【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ビール粕をロールミルを用いて機械的に処理することにより、穀皮からの高タンパク質含有物の分離収率および処理速度を大幅に向上することのできる湿式ビール粕穀皮剥離方法およびその方法を実施するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】植物性の高タンパク源としては、大豆および脱脂大豆が最も広く用いられている。 しかし、大豆の生産は世界的にも限られた地域で行われており、天候不順等による供給不足が問題となることがある。 また、 国内の大豆生産量は、国内需要をまかなうにはほど遠く、ほぼ輸入に頼っているのが実情である。 そのため、 安定的かつ低価格で供給できる大豆以外の高タンパク資源の開発が望まれている。 【0003】一方、ビール粕は、ビール醸造工程における麦汁の糖化残さである。 ビール大麦を発芽させた麦芽に、米、コーングリッツ、コーンスターチなどの未発芽の副原料を混合したものを原料として、糖化工程を経て生成した水溶性物をろ過し、麦汁から不溶性残さであるビール粕が分離される。 【0004】糖化工程では原料中のタンパク質のうち、 2/3弱がビール粕に移行するので、ビール粕は、原料の高分子タンパク質が糖化工程を経ることによって濃縮したものと考えることができるが、その一方でこのビール粕の成分のうち、穀皮を主とする繊維は重量比率で約60%をも占めるので、従来、繊維をある程度消化できる牛などの反芻動物の飼料としか利用できず、その用途の狭いことがビール粕の欠点とされてきた。 【0005】このようなビール粕は、乾物基準でビール製造量4に対して1の割合で副生するもので、ビールの製造量に比例して大量に生じる。 従来は、水分を含んだ生のまま、あるいは脱水、乾燥したものを前述のように牛の飼料として再利用するほか、余剰のビール粕は有効に利用されないまま焼却処理をせざるを得ないのが現状であり、この処理コストは相当な額にのぼっている。 【0006】一方、ビール粕を高タンパク源として考えると、タンパク質の含有量は、乾物基準で約25%と低いため、そのままではタンパク資源としての利用価値は低く、高タンパク質含有物を分離することにより、さらにその用途拡大を図ることが望まれている。 【0007】これまで、ビール粕のタンパク質含有量を高めるための技術として、乾式でビール粕を粉砕、篩い分けするもの(例えば、USP 4,377,601 4,547,382)や、また、特開昭51−1297 76号公報に開示されているようにビール粕をアルカリ性水溶液を用いて104℃〜121℃の温度で抽出した後、抽出液から等電点沈殿法により高タンパク質含有物を沈殿分離する方法が知られている。 【0008】前者では、ビール粕の穀皮が微細化してタンパク質含有物画分との分離が困難となるので、得られた産物のタンパク質含有量は乾物基準で30〜40重量%と低い。 一方、後者の化学的処理によるものでは、抽出条件がアルカリ条件であるため、タンパク質の分解が生じ、タンパク質回収率が低下するとともに、タンパク質が分解し、また、飼料などの用途に不可欠な栄養成分が除去されたり、有害物質が形成される可能性が指摘されている。 【0009】そこで、本出願人は、特開平3−1234 79号公報において、機械的操作によって、ビール粕から高タンパク質含有物を分離する技術を提案している。 この分離方法は、湿体状態にあるビール粕を圧ぺん粉砕処理し、得られた圧ぺん粉砕処理物を水の存在下において、ふるい分け処理をし、タンパク質画分とに分離するもので、この方法により、脱脂大豆と同等またはそれ以上のタンパク源としての指標となるタンパク質含有量5 0%(乾物基準)以上の含有物を得ることができる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平3−123479号の分離方法では、タンパク質50% のものを得られる反面、重量収率({高タンパク含有物乾物重量/原料ビール粕乾物重量}×100)が22〜 28%と低く、また、単位時間当りの処理量の面での課題を残している。 実際の試験によれば、ロール直径20 0mmのロールミルを使用した場合、ビール粕処理能力が約1.2kg/m/hr(ロール長さ1m当り1時間当りの乾物換算)であり、実用上問題があった。 重量収率の向上のためには、ロールミルのロール間隔を狭めるとよいことが知られている。 しかし、重量収率の向上の反面、ロール間隙を狭くすることによって、穀皮が粉砕され、タンパク質含有量が低下するという問題がある。 