Fluoroelastomer composition having a self-adhesive properties and methods of making the same

申请号 JP2013502662 申请日 2011-03-25 公开(公告)号 JP2013523954A 公开(公告)日 2013-06-17
申请人 グリーン, ツイード オブ デラウェア, インコーポレイテッド; 发明人 ジアジョン ルオ,; ユージーン グレビッチ,; ジョアン エバハード,;
摘要 a)少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーを有するフルオロポリマー組成物;ならびにb)アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレートおよびアンモニアアクリレートからなる群より選択される化合物を含み、 基板 に直接付着され得るものである自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物を提供する。 また、かかる自己付着性組成物およびこれに付着される表面を有する基板で形成される付着構造体とともに、自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物を基板表面に付着するための方法も本明細書に記載する。 本明細書におけるフルオロエラストマーには、非完全フッ素化(FKM)エラストマーと完全フッ素化(FFKM)エラストマーの両方が包含され得る。
权利要求
  • 自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物であって、該組成物は、
    a)少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーを有するフルオロポリマー組成物;ならびに b)アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物を含み、そして基板に直接付着することができる、自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記硬化性フルオロポリマーが少なくとも2つのモノマーと少なくとも1つの硬化部位モノマーとを有し、該少なくとも2つのモノマーがテトラフルオロエチレンおよびフッ化ビニリデンを含む、請求項1に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 少なくとも1つの硬化剤を含む、請求項2に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • さらに、硬化剤、共硬化剤および硬化促進剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 少なくとも2つの硬化性フルオロポリマーを含む、請求項1に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記少なくとも2つの硬化性フルオロポリマーがブレンド状態である、請求項5に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記フルオロポリマー組成物がペルフルオロポリマー組成物であり、前記少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーが硬化性ペルフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記硬化性ペルフルオロエラストマー組成物が少なくとも1つの硬化剤を含む、請求項7に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記硬化性ペルフルオロポリマーがテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、および少なくとも1つの硬化部位モノマーを含む、請求項7に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 少なくとも2つの硬化性ペルフルオロポリマーを含む、請求項7に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記ペルフルオロポリマーがブレンド状態である、請求項10に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • さらに少なくとも1つのフィラーを含む、請求項1に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記フィラーが、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、架橋性フッ素樹脂、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、ガラス繊維、グラススフィア、ファイバーグラス、硫酸カルシウム、アスベスト、ボロン繊維、セラミック繊維、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ホウ砂、パーライト、テレフタル酸亜鉛、炭化ケイ素板状晶、炭化ケイ素ウィスカー、ウォラストナイト、テレフタル酸カルシウム、フラーレンチューブ、ヘクトライト、タルク、雲母、カーボンナノチューブからなる群より選択される、請求項12に記載の自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物。
  • セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される基板に直接付着することができる、請求項1に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • アルミナ、サファイア、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、イットリア、イットリウム含有化合物、陽極酸化処理アルミニウム、アルミニウム、ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレンに直接付着され得る、請求項1に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記化合物が1つしか存在せず、それがアクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレートまたはアンモニアアクリレートである、請求項1に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記化合物がアクリル酸アルミニウムである、請求項16に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記少なくとも1つの硬化性フルオロポリマー100重量部に対して約1〜約20重量部の前記化合物が存在している、請求項1に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 前記少なくとも1つの硬化性フルオロポリマー100重量部に対して約1〜約5重量部の該化合物が存在している、請求項18に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 重金属を含まない、請求項1に記載の自己付着性フルオロエラストマー組成物。
  • 自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物であって、該組成物は、
    a)少なくとも1つの硬化性ペルフルオロポリマーを含むペルフルオロポリマー組成物であって、該少なくとも1つの硬化性ペルフルオロポリマーはテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位モノマーを含む、ペルフルオロポリマー組成物;
    b)少なくとも1つの硬化剤;ならびに c)アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物を含み、そして該自己付着性硬化性ペルフルオロエラストマー組成物は、基板に直接付着することができる、自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 前記少なくとも1つの硬化剤がペルオキシド系硬化剤であり、前記少なくとも1つの硬化部位モノマーが、該ペルオキシド系硬化剤と架橋することができる官能基を有する、請求項21に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 共硬化剤および硬化促進剤のうちの少なくとも一方を含む、請求項22に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 前記少なくとも1つのペルフルオロポリマーがターポリマーおよびテトラポリマーのうちの少なくとも一方である、請求項21に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 少なくとも2つの硬化性ペルフルオロポリマーを含む、請求項21に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 前記ペルフルオロポリマーがブレンド状態である、請求項25に記載の自己付着性硬化性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • さらに、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、架橋性フッ素樹脂、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウムおよびカーボンナノチューブからなる群より選択される少なくとも1つのフィラーを含む、請求項21に記載の自己付着性硬化性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される基板に直接付着され得るものである、請求項21に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • アルミナ、サファイア、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、イットリア、イットリウム含有化合物、陽極酸化処理アルミニウム、アルミニウム、ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレンに直接付着することができる、請求項21に記載の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物。
  • 付着構造体であって、
    a)表面を有する基板;ならびに b)該基板の該表面に付着されるフルオロエラストマーであって、該フルオロエラストマーは、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物を含み、そして該フルオロエラストマーは該基板に直接付着されるものである、フルオロエラストマー を備える付着構造体。
  • 前記基板が、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される、請求項30に記載の付着構造体。
  • 前記フルオロエラストマーがペルフルオロエラストマーである、請求項30に記載の付着構造体。
  • 積層構造体、ゲートバルブ、半導体チャンバードアおよび付着スリットバルブからなる群より選択される、請求項30に記載の付着構造体。
  • 表面を有する第2基板をさらに備えており、該第2基板の該表面にも前記フルオロエラストマーが付着されている、請求項30に記載の付着構造体。
  • 前記第1基板および第2基板の表面の間の層として付着されたフルオロエラストマーを有する積層構造体である、請求項34に記載の付着構造体。
  • フルオロエラストマーを基板に付着させる方法であって、
    a)少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーを、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物と合わせることにより、硬化性フルオロポリマー組成物を調製すること;
    b)表面を有する基板を準備すること;ならびに c)該硬化性フルオロポリマー組成物を該基板の該表面に、該フルオロポリマー組成物が少なくとも部分的に硬化してフルオロエラストマーが形成されるように、かつ該フルオロポリマーが該基板の表面に少なくとも部分的に付着されて、該基板の表面に少なくとも部分的に付着されたフルオロエラストマーを有する付着構造体が形成されるように熱成形することを含む、方法。
  • 前記基板が、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
  • 前記フルオロポリマーがペルフルオロエラストマーであり、前記付着構造体が、前記基板の前記表面に少なくとも部分的に付着されたペルフルオロエラストマーを有するものである、請求項36に記載の方法。
  • さらに、
    d)前記付着構造体を後硬化させることを含む、請求項36に記載の方法。
  • 前記ペルフルオロエラストマーが実質的に硬化され、前記基板の前記表面に直接付着される、請求項36に記載の方法。
  • 工程b)が、表面を有する第2基板を準備することをさらに含み、工程c)が、前記硬化性フルオロポリマー組成物を前記1基板の前記表面および該第2基板の該表面に熱成形させて付着構造体を形成することをさらに含み、該フルオロポリマーが該第1基板の該表面および該第2基板の該表面に少なくとも部分的に付着される、請求項36に記載の方法。
  • 前記付着構造体が積層構造体である、請求項41に記載の方法。
  • 说明书全文

    (関連出願への相互参照)
    本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2010年3月29日に出願された米国仮特許出願第61/318,770号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。

    発明の背景 発明の分野 本発明は、フルオロエラストマー材料(例えば、ペルフルオロエラストマー材料)を、半導体製造プロセスに使用され得る表面(例えば、金属表面)に付着させる分野に関する。

    関連技術の記載 半導体の製造は、種々の密封型プロセスチャンバの使用を伴い、得られる製造製品(半導体ウエハおよびチップ)に影響し得る汚染および粉塵発生(particulation)が回避されるように設計されたクリーンルーム環境を伴うこともあり得る。 かかるプロセス設備は、典型的には、該チャンバを周囲環境から封鎖するゲートおよびドア(例えば、スリットバルブドア)を含む。 かかるドアおよびゲートは、一般的に、密封部、ガスケットおよびo−リングを含む。 かかる密封部、ガスケットおよびo−リングを作製するために使用される材料は、通常、フルオロポリマー材料またはフルオロエラストマー材料で形成されたものであり、高度に耐汚染性の密封部のための一部の場合では、ペルフルオロエラストマー材料で形成されたものである。 かかるドアおよびゲートは、半導体産業においてプロセス反応チャンバとともに一般に使用されており、チャンバの開閉が可能なものである。

