Method for producing metal powder

申请号 JP27292496 申请日 1996-09-25 公开(公告)号 JP3277823B2 公开(公告)日 2002-04-22
申请人 昭栄化学工業株式会社; 发明人 峰人 岩崎; 和郎 永島; 榮一 浅田; 裕二 秋本;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 1種又は2種以上の金属塩を含む溶液を微細な液滴にし、その液滴を該金属塩の分解温度より高い温度で加熱することにより金属粉末を製造する方法において、該溶液中に、熱分解して前記加熱温度で溶融
    ず、かつ該金属粉末中にほとんど固溶しない金属、半金属又はそれらの酸化物を生成するような化合物の1種又は2種以上を添加し、加熱 することにより該金属、半金属又はそれらの酸化物の1種又は2種以上を前記金属粉末の表面近傍に偏析させることを特徴とする金属粉末の製造方法。
  • 【請求項2】 請求項1において、更に偏析した金属、
    半金属又はそれらの酸化物の少なくとも一部を除去する工程を含む、金属粉末の製造方法。
  • 【請求項3】 金属粉末が銀粉末又は銀合金粉末である請求項1又は2に記載された金属粉末の製造方法。
  • 【請求項4】 金属、半金属又はそれらの酸化物が、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金、
    鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルカリ土類金属、硼素、アルミニウム、珪素、ゲルマニウム、鉛、ビスマス、希土類金属、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブテン、タングステン及びマンガン並びにそれらの酸化物からなる群より選ばれるものである、請求項3に記載された金属粉末の製造方法。
  • 【請求項5】 添加する化合物中の金属又は半金属元素の量が合計で該金属塩中の金属の重量の50ppm以上である、請求項1乃至4のいずれかに記載された金属粉末の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、金属粉末の製造方法に関するものであり、特に厚膜ペースト用に有用な金属粉末の製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】エレクトロニクス分野において、電子回路や抵抗、コンデンサ、ICパッケージ等の部品を製造するために、導体ペーストや抵抗ペーストなどの厚膜ペーストが使用されている。 これは金属、合金や金属酸化物等の導電性粉末を、必要に応じてガラス質結合剤やその他の添加剤と共に有機ビヒクル中に均一に混合分散させてペースト状としたものであり、基板上に適用した後、高温で焼付けするか、又は比較的低温で加熱硬化することによって導体被膜や抵抗体被膜を形成する。

    【0003】このような厚膜ペーストに用いられる金属粉末や合金粉末としては、次のような性質を有するものが望まれている。 緻密で均一な被膜を形成するため、塗料中での分散性が良好であること。 電気特性に悪影響を及ぼす不純物が少ないこと。 適切な焼結特性を得るため、結晶性が良好であること。 粒径がほぼ0.1〜10μmの範囲で、粒子形状が揃っていること。 このような金属粉末を製造する方法として、特公昭63
    −31522号公報や特開平6−172802号公報、
    特開平6−279816号公報等に記載されているような噴霧熱分解法が知られている。 この方法は、1種又は2種以上の金属塩を含む溶液を噴霧して液滴にし、その液滴を該金属塩の分解温度より高い温度、望ましくは該金属の融点近傍又はそれ以上の高温で加熱し、金属塩を熱分解して金属又は合金の粉末を析出させるものである。

    【0004】噴霧熱分解法によれば、湿式還元法等他の方法に比べて結晶性が良く、高密度かつ高純度で、厚膜ペースト用として望ましい性質を有する金属粉末や合金粉末が容易に得られる。 又金属粉末の粒径は金属塩の濃度、溶媒、噴霧・加熱条件等を適宜設定することによりコントロールすることができるほか、生成粒子の金属組成は原料溶液中の出発金属塩の組成と一致するため、組成の制御も容易で多成分系の粉末の製造に適している。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】通常、噴霧熱分解法では、気相中で比較的粒子濃度の低い条件下で金属粒子を生成させるため、非常に分散性の良い粉末が得られる。
    しかし、金属粉末生成時に非常に高い温度に加熱されているため、粒子濃度を極端に増加させたり、乱れたガス流中で生成させるなどの諸条件によっては、たとえ融点以下であっても粒子同士が融着、焼結し凝集を起こし易い。 又生成した粉末が冷却される工程においても、取扱いによっては粒子間に強固な凝集を生じることがある。
    このような凝集はほぐすのが困難なことが多く、ペースト中での分散性が悪くなる。 更に粉末が融着、凝集を起こすと、製造装置内で付着或いは堆積したり、凝集物を分級する操作を必要としたりするので、製品の歩留りが悪くなるばかりでなく、連続的な操業が困難になることもある。 この現象は特に銀粉末や銀を多く含む合金粉末など比較的融点の低い金属で著しく、問題となっていた。 本発明の目的は、工程や操作を複雑にすることなく、このような凝集を効果的に防止することにある。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】本発明は、噴霧熱分解による金属粉末の生成段階において、粉末生成と同時に高融点の金属又は金属酸化物等を主として金属粉末表面に偏析させ、これにより生成粒子同士の融着、凝集を抑制するものである。 即ち本発明は、1種又は2種以上の金属塩を含む溶液を微細な液滴にし、その液滴を該金属塩の分解温度より高い温度で加熱することにより金属粉末を製造する方法において、該溶液中に、熱分解して前記加熱温度で溶融せず、かつ該金属粉末中にほとんど固溶
    しない金属、半金属又はそれらの酸化物(以下、「金属等」と略記する。)を生成するような化合物の1種又は2種以上を添加し、加熱することにより前記「金属等」
    の1種又は2種以上を前記金属粉末の表面近傍に偏析させることを特徴とする金属粉末の製造方法を要旨とするものである。

