染色繊維の製造方法および不染防止剤

申请号 JP2012527663 申请日 2011-07-21 公开(公告)号 JPWO2012017828A1 公开(公告)日 2013-10-03
申请人 松本油脂製薬株式会社; 发明人 準 竹内; 準 竹内; 裕幸 土手; 裕幸 土手; 勘藤 芳弘; 芳弘 勘藤;
摘要 シリコーン成分を含有する原料繊維を 染色 する際に不染を抑制して、効率よい染色繊維の製造方法、この方法に好適に使用できる不染防止剤を提供することにある。染色繊維の製造方法は、染料と、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル(A)および下記一般式(2)で示される 硫酸 エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルとを含む染色浴中で、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する工程を含む製造方法である。【化1】【化2】
权利要求
  • 染料と、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル(A)および下記一般式(2)で示される硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルとを含む染色浴中で、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する工程を含む、染色繊維の製造方法。
    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは0〜50の整数であり、mは1〜3の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)
    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、lは0〜50の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)
    (式中、R 、R 、R およびR は、水素原子、アルキル基、アルカノール基またはポリオキシアルキレン基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。)
  • 前記染料が水溶性の染料である、請求項1に記載の染色繊維の製造方法。
  • 前記原料繊維がポリアミド繊維を含有する、請求項1または2に記載の染色繊維の製造方法。
  • 前記原料繊維がポリウレタン繊維を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の染色繊維の製造方法。
  • 前記原料繊維全体に対して、前記シリコーン成分の含有率が0.01重量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の染色繊維の製造方法。
  • 前記エステルの濃度が前記染色浴の0.001〜50重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の染色繊維の製造方法。
  • 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られてなる、染色繊維。
  • シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に用いられ、
    下記一般式(1)で示されるリン酸エステル(A)および下記一般式(2)で示される硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルを含む、不染防止剤。
    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは0〜50の整数であり、mは1〜3の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)
    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、lは0〜50の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)
    (式中、R 、R 、R およびR は、水素原子、アルキル基、アルカノール基またはポリオキシアルキレン基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。)
  • 说明书全文

    本発明は、染色繊維の製造方法および不染防止剤に関する。

    近年、繊維の製糸や製織等の種々の工程で、シリコーン成分を含有した薬剤が使用されている。 シリコーン成分は一般には親油性が高く、溶性染料を用いた染色工程において染料をブロックし、染料の固着を阻害し、不染が発生する。 このため、シリコーン成分を含む原料繊維を一般的な水溶性の染料で染色する場合には、染色に先立って、原料繊維からシリコーン成分を除去するために精練工程等が必要であった。 しかし、精練工程を行うことによって、染色繊維の製造原価が上昇することは避けられず、経済的に不利であるので、シリコーン成分を含む原料繊維であっても、染色工程に先立って精練工程を行わないことが望まれている。 しかしながら、現実には不染の問題があるので、精練工程を省略することは現状では困難である。
    シリコーン成分を含む繊維の代表例としては、たとえば、高弾性を有するポリウレタン繊維がポリアミド繊維で被覆された複合繊維がある。 ポリウレタン繊維は、通常、それを製造するための紡糸工程において、伸張性、平滑性および解舒性を高め、脆化を防止するためにシリコーン成分を多量に含む紡糸油剤が使用されている。 そのために、ポリウレタン繊維に含まれたシリコーン成分が、徐々に外に漏れ出し、ポリウレタン繊維を被覆するポリアミド繊維に付着して、シリコーン成分を含む上述の複合繊維となる。

    この複合繊維についても、染色工程に先立って精練工程を行えば、経済的に不利ではあるが、不染の問題は回避できる。 たとえば、特許文献1には、ポリウレタン繊維材料を含む繊維材料を高温熱処理する前の段階で、精練剤と共にホスホン酸化合物及びその塩を精練槽に投入し、油剤成分及び金属成分を除去する方法が開示されており、染色トラブルが解決できるとされている。 しかし、この方法では、シリコーン成分が繊維材料から除去されるために、ポリウレタン繊維の伸張性が大きく低下し、脆化するという別の問題が発生する。 このように、ポリウレタン繊維を含む複合繊維を染色する場合、シリコーン成分の有無によって相反する複合繊維の不染および脆化の問題をバランスよく解決するのは至難である。

