ヒートポンプを備えたランキンサイクルを用いた、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法

申请号 JP2016550960 申请日 2014-09-17 公开(公告)号 JP2016540929A 公开(公告)日 2016-12-28
申请人 イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles; イエフペ エネルジ ヌヴェルIfp Energies Nouvelles; 发明人 クロード マビル、; クロード マビル、;
摘要 本発明は、ヒートポンプを備えたランキンサイクルであって、ヒートポンプ(2)が組み込まれたランキンサイクルを用いた、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法およびシステムに関する。
权利要求

作動流体が閉回路内で循環させられる、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法であって、前記閉回路がランキンサイクルによる回路を有し、前記ランキンサイクル回路が、該ランキンサイクル回路で蒸発した前記作動流体を加熱するヒートポンプ(2)を備える、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法において、前記ランキンサイクル回路の前記作動流体が、前記ヒートポンプの前記回路内で循環させられることを特徴とする方法。前記蒸発した作動流体が、前記ランキンサイクル回路によって機械エネルギーへの変換に用いられる第1の部分と、前記ヒートポンプで用いられる第2の部分との2つの部分に分離される、請求項1に記載の方法。前記ランキンサイクル回路での機械エネルギーへの変換工程の後で、前記第1の部分が前記第2の部分の少なくとも一部と混合される、請求項2に記載の方法。以下の工程、すなわち、 a)第1の熱源(SC)との熱交換によって前記作動流体を蒸発させる工程と、 b)前記蒸発した作動流体を2つの部分に分離する工程と、 c)予め圧縮された第2の部分との熱交換によって第1の部分を加熱する工程と、 d)前記第1の部分に含まれる熱エネルギーの一部を機械エネルギーに変換する工程と、 e)前記第1の部分と予め膨張した前記第2の部分との少なくとも一部を混合することで、前記作動流体の少なくとも一部を再形成する工程と、 f)第2の熱源(SF)との熱交換によって前記再形成された作動流体の少なくとも一部を凝縮させる工程と、 g)前記凝縮した作動流体を圧縮する工程と、 が実行される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。前記作動流体の一部を再形成する工程の上流で、前記第2の部分が液相と気相とに分離され、前記作動流体を部分的に再形成する工程で前記第2の部分の前記気相が前記第1の部分と混合され、前記第2の部分の前記液相が前記凝縮した作動流体と混合される、請求項4に記載の方法。前記部分的に再形成された作動流体が液相と気相とに分離され、前記作動流体の前記気相が前記凝縮工程で凝縮され、前記作動流体の前記液相が前記凝縮した作動流体と混合される、請求項4または5に記載の方法。前記熱源(SF,SC)が、異なる深さから採取したからなる、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。前記作動流体がアンモニアを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。作動流体が循環する閉回路を有する、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するシステムであって、前記閉回路がランキンサイクル回路を有し、前記ランキンサイクル回路が、該ランキンサイクル回路内の蒸発した前記作動流体を加熱するヒートポンプを備える、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するシステムにおいて、前記ランキンサイクル回路の前記作動流体が、前記ヒートポンプ(2)の前記回路内を循環することを特徴とするシステム。前記閉回路が、前記作動流体を2つの部分に分離する第1の分離器(11)であって、前記ランキンサイクル回路によって機械エネルギーへの変換に用いられる第1の部分と、前記ヒートポンプ(2)の前記回路で用いられる第2の部分との2つの部分に分離する第1の分離器(11)を有する、請求項9に記載のシステム。前記閉回路が、前記ランキンサイクル回路における機械エネルギーに変換する手段(3)の下流に、前記第1の部分を前記第2の部分の少なくとも一部に混合する第1の混合器(12)を有する、請求項10に記載のシステム。前記閉回路が、 第1の熱源(SC)によって前記作動流体を蒸発させる第1の熱交換器(1)と、 前記蒸発した作動流体を2つの部分に分離する分離器(11)と、 圧縮器(7)で圧縮された第2の部分によって第1の部分を加熱する第2の熱交換器(8)と、 前記第1の部分に含まれる熱エネルギーの一部を機械エネルギーに変換するタービン(3)と、 前記第1の部分と膨張手段(9,16)によって膨張した前記第2の部分との少なくとも一部を混合し、前記作動流体の少なくとも一部を再形成する第1の混合器(12)と、 第2の熱源(SF)によって前記作動流体の少なくとも一部を凝縮させる第3の熱交換器(5)と、 前記凝縮した作動流体を圧縮するポンプ(6)と、 をこの順で有する、請求項9から11のいずれか1項に記載のシステム。前記膨張手段が、弁(9)または二相ポンプ(16)を有する、請求項12に記載のシステム。前記閉回路が、前記第1の混合器(12)の上流に、前記第2の部分の前記液相と前記気相とを分離する第2の分離器(13)を有するとともに、前記第3の熱交換器(5)の下流に、前記液相を前記第3の交換器(5)の出口での前記作動流体に混合する第2の混合器(14)を有し、前記第1の混合器(12)が、前記第2の部分の前記気相を前記第1の部分に混合する、請求項12または13のいずれかに記載のシステム。前記閉回路が、前記第1の混合器(12)の下流に、前記第1の混合器(12)の出口での前記作動流体の前記液相と前記気相とを分離する第3の分離器(15)を有するとともに、前記第3の交換器(5)の下流に、前記液相を前記第3の交換器(5)の出口での前記作動流体に混合する第2の混合器(14)とを有し、前記第3の交換器(5)が、前記作動流体の前記水相を冷却する、請求項12から14のいずれか1項に記載のシステム。前記作動流体がアンモニアを有する、請求項9から15のいずれか1項に記載のシステム。前記熱源(SF,SC)が、異なる深さから採取した海水からなる、請求項10から18のいずれか1項に記載のシステム。

