安全性の高いロック

申请号 JP2016500177 申请日 2014-01-24 公开(公告)号 JP2016510846A 公开(公告)日 2016-04-11
申请人 ロック・セカンド・エル・エル・シー; 发明人 クレイトン・ジェイ・ミラー; ドナルド・ピー・クック; マイケル・ピー・ハーヴェイ; ブライアン・ティ・クレイクラフト; フィリップ・ディ・メイソン; ケネス・エイチ・ミムリッチ; クレイグ・ヴォルク;
摘要 安全性の高いロック(10)は、延出ポジションと後退ポジションとの間で移動可能なロックボルト(54)と、ロックボルト(54)に連結されたボルト後退ギア(68)と、手動ギアとを含む。ロック(10)のロック解除のためにコントローラがユーザ入 力 情報が正しいと確認した場合、前記ボルト後退ギア(68)および手動ギア(78)が動作可能に連結され、前記ギア(68,78)が、ロックボルト(54)をその延出ポジションから後退ポジションへ移動できるようになる。
权利要求

ロック機構であって; 延出ポジションと後退ポジションとの間で移動可能なロックボルトと; 前記ロックボルトに動作可能に連結されかつ係合ポジションと係合解除ポジションとの間で移動可能なボルト後退ギアであって、前記係合ポジションへ向けて付勢されている、ボルト後退ギアと; 前記係合ポジションにおいて前記ボルト後退ギアと係合して前記ロックボルトを前記延出ポジションと前記後退ポジションとの間で駆動するよう構成された手動ギアと; ユーザ入情報を受け取るよう構成されたユーザ入力デバイスと; 認証情報を格納してユーザ入力情報を照合するよう構成されたコントローラと; ガイド要素を有するアクチュエータアセンブリであって、前記ガイド要素は捕捉ポジションと捕捉解除ポジションとの間で動作するよう移動可能であり、前記ガイド要素は前記捕捉ポジションでは前記ボルト後退ギアの移動を阻止し、前記ガイド要素は前記捕捉解除ポジションでは前記ボルト後退ギアの移動を可能にする、アクチュエータアセンブリと; を備えており、 前記ガイド要素は、前記ユーザ入力情報と格納された前記認証情報とが一致することを前記コントローラが確認するまで、前記係合ポジションへ向かう前記ボルト後退ギアの移動を阻止することを特徴とするロック機構。前記ガイド要素は、前記ボルト後退ギアを前記係合解除ポジションへ向けて方向付けるために、前記捕捉解除ポジションから前記捕捉ポジションへ移動する間に前記ボルト後退ギアと係合することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリは、第1のポジションと第2のポジションとの間で動作可能なカムをさらに備えており、前記カムは、前記第1のポジションでは前記ガイド要素に隣接し、かつ前記第2のポジションでは前記ガイド要素に係合され、 前記カムは、前記ガイド要素を前記捕捉ポジションと前記捕捉解除ポジションとの間で移動させるために前記ガイド要素と係合することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリは、前記カムを前記第1のポジションと前記第2のポジションとの間で回転するために前記カムと動作可能に係合するアクチュエータをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のロック機構。前記アクチュエータは、クラッチ機構を介して前記カムと係合することを特徴とする請求項4に記載のロック機構。前記ガイド要素は、前記ボルト後退ギアに対して弾性可能に取り付けられたワイヤガイドであることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。ギア前進レバーを有する付勢デバイスをさらに備えており、 前記ギア前進レバーは、前記ボルト後退ギアと係合し、かつ前記係合ポジションへ向けて前記ボルト後退ギアを付勢することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記付勢デバイスは、回転可能に付勢されるドラム本体をさらに備えており、 前記ギア前進レバーは、前記ボルト後退ギアへ向けて前記ドラム本体から突出していることを特徴とする請求項7に記載のロック機構。前記ロックボルトはくぼみを含んでおり、 前記ロック機構は、前記ロックボルトに近接して弾性的に取り付けられた戻り止めボールをさらに備えており、 前記戻り止めボールは、前記くぼみと係合して前記延出ポジションへ向かう前記ロックボルトの前進を促進するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記ユーザ入力情報を視覚化するためのディスプレイと、前記ディスプレイの少なくとも一部をカバーするフィルタリングデバイスと、をさらに備えており、 前記フィルタリングデバイスは、複数の視野からの前記ディスプレイの視認を阻止するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。再ロックピンを含むサーマル再ロック装置をさらに備えており: 前記再ロックピンは、前記再ロックピンが前記後退ポジションへの前記ロックボルトの移動を阻止するように、前記延出ポジションにおける前記ロックボルトと係合するために時間および温度の影響下で作動可能となることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリと前記コントローラと前記手動ギアと前記ボルト後退ギアとを包囲するロックケーシングをさらに備えており、 前記ロックケーシングは、第1の部分と第2の部分とを有しており、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記第1および第2の部分の分離が前記ロックケーシングの少なくとも一部を破損させるように、互いに永続的にシールされていることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。ユーザ情報を受け取るよう構成された回転可能なロックダイアルと; ユーザ入力情報を視覚化するためのディスプレイと; 前記ロックダイアルの回転を検知するよう構成されたセンサと; をさらに備えており、 前記コントローラは、前記ロックダイアルの回転を所定のアルゴリズムを介して前記ディスプレイ上に視覚化される前記ユーザ入力情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリと前記コントローラと前記手動ギアと前記ボルト後退ギアとを包囲するロックケーシングをさらに備えており、 前記ロックケーシングが、ロックの不正干渉の証拠を見えるようにするために略半透明の材料から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。ロック機構であって; 延出ポジションと後退ポジションとの間で移動可能なロックボルトと; 前記ロックボルトに動作可能に連結されかつ係合ポジションと係合解除ポジションとの間で移動可能なボルト後退ギアと; 前記係合ポジションにおいて前記ボルト後退ギアと係合して前記ロックボルトを前記延出ポジションと前記後退ポジションとの間で駆動するよう構成された手動ギアと; ユーザ入力情報を受け取るよう構成された回転可能なロックダイアルと; ユーザ入力情報を視覚化するためのディスプレイと; 前記ロックダイアルの回転を検知するよう構成されたセンサと; 認証情報を格納してユーザ入力情報を照合するよう構成されたコントローラであって、前記コントローラは、前記ロックダイアルの回転を所定のアルゴリズムを介して前記ディスプレイ上に視覚化される前記ユーザ入力情報に変換するために、前記センサおよび前記ディスプレイに動作可能に接続されている、コントローラと; 前記ユーザ入力情報と格納された前記認証情報とが一致することを前記コントローラが確認した場合に、前記ボルト後退ギアは、前記手動ギアにより前記係合解除ポジションから前記係合ポジションへ移動することを特徴とするロック機構。前記回転可能なロックダイアルは、前記手動ギアに機械的に接続されていることを特徴とする請求項15に記載のロック機構。前記センサはロータリセンサであり、前記ロック機構は、前記手動ギアに取り付けられたエンコーダをさらに備えており、前記ロータリセンサが前記エンコーダを介して前記手動ギアの回転を直接検知することを特徴とする請求項16に記載のロック機構。前記ディスプレイ上に視覚化された前記ユーザ入力情報は、基本的に前記ロックダイアルの回転ポジションからランダムであることを特徴とする請求項17に記載のロック機構。前記アルゴリズムは、前記ロックダイアルの回転率を前記ユーザ入力情報に変換することを特徴とする請求項18に記載のロック機構。前記ディスプレイの少なくとも一部をカバーするフィルタリングデバイスをさらに備えており、前記フィルタリングデバイスは、複数の視野角からの前記ディスプレイの視認を防止するよう構成されていることを特徴とする請求項15に記載のロック機構。再ロックピンを含むサーマル再ロック装置をさらに備えており、 前記再ロックピンは、前記再ロックピンが前記後退ポジションへの前記ロックボルトの移動を防止するように、前記延出ポジションにおける前記ロックボルトの係合のために時間および温度の影響下で移動可能となることを特徴とする請求項15に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリと前記コントローラと前記手動ギアと前記ボルト後退ギアとを包囲するロックケーシングをさらに備えており、 前記ロックケーシングは、第1の部分と第2の部分とを有しており、 前記第1および第2の部分は、前記第1および第2の部分の分離が前記ロックケーシングの少なくとも一部を破損するように、互いに永続的にシールされていることを特徴とする請求項15に記載のロック機構。前記アクチュエータアセンブリと前記コントローラと前記手動ギアと前記ボルト後退ギアとを包囲するロックケーシングをさらに備えており、 前記ロックケーシングは、ロックへの不正干渉の証拠を見えるようにするために略半透明の材料から少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のロック機構。ロック機構であって: ロックケーシングであって、その中にロックの内部構成要素を有する、ロックケーシングを;備えており、 前記ロックケーシングは少なくとも部分的に、ロックへの不正干渉の証拠を見えるようにするために前記ロックの内部構成要素が前記ケーシングの外部から視認できるように、略半透明の材料から形成されていることを特徴とするロック機構。前記ロックケーシングは、第1の部分および第2の部分をさらに備えており、 前記第1および第2の部分は、前記第1および第2の部分の分離が前記ロックケーシングの少なくとも一部を破損するように、互いに永続的にシールされていることを特徴とする請求項24に記載のロック機構。前記ロックケーシングは、第1の部分および第2の部分をさらに備えており、 前記ロックケーシングの前記第1の部分は、不透明であり、かつ前記ロックケーシングの前記第2の部分は、略半透明であることを特徴とする請求項24に記載のロック機構。ユーザ入力デバイスと、手動ギアと、前記手動ギアとの係合へ向けて付勢されているボルト後退ギアと、前記ボルト後退ギアと係合されるロックボルトと、ガイド要素を有するアクチュエータアセンブリと、コントローラと、を含むロックを作動する方法であって: 前記手動ギアとの係合へ向かう前記ボルト後退ギアの移動を阻止するために捕捉ポジションにおいて前記ガイド要素を用いて前記ボルト後退ギアを捕捉するステップと; 前記ユーザ入力デバイスからのユーザ入力情報を記録するステップと; 前記ユーザ入力情報が前記コントローラに格納された認証情報と一致することを確認するステップと; 前記アクチュエータアセンブリのカムを、前記ガイド要素と係合して前記ガイド要素を捕捉解除ポジションへ移動させるように、回転させるステップと; 前記ユーザ入力情報が確認された後に前記ボルト後退ギアと前記手動ギアとの係合を可能にするために前記ボルト後退ギアから前記ガイド要素を係合解除するステップと; 前記ボルト後退ギアとともに前記ギアを手動で駆動することによって前記ロックボルトを後退ポジションへ駆動するステップと; を含むことを特徴とする方法。前記アクチュエータアセンブリは、アクチュエータとクラッチ機構とを含んでおり、 前記方法はさらに: 既定の期間にわたって前記クラッチ機構を回転させるために前記既定の時間にわたって前記アクチュエータを作動させるステップと; 前記クラッチ機構を前記カムと係合させるステップと; 前記アクチュエータが前記クラッチ機構を動作可能に回転させ続けると同時に、前記カムの動作を抑えるステップと; を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。前記ユーザ入力デバイスはロックダイアルであり、 前記ロックは、前記コントローラに動作可能に接続されたセンサおよびディスプレイをさらに含み、 前記方法はさらに: 前記ロックダイアルの回転を検知するステップと; 前記ロックダイアルの回転を所定のアルゴリズムを介してユーザ入力情報に変換するステップと; 前記ユーザ入力情報を前記ディスプレイ上に視覚化するステップと; を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。前記ロックダイアルの回転をユーザ入力情報に変換するために前記ロックダイアルの回転率を前記アルゴリズムに用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。前記ロックダイアルのポジションは視覚化されたユーザ入力情報から無作為に選ぶステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。複数の視野角からの前記ディスプレイの視認を防止するために前記ディスプレイの少なくとも一部をフィルタリングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。内部への不正干渉またはロックの問題を見えるようにするために、半透明なロックケーシングを介してロックの一部を検査するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。ロックケーシングの第1の部分をロックケーシングの第2の部分に対して、前記第1および第2の部分の分離が前記ロックケーシングの少なくとも一部を破損するように、永続的にシールするステップをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本発明は、2008年9月5日付で出願された米国仮出願第61/094,730号(失効)の利益を主張する2009年9月4日付で出願された米国出願第12/554,372(現在の米国特許第8,091,392号)の継続出願である2011年12月20日付で出願された米国特許出願公開第13/331,222号(係属中)の一部継続出願であり、その参照によってそれらの開示全体が本明細書に組み込まれる。