    日本国特開2005−42236号公報

    本発明の目的は、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に不染を抑制して、効率よい染色繊維の製造方法、および、この方法に好適に使用できる不染防止剤を提供することにある。

    本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、染料とともに特定のエステルを含む染色浴中でシリコーン成分を含有する原料繊維を染色する方法であれば、予めシリコーン成分を精練等で除去することなく、不染を抑制して原料繊維を染色できることを見出し、本発明に到達した。
    すなわち、本発明の染色繊維の製造方法は、染料と、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル(A)および下記一般式(2)で示される硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルとを含む染色浴中で、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する工程を含む。

    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、nは0〜50の整数であり、mは1〜3の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)

    (式中、R は炭素数2〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基であり、A Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、lは0〜50の整数であり、M は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または下記一般式(3)で示される基である。)

    (式中、R 、R 、R およびR は、水素原子、アルキル基、アルカノール基またはポリオキシアルキレン基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。)
    この染色繊維の製造方法において、以下の(1)〜(5)のうちの少なくとも1つを満足すると好ましい。
    (1)前記染料が水溶性の染料である。
    (2)前記原料繊維がポリアミド繊維を含有する。
    (3)前記原料繊維がポリウレタン繊維を含有する。
    (4)前記原料繊維全体に対して、前記シリコーン成分の含有率が0.01重量%以上である。
    (5)前記エステルの濃度が前記染色浴の0.001〜50重量%である。

    本発明の染色繊維は上記製造方法で得られてなる繊維である。
    本発明の不染防止剤は、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に用いられ、上記リン酸エステル(A)および上記硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルを含む。

    本発明の染色繊維の製造方法では、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に不染が抑制され、効率よく染色繊維が得られる。 また、この製造方法において、原料繊維がポリウレタン繊維を含有する場合(特に、ポリアミド繊維およびポリウレタン繊維を含有する場合)は、従来は上述の不染および脆化の問題をバランスよく解決できなかったが、精練を行わなくても染色でき、ポリウレタン繊維の伸張性が大きく低下するような脆化は生じない。
    本発明の不染防止剤は、上記製造方法に好適に使用できる。

    本発明の染色繊維の製造方法は、染料と、上記リン酸エステル(A)および上記硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種のエステルとを含む染色浴中で、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する工程を含む製造方法である。 本発明の染色繊維は、この製造方法で得られてなる繊維である。 本発明の不染防止剤は、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に用いられ、このエステルを含む剤である。 以下に詳細に説明する。

    〔エステル〕
    エステルは、本発明の製造方法において用いられる染色浴中に必須に含まれる不染を抑制する成分である。 エステルは、シリコーン成分が存在しても、原料繊維に染料を拡散させることができるキャリア剤として作用すると考えられる成分である。
    原料繊維がポリウレタン繊維を含有する場合(特に、ポリアミド繊維およびポリウレタン繊維を含有する場合)は、不染の抑制だけでなく、染色に先立つ精練は必ずしも必要ではなくなる。 その結果、染色に先立つ精練を行った場合に発生するポリウレタン繊維の伸張性が大きく低下するような脆化は生じない。

    エステルは、リン酸エステル(A)および硫酸エステル(B)から選ばれる少なくとも1種である。
    リン酸エステル(A)は、一般式(1)で示されるリン酸エステルであり、リン酸トリエステル、リン酸ジエステル、リン酸モノエステルのいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。 一方、硫酸エステル(B)は、一般式(2)で示される硫酸モノエステルである。

    一般式(1)および(2)において、R およびR は、いずれも、炭素数2〜30のアルキル基6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基である。 R およびR において、それぞれの基の炭素数が小さいと、親水性が高くなり、シリコーン成分に対するキャリア効果が低下するため、十分な不染防止性を発揮しないことがある。 一方、それぞれの基の炭素数が大きいと、疎水性が高くなり水への溶解性が低下するため十分な不染防止性を発揮しないことがある。
    アルキル基の炭素数は、通常2〜30、好ましくは4〜26、さらに好ましくは6〜24、特に好ましくは8〜22である。 このようなアルキル基としては、たとえば、オクチル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、イソトリデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等を挙げることができる。

