表面改質コンタクトレンズを作り出すための多段階式UV方法

申请号 JP2014547512 申请日 2012-12-14 公开(公告)号 JP2015500913A 公开(公告)日 2015-01-08
申请人 センプラス・バイオサイエンシーズ・コーポレイションSemprus Biosciences Corp.; センプラス・バイオサイエンシーズ・コーポレイションSemprus Biosciences Corp.; 发明人 チェン チャン; チェン チャン; アロンソ クック; アロンソ クック; カレン アン シュルツ; カレン アン シュルツ; リー ジュン; ジュン リー; クリストファー アール ルース; クリストファー アール ルース; アーサー ジェイ コーリー; アーサー ジェイ コーリー;
摘要 ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、第1の重合反応混合物中に光開始剤を含有するケイ素含有ポリマーを形成する工程と、ケイ素ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程と、第2の反応混合物の中のモノマーを重合化することによって、ケイ素含有ポリマーの表面改質を形成する工程とを含む方法が提示される。このような方法は、表面の親 水 性を制御するのに有用であり、湿潤可能な、生体適合性の表面を有するコンタクトレンズなどの医療用デバイスを調製することに適用することができる。
权利要求
  • ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、
    第1の重合反応混合物中に光開始剤を含有するケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、前記光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と、
    前記ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、前記重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、前記ケイ素含有ポリマーに含有されている25%以下の光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーから除去される工程と、
    前記第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化して、前記ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質を形成する工程とを含むことを特徴とする、方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、前記ケイ素含有ポリマーに含有されている20%以下の光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーから除去される、請求項1に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、前記ケイ素含有ポリマーに含有されている15%以下の光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーから除去される、請求項1に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、前記ケイ素含有ポリマーに含有されている10%以下の光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーから除去される、請求項1に記載の方法。
  • ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、
    第1の重合反応混合物の中にケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、前記第1の重合反応混合物が光開始剤を含み、それによって、前記光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と、
    前記ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、前記重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、いかなる追加的光開始剤も前記ケイ素含有ポリマーに加えられない工程と、
    前記第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化することによって、前記ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質ポリマーを形成する工程とを含むことを特徴とする、方法。
  • ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、
    第1の重合反応混合物の中にケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、前記第1の重合反応混合物が光開始剤を含み、それによって、前記光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と、
    前記ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、前記重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した残留量の光開始剤が、前記ケイ素含有ポリマーの中に存在する工程と、
    前記第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化して、ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質ポリマーを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した10ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した50ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した100ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した500ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した1000ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した5,000ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した10,000ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した25,000ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、前記ケイ素含有ポリマーが、前記第1の反応混合物の中で前記ケイ素含有ポリマーの形成を開始した50,000ppm超の光開始剤を含有する、請求項6に記載の方法。
  • ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、
    第1の重合反応混合物の中にケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、前記第1の重合反応混合物が2種以上の独自の光開始剤を含み、それによって、第1の光開始剤がケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と、
    前記ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、前記重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、前記ケイ素含有ポリマーが前記第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、第2の光開始剤が前記ケイ素含有ポリマーの中に存在する工程と、
    前記第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化して、前記ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質ポリマーを形成する工程とを含むことを特徴とする、方法。
  • 前記第1および第2の開始剤が、異なる波長で開始されることが可能である、請求項16に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも1質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも5質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも10質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも15質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも20質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも25質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記ケイ素含有ポリマーが少なくとも30質量%のケイ素を含有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、カルボキシアンモニウムポリマーまたはスルホアンモニウムポリマーを含む、請求項1から24までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、カルボキシアンモニウムポリマーを含む、請求項1から25までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、スルホアンモニウムポリマーを含む、請求項1から26までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、両性イオンポリマーを含む、請求項1から27までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、カルボキシベタインポリマーを含む、請求項1から28までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマーが、スルホベタインポリマーを含む、請求項1から29までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、鎖成長付加ポリマーである、請求項1から30までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、ポリオレフィンである、請求項1から31までのいずれかに記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、式1に対応する繰り返し単位を含む、請求項1から32までのいずれかに記載の方法。