    【0007】

    【発明の実施の形態】本発明において、金属粉末としては、例えば銀、金、白金、パラジウム等の貴金属や銅、
    ニッケル、コバルト、鉄、アルミニウム、モリブデン、
    タングステン等の卑金属などいかなるものでも良く、又単一の金属のほか合金粉末や混合粉末も含む。 特に銀粉末及び銀−パラジウム等の銀合金粉末の場合に有効である。 金属粉末の出発塩としては硝酸塩、硫酸塩、塩化物、アンモニウム塩、リン酸塩、カルボン酸塩、金属アルコラート、樹脂酸塩などの熱分解性塩の1種又は2種以上や複塩や錯塩が使用される。 2種以上の金属の塩を混合使用すれば合金粉末や混合粉末を得ることができる。

    【0008】金属粉末表面に偏析させる「金属等」は、
    本法による金属粉末生成条件下では溶融せず、かつ金属粉末中にほとんど固溶しないものであれば制限はない。
    例えば銀粉末や銀合金粉末に対してはロジウム、オスミウム、イリジウム、白金、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン等の金属や、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルカリ土類金属、素、アルミニウム、珪素、ゲルマニウム、鉛、ビスマス、希土類金属、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン等の酸化物が挙げられる。

    【0009】尚、金属粉末との組合せによっては、定常状態では固溶する金属又は半金属元素であっても、熱分解により金属粉末を生成させる際に、粒子内部にほとんど固溶しないような反応条件、即ち熱分解温度、反応時間、雰囲気、添加量等を適切に選択、設定することにより、使用できる場合もある。 例えば、金属の状態では固溶するが、酸化物の状態では固溶しない元素であれば、
    添加元素のみを酸化させるような条件で熱分解を行えばよい。

    【0010】噴霧熱分解法によって得られる金属粉末は、結晶性が良好で粒子内部に欠陥が少なく、粒界をほとんど含まないので、添加した化合物から分解析出した「金属等」は、金属粒子の生成と同時に該粒子表面に弾き出され、表面付近に高濃度に偏析する。 尚、添加した化合物から分解析出した「金属等」のうち若干量が主成分金属に固溶して粉末内部に残ったとしても、大部分が表面に偏析している状態であれば、本発明の効果を妨げるものではない。

    【0011】添加する化合物としては、主として熱分解性のものであって、前記「金属等」の前駆体であれば制限はなく、例えば硼酸塩、珪酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、アンモニウム塩、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコラート、樹脂酸塩や複塩、錯塩などから適宜選択される。 分解析出した「金属等」は金属粉末を完全に被覆する必要はなく、極めて少量で融着防止効果を示す。 添加する金属及び半金属元素の量は、粉末の主成分金属の重量に対して合計で50ppm以上であればよい。 上限は特に限定されないが、添加量が増えると粉末内部に含まれる量が多くなってくるので5%程度までが望ましい。

    【0012】添加する金属及び半金属元素の種類や析出量によってはペースト焼成時の焼結抑制作用も期待できるが、析出量が多すぎると焼結性や導電性が低下したり、不純物量が増えるために電気特性を損なったりすることがあるので、必要であれば粉末生成後、表面に析出した「金属等」の一部又はほぼ全部を洗浄、エッチング等の方法により除去して、不純物量を低減させることができる。 一般に金属粉末表面に残存する「金属等」の量が、金属粉末重量の50〜2000ppm、望ましくは100〜1000ppmの範囲であれば差支えない。

