New bacillus natto and soft fermented soybeans produced by using the bacillus natto

申请号 JP2007115110 申请日 2007-04-25 公开(公告)号 JP2008263929A 公开(公告)日 2008-11-06
申请人 Mitsukan Co Ltd; Mitsukan Group Honsha:Kk; 株式会社ミツカン; 株式会社ミツカングループ本社; 发明人 TAKEMURA HIROSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain Bacillus natto suitable for producing soft fermented soybeans. SOLUTION: The Bacillus natto suitable for producing soft fermented soybeans is obtained by separating Bacillus natto from Chungkookjang being a fermented food used for food in Korea and separating Bacillus natto by using thread pulling and hardness of fermented soybeans as indexes. The Bacillus natto is different from existing Bacillus natto and has characteristics of softening fermented soybeans with progress of fermentation. The method for producing softer fermented soybeans comprises using the Bacillus natto. The soft fermented soybeans are produced by the production method. COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 発酵が進むに従い納豆を柔らかくする能力を有するバチルス・サチリス(Bacillus subtilis)に属する納豆菌。
  • 16sRNA遺伝子が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列で示されるものであること、を特徴とする請求項1に記載の納豆菌。
  • バチルス・サチリスK3(Bacillus subtilis K3)株(FERM BP−10801)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の納豆菌。
  • 請求項1〜3のいずれか1項に記載の納豆菌を用いることを特徴とする納豆の製造方法。
  • 請求項4に記載の納豆の製造方法により製造されたことを特徴とする柔らかい納豆。
  • 請求項4に記載の納豆の製造方法により製造され、且つ、対照納豆菌株であるバチルス・サチリス OUV23481(Bacillus subtilis OUV23481)株(FERM BP−6659)を用いて製造された納豆に比して、硬度が低いものであること、を特徴とする請求項5に記載の柔らかい納豆。
  • 請求項4に記載の納豆の製造方法により製造され、硬度が0.2〜0.4Nであることを特徴とする請求項5に記載の柔らかい納豆。
  • 说明书全文

    本発明は、新規納豆菌及び該納豆菌を用いて製造された新規納豆に関し、さらに詳細には、発酵の進行に伴い納豆を柔らかくする能を有する納豆菌、及び該納豆菌を用いて製造された柔らかい納豆に関する。

    納豆は、大豆の煮豆をバチルス・サチリス(Bacillus subtilis)に属する納豆菌で発酵することによって生産される伝統食品であるが、納豆の品質を左右する因子の一つとして、硬さ(柔らかさ)がある。

    近年では柔らかな納豆が好まれる傾向にある中で、例えば、柔らかく煮上がる特性を有する大豆を選別して用いたり、大豆の蒸煮強度を強めて柔らかく煮上げた煮豆を用いたりして、柔らかい納豆を製造しようとする試みが行われているが、柔らかく煮上がる特性を有する大豆を安定して調達することが難しかったり、大豆の蒸煮強度を強めた場合は豆色が黒くなりかえって品質低下をきたすなどの問題があった。

    一方、納豆の硬さは、納豆菌による発酵の前後で比較すると、発酵後のほうが硬くなることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。 また、発酵が進むに伴い経時的に豆は硬くなってゆくことも報告されている(例えば、非特許文献2参照)。

    このような中で、他の発酵性能は従来の納豆菌と遜色がなく、かつ、発酵が進むに伴って豆を柔らかくするような能力を有する納豆菌が取得できれば、糸引き性、旨み、色調などの他の特性は遜色なく、かつ、柔らかい納豆が安定して製造可能となることが期待できる。

    しかし、これまでにこのような能力を有する納豆菌を開発したとの報告は全くないのが実情であった。
    食総研報、51巻、p. 48−58、1987年 日本食品工業学会誌、40巻、1号、p. 75−82、1993年

    本発明は、発酵が進むに伴って豆を柔らかくするような能力を有する納豆菌を提供し、該納豆菌を用いた柔らかい納豆の製造方法、及び該製造方法により製造された柔らかい納豆を提供することを目的とする。

    本発明者らは、柔らかい納豆を製造するのに適した納豆菌を取得すべく、各方面に亘って且つ鋭意検討を重ねた結果、主に韓国で食用されている、稲わらを利用した韓国の伝統的な大豆の発酵食品であるチョングッチャン(戦国醤)より分離、選抜した納豆菌の中に、他の発酵性能は従来の納豆菌と遜色がなく、かつ、発酵が進むに伴って豆を柔らかくするような能力を有する納豆菌が存在することを見出し、選抜した該納豆菌を用いて納豆を製造することによって柔らかい納豆の製造が可能になることを検証して、本発明を完成した。

