テザー型有機シロキシネットワークフィルム組成物

申请号 JP2015198979 申请日 2015-10-07 公开(公告)号 JP6433875B2 公开(公告)日 2018-12-05
申请人 ゼロックス コーポレイション; XEROX CORPORATION; 发明人 エイドリアン・ピエール・コート; ブリン・メアリー・ドゥーリー; アンソニー・ウィグルスワース;
摘要
权利要求

シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子と;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックと;を含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物であって; ここで前記テザー分子および前記構築ブロックはそれぞれ同じシロキシ官能性を有し; ここで前記オルガノシロキシネットワークフィルムにおけるシロキシ官能性は、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導され、 前記テザー分子および前記構築ブロックの両方において使用されるシロキシ官能性は、以下の式 であり、 式中、各R1およびR2は、独立に、選択された化学基であるが、ただし、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方においてR2は同じ化学基であり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示し、 ここで、前記構築ブロックではないが前記テザー分子のR1の1つまたは両方が、6〜30個の炭素原子を含有するアリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される化学基を含み、前記アルキルアリール基は、場合によりさらに、任意のフッ素または任意のニトロ基、またはこれらの組み合わせを含む、オルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記式中、前記構築ブロックにおける、場合により前記テザーにおける各R1は、および各R2は、独立に、1〜22個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択される、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記構築ブロックが、2〜4個のシロキシ官能基の範囲の複数のシロキシ官能性を有する、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザーは、フィルム全体を通して均一に分散し、または、前記テザーは、フィルム全体を通して不均一に分散する、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザーが、1:100〜75:100のテザーと構築ブロックとのモル比にて存在する、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザー分子が、オルガノフッ素、アリール、アルキル、ポリエーテル、フルオロ−ポリエーテル、アルキルアミン、アルキルエステル、アルキルスルホネート、アリールアミン、アルキルアルコール、およびアルキルカルボン酸からなる群のメンバーを含む、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザー分子が、オルガノフッ素、アリール、アルキル、ポリエーテル、フルオロ−ポリエーテル、アルキルアミン、アルキルエステル、アルキルスルホネート、アリールアミン、アルキルアルコール、およびアルキルカルボン酸からなる群から選択されるメンバーを含み、オルガノシランネットワークフィルムに190ナノメートル〜350ナノメートルの光吸収特性を付与する、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザーが、少なくとも1〜30個の炭素原子および1〜50個のフッ素原子を含有し、オルガノシランネットワークフィルムに対して湿潤防止特性を付与し、ここでフィルムは、80度〜160度の接触を示す、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記オルガノシロキシネットワークフィルムは、200℃〜300℃の熱安定性を有する、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記フィルムは、実質的にピンホールを含まないフィルムである、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記構築ブロックは、以下の式のシリコン基を含み、 式中、 は、OSN構築ブロックと前記テザー分子との間の結合点を表す、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記オルガノシロキシネットワークは、少なくとも1つのフッ素化テザー分子および少なくとも1つのフッ素化構築ブロックを含む、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記フィルム組成物は、単一タイプのテザー分子を含む、または、前記フィルム組成物は、複数の異なるタイプのテザー分子を含む、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子と;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックと;光吸収発色団テザーと;を含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物であって; ここで前記テザー分子および前記構築ブロックはそれぞれ同じシロキシ官能性を有し; ここで前記オルガノシロキシネットワークフィルムにおけるシロキシ官能性は、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導される、オルガノシロキシネットワークフィルム組成物。前記テザー分子は、以下の式の電気活性テザー 以下の式の親水性テザー または、以下の式の親水性テザー を含む、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。テザー型の前記オルガノシロキシネットワークは、以下の式の構築ブロック 以下の式のテザー および、以下の式の発色団テザー を含む、請求項1に記載のオルガノシロキシネットワークフィルム組成物。(a)構築ブロックおよびテザーをアルコール中に溶解させる工程; (b)水を工程(a)の液体に、(a)の溶液中のSiのモルに対して1〜6モル比で添加する工程; (c)工程(b)の液体に、工程(b)の液体のSiのモルに対して0.001〜0.1モル比にてブロンステッド塩基を添加する工程; (d)場合により工程(c)の液体を加熱する工程; 湿潤フィルムとして反応混合物を堆積させる工程;および 前記湿潤フィルムの変化を促進し、乾燥テザー型オルガノシロキシネットワークフィルム組成物を形成する工程を含む、テザー型オルガノシロキシネットワークフィルム組成物を調製するためのプロセスであって; 前記組成物が、 シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子と;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックと;を含み; ここで前記テザー分子および前記構築ブロックはそれぞれ、同じシロキシ官能性を有し; ここで前記オルガノシロキシネットワークフィルム中のシロキシ官能性が、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導され、 前記テザー分子および前記構築ブロックの両方において使用されるシロキシ官能性は、以下の式 であり、 式中、各R1およびR2は、独立に、選択された化学基であるが、ただし、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方においてR2は同じ化学基であり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示し、 ここで、前記構築ブロックではないが前記テザー分子のR1の1つまたは両方が、6〜30個の炭素原子を含有するアリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される化学基を含み、前記アルキルアリール基は、場合によりさらに、任意のフッ素または任意のニトロ基、またはこれらの組み合わせを含む、プロセス。シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子と; シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックと;を含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物をその上に配設したインクジェットプリントヘッドフェースプレートであって、 ここで前記テザー分子および前記構築ブロックはそれぞれ、同じシロキシ官能性を有し; ここで前記オルガノシロキシネットワークフィルムにおけるこのシロキシ官能性は、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導され、 前記テザー分子および前記構築ブロックの両方において使用されるシロキシ官能性は、以下の式 であり、 式中、各R1およびR2は、独立に、選択された化学基であるが、ただし、前記テザー分子および前記構築ブロックの両方においてR2は同じ化学基であり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示し、 ここで、前記構築ブロックではないが前記テザー分子のR1の1つまたは両方が、6〜30個の炭素原子を含有するアリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される化学基を含み、前記アルキルアリール基は、場合によりさらに、任意のフッ素または任意のニトロ基、またはこれらの組み合わせを含む、インクジェットプリントヘッドフェースプレート。