本発明は概してロックに関するものであり、より具体的には金庫および他の安全保障構造または領域で使用するよう構成されたセキュリティ性の高いロックに関するものである。

多くの場合、取扱いに注意を払うべき特性を有する書類や非常に財産価値の高い物品は金庫や他の構造物の中に保管する必要がある。構造物は典型的にはロック機構を含んでおり、かつ該構造物は基本的に選ばれた少数の関係者によってのみアクセス可能なように設計されており、関係者には、ロック機構のロック解除を手助けする既定のコンビネーションコードが与えられている。権限のない人物は、ロック機構内部の構成要素を操作するために、単純なロックピッキングツールや、ロック機構に高い機械的応または電界あるいは磁界を与え得る高機能な機器を用いる。

ロックのピッキングに使用される道具がより高機能なものとなればなるほどロック機構もそうした高度なロックピッキング方法に耐え得るように改良されなければならない。構造物への侵入を試みる潜在的に権限のない人物に対する複雑なバリアを提供するために、機械的な要素および/または電気的な要素がロックに使用されてきた。しかしながら権限のない人物は、これら改良されたロック機構でさえも、ロックケーシングの開口を介してロック機構の内部へ向けてドリルで穴を開けてアタックし続ける。ロックケーシングのうち頻繁にアタックされる部位には、取付ボルトや、コンビネーションダイアルからのスピンドルシャフトがロックケーシングに入るスピンドル取付部が含まれる。

加えて、構造内に侵入しようと試みる権限のない人物には、ロック機構のセキュリティ要素を乗り越えるためにコンビネーションダイアルに高加速度を付与するためのデバイスを使用することが知られている。ギアトレインの高加速は、時々、適切なコンビネーションを入力しなくてもロックボルトを制御するギアを強制的に回転させてロック解除させることができる。こうした高加速デバイスは、適切なコンビネーションが特定されるまで、すべての考えられ得るコンビネーションを迅速に試みるいわゆる自動ダイヤル装置を含み得る。権限のない人物による上記様式でのロック機構の開放に成功しない場合であっても、高加速によって引き起こされるギアトレインにおけるギア歯の急速な衝突は、頻繁にギアトレインを破損させてロック機構の不適切な作動を引き起こすことがある。ギア歯の衝突は、機構のロック解除を始動させるプログラムされたコンビネーションを特定するよう権限のない人物に感知されて使用され得る可聴情報を提供することもある。

さらに、改良されたロック機構は、政府が管理する構造体または格納デバイスに使用するために、非常に厳しい政府仕様を順守しなければならない。例えば関連する合衆国政府仕様の厳しさは、すべての連邦機関向けの1989年10月12日付の連邦仕様書FF-L-2740「FEDERAL SPECIFICATION: LOCKS, COMBINATION」から容易に理解される。セクション3.4.7「Combination Redial」では、ロックボルトがそのロックポジションへ延出されると「ロックされたコンビネーションが完全に再度ダイアル入力されることなくロックを再開放できるようになってはならない」ことが要求される。セクション3.6.1.3「Emanation Analysis」では、ロックは指定の期間内にロックを内密に開放するために使用され得る音や他の信号を出してはならないことが要求される。さらに合衆国政府要求事項は、2005年1月31日付の連邦仕様書FF-L-2937における「FEDERAL SPECIFICATION: COMBINATION LOCK, MECHANICAL」を含む。この文書において、セクション4.7.4,「Endurance Test」では、サンプルロックが、機能性を設定する適切なコンビネーションを保証するために「各々が変更された後に、3回の開閉検査を含む50回のコンビネーションの変更を経て繰り返される」ことが要求される。セクション4.7.7「Resistance to Unauthorized Opening Test」では、ロックは、少なくとも20時間にわたってコンピュータでアシストされたデバイスによる機械的操作または自動ダイアル入力では開放不可能であることが要求される。

したがって、典型的な政府仕様を完全に遵守しつつロック機構のうち頻繁にアタックされる領域に対処するよう高い安全性を有するロックを改良することが望まれている。

一実施形態では、ロック機構は、延出ポジションと後退ポジションとの間で移動するロックボルトを含む。ロックボルトは、係合ポジションと係合解除ポジションとの間で移動可能なボルト後退ギアに連結される。係合ポジションでは、ボルト後退ギアは、手動ギア(manually-driven gear)と係合される。ロック機構はさらに、ユーザ入力情報を受け取るためのユーザ入力デバイスと、格納された認証情報とユーザ入力情報とを照合するためのコントローラと、を含む。正当なユーザ入力情報が検知が検出されると、コントローラは、捕捉ポジションと捕捉解除ポジションとの間で動作可能なガイド要素を有するアクチュエータアセンブリを始動させる。捕捉ポジションでは、ガイド要素は、ボルト後退ギアの移動を阻止する。捕捉解除ポジションでは、ガイド要素は、ボルト後退ギアの動作を許可する。ガイド要素は、ユーザ入力情報が格納された認証情報と一致することをコントローラが確認するまで、係合ポジションへ向かうボルト後退ギアの動作を阻止する。

