ヒドロゲルマイクロキャリアのための乾燥製剤

申请号 JP2017563565 申请日 2016-06-08 公开(公告)号 JP2018516578A 公开(公告)日 2018-06-28
申请人 コーニング インコーポレイテッド; 发明人 ドリー−ソンヴィル,ポーラ ジーン; アンリ,ダヴィド; シベック,ジェフリー ジョセフ; ヂョウ,ユエ;
摘要 細胞培養物品を製造する方法が提供される。その方法は、ポリガラクツロン 酸化 合物またはアルギン酸化合物を含むマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程、そのマイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させて、浸潤したマイクロキャリアを形成する工程、およびその浸潤したマイクロキャリアを乾燥させて、乾燥マイクロキャリアを形成する工程を有してなり、その乾燥製剤が、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む。
权利要求

細胞培養物品を製造する方法において、 ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物を含むマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程、 前記マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させて、浸潤したマイクロキャリアを形成する工程、および 前記浸潤したマイクロキャリアを乾燥させて、乾燥したマイクロキャリアを形成する工程、 を有してなり、 前記乾燥製剤は糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む、方法。前記乾燥したマイクロキャリアを滅菌して、滅菌された乾燥マイクロキャリアを形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。前記マイクロキャリアを再和する工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。前記マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程が、前記乾燥製剤の溶液中に前記マイクロキャリアを浸漬する工程、または前記マイクロキャリア組成物および前記乾燥製剤を同時に噴霧する工程を含む、請求項1から3いずれか1項記載の方法。前記乾燥製剤が、1から50質量%の糖類、10から500mMの一価陽イオン、および不揮発性液体材料の少なくとも1つを含む、請求項1から4いずれか1項記載の方法。前記不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、請求項5記載の方法。細胞培養物品において、 ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物と、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む乾燥製剤と、 を含み、水を含まない細胞培養物品。前記乾燥製剤が、1から50質量%の糖類、0.5から20質量%の一価陽イオン、および不揮発性液体材料の少なくとも1つを含む、請求項7記載の細胞培養物品。前記不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、請求項8記載の細胞培養物品。

说明书全文

優先権

本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2015年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/172449号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。

本開示は、概して、ヒドロゲルマイクロキャリアのための乾燥製剤に関し、より詳しくは、ヒドロゲルマイクロキャリアを乾燥させ、滅菌し、再和させる方法に関する。

接着細胞が高いコンフルエンスに到達でき、それゆえ、細胞間の接触阻止により細胞の増殖が制限され得る平面での細胞培養とは対照的に、高い表面積/体積比を有する球状のマイクロキャリアは、採取された細胞または馴化培地のいずれかが所望の生成物であり得る効率的な細胞培養の拡大または拡張のための魅的なプラットフォームを提示する。

ポリガラクツロン酸およびアルギン酸などのカルボキシル含有多糖類をカルシウム陽イオンなどの二価イオンと架橋させて、安定なヒドロゲルを形成することができ、そのヒドロゲルは、細胞培養のための基体として、または生きている細胞のカプセル材料として、ビーズの形態で使用することができる。

架橋したヒドロゲルは、EDTAなどによってカルシウムを除去することにより、消化する(少なくとも部分的に溶かす)ことができる。これにより、細胞生理学に悪影響があり得るプロテイナーゼを使用せずに、細胞遊離が促進される。

ガンマ線滅菌が、そのプロセス効率および浸透深さのために、ヒドロゲルマイクロキャリアを殺菌するために使用されることがある。しかしながら、ガンマ線滅菌中に水または湿気が存在すると、望ましくないフリーラジカルが生じ、これが細胞を損傷し得る。それゆえ、ヒドロゲルマイクロキャリアを、滅菌前に乾燥させ、次いで、滅菌後に再水和することが考えられる。さらに、湿ったヒドロゲルと比べると、乾燥形態にあるゲル材料は、包装、出荷および貯蔵するのがより容易かつより経済的である。

上記に鑑みて、ヒドロゲルマイクロキャリアを乾燥させ、滅菌し、次に完全に再水和するための低コストの効率的な方法であって、再水和されたマイクロキャリアが初期の形状および機械的性質を示す方法を提供することが都合よいであろう。

本開示の実施の形態によれば、方法により、ポリガラクツロン酸またはアルギン酸から製造されたビーズなどのヒドロゲルビーズの乾燥および完全な再水和が可能になる。このビーズは、その乾燥状態において、放射線への暴露などによって滅菌されることがある。完全な再水和は数分で起こり、再水和されたビーズは、それらの元の(脱水前)の形状および機械的性質を示す。

本開示のある実施の形態によれば、脱水前に、ビーズを、高濃度の単糖類または多糖類を含む乾燥製剤中に浸漬する。本開示の別の実施の形態によれば、脱水前に、ビーズを、一価陽イオンおよび低濃度の単糖類または多糖類を含む製剤中に浸漬する。本開示のさらに別の態様によれば、脱水前に、ビーズを、一価陽イオンを含む製剤中に浸漬する。ここに開示された実施の形態の各々は、細胞培養用途のためのビーズのガンマ線滅菌およびその後の再水和を可能にする。

