発明の分野 本発明は、有害な薬物反応の遺伝マーカー(genetic markers)の分野に関する。 より具体的には、有害な薬物反応のリスクのある個体を同定することに有用な方法および組成物に関する。 [背 景] 有害な薬剤反応は、西欧社会において子供および成人の両方の病気、入院、および死亡の大きな原因である〔Lazarou et al JAMA 1998; Pirmohamed et al, BMJ 2004〕。 見積によると、入院した子供の15%がADRを経験していることを示唆されている。 ADRで生存したものには、障害が残るだろう〔Mitchell et al., 1988 Pediatrics 82:24-9; Martinez-Mir et al., 1999. Br J Clin Pharmacol 47 :681-8〕。 子供に使用される多くの承認された薬剤は、小児集団(pediatric populations)で未試験である。 子供は薬剤を成人と異なって代謝することが知られているが、多くの場合で小児用の製剤は利用できない。 この事項は特に化学療法の薬物に関連し、この薬剤は頻繁に賦形剤などの他の薬剤と組み合わせて単一用量パッケージ(single-dose package)として供給される。 小児集団はより変動する集団を代表しており、この可変性の増加は薬物代謝遺伝子の通常の発現における発生の差異によるだろう。 遺伝的な因子は、薬物反応の変動性に関与する(幾つかの研究において20-95%の範囲)。 年齢, 性, 体重, 健康, 病歴などが関与するだろうが、患者のゲノタイプは大部分が未知の因子である(Evans et al 2003. NEJM 348:538-549; Weinshilboum 2003. NEJM 348:529-537)。 プラチナ配位複合体(Platinum coordination complexes)は、子供および成人の両方における様々な新生物の化学療法のプロトコールにおいて細胞毒性薬として使用される。 例えば、シスプラチンを、肺, 精巣, 卵巣, 乳房, 膀胱および頭頸部(head-and-neck)を含む固形腫瘍の治療に使用しえる。 シスプラチンは、子供のCNS 腫瘍, 肝芽腫, 神経芽細胞腫 および 骨肉腫を含む幾つかの癌の治療に使用される。 他のプラチナ配位複合体には、カルボプラチン, オキサリプラチン, テトラプラチン, オルミプラチン, イプロプラチン および経口的に利用可能なサトラプラチン (Kelland, 2000. Expert Opin Investig Drugs 9:1373-82)が含まれる。 プラチナ配位複合体の化学療法的な効果は、急速に分裂している細胞のDNA 結合およびクロスリンキングから生じるだろう。 耳毒性(Ototoxicity)は、プラチナ配位複合体を受けている患者の集団(特に小児科の患者)において重大な問題である(Kushner et al 2006. Cancer 107:417-422)。 プラチナ-配位化合物-誘発性の耳毒性は、耳鳴(tinnitus)から不可逆的な聴覚障害(irreversible hearing impairment)にまでわたる可能性がある。 増加および蓄積した用量, 特定の配位複合体の性質, 投与経路, 年齢および前の照射治療によって耳毒性の発病および重症度が影響されることが知られているが、発生率(incidence)は一貫していない(Stohr等2005及びその参照)。 酸化ストレスは、シスプラチン-誘発性の耳毒性の原因と考えられている(Peters et al, 2000. AntiCancer Drugs. 11:639-43)。 聴覚試験は、シスプラチンでの治療の前、途中、および後でルーチン的に行なわれる。 現在、どの患者がモニターされることが必要であるかに関して決定する方法は存在しない。 ゲノタイプによって、治療上の介入に対する応答が変化することが示されている。 GenentechのHERCEPTIN(登録商標)は総合的には第三相試験で有効ではなかったが、ヒト上皮細胞成長因子レセプター2(HER2)陽性の転移性乳癌の被検者の遺伝的サブセットにおいて有効であることが示された。 同様に, ノバルティスのGLEEVEC(登録商標)は、染色体 9 および 22の間の相互のトランスロケーションを保持する慢性骨髄性白血病の被検者のサブセットに関してのみ指示される。 [概要] 本発明は、部分的に所与のSNPの部位で特定のヌクレオチド(対立遺伝子)またはゲノタイプが耳毒性の尤度(likelihood)の増加(「リスクゲノタイプ(risk genotype)」)または耳毒性の尤度の減少(「リスク減少ゲノタイプ(decreased risk genotype)」)と関連しえることの同定に基づいている。 また、本発明は、部分的にrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455のSNPsの単独または組み合わせが、プラチナ配位複合体治療に引き続く被験者の耳毒性のリスクの予測に有用であるとの驚くべき発見に基づいている。 これによって、リスク減少ゲノタイプを有している被検者が耳毒性を経験する可能性が低い及びリスクゲノタイプを有している被検者が同じ治療で耳毒性を経験する可能性が高いとされる。 さらにまた、rs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455のSNPs及びそれに対して連鎖不平衡(LD)にあるSNPsが提供され、プラチナ配位複合体治療をしなければならない被験者の応答の予測に有用である。 本発明の一側面に基づいて、新生物疾患(neoplastic disease)を有している被検者を耳毒性リスクに関してスクリーニングするための方法が提供され、該方法は単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性(identity)を一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位(polymorphic site);又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で被験者に関して決定することを含む(前記被験者は、プラチナ配位化合物投与の候補であってもよい)。 本発明のさらなる側面に基づいて、プラチナ配位化合物投与の耳毒性リスクを決定するための方法が提供され、該方法は単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性を一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位;又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で一または二以上のプラチナ配位化合物を受けている若しくは受けようとしている被験者に関して決定することを含む。 本発明のさらなる側面に基づいて、被検者の新生物疾患を治療するための方法が提供され、該方法は前記被験者にプラチナ配位化合物を投与することを含み、前記被験者は耳毒性を発症するリスクが低く、耳毒性は一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位の単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性に基づいている。 本発明のさらなる側面に基づいて、被検者の新生物疾患を治療するための方法が提供され、該方法は次のことを含む: 耳毒性を発症するリスクが低い被験者を選択すること〔ここで、耳毒性は一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位の単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性に基づく〕;および前記被験者にプラチナ配位化合物を投与すること。 本発明のさらなる側面に基づいて、一または二以上のプラチナ配位化合物を含んでいる化学療法計画を被験者に関して選択するための方法が提供され、該方法は次のことを含む: 単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性を一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で前記被験者に関して決定し、耳毒性のリスクを評価(assess)すること。 本発明のさらなる側面に基づいて、新生物疾患を治療するための医薬の製造におけるプラチナ配位化合物の使用であって、治療される被験者が耳毒性リスクの低いゲノタイプを一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で有しえる使用が提供される。 本発明のさらなる側面に基づいて、新生物疾患を治療するための医薬の製造においてプラチナ配位化合物を使用する方法であって、被験者のサブセットが耳毒性リスクの低いゲノタイプを一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で有する方法が提供される。 本発明のさらなる側面に基づいて、新生物性の病状(neoplastic condition)を治療するために、有用であること又は有用であると考えられることが既知である治療計画の有効性を決定するために試験される被験者を選択するための方法が提供され、該方法は単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性を一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位;又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で試験される被験者(ここで、試験される被験者は、プラチナ配位化合物投与の候補である)に関して決定すること;および試験される被験者を彼等の耳毒性のリスクに基づいて分けることを含む。 本発明のさらなる側面に基づいて、新生物性の病状を治療するために、有用であること又は有用であると考えられることが既知の治療計画の耳毒性のリスクを決定するための方法が提供され、該方法は単一ヌクレオチド多型性(SNP)の同一性を一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位;又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位で試験される被験者(ここで、試験される被験者は、プラチナ配位化合物投与の候補である)に関して決定すること;およびプラチナ配位化合物投与前に試験される被験者を彼等の耳毒性のリスクに基づいて分けることを含む。 本発明のさらなる側面に基づいて、新生物性の病状を治療するために、有用であることが既知である又は有用であると考えられる候補薬の副作用を決定するために被験者の群を選択するための方法が提供され、該方法は一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位での単一ヌクレオチド多型性(SNP)に関して被験者のゲノタイプを各被験者に関して決定すること〔ここで、前記被験者のゲノタイプは化学療法計画の投与に続く被験者の耳毒性のリスクの指標(indicative)である〕;および被験者をゲノタイプに基づいて選別(sorting)することを含む。 前記方法は、さらに候補薬を被験者または被験者のサブセットに投与すること及び聴覚損失(hearing loss)の度合(degree)を各被験者で評価することを含んでもよい。 また、前記方法は、さらに被験者のゲノタイプに基づいて候補薬への応答における聴覚損失の度合を比較することを含んでもよい。 連鎖不平衡にある多型部位は、一または二以上の次の部位から選択されてもよい: rs17011368; rs1366817; rs2281547; rs2163059; rs6733391; rs6718606; rs6720163; rs3769618; rs1864280; rs4407290; rs13397122; rs2236168; rs528551; rs17011401; rs17011403; rs6717626; rs561525; rs473935; rs477626; rs185925; rs206846; rs6753620; rs2073316; rs11693761; rs206847; rs13418515; rs206849; rs12614895; rs206851 (old rs1265618); rs13431382; rs11904439; rs11895133; rs7578359; rs206854; rs206855; rs206856; rs7582523; rs10199855 (old rs10439418); rs206857; rs206858; rs11885410; rs206859; rs2217367; rs10175754; rs206860; rs10169844; rs6714794; rs494852; rs513311; rs1346644; rs206797; rs1429372; rs7424583; rs206798; rs206799; rs1366814; rs206802; rs206803; rs3769616; rs206804; rs206805; rs1978639; rs11678319; rs206810; rs206811; rs2273452; rs206812; rs7575607; rs2163058 ; rs206814; rs4952236; rs206816; rs206817; rs206818; rs1344279; rs1143667; rs3805134; rs9830721; rs2141615; rs13068438; rs9289182; rs2877568; rs9289183; rs6803757; rs6438687; rs17203299; rs1523519; rs866926; rs866927; rs953730; rs3805138; rs9862977; rs2049330; rs2049331; rs9812515; rs1357531; rs2700420; rs2332046; rs2877567; rs11914993; rs2877566; rs2689283; rs2700421; rs11920521; rs7637569; rs2293616; rs2293614; rs2293613; rs2257115; rs2257119; rs2257132; rs2257212; rs2257214; rs1143670; rs3762819; rs3762821; rs1316397; rs1143672; rs2700424; rs874742; rs874741; rs1920315; rs3817599; rs1920314; rs1920313; rs4388019; rs4285028; rs1920312; rs1920311; rs1920310; rs2689275; rs9829181; rs9867460; rs10934565; rs1343979; rs1920309; rs6790281; rs6438689; rs7615571; rs1920308; rs9790267; rs9871743; rs7651226; rs13098459; rs1920290; rs1920291; rs9811389; rs6438690; rs1474327; rs7629403; rs12637573; and rs12695420。 プラチナ配位化合物は、一または二以上のシスプラチン; カルボプラチン; オキサリプラチン; テトラプラチン; オルミプラチン; イプロプラチン; および サトラプラチン または本願の明細書等に記載された他のプラチナ配位化合物から選択されてもよい。 前記方法は、さらに生物学的サンプルを被験者から得ることを含んでもよい。 前記方法は、さらにプラチナ配位化合物を被験者の耳毒性を発症するリスクに基づいて投与することを含んでもよい。 単一ヌクレオチド多型性の同一性は、一または二以上の制限酵素断片長分析; シークエンシング; マイクロ シークエンシング アッセイ; ハイブリダイゼーション; インベーダーアッセイ; 遺伝子チップハイブリダイゼーション アッセイ; オリゴヌクレオチド ライゲーション アッセイ; ライゲーションローリングサイクル増幅(ligation rolling circle amplification); 5' ヌクレアーゼ アッセイ; ポリメラーゼ校正法(polymerase proofreading methods); 対立遺伝子特異的なPCR; マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間 (MALDI-TOF)質量分析; リガーゼ連鎖反応アッセイ; 酵素増幅電気伝達(enzyme-amplified electronic transduction); 一塩基対伸長アッセイ(single base pair extension assay); および配列データ記録(reading sequence data)の技術によって決定されてもよい。 本発明のさらなる側面に基づいて、被験者の耳毒性関連遺伝子配列からなるヒトの標的配列に含まれる配列, 該標的配列の相補的な配列または該標的配列のRNA均等物と特異的にハイブリダイズする約 10 〜 約 400 ヌクレオチドの二もしくは三以上のオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸が提供され、前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸はrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位から選択される耳毒性関連遺伝子配列における二もしくは三以上の多型性の存在または非存在を決定することにおいて実施可能(operable)である。 