A system and method for producing a crude product |
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申请号 | JP2006545416 | 申请日 | 2004-12-16 | 公开(公告)号 | JP2007518846A | 公开(公告)日 | 2007-07-12 |
申请人 | シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイShell Internationale Research Maatschappij Besloten Vennootshap; | 发明人 | スコット・リー・ウェリントン; トーマス・フェアチャイルド・ブラウンズコーム; | ||||
摘要 | Contact of a crude feed with one or more catalysts produces a total product that includes a crude product. The crude feed has a residue content of at least 0.2 grams of residue per gram of crude feed. The crude product is a liquid mixture at 25°C and 0.101 MPa. One or more properties of the crude product may be changed by at least 10% relative to the respective properties of the crude feed. In some embodiments, gas is produced during contact with one or more catalysts and the crude feed. | ||||||
权利要求 | 残留物含有量が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒及び水の存在下、炭素数1〜6の範囲の1種以上の炭化水素と接触させる工程、及び 水素ガスを生成する工程、 を含む水素ガスの製造方法。 1種以上の炭素数1〜6の範囲の炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の方法。 該水が水蒸気を含む請求項1又は2に記載の方法。 残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、水蒸気の存在下で無機塩触媒と接触させる工程、及び 水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含有すると共に、一酸化炭素対二酸化炭素のモル比が0.3以上であるガス流を発生させる工程、 を含むガス流の発生方法。 該水素ガス又は該ガス流を上流のプロセスで使用する工程を更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 該水素ガス又は該ガス流を合成ガスプロセスで使用する工程を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 原油原料を水の存在下で無機塩触媒と接触させることで、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 水蒸気の存在下で、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が第一原油原料1g当たり0.2g以上である第一原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒を含む第一触媒と接触させて、水素含有ガス流を発生させる工程、 発生したガス流の少なくとも一部の存在下で第二原油原料を第二触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び 原油生成物の1つ以上の特性が第二原油原料の1つ以上のそれぞれの特性と比べて10%以上変化するように、接触条件を制御する工程、 を含む原油生成物の製造方法。 接触条件はまた、接触温度がT 1 (但し、T 1は、該無機塩触媒のTAP温度よりも30℃低い)よりも高く、かつTAP温度が、無機塩触媒が放出ガス変曲点を示す最低温度となるように制御される請求項8に記載の方法。 放出ガスが水蒸気及び/又は二酸化炭素である請求項8又は9に記載の方法。 第二触媒が、無機塩触媒及び/又は遷移金属硫化物触媒である請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。 無機塩触媒が、1種以上のアルカリ金属炭酸塩、1種以上のアルカリ土類金属炭酸塩、1種以上のアルカリ金属水酸化物、1種以上のアルカリ土類金属水酸化物、1種以上のアルカリ金属水素化物、1種以上のアルカリ土類金属水素化物、1種以上のアルカリ金属の1種以上の硫化物、1種以上のアルカリ土類金属の1種以上の硫化物、1種以上のアルカリ金属の1種以上のアミド、1種以上のアルカリ土類金属の1種以上のアミド、又はそれらの混合物を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 該1種以上のアルカリ金属が、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、又はそれらの混合物であり、かつ/又は該1種以上のアルカリ土類金属が、カルシウム、マグネシウム、又はそれらの混合物である請求項12に記載の方法。 原油原料、第一原油原料、又は第二原油原料の残留物含有量が、原油原料、第一原油原料、又は第二原油原料1g当たり0.2〜0.99g又は0.3〜0.8gである請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 接触中、25℃、0.101MPaにおいて凝縮性のない炭化水素を原油原料1g当たり0.2g以下、0.15g以下、0.1g以下、又は0.05g以下(物質収支で測定)形成するように、接触条件が制御される請求項8〜14のいずれか1項に記載の方法。 該1つ以上の特性が、残留物含有量、Ni/V/Fe含有量、ヘテロ原子含有量を含み、接触条件は、原油生成物のTAN、合計Ni/V/Fe含有量、及び/又は合計ヘテロ原子含有量が、原油原料又は第二原油原料のTAN、合計Ni/V/Fe含有量、及び/又は合計ヘテロ原子含有量の90%以下となるようにも制御される請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。 原油生成物がまた、原油生成物1g当たり、0.001g〜0.05gのナフサ、0.001g〜0.5gの蒸留物、0.001〜0.3gのVGO、又はそれらの混合物を含有する請求項8〜16のいずれか1項に記載の方法。 原油生成物の残留物含有量が原油生成物1g当たり0.000001〜0.1g、0.00001〜0.05g、0.001〜0.03g、又は0.005〜0.04gである請求項8〜17のいずれか1項に記載の方法。 原油生成物を、原油原料と同じか異なる原油と配合して、ブレンドを形成する工程を更に含む請求項8〜18のいずれか1項に記載の方法。 請求項8〜19のいずれか1項に記載の方法で得られる原油生成物又はブレンド。 請求項20に記載の原油生成物又はブレンドを処理する工程を含む、輸送用燃料、加熱用燃料、潤滑剤又は化学薬品の製造方法。 処理工程が原油生成物又はブレンドを1種以上の蒸留物フラクションに蒸留する工程を含む請求項21に記載の方法。 処理工程が水素化処理工程を含む請求項21又は22に記載の方法。 |
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说明书全文 | 発明の分野 本発明は、一般には原油原料(crude feed)を処理するためのシステム及び方法、並びに例えばこのようなシステム、方法を用いて製造した組成物に関する。 更に詳しくは、ここで説明する実施態様は、残留物含有量が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、(a)25℃、0.101MPaにおいて液体混合物であり、かつ(b)原油原料の同一特性に比べて改良した1種以上の特性を有する原油生成物に転化するためのシステム及び方法に関する。 関連技術の説明 原油を経済的に輸送できないか、或いは従来の設備を用いて処理できないような不適当な特性を1つ以上有する原油(crude)は、普通、“不利な原油”と言われている。 不利な原油は、比較的高水準の残留物を含有することが多い。 このような高水準の残留物は、従来設備を用いて輸送及び/又は処理するのを困難かつ高価にする傾向がある。 高残留物原油は、高温処理してコークスに転化してもよい。 或いは高残留物原油は、通常、高温下、水で処理して、低粘稠性の原油及び/又は原油混合物としている。 処理中、粘稠性の原油及び/又は原油混合物から従来法で水を除去するのは困難かも知れない。 不利な原油は、水素不足の炭化水素を含有する可能性がある。 水素不足の炭化水素を処理する際は、特に分解処理により不飽和片が生成する場合、一般に定常量の水素を添加する必要がある。 処理中、不飽和片のコークス化を防止するため、通常、活性水素化触媒を含む水素化を必要とするかも知れない。 水素を作るには費用がかかり、及び/又はこれを処理設備に輸送するには費用がかかる。 不利な原油は、比較的多量の金属汚染物、例えばニッケル、バナジウム、及び 不利な原油の処理中、触媒表面にはコークスが高速度で生成及び/又は沈着する。 コークスで汚染された触媒の触媒活性を再生するには高価になる可能性がある。 再生中に使用する高温は、触媒の活性を低下させ、及び/又は触媒を劣化させる恐れもある。 不利な原油は、原油原料の全酸価(“TAN”)の一因となる酸性成分を含有する可能性がある。 比較的高いTANを持った不利な原油は、輸送中及び/又は処理中、金属成分の腐食の一因となる可能性がある。 不利な原油から酸性成分を除去するには、各種塩基により酸性成分を化学的に中和して行なってよい。 或いは、輸送設備及び/又は処理設備に耐腐食性金属を使用してもよい。 耐腐食性金属の使用すると、非常に高価になることが多く、したがって、現存の設備に耐腐食性金属を使用するのは望ましくないかも知れない。 他の腐食防止方法は、不利な原油の輸送及び/又は処理前にこれに腐食防止剤を添加することも可能である。 しかし腐食防止剤を使用すると、原油の処理に使用する設備及び/又は原油から製造する生成物に悪影響を与える恐れがある。 不利な原油は、比較的多量の金属汚染物、例えばニッケル、バナジウム、及び/又は鉄を含有する可能性がある。 このような原油の処理中、金属の汚染物及び/又は化合物は、触媒の表面又は空隙内に沈着するかも知れない。 このような沈着は、触媒の活性を減退させる恐れがある。 不利な原油は、有機的に結合したヘテロ原子(例えば硫黄、酸素及び窒素)を含有することが多い。 有機的に結合したヘテロ原子は、幾つかの場合、触媒に対し悪影響を及ぼす恐れがある。 残留物の脱硫法には、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が使用されている。 これらの方法は、脱硫効率が低く、不溶性スラッジを生成し、脱金属効率が悪く、実質的に分離不能の塩−油混合物を形成し、大量の水素及び/又は比較的高い水素圧を使用する傾向がある。 原油の品質を改良する幾つかの方法として、不利な原油に希釈剤を添加して、不利な特性を与える成分の重量割合を低下させる方法がある。 しかし、希釈剤の添加は、希釈剤費及び/又は不利な原油を取扱うために増加した費用により、一般に不利な原油の処理費は増大する。 幾つかの場合、不利な原油に希釈剤を添加するのは、このような原油の安定性を低下させる。 Gibson等のUSP 3,136,714、Gleim等の同3,558,747、Pasternak等の同3,847,797、King等の同3,948,759、Fukui等の同3,957,620、McCollum等の同3,960,706、McCollum等の同3,960,708、Baird Jr. 等の同4,119,528、Baird Jr. 等の同4,127,470、Fujimori等の同4,224,140、Hereday等の同4,437,980、Krasuk等の同4,591,426、Mazurek等の同4,665,261、Kretschmar等の同5,064,523、Kretschmar等の同5,166、118、Gatsis等の同5,288,681、Sudhakarl等の同6,547,957、Reynolds等の米国特許出願公開No. 20030000867及びRendina等の同20030149317には、原油の処理に使用される種々の方法及びシステムが記載されている。 しかし、これらの特許に記載される方法、システム及び触媒は、前述のような多くの技術的問題のため、利用が制約されている。 要するに、不利な原油は、一般に望ましくない特性(例えば比較的多い残留物、装置を腐食する傾向、及び/又は処理中、比較的多量の水素を消費する傾向)を有する。 その他、望ましくない特性として、望ましくない成分を比較的多量に含む(例えば比較的高い又は多量のTAN、有機的に結合したヘテロ原子、及び/又は金属汚染物)ことが挙げられる。 これらの特性は、従来の輸送及び/又は処理設備において、腐食の増大、触媒寿命の低下、プロセスの閉塞、及び/又は処理中の水素の使用量増大等の問題を起こしやすい。 " Inorganic Sulfur Chemistry ",G. Nickless編;Elesvier Publishing Company,アムステルダム−ロンドン−ニューヨーク;1968年版権;第19章 したがって、不利な原油を更に望ましい特性を有する原油生成物に転化するために改良したシステム、方法、及び/又は触媒が極めて経済的かつ技術的に必要である。 発明の概要 ここに記載の発明は、一般的には原油原料を、1種以上の触媒と接触させて、原油生成物及び、幾つかの実施態様では、非凝縮性ガスを含む全生成物を製造するためのシステム、方法及び触媒に関する。 ここに記載の発明は、一般的には各種成分の新規な組合わせからなる新規な組成物にも関する。 このような組成物は、ここに記載のシステム及び方法を用いて得られる。 本発明は、原油原料を、触媒の1種以上がK 3 Fe 10 S 14を含む1種以上の触媒の存在下で水素源と接触させて、原油生成物を製造する方法を提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物のコークス含有量が原油生成物1g当たり0.05g以下であり、かつ原油生成物中のオクタン価70以上のナフサが原油生成物1g当たり0.001g以上となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物が、凍結点(ASTM法D2386で測定)が−30℃以下の温度であるケロシン〔但し、ケロシン1g当たり芳香族を0.2g以上(ASTM法D5186で測定)含有する〕を含有すると共に、原油生成物のコークス含有量が原油生成物1g当たり0.05g以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物のコークス含有量(ASTM法D6730で測定)が、原油生成物中の水素供給源子対炭素原子(H/C)の重量比が1.75以下の原油生成物1g当たり0.05g以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上であり、かつ原油原料中の水素供給源子対炭素原子(H/C)の重量比が1.5以上の原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物中のH/C原子比が原油原料のH/C原子比の80〜120%であり、原油生成物の残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料の残留物含有量の30%以下であり、かつ原油生成物におけるオクタン価70以上のナフサ含有量(ASTM法D5307で測定)が原油生成物1g当たり0.001g以上となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上であり、かつ原油原料中の水素供給源子対炭素原子(H/C)の重量比が1.5以上の原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物が、それぞれ原油生成物1g当たり、オクタン価70以上のナフサを0.001g以上、凍結点(ASTM法D2386で測定)が−30℃以下の温度であるケロシン〔但し、ケロシン1g当たり芳香族を0.2g以上(ASTM法D5186で測定)含有する〕を0.001g以上、真空ガス油(VGO)〔但し、VGO 1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上、及び残留物(ASTM法D5307で測定)を0.05g以下含有するように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上の原油原料を、触媒の少なくとも1種は1種以上の遷移金属硫化物を含む1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該遷移金属硫化物触媒は、全遷移金属硫化物触媒1g当たり1種以上の遷移金属硫化物を合計0.4g以上含有する該工程、及び原油生成物のコークス含有量が原油生成物1g当たり0.05以下であり、かつ原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、窒素含有量(ASTM法D5762で測定)が原油原料1g当たり0.001g以上で、かつ残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、遷移金属硫化物触媒1g当たり1種以上の遷移金属硫化物を合計0.4g以上有する遷移金属硫化物触媒を含有する1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の窒素含有量が原油原料の窒素含有量の90%以下であり、かつ原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、合計Ni/V/Fe含有量(ASTM法D5863で測定)が原油原料1g当たり0.0001g以上で、かつ残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、遷移金属硫化物触媒1g当たり1種以上の遷移金属硫化物を合計0.4g以上有する遷移金属硫化物触媒を含有する1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量が原油原料の合計Ni/V/Fe含有量の90%以下であり、かつ原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、硫黄含有量(ASTM法D4294で測定)が原油原料1g当たり0.001g以上で、かつ残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、遷移金属硫化物触媒1g当たり1種以上の遷移金属硫化物を合計0.4g以上有する遷移金属硫化物触媒を含有する1種以上の触媒の存在下で水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の硫黄含有量が原油原料の硫黄含有量の70%以下であり、かつ原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、遷移金属酸化物と金属塩とを混合して、遷移金属酸化物/金属塩混合物を形成する工程、遷移金属酸化物/金属塩混合物を水素と反応させて、中間体を形成する工程、及び中間体を1種以上の炭化水素の存在下で硫黄と反応させて、遷移金属硫化物触媒を製造する工程を含む遷移金属硫化物触媒組成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、遷移金属硫化物含有遷移金属硫化物触媒を含む1種以上の触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法であって、該遷移金属硫化物触媒は、遷移金属酸化物と金属塩とを混合して、遷移金属酸化物/金属塩混合物を形成し、該遷移金属酸化物/金属塩混合物を水素と反応させて、中間体を形成し、次いで中間体を1種以上の炭化水素の存在下で硫黄と反応させて、遷移金属硫化物触媒を製造して得られる該原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、1種以上の触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、全生成物の少なくとも一部を蒸気として製造する工程、蒸気の少なくとも一部を25℃、0.101MPaにおいて凝縮する工程、及びそれぞれ原油生成物1g当たり、オクタン価70以上のナフサを0.001g以上、VGO〔但し、VGO 1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上、及び残留物を0.05g以下含有する原油生成物を形成する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程を含む原油生成物の製造方法であって、原油生成物は、それぞれ原油生成物1g当たりナフサ〔但し、ナフサ1g当たり単環式芳香族を0.001g以上(ASTM法D6730で測定)含有する〕を0.001g以上、蒸留物を0.001g以上、及び残留物を0.05g以下含有する該製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程を含む原油生成物の製造方法であって、原油生成物は、それぞれ原油生成物1g当たりディーゼル油〔但し、ディーゼル油1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上、VGO〔但し、VGO 