说明书全文

フィルム組成物が本明細書に開示される。より詳細には、均一に分散し、完全に結合(架橋)したテザーを有する有機シロキシネットワーク(OSN)フィルム組成物が本明細書に開示される。実施形態において、OSNフィルムは、フッ素化OSN構築ブロックおよびフッ素化テザーを含む。本明細書で記載されるテザー型OSNフィルムは、種々の用途に使用できる。実施形態において、本明細書におけるテザー型OSNフィルムは、インクジェットプリントヘッドフェースプレートのための湿潤防止コーティングとして使用できる。

有機シロキシネットワーク(OSN)は、粉末、モノリス部分およびフィルム/コーティングの形態において、多数の用途の材料として研究されている材料のクラスである。OSNの特性は、OSNが(ゾル−ゲル架橋反応を介して)公称上構築されるTEOS系ネットワークに官能化アルコキシシランモノマーを組み込むことによって調整されることは、OSN分野において一般的である。OSNの特性を調整するための別の方法は、最終的なOSN材料に至る途中の架橋工程の間にシロキシネットワークに(「テザー」として)結合できる一官能性アルコキシシランモノマーを導入することである。しかし、こうしたテザーの最終材料への所望される均質な一体化は、直接的ではない;相分離および不十分な架橋化学が通常生じる(文献に開示されるいくつかの手法を実施する場合であっても)。さらに、溶液系コーティングプロセスを介して製造されるOSNフィルムの場合、高品質材料を創出することは、乾燥および硬化を単一プロセス工程で組み合わせるという事実によって複雑化される。

ゾル−ゲル架橋反応を行う際にOSNに導入され、組み込まれる一官能性アルコキシシラン分子を含むテザー型OSN組成物の概念は、次のように示すことができる:

テザーの懸垂部分は、フィルムのネットワーク化マトリックスに、または表面に突き出ることができる。テザーのOSNへの導入は、組成物に機能的特性を付与できる。

OSNを官能化するためにテザリング手法を用いる利益は、OSN構築ブロックを二官能化することよりも、架橋性アルコキシシラン基を用いて分子を一官能化することの方が容易であるという事実にある。官能化の機会の大きな多様性により、性能ターゲットに近づくように特性を迅速に調整できる。

テトラエトキシシラン(TEOS)と組み合わせたアルコキシシラン出発材料を含むオルガノシロキシネットワーク(OSN)フィルムは、公開されている科学文献に広く開示されている。こうした手法においては、シロキシエーテル基の混合物は、テザーがシステムに導入される場合を含んで、以下に例示されるように使用されるのが典型的である。ほとんどの場合に、TEOSは、これらの組成物の主要な構成成分である。この開示において、こうした組成物は、「TEOS系」手法と称される。

シロキシネットワーク合成のために通常使用される例示構成成分(構築ブロック)を以下に示す。構築ブロック間のSi原子の周りの原子連結性の差に留意する。こうした構築ブロックおよび/またはテザー分子の組み合わせの使用により、「混合シロキシシステム」であるOSNシステムを導く。

さらに、溶液系コーティングプロセスを介して製造されるOSNフィルムの場合、高品質材料を創出することは、乾燥および硬化を単一プロセス工程で組み合わせるという事実によって複雑化される。OSNフィルムにおいて均一に分散し、完全に結合(架橋)したテザーを得ることには、問題が残っている。しかし、これらの問題にもかかわらず、OSNフィルム/コーティングは、元々のロバスト材料であり、テザーの一体化を介して性能ターゲットに適合するように特性を付加でき、調整できるので(例えば光吸収;湿潤防止)、プリンタ構成成分を含む種々の用途のために新規な材料として所望されている。