    (式中、
    およびX は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ、または置換カルボニルであるが、ただし、X およびX は、それぞれ、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換カルボニルからなる群から選択されないものとし、
    は水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    は−OX 40 、−NX 4142 、−N 414243 、−SX 40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり、
    40は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり、
    41 、X 42およびX 43は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである。 )
  • およびX が水素である、請求項33に記載の方法。
  • が水素またはアルキルである、請求項33または34に記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、式2に対応する少なくとも1つの繰り返し単位を含む、請求項1から35までのいずれかに記載の方法。
    (式中、
    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    は、オキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、またはカチオン性部分を含むペンダント基である。 )
  • が水素またはアルキルである、請求項36に記載の方法。
  • が、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分を含むペンダント基である、請求項37に記載の方法。
  • 前記式2の繰り返し単位が、式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、またはZI−7に対応する両性イオン部分を含む両性イオン繰り返し単位である、請求項36に記載の方法。
  • 前記式2の繰り返し単位が、カチオン性繰り返し単位である、請求項36に記載の方法。
  • 前記式2の繰り返し単位が、アニオン性繰り返し単位である、請求項36に記載の方法。
  • が水素またはメチルであり、X が、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分または式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、Zl−6B、もしくはZI−7に対応する両性イオン部分を含むペンダント基である、請求項36に記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、式3に対応する繰り返し単位を含む、請求項1から42までのいずれかに記載の方法。
    (式中、X 44はオキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、またはカチオン性部分を含む。)
  • 44が−OX 45 、−NHX 45 、または−SX 45であり、X 45が、オキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、もしくはカチオン性部分を含む、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロ部分である、請求項43に記載の方法。
  • が水素またはアルキルである、請求項43に記載の方法。
  • 44が−OX 45 、または−NX 4546であり、X 45が、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分または式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、もしくはZI−7に対応する両性イオン部分を含み、X 46が水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである、請求項43に記載の方法。
  • 前記式3に対応する繰り返し単位が、カチオン性繰り返し単位および/またはアニオン性繰り返し単位を含む、請求項43に記載の方法。
  • が水素またはメチルであり、X 44が、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分または式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、もしくはZI−7に対応する両性イオン部分を含む、請求項43に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X 44が、−O(CH (CH (CH SO 、−O(CH (CH (CH CO 、−NH(CH (CH (CH CO 、または−NH(CH (CH (CH SO であり、nが1〜8である、請求項43に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X 44が−NH(CH N(CH CH (CH SO 、NH(CH N(CH CH (CH CO 、−NH(CH [(CH CH (CH SO 、−NH(CH )N [(CH CH (CH CO 、−NH(CH Nシクロ−(CH CO 、または−NH(CH Nシクロ−(CH SO であり、Nシクロ−がヘテロ環式構造であるか、または少なくとも1個の窒素原子を含有するヘテロ環式誘導体であり、mが1〜8であり、nが0〜5であり、pが1〜8である、請求項43に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X 44が、−O(CH N(CH CH (CH SO 、−O(CH N(CH CH (CH CO 、−O(CH [(CH CH (CH SO 、−O(CH )N [(CH CH (CH CO 、−O(CH Nシクロ−(CH CO 、または−O(CH Nシクロ−(CH SO であり Nシクロ−がヘテロ環式構造であるか、または少なくとも1個の窒素原子を含有するヘテロ環式誘導体であり、mが1〜8であり、nが0〜5であり、pが1〜8である、請求項43に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X 44が−O(CH (CH (CH SO 、−O(CH (CH (CH CO 、−NH(CH (CH (CH SO 、−NH(CH (CH (CH CO 、−NH(CH (CH (CH SO 、−NH(CH (CH (CH CO 、−O(CH (CH CH (CH SO 、−O(CH (CH CH (CH CO 、−O(CH (CH CH CH CH (CH SO 、−O(CH (CH CH CH CH (CH CO または−NH(CH Nシクロ−(CH SO であり、Nシクロ−はヘテロ環式構造であるか、または少なくとも1個の窒素原子を含有するヘテロ環式誘導体である、請求項43に記載の方法。
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、式4に対応する繰り返し単位を含む、請求項1から52までのいずれかに記載の方法。
    (式中、
    aは0〜1であり、
    bは0〜1であり、
    cは0〜1であり、
    dは0〜1であり、
    mは1〜20であり、
    nおよびoは、独立して、0〜11であり、
    pおよびqは、独立して、0〜11であり、
    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    は、−OX 40 ,−NX 4142 、−SX 40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり、
    40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり、X 41およびX 42は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、
    49は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるが、
    ただし、a、b、cおよびdの合計が0を超え、繰り返し単位DのX が、繰り返し単位A、BおよびCの対応するペンダント基と異なるものとする。 )
  • 前記表面改質ポリマー、カルボキシアンモニウムポリマー、スルホアンモニウムポリマー、両性イオンポリマー、カルボキシベタインポリマーまたはスルホベタインポリマーが、式5、式6、式7、式8、または式9に対応する繰り返し単位を含む、請求項1から53までのいずれかに記載の方法。
    (式中、
    HETはヘテロ環式構造の一部であり、
    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    は、−OX 40 ,−NX 4142 、−SX 40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり、
    は、エステル、無水物、イミド、アミド、エーテル、チオエーテル、チオエステル、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、ウレタン、またはウレアであり、
    はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、
    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    はアニオン性部分であり、
    は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、
    10は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    11はカチオン性部分であり、
    12はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、
    13は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
    14はアニオン性部分であり、
    およびL は、独立して、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、
    40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり、
    41およびX 42は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである。 )
  • 請求項1から54までのいずれかに記載の方法により形成される製品。
  • コンタクトレンズである、請求項55に記載の製品。
  • 说明书全文

