熱エネルギー回収システム |
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申请号 | JP2015190955 | 申请日 | 2015-09-29 | 公开(公告)号 | JP2017066917A | 公开(公告)日 | 2017-04-06 |
申请人 | 株式会社神戸製鋼所; 旭海運 株式会社; 常石造船株式会社; 三浦工業株式会社; | 发明人 | 田中 祐治; 高橋 和雄; 足立 成人; 成川 裕; | ||||
摘要 | 【課題】膨張機の破損を抑制することと、膨張機を介して安定的に動 力 を回収することと、の双方を達成することが可能な熱エネルギー回収システムを提供すること。 【解決手段】熱エネルギー回収システムであって、蒸発器(40)と、過熱器(42)と、膨張機(44)と、動力回収機(46)と、凝縮器(48)と、ポンプ(50)と、制御部(60)と、を備え、制御部(60)は、エンジン負荷算出部(62)と、エンジン負荷とピンチ 温度 が目標ピンチ温度となるときのポンプ(50)の最大回転数との関係を示す関係式と、エンジン負荷と、に基づいて最大回転数を決定する最大回転数決定部(64)と、膨張機(44)に流入する作動媒体の過熱度が基準値以上となり、かつ、最大回転数決定部(64)により決定された最大回転数以下の範囲に収まるように、ポンプ(50)の回転数を調整する回転数調整部(66)と、を有すること。 【選択図】図1 | ||||||
权利要求 | エンジンに供給される過給空気と作動媒体とを熱交換させることにより当該作動媒体を蒸発させる蒸発器と、 前記蒸発器から流出した作動媒体と加熱媒体とを熱交換させることにより前記作動媒体を加熱する過熱器と、 前記過熱器から流出した作動媒体を膨張させる膨張機と、 前記膨張機に接続された動力回収機と、 前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、 前記凝縮器から流出した作動媒体を前記蒸発器へ送るポンプと、 制御部と、を備え、 前記制御部は、 エンジン負荷を算出するエンジン負荷算出部と、 前記エンジン負荷と、前記蒸発器内での前記過給空気の温度から前記作動媒体の飽和温度を引いた値で示されるピンチ温度が目標ピンチ温度となるときの前記ポンプの回転数である最大回転数と、の関係を示す関係式と、前記エンジン負荷算出部により算出されたエンジン負荷と、に基づいて前記最大回転数を決定する最大回転数決定部と、 前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が基準値以上となり、かつ、前記最大回転数決定部により決定された最大回転数以下の範囲に収まるように、前記ポンプの回転数を調整する回転数調整部と、を有する、熱エネルギー回収システム。請求項1に記載の熱エネルギー回収システムにおいて、 前記回転数調整部は、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記基準値以上であり、かつ、前記ポンプの回転数が前記最大回転数以下であるときに、前記最大回転数以下の範囲に収まり、かつ、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記基準値よりも高い値である規定値以下に収まるように、前記ポンプの回転数を上げる、熱エネルギー回収システム。請求項2に記載の熱エネルギー回収システムにおいて、 前記制御部は、前記ポンプの回転数が前記最大回転数であり、かつ、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記規定値よりも大きいときに、前記過熱度が前記規定値以下となるように前記過熱器への前記加熱媒体の供給量を減少させる加熱媒体調整部をさらに有する、熱エネルギー回収システム。請求項1ないし3のいずれかに記載の熱エネルギー回収システムにおいて、 前記エンジン負荷算出部は、前記エンジンに供給される燃料の供給量に基づいて前記エンジン負荷を算出する、熱エネルギー回収システム。請求項1ないし3のいずれかに記載の熱エネルギー回収システムにおいて、 前記エンジン負荷算出部は、前記エンジンに前記過給空気を供給する過給機の回転数に基づいて前記エンジン負荷を算出する、熱エネルギー回収システム。 |
