Thermally foaming repeelable adhesive tape or sheet, and peeling method

申请号 JP2011219890 申请日 2011-10-04 公开(公告)号 JP2013079322A 公开(公告)日 2013-05-02
申请人 Nitto Denko Corp; 日東電工株式会社; Nitto Europe Nv; ニットウ ヨーロッパ エヌ. ブイ.; 发明人 YAMANAKA EIJI; HIGUCHI MASASATO; NAKAJIMA ATSUSHI; SUZUKI TATSUYA; FORIER BART; BOSSAERT GREET; VANDENHOLT MYRIAM;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a thermally foaming repeelable adhesive tape which maintains a high normal-condition adhesive force at joining, and can be separated and disassembled easily by heating irrespective of the kind of adherends when separated and disassembled even after a long-term storage or a long-term usage.SOLUTION: The thermally foaming repeelable adhesive tape contains at least a thermally foaming agent-containing adhesive agent layer A, a microparticle-containing viscoelastic base material B, a peelable film layer C and an adhesive agent layer D, wherein a laminate structure containing at least the peelable film layer C and the adhesive agent layer D is provided in a form that the thermally foaming agent-containing adhesive agent layer A and the peelable film layer C are brought into direct contact with each other, on at least one surface of the thermally foaming agent-containing adhesive agent layer A; and the peelable film layer C can be peeled off the thermally foaming agent-containing adhesive agent layer A by a thermal treatment after storage in an atmosphere of 75°C for 8 weeks.
权利要求
  • 少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含み、
    熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面に、少なくとも剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを含む積層構造が、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられており、
    75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルムCが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できることを特徴とする加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 前記の剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造が、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとの積層構造である請求項1記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 剥離性フィルムCが、プラスチックフィルムである請求項1又は2記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 剥離性フィルムCが、ポリカーボネート及びABSから選択される少なくとも1の樹脂を含む請求項1〜3の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 微粒子含有粘弾性基材Bが、炭素数が2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、微粒子及び多官能(メタ)アクリレートを含む微粒子含有重合性組成物から形成される層である請求項1〜4の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子の平均粒径が、30〜100μmである請求項1〜5の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子の含有量が、微粒子含有粘弾性基材Bの全重量(100重量%)に対して、1〜20重量%である請求項1〜6の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 熱発泡剤含有粘着剤層Aが、炭素数が2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、熱発泡剤及び多官能(メタ)アクリレートを含む熱発泡剤含有粘着剤組成物から形成される層であり、熱発泡剤含有粘着剤層Aの溶剤不溶分が50〜99重量%である請求項1〜7の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 熱発泡剤含有粘着剤層Aにおける熱発泡剤が、熱膨張性微小球である請求項1〜8の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 熱発泡剤含有粘着剤層Aの厚さが、1〜300μmである請求項1〜9の何れかの項に記載の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート。
  • 少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含み、
    熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面に、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造が、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられており、
    75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルムCが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できる加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシートを、加熱して、剥離性フィルムCと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力を低下させて剥離することを特徴とする加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートの剥離方法。
  • 说明书全文

    本発明は、接合時には良好な接着特性を維持しつつ、使用後、リサイクルやリワーク等を目的として解体する際、加熱することにより接着を低下させ、容易に分離することができる加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート及び該加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートの剥離方法に関する。

    従来、アクリル系粘着剤に用いられるベースポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系モノマーを有機溶媒中で溶液重合することにより調製していた。 近年では、地球環境への配慮から大気汚染や環境問題の制約が問題となっていることから、アクリル系モノマーを紫外線重合することにより、無溶剤で粘着剤層を形成した粘着テープ又はシート(以下、「テープ又はシート」を、単に「テープ」あるいは「シート」と称する場合がある)を製造することは、安全面、環境面で特に有利である。 また、近年、環境意識の高まりから、省資源やリサイクルが求められることが多くなってきている。

    一方、アクリル系発泡体様粘着テープ(基材及び/又は粘着剤層に微粒子を含有するアクリル系粘着テープ)は、微粒子を含有する感圧性接着剤層を有する感圧性接着テープにおいて常温での接着強さやせん断強さが必要とされる用途など、例えば、自動車、機械部品、電化製品、建材等の各種分野の接合用途において、しばしば使用されている。 しかし、従来のアクリル系発泡体様粘着テープは、高接着強度により高い接合信頼性を有しているものの、その高い接合強度は、逆に接合部の分離、解体を困難にさせていた。 例えば、強接着性、段差吸収性、衝撃吸収性等が必要とされるLCDモジュールやバックライトユニットの固定用途で使用された場合、製造時のテープ貼り付け不良によるリワーク作業や、貼り付け後の検査で何らかの欠陥が発見された場合のリペアー作業でテープを剥がす際に、強接着ゆえに、テープを剥がすことができない、もしくは剥がせたとしてもテープを貼り付けていた部材が破損し、再利用できないという問題があった。

    このような状況下、接合時には高い常態接着力を維持しつつ、接合部を分離・解体する際には、加熱により接着力が低下して、容易に分離・解体できる加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープが提案されている(特許文献1参照)。 この加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープでは、気泡混合微粒子含有粘弾性体の少なくとも片面に熱発泡剤含有粘着剤層を備えた構成とすることで、接着性能と解体性能の両立を図っている。 しかし、接着性能を重視した場合では、熱発泡剤含有粘着剤層の熱発泡剤を減量する必要があり、結果、解体性能は低下する傾向にある。 一方、解体性能を重視した場合では、反対に熱発泡剤含有粘着剤層の熱発泡剤を増量する必要があり、結果、接着性能は低下する傾向にある。 このように、接着性能と解体性能はトレードオフの関係にある。 上記加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープは、被着体の種類によっては、接着性能及び解体性能の両特性を高いレベルで満足することができないことがあった。 また、被着体の種類によっては、接着力が高くなりすぎ、解体不能となることがあった。

    上記加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープの問題に対して、粘着テープ中に剥離性フィルム層を設けた構成とし、被着体の素材に限定されることなく、高い接着力を維持しつつ、加熱により容易に分離・解体できる加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープが提案されている(特許文献2参照)。 しかし、この加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープは、製造直後では、加熱により、剥離性フィルム層で剥離して、容易に分離・解体できたものの、長期保存後や長期間使用後では、加熱しても、容易に分離・解体できないことがあった。

    特開2009−120807号公報

    特開2009−120808号公報

    従って、本発明の目的は、被着体の素材に限定されることなく、接合時には高い常態接着力を維持しつつ、長期保存後や長期使用後であっても、分離・解体する際には、加熱により、接着力が低下して、容易に分離・解体できる加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートを提供することにある。

    そこで、本発明者らが、上記問題を解決するために、鋭意検討した結果、粘着テープ又はシートにおいて、熱発泡剤含粘着剤層の少なくとも一方の面に、粘着剤層と剥離性フィルム層とを少なくとも含む積層構造を、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルム層とが直接接する形態で設け、75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、接着力を低下させて、剥離性フィルム層が熱発泡剤含有粘着剤層から剥離できるようにすると、被着体の素材に限定されることなく、接合時には高い常態接着力を維持しつつ、長期保存後や長期使用後であっても、分離・解体する際には、加熱による熱発泡剤の発泡により、容易に分離・解体することができる再剥離性粘着テープ又はシートが得られることを見出した。 本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。

    すなわち、本発明は、少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含み、熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面に、少なくとも剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを含む積層構造が、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられており、75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルムCが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できることを特徴とする加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートを提供する。

    上記の剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造は、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとの積層構造であることが好ましい。

    剥離性フィルムCは、プラスチックフィルムであることが好ましい。 また、剥離性フィルムCは、ポリカーボネート及びABSから選択される少なくとも1の樹脂により構成されることが好ましい。

    微粒子含有粘弾性基材Bは、炭素数が2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、微粒子及び多官能(メタ)アクリレートを含む微粒子含有重合性組成物から形成される層であることが好ましい。

    微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子の平均粒径は、30〜100μmであることが好ましい。

    微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子の含有量は、微粒子含有粘弾性基材Bの全重量(100重量%)に対して、1〜20重量%であることが好ましい。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aは、炭素数が2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、熱発泡剤及び多官能(メタ)アクリレートを含む熱発泡剤含有粘着剤組成物から形成される層であり、その溶剤不溶分が50〜99重量%であることが好ましい。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aにおける熱発泡剤は、熱膨張性微小球であることが好ましい。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aの厚さは、1〜300μmであることが好ましい。

    さらに、本発明は、少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含み、熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面に、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造が、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられており、75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルムCが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できる加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシートを、加熱して、剥離性フィルムCと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力を低下させて剥離することを特徴とする加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートの剥離方法を提供する。