    本発明は、湿潤可能な、生体適合性の表面を有する、特にコンタクトレンズなどの医療用デバイスおよびこのようなデバイスを生産する方法に一般的に関する。

    シロキサンは、コンタクトレンズの酸素透過性を改善するためにこれらに一般的に含まれている。 しかし、シロキサンの包含は、レンズの湿潤性または親性に有害な影響を及ぼす可能性がある。 この問題に打ち勝つための一つの適切な手法は、好ましくは生体適合性材料を用いて、コンタクトレンズの表面をコーティングまたは改質することである。
    親水性のコンタクトレンズ配合物の酸素透過性は、例えば、様々なケイ素含有およびフッ素含有疎水性モノマーを加えることによって改善することができる。 しかし、このような改質は、レンズの湿潤性および生体適合性を犠牲にして成し遂げられる;例えば、高レベルのケイ素または他の疎水性の強いモノマーの包含により高い気体透過性を示す材料は、多くの場合湿潤特性の減少を示す。 これは、眼の上でのレンズの移動の悪さから、脂質、タンパク質、および/または生体分子のレンズ表面への接着による付着物の増加、ならびにレンズの眼への付着に至るまで、様々な問題につながり得る。 これらおよび他の問題点は、レンズ表面の湿潤性をかなり高くする表面改質を提供することにより是正することができる。
    コンタクトレンズの親水性を改善するための様々な技法が開示されており、これらの多くは、プラズマ処理工程を含む。 これらの技法は、極めて変動的であり、高価であり、不便である可能性があるので、別々のプラズマユニット作業を必要としない表面改質プロセスを有することが望ましい。

    一般的に、材料の様々な表面特性、例えば、生体活性、化学反応性、気体透過性、および湿潤性などは、ポリマーの表面改質により改善することができる。 表面改質により強化または改善することができる他の望ましい特徴として、接着性、生体適合性、液体抵抗性または汚染抵抗性、潤滑性能、タンパク質抵抗性、反射防止挙動、生体分子の選択性結合、および耐摩耗性が挙げられる。 ポリマーの表面改質の一部の方法は公知であるが、改善された表面改質およびこれを調製するための方法を提供することは有用である。

    本発明の開示の様々な態様には、ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法の提供が含まれる。
    したがって、簡単に説明すると、本発明の開示は、ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、第1の重合反応混合物中にボディーを有するケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、第1の重合反応混合物が、光開始剤を含み、よって光開始剤がケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と;ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、ケイ素含有ポリマーボディーが第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、ケイ素含有ポリマーボディーを形成する反応を開始させた光開始剤の25%以下がケイ素含有ポリマーから除去される工程と;第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化することによって、ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質を形成する工程とを含む方法を対象とする。
    開示の別の態様は、ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、第1の重合反応混合物中にボディーを有するケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、第1の重合反応混合物が光開始剤を含み、よって、光開始剤がケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と;ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、ケイ素含有ポリマーボディーが第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる前に、いかなる追加の光開始剤もケイ素含有ポリマーに加えられない工程と;第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化することによって、ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質を形成する工程とを含む方法を対象とする。

    開示のさらに別の態様は、ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、第1の重合反応混合物中にボディーを有するケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、第1の重合反応混合物が光開始剤を含み、よって、光開始剤がケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と;ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、ケイ素含有ポリマーボディーが第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、ケイ素含有ポリマーボディーを形成する反応を開始させたボディー1つ当たり残留量の光開始剤が、ケイ素含有ポリマー中に存在する工程と;第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化することによって、ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質を形成する工程とを含む方法を対象とする。

