Method of manufacturing a decorative molding laminated film, polyurethane resin and the decorative molding body |
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申请号 | JP2013506374 | 申请日 | 2012-12-25 | 公开(公告)号 | JP5314216B1 | 公开(公告)日 | 2013-10-16 |
申请人 | 東レ株式会社; 三洋化成工業株式会社; | 发明人 | 克弘 蓑毛; 健太郎 森; 洋輔 松井; | ||||
摘要 | A multilayer film for decorative molding, which has a multilayer structure wherein a protective layer, a color layer and an adhesive layer are arranged in this order and a film for molding is arranged between any two of the layers or on a surface of the protective layer, said surface being on the reverse side of the color layer-side surface. The protective layer contains a polyurethane resin (U) which is formed from at least an active hydrogen component (A) and an organic isocyanate component (B) and which has a polycarbonate skeleton having an alicyclic hydrocarbon group. In addition, the multilayer film for decorative molding satisfies condition (1) and/or condition (2). Provided are: a multilayer film for decorative molding, the curing reaction of which is completed merely by the heat during the molding, and which exhibits good followability to the mold during decorative molding, while having good surface protective properties; and a decorative molded body which uses the multilayer film for decorative molding. Condition (1): The polyurethane resin (U) has an alkoxysilyl group and/or a silanol group in each molecule. Condition (2): The protective layer contains a compound (X) that has a glycidyl ether group and an alkoxysilyl group and/or a silanol group, and the polyurethane resin (U) has a carboxyl group and/or a salt thereof. | ||||||
权利要求 | 保護層と着色層と接着層とがこの順で配され、いずれかの層間に、または、保護層の着色層とは反対の面上に、成形用フィルムが配された積層構造を有する加飾成形用積層フィルムであって、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を前記保護層が含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする加飾成形用積層フィルム。 条件(1):ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である。 条件(2):前記保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)である。 活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、請求項1に記載の加飾成形用積層フィルム。 ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、請求項2に記載の加飾成形用積層フィルム。 活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、ポリウレタン樹脂(U)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子と化合物(X)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の合計質量の割合が0.05〜2.0質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 少なくとも活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アルコキシシリル基および/またはシラノール基とを有することを特徴とする加飾成形用積層フィルムに用いられるポリウレタン樹脂。 活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、請求項7に記載のポリウレタン樹脂。 ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、請求項8に記載のポリウレタン樹脂。 活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、ポリウレタン樹脂(U1)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の質量の割合が0.05〜2.0質量%である、請求項7〜9のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、請求項7〜10のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、請求項7〜10のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 少なくとも活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、グリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを含有する加飾成形用積層フィルムに用いられることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。 活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、請求項13に記載のポリウレタン樹脂組成物。 ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、請求項14に記載のポリウレタン樹脂組成物。 