Culture islet

申请号 JP2013535111 申请日 2011-10-21 公开(公告)号 JP2013543725A 公开(公告)日 2013-12-09
申请人 セル アンド ティシュー システムズ インコーポレーテッドCell & Tissue Systems, Inc.; 发明人 ジェイ テイラー マイケル; シー バイク シモーナ;
摘要 パンクレアタイトを含み得る膵島の調製方法が提供される。 その方法は膵臓および/またはその断片を崩壊、例えば、酵素消化させるステップ、ならびに回収された島を含む細胞生成物を少なくとも検出可能な量の内分泌組織および/または外分泌組織を含む培地に播種するステップを含むことができる。
权利要求
  • 膵島を培地において外分泌物質の存在下でエクスビボ培養するステップを含む、膵島の調製方法。
  • 膵組織を消化酵素で処理することにより、前記島を膵組織から単離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 膵島を含むドナー組織を消化酵素で処理し、島を含む細胞生成物を得るステップ;および 該島を含む細胞生成物を培地に外分泌物質の存在下で播種するステップを含む、パンクレアタイトの調製方法。
  • 前記島が未熟な島を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記培地がガス透過膜のような膜、好適にはポリカーボネートガス透過性シリコーン膜培養フラスコ上に存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約20%より大きい量で存在し、前記島の量が前記島に含まれる面積の前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算され、例えば、前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約30%より大きい量で存在するか、または前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約40%より大きい量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約70%未満の量で存在し、例えば、前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約60%未満の量で存在する、または前記島が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約50%未満の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約60%より大きい量で存在し、前記外分泌物質の量が前記外分泌物質に含まれる面積の前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算され、例えば、前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約70%より大きい量で存在する、または前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約80%より大きい量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約50%未満の量で存在し、前記外分泌物質の量が前記外分泌物質に含まれる面積の前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算され、例えば、前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約40%未満の量で存在するか、または前記外分泌物質が前記培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約30%未満の量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記島が未成熟ドナー、若年ドナー、哺乳類ドナー、ヒトドナー、ブタドナー、ウシドナー、および霊長類ドナーからなる群から選択されるドナーから得られる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記外分泌物質がドナー膵臓から得られる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記島が前記膵組織から単離され、前記島が前記外分泌物質と組み合わされる、請求項2に記載の方法。
  • 前記外分泌物質および前記島が単一のドナー膵臓から得られる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記外分泌物質が合成である、または前記島の供給源ではないドナー膵臓から得られる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  • 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法により調製される、または単離された膵島を単離された外分泌物質とエクスビボで組み合わせることにより得られる、パンクレアタイトを含む組成物。
  • 说明书全文

    I型糖尿病は膵臓のβ細胞が十分なインスリンを分泌できないことにより引き起こされる広く知られた代謝障害である。 インスリンはほとんどの細胞型におけるグルコースの摂取に必要であり、不適当なインスリン生成はグルコース摂取の低下および血中グルコースレベルの上昇を引き起こす。 適切な治療なしでは、糖尿病は死に至り得る。 インスリンでの治療は、命を助けるが、寿命を縮める疾患の合併症を予防するのに十分な血中グルコースの制御をもたらさないことが多く、これは正常血糖の達成および持続のより良い方法への集中的な研究をもたらした。 提案されているより新しい治療方法の中では、他のヒトまたは動物のいずれかから得られる膵臓β島細胞の移植が世界的に顕著に注目されている。 これは、島細胞移植がインスリン分泌ユニットだけでなく、ランゲルハンス島内およびこれを越えて発生する多数の神経および体液信号に応答したインスリン放出の正確な微細調整も修復することができるからである。

    自家ドナー島の移植によりI型糖尿病を改善しようとする最初の実験的試み以来、本分野ではドナー膵臓から島を回収および/または入手する向上した方法の必要性が訴えられてきた。 島を移植することによりI型糖尿病を治療するという概念をさらに発展させるためのかなりの努が世界中でなされたが、動物モデルにおいて開発された技術の臨床適用には多くの問題を伴う。

    島の供給源は主な問題のままであり、ドナー膵臓からの単離は、ドナー臓器の供給源、供給、および条件に関する質問の解答を要求する。 この目的のためのヒト臓器の十分な供給への依存は無益であると考えられ、代替供給源が積極的に求められている(Bonner−Weir,S.et al.,New sources of pancreatic beta−cells,Nat.Biotechnol.23:857−861,2005;Hering,B.J.et al.,Prolonged diabetes reversal after intraportal xenotransplantation of wild−type porcine islets in immunosuppressed nonhuman primates,Nat.Med.,12:301−303,2006;Inada,A.;Bonner−Weir,S.et al.,How can we get more beta cells?,Curr.Diab.Rep.,6:96−101,2006)。

    各種哺乳類は異種島移植の最適候補と考えられる。 考えられる哺乳類のうち、ブタは、多数の説得力のある理由で、異種島移植に好ましいドナー種と考えられる。 ブタは、ヒトとの多くの生理学的類似性を共有し、ブタインスリンは長年臨床的有効性を示している。 ブタは食料源として飼育され、ブタ島異種移植の安全性を確保する制御環境に収容することによりドナー島の倫理的な供給源を提供する。 しかしながら、過去10年にわたる多くの実験室における実験は、ブタ島の単離が、ヒト(Kenmochi,T.et al.,Improved quality and yield of islets isolated from human pancreas using two−step digestion method,Pancreas 20:184−190,2000)、ウシ(Figliuzzi,M.et al.,Influence of donor age on bovine pancreatic islet isolation,Transplantation,70:1032−1037,2000)、または齧歯動物島(Shapiro,A.M.et al.,High yield of rodent islets with intraductal collagenase and stationary digestion−a comparison with standard technique,Cell Transplant.,5:631−638,1996)の単離と比較して、より困難であると考えられることを示す(Finke,E.,et al.,Large scale isolation,function,and transplantation of islets of Langerhans from the adult pig pancreas.Transplant.Proc.23:772−773,1991;Giannarelli,R.et al.,Preparation of pure,viable porcine and bovine islets by a simple method.Transplant.Proc.,26:630−631,1994;Marchetti,P.et al.,Automated largescale isolation,in vitro function and xenotransplantation of porcine islets of Langerhans,Transplantation 52:209−213,1991;O'Neil,J.J.et al.,The isolation and function of porcine islets from market weight pigs. Cell Transplant. ,10:235−246,2001;Toso,C. et al. ,Isolation of adult porcine islets of Langerhans. Cell Transplant. ,9:297−305,2000)。

    例えば、ブタ島はコンパクトではなく、単離工程中および長期のインビトロ培養中に破砕する傾向がある(Ricordi,C.et al.,A method for the mass isolation of islets from the adult pig pancreas,Diabetes,35:649−653,1986)。 また、ドナーブタの年齢、およびさらに血統は、いくつかのグループにより島単離プロセスに顕著に影響を及ぼすことが記載され、若年の、いわゆる市場サイズのブタ(<6か月)は移植可能な島の供給源としてとくに難しいと証明されている(Bottino,R.et al.,Isolation outcome and functional characteristics of young and adult pig pancreatic islets for transplantation studies,Xenotransplantation,14:74−82,2007;Dufrane,D.et al.,Impact of porcine islet size on cellular structure and engraftment after transplantation:Adult versus young pigs,Pancreas 30:138−147,2005;Toso,C.et al.,Isolation of adult porcine islets of Langerhans.Cell Transplant.,9:297−305,2000)。 成熟ブタ(>2歳)からの島はより高い収率をもたらすだけでなく、移植後のより高い機能特性に関して、単離プロセスおよび培養中完全な形態を保存する能力を保持した。 若年ブタからの島の単離を試みる多くのグループが直面した問題に関わらず、市場体重(<80kg=<12か月)のドナーブタはそれらの豊富さ、下等動物であること、および飼育費用、ならびにそれらは異種移植のためのドナー組織の規制ガイドラインを満たすのにより適しているため、引退種畜(>200kg=>2歳)より好ましい。 島細胞(β細胞を含むが、これに必ずしも限定されない)の供給を、細胞培養において、よりコンパクトでないことがあり得、破砕の傾向を示しても示さなくてもよい、より容易に入手可能な供給源から提供された島(例えば若年ブタから得られた島)を培養することにより増加させることができる場合、島のこうした新規供給源はインスリン依存型糖尿病の新規治療を可能にするのに十分な物質を提供することができる。

    しかしながら、島単離および調製の技術の向上のための多くの努力に関わらず、この分野は、5%未満の内分泌組織を含む腺の酵素消化の限界および不安定さにより制約されたままである。 結果として、島を単一ドナー膵臓から摘出することは、レシピエントにおいて糖尿病を克服するには不十分な島の質量をもたらすことが多く、単一のレシピエントを治療するのに複数のドナーを考慮しなければならないことが多い。 ヒト膵臓の十分な供給に対する需要を緩和する異種移植の可能性は、供給源の膵臓から島を単離および調製するための技術の効果および効率の向上に依存する(Hering,B.J.et al.,The International Xenotransplantation Association consensus statement on conditions for undertaking clinical trials of porcine islet products in type 1 diabetes−executive summary,Xenotransplantation 16:196−202,2009)。

    本開示は、異種または同種であってもよい、パンクレアタイト(pancreatite)を含み得る膵島の集団の新規調製方法、およびこうした方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島を提供する。 実施形態では、膵島は「パンクレアタイト」を含み得る。 実施形態では、本開示の方法は、膵臓および/またはその断片を崩壊、例えば酵素消化させるステップ、ならびに回収された島を含む細胞生成物を、少なくとも検出可能な量の内分泌組織および/または外分泌組織、例えば、ドナー膵臓から得られる内分泌組織および/または外分泌組織を含む培地において播種するステップを含む。

