酒粕から植物性ケフィアを製造する方法、及び該方法によって製造された植物性ケフィア |
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申请号 | JP2009522517 | 申请日 | 2008-07-04 | 公开(公告)号 | JPWO2009008144A1 | 公开(公告)日 | 2010-09-02 |
申请人 | 日本ケフィア株式会社; | 发明人 | 千之助 徳丸; 千之助 徳丸; 浩一郎 徳丸; 浩一郎 徳丸; | ||||
摘要 | 牛 乳等に由来する動物性脂肪分を含まず、牛乳等にアレルギーのある人にも適した、ケフィア及びその製造方法を提供すること。酒粕から培養されてなる 植物 性ケフィア、並びに、酒粕を 液化 して酒粕溶液を製造する液化工程、酒粕溶液に含有されるデンプンを 糖化 する糖化工程、酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程、及び、酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程を含んでなる植物性ケフィアの製造方法。 | ||||||
权利要求 | 酒粕から培養されてなる植物性ケフィア。 酒粕が、清酒粕又はみりん粕である、請求項1に記載の植物性ケフィア。 植物性ケフィアが乾燥品である、請求項1〜2の何れかに記載の植物性ケフィア。 請求項1〜3の何れかに記載の植物性ケフィアを含んでなる、機能性食品。 酒粕を液化して酒粕溶液を製造する液化工程、 酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程、 酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程、 酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程、 を含んでなる、酒粕から植物性ケフィアを製造する方法。 酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程と、 酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程との間に、 酒粕溶液の調整処理及び滅菌処理を行う培地調整工程、 が含まれてなる、請求項5に記載の方法。 酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程、の後に、 培養液を乾燥する乾燥工程、 が含まれてなる、請求項5〜6の何れかに記載の方法。 酒粕が、清酒粕又はみりん粕である、請求項5〜7の何れかに記載の方法。 請求項5〜8の何れかに記載の方法によって製造された、酒粕から培養されてなる植物性ケフィア。 請求項9に記載の植物性ケフィアを含んでなる、機能性食品。 酒粕から培養されてなるケフィアグレイン。 酒粕が、清酒粕又はみりん粕である、請求項11に記載のケフィアグレイン。 酒粕を液化して酒粕溶液を製造する液化工程、 酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程、 酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程、 酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程、 を含んでなる、植物性ケフィアを製造するためのケフィアグレインを製造する方法。 液化工程、糖化工程、接種工程及び培養工程を含んでなる工程群が、2回以上繰り返されてなる、請求項13に記載の方法。 酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程と、 酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程との間に、 酒粕溶液の調整処理及び滅菌処理を行う培地調整工程、 が含まれてなる、請求項13〜14の何れかに記載の方法。 酒粕が、清酒粕又はみりん粕である、請求項13〜15の何れかに記載の方法。 請求項13〜16の何れかに記載の方法によって製造された、酒粕から培養されてなるケフィアグレイン。 酒粕を液化して酒粕溶液を製造する液化工程、 酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程、 酒粕溶液に、請求項17に記載のケフィアグレインを接種する接種工程、 酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程、 を含んでなる、酒粕から植物性ケフィアを製造する方法。 