    半導体産業では、例えば、化学気相蒸着、プラズマ蒸着、エッチングなどのプロセスが典型的に使用される。 かかるプロセスには、真空チャンバならびに危険な化学薬品、高エネルギープラズマおよび他の腐食性材料が使用され、非常に苛酷な環境が作出される同様の反応器の使用が必要とされる。 プラズマは、固体、液体または気体とは相違する物質の第四状態と定義されており、星や核融合反応炉内に存在している。 気体は、原子がその電子をすべて失って無電子で高度に帯電した核の集合体となるまで加熱されるとプラズマになる。

    半導体のプロセス工程は、一般的に、チップ、チップウエハおよび他の基板が移動できる、またはロボットにより移動され得る相互に連結された一連の反応チャンバおよび他のチャンバの孤立した環境で行なわれる。 かかる一連のチャンバを通過して移動して回る際、作動中、種々のドア、ゲートおよび/またはバルブもこの設備と関連している。 かかるドアの一例としてはスリットバルブが挙げられ、これは、典型的には、反応チャンバへの開口部が充分に密封されることを確保する弾性のある密封リングを有するように作製されている。 かかる密封は、チャンバ内の反応体の激しい性質のため、すなわち、かかる化学薬品を安全にチャンバ内に維持するため、およびチャンバの外部からの不純物が反応中に入ってこないようにするため(得られる反応生成物(1つまたは複数)の純度に影響し得る)重要である。

    また、かかる部分は、使用の準備ができた状態で設けてもよく、例えば、ドア上の所定の位置(例えば、密封部、ガスケットまたはO−リングが受容される大きさの事前に成形された溝(対向して係合される対応する形状のもの))に密封部またはガスケットを既に有するスリットバルブドアまたはゲートを設ける。 したがって、ドアまたはゲートは、プロセス設備に容易に取り付けられ得る。 かかる密封部を所定の場所に付着させてもよいが、これは、典型的には、付着剤の使用なしではドア表面に対して適切に「密封」するものでない。

    危険な化学薬品に対する耐性が必要とされる種々の環境において、かかる密封部には、含フッ素エラストマー(FKMとして知られている)が使用される。 半導体分野では、優れた耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性が示されるようにペルフルオロエラストマーを使用することは特に一般的であり、したがって、かかるエラストマーは、最も厳しい環境内の所定の場所に配置される場合の密封材料として広く使用されている。 ペルフルオロエラストマー材料は、その耐薬品性、プラズマ耐性、ならびに典型的なフィラーまたは強化系を有する組成物に使用される場合は、許容され得る圧縮永久歪み耐性レベルおよび機械的特性が知られている。 そのため、該材料は、多くの用途、例えば、密封部またはガスケットが高度に腐食性化学薬品および/または極端な作業条件に供される適用におけるエラストマー密封材料としての用途、ならびに変形に耐えられ得る成形パーツの形成における用途に適用されている。

    また、FFKMも、その耐薬品性およびプラズマ耐性のため、半導体製造産業における密封材料としての使用がよく知られている。 かかる材料は、典型的には、過フッ素化モノマー、例えば、少なくとも1つの過フッ素化硬化部位モノマーから調製される。 該モノマーを重合すると、硬化部位モノマー(1つまたは複数)由来の硬化部位を有する過フッ素化ポリマーが形成され、次いで、硬化(架橋)させるとエラストマーが形成される。 典型的なFFKM組成物は、上記の重合ペルフルオロポリマー、硬化部位モノマーの反応性硬化部位基と反応する硬化剤、および任意の所望のフィラーを含むものである。 硬化されたペルフルオロエラストマーは、典型的なエラストマー特性を示す。

    FFKMは、一般的に、その高い純度、熱、プラズマ、化学薬品および他の厳しい環境に対する優れた耐性のため、ハイエンドの密封適用のためのO−リングおよび関連密封パーツとしての使用が知られている。 かかる環境における使用が必要とされる産業としては、半導体、航空宇宙、化学および医薬が挙げられる。

    当該技術分野において認知されているように、硬化部位モノマー(CSM)構造の型および対応する硬化化学反応性に応じて、異なるFFKM組成物には異なる硬化剤(curing agent(curative))が含まれ得る。 また、かかる組成物に、目標の機械的特性、圧縮永久歪みまたは改善された耐薬品性およびプラズマ耐性を得るため、さまざまなフィラーおよびフィラーの組合せを含めてもよい。 しかしながら、その化学的性質は主に不活性であるため、かかるFKMおよびFFKM材料を表面に付着させ、密封部がプリセットされて使用の準備ができた状態のゲート、バルブおよび他のドアなどのパーツを形成すること、またはさらには、かかる密封部を使用前に、あるいはゲートもしくはドアの前の密封部の代わりにインサイチュで付着させることは、必ずしも容易とは限らない。 しかしながら、付着されるかかるフルオロエラストマーパーツは、半導体産業において、特に、激しいプラズマや他の気体および/または温度範囲の条件がほとんどの付着剤に理想的でない場合に提供されることが多い。 例えば、多くのかかる適用には約300℃までの高温が適用される。

    また、半導体の密封適用では、種々のフィラー(無機および有機どちらも)を供給して、プラズマもしくは他の耐薬品性を改変すること、または密封部の物性を変化させることも知られている。 しかしながら、フィラーは、物性にプラスに影響し、密封部の圧縮永久歪み特性には有意に影響せず、危険な化学薬品に対して高度に耐性の密封部(FFKM密封部など)であっても経時的な使用による密封部の腐食に伴って不要な汚染が導入されないものでなければならないため、かかるフィラーの選択にはバランスおよび関与する技術が存在する。 当該技術分野における典型的なフィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、フッ素樹脂、硫酸バリウムおよび他のプラスチックが挙げられる。 半導体適用のための一部のFFKM組成物に使用されるフィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成されたフッ素樹脂フィラー粒子、または溶融処理可能な過フッ素化コポリマー、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー(FEP型コポリマーとも称される)あるいはTFEとペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)のコポリマー(PFA型コポリマーとしても知られている)(特に、ナノマーサイズの粒子)が挙げられる。

    付着が所望される部分における使用のためのFKMおよびFFKMの密封部、ガスケットおよびO−リングの調製において、付着材料および表面材質は、互いに接着あるいは付加されるものでなければならない。 かかる材料を付着させる典型的な表面としては、他のフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマーもしくは他のフルオロポリマー(例えば、パーツを一緒に成形する、エラストマーを溶着もしくは接続(splicing)する、もしくはフルオロエラストマーをフルオロポリマー材料に接着させる際)、金属、金属合金、および/または他の熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂(FKMもしくはFFKMが供用され得る厳しい環境もしくは純粋な環境−半導体製造、医療での滅菌用途、医薬の製造、およびダウンホールツール用途における使用に適した樹脂など)が挙げられる。

    フルオロエラストマー(ペルフルオロエラストマーを含む)の不活性な性質は厳しい環境および純粋な環境において利点であるが、エラストマーを表面に付着させる付着パーツの製作、例えば、半導体処理ゲート、バルブおよびドアにおいては問題が提示される。 その不活性さのため、付着が該環境において、交換または修復が必要とされる前に充分な期間残存するのに充分な強度および耐久性の表面とエラストマー間の付着(金属とFFKM間の付着など)を達成することは困難である。

    先行技術のエラストマーの加硫および付着プロセスでは、付着剤を基板上に刷毛で手作業で適用した後、エラストマーパーツが成形され、後硬化される。 標準的な付着剤(例えば、Lord Chemical,Cary,North Carolinaから商標名Chemlok(登録商標)で入手可能なもの)を用いると、得られる付着製品は、200℃より上の処理温度または他の適用温度での残存において課題に直面する。 約300℃までの使用または200℃を超えた場合での適用温度への簡単な適合は可能でない。 より新しいFFKMおよび他のエラストマー製品は、高い温度で硬化する。 従来の付着剤を使用すると、後硬化中に付着パーツの層間剥離が引き起こされることがあり得る。 200℃+、特に約250℃〜約300℃以上で、持続的高温での長期継続使用において完全性を保持することができる付着剤は、半導体産業および接着産業では、高温で供用されるエラストマーのために非常に追求されている。