1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上、及び残留物を0.05g以下含有する該製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上で、かつ単環式芳香族含有量(ASTM法D6703で測定)が原油原料1g当たり0.1g以下である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び接触中、25℃、0.101MPaにおいて凝縮しない炭化水素が原油原料1g当たり0.2g以下(物質収支により測定)形成されると共に、原油生成物の単環式芳香族含有量が原油原料の単環式芳香族含有量よりも5%以上多くなるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上で、かつオレフィンを、原油原料1g当たりオレフィンgで表現して、含有する(ASTM法D6730で測定)原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物のオレフィン含有量が原油原料のオレフィン含有量よりも5%以上多くなるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が、原油生成物1g当たり残留物gで表現して、原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、2種以上の無機金属塩を含有すると共に、(a)少なくとも一方の無機金属塩のDSC温度と(b)無機塩触媒のDCC温度との間に放出ガスの放出ガス変曲点範囲〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕を示す無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量が、原油生成物1g当たり残留物gで表現して、原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び得られる原油生成物の容積(25℃、0.101MPaで測定)が原油原料の容積よりも5%以上大きくなるように原油生成物を製造する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び接触中、25℃、0.101MPaにおいて凝縮しない炭化水素が原油原料1g当たり0.2g以下(物質収支により測定)形成されるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、熱転移点〔示差走査熱量測定法(DSC)で測定〕が1分当たり10℃の速度で200〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量が、原油生成物1g当たり残留物gで表現して、原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、300〜500℃の範囲の温度において無機塩触媒の中の少なくとも1種の無機塩の少なくともイオン導電率を示す無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量が、原油生成物1g当たり残留物gで表現して、原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は原子番号が11以上の複数のアルカリ金属を含有し、該アルカリ金属の少なくとも1種はアルカリ金属炭酸塩であり、かつ原子番号11以上の1つのアルカリ金属対原子番号が11より大きい1つのアルカリ金属の少なくとも1つの原子比が0.1〜10の範囲にある該工程、全生成物の少なくとも一部を蒸気として製造する工程、該蒸気の少なくとも一部を25℃、0.101MPaにおいて凝縮する工程、及び残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下である原油生成物を形成する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は原子番号が11以上の複数のアルカリ金属を含有し、該アルカリ金属の少なくとも1種はアルカリ金属水酸化物であり、かつ原子番号11以上の1つのアルカリ金属対原子番号が11より大きい1つのアルカリ金属の少なくとも1つの原子比が0.1〜10の範囲にある該工程、全生成物の少なくとも一部を蒸気として製造する工程、該蒸気の少なくとも一部を25℃、0.101MPaにおいて凝縮する工程、及び残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下である原油生成物を形成する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は原子番号が11以上の複数のアルカリ金属を含有し、該アルカリ金属の少なくとも1種はアルカリ金属水素化物であり、かつ原子番号11以上の1つのアルカリ金属対原子番号が11より大きい1つのアルカリ金属の少なくとも1つの原子比が0.1〜10の範囲にある該工程、全生成物の少なくとも一部を蒸気として製造する工程、該蒸気の少なくとも一部を25℃、0.101MPaにおいて凝縮する工程、及び残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下である原油生成物を形成する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は、アルカリ金属の原子番号が11以上である1種以上のアルカリ金属塩、1種以上のアルカリ土類金属塩、又はそれらの混合物を含有し、アルカリ金属塩の1つはアルカリ金属炭酸塩である該工程、及び原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は、アルカリ金属の原子番号が11以上である1種以上のアルカリ金属水酸化物、1種以上のアルカリ土類金属塩、又はそれらの混合物を含有する該工程、及び原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、無機塩触媒の存在下、水素供給源と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程であって、該無機塩触媒は、アルカリ金属の原子番号が11以上である1種以上のアルカリ金属水素化物、1種以上のアルカリ土類金属塩、又はそれらの混合物を含有する該工程、及び原油生成物の残留物含有量が原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒の存在下、炭素数1〜6の範囲の炭化水素と接触させる工程、及び水素ガスを生成する工程を含む水素ガスの製造方法も提供する。 また本発明は、水蒸気の存在下で、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が第一原油原料1g当たり0.2g以上である第一原油原料を、放出ガスの放出ガス変曲点〔生成物の時間分析(TAP)で測定〕が50〜500℃の温度範囲にある無機塩触媒と接触させて、水素含有ガス流を発生させる工程、発生したガス流の少なくとも一部の存在下で第二原油原料を第二触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の1つ以上の特性が第二原油原料の1つ以上のそれぞれの特性と比べて10%以上変化するように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を、水蒸気の存在下で無機塩触媒と接触させる工程、及び水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含有すると共に、一酸化炭素対二酸化炭素のモル比が0.3以上であるガス流を発生させる工程を含むガス流の発生方法も提供する。 無機塩触媒を状態調節する工程、状態調節した無機塩触媒の存在下で、残留物含有量(ASTM法D5307で測定)が原油原料1g当たり0.2g以上である原油原料を無機塩触媒と接触させて、25℃、0.101MPaにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程、及び原油生成物の残留物含有量が、原油生成物1g当たり残留物gで表現して、原油原料の残留物含有量の30%以下となるように、接触条件を制御する工程を含む原油生成物の製造方法も提供する。 また本発明は、0.101MPaにおいて30〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有すると共に、イソパラフィン及びn−パラフィンをイソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下(ASTM法D6730で測定)含有する炭化水素を含む原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaにおいて400〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上含有すると共に、204以下の沸点範囲分布を有する炭化水素がイソパラフィン及びn−パラフィンをイソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下(ASTM法D6730で測定)含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、オクタン価70以上のナフサ〔但し、ナフサ1g当たりオレフィンを0.15g以下(ASTM法D6730で測定)含有する〕を0.001g以上、凍結点(ASTM法D2386で測定)が−30℃以下の温度であるケロシン〔但し、ケロシン1g当たり芳香族を0.2g以上(ASTM法D5186で測定)含有する〕を0.001g以上、及び残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、25℃、0.101MPaにおいて非凝縮性の炭化水素ガス〔但し、炭素数1〜3(C 1 〜C 3 )の炭化水素を非凝縮性炭化水素ガス1g当たり0.3g以下含有する〕を0.15g以下、オクタン価70以上のナフサを0.001g以上、凍結点(ASTM法D2386で測定)が−30以下の温度であるケロシン〔但し、ケロシン1g当たり芳香族を0.2g以上(ASTM法D5186で測定)含有する〕を0.001g以上、及び残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaにおいて400〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上含有すると共に、沸点範囲分布が20〜204の炭化水素は、末端二重結合オレフィン及び内部二重結合オレフィンを、末端二重結合オレフィン対内部二重結合オレフィンのモル比で0.4以上(ASTM法D6730で測定)含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)、及び沸点範囲分布(ASTM法D5307で測定)が20〜538℃(1000°F)の炭化水素の混合物を0.001g以上含有すると共に、該炭化水素混合物は、それぞれ炭化水素混合物1g当たり、パラフィンを0.001g以上(ASTM法D6730で測定)、オレフィン〔但し、オレフィン1g当たり末端オレフィンを0.001g以上(ASTM法D6730で測定)有する〕を0.001g以上、ナフサを0.001g以上、ケロシン〔但し、ケロシン1g当たり芳香族を0.2g以上(ASTM法D5186で測定)含有する〕を0.001g以上、ディーゼル油〔但し、ディーゼル油1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上、及び真空ガス油(VGO)〔但し、VGO 1g当たり芳香族を0.3g以上(IP法368/90で測定)含有する〕を0.001g以上含有する該原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaにおいて400〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上(ASTM法D2887で測定)含有すると共に、沸点範囲分布が204以下の炭化水素は、それぞれ炭化水素1g当たり、オレフィンを0.001g以上(ASTM法D6730で測定)及びパラフィン〔但し、イソパラフィン及びn−パラフィンを、イソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下(ASTM法D6730で測定)含有する〕を0.001g以上含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaにおいて400〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上(ASTM法D2887で測定)含有すると共に、沸点範囲分布が−10〜204の炭化水素は、炭素数4(C 4 )の化合物(但し、ブタジエンをC 4化合物1g当たり0.001g以上含有する〕を含有する原油組成物も提供する。 また本発明は、それぞれ組成物1g当たり、残留物を0.05g以下(ASTM法D5307で測定)、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて400〜538(1000ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上(ASTM法D2887で測定)、及び少なくとも1種以上のアルカリ金属を有する1種以上の触媒を、0gを超え0.01g未満含有する原油組成物も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、(a)製油所で処理されていない、蒸留していない、及び/又は分別蒸留していない原油原料、(b)炭素数が4を超える成分を原油原料1g当たり0.5g以上含有する、(c)炭化水素を含有し、その一部は、0.101MPaでの沸点範囲分布が100℃未満である、0.101MPaでの沸点範囲分布が100〜200℃の範囲である、0.101MPaでの沸点範囲分布が200〜300℃の範囲である、0.101MPaでの沸点範囲分布が300〜400℃の範囲である、及び0.101MPaでの沸点範囲分布が400〜700℃の範囲である、(d)それぞれ原油原料1g当たり、0.101MPaでの沸点範囲分布が100℃未満の炭化水素を0.001g以上、0.101MPaでの沸点範囲分布が100〜200℃の範囲の炭化水素を0.001g以上、0.101MPaでの沸点範囲分布が200〜300℃の範囲の炭化水素を0.001g以上、0.101MPaでの沸点範囲分布が300〜400℃の範囲の炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaでの沸点範囲分布が400〜700℃の範囲の炭化水素を0.001g以上有する、(e)TANを有する、(f)残留物を、原油原料1g当たり0.2〜0.99g、0.3〜0.8g、又は0.4〜0.7g有する、(g)ニッケル、バナジウム、鉄又はそれらの混合物を含む、(h)硫黄を含む、及び/又は(i)窒素含有炭化水素を含む;原油原料も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、(a)ガス状である、(b)分子状水素を含む、(c)軽質炭化水素を含む、(d)メタン、エタン、プロパン又はそれらの混合物を含む、(e)水を含む、及び/又はそれらの混合物を含む水素供給源も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、(a)無機塩触媒を300℃以上の温度に加熱する工程、及び/又は(b)無機塩触媒を300℃以上の温度に加熱し、次いでこれを500℃以下の温度に冷却する工程を含む、無機塩触媒の状態調節工程を含む方法も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油原料を1種以上の触媒と接触させる工程、及び接触条件を、以下のようになるよう制御する工程を含む方法も提供する。 (a)接触中、25℃、0.101MPaにおいて凝縮性のない炭化水素を、原油原料1g当たり0.2g以下、0.15g以下、0.1g以下、又は0.15g以下(物質収支で測定)形成される、(b)接触温度は250〜750℃、又は260〜550℃の範囲である、(c)圧力は0.1〜20MPaである、(d)ガス状水素供給源対原油原料比が原油原料1m 3当たり水素供給源1〜16100標準m 3 、又は5〜320標準m 3の範囲である、(e)コークスの形成を防止する、(f)接触中、全生成物又は原油原料中のコークスの形成を防止する、(g)原油生成物のコークス量も原油生成物1g当たり0.05g以下、0.03g以下、0.01g以下、又は0.003g以下である、(h)無機塩触媒の少なくとも一部は、このような接触条件において半液体又は液体である、(i)原油生成物のTANは、原油原料のTANの90%以下である、(j)原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量は、原油原料の合計Ni/V/Fe含有量の90%以下、50%以下、又は10%以下である、(k)原油生成物の硫黄含有量は、原油原料の硫黄含有量の90%以下、60%以下、又は30%以下である、(l)原油生成物の窒素含有量は、原油原料の窒素含有量の90%以下、70%以下、50%以下、又は10%以下である、(m)原油生成物の残留物含有量は、原油原料の残留物含有量の30%以下、10%以下又は5%以下である、(n)原油生成物と一緒に、アンモニアが製造される、(o)原油生成物はメタノールを含有し、該方法が更に、原油生成物からメタノールを回収する工程、回収したメタノールを追加の原油原料と組合わせて、追加原油原料/メタノール混合物を形成する工程、及び追加原油原料のTANが1未満となるように、追加原油原料/メタノール混合物を加熱する工程を含む、(p)原油生成物の1種以上の特性が、原油原料の1種以上のそれぞれの特性に比べて、90%以下変化する、(q)接触帯中の全触媒の量が原油原料100g当たり1〜60gの範囲である、及び/又は(r)接触前又は接触中、原油原料に水素供給源を添加する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物と組合わせて、(a)原油原料に実質的に不溶の無機塩触媒を500℃未満の温度で原油原料と接触させる工程、(b)原油原料中で無機塩触媒を撹拌する工程、及び/又は原油原料を、水及び/又は水蒸気の存在下で無機塩触媒と接触させて、STPにおいて液体混合物である原油生成物を含む全生成物を製造する工程を含む接触条件も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明の方法又は組成物と組合わせて、原油原料を無機塩触媒と接触させる工程、及び更に(a)接触前又は接触中、接触帯に水蒸気を供給する工程、(b)原油原料を無機塩触媒及び水素供給源と接触させる前に、原油原料と水とのエマルジョンを形成する工程、(c)原油原料を接触帯中に噴霧する工程、及び/又は(d)水蒸気を無機塩触媒と接触させて、無機塩触媒の表面からコークスを少なくとも一部除去する工程を含む方法も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油原料を無機塩触媒と接触させて、少なくとも一部は蒸気として製造される全生成物を製造する工程、及び25℃、0.101MPaにおいて蒸気の少なくとも一部を凝縮して、原油生成物を形成する工程を更に含み、かつ接触条件を、(a)原油生成物が、選択した沸点範囲分布の成分を更に含有する、及び/又は(b)原油生成物が、選択したAPI比重の成分を含有する、ように制御する方法も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油原料を1種以上の非酸性無機塩触媒と接触させる工程を含む方法も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、(a)遷移金属硫化物の少なくとも1種を、K 3 Fe 10 S 14触媒又は遷移金属硫化物触媒1g当たり0.4g以上、0.6g以上又は0.8g以上含有する、(b)K 3 Fe 10 S 14触媒又は遷移金属硫化物触媒中の遷移金属対硫黄の原子比が、0.2〜20の範囲である、(c)更に、1種以上のアルカリ金属、1種以上のアルカリ金属の1種以上の化合物、又はそれらの混合物を含む、(e)更に、1種以上のアルカリ金属、1種以上のアルカリ金属の1種以上の化合物、又はそれらの混合物を含有すると共に、K 3 Fe 10 S 14触媒又は遷移金属硫化物触媒中の遷移金属対硫黄の原子比が、0.5〜2.5の範囲であり、かつアルカリ金属対遷移金属の原子比が0を超え1以下の範囲である、(f)更に、1種以上のアルカリ土類金属、1種以上のアルカリ土類金属の1種以上の化合物、又はそれらの混合物を含有すると共に、K 3 Fe 10 S 14触媒又は遷移金属硫化物触媒中の遷移金属対硫黄の原子比が、0.5〜2.5の範囲であり、かつアルカリ土類金属対遷移金属の原子比が0を超え1以下の範囲である、(g)更に亜鉛を含有する、(h)更にKfe 2 S 3を含有する、(i)更にKfeS 2を含有する、及び/又は(j)非酸性である、K 3 Fe 10 S 14触媒又は遷移金属硫化物触媒も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、K 3 Fe 10 S 14を現場で形成することも提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、遷移金属硫化物触媒組成物の形成方法も提供する。 この方法は、遷移金属酸化物と金属塩とを混合して、遷移金属酸化物/金属塩混合物を形成する工程、遷移金属酸化物/金属塩混合物を水素と反応させて、中間体を形成する工程、及び中間体を、1種以上の炭化水素の存在下で硫黄と反応させて、遷移金属硫化物触媒を製造する工程を含み、ここで、(a)金属塩はアルカリ金属炭酸塩を含む、(b)中間体を硫黄と反応させながら、中間体を1種以上の液体炭化水素に分散する工程を更に含む、(c)炭化水素の1種以上は、沸点が100℃以上である、(d)炭化水素の1種以上はVGO、キシレン又はそれらの混合物である、(e)遷移金属酸化物と金属塩との混合工程は、脱イオン水の存在下で遷移金属酸化物と金属塩とを混合して、湿潤ペーストを形成する工程、湿潤ペーストを150〜250℃の範囲の温度で乾燥する工程、及び乾燥したペーストを300〜600℃の範囲の温度で焼成する工程を含む、(f)中間体と硫黄との反応工程が、1種以上の炭化水素の存在下で中間体を240〜350℃の範囲の温度に加熱する工程を含む、及び/又は(g)触媒組成物を、硫黄及び水素供給源を含有する原油原料と接触させる工程を更に含む。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、(a)1種以上のアルカリ金属炭酸塩、1種以上のアルカリ土類金属炭酸塩、又はそれらの混合物、(b)1種以上のアルカリ金属水酸化物、1種以上のアルカリ土類金属水酸化物、又はそれらの混合物、(c)1種以上のアルカリ金属水素化物、1種以上のアルカリ土類金属水素化物、又はそれらの混合物、(d)1種以上のアルカリ金属の1種以上の硫化物、1種以上のアルカリ土類金属の1種以上の硫化物、又はそれらの混合物、(e)1種以上のアルカリ金属の1種以上のアミド、1種以上のアルカリ土類金属の1種以上のアミド、又はそれらの混合物、(f)周期表第6〜10欄の1種以上の金属、周期表第6〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物、又はそれらの混合物、(g)1種以上の無機金属塩であって、該無機金属塩の少なくとも1種は触媒の使用中、水素化物を発生する、(h)ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、又はそれらの混合物、(i)カルシウム及び/又はマグネシウム、(j)ナトリウム塩とカリウム塩との混合物であって、カリウム塩は、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水素化カリウム、又はそれらの混合物であり、ナトリウム塩は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、又はそれらの混合物である、及び/又は(k)それらの混合物、を含む。