活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、化合物(X)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の質量の割合が0.05〜2.0質量%である、請求項13〜15のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、請求項13〜16のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、請求項13〜16のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 加飾成形用積層フィルムを被加飾体に貼り付ける加飾成形体の製造方法であって、前記加飾成形用積層フィルムが、保護層と着色層と接着層とがこの順で配され、いずれかの層間に、または、保護層の着色層とは反対の面上に、成形用フィルムが配された積層構造を有し、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を前記保護層が含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする加飾成形体の製造方法。 条件(1):ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する。 条件(2):前記保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がカルボキシル基および/またはその塩を有する。 |
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说明书全文 | 本発明は、自動車部品や電化製品などで使用される被加飾体に対してフィルム加飾を施す際に用いる加飾成形用積層フィルムに関し、深絞りなどの複雑な形状の被加飾体に対しても加飾成形時の型への追従性が良好で、かつ、表面に傷のつきにくい、加飾成形用積層フィルム、ポリウレタン樹脂および加飾成形体の製造方法に関するものである。 自動車部品や電化製品等の成形品の加飾方法としては、一般的に、接着層、着色層、保護層といった、異なる機能を有する複数の層を部品表面に順次スプレー塗装することにより、部品の耐久性や意匠性を付与し、被加飾体を加飾する手法が採用されている。 しかしながら、スプレー塗装においては、焼き付け工程が必要となることから製造工程が多くなり、乾燥における熱量や時間が必要になるため、コスト高となる問題がある。 前記問題を解決するため、近年、3次元形状の被加飾体に加飾可能な、真空成形法や圧空成形法などのフィルム加飾法の検討がなされている。 フィルム加飾法に用いられる加飾成形用積層フィルムにおいて、成形品の最表面を覆う層である保護層は、耐久性[傷の付きにくさ(耐傷付性)、耐候性、耐薬品性および耐水性等]を有する必要があり、成形品の加飾において、重要な役割を果たす。 また、フィルム加飾法を自動車等の部品に適用する場合、成形品のサイズが大型となり、かつ、形状が複雑となるため、加飾成形時の型への追従性が必要となる。 すなわち、フィルム加飾法において成形品のサイズが大型になった場合には、一度に成形品の頂部から底部にまで到る全領域を残さずカバーするように加飾できることが必要となる。 また、形状が複雑になった場合には、加飾成形用積層フィルムが凹凸形状に沿って変形し、全面が形状に追従することが必要となる。 加飾成形用積層フィルムの保護層には、特に耐傷付性と加飾成形用積層フィルムとしての加飾成形時の型への追従性が必要であり、これらの特性への要求が高まってきている。 さらに、フィルム加飾法を自動車等の部品に適用する場合、生産性が高いこと、すなわち、少ない工程で成形が完了することが求められている。 加飾成形用積層フィルムとして、例えば特許文献1、2のように、アクリル樹脂をメインとする保護層を持つ成形用のフィルムが提案されている。 また、特許文献3のように、ウレタン樹脂をメインとし、熱硬化のみで硬化させる保護層を持つ成形用のフィルムが提案されている。 特許文献1、2の方法においては、保護層を硬化させる為に、加飾成形用積層フィルムを被加飾体に貼り付けた後、さらにUVランプなどによるエネルギー線照射という工程が必要になり、生産性が低くなるという問題があった。 特許文献3の方法においては、保護層に必要な耐傷付性と加飾成形時の型への追従性が両立しないという問題があった。 本発明は、このような従来技術の背景に鑑み、生産性が高く、フィルム加飾成形に適した良好な延伸性があり、耐傷付性が良好な保護層を有する加飾成形用積層フィルムを提供することを目的とする。 かかる課題を解決するため本発明は次の構成[1]〜[19]を採用する。 [1]保護層と着色層と接着層とがこの順で配され、いずれかの層間に、または、保護層の着色層とは反対の面上に、成形用フィルムが配された積層構造を有する加飾成形用積層フィルムであって、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を前記保護層が含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする加飾成形用積層フィルム。 [2]活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、[1]に記載の加飾成形用積層フィルム。 [3]ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、[2]に記載の加飾成形用積層フィルム。 [4]活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、ポリウレタン樹脂(U)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子と化合物(X)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の合計質量の割合が0.05〜2.0質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 [5]有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 [6]有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾成形用積層フィルム。 [7]少なくとも活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アルコキシシリル基および/またはシラノール基とを有することを特徴とする加飾成形用積層フィルムに用いられるポリウレタン樹脂。 [8]活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、[7]に記載のポリウレタン樹脂。 [9]ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、請求項[8]に記載のポリウレタン樹脂。 [10]活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、ポリウレタン樹脂(U1)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の質量の割合が0.05〜2.0質量%である、請求項[7]〜[9]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 [11]有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、[7]〜[10]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 [12]有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、[7]〜[10]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。 [13]少なくとも活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、グリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを含有する加飾成形用積層フィルムに用いられることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。 [14]活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなる、[13]に記載のポリウレタン樹脂組成物。 [15]ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対するポリカーボネートポリオール(a1)が有する脂環式炭化水素基の質量割合が1〜30質量%である、[14]に記載のポリウレタン樹脂組成物。 [16]活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する、化合物(X)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の質量の割合が0.05〜2.0質量%である、[13]〜[15]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 [17]有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および/または炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である、請求項[13]〜[16]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 [18]有機イソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである、[13]〜[16]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物。 [19]加飾成形用積層フィルムを被加飾体に貼り付ける加飾成形体の製造方法であって、前記加飾成形用積層フィルムが、保護層と着色層と接着層とがこの順で配され、いずれかの層間に、または、保護層の着色層とは反対の面上に、成形用フィルムが配された積層構造を有し、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を前記保護層が含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする加飾成形体の製造方法。 本発明の加飾成形用積層フィルムは、加飾成形時の型への追従性に優れ、さらに成形時の熱により保護層の硬化が十分に進行し完了するものであるため、本発明の加飾成形用積層フィルムを用いることにより、生産性が高く、かつ加飾成形時の型への追従性や耐久性(耐傷付性、耐候性、耐薬品性および耐水性等)の良好な加飾成形体を得ることができる。 保護層と着色層と接着層とがこの順で配され、いずれかの層間に、または、保護層の着色層とは反対の面上に、成形用フィルムが配された積層構造を有する加飾成形用積層フィルムであって、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を前記保護層が含有してなり、少なくとも条件(1):[ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である。 ]および条件(2):[前記保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)である。 ]のいずれかを満たす加飾成形用積層フィルムは、接着層を被加飾体の表面に当たるように積層して熱成形にて被加飾体に貼り付けることにより、被加飾体に加飾を施すことができる。 着色層、接着層の構成順序としては、以下の(i)〜(iii)の形態を採ることができる。 なお被加飾体は、本発明の加飾成形用積層フィルムには含まれないが、本発明の適用態様を明確に示すために、括弧内に記している。 (i) 成形用フィルム/保護層/着色層/接着層(/被加飾体) なお、(i)の形態を採る場合は、加飾成形後に保護層を最表面に露出させる必要があるので、成形用フィルムをはがす必要がある。 以降、被加飾体上に形成される次のそれぞれの構成(a)〜(c)を有する保護層から接着層までの複合層を加飾層と記す場合もある。 (a) (i)の形態を採った場合の成形用フィルムをはがした後の複合層(保護層/着色層/接着層) このような加飾成形用積層フィルムを用いて被加飾体を加飾することにより、従来多段階の工程が必要であったスプレー塗装による加飾方法と比べて、加飾層を形成する工程数を減らすことが可能となり、加飾層を有する成形品の生産効率が向上する。 このことにより、低コスト化が可能となる。 かかる加飾成形用積層フィルムは、少なくとも前記条件(1)および条件(2)のいずれかを満たす保護層を有しているため、成形時の熱により保護層の硬化が進行し、別途エネルギー線照射の工程を必要としないことから生産性が高く、また、耐傷付性が良好で、かつ加飾成形時の型への追従性が良い。 このような加飾成形用積層フィルムを用いることによって、外観の良好な加飾成形体を得ることが可能となる。 [成形用フィルム] 加飾成形用積層フィルムの成形用フィルムは、ハンドリングする際や加飾成形時に、隣接する層と剥離しないことが好ましい。 加飾成形用積層フィルムが前記(i)の形態を採る場合は、成形用フィルムの保護層側の面と保護層との界面は、上述のとおりハンドリングする際や加飾成形時に、剥離しないことに加えて、加飾成形後に、成形用フィルムを剥離して取り除く必要がある。 従って、かかる場合は、成形用フィルムの保護層側の面は、加飾成形前および加飾成形中における保護層との密着性に加えて、加飾成形後に保護層との離型性を有していることが好ましい。 これらは相反する特性であるため、以下に示す密着性の低減手段と、増加手段とを併用して適宜調整することができる。 密着性の低減手段としては、成形用フィルムの片側(保護層側)の面にポリオレフィン等の保護層との親和性の低い材質からなる層を共押し出しやラミネートして複合フィルムとする方法、離型剤をコーティングして複合フィルムとする方法等が挙げられる。 密着性の増加手段としては、成形用フィルムの片側(保護層側)の面にコロナ処理を施す方法等が挙げられる。 加飾成形用積層フィルムが前記(ii)または(iii)の形態を採る場合は、成形用フィルムが加飾層中に含まれるので、成形用フィルムの両面は、共に隣接する層と離型性を有する必要はなく、密着性が高ければよい。 従って、接着剤等を表面にコーティングして複合フィルムとする方法およびコロナ処理等により成形フィルムの表面を改質する方法等を適用して、必要な密着性を得ればよい。 成形用フィルムの厚みは、成形後の加飾層の破断強度や形状保持性の点で、50〜500μmであることが好ましく、75〜200μmであればさらに好ましい。 該厚みの測定は、加飾成形用積層フィルムの製造工程中であれば、各層を成形するごとにJIS C 2151:2006に準じマイクロメータにて測定して、算出することができる。 また、成形用フィルムに加飾層を積層した状態においては、微分干渉顕微鏡やレーザ顕微鏡、電子顕微鏡などで断面を観察することで、成形用フィルムの厚みを測定することができる。 [保護層] このようなポリウレタン樹脂(U)は、好ましくは4員環〜10員環(特に好ましくは6員環)の脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有する活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成されるポリウレタン樹脂であることが好ましい。 脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)としては、炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールまたはこれらと炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコール(好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオール)の1種または2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。 