米国特許第8,692,011号には、プリントヘッドフェースプレートのコーティングとして使用するための新規な組成物が、その要約書に記載されている。特に、コーティングは、シロキシフルオロカーボン(SFC)を含み、これはフルオロカーボン鎖に結合する反応性シロキサン基を含有するネットワーク化された前駆体を含む。SFCコーティングを使用することにより、固体インクおよび紫外線(UV)硬化性インクが高温で長期間にわたって適用された場合に接着しない表面を製造できる。コーティングの利点は、プリントヘッドに関連する欠陥がほとんどなく、フロントフェース寿命が長いことである。

現在利用可能なフィルム組成物および方法は、これらの意図される目的に好適であるが、改善されたフィルム組成物およびこうした組成物を調製するための方法が必要とされ続けている。さらに、付加された特性(例えば光吸収;湿潤防止)および寿命延長(摩耗耐性および耐熱性)を導入するためにプリンタ構成成分に所望されるロバストフィルム/コーティングを得るためにOSNフィルムにおいて均一に分散し、完全に結合(架橋)したテザーを得るための方法が必要とされ続けている。

前述の米国特許および特許出願それぞれの適切な構成成分およびプロセス態様が、本開示のために実施形態において選択されてもよい。さらに、本願全体を通して、種々の刊行物、特許および公開された特許出願は、同定引用によって参照される。

シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックを含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物が記載されており;ここでテザー分子および構築ブロックはそれぞれ同じシロキシ官能性を有し;ここでオルガノシロキシネットワークフィルムにおけるシロキシ官能性は、テザー分子および構築ブロック両方における同じシロキシ官能性から誘導される。

(a)構築ブロックおよびテザーをアルコール中に溶解させる工程;(b)を工程(a)の液体に、(a)の溶液中のSiのモルに対して約1〜約6モル比で添加する工程;(c)ブロンステッド塩基を工程(b)の液体に、工程(b)の液体中のSiのモルに対して約0.001〜約0.1モル比で添加する工程;(d)場合により工程(c)の液体を加熱する工程;湿潤フィルムとして反応混合物を堆積させる工程;および湿潤フィルムの変化を促進し、シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックを含む乾燥テザー型オルガノシロキシネットワークフィルム組成物を形成する工程を含むテザー型オルガノシロキシネットワークフィルム組成物を調製するためのプロセスも記載され;ここでこのテザー分子および構築ブロックはそれぞれ、同じシロキシ官能性を有し;ここでオルガノシロキシネットワークフィルム中のシロキシ官能性が、テザー分子および構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導される。

シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプのテザー分子;シロキシ官能性を有する少なくとも1つのタイプの構築ブロックを含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物をその上に配設したインクジェットプリントヘッドフェースプレートも記載されており、ここでテザー分子および構築ブロックはそれぞれ、同じシロキシ官能性を有し;ここでオルガノシロキシネットワークフィルムにおけるこのシロキシ官能性は、テザー分子および構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導される。

図1は、コントロール実施例OSNフィルムにおけるレーザードリル加工性能の例示である。

図2は、本実施形態に従うOSNフィルムにおけるドリル加工性能の例示である。

図3は、OSNコーティング組成物の赤外スペクトルである。

少なくとも1つのタイプのテザー分子および少なくとも1つのタイプの構築ブロックを含むオルガノシロキシネットワークフィルム組成物が記載されており、ここでオルガノシロキシネットワークフィルムにおけるシロキシ官能性は、テザー分子および構築ブロック両方における同じシロキシ官能性から誘導される。形成されるネットワークは、反応性基が同じでなければならないテザーおよび構築ブロックにおいて反応性基から形成される。

実施形態において、オルガノシロキシネットワークフィルム組成物は、テザーおよび構築ブロックの両方における同じシロキシ官能性から誘導されるシロキシ官能性を含有し、ここでテザー分子および構築ブロックの両方において使用されるシロキシ官能性は以下の式である

式中、各R1およびR2は、独立に、選択された化学基であるが、ただし、テザー分子および構築ブロックの両方においてR2は同じ化学基であり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示す。

実施形態において、各R1およびR2は、独立に、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、ただし、R2は、構築ブロックおよびテザー分子の両方において同じであり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示す。

実施形態において、構築ブロックは、複数のシロキシ官能性を有し、すなわち構築ブロックは、複数のシロキシ官能基を含有する。特定実施形態において、構築ブロックは、約2〜約4個のシロキシ官能基の範囲の複数のシロキシ官能性を有する。

実施形態において、構築ブロックではなく、テザー分子におけるR1の1つまたは両方は、約6〜約30個の炭素原子を含有するアリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される化学基を含み、ここでアルキルアリール基は、場合によりさらに任意のフッ素または任意のニトロ基、またはこれらの組み合わせを含む。

実施形態において、構築ブロックではないが、テザーは、アルキル、置換アルキル基、ペルフッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基、アリール、置換アリール基、ペルフッ素化アリール基、部分フッ素化アリール基、ポリアルキルエーテル、置換されたポリアルキルエーテル基、ペルフッ素化ポリアルキルエーテル基、部分フッ素化ポリアルキルエーテル基、およびこれらの組み合わせからなる群のメンバーを含有する。