一態様ではガイド要素は、ボルト後退ギアを係合解除ポジションへ向けて方向付けるために、捕捉解除ポジションから捕捉ポジションへの移動中にボルト後退ギアと係合する。アクチュエータアセンブリは、第1のポジションと第2のポジションとの間で移動可能なカムと、アクチュエータと、クラッチ機構とをさらに含む。アクチュエータは、クラッチ機構を介してカムと係合する。カムは、該1のポジションではガイド要素に近接して位置決めされ、第2のポジションではガイド要素と係合する。そのためカムは、捕捉ポジションと捕捉解除ポジションとの間でガイド要素を移動させるためにガイド要素を係合する。

別の実施形態によれば、ロック機構は、延出ポジションと後退ポジションとの間で移動するロックボルトを含む。ロックボルトは、係合ポジションと係合解除ポジションとの間で移動可能なボルト後退ギアに連結される。係合ポジションでは、ボルト後退ギアは手動ギアと係合される。ロック機構はさらに、ユーザ入力情報を受け取るためのロックダイアルと、ロックダイアルの回転を検知するよう構成されたセンサと、を含む。ディスプレイが、ユーザ入力情報を可視化するよう構成されており、コントローラが、ユーザ入力情報と格納された認証情報とを照合するよう構成される。コントローラは、ロックダイアルの回転を所定のアルゴリズムを介してディスプレイ上で可視化されるユーザ入力情報に変換するためにセンサおよびディスプレイに動作可能に接続される。ユーザ入力情報が格納された認証情報であることが確認されると、ボルト後退ギアは、手動ギアとともに係合解除ポジションから係合ポジションへ移動する。

一態様ではディスプレイ上に可視化されたユーザ入力情報は基本的にロックダイアルの回転ポジションからランダムであるつまり無作為に選択される。さらにアルゴリズムは、ロックダイアルの回転率をユーザによって選択されたユーザ入力情報に変換する。

ロック機構のさらなる実施形態は、ロックの内部構成要素をその中に有するロックケーシングを含む。ロックケーシングは、少なくとも部分的に略半透明な材料から形成される。この点においてロックの内部構成要素は、ロックへの不正干渉の証拠が見えるように、ケーシングの外から見ることができる。付加的にロックケーシングは、不透明な第1の部分と、略半透明な第2の部分とをさらに含む。ロックケーシングの第1および第2の部分は、第1および第2の部分を分割することでロックケーシングの少なくとも一部が破損されるように、互いに永続的にシールされている。

使用時に、ロックを作動させる方法は、手動ギアとの係合へ向かうボルト後退ギアの移動を阻止するために、捕捉ポジションにあるガイド要素を用いてボルト後退ギアを捕捉するステップを含む。この方法は、ユーザ入力デバイスからユーザ入力情報を記録するステップと、ユーザ入力情報がコントローラに格納された認証情報と一致することを照合するステップとをさらに含む。さらにこの方法は、アクチュエータアセンブリのカムを、ガイド要素と係合させてガイド要素を捕捉解除ポジションへ移動させるために、回転させるステップを含む。加えてこの方法は、ユーザ入力情報が検証された後にボルト後退ギアと手動ギアとの係合を可能にするために、ガイド要素をボルト後退ギアから係合解除するステップを含む。この方法は、ボルト後退ギアを用いてギアを手動で駆動することによって、ロックボルトを後退ポジションへ駆動させるステップをさらに含む。

ロックの使用に関する一態様ではこの方法は、既定の期間にわたってクラッチ機構を回転させるために既定の期間にわたってアクチュエータを作動させるステップと、クラッチ機構をカムと係合させるステップと、を含む。この方法は、さらにアクチュエータがクラッチ機構を動作可能に回転させ続ける間にカムの動作を急に停止させるステップを含む。

本発明のさまざまなさらなる目的、利点および特徴は、添付の図面と関連する例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことによって明らかとなろう。

添付の図面はこの説明に組み込まれかつその一部を構成して、上述の本発明の概略的な説明および以下の実施形態の詳細な説明とともに本発明の実施形態を例示しており、本発明の原理を説明するのに役立つものである。

本発明の一実施形態に基づいて構成される安全性の高いロックの斜視図である。

図1に図示されるロックの分解斜視図である。

ロックの後方からの分解斜視図である。

その長手方向中央軸線に沿って切り欠かれたロックの斜視断面図である。

ロックケーシングおよびボルト後退ハードウェアの分解斜視図である。

多様なボルト後退ハードウェアを図示する部分的に分解された斜視図である。

ボルト後退アセンブリの斜視図である。

延出ポジションまたはロックポジションにあるボルトを備えるボルト後退ハードウェアを示す、部分的に切り欠かれた正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を示す、図8Aと同様の正面図である。

ボルトの完全に後退したポジションと関連するボルト後退ハードウェアを示す、図8Bと同様の正面図である。

図8Aの線9A−9Aに沿って切り欠かれた断面図である。

図8Bの線9B−9Bに沿って切り欠かれた断面図である。

図8Cの線9C−9Cに沿って切り欠かれた断面図である。

回路遮断コイルを示すための部分的に分解されたロックケーシングを備える図1のロックの後方斜視図である。

ロックケーシングおよびボルト後退ハードウェアの代替実施形態の分解斜視図である。

図11のボルト後退ハードウェアおよび後退取付ねじシールドの分解図である。

図11のボルト後退ハードウェアと後退取付ねじシールドの斜視図である。

ボルト後退ハードウェアのロックポジションにおける、図11の後退取付ねじシールドを図示する正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を図示する、図14Aと同様の正面図である。

ボルトの完全に後退したポジションと、後退取付ねじシールドの関連する回転とを示す、図14Aと同様の正面図である。

ボルトが延出または後退ポジションにある状態のボルト後退ハードウェアを示す、ロックの別の代替実施形態の部分的に切り欠いた正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を示す、図15Aと同様の正面図である。

ボルトの完全に後退されたポジションと関連するボルト後退ハードウェアとを示す、図15Aと同様の正面図である。

ボルトが延出または後退ポジションにある状態のボルト後退ハードウェアを示す、ロックの代替実施形態の部分的に切り欠かれた正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を示す、図16Aと同様の正面図である。

ボルトの完全に後退したポジションと関連するボルト後退ハードウェアを示す、図16Aと同様の正面図である。

延出または後退ポジションにあるボルトを備えるボルト後退ハードウェアを示す、図16Aのロックの部分的に切り欠かれた反転された正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を示す、図16Aと同様の反転された正面図である。

ボルトの完全に後退したポジションと関連するボルト後退ハードウェアを示す、図16Aと同様の反転された正面図である。

ロックケースを備える、権限のない不正な干渉からの可視化された損傷が図示される、ロックの別の代替的な実施形態の後方斜視図である。

本発明のさらに別の代替的な実施形態に基づく安全性の高いロックの斜視図である。

ロックケーシングおよびボルト後退ハードウェアの、分解斜視図である。

ロックケーシングの一部およびボルト後退ハードウェアの、分解斜視図である。

ボルト後退アセンブリの部分的に分解された斜視図である。

ボルトが延出ポジションまたはロックポジションにある、ボルト後退ハードウェアを示す部分的に切り欠かれた正面図である。

ボルト後退シーケンスの初期部分を示す、図8Aと同様の正面図である。

ボルトが完全に後退したポジションと関連するボルト後退ハードウェアを図示する、図8Bと同様の正面図である。

図22Aの線23A−23Aに沿って切り欠かれた断面図である。

図22Cの線23B−23Bに沿って切り欠かれた断面図である。

図23Aの一部を示す拡大図である。

図22Bの線24B−24bにおおむね沿って切り欠かれた拡大断面図である。

図23Bの一部を示す拡大図である。

作動ポジションにあるサーマル再ロック装置を示す、図22の線25A‐25Aに沿って切り欠かれた断面図である。

不正干渉ポジションにあるサーマル再ロック装置を示す、図25Aと同様の断面図である。

ロックの一実施形態のための作動モードの制御ロジックを示すフローチャートを示す図である。

ロックの一実施形態のための作動モードの制御ロジックを示すフローチャートを示す図である。

ロックの一実施形態のためのコンフィグレーションモードの制御ロジックを示すフローチャートを示す図である。

図1は、例えば構造体のドア12に連結された安全性の高いロック10の一実施形態を示す。ロック10はロックケーシング14およびユーザ入力デバイス15を含む。ロック10のこの実施形態のユーザ入力デバイス15は、ダイアルハウジング16内に配置された機械的なロックダイアル24である。ダストカバー18が、適切なスナップ嵌合コネクタ20を用いて着脱可能な様式でダイアルハウジング16に連結されてもよく、かつ例えば開口22を有しており、ロックダイアル24が該開口22を通って延在する。ダイアル24は、数字コンビネーションを入力するために回転されてもよく、コンビネーションの数字は以下で説明されるようにミラー28での反射によってダイアルハウジング16における窓26を介して見ることができる。