    特許文献1には、金属塩をエラストマー中に、金属アクリル酸塩がスコーチ防止剤として使用されるように配合するプロセスが開示されている。

    特許文献2には、金属製フィラーを有するイオウ硬化性エラストマーを含む、強化された天然または合成のゴムまたはブレンドゴム組成物が教示されている。 エラストマー中にブレンドされた真鍮被覆金属強化剤が示されており、金属アクリル酸塩が接着促進剤として含有されていてもよい。

    特許文献3には、ゲートバルブなどの金属表面に付着させるために使用され得るペルフルオロエラストマー組成物が開示されている。 この組成物は、ジフェニル系硬化剤(例えば、ビスアミノフェノール(BOAP))で硬化性の硬化性ペルフルオロポリマー、硬化剤、および金属系無含有材料である有機系環状着色剤化合物を含むものである。

    特許文献4には、硬化性ペルフルオロポリマーと硬化剤の両方を含むFFKM溶剤配合物の溶剤溶液における使用(該配合物は、ペルフルオロポリマーを表面に、例えば、他のペルフルオロポリマー表面に付着させるための付着剤として使用される)、ならびに例えば金属表面に付着させるためのFFKM被膜を形成し得る硬化性溶剤被覆組成物が教示されている。

    特許文献5には、厳しい環境、特にダウンホールツール用途における使用のための、基板(例えば、金属およびポリマー製不活性基板など)に付着される、FKMおよびFFKM組成物が教示されている。 該組成物は、硬化性フルオロポリマー、シリカおよびアクリル酸系化合物、ならびに好ましくは硬化剤を含むものである。 アクリル酸部は、金属アクリル酸塩または種々のアクリル酸系化合物および/または金属アクリル酸塩の組合せとして記載されている。 記載された例示的な化合物は、ジアクリル酸部、メタクリル酸部、ジメタクリル酸部、トリアクリル酸部および/またはテトラアクリル酸部であり、特に有用であるのは重金属、亜鉛および銅のジアクリル酸塩およびメタクリル酸塩である。 この公報には、かかる化合物は、例えば、Sartomer(Exton,Pennsylvania,United States of America)から入手可能な市販品(商標名、例えば、SARET(登録商標)SR633およびSARET(登録商標)SR634として知られていると記載されている。かかる製品は自己付着性材料であると記載されている。

    かかる化合物により、当該技術分野において、ますます良好な付着剤およびますます高い強度の自己付着性材料のための継続的な改善が示されているが、すべての環境が同じであるとは限らない。 半導体環境では、重金属無含有であり、かつ標準的な付着剤により達成され得る付着強度が改善される高い強度の自己付着性組成物が特に必要とされている。 かかる化合物により、半導体プロセスにおいて不活性または非干渉性であることが目標とされ、ポリマー表面、エラストマー表面、特に、半導体処理技術分野で知られているドア、ゲートおよびバルブの金属の金属表面に付着させることが可能であるが、依然として耐久性の付着強度が示される強固な付着が可能になるはずである。

    米国特許第6,194.504号明細書

    米国特許第5,217,807号明細書

    米国特許第7,514,506号明細書

    米国特許公開公報第2009/0018275号明細書

    国際公開第2009/121012A1号

    発明の簡単な概要 本発明は、a)少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーを有するフルオロポリマー組成物;ならびにb)アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート(silicon acrylate)、アンモニアアクリレート(ammonia acrylate)、およびその組合せからなる群より選択される化合物を含み、基板に直接付着され得るものである自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物を含む。

    上記の組成物中の硬化性フルオロポリマーは、少なくとも2つのモノマーと少なくとも1つの硬化部位(curesite)モノマーを有するものであり得る。 該少なくとも2つのモノマーがテトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンを含むものである。 また、フルオロエラストマー組成物に、少なくとも1つの直接硬化剤を含めてもよい。 また、採用される硬化系に応じて、共硬化剤(co−curing agent)と硬化促進剤のうちの少なくとも一方を含めてもよい。 また、該組成物は、少なくとも(least)2つの硬化性フルオロポリマーを、例えばフルオロポリマーブレンドの状態などで含むものであってもよい。

    本明細書における一実施形態では、フルオロポリマー組成物はペルフルオロポリマー組成物であってもよく、したがって、該少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーは、硬化性ペルフルオロポリマーを含むものであり得る。 その場合、硬化性ペルフルオロエラストマー組成物は、少なくとも1つの硬化剤もまた含むものであってもよい。 さらなる一実施形態では、硬化性ペルフルオロポリマーは、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、および少なくとも1つの硬化部位モノマーを含むものであり得る。 さらに、少なくとも2つの硬化性ペルフルオロポリマーを、ペルフルオロポリマーブレンドなどの組成物で使用してもよい。

    また、少なくとも1つのフィラー、例えば、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、架橋性フッ素樹脂フィラー、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、ガラス繊維、グラススフィア、ファイバーグラス、硫酸カルシウム、アスベスト、ボロン繊維、セラミック繊維、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ホウ砂、パーライト、テレフタル酸亜鉛、炭化ケイ素板状晶、炭化ケイ素ウィスカー、ウォラストナイト、テレフタル酸カルシウム、フラーレンチューブ、ヘクトライト、タルク、雲母、カーボンナノチューブからなる群のものが、任意選択で該組成物に供給され得る。

    上記の実施形態の自己付着性フルオロエラストマー組成物は、好ましくは、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される基板に直接付着され得るものである。 また、自己付着性フルオロエラストマー組成物は、好ましくは、アルミナ、サファイア、ボロン、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、イットリアおよびイットリウム含有化合物、陽極酸化処理アルミニウム、アルミニウム、ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレンに直接付着され得るものである。

    本明細書における別の実施形態では、本発明は、a)少なくとも1つの硬化性ペルフルオロポリマーを含むペルフルオロポリマー組成物(該少なくとも1つの硬化性ペルフルオロポリマーはテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1つの硬化部位モノマーを含む;b)少なくとも1つの硬化剤;ならびにc)アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物を含む自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物であって、基板に直接付着され得るものである自己付着性硬化性ペルフルオロエラストマー組成物を含む。

    上記の実施形態において、該少なくとも1つの硬化剤はペルオキシド系硬化剤であり得、したがって、該少なくとも1つの硬化部位モノマーは、該ペルオキシド系硬化剤と架橋し得る官能基を有するものであり得る。 また、共硬化剤と硬化促進剤のうちの少なくとも一方を該組成物に含めてもよい。 該少なくとも1つのペルフルオロポリマーはターポリマーとテトラポリマーのうちの少なくとも一方であり得る。 さらに、少なくとも2つの硬化性ペルフルオロポリマーを、ペルフルオロポリマーブレンドの状態などで供給してもよい。

    少なくとも1つのフィラー、例えば、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、架橋性フッ素樹脂フィラー、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウムおよびカーボンナノチューブからなる群のものを任意選択で含めてもよい。

    上記の実施形態の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択される基板に直接付着され得るものである。

    同様に、自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、アルミナ、サファイア、ボロン、ケイ素、イットリア、イットリウム含有化合物、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、陽極酸化処理アルミニウム、アルミニウム、ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレンに直接付着され得るものである。

    本明細書におけるさらなる一実施形態では、本発明は、a)表面を有する基板;ならびにb)該基板の表面に付着されるフルオロエラストマー(該フルオロエラストマーは、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物を含み、該フルオロエラストマーは該基板に直接付着されるものである)を備える付着構造体を含む。 該構造体の基板は、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択され得、フルオロエラストマーはペルフルオロエラストマーであり得る。 付着構造体は、広くさまざまな構造体であり得、例えば、積層構造体、ゲートバルブ、半導体チャンバードアおよび付着スリットバルブからなる群より選択され得る。 第2基板が該構造体の一部であってもよく、第2基板は表面を有し、第2基板の該表面にも該フルオロエラストマーが付着されている。 かかる場合では、付着構造体は、第1基板と第2基板の表面間の層として付着されたフルオロエラストマーを有する積層構造体を構成したものであり得る。