本発明のオルガノシランネットワークフィルム組成物がその上に配設されたインクジェットプリントヘッドフェースプレートも記載されている。

一部の実施形態において、均一に分散し、完全に結合した(完全に架橋したまたは完全に反応した)テザーを有するオルガノシランネットワークフィルム組成物が提供される。

テザー型有機シロキシネットワーク組成物は、複数の機能性属性を有する材料にアクセスし、インクジェットフェースプレートのための材料として、湿潤防止コーティングおよび定着トップコート材料を含む種々の用途に好適である。本実施形態は、電気活性、親水性および光発色団のための広範囲のテザー型有機シロキシネットワークフィルム組成物を提供する。一部の実施形態において、本明細書の組成物は、低表面エネルギー用途のためにおよびレーザーアブレーションを可能にするために好適である。

あるいは、オルガノシランネットワークフィルム組成物は、テザーがフィルム全体を通して不均一に分散されるフィルムを含む。不均一に分散するとは、存在するテザー分子ドメインが検出可能であること意味する。ドメインは、通常の分析技術、例えば顕微鏡検査、または可能性としてフィルムの異なる領域においてフィルムの異なる特性を観察することによって、検出できる。異なる領域のフィルムにおける異なる特性は、必ずしも存在しているドメインの結果ではないことを理解する。これらの実施形態において、テザーは、例えば特定の領域またはフィルムの層において濃縮されることができる。

本発明のテザー型OSN組成物は、特定の組成物設計空間を同定することによって;実施形態において、公称OSN構築ブロックおよびテザー分子両方において同じアルコキシシラン官能基を用いることによって可能となっている。実施形態において、新規なOSNフィルム組成物が記載されている。同じシロキシ官能性を使用する本発明のテザー型OSNフィルム組成物をターゲットにすることによって、一貫した所望の性能特徴は、サンプル間の変動なく得ることができる。テザー型OSN組成物は、複数の機能属性を有する材料を利用可能にし、実施形態においては、インクジェットフェースプレートのための材料として、湿潤防止コーティングおよび定着トップコート材料のような種々の用途に好適である。

アルコキシシラン構築ブロックを一部充填したテトラエトキシシラン(TEOS)を主に含むOSNフィルムは、公開された科学文献(本明細書においてTEOS系システムと称される)において広く開示されており、これらの開示のサブセットはテザーユニットを含有する。

本明細書に記載される組成物は、それらがTEOSを含有しないのでTEOS系システムとは区別される:本開示の実施形態である差別化特徴。

少なくとも1つのテザー分子および少なくとも1つの構築ブロックを含むテザー型オルガノシロキシネットワークを含むOSN組成物および用途を含むように本明細書で記載され、同定されていた独特の実現可能な組成物空間が、本開示の範囲内に包含され、ここでテザー型オルガノシロキシネットワークは、テザー分子および構築ブロックの両方に同じシロキシ官能性を含有する。

実施形態において、本明細書の組成物は、以下を含む特徴の1つまたは組み合わせを含む。

完全に架橋したテザー型有機シロキシネットワークフィルムであって、ここで同じアルコキシシラン官能基が、OSN構築ブロックおよびテザー分子の両方において使用されているフィルム;

均質に分配されたテザーを含有するテザー型OSNフィルム(組成物におけるテザーの相分離はない);

単一テザーを含むテザー型OSNフィルム組成物;および/または

複数のテザーを含むテザー型OSNフィルム組成物;

所望の特性(例えば湿潤防止または光吸収)をOSNフィルム組成物に付与するためのOSN組成物におけるテザーの存在および混合シロキシシステムが推進される場合に直面するプロセス変動性の安定化。

実施形態において、本明細書の組成物は、インクジェットフェースプレートのための湿潤防止コーティングとしてOSNフィルムを対象とする。

オルガノシロキシネットワークフィルムは、単一タイプのテザー分子;または複数の異なるタイプのテザー分子を含有できる。

特定の実施形態において、フッ素化テザーは、OSN中のフッ素含有量を高め、コーティングからの溶融固体インクの自動脱湿潤を可能にする。

他の実施形態において、フィルム組成物はさらに、光吸収発色団テザーを含む。第2の光吸収発色団テザーは、OSN湿潤防止コーティングに導入されることができ、層のクリーンレーザードリル加工を可能にし、インクジェットフェースプレートアセンブリの一部として適切に層を成形する。

いずれかの好適なまたは所望の光吸収発色団テザーが選択できる。実施形態において、第2の光吸収発色団テザーは、約6〜約18個の炭素(置換芳香族基を含む)を含有する芳香族基からなる群から選択される。

本明細書の特定の実施形態は、組成物のケイ素基の性質に対する特定の要件を対象とする。実現可能な反応性ケイ素基の一般的な化学構造を以下に示す:

