Production of dienonemacrolide

申请号 JP32425996 申请日 1996-12-04 公开(公告)号 JPH09163982A 公开(公告)日 1997-06-24
申请人 Pfizer Inc; フアイザー・インコーポレイテツド; 发明人 KURAUDEIO DEII DENOYA; EDOMANDO DABURIYUU HAFUNAA; HAMITSUSHIYU EI AI MATSUKAASAA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain an antibiotic useful as an antimicrobial agent, etc., by mutating a microorganism capable of producing a wild type epoxymacrolide, inactivating epoxydase activity to afford the microorganism capable of producing an olefin macrolide and culturing the microorganism.
SOLUTION: A wild type epoxymacrolide-producing microorganism (e.g. Micromonospora rosaria ATCC 55708) is cultured in a medium containing ethyl methanesulfonate(EMS) as a mutagenic agent so as to induce mutation and inactivate epoxydase activity to afford a mutant microorganism (Micromonospora rosaria ATCC55709) capable of producing an olefin macrolide (e.g. dienonemacrolide) and the mutant microorganism is fermented in an aqueous nutrient medium containing a carbon source and a nitrogen source capable of assimilating the mircoorganism to provide repromicin which is an olefin macrolide antibiotic represented by the formula.
COPYRIGHT: (C)1997,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 オレフィンマクロライドを生産しうる微生物の製造方法であって、野生型エポキシマクロライド生産性微生物のエポキシダーゼ活性を不活化させることを含む上記方法。
  • 【請求項2】 前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである請求項1に記載の方法。
  • 【請求項3】 前記エポキシダーゼ活性をコードしている遺伝子を前記野生型エポキシマクロライド生産性微生物から単離し且つ該遺伝子を不活化させることを更に含む請求項2に記載の方法。
  • 【請求項4】 前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである請求項3に記載の方法。
  • 【請求項5】 前記エポキシダーゼ活性をコードしている前記遺伝子を前記野生型微生物から相補性によって単離する請求項3に記載の方法。
  • 【請求項6】 オレフィンマクロライドの製造方法であって、請求項3に記載の方法にしたがって製造された微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させて発酵ブイヨンを製造することを含む上記方法。
  • 【請求項7】 前記オレフィンマクロライドを前記発酵ブイヨンから単離することを更に含む請求項6に記載の方法。
  • 【請求項8】 前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである請求項7に記載の方法。
  • 【請求項9】 レプロマイシンの製造方法であって、 (a)請求項3に記載の方法にしたがって得られた突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させて発酵ブイヨンを製造することを含む上記方法。
  • 【請求項10】 前記レプロマイシンを前記発酵ブイヨンから回収することを更に含む請求項9に記載の方法。
  • 【請求項11】 前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリア(Micromonospora ros
    aria)のrosX突然変異体である請求項10に記載の方法。
  • 【請求項12】 ミクロモノスポラ・ロサリアの前記r
    osX突然変異体をATCC55709と称する請求項11に記載の方法。
  • 【請求項13】 前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体であり、該突然変異体をATCC55709とも称する請求項11に記載の方法。
  • 【請求項14】 ミクロモノスポラ・ロサリアのros
    X突然変異体。
  • 【請求項15】 ATCC55709と称する請求項1
    4に記載のrosX突然変異体。
  • 【請求項16】 ATCC55709の識別特性を全て有する請求項14に記載のrosX突然変異体。
  • 【請求項17】 単離しうる量のレプロマイシンを生産することができる請求項14に記載のミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体。
  • 【請求項18】 レプロマイシンの製造方法であって、 (a)ロサマイシン生産性微生物または該ロサマイシン生産性微生物の突然変異体を突然変異させて突然変異微生物を提供し、該突然変異微生物はレプロマイシンを生産することができ;そして(b)該突然変異微生物を、
    同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法。
  • 【請求項19】 前記レプロマイシンを回収することを更に含む請求項18に記載の方法。
  • 【請求項20】 前記ロサマイシン生産性微生物がミクロモノスポラ・ロサリア ATCC29337またはA
    TCC55708である請求項18に記載の方法。
  • 【請求項21】 前記ロサマイシン生産性微生物がミクロモノスポラ・ロサリア ATCC29337またはA
    TCC55708である請求項19に記載の方法。
  • 【請求項22】 レプロマイシンの製造方法であって、
    突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法。
  • 【請求項23】 前記レプロマイシンを回収することを更に含む請求項22に記載の方法。
  • 【請求項24】 前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体である請求項22に記載の方法。
  • 【請求項25】 前記レプロマイシンを回収することを更に含む請求項24に記載の方法。
  • 【請求項26】 ミクロモノスポラ・ロサリアの前記r
    osX突然変異体をATCC55709と称する請求項24に記載の方法。
  • 【請求項27】 前記レプロマイシンを回収することを更に含む請求項26に記載の方法。
  • 【請求項28】 オレフィンマクロライドの製造方法であって、 (a)エポキシマクロライド生産性微生物を突然変異させて突然変異微生物を提供し、該突然変異微生物は前記エポキシマクロライドに対応するオレフィンマクロライドを生産することができ;そして(b)該突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンマクロライド生産性生物であって、エポキシダーゼ酵素活性を含まない該微生物を単離するまたは他の方法で入手する方法に関する。 本発明は、更に、本明細書中においてrosXと称されるエポキシダーゼ活性を欠いた突然変異微生物であって、野生型微生物から得られる該突然変異体を発酵させることによる、前記オレフィンマクロライドの製造方法に関する。 本発明は、更に、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体、およびATC
    C55709とも称される該突然変異体の識別特性を有する任意の微生物に関する。

    【0002】

    【従来の技術】式(I)

    【化1】

    を有する化合物であるロサマイシン(rosamici


    n)は、ミクロモノスポラ・ロサリア、ATCC557


    08を発酵させることによって製造される抗細菌性マクロライドである。

    【0003】現在、ロサマイシンの生合成におけるその中間前駆体は、式(II)を有する化合物であるレプロマイシン(repromicin)であることが知られている。 レプロマイシン

    【化2】

    は、ロサマイシンとは構造的に一つだけ異なり、すなわち、レプロマイシンはC−12/C−13位に二重結合を有するが、ロサマイシンはエポキシドを有する。 野生型ミクロモノスポラ・ロサリアは、レプロマイシンのC


    −12、C−13オレフィンをエポキシ化してロサマイシンのC−12、C−13エポキシドを生成するのに関与するエポキシダーゼ酵素を有するので、該微生物によって生産された発酵ブイヨンからレプロマイシンを有意の量で直接単離することはできない。

    【0004】レプロマイシンは、ロサマイシンの脱エポキシ化によって化学的に製造される。 その反応には、収率が極めて低い欠点がある。 レプロマイシンは、レプロマイシンと同様のまたは類似の環構造を有する各種抗生物質の合成において周知の重要な中間体であるので、高収率のレプロマイシン製造法が望まれる。

    【0005】本発明は、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体を発酵させることによって、特に、
    ATCC55709と称されるミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体から、そして発酵ブイヨンからレプロマイシンを単離することによってレプロマイシンを製造することができることを開示する。 ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体は、野生型ミクロモノスポラ・ロサリアにおいて見出されるエポキシダーゼ酵素活性を含まない。 それゆえ、該突然変異体は、
    エポキシ化マクロライドロサマイシンを生産することができない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィンマクロライドを生産しうる微生物の製造方法であって、
    野生型エポキシマクロライド生産性微生物のエポキシダーゼ活性を不活化させることを含む上記方法に関する。

    【0007】本発明は、具体的に、前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである前の段落に記載の方法に関する。

    【0008】本発明は、更に、オレフィンマクロライドを生産しうる微生物の製造方法であって、野生型エポキシマクロライド生産性微生物のエポキシダーゼ活性を不活化させることを含み、そして更に、前記エポキシダーゼ活性をコードしている遺伝子を前記野生型エポキシマクロライド生産性微生物から単離し且つ該遺伝子を不活化させることを含む上記方法に関する。

    【0009】本発明は、具体的に、前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである前の段落の方法に関する。

    【0010】本発明は、更に具体的に、オレフィンマクロライドを生産しうる微生物の製造方法であって、該微生物に対応する野生型微生物からエポキシダーゼ活性をコードしている遺伝子を単離し且つ該エポキシダーゼ活性を不活化させることを含み、前記エポキシダーゼ活性をコードしている前記遺伝子を前記野生型微生物から相補性によって単離する上記方法に関する。