    すなわち、請求項1に記載の本発明は、発酵が進むに従い納豆を柔らかくする能力を有するバチルス・サチリス(Bacillus subtilis)に属する納豆菌に関する。

    また、請求項2に記載の本発明は、16sRNA遺伝子が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるものであること、を特徴とする請求項1に記載の納豆菌に関する。

    また、請求項3に記載の本発明は、バチルス・サチリスK3(Bacillus subtilis K3)株(FERM BP−10801)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の納豆菌に関する。

    さらに、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の納豆菌を用いることを特徴とする柔らかい納豆の製造方法に関する。

    さらにまた、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の納豆の製造方法により製造されたことを特徴とする納豆に関する。

    そして、請求項6に記載の本発明は、請求項4に記載の納豆の製造方法により製造され、且つ、対照納豆菌株であるバチルス・サチリスOUV23481(Bacillus subtilis OUV23481)株(FERM BP−6659)を用いて製造された納豆に比して、硬度が低いものであること、を特徴とする請求項5に記載の柔らかい納豆に関する。

    さらにまた、請求項7に記載の本発明は、請求項4に記載の納豆の製造方法により製造され、硬度が0.2〜0.4Nであることを特徴とする請求項5に記載の柔らかい納豆に関する。

    本発明により、発酵の進行に伴い納豆を柔らかくする納豆菌(柔らかい納豆を製造する納豆菌)が提供され、その納豆菌を用いて納豆を生産することにより近年その需要が高まってきている柔らかい納豆の製造が可能となる。

    以下、本発明を詳細に説明する。

    本発明では納豆菌の分離を行った。
    納豆菌の分離源には特に制限はないが、稲わら、枯葉、土壌、世界各国の発酵食品等があるが、例えば、韓国で食用されている大豆の発酵食品であるチョングッチャン(戦国醤)が好適である。

    納豆菌の分離は、以下のとおりにして実施することが可能である。 すなわち、納豆菌分離源となるサンプルを滅菌等に懸濁し、適当な濃度に希釈した後、標準寒天培地(1リッター当たり、酵母エキス 2.5g、トリプトン 5.0g、ブドウ糖 1g、寒天 15g、pH 7.1:栄研化学株式会社製)にプレーティングし、37℃で一夜培養し、生じたコロニーを分離する。

    この際、コロニーの形状を指標に、納豆菌と思われる菌を選択するのが好ましい。 さらに、選択したコロニーをSG培地(シュークロース 5%、L−グルタミン酸モノナトリウム塩 1.5%、KH 2 PO 4 (リン酸二水素カリウム)0.27%、Na 2 HPO 4・12H 2 O(リン酸水素二ナトリウム(12水))0.42%、NaCl 0.05%、MgSO 4・7H 2 O(硫酸マグネシウム七水和物)0.05%、 ビオチン0.1μg/ml、寒天 1.6%、pH 6.4:例えば、特開平10−215861号公報参照)に塗布後、37℃一夜培養し、粘質物を生成するコロニーを選択する。

    得られたコロニーより、常法に従い胞子液を作成して(例えば、特開平10−215861号公報参照)、納豆製造用の種菌とすることができる。

    納豆の製造は、常法通り行えばよい。 例えば、浸漬した大豆を水切りし、0.18MPaで18分間蒸煮して得た蒸煮大豆1gあたり1000から4000個の胞子を植菌し、40gずつPSPトレーにいれ、薄い被膜で表面を覆い、蓋をした後に、バッチ式納豆発酵室へ入れ、室温37〜42℃、高湿度下で発酵を行う。 発酵終了後、熟成させた後、出来上がった納豆の品質を評価する。 なお、納豆の硬さの評価は、官能評価および硬度測定にて実施することができる(例えば、特開2004−24197号公報参照)。

    目的の納豆菌の選抜は、以下のようにして実施することが出来る。 すなわち、選択した納豆菌を種菌に用いて納豆を製造し、まず糸引き性の弱い納豆しか製造できない納豆菌を除外する。 次に、既存の納豆菌バチルス・サチリスOUV23481(Bacillus subtilis OUV23481)株(FERM BP−6659)(以下、OUV23481株と称する場合もある。)(例えば、特開2000−287676号公報参照)を用いて生産した納豆を対照とし、それよりも柔らかな納豆が製造できる納豆菌を選択することができる。 さらに、選択した納豆菌を用いて製造した納豆の品質の評価を行い、硬さ以外の品質指標に関しても優れた納豆菌を選抜することができる。