式中、波線は、残留テザー分子またはOSN構築ブロックの構成成分に対する結合を表す。これは以下で一般的に例示される:

特定の実施形態において、本明細書のオルガノシランテザー型フィルム組成物は、シロキシ官能性を有する少なくとも1つのテザー分子およびシロキシ官能性を有する少なくとも1つの構築ブロックを含むテザー型オルガノシロキシネットワークを含み、ここでテザー分子および構築ブロックの両方においてシロキシ官能性は同じであり、構築ブロックは以下の式を有する

式中、各R1およびR2は、それぞれ独立に、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基、およびこれらの混合物からなる群から選択される;および

式中、テザー分子は以下の式を有する

式中、各R1およびR2は、それぞれ独立に、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基、およびこれらの混合物からなる群から選択されるが、

ただし、R2は構築ブロックおよびテザー分子の両方において同じである。

特定の実施形態において、各R2は、アルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアルキル基である。

実施形態において、各R1は、独立に、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。

特定の実施形態において、構築ブロックおよびテザーはそれぞれ、以下の式のケイ素基を含む

式中

は、OSN構築ブロックとテザー分子との間の結合点を表す。

本発明のフィルム組成物は、上記で例示される反応性ケイ素基を備えたOSN構築ブロックおよびテザーの反応から得られる組成物を含む。

オルガノシランネットワークフィルム組成物は、実施形態において、テザー:構築ブロックの約1:100〜約75:100のテザーと構築ブロックとのモル比にて存在するテザーを含有する。

実施形態において、オルガノシロキシネットワークは、少なくとも1つのフッ素化テザー分子および少なくとも1つのフッ素化構築ブロックを含む。

インクジェットプリントヘッドフェースプレートはまた、少なくとも1つのタイプのテザー分子および少なくとも1つのタイプの構築ブロックを含むオルガノネットワークフィルムがその上に配設されたものが提供され、ここでテザー分子および構築ブロックはそれぞれ、以下の式の同じシロキシ官能性を有する

式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択されるが、ただしR2は、構築ブロックおよびテザー分子の両方において同じであり、波線は、テザーまたは構築ブロック部分に対する結合を示し;ここでオルガノシランネットワークフィルムは、テザー分子および構築ブロック両方におけるシロキシ官能性から誘導されるオルガノシランネットワークを有し、場合により、オルガノシランネットワークフィルム組成物はさらに、光吸収発色団テザーを含む。

本発明のOSN材料は、部品の寿命にわたって高いドロール圧および低インク接着を維持するプリントヘッドフェースプレート湿潤防止コーティングを提供できる。本発明のコーティング実施形態は、現在および将来の固体およびUVインクを脱湿潤できる。本発明のコーティング実施形態は、55°を超える固体インクとの接触および20°未満の摺動角を提供する。良好な湿潤防止特性を示すことに加えて、本発明のコーティング実施形態は、290℃/350psiで30分間の、ワイパーブレードによる2000+のワイプの2つのサイクルからなり、約2年間115℃で操作され得るプリントヘッドの構築プロセスに耐えるのに十分な機械的および熱ロバスト性である。さらに、本実施形態は、必要とされるアパーチャ噴出ノズルを導入するためにクリーンレーザーアブレーションを行う。

テザー型OSNフィルム組成物の特性は、テザーの選択によって変動し得る。故に、テザー型OSNフィルムについての用途は、特に、親水性、電気活性、防汚性、光発色性、およびイオン伝導性コーティング用途を含む用途に拡張できる。本発明のテザー型OSNフィルム組成物はさらに、所望の用途に従って選択されたテザーを組み込む実施形態を包含する。

テザー分子は、テザーの存在が、オルガノシランネットワークフィルムに対して所望の特性を付与するように選択できる。特定のテザーは、特定の特性を付与するために選択できる。一部の実施形態において、テザー分子は、テザーの存在がオルガノシランネットワークの固有の特性を向上させるように選択される。他の実施形態において、テザー分子は、テザーの存在により、オルガノシランネットワークの固有の特性を弱める、すなわち低減または共に削減するように選択される。特定の実施形態において、オルガノシランネットワークフィルム組成物は、テザーを含み、ここでこのテザー分子は、オルガノフッ素、アリール、アルキル、ポリエーテル、フルオロ−ポリエーテル、アルキルアミン、アルキルエステル、アルキルスルホネート、アリールアミン、アルキルアルコール、およびアルキルカルボン酸からなる群のメンバーを含む。

テザー分子は、フィルムに対して所望の光吸収特性を付与するために選択できる。実施形態において、オルガノシロキシネットワークフィルム組成物は、テザー分子を含み、ここでテザー分子は、テザーの存在がフィルムに対して所望の光吸収特性を付与するように選択され、ここでテザー分子および構築ブロック両方に使用されるシロキシ官能性は、以下の式を有する

式中、各R1およびR2は、独立に、選択された化学基であるが、ただし、テザー分子および構築ブロックの両方においてR2は同じ化学基であり、波線は、テザー分子または構築ブロック部分への結合を示す;