    【0011】本発明は、更に、オレフィンマクロライドの製造方法であって、第一微生物に対応する野生型微生物中に存在するエポキシダーゼをコードしている遺伝子の不活化によって製造された該第一微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法に関する。

    【0012】本発明は、更に、前記オレフィンマクロライドを前記発酵ブイヨンから単離することを更に含む前の段落に記載の方法に関する。

    【0013】本発明は、具体的に、前記オレフィンマクロライドがジエノンマクロライドである前の段落に記載の方法に関する。

    【0014】本発明は、更に、上記式(II)を有する化合物であるレプロマイシンの製造方法であって、突然変異微生物であって、いずれのエポキシダーゼ活性も不存在のためにレプロマイシンを生産しうるがロサマイシンを生産することができない該突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させて発酵ブイヨンを製造することを含む上記方法に関する。

    【0015】本発明は、更に、前記レプロマイシンを前記発酵ブイヨンから回収することを更に含む前の段落に記載の方法に関する。

    【0016】本発明は、具体的に、前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体である前の段落の方法に関する。

    【0017】本発明は、更に具体的に、前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体であり、該突然変異体をATCC55709と称する前の段落の方法に関する。

    【0018】本発明はまた更に、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体に関する。

    【0019】本発明は、具体的に、ATCC55709
    と称されるミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体に関する。

    【0020】本発明は、更に具体的に、ATCC557
    09の識別特性を全て有するミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体に関する。

    【0021】本発明は、更に具体的に、単離しうる量のレプロマイシンを生産することができるミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体に関する。

    【0022】本発明はまた更に、上記式(II)を有する化合物であるレプロマイシンの製造方法であって、ロサマイシン生産性微生物を突然変異させて突然変異微生物を提供し、該突然変異微生物は、いずれのエポキシダーゼ活性も不存在のためにレプロマイシンを生産しうるがロサマイシンを生産することができず、そして次に、
    該突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させて発酵ブイヨンを製造することを含む上記方法に関する。

    【0023】本発明は、具体的に、前記ロサマイシン生産性微生物がミクロモノスポラ・ロサリア ATCC2
    9337またはミクロモノスポラ・ロサリア ATCC
    55708である前の段落に記載のレプロマイシンの製造方法に関する。

    【0024】本発明は、更に、レプロマイシンを前記発酵ブイヨンから単離することを更に含む、前の二つの段落に記載の方法に関する。

    【0025】本発明はまた更に、レプロマイシンの製造方法であって、突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法に関する。

    【0026】本発明は、具体的に、前記突然変異微生物がミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体である前の段落に記載の方法に関する。

    【0027】本発明はまた、更に具体的に、ミクロモノスポラ・ロサリアの前記rosX突然変異体をATCC
    55709と称する前の段落に記載の方法に関する。

    【0028】本発明は、更に、前記レプロマイシンを回収することを更に含む、前の三つの段落のいずれか一つに記載のレプロマイシンの製造方法に関する。

    【0029】本発明はまた更に、オレフィンマクロライドの製造方法であって、(a)エポキシマクロライド生産性微生物を突然変異させて突然変異微生物を提供し、
    該突然変異微生物は前記エポキシマクロライドに対応するオレフィンマクロライドを生産することができ;そして(b)該突然変異微生物を、同化しうる炭素源および窒素源を含む水性栄養培地中で発酵させることを含む上記方法に関する。

    【0030】本明細書中で用いられる場合、「野生型微生物」という用語は、対応する突然変異微生物において欠失しているエポキシダーゼ活性を有する微生物を意味する。 更に、本明細書中で用いられる場合、「野生型ミクロモノスポラ・ロサリア」という用語は、エポキシダーゼ活性を有し、したがって単離しうる量のロサマイシンを生産することができるミクロモノスポラ・ロサリアの培養物を意味し、ここにおいて、エポキシダーゼ活性は、ミクロモノスポラ・ロサリアの対応するrosX突然変異体において欠失している。

    【0031】

    【課題を解決するための手段】ミクロモノスポラ・ロサリアは、本明細書中上記の式(I)を有するエポキシド含有マクロライド抗生物質である強な抗生物質ロサマイシンを産生する微生物である。 ミクロモノスポラ・ロサリアのゲノム中には、レプロマイシン(本明細書中上記の式IIを有する化合物)のC−12/C−13二重結合をエポキシドに変換する酵素をコードするエポキシダーゼ遺伝子が存在する。 それゆえ、ミクロモノスポラ・ロサリアからのDNAは、本発明の方法によって、他のエポキシマクロライド生産性微生物においてエポキシダーゼ酵素をコードするDNAセグメントを決定するプローブを開発するのに用いられる。

    【0032】ミクロモノスポラ・ロサリア NRRL3
    718(ATCC29337)の凍結乾燥試料は、ブダペスト条約の条件に基いて、1995年9月5日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Amer
    ican Type Culture Collect
    ion)、パークローン・ドライブ12301、ロックビル、メリーランド州、20852、米国に寄託された。 この新規に寄託された培養物は、ATCC5570
    8の新受託番号を与えられた。 そのように寄託された微生物培養物の公的利用可能性に対する制限はいずれも、
    本出願による特許の発行によって決定的に排除されるであろう。

    【0033】ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体は、C−12およびC−13炭素間にエポキシドよりもむしろオレフィン結合を有するロサマイシンの誘導体である強力なマクロライド抗生物質レプロマイシンを産生する微生物である。 ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体は、ミクロモノスポラ・ロサリア中に存在するエポキシダーゼ酵素を欠いている。 したがって、中間体C−12/C−13オレフィンマクロライドは、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体によってエポキシマクロライドロサマイシンに変換されることはできない。 それゆえ、ミクロモノスポラ・
    ロサリアのrosX突然変異体を本発明の方法にしたがって用いて、該rosX突然変異体を発酵させることによっておよび当業者に周知の方法にしたがってその発酵ブイヨンからレプロマイシンを単離することによってレプロマイシンを製造する。 この単離は、発酵ブイヨンから直接的に該レプロマイシンを抽出することによってまたは該発酵ブイヨンを濾過して全細胞を除去し且つ該レプロマイシンを濾液から抽出することによって達成されうる。 概して、濾液を抽出することによって大部分のレプロマイシンが回収される。 しかしながら、濾過によって得られたかたまりの細胞を更に抽出して、少量のレプロマイシンを回収することができる。 概して、レプロマイシンを発酵ブイヨンの濾過後の濾液から抽出するのが好ましい。

    【0034】rosX突然変異体ミクロモノスポラ・ロサリア(R94−304−99SC23)の凍結乾燥試料は、ブダペスト条約の条件に基いて、1995年9月5日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、パークローン・ドライブ12301、ロックビル、
    メリーランド州、20852、米国に寄託された。 この寄託された培養物は、ATCC55709の新受託番号を与えられた。 そのように寄託された微生物培養物の公的利用可能性に対する制限はいずれも、本出願による特許の発行によって決定的に排除されるであろう。

    【0035】本発明は、上記式(II)を有する化合物であるレプロマイシンの製造を開示する。 本発明の方法によってレプロマイシンを製造するために、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体、好ましくは、
    ATCC55709と称される突然変異体を適当な増殖培地中に接種し、そして生産を確実にするのに十分な時間、例えば、2〜4日間振とうさせる。 3日間の振とうが好ましい。 好ましい増殖培地は、セレロース(10g
    /L)、コーンスターチ(5g/L)、トウモロコシ浸漬固形物(2.5g/L)、NZ−アミンYTT(5g
    /L)、CoCl 2・6H 2 O(0.002g/L)、P
    2000(1mL/L)およびCaCO 3 (3g/L)
    を混合し且つ水を加えて最終容量1リットルにすることによって製造されるJDYTTである。 NZ−アミノY
    TTは、加水分解タンパク質(カゼイン)標品でありシェフィールド・プロダクツ(Sheffield Pr
    oducts)、ウッズ・コーナー、ノリッジ、ニューヨークから購入することができる。 当業者は、微生物の増殖を確実にするのに十分な栄養素を提供するであろう多数の他の代替製品または培地があることを理解するであろう。 使用前に、増殖培地は、pHが塩基性である場合は塩酸の弱無水溶液またはpHが酸性である場合は水酸化ナトリウムの弱無水溶液を用いてpH7.0に調整される。 好ましい培地を用いる場合、培地のpHは酸性であり、したがって、希水酸化ナトリウム水溶液の添加によって調整される必要がある。 次に、増殖培地を高温で約20分間〜1時間、好ましくは30分間滅菌する。
    好ましい滅菌温度は、121℃の標準的なオートクレーブ温度を用いて約120℃である。 概して、微生物および増殖培地の混合物を200〜300rpmの2インチ行程振とう機において僅かに高温で振とうさせる。 好ましい温度は30℃である。 「2インチ行程」という用語は、振とう機によって軌道上で振とうされるフラスコの水平変位を意味する。 当業者は、混合物を十分に振とうさせるいずれの方法も成分を混合するのに十分であることを理解するであろう。 培地の容量当たり約20容量%
    のグリセロールなどの適当な凍結保護剤を微生物増殖培地混合物に対して加え、そして培養物を−80℃で短期間(1年未満)および液体窒素下において長期間貯蔵する。