    本開示のさらに別の態様は、ケイ素含有ポリマーの表面を改質するための方法であって、第1の重合反応混合物中にボディーを有するケイ素含有ポリマーを形成する工程であって、第1の重合反応混合物が2種以上の独自の光開始剤を含み、よって、第1の光開始剤がケイ素含有ポリマーの重合および/または架橋を開始する工程と;ケイ素含有ポリマー、重合モノマー、遊離ラジカル開始剤系および溶媒系を含む第2の重合反応混合物を形成する工程であって、重合モノマーが両性イオンモノマーを含み、ケイ素含有ポリマーボディーが第2の重合反応混合物の溶媒系と組み合わさる時点で、第2の光開始剤がケイ素含有ポリマー中に存在する工程と;第2の重合反応混合物中のモノマーを重合化することによって、ケイ素含有ポリマーの表面上に表面改質を形成する工程とを含む方法を対象とする。
    本開示のさらに別の態様は、本明細書中に記載されている方法により形成された製品を対象とする。 一実施形態では、本製品はコンタクトレンズである。
    他の目的および特徴は、本明細書中のこれより以下で、部分的に明らかになり、部分的に指摘されることになる。

    エオシンで着色し、EDSで分析することによって、例9に記載されている表面改質を含有する領域に対する境界を示す、様々なコンタクトレンズを描写する画像である。

    例9に記載されている表面改質を有するコンタクトレンズの表面からの深さの関数としての、Si(ケイ素)およびS(硫黄)のプロットである。

    例22に記載されている表面改質を有するコンタクトレンズの表面からの深さの関数としての、ケイ素(Si)および硫黄(S)の濃度を示すプロットである。

    例22に記載されている表面改質を有するコンタクトレンズの表面からの深さの関数としての、第四級窒素(N1)の濃度を示すプロットである。

    (略語および定義)
    以下の定義および方法は、本発明の開示をより良く定義し、本発明の開示の主題の実施において当業者を導くために提供される。 特に明示されていない限り、用語は当業者により従来の用法に従い理解されるものとする。
    本発明または好ましいその実施形態(複数可)の要素を導入する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said(前記)」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味することを意図する。 「含む」「含めた」および「有する」という用語は、包括的であることを意図し、列挙した要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。

    脂肪族:他に指摘されていない限り、「脂肪族」または「脂肪族基」は、置換されていてもよい、非芳香族炭化水素部分を意味する。 この部分は、例えば、直線状、分岐状、もしくは環状(例えば、単環式または多環式、例えば、縮合した、架橋した、またはスピロ縮合した多環式)、またはこれらの組合せであってよい。 特に明記されていない限り、脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含有する。
    アルキル:他に指摘されていない限り、本明細書中に記載されているアルキル基は、主鎖内に1〜8個の炭素原子、および20個までの炭素原子を含有する低級アルキルが好ましい。 これらは、直鎖状、分岐状または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどを含む。

    アミノ:他に指摘されていない限り、「アミノ」という用語は、本明細書で単独でまたは別の基の一部として使用される場合、−NR 部分(式中、R およびR は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)を意味する。
    アンモニウム:他に指摘されていない限り、「アンモニウム」という用語は、本明細書で単独でまたは別の基の一部として使用される場合、−N 部分(式中、R 、R およびR は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)を意味する。
    アミド(Amide)またはアミド(Amido):他に指摘されていない限り、「アミド(amide)」または「アミド(amido)」部分は、式−CONR の基(式中、R およびR は、「アミノ」という用語に関連して定義された通りである)を表す。 「置換アミド」は、例えば、式−CONR の基(式中、R およびR のうちの少なくとも1つは水素以外である)を指す。 「非置換アミド」は、例えば、式−CONR (式中、R およびR はそれぞれ水素である)の基を指す。

