熱エネルギー回収装置および熱エネルギー回収装置の起動方法

申请号 JP2014097892 申请日 2014-05-09 公开(公告)号 JP2015214922A 公开(公告)日 2015-12-03
申请人 株式会社神戸製鋼所; 发明人 足立 成人; 成川 裕; 福田 貴之;
摘要 【課題】ポンプの上流に 位置 する貯留部内の液相の作動媒体の量を確保することができる熱エネルギー回収装置、および熱エネルギー回収装置の起動方法を提供する。 【解決手段】熱エネルギー回収装置X1は、熱媒体の熱によって作動媒体を蒸発させる加熱器2と、加熱器2から流出した作動媒体が流入する膨張機3と、膨張機3に接続される駆動機4と、冷却媒体によって膨張機3から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器5と、凝縮器5において凝縮された作動媒体を貯留する貯留部6と、貯留部6から流出した作動媒体を加熱器2へ送るポンプ7と、加熱器2、膨張機3、凝縮器5、貯留部6、およびポンプ7をこの順に接続する作動媒体の循環流路8と、ポンプ7の駆動を制御するポンプ制御部91と、を備え、ポンプ制御部91は、加熱器2に熱媒体が供給されるとともに凝縮器5に冷却媒体が供給された後に、ポンプ7を駆動する。 【選択図】図1
权利要求

熱媒体の熱によって作動媒体を加熱する加熱器と、 前記加熱器から流出した作動媒体が流入する膨張機と、 前記膨張機に接続される動回収機と、 前記加熱器よりも上方に位置し、冷却媒体によって前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、 前記加熱器よりも上方に位置し、前記凝縮器において凝縮された作動媒体を貯留する貯留部と、 前記加熱器よりも上方に位置し、前記貯留部から流出した作動媒体を前記加熱器へ送るポンプと、 前記加熱器、前記膨張機、前記凝縮器、前記貯留部、および前記ポンプをこの順に接続する作動媒体の循環流路と、 前記ポンプの駆動を制御するポンプ制御部と、を備え、 前記ポンプ制御部は、前記加熱器に熱媒体が供給されるとともに前記凝縮器に冷却媒体が供給された後に、前記ポンプを駆動する、熱エネルギー回収装置。前記貯留部は、当該貯留部に貯留された作動媒体の液面の高さを検出する液面センサを有し、 前記ポンプ制御部は、前記液面センサの検出値に基づき前記貯留部に貯留された作動媒体の量が所定量以上となった場合に、前記ポンプを駆動する、請求項1に記載の熱エネルギー回収装置。前記ポンプ制御部は、前記凝縮器へ冷却媒体の供給が開始されてから所定の時間が経過した後に、前記ポンプを駆動する、請求項1に記載の熱エネルギー回収装置。前記加熱器と前記膨張機とを繋ぐ前記循環流路の第1流路に設けられる遮断弁と、 前記膨張機および前記凝縮器を繋ぐ前記循環流路の第2流路と、前記第1流路のうち前記遮断弁よりも上流側の部位とを繋ぐバイパス流路と、 前記バイパス流路に設けられるバイパス弁と、 前記遮断弁および前記バイパス弁の開閉を制御する弁制御部と、をさらに備え、 前記弁制御部は、前記ポンプの駆動前に、前記遮断弁を閉じるとともに前記バイパス弁を開放した状態とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱エネルギー回収装置。前記循環流路のうち前記ポンプと前記加熱器とを繋ぐ流路が、前記ポンプに接続されるとともに上方に向かって凸となる屈曲部を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱エネルギー回収装置。前記凝縮器と前記貯留部とは、別部材である、請求項1〜5のいずれ一項に記載の熱エネルギー回収装置。前記循環流路のうち前記ポンプと前記加熱器とを繋ぐ流路には、開閉弁が設けられ、 前記加熱器に熱媒体が供給されるとともに前記凝縮器に冷却媒体が供給された後に、前記開閉弁を開放し、前記ポンプを駆動する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱エネルギー回収装置。前記熱媒体は、エンジンに供給される過給空気、前記エンジンから排出される排ガス、または前記排ガスから熱を回収するエコノマイザにて発生した蒸気の少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱エネルギー回収装置。熱媒体によって作動媒体を加熱する加熱器と、前記加熱器から流出した作動媒体が流入する膨張機と、前記膨張機に接続される動力回収機と、前記加熱器よりも上方に位置し冷却媒体によって前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、前記加熱器よりも上方に位置し前記凝縮器において凝縮された作動媒体を貯留する貯留部と、前記加熱器よりも上方に位置し前記貯留部から流出した作動媒体を前記加熱器へ送るポンプと、を備え、前記加熱器、前記膨張機、前記凝縮器、前記貯留部、および前記ポンプがこの順に接続された熱エネルギー回収装置の起動方法であって、 前記加熱器に熱媒体を供給する第1ステップと、 前記凝縮器に冷却媒体を供給する第2ステップと、 前記第1ステップおよび前記第2ステップの後に前記ポンプを駆動する第3ステップと、を備える熱エネルギー回収装置の起動方法。