それに対し連鎖不平衡にある一または二以上の多型部位は、一または二以上の次の多型部位から選択されてもよい: rs17011368; rs1366817; rs2281547; rs2163059; rs6733391; rs6718606; rs6720163; rs3769618; rs1864280; rs4407290; rs13397122; rs2236168; rs528551; rs17011401; rs17011403; rs6717626; rs561525; rs473935; rs477626; rs185925; rs206846; rs6753620; rs2073316; rs11693761; rs206847; rs13418515; rs206849; rs12614895; rs206851 (old rs1265618); rs13431382; rs11904439; rs11895133; rs7578359; rs206854; rs206855; rs206856; rs7582523; rs10199855 (old rs10439418); rs206857; rs206858; rs11885410; rs206859; rs2217367; rs10175754; rs206860; rs10169844; rs6714794; rs494852; rs513311; rs1346644; rs206797; rs1429372; rs7424583; rs206798; rs206799; rs1366814; rs206802; rs206803; rs3769616; rs206804; rs206805; rs1978639; rs11678319; rs206810; rs206811; rs2273452; rs206812; rs7575607; rs2163058 ; rs206814; rs4952236; rs206816; rs206817; rs206818; rs1344279; rs1143667; rs3805134; rs9830721; rs2141615; rs13068438; rs9289182; rs2877568; rs9289183; rs6803757; rs6438687; rs17203299; rs1523519; rs866926; rs866927; rs953730; rs3805138; rs9862977; rs2049330; rs2049331; rs9812515; rs1357531; rs2700420; rs2332046; rs2877567; rs11914993; rs2877566; rs2689283; rs2700421; rs11920521; rs7637569; rs2293616; rs2293614; rs2293613; rs2257115; rs2257119; rs2257132; rs2257212; rs2257214; rs1143670; rs3762819; rs3762821; rs1316397; rs1143672; rs2700424; rs874742; rs874741; rs1920315; rs3817599; rs1920314; rs1920313; rs4388019; rs4285028; rs1920312; rs1920311; rs1920310; rs2689275; rs9829181; rs9867460; rs10934565; rs1343979; rs1920309; rs6790281; rs6438689; rs7615571; rs1920308; rs9790267; rs9871743; rs7651226; rs13098459; rs1920290; rs1920291; rs9811389; rs6438690; rs1474327; rs7629403; rs12637573; and rs12695420。 本発明のさらなる側面に基づいて、次を含む群から選択される二もしくは三以上の オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸が提供される: (a) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101 に有している配列番号1を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 101 に有している配列番号1を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (b) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 101 に有している配列番号1を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101 に有している配列番号1を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (c) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号2を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号2を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (d) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号2を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号2を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (e) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号3を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号3を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (f) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号3を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号3を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (g) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号4を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号4を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (h) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号4を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号4を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (i) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101に有している配列番号5を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 101に有している配列番号5を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (j) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 101に有している配列番号5を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101に有している配列番号5を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (k) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101に有している配列番号6を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 101に有している配列番号6を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (l) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 101に有している配列番号6を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101に有している配列番号6を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (m) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101に有している配列番号7を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Tをポジション 101に有している配列番号7を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (n) 高ストリンジェント条件下で、Tをポジション 101に有している配列番号7を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101に有している配列番号7を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (o) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号8を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号8を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (p) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号8を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号8を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (q) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号9を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号9を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (r) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号9を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号9を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (s) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号10を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号10を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (t) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121 に有している配列番号10を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121 に有している配列番号10を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (u) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号11を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号11を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (v) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号11を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号11を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (w) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101に有している配列番号12を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 101に有している配列番号12を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (x) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 101 に有している配列番号12を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101 に有している配列番号12を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (y) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号13を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号13を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (z) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号13を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号13を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (aa) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号14を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号14を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (bb) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号14を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号14を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (cc) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 101に有している配列番号15を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 101に有している配列番号15を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (dd) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 101 に有している配列番号15を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 101 に有している配列番号15を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (ee) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号16 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号16 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (ff) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121に有している配列番号16 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号16 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (gg) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号17を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号17を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (hh) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号17を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号17を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (ii) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号18 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号18 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (jj) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号18 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号18 を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (kk) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号19を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Gをポジション 121に有している配列番号19を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (ll) 高ストリンジェント条件下で、Gをポジション 121 に有している配列番号19を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121 に有している配列番号19を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (mm) 高ストリンジェント条件下で、Aをポジション 