A structure having a fluorine primer, electrodes of this structure to the base

申请号 JP2001102969 申请日 2001-04-02 公开(公告)号 JP3518806B2 公开(公告)日 2004-04-12
申请人 アトフィナ; 发明人 バリエール ブノワ; バーチル マイケル; 義行 宮木;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属層L1と、フッ素化プライマー層L
    2と、フルオロポリマー層L3とをこの順で有し、フッ素化プライマー層L2がフルオロポリマーを部分脱フッ化水素処理した後に酸化することによって化学的に変性して得られたものであることを特徴とする構造。 【請求項2】化学的に変性されるフルオロポリマーが下記一般式(I)の単位を含む請求項1に記載の構造: 【化1】 (ここで、XおよびX'は互いに独立して水素原子、ハロゲン またはペルハロアルキルを表す) 【請求項3】 化学的に変性されるフルオロポリマーがPVDFホモポリマーまたはVF 2 /HFPコポリマーである請求項2に記載の構造。 【請求項4】 金属層L1がコレクタで、フルオロポリマー層L3が炭素および/または酸化物の含有率が高い電気活性層である、請求項1〜3のいずれかに一項に記載の構造を有するリチウムイオン電池の電極。 【請求項5】 金属層L1がアルミニウムで、フッ素化プライマー層L2がフルオロポリマーを部分脱フッ化水素処理後に酸化することによって化学的に変性されたものであり、フルオロポリマー層L3が混合酸化物粒子を含む電気活性層である請求項4に記載のリチウムイオン電池の陽極。 【請求項6】 金属層L1が銅で、フッ素化プライマー層L2がフルオロポリマーを部分脱フッ化水素処理した後に酸化することよって化学的に変性されたものであり、フルオロポリマー層L3が炭素粒子を含む電気活性層である請求項4に記載のリチウムイオン電池の陰極。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はフッ素化プライマー層を有する構造と、この構造をベースとする電極とに関するものである。 本発明構造は金属層、フッ素化プライマー層およびフルオロポリマー層をこの順番で有する。
    フルオロポリマー層は炭素および/または酸化物を高含有率で含む電気活性層としてのフルオロポリマーで置換することもできる。 この場合にはフルオロポリマーは電気活性層に粘着を与える結合剤に分類される。 金属層、フッ素化プライマー層およびこの電気活性層をこの順番で有する構造はリチウムイオン電池の電極を構成する。 【0002】 【従来の技術】リチウムイオン電池を作る際には、電気性能を調整するための他の成分と一緒に混合酸化物の充填剤か炭素および/または黒鉛の充填剤を含む電気活性層材料をフルオロポリマーの結合剤の存在下で溶媒中に分散させる。 得られた分散系を金属コレクタ上に「注型」法で堆積し、溶媒を蒸発させて陰極または陽極(使用する充填剤の種類によって決まる)にする。 【0003】金属コレクタ層は一般に銅の箔または格子(陰極の場合)か、アルミの箔または格子(陽極の場合)である。 ポリマー結合剤は電気活性層に十分な凝縮力(cohesion)を与え且つ金属コレクタ層への接着力(a
    dhesion)を与える。 優れた電池を製造するのにはこの凝縮力と接着力が要求される。 電気活性層の凝縮力が弱いと、電池の多層構造内に電極を巻き取ったり重ねたりする際に、例えば電気活性材料が砕け、有害である。 この重大な問題はコレクタへの接着が不十分な場合にも生じる。 【0004】電池の性能は結合剤の性質に大きく依存する。 良い結合剤は必要な結合剤の量に対して十分な電気活性成分を含む層を形成でき、従って、比容量を大きくすることができる。 結合剤はさらに、充電・放電サイクル時の酸化還元反応に対して安定で、しかも電池内に存在する電解質に対して不活性でなければならない。 一般に、この電解質はカーボネート型の溶媒、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートまたはジメチルエチルカーボネートと、リチウム塩、例えばLiPF
    6またはLiBF 4とを含んでいる。 PVDFまたはVF
    2コポリマーはリチウム電池の結合剤として用いられる特性を有する材料である。 【0005】WO97/27260号に記載の構造は、
    (i)フルオロポリマー層、(ii)PVDFのホモポリマー、アクリルポリマーおよびVF2(フッ化ビニリデン)をベースとするコポリマーから選択される2種のポリマー混合物から成る接着剤層および(iii)金属層をこの順番で有している。 この特許にはさらに、銅箔またはアルミ箔上に堆積した組成(ii)を結合剤とする電気活性層を有するリチウムイオン電池の電極も記載されている。 WO97/32347号に記載のリチウムイオン電池では、電極の電気活性層の結合剤がアクリルポリマーがグラフトされたフルオロポリマーである。 この電気活性層は銅箔またはアルミ箔上に堆積される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン電池では、金属に対するフルオロポリマーの接着性であれ、フルオロポリマーベースの電気活性層の接着性であれ、常に接着性を改良する努力がなされている。 本発明者は、
    部分的に脱フッ化素処理した後に酸化することによって化学的に変性したフルオロポリマーは下記a)またはb)での接着性を強化するプライマー層を構成することができるということを発見した: a)金属層、フッ素化プライマー層およびフルオロポリマー層をこの順番で有する構造、 b)金属層(コレクタ)、フッ素化プライマー層および電気活性層ををこの順番で有するリチウムイオン電池の電極。 【0007】本発明の利点は、電気活性層を製造するために製造が複雑なグラフトしたフルオロポリマーやフルオロポリマー混合物を用いる必要がなく、一般的なフルオロポリマーまたはコポリマーで十分である点にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、金属層L1
    と、フッ素化プライマー層L2と、フルオロポリマー層L3とをこの順で有し、フッ素化プライマー層L2がフルオロポリマーを部分脱フッ化水素処理した後に酸化することによって化学的に変性して得られたものであることを特徴とする構造を提供する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の一つの実施例の構造はリチウムイオン電池の電極である。 この場合、金属層L1
    はコレクタであり、フルオロポリマー層L3は炭素および/または酸化物を高い含有率で含む電気活性層である。 【0010】金属としては鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、銀、クロムおよびこれらの各種合金が挙げられる。 フッ素化プライマー層L2はフルオロポリマーを部分的に脱フッ化水素処理し、次いで酸化して得られる化学的に変性したものである。 変性するフルオロポリマーは、銅またはアルミニウムからなる金属基板に対するポリマーの接着性を良くするように化学変性する、下記一般式(I)の単位を含むフルオロプラスチックまたはフルオロエラストマーにすることができる: 【0011】 【化2】