说明书全文

本発明は、排熱を回収する熱エネルギー回収装置および熱エネルギー回収装置の起動方法に関する。

従来、各種の設備において発生する熱エネルギーを回収する装置が知られている。この装置の一例として、特許文献1には、熱媒体によって作動媒体液を蒸発させる加熱器と、作動媒体蒸気を膨張させる膨張機と、作動媒体蒸気を凝縮させる凝縮器と、作動媒体を循環させるポンプと、が直列接続された循環流路を備える発電装置が記載されている。特許文献1に記載された発電装置では、膨張機がスクリューロータを備えており、当該スクリューロータが膨張機において膨張した作動媒体蒸気によって回転する。このスクリューロータは、発電機に接続されており、当該発電機がスクリューロータの回転を電に変換する。

ここで、特許文献1に記載された発電装置は、ポンプの入り口側の作動媒体の圧力を検出する圧力センサと、ポンプの入り口側の作動媒体の温度から当該作動媒体の飽和蒸気圧力を検出する導出手段と、をさらに備えている。特許文献1に記載された発電装置は、圧力センサにおいて検出された圧力と導出手段において導出された飽和蒸気圧力との差圧に応じて作動媒体の循環量を調整することにより、ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑止している。

特開2012−202374号公報

ところで、凝縮器およびポンプが加熱器よりも上方に位置する場合、ポンプの停止時に液相の作動媒体が加熱器とポンプとの間の配管部分に溜まってしまい、ポンプの上流に存在する液相の作動媒体の量が不足してしまう。このような状態でポンプが始動されると、当該ポンプにおいてキャビテーションが発生することになる。特許文献1に開示される手法では、当該ポンプの始動時におけるキャビテーションの発生は避け難い。

本発明は、上記の観点からなされたものであり、その目的は、熱エネルギー回収装置においてポンプの上流に位置する貯留部内の液相の作動媒体の量を確保することである。

本発明に係る熱エネルギー回収装置は、熱媒体の熱によって作動媒体を加熱する加熱器と、前記加熱器から流出した作動媒体が流入する膨張機と、前記膨張機に接続される動力回収機と、前記加熱器よりも上方に位置し、冷却媒体によって前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、前記加熱器よりも上方に位置し、前記凝縮器において凝縮された作動媒体を貯留する貯留部と、前記加熱器よりも上方に位置し、前記貯留部から流出した作動媒体を前記加熱器へ送るポンプと、前記加熱器、前記膨張機、前記凝縮器、前記貯留部、および前記ポンプをこの順に接続する作動媒体の循環流路と、前記ポンプの駆動を制御するポンプ制御部と、を備え、前記ポンプ制御部は、前記加熱器に熱媒体が供給されるとともに前記凝縮器に冷却媒体が供給された後に、前記ポンプを駆動する。

熱エネルギー回収装置の停止時には、通常、加熱器への熱媒体の供給および凝縮器への冷却媒体の供給が停止される。このため、加熱器が貯留部よりも下方に配置される構造では、貯留部から流出した作動媒体がポンプを通過して加熱器の上流側に滞留してしまう。その結果、貯留部内の液相の作動媒体が不足し、ポンプを駆動する際にキャビテーションが発生する虞がある。