121に有している配列番号20を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Cをポジション 121に有している配列番号20を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸;および (nn) 高ストリンジェント条件下で、Cをポジション 121に有している配列番号20を含んでいる核酸分子とハイブリダイズするが、Aをポジション 121に有している配列番号20を含んでいる核酸分子とハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (oo) 表 3Aに表した多型性から選択される所与の多型性に対する第一の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力があるが、表 3Aに表した多型性から選択される所与の多型性に対する第二の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力がないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (pp) 表 3Aに表した多型性から選択される所与の多型性に対する前記第二の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力があるが、表 3Aに表した多型性から選択される所与の多型性に対する前記第一の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力がないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; (qq) 表 3Bに表した多型性から選択される所与の多型性に対する第一の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力があるが、表 3Bに表した多型性から選択される所与の多型性に対する第二の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力がないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸;および (rr) 表 3Bに表した多型性から選択される所与の多型性に対する前記第二の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力があるが、表 3Bに表した多型性から選択される所与の多型性に対する前記第一の対立遺伝子を含んでいる核酸分子と高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする能力がないオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸; 本発明のさらなる側面に基づいて、固体の支持体に付着させたオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸のアレイが提供され、該アレイは本願の明細書等に記載の二もしくは三以上のオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸を含んでいる。 本発明のさらなる側面に基づいて、二もしくは三以上のオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸のアドレス可能コレクションを含んでいる組成物が提供され、該二もしくは三以上のオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は配列番号1-20に記載の二または三以上の核酸分子又はその相補物(compliments), 断片, バリアント(variants), またはアナログ(analogs)のみから実質的になる(consisting essentially of)。 前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、さらに一または二以上の検出可能な標識; クエンチャー(quencher); 移動修飾因子(mobility modifier); 標的配列に対して5'もしくは3'または標的配列に対して5'および3'に位置する近接する非標的配列(contiguous non-target sequence)を含んでもよい。 本発明のさらなる側面に基づいて、被験者におけるプラチナ配位化合物投与後の被験者の耳毒性のリスクを評価するために、一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位;又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位でのゲノタイプを、前記多型部位での代替ヌクレオチド(alternate nucleotides)を区別(distinguishing)することによって;または前記多型部位に十分な相補性を有している標識オリゴヌクレオチドを前記代替と区別してハイブリダイズする能力があるように区別することによって決定するためのキットが提供される。 前記キットは、さらに多型部位を含んでいる領域の増幅が実施可能なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのセットを含んでもよい。 前記キットは、さらに重合因子(polymerization agent)を含んでもよい。 前記キットは、さらにキットを用いてゲノタイプを決定するための説明書を含んでもよい。 本発明の別の側面に基づいて、活性な薬学的成分としてプラチナ配位化合物又はその薬学的に許容される塩を使用し、被験者における新生物疾患の治療的または予防的な処置に使用するための説明書と共に含んでいる市販パッケージが提供される〔ここで、処置される被験者は、リスク低下多型性を、一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位に有する〕。 本発明の別の側面に基づいて、活性な薬学的成分としてプラチナ配位複合体又はその薬学的に許容される塩を使用し、新生物疾患の治療的または予防的な処置に使用するための説明書と共に含んでいる市販パッケージが提供される〔ここで、処置される被験者は、リスク減少多型性を、一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位に有する或いは被験者はリスク多型性を一または二以上のつづく上記の多型部位に有し、被験者は聴覚損失をモニターされる及び/又は治療がそれに応じて調整される〕。 前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、さらに一または二以上の検出可能な標識; クエンチャー(quencher); 移動修飾因子(mobility modifier); 標的配列に対して5'もしくは3'または標的配列に対して5'および3'に位置する近接する非標的配列(contiguous non-target sequence)を含んでもよい。 前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、代わりに約 10〜約 400 ヌクレオチド, 約 15〜約 300 ヌクレオチドであってもよい。 前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、代わりに約 20〜約 200 ヌクレオチド, 約 25〜約 100 ヌクレオチドであってもよい。 前記オリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、代わりに約 20〜約 80 ヌクレオチド, 約 25〜約 50 ヌクレオチドであってもよい。 前記ゲノタイプは、被験者からの核酸サンプルを用いて決定しえる。 ゲノタイプは、一または二以上の制限酵素断片長分析; シークエンシング; マイクロ シークエンシング アッセイ; ハイブリダイゼーション; インベーダーアッセイ; 遺伝子チップハイブリダイゼーション アッセイ; オリゴヌクレオチド ライゲーション アッセイ; ライゲーションローリングサイクル増幅(ligation rolling circle amplification); 5' ヌクレアーゼ アッセイ; ポリメラーゼ校正法(polymerase proofreading methods); 対立遺伝子特異的なPCR; マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間 (MALDI-TOF)質量分析; リガーゼ連鎖反応アッセイ; 酵素増幅電気伝達(enzyme-amplified electronic transduction); 一塩基対伸長アッセイ(single base pair extension assay); および配列データ記録の技術を用いて決定されてもよい。 ある部位が別の部位と連鎖不平衡(LD; linkage disequilibrium)にあるかどうかの決定は、絶対r 2値またはD'値(absolute r 2 value or D' value)に基づいて決定されてもよい。 座位をLDに関して評価する場合に高度な連鎖不平衡(例えば、絶対値>0.5のD'またはr 2 > 0.5)を有している所与の集団内の部位は、関心のある対立遺伝子(例えば、関心のある病状と関連する)の同一性の予測に潜在的に有用である。 高度の連鎖不平衡は、D'に関する絶対値> 0.6またはr 2 > 0.6により表されえる。 或いは、高度の連鎖不平衡は、D'に関する絶対値> 0.7またはr 2 > 0.7により又はD'に関する絶対値> 0.8またはr 2 > 0.8により表されえる。 その上、高度の連鎖不平衡は、D'に関する絶対値> 0.85またはr 2 > 0.85により又はD'に関する絶対値> 0.9またはr 2 > 0.9により表されえる。 二もしくは三以上のオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸は、3以上; 4 以上; 5 以上; 6 以上; 7 以上; 8 以上; 9 以上; 10 以上; 11 以上; 12 以上; 13 以上; 14 以上; 15 以上; 16 以上; 17 以上; 18 以上; 19 以上; または20 以上を含んでもよい。 配列バリエーションは、2 kb又はそれ以上のmRNA配列の特性のなかにマップされる場合に遺伝子に割当てられるだろう。 特に、係る配列は、一の遺伝子から領域内でLDが強い隣接する遺伝子に多キロベース(kb)にわたっていてもよい。 [詳細な記載] 1. 定義以下の記載において、幾つかの用語は広範に使用され、以下の定義は本発明の様々な態様の理解を促進するために提供される。 本願の明細書等に使用される「プラチナ配位複合体」または「プラチナ配位化合物」は、イオンの形態でプラチナを提供する任意の腫瘍細胞成長を阻害するプラチナ配位化合物を意味する。 プラチナ配位化合物は、例えば、一または二以上の次のものから選択されてもよい: シスプラチン (トランス-ジアミンジクロロ-プラチナ(II),); シス-ジアミンジクロロプラチナ(II)-イオン; シス-ジアンミンジアクアプラチナ (II)-イオン 〔cis- diamminediaquoplatinum (II)-ion〕; クロロ(ジエチレントリアミン)-プラチナ(II) クロライド; ジクロロ(エチレンジアミン)-プラチナ(II); カルボプラチン (ジアンミン(1,1-シクロブタンジカルボキシラト)プラチナ(II)); スピロプラスチン(spiroplatin); イプロプラチン (ジクロロトランス-ジヒドロキシビスイソプロポラミン プラチナ IV) 〔iproplatin (dichlorotrans-dihydroxybisisopropolamine platinum IV)〕; ジアンミン(2-エチルマロネート)-プラチナ(II); エチレンジアミン-マロネートプラチナ(II); アクア(l,2-ジアミノジクロヘキサン)-スルファトプラチナ(II) 〔aqua(l,2-diaminodyclohexane)-sulfatoplatinum(II)〕; (1 ,2- ジアミノシクロヘキサン)マロネート-プラチナ(II); (4-カロキシフタラト)(l ,2- ジアミノシクロ-ヘキサン)プラチナ(II) 〔(4-caroxyphthalato)(l ,2- diaminocyclo-hexane)platinum(II)〕; (1 ,2-ジアミノシクロヘキサン)-(イソシトラト)プラチナ(II) 〔(1 ,2-diaminocyclohexane)-(isocitrato)platinum(II)〕; (l,2-ジアミノシクロヘキサン)-シス(ピルバト)プラチナ(II) 〔(l,2-diaminocyclohexane)-cis(pyruvato)platinum(II)〕; (1,2-ジアミノシクロヘキサン)-オキサラトプラチナ(II); オキサリプラチン; オルマプラチン; オルミプラチン, テトラプラチン;および サトラプラチン. 「遺伝物質(Genetic material)」には任意の核酸が含まれ、一本または二本鎖形態の何れかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーであってもよい。 Mの記号で表されるヌクレオチドはAまたはCの何れであってもよい、 Wの記号で表されるヌクレオチドはT/UまたはAの何れであってもよい、 Yの記号で表されるヌクレオチドはCまたはT/Uの何れであってもよい、 Sの記号で表されるヌクレオチドはGまたはCの何れであってもよい、 他方で、Rの記号で表されるヌクレオチドはGまたはAの何れであってもよい、および Kの記号で表されるヌクレオチドはGまたはT/Uの何れであってもよい。 同様に、 Vの記号で表されるヌクレオチドはAまたはGまたはCの何れであってもよい、他方で、 Dの記号で表されるヌクレオチドはAまたはGまたはTの何れであってもよい、他方で、 Bの記号で表されるヌクレオチドはGまたはCまたはTの何れであってもよい、および、 Hの記号で表されるヌクレオチドはAまたはCまたはTの何れであってもよい。 本願の明細書等に使用される「多型部位(polymorphic site)」または「多型性部位(polymorphism site)」または「多型性(polymorphism)」または「単一ヌクレオチド多型性部位(single nucleotide polymorphism site)」(SNP部位)または「単一ヌクレオチド多型性(single nucleotide polymorphism)」(SNP)は、多様性(divergence)が生じる所与の配列内の座位(locus)またはポジション(position)である。 「多型性」は、集団中の遺伝子(対立遺伝子)内での二もしくは三以上の形態の遺伝子またはポジションの最も稀な形態の存在が変異単独では説明できないような頻度で出現することである。 それが暗示していることは、多型性の対立遺伝子が宿主に幾つかの選択的な利点を与えていることである。 多型部位は、少なくとも二つの対立遺伝子を有し、各々は1%よりも大きい頻度で生じ、選択された集団の10%または20%よりも大きくてもよい。 多型部位は、核酸配列ないの既知のポジションであってもよく、存在することが決定されてもよい。 多型性は、遺伝子のコード領域(coding regions)および非コード領域(例えば、プロモーター, イントロンまたは非翻訳領域)の両方で生じてもよい。 多型性は、本願の明細書等に記載される単一ヌクレオチド部位(SNPs)で生じてもよい又は挿入または欠失を含んでもよい。 本願の明細書等に使用される「リスクゲノタイプ(risk genotype)」は、本願の明細書等に記載される被験者に関して、プラチナ配位化合物の投与に続く耳毒性の尤度の増加の指標としての、一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位での対立形質のバリアント(ゲノタイプ)を意味する。 リスクゲノタイプは、ハプロイドのゲノタイプまたはディプロイドのゲノタイプの何れかで決定しえる(但し、少なくとも一つのコピーのリスク対立遺伝子が存在する)。 リスクゲノタイプは、耳毒性のリスクの増加の指標であってもよい。 リスク対立遺伝子(risk allele)の一つのコピー(ヘテロ接合体)または二つのコピー(ホモ接合体)を有している被験者は、その被験者がヘテロ接合体よりもホモ接合体であるかどうかに依存して、その被験者の耳毒性のリスクの度合が増加する可能性があるとしても「リスク ゲノタイプ」を有すると考えられる。 このような「リスク対立遺伝子」または「リスクゲノタイプ」は、rs1920309C; rs4646316C; rs3817404C; rs1344279G; rs206851A; rs206798G; rs207427A; rs4912905G; rs206846G; rs2249695C; rs2417977C; rs4148328C; rs7137060C; rs31666T; rs206811T; rs9651118T; rs7137767C; rs1056827T; rs1060467T; およびrs9455C又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位(フォワードストランドに与えられるリスク対立遺伝子)から選択されえる。 本願の明細書等に使用される「リスク減少ゲノタイプ(decreased risk genotype)」は、本願の明細書等に記載される被験者に関して、プラチナ配位化合物の投与に続く耳毒性の尤度の減少の指標としての、一または二以上のrs1920309; rs4646316; rs3817404; rs1344279; rs206851; rs206798; rs207427; rs4912905; rs206846; rs2249695; rs2417977; rs4148328; rs7137060; rs31666; rs206811; rs9651118; rs7137767; rs1056827; rs1060467; およびrs9455の多型部位; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位での対立形質のバリアント(ゲノタイプ)を意味する。 