車道境界ブロック及び道路構造

申请号 JP2016230298 申请日 2016-11-28 公开(公告)号 JP2018087420A 公开(公告)日 2018-06-07
申请人 株式会社ブリヂストン; 发明人 山崎 慎一郎;
摘要 【課題】ドライバーの運転技能に頼ることなく、より容易に停留所への正着性を向上し得る車道境界ブロック及び道路構造を提供する。 【解決手段】車道境界ブロック100は、車道10に連なるように設けられる上面部分120を有する。上面部分120の傾斜は、道路幅方向における車道10の 水 平方向に対する傾斜よりも大きく、上面部分120の道路幅方向に沿った幅は、車道10を走行するバス50のタイヤ接地幅よりも広く、バス50のトレッドよりも狭い。 【選択図】図4
权利要求

車道に連なるように設けられる上面部分を有するベース部と、 前記ベース部の一端側から立ち上がる縁石部と を備える車道境界ブロックであって、 前記上面部分の傾斜は、道路幅方向における前記車道の平方向に対する傾斜よりも大きく、 前記上面部分の道路幅方向に沿った幅は、前記車道を走行する車両のタイヤ接地幅よりも広く、前記車両のトレッドよりも狭い車道境界ブロック。前記縁石部の前記車道側の側面部分は、前記縁石部の下端から上端に向かうに連れて前記車道から遠ざかるように傾斜する請求項1に記載の車道境界ブロック。前記側面部分は、 前記上面部分寄りに位置する第1領域と、 前記第1領域の上方に位置する第2領域と を有し、 前記第2領域は、前記第1領域よりも傾斜する請求項2に記載の車道境界ブロック。前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも何れかは、凹状に湾曲する請求項3に記載の車道境界ブロック。前記側面部分は、 前記上面部分寄りに位置する第1領域と、 前記第1領域の上方に位置する第2領域と を有し、 前記第2領域は、 鉛直方向及び水平方向において抉られ、 鉛直方向に延びる縦部分と、水平方向に延びる横部分とによって形成される請求項1に記載の車道境界ブロック。前記第1領域は、前記第1領域の下端から上端に向かうに連れて前記車道から遠ざかるように傾斜する請求項5に記載の車道境界ブロック。前記第2領域は、前記車道境界ブロックの前記車道に沿った延在方向の一端から他端に向かうに連れて減少する請求項3乃至6の何れか一項に記載の車道境界ブロック。前記上面部分は、下方に向かって凹状に湾曲する請求項1乃至7の何れか一項に記載の車道境界ブロック。車両が走行する車道と、 前記車道の境界に設けられ、前記車道と段差を形成する縁石と、 を含む道路構造であって、 前記車道と前記縁石との間には、前記車道に連なる路側部が設けられ、 前記路側部の傾斜は、道路幅方向における前記車道の水平方向に対する傾斜よりも大きく、 前記路側部の道路幅方向に沿った幅は、前記車道を走行する車両のタイヤ接地幅よりも広く、前記車両のトレッドよりも狭い道路構造。

说明书全文

本発明は、車道との境界に設けられる車道境界ブロック及び道路構造に関する。

従来、バスやトラム(路面電車)などの車両が停留所に停止する際に、歩道と乗降口との距離、及び歩道と乗降口との段差を小さくする、いわゆる正着性を高めるため、特殊な構造の縁石が提供されている。

例えば、特許文献1に開示されているように、縁石の側面部分に高さ方向において二段の湾曲した傾斜部が形成される。これにより、下段の傾斜部によってタイヤのサイドウォールとの干渉を低減しつつ、上段の傾斜部によって車両(ボディ)との接触を回避する。

米国特許第8562245号明細書

しかしながら、上述のような縁石を用いた場合でも、依然として正着性の向上には改善の余地が残されている。具体的には、このような縁石を用いた場合でも、縁石に車両を近寄せるには、ドライバーに高い運転技能が要求される。

