オンサイト統合生産工場 |
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申请号 | JP2009515140 | 申请日 | 2008-05-07 | 公开(公告)号 | JPWO2008142995A1 | 公开(公告)日 | 2010-08-05 |
申请人 | 株式会社エム光・エネルギー開発研究所; | 发明人 | 正隆 村原; 正隆 村原; | ||||
摘要 | 洋上の風 力 や潮流等から得られた電力を使い、 海 水 を電気分解して真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、 硫酸 、水素、酸素等を製造し、同時に陸積みした麦芽やおが屑等を醗酵させエタノールを醸造し、ここで発生した二 酸化 炭素を光合成に用い野菜を栽培し、ここで発生した酸素は生簀や漁礁に供給して魚を養殖し、かつ酸素濃度の低下した 海水 に戻し赤潮発生を抑制するオンサイト統合生産工場。 | ||||||
权利要求 | 自然エネルギーを利用した発電手段を備え、海水、塩湖水もしくは岩塩を原料として、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を生産する電解工場と、前記電解工場で生産した真水、硫酸および苛性ソーダによりセルロース材または穀物を醗酵させて燃料用バイオエタノールまたはアルコール飲料を蓚酸または蓚酸ソーダとともに製造するエタノール工場と、前記エタノール工場で生産した蓚酸あるいは蓚酸ソーダを前記電解工場において海水中の脱カルシウム剤として用い、かつ前記エタノール工場の醗酵工程で発生した二酸化炭素と前記電解工場で製造した真水と太陽光や人工光とによる光合成により野菜を生産する野菜工場と、前記光合成で発生する酸素を海中に導入� ��て海水の酸素濃度補充と赤潮発生の抑制に供し、かつ前記電解工場で揚水した深層水に酸素を補充した海水を表層水に放流して養殖場あるいは漁礁として魚介類を生育させる養殖工場とを限られた1つの区域内に備えるオンサイト統合生産工場。 前記発電手段は、太陽熱温水器を循環する温水あるいはレンズやミラー等の集光手段で集光した太陽光の焦線に設置した集熱パイプの中を循環する熱媒としての石油製品、芳香族化合物、融解塩、易融金属、シリコーンオイル、硫酸、油等による高温循環液体あるいは電解工場の熱排水または温泉水としての海底温泉や海岸温泉あるいは火山性温泉の温泉水等の温水循環液体等と、揚水した深層水や海洋表層水あるいは河川水による冷水とを2または3重管構造の内管と外管とに夫々流し、その内外管の中管に半導体熱電子発電素子を並べた構造の温度差発電装置、あるいは集光された太陽光を吸熱層を介して熱電子発電素子の一方の面を熱し、他面は冷却のために水を流す構造の温度差発電装置を備え、温度差発電に供しない可視光線はコ� ��ルドフィルターやバンドパスフィルター等で分波して前記野菜工場の光合成用の光として使い、温度差発電に供した深層水は前記野菜工場の寒冷地農場室の冷却に用いた後、深層水を2系統に分け、一方は電解工場で淡水化した後エタノール工場のビールや日本酒の原料とし、他方は寒流魚介類用生簀に、あるいはそのまま海洋の表層水に放流し、暖流魚貝類や底棲魚または海老や蟹等の囲いを有する養殖場あるいはその周囲には栄養豊富な深層水に群がってくる回遊魚の自然魚場・漁礁とする請求項1に記載のオンサイト統合生産工場。 前記エタノール工場では木屑やおが屑等のセルロース材を苛性ソーダ処理して生成した、あるいはアルコール醗酵で発生した二酸化炭素とコークスを赤熱して生成した一酸化炭素を苛性ソーダに吸収させて生成した蓚酸または蓚酸ソーダを洋上電解工場の逆浸透膜あるいはイオン交換膜で分離した灌水に注ぎ、蓚酸カルシウムとして沈殿させ、その濾液を逆浸透膜あるいは加熱により濃縮して硫酸を製造し、その硫酸を木屑やおが屑等に注ぎアルコール醗酵菌と共に燃料用バイオエタノールを製造し、この沈殿物蓚酸カルシウムに塩酸を注ぎ塩化カルシウムと蓚酸を分離し、塩化カルシウムは金属カルシウム製造のための溶融塩電気分解用原料あるいは金属ナトリウム製造のための溶融塩電気分解用触媒として使われ、蓚酸は回収して再度灌� ��中のカルシウムを沈殿分離するために利用する請求項1に記載のオンサイト統合生産工場。 前記酸素を海中に導入するために、海中に下ろす酸素吐き出しパイプのガス出口の海水境界面に撥水性多孔質フィルムやスポンジを張り、海水とガスとを隔離する請求項1に記載のオンサイト統合生産工場。 前記電気分解工場で生産する金属ナトリウムは貯蔵・輸送後、これを陸揚げして発電所や都市ガス製造所あるいは燃料電池施設等で、水素製造装置内部で水と反応させて水素を作り、残留物の苛性ソーダはソーダ工業用原料に供給するか、あるいは溶融塩電気分解を行い金属ナトリウムを再製するためのナトリウム燃料サイクルとする請求項1に記載のオンサイト統合生産工場。 前記水素製造装置内部の反応容器上部には軽油や油類に包まれた金属ナトリウムの投入口と水素取り出し口、および水を噴霧あるいは点滴あるいはパルス出射するためのノズルや蛇口、反応容器周囲には超音波振動子、底部には苛性ソーダ水溶液の取り出し弁、容器上部には油層中の金属ナトリウムを下層の水層に押し下げるための制御棒を備え、油層の中を揺動する水あるいは油層の外の水等と金属ナトリウムとを反応させるか、あるいは反応容器底部から油を排除した状態で水と金属ナトリウムを直接反応させるための油抜き取り弁を備え、かつ容器上部にはガス封入口と水素取り出し口と容器外周にジャケットを備えた水素製造装置の原材料であるナトリウムを製造する請求項5に記載のオンサイト統合生産工場。 前記太陽光の焦線に設置した集熱パイプの中を循環する熱煤を前記電解工場における溶融塩電解工場の溶融塩の加熱の補助として使用する請求項2に記載のオンサイト統合生産工場。 前記高温温泉水としての1次熱水が流れる温水路または温水容器の周囲に2次熱水としての水が循環する金属性パイプを廻らせ、当該2次熱水を前記記載の野菜工場における土壌や栽培温度を上昇するための暖房用に供し、熱帯あるいは亜熱帯植物を栽培する野菜工場や室内暖房に供する請求項2に記載のオンサイト統合生産工場。 前記電解工場、エタノール工場、野菜工場および養殖工場が、海洋に浮かぶ複胴あるいは単胴あるいはメガフロートからなる浮体船または浮遊船上あるいは沿岸構造物内または陸地の構造物内に設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載のオンサイト統合生産工場。 |
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说明书全文 | 本発明は、オンサイト統合生産工場に係り、特に、自然エネルギーを利用した発電手段を備え、電気分解工場と、エタノール工場と、野菜工場と、魚介類の養殖工場とを、限られた1つの区域内に統合して備えるオンサイト統合生産工場に関する。 世界の国々では、エネルギー、苛性ソーダ、軽金属等国力を左右する産業の建て直しが急がれる。 2006年のサンクトペテルブルクで開催されたロシアサミットにおいて、各国首脳の発言は原油消費の抑制策に重点を置いたが、脱石油の早急の対策として原子力、天然ガス、太陽等を挙げている。 このように化石燃料を用いない自然エネルギーに頼ろうとする気運が大いに高まっている。 自然エネルギー発電には風力、水力(潮力)、波力、太陽光、太陽熱、地熱等に依拠するものがあるが、この中でも風力発電は風車を地表に対して垂直に設置できるため他の自然エネルギー発電に比べて設置面積が少なく、しかも昼夜問わず利用できる。 この風力発電を、未処理水や海水を逆浸透プラントで処理するための圧力ポンプの電力に利用することが下記特許文献1,2に開示されている。 また、海水の淡水化を目的として海水の汲み上げポンプの電力に風力発電を使用することが下記特許文献3に開示されている。 また海水の淡水化装置から得られた淡水を電気分解して水素を生産する電力として風力発電を利用することが下記特許文献4に開示されている。 潮流発電はさらにエネルギー効率が高い。 風力や潮力等流体から得られるエネルギー(W)は、式:W=AρV 3 /2(ここで、Aは、受流体面積、ρは、流体密度、Vは、流速)で与えられる。 空気の密度は1.2kg/m 3に対し水の密度は1025kg/m 3である。 このため風の流を水の流に換えれば854倍のエネルギーを得ることができる。 例えば日本周辺には黒潮(日本海流)と対馬海流があり、トカラ海峡、足摺岬、室戸岬、潮岬、三宅島、御蔵島を流れる黒潮は幅250km、水深1000m、流速0.3〜2m/秒であり格好の潮流発電源である。 このように水車の出力は水流の3乗に比例するので潮流による発電は魅力的である。 上述した風力、流水力等の流体エネルギーは地球環境に優しく、かつ、資源の枯渇も起こさない格好なエネルギー源であるように思われがちであるが、しかしこれらは全て自然的および地理的条件に制約され、気象条件や場所によっては所望の発電電力を得ることは困難である。 そこで風力エネルギーあるいは潮流や海流等流体エネルギーが豊富に存在する洋上でそれらを利用する方法が多数提案されている。 下記特許文献5では海上に浮遊設置されたプールに海洋深層水を汲み上げるために風力発電で得られた電力を使用することが開示されている。 下記特許文献6には海水の電気分解による淡水化に風力発電を用いることが開示されている。 下記特許文献7には海上に設置する大型浮体構造物に風力発電、波力発電、海洋温度差発電等自然エネルギーを利用する発電設備が開示されている。 移動可能な海上浮体上で太陽熱による蒸気タービン発電や波力発電、風力発電等で得られた電力により淡水化された水を電気分解して水素や酸素ガスを生産することが下記特許文献8,9に開示されている。 洋上の浮遊あるいは浮体船の甲板に設置する風車は風向に関係ない無指向性が望ましい。 本発明者らは風力や潮力の両エネルギーから電力を取り出す垂直軸風水車を下記特許文献10,11に開示している。 下記非特許文献1によるとスウェーデンでは原子力発電を段階的に廃止するという脱原子力発電政策を維持し、風力発電の導入に関しても高い目標が掲げられている。 1970年にはエネルギー需要に占める石油依存率が70%に達していたが、その後オイルショックを契機に脱石油政策を進め、現在では石油依存率が30%台に低下していると言う。 とくに、民生部門の暖房や給湯用熱エネルギーは、地域熱供給の普及と燃料のバイオマスへの転換を進めたことから、現在すでに石油依存率は10%にまで低下しているという。 そして数年のうちにガソリンへのバイオエタノール混合(5%)が進み、エタノールを85%含んだE85やバイオマスを醗酵させて得られるバイオガス等を燃料とした自動車の普及も進んでいると言う。 2007年1月、アメリカのブッシュ大統領がトウモロコシを醗酵させてバイオエタノールを製造し、2017年までにガソリンの20%を代換する方針を打ち出すや、トウモロコシの穀物価格が暴騰したことは記憶に新しい。 日本政府もバイオエタノールの生産を2030年までに600万キロリットルまで拡大する方針を打ち出している。 下記非特許文献2にはRITEと本田技研がコリネ菌の遺伝子を組み替え、セルロース等の植物繊維を糖に替え、食料に成らない木屑や雑草、稲わらや麦わら等からバイオエタノールを作ることを開示している。 下記非特許文献3には砂糖キビの搾りかすや木屑から抽出した糖や澱粉を醗酵させてエタノールを取り出す菌を従来の100倍にするとある。 下記特許文献12にエタノール生成菌体内酵素反応条件下でNADH(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド還元型)を外部より反応培地に添加し、前記化合物の存在下にエタノール生成菌を反応させて、反応培地中にエタノールを生成させ、生成したエタノールを採取することを特徴とするエタノールの製造方法が開示されている。 