「リスク減少対立遺伝子(Decreased risk alleles)」または「リスク減少ゲノタイプ(decreased risk genotypes)」または「リスク低下ゲノタイプ(reduced risk genotypes)」は、rs1920309T; rs4646316T; rs3817404A; rs1344279A; rs206851G; rs206798A; rs207427T; rs4912905C; rs206846C; rs2249695T; rs2417977T; rs4148328T; rs7137060T; rs31666C; rs206811C; rs9651118C; rs7137767A; rs1056827G; rs1060467C; およびrs9455A; 又はそれに対して連鎖不平衡にある多型部位 (フォワードストランドに与えられるリスク減少対立遺伝子)から選択されてもよい。 「クレード(clade)」は、系統的に密接に関連するハプロタイプの群である。 例えば、ハプロタイプが系統(進化)樹に提示される場合、クレードには同じ枝のなかに含まれる全てのハプロタイプが含まれる。 染色体に沿ったマーカーのセットのパターンが、「ハプロタイプ」と称される。 結果的に、同じ小さい染色体セグメントにおける対立遺伝子のグループは、共に伝達される傾向がある。 染色体の所与のセグメントに沿ったハプロタイプは、一般に組換えイベント(recombination event)が存在することなく共に子孫に伝達される。 組換えイベントの非存在下、ハプロタイプはマッピングに関して単一の高度に多型性の座位での対立遺伝子として処理できる。 本願の明細書等に使用される「ハプロタイプ」は、共に遺伝する傾向がある染色体における密接に連鎖した座位の対立遺伝子のセットである。 係る対立遺伝子のセットは、パターンとして生じ、ハプロタイプと称される。 結果的に、一つのSNP部位での特異的なSNPまたは他の多型性の対立遺伝子は、しばしば近くの第二のSNP部位または他の多型性部位での特異的なSNPまたは他の多型性の対立遺伝子と関連する。 これが生じる場合、その二つのSNPsまたは他の多型性は、連鎖不平衡(LD)にあるといわれる。 というのも、その二つのSNPsまたは他の多型性は、単にランダムに関連している(即ち、連鎖平衡にある)のではないからである。 通常は,サンプルにおける核酸の検出は、オリゴヌクレオチドがサンプル中の核酸に「高ストリンジェント(high stringency)」の条件下でアニールする特異的な核酸ハイブリダイゼーションの技術に依存し、首尾よくアニールしたオリゴヌクレオチドは続いて検出される〔例えば Spiegelman, S., Scientific American, Vol. 210, p. 48 (1964)を参照されたい〕。 高ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションは、主にハイブリダイゼーションに使用される方法, オリゴヌクレオチド長, 塩基組成およびミスマッチのポジション(もしあれば)に依存する。 高ストリンジェントなハイブリダイゼーションは、分子生物学者により日常的に行われる多数の技術〔例えば、高ストリンジェントPCR, DNAシークエンシング, 一本鎖コンフォメーション多型分析(single strand conformational polymorphism analysis), およびインサイチュー ハイブリダイゼーション〕の成功に依拠している。 ノーザンおよびサザンハイブリダイゼーションと対照的に、これら上述の技術は、通常相対的に短いプローブ(例えば、通常はPCRまたはシークエンシングに関して約 16 ヌクレオチド又はそれ以上およびインサイチュー ハイブリダイゼーションに関して約 40 ヌクレオチド又はそれ以上)で行われる。 これらの技術に使用される高ストリンジェント条件は分子生物学の当業者に周知であり、これらの例は例えばAusubel等(Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, NY, 1998)に認められる。 本願の明細書等に使用されるオリゴヌクレオチドは、特定の核酸の検出および/または増幅のためのプローブ, プライマーおよびマイクロアレイ(アレイ)の製造に有用であろう可変長(variable length)の核酸である。 係るDNAまたはRNA鎖は、活性化モノマーを成長している鎖に連続的に付加(5'-3'または3'-5')することによって合成されてもよい(これらは不溶性の支持体に連結されてもよい)。 引き続く個々の使用のため又は不溶性の支持体の一部(例えば、アレイ)としてオリゴヌクレオチドを合成するための多くの方法が当該技術分野において知られている〔BERNFIELD MR. and ROTTMAN FM. J. Biol. Chem. (1967) 242(18):4134-43; SULSTON J. et al. PNAS (1968) 60(2):409-415; GILLAM S. et al. Nucleic Acid Res.(1975) 2(5):613-624; BONORA GM. et al. Nucleic Acid Res.(1990) 18(11):3155-9; LASHKARI DA. et al. Proc Nat Acad Sci (1995) 92(17):7912-5; MCGALL G. et al. PNAS (1996) 93(24):13555-60; ALBERT TJ. et al. Nucleic Acid Res.(2003) 31(7):e35; GAO X. et al. Biopolymers (2004) 73(5):579-96; および MOORCROFT MJ. et al. Nucleic Acid Res.(2005) 33(8):e75〕。 通常は,オリゴヌクレオチドは、使用される方法に応じて様々な条件下で、段階的にモノマーを活性化し、保護して付加することで合成される。 引き続いて,特異的な保護基が除去されてさらなる伸長が許容され、引き続いて一旦合成が完了したら、必要に応じて、全ての保護基が除去されてもよく、完成した鎖を精製するためにオリゴヌクレオチドが固体の支持体から除去されてもよい。 本願の明細書等に使用される「ペプチド核酸」(PNA)は、核酸の糖リン酸骨格がN-(2-アミノエチル)-グリシン骨格に変換されている修飾核酸を意味する。 DNA/RNAの糖リン酸骨格は中性条件下で負電荷に供され相補鎖の間で静電気的な反発を生じるが、PNAのバックボーン構造は本来電荷を有さない。 従って、静電気的な反発が存在しない。 結果的に,PNAは、従来の核酸と比較して二本鎖を形成する能力が高く、塩基配列を認識する能力が高い。 さらにまた、PNAsは、一般に核酸よりも頑強(robust)である。 また、PNAsは、オリゴヌクレオチドに関して本願の明細書等に記載されるアレイに及び他のハイブリダイゼーションまたは他の反応に使用されえる。 本願の明細書等に使用される「アドレス可能コレクション(addressable collection)」は、ハイブリダイゼーション技術の使用または任意の当業者に既知の他の検出手段などによって検出される能力のある核酸分子またはペプチド核酸の組み合わせである。 DNAマイクロアレイは、「アドレス可能コレクション」の例と考えられるだろう。 通常、集団遺伝学で使用される「連鎖(linkage)」の用語は、同じ染色体の座位に近接することによる二もしくは三以上の非対立の遺伝子または配列の共遺伝(co-inheritance)を意味し、それによって減数分裂後に未連鎖の遺伝子に期待される50%よりも頻繁に関連したままである。 しかしながら、減数分裂の間に個々の染色分体の間の物理的な交差(physical crossing)によって、組換えが生じえる。 一般に「組換え(Recombination)」は、DNAの大きいセグメントの間で生じ、それによって近接するDNAおよび遺伝子のストレッチが組換えイベント(クロスオーバー)において共に移動する可能性がある。 逆に、所与の染色体で遠く離れたDNAの領域は、共に近接するDNAの領域よりも乗換え(crossing-over)のプロセスの間で分離する可能性が高い。 多型性の分子マーカー(SNPsのような)は、しばしば染色体の位置マーカーとして減数分裂の組換えイベントのトラッキングに有用である。 さらにまた、SNPsまたは他の多型性などの連鎖したマーカーの特異的な対立遺伝子と関連した疾患遺伝子の優先的な出現は、「連鎖不平衡」(LD)と称される。 一般に、この不平衡の選別は、殆どの疾患染色体が同じ変異を輸送し、試験されるマーカーが疾患遺伝子に相対的に近いことを暗示(implies)する。 例えば、SNP-ベースの関連性分析およびLDマッピングにおいて、SNPsは病理学的な病状(例えば、敗血症)と関連する多型性を同定するための関連性試験に有用である。 連鎖試験とは異なり関連性試験(association studies)は、一般集団内で行われ、影響を受けたファミリーにおける関連する個体で行われる試験に限定されない。 SNP関連性試験において、所与の対立遺伝子(即ち、SNP対立遺伝子)の頻度は、関心のある病状を有している多数の被験者において及び適切な対照群において決定される。 特定のSNPsまたはSNPハプロタイプの間の有意な関連性および表現型の特性は、当該技術分野において既知の多数の統計学的な方法により決定されえる。 関連性分析は、直接的であるか又はLDに準拠するかの何れであってもよい。 直接の関連性分析において、潜在的に原因となるSNPsは、病原性配列(pathogenic sequence)に関する候補として試験されえる。 LDに基づくSNP 関連性分析において、SNPs は、病原性の配列または病原性のSNPとLDにあるSNPsに関して試験するためにランダムに大きいゲノム領域または寧ろゲノムワイド(genome wide)で選択されてもよい。 また、関心のある病状と関連する候補配列は、SNP同定および関連性分析に関する標的であるだろう。 通常、係る候補配列は、関心のある病状の病因(pathogenesis)に関与する。 耳毒性と関連するSNPsの同定において、候補配列は、既に関心のある病状または疾患の経路(pathway)に関係するものから選択されてもよい。 一旦同定されると、係る配列に見つけられる又は関連するSNPsは、病状に対する又は投薬の副作用に対する個々の予後または感受性との統計学的な関連性に関して試験されえる。 LD準拠の関連性分析に関して、高い密度でのSNPマップは、未知の病原性座位と関連するランダムなSNPsのポジショニングに有用である。 さらにまた、SNPsは、高い頻度で生じる傾向があり、しばしばゲノムをとおして均一に間隔をおいている。 従って、他のタイプの多型性と比較してSNPsは、関心のある遺伝子座に近接して見つけられるようである。 また、SNPsは、可変数のタンデムリピート(VNTRs; variable number tandem repeats)および短いタンデムリピート(STRs; short tandem repeats)よりも変異に関してより安定的である。 集団遺伝学において、連鎖不平衡は「特定の対立遺伝子の優先的な関連(例えば、偶然により期待されるよりも頻繁に近くの座位で特定の対立遺伝子を有する疾患の変異対立遺伝子)」を意味し、また分離した座位は単一の単位として遺伝することが暗示される〔Gelehrter, TD, Collins, FS (1990). Principles of Medical Genetics. Baltimore: Williams & Wilkens〕。 従って、これらの座位での対立遺伝子とこれらの様々な組み合わせから構築されたハプロタイプは、特定のポジションで臨床的に関連性のある可変性をマークする能力により表現型のバリエーションの有用なマーカーとして貢献する〔Akey, J. et al. Eur J Hum Genet (2001) 9:291-300; および Zhang, K. et al. (2002). Am J Hum Genet. 71:1386-1394を参照されたい〕。 この観点はさらにKhoury等〔(1993). Fundamentals of Genetic Epidemiology. New York: Oxford University Press at p. 160〕によって実証され、彼等は「マーカー対立遺伝子が真に影響を受けやすい対立遺伝子に接近して連鎖し、そのなかで[連鎖]不平衡にある場合は常に、マーカー対立遺伝子が基礎の影響を受けやすい対立遺伝子の代理(proxy)として貢献できると考えることが可能である」と述べている。 本願の明細書等に使用される「連鎖不平衡」 (LD)は、座位での対立遺伝子の頻度から期待されるよりも大きい比率で連鎖した対立遺伝子の特定の組み合わせが集団において出現することである。 例えば、連鎖したマーカー(例えば、SNPs)の特定の対立遺伝子又は連鎖したマーカーの特定の対立遺伝子の間での関連する疾患遺伝子の優先的な出現は、LDにあると考えられる。 一般に、この種の不平衡は、殆どの疾患染色体が同じ変異を輸送すること及び試験されるマーカーが疾患遺伝子に相対的に近いことを暗示する。 従って、第一の座位のゲノタイプが第二の座位(または第三の座位など)とLDにある場合、僅か一つの座位での対立遺伝子の決定が必然的に他の座位での対立遺伝子の同一性を提供するだろう。 座位をLDに関して評価する場合に高度な連鎖不平衡(即ち、r 2 > 0.5の絶対値)を有している所与の集団内の部位は、関心のある対立遺伝子(即ち、関心のある病状と関連する)の同一性の予測に潜在的に有用である。 高度の連鎖不平衡は、r 2 > 0.6の絶対値により表されてもよい。 或いは、高度の連鎖不平衡は、絶対値r 2 > 0.7によって又は絶対値r 2 > 0.8によって表されてもよい。 さらに、高度の連鎖不平衡は、絶対値r 2 > 0.7によって又は絶対値r 2 > 0.8によって又は絶対値r 2 > 0.95によって表されてもよい。 従って、高度のLDを有する二つのSNPsは、関心のある対立遺伝子または疾患対立遺伝子の同一性を決定することにおいて等しく有用であろう。 従って、我々は、一つのSNPでの対立遺伝子の同一性を知ることがLDにある別のSNPでの対立遺伝子同一性を表示する可能性を想定しえる。 従って、単一座位のゲノタイプの決定によって、LDにある任意の座位のゲノタイプの同一性を提供でき、連鎖不平衡の度合が高いほど二つのSNPsが互換的(interchangeably)に使用されえる可能性が高い。 LDは、ゲノタイプ表現型関連性試験に有用であろう。 例えば、一つのSNP部位(例えば、「A」)での特定の対立遺伝子が遺伝的な関連性研究において特定の臨床転帰(例えば、この臨床転帰を「B」と称する)の原因である場合、数学的な推論によって、第一のSNPと有意にLDにある任意のSNP(例えば、「C」)はその臨床転帰とある程度の関連性を示す。 すなわち、AがBと関連(〜)する、即ち、A〜Bであり、C〜Aである場合、C〜Bがつづく。 もちろん、特定の臨床転帰(B)と最も接近して関連するSNPは、原因SNP〔臨床転帰の機構的(mechanistically)な原因である遺伝的バリエーション〕である。 従って、任意のSNP(C)および臨床転帰の間の関連性の度合は、A および Cの間のLDに依存する。 特定の臨床転帰への遺伝的な寄与の根底にある機構が完全に理解されるまで、LDが潜在的な候補の原因SNPs(causal SNPs)の同定を助け、臨床転帰または治療効果の予後(prognosis)に臨床的に有用であろう特定の範囲のSNPs(a range of SNPs)の同定を助ける。 遺伝子内での一つのSNPが特定の臨床転帰と関連することが見つけられる場合、LDにある他のSNPsは、ある程度の関連性およびそれゆえにある程度の予後に関する有用性を有する。 連鎖不平衡における多型性は、例えば、Haploview プログラム(BARRETT JC. et al. Bioinformatics (2005) 21(2):263-5 (http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/))およびR(R Core Development Group, 2005 - R Development Core Team (www.R-project.org))における遺伝学パッケージのLD 機能を用いて同定されえる。 マーカー間の連鎖不平衡はr2を用いて規定してもよく、全てのSNPsはHapmap.orgで利用可能であり(第二相)(コホート H)、全てのSNPsはIllumina Goldengate アッセイを用いて内部的にゲノタイプされ(コホート I)、SNPsは関心のある遺伝子に関してSequenom Iplex Platformを用いてシークエンスされてもよい(コホート S)。 0.5の最小r2をカットオフとして使用して、LD SNPsを同定してもよい。 多数の部位が、プラチナ配位化合物投与につづく耳毒性に関連する多型部位として同定された(表 1を参照されたい)。 表 1における多型性は、以下の表3A および 3Bに記載の多数の多型性と連鎖する(とLDにある)。 これらの LD SNPsも、プラチナ配位化合物の投与につづく耳毒性のリスクを示している。
表 2. 以下は表 1に示されるSNPsに関するフランキング配列(flanking sequences)を示しており、彼等のrsの名称および対応する配列番号の指定を提供する。 各々の多型性は、別に指示しないかぎりフランキング配列内のポジション 101であり、太字で示される。