細胞培養物品を製造する方法は、ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物などのマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程、そのマイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程、および浸潤したマイクロキャリアを乾燥させる工程を有してなる。その乾燥製剤は、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む。

細胞培養物品は、ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物と、糖類および一価陽イオンからなる群より選択される乾燥製剤とを含む。実施の形態において、その細胞培養物品は水を含まない。

本開示の主題の追加の特徴および利点が、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたような本開示の主題を実施することによって、認識されるであろう。

先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本開示の主題の実施の形態を提示しており、請求項に記載された本開示の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することを目的とすることが理解されよう。添付図面は、本開示の主題のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の主題の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、本開示の主題の原理および作動を説明する働きをする。その上、図面と説明は、説明に過ぎないことを意味し、請求項の範囲をどのようにも制限する意図はない。

本開示の特別な実施の形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号により示されている以下の図面と共に読んだときに最も理解することができる。

カルシウムと架橋したPGAビーズの位相差画像

賦形剤を用いずに乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

5%のブドウ糖と共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

20%のブドウ糖と共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

40%のブドウ糖と共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

50mMのNaClと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

5%のブドウ糖および50mMのNaClと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの位相差画像

PGAマイクロキャリア上で培養したhMSCの増殖倍率のグラフ

実施の形態によるPGAマイクロキャリアのカルセインアセトメトキシ(AM)染色蛍光画像

ガンマ線滅菌およびオートクレーブ滅菌PGAマイクロキャリアから回収した細胞の総数を示すグラフ

ガンマ線滅菌およびオートクレーブ滅菌PGAマイクロキャリアから回収した生存細胞の百分率を示すグラフ

Corning Incorporated Synthemax(登録商標)−SC表面を有するPGAマイクロキャリア上のVero細胞のカルセインアセトメトキシ(AM)染色蛍光画像

Corning Incorporated Synthemax(登録商標)−SC表面を有するPGAマイクロキャリア上のVero細胞のカルセインアセトメトキシ(AM)染色蛍光画像

細胞密度対培養時間のグラフ

カルシウムと架橋したPGAビーズの画像

500mMのNaClおよび1.0mLのDMSOと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

125mMのNaClおよび1.0mLのDMSOと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

50mMのNaClおよび1.0mLのDMSOと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

賦形剤を用いずに乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

125mMのNaClと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

125mMのNaClおよび0.5mLのDMSOと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

125mMのNaClおよび1.0mLのDMSOと共に乾燥され、再水和されたPGAビーズの画像

ここで、その内のいくつかの実施の形態が添付図面に示されている、本開示の主題の様々な実施の形態を詳しく参照する。図面に亘り、同じまたは同様の部品を参照するために、同じ参照番号が使用される。

多糖類ヒドロゲルビーズ(カルシウムと架橋した)の乾燥により、大規模細胞培養などの生物工学用途のためにそれらを滅菌することができる。滅菌後、それらのビーズは再水和され、元の(乾燥前の)形状および性質に戻される。PGAまたはアルギン酸から形成されたビーズについて、糖類繰り返し単位とカルシウムイオンとの間に架橋が生じる。しかしながら、この架橋は、EDTAによるカルシウムの除去などによって、可逆的である。

従来の乾燥中、PGAまたはアルギン酸のカルボキシル基が互いにより近づくにつれて、架橋密度が増加する。これにより、その高分子が、元のヒドロゲル状態に戻るように再水和されるのが妨げられてしまう。再水和溶液にナトリウムまたは他の陽イオンを添加すると、すなわち、新たに形成された架橋構造を壊すことにより、再水和の程度が増すと考えられる。しかしながら、再水和溶液にナトリウムを添加すると、元の架橋構造も崩壊し、連続的に膨潤し、その網目構造および関連特性における変化がもたらされる。

ヒドロゲルビーズを形成する方法が、その内容がここに全て引用される、同一出願人による国際出願PCT/US2014/043624号明細書および米国仮特許出願第62/172299号明細書に開示されている。

ヒドロゲルビーズを効果的に脱水し、再水和する方法が開示されている。その方法は、脱水前に、ヒドロゲルビーズを処理する工程を含む。

本開示のある実施の形態によれば、脱水前に、ビーズに、高濃度(例えば、5〜50質量%)の単糖類または多糖類を含む製剤を浸潤させる。別の実施の形態によれば、脱水前に、ビーズに、一価陽イオン(例えば、10〜500mM)および低濃度(例えば、1〜50質量%)の単糖類または多糖類を含む製剤を浸潤させる。さらに別の実施の形態によれば、脱水前に、ビーズに、一価陽イオン(例えば、10〜500mM)を含む製剤を浸潤させる。糖類および/または一価陽イオンは乾燥状態のビーズ中で維持される。例示の糖類としては、ブドウ糖およびショ糖並びにそれらの組合せが挙げられる。例示の一価陽イオンとしては、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムのイオン、並びにそれらの組合せが挙げられる。ここに記載された実施の形態の各々により、細胞培養用途のために、乾燥したビーズのガンマ線滅菌およびその後の再水和が可能になる。

