岩盤内や海中への固定化したりすることが可能となる。さらに、燃料電池のアノードへの燃料ガスの供給圧はそれほど高い圧力でなくても足りるから、アノードに供給される高圧燃料ガスの圧力を膨張機において動力として回収することで、プラント全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。

(9)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(8)の何れかの構成において、 前記少なくとも一つの圧縮機は、前記少なくとも一つの膨張機で取り出した前記動力を用いて駆動されるように構成される。

上記(9)の構成によれば、膨張機により高圧燃料ガスから回収した動力を用いて圧縮機を駆動するようにしたので、プラント全体としてのエネルギー効率が向上する。 なお、動力伝達機構を介して、膨張機の回転軸から圧縮機の回転軸に動力を伝達してもよい。あるいは、膨張機の回転軸に連結された発電機により生成した電力により、圧縮機の回転軸に連結されたモータを駆動してもよい。

(10)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラントの運転方法は、 燃料供給ラインを介して高圧燃料ガスを供給するステップと、 前記燃料供給ラインに設けられた少なくとも一つの膨張機により、前記高圧燃料ガスを膨張させて該高圧燃料ガスから動力を取り出すステップと、 を備える。

上記(10)の方法によれば、高圧燃料ガスの圧力を有効活用して動力として取り出すようにしたので、プラント全体としての出力及び効率を向上させることができる。

(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の方法において、 前記少なくとも一つの膨張機のうち何れかの膨張機の上流側において前記燃料供給ラインに設けられた加熱器を用いて、該膨張機に流入する前記高圧燃料ガスを加熱するステップを備える。

上記(11)の方法によれば、膨張機の上流側に設けられた加熱器を用いて膨張機に流入する高圧燃料ガスを加熱するので、膨張機においてより多くの動力を取り出すことが可能になる。これにより、プラント全体としての出力及び効率を一層向上させることができる。

(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、 CO2リッチガスが流れるCO2リッチガスラインに設けられた少なくとも一つの圧縮機により、前記CO2リッチガスを昇圧するステップをさらに備え、 前記高圧燃料ガスを加熱するステップでは、前記少なくとも一つの圧縮機の排熱により、前記高圧燃料ガスを加熱する。

上記(12)の方法によれば、圧縮機によりCO2リッチガスを昇圧させることで、例えばEOR(Enhanced Oil Recovery)に利用したり、岩盤内や海中へのCO2の封入及び固定化が可能となる。また、CO2リッチガスを昇圧させるための圧縮機の排熱を利用して、加熱器において高圧燃料ガスを加熱するようにしたので、膨張機においてより多くの動力を回収可能となり、プラント全体の出力および効率をより一層向上させることができる。

(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の方法において、 前記少なくとも一つの圧縮機は、前記CO2リッチガスラインに直列に並べて設けられた複数の圧縮機を含み、 前記高圧燃料ガスを加熱するステップでは、前記複数の圧縮機のうち隣り合う一対の圧縮機間を流れる前記CO2リッチガスとの熱交換により前記高圧燃料ガスを加熱する。

上記(13)の方法によれば、一対の圧縮機間を流れるCO2リッチガスとの熱交換により高圧燃料ガスを加熱するようにしたので、圧縮機の排熱を高圧燃料ガスに回収し、膨張機においてより多くの動力を取り出すことができる。一方、CO2リッチガスラインにおいて加熱器の下流側に位置する圧縮機には、加熱器における高圧燃料ガスとの熱交換により冷却されたCO2リッチガスが流入するため、加熱器が圧縮機の中間冷却器として機能し、圧縮機の運転に必要な動力を削減することができる。

(14)幾つかの実施形態では、上記(13)の方法において、 前記少なくとも一つの圧縮機は、 前記CO2リッチガスラインにおいて、隣り合う一対の圧縮機間に前記加熱器が介在する複数の上流側圧縮機と、 前記CO2リッチガスラインにおいて前記上流側圧縮機よりも下流側に設けられる1以上の下流側圧縮機と、 を含み、 複数の前記上流側圧縮機のうち最も下流側に位置する圧縮機と前記下流側圧縮機との間、または、前記CO2リッチガスラインにおいて隣り合う一対の前記下流側圧縮機の間に設けられる熱交換器において、前記高圧燃料ガス以外の冷却媒体により前記CO2リッチガスを冷却するステップをさらに備える。

CO2リッチガスは、臨界圧付近において定圧比熱Cpが大きくなる傾向がある。このため、臨界圧に相当する圧力レベルのCO2リッチガスを高圧燃料ガスとの熱交換により冷却しようとすると、CO2リッチガスの温度低下量と、高圧燃料ガスの温度上昇量とのバランスを確保することが難しい。 この点、上記(14))の方法によれば、上流側圧縮機により昇圧されたCO2リッチガスを高圧燃料ガス以外の冷却媒体との熱交換により冷却するようにしたので、上流側圧縮機の入口ガスを適切に冷却し、上流側圧縮機における圧縮動力を削減することができる。

(15)幾つかの実施形態では、上記(12)乃至(14)の何れかの方法において、 前記少なくとも一つの圧縮機の下流側において前記CO2リッチガスラインに設けられたCO2分離装置により、前記少なくとも一つの圧縮機で昇圧された前記CO2リッチガスからCO2を分離するステップをさらに備える。

上記(15)の方法によれば、CO2分離装置によりCO2リッチガスからCO2を分離することで、高純度のCO2を得ることができる。また、CO2リッチガスに可燃成分ガスが不純物として含まれている場合、CO2分離装置により得られる不純物ガスを燃料として利用することが可能となり、プラント全体としてのエネルギー効率の向上に寄与し得る。