    アリール基の炭素数は、通常6〜30、好ましくは7〜17、さらに好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜15である。 このようなアリール基としては、たとえば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等を挙げることができる。
    アラルキル基の炭素数は、通常7〜30、好ましくは8〜28、さらに好ましくは9〜26、特に好ましくは10〜24である。 このようなアラルキル基としては、たとえば、ベンジル基、フェニルエチル基、メチルベンジル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。

    なお、上記アリール基およびアラルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基の炭素数は、通常1〜30、好ましくは2〜26、さらに好ましくは3〜24である。 このような置換基としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、ノニル基、ラウリル基、デシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、スチリル基等が挙げられる。 このような置換基の数は1つであっても複数であってもよく、複数の場合に複数種の置換基が混在していてもよい。
    一般式(1)および(2)において、A OおよびA Oは、いずれも、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、炭素数は、好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。 A OおよびA Oは、いずれも、1種または2種以上であってもよく、2種以上の場合、ブロック付加体、交互付加体、またはランダム付加体のいずれを構成してもよい。 A OおよびA Oは、いずれも、水への溶解性の点から、オキシエチレン基を必須に含有することが好ましい。 オキシアルキレン基全体に占めるオキシエチレン基の割合は、40モル%以上が好ましく、50モル%がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が特に好ましい。

    一般式(1)および(2)において、nおよびlは、いずれも、0〜50の整数であり、好ましくは1〜45、さらに好ましくは2〜40、特に好ましくは3〜35である。 整数が大きすぎると、シリコーン成分に対するキャリア効果が低下するため、十分な不染防止性を発揮しないことがある。 一方、整数が小さすぎると、水への溶解性が低下するため十分な不染防止性を発揮しないことがある。
    一般式(1)において、mは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2である。

    一般式(1)および(2)において、M およびM は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属または上記一般式(3)で示される基であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属または上記一般式(3)で示される基が好ましい。
    アルカリ金属としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。

    アルカリ土類金属としては、たとえば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等を挙げることができる。
    一般式(3)で示される基において、R 、R 、R およびR は、水素原子、アルキル基、アルカノール基またはポリオキシアルキレン基であり、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。 アルキル基の炭素数は、通常1〜30であり、好ましくは1〜10である。 このようなアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。 アルカノール基の炭素数は、通常1〜30であり、好ましくは1〜10である。 このようなアルカノール基としては、たとえば、メタノール基、エタノール基、n−プロパノール基、イソプロパノール基等が挙げられる。 ポリオキシアルキレン基の炭素数は、通常2〜60であり、好ましくは4〜30である。 このようなポリオキシアルキレン基としては、たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。

    リン酸エステル(A)は、公知の方法で製造することができる。 リン酸エステル(A)の製造方法としては、たとえば、原料アルコールと無水リン酸によるリン酸化反応を行い、その後、場合によっては、中和することでリン酸エステル(A)を得る方法が一般的に知られている。 ここで、原料アルコールと無水リン酸との仕込みモル比を変化させることで、ジエステルおよびモノエステルを大まかに作り分けることができる。 たとえば、原料アルコール:無水リン酸=1:1(モル比)の場合は、モノエステル(一般式(1)でm=1)が主に得られる。 原料アルコール:無水リン酸=2:1(モル比)の場合は、ジエステル(一般式(1)でm=2)が主に得られる。
    硫酸エステル(B)も、公知の方法で製造することができる。 硫酸エステル(B)の製造方法としては、たとえば、原料アルコールと硫酸による硫酸化反応を行い、その後、場合によっては、中和することで硫酸エステル(B)を得る方法が一般的に知られている。

    〔染料〕
    染料は、本発明の製造方法において用いられる染色浴中に、エステルと共に必須に含まれる成分である。 染料については、特に限定はないが、水溶性の染料が、本発明で使用される原料繊維を染色するために好ましい。 水溶性の染料としては、たとえば、酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩染料、反応染料、カチオン染料等が挙げられる。 水溶性の染料は、好ましくは、酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩染料および反応染料であり、さらに好ましくは、酸性染料、酸性媒染染料および金属錯塩染料である。
    酸性染料としては、たとえば、Kayacyl Colours染料、Kayanol Colours染料、Kayanol Milling Colours染料、Telon染料、Supranol染料、NEOLAN染料、Nylomine染料、Suminol染料等が挙げられる。 酸性媒染染料としては、たとえば、Diamond染料、Sunchromine染料等が挙げられる。 金属錯塩染料としては、たとえば、Kayakalan Colours染料、Kayalax Colours染料、Isolan染料、Lanafast染料、LANACRON染料等が挙げられる。