また、ドライバーの運転技能が高い場合でも、停留所へのアプローチ時には、乗客の動きなど、他にも注意すべき点がありドライバーの集中を欠くことも多いため、正着性の向上を阻害する。

そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ドライバーの高い運転技能に頼ることなく、より容易に停留所への正着性を向上し得る車道境界ブロック及び道路構造の提供を目的とする。

本発明の一態様に係る車道境界ブロック(例えば、車道境界ブロック100)は、車道(車道10)に連なるように設けられる上面部分(上面部分120)を有するベース部(ベース部110)と、前記ベース部の一端側から立ち上がる縁石部(縁石部150)とを備える。前記上面部分の傾斜は、道路幅方向における前記車道の平方向に対する傾斜よりも大きく、前記上面部分の道路幅方向に沿った幅(L1)は、前記車道を走行する車両(バス50)のタイヤ接地幅よりも広く、前記車両のトレッドよりも狭い。

本発明の一態様に係る道路構造は、車両が走行する車道(車道10)と、前記車道の境界に設けられ、前記車道と段差を形成する縁石(例えば、縁石150A)とを含む。前記車道と前記縁石との間には、前記車道に連なる路側部(路側部12)が設けられる。前記路側部の傾斜は、道路幅方向における前記車道の水平方向に対する傾斜よりも大きく、前記路側部の道路幅方向に沿った幅は、前記車道を走行する車両のタイヤ接地幅よりも広く、前記車両のトレッドよりも狭い。

本発明の係る車道境界ブロック及び道路構造によれば、ドライバーの高い運転技能に頼ることなく、より容易に停留所への正着性を向上し得る。

図1は、車道10及び歩道20を含む道路構造の平面図である。

図2は、図1に示したF2-F2線に沿った断面図である。

図3Aは、車道境界ブロック100の単体側面図である。

図3Bは、車道境界ブロック100の単体正面図である。

図4は、バス50が停留所30に停車した状態を示す図である。

図5は、左前輪51Lが車道境界ブロック100上に乗った際における横力Fの発生状態を示す図である。

図6は、バス50の進行に伴う左前輪51Lの位置の変化を示す図である。

図7は、道路構造の他の実施形態を示す図である。

図8Aは、車道境界ブロック100Aの側面図である。

図8Bは、縁石150Bの側面図である。

図9は、車道境界ブロック100Bの概略斜視図である。

図10は、車道境界ブロック100Cの側面図である。

図11は、車道境界ブロック100Dの概略斜視図である。

以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。

(1)道路構造の概略 図1は、道路構造の一例を示す。具体的には、図1は、車道10及び歩道20を含む道路構造の平面図である。

図1に示すように、車道10は、車両が走行するために設けられた道路である。歩道20は、歩行者用に設けられた道路であり、車道10より一段(15cm〜30cm程度)高くなっている。歩道20の一部には、乗客がバス50に乗り降りする停留所30が設けられる。

バス50は、車道10を走行する車両である。バス50は、左前輪51L、右前輪51R、左後輪52L及び右後輪52Rを備える。本実施形態では、左後輪52L及び右後輪52Rには、2本のタイヤを並列に組み付けた、いわゆるダブルタイヤが採用されている。

なお、バス50の種類は特に限定されないが、例えば、次のような種類が挙げられる。

いわゆる大型バスの場合、全長10〜11m程度、全幅2.5m程度であり、前輪トレッド2.0m程度、後輪(ダブルタイヤ)トレッド1.8m程度である。また、大型バスの場合、装着されるタイヤ(前輪・後輪)のサイズは、例えば、275/70R22.5である。当該タイヤのトレッド幅(接地幅)は、タイヤの種別などによって異なるが、208〜258mm程度である。

中型バスの場合、全長10m程度、全幅2.3m程度であり、前輪トレッド1.9m程度、後輪(ダブルタイヤ)トレッド1.7m程度である。また、中型バスの場合、装着されるタイヤ(前輪・後輪)のサイズは、例えば、245/70R19.5である。当該タイヤのトレッド幅(接地幅)は、タイヤの種別などによって異なるが、203〜223mm程度である。