    【0036】必要な時に、凍結培養物を十分な量の適当な増殖培地、例えば、JDYTTが入っているフラスコに入れ、そして実質的な量の微生物が現れるまで培養物を増殖させる。 フラスコの内容物を2インチ行程振とう機において250rpmおよび30℃で3日間振とうさせるのが好ましい。 しかしながら、他の振とう機rp
    m、温度および時間は、所望の微生物を有効に増殖させるのに十分であることを示しうる。

    【0037】この発酵の内容物を十分な量の生産用培地、例えば、RSM−6に対して加える。 RSM−6
    は、コーンスターチ(50g/L)、セレロース(10
    g/L)、アルダミンPH(5g/L)、ファーマメディア(Pharmamedia)(10g/L)、Mg
    HPO 4・3H 2 O(10g/L)、カゼイン加水分解産物(2.5g/L)、アスパラギン(0.5g/L)、
    FeSO 4・7H 2 O(0.028g/L)、MgSO 4
    ・7H 2 O(0.5g/L)、K 2 HPO 4 (0.75g
    /L)、CuSO 4・5H 2 O(0.003g/L)、P
    2000(1mL/L)を混合し且つ水を加えて最終容量1リットルにすることによって製造される。 当業者は、RSM−6に代わりうる同様の結果を有する他の生産用培地があることを理解するであろう。 RSM−6
    は、用いられる場合、水酸化ナトリウムの希水溶液によってpH7.0に調整され且つ使用直前に約121℃で約100分間オートクレーブ処理される。 発酵は、任意の適当な発酵容器、例えば、フラスコ、ニュー・ブランズウィック発酵装置ジャー(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフッイック(New Brunswic
    k,Scientific)、ニュー・ブランズウィック、ニュージャージー州)、タンク等中で行ってよい。
    この発酵は、僅かに高温で、概して約30℃で約100
    〜1000rpmの撹拌速度によって行われる。 概して、好ましい撹拌速度は約450rpmである。 発酵容器の撹拌によってその内容物に通気する。 通気は、混合物中に空気を吹込むことによっても達成されうる。 好ましくは、発酵ブイヨンのpHは、発酵中にpHが6.7
    〜7.3のままであるように必要に応じてNaOHまたはH 2 SO 4の添加によって調節される。 発酵は、概して、発酵を開始後約60〜120時間で最高力価のレプロマイシンを生じるであろう。 レプロマイシン含有試料は、当業者に周知の方法を用いて発酵混合物から単離される。 発酵ブイヨンからレプロマイシンを抽出するのに適当な溶媒は、望ましくない発酵副生成物からレプロマイシンを分離し、そして単離されようとしているレプロマイシンと反応しないしまたはさもなければ悪影響を与えない任意の溶媒または溶媒混合物である。 この抽出に好ましい溶媒混合物は、メタノールおよび0.1Mリン酸二水素カリウム(KH 2 PO 4 )の混合物である。 この混合物のpHが3.5であること、そしてメタノールおよび0.1M KH 2 PO 4の相対量が35%メタノールおよび65%KH 2 PO 4であることが特に好ましい。

    【0038】本発明は、更に、通常はエポキシマクロライドを生産する野生型微生物に由来するオレフィンマクロライドを生産することができる微生物の製造に関する。 本発明の方法において用いられる野生型微生物は、
    エポキシマクロライドを生産し、したがって、オレフィンマクロライドを対応するエポキシマクロライドに変換する細胞内反応を触媒することに関与するエポキシダーセ酵素を有する微生物である。 この細胞内反応を触媒する未変化の状態のエポキシダーゼ酵素は、通常、全てのまたはほとんど全ての中間体ジエンをエポキシドに変換するであろう。 この細胞内過程の効率は、これらの微生物の発酵ブイヨンから感知しうるほどの量のオレフィンを単離することができないことで明らかになる。 したがって、これらのオレフィンを得るためには、微生物がオレフィンをエポキシドに変換するのを妨げる必要がある。 これを本発明の方法によって達成する。

    【0039】野生型ミクロモノスポラ・ロサリア AT
    CC55708中に存在するエポキシダーゼ酵素は、おそらくは通常の細胞過程、例えば、DNAセグメントからの転写に続くRNA転写物の翻訳を用いてミクロモノスポラ・ロサリアによって生産される。 この過程によるエポキシダーゼタンパク質の生産に関与するDNAセグメントは、相補性などの当業者に周知の方法によって野生型ミクロモノスポラ・ロサリアのDNAから単離され、該DNAセグメントは、エポキシダーゼ欠損突然変異ミクロモノスポラ・ロサリア ATCC55709を相補することができる。

    【0040】相補性によってエポキシダーゼタンパク質の生産に関与するDNAセグメントを得るために、以下の相補プロトコルを行う。 レプロマイシンのC−12、
    C−13オレフィンをエポキシ化してロサマイシンのC
    −12、C−13エポキシドを生成することに関与するエポキシダーゼの生成を支配する遺伝子を、ショットガンクローニングおよびトランス突然変異相補性によって野生型ミクロモノスポラ・ロサリアからクローン化する。 「ショットガンクローニング」という用語は、細菌プラスミド中へのDNAの多数の異なる制限フラグメントのランダム挿入を意味することが当業者によって十分に理解されている。 相補性とは、ここで、ミクロモノスポラ・ロサリアrosX細胞においてトランス立体配置に導入された場合に、エポキシダーゼの合成を支配し且つ野生型表現型を生じるクローン化ゲノムフラグメントの能力を意味する。 トランス立体配置とは、細胞内においてDNAの二つの異なる分子上に二つのエポキシダーゼ遺伝子が存在することを意味する。 トランス相補性分析において、突然変異エポキシダーゼ遺伝子は、宿主培養物のゲノムまたは染色体の一部分を形成し、そして正常なまたは野生型エポキシダーゼ遺伝子はベクターまたはプラスミド分子上に位置する。 トランス相補性は好ましいが、当業者は、シス相補性もまたこの相補性プロトコルにおいて用いることとができることを理解するであろう。

    【0041】ミクロモノスポラ・ロサリアrosX細胞は、該微生物がレプロマイシンのC−12、C−13オレフィンのエポキシ化に関与するエポキシダーゼ酵素を欠いているので、ロサマイシンを生産することができない。 その結果、レプロマイシンが突然変異細胞中に蓄積する。 しかしながら、エポキシダーゼ酵素の合成を支配する能力を有する特定のDNAフラグメントを標準的な形質転換法によってミクロモノスポラ・ロサリアros
    X細胞中に導入した場合、突然変異によって失われたまたは不活化した成分(エポキシダーゼ酵素機能)が回復する。 したがって、相補実験の結果として、突然変異培養物は、レプロマイシンをエポキシ化してロサマイシンを生成する能力を回復し、そしてここで野生型表現型を示す。 この相補試験を用いて、エポキシダーゼ遺伝子を有するDNAフラグメントをミクロモノスポラ・ロサリアゲノムライブラリーから識別し且つクローン化する。