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说明书全文 | 本発明は、熱エネルギー回収システムに関するものである。 従来、エンジンに供給される過給空気の排熱を回収する熱エネルギー回収システムが知られている。例えば、特許文献1には、蒸発器(第二熱交換器)と、過熱器(第三熱交換器)と、過熱器から流出した作動媒体を膨張させる膨張機と、膨張機に接続された流体機械と、膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、凝縮器から流出した作動媒体を蒸発器へ送る循環ポンプと、を備える熱エネルギー回収システム(流体機械駆動システム)が開示されている。蒸発器は、空気圧縮機から吐出された後でかつエンジンに供給される前の過給空気と作動媒体とを熱交換させることによって作動媒体を蒸発させる。過熱器は、排ガスボイラから流出した蒸気と蒸発器から流出した作動媒体とを熱交換させることによって作動媒体を加熱する。 通常、このようなシステムでは、膨張機への液相の作動媒体の流入に起因する膨張機の破損を防ぎ、また、膨張機を介してなるべく多くの動力を回収するため、膨張機に流入する作動媒体の過熱度が一定の範囲内に収まるように、作動媒体の循環量(循環ポンプの回転数)が制御される。 特開2011−74897号公報
しかしながら、特許文献1に記載される熱エネルギー回収システムでは、蒸発器への加熱媒体(過給空気)の供給量と過熱器への加熱媒体(蒸気)の供給量とが互いに独立して変動し得るため、膨張機に流入する作動媒体の過熱度が一定の範囲内に収まるようにポンプの回転数を制御した場合、膨張機を介した動力の回収状態が不安定になることがある。 例えば、過熱器への加熱媒体の供給量(過熱器に投入される熱量)が増大すると、過熱器から流出する作動媒体の過熱度が大きくなるので、作動媒体の循環量を増やすべく、ポンプの回転数が上げられる。そうすると、蒸発器におけるピンチ温度(過給空気の温度から作動媒体の飽和温度を引いた値)ΔTが小さくなり過ぎる場合がある(図5を参照)。この場合、蒸発器での作動媒体の蒸発状態が不安定となり、この結果、膨張機の駆動状態、すなわち、動力の回収状態が不安定になる。具体的には、ポンプの周波数が一定にもかかわらず、膨張機の吸込圧力が大小に変動し、結果として流体機械の出力が変動することになる。一方、蒸発器への過給空気の供給量(蒸発器に投入される熱量)が減少した場合も、ピンチ温度ΔTが小さくなるため、上記と同様に、膨張機を介した動力の回収状態が不安定になる。なお、図5は、蒸発器における、交換熱量と、加熱媒体(過給空気、蒸気)の温度及び作動媒体の温度と、の関係の例を示す図である。 本発明の目的は、膨張機の破損を抑制することと、膨張機を介して安定的に動力を回収することと、の双方を達成することが可能な熱エネルギー回収システムを提供することである。 前記課題を解決するために、蒸発器におけるピンチ温度が目標ピンチ温度以上に確保される範囲において、膨張機に流入する作動媒体の過熱度に基づいてポンプの回転数を制御することが考えられる。ここで、前記ピンチ温度の算出には、蒸発器に流入する過給空気の流量や、蒸発器から流出した過給空気の温度等が必要となる。しかしながら、蒸発器に流入する過給空気の流量は、計測することが困難である。例えば、熱交換器の上流又は下流の流路にオリフィスを挿入してその前後差圧を測定したり、オリフィスを追加せずに熱交換器の前後差圧を測定したりすることが対応として考えられる。しかし、オリフィスの挿入はスペースの都合から困難であり、また、熱交換器の前後差圧は変動し、かつ「数十Paにも満たない」微差圧を計測する必要が有ることから、当該前後差圧を測定することは実際には困難である。従って、過給空気の流量を計測することは困難なのである。また、蒸発器から流出した過給空気の温度は、蒸発器の熱容量の影響を受けるため、過給空気の流量の変動への追従に遅れが生じる。このため、過給空気の流量や温度等に応じて変動するピンチ温度を正確に算出することは困難である。 そこで、鋭意検討した結果、本発明者らは、エンジン負荷は、過給空気の流量や温度と一定の相関があること、つまり、エンジン負荷に基づいてピンチ温度を算出可能であることを見出した。一方で、ピンチ温度の算出に必要な因子である作動媒体の流量及び蒸発器に流入する作動媒体の圧力は、ポンプの回転数と一定の相関があることが知られている。以上より、エンジン負荷とピンチ温度が目標ピンチ温度となるときのポンプの回転数との間には相関があること、及び、その相関を予め求めておくことにより、ピンチ温度を目標ピンチ温度以上に確保しながらポンプの回転数を制御可能であることに想到した。 