これに対し、本発明に係る熱エネルギー回収装置では、ポンプの駆動前、すなわち、熱エネルギー回収装置の運転開始前に、加熱器に熱媒体が供給され、かつ、凝縮器に冷却媒体が供給される。これにより、貯留部内に十分な量の作動媒体を貯留することができる。

また、前記貯留部は、当該貯留部に貯留された作動媒体の液面の高さを検出する液面センサを有し、前記ポンプ制御部は、前記液面センサの検出値に基づき前記貯留部に貯留された作動媒体の量が所定量以上となった場合に、前記ポンプを駆動することが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置では、貯留部内の作動媒体の量を確実に確保した状態でポンプを駆動することができる。

また、前記ポンプ制御部は、前記凝縮器へ冷却媒体の供給が開始されてから所定の時間が経過した後に、前記ポンプを駆動してもよい。

上記の熱エネルギー回収装置では、液面センサを設ける必要がないため、コストを低減することができる。

また、前記加熱器と前記膨張機とを繋ぐ前記循環流路の第1流路に設けられる遮断弁と、前記膨張機および前記凝縮器を繋ぐ前記循環流路の第2流路と、前記第1流路のうち前記遮断弁よりも上流側の部位とを繋ぐバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられるバイパス弁と、前記遮断弁および前記バイパス弁の開閉を制御する弁制御部と、をさらに備え、前記弁制御部は、前記ポンプの駆動前に、前記遮断弁を閉じるとともに前記バイパス弁を開放した状態とすることが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置では、膨張機を跨いで第1流路と第2流路とを繋ぐバイパス流路が設けられており、ポンプの駆動が開始される前に加熱器において蒸発した作動媒体が第1流路、バイパス流路、および第2流路を通じて凝縮器へ流入する。すなわち、上記の熱エネルギー回収装置では、ポンプの駆動が開始される前に加熱器において蒸発した作動媒体が膨張機を通じることなく凝縮器へ流入することになる。このため、加熱器において蒸発した作動媒体を効率的に凝縮器へ流入させることができる。

また、前記循環流路のうち前記ポンプと前記加熱器とを繋ぐ流路が、前記ポンプに接続されるとともに上方に向かって凸となる屈曲部を備えることが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置では、ポンプの駆動前に貯留部から加熱器へと作動媒体が流れてしまうことが抑制され、当該貯留部に液相の作動媒体をより速やかに蓄えることができる。

また、前記凝縮器と前記貯留部とは、別部材であることが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置では、凝縮器内に液相の作動媒体が貯留されることが抑止されるため、当該凝縮器のうち作動媒体の流入側の圧力を低減することが可能となり、これにより動力回収機において効率よくエネルギーを回収することができる。

また、前記循環流路のうち前記ポンプと前記加熱器とを繋ぐ流路には、開閉弁が設けられ、前記加熱器に熱媒体が供給されるとともに前記凝縮器に冷却媒体が供給された後に、前記開閉弁を開放し、前記ポンプを駆動することが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置では、ポンプの駆動停止時に開閉弁を閉じることによって、当該ポンプの駆動前に加熱器へと作動媒体が流れてしまうことが防止され、貯留部内に液相の作動媒体をより速やかに蓄えることができる。

また、前記熱媒体は、エンジンに供給される過給空気、前記エンジンから排出される排ガス、または前記排ガスから熱を回収するエコノマイザにて発生した蒸気の少なくとも1つを含むことが好ましい。