    本開示の新規方法は、上記ニーズを満たす努力において、(未熟で、よりコンパクトでなく、/または細胞生成物単離工程中および長期のインビトロ培養中に分解する傾向があり得る島をもたらすドナー組織、例えば若年の、いわゆる市場サイズのブタ、<6か月から得られる島からも)十分な質および量の島を入手、調製および/または増殖させることを可能にする。 本開示の新規方法は、以後「パンクレアタイト」と称される構造を含み得る新規島組成物をもたらす。 本開示の「パンクレアタイト」は、培養において形成され、島(内分泌)および/または外分泌組織の組み合わせを含み得る。

    本開示の追加の特徴および利点については以下の実施形態の詳細な説明に記載され、これにより明らかとなるだろう。

    腹腔動脈(CT)および上腸間膜動脈(SMA)のカニュレーションのため下行大動脈の一部分とともに切り取られた膵臓を示す図である。

    LifePort(登録商標)装置上でのブタ膵臓の低体温灌流保存を示す写真を含む;下のパネルはLifePort(登録商標)の主要な機構を示し;真ん中のパネルは灌流カセット中に取り付けられ、シールリングカニューレによって灌流入口ラインに接続されたブタ膵臓の詳細を示す;この専用カニューレは腹腔動脈(CT)および上腸間膜動脈(SMA)の同時灌流をシールリングカニューレにおける大動脈パッチクランプにより可能する(円形挿入図参照);挿入写真は、シールリングカニューレを開けることにより見ることができるように露出した、大動脈パッチ(AP)におけるCTおよびSMAの開口部を示す。

    単離後0日目の非培養若年ブタ島の光学顕微鏡写真である。

    A〜Hは、培養プロセスにおける異なる段階での島を含む培養細胞生成物を示す光学顕微鏡写真であり、島はジチゾン染色により識別され、灰褐色に見える非染色外分泌組織に対して赤紫に見える:A=24時間(×100)、B=24時間(×100)、C=48時間(×100)、D=48時間(×200)、E=5日(×100)、F=6日(×100)、G=6日(×200)、H=6日(×100)。

    24時間のHMP灌流後保存された膵臓から単離したパンクレアタイトを含むブタ膵島をヌードマウスに投与した生死判別試験からのデータを示す。

    本明細書において用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、とくに文脈で明記されない限り、複数参照を含む。 よって、例えば、「a cell」は1つ以上の細胞を指し、当業者に知られるその同等物、等を含む。

    「パンクレアタイト」の語は、例えば、外分泌物質の存在下で、成熟および/または未熟であってもよい、分散した膵島から培養において形成される膵島凝集体を指す。

    「小分子」の語は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、炭化物、脂質、または他の有機もしくは無機分子を指す。

    「浮腫」の語は、本明細書において、例えば、細胞、組織、または漿膜腔内の過剰な量の水状流体の蓄積を指すように用いられる。

    「臓器」、「組織」、「ドナー臓器」、および「ドナー組織」の語は、本明細書において、いずれかの天然または人工臓器または組織、例えば、膵臓およびその部分または断片を指すように用いられる。

    本明細書において用いられるように、「灌流」の語は組織に流体を流すことを意味する。 臓器および組織を灌流する技術については、例えば、その全開示を本明細書に組み入れる、Fahy他の米国特許第US5,723,282号に記載されている。

    本明細書において用いられる「培養」の語は、細胞を、それらが増殖し、それらの機能状態を保持することができる条件下で維持することを指す。 例えば、培養島は増殖し、それらのインスリン生成能を保持する。 細胞は、適当な増殖因子を含有する増殖培地、すなわち増殖因子カクテルにおいて培養することができる。

    「自家」の語は、膵島に関して用いられる場合、パンクレアタイトを含み得る膵島が本開示の方法に従って培養された後に投与される個体から得られる島を含む細胞生成物を指す。

    「異種」の語は、膵島に関して用いられる場合、パンクレアタイトを含み得る膵島が本開示の方法に従って培養された後に投与される個体とは異なる個体から得られる島を含む細胞生成物を指す。

    本開示は、異種または同種であってもよい、パンクレアタイトを含み得る膵島の集団の新規調製方法、およびこうした方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島を提供する。 実施形態では、膵島は「パンクレアタイト」を含み得る。 実施形態では、本開示の方法は、膵臓および/または膵島を含むドナー組織を崩壊、例えば、酵素消化させるステップ、ならびに回収された島を含む細胞生成物を、少なくとも検出可能な量の外分泌組織、例えば、ドナー膵臓から得られる外分泌組織を含む培地に播種するステップを含む。

    本開示の新規方法は、上記ニーズを満たす努力において、(よりコンパクトでなく、単離工程中および長期のインビトロ培養中に破砕する傾向があるドナー島、例えば若年の、いわゆる市場サイズのブタ、<6か月から得られる島からも)十分な質および量の島を入手、調製および/または増殖させることを可能にする。 本開示の新規方法は、「パンクレアタイト」を含み得る新規島組成物をもたらす。 本開示の「パンクレアタイト」は、培養において形成され、島および外分泌組織の組み合わせを含み得る。

    本開示は、パンクレアタイトを含み得る、調製された膵島の、糖尿病のインビボ治療のための個体への移植のための使用にも関する。 本開示はさらに、パンクレアタイトを含み得るインビトロ調製された膵島を、正常膵組織において観察されるものと同じ機能的、形態学的および組織学的特徴を有するように臓器をインビボ修復するために用いるプロセスに関する。 パンクレアタイトを含み得る、膵島を、インビトロで調製、入手および/または増殖させる能力もまた、糖尿病に関する研究および治療のための重要な新たな道を開く。

    本開示は、パンクレアタイトを含み得る膵島も提供する。 本開示のパンクレアタイトを含み得る膵島は、平らな表面、例えばシリコーン膜を有するフラスコであり得る、膜上で培養および/または形成することができる。 実施形態では、膜は円錐容器または容器の表面積が容器の上部から容器の底部へと減少する容器に配置することができる。 実施形態では、膜はガス透過膜である。

    本開示は、パンクレアタイトを含み得、レシピエントへの移植の際、レシピエントの血糖状態に対してより急速な効果をもたらす能力を有し得る、膵島も提供する。

    本開示は、パンクレアタイトを含み得る膵島、例えば、天然単離島により示されるものと同様の組織学的特徴およびインスリン生成特性を有する、機能的な膵島を調製することを可能にする方法についても記載する。 本開示の方法を用い、実験的研究または治療的島移植に用いるための、パンクレアタイトを含み得る膵島のストックを生成することができる。 実施形態では、多数のパンクレアタイトを含み得る膵島を、本方法により、比較的少量の膵組織から生成することができる。 実施形態では、パンクレアタイトを含む膵島、および本開示の方法を実施した結果として得られる細胞物質を用い、パンクレアタイトを含み得る、膵島さらなる生成をもたらすことができる(すなわち、実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、自己再生型である)。 本方法は従って、多量の実験的に有用な、パンクレアタイトを含む膵島を生成することができる手段を提供することができる。 さらに、パンクレアタイトを含み得る膵島の特性に関して、本明細書において開示される方法は、治療的島移植または研究のための膵島の供給源を提供する臨床適用において使用可能であり得る。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、1つ以上の新鮮な、冷凍された、または極低温処理されたドナー膵臓から得られる島を含む細胞生成物から調製することができる。 実施形態では、島を含む細胞生成物は、未熟な島、成熟した島またはその混合物を含み得る。 実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、いずれかの動物、例えば哺乳類から得られる島を含む細胞生成物から調製することができる。 適切な哺乳類の対象としては、齧歯類、例えばマウス、ラット、モルモット、およびウサギ、非齧歯類哺乳類、例えばブタ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ウシ、およびヤギ、霊長類、例えばチンパンジーおよびヒトが挙げられる。 実施形態では、島を含む細胞生成物は、瀕死のドナー、新生児ドナー、または若年ドナーから得ることができる。

    本開示の方法により調製される、パンクレアタイトを含み得る膵島は、多数のアッセイに用いることができる。 実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、例えば、インスリン分泌性化合物、薬物、他の大分子または小分子をスクリーニングおよび評価するのに用いることができる。 別の実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、例えば、インスリン含有量を測定するのに、およびインスリン生合成を分析するのに用いることができる。 実施形態では、本開示の方法により調製される、パンクレアタイトを含み得る膵島は、小分子または薬物化合物の第2メッセンジャー活性(例えば、cAMP、イノシトール三リン酸(IP、カルシウム))に対する効果を特徴づけるのに用いることができる。 本開示のさらなる実施形態は、パンクレアタイトを含み得る膵島の、島細胞の代謝物質を測定するための使用に関する。 また、本開示の方法により調製される、パンクレアタイトを含み得る膵島は、グルカゴンおよびソマトスタチン放出ならびに各種小分子および薬物化合物によるグルカゴンおよびソマトスタチンの制御を測定するのに用いることができる。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島の調製方法は、島を含む細胞生成物を培地上に播種するステップを含む。 実施形態では、培地は膜上に存在し、これは容器、例えば培養フラスコ中に位置し得る。 実施形態では、膜はシリコーン膜であり、これはガス透過性であってもよい。 実施形態では、膜は平らな膜であり、これはガス透過であってもなくてもよい。 実施形態では、膜はガス透過膜である。 さらなる実施形態では、培地はポリカーボネートガス透過性シリコーン膜培養フラスコ中に存在する。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島の調製方法は、島を含む細胞生成物を、平らな、例えば、シリコーン膜であり得る、膜上で培養するステップを含むことができる。 実施形態では、培地は膜上に存在し、これは任意で培養フラスコ中に位置する。 実施形態では、膜はシリコーン膜であり、これはガス透過性であってもよい。 実施形態では、膜は平らな膜であり、これはガス透過性であってもなくてもよい。 実施形態では、膜はガス透過膜である。 さらなる実施形態では、培地はポリカーボネートガス透過性シリコーン膜培養フラスコ中に存在する。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島の調製方法は、島を含む細胞生成物を、Wilson Wolf Manufacturing(Wilson Wolf Manufacturing Inc.、ミネソタ州)製のガス透過性培養フラスコにおいて培養するステップを含むことができる。 実施形態では、ガス透過性培養フラスコはシリコーン膜を含み、島を含む細胞生成物は、例えば、動物、例えば哺乳類、例えばヒトまたはブタから得られる。 実施形態では、島を含む細胞生成物は、瀕死のドナー、新生児ドナー、または若年ドナーから得ることができる。