小型バスの場合、全長6.3〜7.0m程度、全幅2.0m程度であり、前輪トレッド1.7m程度、後輪(ダブルタイヤ)トレッド1.6m程度である。また、小型バスの場合、装着されるタイヤ(前輪・後輪)のサイズは、例えば、205/80R17.5である。当該タイヤのトレッド幅(接地幅)は、タイヤの種別などによって異なるが、148〜165mm程度である。

なお、バス50は、このような種類に限定されず、いわゆるバス高速輸送システム(BRT: Bus Rapid Transit)として用いられる車両でもよいし、二両以上の車体が繋げられた連接バスでもよい。

バス50は停留所30に停止する。停留所30には、バス50の乗降口53と対応した乗降位置31及び乗降位置32が設けられる。バス50は、図1の矢印方向に進行し、乗降口53が乗降位置31及び乗降位置32と向かい合う位置で停止する。乗客は、前後2つの乗降口53からバス50に乗り降りする。

バス50が停留所30に停止する際、乗降口53と停留所30、具体的には、乗降位置31(及び乗降位置32)との距離、及び乗降口53と乗降位置31(及び乗降位置32)との段差が極力小さくなることが、乗降性の観点から好ましい。特に、車いす、ベビーカーまたは荷物用カートの利用者に対しては、当該距離及び段差を極力小さくし、いわゆる正着性を向上することが望まれる。

バス50の正着性を高めるため、本実施形態では、車道10と歩道20との境界(車道境界)に特殊な形状の車道境界ブロック100が用いられる。車道境界ブロック100は、車道10の延在方向に沿って複数配置され、車道10と歩道20とを区画する。

(2)道路構造の詳細 図2は、図1に示した道路構造の一部拡大図である。具体的には、図2は、図1に示したF2-F2線に沿った断面図である。つまり、図2は、車道10の道路幅方向に沿った車道10及び歩道20の一部断面図である。

図2に示すように、車道境界ブロック100は、ベース部110及び縁石部150を備える。ベース部110は、上面部分120を有する。また、縁石部150は、側面部分160を有する。

上面部分120は、車道10に連なるように設けられる。具体的には、上面部分120は、車道10との大きな段差が生じない程度に、車道10と連続するように設けられる。このように、上面部分120は、車道10と連続するように設けられるため、上面部分120をバス50の車輪(特に、本実施形態では、左前輪51L及び左後輪52L)が転動する。

上面部分120の傾斜は、道路幅方向(図中のD1方向)における車道10の水平方向に対する傾斜よりも大きい。具体的には、道路幅方向(D1方向)において、上面部分120と水平方向とが成す度βは、車道10と水平方向とが成す角度αよりも大きい(β>α)。

なお、車道10には、通常、雨水の排水のため、道路幅方向において一定の傾斜、いわゆる横断勾配が設けられている。そこで、βは、このような横断勾配(α)よりも多少大きいことが好ましい。例えば、βは、3度以上、9度以下であることが好ましい。

また、車道10の傾斜方向が、上面部分120の傾斜方向と逆である、つまり、車道10の幅方向中央側に向かって下がるように傾斜している場合、車道10の幅方向中央側への横断勾配αは負の値(例えば、-2.5度)として取り扱い、かつβは、正の値、つまり、歩道20側に向かって下がるように傾斜し、上述したように、3度以上、9度以下であることが好ましい。

また、上面部分120の道路幅方向(D1方向)に沿った幅(具体的には、図3Aに示す幅L)は、バス50のタイヤ接地幅(タイヤのトレッド幅)よりも広く、バス50のトレッドよりも狭い。なお、バス50のトレッドとは、左前輪51Lのタイヤ接地幅の中心と、右前輪51Rのタイヤ接地幅の中心との距離、いわゆる輪距である。