上記の熱エネルギー回収装置は、例えば揺れが生じやすい船舶や車両等の移動体に搭載され、当該移動体のエンジン周辺において発生した熱エネルギーを回収することができる。

また、本発明は、熱媒体によって作動媒体を加熱する加熱器と、前記加熱器から流出した作動媒体が流入する膨張機と、前記膨張機に接続される動力回収機と、前記加熱器よりも上方に位置し冷却媒体によって前記膨張機から流出した作動媒体を凝縮させる凝縮器と、前記加熱器よりも上方に位置し前記凝縮器において凝縮された作動媒体を貯留する貯留部と、前記加熱器よりも上方に位置し前記貯留部から流出した作動媒体を前記加熱器へ送るポンプと、を備え、前記加熱器、前記膨張機、前記凝縮器、前記貯留部、および前記ポンプがこの順に接続された熱エネルギー回収装置の起動方法であって、前記加熱器に熱媒体を供給する第1ステップと、前記凝縮器に冷却媒体を供給する第2ステップと、前記第1ステップおよび前記第2ステップの後に前記ポンプを駆動する第3ステップと、を備える。

上記の熱エネルギー回収装置の起動方法では、加熱器に熱媒体を供給するとともに凝縮器に冷却媒体を供給した後にポンプを駆動するため、当該ポンプの駆動前に貯留部内に十分な量の作動媒体を貯留することができる。

本発明によれば、ポンプの上流に位置する貯留部内の液相の作動媒体の量を確保することができる熱エネルギー回収装置、および熱エネルギー回収装置の起動方法が提供される。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置の概略構成図である。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置における起動制御の手順を示すフローチャートである。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置の変形例1である。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置の変形例2であって、図1と同様の概略構成図である。

図4に示す変形例2の起動制御の手順を示すフローチャートである。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置の変形例3であって、起動制御の手順を示すフローチャートである。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置の変形例4であって、図1と同様の概略構成図である。

以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本実施形態に係る熱エネルギー回収装置を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本実施形態に係る熱エネルギー回収装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。

図1に示されるように、熱エネルギー回収装置X1は、加熱器2、膨張機3、動力回収機4、凝縮器5、貯留部6、ポンプ7、循環流路8、バイパス流路11、遮断弁81aおよび制御部9を備えている。そして、循環流路8が加熱器2、膨張機3、凝縮器5、貯留部6、およびポンプ7をこの順に接続している。以下の説明では、循環流路8のうち加熱器2と膨張機3とを繋ぐ部位を「第1流路81」という。膨張機3と凝縮器5とを繋ぐ部位を「第2流路82」という。凝縮器5とポンプ7とを繋ぐ部位を「第3流路83」という。ポンプ7と加熱器2とを繋ぐ部位を「第4流路84」という。

本実施形態では、熱エネルギー回収装置X1は、船舶に搭載され、過給機付エンジン100の排熱を回収するように用いられる。なお、熱エネルギー回収装置X1は、例えば車両に搭載されてもよいし、工場等における各種の設備に適用されてもよい。

過給機付エンジン100は、過給機、エンジン130、掃気ライン140,150、および排気ライン160を有している。過給機は、圧縮機110、および当該圧縮機110に接続されたタービン120を有している。圧縮機110で圧縮された過給空気は、掃気ライン140,150を通じてエンジン130に供給される。エンジン130からの排ガスは、排気ライン160を通じてタービン120に送られる。タービン120は、排ガスの膨張エネルギーによって駆動され、このタービン120の駆動力により圧縮機110が駆動される。本実施形態に係る熱エネルギー回収装置X1では、加熱器2が掃気ライン140と掃気ライン150の間に位置しており、掃気ライン140から掃気ライン150へと移動する過給空気の排熱を回収することができる。

加熱器2は、熱媒体流路21および作動媒体流路22を有している。熱媒体流路21は、圧縮機110からの過給空気が流れる流路であり、一端が掃気ライン140に接続されているとともに他端が掃気ライン150に接続されている。作動媒体流路22は、作動媒体が流れる流路である。加熱器2は、熱媒体流路21を流れる過給空気と作動媒体流路22を流れる液相の作動媒体とを熱交換させることによって、当該作動媒体を蒸発させる。

膨張機3は、循環流路8における加熱器2の下流側に位置している。膨張機3と加熱器2の作動媒体流路22とは、循環流路8の第1流路81を介して互いに接続されている。加熱器2において蒸発した作動媒体は、第1流路81を通じて膨張機3に流入する。