下記非特許文献4には、海水を逆浸透膜等で淡水化する日本の技術が世界に進出していることが報告されている。 現在世界では11億人が水を十分に利用できないとされ、中国や中東では工業用水の不足が経済成長の障害要因となっているという。 このためそれらの地域では海水淡水化プラントの建設ラッシュであるという。 ところがこれら海水の淡水化は真水を取るのが目的で、海水中の約3%が塩分である灌水は廃液として海に廃棄しているのが現状である。 日本のこれまで海水の淡水化やマグネシウム等の海水溶存金属の生産施設等は沿岸地域の火力発電所周辺に限られ、これら海水溶存金属はアルミニウム同様電力の化石と言われてきた。 アルミニウム生産にいたっては下記非特許文献5に示されている如く、日本では新地金の99%を輸入に頼り、新地金の精錬を行っているのは、自家発電所を持つ日本軽金属の蒲原工場(静岡県)のみである。 金属ナトリウムも同様で、国内の生産工場は日本曹達の二本木工場(新潟県)1か所のみである。 日本の高速増殖原型炉「もんじゅ」では約1700トンの金属ナトリウムが使われていたが、その全ては輸入である。 一方、塩を原料とする苛性ソーダ工業は、硫酸工業と共に化学工業の基礎工業であり、化学工業はこの両工業を出発点とする。 2005年の統計によると日本の苛性ソーダの生産量は455万トンと順調に推移している。 しかし原料塩の100%を輸入塩に頼っているため、その輸入価格の半分以上が輸送費である。 さらにこの塩から苛性ソーダを生産するには電気分解のための大電力が必要であるため、苛性ソーダ事業部門の平成11年度収益は5億円の経営赤字であり、このままでは、日本の苛性ソーダ・塩素工業の国際競争力を失わせることになる。 これは製品1トン当たりの使用電力は下記非特許文献6に示されているように、約2500kWhと多い。 その対策として、電力の深夜電力への移行、自家発電設備の新設や増設、あるいは輸送船舶の大型化等を促進することが緊急課題となっている。 日本では、昭和30年代までは水銀法が食塩電解法の主流であったが、昭和61年6月までに隔膜法やイオン交換膜法に全面転換が完了した。 しかし下記非特許文献7に示されているように、製造の簡便さや高純度苛性ソーダ製造が可能な水銀法は捨てがたく、下記非特許文献5に示されているように、世界の動静はいまだに水銀法が主流を占めている。 海洋深層水については下記非特許文献8によると海洋深層水とは、水深が200メートル以上の深海に分布する表層水とは違った物理的、化学的特長を持つ海水のことで大洋の深層に分布し、地球上の2箇所(北大西洋のグリーンランド沖と南極海)で形成される深層水(北大西洋亜深層水と南極低層水)をいう。 これらの深層水は熱塩循環によっておよそ2000年かけて世界中の海洋を移動しており、千年単位の地球の気候にも重要な関わりを持っている。 その物理的性質は低温、高塩分、高密度で、大気の影響をほとんど受けないため表層水に比べて変化が少ない。 化学的には太陽光が十分に届かないため植物プランクトンが成育せず、表層水との混合も起こりにくいため溶存酸素に乏しい。 また長期にわたって表層から様々な物質が沈降するため、ミネラルや栄養塩に富む。 この海水が特定の海域で表層へ上昇することがあるが、そこは非常に生物生産性の高い海域となり好漁場となる。 深層水の、栄養塩に富み雑菌が非常に少ないという特質を利用し、養殖業に利用することが試みられている。 また、農業への応用、醗酵分野への応用、表層水との温度差を利用した発電等が研究されている。 とくに、酒やしょう油、パン等の醗酵食品分野では、深層水を用いると醗酵が促進され、風味が増し、酒のアルコールの生産量も多くなるといった効果が得られていると言う。 特に酒に関しては、日本の高知県と企業との共同研究により、海洋深層水が酵母の負の作用を緩和し、醗酵に重要な遺伝子を活性化させることを見出し、香りが良く美味しいお酒ができるメカニズムを遺伝子のレベルで科学的に解明したことが開示されている。 また下記非特許文献9によると、熱帯地域から南極までの深さ100メートル以下の海中に生息する海洋細菌アカリオクリオスは普通の葉緑素の400〜700ナノメートルの可視光線に加え、700〜800ナノメートルの近赤外線でも光合成を行うので効率が5%高くなるため二酸化炭素の吸収体として有望であり、これまで海では藻類等の光合成で毎年20億トン前後の二酸化炭素が吸収されるとされていたが、この発見により約2千万トンが上乗せされ、これまで考えていた以上に海の二酸化炭素の吸収量は大きい可能性があると記載されている。 下記特許文献13には溶液中に生育した人工コケ稚苗で植物工場内の二酸化炭素を固定化して二酸化炭素の削減を可能にするすることが開示されている。 深層水を風車を動力源として揚水し、これを表層水に放流して漁場にすることが下記特許文献14に開示されている。 同様に深層水を風車による動力で揚水し、これを表層水に放流して海洋牧場にすることが下記特許文献15に開示されている。 同様に深層水の揚水を風車を動力源とし、これを海水中に一定期間滞留させる滞留槽を作りここを漁場にすることが下記特許文献16に開示されている。 深層水でビールを製造することは下記特許文献17に開示されている。 海洋深層水を用いた温度差発電とは太陽熱に暖められた海洋表層水と太陽が及ばない100メートル以下の冷たい海洋深層水との温度差を利用して、フロンやアンモニア等の気化しやすい媒体を熱交換に用い、暖かい表層水で蒸発させタービンを回して発電する方法である。 下記特許文献18には海洋深層水と海洋表層水の温度差発電が開示されている。 下記特許文献19には温度差発電用深層水を風力により揚水ポンプを駆動することが開示されている。 熱電子発電素子を温度差発電に利用する報告として下記特許文献20には温度差発電に供する熱電素子が振動や衝撃に耐性を有する製造法が開示されている。 下記特許文献21では携帯用小型温度差発電用熱電子発電素子の製造法が開示されている。 この熱電子発電素子(熱電素子)はペルチェ素子とも言い、異種の半導体を接合して電流を流すと、一方の接合部で発熱が、他方の接合部で吸熱が起こる。 このことは一方で吸熱した熱を他方で放出することを意味し、電流の向きを逆にすると発熱、吸熱が逆になる。 また両接合面に温度差を持たすと電位差が現れ、これが温度差発電素子としても働く。 本願発明者はこの熱電素子に正弦波直流電圧をプラス電位からマイナス電位に変化するようにして熱電素子に印加して、温度差を周期的に変化させて、その熱変化を岩石試料に与え、岩石の熱定数測定装置を作ったことが下記非特許文献10に開示されている。 また熱電素子の一方をレーザーミラーに密接させ、他方を冷却水で冷却した状態で素子に直流を流す事によってレーザーミラーを冷却する装置が下記特許文献22に開示されている。 またこの熱電素子の一方に500℃以下の高温を与え、他方を100℃以下にした温度差を熱電子発電素子に使うことが下記非特許文献11に開示されている。 比較的食料自給はできていた筈の日本にあっても生産者の高齢化、労働力不足等が原因で輸入野菜が増加している。 巨大人口を抱える中国では,その経済発展と工業化の過程で食糧輸入国に転じている。 また日照時間が極めて少ない冬の北欧では緑色の野菜を食卓で見ることはまれである。 これまでの自然エネルギーに依存する農業では,適地適作といわれるように地域毎に知恵を絞った技術が蓄えられてきた。 しかし世界的人口増と食糧不足が危惧される今日,自然環境をできるだけ損なわない方法で,可能な限りの農業適地を利用しなければならない。 しかしこれでは産地が限られるし、天候にも左右される。 下記非特許文献12や植物工場研究所のホームページを見ると、植物工場とは『環境制御や自動化等のハイテクを利用した植物の周年生産システム』とある。 植物栽培の環境すなわち温度、光、二酸化炭素、肥料等の投入量をコンピュータで制御することで、天候に左右されること無く、人手を必要とせずに作物を自動的に生産するのが植物工場であるとある。 下記特許文献23には植物の苗から成長期には比較的赤外光を含む光を照射して植物体を伸長させ、成熟期には赤外光を少なくする事により、収穫時期を早めることが開示されている。 下記特許文献24には光合成用光源として高温多湿環境でも長時間使用できるように、可視光線のみ反射する防湿型照明器具を開示している。 下記特許文献25では植物工場の電力に燃料電池を使用し、電力消費対象に太陽光発電や風力発電により電力を供給することが開示されている。 海洋深層水の苦汁を配合した肥料を野菜に与えることが下記特許文献26に開示されている。 2007年1月22日から神戸市で養殖魚の国際会議が開かれた。 下記非特許文献13によると、日本の奄美大島は入り組んだ湾が多く、水温も1年を通じて20度以下にはならない温暖な気候にある。 ここにはまぐろの養殖のため産学官が集結すると言う。 赤潮等の発生の無い海域が養殖場として選ばれるのは当然のことである。 下記非特許文献14の地球白書によると魚や海洋生物がいない巨大「デッドゾーン」が毎年夏になるとメキシコ湾岸に出現するという。 この現象は海水に溶存する酸素濃度の水準が非常に低いので海洋生物は生存できないためであるが、同じような酸欠海域は世界中に146ヶ所もあり、水温が温暖なところで最も発生しやすく、アメリカの東海岸沖やヨーロッパの海に集中しているが、中国、日本、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランドの海岸沖でもこの現象は見られると言う。 これらの沿岸地域で酸欠海域が発生し、魚やその他の生命体が死ぬのは、河川や海へ流出されると肥料に含まれた過剰に濃縮された窒素やリンに刺激されて、植物性プランクトンや藻が異常発生する。 この植物性プランクトンは死ぬと水底に沈み腐敗して分解するが、その過程で酸素を使い尽くすので低酸素地帯ができるのだと言う。 ほとんどの海洋生物は低酸素地帯で生存できない。 泳ぐことができる魚やその他の生物は酸欠海域から離れればよいが、甲殻類等は低酸素の水中では移動するまもなく窒息してしまう。 さらに魚養殖が沖合で盛んに成りつつあるのも沿岸水域で栄養分が堆積されることが主要原因の一つである。 この弊害を取り除くためには、排出された栄養素による水質汚染を減らし、生態系機能を回復することが解決の鍵である。 デンマークとスウェーデンにはさまれたカテガット海峡は1970年代以降、低酸素状態や、プランクトンの異常発生、そして魚の大量死に悩まされていた。 1986年、ノルウェーのロブスター漁業が破綻したことに触発され、デンマーク政府は、主に廃水処理場や産業による排水を減らすことによって、水中のリン含有量を80パーセント減らし、かつ沿岸湿地帯を再生し農場での肥料使用量を削減した。 これによって、プランクトンの増殖に歯止めがかかり水中の酸素量が増えたと報告している。 現在、日本で進行中の洋上風力発電プロジェクトは3つある。 下記非特許文献15によると、これらの内、風車により発電される電力を使用し水素を発生させる方式が、国立環境研究所、海上技術安全研究所で採用され、風車により発電される電力をそのまま陸上に送電する方式が東大および東京電力で採用されている。 国立環境研究所で採用されている方式は、遠洋での非係留方式のセーリング型風力発電プラント構想で、平成15年度から5ヵ年間の計画で進められている。 風車としては5MW(ロータ直径120m)を想定し、風車の設備稼働率を25%、洋上で得た水素を陸上に輸送し、燃料電池で消費するとして、この場合の水素変換効率を50%、燃料電池のエネルギー効率を60%とすると、28万8,000基の風車が必要となり、その面積は12万4,000km 2となると試算している。 海上技術安全研究所で採用されている方式は、近海での係留式の浮体式風力発電方式で、漁業権が設定されていない水深100〜200mの日本近海に係留式の浮体(長さ187m、幅60m)を設置し、風力発電を行うものである。 1つの浮体に2基の風車を設置する。 風車は定格出力5MW(ロータ直径120m)のものを想定し、海水を直接電気分解し、水素を製造するが、当面は、海水を淡水化し、それを電気分解し水素を製造する。 