    【0042】エポキシダーゼタンパク質の生成を支配する遺伝子をミクロモノスポラ・ロサリアからクローン化する第一工程は、ゲノムライブラリーを作成することである。 このライブラリーは、野生型ミクロモノスポラ・
    ロサリア(例えば、本出願に記載された菌株ATCC5
    5708)から製造されたDNA染色体フラグメントから成る。 ゲノムまたは染色体ライブラリーという用語は、ここでは同義語として用いられ、野生型ミクロモノスポラ・ロサリアのゲノム全体を表わすと同時に、一組のクローン化DNAフラグメントを意味する。 ミクロモノスポラ・ロサリアが、その染色体DNA中に極めて高いG+C含量(約70%)を有するグラム陽性微生物であることは当業者に周知である。 他の放線菌(Acti
    nomycetes)種と同様、ミクロモノスポラ・ロサリアは、比較的大きいゲノノムを有すると考えられる。 このゲノムコンプレキシティーにより、ミクロモノスポラ・ロサリアDNAライブラリーを構築する場合に大きいフラグメントのクローニングが特に有用になる。
    コロニーライブラリー中の染色体のランダムDNA切断および最適存在量を前提とすると、スクリーニングされるクローンの数は、正比例によってゲノム寸法にも、反比例によってDNAインサートの平均寸法にも関係している。 したがって、エポキシダーゼ遺伝子についてスクリーニングされるクローンの数を減少させるには、大きいDNA片をクローン化するのが好都合である。 更に、
    これは、隣接したまたは重なり合ったクローンを識別することによって大きい染色体部分の制限地図を決定するのに必要な分析および操作の数を最小限にするのに極めて有益である。 ゲノムライブラリーを作成する技法は当業者に周知である。 ゲノムライブラリーの作成についての一般的な説明は、サムブルック(Sambroo
    k),J. 、E. F. フリッチュ(Fritsch)およびT. マニアティス(Maniatis)、「 Mol
    ecular Cloning:A Laborato
    ry Manual 」,1989年,第2版,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Co
    ld SpringHarbor Laborator
    y Press),コールド・スプリング・ハーバー,
    NYに開示されている。 放線菌類染色体ライブラリー作成についての完全な説明は、ホプウッド(Hopwoo
    d)ら、「 Genetic manipulation
    of Streptomyces−A Labora
    tory Manual 」,1985年,ザ・ジョン・
    インス・ファンデーション(The John Inn
    es Foundation),ノリッジ,UKに開示されている。

    【0043】染色体DNAは、上記の液体培地中で増殖されたミクロモノスポラ・ロサリアATCC55708
    の培養物から製造される。 菌糸体を遠心分離によって回収し、そしてゲノムDNAを、ホプウッドら、上記に見られるプロトコルにしたがって製造する。 通常、DNA
    ペレットを、TE緩衝液(10mMトリス−HCl、p
    H8.0;1mM EDTA)などの水性緩衝液中に再懸濁させる。 次に、染色体DNAを、HaeIIIまたはSau3Aなどの制限酵素によって部分的に消化する。 Sau3Aは、それが、インサートフラグメントのランダム集合を生じる4塩基配列を認識するので好ましい。 6塩基配列を認識する酵素もまたこの操作で用いることができるが、このような酵素は、4塩基配列を認識する酵素の場合よりもインサートフラグメントの少ないランダム集合を認識するので、あまり好ましくない。 フラグメントを、ベクターの多クローニング部位中に存在する独特のBamHI部位に連結させる。 好ましいベクターは、コスミドシャトルベクターpCD425であるが、他のシャトルベクターを用いうることは当業者によって理解されるであろう。 放線菌類におけるクローニングに有用なpCD425および他のシャトルベクターについての十分な説明は、欧州特許公開第0620280
    号明細書で見出される。

    【0044】大腸菌(Escherichia col
    i)およびミクロモノスポラ・ロサリア両方を形質転換しうるベクター中のゲノムフラグメントをクローン化することは好都合である。 コスミドシャトルベクターpC
    D425は、大腸菌細胞中において高コピー数および放線菌類細胞中において低コピー数を示す。 更に、ミクロモノスポラ・ロサリアにおいてゲノムにつき低または単コピー数を示すベクターを用いることは好ましい。 pC
    D425は、大きいDNAフラグメント(最大40kb
    まで)を安定に維持し且つ可能な遺伝子用量作用を避ける能力を有する好ましい低コピー数ベクターである。 当業者は、本発明において有用である別の低コピー数ベクター、例えば、欧州特許公開第0618297号明細書で開示されているpCD396が存在することを理解するであろう。 pCD396もpCD425も、組換えD
    NA実験で一般的に用いられる全ての大腸菌菌株において複製を可能にする広範に用いられるColE1複製起点(サムブルック,J.ら、以下を参照されたい)、および放線菌種における低コピー数および広範な宿主範囲の維持を可能にするSCP2*複製起点(リディエート(Lydiate),D.J.、マルパルチダ(Mal
    partida),F. およびホプウッド,D. A. 、
    Gene35 ,223〜235,1985年を参照されたい)を有する。 これらのベクターはまた、放線菌細胞中への塀質転換によって抗生物質チオストレプトンに対する耐性を与えるtsr遺伝子、および大腸菌細胞中への形質転換によって抗生物質アンピシリンに対する耐性を与えるamp遺伝子を有する。 tsr遺伝子およびamp遺伝子を用いて、細胞混合物から形質転換細胞を選択する。 更に、シャトルベクターpCD425は、B
    amHIクローニング部位に隣接したいくつかの制限酵素の高AT認識配列を有するコスミドベクターである。
    高AT認識配列は、しばしば、ミクロモノスポラ・ロサリアゲノム中に現れるので、エポキシダーゼ遺伝子を含む高GCゲノムDNAインサートを単一制限フラグメントとして回復させるこれらの酵素の少なくとも一つを見出す可能性は大きい。 この特徴は、ミクロモノスポラ・
    ロサリア中のエポキシダーゼ遺伝子を含む大きい染色体部分のインビトロ再構築および地図作成に有用である。
    一般的なコスミドベクターの説明および別のコスミドベクターのリストは、サムブルックら、上記に開示されている。 この方法で、野生型ミクロモノスポラ・ロサリア培養物のゲノム全体を、シャトルベクターpCD425
    に連結しているランダムに生じたDNAフラグメントの形で表わすことができる。 次に、上記のように構築されたゲノムライブラリーを、ショットガン実験に用いることができる。 ショットガン実験とは、エポキシダーゼ遺伝子を有する特定のDNAフラグメントを、ベクターに連結したランダムに生じたDNAフラグメントのライブラリーから識別し且つクローニングすることを意味する。

    【0045】プラスミドDNAは、バーンボイム(Bi
    rnboim)ら、 NucleicAcids Res
    earch ,1979年,7,1513〜1525に記載されたバーンボイムおよびドーリー(Doly)の方法の変法によって大腸菌中で構築されたミクロモノスポラ・ロサリアゲノムライブラリーから製造することができる。 プラスミドDNAを製造する他の方法は、サムブルック、上記で見出される。 次に、プラスミドDNA標品を用いて、ミクロモノスポラ・ロサリアrosXプロトプラスト化細胞を直接的に形質転換する。 ミクロモノスポラ・ロサリアrosX細胞のプロトプラストは、ホプウッドら、上記によって記載されたのと同様の標準法にしたがって製造される。

    【0046】或いは、大腸菌中で構築されたミクロモノスポラ・ロサリアゲノムライブラリーから製造されたプラスミドDNAを用いて、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)T
    K64細胞などの中間体宿主細胞を形質転換する。 したがって、ミクロモノスポラ・ロサリアDNAのゲノムライブラリーは、ストレプトミセス・リビダンスなどの中間体宿主中で得られる。 プラスミドDNAは宿主ライブラリーから製造され、そしてこのプラスミドDNAを用いて、本明細書中上記に記載されたのと同様のプロトコルを行うことによってミクロモノスポラ・ロサリアプロトプラストを形質転換する。 この方法は、大腸菌細胞から直接製造されたプラスミドDNAを用いた場合に達成しうるよりも高い効率でのミクロモノスポラ・ロサリア細胞の形質転換を引き起こす。 ストレプトミセス・リビダンスプロトプラストの製造、ストレプトミセス・リビダンス形質転換、およびストレプトミセス・リビダンス宿主からのプラスミドDNAの製造に用いられるプロトコルは当業者に周知であり、ホプウッドら、上記および国際特許出願公開第WO95/16781号明細書で見出される。

