Method of manufacturing a high calorific city gas

申请号 JP14290391 申请日 1991-06-14 公开(公告)号 JPH0686598B2 公开(公告)日 1994-11-02
申请人 三菱油化エンジニアリング株式会社; 西部瓦斯株式会社; 发明人 啓 太田; 春次 川崎; 夏雄 木下; 昌治 浦野; 近 西野; 利壽 金丸;
摘要
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素原料を水添脱硫で硫黄分を除去し水蒸気改質(メタン化反応)を行って素原料ガスを発生させ、次に脱炭酸・脱水して精製した後、炭化水素ガスで熱量調整を行う高熱量都市ガス(代替天然ガス)の製造工程に於いて、
    水添脱硫を行うのに、ニモックス触媒と酸化亜鉛を充填した反応管を有する1体型熱交換方式U字流路の脱硫塔を用い胴側の熱媒循環により 350℃程度の温度を保持しながら水素混合原料を、往路のニモックス層で水素と原料中の非活性硫黄化合物と反応せしめ硫化水素(活性硫黄化合物)に変え、次に復路のZnO層でZnSにして原料中より硫黄分を除去し、 水蒸気改質を行うのに、アルミナ系担体にニッケルを担持させたメタン化触媒を充填した反応管を有する熱交換方式シェルチューブ型反応塔を用い胴側の熱媒循環により 320℃程度の温度を保持しながら脱硫された原料と水蒸気の混合物を触媒を介して1塔にて1段階の特定の反応条件下で等温反応させて富メタン含有ガスを直接発生させ、 水添脱硫用水素を得るのに、上記の反応塔の1部のチューブを水素化触媒を充填して反応管として別流路で用い、メタノールと水の混合物を同じ温度で触媒を介して1段階の特定の反応条件下で等温反応させて富水素含有ガスを直接発生させ、 水添脱硫と水蒸気改質のそれぞれの最適な反応温度を保持するのに、熱移動速度の大きな無機塩系の熱媒体を用い循環して、発熱反応の熱を吸収し、
    吸熱反応の熱を供給すると共に任意の温度に調節出来る2系統の熱媒循環系で行うことを特徴とする高熱量都市ガスの製造方法。
  • 【請求項2】 素原料ガスの精製で脱炭酸・脱水をするのに、連続流PSA方式を用いることを特徴とする請求項1記載の高熱量都市ガスの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明はブタン・プロパン・ナフサ等の炭化素を原料とする高熱量都市ガスを製造する方法に関する。

    【0002】

    【発明の背景】我国の都市ガス業界では大都市を中心に液化天然ガス(LNG)を原料とする13A(11,000kca
    l/Nm 3 )の燃焼性のガスへと都市ガスの高熱量化が急速に進められている。 この状況の中で都市ガス事業者がL
    NGと同じ成分のガスすなわち代替天然ガス(SNG)
    を必要とする理由は、13Aの燃焼性のガスへの全国的な統合、供給するガスの需給変動の調整、ガス製造原価の低減、原料の多様化であり都市ガスの利便性と安定供給が目的である。

    【0003】従って、SNG製造プロセスに特に要求される性能は、プラントの起動・停止・負荷変更が即時に行えて容易であること、ガス化効率が高く品質が安定していること、プラントがシンプルで操作性・経済性が良いことが必要条件である。

    【0004】

    【従来の技術とその問題点】従来ブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素原料からSNGを製造する手段は原料中のS分の活性化+原料の脱硫+原料の水蒸気改質+1段メタン化+2段メタン化+湿式脱炭酸+
    ガスの脱水+LPG熱調の概略8工程で行うのが主流である。 この前段、、、、の5工程が原料の前処理を含めた素原料ガスの製造工程、、の2工程がガスの精製工程、最後のが増熱による熱量調整工程である。

