バイナリー発電システムおよびバイナリー発電方法

申请号 JP2015131882 申请日 2015-06-30 公开(公告)号 JP2017014986A 公开(公告)日 2017-01-19
申请人 アネスト岩田株式会社; 发明人 藤岡 完; 宇波 厚; 和泉 孝明;
摘要 【課題】入 力 熱量が変動しても、全体の効率を低下させることなく十分な発電を行うことができるバイナリー発電システムおよびバイナリー発電方法を提供する。 【解決手段】バイナリー発電システム1は、容積型膨張機6A〜6Cのそれぞれに対応して接続された複数の蒸発器4A〜4Cと、複数の容積型膨張機6A〜6Cのそれぞれに接続された1台の凝縮器10と、蒸発器4A〜4Cおよび容積型膨張機6A〜6Cのそれぞれの組に対する作動媒体の流通と蒸発器4A〜4Cに対する熱源媒体の流通とを停止可能な停止手段と、熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて停止手段を制御することにより、蒸発器4A〜4Cおよび容積型膨張機6A〜6Cの運転台数を制御する制御部30と、を備える。 【選択図】図1
权利要求

複数の容積型膨張機と、前記複数の容積型膨張機のそれぞれに接続された複数の発電機とを備え、熱源媒体からの熱を受け取り蒸発した作動媒体が前記複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張することで発電を行うバイナリー発電システムであって、 前記複数の容積型膨張機のそれぞれに対応して接続されて、前記熱源媒体からの熱を用いて前記作動媒体を蒸発させる複数の蒸発器と、 前記複数の容積型膨張機のそれぞれに接続されて、前記複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張した前記作動媒体を冷却し凝縮させる1台の凝縮器と、 前記蒸発器および前記容積型膨張機のそれぞれの組に対する前記作動媒体の流通と当該蒸発器に対する前記熱源媒体の流通とを停止可能な停止手段と、 前記熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて前記停止手段を制御することにより、前記蒸発器および前記容積型膨張機の運転台数を制御する制御部と、を備える、バイナリー発電システム。前記複数の蒸発器および前記複数の容積型膨張機はそれぞれN台であり、 前記制御部は、前記熱源媒体の熱量に関する情報についての異なる(N−1)個の閾値を少なくとも記憶しており、 前記制御部は、前記熱源媒体の熱量に関する情報を検出し、検出した前記情報が、前記(N−1)個の閾値のうち小さい方からa番目(aは1から(N−1)までのいずれかの整数)の閾値を超えると判断した場合に、(a+1)台の前記蒸発器および前記容積型膨張機を運転させる、請求項1に記載のバイナリー発電システム。複数の容積型膨張機と、前記複数の容積型膨張機のそれぞれに接続された複数の発電機とを備えたバイナリー発電システムを用い、熱源媒体からの熱を受け取り蒸発した作動媒体が前記複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張することで発電を行うバイナリー発電方法であって、 前記バイナリー発電システムは、 前記複数の容積型膨張機のそれぞれに対応して接続されて、前記熱源媒体からの熱を用いて前記作動媒体を蒸発させる複数の蒸発器と、 前記複数の容積型膨張機のそれぞれに接続されて、前記複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張した前記作動媒体を冷却し凝縮させる1台の凝縮器と、を備え、 前記熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて前記蒸発器および前記容積型膨張機の運転台数を制御する、バイナリー発電方法。

说明书全文

本発明は、バイナリー発電システムおよびバイナリー発電方法に関する。

このような技術として、特許文献1に記載された装置が知られている。この装置は、ランキンサイクル動回収装置であり、単一の蒸気発生器と、複数台の容積型膨張機と、1個の凝縮器とを備えている。蒸気発生器で発生する蒸気の蒸気通路は分岐して各膨張機に接続されている。蒸気発生器に供給される凝縮は、内燃機関の排気ガスの熱により、蒸気発生器内において加熱されて蒸発し、膨張機に供給される。各膨張機で膨張した蒸気は、1つの蒸気通路に集められ、凝縮器において冷却され、凝縮する。各膨張機における蒸気の膨張により、動力取出軸が回転し、誘導発電機による発電が行われる。