さらに連鎖した多型部位および組み合わせた多型部位を決定しえることが当業者に理解されるだろう。 上記遺伝子のハプロタイプは、多型性を正常被験者において期待最大化アルゴリズムを有するプログラム(例えば、PHASE)を用いて評価することによって作ることができる。 これらの遺伝子の構築されたハプロタイプを使用して、本願の明細書等で同定されたtag SNPs (tSNPs)とLDにあるSNPsの組み合わせを発見しえる。 従って、個々のハプロタイプは、本願の明細書等で同定されたtSNPsとLDにある他のSNPsまたは他の多型性をゲノタイピングすることによって決定することができる。 また、LDにある単一の多型部位または組み合わせた多型部位を、プラチナ配位化合物処理に続く耳毒性の被験者のリスクを評価するためにゲノタイプしてもよい。 配列内の多型性のポジションの数的な呼称(numerical designations)が特定の配列および読まれるストランドの方向性(即ち、フォワードまたはリバース)に対して相対的であることは当業者によって理解される。 また、同じポジションが、配列が番号付けされる様式および選択された配列に応じて異なる数的な呼称が割当てられてもよい。 さらにまた、挿入または欠失などの集団内の配列バリエーション(sequence variations)は、相対的なポジションで及び続いて特定の多型部位の又はその周囲の特定のヌクレオチドの数的な呼称で変化してもよい。 例えば、アクセッション番号NM_000379, U39487, U06117, D11456, CV574002, CR614711, AL709033, AK130114, DQ089481, AL121657, AL121654, AF203979 およびAC010743により表される配列は、全てXDHヌクレオチド 配列を含むが、それらの間で幾つかの配列の差異および番号付けの差異を有してもよい。 さらに、当業者は、様々なシークエンシング, 増幅, 伸長(extension), ゲノタイピングまたはハイブリダイゼーションプライマーまたはプローブを設計して表 2に記載される多型性を特異的に同定しえること及び本願の明細書等に提供される様々な多型性をフランキングする配列は例示であることを認識する。 また、当業者は、様々なシークエンシング, 増幅, 伸長, ゲノタイピングまたは表 2に提供された配列と隣接する、相補する、またはオーバーラップするハイブリダイゼーションプライマーまたはプローブを、本願の明細書等に記載される本発明の様々な態様の範囲をこえることなく、本願の明細書等に記載される多型性の同定のために開発または設計しえることを認識する。 部分的な遺伝子配列の一例は、GenBankアクセッション# NM_000379と記載されるヒト XDH 遺伝子配列である。 ヒト XDH 遺伝子 (NC_000002.10 ヌクレオチド 31410692-31491115)のゲノム配列には、さらに5' および 3' 非翻訳配列, イントロンなどが含まれる。 この情報を有するNational Centre for Biotechnology Information (NCBI)により運用されるGenBankなどの配列データベースは、係る情報を検索型式(retrievable format)で保存しており、公に利用可能である。 当業者は、本願の明細書等に記載される側面の特定の適用に適切な状況で係る情報にアクセスするために使用しえる様々な方法および道具を認識する。 配列番号1-20における多型部位は、これらのバリアントの命名〔即ち、M, W, Y, S, R, K, V, B, D, Hまたは欠失に関して「-」によって又は挿入に関して「+」または例えば「G」などによって〕により示される。 データベースにおけるSNPを指定する「rs」の接頭語は、NCBIのSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=Snp)に見つけられる。 「rs」番号は、NCBI | rsSNP ID formである。 上記の表 2 (配列番号1-20)の配列並びに表3A および 3Bに同定されるrs識別名との関連は、本願の明細書等に記載される多型性の同定のためのプライマー および プローブまたは他のオリゴヌクレオチドまたはPNAsの設計において当業者に有用だろう。 「対立遺伝子(allele)」は、所与の遺伝子の一または二以上の代替的な形態として規定される。 二倍体の細胞または生物体において、対立遺伝子のペア(即ち、所与の遺伝子の二つの対立遺伝子)のメンバーは、相同染色体のペアにおける対応するポジション(座位)を占め、これらの対立遺伝子が遺伝的に同一である場合、細胞または生物体は「ホモ接合性(homozygous)」であると言われるが、遺伝的に異なる細胞または生物体は「ヘテロ接合性(heterozygous)」であると言われる。 「遺伝子」は、特異的な機能的な産物をコード化する特定の染色体における特定のポジションに局在するヌクレオチドの整列した配列(ordered sequence)であり、コード領域に近接した非翻訳および非転写配列(コード配列に対して5'および3')を含んでもよい。 係る非コード配列は、配列の転写および翻訳に必要な制御配列またはイントロンなどが含まれてもよい或いは関心のあるSNPの出現をこえたそれらに起因する機能を今のところ有していなくてもよい。 「ゲノタイプ」は、通常は一つの遺伝子または少数の遺伝子または特定の状況で関連性のある遺伝子の領域に関する生物体の遺伝的な構成と規定される(即ち、特定の表現型の原因である遺伝的な座位)。 「表現型(phenotype)」は、生物体の観察可能な特性として規定される。 遺伝子関連試験において、所与の座位での遺伝的なモデルは、淘汰圧(即ち、環境), 集団試験,または結果因子(即ち、表現型)に依存して変化できる。 類似する観察は、ヘモグロビン(hemoblobin), ベータ遺伝子(HBB)での遺伝子関連研究において主な結果因子としての死亡率で認められるだろう。 通常ヘモグロビンのベータ鎖サブユニット(B対立遺伝子)を産生するHBB 遺伝子における変異によって、ヘモグロビン Sと称される異常なベータ鎖を生じる(S allele; Allison A (1955) Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 20:239-255)。 ヘモグロビン Sは、貧血および死亡を含む他の重大な合併症を導く異常な鎌型赤血球を生じる。 マラリアの非存在下で、HBB遺伝子での遺伝子関連研究は、共優性モデル (生存(BB) > 生存 (BS) > 生存 (SS))を示唆するだろう。 しかしながら、マラリアの存在下で、HBB遺伝子での遺伝子関連研究は、ヘテロ接合体優性モデル(生存(BB) < 生存(BS) > 生存(SS))を示唆するだろう。 「単一ヌクレオチド多型性」(SNP)は、対立形質配列間のバリエーション部位である単一ヌクレオチドで占められる多型部位で生じる。 通常、その部位は、対立遺伝子の高度に保存された配列(例えば、集団の1/100または1/1000 メンバー未満において変動する配列)によって先行される及びその配列が続く。 通常、SNPは、多型部位で一つのヌクレオチドが別のもので置換(substitution)されることが原因で生じる。 「トランジション(transition)」は、一つのプリンが別のプリンで又は一つのピリミジンが別のピリミジンで交換(replacement)されることである。 「トランスバージョン(transversion)」は、プリンのピリミジンでの交換又はその逆の交換である。 また、単一ヌクレオチド多型性は、参照する対立遺伝子に関するヌクレオチドの欠失(「-」または「del」によって表される)またはヌクレオチドの挿入(「+」または「ins」または「I」によって表される)から生じえる。 さらにまた、当業者は、所与の配列内の挿入または欠失が相対的なポジションを変化させることができ、それゆえその配列内の別の多型性のポジション数を変化させられることを認識するだろう。 さらにまた、挿入または欠失は幾つかの定義ではSNPとしての資格を与えられないが、所与のポジションで単一ヌクレオチドより多い欠失または挿入を含んでもよく、本願の明細書等に使用される係る多型性もSNPsと称される(それらは一般に所与の配列内の単一部位での挿入または欠失から生じるので)。 本願の明細書等に使用される「被験者(subject)」は、患者または試験される被験者(例えば、ヒト患者)を意味する。 被験者は、以前に新生物障害(neoplastic disorder)と診断されてもよい、または新生物障害を有していると疑われていてもよく、化学療法計画の候補者であってもよい。 被験者は、一般集団(例えば、「対照」被験者)の一部として選択されてもよい、または特定の民族, 性別, 年齢または集団の遺伝的なサブグループの一部として選択されてもよい、または特定の民族, 性別, 年齢または集団の遺伝的なサブグループの一部として排除されてもよい。 患者および試験被験者(対照であろうとなかろうと)は、一般に被験者と称されえる。 本願の明細書等に使用される「癌」または「新生物病状(neoplastic condition)」または「新生物障害(neoplastic disorder)」または「新生物疾患(neoplastic disease)」の用語は、正常な成長の制御への感受性を失っている細胞の増殖によって生じる又は特徴づけられる増殖性障害を意味する。 「癌」または「新生物病状」または「新生物障害」または「新生物疾患」は、腫瘍および任意の他の増殖性の障害を含んでもよい。 同じ組織型の癌は、通常同じ組織に由来し、生物学的特性に基づいて異なるサブタイプに分かれてもよい。 癌の四つの一般的なカテゴリーは、癌腫(上皮性の組織に由来), 肉腫(結合性の組織に由来または中胚葉に由来), 白血病(造血性の組織に由来)およびリンパ腫(リンパの組織に由来)である。 200以上の異なるタイプの癌が知られており、身体の各々全ての器官および組織が影響を受ける可能性がある。 癌の定義を限定しない癌の特定の例には、メラノーマ, 白血病, 星細胞腫, グリア芽細胞腫, 網膜芽細胞腫, リンパ腫, 神経膠腫, ホジキンリンパ腫および慢性リンパ球白血病(chronic lymphocyte leukemia)が含まれてもよい。 様々な癌によって影響を受ける可能性がある器官および組織の例には、膵臓, 乳房, 甲状腺, 卵巣, 子宮, 精巣, 前立腺, 甲状腺, 下垂体腺(pituitary gland), 副腎腺(adrenal gland), 腎臓, 胃, 食道または直腸, 頭部および首, 骨, 神経系, 皮膚, 血液, 鼻咽頭組織, 肺, 尿路, 頚部, 膣, 外分泌腺および内分泌腺が含まれる。 或いは、癌は、多原発性(multicentric)又は未知の原発部位(CUPS)のものであってもよい。 本願の明細書等に使用される「治療計画(therapeutic regimen)」は、化学療法計画または放射線療法、またはその組み合わせを意味する。 本願の明細書等に使用される「化学療法計画(chemotherapeutic regimen)」または「化学療法(chemotherapy)」は、癌性細胞(cancerous cells)を破壊する少なくとも一つの化学療法の薬剤の使用を意味する。 癌を治療するために利用可能な無数の係る化学療法が存在する。 化学療法剤は、被験者に単一の大量瞬時投与(single bolus dos)で投与しえる,または低い用量で時間を延長(over time)して投与しえる。 単一の化学療法剤を使用しえる(単独療法)または二以上の薬剤を組み合わせで使用しえる(併用療法)。 化学療法を単独で使用して、幾つかのタイプの癌を治療してもよい。 また、化学療法は、本願の明細書等に記載される放射線治療または代替療法(例えば、免疫療法)などの他のタイプの治療と組み合わせて使用してもよい。 さらに、化学療法増強剤(chemosensitizer)を、化学療法薬剤との併用療法として投与してもよい。 本願の明細書等に使用される「化学療法剤(chemotherapeutic agent)」または「化学療法薬剤(chemotherapeutic agent)」は、癌を治療するために使用しえる医薬を意味し、一般に癌性細胞を直接的に殺す能力を有する。 化学療法剤の例には、アルキル化剤, 抗代謝剤, 天然産物, ホルモンおよびアンタゴニスト, および種々(miscellaneous)の薬剤が含まれる。 代替的な名称の例は、括弧で指摘される。 アルキル化剤の例には、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン, シクロホスファミド, イホスファミド, メルファラン(L-サルコリシン)およびクロランブシル; エチレンイミンおよびメチルメラミン、例えば、ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ; スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン; ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン(BCNU), セムスチン(メチル-CCNU), ロムスチン (CCNU)およびストレプトゾシン (ストレプトゾトシン); DNA合成アンタゴニスト、例えば、リン酸エストラムスチン; およびトリアジン、例えば、ダカルバジン (DTIC, ジメチル-トリアゼノイミダゾールカルボキサミド)およびテモゾロマイド(temozolomide)が含まれる。 抗代謝剤の例には、葉酸アナログ、例えば、メトトレキセート (アメトプテリン); ピリミジンアナログ、例えば、フルオロウラシル(5-フルオロウラシル, 5-FU, 5FU), フロクシウリジン(フルオロデオキシウリジン, FUdR), シタラビン (シトシンアラビノシド)およびゲムシタビン; プリンアナログ、例えば、メルカプトプリン (6-メルカプトプリン, 6-MP), チオグアニン (6-チオグアニン, TG)およびペントスタチン (2'-デオキシコホルマイシン, デオキシコホルマイシン), クラドリビン(cladribine)およびフルダラビン;およびトポイソメラーゼ インヒビター、例えば、アムサクリンが含まれる。 天然産物の例には、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン (VLB)およびビンクリスチン; タキサン、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル (タキソテール); エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシドおよびテニポシド; カンプトセシン、例えば、トポテカン(topotecan)またはイリノテカン; 抗生物質、例えば、ダクチノマイシン (アクチノマイシンD), ブレオマイシン, マイトマイシン (マイトマイシン C); アントラサイクリン抗生物質、例えば、ダウノルビシン (ダウノマイシン, ルビドマイシン), ドキソルビシン, イダルビシン, エピルビシン; 酵素、例えば、L−アスパラギナーゼ;および生物学的応答モディファイアー(biological response modifiers)、例えば、インターフェロンアルファおよびインターロイキン2が含まれる。 ホルモンおよびアンタゴニストの例には、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト(luteinising releasing hormone agonists)、例えば、ブセレリン; 副腎皮質ステロイド、例えば、プレドニゾンおよび関連する調製物;プロゲスチン、例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート(hydroxyprogesterone caproate), メドロキシプロゲステロン アセテートおよびメゲストロール アセテート; エストロゲン、例えば、ジエチルスチルベストロール および エチニル エストラジオール および関連する調製物; エストロゲン アンタゴニスト、例えば、タモキシフェン およびアナストロゾール; アンドロゲン、例えば、テストステロン プロピオナートおよびフルオキシメステロンおよび関連する調製物; アンドロゲン アンタゴニスト、例えば、フルタミド およびビカルタミド; およびゴナドトロピン放出ホルモンアナログ、例えば、ロイプロリドが含まれる。 種々の薬剤の例には、サリドマイド; プラチナ配位複合体(platinum coordination complexes)、例えば、シスプラチン(シス-DDP), カルボプラチン, オキサリプラチン(oxaliplatin), テトラプラチン(tetraplatin), オルミプラチン(ormiplatin), イプロプラチンまたはサトラプラチン(satraplatin); アントラセンジオン(anthracenediones)、例えば、ミトキサントロン; 置換された尿素、例えば、ヒドロキシ尿素; メチルヒドラジン誘導体、例えば、プロカルバジン (N-メチルヒドラジン, MIH); 副腎皮質性の抑制剤、例えば、ミトタン (o,p'-DDD) および アミノグルテチミド; RXRアゴニスト、例えば、ベキサロテン(bexarotene);またはチロシンキナーゼ インヒビター、例えば、イマチニブが含まれる。 化学療法剤のこれらのおよび付加的な例の代替的な名称および商標の例、および投薬および投与の計画を含んでいるそれらの使用の方法は、個々の当業者に知られており、文献〔「The Pharmacological basis of therapeutics」, 10th edition. HARDMAN HG., LIMBIRD LE. editors. McGraw-Hill, New York,または「Clinical Oncology」, 3rd edition. Churchill Livingstone/ Elsevier Press, 2004. ABELOFF, MD. editor〕などにおいて見つけられる。 2. 一般的な方法一旦被験者がプラチナ配位化合物投与の候補として同定されたら、遺伝的な配列情報が被験者から得られて被験者の耳毒性のリスクを決定しえる。 或いは、遺伝的な配列情報は、既に被験者から得られていてもよい。 例えば、被験者は、既に他の目的のために提供していてもよい又はむしろ全体的または部分的に決定され、将来の使用のために貯蔵された遺伝的な配列を有していてもよい。 遺伝的な配列情報は、多数の異なる様式で得られてもよく、遺伝物質(特に, 配列または関心のある配列を含んでいる遺伝物質)を含有する生物学的サンプルのコレクションが関与してもよい。 生物学的サンプルを収集する及びこれらのサンプルから遺伝物質を抽出するための多くの方法は当該技術分野において既知である。 遺伝物質は、血液, 組織, 毛髪 および 他の 生物学的な物質から抽出できる。 DNA および RNAを生物学的な物質(biological material)から単離する既知の多くの方法が存在する。 典型的には、最初に生物学的サンプルを溶解し、次にDNAをライセートから様々な長さの時間がかかる可能性がある様々な複数の工程のプロトコールの任意の一つにしたがって分離され、DNAが生物学的サンプルから単離されてもよい。 DNA単離法に、フェノールの使用が関与してもよい〔Sambrook, J. et al., 「Molecular Cloning」, Vol. 2, pp. 9.14-9.23, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989) および Ausubel, Frederick M. et al., 「Current Protocols in Molecular Biology」, Vol. 1, pp. 2.2.1-2.4.5, John Wiley & Sons, Inc. (1994)〕。 典型的には、生物学的サンプルを洗剤(detergent solution)で溶解し、ライセートのタンパク質コンポーネントをプロテイナーゼで12-18 時間消化する。 次に、ライセートがフェノールで抽出されて、殆どの細胞成分を除去し、残っている水相をさらに処理してDNAを単離する。 