本発明は、このような観点からなされたものであり、エンジンに供給される過給空気と作動媒体とを熱交換させることにより当該作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器から流出した作動媒体と加熱媒体とを熱交換させることにより前記作動媒体を加熱する過熱器と、前記過熱器から流出した作動媒体を膨張させる膨張機と、前記膨張機に接続された動力回収機と、前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から流出した作動媒体を前記蒸発器へ送るポンプと、制御部と、を備え、前記制御部は、エンジン負荷を算出するエンジン負荷算出部と、前記エンジン負荷と、前記蒸発器内での前記過給空気の温度から前記作動媒体の飽和温度を引いた値で示されるピンチ温度が目標ピンチ温度となるときの前記ポンプの回転数である最大回転数と、の関係を示す関係式と、前記エンジン負荷算出部により算出されたエンジン負荷と、に基づいて前記最大回転数を決定する最大回転数決定部と、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が基準値以上となり、かつ、前記最大回転数決定部により決定された最大回転数以下の範囲に収まるように、前記ポンプの回転数を調整する回転数調整部と、を有する、熱エネルギー回収システムを提供する。 本熱エネルギー回収システムでは、膨張機に流入する作動媒体の過熱度が基準値以上となるようにポンプの回転数が調整されるので、膨張機の破損が抑制され、さらに、前記関係式に基づいて決定された最大回転数以下の範囲に収まるようにポンプの回転数が調整されるので、つまり、蒸発器におけるピンチ温度が目標ピンチ温度以上に確保されるので、蒸発器での作動媒体の蒸発状態が安定し、これにより膨張機を介して安定的に動力が回収される。 この場合において、前記回転数調整部は、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記基準値以上であり、かつ、前記ポンプの回転数が前記最大回転数以下であるときに、前記最大回転数以下の範囲に収まり、かつ、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記基準値よりも高い値である規定値以下に収まるように、前記ポンプの回転数を上げることが好ましい。 このようにすれば、膨張機の破損の抑制と膨張機を介した安定的な動力の回収との双方を維持しながら、動力回収機での動力回収量を増大させることができる。 さらにこの場合において、前記制御部は、前記ポンプの回転数が前記最大回転数であり、かつ、前記膨張機に流入する作動媒体の過熱度が前記規定値よりも大きいときに、前記過熱度が前記規定値以下となるように前記過熱器への前記加熱媒体の供給量を減少させる加熱媒体調整部をさらに有することが好ましい。 このようにすれば、過熱器への過剰な加熱媒体の供給が抑制される。 また、本発明において、前記エンジン負荷算出部は、前記エンジンに供給される燃料の供給量に基づいて前記エンジン負荷を算出してもよい。 この態様では、簡単にエンジン負荷が算出される。 あるいは、前記エンジン負荷算出部は、前記エンジンに前記過給空気を供給する過給機の回転数に基づいて前記エンジン負荷を算出してもよい。 この態様では、エンジンに関する信号を用いることなく間接的にエンジン負荷を算出することができる。 以上のように、本発明によれば、膨張機の破損を抑制することと、膨張機を介して安定的に動力を回収することと、の双方を達成することが可能な熱エネルギー回収システムを提供することができる。 本発明の一実施形態の熱エネルギー回収システムの構成の概略を示す図である。 制御部の制御内容を示すフローチャートである。 エンジン負荷とポンプの最大回転数(最大周波数)との関係を示す図である。 エンジン負荷と過給空気の流量Qとの関係、及び、エンジン負荷と過給空気の温度Tとの関係を示す図である。 蒸発器における、交換熱量と、加熱媒体(過給空気、蒸気)の温度及び作動媒体の温度と、の関係の例を示す図である。