说明书全文

本発明は、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する分野に関し、特に海洋熱エネギー変換(OTEC)の分野に関する。

本発明の具体的な用途は、熱帯および亜熱帯地域に存在する、海洋表層と、特に1000mオーダーの深さの海洋深層水との間の温度差を利用して得られるエネルギーの使用に関する海洋熱エネルギーの分野にある。表層水は、熱学サイクルエンジンの温熱源のために使用され、深層水は、熱力学サイクルエンジンの冷熱源のために使用される。温熱源と冷熱源との間の温度差は比較的少なく、期待されるエネルギー収量も低い。

一般に、従来のOTECプラントは、ランキンサイクルで動作する。特許文献1には、OTECの場合でのランキンサイクルの使用が記載されている。図1は、ランキンサイクルで動作するOTECプラントであって、温熱源SC(海洋表層水)としての交換器1と補助熱源2とを有するOTECプラントのブロック図を示している。補助熱源によって、熱力学サイクルを改善することができる。システムは、深海から採取した冷たい海水による冷熱源SFとしての交換器5を有している。作動流体(本例ではアンモニア)の回路は、ポンプ6と、熱エネルギーに変換するための発電機4を駆動するタービン3とを有している。

特許文献1には、作動流体を過熱する補助熱源としてのヒートポンプを備えた、このサイクルの変形例も開示されている。ヒートポンプを追加することで、特に、システムによって生成される正味出力を増加させることができる。熱は、自然な状態では、それぞれ等しい温度になるまで、より温かい媒体からより冷たい媒体へと拡散するが、ヒートポンプ(PAC)は、より冷たい媒体からより温かい媒体へ、あるいは、同じ温度の媒体(したがって冷却される)から同じ温度の媒体(したがって加熱される)へと熱を伝達することができる熱力学装置である。このために、ランキンサイクルの場合、いくつかの装置、すなわち、熱源と作動流体との交換器と、圧縮器と、ヒートポンプの作動流体とランキンサイクルの作動流体との間の交換器と、弁とが、ヒートポンプに追加されている。図2は、ヒートポンプを備えた、ランキンサイクルで動作するOTECプラントの一例を示している。ランキンサイクル回路は、前述のものと同一であり、交換器1と、タービン3と、交換器5と、ポンプ6と、ヒートポンプからなる補助熱源2とを有している。ヒートポンプは、温かい温熱源と熱交換を行う交換器10と、圧縮器7と、ランキンサイクルの作動流体と熱交換を行う交換器8と、弁9とを有している。熱交換器10は、腐食を受け、生物付着(生物種からなる水域環境に浸漬された固形物への外被、またはバクテリア、原生生物、植物、および動物などの水生生物種によって発生した外被)のために詰まってしまうことがある。そのため、この装置には相当な手間が必要となる。