    【0012】(ここで、XおよびX'は互いに独立して水素原子、ハロゲン、特にフッ素または塩素か、パーハロアルキル、特にパーフルオロアルキルである) 【0013】使用可能なフルオロポリマーはオレフィン系不飽和モノマーの重合または共重合で得られる。 一般式(I)の単位を有するフルオロポリマーを得るためにはモノマーおよび/またはコモノマーが炭素原子に結合したフッ素原子と炭素原子に結合した水素原子との両方を有していなければならない。 使用可能なフルオロポリマーの例としてはヒドロフルオロカーボンをベースにしたモノマーから得られるホモポリマーや、不飽和パーフルオロ化モノマーに水素−Hを含む一種または複数の不飽和モノマーすなわちヒドロフルオロカーボンをベースにしたモノマーおよび/または非フッ素化モノマーを共重合して得られるコポリマーを挙げることができる。 【0014】使用可能なオレフィン系不飽和モノマーの例としてはヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(V


    2 )、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、2


    −クロロペンタフルオロプロペン、CF

    3 −O−CF=


    CF

    2またはCF

    3 −CF

    2 −O−CF=CF

    2等のパーフルオロアクリルビニルエーテル、1−ヒドロペンタフルオロプロペン、2−ヒドロ−ペンタフルオロプロペン、


    ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、


    1,1−ジクロロフルオロエチレンおよび例えば米国特許第4,558,142号に記載のパーフルオロ−1,


    3−ジオキソル(dioxoles)およびフッ素を含まないオレフィン系不飽和モノマー、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンおよびその高級同族体を挙げることができる。 【0015】フッ素を含むジオレフィン、例えばパーフルオロジアリールエーテルおよびパーフルオロ−1,3