本発明の一実施形態の熱エネルギー回収システムについて、図1〜図4を参照しながら説明する。 図1に示されるように、本熱エネルギー回収システムは、過給機付エンジン1と、過給機付エンジン1の排熱を回収する熱エネルギー回収装置2と、を備えている。本実施形態では、熱エネルギー回収システムは、船舶に搭載されている。ただし、この熱エネルギー回収システムは、船舶以外の内燃機関に搭載されてもよい。 まず、過給機付エンジン1について説明する。過給機付エンジン1は、過給機10と、エアクーラ14と、エンジン16(船舶用のエンジン16)と、熱交換器18と、水を貯留するタンク20と、ボイラ22と、を有する。 過給機10は、空気を圧縮する圧縮機11と、この圧縮機11に接続されたタービン12と、を有する。圧縮機11から吐出された過給空気は、第1吸気ライン31を通じてエアクーラ14に供給される。 エアクーラ14は、圧縮機11から吐出された過給空気と冷却媒体とを熱交換させることによって過給空気を冷却する。本実施形態では、冷却媒体として海水が使用される。エアクーラ14から流出した過給空気は、第2吸気ライン32を通じてエンジン16に供給される。また、エンジン16には、燃料も供給される。エンジン16から排出された排ガスは、第1排気ライン33を通じてタービン12に流入する。 タービン12は、排ガスの膨張エネルギーによって駆動され、このタービン12の駆動力により圧縮機11が駆動される。タービン12からから流出した排ガスは、第2排出ライン34を通じて熱交換器18に送られる。熱交換器18は、タービン12から排出された排ガスと水とを熱交換させることによって水を蒸発させる(水蒸気を発生させる)。 熱交換器18には、第1給水ライン35を通じてタンク20内に貯留されている水が供給される。タンク20内の水は、第2給水ライン36を通じてボイラ22にも供給される。熱交換器18から流出した水蒸気及びボイラ22から流出した水蒸気は、蒸気ライン37を通じて、熱エネルギー回収装置2以外の蒸気利用装置及び後述の過熱器42へ供給される。蒸気ライン37には、開度調整が可能な開閉弁Vが設けられている。 次に、熱エネルギー回収装置2について説明する。熱エネルギー回収装置2は、蒸発器40と、過熱器42と、膨張機44と、動力回収機46と、凝縮器48と、ポンプ50と、蒸発器40、過熱器42、膨張機44、凝縮器48及びポンプ50をこの順に直列に接続する循環流路52と、各種制御を行う制御部60と、を備えている。 蒸発器40は、第1吸気ライン31に設けられている。蒸発器40は、圧縮機11から吐出された後でかつエアクーラ14に流入する前の過給空気と液相の作動媒体とを熱交換させることによって作動媒体を加熱するか、作動媒体の少なくとも一部を蒸発させる。 過熱器42は、循環流路52のうち蒸発器40の下流側の部位に設けられている。また、過熱器42は、蒸気ライン37に接続されている。過熱器42は、蒸発器40から流出した作動媒体と蒸気ライン37を通じて供給された水蒸気(加熱媒体)とを熱交換させることによって作動媒体を加熱する。つまり、本実施形態では、過熱器42に供給される加熱媒体として、水蒸気が使用されている。 膨張機44は、循環流路52のうち過熱器42の下流側の部位に設けられている。膨張機44は、過熱器42から流出した気相の作動媒体を膨張させる。本実施形態では、膨張機44として、過熱器42から流出した気相の作動媒体の膨張エネルギーにより回転駆動されるロータを有する容積式のスクリュー膨張機が用いられている。具体的に、膨張機44は、雌雄一対のスクリュロータを有している。 動力回収機46は、膨張機44に接続されている。本実施形態では、動力回収機46として発電機が用いられている。この動力回収機46は、膨張機44の一対のスクリュロータのうちの一方に接続された回転軸を有している。動力回収機46は、前記回転軸が前記スクリュロータの回転に伴って回転することにより電力を発生させる。なお、動力回収機46として、発電機の他、圧縮機等が用いられてもよい。 本実施形態では、循環流路52のうち過熱器42と膨張機44との間の部位に油分離器54が設けられている。油分離器54は、作動媒体に含まれる潤滑油を分離する。油分離器54により分離された潤滑油は、膨張機44に、より詳細には、ロータの軸受に、供給される。 凝縮器48は、循環流路52のうち膨張機44の下流側の部位に設けられている。凝縮器48は、膨張機44から流出した作動媒体と冷却媒体とを熱交換させることによって作動媒体を凝縮させる。本実施形態では、凝縮器48に供給される冷却媒体として、海水が使用される。 ポンプ50は、循環流路52における凝縮器48の下流側の部位(凝縮器48と蒸発器40との間の部位)に設けられている。