本開示の実施の形態によれば、ここに記載された製剤の各々は、不揮発性液体材料をさらに含むことがある。その不揮発性液体材料は、例えば、以下に限られないが、DMSOまたはPEG−400などの低分子量ポリエチレングリコールであってよい。その製剤は、100mLのビーズ当たり、約0.1mLと約2.0mLの間の不揮発性液体材料を含むことがある。例えば、その製剤は、100mLのビーズ当たり約0.5mLと約1.5mLの間の不揮発性液体材料を含むことがあり、先の値のいずれの間の範囲も含む。

浸潤中、前記製剤は、例えば、拡散によって、ビーズ中に含まれる。その製剤は、ビーズ全体に亘り均一にまたは不均一に分布することがある。例えば、糖類または一価陽イオンの濃度は、中央よりも、ビーズの表面近くで高いことがある。

その浸潤は、例えば、乾燥前にビーズ中に製剤を含ませるのに効果的な時間に亘り、ビーズを製剤中に浸漬する工程を含むことがある。そのようなやり方において、浸潤および乾燥は連続して行われる。代わりの実施の形態において、製剤のビーズ中への浸潤およびビーズの乾燥は、噴霧乾燥などによって、同時期に行われることがある。

噴霧乾燥は、高温気体による急激な乾燥によって、液体またはスラリーから乾燥粉末を製造する方法である。噴霧乾燥では、その液体またはスラリーを分散させるために、噴霧器または噴霧ノズルを使用する。高温乾燥気体は、並流または向流として噴霧器に通過させることができる。実施の形態において、PGA溶液および乾燥製剤は、同時にまたは同時期にマイクロキャリアビーズを形成し、乾燥製剤をビーズ中に含ませ、ビーズを乾燥させるために、噴霧乾燥させることができる。

実施の形態において、湿ったマイクロキャリアビーズは、50から500マイクロメートルに及ぶ、例えば、50、100、200、300、400または500マイクロメートルと、先の値のいずれかの間の範囲を含む平均粒径を有する。糖類が浸潤されたマイクロキャリアビーズは、1から50質量%の糖類、例えば、1、2、5、10、20、30、40または50質量%と、先の値のいずれかの間の範囲を含む質量%の糖類を含み得る。一価陽イオンが浸潤されたマイクロキャリアビーズは、10から500mMの陽イオン、例えば、10、20、50、100、200、300、400または500mMと、先の値のいずれかの間の範囲を含むモル濃度の陽イオンを含み得る。糖類および一価陽イオンの両方が浸潤されたマイクロキャリアビーズは、先の値により考えられる乾燥製剤のどの組成、例えば、1から20質量%のブドウ糖および10から100mMのナトリウム陽イオンを含んでも差し支えない。

乾燥粉末として、そのビーズは、10から200マイクロメートルに及ぶ、例えば、10、20、50、100または200μmと、先の値のいずれかの間の範囲を含む凝集粒径(二次粒径)を有する塊を典型的に形成する。水をマイクロキャリアから抽出することにより、乾燥製剤は、組成物全体のより大きい割合を占めるであろう。乾燥粉末は、水を含まない、すなわち、多くとも10質量%(例えば、多くとも1、2、4、5または10質量%と、先の値のいずれかの間の範囲を含む)の含水率まで乾燥している。

実施の形態において、乾燥したマイクロキャリアビーズは、10から99質量%の糖類、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、97、98たまは99質量%と、先の値のいずれかの間の範囲を含む質量%の糖類を含む。実施の形態において、乾燥したマイクロキャリアビーズは、0.5から20質量%の一価陽イオン、例えば、0.5、1、2、5、10または20質量%と、先の値のいずれかの間の範囲を含む質量%の陽イオンを含む。糖類および一価陽イオンの両方が浸潤されたマイクロキャリアビーズは、乾燥したときに、先の値により考えられる乾燥製剤のどの組成、例えば、60から80質量%の糖類および0.5から10質量%の一価陽イオンを含んでも差し支えない。

実施例1−PGAビーズの乾燥および再水和 その内容がここに全て引用される、同一出願人による国際公開第2014/209865号に開示された方法を使用して、PGAビーズをゲル化により合成し、カルシウムと架橋させた。

2%のポリガラクツロン酸(PGA)水溶液を炭酸カルシウムと混合して、水性懸濁液を形成する。その懸濁液を界面活性剤としてのSpan 85によりヘプタン中に分散させて、油中水エマルションを形成する。そのエマルションに酢酸を添加して、炭酸カルシウムを溶かし、カルシウムイオンを遊離させて、PGA分子を架橋させる。CaCl2のエタノール溶液を使用して、架橋した網目構造中に追加のカルシウムイオンを導入することによって、ビーズをさらに強化する。PGAビーズの直径は、100マイクロメートルから300マイクロメートルに及ぶ。