    本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートは、上記構成を有するので、被着体の素材に限定されることなく、接合時には高い常態接着力(23±2℃、50±5%RHにおける接着強さ)を維持しつつ、長期保存後や長期使用後であっても、接合部を分離・解体する際には、加熱により容易に分離・解体することができる。

    本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。

    本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。

    粘着テープの接着性の評価及び粘着テープの加熱解体性の評価に用いた、評価用サンプルを示す断面概略図である。

    本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートは、少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含む。 また、本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシートは、熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面側に、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造が熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられている構造を有する。 なお、以下、「本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープ又はシート」を、「本発明の粘着テープ」と称する場合がある。

    本発明の粘着テープは、シート状やテープ状の形態を有する。 また、ロール状で巻回された形態で形成されてもよく、シートが積層された形態で形成されてもよい。

    また、本発明の粘着テープは、両面が粘着面である両面粘着テープであってもよいし、片面が粘着面である片面粘着テープであってもよい。 特に、本発明の粘着テープは、粘着テープを介して物品同士を貼り合わせる用途や部品を特定の位置に固定する用途に好適に用いられる点から、両面粘着テープあることが好ましい。 なお、本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層Dは、粘着面を提供する。

    (熱発泡剤含有粘着剤層A)
    熱発泡剤含有粘着剤層Aは、熱発泡剤を少なくとも含有し、粘着剤(感圧性接着剤)により構成される層である。 熱発泡剤含有粘着剤層Aは、熱発泡剤を少なくとも含む組成物により形成される。 なお本願では、熱発泡剤含有粘着剤層Aを形成する組成物を、「熱発泡剤含有粘着剤組成物a」と称する場合がある。

    熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。 つまり、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、ベースポリマーを形成するモノマーの混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。 なお、「モノマー混合物」とは、ベースポリマーを形成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。 また、「部分重合物」とは、モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。

    中でも、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、作業性及び環境の点、及び、熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用すると、熱発泡剤が混合された形態で熱発泡剤含有粘着剤組成物aを硬化させて熱発泡剤含有粘着剤層Aを形成することができ、熱発泡剤が安定して含有された構造を有する熱発泡剤含有粘着剤層Aを容易に得ることができる点から、モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び重合開始剤(例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤など)を少なくとも含むことが好ましい。 つまり、熱硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物や活性エネルギー線硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物であることが好ましい。 特に、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、厚さのある熱発泡剤含有粘着剤層を容易に得ることができる点から、モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び光重合開始剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物であることがより好ましい。

    また、熱発泡剤含有粘着剤層Aを構成する粘着剤のベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどが挙げられる。 上記ベースポリマーとしては、ポリマー設計の容易さの点、特性のバランスの点から、アクリル系ポリマーが好ましい。 なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    つまり、熱発泡剤含有粘着剤層Aは、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aにより形成される層、すなわち熱発泡剤含有アクリル系粘着剤層Aであることが好ましく、さらに、熱発泡剤含有粘着剤層Aは、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び光重合開始剤を少なくとも含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aを重合硬化して形成される熱発泡剤含有アクリル系粘着剤層Aであることがより好ましい。

    特に、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、接着特性に優れる粘着剤層を得る点から、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、熱発泡剤及び多官能(メタ)アクリレートを含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aであることが好ましい。 つまり、熱発泡剤含有粘着剤層Aは、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、熱発泡剤及び多官能(メタ)アクリレートを含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aから形成される層であることが好ましい。 なお、本願において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味し、他も同様である。

    なお、上記のアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須の成分として含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aにおいて、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物の割合は、特に限定されないが、少なすぎると十分な粘着性を発揮できないおそれがあるので、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物a全量(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば50〜90重量%)が好ましく、より好ましくは60重量%以上(例えば60〜90重量%)である。

    上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。 中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。 なお、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記アクリル系モノマー混合物中の上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されないが、必須成分として含まれることが好ましいので、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。

    また、上記アクリル系モノマー混合物には、粘着剤層の凝集力を向上させ、粘着特性を向上させる点から、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されていることが好ましい。 なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記共重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;無マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル(メタ)アクリレートなどの上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとは異なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族アクリレートなどが挙げられる。

    中でも、上記共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物に共重合性モノマーが含有されている場合、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと共重合性モノマーとの割合は、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート/共重合性モノマー(重量基準)で、50/50〜99/1とするのが好ましく、より好ましく55/45〜99/1であり、さらに好ましくは60/40〜99/1である。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aに含まれる熱発泡剤としては、特に限定されないが、公知の熱発泡剤が挙げられる。 中でも、上記熱発泡剤としては、マイクロカプセル化されている発泡剤が好ましく挙げられる。 該マイクロカプセル化されている発泡剤としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨脹する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球(「熱膨張性微小球」と称する場合がある)が挙げられる。 なお、熱発泡剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    熱膨張性微小球の殻は、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨脹により破裂する物質などで形成されることが好ましい。 また、熱膨張性微小球の殻を形成する物質としては、例えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。 熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造される。

    上記熱膨張性微小球の市販品としては、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアF−30」「マツモトマイクロスフェアF−50」「マツモトマイクロスフェアF−80S」「マツモトマイクロスフェアF−80SD」「マツモトマイクロスフェアF−85」(松本油脂製薬株式会社製);商品名「エクスパンセルDu」(Akzo Nobel Surface Chemistry AB社製)などが挙げられる。

    上記熱膨張性微小球の平均粒径は、分散性や薄層形成性などの点から、1〜80μmが好ましく、より好ましくは3〜50μmである。

    熱膨張性微小球は、加熱処理により、熱発泡剤含有粘着剤層Aの剥離性フィルム層Cに対する接触面積を効率よく減少させる点から、体積膨脹率が5倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有するものが好ましい。 なお、低い膨脹率で破裂する熱膨張性微小球を用いた場合や、マイクロカプセル化されていない熱膨脹剤を用いた場合には、粘着テープと被着体との接触面積(粘着面積)が十分には低減されず良好な剥離性が得られなかったり、加熱により分離・解体する特性、例えば熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの界面で解体する特性が低下する場合がある。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aを形成する熱発泡剤含有粘着剤組成物aにおいて、熱発泡剤(特に熱膨張性微小球)の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、10〜200重量部が好ましく、より好ましくは20〜125重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。 含有量が10重量部未満であると加熱処理後の熱発泡剤含有粘着剤層Aの膨張変形が十分に生じず、加熱による分離・解体、例えば熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの界面で剥離が生じないおそれがあり、さらに、粘着テープと被着体との接触面積が十分に減少せず、被着体から容易に剥離できないおそれがある。 一方、含有量が200重量部を超えると熱発泡剤含有粘着剤層Aの接着性が低下するおそれがある。

    なお、上記熱膨張性微小球以外の熱発泡剤としては、例えば、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。 無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。 また、有機系発泡剤の代表例としては、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどの塩フッ化アルカン;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジドやジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジン系化合物;ρ−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物;N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ系化合物などが挙げられる。

    熱発泡剤含有粘着剤組成物aが重合開始剤を含む場合の重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。 なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。

    具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。 アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。 α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。 芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。 光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。 ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。 ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。 ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。 ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。 チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。

    また、熱発泡剤含有粘着剤組成物a中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量部である。

    なお、光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。 このような活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。 また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間などは特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。

    さらに、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどのアゾ系熱重合開始剤;ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなどの過酸化物系熱重合開始剤;レドックス系熱重合開始剤などが挙げられる。 なお、熱発泡剤含有粘着剤組成物a中の上記熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。

    さらに、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aでは、架橋により粘着剤層の凝集力を高めて、粘着剤層の接着性能をより向上させる点から、多官能(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。 上記多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。 なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、末端に(メタ)アクリロイル基を複数個有する反応性ハイパーブランチポリマー[例えば、商品名「CN2300」「CN2301」「CN2320」(SARTOMER社製)など]などが挙げられる。 なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」を意味し、他も同様である。

    熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物aが多官能(メタ)アクリレートを含む場合、その具体的な含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜3重量部であり、さらに好ましくは0.01〜2重量部である。 含有量が5重量部を超えると、凝集力が高くなりすぎ、熱発泡剤含有粘着剤層Aの柔軟性が低下し接着性能が低下する場合がある。 一方、含有量が0.001重量部未満であると、十分な凝集力が得られず、多官能(メタ)アクリレートを添加することによる効果を得られない場合がある。

    また、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。 このため、熱発泡剤含有粘着剤組成物aは、モノマー混合物の予備重合により得られる部分重合物を含むことが好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物の部分重合物において、その重合率は、その部分重合が生じている部分の分子量にもよるが、2〜40重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。 なお、部分重合は、例えば、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)を照射することにより行われる。

    なお、部分重合物の重合率は、部分重合物約0.5gを精秤し、これを130℃で2時間乾燥した後の重量を精秤して重量減少量[揮発分(未反応モノマー重量)]を求め、得られた数値を以下の式に代入して求めることができる。
    部分重合物の重合率(%)=[1−(重量減少量)/(乾燥前の部分重合物の重量)]×100