さらに、この水素と陸上から輸送したCO 2とを反応させメタンに変換する。 メタンは液化または圧縮ガス化して、陸に輸送する。 実際の風況データによると、年間の設備利用率が40%となる海域は、北海道西岸、東北日本海沖、房総沖、伊豆沖の4ヶ所で、合計15,000km 2が該当する。 1浮体10MWの風力発電設備により、年間総発電量は35,040MWhとなり、835tの水素が製造(電解効率約80%)できる。 これから年間約1,650tのメタンが製造(変換効率99%)できる。 これは、年間1万km走行する自動車約4,300台分の燃料に相当する。 水素のメタン化反応は発熱反応のため、6.94×106kWhが発熱する。 この熱を利用し蒸気発電機で発電し、これを電気分解用の電力として再利用する。 浮体1基当りの建設費は約49億円、30年償却で、電力コストは11.7円/kWhと試算している。 東大および東京電力で採用されている方式は、近海での係留型フロート式洋上水力発電方式で、関東地方の太平洋沖合10km程度の地点で浮体式洋上風力発電を行うことを目的とし、平成17〜18年度で、洋上風況の評価、浮体の考案、経済性の評価等を行うとしている。 1つの浮体には定格出力2.4MW(ロータ直径92m)の風車3基を建設し、風車間の距離は180m、浮体は基礎浮体にRC、鋼管製の連絡部材、緊張ケーブルから構成される。 係留は風車塔および中央部の4ヶ所で行うとしている。 <引用文献の表示> 従来のエネルギー資源の調達は経済性の観点から資源の豊富な場所に限られ、それを消費地に如何に経済的に運搬するかが課題であった。 しかし近代産業の発展は度重なる資源の乱獲をもたらし、これに起因する資源の世界的枯渇は、資源高をもたらしている。 幸いにも日本は4面を海に囲まれ、200海里の大陸棚の外周を考えると豊富な資源国に成り得る可能性を持っている。 海水に溶存する鉱物資源、海流、潮汐等の流体エネルギー資源、太陽熱、海底温泉または海岸温泉と水との温度差等の熱エネルギー資源、飲み水や工業用水も海洋資源である。 これら無尽蔵にある海洋資源を、化石燃料を使わず経済的に回収し、かつ、これらと陸積みされたセルロース材や穀物を醗酵させて燃料用エタノールまたは深層水ビールを製造し、アルコール醗酵で発生する二酸化炭素を原料として野菜を作り、光合成で発生する酸素を海底または海中から海洋の表層水にバブリングすることにより海水の酸素濃度を増加させ、魚貝類の生育を促進させ、かつ海洋の低酸素地帯を削減し赤潮発生を抑制するための統合システムを構築することが、本発明が解決しようとする課題である。 統合生産工場の電力は化石燃料を使わず、風力、水力(潮力)、波力、太陽光、太陽熱、地熱等の自然エネルギーを利用する。 この中でも風力は地表や海面に対して垂直に設置できるため他の自然エネルギー発電設置に比べて設置面積が少なく、しかも昼夜問わず利用できる。 黒潮等の潮流発電にいたっては発電効率が著しく高い。 すなわち、水風車発電のうち水は風に比べて密度が高いため風の流を水の流に換えれば854倍のエネルギーを得ることができる。 このため潮流の流れが毎秒1メートルならば風ならば9.5メートルに匹敵し、潮流の流速が2メートルならば19メートルの風速に匹敵する。 このため洋上工場の浮体船は黒潮等潮流が早い洋上に係留すれば発電効率を高くすることができる。 また海洋深層水の温度差発電は、従来フロンやアンモニア等の気化を熱交換に用い、それらの気体を表層水で蒸発させタービンを回して発電していた。 この機械的タービンを熱電子発電素子に換えれば稼動部皆無の発電が行える。 そこで高い温度差を得るために高温側は太陽熱や工場廃熱で加熱された熱媒としての石油製品、芳香族化合物、融解塩、易融金属、シリコーンオイル、硫酸、油等による高温循環液体または水あるいは電解工場の熱排水または温泉水としての海底温泉や海岸温泉あるいは火山性温泉の温泉水等の温水循環液体等を、低温側は深層水や表層水あるいは河川水を用いる。 太陽熱温水器は甲板上に並べられた複数の集熱パイプからなるか、レンズやミラー等の集光手段で集光した太陽光の焦線に置かれた集熱パイプからなり、集熱パイプ中を循環する熱媒によって溶融塩電気分解過程の食塩、食塩と塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウムあるいは苛性ソーダ等の溶融塩を、電力により加熱する前工程として予備加熱した後、揚水した深層水や海洋表層水あるいは河川水による冷水とを2〜3重管構造の内管と外管とに夫々流し、その内外管の中管に半導体熱電子発電素子を並べた構造の温度差発電装置等で電力を賄うことができる。 太陽光や風力等のクリーンで再生可能なエネルギーを水素に転換し、水素燃焼タービンによる発電用、輸送用燃料・都市ガス等の広範な分野で研究開発が行われている。 とくに洋上において風力発電で得られた電力で海水を淡水化し、その水を電気分解して水素を生産し、それを液体水素の状態でボンベに貯蔵し、陸に輸送するための水素吸蔵金属やボンベの軽量化等開発研究が行われている。 水素を短時間に大量に必要とする発電所や都市ガスあるいは燃料電池充電工場等の施設では、固体水素が相応しい。 金属ナトリウムは比重0.971と水よりも軽く、しかも石油中に保存すれば安全である。 従って洋上で製造すれば輸送コストと貯蔵容器等の費用が軽減できる。 この金属ナトリウムを液体にして水蒸気や酸素と反応させて発生した燃焼エネルギーで発電することもできるが、簡便な方法として、この金属ナトリウムに水を注いで発生する水素を発電所や都市ガス製造所あるいは燃料電池チャージ施設等で用いれば、その廃棄物の苛性ソーダはソーダ工業の原料として経済的にソーダ工業用原料として供給することができる。 一方、苛性ソーダおよび水素発生用金属ナトリウムの需要と供給のバランスを考慮して、苛性ソーダを風力発電によって得られた電力を用いて溶融塩電気分解を行い、金属ナトリウムを再製するためのナトリウム燃料サイクルを構築することもできる。 このナトリウム燃料サイクルは、原子力発電所で使用済み核燃料を再処理してウラニウムやプルトニウムを再製する核燃料サイクルと同じように、燃料をエンドレスで作り出して再利用するシステムである。 しかし、本発明が推奨するナトリウム燃料サイクルは核燃料サイクルのような放射線廃棄物は出ないため安全である。 しかも、ウラニウムのように世界の限られた地域にしか埋蔵せず、埋蔵量も少ない資源とは対照的に、ナトリウムは食塩として海水中に無尽蔵に存在し、大陸では岩塩として豊富に存在する。 このように資源的に豊富で、世界中で供給可能なナトリウム燃料ではあるが、その処理には細心の注意が必要である。 この金属ナトリウムは水と爆発的に反応し、水素を発生し、その反応熱で燃焼に至る。 この燃焼や酸化を制御するために油類に入れられたナトリウムに、上部から噴霧、点滴、あるいはパルス状に水を注ぐと、油より比重の高い水は油の中を速い速度で通過する。 この通過の過程で水を金属ナトリウムと接触させて化学反応を起こさせる。 あるいは油層下部に接触する水層を超音波振動により攪拌し、油と水の混液を金属ナトリウムに接触させ、水と金属ナトリウムの反応を起こさせることもできる。 さらに複数個の高圧水噴出ノズルから油層中の金属ナトリウムに向けて水を噴射することもできる。 水と直接反応を起こすためには、油層中に浮かぶ金属ナトリウムを上部から制御棒で押し下げ、油層の下の水と反応させることもできる。 さらに激しい反応を起こすには、水素あるいはアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気で油を抜いた後、金属ナトリウムに噴霧、点滴あるいはパルス状に水を注ぐとこともできる。 これらの反応により反応容器の上部から水素が、下部からは苛性ソーダが取り出せる。 また容器外周に冷却ジャケットを備え、反応熱による温度上昇が激しい場合には冷却水を流す構造である。 反応容器にはステンレス、ポリエチレン、ポリプロプレン等耐腐食性材料を用いる。 このような循環的なシステムを作ることが本発明が解決しようとする課題である。 金属ナトリウムに供給される水の量が少ない時、すなわち、油を抜き去った後、金属ナトリウムに容器上部の水噴出ノズルから水が注入された場合、反応熱により高温が発生し、生成した水素の発火点以上(500℃)に達する。 とくに反応系に酸素を投入すると水素は燃焼し高温を発生する。 この熱を利用するために、反応容器外周部の冷却ジャケットに1次冷却剤としての熱媒を循環させ、この熱で2次冷却水としての水を沸騰させて水蒸気タービンを回し、発電に供することができる。 他方金属ナトリウムに供給される水量の方が多い場合、すなわち、油層中に浮かぶ金属ナトリウムを上部から制御棒で押し下げ、油層下の大量の水と金属ナトリウムを反応させた時は、水の熱容量が大きいため、温度はさほど上昇せず、安定して水素発生を行うことができる。 勿論水中では酸素の供給も無いため水素は燃えない。 本発明は上述した問題点に鑑みて創案されたものである。 すなわち、本発明の目的は、自然的・地理的条件あるいは気象条件や場所に制約されない手法として、1つの限られた区域内で、所望の発電電力と原料を得ることにより、海水や塩湖水または岩塩を原料として、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を生産し、これらと陸積みしたセルロース材や穀物を醗酵させて燃料用エタノーまたは深層水ビールを製造し、アルコール醗酵で発生する二酸化炭素を原料として野菜を作る。 この野菜工場で熱帯や亜熱帯植物を生産するために温泉水を利用する。 このため、温泉水1次熱水が流れる温水路または温水容器の周囲に2次熱水としての水が循環する金属性パイプを廻らせ、その2次熱水を野菜工場における土壌や栽培温度を上昇するための暖房用に利用して、熱帯あるいは亜熱帯植物を栽培する。 この野菜工場における光合成で発生する酸素を海水の酸素濃度補充に供して、魚貝類を生育させることによる洋上複合工場として、生産・貯蔵・輸送時におけるエネルギーロスを低減し、かつ、システム全体の効率を向上させることができるオンサイト統合生産工場を提供することにある。 とくにエネルギー源としての金属ナトリウムの供給に関しては、洋上にある莫大な海水の他にも、大陸には岩塩や塩湖が存在する。 岩塩は食塩の世界生産量の3/4を占めている。 これら陸上の塩と陸上の風力発電、太陽光発電、太陽熱発電、太陽熱等の自然エネルギーを用いて、溶融塩電気分解により金属ナトリウムを直接製造したり、食塩の水溶液を電気分解して生産した水酸化ナトリウムをさらに溶融塩電気分解して金属ナトリウムを間接的に製造する。 世界には、バルト海のように洋上風力に恵まれながら海水の塩分濃度が1%以下と低い地域もあるし、淡水湖もある。 これらの地域に岩塩を運び、そこで金属ナトリウムを製造する。 大陸では南米や北米あるいはヨーロッパ等岩塩地帯や塩湖があり、その大地上が風力発電地域である場合も多い。 2003年度の岩塩生産国は、アメリカ合衆国1630万トン、ドイツ1500万トン、イタリア300万トン、スペイン200万トン、イギリス150万トン、ブラジル130万トン、パキスタン130万トンである。 さらに、ロシア、中国、モンゴル、イラン、モロッコ、アルジェリア、リビア、イエメン、アルゼンチン、コロンビア、エクアドル、ペルー、チリ等の国々にも広く分布している。 塩湖ではアメリカのミシガン湖やソルトレーク、イスラエルの死海、オーストラリアのレフロイ湖等が有名で、これらの地域の湖や岩塩掘削現場等で金属ナトリウムを製造でき、これを消費地に陸送する。 このような原材料と電力源を共有する地域での製造システムは、生産・貯蔵・輸送時におけるエネルギーロスを低減し、かつ、システム全体の効率を向上させることができるエネルギー生産工場を提供することができる。 