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、アルカリ金属含有無機塩触媒も提供する。 この触媒は、(a)原子番号が11以上のアルカリ金属対原子番号が11を超えるアルカリ金属の原子比が、0.1〜4の範囲である、(b)アルカリ金属の少なくとも2種はナトリウム及びカリウムで、ナトリウム対カリウムの原子比は0.1〜4の範囲である、(c)アルカリ金属の少なくとも3種はナトリウム、カリウム及びルビジウムで、ナトリウム対カリウム、ナトリウム対ルビジウム、及びカリウム対ルビジウムの各原子比は0.1〜5の範囲である、(d)アルカリ金属の少なくとも3種はナトリウム、カリウム及びセシウムで、ナトリウム対カリウム、ナトリウム対セシウム、及びカリウム対セシウムの各原子比は0.1〜5の範囲である、(e)アルカリ金属の少なくとも3種はカリウム、セシウム及びルビジウムで、カリウム対セシウム、カリウム対ルビジウム、及びセシウム対ルビジウムの各原子比は0.1〜5の範囲である。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、支持体材料含有無機塩触媒も提供する。 ここで、(a)支持体材料は、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、ハイドロタルク石、アルミナ、ゲルマニア、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化アンチモン、又はそれらの混合物を含有する、及び/又は(b)支持体材料中に、周期表第6〜10欄の1種以上の金属、周期表第6〜10欄の1種以上の金属の1種以上の化合物、1種以上のアルカリ金属炭酸塩、1種以上のアルカリ金属水酸化物、1種以上のアルカリ金属水素化物、1種以上のアルカリ土類金属炭酸塩、1種以上のアルカリ土類金属水酸化物、1種以上のアルカリ土類金属水素化物、及び/又はそれらの混合物が取込まれている。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油原料を無機塩触媒と接触させる工程を含む方法も提供する。 ここで、(a)無機塩触媒の触媒活性は、硫黄の存在下で実質的に変化しない、及び/又は(b)無機塩触媒は連続的に原油原料に添加する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、(a)発生したガスの変曲点がTAP温度範囲であり、発生ガスは水蒸気及び/又は二酸化炭素を含む、(b)熱転移点〔示差走査熱量測定法(DSC)で測定〕が、1分当たり10℃の加熱速度で200〜500℃、250〜450℃又は400〜500℃の温度範囲にある、(c)DSC温度が200〜500℃又は250〜450℃の範囲である、(d)100℃以上の温度でのX線回折パターンが、100℃未満での該無機塩触媒のX線回折パターンよりも広い、及び/又は(e)状態調節後の300℃でのイオン導電率が、状態調節前の該無機塩触媒のイオン導電率よりも小さい。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、発生した変曲点が、TAPで測定した温度範囲を示し、また接触条件も(a)T 1 (但し、T 1は、該無機塩触媒のTAP温度よりも30℃、20℃又は10℃低い)よりも高い、(b)TAP温度か又はTAP温度よりも高い、及び/又は(c)該無機塩触媒の少なくともTAP温度である、ように制御する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、(a)該無機塩触媒の少なくともTAP温度(無機塩触媒が発生したガス変曲点を示す最低温度)で半液体又は液体であり、少なくともTAP温度では原油原料に実質的に不溶である、(b)50〜500℃の範囲の温度で液相及び固相の混合物である、及び/又は(c)2種の無機塩の少なくとも一方のDSC温度は500℃を超える。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、1000μフィルターを通過可能な粒子形態で試験して、300℃以上の温度に加熱した場合、重力下及び/又は0.007MPa以上の圧力下で自己変形し、その結果、無機塩触媒は、第一形態から第二形態に転位すると共に、無機塩触媒を20℃に冷却すると、第二形態から第一形態に戻ることができない。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、無機塩触媒も提供する。 この触媒は、それぞれ無機塩触媒1g当たり、(a)リチウム又はリチウム化合物を、リチウム重量として計算して、0.01g以下、(b)ハロゲン化物を、ハロゲン重量として計算して、0.001g以下、及び/又はガラス状酸化物化合物を0.001g以下、含有する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油生成物を、全生成物1g当たり0.8g以上含有する全生成物も提供する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、以下の全生成物も提供する。 この全生成物は、(a)残留物を、原油生成物1g当たり0.003g以下、0.02g以下、0.01g以下、0.05g以下、0.001g以下、0.000001〜0.1g、0.00001〜0.05g、又は0.0001〜0.03g含有する、(b)コークスを、原油生成物1g当たり0g以上0.05g以下、0.00001〜0.03g、又は0.0001〜0.01g含有する、(c)オレフィン含有量が、原油原料のオレフィン含有量よりも10%以上多い、(d)全無機塩触媒を、原油生成物1g当たり0gを超え0.01g未満(物質収支により測定)含有する、(e)VGOを、原油生成物1g当たり0.1g以上、0.00001〜0.99g、0.04〜0.9g、0.6〜0.8g含有する、(f)VGOを含有すると共に、該VGOは芳香族を、VGO1g当たり0.3g以上含有する、(g)蒸留物を0.001g又は0.1〜0.5g含有する、(h)H/C原子比が1.4以下である、(i)H/C原子比が原油生成物のH/C原子比に対し90〜110%である、(j)単環式芳香族の含有量が原油生成物の単環式芳香族含有量よりも10%以上多い、(k)キシレン、エチルベンゼン、又はエチルベンゼンの化合物を含む単環式芳香族を含有する、(l)それぞれ原油生成物1g当たりトルエンを0.05〜0.15g、m−キシレンを0.3〜0.9g、o−キシレンを0.5〜0.15g、p−キシレンを0.2〜0.6g含有する、(m)ディーゼル油を0.0001g以上、又は0.01〜0.5g含有する、(n)ディーゼル油を含有すると共に、該ディーゼル油は芳香族をディーゼル油1g当たり0.3g以上含有する、(o)ケロシンを0.001g以上、又は0gを超え0.7g以下、又は0.001〜0.5g含有する、(p)ケロシンを含有すると共に、該ケロシンは芳香族をケロシン1g当たり0.2g以上又は0.5g以上含有し、及び/又は凍結点が−30以下、−40以下、又は−50以下の温度である、(q)ナフサを0.001g以上、又は0.5g以上含有する、(r)ナフサを含有すると共に、該ナフサはベンゼンをナフサ1g当たり0.01g以下、0.05g以下、又は0.002g以下含有し、オクタン価が70以上、80以上、又は90以上であり、及び/又はナフサ中に、イソパラフィン及びn−パラフィンをイソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下含有する、及び/又は(s)容積が原油原料の容積よりも10%以上大きい。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、原油原料を触媒と接触させて、原油生成物を含む残生成物を形成する工程を含む方法も提供する。 この方法は更に、(a)原油生成物を原油原料と同じか又は異なる原油と配合して、輸送用に好適なブレンドを形成する工程、(b)原油生成物を原油原料と同じか又は異なる原油と配合して、処理設備用に好適なブレンドを形成する工程、(c)原油生成物を分別する工程、(d)原油生成物を1種以上の蒸留物フラクションに分留し、次いで蒸留物フラクションの少なくとも1種から輸送用燃料を製造する工程、及び/又は(e)触媒が遷移金属硫化物触媒であれば、遷移金属硫化物触媒を処理して、該触媒から金属を回収する工程、を含む。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、以下の原油生成物も提供する。 この原油生成物は、それぞれ原油生成物1g当たり(a)VGOを0.001g以上含有すると共に、該VGOは芳香族を、VGO 1g当たり0.3g以上含有する、(b)ディーゼル油を0.001g以上含有すると共に、該ディーゼル油は芳香族を、ディーゼル油1g当たり0.3g以上含有する、(c)ナフサを0.001g以上含有すると共に、該ナフサはベンゼンをナフサ1g当たり0.5g以下含有し、ナフサのオクタン価は70以上であり、及び/又はナフサは、イソパラフィン及びn−パラフィンをイソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下含有する、(d)沸点範囲分布が204℃(400°F)以下である複数成分の混合物を合計0.001g以上含有すると共に、該混合物はオレフィンを、混合物1g当たり0.15g以下含有する、(e)組成物中の水素原子対炭素原子の重量比が1.75以下又は1.8以下である、(f)ケロシンを0.001g以上含有すると共に、該ケロシンは芳香族をケロシン1g当たり0.5g以上含有し、及び/又はケロシンの凍結点は、−30℃以下の温度である、(g)組成物1g当たり水素原子(atomic hydrogen)を0.09〜0.13g含有する(h)非凝縮性炭化水素ガス及びナフサを含有すると共に、該非凝縮性炭化水素ガス及びナフサの組合わせ中にオレフィンを、該組合わせ1g当たり0.15g以下含有する、(i)非凝縮性炭化水素ガス及びナフサを含有すると共に、該非凝縮性炭化水素ガス及びナフサの組合わせ中にイソパラフィン及びn−パラフィンをイソパラフィン対n−パラフィンの重量比で1.4以下含有する、(j)炭素数3以下の炭化水素を含有すると共に、該炭化水素は各々炭素数2(C 2 )及び3(C 3 )のオレフィン及びパラフィンを、C 2及びC 3のオレフィンの組合わせ対C 2及びC 3のパラフィンの組合わせの重量比で0.3以下含有し、各々炭素数2(C 2 )のオレフィン及びパラフィンをC 2オレフィン対C 2パラフィンの重量比で0.2以下含有し、及び/又は各々炭素数3(C 3 )のオレフィン及びパラフィンをC 3オレフィン対C 3パラフィンの重量比で0.3以下含有する、(k)ブタジエン含有量が0.005g以上である、(l)API比重が15.5で15〜30の範囲である、(m)合計Ni/V/Feを組成物1g当たり0.00001g以下含有する、(n)沸点範囲分布が204以下の炭化水素のパラフィン含有量は、0.7〜0.98gの範囲である、(o)オレフィン1g当たり、沸点範囲分布が204以下の炭化水素を有する沸点範囲分布が204以下の炭化水素は、オレフィンを0.001〜0.5g含有する、(p)オレフィンを含有する沸点範囲分布が204以下の炭化水素を含有すると共に、該オレフィンは、末端オレフィンをオレフィン1g当たり0.001g以上含有する、(q)オレフィンを含有する沸点範囲分布が204以下の炭化水素を含有すると共に、該オレフィンの末端オレフィン対内部オレフィンのモル比は0.4以上である、及び/又は(r)沸点範囲分布が20〜204の炭化水素1g当たりオレフィンを0.001〜0.5g含有する。 幾つかの実施態様では本発明は、本発明方法又は組成物の1つ以上と組合わせて、以下の原油生成物も提供する。 この原油生成物は、1種以上のアルカリ金属を含有する触媒の少なくとも1種を含有し、ここで(a)アルカリ金属の少なくとも1種は、カリウム、ルビジウム、セシウム又はそれらの混合物である、及び/又は(b)触媒の少なくとも1種は、更に遷移金属、遷移金属硫化物及び/又はバートナイト(bartonite)を含有する。 図面の簡単な説明本発明の利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照して、当業者に明かとなろう。 図6は、多数接触システムの一実施態様の概略図である。 図8は、原油原料の特性、及び原油原料を遷移金属硫化物触媒と接触させる一実施態様で得られた原油生成物の特性を示す表である。 図10は、原油原料を遷移金属硫化物触媒と接触させる実施態様で得られた原油生成物の特性及び組成を示す表である。 図12は、無機塩触媒及び無機塩の抵抗を炭酸カリウムの抵抗と比較して、温度について対数プロットしたグラフである。 図13は、Na 2 Co 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3触媒の抵抗を炭酸カリウムの抵抗と比較して、温度について対数プロットしたグラフである。 図14は、原油原料を無機塩触媒と接触させる実施態様で生成したコークス、液体炭化水素及びガスの各種水素供給源に対する重量割合(%)を示すグラフである。 図15は、原油原料を無機塩触媒と接触させる実施態様で製造した原油生成物の炭素数に対する重量割合(%)を示すグラフである。 図16は、原油原料を無機塩触媒、金属塩又は炭化硅素と接触させる実施態様で生成した成分を示す表である。 発明の詳細な説明ここで、本発明の特定の実施態様を詳細に説明する。 ここで使用した用語は以下のように定義する。 “AMU”とは、原子質量単位を言う。 “ビチュメン”とは、炭化水素の形成で生成した及び/又は乾留(retort)した原油の1種を言う。 “ブレンステッド−ローリー塩基”とは、他の分子実体(entirety)からプロトンを受入れできる分子実体を言う。 ブレンステッド−ローリー塩基の令としては、ヒドロキシド(OH - )、水(H 2 O)、カルボキシレート(RCO 2 - )、ハロゲン化物(Br - 、Cl - 、F - 、I - )、バイサルフェート(HSO 4 - )、及びサルフェート(HSO 4 2- )が挙げられる。 “含有量”とは、基質(例えば原油原料、全生成物、又は原油生成物)中の成分の重量を、基質の全重量に対する重量分率又は重量割合(%)で表したものを言う。 “重量ppm”とは、百万重量部当たりの重量部を言う。 “凍結点”とは、液体中に結晶性粒子の形成が起る温度を言う。 “ヘテロ原子”とは、炭化水素の分子構造中に含まれる酸素、窒素及び/又は硫黄を言う。 ヘテロ原子の含有量は、酸素についてはASTM法E385、窒素については同D5762、硫黄については同D4294で測定する。 “無機塩”とは、金属カチオン及びアニオンで構成される化合物を言う。 “ルイス酸”とは、他の化合物から1つ以上の電子を受入れる能力を有する化合物又は材料を言う。 “液体混合物”とは、標準温度及び圧力(25℃、0.101MPa;以下、“STP”と言う)において液体である1種以上の化合物を含む組成物、又はSTPにおいて液体である1種以上の化合物とSTPにおいて固体である1種以上の化合物との組合わせを含む組成物を言う。 “ナフサ”とは、0.101MPaにおいて38℃_204(100〜400ーF)の沸点範囲分布を有する炭化水素成分を言う。 ナフサ含有量は、ASTM法D2887で測定する。 “Nm 3 /m 3 ”とは、原油原料1m 3当たりガスの標準m 3を言う。 “n−パラフィン”とは、ノーマル(直鎖)飽和炭化水素を言う。 “周期表”とは、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)で2003年11月に規定された周期表を言う。 “半液体”とは、物質の液相及び固相の特性を有する物質の相を言う。 半液体無機塩触媒の例としては、例えばタフィー(taffy)、ドウ又は練り歯磨きの稠度を有するスラリー及び/又は相が挙げられる。 “TAP”とは、生成物の時間(temporal)分析を言う。 原油は、炭化水素含有配合物から製造及び/又は乾留(retort)し、次いで安定化してよい。 原油は生原油(crude oil)を含有してよい。 原油は、一般に固体、半固体、及び/又は液体である。 安定化法としては、限定されるものではないが、原油から非凝縮性ガス、水、塩又はそれらの組合わせを除去して、安定化原油を形成する方法が挙げられる。 このような安定化は、多くの場合、製造及び/又は乾留場所又はその近辺で行ってよい。 安定化原油は、通常、特定の沸点範囲分布を有する複数の成分(例えばナフサ、蒸留物、VGO、及び/又は潤滑油)を製造するために、処理設備で蒸留又は精留を行っていない。 蒸留法としては、限定されるものではないが、常圧蒸留法及び/又は真空蒸留法が挙げられる。 未蒸留及び/又は非精留安定化原油は、炭素数が5以上の成分を、原油1g当たり0.5g以上の量で含有してよい。 安定化原油の例としては、原油全体、トッピング済み(topped)原油、脱塩原油、トッピング済み脱塩原油、又はそれらの組合わせが挙げられる。 “トッピング済み”とは、0.101MPaにおいて35℃未満の沸点を有する複数成分の少なくとも幾つかの成分が除去されるように、処理した原油を言う。 通常、トッピング済み原油は、これらの成分を、トッピング済み原油1g当たり0.1g以下、0.05g以下又は0.02g以下含有する。 幾つかの安定化原油は、輸送キャリヤー(例えばパイプライン、トラック又は船舶)により従来の処理設備に輸送可能な特性を有する。 その他の原油は、不利になる不適当な特性を1つ以上有する。 不利な原油は、輸送キャリヤー及び/又は処理設備に受入れ不能かも知れず、したがって、不利な原油に与える経済的価値は低い。 この経済的価値は、不利な原油を含むリザーバーが製造、輸送及び/又は処理にコストがかかり過ぎるとみなされるような価値であるかも知れない。 不利な原油の特性としては、限定されるものではないが、(a)TANが0.5以上、b)粘度が0.2Pa・s以上、c)API比重が19以下、d)合計Ni/V/Fe含有量が原油1g当たり0.00005g以上又は0.0001g以上、e)合計ヘテロ原子含有量が原油1g当たり0.005g以上、(f)残留物含有量が原油1g当たり0.01g以上、g)アスファルテン含有量が原油1g当たり0.04g以上、h)MCR含有量が原油1g当たり0.02g以上、又はi)それらの組合わせが挙げられる。 幾つかの実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、残留物を0.2g以上、0.3g以上、0.5g以上又は0.9g以上含有するかも知れない。 特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、残留物を0.2〜0.99g、0.3〜0.9g、0.4〜0.7含有するかも知れない。 特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、硫黄を0.001g以上、0.005g以上、0.01g以上又は0.02g以上含有してよい。 不利な原油は、或る沸点範囲にある複数の炭化水素の混合物を含有してよい。 幾つかの実施態様では不利な原油は、高沸点成分の他に、該原油1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて200℃以下の炭化水素を0.001g以上、0.005g以上又は0.01g以上含有してよい。 通常、不利な原油は、このような炭化水素を、該原油1g当たり0.2g以下、又は0.1g以下有する。 特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、沸点範囲分布が300℃以上の炭化水素を0.9g以下、又は0.99g以下含有してよい。 特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、沸点範囲分布が650℃以上の炭化水素を0.001g以上含有してよい。 特定の実施態様では不利な原油は、該原油1g当たり、沸点範囲分布が300〜1000℃の炭化水素を0.9g以下、又は0.99g以下含有してよい。 ここで説明した方法で処理してよい不利な原油の例としては、限定されるものではないが、以下の国及び地域:カナダのAlberta、ベネゼラのOrinoco、米国の南カリフォルニア、北流域(slope)アラスカ、メキシコCampeche湾、米国のSan Jorge流域(basin)、ブラジルのSanos及びCampos流域、中国のBohai湾、イラクのZagros、カザフスタンのCaspian、ナイジェリアの沖合、英国の北海、マダガスカル北西部、及びオランダのSchonebekが挙げられる。 不利な原油を処理すると、輸送用及び/又は処理用に受入れできるように、特性を向上する可能性がある。 処理すべき原油及び/又は不利な原油は、ここでは“原油原料”と言う。 原油原料は、ここで説明したようにトッピングしてよい。 原油原料の処理で得られる原油生成物は、輸送及び/又は精製用に好適である。 原油生成物の特性は、原油原料よりもWest Texas Intermediate原油の対応する特性に近いか、或いはBrent原油の対応する特性に近いので、原油原料に比べて経済的価値が高まる。 このような原油生成物は、予備処理を少なくするか、予備処理しないで、精製できるので、精製効率が高まる。 予備処理には、不純物を除去するための、脱硫、脱金属及び/又は大気圧蒸留を含んでよい。 本発明による原油原料の接触法法をここで説明する。 更に、従来法では一般に製造されない各種濃度のナフサ、ケロシン、ディーゼル油及び/又はVGOを含む生成物を製造する実施態様を説明する。 幾つかの実施態様では水素供給源は現場で発生させる。 水素供給源の現場発生には、水素及び/又は軽質炭化水素を形成するため、原油原料の少なくとも一部と無機塩触媒との200〜500℃、又は300〜400℃の範囲の温度での反応を含んでよい。 水素の現場発生には、原油原料の少なくとも一部と、例えば蟻酸アルカリ金属塩のような無機塩触媒との反応を含んでよい。 全生成物は一般に、接触中に生成した、ガス、蒸気、液体又はそれらの混合物を含有する。 全生成物は、STPにおいて液体混合物である原油生成物と、幾つかの実施態様では、STPにおいて凝縮性のない炭化水素とを含有する。 幾つかの実施態様では全生成物及び/又は原油生成物は、固体(例えば無機固体及び/又はコークス)を含有してよい。 特定の実施態様では、これらの固体は、接触中に生成した、液体及び/又は蒸気中に同伴されてもよい。 接触帯は、通常、反応器、反応器の一部、反応器の多数部分、又は多数反応器を有する。 触媒の存在下で原油原料を水素供給源と接触させるために使用できる反応器の例としては、積み重ね床反応器、固定床反応器、連続撹拌槽反応器(CSTR)、噴霧反応器、閉塞流反応器、及び液/液接触器が挙げられる。 CSTRの例としては、流動床反応器及び沸騰床反応器がある。 接触温度は、200〜800℃、300〜700℃、又は400〜600℃の範囲であってよい。 