図2は、ユーザ入力デバイス15およびその中身の分解図である。ダイアル24は、ユーザによって手で把持され得る突出部分30と、その背面に数字コンビネーション用の数字34を含むプレート部分32(図3参照)と、を含む。黄銅インサート36がねじ固定具38を用いてダイアル24にしっかりと固定される。黄銅インサート36は、ダイアル24のための重しを提供でき、かつダイアルハウジング16の部分40に対して回転するためのベアリング部材として機能する。ダイアルハウジング16は、ダイアルプレート部分40の背面にある数字をミラー28での反射を介して視認できるようにするために窓42,44を含む。LED指示ライト46が設けられており、コンビネーション入力の指示を提供するようさまざまな様式で使用されてもよい。標準的な9ボルトバッテリーなどのバッテリー48が、バッテリードア50を介して着脱可能にダイアルハウジング16内に配置されてもよい。バッテリー48は、後述する電気回路およびサーボモータのための電力を提供する。回転スピンドルシャフト52は、正しいコンビネーションコードが入力された際にダイアル24の回転をボルト後退ハードウェアに伝達するために設けられる。

図3はロック10の後ろ側からの斜視図であり、ロックケーシング14から延出するロックボルト54を示す。シャフト52は、ロックケーシング14の背面56を通って延在しており、ダイアル24が回転されるとシャフト52が回転可能となる様式で、ナット58を用いて固定されている。図3にさらに示されるように、ダイアルプレート部分32の背面は、ミラー28(図2)で反射されると使用者によって視認可能となるコンビネーション用の数字を含む。

図4は、ロック10の長手方向斜視断面図であり、上述のさまざまな構成要素を含む。特にスピンドルシャフト52は、ダイアルハウジング16とロックケーシング14とを完全に貫通して延在するよう図示される。1つ以上のスピンドルスリーブ60がスピンドルシャフト52をその長さに沿って受け止める。そうしたスリーブ60は、ロックケーシング14内への望まれない侵入の防止や、シャフト52が取り外される際の、さまざまなボルト後退ハードウェアへのアクセスの防止に役立つ。

図5を参照すると、ロックケーシング14は、回路基板62および多様なロックボルト後退ハードウェアを示すために分解形態で図示されており、ロックボルト後退ハードウェアは、ボルトガイド部材64と、ボルト54と、ボルト後退ギア68と、アクチュエータ70と、ピボットブロック72と、ピボットブロック72への固定およびアクチュエータ70の回転出力要素76のカバーのためのカバー74と、を含む。ロックケーシング14は、前方ケーシング半体14aと、後方ケーシング半体14bと、を含む。回路基板62は、前方ケーシング半体14aの前方内側に配置される。そのためドリルがドア12の外部からロックケーシング14に穴を開けるために使用される場合、ドリル先端は最初に回路基板62に接触してロック10を無効にすることが見込まれるため、侵入がより困難となる。スピンドルギア78が、スピンドルシャフト52および接続されたダイアル24(図4)とともに回転するよう連結されている。スピンドルギア78は、駆動ギア要素80の第1のギア部分80aとかみ合う。駆動ギア要素80の反対側のつまり第2のギア部分80bは、図6および図7に図示されるように正しいコンビネーションコードが入力された場合に第2のギア部分80bがボルト後退ギア68と係合し得るように、後方ケーシング半体14bにおける開口82を通って延在する。エンコーダ84が、シャフト52の回転を介してコンビネーションコードの入力を検出するために用いられ、かつ回路基板62の適切なコントローラの制御回路と連動して使用される。

図6および図7を参照して、ボルト後退シーケンスについて図8A〜図8Cおよび図9A〜図9Cと関連して説明する。エンコーダおよび制御回路によって認識されるように正しいコンビネーションコードが入力されると、アクチュエータ70はその出力要素76を回転するように作動される。出力要素76はピン76aを含んでおり、ピン76aは、ピボットブロック72(図5)におけるスロット86を介して回転し、さらにボルト後退ギア68におけるスロット68cを通って移動する。通常はこのピン76aは、例えば図8Aに示されるようにボルト後退ギア68の回転を阻止する。しかしながらアクチュエータ70の出力要素76が図8A〜図8Cに図示されるように回転してピン76aを下方に移動させると、ボルト後退ギア68は、ボルト後退ギア68が駆動ギア要素80の第2の部分80bと係合し得るように、図8A〜図8Cに図示されるように時計方向に移動または回転できる。図示しないが、ボルト後退ギア68は、アクチュエータ70の作動時にボルト後退ギア68が図8Bに図示されるポジションへ向けて時計方向に付勢されるように、例えばばね力の小さなねじりばねを用いてわずかにばね荷重がかけられていてもよい。ギア68およびギア80bが図8Bに図示されるように係合されると、ダイアル24は、スピンドルギア78との第1の駆動ギア部分80bの係合を介して駆動ギア要素80が回転されるように、手で回転される。図8A〜図8Cに図示されるように、スピンドルギア78はキー88によってシャフト52に連結される。ボルト後退ギア68が図8Bに図示されるように駆動ギア部分80bと係合されると、ボルト後退ギア68はそのピボット軸68aを中心として回転し、かつボルト後退ギア68に固定されたピン68bは、ボルトガイド部材64の凹部64aとボルトガイド部材64(図5)の湾曲スロットまたはピンガイド90の端部90aとに収容されるポジションから上昇する。ピン68bはさらに、ボルト54内のスロット54aを通って延在し、ボルト後退ギア68が回転すると、ピン68bは図8bおよび図8Cに図示されるようにスロット54a内を上方に上昇し、同時にボルト54をボルトガイド部材64を介してロックケーシング14内に移動させる。ダイアル24とシャフト52とギア78,80,68とが反対方向に回転することによって、ボルト54はその完全延出ポジションへ戻るように延出し、ボルト後退ギア68はピン76aによって図8Aに図示される初期ポジションへ戻る。これに関して、出力要素76は、アクチュエータ70が作動停止された場合にスプリング92がピン76aを図9Aに図示される初期ポジションへ復帰させるように、スプリング92を用いてばね荷重を掛けられている。出力要素76のばね力は、図8Aに図示される初期ポジションへ向けてボルト後退ギア68を押し進める程度に十分に強いものである。

ダイアルプレート部分32およびミラー28を使用することで、バッテリー48を空間効率の良い様式でダイアルハウジング16内に配置できる。ロックケーシング部分14a,14bは機械的に互いに固定されており、ロックケーシング部分14a,14bがこじ開けられた際には、ロックケーシング14を互いに固定する機械的要素(図示せず)が破損する。当然のことながら、ロックケーシング14を通って延在するボルト94は、ロックケーシング部分14a,14bをともに固定せず、単にロックケーシング14を例えばドア12に固定するよう機能する。ロックへの不正な侵入の他の方法は、ロック10を介してスピンドルシャフト52に力を加えるために外部からハンマーを使用することを含む。なお既存のロックでは、これはケーシング14を移動させず、そのため他の安全性の高いロックで使用される「再ロック」特徴部が必要とされない。アクチュエータ70は図示される実施形態ではサーボモータ70である。例えばステップモータとは反対のマイクロサーボなどのサーボモータ70の使用には利点がある。例えばサーボモータ70は、上述のように部分的な回転だけで出力要素76を回転させるためにいくつかの転回(revolution)を伴う相対的に複雑なギアトレインを含む。そのためサーボモータ70は、いくつかの不正な様式では作動するのが難しい。ボルト後退ギア68に使用されるピン68bは、ロックボルト54が図8Aに図示されるように延出するホームポジションでは凹部に留められる。それゆえロック10に不正アクセスしようと不正な試みがなされてロックボルト54が強制的に内側に押された場合、力はギアトレインに作用せず、むしろ大きな力に耐えるように設計構成されたボルトガイド部材64に作用する。