乾燥より先に、PGAビーズを、異なる濃度のブドウ糖および/またはNaClを含有する水または水溶液中に2時間に亘り浸漬する。フィルタ(106マイクロメートルの細孔サイズ)に通して、ビーズをイソプロピルアルコールで濯いで、過剰の浸漬溶液を除去し、ビーズを予備脱水する。次に、このように処理したビーズを24時間に亘り真空下で乾燥させる。乾燥したビーズは、不透明な白色粉末として特徴付けられる。

乾燥ビーズを水中で再水和させる(10分間または24時間の総膨潤時間について5分間の撹拌)。再水和したビーズの形態を、光学顕微鏡で観察する。

脱水前処理および再水和の結果が、表Iに纏められている。

図1〜7は、カルシウム架橋PGAビーズの位相差画像である。乾燥前のビーズの対照画像が図1に示されている(試料1)。図2は、乾燥前に水中に浸漬しただけの再水和ビーズの画像である(試料2)。再水和は明らかに不完全である。乾燥ビーズの再水和は、図3〜5から分かるように、ビーズに含まれるブドウ糖の量に比例して改善する。5%および20%のブドウ糖による処理後に部分的な水和が実現されたが(試料3および4)、24時間後でも、これらのビーズは元のサイズと形態を取り戻すことはできない。完全な再水和は、図5から分かるように、40%のブドウ糖で処理されたビーズに実現される。試料5のビーズは、15分で元のサイズと形態まで再水和する。

図6は、乾燥前に50mMのNaCl中に浸漬された再水和ビーズの画像である(試料6)。これらの乾燥ビーズは部分的に再水和する。しかしながら、図7に示されるように、乾燥前に、5%のブドウ糖が50mMのNaClと組み合わされると、ビーズは、15分で完全に再水和し、長い浸漬中にそのサイズと形態を維持する。

実施例2−細胞培養のための被覆PGAビーズの乾燥 「Synthemax」−SCコーティング:実施例1に記載されたように調製したPGAビーズが7.5ml充填されたプラスチック遠心管に、30mlの0.25mg/mlの「Synthemax」−SC溶液を加える。穏やかに振盪した後、その管をオーブン内で30分間に亘り40℃で加熱し、23℃に冷却する。このように被覆したビーズを40mlの水で3回濯ぎ、遠心分離して、上清を廃棄する。その後、湿ったビーズを水中に懸濁させ、4℃で貯蔵する。乾燥させい被覆ビーズを対照として使用する。

乾燥およびガンマ線滅菌:先の工程に記載されたように調製した7.5mlの「Synthemax」被覆ビーズに45mlの339g/lまたは495g/lいずれかのブドウ糖を加えた。その懸濁液を100mlのフラスコに入れ、18時間に亘り23℃で穏やかに振盪して、ブドウ糖をビーズ中に拡散させる。浸漬後、ブドウ糖が浸潤したビーズをIPAで3回濯いで、過剰の浸漬溶液を除去し、ビーズを部分的に脱水する。次に、ビーズを16時間に亘り真空下で乾燥させて、粉末を生成する。この粉末を、19〜21キログレイ(kGy)でのガンマ線照射のために窒素雰囲気下でガラス製薬瓶に詰める。細胞培養前に、「Synthemax」−SC表面を有する、ガンマ線滅菌したビーズを30分間に亘り水で再水和し、水で1回濯ぐ。

細胞培養:2mlの湿った再水和ビーズを、25mlのMesencult XF培地倍を含む125mlの使い捨てスピナーフラスコに加え、約百万の骨髄由来hMSC(STEMCELL(商標)technologies(SCT)、カタログ番号MSC−100F、BM ID#2637)を播種した。このフラスコを一晩、静置して、細胞を接着させる。その後、播種したマイクロキャリアを、加湿培養器(37℃および5%のCO2)内で7日間に亘り断続的に振盪する。完全な培地交換を4日目に行う。

7日後、最初にマイクロキャリアをD−PBSで濯ぎ、次いで、10mlの50Uのペクチナーゼおよび5mMのEDTAを含む溶液の添加によりマイクロキャリアを溶かすことによって、培養細胞を採取する。培養細胞の総数は、トリパンブルー染色後に血球計を使用した計数により得る。増殖倍率を、初期細胞播種密度および7日目の最終的な細胞密度に基づいて計算する。乾燥させなかった被覆ビーズを70%のエタノールで消毒し、細胞培養中の対照として使用する。

図8を参照して分かるように、高濃度のブドウ糖(339または475g/l)が浸潤されたPGAビーズは、乾燥、ガンマ線滅菌、再水和、および無血清培地中での撹拌培養において効率的なhMSC増殖を支援する。7日以内に6倍の増殖が達成され、これは、エタノール消毒したPGAビーズにより達成された結果に匹敵する。