    〔その他成分〕
    染色浴には、エステルおよび染料以外に水が必須に含まれる。 水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。
    また、染色浴は、本発明の効果を損なわない範囲でこれ以外のその他成分を含んでもよい。 その他成分としては、たとえば、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、フィックス剤、難燃剤、耐光剤、緩均染剤、浴中柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、溶剤、脂肪酸(塩)等が挙げられる。

    pH調整剤としては、酢酸、酢酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、リン酸、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸水素ニナトリウム、リン酸三ナトリウム等が挙げられる。
    キレート剤としては、たとえば、ポリカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(NTMP)、ホスホン酸、グルタミン酸二酢酸、およびそれらの塩等が挙げられる。

    フィックス剤としては、特に限定されていないが、天然タンニン、合成タンニン、第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ポリアミン系重合物等が挙げられる。 これらは単独あるいは組み合わせて用いることができる。 好ましくは、天然タンニン、合成タンニンである。
    合成タンニンの例としては、たとえば、フェノール、クレゾール、安息香酸、ナフトール、ビスフェノール等のフェノール性水酸基を含むものを原料とするノボラック型あるいはレゾール型フェノール系合成タンニン、フェノール、o−クロールフェノール等のフェノール類と硫黄の加硫による縮合物を原料とするチオフェノール系合成タンニン、ジヒドロキシジフェニルスルホン系合成タンニン、ナフタリン系合成タンニン、スルホンアミド系合成タンニン、カルボジイミド系合成タンニン等があり、これらをそれぞれ単独または任意の割合の混合物などとして使用できる。
    天然タンニンとしては、縮合型タンニン、加水分解性タンニン、およびこれらの両者の性質を併せ持つ複合タンニンを総称するものである。 樹木の幹、樹皮、木枝、根、種子、果実、葉等に広く存在するポリフェノールを基本構造とする有機化合物である。

    緩均染剤としては、従来公知の繊維親和性均染剤および/または染料親和性の均染剤を使用することができる。
    浴中柔軟剤としては、特に限定されないが、ポリオキシエチレン誘導体、ポリアミド系高分子誘導体、ラノリンエトキシ化合物、アルキルポリアミン誘導体、高級脂肪酸エステル誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミンと脂肪酸のエステル化合物、トリメット酸の高級アルコールエステル誘導体、ポリアクリルアミド誘導体等が挙げられる。

    〔原料繊維〕
    本発明で使用される原料繊維は、シリコーン成分を含有するものであれば、特に限定はない。 また、本発明で使用される原料繊維は、染色を行っていない繊維ばかりでなく、染色を行い、実際に不染が発生した繊維であってもよい。 その場合、不染が発生した繊維を本発明の製造方法により再度染色することになり、不染が抑制、解消された染色繊維を得ることができる。
    原料繊維の形態については、特に限定はなく、糸、編物、織物、チーズ、かせ等のいかなる形状であってもよい。

    原料繊維の種類については、特に限定はないが、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ビニロン繊維等の合成繊維;綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維;レーヨン、キュプラ、アセテート、リヨセル等の再生繊維等の繊維(A)を必須とする繊維が好ましい。 これらの繊維(A)のうちでも、ポリアミド繊維が好ましい。
    ポリアミド繊維は、ポリアミドを必須とし、複合化されていてもよい繊維を意味し、たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン4、ナイロン7、芳香族ナイロン(アラミド)等が挙げられる。 ポリアミドは、通常、アミド結合を形成する反応によって縮合させて得られる。