Van Ness等(米国特許第5,130,423号)に記載される別の方法において、非腐食性のフェノール誘導体が核酸の単離に使用される。 生じた調製物は、RNA および DNAの混合物である。 DNA 単離のための他の方法は、非腐食性のカオトロピック剤を利用する。 グアニジン塩, 尿素およびヨウ化ナトリウムの使用に基づく方法は、カオトロピック水溶液中で生物学的サンプルの溶解を含み、引き続き低級アルコールで粗製のDNA分画を沈殿させる。 生じた核酸サンプルは、さらなる分析に現状のままで使用してもよい又はさらに精製されてもよい。 沈殿物のさらなる精製(粗製のDNA分画)は、カラム クロマトグラフィー (Analects, (1994) Vol 22, No. 4, Pharmacia Biotech),または粗製DNAをポリアニオン含有タンパク質へとKoller (米国特許第5,128,247号)に記載のとおり曝露することなどが含まれる幾つかの方法の任意の一つにより達成しえる。 DNA単離のなお別の方法〔Botwell, DDL(Botwell, DDL (Anal. Biochem. (1987) 162:463-465)に記載〕は、細胞を6M グアニジン塩酸中で溶解すること、DNAをライセートから酸性のpHで2.5容量のエタノールを添加して沈殿させること、およびDNAをエタノールで洗浄することが関与する。 RNA および DNAの両方を単離するための多数の他の方法が当該技術分野において既知であり、例えば、一つはCHOMCZYNSKI (米国特許第5,945,515号)により記載されており、これにより遺伝物質は効率的に僅か二十分間で抽出できる。 EVANS および HUGH (米国特許第5,989,431号)は、中空のメンブランフィルターを用いてDNAを単離するための方法を記載している。 特定の核酸(例えば、mRNAsまたはmicroRNAs)の発現のレベル, 遺伝子のコピー数,または多型性に関するヘテロ接合性(heterozygosity)の度合も、一旦核酸サンプルが得られたら決定されえる。 定量的および半定量的な方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、文献(AUSUBEL, supra; SAMBROOK, supra or Harrison's Principles of Internal Medicine 15th ed. BRAUNWALD et al eds. McGraw-Hill)に認められる。 一旦被験者の遺伝物質が被験者から得られたら、さらに逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法 (RT-PCR), ポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR), 転写介在増幅 (TMA;Transcription Mediated Amplification), リガーゼ連鎖反応 (LCR), 核酸配列ベース増幅 (NASBA;Nucleic Acid Sequence Based Amplification)または当該技術分野において既知の他の方法で増幅され、さらに分析されて関心のある配列における一または二以上の多型性または変異の存在または非存在が検出または決定される(但し、得られた遺伝物質は、関心のある配列を含有する)。 特に、本願の明細書等に記載される耳毒性関連遺伝子配列における多型性の存在または非存在の決定に関心があるだろう。 ヌクレオチド同一性,または一または二以上のSNP(s)(SNPタイピング)の存在の検出または決定は、当該技術分野において既知の幾つかの方法またはアッセイの何れか一つによって達成しえる。 多くのDNAタイピング法は、SNPsの検出の使用に有用である。 大多数のSNPゲノタイピングの反応またはアッセイは、四つの広範なグループ〔配列特異的なハイブリダイゼーション, プライマー伸長法, オリゴヌクレオチド ライゲーション および侵入切断(invasive cleavage)〕の一つに割当てられる。 さらに、各タイプの反応(例えば, 蛍光, ルミネセンス, 質量測定, 電気泳動法, など)の産物を分析する/検出するための多数の方法が存在する。 さらに、反応は、溶液中または固体の支持体(例えば、スライドガラス, チップ, ビーズ, など)で生じえる。 通常、配列特異的なハイブリダイゼーションには、一つのヌクレオチドポジションで異なる二つのDNA標的の間をハイブリダイゼーションで区別する能力のあるハイブリダイゼーションプローブが関与する。 通常、プローブはプローブ配列の中心ポジションに多型性の塩基で設計され、至適化されたアッセイ条件下で完全にマッチしたプローブ標的ハイブリッド(perfectly matched probe target hybrids)のみが安定し、一つの塩基ミスマッチを有するハイブリッドは不安定である。 検出および配列識別がカップルした戦略として「分子ビーコン」の使用があり、ハイブリダイゼーション プローブ(分子ビーコン)は3'および5'レポーターおよびクエンチャー分子および介在配列に対する適切な結合標的の非存在下でそのプローブがヘアピンループを形成するように相補的な3'および5'配列を有する。 ヘアピンループはレポーター および クエンチャーを近接して維持させ、フルオロフォア (レポーター)が消光し、蛍光放射が低下する。 しかしながら、分子ビーコンが標的とハイブリダイズする場合、フルオロフォア および クエンチャーが十分に分離されてフルオロフォアから放射される蛍光が許容される。 同様に、プライマー伸長反応(即ち、ミニシークエンシング, ヌクレオチド特異的な伸長,または単純なPCR増幅)は、配列識別反応に有用である。 例えば、ミニシークエンシングにおいて、プライマーはSNPの直ぐ上流の標的DNAにアニールし、多型部位に相補的な単一ヌクレオチドで伸長する。 そのヌクレオチドが相補的ではない場合、伸長は生じない。 オリゴヌクレオチド ライゲーション アッセイは、SNPごとに二つの配列特異的な プローブおよび一つの共通のライゲーションプローブを必要とする。 共通のライゲーションプローブは配列特異的なプローブに隣接してハイブリダイズし、適切な配列特異的なプローブが完全にマッチする場合にリガーゼは配列特異的な及び共通のプローブの両方が連結される。 完全なマッチ(perfect match)が存在しない場合、リガーゼは配列特異的な及び共通のプローブを連結できない。 ハイブリダイゼーションに使用されるプローブには、二本鎖DNA, 一本鎖DNAおよびRNAオリゴヌクレオチド, およびペプチド核酸を含ませることができる。 単一ヌクレオチド多型性または少数のヌクレオチドが関与する他の変異の同定のためのハイブリダイゼーション法は、米国特許第6,270,961; 6,025,136; および 6,872,530号に記載されている。 本発明による使用のために適切なハイブリダイゼーションプローブには、約 10 〜約 400 ヌクレオチド, 代わりに約 20 〜約 200 ヌクレオチド,または約 30 〜約 100 ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチド および PNAsが含まれる。 核酸を増幅するための単分子セグメント増幅法は、米国特許5854033号に記載されている。 ローリングサイクル複製レポーターシステム(rolling circle replication reporter system)を、多型性または変異(mutations)の同定に使用してもよい。 侵入切断法(invasive cleavage method)は、「Invader TM 」(アプライドバイオシステム)プローブおよび配列特異的プローブを用いて、標的核酸(通常DNA)と一つのヌクレオチドのオーバーラップとをハイブリダイズする。 配列特異的なプローブが多型性の部位と正確にマッチする場合、オーバーラップ プローブはフラップ エンドヌクレアーゼで特異的に切断される構造を形成する。 対立遺伝子特異的なプローブの5'末端の放出は、記載された既知の方法により検出しえる。 例えば、文献〔 Lu, M., et al. J. Am. Chem. Soc. 2001, 124, 7924 - 7931; Lyamichev, et al. 1999. Nature Biotech. 17, 292 - 296; Landegren et al. 1998. Genome Research, 8, 769 - 776; Brookes, 1999. Gene 234, 177 - 186; Chen, et al 2004. J. Am. Chem. Soc. 126, 3016-3017; Wang, DG, et al. Science 1998, 280, 1077 - 1082〕を参照されたい。 TaqMan TMアッセイ (アプライドバイオシステム)は、Taq ポリメラーゼの5' エキソヌクレアーゼ活性を活用して、蛍光シグナルを発生している標的核酸(通常はDNA)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド プローブを置き換える(displace)および切断する。 例えば、米国特許第4,683,202, 4,683,195, および4,965,188号を参照されたい。 5' エキソヌクレアーゼ活性またはTaqMan TMアッセイ(アプライドバイオシステム)は、蛍光シグナルを発生している標的DNAにハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド プローブを置き換える及び置換および切断するTaq ポリメラーゼの5' ヌクレアーゼ活性に基づいている。 多型部位が異なる二つのプローブを有することが必要とされる〔ここで、一つのプローブは、「正常(normal)」な配列と、他のプローブは関心のある変異と相補的である〕。 これらのプローブは5'末端に付着させた異なる蛍光色素および3'末端に付着させたクエンチャーを有し、そのプローブが相互作用する場合にクエンチャーがフルオロフォアと相互作用し、蛍光共鳴エネルギー移動によってプローブの蛍光が消光(quench)する。 PCRのアニーリング工程の間、ハイブリダイゼーション プローブは標的 DNAにハイブリダイズする。 伸長工程(extension step)において、5' 蛍光色素はTaq ポリメラーゼの5' ヌクレアーゼ活性で切断され、レポーター色素の蛍光の増加が導かれる。 ミスマッチしたプローブは、断片化なしで置き換わる。 サンプルにおける変異の存在は、二つの異なる色素のシグナル強度を測定することによって決定される。 Illumina Golden Gate TMアッセイは、オリゴヌクレオチド ライゲーション アッセイ/対立遺伝子特異的なハイブリダイゼーションアプローチの組み合わせを使用する(SHEN R et al Mutat Res 2005 573:70-82)。 第一系列の工程には、三つのオリゴヌクレオチドの特異的な標的SNPsのセットへのハイブリダイゼーションが含まれる;これらの二つは、蛍光標識した対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASOs;allele-specific oligonucleotides)およびASOsの1-20 bp 下流に結合している第三の座位特異的オリゴヌクレオチド(LSO;locus-specific oligonucleotide)である。 第二系列の工程には、標的 SNPで対立遺伝子と特異的にマッチするオリゴヌクレオチドのみを伸長する高い 3' 特異性を有する厳密なポリメラーゼの使用が含まれる。 そのポリメラーゼは、それがLSOに達するまで伸長する。 座位特異性(Locus-specificity)は、伸長が進行するためにASO および LSOの両方のハイブリダイゼーションを必要とすることで保証される。 ユニバーサルプライマーでのPCR増幅後、これらの対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの伸長産物は、各LSOに埋め込まれたアドレスにマッチする複数の別々にタグ化したアドレス(このケースでは、1536アドレス)を有するアレイにハイブリダイズする。 各ハイブリダイゼーション産物によって産生された蛍光シグナルがビーズアレイリーダーで検出され、ゲノタイプが各SNP座位で確認されえる。 配列の識別(discrimination)および検出のための多数の他の方法が当該技術分野において知られていることが理解されるだろう、その幾つかはさらに以下で詳細に記載される。 また、アレイ化したプライマー伸長ミニシークエンシング(arrayed primer extension mini sequencing), タグマイクロアレイ(tag microarrays)および配列特異的伸長(sequence-specific extension)などの反応がマイクロアレイで行えることが理解されるだろう。 このようなアレイベースのゲノタイピングプラットホームの一つは、クロスフェアベース tag-it ハイスループット ゲノタイピングアレイ〔BORTOLIN S. et al. Clinical Chemistry (2004) 50(11): 2028-36〕である。 この方法は、ゲノムDNAをPCRで、次に普遍的にタグ化(universally tagged)したゲノタイピングプライマーでの配列特異的なプライマー伸長で増幅する。 産物は、Tag-Itアレイで選別され、Luminex xMAPシステムを用いて検出される。 変異検出法には、以下のものが含まれえるが、これらに限定されない: 制限断片長多型(RFLP)戦略 ― RFLPゲルベースの分析を使用して、遺伝子内の多型部位での特定の変異の存在または非存在を指摘できる。 手短に言えば、DNAの短いセグメント(典型的には、数百塩基対)が、PCRで増幅される。 一つの多型性が存在する場合、短いDNAセグメントを切断するが、多型性が存在しない場合、短いDNAセグメントを切断しない(又はその逆もまた同じ)特異的な制限酵素が選択される(可能な場合)。 PCR増幅したDNAがこの制限酵素でインキュベーションされた後、反応産物はゲル電気泳動で分離される。 ゲルが二つの低分子量のバンド(低分子量の分子は、電気泳動法の間にゲルのより下方に移動する)の出現を検査した場合、DNAサンプルが多型性を有することが示され、特異的な制限酵素での切断が許可されることが提示される。 対照的に、一つの高分子量バンドのみが(PCR産物の分子量で)観察される場合、元のDNAサンプルは選択された制限酵素により切断できない多型性を有する。 最終的に、高分子量バンドおよび二つの低分子量バンドの両方が視認される場合、DNAサンプルが両方の多型性を含有する。 従って、そのDNAサンプル(および拡大解釈してDNAサンプルを提供している被験者)は、この多型性に関してヘテロ接合性であった; 例えば、シークエンシングに関して、マクサム-ギルバート技術〔MAXAM AM. and GILBERT W. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1977) 74(4):560-564〕には、末端が標識されたDNAの特異的な化学的切断が関与する。 この技術において、同じ標識したDNAの四つのサンプルは各々が異なる化学反応に供試されて、特定の塩基のアイデンティティーの一または二つのヌクレオチドでDNA分子の優先的な切断をうける。 部分的な切断のみを得るために条件が調整され、DNA断片は各サンプルで生じ、その長さは係る切断に供試されるヌクレオチド(s)のDNA塩基配列内のポジションに依存する。 部分的な切断が行われた後、各サンプルは異なる長さのDNA断片を含有し、その各々は四つのヌクレオチドのうちの同じ一または二のヌクレオチドで終わる。 一つのサンプルで各断片はCで終わり、もう一つのサンプルで各断片はCまたはTで終わり、第三のサンプルで各々はGで終わり、第四のサンプルで各々はAまたはGで終わる。 これらの四反応の産物がサイズによりポリアクリルアミドゲルでの電気泳動法で分離される場合、DNA配列は放射性バンドのパターンから読むことができる。 この技術によって、標識ポイントから少なくとも 100塩基のシークエンシングが許容される。 別の方法はシークエンシングのジデオキシ法であり、SANGER等〔SANGER et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1977) 74(12):5463-5467〕により公開された。 サンガー法は、様々な長さの配列依存的な断片を合成するDNAポリメラーゼの酵素活性に依存している。 断片の長さは、ジデオキシヌクレオチド塩基特異的ターミネーターのランダムな取り込みによって決定される。 これらの断片を、次にマクサムギルバートの手順でゲルで分離し、視覚化し、配列を決定できる。 多くの改善がなされて、上記の方法が改良され、シークエンシング手順が自動化された。 同様に、RNA シークエンシング法も知られている。 例えば、逆転写酵素とジデオキシヌクレオチドを使用して脳心筋炎 ウイルス RNAをシークエンスした〔ZIMMERN D. and KAESBERG P. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1978) 75(9):4257-4261〕。 MILLS DR.およびKRAMER FR. (MILLS DR. and KRAMER FR. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1979) 76(5):2232-2235)は、連鎖停止機構(chain-termination mechanism)でRNAをシークエンシングするためのQβレプリカーゼ および the ヌクレオチド アナログ イノシンの使用を記載している。 RNAをシークエンシングするための直接の化学的な方法も知られている〔PEATTIE DA. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1979) 76(4):1760-1764〕。 他の方法には、文献〔Donis-Keller et al. (1977, Nucl. Acids Res. 4:2527-2538), SIMONCSITS A. et al. (Nature (1977) 269(5631):833-836), AXELROD VD. et al. (Nucl. Acids Res.(1978) 5(10):3549-3563), およびKRAMER FR. and MILLS DR.(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1978) 75(11):5334-5338)〕に記載のものが含まれる。 