実施例3−細胞培養のための被覆PGAビーズの乾燥 「Synthemax」−SCコーティング:実施例2におけるように、「Synthemax」−SC溶液を20mlのPGAビーズ懸濁液(10mlの充填ビーズを含む)と混合する。

乾燥およびガンマ線滅菌:洗浄したビーズを、5%のブドウ糖および125mMのNaClを含む溶液中に23℃で2時間に亘り浸漬する。浸漬したビーズを70mlのIPA中で濯いで、過剰なブドウ糖およびNaClを除去し、ビーズを部分的に脱水する。次に、ビーズを24時間に亘り真空下で乾燥させて、粉末を生成する。この粉末を、19〜21kGyでのガンマ線照射のために窒素雰囲気下でガラス製薬瓶に詰める。

細胞培養:細胞培養前に、「Synthemax」−SC表面を有するガンマ線滅菌したビーズを30分間に亘り水で再水和する。次に、上清を10%の血清含有培地と交換し、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBMSC)(50mlの培地中の1.8mlの充填ビーズ当たり1×106の細胞、これは、5,500細胞/cm2に相当する)を播種するために125mLのスピナーフラスコに移す。

6日後、細胞をカルセインアセトメトキシ(AM)で染色し、蛍光画像を撮る。培養細胞の総数は、ビーズを、10mlの50Uのペクチナーゼおよび5mMのEDTAを含む溶液中に溶かすことによって得る。細胞は、Vi−CELL(登録商標)細胞計数器を使用して計数する。増殖倍率を、初期細胞播種密度および6日目の最終的な細胞密度に基づいて計算する。乾燥させなかった被覆ビーズをオートクレーブで消毒し、細胞培養中の対照として使用する。

培養の6日後の「Synthemax」−SC表面被覆ビーズのカルセインAM染色蛍光画像が、図9(a)(ガンマ線滅菌ビーズ)および図9(c)(オートクレーブ滅菌ビーズ)に示されている。図9(a)から分かるように、hBMSC細胞は、ガンマ線滅菌PGAビーズ上に接着し、広がり、その上で増殖する。これは、図9(c)に示されるような従来のオートクレーブ処理を使用して滅菌したビーズ(比較)に匹敵する。

このマイクロキャリアは、ペクチナーゼ/EDTA溶液で容易に消化され、hBMSC細胞を溶液中に遊離する。ペクチナーゼ/EDTAによるマイクロキャリアの消化後の、6日目でのhBMSCを含む単細胞溶液の位相差顕微鏡画像が、図9(b)(ガンマ線滅菌ビーズ)および図9(d)(オートクレーブ滅菌ビーズ)(比較)に示されている。

図10を参照すると、ガンマ線滅菌PGAマイクロキャリア上で播種され、培養されたhBMSCの増殖および生存率は、オートクレーブ滅菌ビーズのものに匹敵した。図10Aに示されるように、採取時の総細胞数は、培養の6日後の細胞の6倍の増殖を証明する。さらに、図10Bに示されるように、これらの細胞の90%超が生存していた。図10に示された値は、滅菌条件当たりに試験した2つの試料の平均±標準偏差である。

実施例4−細胞培養のための被覆PGAビーズの乾燥 「Synthemax」−SCコーティング:実施例2におけるように、「Synthemax」−SC表面被覆溶液を20mlのPGAビーズ懸濁液(10mlの充填ビーズを含む)と混合する。

乾燥およびガンマ線滅菌:洗浄したビーズを、5%のブドウ糖および125mMのNaClを含む溶液中に23℃で2時間に亘り浸漬する。浸漬したビーズを70mlのIPA中で濯いで、過剰なブドウ糖およびNaClを除去し、ビーズを部分的に脱水する。次に、ビーズを24時間に亘り真空下で乾燥させて、粉末を生成する。この粉末を、19〜21kGyでのガンマ線照射のために窒素雰囲気下でガラス製薬瓶に詰める。

細胞培養:5%のFBS(Corningカタログ番号35−010)、1X MEM NEAA(Corningカタログ番号25−025)、および2mMのL−グルタミン(Corningカタログ番号25−005)を添加したDMEM(Corningカタログ番号10−013)中でVero細胞(ATCC(登録商標)CCL−81(商標))を培養する。細胞培養前に、「Synthemax」−SC被覆表面を有するガンマ線滅菌したビーズを30分間に亘り水で再水和する。次に、上清を血清含有培地と交換し、約15,000細胞/cm2でVero細胞を播種するために125mLのスピナーフラスコに移す。

6日後、細胞をカルセインAMで染色し、蛍光顕微鏡で撮像する。培養細胞の総数は、ビーズを、10mlの50Uのペクチナーゼおよび5mMのEDTAを含む溶液中に溶かすことによって得る。細胞は、「Vi−CELL」細胞計数器を使用して計数する。「Synthemax」−SC表面を有する、乾燥させかったビーズをエタノールで消毒し、対照として使用する。