本実施形態では、膨張機3として、気相の作動媒体の膨張エネルギーにより回転駆動されるロータを有する容積式のスクリュー膨張機が用いられている。なお、膨張機3としては、容積式のスクリュー膨張機に限らず、遠心式のものやスクロールタイプのもの等が用いられてもよい。

動力回収機4は、膨張機3に接続されている。本実施形態では、動力回収機4として発電機が用いられている。この動力回収機4は、膨張機3の一対のスクリューロータのうちの一方に接続された回転軸を有している。動力回収機4は、前記回転軸が前記スクリューロータの回転に伴って回転することにより電力を発生させる。なお、動力回収機4として、発電機の他、圧縮機等が用いられてもよい。

凝縮器5は、循環流路8における膨張機3の下流側に位置している。また、凝縮器5は、重力方向において加熱器2よりも上方に配置されている。凝縮器5は、冷却流路51および作動媒体流路52を有している。冷却水流路51は、冷却水が流れる流路である。作動媒体流路52は、作動媒体が流れる流路である。作動媒体流路52は、循環流路8の第2流路82を介して膨張機3に接続されている。膨張機3から流出した気相の作動媒体は、第2流路82を通じて凝縮器5の作動媒体流路52に流入する。そして、作動媒体流路52を流れる気相の作動媒体と冷却水流路51を流れる冷却水との間で熱交換が行われることにより、当該作動媒体が凝縮される。なお、冷却水流路51を流れる冷却水としては、例えば海水が使用されるが、これに限らず、作動媒体流路52を流れる気相の作動媒体を凝縮可能な冷却媒体であればよい。

貯留部6は、循環流路8の第3流路83上にて凝縮器5の下流側に位置している。また、貯留部6は、重力方向において凝縮器5よりも下方に位置し、かつ、加熱器2よりも上方に配置されている。凝縮器5の作動媒体流路52とポンプ7とは、第3流路83を介して互いに接続されており、貯留部6が当該第3流路83の途中に設けられている。凝縮器5において凝縮された作動媒体は、第3流路83に流入するとともに、当該第3流路83の途中に設けられた貯留部6に貯留される。

ポンプ7は、循環流路8における貯留部6の下流側に位置している。また、ポンプ7は、重力方向において凝縮器5および貯留部6よりも下方に位置し、かつ、加熱器2よりも上方に位置する。ポンプ7と加熱器2の作動媒体流路22とは、循環流路8の第4流路84を介して互いに接続されている。貯留部6に貯留された液相の作動媒体は、ポンプ7に流入するとともに、当該ポンプ7によって所定の圧力で加熱器2の作動媒体流路22へ送られる。ポンプ7としては、インペラをロータとして備える遠心ポンプや、ロータが一対のギアからなるギアポンプ等が用いられる。

遮断弁81aは循環流路の第1流路81に設けられる。バイパス流路11は、膨張機3を迂回して第1流路81と第2流路82とを繋ぐ流路である。バイパス流路11の一端は、第1流路81のうち遮断弁81aよりも上流側の部位に接続されている。バイパス流路11の他端は、第2流路82の所定箇所に接続されている。これにより、加熱器2において蒸発した作動媒体は、膨張機3を通じて凝縮器5へ流入することができるとともに、膨張機3を通じることなくバイパス流路11を通じて凝縮器5へ流入することもできる。

制御部9は、熱エネルギー回収装置X1の駆動中の制御以外に起動を制御する役割も果たし、ポンプ制御部91と、弁制御部92と、判定部93と、を機能的に有している。

判定部93は、貯留部6に設けられた液面センサ61からの信号を受けて、貯留部6に液相の作動媒体が十分に貯留されているか否かを判定する。

ポンプ制御部91は、判定部93から判定信号を受けた場合に、ポンプ7の駆動を開始させる制御を行う。

弁制御部92は、バイパス弁11aの開閉制御、遮断弁81aの開閉制御、および、凝縮器5の冷却水流路51の上流に設けられた開閉弁51aの開閉制御を行う。

制御部9では、ポンプ制御部91、弁制御部92、および判定部93の機能が例えばメモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行することにより実現されている。