核酸配列を単一ヌクレオチドが蛍光増強マトリックスに含有される間に切断されたヌクレオチドの自然蛍光(natural fluoresce)をレーザーで刺激することによって読むことができる(米国特許第5,674,743号); ミニシークエンシング反応において、SNPに隣接する標的DNAにアニールするプライマーは多型部位に相補的な単一ヌクレオチドでDNAポリメラーゼによって伸長する。 この方法は、DNAポリメラーゼによって取り込まれるヌクレオチドの高い正確性に基づいている。 プライマー伸長産物を分析するための異なる技術が存在する。 例えば、ミニシークエンシング反応における標識または非標識ヌクレオチド, ddNTPとdNTPの組み合わせ又はddNTPのみの使用は、産物を検出するため選択される方法に依存する; ハイブリダイゼーションに使用されるプローブには、二本鎖DNA, 一本鎖DNAおよびRNAオリゴヌクレオチド, およびペプチド核酸を含ませることができる。 単一ヌクレオチド多型性または少数のヌクレオチドが関与する他の変異の同定のためのハイブリダイゼーション法は、米国特許第6,270,961; 6,025,136; および 6,872,530号に記載されている。 本発明による使用のために適切なハイブリダイゼーションプローブには、約 10 〜約 400 ヌクレオチド, 代わりに約 20 〜約 200 ヌクレオチド,または約 30 〜約 100 ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチド および PNAsが含まれる。 蛍光偏向検出法(TDI-FP)での鋳型定方向色素ターミネーター(template-directed dye-terminator)の取り込みは、FREEMAN BD.等〔FREEMAN BD. et al. (J Mol Diagnostics (2002) 4(4):209-215)〕により大規模スクリーニングに関して記載された。 オリゴヌクレオチド ライゲーション アッセイ (OLA)は、プローブのライゲーションおよび酵素免疫測定法で検出されるポリメラーゼ連鎖反応の単位複製配列鎖(amplicon strand)にアニールする検出オリゴヌクレオチドに基づく〔VILLAHERMOSA ML. J Hum Virol (2001) 4(5):238-48; ROMPPANEN EL. Scand J Clin Lab Invest (2001) 61(2):123-9; IANN一つのMA. et al. Cytometry (2000) 39(2):131-40〕; また、ライゲーションローリングサイクル増幅(L-RCA)は、QI X.等〔QI X. et al. Nucleic Acids Res (2001) 29(22):E116〕に記載のように単一ヌクレオチド多型性をゲノタイピングするために使用された; 5' ヌクレアーゼ アッセイも、単一ヌクレオチド多型性をゲノタイピングするために使用された〔AYDIN A. et al. Biotechniques (2001) (4):920-2, 924, 926-8.〕; ポリメラーゼ校正法は、WO 0181631に記載とおりSNPsの同一性を決定するために使用された; 一塩基対のDNA変異の酵素増幅電気伝達による検出は、PATOLSKY F等〔PATOLSKY F et al. Nat Biotech. (2001) 19(3):253-257〕に記載された; 遺伝子チップまたはマイクロアレイ技術はSNP 識別に関しても知られており、多数の多型性が同時に単一アレイで試験される〔例えば: EP 1120646; および GILLES PN. et al. Nat. Biotechnology (1999) 17(4):365-70〕; マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間 (MALDI-TOF)質量分析は、マイクロシークエンシング産物の分析をとおした単一ヌクレオチド多型性のゲノタイピングに有用である〔HAFF LA. and SMIRNOV IP. Nucleic Acids Res. (1997) 25(18):3749-50; HAFF LA. and SMIRNOV IP. Genome Res. (1997) 7:378-388; SUN X. et al. Nucleic Acids Res. (2000) 28 e68; BRAUN A. et al. Clin. Chem. (1997) 43:1151-1158; LITTLE DP. et al. Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem. (1997) 35:545-548; FEI Z. et al. Nucleic Acids Res. (2000) 26:2827-2828; および BLONDAL T. et al. Nucleic Acids Res. (2003) 31(24):e155〕。 配列特異的なPCR法も、単一ヌクレオチド多型性をゲノタイピングするために使用された〔HAWKINS JR. et al. Hum Mutat (2002) 19(5):543-553〕。 また、一本鎖コンフォメーション多型分析(SSCP)アッセイまたはCleavase断片長多型(CFLP)アッセイを使用して、本願の明細書等に記載される変異を検出しえる。 US7074597は、固相捕獲ジデオキシヌクレオチド(solid phase capturable dideoxynucleotides)および質量分析を用いた複合的なゲノタイピングに関する方法を記載する。 ヌクレオチド同一性は、DNAプライマー複合体を標識ジデオキシヌクレオチド(ddNTPs)と接触させて標識一塩基伸長(SBE)プライマーを産生することで核酸サンプルの特異的な部位で検出された。 同定するddNTPは、SBEプライマー内であってもよい。 PCR増幅産物の複合的な分析を使用して、特異的なSNPsを検出しえる。 フルオロフォアを5'末端に含んでいるレポートDNA配列を使用して、複合的なPCR増幅反応とミクロスフェアベースのハイブリダイゼーションを組み合わせことができる(US 7,083,951)。 他の複合的な検出法には、BeadArray TMおよび類似するハイブリダイゼーションベースの方法(例えば、米国特許第6,429,027, 6,396,995, 6,355,431号に記載のもの)が含まれる。 オリゴヌクレオチドのマイクロアレイまたは「遺伝子チップ」を、SNP 識別に使用しえる。 オリゴヌクレオチドは、核酸または修飾核酸であってもよく、PNAsが含まれる、また固形のマトリックス、例えば、ガラスまたはプラスチックスライドなどにスポットされてもよい。 また、オリゴヌクレオチドは、スライド上でインサイチューで合成されてもよい。 例えば, GAO等(GAO et al 2004. Biopolymers 73:579-596); US 5,445,934; US5,744,305, US5,800,992, US5,796,715を参照されたい。 また、被験者の配列データが既に知られている場合、取得することには被験者の核酸配列データ(例えば、データベースから)の検索が含まれてもよく、一または二以上の多型部位で被験者の核酸配列を読むことによる多型部位での核酸またはゲノタイプの同一性を検出すること及び決定することが続いてもよい。 一旦多型性(s)の同一性が決定又は検出されると、プラチナ配位化合物投与につづく被験者の耳毒性のリスクに関して指標が得られる。 プラチナ配位化合物投与につづく被験者の耳毒性のリスクを予測するための方法は、プラチナ配位化合物(s)の投与の判断に有用であろう。 治 療プラチナ配位化合物化合物(例えば、ドキソルビシン)を使用して、子供および成人における様々な癌を治療しえる。 所与の治療計画において、プラチナ配位化合物を、癌のタイプ, 被験者の年齢, 被験者の健康, 体重などに応じて、単独または他の化学療法剤と併用して様々な用量および組成で投与してもよい。 用量の選択, 化学療法剤または組み合わせ, 投与の方法などは、当業者に理解される。 さらに、治療および副作用への応答を評価する方法も知られている。 例えば、耳毒性を経験していることが疑われる被験者における聴覚損失は、当該技術分野において既知の様々な聴能学の評価(病歴, 伝導試験, 語音聴力検査を含む)に使用される方法、又は被験者の年齢および状態に応じた他の方法によって評価しえる。 例えば、Brock's 判定基準(BROCK et al 1991. Med Pediatr Oncol 19:295-300)を、子供のプラチナ配位化合物と関連した高周波の聴覚損失のスコアリングに使用することは特に適切であろう。 治療計画への応答は、モニターされてもよい。 腫瘍の病期分類によって、治療措置への応答において腫瘍のサイズ および 伝播を評価する方法が提供される。 TNM腫瘍病期分類システムは三つの要素を使用して疾患の解剖的な程度を表す: Tは腫瘍伝播(サイズ)の局所性の程度の測定値である、Nは領域リンパ節(regional lymph nodes)への転移性の伝播の存在または非存在を示す、およびMは遠い部位への転移性の伝播の存在または非存在を特定する。 これらの分類の組み合わせで病期分類(stage grouping)が提供される。 臨床TNM(cTNM)によって、臨床の証拠に基づき腫瘍が規定される。 病的なTNM (pTNM)によって、外科的に切除した検体の検査に基づき腫瘍が規定される。 腫瘍サイズの変化は、腫瘍の治療および診断の分野における内科医または外科医に既知の様々なイメージング法によって観察されえる。 イメージング法の例には、ポジトロン放出断層撮影 (PET) スキャニング, コンピュータ断層撮影法 (CT) スキャニング, PET/CT スキャニング, 磁気共鳴映像法 (MRI), 化学シフト イメージング, ラジオグラフィ(radiography), 骨スキャン(bone-scan), マンモグラフィー(mammography), 光ファイバーの結腸鏡検査または超音波が含まれる。 造影剤(Contrast agents), トレーサーおよび他の特殊な技術を用いて、特定のタイプの癌,または特定の器官または組織に関してイメージをえることができ、これらは当業者に既知である。 転移の割合における変化も、特に原発部位から遠位の腫瘍の出現または出現の頻度を考慮して、様々なイメージング法で観察されえる。 また、原発腫瘍部位に隣接および遠位のリンパ節における腫瘍細胞の存在も検出でき、転移をモニターするために使用できる。 被験者は、プラチナ配位化合物が関与している治療計画を経験する前に耳毒性関連の多型性に関して試験されてもよい。 被験者のゲノタイプに耳毒性関連の多型性またはリスク多型性が含まれる場合、これによって被験者が耳毒性のリスクがあることを示すことが可能である。 また、耳毒性のリスクがある被験者は、プラチナ配位化合物が関与する治療計画を投与され、記載のとおり聴力をモニターされてもよい。 聴力の減退が同定される場合、治療計画が変更されて、その治療計画においてプラチナ配位化合物の用量が減少する、プラチナ配位化合物の用量が除かれる、または第二の化学療法剤の用量が増加される。 治療計画においてプラチナ配位化合物との併用に使用されえる化学療法剤の例には、例えば, エトポシド, ビンクリスチン, パクリタキセル, ドセタキセル, 5-FU, ビンブラスチン, ドキソルビシン, シクロホスファミド, ブレオマイシン, アクチノマイシンD, メトトレキセート, タモキシフェン, ヘキサメチルメラミン, ビノレルビン, イホスファミドなどが含まれる。 また、耳毒性のリスクがある被験者は、プラチナ配位化合物が関与する治療計画を投与され、本願の明細書等に記載のとおり聴力をモニターされてもよい。 治療計画には、キサンチンデヒドロゲナーゼインヒビターが補充されてもよい。 キサンチンデヒドロゲナーゼインヒビターの例には、アロプリノールが含まれる。 代わりに、ホスホマイシンが、プラチナ含有抗腫瘍剤の耳毒性を減弱することが知られており、プラチナ配位化合物とと併用して投与しえる。 また、耳毒性のリスクがある被験者は、プラチナ配位化合物が関与しない治療計画を投与され、記載のとおり聴力をモニターされてもよい。 遺伝子多数の遺伝子がADME(吸収, 分布, 代謝 および 排泄)に関与していることが知られており、例えば、ABCB4, ABCC3, ABCC5, COMT, CYP1B1, CYP2E11, CYP4F11, IAPP, MTHFR, NR3C1, SLC15A2, SLCO1A2, SLCO1B1, UGT1A(x) およびXDHである。 ヒトおよび他のモデル種の双方における、これらの遺伝子および関連する遺伝子の配列, 発現パターン, 分子生物学などに関する詳細な情報が、知られており、例えば、Entrez Gene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)及びそこでの参照に認められるだろう。 ATP-結合 カセット, サブファミリ B (MDR/TAP) メンバー 4 [ヒト] (ABCB4) (別の呼称および略語にはATP-結合カセット, サブファミリー B, メンバー 4; P糖タンパク質 3/多剤耐性3; P-糖タンパク質-3/多剤耐性-3; 多剤耐性タンパク質 3; 多剤耐性3; ABC21; MDR2/3; MDR3; PFIC-3; PGY3が含まれる)は、染色体7q21.1(Build 36.1のおよそヌクレオチド 86869297-86947684)にマップされる。 ABCB4を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_018850, NM_018849, NM_000433, Z35284, M23234, BC020618に見つけられるものが含まれる。 ABCB4は、ATP-結合カセットトランスポーターのスーパーファミリーにおける膜結合タンパク質である。 ABCB4はMDR/TAPサブファミリーの一部であり、多剤耐性と同様に抗原提示に関与しえる。 ATP-結合カセット, サブファミリ C (CFTR/MRP), メンバー 3 [ヒト] (ABCC3) (別の呼称および略語にはATP-結合 カセット, サブファミリ C, メンバー 3; カニキュラー多重特異性有機アニオントランスポーター(canicular multispecific organic anion transporter); 多剤耐性関連タンパク質; ABC31; MLP2; MOAT-D; MRP3; cMOAT2が含まれる)は、染色体17q22(Build 36.1のおよそヌクレオチド 45979561-46185071)にマップされる。 ABCC3を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_003786, Y17151, BC104952, BC050370, AF154001に見つけられるものが含まれる。 ABCC3は、ATP-結合カセットトランスポーターのスーパーファミリーのメンバーである。 ABCC3は、MRP サブファミリーのメンバーであり、多剤耐性に関与しえる。 ATP-結合カセット, サブファミリ C (CFTR/MRP), メンバー 5 [ヒト] (ABCC5) (別の呼称および略語にはATP-結合 カセット, サブファミリ C, メンバー 5; カナリキュラー多重特異性有機アニオントランスポーターC(canalicular multispecific organic anion transporter C); MOAT-C; MOATC; MRP5; SMRP; pABC11が含まれる)は、染色体3q27(Build 36.1のおよそヌクレオチド 185120416-185218421)にマップされる。 ABCC5を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_005688, NM_001023587, U83661, BC050744, AF104942に見つけられるものが含まれる。 ABCC5は、ATP-結合カセットトランスポーターのスーパーファミリーのメンバーである。 ABCC5は、MRP サブファミリーのメンバーであり、多剤耐性に関与しえる。 チトクロム P450, ファミリー 1, サブファミリー B, ポリペプチド 1 [ヒト] (CYP1B1) (別の呼称および略語にはアリール 炭化水素 ヒドロキシラーゼ; チトクロム P450, サブファミリー I (ダイオキシン-誘導性), ポリペプチド 1 (緑内障 3, 主に乳児性); フラボタンパク質-関連モノオキシゲナーゼ; ミクロソームのモノオキシゲナーゼ; 生体異物 モノオキシゲナーゼ; CP1B; GLC3Aが含まれる)は、染色体 2p21 (Build 36.1のおよそヌクレオチド 38148250-38156796)にマップされる。 CYP1B1を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_000104, U03688, BT020001, BC12049に見つけられるものが含まれる。 CYP1B1は、酵素のチトクロム P450 スーパーファミリーのメンバーをコードする。 CYB1B1は、小胞体に局在する酵素をコードし、多環式の芳香族炭化水素および幾つかのステロールなどの前発癌物質を代謝する。 . チトクロム P450, ファミリー 2, サブファミリー E, ポリペプチド 1 [ヒト] (CYP2E1) (別の呼称および略語にはP450 2E1; チトクロム P450, サブファミリー IIE (エタノール誘導性), チトクロム P450, サブファミリー IIE (エタノール誘導性), ポリペプチド 1; フラボタンパク質-関連モノオキシゲナーゼ; ミクロソームのモノオキシゲナーゼ; 推定上のチトクロム P450 2E1; 生体異物 モノオキシゲナーゼ; CPE1; CYP2E; P450-J; P450C2Eが含まれる)は、染色体10q24.3-qter (Build 36.1のおよそヌクレオチド 135190857-135202610)にマップされる。 CYP2E1を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_000773, S77873, DQ149222, BC067435, AJ853939に見つけられるものが含まれる。 CYP2E1は、酵素のチトクロム P450 サブファミリーのメンバーをコードする。 CYP2E1は、小胞体に局在し、エタノール, 糖尿病状態および飢餓によって誘導される。 CYP2E1は、糖新生, 肝硬変, 糖尿病 および 癌を含んでいる代謝および疾患のプロセスに関与しえる。 