図10を参照すると、ロック10はさらに回路遮断デバイス96を有する。図示された実施形態の回路遮断デバイス96は、第1の端部96aおよび第2の端部96bを有する連続導電ワイヤからなる。各端部96a,96bは回路基板62に電気接続される。回路遮断デバイス96は、ロック10の主要制御回路に一体的に接続されており、回路遮断デバイス96が破損された場合にはロック10は動作不可能となる。図10に図示されるように、回路遮断デバイス96は、シャフト52がロックケーシング14に入るとスピンドルシャフト52を保持するスピンドルスリーブ60に近接して配置される。ロック10の無効化を試みる権限のない人物は、ユーザ入力デバイス15を取り除き、続いてロックケーシング14の前方開口におけるスピンドルスリーブ60に穴を開けようと試みるだろう。しかしながら、スピンドルスリーブ60を介したロックケーシング14への不正な侵入についての試みは、回路遮断デバイス96を破損させ、それによってロック10にアタックするこの方法は阻害される。回路遮断デバイス96は、図10では、スピンドルスリーブ60を被覆するコイルとして図示される。当業者は、回路遮断デバイス96が複数のワイヤを備えてもよいことを認識するだろう。

図11〜図14Cを参照すると、ロック110の別の実施形態が図示される。図11のロックケーシング14および内側ロックハードウェアの分解図に最も明瞭に図示されるように、ロック110は、回路基板62、ボルト後退ギア68およびアクチュエータ70などのロック10の第1の実施形態と同じ多数の要素を含む。この出願では、開示されるさまざまな実施形態において同じ要素には同じ参照符号が付与される。ロック110のこの実施形態は、上述の図6〜図9Cに図示されたものと同じボルト後退シーケンスに追従するが、ロック110は異なるロックボルト112および後退ボルトシールド114を含む。ロックボルト112は、ボルト後退ギア68のピン68bを受容するよう構成されたスロット112aを含む。ロックボルト112は、以下で詳述されるように後退ボルトシールド114に使用される一対の対向する凹部112bと、ボルト延長部112cと、をさらに含む。ボルト延長部112cは、ボルト延長部112cがロックボルト112上に配置された場合にボルト延長部112cの外面と同一平面上に配置されるねじ固定具116を用いて、ロックボルト112に連結される。図11の実施形態では、ボルト延長部112cは1インチの約10分の1(0.100)から16分の3(0.1875)の厚さを有する。多様な政府契約者が米国合衆国のためのロックを製造しており、主要なロックメーカーの1つは、後退時にロックケーシングと同一の平面内にあるロックボルトを設計しており、一方で別の主要なロックメーカーは、後退時にロックケーシングをおおむね1インチの16分の3(0.1875)越えて延出するロックボルトを設計する。ボルト延長部112cは、選択されたドア12に関して必要であれば、ロックボルト112に追加できる。そのためロックボルト112はどのようなタイプのドアにも使用されるよう構成できる。

上述の実施形態に示されるように、ロックケーシング14の取付ボルト94は、ロックケーシング14の背面56からアクセス可能である。権限のない人物は、こうした背面56へアクセスする場合、取付ねじ94を除去し、ロックケーシング14を異なる機構のロック本体と交換して、ロック110に不正アクセスすることがある。こうした問題に対処するために、この実施形態のロック110は後退ボルトシールド114を含む。図11および図12に図示されるように、ロック110は変更されたボルトガイド部材118を含む。ボルトガイド部材118は、ボルト後退ギア68のピン68bと係合するために凹部118aと湾曲スロット120とを含み続ける。ボルトガイド部材118は、ボルトガイド部材118の両側面に形成された長手方向に配向された一対の開口118bをさらに有する。これら長手方向に配向された開口118bは、横方向に配向されたスロット118cと連通する。スロット118cはボルトガイド部材118の縁部から取付ボルト94を保持する長手方向受容部122へ延在する。後退ボルトシールド114は、非円形開口124aを備えるブロック部材124と、非円形開口126aを備える第1の部材126と、非円形開口124a,126aにおいて第1の部材126にブロック部材124を動作可能に連結する非円形駆動ロッド128と、を含む。駆動ロッド128が、ボルトガイド部材118の長手方向に配向された開口118bの1つの中に位置決めされる一方で、ブロック部材124は、図13に最も明瞭に図示されるように側方スロット118cのうちの1つの中に少なくとも部分的に配置される。駆動ロッド128および関連する開口124a,126aは、図示される実施形態では六形であるが、当業者には明らかなようにこれら要素に関して代替的な非円形の形状が選択されてもよい。第1の部材126は、ロックボルト112と係合するように、より具体的にはロックボルトにおける凹部112bの一方と係合するように構成された第1の端部126bを有する。

後退ボルトシールド114の作動が図14A〜図14Cにおける一連の図面で図示される。図14Aでは、ロックボルト112の後退プロセスを開始するために、ボルト後退ギア68がまさにギアトレイン78,80と係合される。ロックボルト112が延出ポジションにある場合、ブロック部材124はロック110のボルト側において取付ボルト94を完全に隠す。図14Bでは、ボルト後退ギア68はロックボルト112を部分的に後退させるように移動される。この作動状態では、第1の部材の第1の端部126bがロックボルトの凹部112b内に移動されるが回転されないため、ブロック部材124は取付ボルト94を隠し続ける。ボルト後退ギア68がロックボルト112を後退させ続けると、凹部112bは第1の部材126を図14Cに図示されるポジションへ強制的に回転させる。ロックボルト112が完全にそうしたポジションに後退させられると、駆動ロッド128は、第1の部材126の動作をブロック部材124に伝達し、取付ボルト94を露出させる。スピンドルギア78がボルト後退ギア68およびロックボルト112を延出ポジションまたはロックポジションへ戻るように駆動すると、第1の部材126は再びロックボルト112bと係合して、図14Aにおけるポジションへ戻るよう回転する。そのため後退ボルトシールド114は、権限のない人物が取付ボルト94を取り外すことによってロック110に不正にアクセスしようとする試みを阻害する。

図示されない同様の実施形態では、後退ボルトシールド114は、簡単なリンク機構を介してボルト側ブロック部材124とともに回転するよう連結された第2の対のブロック部材を含むことができる。そうした実施形態では、ロックボルト112が延出される場合には、ボルト側ブロック部材124が、ロック110の片側において取付ボルト94を隠し、ロックボルトが後退される場合には、第2の対のブロック部材が、ロック110の反対側において取付ボルト94を隠し得る。そのため権限のない人物は、4つの取り付けボルトすべてにアクセスするためにはコンビネーションを使用してロック110を作動可能にしなければならない。

図15A〜図15Cを参照すると、ロック210の付加的な実施形態が図示される。ロック210は、いくつかの違いはあるが、実質的に図8A〜図9Cに示される上述のボルト後退シーケンスと同様のボルト後退シーケンスで作動する。ロック210は、スピンドルギア212と、スピンドルギア212と係合するよう構成された第1の駆動ギア部分214aと第2の駆動ギア部分214bとを有する駆動ギア214と、第2の駆動ギア部分214bと係合するよう構成されたボルト後退ギア216と、を含む。上述の実施形態と同様に、ボルト後退ギア216は、ロックボルト54およびボルトガイド部材64の対応するスロット54a,90に支持されて動作するピボット軸216aおよびピン216bを含む。上述の実施形態と同様に、ロックボルト54が図15Aに図示されるように完全に延出された場合、ボルト後退ギア216は、第2の駆動ギア部分214bと係合したままとなる。2歯レリーフ(two-tooth relief:2つの歯が取り除かれた部分)218がスピンドルギア212に設けられ、対応する2歯レリーフ220が第1の駆動ギア部分214a上に設けられる。第1の駆動ギア部分214aにおけるレリーフ220は、図15Aに図示されるように方向付けられて、コンビネーションの入力中にスピンドルギア212が回転される間に、スピンドルギア212および駆動ギア214が係合することを防止する。そのため、ダイアル24を回転させる権限のない人物に、ギアの干渉による可聴情報は提供されない。