ポンプ50は、凝縮器48で凝縮された液相の作動媒体を所定の圧力まで加圧して蒸発器40へ送り出す。ポンプ50としては、インペラをロータとして備える遠心ポンプや、ロータが一対のギアからなるギアポンプ等が用いられる。 制御部60は、膨張機44に流入する作動媒体(循環流路52のうち過熱器42と膨張機44との間の部位を流れる作動媒体)の過熱度Tshが基準値以上となり、かつ、エンジン負荷に基づいて決定されるポンプ50の最大回転数fmax以下の範囲に収まるように、ポンプ50の回転数f(周波数f)を制御する。具体的に、制御部60は、エンジン負荷算出部62と、最大回転数決定部64と、回転数調整部66と、加熱媒体調整部68と、を有する。 エンジン負荷算出部62は、エンジン負荷を算出する。本実施形態では、エンジン負荷算出部62は、エンジン16に供給される燃料の供給量に基づいてエンジン負荷を算出する。 最大回転数決定部64は、エンジン負荷とポンプ50の最大回転数fmaxとの関係を示す関係式(図3を参照)を用い、エンジン負荷算出部62により算出されたエンジン負荷に基づいて最大回転数fmaxを決定する。最大回転数fmaxは、蒸発器40内における過給空気の温度から蒸発器40内における作動媒体の飽和温度を引いた値で示されるピンチ温度が、目標ピンチ温度となるときのポンプ50の回転数fである。なお、図3に示される関係式は、図4に示される関係(エンジン負荷と過給空気の温度Tとの関係及びエンジン負荷と過給空気の流量Qとの関係)と、蒸発器40の熱伝達性能等と、に基づいて予め求められ、制御部60に記憶されている。 回転数調整部66は、膨張機44に流入する作動媒体の過熱度Tshが基準値(目標過熱度Tsよりも所定値βだけ低い値)以上となり、かつ、最大回転数決定部64により決定された最大回転数fmax以下の範囲に収まるように、ポンプ50の回転数fを調整する。また、回転数調整部66は、過熱度Tshが基準値以上であり、かつ、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmax以下であるときに、最大回転数fmax以下の範囲に収まり、かつ、過熱度Tshが規定値(目標過熱度Tsよりも所定値αだけ高い値)以下に収まるように、ポンプ50の回転数fを上げる。なお、所定値βは、目標過熱度Tsに対する負の余裕度を意味し、所定値αは、目標過熱度Tsに対する正の余裕度を意味する。また、過熱度Tshは、循環流路52のうち過熱器42と油分離器54との間の部位に設けられた圧力センサ71及び温度センサ72の各検出値に基づいて算出される。 加熱媒体調整部68は、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmaxであり、かつ、膨張機44に流入する作動媒体の過熱度Tshが規定値よりも大きいときに、前記過熱度Tshが規定値以下となるように、過熱器42への加熱媒体の供給量(本実施形態では、開閉弁Vの開度)を減少させる。 以下、図2を参照しながら、制御部60の制御内容について説明する。 本システムの運転が開始されると、制御部60は、膨張機44に流入する作動媒体の過熱度Tshが前記基準値(目標過熱度Tsよりも所定値βだけ低い値)未満であるか否かを判定する(ステップS11)。この結果、過熱度Tshが基準値未満である場合、制御部60(回転数調整部66)は、ポンプ50の回転数fを下げ(ステップS12)、再びステップS11に戻る。一方、過熱度Tshが基準値以上である場合、制御部60(最大回転数決定部64)は、エンジン負荷に基づいてポンプ50の回転数fの最大値である最大回転数fmaxを決定する(ステップS13)。 その後、制御部60は、現在のポンプ50の回転数fが最大回転数fmax以下か否か(ピンチ温度が目標ピンチ温度以上確保されているか否か)を判定する(ステップS14)。この結果、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmax以下である場合、すなわち、ピンチ温度が目標ピンチ温度よりも大きい場合(ポンプ50の回転数fを上げる余地がある場合)、制御部60は、前記過熱度Tshが前記規定値(目標過熱度Tsよりも所定値αだけ高い値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。