    アニオン性モノマー、アニオン性モノマー単位またはアニオン性繰り返し単位:他に指摘されていない限り、「アニオン性モノマー」、「アニオン性モノマー単位」または「アニオン性繰り返し単位」は、アニオンまたは他のアニオン性の種、例えば、負に荷電した状態、または非荷電の状態で存在するが、非荷電の状態では、例えば、求電子試薬(例えば、pH依存方式により、例えば、プロトン(H+))もしくは保護基(例えば、カルボン酸エステル)の除去、または求核試薬の添加により負荷電になることが可能である基を保持するモノマーまたはモノマー単位である。 特定の場合、基は、ほぼ生理学的pHで実質的に負に荷電しているが、プロトン付加が生じ、弱酸性のpHで実質的に中性になる。 このような基の非限定的例として、カルボキシル基、バルビツール酸およびその誘導体、キサンチンおよびその誘導体、ボロン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、ホスフェートおよびスルホンアミドが挙げられる。
    アニオン性の種またはアニオン性部分:他に指摘されていない限り、「アニオン性の種」または「アニオン性部分」は、負に荷電した状態、または非荷電の状態で存在するが、非荷電の状態では、例えば、求電子試薬(例えば、pH依存方式により、例えば、プロトン(H+))もしくは他の保護基(例えば、カルボン酸エステル)の除去、または求核試薬の添加により負荷電になることが可能である基、残基または分子である。 特定の場合、基、残基または分子は、ほぼ生理学的なpHで実質的に負に荷電しているが、プロトン付加が生じ、弱酸性のpHで実質的に中性になる。

    抗菌性:他に指摘されていない限り、「抗菌性」とは、細菌、酵母真菌、マイコプラズマ、ウイルスまたはウイルス感染細胞、および/または原虫を含めた生物を死滅させる(すなわち、殺菌性)、成長を阻害する(すなわち、静微生物性)、および/またはこれらによる付着を予防する分子および/または組成物を指す。 細菌に関する抗菌活性は、例えば、標準アッセイを使用して定量化してもよい。 1つのこのようなアッセイにおいて、試料は、120RPMで、37℃で18〜20時間50%ウシ胎児血清と共に予備インキュベートしてもよい。 予備インキュベーションに続いて、試料を黄色ブドウ球菌(S.aureus、ATCC25923)の中に入れる。 この黄色ブドウ球菌は、一晩の培養から、1×PBSまたは他の適切な培地中で希釈した1%トリプトンダイズ培養液(TSB)中で1〜3×10 CFU/mLの浮遊濃度に希釈したものである。 試料は、37℃で撹拌(120rpm)しながら、24〜26時間細菌と共にインキュベートする。 TSBまたは他の培地の濃度は、使用する生物により変えることができる。 インキュベーション後、試料を、3mLのPBS中に、240RPMで、37℃で5分間配置し、材料にしっかりと付着していない細菌を除去する。 次いで、PBSの新しい溶液中での超音波処理により材料上に蓄積した細菌を取り去り、希釈プレーティングを介して細菌性細胞の総数を定量化する。 好ましくは、基準基材(ノンファウリングポリマー層のない同じ基材、またはさもなければ機能的に同等の基材)上への定着と比べて、細菌数において少なくとも1、2、3または4ログの減少が生じる。 基準基材よりもその表面上に細菌数が少ないものは、微生物の定着を減少させると言うことができる。

    アリール:他に指摘されていない限り、「アリール」または「アリール基」という用語は、全部で5〜14の環員を有する、置換されていてもよい、単環式、二環式、および三環式の環系を指し、この系内で少なくとも1つの環は芳香族であり、この系内で各環は、3〜7の環員を含有する。 「アリール」または「ar」という用語は、本明細書で単独でまたは別の基の一部として使用される場合、環の部分に6〜12個の炭素を含有する、置換されていてもよい単素環芳香族基、好ましくは単環式または二環式の基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルなどを意味する。 フェニルおよび置換フェニルは、さらに好ましいアリールである。

    付いている:他に指摘されていない限り、2つの部分または化合物は、任意の相互作用、例として、1つもしくは複数の共有結合、1つもしくは複数の非共有結合の相互作用、(例えば、水素結合、イオン結合、静的、ファンデルワールス相互作用、これらの組合せなど)、またはこれらの組合せを含めた相互作用によりこれらがまとめられている場合、「付いている」。

    生体適合性:他に指摘されていない限り、「生体適合性」とは、特定の状況において、適当な宿主応答で機能する材料の能力である。 これは、国際規格ISO10993を使用して評価することができる。 本明細書中に記載されている生体適合性の組成物は、好ましくは実質的に無毒性である。