    本開示の方法は、分散された島を含む細胞生成物を用いることができ、よって一般的にはすべての単離された島を含む細胞生成物を用いることができる。 よって、本開示の方法は、島の手動選択を回避し、従って試料調製にかかるかなりの時間を省く。

    本開示の方法は、現在用いられている島調製方法に対する向上をもたらし、島調製の効率を顕著に上げる。

    実施形態では、本方法は、パンクレアタイトを含み得る島および/または膵島を含む細胞生成物を、抗酸化剤、例えば、トロロクス(α−トコフェロールの類似体;約30〜約80μMの範囲内、例えば約50μM)、Q−VD−OPH(広域スペクトルカスパーゼ阻害剤;約5〜約20μMの範囲内、例えば約10μM)、肝細胞増殖因子、カポジ線維芽細胞増殖因子、ニコチンアミド、またはこれらの組み合わせと接触させるステップをさらに含む。

    実施形態では、パンクレアタイトを調製するためのキットが提供される。 1つの実施形態では、キットは、例えば、消化酵素、膜を有する培養フラスコ(上述のとおり)および培地を含み得る。 別の実施形態では、キットは、例えば、島を含む細胞生成物の単離前のドナー組織の保存のための膜および灌流溶液も含み得る。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島の調製方法が提供される。 実施形態では、本方法は、島を含む細胞生成物を膜上で培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を調製および/または入手するステップを含む。 実施形態では、島を含む細胞生成物は外分泌物質をさらに含む。 実施形態では、島を含む細胞生成物はいずれの外分泌物質も含まない。 実施形態では、外分泌物質は培地に別々に(すなわち、島を含む細胞生成物とは別に)添加される。 例えば、実施形態では、外分泌物質は培地に、(いずれかの外分泌物質を含んでもいなくてもよい)島を含む細胞生成物が培地に添加される前または後に添加することができる。

    実施形態では、島移植方法が提供される。 例えば、実施形態では、島移植方法は、島を含む細胞生成物を膜上で培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を得るステップ、およびレシピエント、例えば哺乳類に、パンクレアタイトを含み得る膵島を投与するステップを含む。 実施形態では、島を含む細胞生成物は外分泌物質をさらに含む。 実施形態では、島を含む細胞生成物は、いずれの外分泌物質も含まず、外分泌物質は別々に添加される。 例えば、実施形態では、外分泌物質は培地に、(いずれの外分泌物質を含んでいてもいなくてもよい)島を含む細胞生成物が培地に添加される前または後に添加することができる。 実施形態では、投与は糖尿病のレシピエント、例えば糖尿病の哺乳類に行うことができる。 実施形態では、膜は、ガス透過性であってもよい、シリコーン膜である。 実施形態では、膜は、ガス透過性であってもなくてもよい、平らな膜である。 実施形態では、膜はガス透過膜である。 さらなる実施形態では、培地はポリカーボネートガス透過性シリコーン膜培養フラスコ中に存在する。

    実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島の投与は、哺乳類の腎臓カプセル下、皮下、静脈内、肝門脈による、または膵臓柔組織への移植によるものであり得る。 実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、哺乳類、例えばヒトである、レシピエントに投与される。 また他の実施形態では、投与されたパンクレアタイトを含み得る膵島は、自家または異種である。

    本開示の膵島形成方法は、島を含む細胞生成物を単離する方法、膵島細胞について調節することができる培地、および島を含む細胞生成物を培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を調製する方法を含み得、所定の量のドナー組織から単離される島を含む細胞生成物の量の向上、島機能および生存能の向上をもたらす。 パンクレアタイトを含み得る膵島、および本開示の方法は、膵島の移植能力の向上および移植成功率の向上を可能にすることができる。

    島を含む細胞生成物を単離する前のドナー膵臓(またはドナー膵組織)の切除は、ドナー膵臓(またはドナー膵組織)の虚血が、期間は短いかもしれないが、全体的かつ不可避であることを意味する。 ドナー膵臓(またはドナー膵組織)の血液供給の停止の直接の結果は、ドナー組織への酸素の供給の遮断であるが、無酸素症(全体)または低酸素症(部分)は血液供給の欠如の多くの結果のうちのただ1つである。 虚血の発症後、多因子性の連続的な事象が続いて起こる。 重要な事象はATP枯渇であり、これは酸素遮断の最初の数分以内に起こる。 この初期事象は、すぐに好気性から嫌気性代謝へのシフトをもたらし、これは非常に素早く乳酸およびプロトンの生成での自己制御となる。 細胞脱分極も一連の中で非常に早く起こり、イオンホメオスタシスの崩壊、ならびに最終的にアポトーシスまたはネクローシスのいずれかにより細胞死に至る他の細胞内および膜関連事象の連鎖をもたらす。 島を含む細胞生成物の単離の工程を開始する前に、こうした破壊的な経路を防止することで、所定の膵臓またはその部分から摘出することができる島を含む細胞生成物の質および量を向上させる。

    臨床適用のための細胞保存の基本原則は、保存期間中の虚血および無酸素症の有害作用を最小化することである。 これは、さまざまな細胞保護剤を用いることにより薬理学的に、および/または温度を低減することにより、達成することができる。 興味深いことに、従来の知識は我々に、低体温法の適用で可能であるように、安全かつ効果的に代謝を抑制し、複数の組織および臓器の虚血保護をもたらすことができる、単一の薬物、または薬物のカクテルはないことを教示する。 従って、焦点は、細胞の環境を制御し、低体温保存を最適化することに変わる。

    実施形態では、本明細書において開示される方法は、灌流技術の進歩を用い、任意でそれらの進歩を、PFC増加の手段によりO 運搬を向上する低体温血液代用溶液と組み合わせるアプローチを実施する。 このアプローチは、臨床的膵臓保存の現在の態様におけるいくつかの認識される短所を回避し、そのうちのもっとも顕著なものは、従来の二層法(TLM)を用いて示されるPFCおよび酸素の低い透過性である。

    島を含む細胞生成物の単離前の膵臓保存の具体的な場合では、若年ブタモデルにおける島収率に対する低体温機械灌流(HMP)の有益な効果が明らかになった。 しかしながら島は短期間(<10時間)の冷虚血に対しても脆弱なので、本明細書に記載されるアプローチは、膵臓保存の従来技術において認識される制約を回避することにより、虚血への耐性を拡大し、島を含む細胞生成物の収率の向上ならびによってパンクレアタイトを含み得る膵島の量および質の向上を可能にする。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、島の健全性を保ちつつ、HMPの適用および間質浮腫の発生により単離することができ、これは、非灌流ドナー組織(すなわち、新鮮なまたは静止冷保存ドナー組織)に適用された従来の方法と比較して、回収することができる島を含む細胞生成物の量よび質をかなり向上させることができる。 実施形態では、酵素消化は、島を含む細胞生成物の単離をさらに補助するために用いることができる。

    実施形態では、出発物質として用いる島を含む細胞生成物は、島体を含有する哺乳類膵臓から、すなわち、瀕死の、新生児または成熟膵臓から、機能的な島を得るための一般的に知られる方法により得ることができる。 こうした方法は、膵臓全体またはその一部を粉砕するステップ、ならびに粉砕片を、結合組織を溶解する酵素、例えばコラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼ、トリプシン、およびそれらの混合物の溶液にそれらを、周囲の膵組織から島を遊離させるのに十分な時間曝露することにより消化させるステップを含むことができる。 実施形態では、粉砕片には非常に穏やかな消化のみを行い、例えば、組織分解度は、1ml当たり約750個のコラゲナーゼ単位を含有するコラゲナーゼ溶液での約12〜15分間の約37℃での消化から得られるものにほぼ対応する。 例えば、粉砕膵臓片に、方法、例えば、酵素溶液のドナー組織への灌流により、および/またはドナー組織を酵素溶液と接触させながら振ることにより、酵素消化を行うことができる。 実施形態では、ドナー組織は、いずれかの所望の時間、例えば、相当数の島を遊離させるのに必要な最小の時間のみ、酵素溶液と接触させることができる。 実施形態では、酵素の希釈溶液、例えば、1ml当たり約1,500単位、例えば約100単位/ml、または約750単位/mlのコラゲナーゼを含有する参照溶液のそれ以下の組織溶解性を有するものを用いることができる。 実施形態では、本開示の方法は、細胞を分離することが知られる、より激しく作用する酵素、例えばトリプシンよりも、より穏やかな結合組織溶解酵素、例えばコラゲナーゼおよび/またはヒアルロニダーゼを用いることができる。 実施形態では、ロシュMTF酵素を用いることができる。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、ドナー膵臓および/またはその部分または断片(ドナー組織)の灌流中に浮腫を発生させるステップを含む方法により単離することができる。 こうした実施形態では、ドナー組織の灌流中に浮腫を発生させるステップは、組織を通る灌流溶液の第1流量を第2流量に達するまで増加し、灌流装置により組織に印加される第1灌流圧力を第2灌流圧力まで増加し、および/または組織の浮腫をもたらす灌流溶液の組成を選択することにより行うことができる。