(16)幾つかの実施形態では、上記(12)乃至(15)の何れかの方法において、 二酸化炭素を含む排ガスの少なくとも一部を燃料電池のカソードに供給するステップと、 前記燃料電池の電解質内において、前記排ガス中の二酸化炭素由来の炭酸イオンを前記カソードから前記燃料電池のアノードに移動させるステップと、 前記少なくとも一つの膨張機により動力が回収された前記高圧燃料ガスを前記燃料電池の前記アノードに供給するステップと、 をさらに備え、 前記CO2リッチガスを昇圧するステップでは、前記少なくとも一つの圧縮機により、前記アノードの出口ガス由来の前記CO2リッチガスを圧縮する。

上記(16)の方法によれば、燃料電池により発電しながらCO2の回収が可能であるため、CO2回収に伴うプラント全体としてのエネルギー効率の低下を抑制することができる。また、CO2リッチガスを圧縮することで、少なくとも燃料電池により回収した二酸化炭素をEORに利用したり、岩盤内や海中への固定化したりすることが可能となる。さらに、燃料電池のアノードへの燃料ガスの供給圧はそれほど高い圧力でなくても足りるから、アノードに供給される高圧燃料ガスの圧力を膨張機において動力として回収することで、プラント全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。

本発明の少なくとも一実施形態によれば、高圧燃料ガスの圧力エネルギーを有効活用してプラント全体としての出力及び効率を向上可能なプラント及びプラントの運転方法が提供される。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るCO

2分離装置の概略構成図である。

一実施形態に係るCO

2分離装置の概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

一実施形態に係るプラントの概略構成図である。

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。

図1〜図7及び図10〜図11は、それぞれ、一実施形態に係るプラントの概略構成図である。図1〜図7及び図10〜図11に示すように、幾つかの実施形態に係るプラント1は、高圧燃料ガスを供給するための燃料供給ライン2と、燃料供給ライン2に設けられた少なくとも1つの膨張機4と、を備える。燃料供給ライン2は、少なくとも1つの膨張機4よりも上流側に位置する上流側燃料供給ライン2aと、少なくとも1つの膨張機4よりも下流側に位置する下流側燃料供給ライン2bと、を含む。膨張機4は、上流側燃料供給ライン2aから流入する高圧燃料ガスを膨張させて、該高圧燃料ガスから動力を取り出すように構成される。

なお、図10及び図11では、プラント1は、ガスタービン200を含む火力発電装置102と、火力発電装置102からの排ガスに含まれる二酸化炭素(CO2)を回収するように構成されたCO2回収システム103と、を含む。また、図10及び図11においては、膨張機4の図示を省略している。火力発電装置102及びCO2回収システム103の構成については、後述する。

高圧燃料ガスは、常圧よりも高圧の燃料ガスであり、例えば、膨張機4の入口(少なくとも1つの膨張機4が複数の膨張機4を含む場合には、最上流側の膨張機4の入口)において1MPa〜20MPa程度の圧力を有していてもよい。燃料ガスは、例えば、天然ガスであってもよく、あるいは、石炭やバイオマスをガス化炉で処理することにより得られる、CO又はH2等を含むシンガスであってもよい。

例えば、図2に示す例示的な実施形態では、上流側燃料供給ライン2aに燃料タンク10が接続されているとともに、該上流側燃料供給ライン2aには、ポンプ12及び熱交換器14が設けられている。そして、燃料タンク10に貯留されている液化天然ガスは、ポンプ12で昇圧された後に熱交換器14で気化されて、高圧燃料ガスとして膨張機4に流入するようになっている。なお、熱交換器14は、空気又は等の熱源との熱交換により、液化天然ガスを気化するように構成されていてもよい。

また、例えば、図3に示す例示的な実施形態では、上流側燃料供給ライン2aは、石炭又はバイオマス等をガス化処理するためのガス化炉20のガス排出口に接続されている。そして、ガス化炉20において石炭又はバイオマス等を処理することにより得られるシンガスが、高圧燃料ガスとして膨張機4に流入するようになっている。 なお、ガス化炉20には、石炭又はバイオマス等を燃焼させるための空気が供給されるようになっていてもよい。この空気は、図3に示すように、圧縮機16で圧縮されてからガス化炉20に供給されるようになっていてもよい。圧縮機16は、電動機によって駆動されてもよく、あるいは、タービンによって駆動されるようになっていてもよい。圧縮機16を駆動するタービンは、上述の膨張機4であってもよい。

膨張機4は、例えば、気体の膨張仕事を回転運動として取り出すように構成されたタービン(回転式膨張機)であってもよく、あるいは、気体の膨張仕事を往復運動として取り出すように構成されたレシプロ式膨張式であってもよい。 なお、図1〜図7に示す例示的な実施形態では、膨張機4として、流入するガスによって回転駆動されるように構成されたタービンが採用されている。また、図1〜図7に示すように、タービン(膨張機4)の回転シャフト5には発電機6が接続されていてもよく、発電機6は、該タービンに回転駆動されて電力を生成するようになっていてもよい。 また、図6及び図7に示すように、複数の膨張機4が燃料供給ライン2に直列に並べて設けられていてもよく、複数の膨張機4は同軸に設けられ、それぞれの膨張機4が共通の発電機6を回転駆動するように構成されていてもよい。

膨張機4で動力が取り出されて圧力が低下した燃料ガスは、膨張機4から排出された後、下流側燃料供給ライン2bを介して該燃料ガスを使用する機器等に供給されるようになっている。膨張機4の出口(少なくとも1つの膨張機4が複数の膨張機4を含む場合には、最下流側の膨張機4の出口)における燃料ガスの圧力は、例えば、膨張機4の入口における燃料ガス(高圧燃料ガス)の圧力の5%〜30%程度の圧力であってもよい。あるいは、膨張機4の出口における燃料ガスの圧力は、例えば、0.2MPa〜1.5MPa程度であってもよい。 燃料ガスは、例えば、燃料電池(MCFC、SOFC、PEFC又はPAFC等の各種燃料電池)、ボイラ、又はマイクロガスタービン等に燃料として供給されるようになっていてもよく、あるいは、都市ガスとして家庭や各種設備に供給されるようになっていてもよい。