上記目的を達成するため、本発明によれば、風や潮流による流体エネルギー発電あるいは太陽熱と海水とによる温度差熱電子発電または太陽電池による光発電等の自然エネルギーを利用した発電手段を備え、海水、塩湖水もしくは岩塩を原料として、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を生産する電解工場と、前記電解工場で生産した真水、硫酸および苛性ソーダによりセルロース材または穀物を醗酵させて燃料用バイオエタノールまたは深層水ビールや日本酒等のアルコール飲料を蓚酸または蓚酸ソーダとともに製造するエタノール工場と、前記エタノール工場で生産した蓚酸あるいは蓚酸ソーダを前記電解工場において海水中の脱カルシウム剤として用い、かつ前記� ��タノール工場の醗酵工程で発生した二酸化炭素と前記電解工場で製造した真水と太陽光や人工光とによる光合成により野菜を生産する野菜工場と、前記光合成で発生する酸素を海中に導入して海水の酸素濃度補充と赤潮発生の抑制に供し、かつ前記電解工場で揚水した深層水に酸素を補充した海水を表層水に放流して魚介類の養殖場あるいは漁礁として魚介類を生育させる養殖工場とを1つの限られた区域内に備えるオンサイト統合生産工場が提供される。 本発明のオンサイト統合生産工場は、海洋に浮かぶ複胴あるいは単胴あるいはメガフロートからなる浮体船または浮遊船あるいは沿岸構造物または陸地の構造物内に設けることができる。 本発明のオンサイト統合生産工場は、大型双胴船や複胴船または単胴船あるいは潜水艦やメガフロートあるいは沿岸構造物または海岸に隣接した陸地の構造物内に設置された電気分解工場、エタノール工場、野菜工場および養殖工場の統合工場である。 例えば、洋上で大量の電力を流体エネルギーから得るために、甲板上下に無指向性垂直軸風水車やプロペラ形水平軸風水車を複数台備え、生産しながら洋上を航行したり、資源摂取現場で浮遊したり、係留したりすることができる。 とくに黒潮等の海流の流れを利用した海流発電を行う際には船を係留する。 また海流発電を行う為には単胴船よりも複胴船が望ましく、2つ以上の船体を結合した甲板上部に無指向性垂直軸風車を複数基備え、甲板下部の表層海面下には海流発電用垂直軸水車やプロペラ形水平水車を複数其備して水車発電を行う。 さらに太陽光を利用する発電として、凸面鏡や対物鏡の役割を持つ短冊状平面鏡で集光した高密度太陽光を600から700ナノメートルを透過しそれ以上の波長の赤外線を反射するバンドパスフィルターやコールドフィルター膜を施した鏡や、その背面を海水で冷却して発電効率を上げた太陽電池を置き、バンドパスフィルター膜で反射した赤外線は熱電子発電素子に集光して海水との温度差発電に供する。 ここで太陽光を集光する対物鏡に600ナノメートル以下の可視光線は透過してそれ以上の波長は反射するコールドフィルター膜を施せば、対物鏡を透過した可視光線は野菜工場の光合成に使われる。 甲板上に張り巡らせた太陽熱温水器パイプの中を循環する温水、あるいはレンズやミラー等の集光手段で集光した太陽光の焦線に設置した集熱パイプの中を循環する熱媒としての軽油や灯油等の石油製品、ジフェニルエーテルやジクロルベンゼンあるいはアルキルベンゼン等の芳香族化合物、硝酸ナトリウムや硝酸カリウム等の溶解塩、金属ナトリウムや水銀あるいは鉛またはナトリウム、カリウム等の易融金属、シリコーンオイル、硫酸、油等による高温循環液体を溶融塩電解工場における溶融塩の加熱の補助として使用することができる。 さらにこれらの排熱媒と揚水した深層水や海洋表層水による冷水とを2〜3重管構造の内管と外管とに夫々流し、その内外管の間に半導体熱電子発電素子を並べた構造の温度差発電、あるいは集光された太陽光を吸熱層を介して熱電子発電素子の一方の面に照射し熱電子発電素子の他面に海水を流す構造の温度差発電装置等の自然エネルギーがオンサイト統合生産工場用の電力となる。 また海底温泉や海岸温泉あるいは火山性温泉等の高温液体と河川水または海水との温度差を熱電子発電素子で発電することも可能である。 日本には沖縄本島や石垣島等東シナ海と琉球諸島にはさまれた沖縄トラフに点存する300℃以上の熱水を噴出す海底温泉、鹿児島県の指宿温泉、和歌山県の白浜温泉、伊豆半島の下賀茂温泉、土肥温泉等の海岸温泉あるいは98℃以上の兵庫県有馬温泉、秋田県玉川温泉、新潟県松之山温泉、90℃内外の和歌山県湯の峰温泉や群馬県草津温泉万代、鹿児島県霧島温泉等火山性温泉も含めて温度45℃以上の高温泉が数多く点存する。 これらの温泉水と河川水の冷水との温度差発電も熱エネルギー発電として有効である。 さらに温度差発電に供した温泉水は加水することなく源泉100%の掛け流し温泉として利用できる。 特に温泉の場合、海洋水に較べカルシウムイオンが10倍から20倍多いため、高温泉水を流すパイプは析出物を取りやすくするために外管に温泉水は流さず丸型内管に流すものとし、グラファイトやフッ素樹脂等の超撥水性材料を内壁に用いると管壁での結晶付着が抑制される。 その他の方法として、1次熱水として用いる高温温泉水が流れる川や温水路または温水貯水容器の周囲や内部に2次熱水としての水が循環する金属性パイプを廻らせ、その2次熱水を野菜工場における土壌や栽培温度を上昇するための暖房用に供し、熱帯あるいは亜熱帯植物を栽培する野菜工場や室内暖房に供する。 海水を原料として、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を生産する電解工場では、海水を逆浸透膜で真水を作った後、残りの約6%塩分の灌水にエタノール工場で生産した蓚酸あるいは蓚酸ソーダを注ぎ、カルシウムを除去する。 そしてその濾液に電解工場で生産した苛性ソーダを注ぎ、マグネシウム塩のみ沈殿させた後、電解工場で生産した塩酸で中和して塩化マグネシウムにした後、溶融塩電気分解を行いて金属マグネシウムを生産する。 他方濾液には電解工場で生産した塩酸を注ぎ硫酸ナトリウムを塩化ナトリウムにした濾液をイオン交換膜で20%以上の食塩水を作り、電気分解により苛性ソーダと副産物の塩素、水素、酸素を生産する。 一方廃液の硫酸は逆浸透膜で濃縮してエタノール工場のセルロース分解に使う。 ここで灌水に蓚酸または蓚酸ソーダを注ぎ析出した蓚酸カルシウムに塩酸を注ぎ、生成した塩化カルシウムとイオン交換膜で濃縮した塩化ナトリウムをさらに夫々を熱濃縮し、塩化ナトリウム約60%と塩化カルシウム約40%の混合塩を600℃内外で溶融塩電気分解した後、110℃まで冷却してカルシウムとナトリウムを分離する苛性ソーダを経由せず直接金属ナトリウムを製造することもできる。 エタノール工場では電解工場で揚水した海洋深層水と陸積みした澱粉や麦芽等を原料としてアルコール醗酵を行い深層水ビールや酒を生産し、陸積みしたおが屑や廃材等のセルロース材は電解工場で生産した硫酸で分解し、電解工場で生産した真水と共に醗酵させて燃料用バイオエタノールを生産する。 これらアルコール醗酵で発生した二酸化炭素は野菜工場の光合成用原料として供給する。 またセルロース材の一部には電解工場で生産した苛性ソーダを注ぎ生成した、あるいはアルコール醗酵で発生した二酸化炭素とコークスを赤熱して生成した一酸化炭素を苛性ソーダに吸収させて生成した蓚酸ソーダや蓚酸を電解工場において海水中の脱カルシウム剤として用いる。 野菜工場ではエタノール工場で発生した二酸化炭素と電解工場で海洋深層水や表層水から淡水化された真水、およびバンドパスフィルターで除去された太陽光発電に供しない可視光線や人工光である蛍光ランプや発光ダイオード等で光合成を行い、未露光時に発生する酸素は養殖工場において、海水の酸素濃度補充と赤潮発生の抑制用に供し、かつ電解工場で揚水した深層水に酸素ガスを補充し、養殖場あるいは漁礁として魚介類を生育する。 この海水に酸素を溶存させる手段として、生簀、漁礁、海底または海中に酸素吐き出し用パイプを下ろし、そのパイプのガス出口の海水境界面に撥水性多孔質フィルムあるいはスポンジを張り、水深と酸素ガス封入圧力を調整して海水とガスとを隔離した状態で酸素ガスを圧入する。 酸素のガス圧は海水の深さに依存するが、水は10メートル下がる毎に約1気圧上昇するから、海面下10メートルでは2気圧以上(1+1+α)、100メートルでは11気圧以上(1+10+α)、300メートルでは31気圧以上(1+30+α)の加圧が必要である。 ここでαは多孔質フィルムの孔径により決まる圧力である。 他方電解工場で揚水した海洋深層水は温度差発電に供した後、野菜工場の寒冷地農場室の冷却に用いた後、深層水を2系統に分け、一方は電解工場で淡水化した後エタノール工場のビールや日本酒の原料あるいは野菜工場の水耕法の原料とし、他方は寒流魚介類用生簀に、あるいはそのまま海洋の表層水に放流することにより、暖流魚貝類や底棲魚または海老や蟹等の囲いを有する養殖場あるいはその周囲には栄養豊富な深層水に群がってくる回遊魚の自然魚場・漁礁とする。 本発明では金属ナトリウムの製法として2つの方法を採用している。 1つは食塩または岩塩あるいは塩湖による食塩水の電気分解により先ず苛性ソーダを製造後、これを溶融塩電気分解して金属ナトリウムを製造する方法である。 この苛性ソーダを経由して生産する方がトータルコストは安い事と、この工程で副産物としてできる苛性ソーダや塩酸の需要が工場内の他のプロセスで多いためである。 一般的には苛性ソーダはソーダ工業の出発原料であるが、洋上では水風車発電あるいは陸上では風力発電による豊富な電力があるため、本発明では苛性ソーダを経由して金属ナトリウムを生産する。 2つ目は食塩を直接溶融塩電気分解してナトリウムを生産する方法である。 特に本発明では灌水中のカルシウム分を除くためにエタノール工場で生産した蓚酸ソーダを灌水に注ぎ、その沈殿物蓚酸カルシウムに塩酸を注ぎ、蓚酸の回収と塩化カルシウムを遊離させている。 ところが触媒としてこの塩化カルシウムを塩化ナトリウムに40%内外混入した混合塩を溶融塩電気分解すると、電解浴温度が約800℃から約600℃に降下する。 副産物として苛性ソーダと水素は生成しないが、作業性および安全性に富むため本方法も捨てがたい。 これら2つの方法で得られた金属ナトリウムとも陸上の水素供給施設に運び、そこで水とナトリウムを反応させて水素を発生させ、この水素製造後の反応残留物である苛性ソーダはそのままソーダ工業の原材料として供給する。 すなわちソーダ工業の原材料である苛性ソーダを無償で供給できることになる。 わが国の苛性ソーダの年間消費量は445万トンと世界で3番目に位置するほど多いが、これを電力の消費量1兆1千万kWhと比較すると、電力消費量の方が桁外れに多い。 このため、本発明がフル稼働するようになれば、苛性ソーダ供給過剰になることも十分考えられる。 このため需要と供給のバランスを考慮して、ソーダ工業への苛性ソーダ供給を抑制し、反応残留物苛性ソーダを風力発電によって得られた電力を用いて溶融塩電気分解を行い、金属ナトリウムを再製するためのナトリウム燃料サイクルを構築することもできる。 このナトリウム燃料サイクルは、原子力発電所で使用済み核燃料を再処理してウラニウムやプルトニウムを再製する核燃料サイクルと同じように、燃料をエンドレスで作り出して再利用するシステムであるが、本発明が推奨するナトリウム燃料サイクルは核燃料サイクルのような放射性廃棄物は発生しないため安全である。 しかも、ウラニウムのように世界の限られた地域にしか埋蔵せず、その埋蔵量は化石燃料と同様限りがあり、今後十数年で枯渇する恐れがある。 ところが、これら少ない資源とは対照的に、ナトリウムは食塩として海水中に無尽蔵に存在し、大陸では岩塩として豊富に存在する。 このように資源的に豊富で、世界中で供給可能なナトリウム燃料である。 しかも金属ナトリウムは比重0.971と水よりも軽く、石油中に保存できるため生産品の貯蔵・輸送時のエネルギーロスを低減することができる。 この金属ナトリウムを発電所や都市ガス製造所あるいは燃料電池充填施設等で必要に応じて水と反応させて瞬時に大量の水素を発生させることができるため、水を電気分解して得た水素の様に、液体水素の状態で重いボンベに充填して陸送する必要は無い。 