正しいコンビネーションが入力されると、アクチュエータ70は、すぐには出力ピン76aをボルト後退ギア216の経路から回転させない。代わりに、コントローラが、スピンドルギア212が図15Bに図示されるポジションに回転されるまで待機する。この時、スピンドルギア212におけるレリーフ218は駆動ギア214へ向けて面するよう位置決めされる。このポジションでは、コントローラは、出力要素76およびピン76aを図9A〜図9Cにすでに図示されたようにボルトの経路から回転させるようにアクチュエータ70に信号を送る。ボルト後退ギア216は、続いて図15bに図示されるようにわずかに下方に回転し、それによって駆動ギア214を回転させ、スピンドルギア212とかみ合うためのポジションへ向けて第1の駆動ギア部分214aの歯を移動させる。スピンドルギア212がダイアル24とともに回転し続けると、第1の駆動ギア部分214aが図15Cに図示される位置へ駆動され、それはさらに、第2の駆動ギア部分214bを介してボルト後退ギア216の後方回転へとつながる。加えてピン216bはロックボルト54を強制的に図15Cに図示されるポジションへ後退させ、それによってロック210のボルト後退シーケンスが完了する。

ロック310の付加的な実施形態が図16A〜図17Cに図示される。ロック310は上述の実施形態のロック210と類似しており、スピンドルギア312と、スピンドルギア312と係合するよう構成された第1の駆動ギア部分314aと第2のギア部分314bとを有する駆動ギア314と、第2の駆動ギア部分314bと係合するよう構成されたボルト後退ギア316と、を含む。スピンドルギア312および第1の駆動ギア部分314aはさらに、ロック210に関連して上述した様式と同じ様式で、対応する2歯レリーフ318,320が設けられる。ロック310の実施形態では、アクチュエータ70および関連する出力要素76が除去されている。第2の駆動ギア部分314bは、ロックボルト54が図16Aおよび図17Aに図示されるように完全に延出された場合にボルト後退ギア316と第2の駆動ギア部分314aとの係合を阻止するよう構成された2歯レリーフ322を含む。ボルト後退ギア316は当初は、ギア歯が係合のために第2の駆動ギア部分314bに面した状態で、上述の実施形態と同様の位置に位置決めされている。

ロックボルト54が完全に延出された場合、両側の駆動ギア部分314a,314bにおけるレリーフ320,322の指向方向は、スピンドルギア312およびボルト後退ギア316の両方から駆動ギア314が係合解除されるように設定される。この実施形態の駆動ギア314は、入力シャフト324上に取り付けられており、アクチュエータ326は、シャフト324の反対側の端部において、駆動ギア314に動作可能に連結される。アクチュエータ326は、回路基板62に近接して配置され、かつシャフト324と駆動ギア314を回転させるよう構成されている。アクチュエータ326は、ギアドサーボモータ、ノンギアドサーボモータあるいは空芯ロータリーソレノイドなどの低出力駆動デバイスである。適切なコンビネーションがロック310に入力されると、回路基板62は、スピンドルギア312におけるレリーフ318が図16Bおよび図17Bに図示されるように第1の駆動ギア部分314aと対面するようにダイアル24が回転されるまで、待機する。続いて回路基板62はアクチュエータ326に信号を送信し、図16Bおよび図17Bに図示されるようにスピンドルギア312およびボルト後退ギア316の両方を同時に係合状態にするようシャフト324および駆動ギア314を回転させる。ユーザがダイアル24を回転し続けると、スピンドルギア312は駆動ギア314およびボルト後退ギア316を図16Cおよび図17Cに図示されるポジションまで駆動する。ここではロックボルト54は完全に後退される。ロック310のこの実施形態は、さらにコンビネーション入力中のギア係合および干渉に起因するすべての可聴ノイズを除去し、かつアクチュエータ326は上述の実施形態のサーボモータ70での作動エネルギーの10%ほど小さい作動エネルギーしか要求しない。そのためロック310のこの実施形態はさらにドアを介して権限のない入力を妨害する。

図18を参照すると、ロック410の代替実施形態が図示される。ロック410は、ロック410の内部構成要素がロックケーシング414の外側から見えるように、実質的に半透明の材料から形成されるロックケーシング414を含む。ロック414に権限のない入力が実施されるかロック410を破壊する試みがなされた場合、半透明のロックケーシング414は図18に図示されるように試みられた侵入の証拠を明らかに示す。ケーシング414を通ったドリル穴412がロックボルト54付近に見られる。不透明なロックケーシングとは異なり、半透明なロックケーシング414におけるドリル穴412は、ロックケーシング414の背面56を検査する人物によって検出されることなく試みられた侵入を隠すような材料で修復するかまたは塞ぐことはできない。さらに半透明なロックケーシング414を介したロック410の検査は、ロック410の構成要素なんらかの不正な干渉または問題を明らかにする。当業者には明らかであるが、この実施形態の半透明のケーシング414を、ロックへの不正な干渉をさらに妨げるように上述の実施形態とともに使用できる。

図19Aおよび図19Bではロック510のさらなる代替案が、回路基板514およびさまざまなロックボルト後退ハードウェアを図示するために分解形態になされたロックケーシング512を示す。ロックボルト後退ハードウェアは、ボルトガイド部材516と、ロックボルト518と、ボルト後退ギア520と、アクチュエータアセンブリ522と、付勢デバイス524とを含む。ロックケーシング512は前方ケーシング半体512aと後方ケーシング半体512bとを含む。前方および後方ケーシング半体512a,512bは、機械的要素(図示せず)を用いて上述のように機械的に互いに固定されている。加えて前方および後方ケーシング半体512a,512bはさらに、ロック510の製造中に接着剤を用いて永続的に互いにシールされている。そのため、前方および後方ケーシング半体512a,512bを分離させる試みは、ロックケーシング512を少なくとも部分的に破損させ、ロック510内への権限のない不正な侵入を示す。

回路基板514は前方ケーシング半体512aの前方内面に配置される。そのためロックケーシング512に穴を開けるためにドリルが用いられると、ドリル先端がまず回路基板514に接触してロック510を動作不可能とすることが見込まれるので、侵入はより困難となる。スピンドルギア78は、スピンドルシャフト52および接続されたロックダイアル24とともに回転するよう連結されている。したがってロック510に関連する同様の参照符号は上述の同様の特徴部を示す。スピンドルギア78は駆動ギア要素80の第1のギア部分80aとかみ合う。駆動ギア要素80の反対側のつまり第2のギア部分80bは、正しいコンビネーションコードの入力時に第2のギア部分80bが図20および図21に図示されるようにボルト後退ギア520とかみ合い得るように、後方ケーシング半体512bにおける開口82を通って延在する。

ロック510はさらに、ロックダイアル24の回転を検知するよう構成されたセンサ526を含む。より詳細には、センサ526はエンコーダ528とロータリセンサ530とを含む。エンコーダ528は、ロックダイアル24によって手動で機械的に駆動される駆動ギア要素80に直接取り付けられる。ロータリセンサ530は回路基板514上の適切な制御回路に電気接続される。ロータリセンサ530は、磁石であるエンコーダ528に隣接して位置決めされる。ロータリセンサ530が磁石の磁界を検知するためにエンコーダ528に十分近接して配置されているため、ロータリセンサ530は駆動ギア要素80の回転を検知する。これに対して駆動ギア要素80のポジションは、直接または間接的に、ロックダイアル24のポジションに対して関連付けられてもよい。回路基板514の例示的な実施形態は、ロックダイアル24の回転をユーザ入力情報に変換するために駆動ギア要素80の回転に基づいて所定のアルゴリズムを作動させる。さらにディスプレイ532は、そのアルゴリズムを介してロックダイアル24の回転から変換されたユーザ入力情報を視覚化する。ディスプレイ532は、視覚化されたユーザ入力情報の視野角を制限するためにロック510内の凹所に配置されるLEDディスプレイである。ディスプレイ532は、複数の視野角からのユーザ入力情報の視認をさらに妨害するために、ディスプレイ532の少なくとも一部を覆うフィルタリングデバイス534をさらに含む。

例示的な実施形態によれば、アルゴリズムは、ロックダイアル24の回転率をディスプレイ532上に視覚化されるユーザ入力情報に変換する。したがってユーザ入力情報は、ロック510への権限のないアクセスのさらなる阻止のために、ロックダイアル24の回転ポジションとは区別されているつまりランダムである。当然のことながら、アルゴリズムの例示的な実施形態がロックダイアル24の回転率をユーザ入力情報に変換する間、ロックダイアル24の動作の他の複数の特性が、アルゴリズムで用いるために単独であるいは組み合わせて使用されてもよい。例えばそうした特性は、ロックダイアル24のポジション、方向、速度、加速度および/または回転時間を含んでもよいが、必ずしもこれに制限されない。