このように、幾つかの実施形態に係るプラント1では、燃料供給ライン2に設けられた膨張機4を用いて、高圧燃料ガスの圧力を有効活用して動力として取り出すことにより、プラント全体としての出力及び効率を向上させることができる。

幾つかの実施形態では、プラント1は、少なくとも一つの膨張機4のうち何れかの膨張機4の上流側において燃料供給ライン2に設けられた加熱器22を備える。加熱器22は、該膨張機4(即ち、燃料供給ライン2において加熱器22よりも下流側に位置する膨張機4)に流入する高圧燃料ガスを加熱するように構成される。

例えば、図4に示す例示的な実施形態では、燃料供給ライン2には、1つの膨張機4が設けられており、該膨張機4の上流側において燃料供給ラインに加熱器22が設けられている。

また、例えば、図5〜図7に示す例示的な実施形態では、燃料供給ライン2には、高圧燃料ガスの流れ方向に並べて複数の膨張機4が設けられている。そして、燃料供給ライン2には、複数の膨張機4のそれぞれに対応する複数の加熱器22が、各々の膨張機4の上流側に設けられている。

このように、膨張機4の上流側に加熱器22を設けることにより、膨張機4においてより多くの動力を取り出すことが可能になる。これにより、プラント全体としての出力及び効率を一層向上させることができる。

また、図5〜図7に示すように、複数の膨張機4の各々の上流側にそれぞれ加熱器22を設けることにより、各々の膨張機4においてより多くの動力を取り出すことが可能になる。また、複数の膨張機4のそれぞれに対応する複数の加熱器22を設けることにより、各々の膨張機4で回収される動力を増大させるために、加熱器22に用いる熱源として比較的低温の排熱を効果的に利用することができる。これにより、プラント全体としての出力及び効率をより一層向上させることができる。

幾つかの実施形態では、プラント1は、例えば、図6、図7、図10及び図11に示すように、CO2リッチガスが流れるCO2リッチガスライン24と、CO2リッチガスライン24に設けられた少なくとも一つの圧縮機26A及び/又は26B(以下、圧縮機(26A,26B)と表記する)と、をさらに備える。CO2リッチガスライン24は、少なくとも一つの圧縮機(26A,26B)よりも上流側に位置する上流側CO2リッチガスライン24aと、少なくとも一つの圧縮機(26A,26B)よりも下流側に位置する下流側CO2リッチガスライン24bと、を含む。圧縮機(26A,26B)は、CO2リッチガスライン24を流れるCO2リッチガスを昇圧するように構成される。そして、加熱器22は、圧縮機(26A,26B)の排熱により、燃料供給ライン2を流れる高圧燃料ガスを加熱するように構成される。すなわち、加熱器22では、CO2リッチガスライン24において該加熱器22よりも上流側に位置する圧縮機(26A,26B)での圧縮により温度が上昇したCO2リッチガスとの熱交換により、燃料供給ライン2を流れる高圧燃料ガスが加熱されるようになっている。 なお、図10及び図11においては、圧縮機(26A,26B)の図示を省略している。

圧縮機(26A,26B)は、回転シャフト27を介して接続された電動機28によって駆動されるようになっていてもよい。 図6及び図7に示す例示的な実施形態では、複数の圧縮機(26A,26B)が、CO2リッチガスラインに直列に並べて設けられている。図6及び図7に示すように、複数の圧縮機(26A,26B)は同軸に設けられていてもよく、それぞれの圧縮機(26A,26B)が共通の電動機28によって駆動されるようになっていてもよい。

CO2リッチガスを流れるCO2リッチガスは、燃料供給ライン2を流れる高圧燃料ガスよりも高濃度のCO2を含むガスであってもよい。 あるいは、CO2リッチガスライン24を流れるCO2リッチガスは、例えば、排ガス発生設備から排出されるCO2を含む排ガスからCO2を回収する過程で生じるCO2リッチガスであってもよい。この場合、CO2リッチガスは、処理対象の排ガスよりもCO2濃度が高いガスであってもよい。 例えば、より詳細には後で説明するが、図10及び図11に示す例示的な実施形態では、ガスタービン200からの排ガスに含まれるCO2が燃料電池110のカソード112及びアノード116を介して回収されるようになっており、CO2リッチガスライン24には、CO2リッチガスとしてアノード116から流出するアノード出口ガスが導かれるようになっている。

このように、圧縮機(26A,26B)によりCO2リッチガスを昇圧させることで、例えば、昇圧したCO2リッチガスをEOR(Enhanced Oil Recovery)に利用したり、岩盤内や海中へのCO2の封入及び固定化が可能となる。また、CO2リッチガスを昇圧させるための圧縮機(26A,26B)の排熱を利用して、加熱器22において高圧燃料ガスを加熱することにより、膨張機4においてより多くの動力を回収可能となり、プラント全体の出力および効率をより一層向上させることができる。

幾つかの実施形態では、例えば、図6及び図7に示すように、CO2リッチガスライン24において、直列に設けられた複数の圧縮機26Aのうち隣り合う一対の圧縮機26Aの間に加熱器22が配置されている。該加熱器22では、燃料供給ライン2を流れる高圧燃料ガスが、上述の隣り合う一対の圧縮機26Aの間を流れるCO2リッチガスとの熱交換により加熱されるようになっている。