    実施形態では、浮腫の発生は、ドナー組織を通る灌流溶液の第1流量を第2流量に達するまで増加し、灌流装置によりドナー組織に印加される第1灌流圧力を第2灌流圧力に達するまで増加し、および/またはドナー組織の浮腫をもたらす灌流溶液の組成を選択することにより起こり得、浮腫の程度は、ドナー組織の浮力を観測し、ドナー組織の表面積を観測し、ドナー組織の周囲長を観測し、ドナー組織の重量および/もしくは質量を観測し、ならびに/またはドナー組織の体積を観測することにより評価することができる。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、破壊的冷凍が起こりにくい望ましい細胞、および破壊的冷凍が起こりやすい望ましくない細胞を有する組織を提供するステップ、組織を冷凍するステップ、組織を崩壊させるステップ、組織を加熱ステップ、ならびに望ましい島を含む細胞生成物を望ましくない細胞物質から分離し、島を含む細胞生成物を得るステップを含む方法により単離することができる。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、血管および脈管カニュレーションのためエクスビボ組織を外科的に調製するステップ、組織を冷却するステップ、組織を細胞保護剤で平衡化するステップ、任意で組織を約−10℃〜約−200℃の温度まで冷凍するステップ、任意で組織を冷凍したまま機械的に崩壊させるステップ、任意で組織を解凍するステップ、組織をろ過するステップ、組織を洗浄するステップ、島を含む細胞生成物を、例えば勾配精製により、精製するステップを含む方法により単離することができる。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、島組織に細胞保護剤(CPA)を含む細胞保護剤溶液を血管系によって注入するステップ、腺房組織に水溶液を脈管系によって注入するステップ、膵臓を冷凍するステップ、膵臓を崩壊させるステップ、膵臓を温めるステップ、および島を分離するステップを含む方法により単離することができる。 実施形態では、島を含む細胞生成物は、移植源として有用である十分な機能的健全性を保持することができる。

    低体温機械灌流(HMP):移植のための臓器保存の従来の方法は、氷上での静止冷保存、数十年間用いられてきた比較的単純で経済的な技術に主に依存する。 しかしながら、膵臓保存の分野では、とくに島を含む細胞生成物の単離のための供給源である臓器に適用される場合、静止冷保存は単一のドナー膵臓から得られる島の収率および質にいくつかの制約を課す。 例えば、虚血臓器への酸素の供給を増加させるためのペルフルオロ化合物層の導入は、静止冷保存方法では追加の保護を提供できなかった。

    実施形態では、培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を形成する、島を含む細胞生成物は、HMPおよび低体温代用血液(HBS)ならびにPFC酸素投与における技術の組み合わせを用いる方法により保存されるドナー組織から単離することができる。

    [保存培地としての低体温代用血液]
    従来より、さまざまな臓器保存溶液が開発されてきた。

    その全開示を本明細書に参照により組み入れる、Brasileの米国特許第US5,643,712号、第5,699,793号、第5,843,024号およびBrasile他の米国特許第US5,599,659号、第5,702,881号は、組織および臓器の異なる蘇生および保存溶液について記載する。 Brasile特許は、本開示の方法において用いることができる組成物について開示する。

    Taylor他は、2つの溶液:Hypothermosol(商標)−パージ(HTS−P)およびHypothermosol(商標)−メンテナンス(HTS−M)を製剤および評価した。 これらの溶液のいくつかの態様は、その全開示を本明細書に参照により組み入れる、Taylorの米国特許第US5,405,742号および第5,514,536号に記載される。 Taylor特許は、本開示の方法において用いることができる組成物について開示する。

    Unisol(登録商標)ファミリーの溶液(その全開示を本明細書に参照により組み入れる、Taylorの米国特許第US6,492,103号および第6,994,954号、“System for organ and tissue preservation and hypothermic blood substitution”に記載)のような溶液の保護特性は、本開示の方法において用いることができる。 実施形態では、細胞保護添加剤に加えて、Unisolを、PFCを乳化する担体溶液として用い、その酸素運搬能を顕著に向上させることができる。

    実施形態では、主な溶液は、最低温度(<10℃)での低体温露出中に細胞健全性を「維持」するように設計された低カリウム性「細胞内型」溶液であり得る。

    [低体温保存中の組織への酸素運搬の向上およびPFCの役割]
    Unisol(登録商標)「メンテナンス」溶液が開発され、連続灌流によりO の十分な供給が維持される場合、ATP予備を再合成することができる温度範囲と一致する、7〜10℃の範囲内の温度で試験された。 例えば、多数の研究が、酸素供給は肝臓の低体温保存中必須であることを示した。

    0〜2℃での臓器の冷保存(例えば従来の静止氷冷保存)中のアデニンヌクレオチドの急速枯渇は、ミトコンドリア機能が低体温により激しく損なわれていることを示し得る。 これらのO のレベルは、最高量および質の島を含む細胞生成物を確保するため、灌流中に持続される必要があり得、PFCの使用はこれが達成されるのを可能にする。

    PFCは、すべてまたはほとんどの水素原子がフッ素で置き換えられている、炭化水素である(例えば、ペルフルオロカーボン)。 それらは水の2倍の密度、および高い呼吸ガスの溶解能を有する。 PFC中に溶解した酸素の可溶性は、血液または水中の約25倍である。 ヘンリーの法則に従ったPFCの酸素を放出する能力は、温度によりあまり影響を受けず、低体温臓器保存中の酸素の運搬には理想的である。 これは、シラン溶液を単独で灌流液として用いた場合には同じ効果が得られなかったため、全身酸素投与のための腹膜灌流用途にはペルフルオロカルボンのガス溶解およびガス除去特性が必要であるという最近の実験でも証明されている。 しかしながら、ペルフルオロカルボンの低体温条件下での使用は制限されている。

    これらの膵臓またはドナー組織保存方法の1つ以上の適用は、ドナー組織および臓器における損傷および細胞死を最小化し、これは島を含む細胞生成物の全体的な収率の向上を促進することができ、よってパンクレアタイトを含み得る膵島の全体的な収率の向上を促進することができる。

    上述のように、膵臓の調達および保存は、パンクレアタイトを含み得る膵島を得るための島を含む細胞生成物の膜上での培養の準備としての島を含む細胞生成物の単離、およびI型糖尿病の治療の選択肢として最終的なパンクレアタイトを含み得る膵島の移植にとって重要である。 膵臓灌流は、島を含む細胞生成物の単離の前に温虚血の影響を受けた臓器の保存にさらに適用することができ、より良好な収率および質のための膵臓保存溶液を最適化することができる。

    生理学的に、膵臓は低流動性の臓器である。 実施形態では、島を含む細胞生成物の単離中および/または前に、本開示の方法は、低い定圧(約10mmHg以下、例えば約1mmHg〜約10mmHg)駆動流に基づき得る、膵臓灌流を含むことができる。 LifePort(登録商標)の設計は10mmHg未満の注入圧に適応しない場合があり得る。 よって、本明細書において開示される島を含む細胞生成物の単離のための膵臓保存方法について、10mmHg未満の所望の注入圧を達成するため、低い圧力値を導入することができる。 実施形態では、駆動流量値は、島を含む細胞生成物の所望の特徴および質に従って選択することができる(例えば、温虚血曝露、大きさ、種、等)。

    実施形態では、灌流の方法は、高い(約10mmHg以上、例えば約10mmHg〜約60mmHg)定圧駆動流に基づき得る。

    実施形態では、本明細書に記載される方法は、1つ以上の膵臓または組織(以降、一般的にはドナー組織と称される)を灌流する装置を用いる。 例となる装置は、その全開示を本明細書に参照により組み入れる、2005年3月10日出願の米国特許出願第US11/075,690号(2009年3月17日発行、米国特許第US7,504,201号)の分割出願である、米国特許出願第US12/379,239号に記載される。 実施形態では、本明細書において記載される方法は、ドナー組織(すなわち、膵臓)の低体温機械灌流(HMP)を達成するため、LifePort(登録商標)プラットフォームトランスポーターまたは改良されたLifePort(登録商標)プラットフォームトランスポーターを用いる。

    実施形態では、HMPは、ドナー組織内で均一な流体蓄積をもたらすことができ、ひいては崩壊した細胞外空間に、島の生存能および島の機能を損なうことなく、島を含む細胞生成物の単離に有益な効果をもたらすことができる。 酵素消化が用いられる実施形態では、こうした崩壊は、酵素消化がより効率的に進むことを可能にし、よって島を含む細胞生成物の単離に必要な時間を低減することができる。 本明細書において若年ブタ膵臓に関して記載される本開示の方法は、ヒトおよび他のドナー膵臓に容易に適用することができる。 実施形態では、膵臓低体温灌流最適化は、島を含む細胞生成物の単離のための膵臓を信頼して選択するための灌流中の臓器評価および質管理の開発のために達成することができる。

    実施形態では、膵臓灌流のためのLifePort(登録商標)装置は、150ml/分未満、例えば100ml/分未満、または約10ml/分〜約100ml/分、例えば約15ml/分〜約50ml/分、または約20ml/分〜約30ml/分の流量で作動するように構成することができる。

    実施形態では、膵臓灌流のためのLifePort(登録商標)装置は、島を含む細胞生成物の単離のための膵臓処理の準備としてのブタ膵臓の高圧設定(約10mmHg以上、例えば約10mmHg〜約60mmHgの範囲内、または約20mmHg〜約50mmHgの範囲内)制御灌流で作動するように構成することができる。 実施形態では、膵臓灌流のためのLifePort(登録商標)装置は、200ml/分未満、例えば150ml/分未満、または約10ml/分〜約150ml/分、例えば約50ml/分〜約120ml/分、または約60ml/分〜約110ml/分の流量で作動するように構成することができる。

    本開示の実施形態は、酵素消化に基づく従来の方法より一貫性があり、確かであり得る、(任意で酵素消化と組み合わせた)島を含む細胞生成物の単離の向上した方法を提供することができる。 実施形態は、最適量の所望の島を含む細胞生成物をもたらす方法を提供することもできる。

    実施形態では、膨潤組織を形成するドナー組織における浮腫の発生は、低体温機械灌流(HMP)の適用により起こり得る。 島を含む細胞生成物の単離の準備としての、ドナー組織HMP(膵臓HMP)の適用も、とくに最適ではない臓器について、長期の保存期間中のより良好な保存の手段として他の各種臓器(主に腎臓)について示されるHMPの利点のいくつかを得る。