ここでこのテザー分子は、オルガノフッ素、アリール、アルキル、ポリエーテル、フルオロ−ポリエーテル、アルキルアミン、アルキルエステル、アルキルスルホネート、アリールアミン、アルキルアルコール、およびアルキルカルボン酸からなる群のメンバーを含み;および

ここで構築ブロックではなくテザー分子におけるR1の1つまたは両方は、約6〜約30個の炭素原子を含有するアリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される化学基を含み、ここでアルキルアリール基は、場合によりさらに任意のフッ素または任意のニトロ基、またはこれらの組み合わせを含む;

これは、約190ナノメートル〜約350ナノメートルのオルガノシランネットワークフィルムに光吸収特性を付与するためである。

他の実施形態において、テザー分子は、テザーの存在が、フィルムに対して所望の湿潤防止特性を付与するように選択される。実施形態において、オルガノシランネットワークフィルムは、テザー分子を含み、ここでテザーが、少なくとも1〜約30個の炭素原子および1〜約50個のフッ素原子を含有し、オルガノシランネットワークフィルムに対して湿潤防止特性を付与し、ここでフィルムは、約80度〜約160度の水接触角を示す。

さらに他の実施形態において、テザー分子は、テザーの存在が、フィルムに対して所望の摩耗耐性特徴を付与するように選択される。

さらに他の実施形態において、テザー分子は、テザーの存在が、フィルムに対して所望の耐熱性を付与するように選択される。予測できないことに、本明細書のオルガノシランネットワークフィルムは熱安定性を示すことを見出した。本明細書のテザー型オルガノシランネットワークフィルムは、高温、実施形態においては約200℃〜約300℃の温度において安定性および官能性のままである。実施形態において、本明細書のテザー型オルガノシランネットワークフィルムは、約200℃〜約300℃の熱安定性を有する。

オルガノシランネットワークフィルムは、単一タイプのテザー分子;または複数の異なるタイプのテザー分子を含有できる。

例えば、特定の実施形態において、テザーは、以下の式の電気活性テザーを含むことができる

以下の式の親水性テザー

以下の式の親水性テザー

特定の実施形態において、テザー型オルガノシロキシネットワークは、以下の式の構築ブロックを含む

以下の式テザー

以下の式の発色団テザー

実施形態において、オルガノシランネットワークフィルムは、実質的にピンホールを含まないフィルムである。

実施形態において、「実質的にピンホールを含まないテザー型OSN」または「ピンホールを含まないテザー型OSN」は、下層基材の表面に堆積した反応混合物から形成されてもよい。用語「実質的にピンホールを含まないテザー型OSN」は、例えばそれが形成された下層基材から除去されてもよいまたは除去されなくてもよく、平方cmあたり2つの隣接セグメントのコア間の距離を超えるピンホール、孔またはギャップを実質的に含有せず;例えば、cm2あたりの直径が約250ナノメートルを超えるピンホール、孔もしくはギャップが10個未満、またはcm2あたりの直径が約100ナノメートルを超えるピンホール、孔もしくはギャップが5個未満であるテザー型OSNを指す。用語「ピンホールを含まないテザー型OSN」は、例えばそれが形成された下層基材から除去されてもよいまたは除去されなくてもよく、平方ミクロンあたり2つの隣接セグメントのコア間の距離を超えるピンホール、孔またはギャップを含有せず;例えば、ミクロン2あたりの直径が約500オングストロームを超えるピンホール、孔もしくはギャップがない、またはミクロン2あたりの直径が約250オングストロームを超えるピンホール、孔もしくはギャップがない、またはミクロン2あたりの直径が約100オングストロームを超えるピンホール、孔もしくはギャップがないテザー型OSNを指す。

本開示のオルガノシランテザー型ネットワークフィルムは、いずれかの好適なまたは所望のプロセスによって調製できる。実施形態において、テザー型オルガノシランネットワークフィルムを調製するためのプロセスは、(a)構築ブロックおよびテザーをアルコール中に溶解する工程;(b)水を工程(a)の液体に、(a)の溶液中のSiのモルに対して約1〜約6モル比で添加する工程;(c)工程(b)の液体に、工程(b)の液体中のSiのモルに対して約0.001〜約0.1モル比にてブロンステッド塩基を添加する工程;(d)場合により工程(c)の液体を加熱する工程;湿潤フィルムとして反応混合物を堆積させる工程;および湿潤フィルムの変化を促進させる工程および本明細書で記載されるような乾燥テザー型オルガノシロキシネットワークフィルムを形成する工程を含む。

実施形態において、テザー分子は、フィルムに均一に分散でき、またはフィルムに不均一に分散できる。テザーがフィルムに均一に分散されるか、またはフィルムに不均一に分散されるかどうかは、これらのシステムにおいて非自明な化学自己集合現象によって駆動される。

以下の実施例は、種々の種類の本開示をさらに規定するために提出されている。これらの実施例は、例示を目的とするに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図しない。また、特に断らない限り、部およびパーセンテージは重量による。