    さらに、熱発泡剤含有粘着剤組成物aには、添加剤が含まれていてもよい。 該添加剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などの架橋剤;架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などの粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤などが挙げられる。 また、発泡助剤も挙げられる。 なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    熱発泡剤含有粘着剤層Aのゲル分率(溶剤不溶分)は、特に限定されないが、50〜99重量%が好ましく、より好ましくは55〜95重量%であり、さらに好ましくは60〜90重量%である。 ゲル分率が50重量%未満であると、粘着剤層の弾性率が低くなり、加熱による熱発泡剤の発泡により、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの剥離や粘着テープの被着体からの剥離が困難となる場合がある。 一方、ゲル分率が99重量%超えると、濡れ性が悪く、接着が困難となるおそれがある。

    なお、熱発泡剤含有粘着剤層Aのゲル分率とは、粘着剤中の「溶剤不溶成分の割合」を意味し、以下の「粘着剤のゲル分率の測定方法」により算出される値である。 なお、溶剤不溶分には、熱発泡剤等の溶剤に不溶な成分も含まれる。

    (粘着剤のゲル分率の測定方法)
    粘着剤のゲル分率は、以下のようにして求められる。 粘着剤を約1g採取し、これを精秤して浸漬前の粘着剤の重量を求める。 次に、これを酢酸エチル約40gに7日間浸漬した後、酢酸エチルに不溶解部分を全て回収し、130℃で2時間乾燥させて、その不溶解部分の乾燥重量を求める。 そして、得られた数値を以下の式に代入して算出する。
    粘着剤の溶剤不溶分(重量%)=(不溶解部分の乾燥重量/浸漬前の粘着剤の重量)×100

    また、熱発泡剤含有粘着剤層Aの厚さは、特に限定されないが、接着性や解体性の点から、1〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜250μmであり、さらに好ましくは20〜200μmである。 なお、本発明の粘着テープが熱発泡剤含有粘着剤層Aを複数含む場合、その厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、熱発泡剤含有粘着剤層Aは、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。

    (微粒子含有粘弾性基材B)
    微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子を少なくとも含有し、粘弾性体により構成される。 微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子及びベースポリマーにより構成されることが好ましい。 さらに、微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子に加えて、気泡を含有する気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bであってもよい。

    微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子を少なくとも含む組成物(微粒子含有組成物b)により形成される。 該微粒子含有組成物bとしては、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)などが挙げられる。 つまり、微粒子含有組成物bは、ベースポリマーを必須成分とする組成物であってもよいし、ベースポリマーを形成するモノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。

    中でも、微粒子含有組成物bは、作業性及び環境の点、及び、熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用すると、微粒子が混合された形態で微粒子含有組成物bを硬化させて微粒子含有粘弾性基材Bを形成することができ、微粒子が安定して含有された構造を有する微粒子含有粘弾性基材Bを容易に得ることができる点から、モノマー混合物又はその部分重合物、微粒子及び重合開始剤(例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤など)を少なくとも含むことが好ましい。 つまり、微粒子含有組成物bは、熱硬化型の微粒子含有重合性組成物や活性エネルギー線硬化型の微粒子含有重合性組成物であることが好ましい。 特に、微粒子含有組成物bは、厚さのある微粒子含有粘弾性基材を容易に得ることができる点から、モノマー混合物又はその部分重合物、微粒子及び光重合開始剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型の微粒子含有重合性組成物bであることがより好ましい。

    また、微粒子含有粘弾性基材Bを構成する上記ベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどが挙げられる。 中でも、特性のバランス及びポリマー設計の容易さの点から、アクリル系ポリマーが好ましい。 なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    なお、微粒子含有粘弾性基材Bに含まれるベースポリマーの組成は、上記熱発泡剤含有粘着剤層Aに含まれるベースポリマーの組成や後述の粘着剤層Dに含まれるベースポリマーの組成と同じであってもよいし、似ていてもよい。

    つまり、微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子含有アクリル系組成物bにより形成される層、すなわち、微粒子含有アクリル系粘弾性基材Bであることが好ましく、さらに、微粒子含有粘弾性基材Bは、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、微粒子及び光重合開始剤を少なくとも含む微粒子含有アクリル系重合性組成物bを重合硬化して形成される微粒子含有アクリル系粘弾性基材Bであることがより好ましい。

    特に、微粒子含有重合性組成物bは、粘弾性能に優れる層を得る点から、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、微粒子及び多官能(メタ)アクリレートを含む微粒子含有アクリル系重合性組成物bであることが好ましい。 つまり、微粒子含有粘弾性基材Bは、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤、微粒子及び多官能(メタ)アクリレートを含む微粒子含有アクリル系重合性組成物bから形成される層であることが好ましい。

    なお、上記のアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須の成分として含む微粒子含有アクリル系重合性組成物bにおいて、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物の割合は、特に限定されないが、少なすぎると十分な粘弾性を発揮できないおそれがあるので、微粒子含有アクリル系重合性組成物b全量(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば50〜99重量%)が好ましく、より好ましくは60重量%以上(例えば60〜99重量%)である。

    上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが例示される。 なお、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    中でも、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物中の上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されないが、必須成分として含まれることが好ましいので、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。

    また、上記アクリル系モノマー混合物には、基材の凝集力を向上させ、粘弾特性を向上させる点から、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されていることが好ましい。

    上記共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている共重合性モノマーが例示される。 なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    中でも、上記共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物に共重合性モノマーが含有されている場合、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと共重合性モノマーとの割合は、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート/共重合性モノマー(重量基準)で、50/50〜99/1とするのが好ましく、より好ましく55/45〜99/1であり、さらに好ましくは60/40〜99/1である。

    微粒子含有粘弾性基材Bに含まれる微粒子としては、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、ステンレスなどの金属粒子やその金属酸化物粒子;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化窒素などの炭化物粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物粒子;アルミナ、ジルコニウムなどの酸化物に代表されるセラミック粒子;炭化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス、シリカなどの無機微粒子;火山シラス、砂などの天然原料粒子;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなどのポリマー粒子などが挙げられる。 なお、微粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    また、微粒子含有粘弾性基材Bに含まれる微粒子としては、例えば、中空の無機系微小球状体や中空の有機系微小球状体が挙げられる。 具体的には、中空の無機系微小球状体としては、例えば、中空ガラスバルーン等のガラス製の中空バルーン;中空アルミナバルーン等の金属化合物製の中空バルーン;中空セラミックバルーン等の磁器製中空バルーンなどが挙げられる。 中空の有機系微小球状体としては、例えば、中空のアクリルバルーン、中空の塩化ビニリデンバルーン等の樹脂製の中空バルーンなどが挙げられる。

    上記の中空の無機系微小球状体や中空の有機系微小球状体は市販品であってもよい。 上記中空ガラスバルーンの市販品としては、例えば、商品名「フジバルーン」「ガラスマイクロバルーン」(富士シリシア化学株式会社製);商品名「セルスターZ−20」「セルスターZ−25」「セルスターZ−27」「セルスターCZ−31T」「セルスターZ−36」「セルスターZ−39」「セルスターT‐36」「セルスターSX−39」「セルスターPZ‐6000」(東海工業株式会社製);商品名「サイラックス・ファインバルーン」(有限会社ファインバルーン製)などが挙げられる。

    上記微粒子の中でも、活性エネルギー線(特に、紫外線)による重合の効率や重みなどの点から、中空無機微粒子が好ましく、さらに中空ガラスバルーンがより好ましい。 中空ガラスバルーンを用いれば、せん断力、保持力などの他の特性を損なうことなく、粘弾性能を向上させることができる。 また、微粒子の表面には、各種表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理など)が施されていてもよい。

    上記微粒子の粒径(平均粒子径)は、特に限定されないが、1〜500μmが好ましく、より好ましくは5〜200μmであり、さらに好ましくは10〜100μmであり、さらにまたより好ましくは30〜100μmである。

    また、上記微粒子の比重(真密度)は、特に限定されないが、0.01〜1.8g/cm 3が好ましく、より好ましくは0.02〜1.5g/cm 3である。 微粒子の比重が0.01g/cm 3より小さいと、微粒子配合の際の浮き上がりが大きくなり、微粒子を組成物中で均一に分散させることが困難となる場合があり、また、強度の点で問題が生じ微粒子が割れてしまう場合がある。 一方、微粒子の比重が1.8g/cm 3より大きいと、活性エネルギー線(特に紫外線)の透過率が低下し、光硬化反応の効率が低下する場合があり、また、粘着テープの重量が大きくなり、作業性が低下する場合がある。 特に、微粒子が中空無機微粒子である場合、その真密度は0.1〜0.6g/cm 3が好ましく、また中空有機微粒子である場合、その真密度は0.01〜0.05g/cm 3が好ましい。