    また、本発明は、a)少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーを、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せからなる群より選択される化合物と合わせることにより、硬化性フルオロポリマー組成物を調製すること;b)表面を有する基板を準備すること;ならびにc)該硬化性フルオロポリマー組成物を該基板の表面に、該フルオロポリマー組成物が少なくとも部分的に硬化してフルオロエラストマーが形成されるように、および該フルオロポリマーが該基板の表面に少なくとも部分的に付着されて、該基板の表面に少なくとも部分的に付着されたフルオロエラストマーを有する付着構造体が形成されるように熱成形することを含む、フルオロエラストマーを基板に付着させる方法を含む。 該方法における基板は、セラミック、金属、金属合金、半導体およびポリマーからなる群より選択されるものであり得、フルオロポリマーはペルフルオロエラストマーであり得、付着構造体は、該基板の表面に少なくとも部分的に付着されたペルフルオロエラストマーを有するものである。

    また、該方法は、さらにd)付着構造体を後硬化させることを含んでいてもよい。 ペルフルオロエラストマーが該方法に使用される場合、該ペルフルオロエラストマーは、好ましくは、実質的に硬化され、基板の表面に直接付着される。 該方法において、工程b)は、表面を有する第2基板を準備することをさらに含んでいてもよく、工程c)は、該硬化性フルオロポリマー組成物を第1基板の該表面と第2基板の該表面に熱成形させて付着構造体を形成することをさらに含んでいてもよく、ここで、該フルオロポリマーは、第1および第2基板の該表面に少なくとも部分的に付着される。 かかる方法では、付着構造体は積層構造体を構成したものであり得る。

    図面のいくつかの図の簡単な説明 前述の概要、ならびに以下の本発明の好ましい実施形態の詳細説明は、添付の図面と併せて読むと、より良好に理解されよう。 本発明の実例を示す目的のため、本出願書類はカラーで作成した図面を含む。 カラーの図面を伴う本特許または特許出願の公報のコピーは、請求及び必要な費用の支払いを行なうと米国特許庁によって提供される。 しかしながら、本発明は、図示した厳密な配置および手段に限定されないことを理解されたい。

    図1は、本明細書における一実施形態に従って形成した、ペルフルオロエラストマーをサファイアに付着させた付着構造体の写真による表示である。

    図2は、図1のペルフルオロエラストマーをサファイアに付着させた構造のさらなる写真による表示である。

    図3は、本明細書における一実施形態による、ペルフルオロエラストマーをアルミナに付着させた付着構造体の写真による表示である。

    図4は、本明細書における実施形態による、ペルフルオロエラストマーをアルミナに付着させた付着構造体およびペルフルオロエラストマーをサファイアに付着させた付着構造体のさらなる写真による表示である。

    図5は、本明細書における一実施形態による、ペルフルオロエラストマーをシリコンに付着させた付着構造体の断面図を大きく拡大した写真による表示である。

    図6は、本明細書における実施形態による、シリコーンをフルオロエラストマーおよびペルフルオロエラストマーに付着させた付着構造体を大きく拡大した写真による表示である。

    図7は、図9の標準的なスリットバルブドアのA−Aラインに沿った長手方向の断面の側面図である。

    図8は、図7のスリットバルブドアの拡大した一部分である。

    図9は、密封部が溝内に付着された標準的なスリットバルブドアの上部平面図である。

    発明の詳細な説明 本明細書における発明は、エラストマー組成物に、基板に自己付着するように供給され得る重金属無含有化合物を提供する。 半導体適用では、多くの反応チャンバは、内壁、ドアおよび、例えば陽極酸化処理アルミニウムの他の表面を含むものである。 本出願人らは、例えば、限定を意図しないが、かかる表面に対して外添付着剤の必要性なしでペルフルオロエラストマー組成物が付着促進剤としての機能を果たす化合物を評価した。 かかる化合物は、特にアルミニウム系である場合、ペルフルオロエラストマー組成物がかかる基板に直接付着されることを可能にする。 かかる例において、エッチングした場合であっても、エラストマー成分の供用により、重金属でなく、重粒子を形成しないが、排ガスから容易に除去される粒子が本出願人らによって得られている。
    潜在的成分を評価した後、本出願人らは、フルオロエラストマー組成物が基板に自己付着することを可能にする該組成物のための添加剤の類型を決定した。

    本発明は、外添付着剤またはプライマーの使用を伴わずに(これらを任意選択または不必要にする)、フルオロエラストマーを基板に付着することを可能にする新しい付着性組成物ならびに種々の高温および/または厳しい環境(半導体処理)における使用のための方法を提供する。 これにより、刷毛塗り、乾燥ならびに付着剤およびプライマーでの処理の工程が回避されることによって作製プロセスが単純化される。 より容易かつ安全で、より一貫性のあるプロセスが提供され、相当なコスト削減がもたらされる。 本明細書における自己付着性組成物は基板に強固に付着し、それにより、パーツの層間剥離の可能性が低減される。 得られるエラストマー組成物は、表面に付着させると直接成形されることにより、さらなる付着剤の使用を伴わずに優れた付着強度を示し、また、良好な物性を示す。 得られる組成物により、エラストマー成分が半導体適用における使用に充分良好な付着構造体が提供され得、かかる構造体は、処理設備、積層体、およびエラストマー組成物が付着された表面を有する他の構造体に使用されるパーツを含むものであり得る。

    本発明は、自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物、例えば、フルオロポリマー組成物を含む。 該フルオロポリマー組成物は、少なくとも1つの硬化性フルオロポリマーと自己付着性添加剤化合物を含むものであり、該添加剤化合物は、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレートおよびその組合せのうちの少なくとも1つであり、単独の成分またはブレンド状態もしくは組合せで使用される。 自己付着性硬化性フルオロエラストマー組成物は、基板に直接付着され得るものである。

    該組成物中の硬化性フルオロポリマーは、任意の適当なフルオロポリマーであり得、半導体処理などのより厳しい環境で使用される好ましい組成物が挙げられる。 硬化性フルオロポリマーは、標準的な非過フッ素化フルオロポリマー(FKM)(当該技術分野で知られている)であってもよく、ペルフルオロポリマー(FFKM)(これも、当該技術分野で知られおり、半導体処理適用における使用に、より一般的である)であってもよい。 エラストマーという命名に従う標準的なFKMポリマーは、典型的には、少なくとも2つのモノマーを有する、そのうちの1つはフッ素化されたものであり、好ましくはすべてがある程度フッ素化されたものであり、少なくとも1つは加硫における使用のための硬化部位モノマーである。 該少なくとも2つのモノマーとしては、一般的には、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとが挙げられるが、広くさまざまな他のモノマーも挙げられ得る。 また、フルオロエラストマー組成物に、硬化部位モノマー(1つまたは複数)の官能基と架橋反応を行ない得る少なくとも1つの硬化剤を含めてもよい。

    フルオロポリマーは、好ましくは、1つがフッ素化または過フッ素化されたもの(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VF2)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)など)であり、少なくとも1つのモノマーが硬化を可能にする硬化部位モノマー、すなわち、少なくとも1つのフルオロポリマーの硬化部位モノマーである2つ以上のモノマーを重合することにより形成され得る。 本明細書に記載のフルオロエラストマー組成物は、硬化されてフルオロエラストマーを形成し得る任意の適当な標準的な硬化性フルオロエラストマーフルオロポリマー(1つまたは複数)(FKM)と、本明細書に記載の1つ以上の硬化剤とを含むものであり得る。 好適な硬化性FKMフルオロポリマーの例としては、商標名Tecnoflon(登録商標)(P457,P459,P757,P959/30M)(Solvay Solexis,S.p.A.,Italy製)で販売されているものが挙げられる。 かかる材料の他の供給業者は、とりわけ、ダイキン工業(日本);Dyneon,Minnesota;およびE. I. DuPont de Nemours & Company,Inc. ,Delawareである。 かかるFKMポリマーはポリマー主鎖が完全にフッ素化されたものでない。 また、該ポリマーに、本明細書に記載のさまざまなフィラー(例えば、ナノサイズフルオロポリマー)を含めてもよい。

    ペルフルオロエラストマーは、本明細書で用いる場合、および当該技術分野において定義されているとおり、架橋反応が起こると硬化を可能にする架橋官能基(1つまたは複数)を有する少なくとも1つの硬化部位モノマーを有するペルフルオロポリマー(本明細書に記載のもの)を1つ以上の硬化剤で、または放射線もしくは他の硬化手段により硬化させることによって誘導される実質的に硬化された任意のエラストマー材料であり得る。 ペルフルオロポリマーは、本明細書で用いる場合、該ペルフルオロポリマーの主鎖の炭素原子に関して実質的にフッ素化されたものであり、好ましくは完全にフッ素化されたものである。 ペルフルオロポリマーの硬化部位モノマーの官能基に一部残留水素が存在していることがあり得、これが、一部の特定のFFKMペルフルオロポリマーの一部の架橋性官能基内の水素の存在のために、次いで、硬化されたエラストマー内に架橋点に存在することになることがあり得ることは理解されよう。 本明細書における硬化性ペルフルオロポリマー組成物における使用のためのペルフルオロポリマーは、硬化されるとペルフルオロエラストマーを形成するものである。