培養の4日後の「Synthemax」−SC表面を有するビーズのカルセインAM染色蛍光画像が、図11に示されている。エタノールで消毒したビーズ(図11A、比較)へのVero細胞の接着は、ガンマ線滅菌し、再水和したPGAビーズ(図11B)の接着に匹敵する。図12を参照すると、培養の6日後のガンマ線滅菌し、再水和したPGAビーズ上の細胞の数は、乾燥させずにエタノール消毒したビーズ上の細胞の数を超えている。図から分かるように、即時の乾燥製剤により、PGAビーズを乾燥させ、ガンマ線滅菌し、生物学的性能を維持することが可能になる。

実施例5−乾燥並びに異なる濃度のNaCl溶液およびDMSOによる再水和 同一出願人による米国仮特許出願第62/172299号明細書に開示された方法を使用して、PGAビーズをゲル化により合成し、カルシウムと架橋させた。

1.75%のPGA水溶液をノズルに通して、4.0%の炭酸カルシウム溶液中に滴下して、架橋ビーズを形成する。次に、ビーズを水で洗浄して、どのような過剰なカルシウムも除去する。

乾燥の前に、PGAビーズを、1時間に亘り異なる濃度のNaClを含有する水溶液中に浸漬する。フィルタ(106マイクロメートルの細孔サイズ)に通して、ビーズをイソプロピルアルコールで濯いで、過剰の浸漬溶液を除去し、ビーズを予備脱水する。次に、ビーズをフラスコに入れ、100mLのビーズ毎に1.0mLのDMSOをフラスコに加える。次に、このビーズを、ロータリー・エバポレータを使用して乾燥させた。乾燥したビーズは、不透明な白色粉末として特徴付けられる。

乾燥したビーズを水中で再水和する。ここで、50mgの乾燥粉末毎にその乾燥ビーズに8.0mLの水を加え、混合する。再水和が、2.0分以下で完了することが観察された。再水和ビーズの形態を光学顕微鏡で観察する。

脱水前処理および再水和の結果が、表IIに纏められている。

図13〜17は、本実施例において形成したカルシウム架橋PGAビーズの位相差画像である。乾燥前のビーズの対照画像が図13に示されている(試料8)。図13のビーズは、258±7μmのサイズを有すると決定された。図14は、乾燥前に500mMのNaCl中に浸漬した再水和ビーズの画像である(試料9)。図14に示されたビーズに完全な再水和が実現されるが、ビーズが307±8μmのサイズを有すると決定されたので、ビーズの過剰な膨潤が観察された。図15は、乾燥前に125mMのNaCl中に浸漬した再水和ビーズの画像である(試料10)。図15に示されたビーズは256±5μmのサイズを有すると決定されたので、そのビーズに、元のビーズサイズおよび形態までの完全な再水和と膨潤が実現されている。図16は、乾燥前に50mMのNaCl中に浸漬した再水和ビーズの画像である(試料11)。図16に示されたビーズは192±9μmのサイズを有すると決定されたので、そのビーズの再水和は不完全である。図17は、乾燥前に浸漬しなかった再水和ビーズの画像である(試料12)。図17のビーズは125±10μmのサイズを有すると決定されたので、そのビーズの再水和は明らかに不完全である。

実施例6−乾燥並びにNaCl溶液および異なる体積のDMSOによる再水和 実施例5に記載されたようにPGAビーズを合成した。

乾燥の前に、PGAビーズを、1時間に亘り125mMのNaClを含有する水溶液中に浸漬する。フィルタ(106マイクロメートルの細孔サイズ)に通して、ビーズをイソプロピルアルコールで濯いで、過剰の浸漬溶液を除去し、ビーズを予備脱水する。次に、ビーズを、各々が100mLのビーズ毎に異なる体積のDMSOが加えられた別々のフラスコに入れる。次に、このビーズを、ロータリー・エバポレータを使用して乾燥させる。乾燥したビーズは、不透明な白色粉末として特徴付けられる。

乾燥したビーズを水中で再水和する。ここで、50mgの乾燥粉末毎にその乾燥ビーズに8.0mLの水を加え、混合する。再水和が、2.0分以下で完了することが観察された。再水和ビーズの形態を光学顕微鏡で観察する。

脱水前処理および再水和の結果が、表IIIに纏められている。

図18〜20は、本実施例において形成したカルシウム架橋PGAビーズの位相差画像である。図18は、乾燥前に、125mMのNaCl中に浸漬したが、DMSO中には浸漬しなかった再水和ビーズの画像である(試料13)。図18に示されるように、再水和ビーズの30〜50%が亀裂を有することが観察された。図19は、乾燥前に125mMのNaClおよび0.5mLのDMSO中に浸漬した再水和ビーズの画像である(試料14)。ビーズのいくらかが亀裂を含むことが観察されたが、試料14の再水和ビーズの亀裂は、試料13の再水和ビーズと比べて、減少していることが観察された。図20は、乾燥前に125mMのNaClおよび1.0mLのDMSO中に浸漬した再水和ビーズの画像である(試料15)。図20に示されるように、試料15の再水和ビーズのほとんどどれも、亀裂を含むと観察されなかった。言い換えると、試料15の再水和ビーズの亀裂は、試料13および14の再水和ビーズと比べて、相当減少していることが観察された。