請求項18に記載の酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程と、 請求項18に記載の酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程との間に、 酒粕溶液の調整処理及び滅菌処理を行う培地調整工程、 が含まれてなる、請求項18に記載の方法。 請求項18に記載の酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程、の後に、 培養液を乾燥する乾燥工程、 が含まれてなる、請求項18〜19の何れかに記載の方法。 酒粕が、清酒粕又はみりん粕である、請求項18〜20の何れかに記載の方法。 請求項18〜21の何れかに記載の方法によって製造された、酒粕から培養されてなる植物性ケフィア。 請求項22に記載の植物性ケフィアを含んでなる、機能性食品。 |
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说明书全文 | 本発明は、酒粕から植物性ケフィアを製造する方法、及び該方法によって製造された植物性ケフィアに関する。 ケフィアは、ロシアのコーカサス地方原産の発酵乳であり、コーカサス地方に由来するケフィアグレイン(ケフィア粒、ケフィア菌)を種菌(スターター)として牛乳等の獣乳を発酵させて製造される。 ケフィアグレインは、それ自体があたかも一つの生体として振る舞うものであるが、学術的には各種微生物が天然の共生体となったものであり、Lactobacillus kefiri、並びにLeuconostoc属, Lactococcus属 及び Acetobacter属の各種微生物の1種以上、さらに、乳糖発酵性酵母(例えばKluyveromyces marxianus)及び非乳糖発酵性酵母(例えばSaccharomyces unisporus, Saccharomyces cerevisiae, Saccharomyces exiguus)を含んでいる。 ケフィアは、発酵乳として美味である点に加えて、各種の健康維持増進機能が指摘されており、健康によい食品として普及しつつある。 このケフィアの優れた特性を生かすために、ケフィアに種々の食品成分を添加して、さらに健康維持増進機能に優れた食品を創り出す試みが行われてきた。 例えば、特許文献1(WO2002/076240)は、ケフィアにナットウキナーゼを添加した食品を開示している。 日本では、清酒(日本酒)やみりんの製造の副生成物として、いわゆる酒粕が大量に生産されている。 しかし、この酒粕は市場での需要量を超えて生産されているために、健康によいとされる成分を多数含みながらも、ヒトの飲食以外の用途、例えば飼料や肥料とされたり、あるいは産業廃棄物として処理される場合も多い。 上述のようにケフィアは、健康によい食品として普及しつつあり、ケフィアに種々の食品成分を添加してさらに優れた食品を創り出す試みも行われている。 しかし、他の食品成分を添加したとしても、ケフィアは、牛乳等の獣乳に由来する発酵乳であるということから、牛乳等にアレルギーのある人には不適であること、牛乳等に由来する動物性脂肪分が比較的多く、またそのために比較的高カロリーであることが、数少ない短所となっていた。 従って、本発明の目的は、牛乳等に由来する動物性脂肪分を含まず、牛乳等にアレルギーのある人にも適した、ケフィア及びその製造方法を提供することにある。 本発明者等は、牛乳等の獣乳を使用せず、酒粕から製造されたケフィア(植物性ケフィア)を提供することによって、上記目的を達成した。 このような植物性ケフィアの提供は、従来のケフィアの常識から飛躍したものである。 従って、本発明は、次の[1]にある。 このよう酒粕として、清酒粕又はみりん粕を使用して、美味なる植物性ケフィアを製造することができる。 このような材料から得られた植物性ケフィアは、獣乳由来のケフィアとは異なり、チーズにも例えられるような発酵乳の独特の臭いはなく、日本酒にも似るがそれとも異なった独特の芳香を放つ美味なる食品であった。 従って、本発明は、次の[2]にもある。 さらに、本発明は、次の[3]〜[4]にもある。 本発明に係る植物性ケフィアは、牛乳等の獣乳を使用することなく、酒粕から製造することによって得られるものである。 これはケフィア製造の常識から飛躍したものであり、本発明に係る製造方法によって初めて製造可能となったものである。 従って、本発明は、次の[5]〜[8]にもある。 さらに、本発明は、次の[9]〜[10]にもある。 