なお、以下において、「脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)」等の化合物名に記号を付したものを単に「(a1)」等の記号のみで表す場合がある。 炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、1,2−シクロブタンジオール、2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−または1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,1'−ビシクロヘキサン−1,1'−ジオール、1,1'−ビシクロヘキサン−2,2'−ジオール、1,1'−ビシクロヘキサン−4,4'−ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、1,2−または1,3−シクロヘプタンジオールおよび1,2−、1,4−または1,5−シクロオクタンジオール等が挙げられる。 これらの内、得られる保護層の耐傷付性および型への追従性の観点から好ましいのは1,4−シクロヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールであり、さらに好ましいのは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。 炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−または1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−または2,4−ペンタンジオール、2−または3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−または3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−または2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−または3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−、3−または4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−または4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、炭素数6〜12のトリアルカノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよびマンニトール等が挙げられる。 これらの内、得られる保護層の耐傷付性および型への追従性の観点から好ましいのは炭素数3〜6の直鎖のジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール)である。 脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の内、型への追従性の観点から好ましいのは、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび必要により使用される炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとして2価のアルコールを用いたポリカーボネートジオールである。 脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量(以下、Mnと略記)の範囲は、得られる保護層の型への追従性の観点から、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは600〜3,000、特に好ましくは750〜2,000である。 なお、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、例えば以下の条件で測定することができる。 ポリウレタン樹脂(U)中における脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)に由来の脂環式炭化水素基の含有量は、保護層の耐傷付性や意匠特性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜25質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。 脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)以外の活性水素成分(A)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。 例えば、(a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)、カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)、鎖伸長剤(a4)ならびに反応停止剤(a5)等を用いることができる。 (a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されている高分子ポリオールが使用でき、例えばポリエステルポリオール(a21)およびポリエーテルポリオール(a22)等が挙げられる。 ポリエステルポリオール(a21)としては、脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)、脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)およびポリラクトンポリオール(a213)等が挙げられる。 脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)としては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールまたはこれらの2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。 脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)の具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオールおよびポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。 脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび/または前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールと炭素数2〜10の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とから形成されるポリエステルポリオール等が挙げられる。 脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)に使用できる炭素数2〜10の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸およびマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸等)、3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸およびピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチルおよびフタル酸ジメチル等)およびこれらの混合物が挙げられる。 脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオールおよびポリネオペンチレンテレフタレートジオール等が挙げられる。 