    −ブタジエンを使用することもできる。 【0016】フルオロポリマーはオレフィン系不飽和モノマーまたはコモノマーからフルオロポリマーの公知重合方法で得ることができる。 例えば米国特許第3,55


    3,185号および欧州特許第0,120,524号にはフッ化ビニリデン(VF

    2 )の水性懸濁液を重合してポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)を合成する方法が記載されている。 米国特許第4,025,709号、第4,569,978号、第4,360,652号、第6


    26,396号および欧州特許第0,655,468号にはVF

    2のエマルションを作り、そを重合してPVD


    Fを合成する方法が記載されている。 【0017】一般に、オレフィン系不飽和フルオロモノマーは水性エマルション中で重合でき、必要な場合には非フルオロオレフィン系モノマーと共重合できる。 この水性エマルションはフリーラジカルを発生させる水溶性開始剤、例えばアンモニアまたはアルカリ金属過硫酸塩またはアルカリ金属過マンガン酸塩を含み、さらに一種以上の乳化剤、例えばパーフルオロオクタン酸のアンモニアまたはアルカリ金属塩を含んでいる。 【0018】コロイド性水懸濁法では基本的に有機相に可溶な開始剤、例えばジアルキルパーオキシド、ジアルキルヒドロパーオキシド、ジアルキルパーオキシジカルボネートまたはアゾパーオキシドを用いる。 この開始剤はメチルセルロース、メチルヒドロプロピルセルロース、メチルプロピルセルロースおよびメチルヒドロキシエチルセルロース等のコロイドと組み合わせて使用される。 【0019】多くのフルオロポリマーおよびコポリマーが市販されており、特にカイナー(Kynar、登録商標)の名称でエルフ アトケム社(Elf Atochem SA)から市販されている。 L2に変成されるフルオロポリマーはエマルションまたは懸濁液等の水性分散系の形をしているのが好ましい。 この分散系は上記合成方法で得られる生成物でよい。 L2に変成されるフルオロポリマーはPVD


    FのホモポリマーまたはVF

    2 /HFPコポリマーであるのが好ましい。 このフルオロポリマーを塩基で部分的に脱フッ化水素処理し、部分脱フッ化水素処理したフルオロポリマーを酸化剤と反応させてフルオロポリマーL


    2を得る。 【0020】フルオロポリマーの脱フッ化水素処理は水性媒体または有機溶媒中で塩基を用いて実施される。 使用可能な塩基はWO−9808880号に挙げられており、例えば水酸化カリウム(KOH)、水酸化アンモニウム(NH

    4 OH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、


    水酸化リチウム(LiOH)等の水酸化物、炭酸カリウム(K

    2 CO

    3 )または炭酸ナトリウム(Na

    2 CO

    3 )等の炭酸塩、第3アミン、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたは金属アルコキシドである。 WO−98088


    79号にはフルオロポリマーエマルションの水性媒体中での脱フッ化水素処理方法が記載されている。 塩基を触媒と一緒に使用してもよい。 また、塩基は水または有機溶媒に可溶な炭化水素をベースにした構造のアミン誘導体、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−ene(DBU)または1,4−ジアザビシクロ


    [2.2.2]オクタン(DABCO)にすることもできる。 【0021】触媒としては、例えば臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)またはテトラアルキルホスホニウム、アルキルアリールホスホニウム、アルキルアンモニウムおよびハロゲン化アルキルホスホニウムを挙げることができる。 塩基性化合物を(任意成分としての触媒と一緒に)ナフタレン、テトラヒドロフラン(TH