    バチルス・サチリスOUV23481(Bacillus subtilis OUV23481)株は、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)、現独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6))に、1999年(平成11年)2月23日付けで寄託されており、その受託番号はFERM BP−6659である。

    このようにして選抜された柔らかい納豆を製造できる優れた納豆菌の納豆生産への利用は、従来から実施されている方法を採用すれば良く、特に制限がない。

    例えば、納豆は丸大豆を原料として製造されたいわゆる丸大豆納豆が一般的であるが、一部には予め挽割った大豆を原料とする挽割り納豆もある。

    丸大豆納豆の製造方法は、原料である丸大豆を冷水に十数時間浸漬した後、蒸煮釜で加圧蒸気を用いて加圧蒸煮(0.15〜0.20MPa)して得られた蒸煮大豆に対して、高温状態(70〜100℃)で納豆菌を接種し混合した後、所定の容器に充填してから発酵室に搬入し、室温37〜42℃で所定時間(15〜20時間程度)発酵させた後、5℃前後で冷蔵熟成(12〜72時間程度)して完成させるのが一般的である。

    また、挽割り納豆の場合は、予め挽割った大豆を水に浸漬する以外は、通常の丸大豆納豆の場合と同様の方法で製造される。

    このような従来の納豆の製造方法において、本発明では発酵工程で用いる納豆菌を、前記方法によって選抜した優れた納豆菌に代えて使用することによって製造することができる。 このようにして、従来の納豆と比べ柔らかい納豆が製造可能となる。

    本発明の製造方法によって製造した納豆は、製造直後において柔らかく、対照株(OUV23481株)による納豆の硬度(N)に対して50〜75%程度の硬度(N)しか示さない(換言すれば、対照納豆に比してそれだけ柔らかいことを示す)。 なお、発酵時間の経過とともに対照株は硬度(N)が増加するのに対し、本発明に係る納豆はこれとは全く逆に硬度(N)が低下する点が特徴的である。

    発酵12時間目において、本発明に係る納豆の硬度(N)は対照納豆の75〜85%であるが、18時間目においては対照納豆の40〜50%となり、本発明に係る納豆の硬度(N)は対照納豆のそれよりも低く、しかも発酵時間の経過とともに低くなっている。 また、双方の納豆について時間の経過に伴う硬度(N)は、対照納豆の場合は、18時間目においては、12時間目に比して110〜135%に増加するのに対して、本発明に係る納豆の場合は、これとは全く逆に、55〜75%(通常、60〜70%)に低下する。

    したがって、本発明によれば、対照に比して柔らかい納豆が得られるだけでなく、対照納豆が発酵時間の経過とともに硬くなっていくのに対して、本発明に係る納豆は逆に柔らかくなっており、製造直後の柔らかな納豆も充分に期待することができ、きわめて特徴的である。 もちろん、本発明に係る納豆は、糸引き性、硬さ(官能評価)、旨み等に関しては、対照納豆とはいささかも遜色がないことも確認されており、本発明に係る納豆は新規にしてきわめて有用な食品ということができる。

    以下に、実施例等を挙げて本発明を具体的に説明する。

    (実施例1)
    (1)納豆菌の分離 チョングッチャンを適量滅菌水に懸濁し、滅菌水にて希釈した後、標準寒天培地(栄研化学株式会社製)プレートにプレーティングし、37℃、1夜培養した。 出現したコロニーをSG培地に植菌し、37℃、24時間培養し、粘質物を作る菌を選択した。 得られた菌より胞子液を作成し、定法に従い納豆を製造した。

    (2)納豆の評価 製造した納豆の糸引きを官能評価し、弱いものを排除した。 次に、納豆の硬さを官能評価し、柔らかいものを選択し、さらに以下のようにして硬度計で硬度を確認した。

    すなわち、硬度計は、直径1.5mmのプランジャーを装着したデジタルホースゲージ(型式:FGC−0.2、日本電産シンポ社製)を、電動式縦型簡易試験スタンド(型式:FGS−50V−L、日本電産シンポ社製)に、プランジャー部を下方にしてセットしたものを用いた。