    原料繊維は、繊維(A)とともに、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等の繊維(B)を適宜含む繊維でもよい。 これらの繊維(B)中でも、ポリウレタン繊維が好ましい。
    ポリウレタン繊維としては、たとえば、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)やポリエステルジオールと有機ジイソシアネートを反応させ、次いで、1,4−ブタンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミンなどで鎖延長した、ポリウレタンあるいはポリウレタンウレアから構成されるものが挙げられる。 ポリウレタンウレア繊維は、たとえば、分子量1000〜3000のPTMGとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用意し、PTMG/MDI=1/2〜1/1.5(モル比)でジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させ、エチレンジアミン、プロパンジアミン等のジアミンで鎖延長して得られるポリウレタンウレアポリマーの20〜40%溶液を乾式紡糸で、紡糸速度400〜1200m/minで紡糸することにより製造できる。 ポリウレタン繊維の適応繊度は特に制限はない。

    原料繊維が、繊維(A)とともに繊維(B)を含む場合、繊維(A)に対する繊維(B)の重量割合は、好ましくは1〜90重量%、さらに好ましくは5〜70重量%である。
    原料繊維が、ポリアミド繊維とともにポリウレタン繊維を含むと好ましい。

    原料繊維に含まれるシリコーン成分は特に限定はないが、たとえば、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、変性シリコーン、シリコーンレジン等を挙げることができ、1種または2種以上から構成されていてもよい。 変性シリコーンは、一般には、ジメチルシリコーン等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。 また、シリコーンレジンとは、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味し、その他の変性シリコーンをさらに含有してもよい。
    シリコーン成分の含有率については、特に限定はないが、原料繊維全体に対して、好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは0.5重量%以上である。 シリコーン成分の含有率の上限は、好ましくは100重量%、さらに好ましくは50重量%である。

    〔染色繊維の製造方法〕
    本発明の染色繊維の製造方法は、染料とエステルとを含む染色浴中で、原料繊維を染色する工程を含む製造方法である。
    本発明の製造方法としては、たとえば、エステル、染料および水を所定の比率で混合撹拌し、必要に応じて、pH調整剤を添加して所定のpH(25℃)に調整し、染色液(染色浴)を調製する。 エステルは、それぞれ個別に染料等と混合してもよく、後述する不染防止剤として混合してもよい。

    次に、原料繊維を染色浴に加え、染色浴を所定の染色温度まで加温し、その温度で、たとえば、10〜90分間保持して染色工程を行う。 染色工程終了後、得られる染色繊維に未固着の染料を洗い落とすために、湯洗い、水洗いまたはソーピング洗浄等を染色繊維に施す。 染色繊維に対して、堅牢度の向上を目的に、さらにフィックス処理を行ってもよい。 フィックス処理の方法としては特に限定はなく、公知の手法を採用でき、フィックス剤としては上記のフィックス剤を用いることができる。 その後、乾燥して染色繊維を得ることができる。 このような製造方法で得られた染色繊維では、不染が抑制されている。

    また、本発明の染色繊維の製造方法は、不染が発生したシリコーン成分を含有する繊維を原料繊維として用い、染料とエステルを含む染色浴中で、該原料繊維を染色する工程を含むものである。 すなわち、本発明の染色繊維の製造方法は、染色を行い現に不染が発生してしまった繊維に対して、前述の方法と同様な方法で染色する場合をも含むものである。 さらに、不染をより確実に抑制するために、同方法を繰り返し行うことも可能である。 得られた染色繊維は、不染が抑制、解消されている。

    染色浴中のエステルの濃度については、特に限定はないが、好ましくは染色浴の0.001〜50重量%であり、さらに好ましくは0.01〜30重量%、特に好ましくは0.1〜10%である。 エステルの濃度が0.001%未満の場合は、十分な不染抑制効果を示さないことがある。 一方、エステルの濃度が50%超の場合、経済的に好ましくないことがある。
    染料の濃度については、特に限定はないが、好ましくは原料繊維に対して0.01〜50重量%owf(on weight of fiber)、さらに好ましくは0.1〜40重量%owf、特に好ましくは0.2〜30重量%owfである。

    染色繊維の製造方法としては、たとえば、以下が挙げられる。 まず、エステル、染料および水を染色機に投入して混合撹拌し、次いでpH調整剤を添加してpHを3.0〜7.0に調整して、染色液(染色浴)を調製する。 次に、原料繊維を、染色浴で満たされた染色機に投入し、染色浴を対流させながら、染色浴の温度を1分間に0.5〜3.0℃の割合で70〜110℃に加温する。 この温度に達したところで、この温度を保ち染色浴を対流させながら、10〜90分間保持する。 その後、冷却して30〜80℃で排水し、再び給水して湯洗い、水洗い処理を1〜10分間行う。 排水した後、染色繊維を乾燥させ、染色繊維について不染を起こすことなく染色を完結することができる。
    本発明の染色繊維の製造方法では、原料繊維に対して予め精練工程等を行って、シリコーン成分を除去しなくてもよく、染色工程に先立って行われる精練工程等のシリコーン成分を除去するための工程を省略することができる。