    用語「未硬化の」または「硬化性の」は、本明細書における組成物中のフルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーが、なんら実質的な度合の架橋反応にはまだ供されておらず、そのため、意図される適用のためにはまだ充分に硬化されていないことをいう。

    本明細書における硬化性のフルオロポリマーおよびペルフルオロポリマー組成物は、任意選択で、ブレンド様組成物またはグラフト重合/共重合組成物の状態であるさらなるかかるポリマーを含んでいてもよい。 さらに、ポリマー主鎖は、架橋のための1つ以上の異なる官能基がもたらされるように、該鎖に沿ってさまざまな硬化部位モノマー(1つまたは複数)を含んでいてもよい。 また、架橋反応を補助するため、該組成物に硬化剤および共硬化剤および/または加速剤を含めてもよい。

    本明細書において使用される組成物には、1つ以上の硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロエラストマーを存在させ得る。 かかるポリマーそれ自体は、1つ以上のフッ素化モノマーを重合または共重合させることにより形成される。 ペルフルオロポリマーでは、1つ以上の過フッ素化モノマーを重合させてポリマーを形成させる。 かかるポリマーの形成には、当該技術分野で知られた種々の手法(直接重合、乳化重合および/またはフリーラジカル開始型重合、ラテックス重合など)が使用され得る。

    本明細書で用いる場合、ペルフルオロポリマー(これは、コポリマーを包含し、複数のモノマーを有するもの(例えば、ターポリマー、テトラポリマーなど)であってもよい)は、硬化を可能にする少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの過フッ素化モノマー(すなわち、少なくとも1つの硬化部位モノマー)を含む2つ以上の過フッ素化モノマーを重合することにより形成される硬化性ペルフルオロポリマーを含むポリマー組成物である。

    硬化性ペルフルオロポリマーは、種々の過フッ素化コポリマーのうちの2つ以上を含むものであってもよく、該コポリマーのうち少なくとも1つは含フッ素エチレン性不飽和モノマー、例えば、TFE、過フッ素化オレフィン(例えば、HFP)、および直鎖または分枝鎖であるアルキル基を含み、かつ1つ以上のエーテル結合を含むペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)(ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)など)または同様の化合物である。 PAVEの好適な例としては、例えば、米国特許第5,001,278号およびWO00/08076(これらのPAVEの型に関する開示は引用により本明細書に組み込まれる)に記載されたものが挙げられる。 さらなる好適なPAVEは、例えば、米国特許第5,696,189号および同第4,983,697号(これらのPAVEの型に関する開示も引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。 好適なペルフルオロポリマーは、業界で認知されているペルフルオロエラストマー(ASTM V−1418−05にFFKMとして記載)の定義を満たすものであり得、例えば、TFE、PAVEのターポリマーまたはテトラポリマーであり得(are may be)、ターポリマーの架橋を可能にする官能基が各々に組み込まれた1つ以上の過フッ素化硬化部位モノマーを有し、該官能基のうち少なくとも1つは本発明の実施において使用される硬化系によって硬化され得る硬化部位である。

    本発明の種々の実施形態に使用され得るペルフルオロポリマーとしては、例えば、ダイキン工業;Solvay Solexis;Dyneon;E. I. du Pont de Nemours,Inc. ;W. L. Gore;Federal State Unitary Enterprise S. V. ;Lebedev Institute of Synthetic Rubber in Russia;および日本メクトロン(日本)から入手され得るものが挙げられる。

    未硬化または硬化性状態では、本発明のフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、フルオロポリマー(1つまたは複数)上に存在する少なくとも1つの硬化部位モノマーの官能基のうちの1つと架橋反応を行ない得る少なくとも1つの硬化剤を含むものである。 任意の硬化剤もしくは硬化剤の組合せ、共硬化剤および/または硬化促進剤が使用され得る。 一例として、本明細書におけるフルオロエラストマー組成物の最終製品および所望される物理的特性に応じて、ペルオキシド硬化系のペルオキシド硬化剤および/または共硬化剤と反応する官能基、あるいはシアノ官能硬化系のシアノ官能基と反応する硬化剤が使用され得る。 使用される硬化系または系の組合せに関係なく、フルオロポリマーは、少なくとも1つの硬化部位モノマーを含むものであり得が、所望により、約2〜約20の硬化部位モノマー(同じまたは異なる)の存在が使用され得る。

    ペルオキシド硬化系を使用する場合、好適な硬化性ペルフルオロポリマーとしては、TFEと、PAVE(米国特許第5,001,279号(引用により関連部分が本明細書に組み込まれる)に記載のものなど)、ペルオキシド硬化性官能基(例えば、ハロゲン化アルキルおよび他の誘導体と、一部または完全ハロゲン化炭化水素基など)を有するフッ素化構造を有する硬化部位モノマーとのポリマーが挙げられる。

    シアノ硬化性の系を使用する場合、好適なフルオロポリマーとしては、WO00/08076(引用により本明細書に組み込まれる)に記載のもの、または他の同様の構造が挙げられる。 例としては、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロメチルビニルエーテル、ならびにシアノ硬化性の主および副硬化部位モノマー(CF =CFO(CF OCF(CF )CNおよび/またはCF =CFOCF CF(CF )O(CF CNなど)が挙げられる。 他の好適な化合物は、約45〜約95、好ましくは約45〜約65のムーニー粘度(100℃でTechPro(登録商標)viscTECH TPD−1585粘度計にて測定)を有するものであり得る。 また、かかる材料を他の硬化剤および/または硬化促進剤と組み合わせて使用してもよい。

    さまざまなかかるフルオロポリマーおよびペルフルオロポリマーが利用可能であるが、本明細書における好ましい実施形態によれば、フルオロポリマーはペルフルオロポリマーであり、硬化系はペルオキシド硬化系である。

    任意の硬化剤(curing agent(curative))または硬化剤の組合せが使用され得る。 ペルオキシド系の硬化系のための硬化剤は、当該技術分野において開発されたものであることが知られている任意のペルオキシド硬化剤および/または共硬化剤、例えば、有機およびジアルキルペルオキシド、または加熱によりラジカルを生成させ、フルオロポリマー鎖上の硬化部位モノマーの官能基(1つもしくは複数)との架橋反応に関与し得る他のペルオキシドであり得る。 例示的なジアルキルペルオキシドとしては、ジ−tertブチル−ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tertブチルペルオキシ)ヘキサン;ジクミルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;過安息香酸ジtertブチル;およびジ−[1,3−ジメチル−3−(tertブチルペルオキシ)ブチル]−カーボネートが挙げられる。 他のペルオキシド系は、例えば、米国特許第4,530,971号および同第5,153,272号(引用によりかかる硬化剤に関する関連部分が組み込まれる)に記載されている。 かかるペルオキシド硬化剤のための共硬化剤としては、典型的には、イソシアヌレートならびに多価不飽和であり、ペルオキシド硬化剤とともに作用して有用な硬化をもたらす同様の化合物、例えば、トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート;トリ(メタリル)イソシアヌレート;トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン;亜リン酸トリアリル;N,N−ジアリルアクリルアミド;ヘキサアリルホスホルアミド;N,N,N',N'−テトラアルキルテトラフタルアミド;N,N,N',N'−テトラアリルマロンアミド;トリビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン;およびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどが挙げられる。 最も好ましく、よく当該技術分野で知られているのはトリアリルイソシアヌレート(TAIC)であり、これは商標名DIAK(登録商標)、例えば、DIAK(登録商標)#7およびTAIC(登録商標)で販売されている。

    シアノ系の系では、好適な主硬化剤としては、米国特許出願公開公報第US−2004−0214956−A1号(その開示は、引用によりその関連部分が本明細書に組み込まれる)に記載のモノアミジンおよびモノアミドキシムが挙げられる。

    アミジン系およびアミドキシム系の材料としては、以下にさらに記載する下記式(I)のモノアミジンおよびモノアミドキシムが挙げられる。 好ましいモノアミジンおよびモノアミドキシムは、式(I):