    微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子の含有量は、特に限定されないが、微粒子含有粘弾性基材Bの全重量(100重量%)に対して、1〜20重量%が好ましく、より好ましく1〜15重量%である。 微粒子の含有量が1重量%未満であると、微粒子含有粘弾性基材Bの粘弾性能を向上させることができないことがある。 一方、微粒子の含有量が20重量%を超えると、微粒子含有粘弾性基材Bの強度や粘弾性能に悪影響を及ぼすおそれがある。

    また、微粒子含有粘弾性基材Bを形成する微粒子含有組成物bにおける微粒子の含有量は、特に限定されない。 例えば、微粒子含有アクリル系重合性組成物bにおける微粒子の含有量は、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、1〜20重量部とするのが好ましく、1〜15重量部とするのがより好ましい。

    微粒子含有粘弾性基材Bを形成する微粒子含有重合性組成物b(特に微粒子含有アクリル系重合性組成物b)が重合開始剤を含む場合の重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。 なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている光重合開始剤が例示される。 また、微粒子含有重合性組成物b中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されない。 例えば、微粒子含有アクリル系重合性組成物bにおける光重合開始剤の含有量は、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3重量部である。

    光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。 このような活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。 また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間などは特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。

    また、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている熱重合開始剤が例示される。 また、その熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。

    さらに、微粒子含有アクリル系重合性組成物bでは、架橋により粘弾性体の凝集力を高めて、微粒子含有粘弾性基材Bの粘弾性能をより向上させる点から、多官能(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。 上記多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。 なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている多官能(メタ)アクリレートが例示される。

    上記微粒子含有アクリル系重合性組成物bが多官能(メタ)アクリレートを含む場合、その具体的な含有量は、多官能(メタ)アクリレートの分子量や官能基数などにより異なるが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜3重量部であり、さらに好ましくは0.01〜2重量部である。 含有量が5重量部を超えると、凝集力が高くなりすぎ、微粒子含有粘弾性基材Bの粘弾性能が低下する場合がある。 一方、含有量が0.001重量部未満であると、十分な凝集力が得られず、多官能(メタ)アクリレートを添加することによる効果を得られない場合がある。

    さらに、微粒子含有粘弾性基材Bは、粘着テープの柔軟性、凹凸に対する追従性及び被着体に対しての接着性を向上させる点から、気泡を含むことが好ましい。 つまり、微粒子含有粘弾性基材Bは、気泡及び微粒子を含有する粘弾性体層であることが好ましい。 なお、本願では、気泡及び微粒子を含有する微粒子含有粘弾性基材Bを、「気泡混合微粒子含有粘弾性基材B」と称する場合がある。

    気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bにおいて気泡が形成される形態は、特に限定されないが、例えば、(1)予め、気泡を形成するガス成分(「気泡形成ガス」と称する場合がある)が混合された微粒子含有組成物b(「気泡混合微粒子含有組成物b」と称する場合がある)を用いて微粒子含有粘弾性基材Bを形成することにより、気泡が形成された形態、(2)発泡剤を含有する微粒子含有組成物bを用いて微粒子含有粘弾性基材を形成することにより、気泡が形成された形態などが挙げられる。 気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bは、上記(1)の形態で気泡が形成されることが好ましい。 なお、発泡剤としては、特に限定されず、例えば、熱膨張性微小球などの公知の発泡剤が挙げられる。

    気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bにおいて、気泡の含有量は、特に限定されないが、気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bの全体積(100体積%)に対して、3〜30体積%となる量が好ましく、さらに好ましくは13〜22体積%となる量である。 気泡の含有量が3体積%未満であると気泡を含有することによる効果が得られない場合がある。 一方、30体積%を超えると、基材を貫通する気泡が形成され、粘弾性能や外観が悪くなるおそれがある。

    気泡混合微粒子含有粘弾性基材B中の気泡は、基本的には、独立タイプの気泡であることが望ましいが、独立気泡タイプの気泡と半独立気泡タイプの気泡とが混在していてもよい。 また、このような気泡の形状は、特に限定されないが、通常、球状(特に真球状)の形状を有している。 上記気泡において、その平均気泡径(直径)は、特に限定されないが、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは10〜500μmであり、さらに好ましくは30〜300μmである。

    上記気泡形成ガスとしては、特に限定されないが、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガス、空気などの各種気体成分が挙げられる。 気泡形成ガスとしては、気泡形成ガスを混合した後に、重合反応等の反応を行う場合は、その反応を阻害しないものを用いることが重要である。 上記気泡形成ガスは、反応を阻害しないことやコスト的観点などから、窒素が好適である。

    また、上記気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bにおける微粒子とベースポリマーとの間の密着性や摩擦抵抗の低減、気泡等の混合性や安定性の点から、上記微粒子含有組成物bには、気泡と共に、界面活性剤が含まれることが好ましい。 上記界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤などが挙げられる。 これらのなかでも、気泡混合性が優れ且つ気泡の合一を抑制できる点から、フッ素系界面活性剤が特に好ましく例示される。 上記フッ素系界面活性剤としては、中でも、分子中にオキシC 2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。 さらに、中でも、分散性の点から、非イオン型界面活性剤が好ましい。 また、フッ素系界面活性剤は、1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が組み合わせて含まれていてもよい。 上記フッ素系界面活性剤としては、特開2008−12798号公報や特開2006−022189号に記載のフッ素系界面活性剤が好ましく挙げられる。

    上記フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることも可能である。 このような市販品としては、例えば、商品名「フタージェント251」、商品名「FTX−218」(以上、(株)ネオス製)、商品名「メガファックF−477」、商品名「メガファックF−470」(以上、DIC(株)製)、商品名「サーフロンS−381、S−383、S−393、KH−20、KH−40」(以上、AGCセイミケミカル(株)製)、商品名「エフトップEF−352、EF−801」(以上、(株)ジェムコ製)、商品名「ユニダインTG−656」(ダイキン工業(株)製)などが挙げられる。

    微粒子含有組成物bにおける上記フッ素系界面活性剤の含有量(固形分)としては、特に限定されないが、例えば、微粒子含有アクリル系重合性組成物bでは、アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.01〜2重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。 含有量が0.01重量部未満であると、気泡の混合性が低下して充分な量の気泡を混合させることが困難となる場合がある。 一方、2重量部を超えると、粘弾性能が低下するおそれがある。

    微粒子含有組成物bは、気泡の混合させやすさや取り扱いやすさの点から、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。 このため、微粒子含有組成物bは、モノマー混合物の予備重合により得られる部分重合物を含む微粒子含有重合性組成物bであることが好ましい。

    例えば、粒子含有アクリル系重合性組成物bがアクリル系モノマー混合物の部分重合物を含む場合、アクリル系モノマー混合物の部分重合物の重合率は、その部分重合が生じている部分の分子量にもよるが、2〜40重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。 なお、部分重合は、例えば、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)を照射することにより行われる。

    なお、部分重合物の重合率は、熱発泡剤含有粘着剤層Aにおける測定方法と同様の方法により、求められる。

    また、微粒子含有組成物bは、増粘用ポリマーが適宜に配合されることにより、粘度調整されていてもよい。 このような増粘用ポリマーとしては、例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにアクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリン等を共重合したアクリル系ポリマー;スチレンブタジエンゴム(SBR);イソプレンゴム;スチレンブタジエンブロック共重合体(SBS);エチレン−酢酸ビニル共重合体;アクリルゴム;ポリウレタン;ポリエステル等が挙げられる。 なお、増粘用ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

    微粒子含有組成物bにおける増粘用ポリマーの配合量は、特に限定されないが、微粒子含有組成物b全量(100重量%)に対して40重量%以下(例えば5〜40重量%)が好ましい。

    また、微粒子含有組成物bには、添加剤が含まれていてもよい。 このような添加剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などの架橋剤;架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などの粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤などが挙げられる。 なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    微粒子含有粘弾性基材Bの厚さは、特に限定されないが、粘弾性の点から、100μm以上(例えば100〜1500μm)が好ましく、より好ましくは150μm以上(例えば150〜1400μm)、さらに好ましくは200μm以上(例えば200μm〜1300μm)である。 なお、本発明の粘着テープが微粒子含有粘弾性基材Bを複数含む場合、その厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、微粒子含有粘弾性基材Bは、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。

    (剥離性フィルム層C)
    剥離性フィルム層Cは、熱発泡剤含有粘着剤層Aとの間で十分な常態接着力が生じ、且つ加熱処理に伴う熱発泡剤含有粘着剤層A層中の熱発泡剤の発泡により、熱発泡剤含有粘着剤層Aから容易に剥離できる。