どの特定の理論により束縛する意図もないが、ビーズにより水が急速に吸収され、ビーズの迅速膨張が生じるので、再水和の結果として亀裂が生じると考えられる。ビーズの外側部分は、ビーズの内側部分よりも遅く水和し、ビーズの体積膨張に一致するほど十分な弾性を有していないと考えられる。乾燥製剤中にDMSOまたはPEG−400などの不揮発性液体材料を含ませると、ビーズに浸潤し、乾燥後にビーズ中に残り、再水和中にビーズの外側部分に弾性を与えることができる液体材料が提供される。このように、再水和中に、ビーズの外側部分は、ビーズの内側部分の体積の増加に一致するほど十分に膨張し、亀裂を防ぐことができるであろう。

実施の形態において、高濃度の単糖類または多糖類(例えば、ブドウ糖)、低濃度の単糖類または多糖類と一価塩(例えば、塩化ナトリウム)との組合せ、もしくは一価塩のいずれかにより、脱水前にビーズを処理することによって、脱水したPGAビーズの効果的な再水和が達成できる。

本開示の態様(1)によれば、細胞培養物品を製造する方法が提供される。その方法は、ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物を含むマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程、そのマイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させて、浸潤したマイクロキャリアを形成する工程、および浸潤したマイクロキャリアを乾燥させて、乾燥したマイクロキャリアを形成する工程を有してなり、その乾燥製剤は、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む。

本開示の別の態様(2)によれば、乾燥したマイクロキャリアを滅菌して、滅菌された乾燥マイクロキャリアを形成する工程をさらに含む、態様(1)による方法が提供される。

本開示の別の態様(3)によれば、乾燥したマイクロキャリアを滅菌する工程が、乾燥したマイクロキャリアをガンマ線に暴露する工程を含む、態様(2)による方法が提供される。

本開示の別の態様(5)によれば、そのマイクロキャリアを再水和する工程をさらに含む、態様(1)〜(4)のいずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(6)によれば、マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程が、その乾燥製剤の溶液中にマイクロキャリアを浸漬する工程を含む、態様(1)〜(5)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(7)によれば、マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程が、マイクロキャリア組成物および乾燥製剤を同時に噴霧する工程を含む、態様(1)〜(5)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(8)によれば、乾燥製剤が1から50質量%の糖類を含む、態様(1)〜(7)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(9)によれば、乾燥製剤が10から500mMの一価陽イオンを含む、態様(1)〜(8)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(10)によれば、乾燥製剤が1から50質量%の糖類および10から500mMの一価陽イオンを含む、態様(1)〜(9)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(11)によれば、糖類が、ショ糖およびブドウ糖からなる群より選択される、態様(1)〜(10)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(12)によれば、一価陽イオンが、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムのイオンからなる群より選択される、態様(1)〜(11)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(13)によれば、乾燥製剤が不揮発性液体材料を含む、態様(1)〜(12)いずれかによる方法が提供される。

本開示の別の態様(14)によれば、不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、態様(13)による方法が提供される。

本開示の別の態様(15)によれば、細胞培養物品が提供される。その細胞培養物品は、ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物と、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む乾燥製剤とを含み、その細胞培養物品は水を含まない。

本開示の別の態様(16)によれば、乾燥製剤が1から50質量%の糖類を含む、態様(15)による細胞培養物品が提供される。

本開示の別の態様(17)によれば、乾燥製剤が0.5から20質量%の一価陽イオンを含む、態様(15)または(16)による細胞培養物品が提供される。

本開示の別の態様(18)によれば、乾燥製剤が1から50質量%の糖類および0.5から20質量%の一価陽イオンを含む、態様(15)〜(17)のいずれかによる細胞培養物品が提供される。

本開示の別の態様(19)によれば、乾燥製剤が不揮発性液体材料を含む、態様(15)〜(18)のいずれかによる細胞培養物品が提供される。

本開示の別の態様(20)によれば、不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、態様(19)による細胞培養物品が提供される。

ここに用いたように、名詞は、文脈がそうではないと明白に示さない限り、複数の対象を指す。それゆえ、例えば、「一価陽イオン」への言及は、文脈がそうではないと明白に示さない限り、そのような「一価陽イオン」を2つ以上有する例を含む。

「含む」という用語は、包含するが、それに限定されないこと、すなわち、包括的であって、排他的ではないことを意味する。

「随意的な」または「必要に応じて」は、続いて記載された事象、環境、または構成要素が生じ得るまたは生じ得ないことを意味し、その記載は、その事象、環境、または構成要素が生じる例、および生じない例を含むことを意味する。