    ブロックコポリマー:他に指摘されていない限り、「ブロックコポリマー」は、共有結合で連結している2つ以上のホモポリマーまたはコポリマーサブユニットを含む。 2つまたは3つの明確なブロックを有するブロックコポリマーは、それぞれジブロックコポリマーおよびトリブロックコポリマーと呼ばれている。 ジブロックコポリマーの一般的概略図は、式[A . . . ] −[X . . . ] (式中、各文字は、構成単位またはモノマー単位を表し、構成単位の各下付き文字は、特定のブロックの中のその単位のモル比率を表し、3つのドットは、各ブロック内にさらに多くの構成単位が存在し得る(同様に、さらに少ない構成単位も存在し得る)ことを示し、mおよびnは、ジブロックコポリマー内の各ブロックの分子量を示す)で表される。 概略図により示唆されるように、ある場合には、各構成単位の数および性質は、各ブロックに対して別々に制御される。 この概略図は、どんなものであれ、ブロックのうちのそれぞれにおける構成単位の数、または異なるタイプの構成単位の数のいずれの関係も暗示することを意味するものではなく、そのように解釈されるべきではない。 また、概略図は、ある特定のブロック内の構成単位の任意の特定の数または配置について記載することも意図しない。 他に明示的に述べられていない限り、各ブロックにおいて、構成単位は、純粋にランダム、交互にランダム、規則的に交互、規則的ブロックまたはランダムブロック構成で配置されていてもよい。 純粋にランダムな構成は、例えば、非限定的な形態:X−X−Y−Z−X−Y−Y−Z−Y−Z−Z−Z. . . を有してもよい。 非限定的な、例示的交互のランダム構成は、非限定的な形態:X−Y−X−Z−Y−X−Y−Z−Y−X−Z. . . を有してもよく、例示的な規則的交互の構成は、非限定的な形態:X−Y−Z−X−Y−Z−X−Y−Z. . . を有してもよい。 例示的な規則的ブロック構成は、以下の非限定的な構成を有してもよい:. . . X−X−X−Y−Y−Y−Z−Z−Z−X−X−X. . . 、その一方で、例示的ランダムブロック構成は、非限定的な構成:. . . X−X−X−Z−Z−X−X−Y−Y−Y−Y−Z−Z−Z−X−X−Z−Z−Z−. . . を有してもよい。 グラジエントポリマーでは、1つまたは複数のモノマー単位の含有量は、ポリマーのα末端からω末端まで勾配方式で増減する。 先行する一般的例のうちのいずれにおいても、個々の構成単位もしくはブロックの特定の並置、またはブロック内の構成単位の数、またはブロックの数は、いかなる方法によっても、本明細書中に記載されているミセルを形成するブロックコポリマーの実際の構造に影響する、またはこれを限定することを意図するものでも、そのように解釈されるべきでもない。 本明細書で使用される場合、構成単位を取り囲む括弧は、構成単位それ自体がブロックを形成することを意味することを意図するものでも、そのように解釈されるものでもない。 すなわち、括弧内の構成単位は、いかなる方法によっても、ブロック、すなわち、純粋にランダム、交互のランダム、規則的な交互、規則的なブロックまたはランダムなブロック構成内の他の構成単位と組み合わせることができる。 本明細書中に記載されているブロックコポリマーは、交互コポリマー、グラジエントコポリマーまたはランダムなブロックコポリマーであってもよい。 一部の実施形態では、ブロックコポリマーは、デンドリマー、星またはグラフトコポリマーである。

    分岐:他に指摘されていない限り、「分岐」は、ポリマー鎖が2つ以上のポリマー鎖へと分割しているポリマー構造を指す。

    ブラシ/ポリマーブラシ:他に指摘されていない限り、「ブラシ」または「ポリマーブラシ」は、本明細書中で同義語として使用され、グラフトフロム法を使用して、一般的に、単一結合点を介して表面に結合しているポリマー鎖を指す。 ポリマーは、末端グラフト(末端基を介して付いている)していることができるか、または側鎖もしくは末端の位置以外のポリマー鎖内の位置を介して付いていることができる。 ポリマーは直鎖状または分岐状であることができる。 例えば、本明細書中に記載されているポリマー鎖は、両性イオン基を含有する複数の側鎖を含有することができる。 側鎖は、単一のノンファウリング部分またはモノマーおよび/またはノンファウリングオリゴマー(例えば、2〜10のモノマー残基)またはポリマー(例えば、>10のモノマー残基)からなることができる。

    カルボキシアンモニウム:他に指摘されていない限り,「カルボキシアンモニウム」部分は、カルボキシレートおよびアンモニウム官能基を含む両性イオン部分であり、例えば、カルボキシアンモニウムモノマー、カルボキシアンモニウムオリゴマー、カルボキシアンモニウムポリマー、カルボキシアンモニウム繰り返し単位、および他のカルボキシアンモニウム含有材料を含む。 カルボキシベタインモノマー、オリゴマー、ポリマー、繰り返し単位および他のカルボキシベタイン材料は、例示的カルボキシアンモニウム部分である。