縁石部150は、ベース部110の一端側から立ち上がる。具体的には、縁石部150は、道路幅方向(D1方向)におけるベース部110の歩道20側から立ち上がり、歩道20と同一高さまで立ち上がる。

側面部分160は、縁石部150の車道10側の側面部分である。側面部分160は、鉛直方向には立ち上がっておらず傾斜している。具体的には、側面部分160は、縁石部150の下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるように傾斜する。

(3)車道境界ブロックの形状 次に、車道境界ブロック100の形状について、さらに説明する。図3Aは、車道境界ブロック100の単体側面図である。図3Bは、車道境界ブロック100の単体正面図である。

車道境界ブロック100は、上述したように、ベース部110及び縁石部150を備える。また、図3A及び図3Bに示すように、ベース部110は、車道10と接する側面105を有する。縁石部150は、歩道20と同一の高さレベルに位置する頂部170を有する。

側面部分160は、上述したように、縁石部150の下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるように傾斜している。具体的には、側面部分160は、車道10の道路幅方向における端部から遠ざかるように傾斜している。

側面部分160と鉛直方向とが成す角度γは、バス50の車輪、本実施形態では、左前輪51L(及び左後輪52L)を構成するタイヤのサイドウォール及びリムホイールと、側面部分160との過度な接触を回避しつつ、左前輪51L(及び左後輪52L)が縁石部150に接触した際の衝撃力を緩和できる程度とすることが好ましい。例えば、γは、5度以上、30度以下であることが好ましい。なお、鉛直方向とは、車道境界ブロック100の車道10と歩道20との間に設置された状態を基準とする。

図3Aに示すように、本実施形態では、上面部分120は、下方に向かって凹状に湾曲する。また、上面部分120と側面部分160との連通部分は、所定の曲率を有して湾曲している。具体的には、上面部分120と側面部分160との連通部分は、曲率半径Rで湾曲している。例えば、Rは、75mm以上、150mm以下であることが好ましい。

なお、当該連通部分は、単一の曲率(曲率半径R)でなく、複数の曲率を有していてもよい。また、上面部分120の形状も複数の曲率を有していてもよい。或いは、上面部分120は、湾曲せずに直線状(つまり、平面状)であってもよい。

上面部分120の幅Lは、バス50に装着されるタイヤサイズ(トレッド幅)を考慮すると、300mmより大きいことが好ましい。なお、幅Lは、側面105から上面部分120と側面部分160との境界位置までの上面部分120(表面)に沿った距離である。

また、上面部分120と側面部分160との境界(連通部分)が湾曲している場合には、当該湾曲部分の頂点の部分を当該境界位置とする。

車道境界ブロック100は、通常の縁石と同様に、コンクリート製であることが一般的であるが、側面部分160が左前輪51Lなどと接触することを考慮すると、ゴム製または強化プラスティック製としてもよい。

(4)作用・効果 次に、上述した道路構造、具体的には、車道境界ブロック100による作用及び効果について説明する。

図4〜図6は、車道境界ブロック100による作用の説明図(その1〜その3)である。具体的には、図4は、バス50が停留所30に停車した状態を示す。図5は、左前輪51Lが車道境界ブロック100上に乗った際における横力Fの発生状態を示す。図6は、バス50の進行に伴う左前輪51Lの位置の変化を示す。

図4に示すように、バス50は、停留所30に停止する場合、少なくとも左前輪51Lが車道境界ブロック100の上面部分120に乗るように停留所30にアプローチする。この結果、バス50が停留所30に停止するタイミングでは、左前輪51Lの側部、具体的には、左前輪51Lを構成するタイヤのサイドウォールの一部が車道境界ブロック100の側面部分160と接触するような状態となる。

上述したように、側面部分160は、下端から上端に向かって車道10から遠ざかるように傾斜しているため、サイドウォールの一部が車道境界ブロック100の側面部分160と接触しても、バス50のボディと接触しない。