ポリラクトンポリオール(a213)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールおよび/または前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールへのラクトンの重付加物等が挙げられ、用いられるラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトン)等が挙げられる。 ポリラクトンポリオール(a213)の具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。 ポリエーテルポリオール(a22)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)および芳香族ポリエーテルポリオール(a222)が挙げられる。 脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)としては、例えばポリオキシエチレンポリオール[ポリエチレングリコール等]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリプロピレングリコール等]、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオールおよびポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。 芳香族ポリエーテルポリオール(a222)としては、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物およびビスフェノールAのEO20モル付加物等]およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]等のビスフェノール骨格を有するポリオールならびにレゾルシンのEOまたはPO付加物等が挙げられる。 (a2)のMnは、保護層の耐傷付性および型への追従性の観点から、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは600〜4,000、特に好ましくは700〜3,000である。 (a2)の内、保護層の耐候性、耐水性、耐薬品性、耐傷付性および型への追従性の観点から好ましいのは脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)であり、さらに好ましいのは炭素数3〜6の直鎖ジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール)またはこれらの2種以上の混合物を前記低分子カーボネート化合物と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールである。 カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸および2,2−ジメチロールオクタン酸]等およびこれらの塩が挙げられる。 かかる塩の種類としては、例えばアンモニウム塩、アミン塩[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびオクチルアミン)塩、2級モノアミン(例えばジメチルアミン、ジエチルアミンおよびジブチルミン)塩および3級モノアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン)塩等]が挙げられ、これらの2種以上の併用も可能である。 前記塩はポリウレタン樹脂(U)を後述の水分散体として製造する場合に特に好ましく用いられ、前記塩のうち、得られる保護層の耐水性、耐薬品性およびウレタン樹脂水分散体の安定性の観点から好ましいのは、前記塩を構成する塩基性化合物の常圧における沸点が−40℃〜150℃のものであり、具体的には、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩およびN,N−ジメチルエタノールアミン塩等である。 鎖伸長剤(a4)としては、水、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上の価数)アルコール、これら非環式多価アルコールのEOおよび/またはPO低モル付加物(化学式量またはMnが500未満)、炭素数2〜10のジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族または脂環式ジアミン;o−、m−またはp−フェニレンジアミン、トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等)、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンおよびペンタエチレンヘキサミン等)ならびにヒドラジンおよびその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。 反応停止剤(a5)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、セロソルブ類およびカービトール類等)および炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等)が挙げられる。 活性水素成分(A)の構成成分(a1)〜(a5)等はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 有機イソシアネート成分(B)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)およびこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が使用される。 有機イソシアネート成分(B)としては、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。 炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよび2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。 炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4'−または2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4',4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびm−またはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。 炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−またはp−キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。 (b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33質量%、好ましくは10〜30質量%、特に12〜29質量%のもの)が挙げられ、具体的には変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIおよびトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。 これら有機イソシアネート成分(B)の内で得られる保護層の耐候性の観点から好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)および炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)であり、さらに好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ジイソシアネートおよび炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート、特に好ましいのはIPDI、水添MDI、HDIおよびこれらの混合物、とりわけ好ましいのはIPDI、水添MDIおよびこれらの混合物、最も好ましいのは水添MDIである。 