    臓器の長期機械灌流中の浮腫の進行性発生は、一般的に望ましくないと考えられる現象である。 予想に反して、浮腫の発生は、約280%(すなわち、浮腫の程度を評価するのに観測される特定のパラメータ、例えば、重量、質量、周囲長、浮力、および/または体積における180%増加)、または約250%まで、または約150%までは、島を含む細胞生成物の摘出に有害であるとは証明されず、顕著により多数の島を含む細胞生成物をもたらす酵素消化中の膵臓のより効率的な崩壊と関連づけることにより、かなり有益であると見られた。

    実施形態では、膨潤組織を形成するドナー組織の灌流中の浮腫の発生は、初期または当初の非灌流ドナー組織の約110%の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積(すなわち、約10%の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積の増加)、例えば、約120%〜約280%(すなわち、約20%〜約180%の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積の増加)、または約130%〜約250%(すなわち、約30%〜約150%の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積の増加)を示す膨潤組織をもたらすことができる。

    所定の量の浮腫の存在は、細胞外マトリックスおよび膵臓または膵組織の構造に十分な崩壊を引き起こし、その後の腺の膨張および消化がより効果的に進むと考えられる。 これは顕著に短い消化時間、より均質な消化生成物により証明される。 島を含む細胞生成物の構造および機能そのものは、これらの研究において見出された組織浮腫のレベルにより損なわれてないと考えられた。 HMPによる単離された島を含む細胞生成物の水和における変化が島の浮遊密度を変え、これにより、密度勾配上のいずれかの望ましくない外分泌組織から単離されるそれらの能力を変える場合があり得るという懸念は、問題とは考えられなかった。 これはおそらく、島におけるいずれかの固有の浮腫が、一般的には島単離プロトコル(Lakey,J.R.T.,Technical aspects of islet preparation and transplantation,Transpl.Int.,16:613−632,2003;Lakey,J.R.T.;Current human islet isolation protocol,Chuo−ku,Osaka:Medical Review Co.Ltd.,2004;この全開示を本明細書に参照により組み入れる)において用いられる、精製のために密度勾配上に充填する前の30分の冷培養の間に島を脱水する高浸透圧培地である、UW溶液における予備勾配培養により相殺されるという事実によるものであり得る。

    上述したHMPの予想外の利点は、摘出された島を含む細胞生成物の質を損なうことなく、達成することができる。 保存のこれらの効果および標準は、2つの専用溶液、KPSIおよびUnisol−UHKを用いて達成することができる。

    この技術のさらなる向上および利点は、保存および再灌流損傷を最小化するように設計された細胞保護剤、および/またはPFCを添加することにより、これらのベースライン灌流液の組成を最適化することによりもたらされ得る。 例えば、細胞保護添加剤は、低温保存中に効果を示し、従って低体温機械灌流中の膵臓保存の質に好影響を及ぼすだろう高い可能性を示す添加剤、例えば、抗酸化剤、抗アポトーシス剤および栄養因子であり得る。

    実施形態では、ドナー組織はより小さい断片に分割、破砕および/または粉砕することができる。 膵臓のような、ドナー組織の破砕を向上させるため、容積加熱を、湯浴に浸漬させた圧縮空気熱交換器の添加と組み合わせることができる。 ドナー組織を保存または輸送プラットフォーム上で冷却または冷凍させる実施形態では、これは、プラットフォームから除去する必要なしにドナー組織の解凍を可能にすることができる。 ドナー組織分割または破砕は、ドナー組織の加熱中のような、消化酵素への曝露前のいずれかのときに起こり得る。

    実施形態では、ドナー組織を各種用量の消化酵素、例えば上述したものおよび市販のものに曝露し、結合組織の散乱を補助し、(任意で細胞保護島であり得る)島を含む細胞生成物の崩壊した組織からの放出の可能にすることが有利であり得る。

    実施形態では、浮腫の程度が所定のレベル、例えば、最大約200%の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積の増加(すなわち、組織の初期または当初の重量、質量、周囲長、表面積、浮力、および/または体積がX(例えば100グラム)である場合、約200%の増加は3X(300グラム)の最終重量をもたらすだろう)、例えば最大約150%の増加、または最大訳100%の増加がある浮腫のレベルに達した後、ドナー組織を崩壊させ、細胞生成物を崩壊したドナー組織から放出させることができる。 実施形態では、ドナー組織の崩壊は、ドナー組織を冷凍したまま、ドナー組織を加熱しながら、および/または組織が室温に達した後に行うことができる。 実施形態では、崩壊は、機械的応力、示差膨張により誘発される熱機械的応力、急な温度勾配により誘発される熱機械的応力、およびに冷凍時の体積変化より誘発される熱機械応力、消化酵素によって、またはこれらの組み合わせにより達成することができる。

    熱機械的応力は、冷凍時に収縮する物質の傾向の結果であり得、これは3つの異なる効果:上述したように冷凍時の体積変化、急な温度勾配、および複合物質における示差膨張によりもたらされ得る。 実際、上記効果の2つ以上が一緒に作用し得る。

    他の実施形態では、ドナー組織の崩壊は、冷凍ドナー組織を機械的に破砕することにより達成することができる。 例えば、これは2段階で達成することができる。 第1段階は、冷凍ドナー組織を、例えば、ハンマーおよびのみで物理的に分断して断片にすることであり得る。 第2段階は、冷凍組織片を、温水または等張培地中に浸漬させながら、例えば電動砕氷機またはブレンダ―を用いて粉砕することであり得る。 これは、組織を機械的に粉砕するのと同時に、急速加熱および、含まれる場合、細胞保護剤の希釈を行うのにも役立ち得る。

    実施形態では、本方法は、島を含む細胞生成物を望ましくないドナー組織物質から分離するステップをさらに含む。 実施形態では、島は、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約20%より大きい量、例えば、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約40%より大きい量、または約60%より大きい量、または約80%より大きい量で存在し、島の量は、島に含まれる面積の培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算される。 実施形態では、島は、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約70%未満の量、例えば、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約60%、または約50%未満量で存在し、島の量は、島に含まれる面積の培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算される。 実施形態では、外分泌物質は、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約60%より大きい量で存在し、例えば、培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積の約70%より大きい量、または約80%より大きい量、または約90%より大きい量で存在し、外分泌物質の量は、外分泌物質に含まれる面積の培地中に存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比により計算される。

    他の実施形態では、島を含む細胞生成物は、外分泌組織をいずれかの所望の量、例えば10%未満の量、例えば約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約8%、または約2%〜約5%で含むことができる。 代替実施形態では、島を含む細胞生成物は外分泌組織から分離され、よっていずれの外分泌物質も含まない。 島を含む細胞生成物の分離は、例えば、ろ過、密度勾配分離、組織培養、またはこれらの組み合わせにより達成することができる。 ろ過は、ステンレス鋼メッシュ(茶こし)のようなろ過装置を用いて行うことができる。 分離は、ろ過したドナー組織をプロテアーゼ阻害剤、例えばPEFABLOC(登録商標)、およびデオキシリブヌクレアーゼ、例えばPULMOZYME(登録商標)を含有する媒体で洗浄し、有害な内在性プロテアーゼおよびDNAを溶解した外分泌組織から除去するステップを含むことができる。 実施形態では、ろ過したドナー組織を、細胞生成物を識別するための指示薬、例えば島を染色するためのジチゾンで染色し、完全な島を含む細胞生成物の存在について顕微鏡下で評価することができる。

    分離した島を含む細胞生成物は、ドナー組織から明確に隔離することはできない場合があり得、すべての島を含む細胞生成物が完全であるとは限らない場合があり得る。 例えば、島に関して、いくつかの島組織は、冷凍膵臓の加熱中の水性媒体中への直接浸漬による浸透圧衝撃を反映し得る拡散またはルース構造を有し得る。 実施形態では、こうした問題は、冷凍膵臓の解凍中または後で島組織からのCPAの溶出中に浸透圧緩衝を用いることにより、回避することができる。 実施形態において浸透圧緩衝技術を用いることで、島組織の構造を保護し、透過性CPAの流出中の浸透圧膨潤および溶解を最小化することができる。 対照的に、こうした実施形態では、浸透圧緩衝は、これらの細胞はCPA透過により保護されていないので、腺房細胞の同時崩壊および溶解には影響しない。

    実施形態では、島を含む細胞生成物は、Ricordi他の方法(An automated method for the isolation of human pancreatic islets,Diabetes,1988;37;413)または当業者に知られる他の手段に従って、単離することができる。

    実施形態では、島を含む細胞生成物は、本明細書において開示される、または当業者に知られる培地に添加し、適切な時間培養し、機能性および生存能を維持または向上させ、当技術分野において知られるいずれかの適切な手段、例えば門脈による肝臓への注入により、レシピエントに導入される。

    実施形態では、島を含む細胞生成物は、約3時間〜約4週間以上の期間、例えば約24時間〜約14日間、例えば約4日〜約10日間培養することができる。 しかしながら、島を含む細胞生成物は、本組成物および方法を用いて、60日間以上培養することができる。

    実施形態では、培地は、哺乳類の細胞増殖を持続させることができる、いずれかの液体組成物であり得る。 広範囲の適切な液体培地が市販されている。 いずれかの所定の液体培地の細胞増殖促進特性は、もちろん試験および実験により、例えば単離膵島で試験培養を行い、細胞凝集、増殖、および/または成長が起きるかどうかを決定することにより、容易に決定することができる。