    本発明の製造方法で得られてなる染色繊維は、不染が抑制され、ほぼ均一に染色されている。
    また、原料繊維がポリウレタン繊維を含有する場合、本発明の製造方法で得られてなる染色繊維は、不染が抑制されているだけでなく、繊維の伸張性が大きく低下するような脆化も生じない。
    本発明の染色繊維のシリコーン成分の含有率については、染色繊維全体に対して、好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上、最も好ましくは0.5重量%以上である。 シリコーン成分の含有率の上限は、好ましくは100重量%、さらに好ましくは50重量%である。
    原料繊維に対する染色繊維のシリコーン成分の変化率(染色繊維のシリコーン含有率/原料繊維のシリコーン含有率)は、脆化防止の点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上である。

    〔不染防止剤〕
    本発明の不染防止剤は、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色する際に用いられる剤である。 この不染防止剤は上記で説明したエステルを含み、上記で説明した製造方法において好適に使用される。 原料繊維には、染色を行っていない繊維ばかりでなく、染色を行い、実際に不染が発生した繊維も含まれる。
    不染防止剤は、エステル以外にも水や、上記で説明したその他成分を含んでいてもよい。 不染防止剤に占めるエステルの重量割合は、1〜100重量%が好ましく、3〜95重量%がより好ましく、5〜90重量%がさらに好ましい。

    本発明の不染防止剤を製造する方法としては、特に限定はなく、公知の手法が採用できる。 例えば、不染防止剤を構成する各成分を水中に投入して、撹拌混合する方法等が挙げられる。

    以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 なお、例中の「部」および「%」とあるのは、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。

    (実施例1)
    〔不染防止剤〕
    温度計および攪拌機を備えた容量3リットルの反応容器に、原料アルコールとしてのポリオキシエチレン(5mol)トリデシルエーテル(オキシエチレンの付加モル数が5であるトリデシルエーテル)709gを加え、窒素雰囲気下40〜60℃の反応温度で無水リン酸85gを徐々に仕込んだ。 80℃で3時間反応を行い、黄色の反応生成物を得た。 得られた反応生成物にジエタノールアミン206gを加え、中和反応を行い、リン酸エステルを得た。
    得られたリン酸エステルに水を加えてリン酸エステルを含む不染防止剤を得た。 得られた不染防止剤は、表1に示す構造のエステルと水とを含み、不染防止剤に占めるエステルの重量割合は、20重量%であった。

    〔染色繊維〕
    ポリアミド繊維(6−ナイロン)とポリウレタン繊維との複合繊維(質量比80/20;編物)から構成され、シリコーン成分の含有率が全体の2.20重量%である原料繊維を準備した。
    上記で得た不染防止剤をミニカラー専用染色ポット(テクサム技研(株)社製)に入れ、染料としてKayanol Milling Turquoise 3G(日本化薬(株)社製)を30〜35℃の水に溶いて加えた。 最後に、酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液でpH4.5に調整して、染色浴を調製した。 ここで、エステルの濃度は染色浴の2.0重量%であり、染料の濃度は原料繊維に対して2.0重量%owfであった。

    原料繊維を染色浴に投入し、ミニカラーにて処理した。 その際の浴比(原料繊維重量:染色浴重量)は、1:10であった。 染色処理条件は、2℃/分の昇温速度で95℃まで染色浴を加温し、95℃を60分間保った。 その後、冷却し80℃になったところで、染色浴を廃棄し、1分間湯洗い、水洗いを行った。 次に、得られた繊維を遠心分離装置により脱水し、90℃で1時間乾燥して、染色繊維を得た。 染色繊維の不染防止性および脆化度を下記方法により評価した。 その結果を表1に示す。

    <不染防止性>
    染色繊維の不染防止性を以下の基準で目視により評価した。
    ◎:染色繊維上に不染が全く見られず均一に染色ができている。
    ○:染色繊維上に不染がかすかに見られるが、ほぼ均一に染色できている。
    ×:染色繊維上に不染がはっきり見られ均一な染色ができていない。