    【0005】この様な従来の手段によると素原料ガスの製造だけでも、5工程の容器と2つの加熱炉、又、脱硫のための水素含有ガス昇圧用リサイクルガスコンプレッサーが最低必要であり、更にスタートアップ時には、スタートアップ加熱炉とその昇温配管、又、これらの付帯設備等、装置及び運転操作が複雑であり、設備が多くその動と熱損失が大きく製造コストがかかるので経済性に欠け、特にSNGの性能として要求される機動性ではプラントの起動に冷間で最低3日を要し、温間で約半日を要すると共に負荷変更については1%1分以上の長い時間を要する問題がある。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、ブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素原料のメタン化及びメタノールの水素化を1塔でそれぞれ1段階の反応工程のみで脱硫用水素と富メタンガスを得るもので、装置をシンプル化させると共にガス化効率の向上と品質の安定をはかり、特に重要なことはプラントの起動・停止・負荷変更がそれぞれ、15分程度の短時間で容易に行える方法を得ることを目的としている。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の講ずる技術的手段は、ブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素を原料とするSNG用素原料ガスの製造において、メタン化反応・脱硫反応共、触媒の反応条件である温度キープと温度制御並びにその熱の移動を迅速にするのに熱媒による外熱式で行うもので具体的には、水添脱硫を行うのにニモックス触媒と酸化亜鉛を充填した反応管を有する1体型熱交換方式U字流路の脱硫塔を用い、胴側の熱媒循環により350℃程度の温度を保持しながら上記炭化水素原料と別の反応塔で発生した水素を添加した水素混合原料を、往路のニモックス層で水素と原料中の非活性硫黄化合物と反応させて硫化水素(活性硫黄化合物)に変え、次に復路の酸化亜鉛層で硫化亜鉛として吸着させ原料中より硫黄化合物を取り除き、水蒸気改質を行うのにアルミナ系担体にニッケルを担持させたメタン化触媒を充填した反応管を有する熱交換方式シェルチューブ型反応塔を用い、胴側の熱媒循環によりブタン・プロパン・ナフサ各ケースに於いて 3
    20℃、 315℃、 330℃程度の温度を保持しながら上記脱硫された原料と水蒸気の混合物を触媒を介して1塔にて1段階の反応速度を大きくした特定の反応条件下で等温反応させて富メタン含有ガスを直接発生させ、水添脱硫用水素を得るのに、上記の反応塔の1部のチューブに水素化触媒を充填して反応管として別流路で用い、メタノールと水の混合物を上記と同じ温度で触媒を介して1段階の反応速度を大きくした特定の反応条件下で等温反応させて富水素含有ガスを直接発生させ、水添脱硫と水蒸気改質のそれぞれの最適な温度保持と温度制御をするのに、熱移動速度の大きなNaNO 2 −NaNO 3 − KNO
    3 3成分系の無機塩熱媒体を用い循環して、発熱反応の熱を吸収し、吸熱反応の熱を供給する迅速な熱移動を行い触媒層内の蓄積熱を低下させる改質系と分流弁を介して脱硫系共任意の温度に調節できる2系統の熱媒循環系で行う。

    【0008】又、SNGの素原料ガスを精製する手段に於いては本願出願人の出願に係り、既に特開平2 −2810
    96号として出願公開され公知となっている富メタン混合ガスの炭酸ガス及び水分を除去する装置(連続流PSA
    方式の脱炭酸・脱水装置)を用いる。

    【0009】以上、素原料ガスの製造と素原料ガスの精製及び熱量調整で構成されるSNGの運転操作を簡単にし、設備をシンプル化し、ガス化効率の向上と製造コストの低減はもとよりプラント全体の起動・停止・負荷変更時間をそれぞれ15分以内で実施可能にするものである。

    【0010】

    【発明の具体的説明】以下本発明のSNGの製造方法を図1に示すプロセスフローに基づいて詳細に説明する。
    原料のブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素は原料ポンプ1で反応圧力程度に昇圧され原料予熱器2、原料蒸発器3で加熱・気化された後、原料/水素ミキサー4に於いて反応塔8で直接発生した富水素含有混合ガスと混合され、次に原料過熱器5で 350℃程度の反応温度に調節され、原料中のS分の活性化とS分の吸着を行う1体型の脱硫塔6に送られ、塔内入口側管内のニモックス触媒層で水素と原料中の非活性硫黄化合物が水添反応により、硫黄は硫化水素(H 2 S)に還元される(H 2 +S
    =H 2 S)。 次にこの硫化水素を含む原料ガスは、塔下部から塔内出口側管内の酸化亜鉛層に達し、原料ガス中の硫化水素がH 2 S+ZnO→ZnS+H 2 Oの反応を起こし、ZnSの形で吸着剤ZnO中に吸着され、原料中の硫黄分が除去される。

    【0011】この脱硫塔6は、図2に示すように熱交換方式シェルチューブ型固定管板構造であり、上部チャンネルを仕切板61でガス入口62と出口63の2つに仕切ってU字流路を形成し仕切の入口側管(往路)64にニモックス触媒65を、出口側管(復路)66に酸化亜鉛67を充填し、管の外側であるシェル側下部熱媒入口68より、あらかじめ熱媒加熱炉7で 350℃程度の温度に調節された熱媒をバッフルプレート70の間を通って上部方向に流し、
    触媒をその活性温度に保持する。 この場合脱硫塔6に送られる水素混合原料ガスと脱硫塔に充填された触媒は共に熱媒加熱炉7→原料過熱器5→脱硫塔6と直列に流される熱容量の大きな熱媒の温度支配により常に一定の温度となる。 この温度支配は定常時のみならずプラントのスタートアップ及び負荷変更時にも有利に働きプラントの即時起動及び即時負荷変更が出来る主な要因である。