この装置では、膨張機の運転台数を増加または減少させることができるようになっている。蒸気発生器で発生する蒸気の圧力が検出され、その蒸気の圧力が適正範囲の上限値を超えた場合に、膨張機の運転台数を増加させ、その蒸気の圧力が適正範囲の下限値を下回った場合に、膨張機の運転台数を減少させている。これにより、蒸気熱量が変化しても、蒸気を無駄にせず、ランキンサイクル効率を一定に保っている。

特開2008−175108号公報

上記した装置では、内燃機関の排気ガスの熱によって蒸気が蒸発し、その蒸気の圧力に応じて、膨張機の運転台数が変更されている。すなわち、内燃機関の排気ガスの熱力が変動するのに伴って、単一の蒸気発生器により発生する蒸気の熱量ひいては圧力が変動するため、この圧力変動を利用して、運転台数を決定している。しかしながら、排気ガスの熱量が変動するにも関わらず、単一の蒸気発生器によって凝縮水を蒸発させるため、蒸気発生器における熱交換量(熱回収量)が大きく変動することになる。そうすると、たとえば、蒸気発生器の中で仕事をする部分と仕事をしない部分とが生じてしまう。また、発生する蒸気の圧力が大きく変動するため、膨張機の運転効率が十分でない場合もある。従って、ランキンサイクルにおいて、全体としての効率が低下する可能性がある。

本発明は、入力熱量が変動しても、全体の効率を低下させることなく十分な発電を行うことができるバイナリー発電システムおよびバイナリー発電方法を提供することを目的とする。

本発明の一態様は、複数の容積型膨張機と、複数の容積型膨張機のそれぞれに接続された複数の発電機とを備え、熱源媒体からの熱を受け取り蒸発した作動媒体が複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張することで発電を行うバイナリー発電システムであって、複数の容積型膨張機のそれぞれに対応して接続されて、熱源媒体からの熱を用いて作動媒体を蒸発させる複数の蒸発器と、複数の容積型膨張機のそれぞれに接続されて、複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張した作動媒体を冷却し凝縮させる1台の凝縮器と、蒸発器および容積型膨張機のそれぞれの組に対する作動媒体の流通と当該蒸発器に対する熱源媒体の流通とを停止可能な停止手段と、熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて停止手段を制御することにより、蒸発器および容積型膨張機の運転台数を制御する制御部と、を備える。

本発明の他の態様は、複数の容積型膨張機と、複数の容積型膨張機のそれぞれに接続された複数の発電機とを備えたバイナリー発電システムを用い、熱源媒体からの熱を受け取り蒸発した作動媒体が複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張することで発電を行うバイナリー発電方法であって、バイナリー発電システムは、複数の容積型膨張機のそれぞれに対応して接続されて、熱源媒体からの熱を用いて作動媒体を蒸発させる複数の蒸発器と、複数の容積型膨張機のそれぞれに接続されて、複数の容積型膨張機の少なくとも1台において膨張した作動媒体を冷却し凝縮させる1台の凝縮器と、を備え、熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて蒸発器および容積型膨張機の運転台数を制御する。

これらのバイナリー発電システムおよびバイナリー発電方法によれば、発電機がそれぞれ接続された複数の容積型膨張機と、これらの容積型膨張機に1対1で対応して、複数の蒸発器とが設けられている。一方、複数の容積型膨張機に対して凝縮器は1台のみが設けられている。熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて蒸発器および容積型膨張機の運転台数が制御されるため、1台当たりの容積型膨張機に必要十分な熱量で作動媒体を蒸発させることができる。よって、入力熱量が変動しても、効率のよいランキンサイクルが実現され、全体の効率を低下させることなく十分な発電を行うことができる。

上記のバイナリー発電システムにおいて、複数の蒸発器および複数の容積型膨張機はそれぞれN台であり、制御部は、熱源媒体の熱量に関する情報についての異なる(N−1)個の閾値を少なくとも記憶しており、制御部は、熱源媒体の熱量に関する情報を検出し、検出した情報が、(N−1)個の閾値のうち小さい方からa番目(aは1から(N−1)までのいずれかの整数)の閾値を超えると判断した場合に、(a+1)台の蒸発器および容積型膨張機を運転させてもよい。