図22A〜図22Cおよび図23A〜図24Cと関連する図20および図21を参照して、ボルト後退シーケンスについて説明する。制御回路によって認証されるようにディスプレイ532上で視覚化される正しいコンビネーションコードが入力されると、アクチュエータアセンブリ522が作動され、駆動ギア要素80へ向けて付勢されるボルト後退ギア520の移動が可能となる。アクチュエータアセンブリ522はガイド要素536を含む。ガイド要素536は捕捉ポジションと捕捉解除ポジションとの間で動作可能である。捕捉ポジションでは、ガイド要素536は、ボルト後退ギア520の移動を阻止し、捕捉解除ポジションでは、ガイド要素536は、ボルト後退ギア520の移動を可能にする。加えて後方ケーシング半体512bは、捕捉解除ポジションへの移動中にガイド要素536を受容するよう構成されたガイド凹部537も含む。

ボルト後退ギア520は、アクチュエータアセンブリ522の作動時にボルト後退ギア520が図22Bに図示されるポジションへ向けて時計方向に付勢されるように、付勢デバイス524を用いてわずかにばね力が掛けられている。ギア520,80bが図22Bに図示されるように係合されると、ロックダイアル24は、スピンドルギア78との第1駆動ギア部分80aの係合を経て駆動ギア要素80が回転されるように、手動で回転されてもよい(図19参照)。

アクチュエータアセンブリ522は、図20および図21に図示されるようにガイド要素536を移動させるために回転カム540に動作可能に接続されるアクチュエータ538をさらに含んでもよい。カム540は突出部542を含む。突出部542は、第1のポジションではガイド要素536に隣接する。なおカム540が第2のポジションへ回転すると、突出部542はガイド要素536と係合してガイド要素536を捕捉ポジションから捕捉解除ポジションへ移動させる。通常はガイド要素536は、例えば図22Aに図示されるようにボルト後退ギア520の回転を阻止する。しかしながら図23A〜図23Bに図示されるようにカム540の突出部542が回転してガイド要素536を後方ケーシング半体512bへ向けてわずかに下方に移動させると、ボルト後退ギア520は駆動ギア要素80の第2の部分80bと係合し得るように、図22A〜図22Cに図示されるボルト後退ギア520の時計方向への移動または回転が可能となる。

アクチュエータアセンブリ522は、図20および図21に図示されるようにカム540をアクチュエータ538に動作可能かつ回転可能に弾性的に連結するためのクラッチ機構544をさらに含む。クラッチ機構544は、アクチュエータ538に連結された近位壁548を有するハブ546を含む。例示的な実施形態によれば、アクチュエータ538は電気モータである。クラッチ機構544は、ハブ546の回転をカム540に伝達するためにピボットストッパ550とクラッチねじりばね552とをさらに含む。具体的にはカム540は、近位壁548に接するようハブ546上に位置決めされる。同様にクラッチねじりばね552は、ハブ546上に位置決めされており、かつカム540のカムアーム554と係合する。これに関して、カム540およびクラッチねじりばね552は、クラッチねじりばね552がさらにピボットストッパ550のピボットアーム558と係合しない場合を除き、ハブ546上で互いに自由に回転してもよい。ピボットストッパ550は、ハブ546がアクチュエータ538によって回転駆動される際にピボットアーム558がクラッチねじりばね552と係合するように、ハブ546の遠位端556にしっかりと付着させられる。続いてクラッチねじりばね552はカム540を弾性的に回転させるためにカムアーム554と回転可能に係合する。

さらにガイド要素536は、カム540に近接するとともにプラットフォーム560に近接する捕捉ポジションにおいて後方ケーシング半体512bに弾性的に取り付けられる。ガイド要素536は、ガイド要素536に沿って略直角を形成する横方向部分564へ向けて延在する側方部分562を含む。より詳細には、ガイド要素536は、側方部分562および横方向部分564を形成するよう略直角に屈曲されたワイヤガイドである。

側方部分562は基本的に捕捉ポジションと捕捉解除ポジションとの間で横方向部分564と移動させるために弾性を有する。側方部分562は基本的にキャッチ部材566とプラットフォーム560のガイドストッパ568との間に載置される。捕捉ポジションに関して図20および図23Aには、横方向部分564がボルト後退ギア520の移動を阻止するためにボルト後退ギア520へ向けて延在して接触するように、キャッチ部材566に隣接する側方部分562が図示される。一方で図23は捕捉解除ポジションにあるガイド要素536を示す。カム540の突出部542は、側方部分562がガイドストッパ568と接触するまで、側方部分562を後方ケーシング半体512bへ向けてかつボルト後退ギア520から離れるように移動する。特にカム540およびガイド要素536はガイドストッパ568を押圧し、同時にピボットストッパ550はクラッチねじりばね552の回転および曲げを継続してもよい。例示的な実施形態によれば、アクチュエータ538は、既定の期間にわたってハブ546およびピボットストッパ550を動作可能に回転するよう構成されている。より詳細には、アクチュエータ538は、ガイド要素536をガイド要素568に押し付けるよう移動させるのに必要な時間以上の期間にわたって、ハブ546およびピボットストッパ550を回転させる。そのためピボットストッパ550は、クラッチねじりばね552を固定カム540に対して回転させ続け、クラッチねじりばね552はそれらの間でよりきつく巻かれる。

図19A〜図21に図示されるようにかつ簡単に説明したように、ボルト後退ギア520は、付勢デバイス524によって駆動ギア要素80へ向けて付勢される。付勢デバイス524は基本的に、後方ケーシング半体512bに回転可能に取り付けられる中空ドラム本体572と、該ドラム本体572周りに位置決めされるキッカーねじりばね574とを含む。加えて、ドラム本体572の前方部分576は、ギア前進レバー578と、ストップレバー580とキッカーアーム582とを含む。キッカーねじりばね574は、ドラム本体572を回転可能に付勢するために、ストップレバー580および後方ケーシング半体512bに対して巻き付けらる。ギア前進レバー578はボルト後退ギア520のノッチ部分584まで延在してノッチ部分584に係合する。そのためボルト後退ギア520が係合解除ポジションにある場合、ボルト後退ギア520はギア前進レバー578を押圧し、図22Aに図示されるようにねじりばね574をさらにきつく巻く。一方で図22Bは、ガイド要素536が捕捉解除ポジションへ向けて移動し、ギア前進レバー578がボルト後退ギア520を駆動ギア要素80との係合ポジションへ向けて方向付ける状態を示す。最終的にストップレバー580は、係合ポジションから係合解除ポジションへの移動中にボルト後退ギア520と再係合するためのポジションにおいて、ドラム本体572の回転を停止させるために後方ケーシング半体512bと係合する。

ボルト後退ギア520が図22Bに図示されるように駆動ギア部分80bと係合されると、ボルト後退ギア520はそのピボット軸68a周りで回転し、ボルト後退ギア520に固定されたピン68bが、ボルトガイド部材516の凹部64aとボルトガイド部材516の湾曲スロットの端部90aまたはピンガイド90(図19)とに配置されるポジションから上昇する。ピン68bはまた、ロックボルト518内のスロット586を通ってさらに延在しており、ボルト後退ギア520が回転すると、ピン68bは、図22Bおよび図22Cに図示されるようにスロット586内を上方に移動し、同時にロックボルト518をボルトガイド部材516を介してロックケーシング512内へ移動させる。ダイアル24とシャフト52とギア78,80,520を反対方向に回転させることによって、ロックボルト518はその完全延出ポジションへ戻るように延出され、ボルト後退ギア520は、ガイド要素536の横方向部分564によって図22Aに図示される初期ポジションへ戻る。

図24A〜図24Cはそれぞれ上述のように係合解除ポジションから係合ポジションへ移動するボルト後退ギア520を示す。これに関してピボットアーム558は、カムアーム554が、クラッチねじりばね552を回転でき続いてガイド要素536へ向けてカム540の突出部542を回転できるようにする。ボルト後退部材520は、横方向部分564の湾曲端部590と協働する傾斜縁部588をさらに含む。湾曲端部590が捕捉ポジションから捕捉解除ポジションへ移動する間、横方向部分564は、効果的に傾斜縁部588が湾曲端部590から脱落するようにボルト後退ギア520の付勢による移動を可能にする。なお、捕捉解除ポジションから捕捉ポジションへのガイド要素536の復帰のために、湾曲端部590は傾斜縁部588へ向けて移動する。傾斜縁部588に到達すると、湾曲端部590が傾斜縁部588に係合して、ボルト後退ギア520を係合解除ポジションへ方向付ける。そのためガイド要素536は、ボルト後退ギア520に掛かる付勢デバイス524の付勢力に打ち勝ち、ボルト後退ギア520を図22Aに図示される初期ポジションへ復帰させる。