    【0047】ミクロモノスポラ・ロサリアの形質転換により、抗生物質チオストレプトンを含む寒天平板上で増殖しうる形質転換細胞(耐チオストレプトン性(tsr
    −R)形質転換細胞)を、選択因子として抗生物質チオストレプトンを含む寒天平板から最初に選択する。 これらの形質転換細胞は、寒天平板の目視観察によって検出される。 次に、耐チオストレプトン性であるそれらの形質転換細胞を、ロサマイシン産生についてスクリーニングする。 例えば、形質転換細胞によって生成された発酵産物は、抽出などによる通常の方法で回収される。 これらの形質転換細胞を、本明細書中上記のRSM−6などの適当な液体培地中で増殖させ、そして本明細書中に記載の通常のマクロライド単離法にしたがってそこからロサマイシンを抽出する。 得られたマクロライドをHPL
    Cによって特性決定する。 ロサマイシン+表現型を示す培養物は、rosX突然変異の相補性によるものであると考えられる。 次に、典型的なロサマイシン+形質転換細胞を、プラスミド減損を考慮する非選択的条件下で(プロトプラスト形成および再生後に)増殖させ、そして得られたチオストレプトン選択的(tsr−S)コロニーを単離し且つ抗生物質生産について試験する。 これらのコロニーは、検出可能な量のロサマイシンを生産する能力を欠いていて、代わりにレプロマイシンを生産した。 後のことは、ロサマイシン+表現型が形質転換性D
    NAの存在によるものであってrosX突然変異の復帰によるものではないという強い証拠である。

    【0048】次に、形質転換されたミクロモノスポラ・
    ロサリア培養物からのプラスミドDNAは、大腸菌DH
    −5αコンピテント細胞を、典型的なロサマイシン+形質転換細胞から回収された全DNAによって形質転換することによって救出される。 コンピテント大腸菌細胞、
    例えば、大腸菌菌株DH−5α細胞(ライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Life Techn
    ologies,Inc. ),ゲイサーズバーグ,MD
    から購入された)を、供給者によって指示された方法により、精製プラスミドDNAによって形質転換する。 回収された耐アンピシリン性形質転換細胞は、サムブルックら、上記および当業者に知られているどこか他に記載の標準法にしたがって増殖させ、プラスミドを単離し、
    そして分析する。 更に、プラスミドDNAはまた、元の大腸菌ライブラリークローンから製造される。 元のライブラリープラスミドおよび再単離されたプラスミドのアガロースゲル電気泳動プロフィールの比較によって行われる制限分析は、全クラスを区別できないはずである。
    この分析は、プラスミドがロサマイシン+形質転換細胞中の未変化の遊離レプリコンとして存在したかどうかを示す。

    【0049】次に、欠失分析およびサブクローニングの組合わせに続いて相補性によって、クローン化DNAフラグメント中にエポキシダーゼ活性の地図を作成する。
    クローン化DNAフラグメントのエポキシダーゼをコードしている部分を決定するために、上記と同様の手順を用いて、この部分からの一連のDNAセグメントをシャトルベクターpCD425中にサブクローン化する。 次に、これらの新規の構築物をミクロモノスポラ・ロサリアrosX ATCC55709細胞中に形質転換し、
    そして新規の形質転換細胞をレプロマイシン生産についてスクリーニングする。 サブクローンは、rosX突然変異体培養物のロサマイシンの生産を回復するその能力によって識別される。 rosX突然変異を相補する能力を示す最小のクローン化DNAフラグメントを配列順序決定する。 好ましい配列決定法は、サンガー(Sang
    er)ら、 Proc. Natl. Acad. Sci.
    SA ,1977年,74,5463〜5467に記載されたジデオキシ配列決定法である。 次に、配列分析プログラムを用いてその配列のエポキシダーゼコーディング領域について分析する。 この配列分析を行うのに好ましいソフトウェアは、ジェネティクス・コンピューター・
    グループ・インコーポレーテッド(theGeneti
    cs Computer Group,Inc. ),マディソン,ウィスコンシン州の商標であるコドンプリフェレンス(CodonPreference) +である。 このソフトウェアは、ジェネティクス・コンピューター・グループ・インコーポレーテッド,マディソン,
    ウィスコンシン州から入手することができる。 この配列分析を行う場合、当業者は、放線菌遺伝子の特徴的なコドン使用およびG+C第三位偏りをさがす。 この手順を用いて、エポキシダーゼ遺伝子全体を含む読み取り枠を識別する。

    【0050】本明細書中で用いられる場合の「読み取り枠」という用語は、終結シグナルを全く含まない遺伝情報の連続配列を意味する。 該配列は、タンパク質に翻訳可能である。 特に、本発明において、読み取り枠は、翻訳過程中にエポキシダーゼ酵素の合成を支配するのに必要な配列情報を含む。

    【0051】上記の相補手順に対する別のアプローチを用いて、レプロマイシンのC−12、C−13オレフィンをエポキシ化してロサマイシンのC−12、C−13
    エポキシドを生成するのに関与するエポキシダーゼタンパク質をコードする遺伝子を野生型ミクロモノスポラ・
    ロサリアからクローン化することができることは当業者に知られている。 特に、二つの別のアプローチとして、
    復帰遺伝および相同プロービングがある。 復帰遺伝において、エポキシダーゼ酵素は、タンパク質精製の標準法を用いて精製され、そしてエポキシダーゼ酵素のN末端アミノ酸配列が決定される。 次に、このアミノ酸配列に基いて、DNA配列を推論し且つ用いて、合成DNAプローブを製造する。 次に、このプローブを用いて、慣用的なハイブリダイゼーションに基くスクリーニングアプローチを用いることによって野生型ミクロモノスポラ・
    ロサリアゲノムライブラリーからエポキシダーゼ遺伝子をクローン化する。 相同プロービングは、文献から入手可能な他の関連エポキシダーゼを比較することによって合成DNAプライマーまたは合成オリゴマーDNAプローブを推論することにより行われる。 次に、これらのD
    NAプライマーまたは合成オリゴマーDNAプローブを用いて、PCRか若しくはハイブリダイゼーション法または両者の組合わせを用いて野生型ミクロモノスポラ・
    ロサリアゲノムDNAから遺伝子をクローン化する。 これらのおよび他のアプローチは当業者に周知であり、これらの方法の一般的な説明はサムブルックら、上記で見出される。

    【0052】このDNAセグメントのフラグメントをプローブとして用いて、概してエポキシマクロライドを生産する他の野生型微生物においてオレフィンの細胞内エポキシ化を触媒するエポキシダーゼ酵素の生産に関与するDNAセグメントを決定する。 一つの微生物からの小DNAセグメントを、他の微生物の同様の配列を有するセグメントに対するプローブとしてどのように用いることができるかということは当業者に周知である。 この手順は、例えば、 Current Protocols
    in Molecular Biology ,グリーン・パブリッシング・アソシエーツ・アンド・ウィリー・
    インターサイエンス・ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(Greene Publishing Assoc
    iates and Wiley−Interscie
    nce,John Wiley& Sons),NY
    (1987)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている。 これらの技法を用いて、エポキシマクロライド抗生物質を生産しうる微生物で見出されるエポキシマクロライドへのオレフィンマクロライドの細胞内エポキシ化を触媒するのに関与するエポキシダーゼ酵素をコードするDNAセグメントを容易に決定することができる。 以下の表は、エポキシマクロライド抗生物質を生産することができる微生物および該微生物によって生産されるエポキシマクロライド抗生物質のリストを含む。 この表は実際の例示であり、エポキシマクロライド抗生物質を生産しうる微生物を全て含むものではない。
    当業者は、オレフィンマクロライドを生産しうる微生物を製造する本発明の方法が、以下の表1に記載された微生物を含むがそれに限定されないエポキシマクロライドを生産しうる微生物のいずれかを用いて行うことができる。

    【0053】

    【表1】

    【0054】エポキシダーゼ酵素をコードしているDN
    Aのセグメントは、当業者に周知の手順を用いて、エポキシ−ジエノンマクロライドを生産する微生物の菌株から見出される。 これを達成するために、全ゲノムDNA
    を、ミクロモノスポラ・ロサリアから既に単離されたプローブDNAセグメントとハイブリッド形成させる。 ハイブリッド形成は、当業者に周知の方法を用いて行われる。 例えば、概して、ゲノムDNAを、制限酵素、例えば、BamH1、EcoR1または他の周知の制限酵素を用いて切断してDNAフラグメントにする。 得られるフラグメントは約1kb〜約10kbの範囲であるのが好ましい。 当然ながら、概して、特定のDNAの配列および選択される特定の制限酵素に応じて1〜10kbより小さいまたは大きいフラグメントが存在するであろう。 これらのフラグメントを、概して、アガロースゲルを用いる電気泳動を用いて分析する。 分離が達成された後、フラグメントをニトロセルロースフィルターに移し、そしてDNAを90℃〜100℃のような適当な温度を用いて融解して鎖を分離する。 ミクロモノスポラ・
    ロサリアからのプローブを、周知の技法を用いて放射性にし、そして水溶液中のフィルターに加える。 温度を約45℃〜65℃まで低下させてDNAを再アニーリングする。 当業者は、再アニーリングの最適性が、ハイブリッド形成される特定の微生物の独特のDNA配列に依ることを理解するであろう。 プローブは、実質的に相補的なヌクレオチド配列を有するそのDNA鎖のみに結合するであろう。 DNAとハイブリッド形成するプローブに不可欠である相補性の程度は、ハイブリッド形成反応の温度によって調節される。