    【0012】従来手段ではガスの熱で操作する内熱式であるので、この水素混合原料ガス温度と触媒の温度に差が生じ易く又、この温度制御が特にスタートアップ時には困難であり、温度が高すぎると炭素系析出のトラブルを起こし、低すぎると脱硫反応が好ましくない。 本発明は、この問題を熱媒による外熱式手段により解消した。

    【0013】次に、従来技術におけるニモックス塔と酸化亜鉛塔の2基の機器を1体化し、表面積を減少し得たためプラント効率に及ぼす影響の大きい脱硫装置からの放熱量の低減を可能にした。

    【0014】脱硫塔6を出た脱硫された原料は、原料/
    蒸気ミキサー9に於いて蒸気と混合され次に、原料/蒸気過熱器10で 320℃程度の反応温度に調節された後、水蒸気改質を行う反応塔8に送られ、1段階の反応速度を大きくした特定の反応条件で、アルミナ系担体にニッケルを担持させた活性の大きな触媒を介して等温のリホーミング(分解)反応及びメタン化反応を行い、CO含有量が少なくCH 4含有量の多い高カロリーガスに転化する。

    【0015】反応は非常に複雑であり、触媒上でまず炭化水素(ブタンを例に説明)の1部がスチームにより加熱的に分解し、C 410 +4H 2 O→4CO+9H 2の反応によりCOとH 2を生ずる。 ガス化が進むにつれて、COとH 2によるメタン化反応及びシフト反応が起こり、

    【化1】

    この合成反応を1塔にて1段階で行うものである。

    【0016】この反応塔8は、図3に示すように熱交換方式シェルチューブ型固定管板構造であり反応管81内に前述のメタン化触媒82を充填し、管81の外側であるシェル側下部熱媒入口83より、熱媒分流調節弁11で分流された 320℃程度の温度の熱媒を上部方向に流し触媒を活性温度に保持する。

    【0017】この場合反応塔8に送られる脱硫された蒸気混合原料ガスと反応塔8に充填された触媒82は共に、
    熱媒分流調節弁11→反応塔8→原料/蒸気過熱器10と直列に流される熱容量の大きな熱媒の温度支配により、常に一定の温度となる。 この温度支配は前述した脱硫塔6
    の場合と同じく定常時のみならずプラントのスタートアップ及び負荷変更時に特に有利に働きプラントの即時起動及び即時負荷変更が出来る主な要因である。

    【0018】反応管内触媒層82で起こる反応は、前述した通り複雑であるがリホーミング(分解)反応に於いては吸熱反応、メタン化反応は発熱反応であるので反応管
    81内の軸方向の温度分布は図4の実線で示すように一度下がって急激に上昇しその後熱媒体で冷却されて熱媒体温度とほぼ同じ温度となる。

    【0019】反応塔8の出口付近の反応ガス(素原料ガス)は反応塔8のシェル側下部熱媒入口83に入ってくる低温度の熱媒体で充分に冷却されるため低い温度にすることが出来、従ってCH 4収率が高くとれる。 このガスは、ほぼ熱力学的に平衡組成になっており、この熱力学的平衡組成は理論計算で求められ図5で示すように低温ほどCH 4収率が高い。

    【0020】一方熱媒体は前述したように胴下部よりフィードされ、図3に示すバッフルプレート84の間を通って上部方向に流れチューブ側発熱反応ゾーンの熱を吸収し一番高くなった処で今度はチューブ側の吸熱反応ゾーンに至る。 ここで逆に熱媒体からチューブ側に熱を供給して反応塔胴側上部から出て行く。 これは熱媒体が発熱反応ゾーンで加熱され、高い温度になった処で次に、吸熱反応の熱を供給することになる。 吸熱反応部での熱供給は、熱媒体と反応ガスの温度差が大きくとられるため熱移動速度が大きくなり吸熱は充分である。 即ち、吸熱反応を充分にさせることが出来る。