ポリウレタン樹脂(U)中のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値は得られる保護層の耐傷付性および型への追従性の観点から、(U)の重量に基づいて、1.0〜6.0mmol/g、さらに好ましくは1.5〜5.0mmol/g、特に好ましくは2.0〜4.0mmol/gである。 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)の種類および分子量ならびに反応系中の水分等を適宜調整することにより、ポリウレタン樹脂(U)のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値を所望の範囲とすることができる。 ポリウレタン樹脂(U)のMnは、得られる保護層の耐水性、耐薬品性および型への追従性の観点から、1万〜100万、更に好ましくは1万〜50万、特に好ましくは1万〜20万、最も好ましくは1万〜10万である。 ポリウレタン樹脂(U)の溶融温度は、保護層の型への追従性の観点から、好ましくは50〜280℃、更に好ましくは60〜200℃、特に好ましくは80〜160℃である。 ポリウレタン樹脂(U)の溶融温度は、JIS K 7210:1999(プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイトの試験方法)において、メルトマスフローレイト測定装置としてテスター産業(株)製「メルトインデクサーI型」を用いて、荷重2.16kgにてメルトマスフローが10g/10分となる温度である。 加飾成形時の型への追従性を損ねずに得られる保護層の耐水性、耐薬品性および耐傷付性を向上させるために、さらに少なくとも下記条件(1)および条件(2)のいずれかを満たす必要がある。 前記条件(1)に規定される分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U)を製造する方法としては、例えば、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と、分子内にグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを反応させる方法(1−1)、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂と分子内にアミノ基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(Y)を反応させる方法(1−2)が挙げられる。 方法(1−1)に用いられる化合物(X)としては、炭素数7〜20のグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。 化合物(X)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のアミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法としては、ポリウレタン樹脂の製造時の説明において鎖伸長剤(a4)として例示した炭素数2〜10のジアミンおよびポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等の多官能アミンを用いて末端にアミノ基を導入する方法、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応において、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして末端にイソシアネート基を導入した後、水と反応させて末端アミノ基とする方法、ケチミン結合(−C=N−)を有するモノアミンを用いて、樹脂末端にケチミン結合を導入後、ケチミン結合を加水分解して末端アミノ基とする方法等が挙げられる。 前記ケチミン結合を有するモノアミンは、1分子中に1個のアミノ基と少なくとも1個のケチミン結合を有していれば特に限定されず、例えば前記鎖伸長剤(a4)で例示した炭素数2〜10のジアミンまたはポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミンとケトンを反応させて得られるケチミン化合物が挙げられる。 ケチミン結合が加水分解してアミノ基を生成する際のケトンの留去のしやすさの観点から、ケトンとしてはアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の沸点が120℃以下のものを用いることが好ましい。 また、方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のカルボキシル基および/またはその塩を有するものを得る方法としては、ウレタン樹脂の製造時に前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を活性水素成分(A)として用いる方法等が挙げられる。 グリシジルエーテル基とアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩等との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。 方法(1−2)に用いられる化合物(Y)としては、炭素数4〜20のアミノアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜20のアミノアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数4〜20のアミノアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。 化合物(Y)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。 方法(1−2)に用いられるイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法としては、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応における、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして、末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。 ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である場合、加飾成形時の加熱等の前は型に対する優れた追従性を有しつつ、加飾成形時の加熱等により、アルコキシシリル基および/またはシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、耐水性、耐薬品性および耐傷付性に優れた保護層が得られる。 条件(2)に規定されるグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)としては、方法(1−1)に用いられる化合物(X)を用いることができる。 また、条件(2)に規定されるアミノ基またはカルボキシル基もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)としては、方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)を用いることができる。 条件(2)に規定されるポリウレタン樹脂(U2)がカルボキシル基および/またはその塩を有するものである場合、そのポリウレタン樹脂中のカルボキシル基およびその塩の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性および耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂中のカルボキシル基およびその塩の含有量が1.3mmol/g以下となる量であることが好ましい。 