    F)、水等の溶媒に溶解または稀釈させることもできる。 【0022】酸化は水性相中で過酸化水素(H

    2

    2 )を用いて行うのが好ましい。 すなわち、水性媒体中で過酸化水素を用いる方法は、有機溶媒を用いる方法に比べて、廃棄物を最小にすることができるという利点がある。 また、水性相中の過酸化水素は他の酸化剤に比べて簡単に排水処理ができる。 しかし、水性媒体中で活性な他の酸化剤、例えばPdCl

    2やCrCl

    2のハロゲン化パラジウムまたはハロゲン化クロム、アルカリ金属過マンガン酸塩、例えばKMnO

    4 、過酸、過酸化アルキルまたは過硫酸塩をH

    2

    2と組み合わせて使用することもできる。 【0023】反応すなわち水性媒体中でのH

    2

    2との接触は約6.5〜8、好ましくは6.7〜7.6のpHで実施するのが有利である。 すなわち、6.5未満のpH


    では反応が非常に遅くなり、8以上のpHではH

    2

    2の分解反応が制御できなくなる危険がある。 反応すなわち水性媒体中でのH

    2

    2との接触は約20℃〜100℃、


    好ましくは50℃〜90℃の温度で行うのが有利である。 【0024】添加するH

    2

    2の全量は、純粋な過酸化水素を基に計算して、反応媒体の全重量の1〜50重量%


    にするのが有利である。 この量は2〜12%にするのが好ましい。 本発明方法で変性されたポリマーL2は優れた接着性および凝縮力を有し、これらの特性は化学的に変性されていないフルオロポリマーに比べて大きく改善れれる。 改良されたこの特性によって酸化物または炭素を含むフルオロポリマー層L3の電気活性層のコレクタへの接着問題が解決される。 【0025】L2層のMFI(メルトフローインデックス)はPVDFのホモポリマー由来のL2の場合には0.2〜5g/10分(10kgの負荷で230℃)、


    VF

    2およびHFPのコポリマー由来のL2の場合には2〜10g/10分(5kgの負荷で230℃)にするのが有利である。 リチウムイオン電池の電極の場合の金属層L1上のプライマー層の厚さは1〜10μm、好ましくは1〜2μmにすることができる。 フルオロポリマー層L3は、L2を作るのために処理されるポリマーとして上記した一般式(I)の単位を含むポリマーまたはコポリマーの中から選択することができる。 【0026】フルオロポリマー層L3のポリマーの例としては特に下記のものを挙げることができる: (1) PVDF、フッ化ビニリデン(VF

    2 )ホモポリマーおよび好ましくは少なくとも50重量%のVF


    2と、少なくとも一種の他のフッ素化モノマー、例えばクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(V


    3 )またはテトラフルオロエチレン(TFE)とのフッ化ビニリデン(VF

    2 )コポリマー、 【0027】(2) トリフルオロエチレン(VF

    3 )のホモポリマーおよびコポリマー、(3) クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)および/またはエチレン単位と、必要に応じて用いられるV


    2および/またはVF

    3単位と組み合わせたコポリマー、特にターポリマー。 これらのフルオロポリマーL3


    の内ではPVDFを用いるのが有利である。 フルオロポリマー層L3のMVI(容積基準のMFI)は0.5〜


    25cm

    3 /10分(5kgの荷重下で230℃)であるのが有利である。 【0028】本発明の一実施例では、フルオロポリマー層L3は炭素および/または酸化物が高含有率で添加されて電気活性層になる。 この場合のフルオロポリマーは電気活性層に凝縮性を与える結合剤として分類される。


    リチウムイオン電池の陽極(混合酸化物充填剤)を作るか、陰極(炭素充填剤)を作るかに応じて、LiMxO


    y(ここで、MはMn、NiまたはCo等の遷移金属)


    型のリチウムの混合酸化物または種々の炭素(リチウムイオンを挿入する化合物として用いられる特定の黒鉛または炭素)を添加する。 【0029】本発明はさらに、下記に関するものでもある: (1) 上記構造を有するリチウムイオン電池の陽極。


    この場合、金属層L1は好ましくはアルミニウムであり、プライマー層L2はフルオロポリマーを部分的に脱フッ化水素処理した後に酸化して化学的に変性したものであり、フルオロポリマー層L3は混合酸化物粒子を含む電気活性層である。 (2) 上記構造を有するリチウムイオン電池の陰極。