    【0055】ハイブリッドDNAを得た後、フィルターを洗浄し且つ乾燥させ、そしてプローブ/DNAセグメントハイブリッドをX線フィルムオートライオグラフィーの使用によって検出する。 DNAフラグメントをX線フィルムオートラジオグラフィーによって確認されるようにハイブリッド形成させるならば、DNAライブラリーは、当業者に周知の方法を用いて目的の菌株から製造される。 次に、このライブラリー自体を、ミクロモノスポラ・ロサリアからの元の放射性プローブによってプローブして、ライブラリー中のコロニーが目的の遺伝子を含むことを確認する。

    【0056】次に、目的のコロニーからのDNAを、配列決定するのに十分に小さいDNAフラグメントが好都合に得られるまで、種々の制限酵素を用いて切断する。
    当業者は、これが、しばしば、切断の結果をまとめる制限地図の作成を必要とすることを理解するであろう。 プローブとハイブリッド形成する目的の遺伝子を含む十分に小さいDNAフラグメントが得られた場合、当業者に周知の手順を用いてフラグメントを配列順序決定して、
    そのヌクレオチド配列を決定する。 概して、DNAフラグメントは、両末端に結合した数個の外来ヌクレオチド塩基を有するたった一つの遺伝子を含むのが好ましい。
    しかしながら、時々、配列決定されるDNAフラグメントの寸法を約2〜5kb未満まで減少させることは実際的ではないであろう。 それらの場合、更に大きいDNA
    フラグメントを配列決定する。 このように、エポキシ化を触媒するタンパク質を発現する遺伝子のDNA配列はこの方法によって得られる。

    【0057】このDNA配列が目的の微生物のエポキシダーゼ酵素を発現することができないようにそれを失活させるには、その遺伝子のDNAの一部分を切除する。
    概して、除去されるDNAの量は、約1〜30ヌクレオチド塩基寸法であるが、失活させる特定の遺伝子および遺伝子を失活させるのに用いられる方法に応じて、更に多数の塩基を除去することができる。 ヌクレオチド塩基の遺伝子からの切除は、当業者に周知の方法を用いて行われ、例えば、限定されないが、制限酵素を単独でかまたはエキソヌクレアーゼと組合わせて用いること、およびエポキシダーゼをコードしている遺伝子に特異的に集中する1対の特異的突然変異原性プライマーと組合わせたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用がある。 切除が達成され後、ヌクレオチド塩基が遺伝子の内部部分から除去された場合、このようにして生じた二つのDNA
    フラグメントを連結して、欠失のある遺伝子を生成する。 次に、この工学処理された欠損遺伝子を配列順序決定して、欠損遺伝子のヌクレオチド配列を決定する。 当業者は、欠失が、通常、活性タンパク質を発現する遺伝子の能力の失活をもたらすということを理解するであろう。 しかしながら、希に、欠失は、このような失活を引き起こさないことがある。 それらの希な状況においては、ヌクレオチド配列の別の部分を欠失させて遺伝子を失活させる必要があろう。

    【0058】或いは、エポキシダーゼ遺伝子の完全な不活化を確実にするために、抗生物質マーカーを欠失配列の代わりに挿入する。 この研究に好ましい抗生物質マーカーは、サッカロポリスポラ・エリトレア(Sacch
    aropolysporaerythraea)(以前はストレプトミセス・エリトレウス(Streptom
    yces erythraeus))のermE遺伝子である。 このマーカーの説明については、ホプウッドら、上記を参照されたい。 このマーカーは、形質転換されたミクロモノスポラ・ロサリア細胞に対して耐エリスロマイシン性を与える。 ネオマイシン、ハイグロマイシン、ビオマイシンなどの他の抗生物質に対する耐性を与える更に別の有用なマーカーを同様の目的で用いることができる。 完全な制限地図情報を含めたこれらのマーカーのリストについては、D. A. ホプウッドら、上記を参照されたい。 標準的なクローニング法を用いて、エポキシダーゼ遺伝子の欠失部位にermEマーカーを挿入する。 マーカーは、エポキシダーゼ読み取り枠のそれとは反対の配向に位置して、下流遺伝子の過発現によって起こりうる致死を回避する。 このマーカーを挿入して目的の遺伝子を分断するために、国際特許公開第WO95
    /16781号明細書を参照されたい。 切断されたエポキシダーゼ遺伝子中に挿入された抗生物質マーカーは、
    以下の部分で論及されるように、野生型菌株の突然変異遺伝子の置換を促進して、目的の微生物での遺伝子置換実験の成功を監視することを可能にするであろう。

    【0059】次に、失活した遺伝子が得られた菌株の野生型は、ジエンをエポキシ化してエポキシドを生成することができ、工学処理された失活した遺伝子を含むように操作される。 これは、当業者に周知の遺伝子置換法にしたがって行われる。 概して、遺伝子をDNAデリバリーベクター、例えば、バクテリオファージ、プラスミドまたはコスミド中に挿入する。 本発明において有用な微生物に対して形質転換または接合などの当業者に周知の技法によって工学処理された遺伝子を供給するのにプラスミドを用いることは好ましい。 形質転換は、微生物のDNAに対して工学処理された遺伝子を転移するプラスミドによって微生物を形質転換することにより達成される。

    【0060】目的の微生物の染色体中への突然変異遺伝子の転移は、宿主染色体とそれに対する相同部分を有するプラスミドとの間の組換えによって起こる。 プラスミド上の変更されたDNA配列によるゲノムセグメントの置換は、インビボ相同的組換えに依ると考えられる。 好ましくは、同時に起こる二つの交差、すなわち、組込みをもたらす単一交差および組込まれたプラスミドが切除される引続きの分離工程は、クローン化および内在配列間の相互交換を引き起こす。 このアプローチを用いることにより、エポキシダーゼ酵素をコードしている遺伝子の読み取り枠を分断することは可能である。 分断は、染色体の欠失か若しくは抗生物質マーカーの挿入または両方を必要とする。 得られた突然変異体菌株はエポキシダーゼ活性を欠き、安定であり、そして発酵によって単離しうる価値のあるオレフィンマクロライドを生成するのに用いることができる。

    【0061】組込みベクターとも称されるプラスミドの構築は、遺伝子置換による突然変異菌株の発生において決定的な工程を構成している。 組込みベクターの一つの重要な特徴は、放線菌染色体中の遺伝子の置換後に、ベクターが宿主細胞から完全に除去されることである。 多数のベクターが、キーサー(Kieser),T. およびホプウッド,D. A. 、 Methods in Ey
    zymology ,1991年,204巻,430〜4
    58に開示されている。 本発明において、シャトルベクターpCD262は、目的の微生物のエポキシダーゼ欠損菌株の構築で用いられる。 このベクターは、放線菌類および大腸菌の両方でクローニングに、並びに放線菌類の種々の遺伝子置換用途に有用な一組の変化しやすいシャトルベクターの一部分を成している。 例えば、欧州特許出願公開第0618297号明細書参照されたい。 ベクターpCD262は、放線菌類の中〜高コピー数を調節する複製起点を有する。 ベクターによって形質転換されたミクロモノスポラ・ロサリア細胞に、高温、胞子形成またはプロトプラスト化などのストレス、そして引続き再生を施した場合、多数のプラスミド不含コロニーを回収することができる。