水素供給源をガス(例えば水素ガス、メタン又はエタン)として供給する実施態様では、ガス対原油原料の比は、通常、1〜16,100Nm 3 /m 3 、2〜8000Nm 3 /m 3 、3〜4000Nm 3 /m 3 、又は5〜300Nm 3 /m 3の範囲である。 接触は、通常、0.1〜20MPa、1〜16MPa、2〜10MPa、4〜8MPaの範囲の圧力で行う。 水蒸気を添加する実施態様では、水蒸気対原油原料比は、原油原料1kg当たり、水蒸気0.01〜3kg、0.03〜2.5kg、又は0.1〜1kgの範囲である。 原油原料の流速は、接触帯の全容積に対し、接触帯中の原油原料量を10%以上、50%以上又は90%以上維持するのに十分な速度であってよい。 通常、接触帯中の原油原料の容積は、接触帯の全容積の40%、60%又は80%である。 幾つかの実施態様では接触は、別のガス、例えばアルゴン、窒素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、プロペン、ブテン又はそれらの組合わせの存在下で行ってよい。 図1は、全生成物を蒸気として製造するのに使用される接触システム100の一実施態様の概略図である。 原油原料は原油原料供給部101を出て、導管104経由で接触帯102に入る。 接触帯中の触媒の使用量は、接触帯中の原油原料100g当たり1〜100g、2〜80g、3〜70g、又は4〜60gの範囲でよい。 特定の実施態様では、原油原料の粘度を低下させるため、原油原料に希釈剤を添加してよい。 幾つかの実施態様では原油原料は、導管104経由で接触帯102の塔底部に入る。 特定の実施態様では原油原料は、接触帯102に導入する前、及び/又は導入中、100以上又は300以上の温度に加熱してよい。 通常、原油原料は100〜500又は200〜400の範囲の温度に加熱してよい。 幾つかの実施態様では触媒は、原油原料と組合わせて、接触帯102に移送してよい。 この原油原料/触媒混合物は、接触帯102に導入する前に、100℃以上又は300℃以上の温度に加熱してよい。 通常、原油原料は200〜500℃又は300〜400℃の範囲の温度に加熱してよい。 幾つかの実施態様では原油原料/触媒混合物はスラリーである。 特定の実施態様では原油原料のTANは、原油原料を接触帯に入れる前に、低下させてもよい。 例えば原油原料を100〜400℃又は200〜300℃の範囲の温度に加熱した場合、原油原料中に酸性成分のアルカリ金属が形成されてもよい。 アルカリ金属が形成されると、原油原料から若干の酸性成分が除去されて、原油原料のTANが低下できる。 幾つかの実施態様では原油原料は、接触帯102に連続的に添加される。 接触帯102での混合は、原油原料/触媒混合物から触媒が分離するのを防止するのに十分な混合であってよい。 特定の実施態様では、触媒の少なくとも一部は、接触帯102から取り出してよく、また幾つかの実施態様では、このような触媒は再生し再利用される。 特定の実施態様では新しい触媒を反応工程中、接触帯102に添加してよい。 幾つかの実施態様では原油原料及び/又は原油原料と無機塩触媒との混合物は、エマルジョンとして接触帯中に導入される。 エマルジョンは、無機塩触媒/水混合物を原油原料/界面活性剤混合物と配合して製造できる。 幾つかの実施態様ではエマルジョンに安定剤を添加する。 エマルジョンは、2日以上、4日以上、又は7日以上安定のままかも知れない。 通常、エマルジョンは、30日間、10日間、5日間、又は3日間安定のままかも知れない。 界面活性剤としては、限定されるものではないが、有機ポリカルボン酸(Tenax 2010; Mead Westvaco Specialty Product Group; Charleston, South California, USA)、C 21ジカルボキシ脂肪酸(DIACID 1550; Mead Westvaco Specialty Product Group)、石油スルホネート(Hostapur SAS 30; Clarient Corporation, Charriote, North Carolina, USA)、Tergital NP-40界面活性剤(Union Carbide; Danbury, Connecticut, US,A.)又はそれらの混合物が挙げられる。 安定剤としては、限定されるものではないが、ジエチレンアミン(Aldrich Chemical Co.; Milwaukeee, Wisconsin, USA)及び/又はモノエタノールアミン(JT Baker;Phillipsburg. New jersey, USA)が挙げられる。 再循環導管106は、導管108及び導管104に連結してよい。 一実施態様では、再循環導管106は、直接、接触帯102に入れ、及び/又は出てもよい。 再循環導管106は、流れ制御バルブ110を備えてよい。 流れ制御バルブ110は、導管108からの材料の少なくとも一部を導管104及び/又は接触帯102に再循環させることができる。 幾つかの実施態様では、導管102内に凝縮ユニットを配置して、材料の少なくとも一部を凝縮して接触帯102に再循環させてもよい。 特定の実施態様では再循環導管106は、ガス再循環ラインであってよい。 流れ制御バルブ110、110'を使用して、接触帯102中で液体が一定量維持されるように、接触帯102に出入りする流れを制御してよい。 幾つかの実施態様では実質的に選択した量範囲の液体が接触帯102中で維持できる。 接触帯102中の原料の容積は、標準の計器を用いてモニターしてよい。 ガス入り口112は、原油原料が接触帯102に入る際、原油原料に水素供給源及び/又は追加のガスを添加するのに使用してよい。 幾つかの実施態様では、水蒸気入口114は、原油原料に水蒸気を添加するのに使用してよい。 特定の実施態様では、水蒸気入口114から水性流が接触帯102中に導入される。 幾つかの実施態様では全生成物の少なくとも一部は、接触帯102から蒸気として製造される。 特定の実施態様では全生成物は、接触帯102の塔頂から蒸気及び/又は少量の液体及び固体を含む蒸気として製造される。 蒸気は導管108経由で分離帯116に搬送される。 接触帯102中の水素供給源対原油原料比及び/又は接触帯中の圧力は、接触帯102の塔頂で生成した蒸気及び/又は液体相を制御するため、変化させてよい。 幾つかの実施態様では、接触帯102の塔頂で生成した蒸気は、原油生成物を原油原料1g当たり0.5g以上、0.8g以上、0.9g以上、又は0.97g以上含有する。 特定の実施態様では接触帯102の塔頂で生成した蒸気は、原油生成物を原油原料1g当たり0.8〜0.99g、又は0.9〜0.98g含有する。 分離ユニット116では蒸気は、標準の分離法で冷却、分離されて、原油生成物及びガスが形成される。 原油生成物は分離ユニット116を出て、導管118経由で原油生成物受け器119に入る。 得られた原油生成物は、輸送用及び/又は処理用に好適かも知れない。 原油生成物受け器119は、1つ以上のパイプライン、1つ以上の貯蔵ユニット、1つ以上の輸送容器、又はそれらの組合わせを備える。 幾つかの実施態様では分離したガス(例えば水素、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、又はメタン)は、他の処理ユニット(例えば燃料電池用又は硫黄回収プラント用)に搬送され、及び/又は導管120経由で接触帯102に再循環される。 特定の実施態様では、原油生成物中に同伴する固体及び/又は液体は、標準の物理的分離法(例えば濾過、遠心、又は膜分離)を用いて除去してよい。 図2は、原油原料を1種以上の触媒で処理して、液体、或いはガス又は固体と混合した液体であってよい全生成物を製造するための接触システム122を示す。 原油原料は、導管104経由で接触帯102に入ってよい。 幾つかの実施態様では原油原料は、原油原料供給部から受ける。 導管104は、ガス入口112を備えてよい。 幾つかの実施態様では水蒸気入口114は、接触帯102に蒸気を直接、入れてよい。 特定の実施態様では、水蒸気入口114は、接触帯102に水蒸気を添加するのに使用してよい。 原油原料は全生成物を製造するため、接触帯102中の触媒と接触させてよい。 幾つかの実施態様では、導管106は全生成物の少なくとも一部を接触帯102に再循環させる。 全生成物及び/又は固体及び/又は未反応原油原料を含む混合物は、接触帯102を出て、導管108経由で分離帯124に入る。 幾つかの実施態様では凝縮ユニットを配置して(例えば導管106内に)、導管中の混合物の少なくとも一部を凝縮し、更に処理するため、接触帯102に再循環してよい。 特定の実施態様では再循環導管106は、ガス再循環ラインであってよい。 幾つかの実施態様では導管108は全生成物から粒子を除去するためフィルターを備えてよい。 分離帯124では、原油生成物の少なくとも一部は全生成物及び/又は触媒から分離してよい。 全生成物が固体を含む実施態様では、固体は標準の固体分離技術(例えば遠心、浄過、デカンテーション、膜分離)を用いて全生成物から分離してよい。 固体は、例えば触媒、使用済み触媒、及び/又はコークスの組合わせを含む。 幾つかの実施態様では全生成物からガスの一部が分離される。 幾つかの実施態様では全生成物の少なくとも一部及び/又は固体は導管104、及び/又は幾つかの実施態様では導管126経由で接触帯102に再循環してよい。 再循環部分は、例えば原油原料と組合わせて、更に処理するため、接触帯102に入れてよい。 原油生成物は、導管128経由で分離帯124を出てよい。 特定の実施態様では、原油生成物は原油生成物受け器に搬送してよい。 幾つかの実施態様では、全生成物及び/又は原油生成物は触媒の少なくとも一部を含有してよい。 全生成物及び/又は原油生成物中に同伴するガスは、標準の気/液分離技術、例えばスパージング(sparging)、膜分離及び減圧を用いて分離してよい。 幾つかの実施態様では、分離したガスは他のユニット(例えば燃料電池用、硫黄回収プラント、その他の処理ユニット、又はそれらの組合わせ)に搬送し、及び/又は接触帯に再循環する。 幾つかの実施態様では原油原料の少なくとも一部の分離は、原油原料が接触帯に入る前に行われる。 図3は、接触システムと組合わせた分離帯の一実施態様の概略図である。 接触システム130は、接触システム100及び/又は接触システム122(図1、2に示す)であってよい。 原油原料は導管104経由で分離帯132に入る。 分離帯132では原油原料の少なくとも一部が標準分離技術を用いて分離され、分離した原油原料及び炭化水素を生成する。 分離原油原料は、幾つかの実施態様では、沸点範囲分布が100℃以上、120℃以上の成分又は幾つかの実施態様では沸点範囲分布が200℃以上の成分の混合物を含有する。 通常、分離した原油原料は、沸点範囲分布が100〜1000℃、120〜900℃又は200〜800℃の成分の混合物を含む。 原油原料から分離した炭化水素は導管134経由で分離帯132を出て、他の処理ユニット、処理設備、貯蔵設備又はそれらの組合わせに搬送される。 分離原油原料の少なくとも一部は、分離帯132を出て、導管136経由で接触システム130に入り、更に処理されて原油生成物を生成する。 原油生成物は導管138経由で接触帯130を出る。 図4は配合帯140と接触帯130とを組合わせた一実施態様の概略図である。 特定の実施態様では、原油生成物の少なくとも一部は、導管138経由で接触帯138を出て、配合帯140に入る。 配合帯140では、原油生成物の少なくとも一部は、1種以上のプロセス流(例えば1種以上の原油原料、又はナフサの分離で生成した炭化水素流)、原油、原油原料又はそれらの組合わせと配合して、ブレンド生成物を製造する。 プロセス流、原油、原油原料又はそれらの組合わせは、配合帯140に直接、又は導管142経由で配合帯の上流に導入される。 混合システムは配合帯140内又は近くに配置してよい。 ブレンド生成物は特定の製品規格に適合する可能性がある。 特定の製品規格としては、限定されるものではないが、API比重、TNA、粘度又はそれらの組合わせ特性、の範囲又は限界が挙げられる。 幾つかの実施態様では、触媒を使用する触媒工程中、メタノールが発生する。 例えば水素と一酸化炭素とを反応させると、メタノールを生成する可能性がある。 回収したメタノールは、溶解した塩、例えば水酸化カリウムを含有する可能性がある。 回収したメタノールは、追加の原油原料と組合わせて、原油原料/メタノール混合物を形成してよい。 メタノールを原油原料と組合わせると、原油生成物の粘度は低下する傾向がある。 原油原料/メタノール混合物を500℃以下に加熱すると、原油原料のTANは1未満に低下する可能性がある。 図5は配合帯と接触システムとの組合わせに分離帯を組合わせた一実施態様の概略図である。 原油原料は導管104から分離帯132に入る。 原油原料は、前述のように分離され、分離した原油原料を形成する。 分離した原油原料は導管136から接触帯130に入る。 原油生成物は接触帯130を出て、導管138から配合帯140に入る。 配合帯140では導管142経由で導入された他のプロセス流及び/又は原油は、原油生成物と組合わせて、ブレンド生成物を形成する。 ブレンド生成物は、導管144経由で配合帯140を出る。 図6は、多数接触システム146の概略図である。 接触帯100(図1に示す)は、接触システム148の前に配置してよい。 代りの実施態様では、接触システムの位置は逆にできる。 接触システム100は無機塩触媒を含有する。 接触システム148は1種以上の触媒を含有してよい。 接触システム148中の触媒は、追加の無機塩触媒、遷移金属硫化物触媒、市販の触媒又はそれらの混合物であってよい。 原油原料は導管104経由で接触帯100に入り、無機塩触媒の存在下で水素源と接触し、全生成物を生成する。 全生成物は水素及び幾つかの実施態様では、原油生成物を含有する。 全生成物は、導管108経由で接触システム100を出てよい。 無機塩と原油原料との接触で発生した水素は、接触システム148用の水素源として使用してよい。 発生水素ガスの少なくとも一部は、導管150経由で接触システム100から接触システム148に移送される。 代りの実施態様では、このように発生した水素は、分離及び/又は処理し、次いで導管150経由で接触システム148に移送してよい。 特定の実施態様では接触システム148は、発生した水素が直接、接触システム100から接触システム148に流れるように、接触システム100の一部であってよい。 幾つかの実施態様では、接触システム100で生成した蒸気流は、接触システム148に入る原油原料と直接、混合される。 第二原油原料は、導管152経由で接触システム148に入る。 接触システム148では、この原油原料と発生した水素の少なくとも一部及び触媒との接触により、生成物が生成する。 幾つかの実施態様では、この生成物は全生成物である。 この生成物は導管154経由で接触システム148を出る。 幾つかの実施態様では原油生成物及び/又はブレンド生成物は、製油所及び/又は処理設備に搬送される。 原油生成物及び/又はブレンド生成物は、輸送用燃料、加熱用燃料、潤滑剤、又は化学薬品のような工業製品を製造するため、処理してよい。 処理には、1種以上の蒸留物フラクションを製造するため、原油生成物及び/又はブレンド生成物の蒸留及び/又は分別蒸留を含んでよい。 幾つかの実施態様では、原油生成物、ブレンド生成物及び/又は1種以上の蒸留物フラクションは水素化処理してよい。 幾つかの実施態様では全生成物は、コークスを全生成物1g当り0.05g以下、0.03g以下、又は0.01g以下含有する。 特定の実施態様では全生成物は、実質的にコークスを含有しない(即ち、コークスは検出できない)。 幾つかの実施態様では原油生成物は、コークスを原油生成物1g当り0.05g以下、0.03g以下、0.01g以下、0.005g以下、又は0.003g以下含有する。 特定の実施態様では全生成物のコークス含有量は、原油生成物1g当り0gを超え0.05g以下、0.00001〜0.03g、0.0001〜0.01g、又は0.001〜0.005gの範囲であるか、検出できない。 特定の実施態様では原油生成物のMCR含有量は、原油原料のMCR含有量の90%以下、80%以下、50%以下、30%以下又は10%以下である。 幾つかの実施態様では、原油生成物のMCR含有量は無視できる。 幾つかの実施態様ではMCRを、原油生成物1g当り0.05g以下、0.03g以下、0.01g以下又は0.001g以下含有する。 通常、原油生成物はMCRを原油生成物1g当り0gから0.04g以下、0.000001〜0.03g、又は0.00001〜0.01g含有する。 幾つかの実施態様では全生成物は非凝縮性ガスを含有する。 非凝縮性ガスとしては、限定されるものではないが、通常、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、水素、一酸化炭素、メタン、その他、STPで凝縮性のない炭化水素、又はそれらの混合物が挙げられる。 特定の実施態様では、水素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素又はそれらの組合わせは、水蒸気及び軽質炭化水素と無機塩触媒との接触により現場で形成できる。 通常、熱力学的条件では、一酸化炭素対二酸化炭素のモル比は0.07である。 幾つかの実施態様では、発生した一酸化炭素対発生した二酸化炭素のモル比は、0.3以上、0.5以上又は0.7以上である。 幾つかの実施態様では発生した一酸化炭素対発生した二酸化炭素のモル比は、0.3〜1.0、0.4〜0.9、又は0.5〜0.8の範囲である。 現場で二酸化炭素よりも優先的に一酸化炭素を発生する能力は、プロセスに近い領域又はプロセスの上流に配置した他のプロセスに有益かも知れない。 例えば発生した一酸化炭素は、炭化水素地層(formation)の処理又は他のプロセス、例えば合成ガスプロセスの処理に還元剤として使用してよい。 幾つかの実施態様では、ここで製造された全生成物は、沸点範囲分布が−10〜538℃の化合物の混合物を含有してよい。 混合物は、C 4炭化水素を混合物1g当り0.001〜0.8g、0.003〜0.1g、又は0.005〜0.01g含有してよい。 C 4炭化水素は、ブタジエンをC 4炭化水素1g当り0.001〜0.8g、0.003〜0.1g、0.005〜0.01g含有してよい。 幾つかの実施態様では、イソパラフィンがn−パラフィンに対する重量比1.5以下、1.4以下、1.0以下、0.8以下、0.3以下又は0.1以下で生成する。 特定の実施態様では、イソパラフィンがn−パラフィンに対する重量比0.00001〜1.5、0.0001〜1.0、又は0.001〜0.1の範囲で生成する。 パラフィンはイソパラフィン及び/又はn−パラフィンを含有してよい。 幾つかの実施態様では全生成物及び/又は原油生成物は、地層から生成及び/又は乾留した原油中に一般に見られる比率又は量でオレフィン及び/又はパラフィンを含有してよい。 オレフィンは末端二重結合を有するオレフィン(“α−オレフィン”)と内部二重結合を有するオレフィンとの混合物を含有する。 特定の実施態様では原油生成物中のオレフィン含有量は、原油のオレフィン含有量の2,10,50,100、又は少なくとも200のファクターだけ多い。 幾つかの実施態様では原油生成物のオレフィン含有量は、原油原料のオレフィン含有量の1,000以下、500以下、300以下、又は250以下のファクターだけ多い。 特定の実施態様では、沸点範囲分布20〜400℃の炭化水素のオレフィン含有量は、該炭化水素1g当たり0.00001〜0.1g、0.0001〜0.05g、又は0.01〜0.04gの範囲である。 幾つかの実施態様ではα−オレフィンが、原油生成物1g当たり0.001g以上、0.005g以上、又は0.01g以上生成する可能性がある。 特定の実施態様では原油生成物は、α−オレフィンを原油生成物1g当たり0.0001〜0.5g、0.001〜0.2g、又は0.01〜0.1g含有する。 特定の実施態様では、沸点範囲分布20〜400℃の炭化水素のα−オレフィン含有量は、該炭化水素1g当たり0.0001〜0.08g、0.001〜0.05g、又は0.01〜0.04gの範囲である。 幾つかの実施態様では、沸点範囲分布が20〜204℃の炭化水素は、α−オレフィン対内部二重結合オレフィンの重量比が0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.4以上、又は1.5g以上である。 幾つかの実施態では沸点範囲分布が20〜204℃の炭化水素のα−オレフィン対内部二重結合オレフィンの重量比は、0.7〜10、0.8〜5.0、0.9〜3、又は1〜2の範囲である。 原油及び市販製品のα−オレフィン対内部二重結合オレフィンの重量比は、通常、0.5以下である。 内部二重結合オレフィンに対しα−オレフィンを多く製造する能力により、原油生成物の市販製品への転化が容易になる可能性がある。 幾つかの実施態様では、無機塩触媒の存在下で原油原料を水素供給源と接触させると、線状オレフィンを含む沸点範囲分布が20〜204℃の炭化水素が生成する可能性がある。 線状オレフィンは、シス及びトランス二重結合を有する。 トランス二重結合を有する線状オレフィン対シス二重結合を有する線状オレフィンの重量比は、0.4以下、1.0以下、又は1.4以下である。 特定の実施態様では、トランス二重結合を有する線状オレフィン対シス二重結合を有する線状オレフィンの重量比は、0.001〜1.4、0.01〜1.0、又は0.1〜0.4の範囲である。 特定の実施態様では、沸点範囲分布が20〜204℃の炭化水素は、n−パラフィン含有量が該炭化水素1g当たり0.1g以上、0.15g以上、0.20g以上、又は0.30g以上である。 このような炭化水素のn−パラフィン含有量は、0.001〜1.9g、0.1〜0.8g、又は0.2〜0.5gの範囲である。 幾つかの実施態様ではイソパラフィン対n−パラフィンの重量比は、1.5以下、1.4以下、1.0以下、0.8以下、又は0.3以下である。 このような炭化水素中のn−パラフィン含有量から、原油生成物のn−パラフィン含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.9g、0.01〜0.8g、又は0.1〜0.5gの範囲であると推定してよい。 幾つかの実施態様では、原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量は、原油原料のNi/V/Fe含有量に対し90%以下、50%以下、10%以下、5%以下、又は3%以下である。 特定の実施態様では原油生成物は、Ni/V/Feを原油生成物1g当たり0.0001g以下、1ラ10 −5 g以下、又は1ラ10 −6 g以下含有する。 特定の実施態様では原油生成物の合計Ni/V/Fe含有量は、原油生成物1g当たり1ラ10 −7 〜5ラ10 −5 g、3ラ10 −7 〜2ラ10 −5 g、又は1ラ10 −6 〜1ラ10 −5 gの範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物のTANは、原油原料のTANに対し90%以下、50%以下、又は10%以下である。 特定の実施態様では原油生成物のTANは、1以下、0.5以下、0.1以下、0.05以下であってよい。 幾つかの実施態様では原油生成物のTANは、0.001〜0.5、0.01〜0.2、又は0.05〜0.1の範囲であってよい。 