    このような剥離性フィルム層Cを構成するフィルムとしては、特に限定されないが、接着性と剥離性とのバランスの点、及び、価格の点から、プラスチックフィルムが好ましく挙げられる。 また、通電により発熱する発熱性フィルムも挙げられる。

    上記プラスチックフィルムに含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;ナイロン等のポリアミド;レーヨン;ポリカーボネート;ABSなどが挙げられる。 なお、上記樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    中でも、上記プラスチックフィルムとしては、ポリカーボネート、ABSから選択する少なくとも1の樹脂により構成されるフィルムが好ましく挙げられる。 また、ポリカーボネートフィルム、ABSフィルムも好ましく挙げられる。

    また、上記発熱性フィルムとしては、特に限定されないが、金属箔(金属フィルム)、内部に電熱線を蛇行配線した樹脂フィルム、内部に金属箔を含む樹脂フィルム、グラファイトカーボンフィルム、内部にカーボン粉末又は金属粉末などを含む樹脂フィルムなどが挙げられる。

    上記金属箔や金属粉末を構成する金属としては、アルミ、銅などの導電性金属が好ましい。 また、上記電熱線としては、ニクロム線(ニッケルクロム系合金の金属線)、鉄クロム系合金の金属線などの電気抵抗の大きい金属線などが好ましい。

    なお、本発明の粘着テープにおいて、剥離性フィルム層Cを上記発熱性フィルムとすると、直接通電して発熱させる方法や高周波を利用する電磁誘導による発熱方法により、発熱性フィルムのみを局所的に加熱できるので、粘着テープ全体を加熱せずとも、分離・解体できる。 このため、剥離性フィルム層Cが上記発熱性フィルムである本発明の粘着テープは、熱で劣化しやすい被着体や高熱により不具合を生じるおそれのある被着体に好適に用いられる。

    剥離性フィルム層Cの厚さは、特に限定されないが、5μm〜3000μmが好ましく、より好ましくは10μm〜2000μmである。

    剥離性フィルム層Cは、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。 また、本発明の粘着テープが2以上の剥離性フィルム層Cを有する場合、その厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。

    なお、剥離性フィルム層Cは、本発明の粘着テープのテープ特性(粘着特性)を十分に発揮させる点から、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの間の接着力が粘着テープの被着体に対する接着力より大きくなる特性を示す層であることが好ましい。

    (粘着剤層D)
    本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層Dは、粘着面を提供する最外層として、少なくとも1層存在する。 粘着剤層Dは、粘着剤組成物により形成される。 なお、本願において、粘着剤層Dを形成する粘着剤組成物を「粘着剤組成物d」と称する場合がある。

    粘着剤組成物dは、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)などが挙げられる。 すなわち、粘着剤組成物dは、ベースポリマーを必須成分とする組成物であってもよいし、ベースポリマーを形成するアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。

    中でも、粘着剤組成物dは、作業性及び環境の点から、モノマー混合物又はその部分重合物及び重合開始剤(例えば光重合開始剤や熱重合開始剤など)を少なくとも含むことが好ましい。 つまり、熱硬化型の粘着剤組成物や活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物であることが好ましい。 特に、粘着剤組成物dは、重合時間を短くすることができる点から、モノマー混合物又はその部分重合物及び光重合開始剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物であることが好ましい。

    粘着剤層Dを構成する粘着剤のベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどが挙げられる。 中でも、設計の容易さの点、特性のバランスの点から、アクリル系ポリマーが好ましい。 なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    つまり、粘着剤層Dは、アクリル系粘着剤組成物dにより形成される層、すなわちアクリル系粘着剤層Dであることが好ましく、さらに、粘着剤層Dは、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物及び光重合開始剤を少なくとも含むアクリル系粘着剤組成物dを重合硬化して形成されるアクリル系粘着剤層Dであることがより好ましい。

    なお、粘着剤層Dに含まれるベースポリマーの組成は、熱発泡剤含有粘着剤層Aに含まれるベースポリマーの組成や微粒子含有粘弾性基材Bに含まれるベースポリマーの組成と同じであってもよいし、似ていてもよい。

    特に、粘着剤組成物dは、接着特性に優れる粘着剤層を得る点から、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、光重合開始剤及び多官能(メタ)アクリレートを含むアクリル系粘着剤組成物dであることが好ましい。

    なお、上記のアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須の成分として含むアクリル系重合性組成物dにおいて、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物の割合は、特に限定されないが、少なすぎると十分な粘着特性を発揮できないおそれがあるので、アクリル系重合性組成物d全量(100重量%)に対して、80重量%以上(例えば(80〜99重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(例えば90〜99重量%)である。

    上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが例示される。 なお、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物中の上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されないが、必須成分として含まれることが好ましいので、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは55重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。

    また、上記アクリル系モノマー混合物には、粘着剤層の凝集力を向上させ、接着特性を向上させる点から、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されていることが好ましい。

    上記共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている共重合性モノマーが例示される。 なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    中でも、上記共重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。

    上記アクリル系モノマー混合物に共重合性モノマーが含有されている場合、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと共重合性モノマーとの割合は、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート/共重合性モノマー(重量基準)で、50/50〜99/1とするのが好ましく、より好ましく55/45〜99/1であり、さらに好ましくは60/40〜99/1である。

    粘着剤組成物dが重合開始剤を含む場合の重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。 なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている光重合開始剤が好ましく例示される。 また、粘着剤組成物d中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されない。 例えば、アクリル系粘着剤組成物dにおける光重合開始剤の含有量は、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3重量部である。

    光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。 このような活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。 また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間などは特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。

    また、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている熱重合開始剤が例示される。 また、その熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。

    さらに、粘着剤組成物dでは、架橋により粘弾性体の凝集力を高めて、微粒子含有粘弾性基材Bの粘弾性能をより向上させる点から、多官能(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。 多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。 なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    上記多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aで示されている多官能(メタ)アクリレートが例示される。

    アクリル系粘着剤組成物dが多官能(メタ)アクリレートを含む場合、その具体的な含有量は、多官能(メタ)アクリレートの分子量や官能基数などにより異なるが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜3重量部であり、さらに好ましくは0.01〜2重量部である。 含有量が5重量部を超えると、凝集力が高くなりすぎ、粘着剤層の接着性能が低下する場合がある。 一方、含有量が0.001重量部未満であると、十分な凝集力が得られず、多官能(メタ)アクリレートを添加することによる効果を得られない場合がある。

    アクリル系粘着剤組成物dは、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。 このため、上記アクリル系粘着剤組成物は、モノマー混合物の予備重合により得られる部分重合物を含むことが好ましい。

    例えば、アクリル系粘着剤組成物dがアクリル系モノマー混合物の部分重合物を含む場合、アクリル系モノマー混合物の部分重合物の重合率は、その部分重合が生じている部分の分子量にもよるが、2〜40重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。 なお、部分重合は、例えば、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)を照射することにより行われる。

    なお、部分重合物の重合率は、熱発泡剤含有粘着剤層Aにおける測定方法と同様の方法により、求められる。

    また、粘着剤組成物dには、微粒子、気泡、熱発泡剤などが必要に応じて含まれていてもよい。 なお、上記微粒子としては、上記微粒子含有粘弾性基材Bに含まれる微粒子が好ましく挙げられる。 また、上記熱発泡剤としては、上記熱発泡剤含有粘着剤層Aに含まれる熱発泡剤が好ましく挙げられる。

    さらに、粘着剤組成物dには、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などの架橋剤;架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などの粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤などの添加剤が必要に応じて含まれていてもよい。 なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。

    粘着剤層Dの厚さは、特に限定されないが、接着性の点から、1〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜250μmであり、さらに好ましくは20〜200μmである。 なお、本発明の粘着テープが粘着剤層Dを複数含む場合、その厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、粘着剤層Dは、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。

    (その他の層)
    本発明の粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。

    また、上記その他の層としては、発熱層が挙げられる。 本発明の粘着テープが発熱層を有していると、被着体から剥がす際に、発熱層を発熱させることにより熱発泡剤を発泡させることが可能となり、被着体に対する接着力を容易に低下させることができ、さらに熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの界面で、容易に分離させて、解体することができる。

    なお、本発明の粘着テープにおいて発熱層を設ける場合、発熱層の粘着テープ全体に占める位置は、特に限定されない。

    上記発熱層としては、剥離性フィルム層Cで例示されている発熱性フィルムにより構成される層が好ましく挙げられる。

    上記発熱層の厚さは、特に限定されないが、10〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜150μmである。

    また、本発明の粘着テープの粘着面は、粘着面保護の点から、セパレーター(剥離ライナー)により保護されていてもよい。 上記セパレーターとしては、特に限定されないが、公知のセパレーターが挙げられ、セパレーター用基材の少なくとも一方の面に剥離層が形成されたものが好ましく挙げられる。