この構成によれば、異なる(N−1)個の閾値を境界として段階的に運転台数が変更されるため、簡便な判断処理で、より高効率な発電を行うことができる。

本発明によれば、入力熱量が変動しても、効率のよいランキンサイクルが実現され、全体の効率を低下させることなく十分な発電を行うことができる。

本発明の一実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成を示す図である。

入力熱量に応じた各発電機の運転状態を示す図である。

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

まず図1を参照して、本実施形態のバイナリー発電システム1について説明する。図1において、実線は電気回路を示しており、破線は温水の回路を示している。二点鎖線は、作動媒体の回路を示している。制御部30に接続されるように示された破線は、制御回路を示している。

図1に示されるように、バイナリー発電システム1は、比較的低温(たとえば80〜90℃程度)の温熱源によって沸点の低い作動媒体を加熱・蒸発させ、その蒸気で発電を行う発電システムである。温熱源としてはあらゆるものを利用可能であるが、たとえば、温泉水、地熱、および工場排熱等が挙げられる。作動媒体としては、たとえば代替フロン(HFC245fa)やアンモニア等が挙げられる。バイナリー発電システム1は、温熱源との間で熱交換を行うことで熱源媒体を加熱する熱交換器3を備えている。熱交換器3において、温熱源から熱源媒体へと温熱が伝達される。なお、熱源媒体は水に限られない。熱源媒体として、他の熱媒体を利用することもできる。

バイナリー発電システム1は、熱源媒体との間で熱交換を行うことで作動媒体を加熱し蒸発させる第1蒸発器4A、第2蒸発器4B、および第3蒸発器4Cを備えている。これら3台(すなわち、N=3)の蒸発器4A〜4Cは、バイナリー発電システム1が備える3系列のバイナリー発電装置に1対1で対応するように設けられている。すなわち、バイナリー発電システム1は、3組の容積型膨張機および発電機を備えている。具体的には、バイナリー発電システム1は、第1スクロール膨張機6A、第2スクロール膨張機6B、および第3スクロール膨張機6Cと、これらのそれぞれに接続された第1発電機7A、第2発電機7B、および第3発電機7Cとを備えている。

バイナリー発電システム1は、さらに、第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cに対して設けられた1台の凝縮器10を備えている。凝縮器10は、3台(すなわち、N=3)の第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cに対して共用されている。凝縮器10には、冷熱源である冷水のラインが流通している。凝縮器10は、地下水冷却塔等の冷熱源との間で熱交換を行い、第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cにおいて膨張した作動媒体の蒸気を冷却して凝縮させる。

第1スクロール膨張機6Aおよび第1発電機7Aは、第1蒸発器4Aにおいて蒸発した作動媒体の蒸気が第1スクロール膨張機6Aにおいて膨張することでその出力軸を回転させ、第1発電機7Aにより発電を行う。第2スクロール膨張機6Bおよび第2発電機7Bは、第2蒸発器4Bにおいて蒸発した作動媒体の蒸気が第2スクロール膨張機6Bにおいて膨張することでその出力軸を回転させ、第2発電機7Bにより発電を行う。第3発電機7Cおよび第3発電機7Cは、第3蒸発器4Cにおいて蒸発した作動媒体の蒸気が第3スクロール膨張機6Cにおいて膨張することでその出力軸を回転させ、第3発電機7Cにより発電を行う。

熱交換器3には、熱源媒体である温水が流通する温水ラインL1が通っている。温水ラインL1には、熱交換器3の出口部と第1〜第3蒸発器4A〜4Cへの入口部との間において、温水の熱量に関する情報を検出するための入口部検出器11が設けられている。また、温水ラインL1には、第1〜第3蒸発器4A〜4Cの出口部と熱交換器3への入口部との間において、温水の熱量に関する情報を検出するための出口部検出器12が設けられている。温水の熱量に関する情報とは、温水の流量、温度、圧力のいずれか1つまたは2以上の情報である。入口部検出器11は、第1〜第3蒸発器4A〜4Cにおける熱交換前の温水の情報を検出する。出口部検出器12は、第1〜第3蒸発器4A〜4Cにおける熱交換後の温水の情報を検出する。なお、「ライン」は、内部を流体が流れる配管を意味する。