仏国特許出願公開第2981129号明細書

本発明は、ヒートポンプを備えたランキンサイクルであって、ヒートポンプが組み込まれたランキンサイクルを用いた、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法およびシステムに関する。したがって、ランキンサイクルの回路とヒートポンプの回路に対して単一の作動流体が使用され、ヒートポンプの回路は、温熱源と熱交換を行う交換器を必要としない。

本発明は、作動流体が閉回路内で循環させられる、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法であって、閉回路がランキンサイクルによる回路を有し、ランキンサイクル回路が、ランキンサイクル回路で蒸発した作動流体を加熱するヒートポンプを備える、熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法に関する。この方法では、ランキンサイクル回路の作動流体が、ヒートポンプの回路内で循環させられる。

本発明によれば、蒸発した作動流体が、ランキンサイクル回路によって機械エネルギーへの変換に用いられる第1の部分と、ヒートポンプで用いられる第2の部分との2つの部分に分離される。

ランキンサイクル回路での機械エネルギーへの変換工程の後で、第1の部分が第2の部分の少なくとも一部と混合されることが有利である。

以下の工程、すなわち、 a)第1の熱源との熱交換によって作動流体を蒸発させる工程と、 b)蒸発した作動流体を2つの部分に分離する工程と、 c)予め圧縮された第2の部分との熱交換によって第1の部分を加熱する工程と、 d)第1の部分に含まれる熱エネルギーの一部を機械エネルギーに変換する工程と、 e)第1の部分と予め膨張した第2の部分との少なくとも一部を混合することで、作動流体の少なくとも一部を再形成する工程と、 f)第2の熱源との熱交換によって再形成された作動流体の少なくとも一部を凝縮させる工程と、 g)凝縮した作動流体を圧縮する工程と、 が実行されることが好ましい。

本発明の一態様によれば、作動流体の一部を再形成する工程の上流で、第2の部分が液相と気相とに分離され、作動流体を部分的に再形成する工程で第2の部分の気相が第1の部分と混合され、第2の部分の液相が凝縮した作動流体と混合される。

一変形例では、部分的に再形成された作動流体が液相と気相とに分離され、作動流体の気相が凝縮工程で凝縮され、作動流体の液相が凝縮した作動流体と混合される。

本発明によれば、熱源が、異なる深さから採取した海水からなる。

作動流体がアンモニアを有することが有利である。

さらに、本発明は、作動流体が循環する閉回路を有する、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するシステムであって、閉回路がランキンサイクル回路を有し、ランキンサイクル回路が、該ランキンサイクル回路内の蒸発した作動流体を加熱するヒートポンプを備える、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するシステムに関する。このシステムでは、ランキンサイクル回路の作動流体が、ヒートポンプの回路内を循環する。

本発明によれば、閉回路が、作動流体を2つの部分に分離する第1の分離器であって、ランキンサイクル回路によって機械エネルギーへの変換に用いられる第1の部分と、ヒートポンプの回路で用いられる第2の部分との2つの部分に分離する第1の分離器を有している。

閉回路が、ランキンサイクル回路における機械エネルギーに変換する手段の下流に、第1の部分を第2の部分の少なくとも一部に混合する第1の混合器を有していることが有利である。

閉回路が、 第1の熱源によって作動流体を蒸発させる第1の熱交換器と、 蒸発した作動流体を2つの部分に分離する分離器と、 圧縮器で圧縮された第2の部分によって第1の部分を加熱する第2の熱交換器と、 第1の部分に含まれる熱エネルギーの一部を機械エネルギーに変換するタービンと、 第1の部分と膨張手段によって膨張した第2の部分との少なくとも一部を混合し、作動流体の少なくとも一部を再形成する第1の混合器と、 第2の熱源によって作動流体の少なくとも一部を凝縮させる第3の熱交換器と、 凝縮した作動流体を圧縮するポンプと、 をこの順で有していることが好ましい。

膨張手段が、弁または二相ポンプを有していることが有利である。

本発明の一態様によれば、閉回路が、第1の混合器の上流に、第2の部分の液相と気相とを分離する第2の分離器を有するとともに、第3の熱交換器の下流に、液相を第3の交換器の出口での作動流体に混合する第2の混合器を有し、第1の混合器が、第2の部分の気相を第1の部分に混合する。

本発明の一変形態様によれば、閉回路が、第1の混合器の下流に、第1の混合器の出口での作動流体の液相と気相とを分離する第3の分離器を有するとともに、第3の交換器の下流に、液相を第3の交換器の出口での作動流体に混合する第2の混合器とを有し、第3の交換器が、作動流体の水相を冷却する。