    で表されるものであり得、式中、Yは、約1〜約22個の炭素原子を有する置換されているアルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルもしくはアラルコキシ基、または非置換もしくは置換されている完全もしくは部分ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキルもしくはアラルコキシ基であり得る。 また、Yは、約1〜約22個の炭素原子のペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ペルフルオロアリール、ペルフルオロアラルキルもしくはペルフルオロアラルコキシ基、または約1〜12個の炭素原子もしくは約1〜約9個の炭素原子のペルフルオロアルキルもしくはペルフルオロアルコキシ基であってもよく;R は、水素であるか、あるいは約1〜約6個の炭素原子の置換もしくは非置換の低級アルキルもしくはアルコキシ基、酸素(NHR はNOH基となる)またはアミノ基であり得る。 R は、R について上記のいずれの基とも独立したものまたはヒドロキシルであり得る。 Y、R またはR に対する置換基としては、限定されないが、ハロゲン化アルキル、ペルハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、ペルハロゲン化アルコキシ、チオ、アミン、イミン、アミド、イミド、ハロゲン、カルボキシル、スルホニル、ヒドロキシルなどが挙げられる。 R とR がともに酸素とヒドロキシルとして選択される場合、化合物には2つのNOH基が存在することになり(ジオキシムが使用され得る)、その場合、式(I)は、炭素原子とY基が一緒になって介在芳香族環を形成し、かつNOH基が環上で互いに対してオルト−、パラ−またはメタ−に存在するように(p−ベンゾキノンジオキシムなどの場合)ジオキシムの式が適合されるように修飾されることはわかるであろう。

    式(I)において、R は、ヒドロキシル、水素であるか、または約1〜約6個の炭素原子の置換もしくは非置換のアルキルもしくはアルコキシ基、より好ましくは、ヒドロキシルまたは水素であり得る。 R は、水素、酸素、アミノまたは約1〜約6個の炭素原子の置換もしくは非置換の低級アルキルであり得、一方、R は水素またはヒドロキシルである。 R とR がともに水素であってもよい。 Yは、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、置換または非置換のアリール基および置換または非置換のハロゲン化アリール基(上記の鎖長を有するもの)であり得、R とR がともに水素であり、YがCF (CF −である場合、すなわち、該化合物がヘプタフルオロブチリル(butyrl)アミジンまたは同様のアミドキシム化合物である場合が特に好ましい。

    例示的なモノアミジン系およびモノアミドキシム系の硬化剤としては、ペルフルオロアルキルアミジン、アリールアミジン、ペルフルオロアルキルアミドキシム、アリールアミドキシムおよびペルフルオロアルキルアミドラゾンが挙げられる。 他の例としては、ペルフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジン、トリフルオロメチルベンゾアミドキシム、およびトリフルオロメトキシベンゾアミドキシムが挙げられ、ヘプタフルオロブチリルアミジンが最も好ましい。

    他の硬化剤としては、ビスフェニル系硬化剤およびその誘導体、例えば、ビスアミノフェノール、テトラフェニルスズ、トリアジン、ペルオキシド系硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシドなどの有機ペルオキシド)、またはその組合せが挙げられ得る。 他の好適な硬化剤としては、有機金属化合物および水酸化物、特に、有機スズ化合物、例えば、アリル−、プロパルギル−、トリフェニル−およびアレニルスズ、アミノ基含有硬化剤、例えば、ジアミンおよびジアミンカルバメート、例えば、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデン、トリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、およびシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、ビス(4−アミノシクロヘキシル(hexly))メタンカルバメート、1,3−ジアミノプロパンモノカルバメート、エチレンジアミンカルバメート、トリメチレンジアミンカルバメート、ビスアミノチオフェノール、ビスアミドキシム、ならびにビスアミドラゾンが挙げられる。 最も好ましくは、ペルオキシド硬化系(任意の必要な協働剤を含む)が使用される。

    任意の硬化剤(1つまたは複数)が、単独、組合せで、または副硬化剤とともに使用され得る。 したがって、硬化系は必要でないが、任意選択で、さまざまな副硬化剤、例えば、ビスフェニル系硬化剤およびその誘導体、テトラフェニルスズ(pheyltin)、トリアジン、ペルオキシド系硬化系(例えば、ジアルキルペルオキシドなどの有機ペルオキシド)を含めてもよい(主剤として使用するのでなければ、またはペルオキシドの組合せ、もしくはこれらの系の組合せで使用するのであれば)。 他の好適な副硬化剤としては、有機金属化合物およびその水酸化物、特に、有機スズ化合物、例えば、アリル−、プロパルギル−、トリフェニル−およびアレニルスズ、アミノ基含有硬化剤、例えば、ジアミンおよびジアミンカルバメート、例えば、N,N'ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデン、トリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、およびシンナミリデンヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンカルバメート、1,3−ジアミノプロパンモノカルバメート、エチレンジアミンカルバメート、トリメチレンジアミンカルバメート、ならびにビスアミノチオフェノールが挙げられる。

    また、採用される硬化系に応じて、硬化剤、共硬化剤および/または硬化促進剤のうちの少なくとも1つを含めてもよい。 また、該組成物は、少なくとも2つの硬化性フルオロポリマーまたはペルフルオロポリマーを、例えばフルオロポリマーブレンドまたはペルフルオロポリマーブレンドの状態などで含むものであってもよい。

    本明細書におけるFKM組成物に使用され得る任意選択のフィラーの例としては、例えば、限定されないが、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、架橋性フッ素樹脂フィラー、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、ガラス繊維、グラススフィア、ファイバーグラス、硫酸カルシウム、アスベスト、ボロン繊維、セラミック繊維、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ホウ砂、パーライト、テレフタル酸亜鉛、炭化ケイ素板状晶、炭化ケイ素ウィスカー、ウォラストナイト、テレフタル酸カルシウム、フラーレンチューブ、ヘクトライト、タルク、雲母、カーボンナノチューブが挙げられる。 かかるフィラーは、組成物全体に、ベースフルオロポリマー100部に対して(per hundred per 100)約50部まで、好ましくは百分の約20までの量で存在させ得、ここで、100部のベースフルオロポリマーには、該組成物中のすべてのかかるベースフルオロポリマー(1つまたは複数)が含まれ得る。

    例えば半導体適用における使用のためのFFKM組成物では、好ましい任意選択のフィラー(1つまたは複数)は、任意選択で、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマーマイクロ粉末、コアシェルフルオロポリマーフィラー、フルオロポリマーナノ粉末、架橋性フッ素樹脂フィラー、カーボンブラック、フルオログラファイト、シリカ、シリケート、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウムおよびカーボンナノチューブであり得る。 シリカ、カーボンブラック(高純度サーマルカーボンブラックなど)、フルオロポリマーマイクロ粉末、ナノ粉末および架橋性フッ素樹脂が最も好ましい。 好ましくは、重金属添加剤は、半導体処理適用に使用される本明細書における組成物に供給されない。

    上記のように、上記の実施形態の自己付着性フルオロエラストマー組成物は、好ましくは、基板に直接付着され得るものである。 かかる基板は、種々の構造および/または積層体のための基板となる材料(一部のものは、半導体処理チャンバ内部に使用され得る)、あるいは処理設備(例えば、半導体処理設備内)のパーツ(チャンバ壁、処理ドア、ゲートなど)を形成するために実際に使用される基板となり得る材料を包含し得る。 基板は、例えば、セラミック、金属、金属合金、半導体、およびポリマーなどの材料を包含し得る。 半導体処理および他の分野において好ましい基板としては、セラミック(アルミナ、サファイアなど、および他の同様の材料)、半導体金属および半金属(ボロン、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム、イットリアおよびイットリウム含有化合物、ならびにかかる適用において処理チャンバ、ドアなどに使用される金属表面(陽極酸化処理アルミニウム、アルミニウムおよびステンレス鋼など))、ならびにかかる設備に使用される他の材料(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)密封部、o−リングおよびガスケット遮蔽材料など)が挙げられる。

    他の最終適用では、金属(例えば、ベリリウム、銅、銀、アルミニウム、クロム、チタン、ニッケル、亜鉛など)および/または金属合金もしくは他の金属混合物(例えば、チタン合金および銅合金、ベリリウム−銅合金、ニッケル−銀合金、ニッケル−チタン合金、クロム合金、真鍮、ならびにステンレス鋼など)などの他の表面に付着させるために本明細書における自己付着性組成物を使用することが可能である。 チタン合金およびニッケル合金、例えば、オーステナイトニッケル系超合金(商標名INCONEL(登録商標)でSpecial Metal Corporation(New Hartford,New York,United States of America)により販売)も同様に好適であり得る。 他の好適なポリマー基板としては、PTFE、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)ポリマー、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、熱可塑性ポリイミドとブレンドされたPEEK(PEEK+TP−PI)、およびポリエーテルケトン(PEK)などが挙げられる。