このように、一対の圧縮機26Aの間を流れるCO2リッチガスとの熱交換により高圧燃料ガスを加熱することにより、圧縮機26Aの排熱を高圧燃料ガスに回収し、膨張機4においてより多くの動力を取り出すことができる。一方、CO2リッチガスライン24において加熱器22の下流側に位置する圧縮機26Aには、加熱器22における高圧燃料ガスとの熱交換により冷却されたCO2リッチガスが流入するため、加熱器22が圧縮機26Aの中間冷却器として機能し、圧縮機26Aの運転に必要な動力を削減することができる。

幾つかの実施形態では、例えば図6に示すように、CO2リッチガスライン24に設けられる少なくとも一つの圧縮機(26A,26B)は、複数の圧縮機26A(上流側圧縮機)と、CO2リッチガスライン24において複数の圧縮機26Aよりも下流側に設けられる1以上の圧縮機26B(下流側圧縮機)と、を含む。CO2リッチガスライン24において、複数の圧縮機26A(上流側圧縮機)のうち隣り合う一対の圧縮機26Aの間には、加熱器22が介在する。そして、CO2リッチガスライン24において、複数の圧縮機26A(上流側圧縮機)のうち最も下流側に位置する圧縮機26A’と圧縮機26B(下流側圧縮機)との間、または、隣り合う一対の圧縮機26B(下流側圧縮機)の間には、熱交換器34が設けられる。熱交換器34には、冷却媒体ライン32を介して、高圧燃料ガス以外の冷却媒体が導かれるようになっており、熱交換器34は、該冷却媒体との熱交換により、CO2リッチガスライン24を流れるCO2リッチガスを冷却するように構成される。

なお、図6に示す例示的な実施形態では、CO2リッチガスライン24には、複数の圧縮機26A(上流側圧縮機)の下流側に1つの圧縮機26B(下流側圧縮機)が設けられており、CO2リッチガスライン24において、複数の圧縮機26Aのうち最も下流側に位置する圧縮機26A’と圧縮機26Bとの間に、熱交換器34が設けられている。

幾つかの実施形態では、プラント1は、蒸気を生成するためのボイラ(不図示)を含み、熱交換器34には、蒸気を生成するためにボイラに供給される水が、冷却媒体として冷却媒体ライン32を介して導かれるようになっていてもよい。 なお、上述のボイラは、ガスタービン等からの排ガスの熱を回収するための排熱回収ボイラ(HRSG)であってもよい。

CO2リッチガスは、CO2の臨界圧(約7.4MPa)付近において定圧比熱Cpが大きくなる傾向がある。このため、臨界圧に相当する圧力レベルのCO2リッチガスを高圧燃料ガスとの熱交換により冷却しようとすると、CO2リッチガスの温度低下量と、高圧燃料ガスの温度上昇量とのバランスを確保することが難しい。 この点、上述したように、圧縮機26A(上流側圧縮機)により昇圧されたCO2リッチガスを高圧燃料ガス以外の冷却媒体との熱交換により冷却することにより、圧縮機26B(下流側圧縮機)の入口ガスを適切に冷却し、圧縮機26B(下流側圧縮機)における圧縮動力を削減することができる。

幾つかの実施形態では、高圧燃料ガス以外の冷却媒体とCO2リッチガスとを熱交換するための熱交換器34を流れるCO2リッチガスの圧力が、CO2の臨界圧の90%以上であってもよい。 この場合、臨界圧に近い圧力のCO2リッチガスを高圧燃料ガス以外の冷却媒体との熱交換により冷却することにより、定圧比熱Cpが比較的大きい圧縮機26B(下流側圧縮機)の入口ガスを効果的に冷却し、圧縮機26B(下流側圧縮機)における圧縮動力を削減することができる。

なお、図示しないが、加熱器22及び/又は熱交換器34は、CO2リッチガスに含まれる水分が凝縮して生成するドレン水を分離可能に構成されていてもよい。これにより、CO2リッチガスを圧縮する圧縮機(26A,26B)のエロージョン等による損傷を抑制することができる。

幾つかの実施形態では、少なくとも一つの圧縮機(26A,26B)は、少なくとも一つの膨張機4で取り出した動力を用いて駆動されるように構成されていてもよい。 このように、膨張機4により高圧燃料ガスから回収した動力を用いて圧縮機(26A,26B)を駆動することにより、プラント全体としてのエネルギー効率を向上させることができる。

例えば、一実施形態では、圧縮機(26A,26B)の回転シャフト27(図6又は図7参照)と膨張機4の回転シャフト5(図6又は図7参照)とは、動力伝達機構(例えば歯車等;不図示)を介して接続されていてもよい。そして、該動力伝達機構を介して、膨張機4の回転シャフト5から圧縮機(26A,26B)の回転シャフト27(図6又は図7参照)に動力を伝達することによって、圧縮機(26A,26B)が少なくとも部分的に駆動されるようになっていてもよい。 この場合、圧縮機(26A,26B)を駆動するための動力量は、例えば、膨張機4の回転シャフト5に連結された発電機6、又は、圧縮機(26A,26B)の回転シャフト27に接続された電動機28によって調節するようにしてもよい。

また、例えば、一実施形態では、膨張機4の回転シャフト5に連結された発電機6により生成した電力により、圧縮機(26A,26B)の回転シャフト27に連結された電動機28を駆動してもよい。 この場合、電動機28と発電機6とを電力ケーブル(不図示)で接続するとともに、該電力ケーブルを介して、電動機28及び発電機6を電力系統に接続してもよい。そして、圧縮機(26A,26B)を駆動するための電力量を、電力系統への給電及び電力系統からの受電により調節するようにしてもよい。

なお、図6及び図7には、複数の膨張機4及び複数の圧縮機(26A,26B)が、それぞれ回転シャフト5及び回転シャフト27で同軸に直結されることにより、複数の膨張機4及び複数の圧縮機(26A,26B)の間で動力が伝達される例を示したが、複数の膨張機4及び複数の圧縮機(26A,26B)の間における動力の伝達は、このような方式に限定されない。