    実施形態では、培地は、哺乳類細胞の培養に適したベース培地、例えばCELLGRO(登録商標)商標で、またはMediatech, Inc. から市販されるもの:例えば、CMRL1066を含み、これに効果的な量のニコチンアミド、ビタミンEおよびHSAが添加される。 他の同等のベース培地をCMRLの代わりに用いることができ、これらに限定されないが、Basal Media Eagle(BME);DMEM;DMEM/F12;Medium 199;F−12(Ham)Nutrient Mixture;F−10(Ham)Nutrient Mixture;Minimal Essential Media(MEM);Williams'Media E;RPMI 1640、CO 独立培地、およびこれらの混合物が挙げられる。 (これらの製剤はGibco−BRL/Life Technologies,Inc.、メリーランド州ゲイザースバーグおよび他の商業的供給源から市販される。)当業者であれば、多くの他の適切なベース培地が市販され、または実験室において日常的に製剤することができることを理解するだろう。 一般に、こうしたベース培地は、細胞の生存能を支える必要があるので、無機塩(例えば、NaCl、KCl、NaH PO 、CaCl 、MgSO 、酢酸Na)、天然発生アミノ酸、ビタミン、緩衝剤および有利となり得る追加成分(コレステロール、コエンザイムA、グルコースグルタチオン、チミジン、ウリジン−5三リン酸、抗生物質)、を含有する。

    実施形態では、培地は、他の成分、例えばITS液体培地、ITS+Premix、塩酸シプロフロキサシン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、水溶性リノレン酸、ピルビン酸ナトリウム、硫酸亜鉛または塩化亜鉛、ヘぺス、N−アセチルシスチン、ニコチンアミド、加熱不活性化ブタ血清、L−グルタミン、ヘパリンナトリウム、トロロックス、Q−VD−OPH、パルモザイムおよびGlutaMix−1をさらに含む。

    例となる培地の調製は:50mlのピルビン酸ナトリウム(100mlストック)をさらに添加し、1mlの硫酸亜鉛(4.8mg/mlストック)を添加し、10mlのITS液体培地を添加し、2mLの塩酸シプロフロキサシン(10mg/mlストック)を添加し、60mgのN−アセチルシスチンを添加し、1.22gのニコチンアミド(最終10mM)を添加することにより調製された、Supplemented ME199(1000ml)[Cellgro 99−601−CM]のベース培地を含むことができる。 こうした培地に、使用時に比較的近いときに、以下のステップを行うことができる:100mlの加熱不活性化ブタ血清を添加するステップ、25mlのL−グルタミン(200mMストック)添加するステップ、10mlのヘパリンナトリウム(1000U/ml)を添加するステップ、14mlのパルモザイム(2500U/2.5ml)を添加するステップ、トロロックス (最終濃度の50μM)を添加し、Q−DV−OPH (最終濃度10μM)を添加するステップ。

    実施形態では、少量のグルコースを、インビボ膵臓に対応する濃度で、例えば、約5〜約20mM、例えば約10mMのグルコースのモル濃度で培地に添加することができ、培地は使用前に約5%のCO を含有する空気で平衡化し、インビボ条件に対応する溶解ガスの分圧を達成することができる。 実施形態では、培地は効果的な濃度の抗生物質、
    例えば約50〜約200μU/ml、例えば約100μU/mlのペニシリンおよび約50〜約200μg/ml、例えば約100μg/mlのストレプトマイシンを含有し、望ましくない微生物の増殖を阻害する。 実施形態では、培地に、細胞組織の培養基質への付着を促進するタンパク質を含有する少量の哺乳類血清を添加することもできる。 例えば、血清は、混合物の体積に対して、約5〜20体積%、例えば約15体積%の量で存在することができ、培養を行う島を含む細胞生成物に対して異種である。

    実施形態では、培地は、哺乳類細胞増殖を持続するように構成されると考えられるインビボ条件に近い条件下、すなわち、約35〜40℃の範囲内、例えば約37℃のほぼ通常の哺乳類体温で、および溶液中のガス分圧を維持するように構成される適切なガス組成、例えば約5%CO /95%空気の雰囲気下で維持することができる。 実施形態では、培地は、水飽和雰囲気中に維持され、蒸発損失による培地における望ましくない濃度変化を回避する。

    ガス相の重要な構成要素は、酸素および二酸化炭素を含むことができる。 一般的には、大気酸素圧が細胞培養に用いられる。 培養容器は通常、培養雰囲気を通気し、ガス透過性キャップを用いることにより、または培養容器の密封を防止することにより、ガス交換を可能にする。 二酸化炭素は細胞培地において緩衝剤とともにpH安定化において役割を果たし、一般的には培養器において1〜10%の濃度で存在する。 実施形態では、CO 濃度は約5%であり得る。

    実施形態では、培地における島を含む細胞生成物の初期播種後、培地は、培地における効果的な栄養物および抗生物質レベルを維持し、いくらかの汚染物質を除去するため、頻繁な間隔で変えることができる。 例えば、最初の3〜4日間、培地は約12〜24時間の間隔で変えることができる。 3、4日より長い期間を経過した培養については、培地は、約5〜約10日のような、より長い間隔で変えることができる。

    実施形態では、培地に導入することができる島の密度は異なり得る。 実施形態では、島の密度は、培地1ml当たり約10〜約200個の島、例えば培地1ml当たり約25〜100個の島、または培地1ml当たり30〜50個の島であり得る。 実施形態では、細胞生成物の培養は、少なくとも約3日、例えば少なくとも1週間以上の期間維持することができる。

    実施形態では、プラスチック皿、フラスコ、ローラーボトル、または懸濁液中のマイクロキャリアを用い、本開示の方法に従って島を含む細胞生成物を培養することができる。 適切な培養容器としては、例えば、マルチウェルプレート、ペトリ皿、組織培養管、フラスコ、ローラーボトル、等を挙げることができる。

    培養システムには、pO ガスとpO 細胞との差を低減するため、各種変更を行うことができる。 例えば、機械混合または灌流容器における対流酸素輸送を用いることができ、培地を通した酸素の撹拌および/またはバブリングを含む。 培地には、水の電気化学的な加水分解を用いる酸素のインシチュ生成を行うことができる。 あるいはまたはさらに、1つ以上の側面、壁および/または底面を有し、細胞が付着および増殖することができ、酸素透過膜を含む培養容器を用いることもできる。 本明細書において用いられるように、酸素透過膜は、標準的な(例えば、ポリスチレン)培養皿より大きな酸素透過性を有する膜である。 酸素透過膜の1つの例は、フルオロエチレン−ポリレンコポリマー(FEP−テフロン)膜である。 この膜を含む培養容器は、Lumox皿(ミュンヘンのGreiner Bio−One)として市販される。 酸素透過膜の別の例はシリコーンゴム膜であり、これは実施例において用いられる。

    実施形態では、シリコーンゴム膜を含むシリコーンゴム培養容器を用いることができる。 例えば、島を含む細胞生成物が接触する容器の内面はシリコーンゴム製である。 シリコーンゴムの利点は、酸素のようなガスに対するその高い透過性である。 用いることができる培養容器の例は、例えば、ミネソタ州のWilson Wolf Manufacturing Inc. から市販される。 さらなる例としては、その全開示を本明細書に参照により組み入れる、米国特許出願公報第US20080227176号に記載されものを挙げることができる。 また他の実施形態では、こうした酸素透過膜の挿入タイプを、上述の容器または培養容器のいずれかに入れることができる。 シリコーンゴム膜の挿入タイプは、例えば、ミネソタ州のWilson Wolf Manufacturing Inc. から市販される。

    実施形態では、本培養方法中、本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島を、それらを培養させる、接触した基質に付着させることができる。 実施形態では、培養方法は、哺乳類細胞組織と相溶性であり、パンクレアタイトを含み得る膵島の付着を受け入れることができる、適切な基質を提供または含有する容器において行うことができる。 適切な容器は従って、市販されるように、島を含む細胞生成物の付着を促進するコーティングが施された底面を有する、組織培養皿を含む。 適切な基質を提供または含有する他の培養容器ももちろん用いることができる。 実施形態では、本開示の方法は、持続的な培養として行われる、すなわち、培地は、間を置いての任意の(液体であり得る)培地の取り換え以外、静止状態で放置する。 しかしながら、培養する島を含む細胞生成物を、液体培地であり得る、培地中に浸漬させた基質に付着させる、他の形態の培養を用いる方法を行うことも等しく可能であるだろう。

    実施形態では、本開示は、パンクレアタイトを含み得る膵島の移植方法であって、島を含む細胞生成物をドナー組織から単離するステップ、島を含む細胞生成物を培地において培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を調製するステップ、パンクレアタイトを含み得る膵島をレシピエントまたはホストに導入するステップを含む方法を提供する。 実施形態では、レシピエントまたはホストは、インスリン生成細胞の移植を必要とする患者、例えば、I型糖尿病を有する患者である。 よって、本開示は、糖尿病、例えばI型糖尿病の治療方法であって、島を含む細胞生成物をドナー組織から単離するステップ、島を含む細胞生成物を培地において培養し、パンクレアタイトを含み得る膵島を調製するステップ、およびパンクレアタイトを含み得る膵島をホスト、レシピエントまたは患者に移植するステップを含む方法も提供する。

    パンクレアタイトを含み得る膵島は、インスリン分泌性化合物をスクリーニングまたは評価するのに用いることができる。 インスリン分泌性化合物は、こうした化合物を、本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島に投与および/または添加することにより、グルコースの存在下、GLP−1の存在および非存在下でインスリン分泌を増強するそれらの能力について評価することができる。 さらに、本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島は、インスリン含有量を測定する、インスリン生合成を調査する、化合物の、例えば、cAMP(例えば、Direct SPA Screening Biotrak Assay Kit、Amersham、ニュージャージー州ピスカタウェイ)に対する効果を試験する、およびインスリン細胞中の代謝物を測定する(例えば、分光または蛍光酵素アッセイ、または当業者に知られるその他の方法)のに用いることもできる。 本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島は、グルカゴン放出を測定するのに用いることもできる。 高グルカゴン血症は2型糖尿病において一般的な現象である。 グルカゴンの主な生理学的効果は、肝臓のグルコース生成を増加させることである。 2型糖尿病患者において循環するグルカゴンレベルの向上は、空腹時低血糖を顕著に助長する。 よって、グルカゴン放出の阻害または標的組織に対するグルカゴン効果の低減は、糖尿病を治療するためのもう1つのアプローチである。 本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島は、グルカゴン放出およびさまざまな化合物によるその制御を測定するロバストな方法を提供することができる。