    上記セパレーター用基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、紙、発泡体、金属箔などが挙げられる。 中でも、上記剥離ライナー用基材としては、プラスチックフィルムが好ましい。 また、上記剥離ライナー用基材の厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。 上記剥離ライナー用基材としてのプラスチックフィルムの素材としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。 なお、プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよい。

    セパレーター用基材に形成される上記剥離層としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離剤による剥離層、フッ素系剥離剤による剥離層、長鎖アルキル系剥離剤による剥離層などが挙げられる。 なお、剥離層は、セパレーター用基材の片面のみに形成されていてもよいし、セパレーター用基材の両面に形成されていてもよい。

    本発明の粘着テープの構造は、少なくとも熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを含み、熱発泡剤含有粘着剤層の少なくとも片面側の面に、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造が熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとが直接接する形態で設けられている限り、特に限定されない。 本発明の粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層Aを1層のみ含んでいてもよいし、2層以上含んでいてもよい。 本発明の粘着テープは、微粒子含有粘弾性基材Bを1層のみ含んでいてもよいし、2層以上含んでいてもよい。 本発明の粘着テープは、剥離性フィルム層Cを1層のみ含んでいてもよいし、2層以上含んでいてもよい。 本発明の粘着テープは、粘着剤層Dを1層のみ含んでいてもよいし、2層以上含んでいてもよい。

    なお、本発明の粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層Aを2層以上含む場合、その組成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、微粒子含有粘弾性基材を2層以上含む場合、その組成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、剥離性フィルム層Cを2層以上含む場合、その組成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。 また、粘着剤層Dを2層以上含む場合、その組成は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。

    特に、本発明の粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層A、微粒子含有粘弾性基材B、剥離性フィルム層C及び粘着剤層Dを、それぞれ、1層含むことが好ましい。

    本発明の粘着テープにおいて、熱発泡剤含有粘着剤層Aは、剥離性フィルム層Cと直接接する限りその位置は特に限定されず、最外層であってもよいし、内部に含まれる層であってもよい。

    また、微粒子含有粘弾性基材Bは、粘弾性体であるので、粘着性を発揮する。 このため、本発明の粘着テープにおいて、微粒子含有粘弾性基材Bは、最外層として存在し、粘着面を提供してもよい。 さらに、微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子を含有する粘着剤層(感圧接着剤層)であってもよい。

    上記の剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造は、特に限定されないが、例えば、粘着剤層Dと剥離性フィルム層Cとの積層構造、粘着剤層Dと微粒子含有粘弾性基材Bと剥離性フィルム層Cとがこの順で積層されている積層構造、粘着剤層Dと上記その他の層(例えば、発熱層や下塗り層など)と剥離性フィルム層Cとがこの順で積層されている積層構造など挙げられる。 中でも、上記の剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造は、被着体との良好な接着性の点から、粘着剤層Dと剥離性フィルム層Cとの積層構造が好ましい。

    例えば、本発明の粘着テープとしては、図1の粘着テープや図2の粘着テープが好ましく挙げられ、図1の粘着テープがより好ましく挙げられる。 図1及び図2において、11は粘着剤層Dであり、12は剥離性フィルム層Cであり、13は熱発泡剤含有粘着剤層Aであり、14は微粒子含有粘弾性基材Bであり、15aはセパレーターであり、15bはセパレーターである。 図1の粘着テープ及び図2の粘着テープは、ともに、粘着剤層D11、剥離性フィルム層C12、熱発泡剤含有粘着剤層A13及び微粒子含有粘弾性基材B14により構成される。 図1及び図2の粘着テープでは、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとは直接接する。 なお、図1及び図2の粘着テープは、共に、その両面がセパレーターにより保護されている。

    図1の粘着テープは、セパレーター15a側の面からセパレーター15b側の面への方向に、粘着剤層D11、剥離性フィルム層C12、熱発泡剤含有粘着剤層A13及び微粒子含有粘弾性基材B14の順に積層された構造を有する。 なお、図1の粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層A13の少なくとも一方の面側に、剥離性フィルム層C12と微粒子含有粘弾性基材B14とが積層されていない構造をしている。

    また、図2の粘着テープは、セパレーター15a側の面からセパレーター15b側の面への方向に、粘着剤層D11、微粒子含有粘弾性基材B14、剥離性フィルム層C12及び熱発泡剤含有粘着剤層A13の順に積層された構造を有する。 なお、図2の粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層A13の少なくとも一方の面側に、剥離性フィルム層C12と微粒子含有粘弾性基材B14とが積層されている構造をしている。

    本発明の粘着テープの作製方法は、特に限定されないが、熱発泡剤含有粘着剤層Aの少なくとも一方の面側に、剥離性フィルム層Cと粘着剤層Dとを少なくとも含む積層構造を熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルムCとが直接接する形態で設ける工程を含むことが好ましい。

    例えば、粘着剤層D11、剥離性フィルム層C12、熱発泡剤含有粘着剤層A13及び微粒子含有粘弾性基材B14の順に積層された構造を有する上記粘着テープ(図1の粘着テープ)は、セパレーター15a上に設けられた粘着剤層D11に剥離性フィルム層C12を設けることにより得られる積層体と、熱発泡剤含有粘着剤層A13及び微粒子含有粘弾性基材B14の積層構造がセパレーター15b上に設けられている積層体とを、剥離性フィルム層C12と熱発泡剤含有粘着剤層A13とが直接接する形態で貼り合わせることにより、作製される。 また、粘着剤層D11、微粒子含有粘弾性基材B14、剥離性フィルム層C12及び熱発泡剤含有粘着剤層A13の順に積層された構造を有する上記粘着テープ(図2の粘着テープ)は、粘着剤層D11及び微粒子含有粘弾性基材B14の積層構造がセパレーター15a上に設けられている積層体の微粒子含有粘弾性基材B14上に剥離性フィルム層C12を設けることにより得られる積層体と、セパレーター15b上に設けられた熱発泡剤含有粘着剤層A13とを、剥離性フィルム層C12と熱発泡剤含有粘着剤層A13とが直接接する形態で貼り合わせることにより、作製される。

    上記作製方法において、セパレーター上に、粘着剤層D11、熱発泡剤含有粘着剤層A13及び微粒子含有粘弾性基材B14から選択される層を設ける場合、層を形成する組成物(例えば、粘着剤組成物d、熱発泡剤含有粘着剤組成物a、微粒子含有重合性組成物bなど)を、セパレーター上に塗布し、塗布層を得て、該塗布層を硬化することにより、セパレーター上に目的とする層を設けることが好ましい。

    また、熱発泡剤含有粘着剤層A13と微粒子含有粘弾性基材B14との積層構造や粘着剤層D11と微粒子含有粘弾性基材14との積層構造などの積層構造をセパレーター上に設ける場合、セパレーター上に目的とする層を有するシート同士を貼り合わせる方法により上記積層構造が設けられていてもよいし、セパレーター上に層を形成する組成物(例えば、粘着剤組成物d、熱発泡剤含有粘着剤組成物a、上記微粒子含有重合性組成物bなど)を塗布することにより得られるシート同士を、塗布層同士が接する形態で貼り合わせ、両塗布層を同時に硬化させる方法により上記積層構造が設けられていてもよい。

    上記作製方法において、上記層を形成する組成物を塗布する際に用いられる塗工方法は、特に限定されないが、例えば、スロットダイ法、リバースグラビアコート法、マイクログラビア法、ディップ法、スピンコート法、刷毛塗り法、ロールコート法、フレキソ印刷法などが挙げられる。 また、塗工の際には、例えば、リバースコーター、グラビアコーターなどのロールコーター;カーテンコーター;リップコーター;ダイコーター;ナイフコーターなどの塗布具が用いられていてもよい。

    なお、上記作製方法において、上記層を形成する組成物による塗布層の硬化の際には、活性エネルギー線を用いる光硬化が用いられることが好ましい。 なお、活性エネルギー線としては、特に限定されないが、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適に挙げられる。 また、活性エネルギー線の照射方法、活性エネルギー線の照度や光量等は、特に限定されず、適宜選択される。

    好ましい活性エネルギー線の照射態様としては、例えば、波長300〜400nmにおける照度1〜200mW/cm 2である紫外線の光量400〜4000mJ/cm 2の照射が挙げられる。 また、紫外線を照射する際に用いられる光源としては、波長180〜460nm(好ましくは300〜400nm)の領域にスペクトル分布を持つものである限り特に限定されないが、例えば、ケミカルランプ、ブラックライト(例えば、東芝ライテック社製のブラックライト)、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の一般の照射装置が挙げられる。 また、上記波長より長波長あるいは短波長の電磁放射線を発生させることができる照射装置も挙げられる。

    また、上記作製方法では、必要に応じて、加熱乾燥工程が設けられていてもよい。 例えば、重合率を上昇させるためや未反応モノマー成分を除去する目的で、加熱乾燥工程が設けられていてもよい。