    【0021】本発明のプロセスは発熱反応ゾーンで熱媒体が多量の熱を吸収することが出来るので、1段階方式を採用することができる。 もし、多量の熱を瞬時に吸収できないと2段〜3段の反応システムを採用しなければならなくなる。 現に前述した従来の手段は水蒸気改質+
    1段メタン化+2段メタン化の3段階が主流で、これらの段間に冷却器を設け冷却して反応条件を整えているのに対し本発明は、これの1体化をすることによって、機器の数を減少させその表面積を減少し得たため、脱硫塔6で述べたと同様にプラント効率に影響の大きい装置からの放熱量の低減を可能にする効果がある。

    【0022】本発明のプロセスはプラントの効率向上と起動及び負荷変更を容易にするため前述の水添脱硫用の小量の水素をプロセス併用で、メタノールの高濃度水素化により得ている。 メタノールは図1に示すように、メタノールポンプ12で反応圧力程度に昇圧され、メタノール/水ミキサー13に於いて脱気された水と混合し、次にその混合物をメタノール蒸発器14で加熱・気化させた後、メタノール過熱器15で 320℃程度の反応温度に昇温して反応塔8に送る。

    【0023】この反応塔8は前述した水蒸気改質を行っている反応塔8と兼用であり、1部のチューブを水素化触媒85を充填して反応管86として別流路で使用しており、メタノールと水の混合物を上記水蒸気改質と同じ温度で触媒を介して1段階の反応速度を大きくした特定の反応条件で等温の水素化反応を行い、CO及びCH 4含有量が少なくH 2含有量の多いガスに転化するものである(CH 3 OH+H 2 O→3H 2 +CO 2 )。

    【0024】この反応管86は図3に示すように熱交換方式シェルチューブ型固定管板構造の1本のチューブを上部及び下部のチャンネル部分を貫通させ別流路にし管内に水素化触媒85を充填したもので、熱媒の流路方向と温度支配及びプラントのスタートアップ並びに負荷変更時等の有利性については、前述のメタン化反応管81と同様である。

    【0025】この反応管内触媒層85で起こる反応は、メタノール合成の逆反応であり温度を上げ圧力を低下させるほどメタノールの分解率、あるいは改質率を高くでき分解反応(CH 3 OH→2H 2 +CO)に於いては吸熱反応、シフト反応(CO+H 2 O→H 2 +CO 2 )では発熱反応であり全体として吸熱反応が支配するので反応管86内の軸方向の温度分布は図6の実線で示すように一度下がって熱媒体からの熱の迅速な供給を受けやがて熱媒の入口温度とほぼ同じ温度となる。 この様に多量の熱を瞬時に供給することによって触媒の温度低下を防止し、水素収率の高い反応を1段階で1本の反応管で行うことが出来る。

    【0026】従来手段では、水添脱硫用水素を得るのに前述の3段階あるガス化(メタン化)手段の内、前段の1段を水素含有の比較的多いメタン含有ガスを得る目的で高温で反応する反応塔をこの為に設け、発生ガスの1
    部を冷却後リサイクルガスコンプレッサーで昇圧し、脱硫装置へ水素混合ガスとしてリサイクルしている。 この場合水素含有量が10%程度であり、全ガス発生量の1割近くのガスを温度を常温近くまで下げ全装置の7割以上の圧損に打ち勝つ様常に、リサイクルガスコンプレッサーで昇圧する必要がある。

    【0027】この様に、本発明の水素を得る手段によると前段1段の大きな反応塔とリサイクガスコンプレッサー及びリサイクルガスを冷却してまた再度昇温する熱が常時不要になり、必要以上のガスを低効率で圧縮する非常に大きな動力は、本手段のメタノールで高濃度水素の効率的発生を行うことにより小量のメタノール液昇圧ポンプのわずかな動力に変わる。 又、プラントの立ち上げとロード変更は即時に近い時間で実施可能となる。

    【0028】以上述べた様に本発明プロセスの主要部である水添脱硫と水蒸気改質は、それぞれの触媒の最適な温度保持とそれぞれの反応を行うガス(水素混合原料ガス・蒸気混合原料ガス・水とメタノール混合ガス)の最適温度操作を無機塩の熱媒体による外熱で行なっている。

    【0029】この熱媒体は、HEAT TRANSFE
    R SALT(HTS)と言われる溶融塩で亜硝酸ソーダ・硝酸ソーダ・硝酸カリの共融混合物であり本プロセスの様に320 ℃〜350 ℃程度の反応塔又は熱交換器のシェル側に流しチューブ側の熱除去・熱供給を敏速に行なわせる場合、HTSは一般的に350 ℃以下で使用されるOIL系熱媒体に比べ伝熱係数が約50%高い。 従ってこの有利性が本方法を実現出来る重要な要素でもある。