ところで、熱エネルギー回収装置X1の停止時、すなわち、ポンプ7の停止時には、加熱器2が貯留部6よりも重力方向において下方に位置することから、第4流路84、すなわち、ポンプ7と加熱器2との間の循環流路8の部位に液相の作動媒体が溜まってしまう。なお、第4流路84に溜まる液相の作動媒体には、貯留部6からポンプ7内の部材の隙間を介して第4流路84へと漏れ出したものもある。その結果、貯留部6内の液相の作動媒体が不足してしまい、仮に不足状態でポンプ7を起動してしまうと、ポンプ7内に気相の作動媒体が侵入し、キャビテーションが生じる虞がある。

そこで、熱エネルギー回収装置X1の起動時には以下の制御が行われる。図2は熱エネルギー回収装置における起動制御の手順を示すフローチャートである。

まず、制御部9にて加熱器2の熱媒体流路21に熱媒体が供給されたか否かが繰り返し確認される(ステップOp1)。この熱媒体の供給の有無については、エンジン130の回転数、掃気ライン140の温度、あるいは掃気ライン140の圧力等に基づいて判定される。また、加熱器2の下流側における作動媒体の圧力や温度に基づいて熱媒体の供給の有無が判定されてもよい。

熱媒体が加熱器2に供給されると(ステップOp1にてYes)、弁制御部92は、バイパス弁11aを開くとともに(ステップOp2)、遮断弁81aを閉じる制御を行う(ステップOp3)。なお、遮断弁81aは予め閉じられていてもよい。さらに、弁制御部92は開閉弁51aを開き、冷却水流路51に冷却水が供給される(ステップOp4)。第4流路84に溜まった液相の作動媒体は加熱器2にて加熱され、蒸発した作動媒体は第1流路81、バイパス流路11、および第2流路82を通じて凝縮器5の作動媒体流路52に流入する。作動媒体流路52に流入した作動媒体は冷却水流路51を流れる冷却水により冷却されて凝縮する。このような手順(ステップOp1〜ステップOp4)によって、ポンプ7が駆動される前に凝縮器5から当該凝縮器5の下流に位置する貯留部6へと液相の作動媒体が送られる。

そして、液面センサ61が貯留部6内の液相の作動媒体の液面の高さを検出し(ステップOp5)、判定部93が液面センサ61の検出値に基づき貯留部6内に十分な量の液相の作動媒体が貯留されているか否かを判定する(ステップOp6)。貯留部6内の液相の作動媒体が所定量未満である場合には、所定量以上となるまで連続的あるいは断続的に作動媒体の液面の高さが検出される。そして、判定部93が貯留部6内に所定量以上の液相の作動媒体が貯留されていると判定すると(ステップOp6にてYes)、当該貯留が完了したことを示す判定信号がポンプ制御部91および弁制御部92へ送信される。

判定部93から前記判定信号を受けた弁制御部92は、遮断弁81aを開くとともに(ステップOp7)、バイパス弁11aを閉じる制御を行い(ステップOp8)、加熱器2から膨張機3を通じて凝縮器5に至る流路を開放する。また、判定部93から前記判定信号を受けたポンプ制御部91は、ポンプ7の駆動を開始させる制御を行う(ステップOp9)。

以上に説明した起動制御が行われると、ポンプ7は貯留部6から液相の作動媒体を吸入し、加熱器2へと送る。加熱器2にて蒸発した作動媒体は膨張機3に流入し、作動媒体により膨張機3が駆動される。発電機4は膨張機3の駆動力により駆動される。膨張機3を通過した作動媒体は凝縮器5にて凝縮され、貯留部6へと戻される。

以上、本実施形態に係る熱エネルギー回収装置X1の構造および起動時の動作について説明したが、熱エネルギー回収装置X1の起動時には、加熱器2の熱媒体流路21に熱媒体が供給されるとともに凝縮器5の冷却水流路51に冷却水が供給された後にポンプ7が駆動される。このため、ポンプ7の駆動前に、第4流路84に溜まった液相の作動媒体を貯留部6へと戻すことができ、液相の作動媒体が貯留部6内に確保される。その結果、気相の作動媒体がポンプ7に侵入してしまうことが防止され、キャビテーションの発生が防止される。