ロックボルト518は、図20および図25A〜図25Bに図示されるようにロックボルト518を延出ポジションに積極的に位置合わせするために戻り止めボール594と協働するくぼみ592を含む。具体的にはボールスプリング596が、ボルトガイド部材516内で、ロックボルト518に対して戻り止めボール594を弾性的に支持する。くぼみ592は、ロックボルト518が延出ポジションにある場合に付勢された戻り止めボール594はわずかにくぼみ592と係合するように、ロックボルト518上に位置決めされる。最終的にロックボルト518におけるスロット586は、戻り止めボール594が効果的にくぼみ592の中心に位置合わせされてロックボルト518の延出ポジションへ向けた最終的な前進を促すように、幅広部分598を有する。これに関して、ボールスプリング596、戻り止めボール594およびくぼみ592は、延出ポジションにおけるロックボルト518について予定通りの保持応力を有するよう各々が選択される。

図25A〜図25Bは、ロックボルト518の後退ポジションへの移動を阻止するためにボルトガイド部材516のキャビティ602内に位置決めされるサーマル再ロック装置600を示す。サーマル再ロック装置600は、サーマルディスク604と、再ロックピン606と、ピンスプリング608とを含む。基本的にピンスプリング608は、ロックボルト518に隣接するキャビティ602内で、再ロックピン606をサーマルディスク604に対して付勢する。サーマルディスク604は、ピンスプリング608が少なくとも部分的に開口610を通って再ロックピン606に力を掛けることを防止するために、開口610をカバーする。通常の作動状況では、サーマルディスク604は、作動ポジションに再ロックピン606を保持するのに十分に強固なものである。なお時間および閾値温度の影響によって、サーマルディスク604は、ロックチャネル612内でロックボルト518を不正干渉ポジションに係合するようにピンスプリング608が開口610を介して再ロックピン606に力を掛ける程度に弱化することがある。例えば図25Bには、ロックケーシング512に溶接トーチを近づけることによって不正干渉されるロック510が示される。トーチが十分な時間をかけてサーマルディスク604の温度を閾温度まで上昇させると、再ロックピン606が延出ポジションにあるロックボルト518と係合する。そのためロックボルト518は、ロック510の開放を防止するように延出ポジションに保持される。

上述のようにユーザ入力デバイス15のためのロックダイアル24を有するロック10,110,210,310,410,510の実施形態の各々に関して、回路基板62およびエンコーダ84は、図26A〜図27に図示される作動インストラクションの特定のセットによってロック10を制御するようプログラムされている。図26Aおよび図26Bの作動モードでは、ロックダイアル24の反時計方向の回転が検出されると、ロック電源が作動し、ロックが最後にロック解除された時から試みられた不正なコンビネーション入力の回数を示す値Pとともに、メモリから認証情報または適切なコンビネーション値X,Y,Zが取得される。LED46は、別の人物が不成功に終わったドア12を介した破壊を試みていた場合、それをロックの正当な使用者が認識できるようにP回赤く点滅する。ペナルティを示す点滅の後、LED46は1つのダイアル回転に対して赤および緑で点滅し、続いて緑で光り続ける。反時計方向の回転が停止して時計方向の回転が開始されたことをコントローラが検出すると、コントローラは続いて、停止時に入力されたダイアル値をX1として格納し、そしてY1値およびZ1値を得るためにこのプロセスを繰り返す。続いてコントローラは、入力されたダイアル値X1,Y1,Z1が適切なコンビネーション値X,Y,Zと一致するか照合する。これらの値が一致しない場合、LED46は、10秒間にわたって赤く点滅し、ロック10の電源が落ちる前にP値を1だけ増大させる。これらの値が一致する場合、サーボモータ70またはアクチュエータ326がボルト54を後退できるようにするために係合され、P値はゼロにセットされる。ロックボルト54が開放ポジションまたは後退ポジションに留まる限り、LED46は、ロック10が開放ポジションにあることを示すために10秒ごとに1回赤く点滅する。ロックボルト54が延出ポジションに戻るよう移動されると、ロック電源は落ちる。

図27を参照すると、変更キーがロック10に挿入されるとコンフィグレーションモードが作動される。ロック電源が作動し、メモリから適切なコンビネーション値X,Y,Zが取得される。ダイアルの反時計方向の回転が検出されると、ロックは、図26Aおよび図26Bで説明される手順に従い、ユーザ入力値X1,Y1,Z1を取得する。5秒の休止の後、ユーザ入力プロセスが繰り返されて、値X2,Y2,Z2が格納される。続いてコントローラは、2つの一連のユーザ入力値の平均に等しい適切なコンビネーション値X,Y,Zをセットする。その結果として、コンフィグレーションモードが、所望の新しいコンビネーションが正しくセットされたことを確認する。

当業者に認識されるように、ロック10,110,210,310,410,510のさまざまな実施形態は、機械的ロックダイアル24の代わりに代替的なユーザ入力デバイス15を用いて作動できる。例えばコンビネーション値の電子入力のために、電子キーパッドをドア12の外側に配置することができる。あるいはユーザ入力デバイス15は、指紋認証デバイスまたは網膜スキャン照合デバイスを含むことができる。ロックケーシング14内に配置されるロック10の内部構成要素は、選択されたユーザ入力デバイス15に関わらず上述のように作動する。

本発明をさまざまな実施形態の説明で例示し、そうした実施形態を非常に詳細に説明したが、本願の特許請求の範囲はそうした詳細に限定されたり制限されるよう意図されていない。さらなる利点および変更例は当業者には容易に理解されよう。例えば図27に詳細に示されたコンフィグレーションモードは、新しいコンビネーションを設定するために平均化される3つの一連のユーザ入力値を要求するよう変更されてもよい。このように本発明はその幅広い態様において説明されかつ図示された特定の詳細に制限されない。本明細書に開示された多様な特徴部は、必要であればあるいは特定の用途に応じて組み合わせて使用されてもよい。したがって、本願の特許請求の範囲の記載の趣旨および範囲から逸脱しない限り、本明細書に記載の詳細から展開されてもよい。

10 ロック 12 ドア 14 ロックケーシング 15 ユーザ入力デバイス 16 ダイアルハウジング 18 ダストカバー 20 スナップ嵌合コネクタ 22 開口 24 ロックダイアル 26 窓 28 ミラー 30 突出部分 32 ダイアルプレート部分 34 数字コンビネーション用の数字 36 インサート 38 固定具 40 ダイアルプレート部分 46 LED 48 バッテリー 50 バッテリードア 52 スピンドルシャフト 54 ロックボルト 56 背面 58 ナット 60 スピンドルスリーブ 62 回路基板 64 ボルトガイド部材 68 ボルト後退ギア 70 サーボモータ 72 ピボットブロック 74 カバー 76 回転出力要素 78 手動ギア 80 駆動ギア要素 80a 第1のギア部分 80b 第2のギア部分 82 開口 84 エンコーダ 86 スロット 88 キー 94 取付ボルト 96 回路遮断デバイス 110 ロック 112 ボルト延長部 114 後退ボルトシールド 116 固定具 118 ボルトガイド部材 124 ボルト側ブロック部材 128 駆動ロッド 210 ロック 212 スピンドルギア 214 駆動ギア 214a 第2の駆動ギア部分 214b 第1の駆動ギア部分 216 ボルト後退ギア 218,220 2歯レリーフ 310 ロック 312 スピンドルギア 314 駆動ギア 314a 第1のギア部分 314b 第2のギア部分 316 ボルト後退ギア 318,320 2歯レリーフ 324 入力シャフト 326 アクチュエータ 410 ロック 412 ドリル穴 414 ロックケーシング 510 ロック 512 ロックケーシング 514 回路基板 516 ボルトガイド部材 518 ロックボルト 520 ボルト後退ギア 522 アクチュエータアセンブリ 524 付勢デバイス 526 センサ 528 エンコーダ 530 ロータリセンサ 532 ディスプレイ 534 フィルタリングデバイス 536 ガイド要素 537 ガイド凹部 538 アクチュエータ 540 回転カム 542 突出部 544 クラッチ機構 546 ハブ 548 近位壁 550 ピボットストッパ 554 カムアーム 556 遠位端 558 ピボットアーム 560 プラットフォーム 562 側方部分 564 横方向部分 566 キャッチ部材 568 ガイドストッパ 572 ドラム本体 578 ギア前進レバー 580 ストップレバー 582 キッカーアーム 584 ノッチ部分 586 スロット 588 傾斜縁部 590 湾曲端部 594 戻り止めボール 596 ボールスプリング 598 幅広部分 600 サーマル再ロック装置 602 キャビティ 604 サーマルディスク 606 再ロックピン 608 ピンスプリング 610 開口 612 ロックチャネル

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