幾つかの実施態様では原油生成物の合計ヘテロ原子含有量は、原油原料の合計ヘテロ原子含有量に対し70%以下、50%以下、30%以下である。 特定の実施態様では原油生成物の合計ヘテロ原子含有量は、原油原料の合計ヘテロ原子含有量に対し10%以上、40%以上、又は60%以上である。 特定の実施態様では原油生成物の窒素含有量は、原油原料の窒素含有量に対し90%以下又は80%以下であってよい。 原油生成物の窒素含有量は、原油生成物1g当たり0.004g以下、0.003g以下、又は0.001g以下であってよい。 幾つかの実施態様では原油生成物の窒素含有量は、原油生成物1g当たり0.0001〜0.005g、又は0.001〜0.003gの範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物は、水素を原油生成物1g当たり0.05〜0.2g、又は0.09〜0.15g含有する。 原油生成物のH/Cは、1.8以下、1.7以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、又は1.4以下であってよい。 幾つかの実施態様では原油生成物のH/Cは、原油原料のH/Cに対し80〜120%、又は90〜110%である。 他の実施態様では原油生成物のH/Cは、原油原料のH/Cに対し100〜120%である。 原油原料H/Cの20%以内の原油生成物H/Cは、プロセス中の水素の吸収及び/又は消費が最小であることを表示する。 原油生成物は、或る沸点範囲の成分を含有する。 幾つかの実施態様では原油生成物は、それぞれ原油生成物1g当たり、沸点範囲分布が0.101MPaで200℃以下又は204℃以下の炭化水素を0.001g以上、又は0.001〜0.5g;沸点範囲分布が0.101Mpaで200〜300の炭化水素を0.001g以上、又は0.001〜0.5g;沸点範囲分布が0.101MPaで300〜400の炭化水素を0.001g以上、又は0.001〜0.5g ;及び沸点範囲分布が0.101MPaで400〜538の炭化水素を0.001g以上、又は0.001〜0.5g含有する。 幾つかの実施態様では原油生成物のナフサ含有量は、原油生成物1g当たり、0.00001〜0.2g、0.0001〜0.1g又は0.001〜0.05gである。 特定の実施態様では原油生成物は、ナフサを0.001〜0.2g又は0.01〜0.05g含有する。 幾つかの実施態様ではナフサは、オレフィンをナフサ1g当たり0.15g以下、0.1g以下、又は0.05g以下含有する。 特定の実施態様ではオレフィンを原油生成物1g当たり0.00001〜0.15g、0.0001〜0.1g又は0.001〜0.05g含有する。 幾つかの実施態様ではナフサのベンゼン含有量は、ナフサ1g当たり0.01g以下、0.005g以下、又は0.002g以下である。 特定の実施態様ではナフサのベンゼン含有量は、検出不能であるか、1ラ10 −7 〜1ラ10 −2 g、1ラ10 −6 〜1ラ10 −5 g、5ラ10 −6 〜1ラ10 −4 gの範囲である。 ベンゼン含有組成物は、取扱い危険と考えられ、したがって、ベンゼン含有量が比較的少ない原油生成物は、特別な取扱いを必要としない。 特定の実施態様ではナフサは、芳香族化合物を含有してよい。 芳香族化合物は、単環式化合物及び/又は多環式化合物を含有してよい。 単環式化合物としては、限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、1−エチル−3−メチルベンゼン;1−エチル−2−メチルベンゼン;1,2,3−トリメチルベンゼン;1,3,5−トリメチルベンゼン;1−メチル−3−プロピルベンゼン;1−メチル−2−プロピルベンゼン;1,2,3−トリメチルベンゼン;1,3,5−トリメチルベンゼン;2−エチル−1,4−ジメチルベンゼン;2−エチル−2,4−ジメチルベンゼン;1,2,3,4−テトラメチルベンゼン;エチル,ペンチルメチルベンゼン;1,3−ジエチル−2,4,5,6−テトラメチルベンゼン;トリ−イソプロピル−o−キシレン:ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ、又はそれらの混合物の置換同属体(congener)が挙げられる。 単環式芳香族は、各種市販製品に使用され、及び/又は個々の成分として販売されている。 ここで説明したようにして製造された原油生成物は、通常、単環式芳香族を多量に含有する。 特定の実施態様では原油生成物のトルエン含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.2g、0.05〜0.15g、又は0.01〜0.1gである。 原油生成物のm−キシレン含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.1g、0.005〜0.09g、又は0.05〜0.08gである。 原油生成物のo−キシレン含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.2g、0.005〜0.1g、又は0.01〜0.05gである。 原油生成物のp−キシレン含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.09g、0.005〜0.08g、又は0.001〜0.06gである。 ナフサの芳香族含有量を増加すると、ナフサのオクタン価が向上しやすい。 原油は、原油のガソリン潜在性の見積りに基づいて評価できる。 ガソリン潜在性としては、限定されるものではないが、原油中のナフサ部分について計算したオクタン価が挙げられる。 原油は、通常、計算オクタン価が35〜60の範囲である。 ガソリンのオクタン価は、オクタン価を向上する添加剤の必要性を低下させやすい。 特定の実施態様では、原油生成物は、オクタン価が60以上、70以上、80以上、又は90以上のナフサを含有する。 通常、ナフサのオクタン価は、60〜99、70〜98、又は80〜95の範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物は、沸点範囲分布が204〜500℃の炭化水素(合計の“ナフサ及びケロシン”)では、原油原料の合計のナフサ及びケロシンに比べて、合計芳香族含有量が5%以上、10%以上、50%以上、又は99%以上多い。 通常、原油原料中の合計ナフサ及びケロシンの合計芳香族含有量は、原油生成物中の合計ナフサ及びケロシンの合計芳香族含有量よりも8%、20%、75%、又は100%多い。 幾つかの実施態様では、ケロシン及びナフサの合計多芳香族化合物含有量は、合計のケロシン及びナフサ1g当たり0.00001〜0.5g、0.0001〜0.2g、0.001〜0.1gの範囲であってよい。 幾つかの実施態様では原油生成物は、ケロシンを原油生成物1g当たり0.001g以上、又は0gを超え0.7g以下、0.001〜0.5g、又は0.01〜0.1g含有する。 特定の実施態様では原油生成物は、ケロシンを0.001〜0.5g、又は0.01〜0.3g含有する。 幾つかの実施態様ではケロシンの芳香族含有量は、ケロシン1g当たり0.2g以上、0.3g以上、又は0.4g以上である。 特定の実施態様ではケロシンの芳香族含有量は、0.1〜0.5g、又は0.2〜0.4gの範囲である。 特定の実施態様ではケロシンの凍結点は、−30℃未満、−40℃未満、又は−50℃未満であってよい。 原油生成物中のケロシン部分の芳香族含有量が増加すると、該ケロシン部分の密度が増大すると共に、凍結点が低下する傾向がある。 高密度で低凍結点のケロシン部分を有する原油生成物は、精製して、所望の高密度で低凍結点を有する航空機タービンの燃料を製造してよい。 特定の実施態様では原油生成物のディーゼル油含有量は、原油生成物1g当たり0.001〜0.8g又は0.01〜0.4gの範囲である。 特定の実施態様ではディーゼル油の芳香族含有量は、ディーゼル油1g当たり0.1g以上、0.3g以上、又は0.5g以上である。 幾つかの実施態様ではディーゼル油の芳香族含有量は、0.1〜1g、0.3〜0.8g、又は0.2〜0.5gの範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物のVGO含有量は、原油生成物1g当たり0.0001〜0.99g、0.001〜0.8g、又は0.1〜0.3gの範囲である。 特定の実施態様では原油生成物中のVGO含有量は、原油生成物1g当たり0.4〜0.9g、又は0.6〜0.8gの範囲である。 特定の実施態様ではVGOの芳香族含有量は、VGO 1g当たり0.1〜0.99g、0.3〜0.8g、又は0.5〜0.6gの範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物の残留物含有量は、原油原料の70%以下、50%以下、30%以下、10%以下、又は1%以下である。 特定の実施態様では、原油生成物の残留物含有量は、原油生成物1g当たり0.1g以下、0.05g以下、0.03g以下、0.02g以下、0.01g以下、0.005g以下、又は0.001g以下である。 幾つかの実施態様では原油生成物の残留物含有量は、原油生成物1g当たり0.000001〜0.1g、0.00001〜0.05g、0.001〜0.03g、又は0.005〜0.04gの範囲である。 幾つかの実施態様では原油生成物は、触媒の少なくとも一部を含有してよい。 幾つかの実施態様では原油生成物は、触媒を原油生成物1g当たり、0gを超え0.01g未満、又は0.000001〜0.001g、又は0.00001〜0.0001g含有する。 触媒は、輸送及び/又は処理中、原油生成物の安定化を助ける。 また触媒は、腐食及び摩擦を防止し、及び/又は原油生成物の水分離能力を向上できる。 触媒の少なくとも一部を含有する原油生成物は、潤滑剤及び/又はその他の市販製品を製造するため、更に処理してよい。 全生成物を製造するため、水素供給源の存在下で原油生成物の処理に使用される触媒は、単一触媒でも複数の触媒でもよい。 この用途の触媒は、まず、水素及び/又は硫黄含有原油原料が触媒前駆体と接触する際、接触帯中で触媒に転化する触媒前駆体でよい。 全生成物を製造するため、原油生成物と水素供給源との接触に使用される触媒は、原油原料の分子量の低下を助ける可能性がある。 特定の理論に束縛されるものではないが、水素供給源と組合わせた触媒は、触媒中の塩基(ルイス塩基又はブレンステッド−ローリー塩基)及び/又は超塩基成分の作用により、原油原料中の成分の分子量を低下する可能性がある。 ルイス塩基又はブレンステッド−ローリー塩基特性を有する可能性がある触媒の例としては、ここで説明した触媒が挙げられる。 幾つかの実施態様では、触媒はTMS触媒である。 TMS触媒は、遷移金属硫化物含有触媒を有する。 本出願の目的から、TMS触媒中の遷移金属硫化物の重量は、触媒中の硫黄の合計重量に遷移金属の合計重量を加えて、求められる。 遷移金属対硫黄の原子比は、通常、0.2〜20、0.5〜10、又は1〜5の範囲である。 遷移金属硫化物の例は、“Inorganic Sulfur Chemistry”,G. Nickless編;Elesvier Publishing Company,アムステルダム−ロンドン−ニューヨーク;1968年版権;第19章に見られる。 特定の実施態様ではTMS触媒は、1種以上の遷移金属硫化物を触媒1g当たり0.4g以上、0.5g以上、0.8g以上、又は099g以上含有する。 特定の実施態様ではTMS触媒の1種以上の遷移金属硫化物の合計含有量は、触媒1g当たり0.4〜0.999g、0.5〜0.9g、又は0.6〜0.8gの範囲である。 TMS触媒は1種以上の遷移金属硫化物を含有する。 遷移金属硫化物の例としては、ペントランダイト(pentlandite)(Fe 4 . 5 Ni 4 . 5 S 8 )、スミサイト(Smithite)(Fe 6 . 75 Ni 2 . 25 S 11 )、ブラボアイト(bravoite)(Fe 0 . 7 Ni 0 . 2 Co 0 . 1 S 2 )、マッキナワイト(mackinawite)(Fe 0 . 75 Ni 0 . 26 S 0 . 9 )、アーゲントペントランダイト(argentopentlandite)(AgFe 6 Ni 2 S 8 )、イソキュバナイト(CuFe 2 S 3 )、イソカルコパイライト(isocalcopyrite)(Cu 8 Fe 9 S 16 )、スフェールライト(sphalerite)(Zn 0 . 95 Fe 0 . 05 S)、ムーイホーカイト(mooihoekite)(Cu 9 Fe 9 S 16 )、チャトカライト(chatkarite)(Cu 6 FeSn 2 S 8 )、スターンバーガイト(sternbergite)(AgFe 2 S 3 )、チャルコパイライト(chalcopyrite)(CuFeS 2 )、トロイライト(troilite)(FeS)、パイライト(pyrite)(FeS 2 )、ピロタイト(pyrrhotite)(Fe (1-x) S(x=0〜0.17))、ヒーズルウッダイト(heazlewoodite)(Ni 3 S 2 )又はバエサイト(vaesite)(NiS 2 )が挙げられる。 幾つかの実施態様ではTMS触媒は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、亜鉛の化合物又はそれらの混合物と組合わせて、1種以上の遷移金属硫化物を含有する。 幾つかの実施態様ではTMS触媒は、一般化学式A c [M a S b ] d (但し、Aはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を表し、Mは周期表第6〜10欄の遷移金属を表し、またSは硫黄である。a対bの原子比は0.5〜2.5、又は1〜2の範囲であり、c対aの原子比は0.0001〜1、0.1〜0.8、又は0.3〜0.5の範囲である)で表される。 幾つかの実施態様では遷移金属は鉄である。 幾つかの実施態様ではTMS触媒は、周知のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属/遷移金属硫化物〔例えばバートナイト(bartnite)(K 3 Fe 10 . 5 S 14 )、ラスビュマイト(rasvumite)(K Fe 2 . 5 S 3 )、ジェルフィシャライト(djerfisherite)(K 6 NaFe 19 Cu 4 NiS 26 Cl)、クロロバートナイト(chlorobartnite)(K 6 . 1 Fe 24 Cu 0 . 2 S 26 . 1 Cl 0 . 7 )、及び/又はコヨテアイト(coyoteite)(NaFe 3 S 5 (H 2 O) 2 〕が挙げられる。幾つかの実施態様ではTMS触媒は、現場で製造したバートナイトを含む。現場で製造したバートナイトは、合成バートナイトと言ってもよい。天然及び/又は合成バートナイトは、ここで説明した方法でTMS触媒として使用してよい。 幾つかの実施態様ではTMS触媒は、支持体材料をTMS触媒100g当たり25g以下、15g以下、又は1g以下含有してよい。 通常、TMS触媒は、支持体材料をTMS触媒100g当たり0〜25g、0.00001〜20g、又は0.0001〜10g含有する。 TMS触媒と併用される支持体材料の例としては、耐火性酸化物、多孔質炭素材料、ゼオライト、又はそれらの混合物が挙げられる。 幾つかの実施態様ではTMS触媒は、支持体材料を含まないか、実質的に含まない。 アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、亜鉛の化合物又はそれらの混合物を含むTMS触媒は、1種以上の遷移金属硫化物、アルカリ金属−遷移金属バイメタル硫化物、高原子価遷移金属硫化物、遷移金属酸化物、又はそれらの混合物を含有してよい(X線回折で測定)。 幾つかの実施態様では、TMS触媒のアルカリ金属成分、アルカリ土類金属成分、亜鉛成分、及び/又は遷移金属硫化物の一部は、 X線回折で検出できない非晶質組成物として存在してもよい。 幾つかの実施態様ではTMS触媒の結晶性粒子及び/又はTMS触媒の結晶粒子の混合物の粒度は、10 8 Å以下、10 3 Å以下、100Å以下、又は40Å以下である。 普通の実用では、TMS触媒の結晶性粒子の粒度は、一般に10Å以上である。 アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、亜鉛の化合物又はそれらの混合物を含むTMS触媒を製造するには、十分な量の脱イオン水、所望量の遷移金属酸化物、及び所望量の、第1〜2欄金属炭酸塩、第1〜2欄金属蓚酸塩、第1〜2欄金属酢酸塩、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、又はそれらの混合物を混合して湿潤ペーストを形成すればよい。 湿潤ペーストは、100〜300℃又は150〜250℃の温度で乾燥して、遷移金属酸化物/塩混合物を形成してよい。 遷移金属酸化物/塩混合物は、300〜1000℃、500〜800℃、又は600〜700℃の範囲の温度で焼成して、遷移金属酸化物/金属塩混合物を形成してよい。 遷移金属酸化物/金属塩混合物は、水素と反応させて、還元中間物固体を形成してよい。 水素の添加は、遷移金属酸化物/金属塩混合物に過剰量の水素を供給するのに十分な流速で行ってよい。 元素状遷移金属を含む還元中間物固体を製造するため、水素は、10〜50時間又は20〜40時間に亘って遷移金属酸化物/金属塩混合物に添加してよい。 水素添加は、35〜500℃、50〜400℃、又は100〜300℃の温度及び10〜15MPa、11〜14MPa、又は12〜13MPaの圧力で行ってよい。 中間物固体の製造に使用される還元時間、還元温度、還元ガスの選択、還元ガスの圧力、及び/又は還元ガスの流速は、選択した遷移金属酸化物の絶対質量に対して変化させることが多いのは理解すべきである。 還元中間物固体は、幾つかの実施態様では最小の力で40メッシュ篩を通過できる。 還元中間物固体は、熱の発生及びガスの生成を制御する速度で、熱(例えば100℃)希釈剤/元素状硫黄及び/又は1種以上の硫黄化合物混合物に漸増的に添加してよい。 希釈剤は、硫化熱を消散する手段を与えるいずれの好適な希釈剤であってよい。 希釈剤としては、沸点範囲分布が100℃以上、150℃以上、200℃以上、又は300℃以上の溶剤が挙げられる。 通常、希釈剤の沸点範囲分布は、100〜500℃、150〜400℃、又は200〜300℃である。 幾つかの実施態様では希釈剤は、VGO及び/又はキシレンである。 硫黄化合物としては、限定されるものではないが、硫化水素及び/又はチオールが挙げられる。 硫黄及び/又は硫黄化合物の量は、第1〜2欄金属塩又は亜鉛塩中の第1〜2欄金属又は亜鉛のモルを基準として、1〜100モル%、2〜80モル%、5〜50モル%、10〜30モル%の範囲でよい。 還元中間物固体を希釈剤/元素状硫黄混合物に添加後、得られた混合物は、200〜500℃、250〜450℃、又は300〜400℃の最終温度に漸増的に加熱し、この最終温度で1時間以上、2時間以上、又は10時間以上維持する。 通常、最終温度は15時間、10時間、5時間又は1.5時間維持する。 高い硫化反応温度に加熱後、混合物からの触媒の回収を容易にするため、0〜100℃、30〜90℃、〜100℃、又は50〜80℃の範囲の温度に冷却してよい。 硫化した触媒は、無酸素雰囲気中、標準的技術を用いて希釈剤から単離し、次いで低沸点溶剤(例えばペンタン、ヘプタン、又はヘキサン)の少なくとも一部で洗浄して、TMS触媒を製造してよい。 TMS触媒は、標準的方法を用いて粉末化してよい。 幾つかの実施態様では触媒は無機塩触媒である。 無機塩触媒のアニオンには、無機化合物、有機化合物又はそれらの混合物が含まれる。 無機塩触媒としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属蓚酸塩、アルカリ金属蟻酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ土類金属アミド、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属酢酸塩、アルカリ土類金属蓚酸塩、アルカリ土類金属蟻酸塩、アルカリ土類金属ピルビン酸塩、又はそれらの混合物が挙げられる。 無機塩触媒としては、限定されるものではないが、NaOH/RbOH/CsOH; KOH//RbOH/CsOH; NaOH/KOH/RbOH; NaOH/KOH/CsOH; K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ; Na 2 O/K 2 O/K 2 CO 3 ; NaHCO 3 /KHCO 3 /Rb 2 CO 3 ; LiHCO 3 /KHCO 3 /Rb 2 CO 3 ; K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3の混合物と混合したKOH/RbOH/CsOH; K 2 CO 3 /CaCO 3 ; K 2 CO 3 /MgCO 3 ; Cs 2 CO 3 /CaCO 3 ; Cs 2 CO 3 /CaO; Na 2 CO 3 /Ca(OH) 2 ; KH/CsCO 3 ; KOCHO/CaO; CsOCHO/CaCO 3 ; CsOCHO/Ca(OCHO) 2 ; NaNH 2 /K 2 CO 3 /Rb 2 O; K 2 CO 3 /CaCO 3 /Rb 2 CO 3 ; K 2 CO 3 /CaCO 3 /Cs 2 CO 3 ; K 2 CO 3 /MgCO 3 /Rb 2 CO 3 ; K 2 CO 3 /MgCO 3 /Cs 2 CO 3 ;又は K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3と混合したCa(OH) 2 ;の混合物が挙げられる。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、リチウムを無機塩触媒1g当たり、リチウム重量として計算して、0.00001g以下、0.001g以下、又は0.01g以下含有する。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、リチウムを無機塩触媒1g当たり、リチウム重量として計算して、0gから0.01g未満、0.0000001〜0.001g、又は0.00001〜0.0001g含有する。 特定の実施態様では無機塩触媒は、原子番号が11以上のアルカリ金属を含む1種以上のアルカリ金属を含有する。 無機塩触媒が2種以上のアルカリ金属である場合、幾つかの実施態様では、原子番号11以上のアルカリ金属対原子番号11を超えるアルカリ金属の原子比は、0.1〜10、0.2〜6、又は0.3〜4の範囲である。 例えば無機塩触媒は、ナトリウム、カリウム及びルビジウムの塩を、ナトリウム対カリウム比0.1〜6、ナトリウム対ルビジウム比0.1〜6、及びカリウム対ルビジウム比0.1〜6で含有してよい。 他の例では、無機塩触媒は、ナトリウム塩及びカリウム塩を、ナトリウム対カリウム比0.1〜4で含有する。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、周期表第8〜10欄の金属、周期表第8〜10欄の金属の化合物、周期表第6欄の金属、周期表第6欄の金属の化合物、又はそれらの混合物も含有する。 