このため輸送費が軽減でき、かつ、残留物の苛性ソーダはソーダ工業用原料として供給できる。 ところがこの金属ナトリウムは、水と激しく反応し、その反応熱により水素が発火する。 とくに水や湿気を帯びた空気あるいは、二酸化炭素やハロゲン化炭化水素等と激しく反応する。 とくに、金属ナトリウムに水を投入して水素を発生させる水素発生装置には反応制御と安全には細心の注意が必要である。 したがって水素発生装置の構造は、金属ナトリウムと水との反応や反応熱により生成した水素の燃焼や酸化を阻止する必要がある。 そのために、ナトリウムを油類に入れたまま油層の上部から霧状の水を落下させて反応を穏やかにすることができる。 水の落下を複数個のノズル(蛇口)から点滴にすると水素の発生量は上がり、複数個の高圧水噴出ノズルから油層中の金属ナトリウムに向けて水をパルス状に噴射すると短時間にナトリウムと水との接触面積が増えるため急激な反応が起こる。 しかし油の中に在るナトリウムに水を注いでも、反応に関与しない水が油層の下に溜まる。 そこでその水をナトリウムと反応させるために反応容器全体を超音波振動により攪拌し、油と水の混液を金属ナトリウムに接触させ、水と金属ナトリウムの反応を活発化させる。 さらに水と直接反応を起こさせるためには、油層中に浮かぶ金属ナトリウムを上部から制御棒で押し下げ、油層の下の水と直接反応させることもできる。 さらに激しい反応を起こすには、乾燥したアルゴンや窒素等の不活性ガスや水素ガス等の雰囲気下で金属ナトリウムを保護する油類を反応容器から除外した後、水を直接金属ナトリウムに噴霧、点滴あるいはパルス状に注ぎ、反応容器の上部から水素が、下部からは苛性ソーダが取り出せる。 また容器外周に冷却ジャケットを備え、反応熱による温度上昇が激しい場合には冷却水を流す構造である。 反応容器にはステンレス、ポリエチレン、ポリプロプレン等耐腐食性材料を用いる。 一方、熱水と反応させて水素を発生させることができる金属マグネシウムも金属ナトリウム同様溶融塩電気分解で生産するが、海水からの生産量はナトリウムの11.2%足らずである。 もし、この金属マグネシウムを水素発生源に使えば、その残留物である酸化物の還元にさらに莫大な費用がかかる。 ところが水素生成後の金属ナトリウム残留物はソーダ工業の原料としてそのまま使える。 そのため金属ナトリウムは、水素発生用に特化し、金属マグネシウムは軽金属合金材料として使えば共に経済的波及効果大である。
以下、本発明のいくつかの態様を図1〜21に基づいて詳細に説明する。 図1は、本発明の1つの態様示す概略図である。 図1に示すように、本発明のオンサイト統合生産工場1は、電気分解工場2、エタノール工場2、野菜工場3、養殖工場4を含み、それらの工場2〜4は海洋に浮かぶ浮体船あるいは沿岸構造物または海岸に隣接した陸地の構造物内にある。 風や潮流等の流体エネルギー発電や太陽光の赤外線により暖められた熱水あるいは海底温泉や海岸温泉等の高温泉水と海水や河川水との温度差発電、あるいは太陽光の可視光線による太陽電池発電等で得られた電力が統合生産工場1に供給される。 本発明の統合生産工場1の製造品の主要原料は深層水や表層水等の海水であり、これを電気分解工場2で分解して、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を生産する。 電解工場2では、先ず揚水ポンプで汲み上げた海水を逆浸透膜で真水を作った後、残りの6%塩分の灌水にエタノール工場3で生産した蓚酸あるいは蓚酸ソーダを注ぎ、カルシウムを除去した後、その濾液に電解工場2で生産した苛性ソーダを注ぎ、マグネシウム塩のみを沈殿させた後、電解工場2で生産した塩酸で中和して塩化マグネシウムにし、その後溶融塩電気分解を行い金属マグネシウムを生産する。 他方濾液には電解工場2で生産した塩酸を注ぎ硫酸ナトリウムを塩化ナトリウムにした濾液をイオン交換膜で20%以上の食塩水を作る。 これを電気分解して苛性ソーダと副産物の塩素、水素、酸素を生産する。 一方廃液の硫酸は逆浸透膜で濃縮してエタノール工場3でのセルロース分解に使う。 エタノール工場3では電解工場2で揚水した海洋深層水と陸積みした澱粉や麦芽あるいは米や種麹あるいは玉蜀黍等を原料としてアルコール醗酵を行い深層水ビールや酒を生産するとともに、陸積みしたおが屑や廃材あるいは砂糖黍の搾り粕等のセルロース材は電解工場2で生産した硫酸で分解し、電解工場2で生産した真水と共に醗酵させて燃料用バイオエタノールを生産する。 ここでバイオエタノール製造用として陸積みしたセルロース材の一部は電解工場2で生産した苛性ソーダと反応させて生成した、あるいはアルコール醗酵で発生した二酸化炭素と陸積したコークスを赤熱して生成した一酸化炭素を苛性ソーダに吸収させて生成した蓚酸ソーダや蓚酸を電解工場2において海水あるいは灌水中の脱カルシウム剤として用いる。 この脱カルシウム処理により溶融塩電気分解の原料として供する塩化マグネシウムや塩化ナトリウムの純度を予め高くしておくことができる。 またエタノール工場3のアルコール醗酵で発生した二酸化炭素と電解工場2に於いて海洋深層水や表層水から淡水化された真水、および日照時にバンドパスフィルターやコールドフィルターで除去された太陽光発電に供しない350〜800ナノメートルの可視光線やランプ光や発光ダイオード等で作られた人工光により光合成を行ない人工的に昼夜を切り替え、昼夜の区別無く野菜を生産する。 そして未露光時に発生する酸素は養殖工場5において、海水の酸素濃度補充と赤潮発生の抑制用に供し、かつ電解工場2で揚水した深層水に酸素を溶かし、それを表層水に放流して養殖場あるいは漁礁として魚介類を生育させる。 電解工場2で揚水した海洋深層水は温度差発電に供した後、野菜工場4の寒冷地農場室の冷却に用いた後、深層水を2系統に分け、一方は電解工場2で淡水化した後エタノール工場3のビールや日本酒の原料あるいは野菜工場4での水耕法の原料とし、他方は寒流魚介類用生簀に、あるいはそのまま海洋の表層水に放流し、暖流魚貝類や底棲魚または海老や蟹等の囲いを有する養殖場あるいはその周囲には栄養豊富な深層水に群がってくる回遊魚の自然魚場・漁礁とする。 図2は温度差熱電子発電装置概略図である。 温度差熱電子発電装置6は3重管構造であり、内管7、中管8、外管9から成り、中管8に熱電子発電素子10を配列し、太陽熱温水器で熱せられた温水あるいはレンズやミラー等の集光手段で集光した太陽光の焦線に設置した集熱パイプの中で熱せられた熱油または熱水あるいは電解工場2の熱排水または海底温泉や海岸温泉の高温泉水等の高温液体11は蛇口12から入り蛇口13から出て集熱部に戻る。 同時に電解工場2で揚水した深層水や海洋表層水による冷水14は蛇口15から入り蛇口16から排出される。 ここで用いる熱電子発電素子は平面正方形であるので内管7の外壁を多角管面に成形して熱電子発電素子の片面を密着して貼り、他面は熱伝導性接着剤を介して中管8の内面に接着する。 そしてこの温度差熱電子発電6に供した深層水は野菜工場4の寒冷地農場室の冷却に用いた後、深層水を2系統に分け、一方は電解工場2で淡水化した後エタノール工場3のビールや日本酒の原料とし、他方は養殖工場5に於いて寒流魚介類用生簀に、あるいはそのまま海洋の表層水に放流し、暖流魚貝類や底棲魚または海老や蟹等の囲いを有する養殖場あるいはその周囲には栄養豊富な深層水に群がってくる回遊魚の自然魚場・漁礁とする。 図3は太陽熱温水器による温度差熱発電装置の概略図である。 甲板上に張り巡らせた太陽熱温水器の集熱パイプ17は太陽光18に照らされ、温水11となって集熱パイプ17中を巡回し、温度差熱電子発電装置6の高温液体入り口12から入り、高温液体出口13から出た後、循環ポンプ19を通って太陽熱温水器の集熱パイプに戻る。 他方海洋深層水あるいは海洋表層水の冷水14は冷水入り口15から入り、冷水出口16から排水される。 この高温液体12と冷水14との温度差により熱電子発電が行われる。 図4は円筒型球面鏡による温度差熱発電システムの概略図である。 植物工場に於ける光合成の光源としての光入射天窓として円筒型球面鏡20を取り付け、この球面鏡20には可視光線21を透過し800ナノメートル以上の波長22を反射するコールドフィルター膜23が施されている。 この膜は外気側でも室内側でもよいが、ここでは外気側のガラス面の水洗いが容易にできるように室内側にコーティングする。 円筒型球面鏡20は本願発明者が特開昭53−5647号公報で開示した方法で製作する。 入射する太陽光18の800ナノメートル以下の可視光線は天窓20を通過して植物の光合成に使われ、コールドフィルター膜23を反射した熱線22は太陽光の焦線に設置した集熱パイプ24に集光され、太陽光により熱変換された熱水や熱油等の高温液体11は集熱パイプ24中を巡回し、温度差熱電子発電装置6の高温液体入り口12から入り、高温液体出口13から出た後、循環ポンプ19を通って集熱パイプ24に戻る。 他方海洋深層水あるいは海洋表層水の冷水14は冷水入り口15から入り、冷水出口16から排水される。 この高温液体12と冷水14との温度差により熱電子発電が行われる。 太陽光の追尾は天窓20(円筒型鏡面鏡)の4隅をコンピュータ制御された稼動装置25で煽り角を与える。 これにより反射光である熱線22は常に集熱パイプ24に線集光されるが、植物工場の光合成に使われる光は、メニスカス構造レンズであるために光量および照射場所を変化させることは殆ど無い。 図5は短冊形平面鏡による温度差熱発電および太陽電池発電システム概略図である。 植物工場に於ける光合成の光源としての光入射天窓として平面ガラス板26を置き、そのうえに、600ナノメートル以上の熱線を反射し600ナノメートル未満の光を透過するコールドフィルター膜を施した短冊状ミラー27を平行に並べ、各短冊毎にコンピュータで制御された煽り角稼動装置で煽り角を与え、入射した太陽光18は夫々の短冊形平面鏡27で反射して焦線面に集光され高密度光をつくる。 ここに太陽電池アレイ28を並べる。 この太陽電池アレイ28の前面には800ナノメートル以上の光を反射するコールドフィルター付き短冊状2軸凹面鏡29を密着し、背面にはラジエータ30(冷却水)を付ける。 この太陽電池発電は統合生産工場の電力の一部に供される。 このコールドフィルター付き短冊状2軸凹面鏡29を反射した赤外線31は平行光線となって平面ガラス板26の中央部に置かれた集熱パイプ24に集光され、太陽光により熱変換された熱水や熱油等の高温液体11は集熱パイプ24中を巡回し、温度差熱電子発電装置6の高温液体入り口12から入り、高温液体出口13から出た後、循環ポンプ19を通って集熱パイプ24に戻る。 他方海洋深層水あるいは海洋表層水の冷水14は冷水入り口15から入り、冷水出口16から排水される。 この高温液体12と冷水14との温度差により熱電子発電が行われる。 本実施例のように太陽電池から電力を得る方法では600〜750ナノメートルの光を太陽電池に照射する必要があるため、野菜栽培においては600〜800ナノメートルの光は必要に応じて人工光で補う。 図6は短冊型平面鏡による高熱電子発電および太陽電池発電システム概略図である。 植物工場に於ける光合成の光源としての光入射天窓として平面ガラス板26を置き、その上に600ナノメートル以上の熱線を反射し600ナノメートル未満の光を透過するコールドフィルター膜を施した短冊状ミラー27を平行に並べ、各短冊ミラー毎にコンピュータで制御された煽り角稼動装置で煽り角を与え、入射した太陽光18は夫々の短冊形平面鏡27で反射して焦線面に集光され高密度光になる。 ここに太陽電池アレイ28を並べる。 この太陽電池アレイ28の前面には800ナノメートル以上の光を反射するコールドフィルター膜32を蒸着し、背面にはラジエータ30(冷却水)が付いている。 この太陽電池発電は統合生産工場の電力の一部に供される。 このコールドフィルター膜32を反射した赤外線31はさらに集光されて平面ガラス板26の中央部に置かれた集熱板33を介して高温熱電子発電素子34に約500℃の熱を伝え、その背面には冷水14が冷水入り口15から入り、冷水出口16から排水される。 