温水ラインL1には、温水を循環させるための循環ポンプ15が設けられている。温水ラインL1は、3本に分岐している。第1温水分岐ラインL1Aは第1蒸発器4Aに通っており、第2温水分岐ラインL1Bは第2蒸発器4Bに通っており、第3蒸気回収ラインL3Cは第3蒸発器4Cに通っている。第1〜第3温水分岐ラインL1A〜L1Cには、各ライン内における温水の流通を停止(遮断)するための第1〜第3電磁弁14A〜14Cが設けられている。

第1蒸発器4Aにおける温水との熱交換を経て蒸発した蒸気が通る第1蒸気供給ラインL2Aは、第1スクロール膨張機6Aに接続されている。第2蒸発器4Bにおける温水との熱交換を経て蒸発した蒸気が通る第2蒸気供給ラインL2Bは、第2スクロール膨張機6Bに接続されている。第3蒸発器4Cにおける温水との熱交換を経て蒸発した蒸気が通る第3蒸気供給ラインL2Cは、第3スクロール膨張機6Cに接続されている。これらの第1〜第3蒸気供給ラインL2A〜L2Cには、各ライン内における蒸気の流通を停止(遮断)するための第4〜第6電磁弁16A〜16Cが設けられている。

第1スクロール膨張機6Aの蒸気出口部に接続された第1蒸気回収ラインL3Aと、第2スクロール膨張機6Bの蒸気出口部に接続された第2蒸気回収ラインL3Bと、第3スクロール膨張機6Cの蒸気出口部に接続された第3蒸気回収ラインL3Cとは、合流して1本のラインとなり、共有の凝縮器10を通っている。凝縮器10における冷熱源との熱交換を経て凝縮した作動媒体が通る凝縮液供給ラインL4は、3本に分岐して、第1〜第3蒸発器4A〜4Cのそれぞれに接続されている。凝縮液供給ラインL4には、作動媒体を循環させるための循環ポンプ20が設けられている。循環ポンプ20には、循環ポンプ20による循環流量を調整するためのインバータ19が接続されている。

このように、温水ラインL1および第1〜第3温水分岐ラインL1A〜L1Cは、熱を供給する側である温水の循環経路を構成している。第1〜第3蒸気供給ラインL2A〜L2C、第1〜第3蒸気回収ラインL3A〜L3C、および凝縮液供給ラインL4は、温水から熱を受け取る側である作動媒体の循環経路を構成している。いずれの循環経路も途中で分岐しているが、各分岐ラインの配管形および配管長はたとえば等しくされており、したがって、圧力損失も略等しい。各分岐ラインには、略等しい流量の流体が流れるようになっている。

上記した第1〜第3蒸発器4A〜4C、第1〜第3スクロール膨張機6A〜6C、および第1〜第3発電機7A〜7Cは、オーガニックランキンサイクル方式が採用された比較的小型のバイナリー発電装置である。第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cの各定格回転数は、たとえば3000rpmであり、第1〜第3発電機7A〜7Cの各送電端出力は、たとえば5.5kWである。

第1〜第3発電機7A〜7Cのそれぞれは、検漏器および電磁接触器等を介してインバータ17に接続されている。インバータ17は、三相交流(たとえば200V)の商用電源21に接続されている。インバータ17には、たとえば電動機等の負荷18が接続されている。

バイナリー発電システム1では、前述の第1〜第3電磁弁14A〜14Cおよび第4〜第6電磁弁16A〜16Cは、第1〜第3蒸発器4A〜4Cと第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cとのそれぞれの組に対する作動媒体の流通と、第1〜第3蒸発器4A〜4Cに対する温水の流通とを停止可能な停止手段に相当する。