熱エネルギー回収装置X1が船舶などの移動体に搭載される場合には、移動体の揺れにより貯留部6内の液面が波立ってしまうことがあるが、貯留部6に十分な量の液相の作動媒体が確保されることから、ポンプ7に気相の作動媒体が侵入してしまうことが防止される。

本実施形態に係る熱エネルギー回収装置X1では、貯留部6に設けられた液面センサ61が液相の作動媒体の液面の高さを検知しており、液相の作動媒体を貯留部6内に確実に確保することができる。

さらに、ポンプ7の駆動前に、凝縮器5に冷却水が供給されるのに伴い遮断弁81aが閉じられるとともにバイパス弁11aが開放される。加熱器2において蒸発した作動媒体がバイパス弁11aを通じて凝縮器5へ流入することにより、、作動媒体を効率よく凝縮させることができる。

凝縮器5と貯留部6とが別部材であることにより、液化した作動媒体を速やかに凝縮器5外部へと排出することが可能となる。これにより、凝縮器5の作動媒体流路52の流入側の圧力を低減することが可能となり、発電効率を向上することができる。

熱エネルギー回収装置X1の起動制御では、ポンプ7の駆動を開始させるポンプ駆動制御(ステップOp9)と、ポンプ駆動制御前に作動媒体を貯留部6に貯留させるための貯留制御(ステップOp1〜Op8)とが必ずしも連続的に行われる必要はない。例えば、熱エネルギー回収装置X1の停止後であっても熱媒体の供給が一定時間維持される場合には、停止後に貯留制御を行って事前に作動媒体を貯留することにより、所望のタイミングにてポンプ駆動制御を行うことができる。以下の他の制御動作においても同様である。

以下、本実施形態に係る熱エネルギー回収装置X1の変形例について、図3〜図7を参照しつつ説明する。

図3に示す変形例では、ポンプ7の下流側に位置する第4流路84が、上方に向かって凸状となるように曲がる部分を有する屈曲部84aを備える。屈曲部84の図3における右側の端部がポンプ7に接続される。これにより、熱エネルギー回収装置X1の停止時には、屈曲部84aのうち上流側の部分に液相の作動媒体が溜まることとなり、ポンプ7からの漏出が抑制される。その結果、貯留部6に十分な量の作動媒体をより速やかに貯留することができる。

図4に示す変形例では、第4流路84に開閉弁84bが設けられている。開閉弁84bは、熱エネルギー回収装置X1の運転停止に伴って閉じられる。図5は熱エネルギー回収装置X1の起動時における動作例を示す図である。熱エネルギー回収装置X1の動作はステップOp10を除き図2と同様である。まず、熱媒体が加熱器2に供給されると、バイパス弁11aが開放されるとともに遮断弁81aが閉じられ、凝縮器5の冷却水流路51へ冷却水が供給される(ステップOp1〜Op4)。液面センサ61が貯留部6内の液相の作動媒体の液面の高さを検出し(ステップOp5)、判定部93が貯留部6に十分な量の液相の作動媒体が貯留されていると判定すると(ステップOp6にてYes)、遮断弁81aが開放されるとともにバイパス弁11aが閉じられる(ステップOp7,Op8)。そして、弁制御部92により開閉弁85bが開放され(ステップOp10)、ポンプ制御部91が、ポンプ7を駆動させる(ステップOp9)。

図4に示す変形例では、開閉弁84bが設けられることにより、熱エネルギー回収装置X1の停止中にポンプ7よりも下流側の第4流路84へと液相の作動媒体が漏出してしまうことを防止することができる。第4流路84に漏出する作動媒体の量が抑えられることにより、熱エネルギー回収装置X1の起動を速やかに行うことができるとともに、熱エネルギー回収装置X1にて使用される作動媒体の量を抑えることも可能となる。