例えば、複数の膨張機4及び/又は複数の圧縮機(26A,12B)は、各々の回転シャフトは歯車などの動力伝達機構を介して接続されていてもよい。また、複数の膨張機4及び/又は複数の圧縮機(26A,12B)のそれぞれに対応する発電機及び/又は電動機が設けられていてもよく、各電動機によって複数の圧縮機(26A,26B)が駆動されるようになっていてもよい。これらの電動機には、膨張機4によって駆動される発電機によって生成される電力が供給されるようになっていてもよい。

幾つかの実施形態では、例えば図7に示すように、プラント1は、圧縮機(26A,27B)の下流側においてCO2リッチガスライン24に設けられたCO2分離装置40を備える。CO2分離装置40は、圧縮機(26A,26B)で昇圧されたCO2リッチガスからCO2を分離するように構成される。 CO2分離装置40でCO2リッチガスからCO2を分離することにより、高純度のCO2を得ることができる。また、CO2リッチガスに可燃成分ガス(H2又はCO等)が不純物として含まれている場合、CO2分離装置40により得られる不純物ガスを燃料として利用することが可能となり、プラント全体としてのエネルギー効率の向上に寄与し得る。

ここで、図8及び図9は、それぞれ、他の一実施形態に係るCO2分離装置の概略構成図である。 図7〜図9に示す例示的な実施形態では、下流側CO2リッチガスライン24bを介して、圧縮機(26A,26B)で昇圧されたCO2リッチガスがCO2分離装置40に導かれるようになっている。また、CO2リッチガスから分離されたCO2は、CO2分離装置40からCO2リッチガスライン24のCO2回収ライン24cを介して排出されるようになっている。また、CO2リッチガスからCO2が除かれた残部の不純物ガスは、排出ライン30を介してCO2分離装置40から排出されるようになっている。なお、この不純物ガスには、H2、CO又はN2等が含まれる場合がある。

幾つかの実施形態では、例えば図7に示すように、CO2分離装置40は、上述のCO2リッチガスからCO2を分離するように構成されたCO2分離膜42を含む。 図7に示す例示的な実施形態では、CO2分離膜42は、該CO2分離膜42の前後の圧力の差(例えばCO2分圧の差)を利用して、CO2及びCO2以外の成分(例えばH2又はN2等)を含むCO2リッチガスから、CO2を選択的に透過させて分離するように構成される。圧縮機(26A,26B)により圧縮されたCO2リッチガスは高圧を有するので、CO2分離膜42によってCO2リッチガスからCO2を効果的に分離することができる。

CO2分離装置40では、CO2リッチガスから分離されてCO2分離膜42を透過したCO2はCO2回収ライン24cを介してCO2分離装置40から排出されるとともに、CO2分離膜42を透過しない残部の不純物ガスは、排出ライン30を介してCO2分離装置40から排出される。

また、幾つかの実施形態では、例えば図8及び図9に示すように、CO2分離装置40は、上述のCO2リッチガスからCO2を分離するように構成されたCO2液化/固化器44を含む。CO2液化/固化器44は、冷凍機46からの冷媒との熱交換により、CO2リッチガスを冷却するように構成される。そして、CO2リッチガスに含まれるCO2が冷却されて液化又は固化された後、CO2回収ライン24cを介してCO2分離装置40から排出されるようになっている。なお、CO2リッチガスに含まれる成分のうち、CO2に比べて凝固点又は沸点が低い不純物(H2やCO等)は、ガス状態のまま排出ライン30を介してCO2分離装置40から排出される。

図8に示す例示的な実施形態では、CO2液化/固化器44は、CO2リッチガスに含まれるCO2を冷却して液化させるように構成されている。液化された高純度のCO2(液化CO2)は、CO2回収ライン24cを介してCO2分離装置40から排出されるようになっている。 なお、CO2回収ライン24cには、液化CO2を昇圧するためのポンプ49が設けられていてもよい。ポンプ49によって液化CO2を昇圧することにより、高純度かつ高圧のCO2を得ることができる。

図9に示す例示的な実施形態では、CO2液化/固化器44は、CO2リッチガスに含まれるCO2を冷却して固化させるように構成されている。固化された高純度のCO2(固体CO2)は、気化器50の第1室50aに取り出された後、第2室50bに移され、第2室において熱源56からの熱を受け取って気化及び昇圧されるようになっている。気化及び昇圧された高純度のCO2は、CO2回収ライン24cを介してCO2分離装置40から排出されるようになっている。

図9に示すように、気化器50は、CO2液化/固化器44で生成された固体CO2を第1室50aに受け入れるための蓋部52、及び、第1室50aと第2室50bとの連通状態を切り替えるための蓋部54を有していてもよい。これらの蓋部52,54は、CO2液化/固化器44からの個体CO2を第1室50aに取り出すとき、及び、第1室50aから第2室50bに移すときに、適宜開閉されるようになっていてもよい。なお、図9には、CO2液化/固化器44からの個体CO2を第1室50aに取り出すために、蓋部52が開放されるとともに、蓋部54が閉じられた状態が示されている。

幾つかの実施形態では、CO2液化/固化器44は、CO2リッチガスを冷却して、CO2リッチガスに含まれるCO2の一部を液化するとともに、CO2の他の一部を固化するように構成されていてもよい。この場合、液化された液化CO2及び固化された固体CO2は、別々の回収ラインから回収されるようになっていてもよい。