本発明におけるポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含量は、3〜10gのポリウレタン樹脂(U)を130℃で45分間加熱乾燥して得られる残渣を水洗後再度130℃で45分間加熱乾燥し、ジメチルホルムアミドに溶解し、JIS K 0070:1992記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。 条件(2)に規定されるポリウレタン樹脂(U2)がアミノ基を有するものである場合、そのポリウレタン樹脂中のアミノ基の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性および耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂(U)中のアミノ基の量が0.35mmol/g以下となる量であることが好ましい。 条件(2)を満たすために化合物(X)を保護層に含有させる方法としては、予め、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と化合物(X)とを混合したポリウレタン樹脂組成物を用いる方法、加飾成形用積層フィルムの製造時にポリウレタン樹脂(U2)と化合物(X)とを混合する方法等が挙げられる。 グリシジルエーテル基とアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。 保護層に化合物(X)を含有させた場合は、加飾成形時の加熱等の前は型に対する優れた追従性を有しつつ、加飾成形時の加熱等により、化合物(X)が有するグリシジルエーテル基とポリウレタン樹脂(U2)が有するアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩とが反応し、さらに、前記反応で化合物(X)によりポリウレタン樹脂に導入されたアルコキシシリル基および/またはシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、耐水性、耐薬品性および耐傷付性に優れた保護層が得られる。 (X)および/または(Y)の使用量は、得られる保護層の耐水性、耐薬品性および耐傷付性および型への追従性の観点から、(A)と(B)の合計質量に対する(X)および/または(Y)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の合計質量の割合が0.05〜2.0質量%となる量であることが好ましく、さらに0.1〜1.5質量%、特に0.2〜1.0質量%となる量であることが好ましい。 ポリウレタン樹脂(U)は、加飾成形用積層フィルムを形成する際の塗工性の観点から、溶剤溶液、または水分散体とすることができるものが好ましい。 ポリウレタン樹脂(U)の溶剤溶液または水分散体を作製する方法としては、既知の手法を用いることができる。 溶剤溶液の作製方法としては、溶剤中で各原料を反応させる手法や、無溶剤下で反応させたポリウレタン樹脂(U)を溶剤に溶解させる手法が挙げられる。 溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば炭素数3〜10のケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜10のエステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチルおよびγ−ブチロラクトン等)、炭素数4〜10のエーテル系溶剤(テトラヒドロフランおよびジエチレングリコールジメチルエーテル等)、炭素数3〜10のアミド系溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびN−メチルカプロラクタム等)、炭素数1〜8のアルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびオクタノール等)および炭素数4〜10の炭化水素系溶剤(n−ブタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレン等)が挙げられる。 これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の溶解性および保護層を得る際の乾燥性の観点から、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびイソプロピルアルコール等の沸点が100℃以下の極性溶剤を使用することが好ましい。 また、水分散体の製造方法としては、特開2004−2732号公報等に記載されているプレポリマーミキシング法や国際公開第2010/122599号に記載されているウレタン樹脂のデッドポリマーを形成後、これを水に分散させる方法が挙げられる。 ポリウレタン樹脂(U)の水性分散体を得る際、分散安定性および樹脂の耐水性および耐薬品性の観点から、活性水素成分(A)に前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を用いることが好ましい。 水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂(U)中におけるカルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)に由来のカルボキシル基および/またはその塩の含有量は、分散安定性および得られる保護層の耐水性および耐薬品性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対して、好ましくは0.05〜1.3mmol/g、さらに好ましくは0.1〜1.1mmol/g、特に好ましくは0.15〜0.90mmol/gである。 水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂(U)が、前記分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である場合、(U1)を得る際の活性水素成分(A)として前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を用いることにより(U1)にカルボキシル基および/またはその塩を導入することができる。 また、水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂(U)が、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のカルボキシル基および/またはその塩を有するものである場合、このポリウレタン樹脂の水性分散体の分散安定性を付与するために導入したカルボキシル基および/またはその塩は前述のグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)との反応にも寄与する。 ポリウレタン樹脂(U)を用いて保護層を形成する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。 ポリウレタン樹脂(U)の溶剤溶液、またはポリウレタン樹脂(U)の水分散体を、成形用フィルム上に公知の塗布方法(例えば、バーコート、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、シルクスクリーン印刷等)を用いて薄く均一に塗布し、熱風オーブン等に入れて反応させることにより、ポリカーボネート系ポリウレタン層を形成することができる。 このようにして形成される、ポリウレタン樹脂(U)から構成される保護層は、ポリウレタン樹脂(U)以外の樹脂をさらに含有してもよく、例えば、アクリル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等を含有することができる。 