なお、左後輪52Lも上面部分120に乗り得るが、左後輪52Lはダブルタイヤのため、内側(車両中心寄り)のタイヤは、必ずしも上面部分120に全て乗らなくても構わない。一方、右前輪51R及び右後輪52Rは、車道10上に位置する。

本実施形態では、上述したような形状を有する車道境界ブロック100を用いることによって、バス50の停留所30へのアプローチを容易にしている。具体的には、図5に示すように、左前輪51Lが上面部分120に乗ると、左前輪51Lには、側面部分160に寄っていく横力Fが発生する。

より具体的には、上面部分120に乗った左前輪51Lには、側面部分160に寄っていく横力Fと、逆方向、つまり、車道10の中央側に寄っていく横力F’(不図示)とが発生する。

横力Fは、以下のようなメカニズムで発生する。上面部分120が傾斜しているため、左前輪51Lの車両内側において左前輪51L(タイヤ)のゴムが圧縮される圧縮力(図中のCF1)は、左前輪51Lの車両外側において右前輪51R(タイヤ)のゴムが圧縮される圧縮力(同CF2)よりも大きくなる。左前輪51L(及び他の車輪を含むタイヤ)には、一般的に、タイヤ周方向に延びる周方向溝51gによってリブ状のゴムブロックが形成されているため、ゴムブロックは圧縮力CF1, CF2によってタイヤ幅方向に膨出するように変形するが、変形したゴムブロックが元の形状に戻ろうとする復元力は、圧縮力CF1, CF2に基づくため、車両内側のゴムブロックの方が大きい。このため、この復元力によって側面部分160に寄っていく横力F、つまり、上面部分120を下る横力Fが発生する。

また、左前輪51Lは、一般的に、タイヤコードが交錯した剛性の高い複数のベルト層(不図示)を備えるため、ベルト層と接地面との間で変形したゴムブロックが元の形状に戻ろうとする際、車道10の中央側に寄っていく横力F’(不図示)も発生し得る。

但し、トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤの場合、乗用自動車用の空気入りラジアルタイヤと比較してサイズが大きいため、路面と接地するトレッドとベルト層とが離れているため、横力F’は小さい。従って、トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤである左前輪51Lが上面部分120に乗ると、横力Fが発生し、側面部分160に寄っていく。

また、図6に示すように、左前輪51Lが位置P1に到達すると、上述した横力Fが発生し、左前輪51Lはさらに転動しつつ位置P2に向かう。左前輪51Lが位置P2に到達すると、側面部分160によって停留所30側へのさらなる移動が規制される。

このように本実施形態によれば、上面部分120の傾斜は、道路幅方向(D1方向、図2参照)における車道10の水平方向に対する傾斜よりも大きい。また、上面部分120の道路幅方向に沿った幅Lは、バス50のタイヤ接地幅(トレッド幅)よりも広く、バス50のトレッド(輪距)よりも狭い。

このため、上述したような横力Fが発生し、左前輪51L(及び左後輪52L)を上面部分120に乗せて走行するだけで、バス50を停留所30に自然と近寄らせることができる。つまり、バス50のドライバーは、特にステアリング操作をすることなく、ステアリングホイールを軽く保持しておけば、自然とバス50が停留所30に近寄り、乗降位置31及び乗降位置32への正着性が向上する。

従来の縁石の場合、バス50の乗降口53と、乗降位置31及び乗降位置32との距離を最小にしようとしても、縁石に左前輪51Lなどを接触させる際の衝撃を抑えるためのバス50のコントロールが非常に難しく、難易度が高い。

また、停留所へのアプローチ時には、乗客の動きなど、他にも注意すべき点がありドライバーの集中力を欠くことも多いが、本実施形態によれば、正着性を向上するために高い技能が必要とされないため、ドライバーは、正着性以外の点に集中し易くなる。

また、本実施形態によれば、車道10上の白線などを画像認識させ自動運転によって正着性を向上させるような方法と比較して、コストを抑えつつ同様の効果を奏し得る。本実施形態では、道路構造の一部である縁石、具体的には、車道境界ブロックを変更すればよいからである。