    この場合、金属層L1は好ましくは銅であり、プライマー層L2はフルオロポリマーを部分的に脱フッ化水素処理した後に酸化して化学的に変性したものであり、フルオロポリマー層L3は炭素粒子を含む電気活性層である。 【0030】 【実施例】

    以下、本発明の実施例を示すが、実施例1〜


    12は下記の内容を示している

    実施例1、2=変性されたフルオロポリマーの製造方法

    実施例3=金属箔/PVDF複合体の形成方法

    実施例4=金属箔/プライマー/PVDF複合体の形成


    方法

    実施例5、6=陰極溶液と陰極の製造方法

    実施例7、8=陽極溶液と陽極の製造方法

    実施例9=実施例4,6,8で得られた各複合体の剥離


    強度評価試験

    実施例

    10

    =実施例4の複合体の剥離試験

    実施例

    11

    =実施例6の陰極の剥離試験

    実施例

    12

    =実施例8の陽極の剥離試験

    実施例1

    化学的に変性されたポリフッ化ビニリデンの製造 本実施例で出発材料として用いたフルオロポリマーは米国特許第4,025,709号に記載のエマルション法で作ったポリフッ化ビニリデン(PVDF)のラテックスである。 このラテックスを105℃で24時間乾燥させて乾燥粉末にした。 この粉末の溶解フローインデックスは10kgの荷重下、230℃で0.6〜1g/10


    分である。 このラテックス(以下、Latex 1とよぶ)は4


    0重量%のPVDFを含む。 なお、以下で説明する本発明方法はエマルション法で得られる任意のPVDFラテックスまたはVF

    2コポリマー或いは懸濁液法で得られる任意のPVDFまたはVF

    2コポリマーの懸濁液に適用することができる。 【0031】

    脱フッ化水素処理段階 先ず、20リットルの反応器中で撹拌しながら15重量%のNaOHを含む7.2kgの水酸化ナトリウム水溶液を作る。 この水溶液を70℃に加熱し、7.2kgの


    Latex 1を180rpmで撹拌しながら毎分0.72k


    gの割合で加える。 必要に応じて脱イオン水で稀釈して所定の固体含有率にする。 茶色の凝固エマルションが得られ、これは分解が進むにつれさらに濃い色になる。 脱フッ化水素処理の反応時間が進むにつれて微細な黒い粉末が得られ、この粉末は通常の有機溶媒、特にジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(NMP)には溶けなくなる。 【0032】

    酸化剤との反応段階 反応媒体を撹拌したまま70℃の温度に維持し、36重量%濃度の塩酸を約2.5kg添加してpH=5の酸性にする。 35重量%濃度の過酸化水素1.68kgを毎分0.4kgの割合で添加し、15重量%のNaOHを含む水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを6.6〜


    7.6の値に上げる。 同じ水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを6.6〜7.6に維持しながら反応を続ける。 凝固エマルションが次第に脱色するのが見られ、薄い黄色から黄土色になる。 【0033】

    仕上げ 懸濁液中の固形凝固物を濾過して薄黄色粉末を得る。 これを20リットルの水で3回撹拌、分散させ、濾過、洗浄する。 得られた粉末を105℃のオーブンで一定重量になるまで乾燥させる。

    特性評価 Perkin-Elmer LC-75 分光光度計により300nmでのNMP中の生成物の0.1重量%濃度の吸光度を測定してこの粉末生成物の特性を評価した。 測定前の溶解時間は24時間である。 【0034】

    実施例2変性されたポリフッ化ビニルデンのホモポリマーおよびポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロペン(HF


    P)との2つのコポリマーの製造下記の[表1]の実験条件下で実施例1と同様な方法を繰り返し、表に示す分析結果を得た。 【0035】 【表1】 (

    1 )10kgで230℃ (

    2 )5kgで230℃ 【0036】

    実施例3

    1〜2μmのPVDF被覆を金属箔上に形成 55℃で少なくとも30分(溶解が困難なグレードでは4時間)磁気撹拌しながら、3gのポリフッ化ビニリデンを97gのN−メチル−2−ピロリドン(以降、NM