    本明細書における組成物中の添加剤として有用な付着性化合物(1つまたは複数)としては、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレート、アンモニアアクリレート、およびその組合せが挙げられる。 かかるアクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレートおよびアンモニアアクリレートのアクリル酸部分は、アクリル酸、アルキルアクリル酸または過フッ素化アルキルアクリル酸であり得る。 該化合物中のアクリル酸部は、モノアクリル酸部、ジアクリル酸部またはトリアクリル酸部のうちの1つであることが好ましいが、鎖状ポリマーアクリル酸部を使用してもよい(ただし、鎖長は、硬化性FKMまたはFFKMへの該化合物の組込みを妨げないものであるとする)。 該アクリル酸部は好ましくは、モノ−、ジ−、トリ−アクリル酸部などである。

    このような化合物のうち最も好ましいのは、アクリル酸アルミニウム(トリアクリル酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム塩、およびトリアクリル酸アルミニウム塩としても知られている;CAS 315743−20−1,約243.17の分子量を有する)であり、市販の化合物であっても、合成された化学式Al(C=CHCOO) を有する化合物であってもよい。 かかる使用に利用可能な例示的な市販の化合物は、Sartomer Product PRO−4302として販売され、Sartomer Company Inc. (Exton PA)から入手可能なトリアクリル酸アルミニウムであり、Alfa AesarからProduct 42003としても入手可能である。

    上記に論考したフルオロエラストマー組成物には、上記に論考した種々の成分のうちのいずれかまたはすべてが種々の割合、比率および組合せ(permutation)で含有され得る。 当業者には、かかる成分および相対比は、最終製品の所望の特性(これは、さらに、当該付着構成要素が使用される適用によって情報提供される)に応じて改変および変更され得ることが認識されよう。

    好ましくは、100部のベースフルオロポリマー(1つまたは複数)に対し、該組成物中の付着性化合物(1つまたは複数)として使用されるアクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレートおよび/またはアンモニアアクリレートは、該組成物に対して、百分の約1〜約20、好ましくは約1〜約15、より好ましくは約1〜約10、最も好ましくは約1〜約5の量で供給される。 しかしながら、充分な自己付着特性が得られる限り、好ましくは、物性および他のエラストマー特性が大きく影響されない限り、より多く、またはより少ない本明細書に記載の付着性化合物が供給される場合があり得ることは理解されよう。

    硬化剤(1つまたは複数)は、好ましくは、所与の官能基(1つまたは複数)に対して充分な硬化がもたらされるのに必要な量で、例えば、100部のベースフルオロポリマー(1つまたは複数)に対して硬化剤(1つまたは複数)は約0.1〜約5部、好ましくは百分の約0.2〜約3または百分の約2〜約4の量で使用される、および存在させ得る。 好ましくは、かかる硬化剤は、本明細書中の別の箇所に記載したペルオキシド硬化系の一部である。 ペルオキシド硬化剤の場合、共硬化剤(TAICなど)は、好ましくは、100部のベースフルオロポリマーに対して百分の約1〜百分の約10、および100部の本明細書におけるベースフルオロポリマー(1つまたは複数)に対して百分の約1〜約5の量で添加される。 任意選択で、本明細書中の別の箇所に記載のように、加速剤または共硬化剤が、例えば、100重量部のベースフルオロポリマー(1つまたは複数)に対して百分の0〜約6の好ましい量で使用され得る。 ペルオキシド硬化剤とともに使用すると、硬化速度および架橋度が改善され得る。

    付着において、フルオロエラストマー組成物は、付着剤の使用が任意選択であって必要とされず、得られる組成物は、硬化するとともに、硬化プロセス中および/または熱や圧力の適用時に基板の表面との直接付着を形成するという点で「自己付着性」である。 FKMおよびFFKMの硬化/付着のための典型的な温度は、例えば、約100℃〜約180℃、好ましくは約149℃〜約154℃の範囲であり、硬化/付着時間は約5〜約10分間、好ましくは約8〜約10分間である。 しかしながら、当業者には、本開示から、硬化の時間および温度は、選択される最初のフルオロエラストマーと架橋系に応じて異なることが理解されよう。

    適用される圧力は、種々の供給源のもの(ホットプレス成形型など)であり得、形成して得られる構造およびそれに使用される材料に応じて約200psi〜3000psiの範囲であり得る。

    本発明は、フルオロエラストマー組成物を該基板の表面に、硬化性FKMまたはFFKM組成物(上記のもの)を基板に接触させ、これを当該技術分野において知られた、または開発された任意の硬化手段によって硬化させることにより付着させる方法を含む。 最も好ましくは、FKMまたはFFKM組成物は、典型的なFKMまたはFFKM用混合機またはブレンド装置でブレンドし、上記の任意の添加剤、硬化剤および自己付着性化合物(1つまたは複数)を合わせることにより調製される。 次いで、合わされて得られた未硬化の組成物(またはゴム状物)は、好ましくはプリフォームに形成される(ここで、プリフォームは、任意の手段、例えば、切削、打抜、押出、成形することなどによって形成され得る)。 プリフォームは、一部硬化させたものであってもよい(例えば、ある程度の架橋を行なったものであり得るが、所望の程度までではない)。 しかしながら、好ましくは、プリフォームを基板の表面に接触させ、インサイチュで硬化させるとともに、付着構造体内で、ある形状に成形する。 例えば、押し出しロープ材を、付着ゲートドアの溝内に置いて硬化させるとともに、溝内(インサイチュ)で密封部に成形させることができる。 プリフォームは、溝内、穿孔内、または他の表面特徴のいずれかの表面上に配置してもよく、平坦、局面または成形用に予め構成した表面上に直接配置してもよい。 プリフォームは、かかるFKMおよびFFKMが典型的に使用される形状、例えば、o−リング、ガスケット、密封部、被膜、積層体などに作製され得る。 例えば、半導体処理設備におけるゲートドアの場合、プリフォーム(perform)押出体(extrudate)は、ドア表面に調製された溝内に嵌合するように形状形成され得、この成形プロセスにより、プリフォームまたは成形前の表面に接着剤または付着剤を付けずに、フルオロエラストマー組成物が溝内の表面に付着することが可能になる。

    他のプリフォームとしては、例えば、本明細書におけるエラストマー組成物の押出成形または形状形成されたシートが挙げられ、これを表面上に配置し(任意選択で、2つの表面間にサンドイッチ様構成で)、次いで、熱成形させると、被膜表面または積層構造体が形成され得る。

    次いで、基板の表面への熱および/または圧力の適用により、自己硬化性組成物が少なくとも部分的に付着するとともに、エラストマーの架橋が進行し、少なくとも部分的に硬化されることによりエラストマーが形成される。 このようにして、該組成物と基板間で付着が継続して形成される。 使用されるエラストマーおよび硬化サイクルに応じて、実質的に完全なおよび/または完全な硬化および付着が達成されるまで、さらなる硬化を継続してもよい、および/または適切後硬化を行なってもよい。

    硬化は、当該技術分野において知られた、または開発されるであろう任意の方法、例えば、熱硬化、高エネルギーの適用による硬化、熱硬化、プレス硬化、蒸気硬化、加圧硬化、電子線硬化または任意の手段の組合せによる硬化などによるものであり得る。 また、完全な硬化のために所望により、後硬化処理を適用してもよい。 上記のように、約100℃〜約180℃、好ましくは約120℃〜約160℃などの温度が、上記の硬化/付着条件に関して記載した種々の時間で使用され得、この場合も、選択されるFKMまたはFFKMの系、選択される硬化系および最終適用に応じて異なり得る。 任意選択の後硬化を適用してもよく、好ましくは、一次付着/硬化サイクルで充分な硬化および/または付着が行なわれていない場合に使用され得る。