上述した膨張機4及び圧縮機(26A,26B)を備えるプラント1(例えば図6〜図9参照)は、例えば、図10又は図11に示すような、燃料電池110を含むプラントに適用されてもよい。 図10及び図11に示すプラント1は、カソード112と、アノード116と、カソード112とアノード116の間に配置される電解質114と、を含む燃料電池110を備えている。燃料電池110のカソード112には、CO2を含む排ガスが供給されるようになっている。また、電解質114は、排ガス中に含まれるCO2由来の炭酸イオン(CO32−)をカソード112からアノード116に移動させるように構成されている。そして、圧縮機(26A,26B)は、燃料電池110のアノード116の出口ガス由来のCO2リッチガスを圧縮するように構成されるとともに、燃料電池110のアノード116は、膨張機4により動力が回収された高圧燃料ガスが供給されるように構成されている。

以下、図10及び図11に示すプラント1の構成についてより具体的に説明する。なお、図10のA1〜A4は、図6のA1〜A4と同じ部位を示し、図11のB1〜B5は、図7のB1〜B5と同じ部位を示す。 図10及び図1に示すプラント1は、火力発電装置102と、二酸化炭素回収システム103と、を備えた火力発電設備である。二酸化炭素回収システム103は、火力発電装置102からの排ガスに含まれる二酸化炭素(CO2)を回収するように構成される。

火力発電装置102は、燃料の燃焼により生成する燃焼ガス又は燃焼熱を用いて発電を行う装置であり、例えば、ボイラ又はガスタービンを含む発電装置、又は、ガスタービン複合発電(GTCC)又は石炭ガス化複合発電(IGCC)等の発電装置であってもよい。図10及び図11に示す例示的な実施形態では、火力発電装置102は、ガスタービン200の燃焼ガスを用いて発電を行う発電装置である。

二酸化炭素回収システム103は、火力発電装置102における燃焼生成ガスを含む排ガスに含まれるCO2を回収するように構成されている。例えば、火力発電装置102が燃焼器を含むボイラ又はガスタービンを備える場合、二酸化炭素回収システム103は、該ボイラ又はガスタービンからの排ガスに含まれるCO2を回収するように構成されていてもよい。あるいは、火力発電装置102が、ガスタービン等からの排ガスの熱を回収するための排熱回収ボイラ(HRSG)を備える場合、二酸化炭素回収システム103は、該排熱回収ボイラからの排ガスに含まれるCO2を回収するように構成されていてもよい。

図10及び図11に示す例示的な実施形態では、火力発電装置102は、ガスタービン200を含む火力発電装置である。図10及び図11に示す実施形態において、二酸化炭素回収システム103は、ガスタービン200からの排ガスに含まれるCO2を回収するように構成される。

図10及び図11に示すガスタービン200は、空気を圧縮するための圧縮機202と、燃料(例えば天然ガス等)を燃焼させて燃焼ガスを発生させるための燃焼器204と、燃焼ガスにより回転駆動されるように構成されたタービン206と、を備える。 燃焼器204には、燃料貯留部122から燃料(天然ガス等)が供給されるようになっている。また、燃焼器204には圧縮機202で圧縮された空気が送り込まれるようになっており、この圧縮空気は、燃焼器204において燃料が燃焼する際の酸化剤としての役割を有する。 タービン206には回転シャフト203を介して発電機208が連結されており、タービン206の回転エネルギーによって発電機208が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン206で仕事を終えた燃焼ガスは、排ガスとしてタービン206から排出されるようになっている。

図10及び図11に示す例示的な実施形態では、二酸化炭素回収システム103は、上述した燃料電池110と、燃料電池110のアノード116の出口側に接続され、アノード116の出口ガス由来のCO2リッチガスを導くように構成されたCO2リッチガスライン(アノード出口側流路)24と、を含む。火力発電装置102からの排ガス中に含まれるCO2は、以下に説明するように、燃料電池110及びCO2リッチガスライン24を介して回収されるようになっている。

本明細書において、アノードの出口ガス由来のCO2リッチガスは、アノード出口ガスそのものであってもよいし、アノード出口ガスに対して所定の処理(例えば、後述するCOシフト反応器120でのCOシフト反応やガス分離ユニット136における膜分離等)を行った後のガスであってもよい。なお、CO2リッチガスは、処理対象である排ガスよりもCO2濃度が高いガスを指す。

上述したように、燃料電池110は、アノード(燃料極)116と、カソード(空気極)112と、電解質114と、を含む。カソード112には、火力発電装置102からの排ガス(CO2を含む排ガス)が供給されるようになっている。一方、アノード116には、水素(H2)を含む燃料ガスが供給されるようになっている。電解質114は、排ガス中に含まれるCO2由来の炭酸イオン(CO32−)をカソード112からアノード116に移動させるように構成される。

燃料電池110は、電解質114として炭酸塩を用いた溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC: Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。電解質114として用いられる炭酸塩は、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸カリウム等であってもよく、又は、これらの混合物であってもよい。

カソード112には、カソード入口側流路170を介して火力発電装置102からのCO2を含む排ガスが供給される。

アノード116には、アノード入口側流路176及び燃料供給ライン2を介して、燃料(例えば天然ガス)が貯留される燃料貯留部122が接続されている。燃料貯留部122内の燃料は、燃料供給ライン2に設けられた予備改質器124及び燃料電池110に設けられた改質部118等において水素(H2)に改質されて、アノード入口側流路176を介してアノード116に供給されるようになっている。

燃料電池110のカソード112では、火力発電装置102からの排ガスに含まれるCO2及び酸素(O2)と電子とが反応して炭酸イオン(CO32−)が生成される。カソード112で生成した炭酸イオンは、電解質114をアノード116に向かって移動する。 一方、燃料電池110のアノード116では、アノード入口側流路176を介して供給された水素(H2)と、電解質114を移動してきた炭酸イオン(CO32−)とが反応して、水(H2O)、CO2及び電子が生成される。 このようにして、カソード112に供給されたCO2は、炭酸イオンの形で電解質114をカソード112からアノード116に移動し、アノード116での反応によりCO2となる。