本発明によれば、作動流体がアンモニアを有している。

さらに、熱源が、異なる深さから採取した海水からなっていてよい。

本発明による方法の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら示す、非限定的な例として与えられる実施の形態についての以下の説明から明らかとなろう。

既述の従来技術に係る、ランキンサイクルで動作するOTECプラントのブロック図である。

既述の従来技術に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作するOTECプラントの図である。

本発明の第1の実施形態に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作する熱エネルギー変換システムを示す図である。

本発明の第2の実施形態に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作する熱エネルギー変換システムを示す図である。

本発明の第3の実施形態に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作する熱エネルギー変換システムを示す図である。

本発明の第4の実施形態に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作する熱エネルギー変換システムを示す図である。

本発明の第1の実施形態の変形例に係る、ヒートポンプを備えたランキンサイクルで動作する熱エネルギー変換システムを示す図である。

本発明は、熱源からの熱エネルギーを機械エネルギーに変換する方法およびシステムに関する。熱源は、例えば、異なる深さで採取した海水であってよく、すなわち、温熱源(例えば28℃)を海面で採取することができ、それに対して、冷熱源(例えば4℃)を1000m付近またはそれ以上の深さで採取することができる。

この方法およびシステムは、作動流体を用いて熱力学サイクルを実行することに基づいている。例えば、作動流体は、アンモニア(NH3)であってよく、実際、アンモニアは、特に海水からなる温熱源との熱交換によって蒸発することが可能であるが、これは、妥当な圧力範囲内では、海洋表層水の温度がアンモニアを蒸発させるのに十分に高いためである。同様に、冷熱源の温度により、アンモニアを凝縮させることができる。あるいは、作動流体は、両熱源の温度に応じた温度/圧力基準を満たす任意の有機液体からなっていてよい。

本発明によれば、熱力学サイクルは、ヒートポンプを備えたランキンサイクルに対応する。

ランキンサイクル(図1)は、作動流体に対して、以下の工程、すなわち、 (例えば、温熱源との熱交換による)蒸発と、 (例えば、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するタービンによる)膨張と、 (例えば、冷熱源とのフリゴリー交換による)凝縮と、 (例えば、ポンプによる)圧縮と、 が連続的に行われるサイクルである。

熱は、自然な状態では、それぞれ等しい温度になるまで、より温かい媒体からより冷たい媒体へと拡散するが、ヒートポンプ(PAC)は、より冷たい媒体からより温かい媒体へ、あるいは、同じ温度の媒体(したがって冷却される)から同じ温度の媒体(したがって加熱される)へと熱を伝達することができる熱力学装置である。このために、ヒートポンプは、いくつかの装置(図2)、すなわち、熱源と作動流体との間の熱交換用の交換器と、圧縮器と、ヒートポンプの作動流体と加熱される流体との間の交換器と、PACの作動流体を膨張させる弁とを有している。ヒートポンプをランキンサイクルに追加することで、蒸発した作動流体をタービンに入れる前に過熱することができる。したがって、この方法(ランキンサイクル+PAC)により生成される正味出力は、ランキンサイクル単独で生成される出力と比べて増加する。正味出力は、タービンによって生成される出力から、ポンプまたは圧縮器で消費される出力を除いたものと考えられる。

本発明によれば、ヒートポンプは、ランキンサイクルに組み込まれている。すなわち、同じ作動流体が、ランキンサイクルに対応する回路部品内とヒートポンプに対応する回路部品内とを循環させられ、したがって、作動流体は共用され、本発明の熱力学サイクルに特有のものである。このため、ヒートポンプに対応する回路部分には、(腐食と生物付着を受ける)温熱源との熱交換器を使用する必要がない。作動流体は、ランキンサイクルの熱力学工程を実質的に対象とした第1の部分と、ヒートポンプの熱力学工程を実質的に対象とした第2の部分の2つの部分に分離されることが有利である。作動流体の一部は、本発明の熱力学回路の一部にだけ使用される、作動流体の一部と考えられる。その後、作動流体は、混合および凝縮工程を実行することと、任意には、流体の液相と気相の分離工程を実行することとによって再形成される。

本発明の第1の実施形態によれば、流体は、ランキンサイクル内の作動流体の蒸発工程の後で2つの部分に分離され、ガス状の作動流体の流れの一部が、蒸発器の出口から抽出される。