以下の実施例のテザー型OSN配合物は、OSN構築ブロックおよびテザーを組み合わせ、n−ブタノールまたはn−ブタノール/シクロペンタノール混合物中に溶解させて、40〜75重量%の固形分配合物を得ることによって調製した。テザーは、配合物の固形分含有量が1〜60重量%までで充填された。1モル当量の水および0.3〜0.8mol%の水酸化物イオン触媒が、ゾル形成を誘導するために添加された(架橋反応)。ゾルを濾過し、多数の基材(Upilex(登録商標)(ポリイミド)、アルミニウム、ガラスおよびMylar(登録商標))上にドローダウンコーティングした。均一湿潤層が基材上に得られた。コーティングを、30分間または1時間、160または180℃で直ちに硬化させ、均一な1〜2μmのクリアな無色フィルムを得た。

実施例1 本実施例において、以下のケイ素基を、OSN構築ブロックおよびテザーの両方において使用した:

式中

は、OSN構築ブロックとテザー分子との間の結合点を表す。

実施例2 テザー型OSNフィルムを、湿潤防止コーティングのための一体化および性能要件に適合するように調製した。2つのテザーを使用した:1つは、フッ素含有量を付加して、ターゲットとする湿潤防止特徴を得て、第2の発色団テザーはレーザー光からのアブレーションを可能にした。得られたテザー型OSN組成物のプロセスおよび概略を以下に示す。

同じアルコキシシラン官能基を、構成成分それぞれにおいて使用したことに留意する。

本実施形態のテザー手法を用いて、テザー充填量を調整することによって、および/または所望の特性を導入するために選択されるテザーを交換することによって表面エネルギーおよびアブレーション効率を調整するために相当な許容度が可能になる。実施形態において、特定の組成物に提供されるテザータイプおよび充填量の特定の組み合わせは、以下で、優れたインク脱湿潤およびレーザーアブレーション性能を示した。OSN構築ブロック、フッ素化および発色団テザー(充填量に応じて)を組み合わせた特定の実施形態により、以下に示す官能性のテザー型OSNフィルムを得た。

実施例3(コントロール) 湿潤防止コーティングを以下のように調製した。0.50グラムの7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドデカフルオロ−4−15−ジイソプロポキシ−2,4,15,17−テトラメチル−3,16−ジオキサ−4,15−ジシラオクタデカンを0.50グラムのメタノール中に溶解させた。0.007グラムのメタノール中の1.0モル濃度テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を、この溶液に添加し、この溶液を周囲温度にて3時間ロール混合した。3時間の混合後、溶液は均一であった。1.0グラムのシクロヘキサノンおよび0.031グラムの水を配合物に添加し、配合物は、1500rpmにて10秒間のボルテックス、次いで周囲条件下にて30分間のロール混合によって混合されて、クリア溶液を得た。溶液を、0.45ミクロンのPTFEフィルタを通して濾過し、15センチメートル×8センチメートル平方のポリイミド基材上にギャップコーターによりドローダウンコーティングした。液層を18時間空気乾燥し、次いで180℃で2時間硬化させ、約1〜2マイクロメートルの厚さを有するコーティングを得た。

実施例4 20重量%の(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シランを含む湿潤防止コーティングを以下のように調製した。1.60グラムの7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドデカフルオロ−4−15−ジイソプロポキシ−2,4,15,17−テトラメチル−3,16−ジオキサ−4,15−ジシラオクタデカン、0.41グラムの(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シラン、および0.033グラムのメタノール中1.0モル濃度テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を、0.556グラムのn−ブタノール中で合わせた。0.0856グラムの水を、配合物に添加し、液体配合物を、1500rpmにて10秒間のボルテックス、次いで周囲条件下にて30分間のロール混合によって混合し、クリア溶液を得た。溶液を、0.45ミクロンのPTFEフィルタを通して濾過し、15センチメートル×8センチメートル平方のポリイミド基材上にギャップコーターによりドローダウンコーティングした。液層を18時間空気乾燥し、次いで180℃で2時間硬化させ、約1〜2マイクロメートルの厚さを有するコーティングを得た。

実施例5 30重量%の(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シランを含む湿潤防止コーティングを次のように調製した。1.406グラムの7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドデカフルオロ−4−15−ジイソプロポキシ−2,4,15,17−テトラメチル−3,16−ジオキサ−4,15−ジシラオクタデカン、0.600グラムの(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シラン、および0.030グラムのメタノール中の1.0モル濃度テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を、0.560グラムのn−ブタノール中で合わせた。0.0869グラムの水を配合物に添加し、液体配合物を、1500rpmにて10秒間のボルテックス、次いで周囲条件下にて30分間のロール混合によって混合し、クリア溶液を得た。溶液を、0.45ミクロンのPTFEフィルタを通して濾過し、15センチメートル×8センチメートル平方のポリイミド基材上にギャップコーターによりドローダウンコーティングした。液層を18時間空気乾燥し、次いで180℃で2時間硬化させ、約1〜2マイクロメートルの厚さを有するコーティングを得た。