アノード116で生成されたCO2は、H2O及び燃料ガスの未燃成分(例えばCOやH2)とともに混合ガス(アノード116の出口ガス)としてCO2リッチガスライン(アノード出口側流路)24に流出する。CO2リッチガスライン24に流出したアノード出口ガスは、処理対象である排ガスよりもCO2濃度が高いCO2リッチガスである。

アノード116から排出されたCO2リッチガスに含まれるCO2は、CO2リッチガスライン24を介して回収される。なお、回収されるCO2(即ち、燃料電池110によりアノード116側に回収されたCO2)は、圧縮機109(図11参照)で圧縮されるようになっていてもよい。

ところで、燃料の改質反応は吸熱反応であり、通常、外部から熱を加える必要がある。そこで、図10及び図11に示すように、改質部118の上流側に、燃料供給ライン2を介して改質部118に供給する燃料を昇温させるための熱交換器126を設けてもよい。燃料を熱交換器126により昇温させてから改質部118に供給することで、燃料の改質反応を効率良く行うことができる。

なお、図10及び図11に示す実施形態では、熱交換器126は、燃料供給ライン2から改質部118に供給する燃料を、アノード116の出口ガス(CO2リッチガス)との熱交換により昇温させるように構成される。 溶融炭酸塩型燃料電池は、約600℃〜700℃程度の高温で動作し、アノード116から流出するガスも同程度の高温を有する。よって、上述の熱交換器126によれば、燃料電池110で生じる反応熱を有効利用しながら燃料の改質反応を行うことができる。

また、図10及び図11に示す実施形態では、カソード入口側流路170には、燃料(例えば燃料貯留部122からの燃料)を燃焼させるための燃焼器119が設けられている。 燃料電池110の適切な動作のためには、供給される排ガス温度がある程度の高温を有していることが望ましい場合がある。このような場合、燃焼器119において燃料を燃焼させて、燃焼熱によってカソード112の入口側の排ガスを昇温させることにより、燃料電池110を適切に作動させやすくなる。

図10及び図11に示す例示的な実施形態では、CO2リッチガスライン24には、CO2リッチガスに含まれるCOを変性させるためのCOシフト反応器120が設けられる。COシフト反応器120は、CO2リッチガスに含まれるCOを、例えば水(H2O)との反応により、CO2に変換するように構成される。 COシフト反応器120によってCOを変成させることにより、COシフト反応器120よりも下流側のCO2リッチガスライン24のCO2濃度を、COシフト反応器120の上流側に比べて高めることができる。これにより、より高純度の二酸化炭素を回収することができる。

図10に示す例示的な実施形態では、CO2リッチガスライン24には、CO2リッチガス中のガス成分を分離するためのガス分離ユニット136が設けられている。 ガス分離ユニット136は、該ガス分離ユニット136に供給されるCO2リッチガスからCO2を分離するように構成されていてもよい。ガス分離ユニット136によりCO2リッチガスからCO2を分離することにより、ガス分離ユニット136よりも下流側のCO2リッチガスライン24のCO2濃度を、ガス分離ユニット136の上流側に比べて高めることができる。これにより、より高純度の二酸化炭素を回収することができる。

ガス分離ユニット136は、CO2リッチガスからCO2を分離するように構成された分離膜を含んでいてもよい。あるいは、ガス分離ユニット136は、深冷分離法によってCO2リッチガスからCO2を分離するように構成されていてもよい。 また、図10に示すように、CO2リッチガスライン24において、ガス分離ユニット136の上流側には、CO2リッチガスを、ガス分離ユニット136で採用される分離手法に適した圧力に昇圧するための圧縮機134が設けられていてもよい。

なお、図11に示す実施形態では、CO2リッチガスライン24を流れるCO2リッチガスは、上流側CO2リッチガスライン24aを介して、圧縮機(26A,26B)(図7参照)に導かれるようになっている。そして、圧縮機(26A,26B)を通過したCO2リッチガスは、下流側CO2リッチガスライン24b(図7参照)からCO2分離装置40(図7参照;上述のガス分離ユニット136に相当する)に導かれ、該CO2分離装置40において、CO2リッチガスからCO2が分離されるようになっている。CO2分離装置40でCO2リッチガスから分離されたCO2は、CO2回収ライン24cを介して回収されるようになっている。

幾つかの実施形態では、図10及び図11に示すように、火力発電装置102からの排ガスは、燃料電池110のカソード112に供給されるとともに、カソード入口側流路170から分岐するバイパス流路178を介して、排熱回収ボイラ140に供給されるようになっていてもよい。 図10及び図11に示す排熱回収ボイラ140は、火力発電装置102からの排ガスが導かれるダクト(不図示)と、ダクトに設けられた熱交換器(不図示)と、を備える。熱交換器は、ダクトを流れる排ガスとの熱交換により蒸気を生成するように構成されている。排熱回収ボイラ140で生成された蒸気は蒸気タービン142に導かれ、蒸気タービン142を回転駆動するようになっている。また、蒸気タービン142には発電機144が接続されており、発電機144は、蒸気タービン142によって回転駆動されて、電力を生成するようになっている。

図11に示す例示的な実施形態では、排熱回収ボイラ140のダクト内を流れて熱交換器を通過した排ガスは、煙突146から排出されるようになっている。

一方、図10に示す例示的な実施形態では、排熱回収ボイラ140のダクト内を流れて熱交換器を通過した排ガスは、ダクト出口を介して排熱回収ボイラから排出された後、化学吸収塔130に導かれるようになっている。 すなわち、図10に示す例示的な実施形態では、上述した燃料電池110及びCO2リッチガスライン24を介したCO2回収手段に加え、化学吸収塔130を用いて火力発電装置102からの排ガスに含まれるCO2を回収するようになっている。