    <脆化度>
    染色繊維の伸長率をJIS−L−1018定荷重法に準じて測定し、繊維の脆化度を評価した。 測定は、温度20℃および湿度65%RHが保持された測定室で、引張圧縮試験機テクノグラフTG−2KN(ミネベア(株)社製)を用いて行った。 染色繊維から試験布片(長さ10cm、幅2cm)を切り出し、ウェール方向に一定荷重(15N)をかけて染色繊維を引っ張り、伸長率を測定した。 なお、比較例1(ブランク)の伸長率を基準とし、染色繊維の脆化度を下記方法により評価した。
    ○:染色繊維の伸長率が比較例1の伸長率の90%以上であるもの △:染色繊維の伸長率が比較例1の伸長率の70%超90%未満であるもの ×:染色繊維の伸長率が比較例1の伸長率の70%以下であるもの

    (実施例2〜5)
    実施例1で、原料繊維に含まれるシリコーン成分の含有率およびエステルの濃度を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして染色繊維をそれぞれ製造し、評価した。 その結果も表1に示す。

    (実施例6〜16)
    実施例1と同様にして、原料アルコールと無水リン酸によるリン酸化反応を行い、表1に示したエステルを含む不染防止剤をそれぞれ製造した。 なお、実施例15、16における原料アルコールのオキシアルキレン基はランダム付加である。
    実施例1で、用いたエステルの種類をそれぞれ表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に不染防止剤を用いて染色繊維をそれぞれ製造し、評価した。 その結果も表1に示す。

    (実施例17)
    〔不染防止剤〕
    温度計および攪拌機を備えた容量3リットルの反応容器に、原料アルコールとしてのポリオキシエチレン(18mol)ステアリルエーテル(オキシエチレンの付加モル数が18であるステアリルエーテル)825gを加え、窒素雰囲気下40〜60℃の反応温度で硫酸(98重量%)85gを徐々に仕込んだ。 70℃で3時間反応を行い、白色の反応生成物を得た。 得られた反応生成物にジエタノールアミン90gを加え、中和反応を行い、硫酸エステルを得た。
    得られた硫酸エステルに水を加えて硫酸エステルを含む不染防止剤を得た。 得られた不染防止剤は表2に示す構造のエステルと水とを含み、不染防止剤に占めるエステルの重量割合は、20重量%であった。

    〔染色繊維〕
    実施例1で用いた不染防止剤をここで得られた不染防止剤に変更し、それ以外は実施例1と同様にして染色繊維を製造し、評価した。 その結果も表2に示す。

    (実施例18〜27)
    実施例17と同様にして、原料アルコールと硫酸による硫酸化反応を行い、表2に示すエステルを含む不染防止剤をそれぞれ製造した。
    実施例17で、用いたエステルの種類をそれぞれ表2に示すように変更する以外は、実施例17と同様にして染色繊維をそれぞれ製造し、評価した。 その結果も表2に示す。

    (実施例28)
    実施例1で用いた不染防止剤を、実施例1の不染防止剤および実施例17の不染防止剤を混合して得られる混合不染防止剤(実施例1の不染防止剤に含まれるエステル重量部:実施例17の不染防止剤に含まれるエステル重量部=50:50)に変更し、これ以外は実施例1と同様にして染色繊維を製造し、評価した。 その結果も表2に示す。

    (実施例29)
    実施例1で用いた不染防止剤を、実施例1の不染防止剤および実施例17の不染防止剤を混合して得られる混合不染防止剤(実施例1の不染防止剤に含まれるエステル重量部:実施例17の不染防止剤に含まれるエステル重量部=70:30)に変更し、これ以外は実施例1と同様にして染色繊維を製造し、評価した。 その結果も表2に示す。

    (比較例1)
    実施例1で不染防止剤を用いない以外は、実施例1と同様にして染色繊維を製造し、評価した。 その結果を表3に示す。

    (比較例2〜9)
    実施例1で不染防止剤の代わりに表3に示す化合物をそれぞれ用い、その濃度を染色浴の2.0重量%にする以外は、実施例1と同様にして染色繊維をそれぞれ製造し、評価した。 その結果を表3に示す。