範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、とここに表すことができる。そのような範囲が表された場合、例は、そのある特定の値から、および/または他方の特定値までを含む。同様に、値が、「約」という先行詞を使用して、近似として表されている場合、特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点は、他の端点に関連してと、他の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。

特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に列挙していない場合、またはそうではなく、その工程が特定の順序に限定されることが請求項または説明に明白に述べられていない場合、どの特定の順序も暗示されることは決して意図されていない。いずれか1つの請求項におけるどの列挙された1つまたは多数の特徴または態様も、どの他の請求項におけるどの他の列挙された特徴または態様と組み合わせても、または置換しても差し支えない。

ここでの列挙は、特定の様式で機能するように「構成されている」または「適合されている」構成要素を称することも留意されたい。この点に関して、そのような構成要素は、特定の性質を具体化する、または特定の様式で機能するように、「構成されており」または「適合されており」、ここでそのような列挙は、目的とする使用の列挙とは対照的に、構造的列挙である。より詳しくは、ある構成要素が「構成されている」または「適合されている」様式へのここでの言及は、その構成要素の既存の物理的条件を示し、それゆえ、その構成要素の構造的特徴の明白な列挙と解釈すべきである。

特定の実施の形態の様々な特徴、要素または工程が、「含む」という移行句を使用して開示されることがあるが、「からなる」、または「から実質的になる」という移行句を使用して記載されることがある実施の形態を含む代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、溶媒中に溶けた糖類を含む溶液に対して暗示される代わりの実施の形態は、溶液が溶媒中に溶けた糖類からなる実施の形態、および溶液が溶媒中に溶けた糖類から実質的になる実施の形態を含む。

本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本発明の技術に様々な改変および変更を行えることが当業者に明白であろう。本発明の技術の精神および実体を含む開示された実施の形態の改変、組合せ、下位の組合せおよび変更が、当業者に想起されるであろうから、本発明の技術は、付随の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の全てを含むと考えるべきである。

以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。

実施形態1 細胞培養物品を製造する方法において、 ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物を含むマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程、 前記マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させて、浸潤したマイクロキャリアを形成する工程、および 前記浸潤したマイクロキャリアを乾燥させて、乾燥したマイクロキャリアを形成する工程、 を有してなり、 前記乾燥製剤は糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む、方法。

実施形態2 前記乾燥したマイクロキャリアを滅菌して、滅菌された乾燥マイクロキャリアを形成する工程をさらに含む、実施形態1に記載の方法。

実施形態3 前記乾燥したマイクロキャリアを滅菌する工程が、該乾燥したマイクロキャリアをガンマ線に暴露する工程を含む、実施形態2に記載の方法。

実施形態4 前記マイクロキャリアを再水和する工程をさらに含む、実施形態1から3いずれか1つに記載の方法。

実施形態5 前記マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程が、前記乾燥製剤の溶液中に前記マイクロキャリアを浸漬する工程を含む、実施形態1から4いずれか1つに記載の方法。

実施形態6 前記マイクロキャリアに乾燥製剤を浸潤させる工程が、前記マイクロキャリア組成物および前記乾燥製剤を同時に噴霧する工程を含む、実施形態1から4いずれか1つに記載の方法。

実施形態7 前記乾燥製剤が1から50質量%の糖類を含む、実施形態1から6いずれか1つに記載の方法。

実施形態8 前記乾燥製剤が10から500mMの一価陽イオンを含む、実施形態1から7いずれか1つに記載の方法。

実施形態9 前記乾燥製剤が1から50質量%の糖類および10から500mMの一価陽イオンを含む、実施形態1から8いずれか1つに記載の方法。

実施形態10 前記糖類が、ショ糖およびブドウ糖からなる群より選択される、実施形態1から9いずれか1つに記載の方法。

実施形態11 前記一価陽イオンが、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムのイオンからなる群より選択される、実施形態1から10いずれか1つに記載の方法。

実施形態12 前記乾燥製剤が不揮発性液体材料を含む、実施形態1から11いずれか1つに記載の方法。

実施形態13 前記不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、実施形態12に記載の方法。

実施形態14 細胞培養物品において、 ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物と、糖類および一価陽イオンの少なくとも一方を含む乾燥製剤と、 を含み、水を含まない細胞培養物品。

実施形態15 前記乾燥製剤が1から50質量%の糖類を含む、実施形態14に記載の細胞培養物品。

実施形態16 前記乾燥製剤が0.5から20質量%の一価陽イオンを含む、実施形態14または15に記載の細胞培養物品。

実施形態17 前記乾燥製剤が1から50質量%の糖類および0.5から20質量%の一価陽イオンを含む、実施形態14から16いずれか1つに記載の細胞培養物品。

実施形態18 前記乾燥製剤が不揮発性液体材料を含む、実施形態14から17いずれか1つに記載の細胞培養物品。

実施形態19 前記不揮発性液体材料が、DMSOおよび低分子量ポリエチレングリコールからなる群より選択される、実施形態18に記載の細胞培養物品。

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