    Pと略記、Merckから、純度>99%)中に溶解する。


    冷却後、溶液を刷毛または布で金属箔(陰極では銅、陽極ではアルミニウム)上に塗布し、溶媒を120℃で1


    0分間蒸発させる。 金属上に形成されたPVDF層の厚さは1〜2μmである。 【0037】

    実施例4

    プライマー被覆済(または未被覆)のアルミ箔上への1


    〜2μmのPVDF被覆の形成 55℃で少なくとも30分(溶解が困難なグレードでは4時間)磁気撹拌しながら、10gのポリフッ化ビニリデンを90gのNMPに溶解する。 冷却後、溶液をプライマーで被覆された(または被覆されていない)20μ


    m厚のアルミ箔上に塗布し、ドクターブレードを用いて手でフィルムを形成した。 フィルムを換気オーブン中で30分、120℃で乾燥する。 金属上に形成されたPV


    DF層は約40μm厚である。 【0038】

    実施例5

    リチウムイオン電池の陰極を形成するための溶液の製造 55℃で少なくとも30分(溶解が困難なグレードでは4時間)磁気撹拌しながら、5gのポリフッ化ビニリデンを85gのNMPに溶解する。 大阪ガス社から得られた平均粒子サイズが6μmの45gのMCMC 6-28黒鉛粉末をこの溶液に添加する。 粉末は室温で30分間磁気撹拌した後、Dispermat社のmulti-paddleturbomixerで3


    分間、高速(2000rpm)撹拌して溶液中に分散させる。 【0039】

    実施例6

    リチウムイオン電池の陰極の形成 実施例5の溶液を20μm厚の銅箔上に被覆し、ドクターブレードを用いて手で400μmのフィルムを形成した。 フィルムを換気オーブン内で90℃で15分間、次に真空下、140℃で一晩乾燥する。 銅箔上に形成された導電層は10重量%のポリフッ化ビニリデンと90重量%の黒鉛とから成り、その密度すなわち「単位面積当たりの重量」は約12g/cm

    2であり、その平均厚は約120μmである。 【0040】

    実施例7

    リチウムイオンバッテリーの陽極を形成するための溶液


    の製造 55℃で少なくとも30分間(溶解が困難なグレードでは4時間)磁気撹拌しながら、3gのポリフッ化ビニリデンを62gのNMPに溶解する。 1.5gのアセチレンタイプの導電性カーボンブラック粉末(Denka Blac


    k)と、Union Miniere社から入手した平均粒径が5μm


    の45.5gのLiCoO

    2粉末とを溶液に添加する。


    粉末は室温で30分間磁気撹拌し、次にDispermat社ののmulti-paddle turbomixerで3分間、高速(2000


    rpm)撹拌して溶液中に分散させる。 【0041】

    実施例8

    リチウムイオン電池の陽極の製造 実施例7の溶液を銅箔上に20μm厚さに被覆し、ドクターブレードを用いて手で350μmのフィルムを形成した。 フィルムを換気オーブン内で90℃で15分間、


    次に真空下、140℃で一晩乾燥する。 アルミ箔上に形成された導電層は6重量%のポリフッ化ビニリデンと、


    3重量%の導電性カーボンブラックと、91重量%のL


    iCoO

    2とから成り、その密度すなわち「単位面積当たりの重量」は約1.9g/cm

    2であり、その平均厚は約120μmである。 【0042】

    実施例9

    導電層と金属箔との間の接着性評価 実施例4、6および8に記載の積層体から幅が25mm


    で、少なくとも10cmの長さ帯体を切り出し、同じ幅の両面粘着テープ(TESA社、番号#4970)を用いて硬い金属支持体に導電層側を貼付する。 積層体は単に手で押圧して支持体上に貼付する。 硬質金属支持体+両面粘着テープ+導電層+金属箔を「剥離試験片」とした。 【0043】この剥離試験片をAdamel Lhomargyから市販のDY30引張試験機に取付ける。 金属支持体は固定したままにする。 手または安全カミソリの刃を用いて導電層とアルミ箔との間を破断させ、アルミ箔の非接触部分を可動ジョーに固定して、毎分100mの引張速度で18