    本発明の粘着テープにおいて、「75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルムCが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できる」とは、「75℃の雰囲気下で8週間保存後における、加熱処理後の剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力(引張速度:300mm/min、剥離度:180°、23℃)が2.0N/15mm未満であること」をいう。 上記加熱処理の条件は、温度80〜170℃(好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは100〜170℃、最も好ましくは150〜170℃)、時間1分〜15分の範囲で設定される。 なお、上記条件のいずれかの範囲内の1条件で剥離できればよい。

    すなわち、本発明の粘着テープにおいて、75℃の雰囲気下で8週間保存後における、加熱処理後の剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力(引張速度:300mm/min、剥離角度:180°、23℃)は、2.0N/15mm未満であり、好ましくは0.5N/15mm未満、より好ましくは0N/15mmである。 この接着力が2.0N/15mmを超えると、長時間経過した後に、粘着テープに加熱処理を行っても、熱発泡剤含有粘着剤層A中の熱発泡剤の発泡により、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの間で剥離が起きず、粘着テープの解体性や分離性が低下する場合がある。

    本発明の粘着テープでは、特に限定されないが、例えば、剥離性フィルム層Cを構成するフィルムを特定の剥離フィルムとすることにより、75℃の雰囲気下で8週間保存後、加熱処理により、剥離性フィルム層Cが熱発泡剤含有粘着剤層Aから剥離できるようにすることができる。 すなわち、75℃の雰囲気下で8週間保存後における、加熱処理後の剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力(引張速度:300mm/min、剥離角度:180°、23℃)を2.0N/15mm未満とすることができる。

    また、本発明の粘着テープにおける、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力(引張速度:300mm/min、剥離角度:180°、23℃)は、2.5N/15mm以上であることが好ましく、5.0N/15mm以上であることがより好ましい。 この接着力が2.5N/15mm未満であると、粘着テープの使用時や保管時に、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの間で剥離が生じ、粘着テープとしての使用ができなくなる場合がある。

    本発明の粘着テープの厚さは、特に限定されないが、200μm〜3mmが好ましく、より好ましくは300μm〜2mmである。 なお、上記粘着テープの厚さには、セパレーターの厚さは含まれない。

    本発明の粘着テープは、最外層として粘着剤層Dや熱発泡剤含有粘着剤層Aを有するので、被着体への常態接着力に優れる。 また、長期間保存後でも被着体への常態接着力に優れ、さらに、長期間使用していても被着体に対する接着特性が維持できる。 また、本発明の粘着テープは、微粒子含有粘弾性基材Bを有するので、凹凸追従性や段差吸収性に優れる。 特に、微粒子含有粘弾性基材Bが気泡混合微粒子含有粘弾性基材Bであると、より被着体への常態接着力に優れ、より凹凸追従性や段差吸収性に優れる。 微粒子含有粘弾性基材Bは、微粒子を含有するので、良好な弾性率を有し、強度や加工性という点で良好な特性を示す。 このように、本発明の粘着テープは、テープ特性に優れる。

    本発明の粘着テープは、加熱処理により、熱発泡剤含有粘着剤層A中の熱発泡剤の膨張及び/又は発泡が生じて、熱発泡剤含有粘着剤層Aが膨張変形する。 そして、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの接触面積が減少し、さらに、粘着テープと被着体との接触面積が減少する。 このため、本発明の粘着テープは、加熱処理により、熱発泡剤含有粘着剤層Aと剥離性フィルム層Cとの間の接着力が低下し、さらに被着体に対する接着力が低下するので、分離・解体する特性、例えば被着体と粘着テープとの界面や、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの界面で剥離する特性を有する。 なお、本発明の粘着テープでは、微粒子含有粘弾性基材Bを有するので、加熱による熱発泡剤含有粘着剤層Aの膨張変形により生じる応力が集中することなく、分散する。 このことも、本発明の粘着テープの分離・解体する特性について、有効である。 さらにまた、本発明の粘着テープは、75℃の雰囲気下で8週間保存後における、加熱処理後の剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力(引張速度:300mm/min、剥離角度:180°)が2.0N/15mm未満であるので、長期間保存後や長期間使用後であっても、分離・解体する特性に優れる。

    このように、本発明の粘着テープは、被着体への良好な接着性を発揮しつつ、加熱によって、分離・解体性や、被着体から易剥離できる特性を有する。 また、長期間保存後でも上記特性を有し、さらに、長期間使用していてもこのような特性は維持される。

    本発明の粘着テープが用いられる被着体としては、特に限定されないが、適宜な形状や素材の被着体が挙げられる。 本発明の粘着テープは、凹凸追従性や段差吸収性に優れるので、平滑面、曲面、凹凸面など幅広い形状の被着体に適用できる。 また、被着体の素材としては、特に限定されず、例えば、樹脂、金属などが挙げられる。 上記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ABS、アクリル樹脂などが挙げられる。 また、上記金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、合金などが挙げられる。

    本発明の粘着テープは、自動車、機械部品、電化製品、建材等の各種分野の各種用途(特に接合用途や固定用途)に用いられる。

    (加熱発泡型再剥離性粘着テープの剥離方法)
    本発明の加熱発泡型再剥離性粘着テープの剥離方法では、上記本発明の粘着テープを、加熱して、剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの接着力を低下させて剥離する。 加熱処理により、粘着テープ中の剥離性フィルム層Cと熱発泡剤含有粘着剤層Aとの間で、分離・解体が可能となる。

    加熱処理としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート、熱風乾燥機、近赤外線ランプ、エアードライヤーなどの適宜な加熱手段を利用することが挙げられる。 加熱温度は、熱発泡剤の発泡開始温度以上であればよいが、被着体の表面状態、熱発泡剤の種類、被着体の耐熱性、加熱方法(熱容量、加熱手段等)などにより適宜設定される。 具体的な加熱処理としては、例えば、80〜170℃の温度で、ホットプレートにより1〜15分間加熱することや熱風乾燥機で1〜15分間加熱することなどが挙げられる。 なお、温度が高くなると、被着体への影響が大きくなり、例えば、被着体が樹脂製である場合変形するおそれがある。

    また、加熱処理の加熱手段として、加熱水が用いられてもよい。 また、粘着テープが剥離性フィルム層Cを構成するフィルムとして発熱性フィルムを有する場合やその他の層として上記発熱層を有する場合、通電等により発熱層を発熱させてもよい。

    以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

    (熱発泡剤含有粘着剤組成物の調製例1)
    2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、アクリル酸:10重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重合させることにより、重合率7%の部分重合モノマーシロップを得た。
    この部分重合モノマーシロップ:100重量部に、熱発泡剤(熱膨張性微小球、商品名「マツモトマイクロスフェアF−80SD」、松本油脂製薬株式会社製):30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート:0.2重量部を添加し、これらを均一に混合して、熱発泡剤含有粘着剤組成物(「熱発泡剤含有粘着剤組成物(A)」と称する場合がある)を得た。

    (気泡混合微粒子含有重合性組成物の調製例1)
    2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、アクリル酸:10重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重合させることにより、重合率7%の部分重合モノマーシロップを得た。
    この部分重合モノマーシロップ:100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.08重量部、中空ガラスビーズ(商品名「セルスター Z−27」東海工業株式会社製、平均粒径:63μm、真密度:0.26g/cm 3 ):9.5重量部、フッ素系界面活性剤(商品名「サーフロン S−393」、AGCセイミケミカル株式会社製):0.5重量部を添加し、プロペラミキサーを用いて均一に混合した後、ビーカーに入れ、底から窒素ガスをバブリングさせて、その気泡を噛み込むようにホモミキサーにより気泡を混合させ、気泡混合微粒子含有重合性組成物(「気泡混合微粒子含有重合性組成物(A)」と称する場合がある)を得た。

    (粘着剤組成物の調製例1)
    2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、アクリル酸:10重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05重量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重合させることにより、重合率7%の部分重合モノマーシロップを得た。
    この部分重合モノマーシロップ:100重量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート:0.2重量部を添加し、これらを均一に混合して、粘着剤組成物(「粘着剤組成物(A)」と称する場合がある)を得た。

    (工程セパレーターの使用例1)
    工程セパレーターとして、一方の面がシリコーン系離型処理剤で離型処理されたポリエステルフィルム(商品名「MRN−38」、三菱樹脂株式会社製)を用いた(「工程セパレーター(A)」と称する場合がある)。

    (工程セパレーターの使用例2)
    工程セパレーターとして、一方の面がシリコーン系離型処理剤で離型処理されたポリエステルフィルム(商品名「MRF−38」、三菱樹脂株式会社製)を用いた(「工程セパレーター(B)」と称する場合がある)。