この集熱板33と冷水14との温度差により熱電子発電が行われる。 本実施例のように太陽電池から電力を得る方法では600〜750ナノメートルの光を太陽電池に照射する必要があるため、野菜栽培においては600〜800ナノメートルの光は必要に応じて人工光で補う。 図7は電解工場における生産工程図である。 深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、高圧をかけた海水を逆浸透膜36を通し、真水37を生産する。 ここで逆浸透膜36を通過しなかったNaCl、MgCl 2 、MgSO 4 、NaBr、CaSO 4 、KCl、MgBr 2等が溶存する塩分約6%の灌水38の中のCa分を分離する目的で、エタノール工場3で生産した蓚酸ソーダあるいは蓚酸39を灌水に注ぎ、蓚酸カルシウム(CaC 2 O 4 )40を沈殿除去する。 この蓚酸カルシウムに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ蓚酸39を回収し、濃縮されたCaCl 2は溶融塩電気分解42により金属カルシウム43と塩素44を生産する。 一方Ca分が除去された濾液45からマグネシウムを遊離させるために電解工場2で生産した苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48を生産する。 一方脱Mgされた濾液49の中から硫酸を取り出すために電解工場2で生産した塩酸41で中和した濾液はイオン交換樹脂電気透析50により透過分離される。 他方塩分約20%の食塩水51はさらに30%まで熱濃縮されたのち水溶液電気分解52を行い、苛性ソーダ46を生産する。 この苛性ソーダ46の大部分はさらに溶融塩電気分解42を行い、金属ナトリウム54を生産し石油の中に貯蔵する。 この溶融塩電気分解42の副産物として酸素ガス55が生産される。 また水溶液電気分解52では他に塩素44、水素54、酸素55が生産される。 この塩素ガス44と水素ガス54を反応させて塩酸41を生産する。 他方、イオン交換樹脂による電気透析50により除外された希硫酸57は逆浸透膜36で濃縮し、濃硫酸58と真水37に分離する。 ここで生産される酸素ガス55の大部分は養殖工場5から海水中にバブリングする。 ここでは逆浸透膜36を通過しなかった灌水38に蓚酸あるいは蓚酸ソーダ39を注いだが、最初に海水35に注ぎ脱カルシウム処理を施せば、逆浸透膜36から得られる真水の量は多くなり、かつ塩分6%以上の灌水を得ることもできる。 図8はエタノール工場における生産工程図である。 エタノール工場3の主目的は野菜工場4における光合成に必要不可欠な二酸化炭素を大量に確保するためであり、その二酸化炭素の発生源をアルコール醗酵で賄おうとしたことにある。 特に飲料用ビールや酒には電解工場2で揚水した海洋深層水を逆浸透膜で淡水化した淡水深層水60を用い、陸積みした麦芽、米、種麹、とうもろこし、澱粉等の醸造用穀物59が含まれる酵母から分泌されるアミラーゼおよびマルターゼにより澱粉をブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖等に変化させ、アルコール分解酵素チマーゼによってアルコール醗酵61を起こさせ、ビール工場62で深層水ビール63を、酒工場64で深層水酒65を醸造する。 このアルコール醗酵61で発生した二酸化炭素66は野菜工場4の光合成に供される。 他方燃料用バイオエタノール67には電解工場2で揚水した海洋表層水を逆浸透膜で淡水化した淡水表層水68を用い、陸積みした木材、おが屑、枝、砂糖キビの搾りかす69等の木質バイオマスに電解工場2で生産した濃硫酸58でセルロース材70を可溶化し、さらに希硫酸58で糖に分解し、酵母から分泌されるアルコール分解酵素によってアルコール醗酵61を起こさせ、蒸留脱水工程を経てバイオエタノール67を生産する。 ここで硫酸58は回収され再利用される。 アルコール醗酵61で発生した二酸化炭素66は野菜工場4の光合成に供される。 一方エタノール工場3では電解工場2において海水中のカルシウムを除去するための薬品として蓚酸ソーダや蓚酸39を製造する。 電解工場2で揚水した海洋表層水を逆浸透膜で淡水化した淡水表層水68を用い、陸積みした木材、おが屑69等に電解工場2で生産した苛性ソーダ46を加えて生成した、あるいはアルコール醗酵で発生した二酸化炭素とコークスを赤熱して発生させた一酸化炭素を苛性ソーダに吸収させて生成した、蓚酸ソーダ39を電解工場2の脱カルシウム工程で使用する。 図9は野菜工場4における生産工程図である。 野菜工場4の主目的は新鮮な野菜を大量に消費地に提供することではあるが、溶存酸素に乏しい表層水に酸素を補給し、赤潮の発生を抑制し、海洋のデッドゾーンを解消することも重要である。 このため野菜工場4における光合成で発生する酸素ガスを養殖工場5から海水に戻す。 野菜生産の必要要素は光合成で必要な温度、水、光、二酸化炭素、肥料である。 水は深層淡水60あるいは表層淡水68を使う。 野菜工場4のうち工場71では水耕法72を採用するため水の確保が重要である。 沿岸工場73や海岸に隣接した陸地工場74では土壌栽培75もできる。 ただ海水の酸素濃度欠乏の原因の一つである肥料分の海水流失を抑制するための肥料の回収76も大切である。 野菜工場は栽培環境をコンピュータ制御するため、寒冷地野菜や高冷地野菜を生産する場所では海洋深層水をパイプ配管し、場合によっては電気冷房も併用して野菜室の温度を15℃以下に抑え、熱帯野菜では温度差発電の高温液体をパイプ配管して25℃内外の生育環境を設定する。 収穫野菜の貯蔵には電気冷房や冷蔵庫が必要である。 風力や潮流等の流体エネルギー発電を利用した野菜工場4では昼夜の区別無く、しかも風雨時でも野菜生産できる。 これは太陽光線を利用しないで、蛍光灯や発光ダイオード等の人工光77を利用する完全制御野菜工場である。 野菜は400〜700ナノメートルの光で光合成77が進行するが、種子発芽、花分化、開花、子葉の展開、葉緑素合成、節間伸長等波430ナノメートルと630ナノメートルをピークとする光による強光反応と650なのメートルと700〜750ナノメートルをピークとする弱光反応があり、生育状態に応じて照射波長を選択照射せねばならない。 これら光照射77と二酸化炭素66の供給量と光照射を中止した時発生する酸素55を絶えず生産するように人工光77の点灯点滅と野菜生産部屋の複数化が重要である。 このように野菜栽培の環境をコンピュータ制御することによって、天候・気候に左右されず、人手を必要としない野菜79の生産が可能となる。 図10は養殖工場における生産工程図である。 養殖工場5の主目的は電解工場で揚水した海洋深層水90に野菜工場で生産した酸素55をバブリングにより添加して表層水91の海面に放流92することにより溶存酸素に富み、かつ栄養豊かな漁場や溶存酸素に富む生簀や漁礁をつくることができる。 また海中から酸素をバブリングすることにより表層水の溶存酸素を増やすことにより、赤潮の発生を抑制し、沿岸や湾等に広がりつつある沿岸水域デッドゾーンを解消することができる。 この海水に酸素を溶存させる手段として、生簀、漁礁、海底または海中に酸素吐き出しパイプを下ろし、そのパイプのガス出口の海水境界面に孔径3ミクロンの多孔質フッ素樹脂フィルムを張り、1気圧の酸素ガスをパイプに封入した場合、水深5メートルまでは酸素ガスを吐き出すが、それ以上深度が深くなると海水がパイプ内に逆流する。 このため逆流しない圧力以上の酸素封入圧が必要である。 αが多孔質フィルムの孔径による値であるから、孔径3ミクロンでの実測値からα=0.5気圧とすると、海面下10メートルでは2.5気圧以上(1+1+α)、100メートルでは11.5気圧以上(1+10+α)、300メートルでは31.5気圧以上(1+30+α)の加圧が必要である。 この酸素封入圧とパイプの海水深さを考慮して、沖合の洋上工場71に於いて電解工場2で揚水した海洋深層水90に野菜工場4で生産した酸素55を添加して海中に放流92すると、10℃以上の海水にはまぐろ、鰹、さば、鰯等の暖流魚や10℃未満の海水には鰊、鱈、鱒、鮭、ぶり等の寒流魚やまぐろ、鰹、鰊、秋刀魚等の回遊魚の天然漁礁94と成る。 洋上工場71の船底に貯水93した生簀では魚の養殖95やあわびや伊勢海老等貝類や甲殻類等の養殖96を行う。 比較的海底が浅い沿岸工場73では海洋深層水90に野菜工場4で生産した酸素55を添加して海底に放流92するとひらめ、鯛、たら、かれい等の底棲魚の漁礁97となる。 沿岸工場73の周囲の海洋上にフェンスを張った天然生簀98ではぶりやまぐろの養殖を、あるいは船底生簀99では車えびや蛎等の貝類や甲殻類の養殖99を行う。 陸地工場93では生簀でうなぎや鮎等を内水面養殖100する。 図11は電解工場(II)における生産工程図である。 図7の電解工場(I)では最初に蓚酸39を用い脱カルシウム40を行ったが、この電解工場(II)では最初にマグネシウムの分離を行っている。 すなわち深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、高圧をかけた海水を逆浸透膜36を通し、真水37を生産する。 ここで逆浸透膜36を通過しなかったNaCl、MgCl 2 、MgSO 4 、NaBr、CaSO 4 、KCl、MgBr 2等が溶存する塩分約6%の灌水38の中からマグネシウムを分離するために電解工場2で生産した苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48と塩素ガス44を生産する。 一方脱マグネシウムされた濾液49の中から硫酸を取り出すために電解工場2で生産した塩酸41で中和した濾液をイオン交換樹脂電気透析50により透過分離された塩分約20%の食塩水51をさらに30%まで熱濃縮したのち水溶液電気分解52を行い、苛性ソーダ46を生産する。 この苛性ソーダ46の大部分はさらに溶融塩電気分解42を行い、金属ナトリウム54を生産し石油の中に貯蔵する。 この溶融塩電気分解42の副産物として酸素ガス55が生産される。 また水溶液電気分解52では他に塩素44、水素54、酸素55が生産される。 この塩素ガス44と水素ガス54を反応させて塩酸41を生産する。 他方、イオン交換樹脂電気透析50により除外された硫酸と硫酸カルシウム混合液101にCa分を分離する目的でエタノール工場3で生産した蓚酸ソーダあるいは蓚酸39を注ぎ、蓚酸カルシウム(CaC 2 O 4 )40を沈殿除去する。 この蓚酸カルシウムに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ蓚酸39を回収し、濃縮されたCaCl 2は溶融塩電気分解42により金属カルシウム43と塩素44を生産する。 一方Ca分が除去された濾液45希硫酸57は逆浸透膜36で濃縮し、濃硫酸58と真水37に分離する。 ここで生産される酸素ガス55の大部分は養殖工場5から海水中にバブリングする。 図12は電解工場(III)における生産工程図である。 図7の電解工場(I)では最初に蓚酸39を用い脱カルシウム40を行ったが、この電解工場(III)では逆浸透膜法で除外された塩分約6%の灌水を従来の製塩法で煎ごう102して溶解度の違いから硫酸カルシウムを遊離させている。 すなわち深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、高圧をかけた海水を逆浸透膜36を通し、真水37を生産する。 ここで逆浸透膜36を通過しなかったNaCl、MgCl 2 、MgSO 4 、NaBr、CaSO 4 、KCl、MgBr 2等が溶存する塩分約6%の灌水38を煎ごう102して最初に析出する硫酸カルシウム103を除去する。 Caイオンが除去された濾液45の中のからマグネシウムを分離させるために電解工場2で生産した苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48と塩素ガス44を生産する。 