    【0013】主成分金属塩と添加する化合物はや、アルコール、アセトン、エーテル等の有機溶剤あるいはこれらの混合溶剤中に溶解して、例えば金属塩混合溶液とし、超音波式、二流体ノズル式等の噴霧器により微細な液滴とし、次いで金属塩の分解温度より高い温度で加熱することにより熱分解を行う。 加熱処理は主成分金属又は合金の融点又はそれ以上の高温で行うことが望ましいが、高密度、形状の均一性等が要求されない場合は融点より低い温度でも差支えない。 加熱時の雰囲気としては金属および添加する金属及び半金属元素の種類、加熱温度などに応じて酸化性、還元性、不活性雰囲気が適宜選択される。

    【0014】

    【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1〜4 硝酸銀及び硝酸銅三水和物を水に溶解し、表1に示す割合でAg濃度50〜100g/l、Cu濃度10〜50
    0ppm(Agに対して100〜1000ppm)の水溶液をそれぞれ作成した。 この溶液を超音波噴霧器を用いて液滴とし、同伴ガスに空気を用いて、電気炉で10
    00〜1100℃に加熱されたセラミック管中に噴霧した。 液滴は加熱ゾーンを通って熱分解され、銀粉末を生成した。 得られた粉末を捕集し、粉末の平均粒径をレーザー粒度分布計により測定し、結果を表1に示した。 又粉末を硝酸に溶解し、粉末中のCu濃度をICPで調べたところ、配合組成と一致していた。 Cuは酸化銅の形で析出していることが確認された。

    【0015】実施例2で得られたAgに対するCuの添加量が200ppmの粉末を、3%硫酸中に分散させて洗浄したところ、Agの溶解量は粉末重量のわずか56
    0ppmであったのに対して、Cuの溶解量は125p
    pmであり、添加量の大部分が溶出した。 この結果より、添加したCuは銀粉末の表面に高濃度に偏析していたことがわかる。

    【0016】比較例1 硝酸銅三水和物を添加しない以外は実施例1と同様にして、純銀粉末を得た。 得られた粉末は著しく凝集しており、レーザー粒度分布計による平均粒径測定はできなかった。 実施例5 硝酸銅三水和物に代えて硝酸ニッケル六水和物を表1に示す割合で添加し、実施例1と同様にして酸化ニッケルが表面に偏析した銀粉末を得た。 平均粒径は表1に示した通りであった。

    【0017】実施例6 硝酸銅三水和物に代えて硝酸ロジウム二水和物を表1に示す割合で添加し、加熱温度を900℃とする以外は実施例1と同様にして、金属ロジウムが表面に偏析した銀粉末を得た。 平均粒径は表1に示した通りであった。 実施例7 硝酸銀水溶液と硝酸パラジウム水溶液とをAgとPdの比が9:1となるように混合し、更に硝酸銅三水和物を添加して、AgとPdの濃度50g/l、Cu濃度10
    ppm(AgとPdの合計に対して200ppm)の溶液を作成した。 加熱温度1200℃とする以外は実施例1と同様にして、酸化銅が表面に偏析した銀パラジウム合金粉末を得た。 平均粒径を測定し表1に示した。

    【0018】比較例2 硝酸銅三水和物を添加しない以外は実施例7と同様にして、銀パラジウム合金粉末を得た。 平均粒径は表1に示した通りであった。 実施例8 硝酸ニッケル六水和物及び硝酸バリウムを水に溶解し、
    Ni濃度50g/l、Ba濃度25ppm(Niに対して500ppm)の水溶液を作成した。 この溶液を超音波噴霧器を用いて液滴とし、同伴ガスに窒素/水素混合ガスを用いて、電気炉で1600℃に加熱されたセラミック管中に噴霧し、酸化バリウムが表面に偏析したニッケル粉末を得た。 粉末の平均粒径を測定し、表1に示した。 比較例3 硝酸バリウムを添加しない以外は実施例8と同様にして、純ニッケル粉末を得た。 平均粒径は表1に示した通りであった。 表1から明らかなように、本発明によって得られた金属粉末は凝集が少なく厚膜ペースト用粉末として優れた特性を示す。

    【0019】

    【表1】

    【0020】

    【発明の効果】本発明によれば、噴霧熱分解法による金属粉末製造工程において、生成する粒子同士の融着が効果的に防止され、粒度の揃った分散性の良い金属粉末を製造することができる。 添加する「金属等」は極めて少量で効果があり、又粉末生成後に不要な分は洗浄除去できるので不純物量が少なくてすみ、厚膜ペーストに使用した場合でも導電性、半田付性等に悪影響を与えない。
    更に噴霧熱分解法では基本的に原料溶液の金属及び半金属元素組成と生成粒子の組成が一致するため、添加量のコントロールが容易である。 尚、本法で製造される金属粉末は厚膜ペーストのほか、装飾用、触媒用、粉末冶金用、磁性材料用、その他の用途にも使用することができる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 峰人 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 昭 栄化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−170112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) B22F 9/30 B22F 1/00

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