    カチオン性モノマー、カチオン性モノマー単位またはカチオン性繰り返し単位:他に指摘されていない限り、「カチオン性モノマー」、「カチオン性モノマー単位」または「カチオン性繰り返し単位」は、カチオンまたは他のカチオン性の種、例えば、求電子試薬(例えばpH依存方式により、例えば、プロトン(H+)またはアルキルカチオン)の添加、または保護基もしくは求核試薬の除去により、正電荷を有することが可能な部分を保持するモノマーまたはモノマー単位または繰り返し単位(「モノマー単位」および「繰り返し単位」という用語は、交換可能なように使用される)である。

    カチオン性の種またはカチオン性部分:他に指摘されていない限り、「カチオン性の種」または「カチオン性部分」は、正に荷電した状態、または非荷電の状態で存在するが、非荷電の状態では、例えば、求電子試薬(例えばpH依存方式により、例えば、プロトン(H+))の添加、または保護基もしくは求核試薬の除去により正荷電になることが可能である基、残基または分子である。 特定の場合、基、残基または分子は、永久に荷電し、例えば、第四級の窒素原子を含む。

    透明度:他に指摘されていない限り、「透明度」とは、UV−vis器械技術により、および/または拡大オプチカルコンパレーターツールを使用して、熟練したオペレーターによる目視検査で測定される、光が材料を通り抜ける能力を指す。 バルク材料の不透明さ(光の透過を妨げる)、または表面の凹凸(光を散乱させる)のいずれかは、材料の全体的な透明度に影響し得る。 例えば、拡大オプチカルコンパレーターツールを使用して、以下の通り、材料を透明度スコア1〜5に振り分けることができる:1=>90%(検査した表面積のうち)が不透明である;2=>50%(検査した表面積のうち)が不透明である;3=>90%(検査した表面積のうち)が透明性あり、いくらか表面に凹凸がある;4=>99%(検査した表面積のうち)が透明性あり、わずかに表面の凹凸が観察された;5=100%透明性があり、表面の凹凸が観察されない。
    コーティング:他に指摘されていない限り、「コーティング」は、表面を処理するまたはカバーしている、任意の一時的、半永久的もしくは永久的な層(複数可)を指す。 コーティングは、基礎をなす基材の化学的修飾であっても、または基材の表面への新規材料の添加に関連してもよい。 コーティングは、基材の厚さの任意の増加または基材の表面化学組成の変更を含む。

    接触角:他に指摘されていない限り、接触角は、液体により固体が濡れることの定量的測定である。 接触角は、液体、気体および固体が交差する3相境界において、液体により形成される角度として幾何的に定義される。 3相(液相/固相/気相)の境界が動いている状態にある場合、生成される角度は、動的接触角と呼ばれ、「前進」および「後退」角と呼ばれる。 動的接触角は、様々な率の速度でアッセイすることができる。 前進角は、液相が膨張する際に測定される。 後退角は、液相が収縮する際に測定される。 気泡を使用した水中測定については、前進角は、気泡が収縮した際に生じ、後退角は気泡が膨張した際に測定される。 他に指摘されていない限り、「前進接触角」は、本明細書で使用される場合、試験されている表面に接触している水中(または適当な緩衝液またはシミュレートした涙の溶液)の気泡を、気泡の底の長さはもはや低減しないが、気泡の形状が変形し始める点まで1ul/秒で収縮した後に測定された最初の角度を指すことになる。 他に指摘されていない限り、「後退接触角」は、本明細書で使用される場合、試験されている表面と3秒間平衡化した水中気泡を1ul/秒で拡大し、底の長さの増加が観察された時点で測定された最初の角度を指すことになる。 底の長さは気泡が拡大するにつれて、空気/固体/液体の界面角度を大幅に変更させることなく変化することになる。