図3は、このような本発明の第1の実施形態を示している。図1および図2の従来技術の実施形態と同一または類似の要素には、同じ参照番号が付されている。

作動流体は、蒸発器とも呼ばれる第1の熱交換器1において、温熱源SC、特に海洋表層水との熱交換によって蒸発する。蒸発した作動流体は、第1の分離器つまりスプリッタ11において2つの部分に分離される。

作動流体の(ガス状の)第1の部分は、過熱器とも呼ばれる第2の熱交換器8において、第2の部分によって過熱される。そして、作動流体の第1の部分の熱エネルギーは、タービン3によって機械エネルギーに変換される。

作動流体の(ガス状の)第2の部分は、圧縮器7で圧縮された後、第1の部分を加熱するために第2の熱交換器8によって使用される。第2の部分は、第2の交換器8の出口において、例えば弁9によって膨張する。弁9の出口での圧力は、タービン3の出口での圧力に調整され、それにより、2つの流れ(部分)を同じ圧力にすることができる。

その後、タービン3から出た作動流体の第1の部分と、作動流体の第2の部分とは、混合器12において混合され、作動流体を再形成することができる。

そして、再形成された作動流体は、凝縮器とも呼ばれる第3の熱交換器5において、特に深海から採取した海水である冷熱源SFとの熱交換によって凝縮される。その後、凝縮された作動流体は、第1の熱交換器1において再び蒸発する前に、例えばポンプ6において圧縮される。

本発明の第2の実施形態は、作動流体の第2の部分の気相だけがタービンの出口で作動流体の第1の部分と混合されるという点で、第1の実施形態と異なっている。実際、弁の出口での第2の部分は、液体と気体との混合物からなり、したがって、液相を凝縮器において冷却する必要はなく、そのため、混合器の上流で第2の部分から液相と気相とが分離される。こうして回収された液体は、凝縮器の出口において液体状の作動流体と混合される。

図4は、このような本発明の第2の実施形態を示している。第1の実施形態と類似の要素については説明しない。

弁9の出口での作動流体の第2の部分は、例えばフラッシュドラムである第2の分離器13において液相と気相に分離される。分離器13の出口での第2の部分の気相は、混合器12において、タービン3の出口での第1の部分と混合される。こうして再形成された作動流体は、第3の熱交換器5において凝縮される。分離器13の出口での第2の部分の液相は、第2の混合器14において、第3の熱交換器5の出口での凝縮された作動流体と混合される。したがって、第2の混合器14の出口では、作動流体全体は液状で流れている。

本発明の第3の実施形態は、再形成された作動流体の気相だけが凝縮されるという点で、第1の実施形態と異なっている。実際、タービンの出口での液体の割合が相当なものになる場合がある。液相を凝縮させる必要がなく、そのため、2つの流れを混合した後にフラッシュドラムを配置することは賢明なことかもしれない。

図5は、このような本発明の第3の実施形態を示している。最初の2つの実施形態と類似の要素については説明しない。

第1の混合器12の出口での再形成された流体は、第3の分離器15、特にフラッシュドラムによって液相と気相に分離される。第3の分離器15の出口での作動流体の気相は、第3の熱交換器5において凝縮される。第3の分離器15の出口での作動流体の液相は、第2の混合器14において、第3の熱交換器5の出口での凝縮された作動流体と混合される。したがって、第2の混合器14の出口では、作動流体全体は液状で流れている。

本発明の第4の実施形態は、第2および第3の実施形態の組み合わせであり、作動流体の第2の部分の気相だけが、タービンの出口で作動流体の第1の部分と混合され、再形成された作動流体の気相だけが凝縮される。

図6は、このような本発明の第4の実施形態を示している。最初の3つの実施形態と類似の要素については説明しない。

弁9の出口での作動流体の第2の部分は、例えばフラッシュドラムである第2の分離器13において液相と気相に分離される。分離器13の出口での第2の部分の気相は、混合器12において、タービン3の出口での第1の部分と混合される。

第1の混合器12の出口での部分的に再形成された流体は、第3の分離器15、例えばフラッシュドラムによって液相と気相に分離される。第3の分離器15の出口での作動流体の気相は、第3の熱交換器5において凝縮される。