本発明に係る植物性ケフィアは、通常のケフィアグレインをスターターとして接種して使用して製造できるものである。 しかし、ケフィアグレインの活性化の個体差によるためか、発酵が予想通りに進行しない場合も生じることがある。 そこで、本発明者等は、本発明に係る植物性ケフィアの製造に特に好適なケフィアグレインを得ることを目的として、鋭意研究を行ったところ、酒粕から培養されてなるケフィアグレインが、本発明に係る植物性ケフィアの製造に特に好適であることを見出した。 このケフィアグレインは、本発明に係る植物性ケフィアの製造を安定して可能にするものであり、本発明によって初めて提供されるものである。 従って、本発明は、次の[12]〜[13]にもある。 本発明に係るケフィアグレインは、本発明に係る製造方法によって初めて製造可能となったものである。 従って、本発明は、次の[14]〜[18]にもある。 さらに、本発明は、次の[19]〜[25]にもある。 本発明によれば、酒粕から培養されてなる植物性ケフィアを提供することができる。 この植物性ケフィアは、ケフィアの優れた特性を備えつつも、牛乳等の獣乳に由来するものではないために、牛乳等にアレルギーのある人の飲食にも適し、さらに、牛乳等に由来する動物性脂肪分を含まず、そのために低カロリーなものでもある。 さらに、この植物性ケフィアは、獣乳由来のケフィアとは異なり、チーズにも例えられるような発酵乳の独特の臭いはなく、日本酒にも似るがそれとも異なった独特の芳香を放つ美味なる食品であり、ケフィアの飲食を望んではいるけれども乳製品の独特の臭いが苦手であるような人にとっても、好まれる食品となっている。 本発明によれば、清酒等の副生成物として大量に製造され、市場での需要量を超えて生産されているために、健康によいとされる成分を多数含みながらも、ヒトの飲食以外の用途、例えば飼料や肥料とされたり、あるいは産業廃棄物として処理される場合も多い酒粕を、有効に活用して、新たな発酵食品を提供することができる。 本発明の実施の形態を、以下に詳細に説明する。 本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。 特に記載のない限り、%は質量パーセントを表す。 本発明に係る植物性ケフィアの製造は、次の工程: 本発明における酒粕とは、原料を麹を用いて糖化し、酵母でアルコール発酵させて得られるもろみを搾り取った後に残る固形残渣をいう。 酒粕の由来となるもろみとしては、例えば、清酒のもろみ、みりん(味醂)のもろみ、焼酎のもろみ等を挙げることができる。 本発明においては、清酒のもろみに由来する酒粕(すなわち、清酒粕)、みりんのもろみに由来する酒粕(すなわち、みりん粕)、及び焼酎のもろみに由来する酒粕(すなわち、焼酎粕)を好適に使用することができる。 本発明において、清酒粕は好適に使用可能である。 本発明において、酒粕を得るためのもろみは、例えば、穀類及びいも類等を原料として発酵させて得ることができ、例えば、米、小麦、大麦、ライ麦、えんばく、きび、ひえ、あわ、もろこし、はとむぎ、とうもろこし、そば、アマランサス、ワイルドライス、やまのいも、タロイモ、さといも、さつまいも、キャッサバ、じゃがいも、きくいも、こんにゃく、くず、わらび、黒砂糖等を原料として発酵させて得ることができることができるが、これらに限られるものではない。 本発明において、発酵の終わったもろみから得られる酒粕は、これをそのまま本発明において出発材料として使用することができ、例えば、板粕、ばら粕、練り粕、踏込み粕、成形粕等の形態として使用することができるが、これをさらに加工処理したものであっても使用することができる。 このような加工処理としては、例えば、粉砕、粉末化、懸濁、凍結乾燥、濃縮、撹拌等を挙げることができる。 酒粕の液化は、酒粕をそのままの形態で溶液中に分散させて好適に行うことができるが、すりつぶす等した後に溶液中に分散させて行うこともでき、さらに、あらかじめ乾燥粉末としたものを溶液中に分散させても好適に行うことができる。 酒粕は、あらかじめ加熱処理をすることによって、その後の流動化、分散化処理を容易にすることもできる。 酒粕に対するすりつぶす等の処理、及び酒粕をあらかじめ乾燥粉末とする処理は、それぞれ公知の技術を使用することができる。 酒粕を分散させる溶液としては、水溶液を使用することができ、好適には水が使用される。 酒粕と同時に又は前後して、酸を添加することで好適に分散させることができる。 好適な酸としては、例えば、乳酸、酢酸、クエン酸等を挙げることができる。 乳酸は、特に好適に使用できる。 乳酸としては特に、発酵乳酸が好適に使用できる。 