周期表第8〜10欄の金属としては、限定されるものではないが、鉄、レニウム、コバルト又はニッケルが挙げられる。 周期表第6欄の金属としては、限定されるものではないが、クロム、モリブデン、又はタングステンが挙げられる。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、ラネーニッケルを無機塩触媒1g当たり0.1〜0.5g、又は0.2〜0.4g含有する。 特定の実施態様では無機塩触媒は、周期表第1〜2欄及び/又は13欄の金属酸化物も含有する。 第13欄の金属としては、限定されるものではないが、弗素又はアルミニウムが挙げられる。 金属酸化物の非限定的例としては、酸化リチウム(Li 2 O)、酸化カリウム(K 2 O)、酸化カルシウム(CaO)、又は酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )が挙げられる。 特定の実施態様では無機塩触媒は、ルイス酸(例えばBCl 3 、AlCl 3及びSO 3 )、ブレンステッド−ローリー酸(例えばH 3 O + 、H 2 SO 4 、HCl及びHNO 3 )、ガラス形成性組成(例えばボレート及びシリケート)及びハロゲン化物を含まないか、実質的に含まない。 無機塩は、それぞれ無機塩触媒1g当たり、a)ハロゲン化物、b)350℃以上又は1000℃以下の温度でガラスを形成する組成、c)ルイス酸、d)ブレンステッド−ローリー酸、又はe)それらの混合物を0gから0.1g、0.000001〜0.01g、又は0.00001〜0.005g含有してよい。 無機塩触媒は、標準的技術を用いて製造してよい。 例えば触媒の各成分を所望量、標準的混合技術(例えば混練及び/又は粉砕)を用いて配合してよい。 他の実施態様では、無機組成物を溶剤(水、又は適当な有機溶剤)に溶解して、無機組成物/溶剤混合物を形成する。 標準の分離技術を用いて、溶剤を除去し、無機塩触媒を製造できる。 幾つかの実施態様では無機塩触媒の無機塩は、支持体中に導入して、担持無機塩触媒を形成してもよい。 支持体の例としては、限定されるものではないが、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化チタン、ハイドロタルク石、アルミナ、ゲルマニア、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化アンチモン、及びそれらの混合物が挙げられる。 幾つかの実施態様では無機塩、第6〜10欄の金属及び/又は第6〜10欄の金属の化合物は、支持体に含浸してよい。 或いは無機塩は、熱で溶融又は軟化し、金属支持体又は金属酸化物支持体中及び/又は上に押込んで、担持無機塩触媒を形成してもよい。 無機塩の構造は、通常、不均質、浸透性で、及び/又は触媒構造中に秩序の低下が生じると、特定の温度又は温度範囲で動きやすくなる。 無機塩触媒は、殆ど組成変化(例えば塩の分解)なしで無秩序になる。 理論に束縛されるものではないが、無機塩触媒の格子中のイオン間距離が拡大すると、無機塩触媒は無秩序(動きやすい)になるものと考えられる。 イオン間距離が拡大するのに従って、原油原料及び/又は水素供給源は、無機塩触媒の表面を横断する代りに、無機塩に浸透する可能性がある。 原油原料及び/又は水素供給源が無機塩に浸透すると、無機塩触媒及び/又は原油原料及び/又は水素供給源間の接触面積が増大することが多い。 無機塩触媒の接触面積及び/又は反応面積が増大すると、液体生物の収率が向上し、残留物及び/又はコークスの生成が抑制され、及び/又は原油原料の同じ特性に比べて原油生成物の特性が変化しやすくなることが多いかも知れない。 無機塩触媒の無秩序性(例えば不均質性、浸透性、及び/又は易動度)は、DSC法、イオン導電率測定法、TAP法、視覚的検査、X線回折法又はそれらの組合わせを用いて測定してよい。 本発明に幾つかの実施態様では触媒は、このような無秩序の状態にあり、無秩序の状態で原油原料と接触させる。 TAPを用いて触媒特性を測定する方法は、Ebner等のUSP 4、626,412、Gleaves等のUSP 5,039,489、Ebner等のUSP 5,264,183に記載されている。 TAPシステムは、Mithra Technologies(米国ミズーリ州Foley)から得られる。 TAP分析は、25〜850℃、50〜500℃又は60〜400℃の温度範囲、10〜50℃又は20〜40℃の加熱速度、及び1×10 −13 〜1×10 −8の範囲の減圧で行ってよい。 温度は、一定に維持し及び/又は時間の関数として高めてもよい。 無機塩触媒の温度上昇と共に、無機塩触媒からのガス放出を測定する。 無機塩触媒からの放出ガスの例としては、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水又はそれらの混合物が挙げられる。 無機塩触媒からのガス発生で変曲点(鋭い増加)が検出される温度は、無機塩触媒が無秩序となる温度とみなされる。 幾つかの実施態様では無機塩触媒からの放出ガスで変曲点は、TAPを用いて測定した温度範囲に亘って検出してよい。 この温度又は温度範囲は、“TAP温度”と言う。 TAPを用いて測定した温度範囲の初期温度は、“TAP最低温度”と言う。 原油原料との接触に好適な無機塩触媒で示される放出ガス変曲点は、100〜600℃、200〜500℃又は300〜400℃のTAP温度範囲内にある。 通常、TAP温度範囲は300〜500℃の範囲である。 幾つかの実施態様では好適な無機塩触媒の異なる組成もガス変曲点を示すが、TAP温度は異なる。 放出ガスと関連するイオン化変曲点の大きさは、結晶構造中の粒子の秩序を示す指標であってよい。 高秩序の結晶構造ではイオン粒子は、一般に緻密に会合し、結晶構造からのイオン、分子、ガス又はそれらの組合わせの解放には一層のエネルギー(即ち、一層の加熱)を必要とする。 無秩序結晶構造ではイオンは、高秩序結晶構造のイオン程、互いに強力に会合していない。 このように低いイオン会合により、一般に無秩序結晶構造からイオン、分子及び/又はガスの解放に要するエネルギーは低くて済み、したがって、無秩序結晶構造から解放したイオン及び/又はガスの量は、通常、選択した温度で高秩序結晶構造から解放したイオン及び/又はガスの量よりも多い。 幾つかの実施態様では、無機塩触媒の解離熱は、示差走査熱量計で測定して、10℃の加熱又は冷却速度で50〜500℃の範囲に観察されてよい。 DSC法ではサンプルは、第一温度に加熱し、室温に冷却し、次いで第二加熱する。 一般に、第一加熱中に観察される遷移は、同伴の水及び/又は溶剤を示し、解離熱を示さないかも知れない。 例えば容易に観察される湿った又は水和サンプルの乾燥熱は、一般に250℃未満、通常、100〜150℃で生じる可能性がある。 冷却サイクル及び第二加熱中に観察される遷移は、サンプルの解離熱に相当する。 “加熱遷移(transition)”とは、DSC分析中に温度が低下して、構造中の秩序のある分子及び/又は原子が無秩序になる時に起こるプロセスを言う。 “冷却遷移”とは、DSC分析中に温度が低下して、構造中の分子及び/又は原子が一層均質になる時に起こるプロセスを言う。 幾つかの実施態様では、無機塩触媒の熱/冷却遷移は、DSCで検出される温度範囲に亘って起こる。 無機塩触媒の加熱遷移が第二加熱サイクル中に起こる温度又は温度範囲は、“DSC温度”と言う。 第二加熱サイクル中の温度範囲の最低DSC温度は、“最低DSC温度”と言う。 無機塩触媒は、200〜500℃、250〜450℃、又は300〜400℃の範囲の加熱遷移を示す。 無機塩粒子を比較的均質な混合物として含む無機塩では、第二加熱サイクル中に吸収された熱と関連するピークの形状は、比較的狭いかも知れない。 比較的不均質な混合物中に無機塩粒子を含む無機塩触媒では、第二加熱サイクル中に吸収された熱と関連するピークの形状は、比較的広いかも知れない。 DSCスペクトルにピークがなければ、塩は走査温度範囲で熱を吸収又は解放しないことを示す。 加熱遷移がなければ、一般にサンプルの構造が加熱によって変化しないことを示す。 無機塩混合物の粒子の均質性が向上すると、加熱中、混合物が固体及び/又は半固体のまま残す能力は低下する。 無機混合物の均質性は、混合物中のカチオンのイオン半径に関連する可能性がある。 イオン半径が小さいカチオンでは、カチオンが電子密度を対応するアニオンと分かち合う能力及び対応するアニオンの酸性度は増大する。 同様な電荷を有する一連のイオンでは、アニオンが硬質塩基であれば、小さいイオン半径により、カチオンとアニオン間のイオン間(interionic)引力が高くなりやすい。 このような高いイオン間引力により、塩及び/又は塩中の一層均質な粒子混合物についての加熱遷移温度は高くなる(DSC曲線で鋭いピーク及び面積の増大)。 イオン半径が小さいカチオンを含有する混合物は、イオン半径が大きいカチオンよりも一層酸性になりやすく、こうして、無機塩混合物の酸性度は、カチオン半径の低下に従って増大する。 例えばリチウムカチオン含有無機混合物の存在下で原油原料と水素供給源とを接触させると、リチウムよりもイオン半径の大きいカチオンを含有する無機塩触媒の存在下で原油原料と水素供給源とを接触させた場合に比べてガス及び/又はコークスの生成量が増大しやすい。 ガス及び/又はコークスの発生を防止する能力により、本方法による全液体生成物の収率が向上する。 特定の実施態様では、無機塩触媒は、2種以上の無機塩を含有してよい。 これら無機塩の各最低DSC温度を測定してもよい。 無機塩触媒の最低DSC温度は、無機塩触媒中の無機塩の少なくとも1種の最低DSC温度未満であってよい。 例えば無機塩触媒は、炭酸カリウム及び炭酸セシウムを含有してよい。 炭酸カリウム及び炭酸セシウムは、500℃を超えるDSC温度を示す。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒のDSC温度は、290〜300℃の範囲である。 幾つかの実施態様ではTAP温度は、無機塩の少なくとも1種のDSC温度と無機塩触媒のDSC温度との間であってよい。 例えば無機塩触媒のTAP温度は、350〜500℃の範囲であってよい。 同じ無機塩触媒のDSC温度は、200〜300℃の範囲であってよく、また個々の無機塩のDSC温度は、500℃以上又は1000℃以下であってよい。 多くの実施態様では、TAP温度及び/又はDSC温度が150〜500℃、200〜450℃又は300〜400℃であり、かつこれらの温度で分解を受けない無機塩触媒は、高分子量及び/又は高粘度組成物(例えば原油原料)の液体生成物への転化を触媒するのに使用できる。 特定の実施態様では無機塩触媒は、200〜600℃、300〜500℃又は350〜450℃の範囲の温度で加熱中、個々の無機塩に比べて、導電率が増大してよい。 無機塩触媒のこのような導電率の増大は、一般に無機塩触媒中の粒子が動きやすくなるからと考えられる。 幾つかの無機塩触媒のイオン導電率は、該触媒の単独成分のイオン導電率が変化する温度よりも、低い温度で変化する。 無機塩触媒のイオン導電率は、オームの法則、即ち、V=IR(但し、Vは電圧、Iは電流、Rは抵抗である)を適用して測定してよい。 イオン導電率を測定するには、無機塩触媒を、互いに分離された2本のワイヤー(例えば銅線又は白金線)付き石英容器に入れ、これらのワイヤーを無機塩触媒中に浸漬すればよい。 図7は、イオン導電率の測定に使用できるシステムの概略図である。 サンプル158を入れた石英容器156を加熱装置に入れ、漸増的に所望温度に加熱する。 加熱中、電源160の電圧をワイヤー162に適用する。 ワイヤー162、164を通って得られる電流をメーター166で測定する。 メーター166は、限定されるものではないが、マルチメーターでもホイーストンブリッジでもよい。 サンプル158は、分解を起こすことなく、少し均質化する(一層動きやすい)と、サンプルの導電率は低下し、メーター166で観察される電流は増加する。 幾つかの実施態様では、加熱し、冷却し、次いで加熱した後、無機塩触媒は、所望の温度で異なるイオン導電率を持っていてよい。 イオン導電率の相違は、無機塩触媒の結晶構造が、元の形状(第一形態)から異なる形状(第二形態)に変化したことを示す可能性がある。 無機塩触媒の形態が加熱中、変化しなければ、イオン導電率は、加熱後、同様か同じであると予想される。 特定の実施態様では無機塩触媒の粒度は、触媒をメッシュ又は篩の通過で測定して、10〜1000μ、20〜500μ、又は50〜100μの範囲である。 無機塩触媒は、50℃を超え500℃未満の温度に加熱すると、軟化する可能性がある。 無機塩触媒が軟化すると、液体及び触媒粒子は、無機塩触媒の母材中に共存するかも知れない。 幾つかの実施態様では触媒粒子は、比重下、又は0.007MPa以上又は0.101MPa以下の圧力下、300℃以上又は800℃以下の温度に加熱すると、自己変形するかも知れない。 その結果、無機塩触媒は、第一形態から第二形態に転位する。 無機塩触媒を20℃に冷却すると、無機塩触媒の第二形態は、無機塩触媒の第一形態に戻ることができない。 無機塩が第一形態から第二形態に転位する温度は、“変形”温度と言われている。 変形温度は、温度範囲であっても単一温度であってもよい。 特定の実施態様では無機塩触媒の粒子は、個々の無機塩のいずれかの変形温度未満の変形温度に加熱すると、自己変型する。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、変形温度の異なる2種以上の無機塩を含む。 幾つかの実施態様では無機塩触媒の変形温度は、個々の無機金属塩の変形温度とは異なる。 特定の実施態様では無機塩触媒は、TAP温度以上、及び/又はDSC温度以上で液体及び/又は半液体である。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、最低のTAP温度及び/又はDSC温度で液体及び/又は半液体である。 幾つかの実施態様では、最低のTAP温度以上及び/又はDSC温度以上で液体又は半液体の無機塩触媒は、原油原料と混合すると、原油原料とは別個の相を形成する。 幾つかの実施態様では、このような液体又は半液体の無機塩触媒は、原油原料への溶解性が低い(例えば原油原料1g当たり無機塩触媒0gから0.5g以下、0.0000001〜0.2g、又は0.0001〜0.1g)か、或いは最低TAP温度で原油原料に溶解しない(例えば原油原料1g当たり無機塩触媒0gから0.05g以下、0.000001〜0.01g、又は0.00001〜0.001g)。 幾つかの実施態様では粉末X線回折法は、無機塩触媒中の原子間間隔を測定するのに使用される。 X線スペクトルにおけるD 001ピークの形状をモニターし、無機塩粒子の相対秩序を推定できる。 X線回折におけるピークは、無機塩触媒中の異種の化合物を表す。 粉末X線回折ではD 001ピークをモニターし、原子間間隔を推定できる。 高秩序の無機塩原子を有する無機塩触媒では、D 001ピークの形状は比較的狭い。 無機塩触媒(例えばK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒)では、D 001ピークの形状は比較的広いか、D 001ピークは存在しないかも知れない。 無機塩原子の無秩序が加熱中、変化するかどうか測定するには、加熱前に無機塩触媒のX線回折スペクトルを取り、加熱後に取ったX線回折スペクトルと比較すればよい。 50℃を超える温度で取ったX線回折スペクトル中のD 001ピーク(無機塩原子に相当する)は、50℃未満の温度で取ったX線回折スペクトル中に存在しないか、該X線回折スペクトル中のD 001ピークよりも広いかも知れない。 更に、個々の無機塩のX線回折パターンは、同じ温度で比較的狭いD 001ピークを示すかも知れない。 副生物の形成を抑制し、及び/又は防止する他、所定の原油原料について、全生成組成物(したがって、原油生成物)が変化できるように、接触条件は制御してよい。 全生成組成物としては、限定されるものではないが、パラフィン、オレフィン、芳香族又はそれらの混合物が挙げられる。 これらの化合物は、原油生成物及び非凝縮性炭化水素ガスの組成物を構成する。 ここで説明した触媒と組合わせた制御接触条件は、予想されるコークス含有量よりも少ない全生成物を製造できる。 各種原油のMCR含有量の比較から、コークスの形成し易さに基づいて、原油を格付けできる。 例えばMCR含有量が原油1g当たり0.1gの原油は、MCR含有量が原油1g当たり0.001gの原油よりも多くコークスを形成することが予想される。 不利な原油は、通常、MCR含有量が不利な原油1g当たり0.05g以上である。 幾つかの実施態様では反応期間中、触媒上に沈着する残留物含有量及び/又はコークス含有量は、触媒1g当たり0.1g以下、0.05g以下、又は0.03g以下である。 特定の実施態様では触媒上に沈着する残留物量及び/又はコークス量は、触媒1g当たり0.0001〜0.1g、0.001〜0.05g、又は0.01〜0.03gの範囲である。 幾つかの実施態様では使用済み触媒は、残留物及び/又はコークスを実質的に含まない。 特定の実施態様では接触条件は、コークスが原油生成物1g当たり0.015g以下、0.01g以下、0.005g以下、又は0.003g以下生成するように、制御する。 原油原料を制御した接触条件下で触媒と接触させると、原油原料を精製触媒の存在下、又は触媒の不存在下、同じ接触条件で加熱して生成したコークス及び/又は残留物の量に比べて、コークス及び/又は残留物の量が低下する。 幾つかの実施態様では接触条件は、原油原料が原油原料1g当たり0.5g以上、0.5g以上、0.7g以上、0.8g以上又は0.9g以上、原油生成物に転化するように、制御してよい。 原油生成物は、接触中、原油原料1g当たり0.5〜0.99g、0.6〜0.9g、又は0.7〜0.8g生成する。 原油原料を、残留物及び/又はコークスがあれば、残留物及び/又はコークスを最低収率で含む原油生成物に転化すると、原油生成物は、製油所で最小量の予備処理で済む市販製品に転化できる。 特定の実施態様では原油原料は、原油原料1g当たり0.2g以下、0.1g以下、0.05g以下、0.03g以下、又は0.01g以下、非凝縮性炭化水素に転化される。 幾つかの実施態様では非凝縮性炭化水素は、原油原料1g当たり0〜0.2g、0.0001〜0.1g、0.001〜0.05g、又は0.01〜0.03g生成する。 所望の反応温度を維持するため、接触帯温度、原油原料の流速、全生成物の流速、触媒の供給速度及び/又は供給量、又はそれらの組合わせを制御してよい。 幾つかの実施態様では接触帯の温度制御は、接触帯に通すガス状水素供給源の流れ及び/又は水素量を希釈するため、及び/又は接触帯からの余分な熱を除去するため、接触帯に通す不活性ガスの流れを変化させて行ってもよい。 幾つかの実施態様では接触帯の温度は、所望温度“T 1 ”より高いか低くなるように、制御してよい。 特定の実施態様では接触温度は、接触帯の温度が最低TAP温度未満及び/又は最低DSC温度未満になるように制御する。 特定の実施態様ではT 1は、最低TAP温度及び/又は最低DSC温度よりも30℃、20℃又は10℃低い。 例えば一実施態様では接触温度は、最低TAP温度及び/又は最低DSC温度が400℃である場合、反応期間中、370℃、380℃又は390℃になるように制御してよい。 他の実施態様では接触温度は、触媒TAP温度以上及び/又は触媒DSC温度以上になるように制御する。 例えば接触温度は、最低TAP温度及び/又は最低DSC温度が450℃である場合、反応期間中、450℃、500℃又は550℃になるように制御してよい。 接触温度を触媒TAP温度基準及び/又は触媒DSC温度基準で制御すると、得られる原油生成物の特性を向上できる。 このような制御は、例えばコークスの形成を減少させるか、非凝縮性ガスの形成を減少させるか、或いはそれらの組合わせであってよい。 特定の実施態様では無機塩触媒は、原油原料を添加する前に、状態調節を行ってよい。 幾つかの実施態様では状態調節は、原油原料の存在下で行ってよい。 無機塩触媒の状態調節は、該触媒を100℃以上、300℃以上、400℃以上、又は500℃以上の第一温度に加熱する工程、次いでこれを250℃以下、200℃以下、又は100℃以下の第二温度に冷却する工程を含んでよい。 特定の実施態様では無機塩触媒は、150〜700℃、200〜600℃又は300〜500℃の範囲の温度に加熱し、次いで25〜240℃、30〜200℃、又は50〜90℃の範囲の第二温度に冷却する。 状態調節温度は、異なる温度でイオン導電率を測定して求めてよい。 幾つかの実施態様では状態調節温度は、無機塩触媒をDSC中で多数回、加熱、冷却により得られる加熱/冷却遷移からDSC温度を求め、この温度から測定できる。 無機塩触媒を状態調節すると、原油原料の接触を、従来の水素化処理触媒の場合よりも低い反応温度で行うことができる。 幾つかの実施態様では、全生成物中のナフサ、蒸留物、VGO又はそれらの混合物の含有量は、接触帯からの全生成物の取出し速度を変えることにより変化させてよい。 例えば全生成物の取出し速度を低下させると、原油原料と触媒との接触時間を長くしやすい。 或いは、初期圧力と比べて圧力を上げると、原油生成物の収率が向上するし、原油原料又は水素供給源の所定の質量流量割合ではガスからの水素の原油生成物への取入れ量が増えるし、或いはこれら効果の組合わせが変更可能となる。 原油原料と触媒との接触時間が長くなると、これより短時間の接触により生成したディーゼル油、ケロシン、ナフサ及びVGOの量に比べて、ディーゼル油、ケロシン又はナフサは多量に、またVGOは少量生成する。 また接触帯で全生成物の接触時間が長くなると、原油生成物の平均炭素数が変化可能となる。 長い接触時間により、低炭素数の重量割合が増大する(したがって、API比重が高くなる)。 幾つかの実施態様では接触条件は、経時により変化させてよい。 例えば原油原料が吸収して原油生成物を製造する水素を増量するため、接触圧力及び/又は接触温度を上げてもよい。 原油原料の他の特性を向上しながら、原油原料の水素吸収量を変化させる能力により、単一原油原料から製造可能な原油生成物の種類が多くなる。 単一原油原料から多種の原油生成物を製造する能力により、各種の輸送用及び/又は処理用規格に適合可能となる。 水素の吸収量は、原油原料のH/Cと原油生成物のH/Cとを比較し、次いで原料と全生成物間で水素収支を行うことにより評価してよい。 原油原料のH/Cと比べた場合、原油生成物のH/Cの増加は、水素供給源から原油生成物中に水素を取込んだことを示す。 原油生成物のH/Cの比較的少ない増加(原油原料に比べて20%)は、プロセス中の水素ガスの消費が比較的少ないことを示す。 最小量の水素消費で得られる原油生成物の特性は、原油原料の特性に比べて、顕著に向上することが望ましい。 水素供給源対原油原料比も、原油生成物の特性変化のために、変化させてよい。 例えば水素供給源対原油原料比を上げると、原油生成物1g当たりのVGO含有量が増加した原油生成物が得られる。 特定の実施態様では、軽質炭化水素及び/又は水蒸気の存在下で原油原料と無機塩触媒とを接触させると、水素及び水蒸気の存在下で原油原料と無機塩触媒とを接触させた場合と比べて、原油生成物中の液体炭化水素が多くなる一方、コークスが少なくなる。 無機塩触媒の存在下で原油原料とメタンとを接触させる工程を含む実施態様では、原油生成物の複数成分の少なくとも一部は、これら成分の分子構造中に炭素原子及び水素原子(メタンから)を取込んだ可能性がある。 