【0011】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、高タンパク質含有画分のタンパク質含有量を下げることなく、重量収率および処理能力を向上させ、ビール粕を低コストで優れた高タンパク資源として再利用をするための湿式ビール粕穀皮剥離方法およびその装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】麦芽を主原料に米、コーングリッツ、コーンスターチなどの副原料を混入したビールの原料からは糖化工程を経て固液分離装置によって、麦汁と水分約70〜80%を含むビール粕が分離される。 分離直後の状態では、ビール粕には、乾物基準で約25%のタンパク質を含有している。 【0013】ここで、図5は、大麦を発芽させた麦芽粒の断面を示す図である。 麦芽の大部分は、主としてデンプン質からなる胚乳と、繊維質からなる穀皮とからなり、胚乳と穀皮の間の中間層はアリューロン層と呼ばれる層である。 胚乳中に含まれるデンプンは、糖化工程を経ることによってほぼ全量が麦汁に移行する。 麦芽中のタンパク質のうち、糖化工程で溶けて麦汁に移行するのは、主として胚乳の細胞中に含まれる水溶性の遊離アミノ酸と低分子ペプチドであり、不水溶性の高分子タンパク質はビール粕に移行する。 【0014】図6は、ビール粕の断面を模式的に表した図である。 このビール粕では、胚乳は溶け出して消失し、穀皮とアリューロン層だけが残っている。 繊維質のほとんどは穀皮に残留し、タンパク質は、タンパク粒としてアリューロン層の内部と表面に局在するようになっている。 いいかえれば、ビール粕においては、タンパク質はアリューロン層に濃縮された状態にある。 従って、 このアリューロン層を穀皮から剥離してアリューロン層だけを回収すれば、タンパク質含有量の高い物質を得ることができる。 【0015】本発明は、発芽後の穀皮とアリューロン層の物理的性質の違いに着目して機械的に剥離分離するもので、このビール粕から高タンパク質含有物を剥離、回収するにあたって、まず、ビール粕をロールミルに供給して、圧ぺんする。 このロールミルは、目切りを有するロール対間で回転速度差を有するロールミルを用いて処理する。 その際、高速側ロールの回転速度は速いほどよく、実用規模でのロールミルでは、最高速である100 0rmp程度が望ましく、また、回転比は2.5〜3. 5対1が好ましい。 又、ロール間隔は、0.02mmから0.06mmの間隔が好ましい。 【0016】また、ロール対の目切りと、回転方向の関係は、エッジ/エッジ型にすることによってより高い重量収率を得ることができる。 【0017】ロール対は1段または2段でも十分な重量収率を得られるが、重量収率を理論的極限値(約37 %)近くまで向上させるためには、ロール対を3段に連設することが望ましい。 その場合の各ロール対の回転比は、第1段を2.5〜3.5対1に設定した場合、第2 段、第3段は順に第1段よりも低い回転比に設定すればよい。 【0018】より具体的には、第1段ロール対は100 0rpm対330rpm(回転比3対1)、第2段ロール対は1000rpm対430rpm(回転比2.3対1)、第3段ロール対は1000rpm対480rpm 回転比(2.1対1)であることが好ましく、これらの各ロール対の回転は、±30rpmの範囲でそれぞれ調整することが可能である。 【0019】圧ぺん剥離処理後のビール粕は、ふるい分け工程に供され、高タンパク質含有画分、粗粒子画分、 穀皮画分に分画される。 【0020】また、本発明による剥離装置は、湿体状態のビール粕を連続的に移送するビール粕供給手段と、前記ビール粕供給手段からビール粕が供給され所定の回転速度比で目切りを有するロールが回転するロール対を備えたロールミル部と、処理されたビール粕を外部に導出するビール粕排出部とを備えることを特徴とする。 【0021】前記の剥離装置では、ビール粕供給部は、 ホッパと、このホッパから投入されたビール粕を移送するコンベアと、前記コンベアから供給されたビール粕を貯溜する供給ハウジングと、前記供給ハウジングの底部に設けられたビール粕を前記ロールミル部に送給するフィードロールとを有している。 【0022】 【作用】目切りを有するロール対間で回転速度に差を与えたロール対にビール粕を供給すると、ビール粕を圧ぺんすると同時に回転速度差によってビール粕には穀皮からアリューロン層を剥離するようなせん断力が作用するようになる。 そして、湿体状態のビール粕に含水量83 〜90%という高水分含有量に調整し、また、従来のこの種のロールミルでは採用されていないロール間隔0. 02〜0.06mmという極狭い間隔にして処理することによって、アリューロン層の剥離が促進され、重量収率および処理能力ともに向上する。 【0023】 【実施例】以下、本発明の一実施例について添付の図面を参照して説明する。 