好適な実施の態様において、酒粕を分散させた溶液を、さらに100〜200℃、好ましくは100〜160℃、さらに好ましくは110〜140℃、特に好ましくは110〜130℃の範囲にある温度で、10〜120分間、好ましくは10〜90分、さらに好ましくは20〜60分、特に好ましくは20〜40分の範囲にある時間の間、密閉下で加熱する(オートクレーブする)ことによって、溶液の均一分散と滅菌とを同時に行うことができる。 酒粕を液化して酒粕溶液を製造する液化工程においては、次に行われるデンプンを糖化する糖化工程を好適に実施できるように、pH調整を行っておくことが好ましい。 好適なpHの範囲は、糖化工程で使用される酵素の至適pHに応じて決定される。 pH調整は、例えば5%KOH水溶液の滴下によって行うことができる。 酒粕溶液に含有されるデンプンの糖化は、デンプンの分解酵素を使用することによって好適に実施することができる。 好適な分解酵素として、例えばグルコアミラーゼ、アミラーゼ等を挙げることができる。 グルコアミラーゼは、特に好適に使用できる。 グルコアミラーゼを使用した場合には、あらかじめ行われるpH調整の範囲は、pH4.3〜4.7、特にpH4.4〜4.6の範囲が好ましく、特にpH4.5付近とすることが好ましい。 添加する分解酵素の量は、反応時間及び反応温度と酵素活性に応じた検討によって求めることができるが、例えばグルコアミラーゼであれば、酒粕の質量に対して、0.1〜2.0%、好ましくは0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.3〜0.8%、特に好ましくは0.4〜0.6%の範囲にある量を、1〜8時間、好ましくは1〜6時間、さらに好ましくは2〜4時間、特に好ましくは2.5〜3.5時間の範囲の時間で、45〜55℃、好ましくは47〜53℃、さらに好ましくは49〜51℃の範囲、特に50℃付近の温度で使用することによって、好適な実施が可能である。 好適な実施の態様において、酒粕溶液に含有されるデンプンを糖化する糖化工程と、酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程との間には、酒粕溶液の調整処理及び滅菌処理を行う培地調整工程が設けられる。 酒粕溶液の好適な調整処理としては、培養に備えた微量成分の添加及びpH調整が実施される。 添加される微量成分としては、例えば、植物性ペプチド、酵母エキス、Tween80、リン酸水素二カリウム、クエン酸三アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、寒天等を挙げることができる。 微量成分の添加量は、それぞれ一般に溶液に対して0.01〜2.0%、好ましくは0.1〜1.0%の範囲にある。 pH調整は、例えば5%KOH水溶液の滴下によって行うことができ、pH5.7〜6.3、好ましくはpH5.8〜6.2、さらに好ましくはpH5.9〜6.1の間、特にpH6.0付近の値とすることが好ましい。 酒粕溶液の好適な滅菌処理としては、例えば、100〜200℃、好ましくは100〜160℃、さらに好ましくは110〜140℃、特に好ましくは110〜130℃の範囲にある温度で、10〜120分間、好ましくは10〜90分、さらに好ましくは20〜60分、特に好ましくは20〜40分の範囲にある時間の間、密閉下で加熱する(オートクレーブする)ことによって実施される。 この加熱による滅菌処理は、デンプンの分解酵素の失活処理をも兼ねることができるために特に好適である。 酒粕溶液にケフィアグレインを接種する接種工程は、ケフィアグレインを酒粕溶液へ投入することによって行われる。 ケフィアグレインの接種量は、一般に溶液に対して1〜10%、好ましくは2〜8%、さらに好ましくは3〜7%、特に好ましくは4〜6%の範囲の量である。 酒粕溶液中でケフィアグレインを培養する培養工程は、ケフィアグレインを接種した酒粕溶液を、保温することによって行われる。 保温は、一般に19〜30℃、好ましくは20〜28℃、さらに好ましくは21〜26℃、特に好ましくは22〜24℃、特に23℃付近の温度で、一般に12〜48時間、好ましくは16〜36時間、さらに好ましくは20〜30時間、特に好ましくは24〜26時間の範囲の間、保つことによって好適に実施される。 保温時間の終了(培養工程の終了)の時点は、pHの値が、一般にpH4.2〜4.6、好ましくはpH4.3〜4.5、特にpH4.4付近となることを目安として判断される。 培養工程を経て得られた植物性ケフィアは、そのままでも好適に飲食可能であり、さらに、凍結乾燥による粉末化、粘性多糖類の添加によるゲル化、ホモジェナイズによる均一分散化等の処理を行って、粉末、ゲル、分散流動体等の形態としても、味や香りの基調は保たれ、好適に飲食可能である。 