    (剥離性フィルムの使用例1)
    剥離性フィルムとして、ポリカーボネートフィルム(商品名「G2G0G3DWN」、Mondi Releaseliner Austria社製、厚さ:30μm)を使用した(「剥離性フィルム(A)」と称する場合がある)。

    (剥離性フィルムの使用例2)
    剥離性フィルムとして、ABSフィルム(Eriks社製、厚さ:1mm)を使用した(「剥離性フィルム(B)」と称する場合がある)。

    (剥離性フィルムの使用例3)
    剥離性フィルムとして、ポリエステルフィルム(商品名「ルミラー S−10」、厚さ:12μm、東レ株式会社製)を使用した(「剥離性フィルム(C)」と称する場合がある)。

    (粘着剤層の作製例1)
    粘着剤組成物(A)を、工程セパレーター(B)の剥離処理された面上に、硬化後の厚さが50μmとなるように塗布して粘着剤組成物層を形成し、該粘着剤組成物層上に剥離処理された面が接するように工程セパレーター(B)を貼り合わせて、工程セパレーター(B)/粘着剤組成物層/工程セパレーター(B)の積層構成を有するシートを得た。
    このシートの両面から、ブラックライトランプ(株式会社東芝製)を用いて、照度:5mW/cm 2で、350nmの最大感度を有する紫外線(UV)を240秒間照射して、厚さ50μmの粘着剤層を有するシート(「粘着剤層シート(A)」と称する場合がある)を得た。

    (気泡混合微粒子含有粘弾性基材と熱発泡剤含有粘着剤層との積層構造の作製例1)
    熱発泡剤含有粘着剤組成物(A)を工程セパレーター(B)の剥離処理された面上に硬化後の厚さが100μmとなるように塗布して、工程セパレーター(B)上に熱発泡剤含有粘着剤組成物層を有する熱発泡剤含有粘着剤組成物層シートを得た。
    気泡混合微粒子含有重合性組成物(A)を工程セパレーター(A)の剥離処理された面上に硬化後の厚さが100μmとなるように塗布して、工程セパレーター(A)上に気泡混合微粒子含有重合性組成物層を有する気泡混合微粒子含有重合性組成物層シートを得た。
    次に、熱発泡剤含有粘着剤組成物層シートと気泡混合微粒子含有重合性組成物層シートとを、熱発泡剤含有粘着剤組成物層と気泡混合微粒子含有重合性組成物層とが接する形態で貼り合わせて、積層シートとした。
    そして、該積層シートの両面から、ブラックライトランプ(株式会社東芝製)を用いて、照度:5mW/cm 2で、350nmの最大感度を有する紫外線(UV)を240秒間照射して、熱発泡剤含有粘着剤組成物層及び気泡混合微粒子含有重合性組成物層を光硬化させて、気泡混合微粒子含有粘弾性基材と熱発泡剤含有粘着剤層との積層構造を有するシートを得た。
    なお、熱発泡剤含有粘着剤層のゲル分率は、82重量%であった。

    (実施例1)
    剥離性フィルム(A)の一方の面側に、一方の工程セパレーター(B)を剥がすことにより粘着剤層が露出している粘着剤層シート(A)を、下記貼り合わせ条件で貼り合わせて、工程セパレーター(B)/粘着剤層/剥離性フィルム(A)の積層構成を有する片面粘着テープを得た。
    次に、該片面粘着テープの剥離性フィルム(A)側の面に、工程セパレーター(B)を剥がすことにより熱発泡剤含有粘着剤層が露出している、気泡混合微粒子含有粘弾性基材と熱発泡剤含有粘着剤層との積層構造を有するシートを、下記貼り合わせ条件で貼り合わせて、工程セパレーター(B)/粘着剤層/剥離性フィルム(A)/熱発泡剤含有粘着剤層/気泡混合微粒子含有粘弾性基材/工程セパレーター(A)の積層構成を有する粘着テープを得た。
    貼り合わせ条件 温度:23℃
    圧着条件:2kgローラー×1往復

    (実施例2)
    剥離性フィルム(A)の代わりに剥離性フィルム(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、工程セパレーター(B)/粘着剤層/剥離性フィルム(B)/熱発泡剤含有粘着剤層/気泡混合微粒子含有粘弾性基材/工程セパレーター(A)の積層構成を有する粘着テープを得た。

    (比較例1)
    剥離性フィルム(A)の代わりに剥離性フィルム(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、工程セパレーター(B)/粘着剤層/剥離性フィルム(C)/熱発泡剤含有粘着剤層/気泡混合微粒子含有粘弾性基材/工程セパレーター(A)の積層構成を有する粘着テープを得た。

    (評価)
    実施例及び比較例における、初期の粘着テープ及び75℃の温度雰囲気下で8週間保管後の粘着テープについて、下記(熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力の測定方法)により熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力を求ることにより、評価した。 その結果を表1に示した。

    (評価サンプル)
    粘着テープの工程セパレーター(A)を剥がして露出した気泡混合微粒子含有粘弾性基材に、裏打ち基材(ポリエステルフィルム、商品名「ルミラー S−10」、厚さ:25μm、東レ株式会社製)を貼り合わせ、15mm幅に切断した。 次に、工程セパレーター(B)を剥がして粘着剤層を露出させて、測定用固体板(ステンレス板、SUS304BA板)に貼り合わせて、評価サンプルを得た。 なお、図3に、この評価用サンプルの断面概略図を示す。

    (初期の評価サンプル)
    上記評価サンプルを、23℃の温度雰囲気下で30分エージングすることにより、初期の評価サンプルとした。

    (保存後の評価サンプル)
    上記評価サンプルを、75℃の温度雰囲気下で8週間保管後してから23℃の温度雰囲気下で30分24時間放置することにより、保存後の評価サンプルとした。

    (熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着性)
    23℃の温度雰囲気下で、下記の熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力の測定方法により、評価サンプルにおける熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力(常態接着力)を求めて、下記評価基準で評価した。
    評価基準 とても良好(◎):接着力が5.0N/15mm以上の場合 良好(○):接着力が2.5N/15mmを超えて5.0N/15mm未満である場合 不良(×):接着力が2.5N/15mm以下である場合

    上記接着性の評価がとても良好や良好である粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとが問題なく接着しており、接合時に被着体に良好な接着特性を発揮する。
    一方、上記接着性の評価が不良である粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの接着性に劣り、接着特性が低下することがある。 例えば、強い応力がかかった際、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で層間剥離が生じて、接合物が分離することがある。

    (粘着テープの加熱解体性)
    評価サンプルを熱風乾燥機に投入し、160℃で10分間加熱処理した。 加熱処理後、加熱による熱発泡剤の発泡により、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で層間剥離が生じているか否かを確認した。 層間剥離が生じている場合は、加熱解体性について「とても良好(◎)」と評価した。
    層間剥離が生じていない場合、23℃の温度雰囲気下で2時間放置してから、下記の熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力の測定方法により、評価サンプルにおける熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力を求めて、下記評価基準で評価した。
    評価基準 とても良好(◎):接着力が0.5N/15mm以下の場合 良好(○):接着力が0.5N/15mmを超えて2.0N/15mm未満である場合 不良(×):接着力が2.0N/15mm以上である場合 上記熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力が0.5N/15mm以下である粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で自然に分離する。 上記熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力が0.5N/15mmを超えて2.0N/15mm未満である粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で手で容易に分離される。 また、上記熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力が2.0N/15mm以上である粘着テープは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で手で容易に分離されることはない。

    (熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力の測定方法)
    引張試験機(装置名「TG−1kN」、ミネベア社製)を用いて、引張速度:300mm/min、180°の剥離方向の条件で、評価サンプルを熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの層間で剥離させることにより、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間の接着力を測定した。

    また、加熱解体性の欄の層間接着力が0N/15mmであることは、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で層間剥離が生じたことを意味する。

    実施例は、初期の接着性及び保存後の接着性について良好と評価でき、良好な接着特性を示した。 また、初期の加熱解体性及び保存後の加熱解体性についてとても良好又は良好と評価でき、加熱することで、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で容易に解体することが可能である。 さらに、実施例の粘着テープは、75℃で1年間保存した後においても、加熱解体性に優れていることが確認された。 このため、実施例は、常温(23±2℃)で長期間保存した後であっても、加熱解体性に優れる。
    一方、比較例1は、初期の接着性及び保存後の接着性について良好と評価でき、良好な接着特性を示した。 しかし、保存後の加熱解体性について不良と評価でき、熱発泡剤含有粘着剤層と剥離性フィルムとの間で容易に解体することはできなかった。

    11 粘着剤層D
    12 剥離性フィルム層C
    13 熱発泡剤含有粘着剤層A
    14 微粒子含有粘弾性基材B
    15 セパレーター 21 裏打ち基材 22 気泡混合微粒子含有粘弾性基材 23 熱発泡剤含有粘着剤層 24 剥離性フィルム層 25 粘着剤層 26 測定用固体板

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