一方脱MgされたNaClとKClの混合濾液を電解工場2で生産した塩酸41で中和して約30%にした食塩水51を水溶液電気分解52を行い、苛性ソーダ46を生産する。 この苛性ソーダ46の大部分はさらに溶融塩電気分解42を行い、金属ナトリウム54を生産し石油の中に貯蔵する。 この溶融塩電気分解42の副産物として酸素ガス55が生産される。 また水溶液電気分解52では他に塩素44、水素54、酸素55が生産される。 この塩素ガス44と水素ガス54を反応させて塩酸41を生産する。 ここで生産される酸素ガス55の大部分は養殖工場5から海水中にバブリングする。 図13は電解工場(IV)における生産工程図である。 図7の電解工場(I)では最初に蓚酸39を用い脱カルシウム40を行ったが、この電解工場(IV)では逆浸透膜法で除外された塩分約6%の灌水をさらにイオン交換樹脂電気透析法50で塩分約20%の濃縮塩水を作った後、従来の製塩法で煎ごう102して食塩とマグネシウムを遊離させている。 すなわち深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、高圧をかけた海水を逆浸透膜36を通し、真水37を生産する。 ここで逆浸透膜36を通過しなかったNaCl、MgCl 2 、MgSO 4 、NaBr、CaSO 4 、KCl、MgBr 2等が溶存する塩分約6%の灌水38をイオン交換樹脂電気透析法50で硫酸イオンを分離して硫酸マグネシウムと硫酸カルシウム104を除去する。 一方イオン交換樹脂電気透析膜50から抽出された2%内外の塩水は逆浸透膜36を透過させて真水37を生産する。 他方約20%の潅水は煎ごう102して約30%にした食塩水51を水溶液電気分解52して苛性ソーダ46を生産する。 この苛性ソーダ46の大部分はさらに溶融塩電気分解42を行い、金属ナトリウム54を生産し石油の中に貯蔵する。 この溶融塩電気分解42の副産物として酸素ガス55が生産される。 また水溶液電気分解52では他に塩素44、水素54、酸素55が生産される。 この塩素ガス44と水素ガス54を反応させて塩酸41を生産する。 一方濾液45(苦汁)の中のからマグネシウムを遊離させるために電解工場2で生産した苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48と塩素ガス44を生産する。 ここで生産される酸素ガス55の大部分は養殖工場5から海水中にバブリングする。 図14は電解工場(V)における生産工程図である。 図7の電解工場(I)では最初に蓚酸39を用い脱カルシウム40を行ったが、この電解工場(V)では最初海水35をイオン交換樹脂電気透析法50で塩分20%の濃縮塩水を作った後、従来の製塩法で煎ごう102を行い、食塩とマグネシウムを遊離させている。 すなわち深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、これをイオン交換樹脂電気透析法50で硫酸イオンを分離し、硫酸マグネシウムと硫酸カルシウム104を除去する。 一方イオン交換樹脂電気透析膜50から抽出された2%内外の塩水は逆浸透膜36を透過させ真水37を生産する。 他方約20%の潅水は煎ごう102して約30%にした食塩水51を水溶液電気分解52し苛性ソーダ46を生産する。 この苛性ソーダ46の大部分はさらに溶融塩電気分解42を行い、金属ナトリウム54を生産し石油の中に貯蔵する。 この溶融塩電気分解42の副産物として酸素ガス55が生産される。 また水溶液電気分解52では他に塩素44、水素54、酸素55が生産される。 この塩素ガス44と水素ガス54を反応させて塩酸41を生産する。 一方濾液45(苦汁)の中のからマグネシウムを遊離させるために電解工場2で生産した苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48と塩素ガス44を生産する。 ここで生産される酸素ガス55の大部分は養殖工場5から海水中にバブリングする。 図15は電解工場(VI)における生産工程図である。 図7の電解工場(I)では最初に蓚酸ソーダあるいは蓚酸39を用い脱カルシウムを行い、蓚酸40カルシウムを沈殿させ、これに塩酸41を加え、塩化カルシウム105を溶融塩電気分解42を行い、金属カルシウムを生産している。 この電解工場(VI)では塩化カルシウム105を金属ナトリウムを製造するための電解浴温度降下剤として用いる。 深層水や表層水等の塩分約3%の海水35を揚水ポンプで汲み上げ、高圧をかけた海水を逆浸透膜36を通し、真水37を生産する。 ここで逆浸透膜36を通過しなかったNaCl、MgCl 2 、MgSO 4 、NaBr、CaSO 4 、KCl、MgBr 2等が溶存する塩分約6%の灌水38の中のCa分を分離する目的で、エタノール工場3で生産した蓚酸ソーダあるいは蓚酸39を灌水に注ぎ、蓚酸カルシウム(CaC 2 O 4 )40を沈殿除去する。 この蓚酸カルシウムに電解工場2で生産した塩酸41を注ぎ蓚酸39を回収し、濃縮された塩化カルシウム105とイオン交換膜50で濃縮した塩化ナトリウム51をさらに夫々を熱濃縮し、塩化ナトリウム約60%と塩化カルシウム約40%の混合塩を600℃内外で溶融塩電気分解42した後、カルシウムの融点が839℃に比べてナトリウムの融点が97.81℃と極端に低いことを利用して、生成されたカルシウム含有ナトリウムを110℃まで冷却処理106して金属カルシウム43と金属ナトリウム54を分離すし、金属ナトリウム54は石油の中に貯蔵する。 他方Ca分が除去された濾液45からマグネシウムを遊離させるために苛性ソーダ46を注ぎ、水酸化マグネシウム47を沈殿分離する。 これに塩酸41を注ぎ塩化マグネシウムにしたのち溶融塩電気分解42を行い金属マグネシウム48を生産する。 一方イオン交換膜50を通過しなかった硫酸57は逆浸透圧膜で濃縮されさらに蒸留して濃硫酸58を生産する。 本発明の1つの態様において、図1の統合生産工場1は洋上工場であり、浮体船に構築される。 浮体船をたとえば日本の三宅島近くの黒潮海域等の潮流の速い海域に係留する場合、浮体船上に風車用羽根車を取り付け、浮体船下に水車用羽根車を取り付け、これにより発電機を駆動する発電設備を設置する。 また、浮体船を係留機構により所定位置に固定する場合、風水車を垂直回転軸を有する垂直回転軸形風水車とし、この垂直回転軸形風水車を浮体船上に複数基設け、各対の風水車における一方の風水車と他方の風水車の回転方向を互いに反対方向に選定し、各風水車の回転軸により発電機を駆動する。 この場合、互いに逆方向に回転する回転力が浮体船に作用する反力を打ち消すので浮体船を係留する係留機構の機械的強度を増強する必要は無くなる。 このため浅瀬の海域だけでなく比較的水深の海域にも設置できるため、経済効果大である。 このような浮体船工場を母船とし海洋深層水を中心とした洋上統合生産工場を作ることができる。 本発明の別の態様において、図1の統合生産工場は、原油タンカーを利用した洋上工場である。 洋上の風力を垂直回転軸形風車により電力に変換し、この電力を使い、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を製造しながら航行を続ける航海・公海工場とする。 この工場で生産した水素は船舶の燃料に使用する。 洋上工場は電解工場のみからなり、エタノール工場、野菜工場および養殖工場は存在しない。 例えば、日本を出航して東シナ海で停泊し、真水を作り、同時に作られるNa、Mg、Cl 2も含めて中国の港で荷降ろした後、南シナ海やインド洋上で再度真水やNa、Mg、Cl 2を生産し、これらを中東諸国の港で荷降ろしする。 中東では真水タンクに原油を入れて日本に持ち帰る。 帰国便では真水の貯蔵は控え、生産した真水は電気分解により水素を作り自船の燃料に供し、あるいは水素と塩素から塩酸を作る。 水素とCl 2をスリランカやシンガポールやマニラや台湾で降ろす。 そして日本の港では航海しながら生産した水素、Cl 2 、Na、Mgと石油を日本で降ろす。 この工場は、貿易船型航海・公海工場である。 本発明のさらに別の態様において、図1の統合生産工場は沿岸工場であり、洋上の風力は、水平回転軸風車と垂直回転軸風車を用いて電力に変換される。 水平回転軸風車にあっては、互いに逆回転している前後一組のプロペラの回転を発電機の回転素子と固定子に直結し、垂直回転軸風車にあっては互いに逆回転している上下一組の羽根車の回転を発電機の回転素子と固定子に直結し、それらの相対回転により2倍の流速と等価な電気エネルギーを抽出することができる。 この沿岸統合生産工場は、これら風車により得られた電力を使い電解工場2、エタノール工場3、野菜工場4、養殖工場5を有している統合生産工場1である。 設置場所を例えばスウェーデンにすると、北欧は、特に冬は極端に日照時間が短く、野菜は育たないし、無論のこと太陽発電もできない。 特にスウェーデンは脱石油政策を進め、かつ脱原発政策も維持している。 そして森林利用を促進し、耕作地や未利用地でのエネルギー作物の栽培し、バイオマスによる燃料や発電を進めている。 スウェーデンで豊富なエネルギー資源は水と森林であるが太陽光は期待できない。 しかしバルト海とくにゴットランド島周辺は風力が豊かである。 海岸は遠浅であるため統合生産工場1は浮体構造物よりも海底に根を下ろした構造物が相応しい。 しかしバルト海の塩分濃度は1%と低いため金属ナトリウムの製造には輸入岩塩を用いてもよい。 そこで電解工場で揚水した表層海水から真水、ナトリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を製造し、同時に生産される真水は電気分解して水素を作りパイプラインで沿岸発電所に送る。 一方陸地で生産した木材、枝、草等のセルロース材は硫酸処理後醗酵させバイオエタノールを醸造し、このアルコール醗酵で発生した二酸化炭素を光合成に用い、風力発電で得られた電力を発光ダイオードや蛍光灯を光源として野菜を栽培し、この光合成で発生した酸素は生簀や漁礁に供給して魚を養殖し、かつ酸素濃度の低下した海水に戻すことにより鬼ヒトデの発生や赤潮発生の抑制に用いることができる。 本発明のさらに別の態様において、図1の統合生産工場は陸地工場である。 ここでも風力は、直前に述べた態様と同様、水平回転軸風車と垂直回転軸風車を用いて電力に変換される。 また太陽光発電や太陽熱発電も利用できる。 凸面鏡や対物鏡の役割を持つ短冊状平面鏡で集光した高密度太陽光を600から700ナノメートルを透過しそれ以上の波長の赤外線を反射するバンドパスフィルターやコールドフィルター膜を施した鏡や、その背面を海水で冷却して発電効率を上げた太陽電池を置き、バンドパスフィルター膜で反射した赤外線は熱電子発電素子に集光して海水との温度差発電に供する。 ここで太陽光を集光する対物鏡に600ナノメートル以下の可視光線は透過してそれ以上の波長は反射するコールドフィルター膜を蒸着すれば対物鏡を透過した可視光線は野菜工場の光合成に使われる。 工場の屋根に張り巡らせた太陽熱温水器パイプの中を循環する温水、あるいはレンズやミラー等の集光手段で集光した太陽光の焦線に設置した集熱パイプの中を循環する熱油または熱水あるいは電解工場の熱排水または冷却油等の高温液体と揚水した深層水や海洋表層水による冷水とを3重管構造の内管と外管とに夫々流し、その内外管の間に半導体熱電子発電素子を並べた構造の温度差発電、あるいは集光された太陽光を吸熱層を介して熱電子発電素子の一方の面に照射し熱電子発電素子の他面に海水を流す構造の温度差発電装置等による太陽発電や風車により得られた電力を使い電解工場2、エタノール工場3、野菜工場4、養殖工場5を有している統合生産工場1を稼動する。 とくに海岸に近い陸地に向上を設備するため、野菜工場4は土壌栽培75ができる。 そこで設置場所を例えば壱岐とする。 そこで電解工場で揚水した表層海水から真水、苛性ソーダ、食塩、水素、塩素、塩酸、硫酸、塩化水素、マグネシウム、ナトリウム等を製造する。 