凍結乾燥粉末は、保存条件や保存期間の自由度が大きい点で好適である。 さらに、得られた種々の形態の植物性ケフィアに、他の食品及び食品添加物を添加して食品を製造することもでき、あるいは他の食品に得られた種々の形態の植物性ケフィアを添加して食品を製造することもできる。 また、本発明に係る植物性ケフィアは、ケフィアの優れた特性を生かした、健康の維持増進に役立つ機能性食品、特に保健機能食品、栄養機能食品、特定保健用食品の製造にも、好適に使用することができる。 本発明に係るケフィアグレインの製造は、次の工程: 上記方法によれば、培養工程の終了時には、植物性ケフィアとともにケフィアグレインを得ることができる。 従って、上記本発明に係るケフィアグレインの製造の各工程の条件及び使用される材料、並びに追加する工程及び処理等については、本発明に係る植物性ケフィアの製造の方法に関して既に上述した内容を、そのままあてはめることができる。 本発明に係るケフィアグレインは、上記方法によって得ることができるが、得られたケフィアグレイン(第2世代のケフィアグレイン)を再び酒粕溶液に接種して培養を行うことによって得られたケフィアグレイン(第3世代のケフィアグレイン)は、本発明に係る植物性ケフィアの製造において接種して使用するスターター(種菌)として一層好適なものとなる。 すなわち、本発明に係るケフィアグレインの製造においては、液化工程、糖化工程、接種工程及び培養工程を含んでなる工程群が、2回以上(すなわち、2回又は3回以上)繰り返されて行われることが好ましく、3回以上(すなわち、3回又は4回以上)繰り返されて行われることがさらに好ましい。 この場合に、十分な発酵が進行した植物性ケフィアとともに得られたケフィアグレインを次世代のスターター(種菌)として接種して使用することが好ましい。 背景技術として述べたように、ケフィアグレインは、それ自体があたかも一つの生体として振る舞うものであるが、学術的には各種微生物が天然の共生体となったものであり、Lactobacillus kefiri、並びにLeuconostoc属, Lactococcus属 及び Acetobacter属の各種微生物の1種以上、さらに、乳糖発酵性酵母(例えばKluyveromyces marxianus)及び非乳糖発酵性酵母(例えばSaccharomyces unisporus, Saccharomyces cerevisiae, Saccharomyces exiguus)を含んでいる。 本来のケフィアとは、厳密にはこのケフィアグレインを使用して獣乳から製造されるものであるが、ケフィアグレインに含まれる各種微生物の複数種類を抽出して、これをスターターとして培養を行い、ケフィアに類似した食品を製造することができ、従って、酒粕を使用して、ケフィアグレインから抽出された各種微生物の複数種類をスターターとして培養を行って、植物性ケフィアに類似した食品を製造してもよい。 [実施例] [植物性ケフィアの製造] 得られた酒粕溶液に、粉末化した素材の0.5%に相当する量(0.2g)のグルコアミラーゼ(商品名:グルクザイムAF6、天野エンザイム)を添加し、30分に1回の撹拌を行いながら、50℃の温度で3時間保温した。 次にこの酒粕溶液に、培地調整処理として、溶液に対して0.50%に相当する量(2g)の植物性ペプチド(商品名:ハイニュート、不二製油株式会社製)、溶液に対して0.10%に相当する量(0.4g)の酵母エキス(オリエンタル酵母工業株式会社製)、溶液に対して0.10%に相当する量(0.4g)のTween80(岸田化学株式会社製)、溶液に対して0.50%に相当する量(2g)のリン酸水素二カリウム、溶液に対して0.20%に相当する量(0.8g)のクエン酸を添加して撹拌し、さらに5%KOH水溶液を滴下してpH6.0となるように調整を行った。 さらに、酒粕溶液に対して、121℃の温度で30分の加熱を行って、滅菌処理をした。 上記のようにして得られた酒粕溶液を植物性培地として使用して、これに対してケフィアグレインの接種を行った。 ケフィアグレインの接種量は、溶液に対して5%の量とした。 ケフィアグレインを接種した酒粕溶液を、23℃で24〜36時間保温し、pH4.4付近(pH4.3〜4.5)となることを目安として、培養の終了と判断して、植物性ケフィアを得た。 [凍結乾燥粉末及びゲル] [ケフィアグレインの製造] [大容量培養] [評価] これらの植物性ケフィアの芳香、風味及び味の特色は、培養液として得られた植物性ケフィアにおいて最も顕著であったが、粉末状とした植物ケフィアであっても、ゲル状とした植物性ケフィアであっても、同じ基調をもって保たれていた。 |