    【0062】エポキシダーゼタンパク質をコードしている遺伝子の不活化変種を有するプラスミドの構築は、組込みベクター中への失活したエポキシダーゼ遺伝子のクローニングを必要とする。 失活したエポキシダーゼ遺伝子は、ミクロモノスポラ・ロサリアゲノムフラグメントのほぼ中央に位置している。 このフラグメントは、エポキシダーゼ遺伝子の交換(失活および野生型)を高頻度で促進するように、少なくとも3kb長さであるべきである。 フラグメントの寸法が、用いられる特定のシャトルベクターによって制限されるということは当業者に理解される。 組込みベクターは、いくつかのマーカー遺伝子、例えば、該ベクターが大腸菌細胞中で複製された場合に耐アンピシリン性を与えるamp、および該ベクターが形質転換によってミクロモノスポラ・ロサリア細胞に導入された場合に耐チオストレプトン性を与えるts
    rを含む。 更に、組込みベクターは、不活化エポキシダーゼ遺伝子の中央に挿入されたermEマーカーを含み、これはミクロモノスポラ・ロサリア形質転換細胞において耐エリスロマイシン性を与える。 これらの操作に好ましいベクターは、シャトルベクターpCD262である。 しかしながら、他の組込みベクターおよび抗生物質マーカーもまた、プラスミドを構築するのに有効に用いることができることは当業者に理解されるであろう(キーサー,T.およびホプウッド,D.A.、199
    1年, Methods in Eyzymology
    204巻,430〜458頁のストレプトミセス属の遺伝子操作:組込みベクターおよび遺伝子置換(Gene
    tic Manipulationof Strept
    omyces:Integrating Vector
    sand Gene Replacement)を参照されたい)。 形質転換の際に、形質転換されたコロニーを、エポキシダーゼ読み取り枠を不活化させるのに用いられるマーカー遺伝子を含まない微生物を全て死滅させる抗生物質によって刺激する。 残っている細胞だけが、
    組込みベクターを取り込んだものである。 これらの中には、染色体中に挿入された欠損工学処理された遺伝子を有し且つ野生型エポキシダーゼ発現遺伝子を含まない細胞があるであろう。 次に、欠損工学処理された遺伝子を含む形質転換微生物を、当業者に周知の発酵法を用いて発酵させる。 微生物はエポキシド含有マクロライドを生産することが既に知られているので、この微生物の標準的な発酵法は既に確立されているであろう。 野生型微生物によって生成されるエポキシ化マクロライドの存在について発酵ブイヨンを分析する。 野生型微生物が最初に生産したエポキシ化マクロライドの不存在およびジエンマクロライドの存在は、微生物がジエンマクロライド前駆体だけを生産するようにうまく工学処理されたことを示している。 ジエンマクロライドは、当業者に周知の方法を用いて単離される。

    【0063】野生型微生物を、エポキシマクロライドを生産することができ、したがってその最終のおよび単離可能な産物としてオレフィンマクロライドを生産する微生物に変換するために、野生型微生物中に存在する遺伝子を、更に、分子レベルでの化学的突然変異誘発によってまたは遺伝子分断などの当業者に周知の他の方法によって不活化させることができる。 分子遺伝学応用に関係する方法論はいずれも、本明細書中上記の遺伝子の識別を必要とすることは当業者に理解されるであろう。 次に、不活化遺伝子は、微生物においてエポキシダーゼ酵素を合成することができない。 したがって、微生物によって行われる抗生物質合成はオレフィン段階で停止する。 オレフィンは、本明細書中においてレプロマイシンを単離するのに示された方法または当業者に周知の他の標準法を用いて単離される。

    【0064】ミクロモノスポラ・ロサリア ATCC5
    5709のrosX突然変異体を得るために、野生型ミクロモノスポラ・ロサリアの培養物を適当な増殖培地と混合し且つ28℃〜30℃において200〜225rp
    mで振とうする。 この突然変異誘発法を、エポキシダーゼ活性を有するミクロモノスポラ・ロサリアの任意の培養物または突然変異体で行って、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体を製造することができるということは当業者に理解されるであろう。 適当な増殖培地は当業者に周知である。 ミクロモノスポラ・ロサリアの増殖に好ましい増殖培地はYPD−6培地である。 概して、2分の1強度YPD−6培地を用いるのが好ましい。 ミクロモノスポラ・ロサリアの培養物は僅かに増殖した培養物であるのが好ましい。 僅かに増殖した培養物とは、密集した大量の増殖を示す十分に増殖した培養物と比較すると、僅かに目に見える濁りのある培養物である。 2分の1強度YPD−6は、ディフコ酵母エキス(Difco YeastExtract)(5g/
    L)、バクト(Bacto)ペプトン(5g/L)、デキストロース(2.5g/L)、MOPS緩衝液(5g
    /L)を混合し且つ最終容量を1リットルにする十分な水を加えることによって製造される。 pHは、希水酸化ナトリウム水溶液によってpH7.0に調整される。 この培養物を、メタンスルホン酸、エチルエステル(EM
    S)または重亜硫酸ナトリウムなどの適当な化学的突然変異誘発性剤によって処理する。 突然変異原性剤の濃度は、本明細書中以下に記載の基準を用いて経験的に決定することができる。 EMSを用いる場合、例えば、EM
    Sの量は、概して、微生物の培養物の僅かに増殖した2
    mLアリコートに対して約15〜40μLである。 好ましい突然変異誘発性剤はEMSである。 突然変異誘発反応は、15℃〜40℃のような温度で3〜10時間インキュベートされる。 突然変異誘発反応は、30℃で振とうしながら4.5〜5時間行うのが好ましい。 更に、突然変異誘発反応フラスコを30℃において200〜22
    5rpmで振とうさせるのが好ましい。 突然変異誘発反応培養物を適当な培地、例えば、新鮮SCM培地によって希釈し、そして遠心分離する。 概して、上澄みは除去され且つ捨てられる。 遠心分離による細胞ペレットを新鮮増殖培地中に再懸濁させる。 概して、この増殖培地は、野生型ミクロモノスポラ・ロサリアの最初の増殖中に用いられる増殖培地と同一であるのが好ましい。 これを固形培地上で滴定して、突然変異誘発生存菌の数を決定する。 1000個またはそれ以上のコロニーが残っている場合のみ、プロトコトルを続ける。 もっと少ないコロニーしか見られない場合、概して、上記手順を繰返し且つもっと少ないEMS(15〜20μL)を用いる。
    突然変異が誘発されなかった対照と比較して50%未満のコロニーの死滅が観察される場合、上記手順を繰返してよいし且つもっと多いEMS(30〜50μL)が用いられるであろう。 生存菌の入った試験管を、培養物が十分に増殖するまで2〜3日間インキュベートする。 滅菌グリセロール(80%、2mL)を各生存菌試験管に加え、そして各試験管を−20℃のフリーザーに入れる。 24〜48時間後、凍結培養物を将来の対照用に滴定する。 rosX突然変異体を単離するために、突然変異を誘発した親培養物の凍結原液の単コロニーを増殖させ且つ発酵させて2mL培養物にする。 この培養産物は、ブイヨンを抽出用緩衝液8mLによって抽出した後に試験され、HPLCによって実験される。 突然変異体を抽出するのに用いられる抽出用緩衝液は、HPLC分析において用いられる「移動相」と同一である。 当業者は、ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体を生じることができる他の突然変異誘発法が存在することを理解するであろう。

    【0065】本発明の方法によって製造されるマクロライドオレフィンの抗生物質としての有用性は、ワグマン(Wagman)ら、 Journal of Anti
    biotics ,1972年, 25 ,641〜646で開示されたような当業者に周知の方法を用いて該化合物を試験することによって実証される。

    【0066】本明細書中で用いられる場合の「HPL
    C」という用語は、当業者によって用いられる分析的および単離技術である「高速液体クロマトグラフィー」を意味する。

    【0067】本発明は、以下の実施例によって例証されるが、その詳細に限定されない。 P−2000はポリプロピレングリコールであり、ジョージ・マン・アンド・
    カンパニー・インコーポレーテッド(George M
    ann & Co. ,Inc. )、ターミナル・ロード175、プロビデンス、ロード・アイランド、0290
    5から購入される。 ファーマメディアは、綿実由来タンパク質栄養素であり、トレイダーズ・プロテイン・ザ・
    バッキー・セルロース・コーポレーション(Trade
    rs Protein,The Buckeye Ce
    lluloseCorporation)、私書箱84
    07、メンフィス、テネシー州、38108から購入される。 アルダミンPHは、チャンプレイン・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Champlain
    Industries Inc. )、ステート・ストリート79、ハーバー・ビーチ、ミシガン州、48441
    から購入される。 ペプチカーゼ(Pepticase)
    は、シェフィールド・ケミカル、ノリッジ、ニューヨークから購入される。