    そして、まず測定すべき納豆を15〜25℃に温めた後、豆粒を潰さないように箸で良くほぐし、任意の1粒を上記の電動式縦型簡易試験スタンドの台上に置いた。

    その後、該デジタルホースゲージを60mm/分の速度で降下させ、プランジャーで豆粒の中心を突き刺すように押潰した。 プランジャーが豆粒底面から1±0.2mmのところまで降下したところで、デジタルホースゲージの降下を停止し、この時の表示値(単位:ニュートン(N)、ピーク値)を記録した。

    以下、同様にして合計14粒について表示値を計測した後、最上位2つ、及び、最下位2つの表示値を除いた10粒分の表示値の平均をとって、納豆の硬度(N)を求めた。

    納豆の評価に際しては、同じ蒸煮条件、発酵条件でOUV23481株を用いて製造した納豆を対照とした。

    表1に、上記方法で選抜した納豆菌を用いて製造した納豆の糸引き性、硬さ(官能評価)、及び硬度を示す。

    これらの納豆菌で煮豆を発酵するとOUV23481株で製造した場合に比べ柔らかい納豆が製造できた。

    (実施例2)
    実施例1で得られた納豆菌のうち最も柔らかい納豆を作ることが出来たK3株と、OUV23481株を用いて定法に従い納豆を製造した。 発酵開始時から、経時的に納豆の硬度を測定した。 その結果を表2に示した。

    既存の納豆菌OUV23481株を用いて発酵した場合は、発酵の最後の段階で硬度が増していった。 即ち、硬くなっていった。 一方、K3株を用いて発酵した納豆は発酵時間全体を通してOUV23481株を用いて製造した納豆よりも柔らかかった。 また、発酵時間の経過とともに一貫して硬度が低下し、柔らかくなっていった(表2)。 尚、K3株を用いて製造した納豆は、味、旨み、糸引き性ともに、OUV23481株を用いて製造した納豆と同等であった。

    (実施例3)
    K3株の菌学的な特徴を、バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)と比較した結果を表3に示す。 なお、各指標については、「Bergey's manual of determinative bacteriology 8th ( The Williams and Wilkins company, 1974)」、「食品微生物学ハンドブック(技報堂出版(株)、1995年)」、「好気性芽胞形成菌の図鑑(日本ベクトン・ディッキンソン(株)、2004年)を参照して検査した。

    また、図1及び配列表の配列番号1にK3株の16sRNA遺伝子の塩基配列を示す。 16sRNA遺伝子は、図2に示すプライマーを用いて増幅し、塩基配列を決定した。

    すなわち、Quicklyse Miniprep Kits(キアゲン社製)を用いて抽出したK3株のDNAを鋳型とし、図2に示すプライマーを用いて、GeneAmp PCRシステム 2400(アプライドバイオシステムジャパン社製)によってPCR反応を行って得られた増幅断片について、ABI PRISM 3700(アプライドバイオシステムジャパン社製)を用いて塩基配列を決定した。

    プライマーとしては、27F(配列番号2)、520R(配列番号3)、520F(配列番号4)、920R(配列番号5)、920F(配列番号6)、1492R(配列番号7)を使用した。 なお、これらプライマーの塩基配列はまとめて図2に示した。

    K3株の16sRNA遺伝子の塩基配列は、バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)のタイプ株であるバチルス・サチリス DMS10(Bacillus subtilis DSM10)株の16sRNA遺伝子の塩基配列と99.9%以上の相同性を有していた。

    以上の結果より、K3株を既存の納豆菌と同様に、バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)に属すると同定した。

    このようにK3株は、柔らかい納豆を製造しうる点できわめて特徴的である。 そこでK3株は、バチルス・サチリス K3(Bacillus subtilis K3)株として、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に、平成19年(2007年)3月19日付けで、寄託した。 その受託番号はFERM BP−10801である。

    また、K3株は、特開2002−233391号公報に記載のBacillus subtilis var. chungkookjang KCTC 0697BP株と異なり、容易に胞子化した。 即ち、K3株は栄養培地(酵母エキス2%、食塩0.5%、pH7)で37℃、48時間、振とう培養した場合でも、もしくは、胞子形成培地(例えば、特開平10−215861号公報参照)で37℃、24時間振とう培養した場合でも、いずれにおいても、90%以上が胞子化することが確認できた。 したがって、K3株は、Bacillus subtilis var. chungkookjangとは異なることが確認できた。

    K3株の16sRNAの塩基配列を示す図である。

    各種プライマーの塩基配列を示す図である。

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