その結果、前記過熱度Tshが規定値よりも大きい場合、すなわち、ピンチ温度及び過熱度の双方を小さくする余裕がある場合(動力回収機46での動力の回収量を増やす余裕がある場合)、制御部60(回転数調整部66)は、ポンプ50の回転数fを上げ(ステップS16)、ステップS11に戻る。一方、前記過熱度Tshが前記規定値以下である場合(ステップS15でNO)、制御部60は、ポンプ50の回転数fを調整することなくそのままステップS11に戻る。 また、ステップS14の結果、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmaxよりも大きい場合、すなわち、ピンチ温度が目標ピンチ温度よりも小さい場合、制御部60(回転数調整部66)は、ポンプ50の回転数fを最大回転数fmaxまで下げる(ステップS17)。 続いて、制御部60は、前記過熱度Tshが前記規定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS18)。その結果、前記過熱度Tshが前記規定値よりも大きい場合、すなわち、ポンプ50の回転数fを上げることはできないものの過熱度が高過ぎる場合、制御部60(加熱媒体調整部68)は、過熱器42への加熱媒体(水蒸気)の流入量を減らすべく、開閉弁Vの開度を下げ(ステップS19)、ステップS11に戻る。一方、前記過熱度Tshが前記規定値以下である場合(ステップS18でNO)、制御部60は、開閉弁Vの開度を調整することなくそのままステップS11に戻る。 以上説明したように、本熱エネルギー回収システムでは、前記過熱度Tshが基準値以上となるようにポンプ50の回転数fが調整されるので、膨張機44の破損が抑制され、さらに、前記関係式に基づいて決定された最大回転数fmax以下の範囲に収まるようにポンプ50の回転数fが調整されるので、つまり、蒸発器40におけるピンチ温度が目標ピンチ温度以上に確保されるので、蒸発器40での作動媒体の蒸発状態が安定し、これにより膨張機44を介して安定的に動力が回収される。 また、上記実施形態では、回転数調整部66は、前記過熱度Tshが基準値以上であり、かつ、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmax以下であるときに、最大回転数fmax以下の範囲に収まり、かつ、過熱度Tshが規定値以下に収まるように、ポンプ50の回転数fを上げる。このため、膨張機44の破損の抑制と膨張機44を介した安定的な動力の回収との双方を維持しながら、動力回収機46での動力回収量を増大させることができる。 さらに、上記実施形態では、加熱媒体調整部68は、ポンプ50の回転数fが最大回転数fmaxであり、かつ、前記過熱度Tshが規定値よりも大きいときに、過熱度Tshが規定値以下となるように過熱器42への加熱媒体(水蒸気)の供給量を減少させる。このため、過熱器42への過剰な加熱媒体の供給が抑制される。 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。 例えば、上記実施形態では、エンジン負荷算出部62は、エンジン16に供給される燃料の供給量に基づいてエンジン負荷を算出する例が示されたが、エンジン負荷算出部62は、過給機10の圧縮機11の回転数に基づいてエンジン負荷を算出してもよい。このようにすれば、エンジン16に関する信号を用いることなく間接的にエンジン負荷を算出することができる。 あるいは、エンジン負荷算出部62は、蒸発器40の前後の圧力差(第1吸気ライン31のうち蒸発器40の上流側の部位の圧力から、第1吸気ライン31のうち蒸発器40の下流側の部位の圧力を引いた値)に基づいてエンジン負荷を算出してもよい。 また、加熱器42としてプレート式熱交換器が用いられ、開閉弁Vの代わりに、プレート式熱交換器に流入する蒸気の圧力の最大値を決定する圧力調整弁が用いられてもよい。この場合、圧力調整弁の最大値は、プレート式熱交換器に流入する蒸気の飽和蒸気温度がプレート式熱交換器から流出した作動媒体の設計温度以下となるように設定される。これにより、熱エネルギー回収装置2の運転が可能となる。この場合、制御部60の加熱媒体調整部68(ステップS18及びステップS19)は省略される。 1 過給機付エンジン 2 熱エネルギー回収装置 10 過給機 16 エンジン 40 蒸発器 42 過熱器 44 膨張機 46 動力回収機 48 凝縮器 50 ポンプ 52 循環流路 60 制御部 62 エンジン負荷算出部 64 最大回転数決定部 66 回転数調整部 68 加熱媒体調整部 |