また、保護層には必要に応じて、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが含有されてもよい。 保護層におけるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以外の樹脂や添加剤の含有量の合計は、ポリウレタン樹脂(U)の全質量を基準として、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。 ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以外の樹脂が前記範囲より多く含まれると、保護層の本来の性能が得られなくなる恐れがある。 保護層の厚みは、好ましくは10〜70μmであり、さらに好ましくは、20〜50μmである。 該厚みが10μm以上であると、塗膜特性を付与させることが容易となり好ましい。 また、該厚みが70μm以下であると、適度な厚みとなり、表面が平坦となり、その上に着色層を形成するのが容易となるため好ましい。 該厚みの測定は、加飾成形用積層フィルムの製造工程中であれば、各層を形成するごとにJIS C 2151:2006に準じマイクロメータにて測定して、算出することができる。 また、成形用フィルムに加飾層を積層した状態においては、微分干渉顕微鏡やレーザ顕微鏡、電子顕微鏡などで断面を観察することで、成形用フィルムの厚みを測定することができる。 [着色層] 着色樹脂層に用いられるバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。 熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリカーボネート樹脂などが挙げられる。 また熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびポリスチロール樹脂などが挙げられる。 また、光硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート樹脂およびエポキシアクリレート樹脂などが挙げられ、これらのうちから選択された1種以上と、必要な場合に光重合開始剤などを混合したものを用いてもよい。 これらの樹脂には当然のことながら、その必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを混合してもよい。 また、前記樹脂は共重合体であってもよく、または異種の樹脂の混合体であってもよいが、耐熱性がよく、取り扱いが容易で、かつ安価な熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。 特に、加飾成形時の型への追従性の点から、ウレタン樹脂とアクリル樹脂とを含む混合体をバインダー樹脂として使用することが望ましい。 顔料としては、例えばアルミニウム粉体、カーボンブラック、二酸化チタン、マイカ、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレットなど、無機顔料、有機顔料のいずれを用いても良い。 また、該顔料は単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用してもよい。 該顔料の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で調整することができる。 着色層厚みは、好ましくは15〜50μmであり、さらに好ましくは、20〜40μmである。 該厚みが15μm以上であると、所望の色合いを有する着色層が得られやすいため好ましい。 また、該厚みが50μm以下であると、適度な厚みとなり、表面が平坦となり、着色層上に接着剤層を形成するのが容易となるので好ましい。 該厚みの測定は、加飾成形用積層フィルムの製造工程中であれば、各層を成形するごとにJIS C 2151:2006に準じマイクロメータにて測定して、算出することができる。 また、成形用フィルムに加飾層を積層した状態においては、微分干渉顕微鏡やレーザ顕微鏡、電子顕微鏡などで断面を観察することで、成形用フィルムの厚みを測定することができる。 [接着層] [加飾成形体の作製方法] 以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 以下において、部は質量部を表す。 実施例1 次いで、加飾成形用積層フィルムの作製方法について説明する。 成形用フィルム1として、厚さ100μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、FL10)にウレタン系接着剤(TR-7233、新中村化学社製)を0.5μmになるようにバーコーターで塗工して、厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製、SC)とドライラミネートしたものを用いた。 前記ポリウレタン樹脂(U1―1)の水分散体を、乾燥後の厚さが40μmとなるよう、アプリケーターを用いて成形用フィルムの未延伸ポリプロピレンフィルム側に塗布した後、80℃で10分間乾燥し、保護層2を形成した。 次いで、成形用フィルム1上に形成した保護層2上に、着色層3を形成するための塗料(日本ビー・ケミカル社製、R2325)を、乾燥後の厚さが40μmとなるよう、アプリケーターを用いて塗布した後、80℃で10分間乾燥し、着色層3を形成した。 次いで、成形用フィルム上に形成した保護層2上にさらに形成した着色層3上に接着層4を形成するための塗料(東洋紡社製、M−28)を乾燥後の厚さが20μmとなるようアプリケーターを用いて塗布した後、80℃で10分間乾燥し接着層4を形成して、図1に示す加飾成形用積層フィルムを得た。 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7〜9 比較例1 比較例2 実施例10 実施例11 実施例12 実施例13〜22 実施例23 比較例3 比較例4 比較例5 実施例1〜23および比較例1〜5で得られたポリウレタン樹脂またはポリウレタン樹脂組成物の水分散体または溶剤溶液を用いて、以下の方法により測定または評価した破断伸度、鉛筆硬度、耐水性および耐薬品性の結果および、以下の方法により作製した加飾成形体について以下の方法で評価した0%成形品および150%成形品の耐傷付性の結果について表1および表2に示す。 <破断伸度の測定方法> <鉛筆硬度の測定方法> <耐水性の評価方法> ◎:変化なし <耐薬品性の評価方法> ◎:変化なし <耐傷付性> 成形温度:110℃ 加飾フィルムの延伸倍率については、TOM成型機の箱型の窪みの深さを調整することにより条件Aと条件Bの2種類を実施した。 具体的には、条件Aはセットしたフィルムから箱型の窪みの底面までの距離を15mm、条件Bは85mmとした。 被加飾成形体としては、ポリオレフィン樹脂(TSOP GP6BS、プライムポリマー社製)からなる、長さ250mm×幅100mm×厚さ3mmの平板状の樹脂成形体を用いた。 装置:HEIDON 14−DR(HEIDON社製) 判定方法としては、傷の状態を目視確認して、保護層に傷が付かないものを◎、保護層のみに傷が付くものを○、保護層のみが削れて、着色層、接着層、成形用フィルム(実施例2,3,11,12の場合)のいずれかが露出したものを△、保護層、着色層、接着層、成形用フィルム(実施例2,3,11,12の場合)の全てが削れて被加飾成形体が露出したものを×とした。 ◎および○のものを耐傷付性が良好であると評価し、△および×のものを不良と評価した。 なお、測定は各サンプル3回ずつ行い、評価結果が異なる場合は最低のものを評価結果とした。 本発明の加飾成形用積層フィルムは、自動車部品や電化製品などを装飾する際に好ましく用いる事ができるが、これらに限定されるものではなく、携帯電話、ノートパソコンといった、IT機器用途等、意匠性が必要とされ、かつ、耐傷付性、耐久性等の機能性が求められる用途にも好ましく適用することができる。 1 成形用フィルム2 保護層3 着色層4 接着層 |