    本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島は、さまざまな用途に用いることができる。 これらに限定されないが、パンクレアタイトを含み得る膵島のインビボ移植;細胞毒性化合物、アレルゲン、増殖/制御因子、医薬化合物のインビトロスクリーニング;特定の疾患のメカニズムの解明;癌患者の診断および観察;遺伝子治療;および生物学的に活性な生成物の生成、等が挙げられる。

    パンクレアタイトを含み得る膵島をインビトロで用い、さまざまな化合物、例えば細胞毒性化合物、増殖/制御因子、医薬剤、等をスクリーニングすることができる。 この目的のため、パンクレアタイトを含み得る膵島はインビトロで維持され、試験する化合物に曝露される。 細胞毒性化合物の活性は、培地においてパンクレアタイトを含み得る膵島損傷または殺滅するその能力により測定することができる。 これは生体染色技術により容易に評価することができる。 増殖/制御因子の効果は、例えば、総細胞数、および細胞数の差により評価することができる。 これは、型特異性細胞性抗原を定義する抗体を用いる免疫細胞化学法の使用を含む、標準的な細胞学的および/または組織学的技術を用いて達成することができる。 各種薬物のパンクレアタイトを含み得る膵島に対する効果を評価することができる。

    パンクレアタイトを含み得る膵島は、当業者に知られるいずれかの手段により対象に投与することができる。 適切な投与方法としては、例えば、静脈内、皮下、肝門脈による、腎臓カプセル下、または膵臓柔組織への移植が挙げられる。 実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島は、単独でまたは他の製剤または基質と組み合わせて、対象に投与することができる。 パンクレアタイトを含み得る膵島は、投与に適した製剤、例えば、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有することができる、水性および非水性、等張性無菌注射溶液、ならびに、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および防腐剤を含むことができる、水性および非水性無菌懸濁液であり得る。 実施形態では、パンクレアタイトを含み得る膵島またはその製剤は、例えば、腎臓下への直接的な外科移植、門脈内投与、静脈内注入、または腹腔内注入により、投与することができる。

    パンクレアタイトを含み得る膵島の、減少したまたは異常なインスリン分泌に起因する症状の治療または予防に効果的な投与量を決定する際、医師は細胞毒性、移植反応、疾患の進行、および抗細胞抗体の生成を評価する。 投与について、本開示の方法により調製されるパンクレアタイトを含み得る膵島は、患者の質量および全体的な健康状態に適するように、各種濃度での細胞タイプの副作用を考慮しつつ、対象に対してグルコース応答性インスリン生成の正常化およびグルコースレベルの正常化をもたらすのに効果的な量で投与することができる。 実施形態では、投与は単回または分割投与によって達成することができる。

    実施例を以下に記載し、実施形態を実施する際に用いることができる異なる組成および条件を示す。 すべての割合はとくに指示されない限り重量による。 しかしながら、本開示が多くのタイプの組成で実施することができ、上記開示に従った、および以降で指摘されるような、多くの異なる使用を有し得ることは、理解されるだろう。 例えば、これら実施例は、当業者により、ブタ膵臓はヒト膵臓の周知のモデルであるので、ヒト島の単離にも適用可能であると容易に認識されるだろう。

    ブタ膵臓は、少なくともブタは将来的な臨床異種移植のための島のもっとも有望な供給源であると考えられているので、有用なモデルである。 島機能を損なうことなく島収率を向上させることを促進することができる、島を含む細胞生成物の単離前の膵臓保存の特別な事例は、島異種移植へ世界的な関心もあり、高い意義を有するものである。

    また、国際異種移植学会により最近発表された、1型糖尿病のためのブタ島生成物の臨床試験を検討する統一戦略計画は、供給源のブタおよび生成物について無菌、疾患フリーな環境の必要性および重要性を強調する。 この目的のため、LifePort(登録商標)システムは、供給源である膵臓の調達場所から島処理施設までの輸送のための便利な無菌環境を提供する。 ブタは多数の説得力のある理由(O'Neil,J.J.et al.,The isolation and function of procine islet from market weight pigs,Cell Transplant.10:235−246;2001)から異種島移植に好ましいドナー種であると考えられているので、このアプローチをブタ膵臓の低体温灌流保存後の生存可能な島の保存および調達に適用する。

    島単離のためのブタ膵臓低体温灌流の成功は、臓器調達の外科手術およびエクスビボ機械保存のための膵臓カニュレーションにより強く影響され得る。 ブタ膵臓の外科的回収方法の展開は明らかな工程ではなかった。 まず、詳細なブタ膵臓解剖学文献がないことは、膵臓調達中に誤った臓器脈管構造の保存をもたらした。 不適切な臓器調達は、一貫性のない不完全な膵臓機械灌流、よって低い島収率および生存率もたらした。

    最近まで、ブタ膵臓の解剖学は十分に記載されていなかった。 生理学的におよび組織分布的に、ブタおよびヒトの膵臓は類似していると考えられる。 膵臓は、図1に示すように、細長い後腹膜腺である。 ヒトおよびブタの両方で、膵頭は近接する十二指腸と密接に関連しているが、ブタについて膵管開口部は十二指腸遠位上に見られ、総胆管から離れている(Swindle,M.M.;Smith,A.C.Comparative anatomy and physiology of the pig.Scand.J.Lab.Anim.Surg.23:1−10;1997)。 個体ベースで膵臓への不規則な形態の血液供給を有する、脾、肝、胃十二指腸、上腸間膜、および腹腔動脈から始まる可変数の管がある。 一般的に、頭への血液は、胃十二指腸動脈および上腸間膜動脈から始まる後および前アーケードにより供給される(図1)。 ブタでは、頭は膵十二指腸動脈および静脈を囲んでいない―後者は頭と十二指腸との間にあり、膵臓への支流は容易に識別可能である。 膵臓の頚部および体部は通常、後および下膵動脈より血管がつくられる。 前者は脾、肝、または直接腹腔動脈から始まり得る。 下膵動脈は膵臓の頚部下の上腸間膜動脈(SMA)から始まり、腺に密接した膵表面の後下縁に沿って尾部へ向かう。 これは可変数の脾動脈支流と合流し得る。 膵臓の頚部も脾および上腸間膜動脈が合流する門脈の部位である。 膵臓尾部はその血液供給を主に脾動脈から受ける。

    LifePort(登録商標)灌流装置によりドナー組織(膵臓)を灌流および/または付着することができる実施形態では、腺を通して均一な灌流を確保し、流出を門脈からのみ可能にするため、膵臓の胃十二指腸および肝臓側の縁上のすべての露出した動脈支流は注意深く識別され、結紮されるべきである。 島単離のための膵臓灌流/保存に最適であると証明された外科的アプローチについては、その全開示を本明細書に参照に組み入れる、Taylor,M. J. ,et al. ,in Hypothermic perfusion of pancreas:Emphasis on preservation prior to islet isolation. In:Lee,C. Y. ,ed. ,Organ perfusion preservation. Boston,MA:Artech House Publisher;2010に記載される。

    Taylor他により記載されるように、例となる外科的アプローチは以下を含むことができる:1.2人の膵臓調達の手術者のチーム;2. 服装規定および個人用保護具について外科設備の要件に従う;3. ブタは挿管され、全身麻酔(すなわち、ケタミン22mg/kg、アセプロマジン0.2mg/kg、およびアトロピン0.025mg/kg)下にあることを手術室の獣医師と確認しする;ブタの麻酔維持および適切な換気について手術室の獣医師と確認する;4. すべてのバイタルサインがモニタリングされていることを手術室の獣医師と確認する(ECG、心拍数、酸素飽和度、体温、等);5. 電気メス、吸込ラインおよびキャニスターが使用可能であることを確認する;6. 手術室後方の手術台が適切に準備されていることを確認する(手術器具、ラップスポンジ、ガーゼ、冷たい生理食塩水、アンビリカルテープ、等);7.2Lの冷たい乳酸リンゲル溶液が氷上に置いてあることを確認する;8. IVポールが手術台の近くにあり、その高さが臓器の重力式インシチュ洗浄に適当であることを確認する(約6〜約6.5フィート);9. 手術室の獣医師から手術を進める許可を得る;10. とくに所望しない限り、膵臓の温虚血への曝露を3分までに最小化する;11. 許可が与えられた場合、剣状軟骨から骨盤のすぐ上まで中線切開を行い、腹腔を露出する;12. 手術室の獣医師にヘパリンをブタに投与するよう指示し(約150U/kg)、インシチュ洗浄を開始するまで少なくとも3分間経過させる;13. 膀胱および腸を(ラップスポンジを用いて)動かし、下行大動脈を識別する;14. 腎臓の下、大動脈の一部分(約3cm)を周りの組織/脈管から切り離し、大動脈部分の周りにアンビリカルテープをつける;血液が噴出するのを防止するため手術助手が大動脈壁に圧力をかける間に、大動脈の2つのテープの間に小さな穴を開ける;15大動脈カニューレを穴に挿入し、適切な場所で縛る(アンビリカルテープが確実にカニューレのカラーの上にあることを確認する);16. 灌流セットの2つのスパイクを乳酸リンゲル溶液の2つのバッグの適当な入口ポート中に挿入する(溶液の損失を防止するためローラークランプは閉まっていることを確認する);17. 乳酸リンゲル溶液のバッグをIVポールに吊るし、灌流セットのチューブにすべての空気を適切に除去するように流す;ローラークランプを閉める;18. 隔膜の上の下大静脈および大動脈にクロスクランプをかける;19. カニューレの注入口を灌流セットの出口ポートに接続し、ローラークランプを開け、重力式インシチュ洗浄を開始する;20. 血液流出のため隔膜の上、クランプから下流の下大静脈を切開する;21. 低温での臓器維持/保護のため、すぐにたくさんの氷を膵臓および肝臓の周りの腹腔内に入れる;22. 吸込チューブおよび容器を用い、洗い出した血液を回収する;23. バッグからカニューレを通って大動脈までの溶液流が遮断されておらず、下静脈からの流出があることを確認する;24. 空になったら、乳酸リンゲル溶液のバッグをIVポールから外し、SPS−1容液のバッグ(氷上に置いておいた)を吊るし、SPS−1溶液体積の半分のみを臓器の洗浄に用いる;25. 手術室の獣医師に致死量の5%ペントバルビタールナトリウムを静脈内投与することによりブタを安楽死させるよう指示し(米国獣医学会(AVMA)安楽死に関する研究会のガイドラインによって認められた安楽死の方法)、インシチュ洗浄を完了する;26. SPS−1溶液バッグの残り半分を膵臓移植バイオハザードバッグに移し、後者を氷上に置く;27. 注意深くかつ素早く(15未満)露出し、膵臓を周りの組織および臓器から切り離し(必要に応じて内臓の周りに氷を追加し)、膵臓カプセルおよび健全性が維持されていることを確認する;28. 近接する十二指腸の一部分(幽門近くから第2下行部のほとんどを含む)は膵頭についたままにする;十二指腸部分が膵管の開口部を含むことを確認する(図1);29. 脾臓の剥離前に脾静脈および動脈を結紮する;30. その後の臓器カニュレーションのため約5〜約7cm長の大動脈部分は膵臓についたままにする;大動脈部分は上腸間膜動脈(SMA)および腹腔動脈(CT)の両方の開口部を含まなくてはならない;31. 膵臓を体から取り出し、大動脈カニューレをつけたまま、冷たい生理食塩水を用いて血液を膵臓の外面から素早く洗い出す;膵臓を輸送バッグ内のSPS−1溶液中に浸漬させる;32. 島単離実験室への輸送のため、膵臓が入ったバッグを膵臓クーラー内の氷の上に置く。