バイナリー発電システム1は、温水の熱量に関する情報に基づいてこの停止手段を制御することにより、第1〜第3蒸発器4A〜4Cおよび第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cの運転台数を制御する制御部30を備えている。制御部30は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアと、から構成されたコンピュータである。前述の入口部検出器11および出口部検出器12は、温水の熱量に関する情報を検出すると、検出した情報を制御部30に逐次送信する。制御部30は、温水の熱量に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて第1〜第3電磁弁14A〜14Cおよび第4〜第6電磁弁16A〜16Cを開閉制御する。第1〜第3電磁弁14A〜14Cおよび第4〜第6電磁弁16A〜16Cの開閉制御によって、第1〜第3蒸発器4A〜4Cおよび第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cの運転台数を制御することができる。バイナリー発電システム1では、このようにして、蒸発器と容積型膨張機との1対1の関係を保った上で、凝縮器10のみを共有化しており、しかも運転する蒸発器と容積型膨張機との組数(系列数)を切替可能になっている。

制御部30は、温水の熱量に関する情報についての異なる2個((N−1)個)の閾値を少なくとも記憶している。制御部30は、たとえば、入口部検出器11における検出結果に基づいて算出される入力熱量(%)についての2個の閾値(ここでは、たとえば第1閾値:40%、および、第2閾値:70%)を記憶している。入力熱量(%)とは、3系列全体としての定格熱量に対する、実際に温水が持っている熱量の比率である。制御部30は、これらの閾値を、第1〜第3蒸発器4A〜4Cおよび第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cの運転台数の切替制御に用いる。

続いて、図2を参照して、バイナリー発電システム1の運転方法(バイナリー発電システム1を用いたバイナリー発電方法)について説明する。制御部30は、バイナリー発電システム1の稼働中、入口部検出器11から送信された温水の熱量に関する情報に基づいて、前述の閾値に対応する数値(閾値と同じ次元の数値)を算出する。ここでは、制御部30は、入口部検出器11に基づいて、現在の入力熱量を算出する。

制御部30は、算出した入力熱量が、前述の第1閾値を超えているか、および、第2閾値を超えているかを判断する。制御部30は、入力熱量が第1閾値以下であると判断すると、第1電磁弁14Aおよび第4電磁弁16Aのみを開とし、他の電磁弁は閉とする。これにより、第1の系列である第1蒸発器4Aおよび第1スクロール膨張機6Aのみが運転状態となる。制御部30は、入力熱量が第1閾値を超えていると判断すると、さらに、第2電磁弁14Bおよび第5電磁弁16Bを開とする。これにより、第2の系列である第2蒸発器4Bおよび第2スクロール膨張機6Bも運転状態となり、合計で2系列が運転状態となる。制御部30は、入力熱量が第2閾値をも超えていると判断すると、さらに、第3電磁弁14Cおよび第6電磁弁16Cを開とする。これにより、第3の系列である第3蒸発器4Cおよび第3スクロール膨張機6Cも運転状態となり、合計で3系列が運転状態となる。

なお、制御部30は、第1電磁弁14Aおよび第4電磁弁16Aの開閉制御を行う際、第1発電機7Aに接続された電磁接触器を開閉制御する。制御部30は、第2電磁弁14Bおよび第5電磁弁16Bの開閉制御を行う際、第2発電機7Bに接続された電磁接触器を開閉制御する。制御部30は、第3電磁弁14Cおよび第6電磁弁16Cの開閉制御を行う際、第3発電機7Cに接続された電磁接触器を開閉制御する。

図2に示されるように、第1閾値である40%と、第2閾値である60%とを境界として、運転台数が切り替わっている。同時に運転している複数のスクロール膨張機に対して分配される蒸気の熱量は等しくされており、したがって、複数のスクロール膨張機における回転数は等しくなっている。(図では、線種を異ならせることにより、複数のスクロール膨張機における回転数が等しくなっている(線が重なっている)ことが読み取れる。)図2に示される運転方式では、入力熱量が10%変化するごとに、段階的に、各スクロール膨張機における回転数を変えるようにしている。