分離器13の出口での第2の部分の液相は、第2の混合器14において、第1の混合器12において部分的に再形成された作動流体の液相と混合されるとともに、第3の熱交換器5の出口での凝縮された作動流体と混合される。したがって、第2の混合器14の出口では、作動流体全体は液状で流れている。

上述した全ての実施形態と両立可能な本発明の変形実施形態によれば、ヒートポンプに関する回路における第2の部分の膨張は、二相ポンプによって実施することができる。二相ポンプにより、本発明の熱力学サイクルによって生成される正味出力を増加させることができる。図7は、このような第1の実施形態の変形例を示している。4つの実施形態と類似の要素については説明しない。

この回路では、ヒートポンプの弁9が二相ポンプ16に置き換えられている。

本発明の方法およびシステムは、温熱源が海面から採取した海水であり、冷熱源が(例えば1000mの)深海から採取した海水であるOTECプラントとしての使用に特に適している。

(適用例) 本発明の方法およびシステムの効果を明らかにするために、本発明の様々な実施形態および従来技術の2つの実施形態に対してそれぞれシミュレーションを実施した。

様々な方法を検討および比較するために、作動流体をアンモニア(NH3)とし、以下のパラメータを設定した。 ●温水(温熱源SC) ○温度:28℃ ●冷水(冷熱源SF) ○温度:4℃ ●PACを備えていないランキンサイクル(図1の従来技術) ○タービン3内でのNH3の流量:100kg/s ●ヒートポンプ2 ○NH3の流量:4kg/s

このような条件下では、アンモニアは、タービンの出口では乾燥していることに留意されたい。本発明のPACが組み込まれたサイクルについて、分離器11は、タービン内でのアンモニアの流量が、PACの有無にかかわらずランキンサイクルの場合と同じ、すなわち100kg/sになるように調整される。

全てのサイクルについて、温水または冷水の流量は、ピンチが2℃をわずかに上回るように調整される。過熱器8については、圧縮器の出口での圧力が同じ2℃ピンチになるように調整される。

シミュレーションされた様々な方法は以下のとおりである。 ○サイクル1として表示された、図1に示すランキンサイクル単独(従来技術) ○サイクル2として表示された、ランキンサイクルとヒートポンプとを備えた図2の熱力学サイクル(従来技術) ○それぞれサイクル3、サイクル4、およびサイクル5として表示された、図3から図5に示す本発明の第1、第2、および第3の実施形態

表1には、様々な方法における消費出力および生成出力と、これらのランキンサイクルに対する比較とがまとめられている。

ヒートポンプを追加することで、ランキンサイクルよりも約500kW多く生成することが可能になり、すなわち、約15%の出力利得が可能になることが分かる。

本発明のヒートポンプPAC(サイクル3、サイクル4、およびサイクル5)をランキンサイクルに組み込むことで、冷水ポンプの出力が増大するため、サイクル2(従来技術)で得られる利得をわずかに減少させる。しかしながら、本発明の第2の実施形態は、サイクル2のヒートポンプPACを備えたランキンサイクルと実質的に同じ生成出力の獲得を可能にする。

一方で、本発明のヒートポンプPACのサイクルへの組み込みは、冷熱源との交換器(凝縮器)のサイズにはほとんど影響せず、蒸発器と過熱器に全く影響を与えることはない。

弁9を二相ポンプに置き換えて、もう一つのシミュレーションを実施した。表2は、このようなシミュレーションの結果を示している。

二相タービンによって、この例では、軸上での生成出力が6.85kWとなる。

表3により、生成出力の利得を評価することができる。

この利得は低いが、有意なものである。さらに、二相タービンの追加によって、交換器のサイズを決定するパラメータが特に変更されることはない。この結論は、二相タービンが、この例で動作している条件下では、出口での作動流体の熱力学条件にほとんど影響しないという事実から導き出されるものである。

ヒートポンプによってランキンサイクルを過熱させる本発明の方法のいくつかの変形例を検討した。このような変形例によって、海水とヒートポンプの作動流体との交換器を省略することができる。実際、この交換器は、ランキンサイクルの主要な交換器と比べて、サイズが小さいが、腐食と生物付着の問題を引き起こしてしまう。

このような様々な方法のシミュレーションは、本発明による組み込みによって、ヒートポンプをランキンサイクルに単純に追加するのと実質的に同じようにランキンサイクルが改善されることを示している。

さらに、このような方法に二相タービンを追加することで、主要な交換器の構成を特に変更する必要なく、いくつかの点で効率を改善することができる。

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