図1は、本発明の実施例による湿式ビール粕穀皮剥離装置の側面図、図2はその一部切欠き断面正面図である。 【0024】このビール粕穀皮剥離装置10は、適当量の水分含有量に調整されたビール粕を移送してロールミルに供給するビール粕供給部12と、直列上下に配列された複数のロール対でビール粕からアリューロン層を剥離分離するロールミル部14と、処理されたビール粕を排出する排出部16とから基本的に構成されている。 【0025】ビール粕供給部12は、ビール粕の移送通路を形成するハウジング11を備え、このハウジング1 1の一端部には、ホッパ17が取り付けられている。 このホッパ17は、ビール粕の供給口18と、水の取入口19を有し、ホッパ17に供給された水および原料ビール粕が一定の水分含有量に調整されるようになっている。 【0026】前記ハウジング11の内部には、ビール粕を撹拌しながら移送する手段が収容されている。 この実施例では、移送手段は、螺旋スクリュー型のコンベア2 3とその下流側のクロスバー型のスクリュー24とから構成されている。 螺旋スクリュー型コンベア23およびクロスバー型スクリュー24は、回転軸20を共有し、 一端で軸受21を介して回転自在に支承されるとともに、他端側でモータ22に連結されている。 【0027】このようなビール粕の移送装置の下側には、供給された湿体状態のビール粕を一時貯溜するとともに、ロールミル部14に供給する供給ハウジング15 が設置されている。 【0028】この供給ハウジング15は、その下半分の側面が下方に向かって間隔を狭めるような傾斜を有し、 投入されたビール粕が中央に集められる構造となっている。 【0029】また、供給ハウジング15の底部には、落下したビール粕を連続的に一定量ロールミル部14に供給するためのフィードロール26が設けられている。 フィードロール26は、一対のロールから構成され、一方のロールをモータ29によって回転駆動し、他方のロールも同時に歯車30を介して駆動する構成となっている。 この実施例の場合、フィードロール26は、パドル型のロールで、軸方向に延びるパドル27がロール本体に放射状に取り付けられている。 この際パドル型のロールはクロスバー型のロールであってもよい。 【0030】次に、ロールミル部14は、上下三段に目切りを有するロール対34a、34b、35a、35b および36a、36bを備えている。 これらロール対3 4a、34b、35a、35bおよび36a、36b は、それぞれ全体が水密なハウジング32内に収容されている。 この水密ハウジング32は、その内部が上下に三段に区画され、それぞれの区画にロール対34a、3 4b、35a、35bおよび36a、36bが収容される。 これらロール対34a、34b、35a、35bおよび36a、36bは、そのロール間隔を0.01mm 単位で調整可能であり、また、それぞれのロール対ごとに独立して所定の回転数で駆動される。 これらロール対間隔調整機構、駆動機構としては、この種のロールミルの備える公知のものが水密ハウジング32に隣設したハウジング31、33内に設けられている。 【0031】また、最上段のロール対34a、34bの上側には、ガイド板37a、37bがロールの軸間隔に対応して平行にしかも鉛直に立てて配置されている。 この場合、ガイド板37a、37bによってロール対34 a、34bの上部にはビール粕貯溜空間Eが形成され、 フィードローラ26から送られるビール粕は、一時的にこの空間に貯溜されてから、円滑にロール対34a、3 4bに供給されるようになっている。 【0032】同様のガイド板38a、38b、39a、 39bは、中段のロールミル対35a、35b、下段のロール対36a、36bにそれぞれ設けられている。 【0033】ここで、図3は、ロールミルの表面に目切りされている歯の形状を示す図である。 【0034】この場合、ロールの歯は、長斜面50と短斜面51とからロール軸方向に延びる稜線にそって形成されており、ロールミル径が200mmのロールミルの場合、例えば長斜面50の傾斜は半径方向に対して65 °、短斜面51の傾斜は半径方向に対して30°で、歯高が0.4mm、歯間隔1.1mmのものが用いられる。 【0035】図4は、目切りとの関係でロールミル対の回転方向とその回転速度比の違いにより区別するエッジ/エッジタイプとバック/バックタイプを説明する図である。 【0036】ロールミル対は、それぞれ異なる回転速度で回転し、その場合、短斜面51を下側に向けて回転するロールの回転速度のほうが大きい場合をエッジ/エッジタイプ(図4(a))、長斜面50を下側に向けて回転するロールの回転速度のほうが大きい場合バック/バックタイプという(図4(b))。 エッジ/エッジはせん断力を強調し、バック/バックは押し出し力を強調する。 