図6に示す変形例では、貯留部6に取り付けられていた液面センサ61が省略され、図2に示すステップOp5およびステップOp6に代えて、ステップOp11が挿入されている。弁制御部92は、凝縮器5の冷却水流路51への冷却水の供給が開始されてから予め設定された所定時間が経過した場合に(ステップOp11にてYes)、遮断弁81aを開くとともに(ステップOp7)、バイパス弁11を閉じる(ステップOp8)。このとき、弁制御部92は、ポンプ制御部91に対して前記所定時間の経過信号を送信する。そして、弁制御部92から前記経過信号を受けたポンプ制御部91は、ポンプ7の駆動を開始させる制御を行う(ステップOp9)。このような手順によれば、液面センサ61を省略することができ、熱エネルギー回収装置X1のコストを低減することができる。

以上説明した本実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

例えば、図2に示す起動時の動作において、ステップOp2〜ステップOp4が同時に行われてもよい。ステップOp7〜ステップOp9も同様である。また、凝縮器5への冷却水の供給と、加熱器2への熱媒体の供給とが同時に行われてもよく、冷却水の供給が先行して行われてもよい。熱媒体および冷却水を加熱器2および凝縮器5へ流入させる前に、予め遮断弁81aを閉じ、かつ、バイパス弁11を開いていてもよい。このように、熱エネルギー回収装置X1では、図2とは異なる時系列にて各工程を行うこともできる。図5および図6の動作においても同様である。

さらに、上記実施形態では、必ずしも冷却水の供給制御が行われる必要はなく、冷却水が冷却水流路51に常時供給される場合には、ステップOp4は不要となる。

熱エネルギー回収装置X1では、遮断弁81aが省略され、加熱器2にて蒸発した作動媒体の一部が膨張機3を通じて凝縮器5に流入してもよい。これにより、より多くの電力を生成することが可能となる。また、作動媒体の貯留制御の時間が十分に確保される場合には、バイパス弁11aを閉じた状態で作動媒体の全量が膨張機3を通じて凝縮器5へ流入されてもよい。

上記実施形態では凝縮器5および貯留部6が一繋がりの部材とされてもよい。この場合、貯留部6に設けられていた液面センサ61は、貯留部として機能する凝縮器5の下流部に設けられることになる。なお、液面センサ61は、必ずしも凝縮器5に設けられる必要はなく、第3流路83のポンプ7よりも上流側の部位に設けられていてもよい。

また、本実施形態では、制御部9が判定部93を機能的に有しているが、これに限らず、液面センサ61の検出値に基づき、操作者がポンプ制御部91および弁制御部92を指示してステップOp7〜ステップOp9、ステップOp10の制御を行ってもよい。

熱エネルギー回収装置X1では、複数の熱交換器により加熱器が構成されてもよい。図7に示す変形例では、過給機100の圧縮機110で圧縮された過給空気からの熱を回収する熱交換器2aと、熱交換器2aの下流側にエコマイザ200からの蒸気の熱を回収する熱交換器2bが設けられている。熱交換器2a,2bにより加熱器2が構成される。エコマイザ200は、過給機付エンジン100からの俳ガスの熱を回収する役割を有し、当該回収に伴って発生する蒸気が熱交換器2bの熱媒体流路21bに流入する。そして、熱媒体流路21bを通過する蒸気と作動媒体流路22bを通過する作動媒体との間で熱交換が行われることになる。図7の構造では、熱交換器2bにて作動媒体が全て蒸気となるのであれば、熱交換器2aにて液相の作動媒体の全量が必ずしも蒸発する必要はない。

熱エネルギー回収装置X1では、熱媒体としてエンジン130から排出される俳ガスの熱を直接的に回収する熱交換器が設けられてもよい。このように、熱エネルギー回収装置X1は、熱媒体として、エンジン130に供給される過給空気、エンジン130から排出される排ガス、または、排ガスから熱を回収するエコノマイザ200にて生成される蒸気の少なくとも1つを含む構成とされる。

X1 熱エネルギー回収装置 11 バイパス流路 11a バイパス弁 2 加熱器 3 膨張機 4 動力回収機 5 凝縮器 6 貯留部 61 液面センサ 7 ポンプ 8 循環流路 81 第1流路 81a 遮断弁 82 第2流路 84 第4流路 84a 屈曲部 84b 開閉弁 9 制御部 91 ポンプ制御部 92 弁制御部

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