なお、上述したように、上面部分120の幅Lは、300mmより大きいことが好ましい。バス50に装着されるタイヤのサイズを考慮すると、300mm以下では、左前輪51Lの接地幅全体が上面部分120に乗り切らず、十分な横力Fを発生し得ない場合が多いからである。

一方、上面部分120の幅Lは、バス50のトレッドよりも狭いことが好ましい。現実的には、バス50に装着される歩道20側のタイヤが上面部分120に十分に乗り切ればよいため、長くてもバス50のトレッドの半分程度であればよいと考えられる。なお、上面部分120の幅Lは、バス50のトレッドよりも広いと、左前輪51L及び右前輪51Rの両輪が傾斜した上面部分120に乗ってしまい、左前輪51Lの車両内側の圧縮力CF1が小さくなり、やはり十分な横力Fを発生し得ないため、好ましくない。

また、本実施形態では、側面部分160は、縁石部150の下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるように傾斜する。このため、左前輪51L(及び左後輪52L)を構成するタイヤのサイドウォール及びリムホイールと、側面部分160との過度な接触を回避でき、左前輪51L(及び左後輪52L)が縁石部150に接触した際の衝撃力を緩和できる。

(5)その他の実施形態 以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

(5.1)他の実施形態1 図7は、道路構造の他の実施形態を示す。具体的には、図7は、図2と対応しており、道路幅方向に沿った車道10及び歩道20の一部断面図である。図7に示す道路構造は、バス50(不図示)などの車両が走行する車道10と、車道10の境界に設けられ、車道10と段差を形成する縁石150Aとを含む。

車道10は、道路部11及び路側部12を含む。路側部12は、車道10、具体的には、車道10を構成する道路部11と、縁石150Aとの間に設けられる。

路側部12は、上述した車道境界ブロック100のベース部110と対応している。一方、縁石150Aは、車道境界ブロック100のようなベース部110を備えていない縁石である。

路側部12の傾斜は、道路幅方向(D1方向)における車道10の水平方向に対する傾斜よりも大きい。路側部12の道路幅方向に沿った幅は、車道10を走行するバス50のタイヤ接地幅よりも広く、バス50のトレッドよりも狭い。

具体的には、道路幅方向(D1方向)において、路側部12と水平方向とが成す角度βは、道路部11と水平方向とが成す角度αよりも大きい(β>α)。

このように、車道10の一部である路側部12を傾斜させることによって、上述した車道境界ブロック100と同様の作用・効果を奏するようにしてもよい。

(5.2)他の実施形態2 上述した車道境界ブロック100(図3A,3B参照)及び縁石150A(図7参照)は、さらに次のように変更してもよい。図8Aは、車道境界ブロック100Aの側面図であり、図8Bは、縁石150Bの側面図である。

図8Aに示すように、車道境界ブロック100Aの側面部分160Aは、第1領域151及び第2領域152を有する。第1領域151は、上面部分120寄りに位置する。第2領域152は、第1領域151の上方に位置する。

第2領域152は、第1領域151よりも傾斜している。つまり、第2領域152は、第1領域151と比較すると、第2領域152の下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるようにさらに傾斜している。

本実施形態では、側面部分160Aの第1領域151及び第2領域152は、凹状に湾曲している。なお、第1領域151及び第2領域152の何れか、特にタイヤと直接接触することがない第2領域152は、湾曲していなくてもよく、第1領域151よりも傾斜した直線状(平面状)であってもよい。

また、図8Bに示すように、縁石150Bは、第2領域152と同形状の第1領域151及び第2領域152を有する。

車道境界ブロック100A及び縁石150Bによれば、第2領域152がさらに設けられるため、バス50のボディとの接触を回避し易い。特に、バス50が停留所30にアプローチする際に、フロントのオーバーハング部分が車道境界ブロックや縁石に接触することを回避できる。