本発明ではいずれも使用可能であるが、重量収率の面から、エッジ/エッジの方がより好ましい。 【0037】次に、最下段のロール対36a、36bを通過したビール粕は、ビール粕排出部16を通って外部に排出される。 このビール粕排出部16のケース40の内部には、モータ42によって駆動されるスクリューコンベア41が収容され、ロールミル部14で処理されたビール粕は、排出口45から外部に円滑に導出されるようになっている。 【0038】次に、以上のように構成されるビール粕剥離装置の作用について説明する。 原料のビール粕は供給口18からホッパー17内部に投入され、給水口19から供給される水によって加水される。 この加水は、水分にして83%乃至90%の範囲内で調整される。 なお、 この加水工程は、予め水分調整した原料を空気圧を利用して移送するようにすることもできる。 また、ホッパー17にビール粕および水を円周方向から吹込むサイクロン型とするようにしてもよい。 【0039】ビール粕は、螺旋スクリュー型のコンベア23により適度に撹拌されて、クロスバー型スクリュー24から均等に供給ハウジング15内に投入される。 ビール粕は、通常1〜3分の間、供給ハウジング15内に滞留し、パドル型フィードロール26によってロールミル部14の最上段のロール対34a、34bに送り込まれる。 【0040】この場合、ロール対34a、34bの上部には、ガイド板37a、37bを設け、ビール粕の一時的貯溜空間を形成しているので、貯溜するビール粕はロール対34a、34bにフードロール26によって押し込まれ気味に供給され、またガイド板37a、37bを垂直に立てビール粕のブリッジが形成されるのを防止しているので、ロール対34a、34bにより圧ぺん剥離処理の作用を促進する。 【0041】こうして、最上段のロール対で処理されたビール粕は、順次中段のロール対35a、35b、下段のロール対36a、36bに送られて処理される。 その最、ガイド板38a、38b、39a、39bの形成する貯溜空間がロールミルによる圧ぺん剥離処理を促進するのは上段の場合と同様である。 【0042】こうしてロールミル部14を通過した処理物は、排出部16のスクリューコンベア41により外部に導出され、次のふるい分け工程に供出される。 【0043】なお、各ロール対は、水密ハウジング32 に収容されているので、ビール粕の処理が終了したあとは、洗浄水を水密ハウジングに満たした状態で、各ロールミル対34a、34b、35a、35b、36a、3 6bを運転することにより簡単に洗浄ができる構造となっている。 【0044】以下、本発明を実施した結果について説明する。 ロールミルのロール直径は200mmで、ロール間隙を0.02mmに調整したロール対にエッジ/エッジタイプで回転速度比を与えたロールミルを用いて処理した。 ビール粕としては、水分77.5%のものに加水して含水率89.0%に調整した原料ビール粕を108 kg(乾物換算24.3kg)をホッパーからパドル型フィードロールを用いてロールミルに供給した。 【0045】第1段のロール対を回転速度比1000r pm対430rpmで運転し、このロール対で中間処理物Iを得てから、この中間処理物Iを2段目のロール対(回転速度比1000rpm対430rpm)に供給し、中間処理物IIを得た。 【0046】さらに、この中間処理物IIを3段目のロール対(回転速度比1000rpm対480rpm)に供給して最終処理物III を得た。 【0047】この最終処理物III を振動ふるい機を用いて分級したところ、乾物換算で、高タンパク質含有物画分8.1kg、粗粒子画分+穀皮画分16.2kgを得ることができた。 そして、高タンパク質含有物画分のタンパク質含有量を分析したところ、54.7%の高含有率であった。 【0048】実施例によれば、高タンパク質含有物画分の重量収率は、33.3%にも達し、従来に較べて処理能力で9倍に達した。 【0049】なお、同等の条件でロールミルをバック/ バックタイプで回転して原料ビール粕を本発明方法により処理したところ、高タンパク質含有物の重量収率は、 30.3%であった。 【0050】なお、従来の滑面ロールミル(目切りのないタイプ)を用いた処理方法の場合、ロール回転数10 0rpm、ロール間隙0.1mmおよび0.3mmのロールミルでは、重量収率はそれぞれ27%、23%であった。 【0051】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、回転速度比のあるロール対にビール粕を供給して圧ぺん剥離処理を加えることによって、ビール粕から50%以上の高タンパク含有物質を分離できるとともに、その重量収率および処理効率をともに実用上十分なところまで著しく向上させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による湿式ビール粕穀皮剥離装置の一実施例を示す側面図。 