チトクロム P450, ファミリー 4, サブファミリー F, ポリペプチド 11 [ヒト] (CYP4F11) (別の呼称および略語にはチトクロム P450, サブファミリー IVF, ポリペプチド 11が含まれる)は、染色体 19p13.1 (Build 36.1のおよそヌクレオチド 15874133-15970837)にマップされる。 CYP4F11を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM021187, BC016853, AF236085に見つけられるものが含まれる。 CYP4F11は、酵素のチトクロム P450 スーパーファミリーのメンバーをコードする。 CYP4F11によりコード化されたタンパク質の特定の機能は決定されていないが、関連する酵素 CYP4F2 および CYP4F3はロイコトリエンのカタボリズムに関与する。 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ (NADPH) [ヒト] (MTHFR) (別の呼称にはメチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ; メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ 中間形態が含まれる)は、染色体 1p36.3 (Build 36.1のおよそヌクレオチド 11768374-11788702)にマップされる。 .MTHFRを含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_005957, BC053509, AY046565に見つけられるものが含まれる。 MTHFRは、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸の5-メチルテトラヒドロ葉酸(THF)への転換を触媒する。 核内受容体サブファミリー 3, グループ C, メンバー 1 (糖質コルチコイド受容体) [ヒト] (NR3C1) (別の呼称および略語には糖質コルチコイド受容体; 核内受容体サブファミリー 3, グループ C, メンバー 1; GCCR; GCR/GR, GRLが含まれる)は、染色体 5q31.3 (Build 36.1のおよそヌクレオチド 142637689-142795270)にマップされる。 .NR3C1を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_001018077, 001018074, NM_001018075, NM_001018076, NM_001024094, NM_000176, NM_001020825に見つけられるものが含まれる。 NR3C1は、糖質コルチコイドの受容体であり、転写制御因子として及び他の転写制御因子の制御因子として作用する。 NR3C1は、リガンドが結合するまで細胞質にある(核に輸送される)。 オルターナティブスプライシング, 複数のプロモーターおよび転写開始部位によって、幾つかのバリアントアイソフォームを産生する。 溶質輸送体ファミリー 15 (H=/ペプチド 輸送体), メンバー 2 [ヒト] (SLC15A2) (別の呼称および略語にはPEPT2が含まれる)は、染色体 3q13.33 (Build 36.1のおよそヌクレオチド 123095977-123143148)にマップされる。 SLC15A2を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_021082, S78203, BC044572に見つけられるものが含まれる。 SLC15A2は、腎臓の細管濾過からの小さいペプチド類, ベータ-ラクタム抗生物質および他のペプチド様薬物の吸収に関与するプロトンカップルペプチド輸送体である。 溶質輸送体 有機アニオントランスポーター ファミリー, メンバー 1A2 [ヒト] (SLCO1A2) (別の呼称および略語には有機アニオントランスポーティング ポリペプチド A; ナトリウム-非依存性有機アニオントランスポーター; 溶質輸送体ファミリー 21 (有機アニオントランスポーター), メンバー 3; OATP; OATP-A; OATP1A2; SLC21A3が含まれる)は、染色体 12p12(Build 36.1のおよそヌクレオチド 21313094-21439874)にマップされる。 SLCO1A2を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_134431, NM_021094, NM_005075, AF085224, AF279784, BC042452, U21943に見つけられるものが含まれる。 SLCO1A2は、肝臓における有機イオンの細胞への取り込みを媒介するナトリウム非依存性輸送体をコードする。 基質には、胆汁酸および幾つかのステロイド化合物が含まれる。 遺伝子のオルターナティブスプライシングによって、二つの異なるアイソフォームをコード化している少なくとも3の転写物バリアントが産生される。 膵島アミロイド ポリペプチド [ヒト] (IAPP) (別の呼称および略語には膵島アミロイド ポリペプチド; 糖尿病関連ペプチド; アミリン; アミリン; DAP; IAPが含まれる)は、染色体 12p12.3-p12.1(Build 36.1のおよそヌクレオチド 21417085-21423683)にマップされる。 IAPPを含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_000415, X14905, J04422, DQ516082, BC111849に見つけられるものが含まれる。 IAPPは、II型糖尿病または膵島細胞腺腫を有している被験者の膵島細胞に見つけられる。 溶質輸送体 有機アニオントランスポーター ファミリー, メンバー 1B1 [ヒト] (SLCO1B1) (別の呼称および略語には溶質輸送体ファミリー21 (有機アニオントランスポーター, メンバー 6; SLC21A6; OATP6が含まれる)は、染色体 2p(Build 36.1のおよそヌクレオチド 20739666-21545796)にマップされる。SLCO1B1を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_006446 およびAF205071.1に見つけられるものが含まれる。SLCO1B1は、肝臓による内在性および生体異物の物質の血液からの除去に関与するトランスポーターをコードする。 ウリジン二リン酸(UDP) グルクロノシルトランスフェラーゼ 1 [ヒト] 〔別の呼称および略語にはUDP グルクロノシルトランスフェラーゼ 1; UDP グルクロノシルトランスフェラーゼ 1 ファミリー; UGT1A(x)(ここでxは1-13の数である)が含まれる〕は、幾つかのUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼをコードする。 遺伝子座位は、染色体 2q37(Build 36.1のおよそヌクレオチド 32902-188563)にマップされる。 UGT1A(x)を含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_000463, NM_019093, NM_007120, NM_019078, NM_205862, NM_001072, NM_019077, NM_019076, NM_021027, および NM_019075に見つけられるものが含まれる。 その座位は、13の代替的(alternate)な第一エクソンを有し、そのうちの4つは偽遺伝子であると考えられ、次に4つの共通エクソンがつづく。 9の第一エクソンは四つの共通エクソンにスプライスされ、ユニークなN-末端および共通のC-末端を有している9つの異なるポリペプチドをコード化している9つの転写物を生じる可能性がある。 9つの転写物には、UGT1A1, UGT1A3, UGT1A4, UGT1A5, UGT1A6, UGT1A7, UGT1A8, UGT1A9 および UGT1A10が含まれる。 UGT1A1および関連転写物は、小さい親油性分子(例えば、ステロイド, ビリルビン, ホルモン, 薬物など)の水溶性で排出可能な代謝物へのトランスフォーメーションに関与する酵素をコード化する。 キサンチンデヒドロゲナーゼ [ヒト] (XDH) (別の呼称および略語にはXO; XOR; キサンテンデヒドロゲナーゼ; キサンチン酸化酵素; キサンチンオキシドレダクターゼが含まれる)は、染色体 2p23.1(Build 36.1のおよそヌクレオチド 31410692-31491115)にマップされる。 XDHを含んでいる核酸配列の例には、GenBankのアクセッション番号 NM_000379.3, DQ089481, chromosome 2 NC_000002 (nt 31410692-31491115), U06117, U39487に見つけられるものが含まれる。 XDH遺伝子は、36のエキソンを含有し、少なくとも 60 kbにわたる。 エキソンのサイズは53〜279 bpの範囲であり、イントロンのサイズは0.2〜8 kb以上の範囲である。 XDHは、プリンの酸化的代謝に関与し、ホモ二量体として活性である。 方 法患者の募集およびサンプルの収集 GATC ADR サーベイランスネットワークは、カナダ中の全てのカナダの子供の約 75%を担当している主要な教育研究病院10人のフルタイムの監視者(surveillors)からなる(即ち、IWK Grace Health Centre, Halifax NS; Montreal Children's Hospital, Montreal QC; Children's Hospital of Eastern Ontario, Ottawa ON; The Hospital for Sick Children, Toronto ON; Children's Hospital of Western Ontario, London Health Sciences Centre, London ON; Winnipeg Children's Hospital, Winnipeg MB and Alberta Children's Hospital, Calgary AB)。 3人の臨床医のコアグループは、ブリティッシュコロンビアの子供および女性健康センター(C&W)に配置される。 10人の臨床監視者は、入院患者病棟, 救急部門, 小児科癌病棟, および移動クリニックから患者をみつけ、勧誘した。 生物学的サンプル(血液, 唾液, 頬スワブ)を、二群の患者から収集した: (1) 有害な薬物反応(ADR)の患者(この群の患者は、GATCの病院の薬剤師によって同定された重篤なまたは生命を危うくする有害なADRを経験している);(2) 薬物適合性(drug-matched)の対照患者(この群の患者は、標的の薬を受け取るが、GATCの病院の薬剤師が募ったADRを経験しない)。 可能な場合、サンプルは、ADR患者と同じ時間に収集される。 各同定されたADRのケースに関して、臨床医は患者/保護者が研究についての情報とともに提供される電子的なADR報告を行い、サンプルおよびデータの収集〔BC 患者に関する個人の保険番号(PHN;Personal Health Number)を含んでいる〕に関する患者/親の同意が得られる。 対照患者は、ADR 患者に関して概要が取り決められた方法を用いて、同じ人口統計の情報(年齢, 性および民族性)および患者の薬物療法の情報を用いて募集された。 臨床サーベイランスの個人訓練サーベイランス訓練には、ADRの同定, 報告, 患者の登録, 倫理的な事項, インフォームドコンセントの取得, 施設での計画の告知, 施設における他の保健医療の専門家との連携およびデータ伝達が含まれる。 訓練は、大抵は電話およびカンファレンスへ召集して提供される。 各監視者および機関の調査員(site investigator)は、処置およびプロトコールの概要を記載した65頁のGATCの訓練および参照マニュアルを提供される〔プロジェクトの宣伝, 血液採取のための地域の研究室のセットアップ, DNA サンプルの要求性および安定性, DNAサンプル採集の指示(血液, 頬スワブ, および唾液カップ), 運搬の指示, ADR データベースへのデータエントリーの指示, 標的薬のリスト(target drug lists), およびADRsの被験者における広範な参照リスト, 薬理ゲノミクス, およびADRサーベイランス〕。 ADR サーベイランスの臨床医には、GATCインデックスサーベイランス機関としてのBCの子供および女性健康センターを設立した際に作られた文書に関するテンプレートファイルも提供された。 倫理的な承認倫理的な承認を、University of British Columbiaの臨床研究倫理委員会、子供および女性健康センターのBC倫理委員会、同様に各臨床サーベイランスサイトの地域の治験審査委員会 (IRB)から得た。 臨床のADRデータベース GATCチームは、人口統計および臨床の情報を収集するためにカスタムファイルメーカー(Santa Clara, CA USA)-ベースのADR データベースを開発した。 これは安全でパスワード保護されたデータベースであり、カナダ中で全ての地理的に隔たったサーベイランスサイトからアクセスできる。 ADRデータベースは関連性のある臨床情報を集めており、これには患者, ADRs, 疑われる薬物, 同時の薬物療法, 過去および現在の医学的な状態, 民族性(ethnicity), 同様に他の関連性のある患者の医学的な情報に関する情報がある。 生物学的サンプルの輸送 GATCの監視者は、各ADRケースおよび対照から5 mlの全血,または2 mlの唾液,または2つの頬スワブを採取した。 各サンプルは、ユニークなGATC IDナンバーで同定された。 血液を、各機関で標準的に採血処理した後にK2 EDTAチュウブに採取した;サンプルを4℃で保存した。 唾液を、製造者のプロトコールにしたがってOragene TMキット(DNA Genotek)を用いて採取した;サンプルを室温で保存した。 頬スワブを、製造者のプロトコールにしたがってBuccalAmp TMキット (Epicentre Biotechnologies)を用いて採取した;サンプルを室温で保存した。 DNAの精製血液サンプルをうけとり、チュウブ上のバーコード化したGATC IDラベルをスキャンして、新しいサンプルをゲノミックスデータベースに入力した。 DNAを精製し、チュウブの底面にレーザーで印字したユニークな10桁のバーコード化したラベルをつけたチュウブに保存した(データベース中のGATC IDナンバーとリンクする)。 DNAを血液および頬スワブからQiagen TM QiaAmp TM DNA 精製 キットを用いて精製し、DNAを唾液 サンプルからOragene TMキット プロトコールを用いて精製した。 ゲノタイピング DNA サンプルを、製造者のプロトコール (Illumina BeadStation 500G Genotyping System Manual, Illumina Document #11165222 Rev. A, 2004)にしたがって、Illumina 500GX ゲノタイピングプラットフォームでIllumina GoldenGateカスタムSNPゲノタイピングアッセイを用いてゲノタイプして、1536の単一ヌクレオチド多型性(SNPs)のゲノタイプを調べた。 安全なデータベースを、ゲノタイプのデータを保管するために作った。 このデータベースは、raw Illuminaデータ出力に適合している。 GATC ADME SNPパネル GATC SNPパネルが開発されて、薬物吸収, 分布, 代謝, 除去, 薬剤標的, 薬レセプター, トランスポーターなどに関与している220の重要なADME遺伝子における遺伝的バリエーション変異を表した。 その遺伝子には、チトクロム P450 遺伝子 (CYP2D6, 2C9, 2C19, 3A4, 3A5, 1A1), N-アセチルトランスフェラーゼ (NAT1, NAT2), グルタチオン S-トランスフェラーゼ (GSTM1, GSTM3, GSTT1, GSTP1), ヒスタミン メチルトランスフェラーゼ (HMT), チオプリンメチルトランスフェラーゼ (TPMT), ATP-結合 カセット, サブファミリー B メンバー(ABCB1 (MDR1), ABCC1, ABCC2 (MRP1, MRP2)) 核内受容体 サブファミリー 1, グループ I, メンバー 2 (NR1I2; PXRまたはSXRとも称される) および 多くの付加的な重要な薬物代謝, 標的またはレセプター遺伝子が含まれる。 ADR-関連SNPsの同定ケース対照関連検査(Case-control association tests)を使用して、ADRケースおよび対照の間のSNPの関連を試験した。 暴露(前記SNPに)された患者と暴露されなかった患者におけるADRを生じる対立形質のオッズ比(OR)の見積を、計算し、χ 2検定で有意水準を決定した。 耳毒性の評価耳毒性を、新しい治療を開始する前および各々の引き続く用量の薬の前に行われるオージオグラム(audiograms)でBROCK等〔Medical & Pediatric Oncology. 19(4): 295-300, 1991〕による分類スキームを用いて樹立された聴覚損失の度合で評価した。 プラチナ配位複合体(例えば、シスプラチン)は、患者が通常の話の周波数の範囲で聴覚が影響されるグレード 3の4の聴覚損失に達する場合に中断されるだろう。 グレード 3の聴覚損失は、補聴器を必要とする顕著な聴覚損失 (2000 Hzで>40dB)と規定される。 グレード 4の聴覚損失は、難聴 (1000Hz以下で>40dB)と規定される。 本研究に関して、耳毒性は、グレード 3または4の聴覚損失と規定された。 例 シスプラチン治療した被験者における難聴の発生率永久的な聴覚損失は、5未満の子供において標準用量のシスプラチンを受け、重症度および頻度(48%)が増加した患者の25%に発生する。 220の薬物代謝遺伝子における遺伝的バリエーションを、8の薬剤適合性の対照と比べて、10のシスプラチン聴覚損失ケースで評価した。 二十の遺伝的なバリアントは、シスプラチン誘発性の聴覚損失に高度に予測的であることが見つけられた(表 1)。 例えば、染色体 3のポジション123148169での「A/G」 SNP 「rs1920309」の「G」バリアントを有する患者は、「A」バリアントを保持する患者と比べてグレード 3(補聴器を必要とする重篤な聴覚損失)またはグレード 4(難聴)の聴覚損失を発症するオッズが42.5倍高い(P = 0.000099)。 これらのSNPsの周囲のゲノムのDNA配列は、表 2に示される |