    【0030】熱媒は図1に示す様に熱媒貯槽16より熱媒ポンプ17で昇圧し熱媒分流3方口調節弁11で脱硫系統と改質系統の2系統に分流され、一方の脱硫系では熱媒加熱炉7で前述の脱硫反応温度の350 ℃程度に調節するため352 ℃程度に加熱昇温され原料過熱器5、脱硫塔6、
    2次給水加熱器23のシェル側を通りそれぞれの機器のチューブ側に熱を供給又は吸収(脱硫塔のみ)し、321 ℃
    程度の温度になって熱媒貯槽16に戻る。

    【0031】又、一方熱媒分流3方口調節弁11で分流した改質系統では、分流時の熱媒温度は改質反応温度の32
    0 ℃程度に調節されており、反応器8、原料/蒸気過熱器10、原料蒸発器3、メタノール過熱器15のシェル側を通りそれぞれの機器のチューブ側に熱を供給又は吸収(反応器のみ)し、321 ℃程度の温度になって熱媒貯槽
    16に戻る。

    【0032】この様に2系統の異なった温度の熱媒循環をそれぞれ任意の温度に調節することが必要であり、その手段としてはそれぞれの系統に於いて反応熱機器(反応塔又は脱硫器)と熱回収機器(蒸発器・過熱器等)及び加熱器(熱媒加熱炉)の循環系に於ける適正な配列を上記の様に行い、熱媒貯槽16に戻る2系統の熱媒温度に差がない様に配置して、任意の温度に調節しようとする脱硫塔入口熱媒温度と反応塔入口熱媒温度を検出し、その温度差により熱媒分流調節弁11で脱硫系流量と改質系流量の分流比を変化させ希望する2つの温度を設定する。 次に脱硫塔熱媒入口温度を検出し、熱媒加熱炉7の燃料量を変化させ全プロセスの全熱のバランスをとる。

    【0033】この熱媒温度の制御方法は最適な脱硫反応及び改質反応を行わせる為に重要であり、又即時起動及び負荷変更時にも適切に対応し精密な制御を可能にするものである。

    【0034】本発明に係るブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素原料からSNGを製造する方法について本来SNGプロセスに要求される性能(起動及び負荷変更特性)を満足させるには、以上述べた素原料ガス製造プロセスに加え、これの脱炭酸・脱水をする精製プロセスを本願出願人が既に出願して出願公開された連続流PSA
    方式(特開平2-281096号参照)で実施した後、炭化水素ガスで熱量調整する一連の製造工程で行う。 上記連続流PSA方式の精製プロセスは既に公開公報に掲載され公知となっているプロセスをそのまま実施するため、ここでは説明を省略する。

    【0035】

    【実施例】この高熱量都市ガス製造の一実施例のプロセスフローを図7に示し、そのフローチャートの各ストリームナンバーの各数値を表1に示す。 尚、図7において27は増熱ブタン蒸発器である。

    【0036】

    【表1】

    【0037】

    【効果】本発明は上記の構成であるから以下の利点を有する。 (1)原料の水添脱硫を1塔で行い添加水素はメタノールを改質した高濃度H 2を直接用いるので設備が簡素であり、これに要する熱及び動力エネルギーが非常に小さい。 (2)ブタン・プロパン・ナフサ等の炭化水素が反応塔に於ける触媒の存在下で気相接触分解反応によりメタン化され反応手段の1つの1段階でメタン収率の高いメタン含有混合ガスを得る事が出来る。 (3)水添脱硫と水蒸気改質でそれぞれの反応条件を整えるのに熱移動速度の大きな熱媒体を用いて反応をそれぞれ外熱式で行っているのでプラントの起動と負荷変更が容易に行える。 (4)機器数が少なく又、反応熱の迅速な移動及び有効な熱回収が出来るのでガス化効率が高い。 (5)素原料ガスの精製を連続流PSA方式で行えばより操作が簡単になりプラントの起動・停止・負荷変更(変更巾100%)時間は、それぞれ15分以内で行える。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明SNG素原料ガスの製造方法プロセスフロー図。

    【図2】 脱硫塔の構造の概略を示す図。

    【図3】 反応塔の構造の概略を示す図。

    【図4】 ブタンのメタン化反応時の触媒層内温度分布を示す図。

    【図5】 ブタン改質の反応温度と収率の相関を示す図。

    【図6】 メタノールの水素化反応時の触媒層内温度分布図。

    【図7】 脱炭酸と脱水を連続流PSA方式で行ったS
    NGプロセスフロー図。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 夏雄 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (72)発明者 太田 啓 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (72)発明者 川崎 春次 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (72)発明者 西野 近 千葉県我孫子市寿2丁目22−64

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