図10に示すように、化学吸収塔130には、燃料電池110のカソード出口側流路172及び/又はバイパス流路178を介して、火力発電装置102からの排ガスが導かれるようになっている。なお、化学吸収塔130に導かれる排ガスは、図10に示すように、排熱回収ボイラ140において熱が回収された後の排ガスを含んでいてもよい。

一実施形態に係る化学吸収塔130では、吸収液(例えばアミンを含む吸収液)と、化学吸収塔130に導かれた排ガスとを接触させることにより、排ガスに含まれるCO2が吸収液に取り込まれるようになっている。これにより、排ガスからCO2が除去される。CO2が除去された排ガスは、処理済排ガスとして化学吸収塔130の出口130aから排出される。

CO2を吸収した吸収液は、化学吸収塔130から再生塔132に送られて、該再生塔132にて再生される。再生塔132では、CO2を吸収した吸収液が蒸気によって加熱され、これによりCO2が吸収液から分離及び除去される(即ち、吸収液が再生される)。 吸収液から除去されたCO2を含むガスは、再生塔132から排出されて、例えば気液分離器(不図示)で水分が除去された後、CO2がガスとして回収される。

一方、再生塔132でCO2が除去されて再生された吸収液は化学吸収塔130に返送され、再度、火力発電装置102からの排ガスに含まれるCO2を吸収するために用いられる。

図10及び図11に示す実施形態において、図10中のA1〜A2部分、及び、図11中のB1〜B2部分には、燃料貯留部122からの燃料をアノード116に供給するための燃料供給ライン2に、上述した膨張機4が設けられている(図6及び図7参照)。燃料供給ライン2には、燃料貯留部122からの高圧燃料ガスが流入するようになっており、膨張機4は、該高圧燃料ガスを膨張させて高圧燃料ガスから動力を取り出すようになっている。また、燃料供給ライン2において膨張機4の上流側には、加熱器22が設けられている。

また、図10及び図11に示す実施形態において、図10中のA3〜A4部分、及び、図11中のB3〜B4及びB3〜B5部分には、燃料電池110のアノード116の出口側のCO2リッチガスライン24に、上述した圧縮機(26A,26B)が設けられている(図6及び図7参照)。圧縮機(26A,26B)は、CO2リッチガスライン24を流れるCO2リッチガスを圧縮するように構成されている。そして、加熱器22では、圧縮機(26A,26B)の排熱により、燃料供給ライン2を流れる高圧燃料ガスが加熱されるようになっている。

なお、図10及び図11に示す実施形態において、圧縮機(26A,26B)を駆動するための電動機28には、燃料電池110において生成された電力の少なくとも一部が供給されるようになっていてもよい。

図10に示す実施形態では下流側CO2リッチガスライン24bを介して、圧縮機(26A,26B)により圧縮されたCO2(CO2リッチガス)が回収されるようになっている。

また、図11に示す例示的な実施形態において、図11中のB3〜B5部分には、圧縮機(26A,27B)の下流側においてCO2リッチガスライン24にCO2分離装置40が設けられている(図7参照)。そして、CO2分離装置40でCO2リッチガスラインから分離されたCO2は、CO2回収ライン24cを介して、圧縮機(26A,26B)により圧縮されたCO2(CO2リッチガス)が回収されるようになっている。また、CO2分離装置40でCO2リッチガスラインから除去されたH2又はCO2を含む不純物ガスは、排出ライン30を介して燃料供給ライン2に流入し、該不純物ガスは、予備改質器124及び燃料電池110の改質部118を介して燃料電池110のアノード116に供給されるようになっている。

図10及び図11に示すように、圧縮機(26A,26B)によりCO2リッチガスを昇圧させることで、例えば、昇圧したCO2リッチガスをEOR(Enhanced Oil Recovery)に利用したり、岩盤内や海中へのCO2の封入及び固定化が可能となる。また、CO2リッチガスを昇圧させるための圧縮機(26A,26B)の排熱を利用して、加熱器22において高圧燃料ガスを加熱することにより、膨張機4においてより多くの動力を回収可能となり、プラント全体の出力および効率をより一層向上させることができる。

また、図11に示すように、CO2分離装置40でCO2リッチガスからCO2を分離することにより、高純度のCO2を得ることができる。また、CO2リッチガスに可燃成分ガス(H2又はCO等)が不純物として含まれている場合、CO2分離装置40により得られる不純物ガスを燃料として燃料電池110等で利用することにより、プラント全体としてエネルギー効率を向上させることができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。

本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。 例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。 また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。 また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

1 プラント 2 燃料供給ライン 2a 上流側燃料供給ライン 2b 下流側燃料供給ライン 4 膨張機 5 回転シャフト 6 発電機 10 燃料タンク 12 ポンプ 14 熱交換器 16 圧縮機 20 ガス化炉 22 加熱器 24 CO2リッチガスライン 24a 上流側CO2リッチガスライン 24b 下流側CO2リッチガスライン 26A,26A’ 圧縮機 26B 圧縮機 27 回転シャフト 28 電動機 30 排出ライン 32 冷却媒体ライン 34 熱交換器 44 固化器 46 冷凍機 49 ポンプ 50 気化器 50a 第1室 50b 第2室 52 蓋部 54 蓋部 56 熱源 102 火力発電装置 103 二酸化炭素回収システム 109 圧縮機 110 燃料電池 112 カソード 114 電解質 116 アノード 118 改質部 119 燃焼器 120 COシフト反応器 122 燃料貯留部 124 予備改質器 126 熱交換器 130 化学吸収塔 130a 出口 132 再生塔 134 圧縮機 136 ガス分離ユニット 140 排熱回収ボイラ 142 蒸気タービン 144 発電機 146 煙突 170 カソード入口側流路 172 カソード出口側流路 176 アノード入口側流路 178 バイパス流路 200 ガスタービン 202 圧縮機 203 回転シャフト 204 燃焼器 206 タービン 208 発電機

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