実施例6 50重量%の(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シランを含む湿潤防止コーティングを以下のように調製した。1.0グラムの7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドデカフルオロ−4−15−ジイソプロポキシ−2,4,15,17−テトラメチル−3,16−ジオキサ−4,15−ジシラオクタデカン、1.0グラムの(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)ジイソプロポキシ(メチル)シラン、および0.026グラムのメタノール中の1.0モル濃度テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を、0.573グラムのn−ブタノール中で合わせた。0.0756グラムの水を、配合物に添加し、液体配合物を、1500rpmにて10秒間のボルテックス、次いで周囲条件下にて30分間のロール混合によって混合し、クリア溶液を得た。溶液を、0.45ミクロンのPTFEフィルタを通して濾過し、15センチメートル×8センチメートル平方のポリイミド基材上にギャップコーターによりドローダウンコーティングした。液層を18時間空気乾燥し、次いで180℃で2時間硬化させ、約1〜2マイクロメートルの厚さを有するコーティングを得た。

実施例7 5重量%の(2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチル)ジイソプロポキシ(メチル)シランを含む湿潤防止コーティングを以下のように調製した。0.50グラムの7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−ドデカフルオロ−4−15−ジイソプロポキシ−2,4,15,17−テトラメチル−3,16−ジオキサ−4,15−ジシラオクタデカン、0.025グラムの(2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)エチル)ジイソプロポキシ(メチル)シラン、および0.0064グラムのメタノール中の1.0モル濃度テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を、0.32グラムのn−ブタノール中で合わせた。0.027グラムの水を、配合物に添加し、液体配合物を、1500rpmにて10秒間のボルテックス、次いで周囲条件下にて30分間のロール混合によって混合し、クリア溶液を得た。溶液を、0.45ミクロンのPTFEフィルタを通して濾過し、15センチメートル×8センチメートル平方のポリイミド基材上にギャップコーターによりドローダウンコーティングした。液層を18時間空気乾燥し、次いで180℃で2時間硬化させ、約1〜2マイクロメートルの厚さを有するコーティングを得た。

非テザー型コーティングを含む実施例3のコントロールコーティングと実施例4、5および6の本開示のテザー型湿潤防止コーティングとのレーザーアブレーション性能についての比較を行った。290℃および350psiの39分間の1回サイクルの模擬プリントヘッドの構築プロセス後、コントロール実施例3および本実施形態の実施例4、5および6に対する固体インクの接触角および摺動角を表1に示す。

時間0=フィルムを構成成分製作/プロセスに供する前。

構築後=フィルムを構成成分製作/プロセスに供した後。

図1は、コントロール実施例3のコントロールコーティングでコーティングされたフィルムにおけるレーザードリル加工性能を示す。1ミクロン厚さにてコントロール実施例3のコーティングでコーティングされた1ミリメートルのフィルム厚さを有する8×15センチメートルのポリイミドフィルムにおいて40ミクロンアパーチャを調製するようにレーザーを設定した。使用されたレーザーは、248ナノメートルでのKrFレーザーであった。

図2は、本実施形態の実施例7のコーティングでコーティングされたフィルムにおけるレーザードリル加工性能を示す。1ミクロン厚さにて実施例7のコーティングでコーティングされた1ミリメートルのフィルム厚さを有する8×15センチメートルのポリイミドフィルムにおいて40ミクロンアパーチャを調製するようにレーザーを設定した。使用されたレーザーは、248ナノメートルでのKrFであった。

図2は、発色団テザーをOSNフィルムに一体化することによって達成されるクリーンで効率の良いレーザー加工性能を示す。

層の赤外スペクトル(ATR−IR)を測定し、スペクトル中のヒドロキシルバンドの不存在を観察することによって完全な架橋を示した(不完全な架橋は、層中に未反応ケイ素ヒドロキシル基を残し、ATR−IRによって検出されることになった)。Upilex(登録商標)ポリイミドフィルム基材上の実施例1のOSNコーティング組成物の典型的な赤外スペクトルを図3に示す。さらに、テザーの均一な分布を、フィルムの異なる領域において接触角を測定することによって証明した;接触角の狭い分布は、フィルムにわたって観察された。

溶媒摩耗および浸漬テストは、様々な極性、酸性度、および塩基性度を有する一連の溶媒を用いて行った。フィルムの攻撃的な摩耗は、フィルムを損傷しなかった。同様に、同様の範囲の溶媒中での6ヶ月間のフィルムの浸漬は、フィルムの一体性を劣化させなかった。さらに、100〜140℃の温度において、84時間、フィルムを、顔料、染料、および他の攻撃的インク構成成分を含有する液体インクに曝すストレステストはフィルムを劣化させなかった。

フィルムの溶媒摩耗テストおよび溶媒浸漬テストは、溶脱テザーの証拠を示さなかった。

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