    Life−Port(登録商標)灌流装置によりドナー組織(膵臓)を灌流および/または付着することができる実施形態では、機械灌流のための膵臓カニュレーションの例となる方法は以下を含むことができる:1. 膵臓洗浄およびカニュレーションには2人の手術者のチームが推奨される;2. 機械灌流前の静止冷虚血による損傷を低減するため、単離実験室で膵臓カニュレーションを行う;3. 膵臓の静止冷虚血への曝露を2時間未満まで最小化する、静止冷虚血時間はインシチュ洗浄の開始から機械灌流の開始までに経過した時間である;4. 膵臓を輸送クーラーからステンレス鋼手術トレーに移す;後者を氷上に置き、約20〜30mLのSPS−1溶液を輸送バッグからトレーに入れ、膵臓を湿って冷たいまま保つようにする;5. 大動脈カニューレを取り除く;膵臓の健全性を維持することに注意を払いながら、すべての種々雑多な組織を除去する;SMAおよびCT管を識別し、露出する;6. 大動脈部分を中線切開し、SMAおよびCTの開口部を露出する、この時点で、SMAおよびCT開口部は大動脈カフ(1.5cm×4cm)上に離れて位置し、はっきり見えているはずである;7. 適当なサイズのシールリングカニューレを適切な場所に取り付ける、正しいサイズはSMAおよびCT開口部を障害なしに囲み、カニューレの上部の透明な壁からのそれらの可視化を明らかに可能にするはずである;8. 漏れを試験する;20ccシリンジを灌流に用いる溶液で満たし、シリンジをカニューレの一端に取り付け、カニューレ内部の空気を除去し、カニューレの他端に蓋をし、溶液をゆっくり膵臓に注入し、露出した管からのいずれかの漏れを識別する;9. 膵臓の胃十二指腸および肝臓側の縁上のすべての露出した漏れ動脈支流を注意深く識別し、結紮する(アンビリカルテープおよび/または絹紐を適当に用いる);10. 膵管のカニュレーションを行う;SURFLO(登録商標)翼付注入セットから針を取り外し、そのチューブを脈管カニューレとして用いる;顕微鏡手術用ハサミを用い、膵管の十二指腸上の開始位置に穴を開け、カニューレを挿入する;後者を、十二指腸壁に縫い合わせることにより、適切な位置に取り付ける;11. 膵臓の重量(カニューレの重量を引く)、質量(カニューレの質量を引く)、体積、周囲長、および/または浮力を測定および記録する。

    膵臓の肝臓および胃十二指腸側のすべての露出した管の識別およびきつい結紮は、非常に重要である。 通常約12〜約14本の管が灌流前に縛られ、臓器全体を通る流れについて「もっとも抵抗の小さい」の経路の可能性を排除し、流出は門脈からのみ可能にする。 開放した露出した管からの漏れは臓器灌流の均一性を損い、ひいては臓器表面にかけての圧力および温度勾配、ならびに最適ではない膵臓保存をもたらし得る

    膵臓機械灌流の適用の例となる方法は以下を含むことができる(図2):1. 氷容器を氷および冷水の混合物で満たし(LifePort(商標)オペレーションマニュアル参照)、容器をトランスポーターの主要容器に入れる;2. 臓器カセットをカセットウェル内に入れ、灌流サーキットチューブフレームをポンプデッキ上に取り付け、アルミニウム係止アームを閉じ、圧力センサーを圧力変換器に接続する;3. POWERを押し、トランスポーターのユーザーコントロールをオンにし、外部ディスプレイの指示に従い、灌流のためにトランスポーターを準備する;4.1Lの冷たい灌流溶液を臓器カセットに添加する;注入圧力をコントロールパネル上で約10mmHgに設定し、氷容器温度が、外部ディスプレイにより指示されるように、約8℃未満であることを確認する;5. WASHを押し、ポンプを開始し、灌流液をサーキット全体に循環させる;すべての空気がサーキットから除去されていることを確認する;6. 膵臓(十二指腸つき)をカセット内に入れ、臓器カニューレをクレイドルのカニューレマウントに配置し、カニューレ入口ポートを注入ラインに接続し、カニューレ出口ポートを開ける;7. PRIMEを押し、空気をカニューレおよび注入ラインから除去した後、カニューレに蓋をする;後者は検出される抵抗に基づき流動およびポンプを止める;8. STOPを押す;INFUSEを押し、膵臓灌流モードを開始し、ポンプが回転を開始し、圧力設定ポイントに達するまで(例えば約10mmHg)その速度を増加させるのを確認する;9. リアルタイムでの可視化および外部ディスプレイおよびデータステーションの両方での流動パラメータの記録を確保する、外部パネル上に表示される灌流パラメータは:圧力設定ポイント(収縮期圧、mmHg)、流量(mL/分)、抵抗(mmHg/(mL/分))、温度(℃、トランスポーターの遮熱されたコールドセクション、すなわち、氷容器内)である、注入温度(℃)および拡張期圧(mmHg)を読むには、外部ディスプレイの右側のスクロール矢印を押し、これらの追加パラメータを順次切り替える;10. 膵臓灌流を所望の時間、例えば約24時間未満(または約4時間〜約24時間の範囲内、例えば約8時間〜約16時間)、または約24時間以上、または約24時間〜約48時間の範囲内で行う;ポンプを止め、データファイルを保存する(すべての灌流パラメータの変遷を含む);11. 膵臓をカセットから取り出す;灌流後の膵臓の重量、質量、周囲長、浮力、体積を測定し、記録する;臓器内の流体蓄積のレベルを割り出す(浮腫%)。

    若年ブタ(<6か月)からの膵臓を切除し、保存溶液で洗浄し、1〜24時間低体温保存し、コラゲナーゼ酵素の脈管注入により膨張させ、腺を腺房(外分泌)組織および膵島(内分泌腺)から剥離し、最後に消化物を密度勾配上で処理し、島を精製した。 後者のプロセスは島の完全な精製を試みないように実施した。 図3は上記プロセスが70〜80%純度の島をもたらしたことを示す。 島の純度を、島に含まれる面積の培地において存在する外分泌組織および内分泌組織の総面積に対する比を(視覚的におよび/または立体視的に)観測し、計算することにより評価した。 図4は、24時間の低体温機械灌流(HMP)後に若年ブタ膵臓から調製された未熟な島の単離後培養中に観察される可塑性を示す。 組織を、組織がシリコーン膜の表面上に置かれ、環境との酸素交換を促進する、専用のWilson Wolfeフラスコ(Wilson Wolf Manufacturing Inc.、ミネソタ州)において37℃で培養した。 図4の各パネルは、1週間の単離後培養中のさまざまな時点での内分泌物(ジチゾンで赤く染色)および外分泌物(染色せず灰褐色)の出現を示す―図4(A〜H):A:24時間(×100);B:24時間(×100);C:48時間(×100);D:48時間(×200);E:5日(×100);F:6日(×100);G:6日(×200);H:6日(×100)。

    興味深いことに、島の全体形態は培養における最初の24時間中に変化する(図4Aおよび4Bにおける24時間培養した島のより緩く、より粉々な特徴を、単離直後の0日目の島の「ブドウ状」の房と比較されたい)。 組織は24時間での緩く脱凝集した外観から、6日目には外分泌および内分泌細胞を両方含むより密度の高い凝集構造へ移行した。 これは、培養中それらの島の個別性および単離後の構造を維持する成人種からの島の一般的な挙動とは顕著に対照的である。 成人島の培養では、汚染外分泌組織は自己融解により崩壊し、消滅する傾向があり、個別の島のさらにより純粋な調製をもたらす。 対照的に、未熟なブタからの組織は、再凝集し、天然膵臓のように、共存する内分泌および外分泌細胞を含むより大きな新規構造―「パンクレアタイト」となると考えられる。 これらの構造はその後、さまざまなインビトロおよびインビボ(図5)生死判別試験で処理し、グルコースチャレンジ応答性インスリン分泌に関して完全に機能することが示された。 図5は、易感染性マウスの糖尿病症状が、腎臓カプセル下へのブタパンクレアタイトの移植により治癒したことを示す。

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