    0°に引っ張る。 10Nの力で瞬間引張力を求める。 金属箔と導電層とを剥離する時の力の平均値を「剥離力」


    とした。 【0044】

    実施例10

    PVDF被覆(プライマー有りまたは無し)の比較 実施例2の化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」のプライマーを実施例4に記載の方法で被覆した(または被覆していない)アルミ箔上に、実施例4の方法でエルフアトケム(Elf Atochem)社から市販のカイナー(Kynar、登録商標)761を用いて被覆を形成した。


    アルミ箔がプライマーで被覆されていないとカイナー(Kynar、登録商標)761はアルミニウムに接着しない。


    アルミ箔が実施例2の化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」のプライマーで被覆されている場合には、カイナー(Kynar、登録商標)761がアルミニウムに接着する。 カイナー(Kynar、登録商標)761の被覆とアルミ箔との間の引張力を実施例9に記載の方法を用いて0.22N/25mmで測定した。 標準偏差0.06N


    /25mm。 【0045】

    実施例11

    陰極での比較(プライマー有りまたは無し)実施例2の化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」、「B」および「C」のプライマーを実施例4の方法で被覆するか、実施例2の化学的に変性されたPV


    DF/HPFコポリマー「D」および「E」のプライマーを実施例4の方法で被覆するか、被覆無しに、エルフアトケム(Elf Atochem)社から市販のカイナー(Kyna


    r、登録商標)761を用いて実施例5および6の陰極を形成する。 さらに、実施例2の化学的に変性されたPVD


    Fホモポリマー「A」またはクレハ(Kureha)社製のP


    VDFホモポリマーKF-1300(市場の標準)を用いて実施例5および6の陰極を形成して上記のものと比較した。 導電層とアルミ箔間の引張力を実施例9に記載の方法を用いて測定した。 結果は[表2]にまとめてある。 【0046】 【表2】 【0047】この結果から分かるように、陰極製造にカイナ(Kynar、登録商標)761のような平均的な結合剤のPVDFホモポリマーを化学的に変性されたPVDFホモポリマーまたは化学的に変性されたPVDF/HFP


    コポリマーのプライマーと一緒に用いることによって品質に優れた電極が形成できる。 このことは、KF-1300または化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」を用いて製造した電極との比較から明らかである。 【0048】

    実施例12

    陽極での比較(プライマー有りまたは無し)実施例2の化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」、「B」および「C」のプライマーを実施例4の方法で被覆するか、被覆無しに、エルフアトケム(Elf


    Atochem)社から市販のカイナー(Kynar、登録商標) 76


    1を用いて実施例7および8の陽極を形成する。 また、


    実施例2の化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」またはクレハ(Kureha)社製のPVDFホモポリマー KF-1300(市場の標準)を用いて実施例7および8の陽極を形成して上記のものと比較した。 導電層とアルミ箔との間の引張力を実施例9に記載の方法で測定した。 結果を[表3]にまとめてある。 【0049】 【表3】 【0050】この結果から、陽極製造時にカイナー(Ky


    nar、登録商標) 761のような普通の結合剤であるPVD


    Fホモポリマーを、化学的に変性されたPVDFホモポリマーまたは化学的に変性されたPVDF/HFPコポリマーのプライマーと一緒に用いることによって優れた品質の電極が形成できる。 このことはKF-1300または化学的に変性されたPVDFホモポリマー「A」を用いて製造した電極との比較から明らかである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI C09D 123/28 C09D 123/28 201/00 201/00 H01M 4/62 H01M 4/62 Z 4/66 4/66 A 6/16 6/16 Z 10/40 10/40 Z (56)参考文献 特開 平9−306473(JP,A) 特開2001−11115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) H01M 4/00 - 4/84

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