このように、制御部30は、温水の熱量に関する情報を検出し、検出した情報が、2(N−1)個の閾値のうち第1閾値(小さい方から1番目の閾値)を超えると判断した場合に、2台の蒸発器および容積型膨張機を運転させる。制御部30は、検出した熱量に関する情報が2個の閾値のうち第2閾値(小さい方から2番目の閾値)を超えると判断した場合に、3台の蒸発器および容積型膨張機を運転させる。

以上説明したバイナリー発電システム1およびバイナリー発電方法によれば、それぞれに発電機7A〜7Cが接続された複数の容積型膨張機6A〜6Cと、これらの容積型膨張機6A〜6Cに1対1で対応して、複数の蒸発器4A〜4Cとが設けられている。一方、複数の容積型膨張機6A〜6Cに対して凝縮器10は1台のみが設けられている。制御部30によって、熱源媒体の熱量に関する情報に基づいて、第1〜第3電磁弁14A〜14Cおよび第4〜第6電磁弁16A〜16Cの開閉制御が行われ、これにより、蒸発器4A〜4Cおよび容積型膨張機6A〜6Cの運転台数が制御される。よって、1台当たりの容積型膨張機に必要十分な熱量で作動媒体を蒸発させることができており、入力熱量が変動しても、効率のよいランキンサイクルが実現されている。その結果として、バイナリー発電システム1全体としての効率を低下させることなく、十分な発電が行われる。

特に、温泉水や地熱などの自然由来の温熱源を用いる場合は、熱量の時間変動が大きいと考えられる。バイナリー発電システム1では、小さい熱量から大きい熱量まで幅広く対応可能であり、しかも、蒸発器の運転に無駄がない。よって、熱量の変動が大きい場合には特に有利な効果を発揮する。なお、凝縮器10に関しては、作動媒体を冷却し過ぎることによるデメリットは小さく、凝縮器10を共用化することによるメリットの方が上回っている。

制御部30は、熱源媒体の熱量に関する情報を検出し、検出した情報が、2個の閾値のうち小さい方からa番目(aは1から2までのいずれかの整数)の閾値を超えると判断した場合に、(a+1)台の蒸発器および容積型膨張機を運転させる。この構成によれば、異なる2個の閾値を境界として段階的に運転台数が変更されるため、簡便な判断処理で、より高効率な発電を行うことができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、蒸発器および容積型膨張機の系列数(台数)は、4以上であってもよい。多数の系列を設けたとしても、本発明の切替制御によれば、熱源媒体の熱量に応じた最適な運転台数で、簡便かつ効率よく発電を行うことができる。

制御部30が記憶している閾値は、系列数より1少ない個数に限られない。閾値は、それより多くてもよいし、少なくてもよい。停止手段は、電磁弁による遮断に限定されない。各系列にポンプを独立して設け、ポンプのオンーオフによって流通およびその停止を行ってもよい。分岐点に三方弁を用いる構成としてもよい。

上記実施形態では、熱交換器3によって温熱源と温水との熱交換を行う場合について説明したが、温泉水、地熱、および工場排熱等の温熱源を直接に第1〜第3蒸発器4A〜4Cに流通可能である場合には、熱交換器3を省略してもよい。その場合、温泉水、地熱、および工場排熱等の温熱源が、作動媒体に熱を与える熱源媒体に相当し、蒸発器において作動媒体を蒸発させる。制御部30は、温熱源(熱源媒体)の熱量に関する情報を取得し、上記と同様の制御を行う。

容積型膨張機は、スクロール膨張機に限られない。第1〜第3スクロール膨張機6A〜6Cに代えて、他の容積型膨張機を用いてもよい。たとえば、スクリュー膨張機、クロー膨張機、レシプロ膨張機、ルーツ膨張機等の各種の膨張機を用いてもよい。

1…バイナリー発電システム、4A〜4C…第1〜第3蒸発器、6A〜6C…第1〜第3スクロール膨張機(容積型膨張機)、7A〜7C…第1〜第3発電機、10…凝縮器、14A〜14C…第1〜第3電磁弁(停止手段)、16A〜16C…第4〜第6電磁弁(停止手段)、30…制御部。

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