    また、FKMまたはFFKMを基板に付着させる方法も本明細書において記載する。 上記のようなかかる硬化性FKMまたはFFKM組成物の調製では、諸成分を上記のようにしてブレンド、混合などにより合わせる。 次いで、表面を有する基板(上記の基板など)を準備し、該硬化性組成物を該基板の表面上で、FKMまたはFFKM組成物が少なくとも部分的に硬化してフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマーが形成されるように、およびFKMまたはFFKM組成物が硬化されるにつれて該基板の表面に少なくとも部分的に付着されるように熱成形させると、硬化性FKMまたはFFKM組成物がかくして該基板の表面に付着され、それにより、基板の表面に少なくとも部分的に硬化されたフルオロエラストマーまたは少なくとも部分的に付着されたペルフルオロエラストマーを有する付着構造体形成され、積層構造体の場合は、2つの第1および第2の表面に付着され、このとき2つの表面は同じ材質であっても異なる材質であってもよい。 硬化および付着は、充分なレベルの架橋および付着が達成されるまで継続され得、該構造体は、好ましくは、実質的に完全に、または完全に架橋および付着される。

    上記の実施形態の自己付着性ペルフルオロエラストマー組成物は、好ましくは、基板に直接付着され得るものである。

    得られる付着構造体は、該基板の表面(または第1基板と第2基板の表面)に付着されたFFKMまたはFKMエラストマーを有する。 かくして基板(1つまたは複数)に付着されたフルオロエラストマーまたはペルフルオロエラストマーは、好ましくは、本明細書において示したような付着性化合物、例えば、アクリル酸アルミニウム、シリコンアクリレートおよびアンモニアアクリレート(上記)が含まれている。 また、かかる構造内の基板も上記に記載している。 付着構造体は、例えば、積層構造体、ゲートバルブ、半導体チャンバードアおよび付着スリットバルブからなる群より選択される構造体であり得る。

    スリットバルブ形態の典型的なかかる基板の一例は、図7と9に見られるものであり得る。 スリットバルブドア10は、金属製ドア12と、ドア12の表面の溝内に嵌合する密封部16とを有する。 密封部は、図8に示す点で表面14に付着されている。 本出願人らの発明でも、密封部16は、本明細書に記載の自己付着性組成物で形成されたものであり、表面14においてドア12に直接付着にて付着される。 任意選択の付着剤を供給してもよいが、該組成物をドアに直接付着させることが好ましい。

    次に、本発明を以下の非限定的な実施例(1つまたは複数)に関して説明する。

    実施例1
    この実施例では、種々の市販のペルフルオロポリマーを、当該技術分野で使用されている既存の付着剤を用いて表面に硬化および付着させ、対照サンプルA(市販の付着剤を主体とした配合物DP−1520を使用)、ならびにBおよびC(各々、TruBond(登録商標)101付着剤を使用)として試験した。 さらなる対照Dは、付着剤なしで単純に標準的なFFKMを表面に直接成形することにより調製した。 対照サンプルEは、本明細書の背景に記載の先行技術の自己付着性組成物(例えば、重金属成分を含むSartomer製のSR633(登録商標))を用いて調製したものであり、これを、表面に付着させ、インサイチュで成形させた。 同じペルフルオロポリマーで、アクリル酸アルミニウムを含む本明細書に記載の付着性化合物(Sartomer製のPro−4302)を含む組成物(サンプル1〜5)を作製し、表面に直接成形することにより付着させ、試験した。

    化合物対照A、BおよびCならびに実験サンプル1〜5は、ベースポリマーとして、ダイキン工業(日本)により名称GA−105(登録商標)で市販品にて販売されているペルオキシド硬化性FFKM材料を用いて形成した。 しかしながら、供給する成分の量を変え、ある量の標準的な添加剤(シリカAerosil(登録商標)R972またはサーマルカーボンブラック、Thermax(登録商標)N990)および上記の付着剤または化合物を含めた。 また、ペルオキシド硬化剤および共硬化剤(それぞれ、Luperox(登録商標)101およびDiak(登録商標)No.7)も、以下の表1に記載の量で供給した。

    本明細書における実施例では、FFKMサンプルの付着は、FFKM組成物を金属製基板に、約2,000psiの圧力および約149℃のプレス温度下で約8分間、直接成形することにより行なった。 FFKMサンプルを脆性のセラミックまたはケイ素基板に直接付着させる場合は、成形圧は約320psiまでで変化させた。 すべてのサンプルを段階的様式にて7時間で180℃まで後硬化処理に供した。 本発明のサンプルによって形成された付着体では、室温(約20℃)において、100部のベースペルフルオロポリマーに対して0より多く約5部までの化合物添加量で、少なくとも約800ポンド荷重(例えば、破壊荷重)〜約1800lbの付着力が示されたが、ベースの配合および付着性化合物の量を変更することによって、より高い、またはより低い強度が得られ得る。

    また、付着強度試験後に残った一部のサンプルを他の種々の一般的な性質についても試験し、そのデータを以下の表2、3および4に示す。

    また、ここではサンプル4を、基板の表面に対する硬化FFKMエラストマーの剥離強度についても、ASTM D6862−04を用いて試験した。 Instron 3365を、クロスヘッド速度10インチ/分、温度77°Fおよび湿度22%で使用した。 被験物を8分間、300°Fで、7 1/4ステップにて356°Fの空気で実験した。 結果を単位:lb /インチで測定した。 第1のサンプルでは8.3lb /インチが示され、第2のものでは9.37lb /インチが示され(平均は8.84)、剥離が生じるまで試験した。

    示されたとおり、本発明によるサンプルでは、厳しい環境における使用のための高い付着強度が得られるとともに、良好な物性が得られ、自己付着性で成形が簡単で容易に層間剥離しない組成物としての機能を果たす。

    実施例2


    この実施例では、Tecnoflon(登録商標)P959としてSolvay Solexisから市販されているFKMをベース硬化性フルオロポリマーとして使用した。 種々の添加剤をシリカおよびナノクレイフィラー(それぞれ、Aerosil(登録商標)R−972およびNanomer 1.30 PS)を含む配合物で使用した。 各配合物は、ペルオキシド硬化剤(Luperox(登録商標)101)および共硬化剤(Diak(登録商標)#7)が表5に示した量に従って使用されたペルオキシド硬化性のものとした。 付着性化合物(対照F、HおよびI)の使用なし、先行技術の付着性化合物(Sartomer(登録商標)SR633)(対照G)の使用を含めた異なるフィラー系を有する対照サンプルを比較のために提供した。 対照F、HおよびIは、外添により適用される市販の付着剤(TruBond 101)を用いて試験した。 対照Gは、外添付着剤なし、およびTruBond 101 外添付着剤ありで試験した。 本発明の実施例6および7は、付着体を引っ張って破壊させるのに必要とされる付着力に対する該組成物の効果を示すため外添付着剤ありとなしの両方で試験し、付着の強度が実際に、市販の付着剤によって付着させた場合よりも表面に直接付着させた場合の方が高いことが示された。

    本明細書に開示した実施例では、FKMサンプルの付着は、約2,000psiの圧力および約154℃のプレス温度下で約10分間、金属基板表面に直接付着させることにより行なった。 脆性のセラミックまたはケイ素基板への直接付着には約320psiの成形圧を使用した。 すべてのサンプルを段階的様式にて232℃(この時点でサンプルを2時間保持した)まで後硬化に供した。

    得られた種々の付着の結果を表5に示し、物性および(are and)他のエラストマー特性を表6〜8に示す。

    付着体は、室温において、100部のベースフルオロエラストマーに対してゼロより多く約5部までの化合物添加量で、少なくとも約700ポンド荷重(例えば、破壊荷重)〜約3,000ポンドの付着力を有していた。 この付着体の耐久性は、剛性基板に対するゴム特性接着についての標準的な試験方法であるASTM D 429−03(2006),方法A(その内容は引用により本明細書に組み込まれる)を用いて測定される。 該方法は、3.2+/−1mmの円柱体の試験ゴムを2つの1250+/−5mm の金属または剛性基板プレート間で成形させることを含む。 プレートを40+/−0.04mm/秒の均一な速度で引っ張る。 付着が破壊される荷重(単位:ポンド)を付着強度を示す単位「ポンド荷重」とする。

    示されたように、本発明によるサンプルでは、厳しい環境における使用のための高い付着強度が得られるとともに、良好な物性が得られ、自己付着性で成形が簡単で容易に層間剥離しない組成物としての機能を果たす。

    当業者には、上記に記載の実施形態に対して、広義の本発明の概念から逸脱することなく変更が行なわれ得ることは認識されよう。 したがって、本発明は、開示した具体的な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内の変形例が包含されることを意図していることを理解されたい。

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