    表1〜3より、本発明の不染防止剤を用いて染色繊維を製造した場合、優れた不染防止性を示すことが判る。

    (実施例1b〜29b、比較例1b〜9b)
    実施例1〜29及び比較例1〜9において、比較例1で製造した不染が発生している染色繊維を原料繊維として使用する以外は各実施例・比較例と同様にして、実施例1b〜29b及び比較例1b〜9bの染色繊維をそれぞれ製造した。 得られた染色繊維の不染防止性、脆化度をそれぞれ評価した。 その結果を表4、5に示す。

    表4、5から判るように、本発明の製造方法及び不染防止剤によれば、不染が発生した染色繊維を原料繊維として使用した場合においても、優れた不染防止性を示す。

    (比較例10)
    精練浴に対する濃度が精練剤SSK−4(松本油脂製薬(株)社製)1.0重量%およびソーダ灰0.2重量%となるように精練浴を準備し、実施例1で用いた原料繊維を精練浴で処理した。 その際の浴比(原料繊維重量:精練浴重量)は、1:10であった。 精練処理条件は、2℃/分の昇温速度で80℃まで精練浴を加温し、80℃を60分間保った。 その後、冷却し60℃になったところで、精練浴を廃棄し、1分間湯洗い、水洗いを行った。 次に、得られた繊維を遠心分離装置により脱水し、90℃で1時間乾燥して、精練繊維を得た。
    実施例1で用いた原料繊維を上記精練繊維に変更するとともに、不染防止剤を用いない以外は、実施例1と同様にして染色繊維を製造し、評価をした。 不染防止性の評価は○であったが、脆化度の評価は×であり、染色繊維が著しく硬くなった。
    この結果からは、染色前の精練工程を行う必要はなく、染色加工の簡略化が可能である。

    (実施例30)
    綿繊維とポリウレタン繊維との複合繊維(質量比90/10;織物)から構成され、シリコーン成分の含有率が全体の2.20重量%である原料繊維を準備した。 実施例1で得られた不染防止剤をミニカラー専用染色ポットに入れ、染料としてKayacion Turquoise P−3GF(日本化薬(株)社製)を30〜35℃の水に溶いて加えた。 最後に、無水芒硝およびソーダ灰を加えて、染色浴を調製した。 ここで、エステル、無水芒硝およびソーダ灰の濃度は、それぞれ、染色浴の2.0重量%、6.0重量%および2.0重量%であり、染料の濃度は原料繊維に対して2.0重量%owfであった。
    原料繊維を染色浴に投入し、ミニカラーにて処理した。 その際の浴比(原料繊維重量:染色浴重量)は、1:10であった。 染色処理条件は、2℃/分の昇温速度で80℃まで染色浴を加温し、80℃を60分間保った。 その後、冷却し60℃になったところで、染色浴を廃棄し、10分間湯洗い、水洗いを行った。 次に、得られた繊維を遠心分離装置により脱水し、90℃で1時間乾燥して、染色繊維を得た。 得られた染色繊維の不染防止性の評価は○であった。

    (実施例31)
    羊毛繊維(織物)から構成され、シリコーン成分の含有率が全体の2.20重量%である原料繊維を準備した。 実施例1で得られた不染防止剤をミニカラー専用染色ポットに入れ、染料としてKayalax Colours Navy R(日本化薬(株)社製)を30〜35℃の水に溶いて加えた。 最後に、酢酸でpH5.0に調整して、染色浴を調製した。 ここで、エステルの濃度は染色浴の2.0重量%であり、染料の濃度は原料繊維に対して2.0重量%owfであった。
    原料繊維を染色浴に投入し、ミニカラーにて処理した。 その際の浴比(原料繊維重量:染色浴重量)は、1:10であった。 染色処理条件は、1℃/分の昇温速度で100℃まで染色浴を加温し、100℃を45分間保った。 その後、冷却し80℃になったところで、染色浴を廃棄し、5分間湯洗い、水洗いを行った。 次に、得られた繊維を遠心分離装置により脱水し、90℃で1時間乾燥して、染色繊維を得た。 得られた染色繊維の不染防止性の評価は○であった。

    本発明の染色繊維の製造方法は、シリコーン成分を含有する原料繊維を染色するときに好適に使用できる。

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