一方陸地で生産した麦芽やおが屑等を醗酵させ深層水ビールやバイオエタノールを醸造し、このアルコール醗酵で発生した二酸化炭素を光合成に用い路地野菜を栽培し、この光合成で発生した酸素は生簀や漁礁に供給して魚を養殖する。 電解工場2で製造した金属ナトリウムあるいは岩塩や塩湖の食塩から製造した金属ナトリウムは石油容器に入れたまま発電所や都市ガス製造所あるいは燃料電池充填施設等に輸送し、必要に応じて水と反応させて瞬時に大量の水素を発生させる。 水を電気分解して得た水素の様に、液体水素の状態で重いボンベに充填して陸送する必要は無い。 このため輸送費が軽減でき、かつ、残留物の苛性ソーダはソーダ工業用原料として供給できる。 とくに発電所等の大量消費場所ではその周辺にソーダ工業を設置できる。 さらに原発の核燃料を金属ナトリウムに換えることにより原料の安定供給と稼動の安全の両面で効果が期待できる。 さらに発電所の燃料廃棄物がソーダ工業の出発原料であることも忘れてはならない。 一方、熱水と反応させて水素を発生させることができるマグネシウムもナトリウム同様溶融塩電気分解で生産するが、海水からの生産量はナトリウムの11.2%足らずである。 もし、この金属マグネシウムを水素発生源に使えば、その残留物である酸化物の還元にさらに莫大な費用がかかる。 ところが水素生成後の金属ナトリウム残留物はソーダ工業の原料としてそのまま使える。 この残留物の苛性ソーダは需要に応じ、再度溶融塩電気分解して金属ナトリウムを生産することにより、エンドレス燃料供給サイクルを構築することが可能である。 そのため金属ナトリウムは、水素発生用に特化し、金属マグネシウムは軽金属合金材料として使えば共に経済的波及効果大である。 図16は金属ナトリウム燃料サイクルシステム図である。 洋上に浮かぶ洋上統合生産工場1からその場で揚水した海水から食塩を抽出した後、甲板上の風力発電107によって得られた電力により食塩を溶融塩電気分解42して金属ナトリウム54を生産する。 あるいは岩塩地帯近傍の風力発電107から得られた電力により岩塩による金属ナトリウム製造施設108において溶融塩電気分解42を行い金属ナトリウム54を生産する。 この金属ナトリウムを水素発電所109に運搬し、水素発生装置110の中の金属ナトリウム54に真水37を注ぎ、発生した水素ガス56を燃焼して発電を行い、廃棄物としてできる苛性ソーダ46をナトリウム再製工場111に送り、その再製工場近傍の陸上風力発電施設112あるいは沿岸風力発電施設113によって得られた電力により苛性ソーダ電気分解工場112において苛性ソーダ46を溶融塩電気分解行い、金属ナトリウムを再生産して水素発電用燃料として使う。 図17は太陽熱を利用した溶融塩電気分解のための溶融塩予備加熱補助システム図である。 円筒型球面鏡による温度差熱電子発電システム(図4)を用い、円筒型球面鏡20で集光した太陽光の焦線に設置した集熱パイプ24の中を循環する熱媒としての軽油あるナトリウム・カリウム等の易融金属による高温液体11を溶融塩電気分解炉42に流し、溶融塩116を予備加熱しながらさらに電熱加熱114した状態で電極115に電流を流し、溶融塩電気分解をおこない金属ナトリウム54を製造する。 さらにこれらの排熱媒と揚水した深層水や海洋表層水による冷水14とを2〜3重管構造の内管と外管とに夫々流し、その内外管の間に半導体熱電子発電素子を並べた構造の温度差熱発電装置6で温度差発電を行なった後、再度熱媒を循環ポンプ19により太陽光集熱装置の集熱パイプ24に送る。 尚、太陽熱が期待できない場合には、遮蔽弁117を閉じて熱媒の循環を停止する。 図18は水素発生装置概略図である。 この水素発生装置は軽油や灯油等の油類中あるいは乾燥した水素、アルゴン、窒素等のガス雰囲気中で水との金属ナトリウムとを安全に反応させるための装置である。 この水素発生装置118はステンレス製の反応容器から成り、反応容器上部には前室119と反応室を遮断するシャッター120を有する金属ナトリウム搬入扉121を有し、油に保護された燃料である金属ナトリウムの供給を連続的に行うための搬入装置122が備えてある。 水素発生装置118の内壁の天井部には水素ガス取り出し口123および水素またはアルゴンあるいは窒素等のガス封入口124、および水を噴霧、点滴、あるいはパルス出射するためのノズル125を備えてある。 容器内壁周囲には超音波振動子126、容器底部には苛性ソーダ水溶液の取り出し弁127と油抜き取り弁128が備えられている。 さらに油層中の金属ナトリウムを下層の水層に押し下げるための制御棒129が装備されている。 この反応容器内で反応に関わるナトリウム、水、苛性ソーダ、水素の密度は、水素(0.09)、軽油(0.8)、金属ナトリウム(0.97)、水(1.0)、苛性ソーダ(2.13)である。 したがって容器内の物質は比重の順位に、最も重く容器の下層に集まるのが苛性ソーダ、その上に水、その上にナトリウム、続いて軽油が浮き、最後に最も軽い気体の水素が並ぶ。 これらの性質を考慮すると比較的軽油の量を多くすると、苛性ソーダ水溶液の上に水の層ができ、その上に軽油層。 そして軽油の中に金属ナトリウムが水とは接触せずに安全に油の中に浮いていることになり、その軽油層の上に生成した水素ガスが溜まる。 このようにわずかな比重の違いを利用すれば化学反応を制御することが容易になる。 反応容器118に金属ナトリウム54と軽油130を入れる。 これに上方のノズル125から水131を注ぐと、軽油130を通過した真水37の一部が金属ナトリウム54に触れて、反応し水素ガス56が生成し、軽油130を通過して上昇し、水素ガス取り出し口123から反応系外に取り出され回収される。 他方の反応性生物苛性ソーダ46は容器の底部に沈み、取り出し弁127から反応系外で回収される。 この水と金属ナトリウムの反応量を制御するために、緩やかな反応の場合はノズル125から出る水を噴霧状にし、水滴として落下させるとさらに反応は激しくなり、水に圧力をかけて噴射したり、パルス状に噴射すると、一層激しく反応する。 しかしいずれの場合も投入された水がすべて反応しないので、水層131と軽油層130を超音波振動子126で攪拌して油と水の混液を金属ナトリウムに接触させ、水と金属ナトリウムの反応を活発化させる。 さらに水と直接反応を起こさせるためには、油層中に浮かぶ金属ナトリウム54を上部から制御棒129で押し下げ、油層130の下の水層37と直接反応させることもできる。 油類の無い状態で反応させれば、最も激しい反応を期待できるが、そのためには、金属ナトリウムを湿気から保護するために乾燥したアルゴンや窒素等の不活性ガスあるいは水素ガス等をガス封入口124から封入すると同時に、反応容器118内部の軽油等の油類130を油抜き取り弁128で排除する。 この状態下で、金属ナトリウム54にノズル125から噴霧、点滴あるいはパルス状に水を注ぎ、反応容器の天井部の水素ガス取り出し口123から水素ガス56を回収し、容器底部の苛性ソーダ水溶液の取り出し弁127からは苛性ソーダ46を回収する。 あるいは反応容器に真水37を満たした状態で、金属ナトリウム54を投入することもできる。 また容器外周には冷却ジャケットを備え、反応熱による温度上昇が激しい場合には冷却水入出口15、16から冷却水を循環させる。 この反応熱を利用して図20に示すように、水蒸気発電に利用することができる。 金属ナトリウム54に供給される水37の量が少ない時、すなわち、油を抜き去った後、金属ナトリウムに容器上部の水噴出ノズル125から水が注入された場合、反応熱により高温が発生し、ここで生成した水素の発火点以上(500℃)に達する。 とくに反応系にガス封入口124から酸素を投入すると水素は燃焼し高温を発生する。 この熱を利用するために、冷却ジャケット118に1次冷却剤としての熱媒11を熱媒出口16と熱媒入り口15で循環させ、その循環系のなかに図示はしていないが、2次冷却水としての水を沸騰させて水蒸気タービンを回し、発電に供することができる。 他方金属ナトリウムに供給される水量の方が多い場合、図21に示すように、油層130中に浮かぶ金属ナトリウム54を上部から制御棒129で押し下げ、油層下の大量の水37と金属ナトリウム54を反応させた時は、水の熱容量が大きいため、温度はさほど上昇せず、安定して水素発生を行うことができる。 勿論水中では酸素の供給も無いため水素は燃えない。 図19はかけ流し用温泉水を利用した野菜工場の暖房システム図である。 高温温泉水としての1次熱水131が流れる温水路または温水容器132の周囲に2次熱水133としての温水が循環する金属性パイプ134を廻らせ、循環ポンプ19により2次熱水133を熱帯あるいは亜熱帯野菜工場における土壌135や植物栽培ハウス136内の栽培温度を上昇するための暖房用に供し、温水容器132からの温度が下がった排湯137はかけ流し温泉水として使用する。 とくに土壌135の温度と栽培ハウス136の温度は、植物の発芽期、生育期あるいは収穫期によって夫々の2次熱水133の温度をコンピュータ制御し、寒冷地や豪雪地あるいは高地等の温泉地においても温泉水を有効利用してアスパラガスや砂糖キビあるいはトウモロコシ等を栽培する。 また温水容器132の周囲には熱電子発電素子10を備え、その背面を川水や雪解け水等の冷水14を流し、温度差発電を行い、栽培ハウス136の光合成用照明に利用する。 とくに土壌には植物生育のために水や肥料が与えられるため、腐食性のある金属パイプ133は避けて、土壌135部分には塩化ビニル等のプラスチック製パイプ138を利用するとよい。 以上説明したように、本発明によれば、海洋の潮流や風力または陸上の風力あるいは太陽光等の自然エネルギーから大電力を効果的に生産し、海水採取現場岩塩や塩湖の食塩採取現場で金属ナトリウムを製造したり、海水採取現場で真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を製造し、同時に陸積みした麦芽やおが屑等を醗酵させ深層水ビールやバイオエタノールを醸造し、このアルコール醗酵で発生した二酸化炭素を光合成に用い野菜を栽培し、この光合成で発生した酸素は生簀や漁礁に供給して魚を養殖し、かつ酸素濃度の低下した海水に戻すことにより赤潮発生の抑制に用いる等、環境問題を優先させ、かつ生産品の貯蔵・輸送時のエネルギーロスを低減することができ� ��ことは勿論のこと、システム全体のエネルギー効率の向上をも図ることができる。 従って、本発明は、資源の海外依存度の高い国の産業を活性化するに足るに止まらず世界のエネルギー経済を活性化する優れた効果が得られる。 本発明によれば、海水採取現場で洋上の風力や潮流等から得られた電力を効果的に使い、真水、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、苛性ソーダ、塩素、塩酸、硫酸、水素、酸素等を製造し、同時に陸積みした麦芽やおが屑等を醗酵させ深層水ビールやバイオエタノールを醸造し、このアルコール醗酵で発生した二酸化炭素を光合成に用いて野菜を栽培し、この光合成で発生した酸素は生簀や漁礁に供給して魚を養殖し、かつ酸素濃度の低下した海水に戻すことにより赤潮発生の抑制に用いる等、各部門で生産品を夫々が融合してその相互作用を効果的に利用する統合生産工場が提供される。 本発明の統合工場は、これら全ての生産を行う洋上工場・貨物船として、あるいは現場に留まって生産を続ける母船としてあるいは沿岸や海岸に隣接した陸地の工場として提供される。 そして、本発明の統合工場は、岩塩や塩湖の食塩とその採取現場に隣接する風力発電、あるいは洋上や陸上の風力発電等の電力により金属ナトリウムを製造し、生産・貯蔵・輸送時におけるエネルギーロスを低減し、かつ、システム全体の効率を向上させることができる。 このオンサイト統合生産工場は、資源の世界的枯渇と資源高を解消するに留まらず、無尽蔵にあるクリーンで再生可能な海洋資源を化石燃料を使わず経済的に製造することができ、大いなる産業上の利用可能性を有する。 |