    【0068】

    【実施例】 実施例1 #1. レプロマイシンの製造−発酵装置規模標準接種材料として用いるための凍結ロットを製造するために、ミクロモノスポラ・ロサリアをJDYTT培地(セレロース10g/L、コーンスターチ5g/L、トウモロコシ浸漬固形物2.5g/L、NZ−アミンYT
    T 5g/L、CoCl 2・6H 2 O 0.002g/
    L、P2000 1mL/L、CaCO 3 3g/L)中に接種し且つ約3日間振とうさせた(250rpm、3
    0℃、2インチ行程)。 JDYTT培地は約pH7.0
    に調整され、使用する前に約121℃で約30分間滅菌された。 細胞増殖が完了した後、グリセロール(最終濃度20%)を凍結保護剤として加え、そして培養物を約−80℃で貯蔵した。

    【0069】接種材料を製造するために、凍結培養物ロット5mlを、2.8Lフェルンバッハフラスコ中のJ
    DYTT培地1リットルに入れた。 培養物を約30℃で振とうしながら(250rpm、2インチ行程)約3日間増殖させた。 フェルンバッハの内容物全部を、2枚の4 3/4インチ攪拌機ブレードを有する14L発酵装置ジャー(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフッイック、ニュー・ブランズウィック、NJ)中の8L
    の生産用培地RSM−6に入れた。 RSM−6の組成は、コーンスターチ50g/L、セレロース10g/
    L、アルダミンPH5g/L、ファーマメディア10g
    /L、MgHPO 4・3H 2 O 10g/L、カゼイン加水分解産物2.5g/L、アスパラギン0.5g/L、
    FeSO 4・7H 2 O 0.028g/L、MgSO 4
    7H 2 O 0.5g/L、K 2 HPO 4 0.75g/
    L、CuSO 4・5H 2 O 0.003g/L、MnCl
    2・4H 2 O 0.003g/L、ZnSO 4・7H 2
    0.003g/L、CoCl 2・6H 2 O 0.003g
    /L、P2000 1mL/Lであった。 RSM−6
    は、希水性NaOHによって約pH7.0に調整され、
    そして使用前に約121℃で約99分間オートクレーブ処理された。 発酵は、約30℃、450rpm、0.3
    4v/v/m空気で行われ、pHは、NaOH/H 2
    4によってまたはMOPS 6g/Lを生産用培地に加えることによって6.7〜7.3に調節された。 レプロマイシン力価は、典型的に、69〜116時間でピークに達した。 試料は、HPLC(イナートシル(Ine
    rtsil)C−8カラム、Su,250x4.6mm
    (メタケム・テクノロジーズ(Metachem Te
    chnologies)、トランス、CA)、30℃、
    流速0.6ml/分、UVによって280nmで検出される、移動相H 2 O:アセトニトリル:THF::6
    0:28:12、0.05%トリフルオロ酢酸)による検定のために溶媒混合物(3.5:6.5のメタノール:0.1M KH 2 PO 4緩衝液、pH3.5)中に抽出された。 ミクロモノスポラ・ロサリア R94−30
    4−99SC23(ATCC55709)は、これらの条件下においてレプロマイシン368〜398mg/L
    を生産した。

    【0070】 #2. レプロマイシンの製造−フラスコ規
    標準接種材料を上記のように、または300mlエレンマイヤーフラスコ中のJDYTT接種用培地30mlに対して凍結培養物ロット2mlを加えることによって製造した。 培養物を約30℃で振とうしながら(250r
    pm、2インチ行程)約3日間増殖させた。 接種材料2
    mlを、300mlエレンマイヤーフラスコ中の修飾R
    SM−5培地(コーンスターチ30g/L、ファーマメディア10g/L、セレロース10g/L、アルダミンPH 5.0g/L、アスパラギン0.5g/L、Fe
    SO 4・7H 2 O 0.028g/L、MgSO 4・7H 2
    O0.5g/L、K 2 HPO 4 0.75g/L、CuS
    4・5H 2 O 0.002g/L、MnCl 2・4H 2
    0.003g/L、ZnSO 4・7H 2 O 0.003
    g/L、MOPS 6g/L、カゼイン加水分解産物2.5g/LおよびMgHPO 4・3H 2 O 10g/
    L、P2000 1mL/L、pH7.0(希水性Na
    OHによって調整される)、約121℃で約20分間オートクレーブ処理される)約30ml中に入れた。 フラスコ実験は、約30℃で3〜4日間振とうされた。 発酵ブイヨンを上記のように抽出し且つHPLC検定に供した。 ミクロモノスポラ・ロサリア R94−304−9
    9SC23(ATCC55709)は、これらの条件下においてレプロマイシン455mg/Lを生産した。

    【0071】 実施例2 ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体の製
    ミクロモノスポラ・ロサリアの新鮮な僅かに増殖した培養物(10mL)を2分の1強度YPD−6培地と混合し且つ28℃〜30℃において200〜225rpmで振とうさせた。 僅かに増殖した培養物とは、密集した大量の増殖を示す十分に増殖した培養物と比較すると、僅かに目に見える濁りのある培養物である。 2分の1強度YPD−6は、ディフコ酵母エキス(5g/L)、バクトペプトン(5g/L)、デキストロース(2.5g/
    L)、MOPS緩衝液(5g/L)を、混合物の全容量が1リットルであるように十分な水中で混合することによって製造された。 pHは、希水酸化ナトリウム水溶液によってpH7.0に調整された。

    【0072】メタンスルホン酸、エチルエステル(EM
    S、25μL)をこの培養物/培地混合物(2mL)に対して加え、そして反応混合物を30℃において200
    〜225rpmで振とうしながら4.5〜5時間インキュベートした。 培養物を新鮮SCM培地(8mL)によって希釈した。 これを遠心分離し、そして上澄みは注意深く除去され且つ捨てられた。

    【0073】遠心分離による細胞ペレットを新鮮な2分の1強度YPD培地(2mL)中に再懸濁させ且つ固形培地上で滴定して、突然変異誘発生存菌の数を決定した。 1000個またはそれ以上のコロニーが残っていた場合のみ、プロトコトルを続けた。 もっと少ないコロニーしか見られなかった場合、上記手順を繰返し且つもっと少ないEMS(15〜20μL)を用いた。 突然変異が誘発されなかった対照と比較して50%未満のコロニーの死滅が観察された場合、上記手順を繰返し且つもっと多いEMS(30〜50μL)を用いた。 この実験において、25μLで所望の範囲内のコロニーが得られたので、手順を続けることができた。

    【0074】生存菌の入った試験管を、培養物が十分に増殖するまで2〜3日間インキュベートした。 滅菌グリセロール(80%、2mL)を各生存菌試験管に加え、
    そして各試験管を−20℃のフリーザーに入れた。 24
    〜48時間後、凍結培養物を将来の対照用に滴定した。

    【0075】rosX突然変異体を単離するために、突然変異を誘発した親培養物の凍結原液からのYPD寒天培地上で単離された単コロニーを増殖させ且つ発酵させて2mL培養物にした。 培養産物は、ブイヨンを抽出用緩衝液8mLによって抽出した後に試験され且つHPL
    Cによって分析された。 突然変異体を抽出するのに用いられる抽出用緩衝液は、HPLC分析において用いられる「移動相」と同一である。 試料は、HPLC(イナートシルC−8カラム、Su,250x4.6mm(メタケム・テクノロジーズ、トランス、CA)、30℃、流速0.6ml/分、UVによって280nmで検出される、移動相H 2 O:アセトニトリル:THF::60:
    28:12、0.05%トリフルオロ酢酸)による検定のために溶媒混合物(3.5:6.5のメタノール:
    0.1M KH 2 PO 4緩衝液、pH3.5)中に抽出された。 レプロマイシンはUV maxが288であり、典型的に、ロサマイシンより50%大きい溶離時間を要する。 したがって、レプロマイシンは、この実施例の生成物試料およびレプロマイシンを一緒に同時試験することによってロサマイシンと区別することができる。 ロサマイシンのUV maxは242nmである。 ミクロモノスポラ・ロサリアのrosX突然変異体は、そのレプロマイシン生産およびロサマイシンが全く存在しないことに基いて検出され且つ単離された。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 19/62 C12R 1:29) (72)発明者 エドマンド・ダブリュー・ハフナー アメリカ合衆国コネチカット州06333,イ ースト・ライム,フェロ・コート 12 (72)発明者 ハミッシュ・エイ・アイ・マッカーサー アメリカ合衆国コネチカット州06335,ゲ ールズ・フェリー,フェズント・ラン・ド ライブ 19

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