特定の実施態様では、無機塩触媒の存在下に水素供給源と接触させた原油原料から製造した原油生成物の容積は、STPにおいて熱プロセスで製造した原油生成物の容積に比べて、5%以上、10%以上、又は15%以上多いか、100%以下大きい。 原油原料と無機塩触媒との接触により製造した原油生成物の全容積は、STPにおける原油原料の容積の110容量%以上であるかも知れない。 容積の増大は、密度低下によるものと考えられる。 低密度は、一般に少なくとも部分的には原油原料の水素化による可能性がある。 特定の実施態様では、それぞれ原油原料1g当たり、硫黄を0.02g以上、0.05g以上、又は0.1g以上、及び/又はNi/V/Feを0.001g以上含有する原油原料は、無機塩触媒の存在下、触媒活性を低下させることなく、水素と接触させる。 幾つかの実施態様では無機塩触媒は、触媒を汚染する1種以上の成分を除去することにより、少なくとも部分的に再生できる。 汚染物としては、限定されるものではないが、金属、硫化物、窒素、コークス又はそれらの混合物が挙げられる。 硫化物汚染物は、水蒸気及び二酸化炭素を使用済み無機塩触媒と接触させて硫化水素を生成することにより、使用済み無機塩触媒から除去できる。 窒素汚染物は、使用済み無機塩触媒を水蒸気と接触させてアンモニアを生成することにより、除去できる。 コークス汚染物は、使用済み無機塩触媒を水蒸気及び/又はメタンと接触させて水素及び一酸化炭素を生成することにより、使用済み無機塩触媒から除去できる。 幾つかの実施態様では、使用済み無機塩触媒と残存原油原料との混合物から1種以上のガスが発生する。 特定の実施態様では、無機塩触媒(例えばK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;: KOH/Al 2 O 3 : Cs 2 CO 3 /CaCO 3 ;;又はNaOH/KOH/LiOH/ZrO 2 )、未反応原油原料及び/又は残留物及び/又はコークスは、水蒸気、水素、二酸化炭素、及び/又は軽質炭化水素の存在下でガス及び/又は液体の生成が最小となるまで、700〜1000℃又は800〜900℃の範囲の温度に加熱して、液相及び/又はガスを生成させる。 ガスは、反応性ガスに比べて増量した水素及び/又は二酸化炭素を含有してよい。 例えばガスは、水素及び/又は二酸化炭素を、反応性ガス1モル当たり0.1〜99モル又は0.2〜8モル含有してよい。 ガスは、軽質炭化水素及び/又は一酸化炭素を比較的少量含有してよい。 例えば軽質炭化水素はガス1g当たり0.05g未満であり、一酸化炭素はガス1g当たり0.01g未満である。 液相は、水を例えば液体1g当たり0.5gを超え0.99g以下、又は0.9gを超え0.9g以下含有する。 幾つかの実施態様では、接触帯中の使用済みの触媒及び/又は固体は、これらから金属(例えばバナジウム及び/又はニッケル)を回収するため、処理してよい。 使用済みの触媒及び/又は固体は、周知の金属分離技術、例えば加熱、化学的処理、及び/又はガス化により処理してよい。 以下に触媒の製造、触媒のテスト、及び制御した接触条件を有するシステムの非限定的実施例を示す。 例1:K−Fe硫化物触媒の製造 鉄酸化物(Fe 2 O 3 )1000g及び炭酸カリウム580gを脱イオン水412gと配合して、湿潤ペーストを形成した。 この湿潤ペーストを200℃で乾燥して、鉄酸化物/炭酸カリウム混合物を形成した。 鉄酸化物/炭酸カリウム混合物を500℃で焼成して、鉄酸化物/炭酸カリウム混合物を形成した。 この鉄酸化物/炭酸カリウム混合物を水素と反応させて、鉄金属を含有する還元中間物固体を形成した。 水素添加は、450℃、11.5〜12.2MPa(1665〜1765psi)で48時間行った。 この中間物固体を最小の力で40メッシュ篩に通した。 中間物固体を、熱の発生及び生成したガスを制御する速度で、100℃のVGO/m−キシレン/元素状硫黄混合物に漸増的に加えた。 中間物固体の添加後、得られた混合物を漸増的に300℃に加熱し、この温度で1時間維持した。 この溶剤/触媒混合物を100℃未満に冷却し、硫化した触媒を混合物から分離した。 硫化触媒は、乾燥箱中、アルゴンの雰囲気下、濾過により単離し、m−キシレンで洗浄して、K−Fe硫化物触媒544.7gを製造した。 K−Fe硫化物触媒を40メッシュ篩に通して粉末化した。 得られたK−Fe硫化物触媒をX線回折法で分析した。 X線回折スペクトルの分析により、触媒は、トロイライト(FeS)、K−Fe硫化物(KFeS 2 )、ピロタイト(pyrrhotite)及び鉄酸化物(例えばマグネタイト、Fe 3 O 4 )を含有していた。 二硫化鉄(例えばパイライト、FeS 2 )と関連するピークは、X線回折スペクトルでは観察されなかった。 例2:K−Fe硫化物触媒存在下での原油原料と水素供給源との接触 600mL連続撹拌槽反応器(316ステンレス鋼製)に塔底原料入口、単一流出蒸気口、反応器内部に配置した3個の熱電対、及びシャフトドライブ式直径1.25インチ6枚羽根Rushionタービンを取付けた。 例1で説明したように製造したK−Fe硫化物触媒(110.3g)を反応器に装入した。 水素ガスを8,000Nm 3 /m 3 (50,000SCFB)反応器に入れ(metered)、ビチューメン(カナダのLloydminster地域)と混合した。 このビチューメンを塔底原料入口から反応器に入れ、水素/原油原料混合物を形成した。 185時間の反応運転期間中、水素ガス及び原油原料を反応器に連続的に供給し、生成物を反応器の流出蒸気口から連続的に取出した。 原油原料は、原油原料液水準を反応器容積の60%に維持するため、67.0g/時間の速度で供給した。 反応器中の液体水準を測定するため、50ミリキューリー137 Csガンマ線源及び沃化ナトリウムシンチレーション検出器を使用した。 この水素ガス/原油原料を、430℃の反応器平均内部温度で触媒と接触させた。 水素/原油原料と触媒との接触により、全生成物を反応器流出蒸気の状態で製造した。 反応器流出蒸気は、単一上部出口から反応器を出た。 反応器塔頂部は、塔頂部上で反応器流出蒸気の内部凝縮を防止するため、電気的に430℃に加熱した。 反応器を出た後、反応器流出蒸気は、高圧気/液分離器及び低圧気/液分離器中で冷却し、分離して、液体流及びガス流を製造した。 ガス流は、向流苛性アルカリスクラバーに送って、酸性ガスを除去し、次いで標準のクロマトグラフィー技術を用いて定量した。 全生成物は、それぞれ全生成物1g当たり、原油生成物を0.918g及び非凝縮性炭化水素ガスを0.089g含有していた。 反応器中には固体が全生成物1g当たり0.027g残存していた。 この方法で製造した原油生成物及び非凝縮性炭化水素ガスの特性及び組成を図8の第1表、図9の第2表及び図10の第3表に示す。 本例は、遷移金属硫化物触媒の存在下で原油原料を水素と接触させて、コークスの最小付随発生で全生成物を製造する方法を示す。 全生成物は、STPで液体混合物である原油生成物を含有し、非凝縮性炭化水素ガスを全生成物1g当たり0.1g以下有する。 第1表で原油原料についてのMCR含有量(13.7重量%)を、プロセス中に形成された固体(2.7重量%)と比較すると、制御した条件と触媒との組合わせにより、ASTM法D4530で指示された量よりも少量のコークスが生成したことが判る。 非凝縮性炭化水素は、C 2 、C 3及びC 4炭化水素を含有していた。 第2表に示したC 2炭化水素の重量割合(%)の合計(20.5g)から、合計C 2炭化水素1g当たりのエチレン含有量が計算できる。 炭化水素ガス中のC 2炭化水素は、エチレンを合計C 2炭化水素1g当たり0.073g含有していた。 第2表に示したC 3炭化水素の重量割合(%)の合計(23.9g)から、合計C 3炭化水素1g当たりのプロペン含有量が計算できる。 炭化水素ガス中のC 3炭化水素は、プロペンを合計C 3炭化水素1g当たり0.21g含有していた。 非凝縮性炭化水素中のC 4炭化水素のイソブタン対n−ブタン重量比は、0.2であった。 本例は、0.101MPaにおいて204℃(400°F)以下の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて204〜300℃の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、0.101MPaにおいて300〜400℃の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上、及び0.101MPaにおいて400〜538℃(1000°F)の沸点範囲分布を有する炭化水素を0.001g以上含有する原油生成物の製造方法を示す。 204℃未満の沸点範囲分布を有する炭化水素は、イソパラフィン及びn−パラフィンを含有し、イソパラフィン対n−パラフィンの重量比は1.4以下であった。 原油生成物は、ナフサ、ケロシン、ディーゼル油及びVGOと関連する沸点範囲を有する。 原油生成物は、ナフサを0.001g以上含有し、また原油生成物のナフサ部分のオクタン価は、70以上であった。 原油生成物のナフサ部分のベンゼン含有量は、ナフサ1g当たり0.01g以下であった。 原油生成物のナフサ部分は、オレフィンをナフサ1g当たり0.15g以下含有していた。 原油生成物のナフサ部分は、単環式芳香族をナフサ1g当たり0.1g以上含有していた。 原油生成物は、ディーゼル油を0.001g以上含有していた。 原油生成物のディーゼルフラクションは、芳香族を含有し、原油生成物のディーゼルフラクション部分の芳香族含有量は、ディーゼル油1g当たり0.4g以上であった。 例3:炭化水素希釈剤不存在下でのK−Fe硫化物触媒の製造 鉄酸化物1000g及び炭酸カリウム173gを脱イオン水423gと配合して、湿潤ペーストを形成した。 この湿潤ペーストを例1で説明したように処理し、中間物固体を形成した。 この中間物固体を最小の力で40メッシュ篩に通した。 例2とは逆に、中間物固体を炭化水素希釈剤の不存在下で元素状硫黄と混合した。 アルゴンの雰囲気を用いた乾燥箱中で中間物固体を粉末化元素状硫黄と混合し、密封炭素鋼シリンダー内に入れ、400℃に加熱し、この温度で1時間維持した。 炭素鋼シリンダーから硫化触媒を固体として回収した。 カリウム−鉄硫化物触媒をモルタル及び乳棒を用いて、得られる触媒粉末が40メッシュ篩を通れるように、粉末に圧潰した。 得られたカリウム−鉄硫化物触媒をX線回折法で分析した。 X線回折スペクトルの分析により、触媒は、パイライト(FeS 2 )、硫化鉄(FeS)、及びピロタイト(Fe 1-x S)を含有していた。 混合カリウム−鉄硫化物又は鉄酸化物種は、X線回折スペクトルでは観察されなかった。 例4:K−F硫化物触媒存在下、高いガス状水素対原油原料比での原油原料と水素供給源との接触 水素対原油原料比を16,000Nm 3 /m 3 (100,000SCFB)とした他は、装置、原油原料及び反応方法は例2と同じである。 例3で説明したように製造したK−F硫化物触媒75.0gを反応器に装入した。 この方法で製造した原油生成物の特性を図8の第1表及び図10の第3表にまとめた。 例4で製造したVGOの重量割合(%)は、例2で製造したVGOの重量割合よりも大きい。 例4で製造した蒸留物の重量割合(%)は、例2で製造した蒸留物の重量割合よりも少ない。 例4で製造した原油生成物のAPI比重は、例2で製造した原油生成物のAPI比重よりも低い。 API比重が高いことは、炭素数の大きい炭化水素が製造されたことを示す。 原油原料と接触後、反応器中のTMS触媒を分析した。 この分析から、原油原料及び水素が存在してから、遷移金属硫化物触媒はK 3 Fe 10 S 14を含有していた。 例5:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒及び個々の無機塩のTAPテスト いずれのTAPテストでも、サンプル300gは、TAPシステムの反応器中で室温(27℃)から1分当たり50℃の速度で500℃に加熱した。 放出された水の蒸気及び二酸化炭素は、TAPシステムの質量分光計を用いてモニターした。 アルミナ上に担持したK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒は、360℃で無機塩から放出された二酸化炭素の電流変曲点0.2ボルト及び放出された水の電流変曲点0.01ボルトよりも高い電流変曲点を示した。 最低TAP温度は360℃で、イオン電流対温度を自然対数プロットして測定した。 図11は、 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒から放出されたガスのイオン電流(“対数(I)”)を、温度(“T”)について自然対数プロットしたグラフである。 曲線168、170は、この無機塩触媒から放出された水及びCO 2についてのイオン電流の対数値である。 この無機塩触媒の放出水及び放出CO 2に対し、シャープな変曲点が360℃で起こる。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒とは対照的に、炭酸カリウム及び炭酸セシウムは、放出水、放出二酸化炭素の両方とも、360℃では電流変曲点は検出できなかった。 例6:無機塩触媒及び個々の無機塩のDSCテスト いずれのDSCテストでも、示差走査熱量計(DSC)モデルDSC−7〔Perkin−Elmer(Norwalk,米国コネクチカット州)〕を用いて、サンプル10mgを1分当たり10℃の速度で520℃まで加熱し、1分当たり10℃の速度で520℃から0.0℃まで冷却し、次いで1分当たり10℃の速度で0℃から600℃まで加熱した。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒のDSC分析において、サンプルの第二加熱中、この塩混合物は、219〜260℃の広範囲の熱転移温度を示した。 この温度範囲の中点は250℃であった。 熱転移曲線の部分(area)を計算すると、−1.75ジュール/gであった。 結晶無秩序化の始まりは、219℃の最低DSC温度で開始することが測定された。 これらの結果とは逆に、炭酸セシウムについては、明確な熱転移は観察されなかった。 Li 2 CO 3とNa 2 CO 3とK 2 CO 3との混合物のDSC分析では、第二加熱サイクル中、 Li 2 CO 3 /Na 2 CO 3 /K 2 CO 3混合物は、390〜400℃間でシャープな熱転移を示した。 この温度範囲の中点は、385℃であった。 熱転移曲線の部分を計算すると、−182ジュール/gとなった。 移動度の始まりは、390℃の最低DSC温度で開始することが測定された。 このシャープな熱転移は、ほぼ均質な塩混合物であることを示す。 例7:無機塩触媒又は個々の無機塩のイオン導電率のK 2 CO 3との比較テスト いずれのテストも無機塩触媒又は個々の無機塩3.81cm(1.5インチ)を、互いに離れているが、マッフル炉内のサンプル中に浸漬した白金又は銅ワイヤー付き石英容器に入れて行った。 これらのワイヤーを9.55ボルトの乾電池及び220,000オームの電流制限性抵抗器に接続した。 マッフル炉を600℃に加熱し、マイクロアンペア計で電流を測定した。 図12は、サンプルの抵抗を炭酸カリウムの抵抗(“対数(rK 2 CO)”)と比較して、温度(“T”)について対数プロットしたグラフである。 曲線172、174、176、178、180は、それぞれK 2 CO抵抗、CaO抵抗、K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒抵抗、Li 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒抵抗、Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒抵抗を示す。 CaO(曲線174)は、380〜500℃の範囲の温度でK 2 CO 3 (曲線172)に比べて、比較的大きな安定した抵抗を示す。 安定した抵抗は、秩序のある構造及び/又はイオンが加熱中、互いに離れて移動し難いことを示す。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒、Li 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒及びNa 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒(それぞれ曲線176、178、180)は、380〜500℃の範囲の温度でK 2 CO 3に比べて、抵抗がシャープに低下したことを示す。 一般に抵抗の低下は、無機塩触媒中に埋封されたワイヤーに電圧を印加中、電流が検出されたことを示す。 図12のデータから、無機塩触媒は350〜600℃の範囲の温度で純粋な無機塩よりも更に動き易いことが判る。 図13は、Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の抵抗をK 2 CO 3の抵抗(“対数(rK 2 CO)”)と比較して、温度(“T”)について対数プロットしたグラフである。 曲線182は、Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の加熱中、 Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒抵抗対K 2 CO 3抵抗(曲線172)の比を、温度(“T”)についてプロットした曲線である。 加熱後、Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒は、室温まで冷却し、次いで導電率装置中で加熱した。 曲線184は、600℃から25℃に冷却後、Na 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の加熱中、この無機塩触媒の抵抗をK 2 CO 3の抵抗と比較して、温度(“T”)について対数プロットした曲線である。 再加熱したNa 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒のイオン導電率は、元のNa 2 CO 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒に比べて増大した。 第一加熱及び第二加熱中の無機塩触媒のイオン導電率の差から、無機塩触媒は、冷却時に、いずれの加熱前の形態(第一形態)とは同一ではない異なる形態(第二形態)を形成するものと推定してよい。 例8:無機塩触媒の流動特性テスト 1〜2cm厚層の粉末K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒を石英皿に入れた。 この皿を炉に置き、500℃で1時間加熱した。 触媒の流動特性を測定するため、加熱後、皿をオーブン中、手で傾けた。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒は流動しなかった。 スパチュラで押すと、触媒はタフィー(taffy)の稠度を持っていた。 これに対し、個々の炭酸塩は、同じ条件下で自由に流動する粉末であった。 例9〜10:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒及び水蒸気の存在下での原油原料と水素供給源との接触 例9〜27では、変形について説明した他は、以下の装置及び一般的方法を使用した。 添加容器: 生成物収集: K 2 CO 3 16.44g、Rb 2 CO 3 19.44g及びCs 2 CO 3 ;22.49gを配合して、K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒を製造した。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3 ;触媒の最低TAP温度は360℃、DSC温度は250℃であった。 個々の塩(K 2 CO 3 、Rb 2 CO 3 、及びCs 2 CO 3 ;)は、50〜500℃の範囲の温度でDSC温度を示さなかった。 このTAP温度は、無機塩触媒のDSC温度より高く、個々の金属炭酸塩のDSC温度よりも低い。 触媒をメタンの大気圧流(250cm 3 /分)下で450℃に急速加熱した。 所望の反応温度に達した後、水蒸気を速度0.4mL/分、メタンを速度250cm 3 /分で反応器に導入した(metered)。 水蒸気及びメタンは、原油原料の添加中、2.6時間に亘って連続的に反応器に導入した。 原油原料は、1.5MPa(229psi)のCH 4を用いて、16分間に亘って圧入した。 原油原料の添加終了後、添加容器には残存原油原料(0.56g)が残った。 原油原料の添加中、370℃に温度低下したことが観察された。 触媒/原油原料混合物を450℃の反応温度に加熱し、この温度で2時間維持した。 2時間後、反応器を冷却し、得られた残留物/触媒混合物を秤量して、反応中、生成した及び/又は消費されなかったコークスの割合(%)を求めた。 初期の触媒とコークス/触媒混合物との重量差から、コークスは原油原料1g当たり0.046g、反応器中に残存していた。 全生成物は、平均API比重が13の原油原料0.87g及びガスを含有していた。 ガスは、未反応CH 4 、水素、C 2及びC 4 〜C 6炭化水素、及びCO 2 (ガス1g当たりCO 2 0.08g)含有していた。 原油生成物は、それぞれ原油生成物1g当たり硫黄を0.01g、及び合計Ni及びVを0.000005g含有していた。 原油生成物は、更に分析しなかった。 例9、10は、原油原料100g当たり触媒3gの存在下で原油原料と水素供給源とを接触させて、STPにおいて液体である原油生成物を含む全生成物を製造する例である。 全生成物の残留物含有量は、原油原料の残留物含有量に対し30%以下であった。 原油生成物の硫黄含有量及び合計Ni/V含有量は、原油原料の硫黄含有量及び合計Ni/V含有量に対し、90%以下であった。 この原油生成物は、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて200℃以下の炭化水素を0.001g以上、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて200〜300℃の炭化水素を0.001g以上、沸点範囲分布が0.101MPaにおいて400〜538℃(1000°F)の炭化水素を0.001g以上含有していた。 例11〜12:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒及び水蒸気の存在下での原油原料と水素供給源との接触 例11、12での反応方法、条件、及びK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒は、原油原料(Cerro Negro)を130g及びK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒を60g使用した他は、例9と同じである。 例11では、メタンは水素供給源として使用した。 例12では、水素ガスは水素供給源として使用した。 非凝縮性ガス、原油生成物及びコークスの量を図14のグラフに示す。 