さらに、車道境界ブロック100Aは、次のように変更してもよい。図9は、車道境界ブロック100Bの概略斜視図である。

図9に示すように、車道境界ブロック100Bの第2領域152は、上述したように第1領域151よりも傾斜するとともに、車道境界ブロック100Bの車道10(不図示)に沿った延在方向(D2方向)の一端から他端に向かうに連れて減少する。

なお、図9に示した車道境界ブロック100Bは、2つのブロックで構成され、第2領域152が他端側で消滅する形状となっているが、第2領域152の減少の程度は、車道10の形状、またはバス50の停留所30のアプローチ方法(直進でのアプローチまたは曲がりながらのアプローチ)によって異なり得る。

例えば、一般的には、曲がりながらのアプローチの場合(バス50を車道10の幅方向中央側から停留所30に向けて幅寄せする場合も含む)、バス50のフロントのオーバーハング部分による影響が大きくなるため、第2領域152を長めに設けることが好ましい。また、第2領域152は、図1示した乗降位置32よりもバス50の進行方向における手前側で消滅することが、正着性向上の観点からは好ましい。バス50の乗降口53と対応する位置では第2領域152が消滅することによって、縁石部150と乗降口53との距離(間隙)をより小さくできるからである。

また、上述した車道境界ブロック100Bの縁石部150と同様の形状を有する縁石を図8Bに示した縁石150Bの代わりに用いてもよい。

(5.3)他の実施形態3 上述した車道境界ブロック100A(図8A参照)は、さらに次のように変更してもよい。図10は、車道境界ブロック100Cの側面図である。

図10に示すように、車道境界ブロック100Cは、車道境界ブロック100Aと同様に、第1領域151A及び第2領域152Aを有する。第1領域151Aは、車道境界ブロック100Aの第1領域151と同様の形状である。第1領域151Aは、第1領域151Aの下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるように傾斜する。

第2領域152Aは、車道境界ブロック100Aの第2領域152とは異なる形状を有している。具体的には、第2領域152Aは、車道境界ブロック100Cの高さ方向、及び車道10の道路幅方向、つまり、鉛直方向及び水平方向において抉られている。具体的には、第2領域152Aは、鉛直方向に延びる縦部分153と、水平方向に延びる横部分154とによって形成される。

さらに、車道境界ブロック100Cは、次のように変更してもよい。図11は、車道境界ブロック100Dの概略斜視図である。

図11に示すように、車道境界ブロック100Dの第2領域152Aは、車道境界ブロック100Dの車道10(不図示)に沿った延在方向(D2方向)の一端から他端に向かうに連れて減少する。

なお、図11に示した車道境界ブロック100Dは、車道境界ブロック100B(図9参照)と同様に、2つのブロックで構成され、第2領域152Aが他端側で消滅する形状となっているが、第2領域152Aの減少の程度は、車道10の形状、またはバス50の停留所30のアプローチ方法(直進でのアプローチまたは曲がりながらのアプローチ)によって異なり得る。

また、上述した車道境界ブロック100C, 100Dの縁石部150と同様の形状を有する縁石を図8Bに示した縁石150Bの代わりに用いてもよい。さらに、車道境界ブロック100Cの第1領域151Aは、必ずしも第1領域151Aの下端から上端に向かうに連れて車道10から遠ざかるように傾斜していなくても構わない。

また、上述した実施形態では、車道10として説明したが、車道10は、車両用の道路に限らず、バスターミナル内の車両通行路などを含む。

上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。

10 車道 11 道路部 12 路側部 20 歩道 30 停留所 31 乗降位置 32 乗降位置 50 バス 51g 周方向溝 51L 左前輪 51R 右前輪 52L 左後輪 52R 右後輪 53 乗降口 100, 100A〜D 車道境界ブロック 105 側面 110 ベース部 120 上面部分 150 縁石部 150A, 150B 縁石 151, 151A 第1領域 152, 152A 第2領域 153 縦部分 154 横部分 160,160A 側面部分 170 頂部

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