【図2】同湿式ビール粕穀皮剥離装置の一部切欠き正面図。 【図3】ロールミルの目切りを表す説明図。 【図4】ロールミルの目切りと回転方向の与え方の違いによるエッジ/エッジタイプ(a)とバック/バックタイプ(b)を示す説明図。 【図5】麦芽の断面図。 【図6】ビール粕における穀皮とタンパク質粒子含有部位であるアリューロン層を模式的に表した図。 【符号の説明】 12 ビール粕供給部 14 ロールミル部 16 ビール粕排出部 18 ホッパ 23 スクリュー型コンベア 24 クロスバー型スクリュー 26 フィードロール 32 水密ハウジング 34 ロール対 35 ロール対 36 ロール対 37 ガイド板 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成7年9月25日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0022 【補正方法】変更 【補正内容】 【0022】 【作用】目切りを有するロール対間で回転速度に差を与えたロール対にビール粕を供給すると、ビール粕を圧ぺんすると同時に回転速度差によってビール粕には穀皮からアリューロン層を剥離するようなせん断力が作用するようになる。 そして、湿体状態のビール粕に必要に応じ て水を加えて含水量83〜90%という高水分含有量に調整し、また、従来のこの種のロールミルでは採用されていないロール間隔0.02〜0.06mmという極く狭い間隔にして処理することによって、アリューロン層の剥離が促進され、重量収率および処理能力ともに向上する。 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0041 【補正方法】変更 【補正内容】 【0041】こうして、最上段のロール対で処理されたビール粕は、順次中段のロール対35a、35b、下段のロール対36a、36bに送られて処理される。 その 際 、ガイド板38a、38b、39a、39bの形成する貯溜空間がロールミルによる圧ぺん剥離処理を促進するのは上段の場合と同様である。 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0044 【補正方法】変更 【補正内容】 【0044】以下、本発明を実施した結果について説明する。 ロールミルのロール直径は200mm、 長さ60 0mmで、ロール間隙を0.02mmに調整したロール対にエッジ/エッジタイプで回転速度比を与えたロールミルを用いて処理した。 ビール粕としては、水分77. 5%のもの108kg(乾物重量24.3kg)に加水 して水分89.0%としてホッパーからパドル型フィードロールを用いてロールミルに供給した。 【手続補正4】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0045 【補正方法】変更 【補正内容】 【0045】第1段のロール対を回転速度比1000r pm対330 rpmで運転し、このロール対で中間処理物Iを得てから、この中間処理物Iを2段目のロール対(回転速度比1000rpm対430rpm)に供給し、中間処理物IIを得た。 【手続補正5】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】符号の説明 【補正方法】変更 【補正内容】 【符号の説明】 12 ビール粕供給部 14 ロールミル部 16 ビール粕排出部17ホッパ 23 スクリュー型コンベア 24 クロスバー型スクリュー 26 フィードロール 32 水密ハウジング 34 ロール対 35 ロール対 36 ロール対 37 ガイド板 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594126263 ヴィルヘルム、 キュンツェル、 ミュー レンバウ、 ウント、 マシーネンファブ リック WILHELM KUENZEL MUE HLENBAU UND MASCHIN ENFABRIK ドイツ連邦共和国バイエルン州、マインレ ウス、インダストリーシュトラッセ、7 (72)発明者 岸 聰太郎 東京都渋谷区神宮前六丁目26番1号 麒麟 麦酒株式会社内 (72)発明者 柴 芳夫 東京都渋谷区神宮前六丁目26番1号 麒麟 麦酒株式会社内 (72)発明者 三宅 秀和 大阪府大阪市西淀川区御幣島5−6−9 株式会社三宅製作所内 (72)発明者 ヴィルヘルム、キュンツェル ドイツ連邦共和国バイエルン州、マインレ ウス、インダストリーシュトラッセ、7、 ヴィルヘルム、キュンツェル、ミューレン バウ、ウント、マシーネンファブリック内 |