バー186、188は、生成したコークスの重量%を表し、バー190、120は、生成した液体炭化水素の重量%を表し、バー194、196は、生成したガスの、原油原料の重量に対する重量%を表す。 例11では、それぞれCerro Negro原料の重量に対し、原油生成物(バー192)が93重量%、ガス(バー196)が3重量%、コークス(バー188)が4重量%生成した。 例11、12では、水素供給源としてメタンを使用した場合と水素供給源として水素ガスを使用した場合との比較が得られる。 メタンは一般に、水素よりも製造及び/又は輸送費用が安く、したがって、メタンを利用する方法が望ましい。 例示したように、メタンは、無機塩触媒の存在下で原油原料を接触させて全生成物を製造する際、少なくとも、水素供給源としての水素ガスと同様、有効である。 例13〜14:選択したAPI比重を有する原油生成物の製造 装置、反応方法及び無機塩触媒は、反応圧力を変えた他は、例9と同じである。 例14では、反応器圧力は、接触期間中、3.4MPa(514.7psi)とした。 API比重が15.5℃で51.6の原油生成物が製造された。 全生成物は、炭素数分布が5〜15の範囲の炭化水素を含有していた(図15の曲線200)。 これらの例は、無機塩触媒の存在下、各種圧力で原油原料を水素と接触させて、選択したAPI比重を有する原油生成物を製造する方法を示す。 圧力を変化させることにより、高いAPI比重又は低いAPI比重を有する原油生成物が製造された。 例15〜16:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒又は炭化珪素の存在下、外部水素供給源の不存在下での原油原料の接触 例15、16では、装置、原油原料及び反応方法は、原油原料及び触媒(又は炭化珪素)を直接、同時に反応器に装入した他は、例9と同じである。 担体ガスとして二酸化炭素(CO 2 )を使用した。 例15では、Cerro Negro原料138gをK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒(例9と同じ触媒)60.4gと配合した。 例16では、Cerro Negro原料132gを炭化珪素(40メッシュ、Stanford Materials;Aliso Viejo,CA)83.13gと配合した。 このような炭化珪素は、ここで説明したプロセス条件下では触媒特性(あれば)が低いと考えられる。 各例では混合物は、2時間に亘って500℃の反応温度に加熱した。 CO 2を速度100cm 3 /分で反応器に導入した(metered)。 反応器で発生した蒸気は、3.2MPa(479.7psi)の背圧を用いて、冷却トラップ及びガス袋中に収集した。 冷却トラップの原油生成物は、固化し、分析した。 例15では、二酸化炭素の雰囲気中、原油原料と無機塩触媒との接触により、API比重が50以上の無色炭化水素液体36.82g(原油原料の重量に対し26.68重量%)が製造された。 例15の収率は低いが、無機塩触媒存在下での水素供給源の現場発生は、非接触条件下での水素の現場発生よりも多い。 例16での原料生成物の収率は、例15での原料生成物の収率の1/2である。 例15は、無機塩触媒の存在下、ガス状水素供給源の不存在下での原油原料の接触中、水素が発生することも示している。 例17〜20:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒、酸化カルシウム、及び炭化珪素の存在下、大気圧雰囲気条件での原油原料と水素供給源との接触 装置、原油原料、反応方法及び無機塩触媒は、添加容器による添加の代りに、Cerro Negro原料を直接、反応器に添加すると共に、水素供給源として水素ガスを使用した他は、例9と同じである。 反応器圧力は、接触期間中、0.101MPa(14.7psi)とした。 水素ガス流速は250cm 3 /分である。 反応温度、水蒸気流速、及び生成した原油生成物、ガス、及びコークスの割合(%)を図16の第4表に示す。 例17、18では、K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒を使用した。 例17では、接触温度を375℃とした。 例18では、接触温度を500〜600℃の範囲とした。 例19では、例18に記載の条件と同様な条件下で原油原料をCaCO 3と接触させた。 原油生成物、ガス及びコークスの生成割合(%)を図16の第4表に示す。 例19ではガスの生成量は、例18のガス生成量に比べて増加した。 原油原料の脱流は、例18と同様、有効ではなかった。 例19で製造した原油生成物の原油生成物1g当たりの硫黄含有量は、例18で製造した原油生成物の原油生成物1g当たりの0.008gに比べて、0.01gであった。 例20は、例18に対する比較例である。 例20では、無機塩触媒の代りに炭化珪素85.23gを反応器に装入した。 例20ではガス生成量及びコークス生成量は、例18のガス生成量及びコークス生成量に比べて著しく増加した。 これらの非接触条件下では、原油生成物1g当たりコークス0.22g、非凝縮性ガス0.25g、及び原油生成物0.5g生成した。 例18で製造された原油生成物の原油生成物1g当たり硫黄0.01gに比べて、例20で製造された原油生成物は、原油生成物1g当たり硫黄を0.036g含有していた。 これらの例は、例17、18で使用した触媒が非接触条件及び従来の金属塩よりも向上した結果が得られることを示している。 500℃で水素流速250cm 3 /分では、非接触条件下で生成したコークス量及び非凝縮性ガス量に比べて、コークス及び非凝縮性ガスの生成が著しく少なかった。 無機塩触媒を用いた例(図16、第4表の例17〜18)では、対照実験中に生成したガス(例えば図16、第4表の例20)に比べて、生成ガスの重量割合(%)の低下が観察された。 生成ガス中の炭化水素量から、原油原料の熱分解は、水素供給源と接触させた原油原料の全量に対し、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は無しと推定される。 例21、22:水及びK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒又は炭化珪素の存在下、原油原料とガス状水素供給源との接触 例21、22での装置は、水素供給源として水素ガスを使用した他は、例9と同じである。 例21では、Cerro Negro原料130.4gをK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒30.88gと配合して、原油原料混合物を形成した。 例22では、Cerro Negro原料139.6gを炭化珪素80.14gと配合して、原油原料混合物を形成した。 原油原料混合物は直接、反応器に装入した。 加熱及び保持期間中、水素ガスを250cm 3 /分で反応器に導入した。 原油原料混合物を1.5時間に亘って300℃に加熱し、この温度で1時間維持した。 反応温度を1時間に亘って400℃に上げ、この温度で1時間維持した。 反応温度が400℃に達した後、水を、窒素と組合わせて、0.4g/分の速度で反応器に導入した。 水及び水素は、残りの加熱及び保持期間中、反応器に装入した。 反応混合物を400℃に維持した後、反応温度を500℃に上げ、この温度で時間維持した。 反応器で発生した蒸気を冷却トラップ及びガス袋に収集した。 冷却トラップの液体生成物は、固化し、分析した。 例21では、水素雰囲気中、原油原料とK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒との接触により、暗赤褐色炭化水素液体(原油生成物)86.17g(原油原料の重量に対し66.1重量%)及び水97.5gが蒸気として生成した。 例22では、水の蒸気及び少量のガスが反応器から生成した。 反応器を調べ、暗褐色粘稠の炭化水素液体を反応器から取出した。 水素雰囲気中、原油原料と炭化珪素との接触により、50重量%未満の暗褐色粘稠液体製造された。 例22で製造された原油生成物の収率に比べて、例21では、原油生成物の収率が25%向上したことが判った。 例21は、ここで説明した方法を用いて製造した原油生成物の特性が、熱水を用いて製造した原油生成物に比べて、向上したことを示す。 特に例21の原油生成物は、蒸気として製造できない例22で製造した原油生成物で示hrmされるように、例22で製造した原油生成物よりも沸点が低い。 例23〜24:非接触条件下で製造した原油生成物量(容量)に比べて、 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の存在下、原油原料と水素供給源との接触により増量した原油生成物の製造 装置、原油原料、無機触媒及び反応方法は、原油原料を直接、反応器に装入すると共に、水素供給源として水素ガスを使用した他は、例9と同じである。 原油原料(Cerro Negro)のAPI比重は6.7、密度は15.5℃で1.02g/mLである。 例23では、原油原料102g(102mL)及びK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒31gを反応器に装入した。 API比重が50で、密度が15.5℃で0.7796g/mLの原油生成物87.6g(112mL)が製造された。 これらの条件下では、例23で製造した原油生成物の容量は原油原料の容量よりも約10%多かった。 例24で製造した原油生成物の容量は、例23で製造した原油生成物の容量よりも著しく少なかった(約40%少ない)。 生成物容量が顕著に増加すると、入力原油の1容量当たりの原油生成物容量を更に増量する製造者の能力が高まる。 例25:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒、硫黄及びコークスの存在下、原油原料と水素供給源との接触 装置及び反応方法は、水蒸気を300cm 3 /分で反応器に導入した他は、例9と同じである。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒は、K 2 CO 3 27.2g、Rb 2 CO 3 32.2g及びCs 2 CO 3 ;40.6gを配合して製造した。 原油原料130.35g及びK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒31.6gを反応器に装入した。 Cerro Negro原料は、この原油原料1g当たり、沸点範囲分布149〜260℃(300〜500°F)の合計芳香族を0.04g、ニッケル及びバナジウムの組合わせを0.000640g、硫黄を0.042g及び残留物を0.56g含有していた。 この原油原料のAPI比重は6.7である。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の存在下で原油原料をメタンと接触させると、原油原料1g当たり、全生成物0.95g及びコークス0.041gが生成した。 原油生成物は、ガスクロマトグラフィー及び質量分析法で分析した。 原油生成物は、沸点範囲が100〜538℃の炭化水素の混合物を含有していた。 全液体生成物混合物は、エチルベンゼン(0.101MPaでの沸点が136.2℃の単環式化合物)を混合物1g当たり、0.006g含有していた。 この生成物は、原油原料では検出されなかった。 反応器から使用済み触媒(“第一使用済み触媒”)を取出し、秤量し、次いで分析した。 第一使用済み触媒は、31.6gから合計重量37.38gに重量増加していた(元のK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の重量に対し、18重量%増加)。 第一使用済み触媒は、それぞれ使用済み触媒1g当たり、追加のコークスを0.15g、硫黄を0.0035g、Ni/Vを0.0014g、K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3を0.845g含有していた。 追加の原油原料152.71gを第一使用済み触媒36.63gと接触させて、損失後の回収全生成物150gを製造した。 この全生成物は、それぞれ全生成物1g当たり、液体原油生成物を0.92g、追加のコークスを0.058g、及びガスを0.017g含有していた。 このガスは、それぞれガス1モル当たり、水素を0.18モル、二酸化炭素を0.07g、及びC 2 〜C 6炭化水素を0.035モル含有していた。 ガスの残部は、メタン、窒素、若干の空気、及び痕跡量(<1%モル)の蒸発した油生成物である。 原油生成物は、沸点範囲100〜538℃の炭化水素の混合物を含有していた。 沸点範囲分布が149℃未満の混合物部分は、それぞれ全液体炭化水素1モル当たり、エチルベンゼンを0.018モル%、トルエンを0.04モル%、m−キシレンを0.03モル%、及びp−キシレンを0.060モル%(0.101MPaでの沸点が149℃未満の単環式化合物)含有していた。 これらの生成物は、原油原料中では検出されなかった。 反応器から使用済み触媒(“第二使用済み触媒”)を取出し、秤量し、次いで分析した。 第二使用済み触媒は、36.63gから合計重量45.44gに重量増加していた(元のK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の重量に対し、43重量%増加)。 第二使用済み触媒は、それぞれ第二使用済み触媒1g当たり、コークスを0.32g、硫黄を0.01g、及び0.67g含有していた。 追加の原油原料104gを第二使用済み触媒44.84gと接触させて、原油原料1g当たり104gの全生成物を製造し、コークス0.114gを収集した。 コークスの一部は、移送された原油原料133gのうち104.1gが原油原料であったから、添加容器の過熱により添加容器中でコークスが形成されたことに起因する。 全生成物は、それぞれ全生成物1g当たり、原油生成物を0.86g、及び炭化水素ガスを0.025g含有していた。 この全ガスは、それぞれガス1モル当たり、水素を0.18モル、二酸化炭素を0.052モル、及びC 2 〜C 6炭化水素を0.03モル含有していた。 ガスの残部は、メタン、空気、一酸化炭素、硫化水素及び少痕跡量の蒸発した油である。 原油生成物は、沸点範囲100〜538℃の炭化水素の混合物を含有していた。 沸点範囲分布が149℃未満の混合物部分は、前述のようにGC/MS測定により、それぞれ炭化水素混合物1g当たり、エチルベンゼンを0.021g、トルエンを0.027g、m−キシレンを0.042g、及びp−キシレンを0.020g含有していた。 反応器から使用済み触媒(“第三使用済み触媒”)を取出し、秤量し、次いで分析した。 第三使用済み触媒は、44.84gから合計重量56.59gに重量増加していた(元のK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の重量に対し、79重量%増加)。 第三使用済み触媒について詳細な元素分析を行った。 第三使用済み触媒は、それぞれ追加物(matter)1g当たり、炭素を0.90g、水素を0.028g、酸素を0.0025g、硫黄を0.046g、窒素を0.017g、バナジウムを0.0018g、ニッケルを0.0007g、鉄を0.0015g、塩化物を0.00025g含有し、残部は、クロム、チタン及びジルコニウムのような他の遷移金属であった。 本例で示したように、無機塩触媒の上及び/又は中に沈着した、コークス、硫黄及び/又は金属は、無機塩触媒の存在下、原油原料と水素供給源との接触により製造した原油生成物の全収率に影響を与えない(各実験について80%以上)。 この原油生成物の単環式芳香族含有量は、原油原料に含まれる沸点範囲分布が149℃未満である単環式芳香族含有量の100倍以上である。 これら3つの実験では、原油生成物の平均収率(原油原料の重量に対し)は89.7重量%(標準偏差:2.6%)、コークスの平均収率(原油原料の重量に対し)は7.5重量%(標準偏差:2.7%)、またガス状分解炭化水素の平均収率(原油原料の重量に対し)は2.3重量%(標準偏差:0.46%)であった。 液体、ガスとも比較的標準偏差が大きいのは、第三実験で添加容器中の原油原料を過熱して、原料容器の温度制御器が故障したためである。 たとえ、そうであっても、触媒システムの活性に対し、ここでテストした大量のコークスでさえ、明確で顕著な悪影響はない。 C 2オレフィン対合計C 2比は0.19であった。 C 3オレフィン対合計C 3比は0.4であった。 C 4炭化水素中のα−オレフィン対内部オレフィン比は0.61であった。 C 4シス/トランスオレフィン比は6.34であった。 この比は、推定熱力学C 4シス/トランスオレフィン比の0.68よりも実質的に高かった。 C 5炭化水素中のα−オレフィン対内部オレフィン比は0.92であった。 この比は、推定熱力学C 5 α−オレフィン対C 5内部オレフィン比の0.194よりも大きかった。 C 5シス/トランスオレフィン比は1.25であった。 この比は、この比は、推定熱力学C 5シス/トランスオレフィン比の0.9よりも大きかった。 例26:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒の存在下、硫黄を比較的多量に含有する原油原料と水素供給源との接触 装置及び反応方法は、原油原料、メタン及び水蒸気を連続的に反応器に供給した他は、例9と同じである。 反応器中の原料の水準を反応器の重量変化を用いてモニターした。 メタンガスは、500cm 3 /分で連続的に反応器に導入した。 水蒸気は、6g/分で連続的に反応器に導入した(metered)。 無機塩触媒は、K 2 CO 3 27.2g、Rb 2 CO 3 32.2g及びCs 2 CO 3 ;40.6gを配合して製造した。 このK 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒59.88gを反応器に装入した。 API比重が9.4で、原油原料1g当たり硫黄を0.02g、残留物を0.40g含有する原油原料(ビチューメン、Lloydminster,カナダ)を添加容器中で150℃に加熱した。 原油原料液体の水準を反応器容積の50%維持しようとして、熱ビチューメンを添加容器から10.5g/分で連続的に反応器に導入した(metered)が、この速度では前記水準を維持するには不十分であった。 このメタン/水蒸気/原油原料を平均反応器温度456℃で触媒と接触させた。 メタン/水蒸気/原油原料と触媒との接触により、全生成物を製造した(本例では反応器流出蒸気の形態で)。 原油原料1640gを6時間に亘って処理した。 初期の触媒重量と残留物/触媒混合物重量との差から、原油原料1g当たりコークス0.085gが反応器中に残った。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒存在下での原油原料とメタンとの接触により、全生成物が原油原料1g当たり0.93g製造された。 全生成物は、反応に使用したメタン及び水の量を除いて、それぞれ全生成物1g当たり、ガスを0.03g及び原油生成物を0.97g含有していた。 ガスは、それぞれガス1g当たり、水素を0.014g、一酸化炭素を0.018g、二酸化炭素を0.08g、硫化水素を0.13g、及び非凝縮性炭化水素を0.68g含有していた。 硫化水素の発生量から、原油原料の硫黄含有量は18重量%減少したものと推定してよい。 本例に示すように、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素が製造された。 一酸化炭素対二酸化炭素のモル比は0.4であった。 C 2 〜C 5炭化水素は、それぞれ炭化水素1g当たり、C 2化合物を0.30g、C 3化合物を0.32g、C 4化合物を0.26g、及びC 5化合物を0.10g含有していた。 非凝縮性炭化水素中のイソペンタン対n−ペンタンの重量比は0.3であった。 非凝縮性炭化水素中のイソブタン対n−ブタンの重量比は0.189であった。 C 4化合物は、ブタジエン含有量がC 4化合物1g当たり0.003gであった。 α−C 4オレフィン対内部C 4オレフィンの重量比は0.75であった。 α−C 5オレフィン対内部C 5オレフィンの重量比は1.08であった。 例25のデータから、コークスの存在下で、硫黄を比較的多量に含む原油原料を同じ触媒で連続的に処理しても、無機塩触媒の活性を低下させず、しかも輸送に好適な原油生成物が製造されることが判る。 例27:K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒及びコークスの存在下での原油原料と水素供給源との接触 装置及び反応方法は、例26で説明したとおりである。 K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3 /Cs 2 CO 3触媒56.5gを反応器に装入した。 原油原料の全量2550gを6時間に亘って処理した。 ガスは、それぞれガス1g当たり、水素を0.021g、一酸化炭素を0.018g、二酸化炭素を0.052g、硫化水素を0.18g、及び非凝縮性炭化水素を0.65g含有していた。 硫化水素の生成量から、原油原料の硫黄含有量は、原油原料の重量に対し14重量%減少したものと推定してよい。 本例に示すように、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素が製造された。 一酸化炭素対二酸化炭素のモル比は0.6であった。 C 2 〜C 6炭化水素は、それぞれC 2 〜C 6炭化水素1g当たり、C 2化合物を0.44g、C 3化合物を0.31g、C 4化合物を0.19g、及びC 5化合物を0.068g含有していた。 非凝縮性炭化水素中のイソペンタン対n−ペンタンの重量比は0.25であった。 非凝縮性炭化水素中のイソブタン対n−ブタンの重量比は0.15であった。 C 4化合物は、ブタジエン含有量がC 4化合物1g当たり0.003gであった。 本例は、コークスの存在下で、硫黄を比較的多量に含む原油原料(原油原料2550g)を同じ触媒(56.5g)で繰り返し処理しても、無機塩触媒の活性を低下させず、しかも輸送に好適な原油生成物が製造されることを示している。 本発明の各種局面の更なる改変及び代替実施態様は、当業者ならば、以上の説明から明らかであろう。 したがって、以上の説明は単に例示として解釈すべきであり、当業者に本発明を実施する一般的方法を教示することを目的とする。 ここで明示し、説明した本発明の形態は実施態様の例とみなすものと解釈すべきである。 要素及び材料は、ここで例証し、説明したものと取替えでき、部品及び方法は入れ替えでき、また本発明の特定の特徴は、独立に利用できることは、いずれも本発明の説明の利益を得た後、当業者ならば明かでなろう。 ここで説明した要素は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を逸脱しない限り、変化させてよい。 2 Co 3 /K 2 CO 3 /Rb 2 CO 3触媒の抵抗を炭酸カリウムの抵抗と比較して、温度について対数プロットしたグラフである。 100 接触システム101 原油原料供給部102 接触帯116 分離ユニット119 原油原料受け器122 接触システム124 分離帯130 接触システム132 分離帯140 配合帯148 接触システム |