    コンタクトレンズ:他に指摘されていない限り、「コンタクトレンズ」または「レンズ」は、着用者の眼の上または中に配置できる構造体を指す。 コンタクトレンズは、ユーザーの視力を補正、改善、または変化させることができるが、このようなケースである必要はない。 例えば、コンタクトレンズは、追加的または代替的に、光学補正、外傷の看護、ドラッグデリバリー、診断用機能性、美容的変化もしくは強化、またはこれらの組合せを提供することができる。 レンズまたはコンタクトレンズは、当技術分野で公知のまたは後から開発された任意の適当な材料であってよく、ソフトレンズ(例えば、ソフトなハイドロゲルレンズ、ソフトな非ハイドロゲルレンズなど)、ハードンズ(例えば、ハードの、気体透過性のレンズ材料など)、ハイブリッドレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼への挿入物、光学的挿入物などであってよい。 当業者であれば理解されているように、レンズは、破損せずに、それ自体折り畳むことができた場合、「ソフト」であるとみなされる。 眼科的デバイスを含めた、生物医学的デバイスを生産することが知られているいかなる材料も本明細書中で使用することができる。 「シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ」は、シリコーンハイドロゲル材料(シリコーン、シリコーン誘導体、例えば、フルオロシリコーンおよびこれらのコポリマーなどを含めたもの)を含むコンタクトレンズを指す。

    コポリマー:他に指摘されていない限り、「コポリマー」は、2、3種以上のモノマー性の種から誘導されるポリマーを指し、交互コポリマー、周期コポリマー、ランダムコポリマー、統計コポリマーおよびブロックコポリマーを含む。

    分解生成物:他に指摘されていない限り、「分解生成物」は、加水分解性プロセス、酸化的プロセス、酵素プロセス、または他の化学的プロセスの結果形成される原子、ラジカル、カチオン、アニオン、または水以外の分子である。

    乾燥状態での厚さ(Dry Thickness):他に指摘されていない限り、「乾燥状態での厚さ」は、ポリマー層に関連して本明細書で使用される場合、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用したポリマー層の厚さを意味するものとする。 乾燥状態での厚さを測定するために、試料は一晩脱水し、次いで液体窒素中に漬け、次いで超ミクロトームブレードで割ることによって、画像化用に凍結破断する。 凍結破断は、基材に垂直なポリマー層の厚さを測定するために、ポリマー改質された表面に対してほぼ直角の平面で製品を破壊するべきである。 試料は、スパッタコーターを使用して金の中で90秒間スパッタコーティングし、次いで電界放射型走査電子顕微鏡(FESEM)下でSE2検出器を使用して、高真空下、5kVで撮像する。 例示的ミクロトームブレードとして、Leica Ultracut UCT Ultramicrotomeが挙げられ、例示的スパッタコーターとして、Cressington 208HRが挙げられ、例示的SEMとして、Supra55VP FESEM、Zeissが挙げられる。 乾燥状態での厚さは、例えば、ATR−FTIRの使用を介してグラフトしたポリマー内で化学信号の強度を分析することにより概算することができる。

    フィブリノゲン吸着アッセイ:他に指摘されていない限り、「フィブリノゲン吸着アッセイ」とは、フィブリノゲンに対する表面の能力を査定するために使用されるアッセイである。 アッセイでは、試験試料を適切なサイズの容器内に入れるが、この容器は、96−ウェルマニホールド、微小遠心管、または他の容器であってよい。 以下の中の容積は、深型96−ウェルプレートに対して適当であるが、試験されるデバイスを適切にカバーするように拡大縮小してもよい。 試料は、オートクレーブ内で滅菌し、試験グループは、1回の作業当たりのnを3〜4として作業する。 試料容器は、1×PBS中20mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)で4℃で1時間遮断し、続いて1×PBSで3回すすいでから試料を加える。 試料は、70μg/mLの未標識ヒトフィブリノゲン、1.4μg/mLの1〜125放射標識されたヒトフィブリノゲン、35〜55μg/mLの水中BSA、任意選択でクエン酸三ナトリウム、および任意選択で塩化ナトリウムを含有してもよい溶液に曝露する。 BSAは、放射標識されたフィブリノゲンと共に凍結乾燥させる一般的な薬剤である。 任意選択で、BSAおよび放射標識されたフィブリノゲンは、クエン酸三ナトリウムおよび塩化ナトリウムを含有する凍結乾燥された形態から溶解させることができる。 試料は、オービタルシェーカー上、150RPMで、37℃で1時間インキュベートする。 次いで、試験溶液を取り出し、10mM Nalで1分間のすすぎを4回、および1×PBSと共に1分間のすすぎを1回実施する。 試料をガンマカウンターに載せる。 カウンターは、各試料に対して毎分1〜125カウントで放射能を測定し、このデータを使用して、ノンファウリングポリマー層試料と基準基材(ノンファウリングポリマー層のない同じ基材、またはさもなければ、機能的に同等の基材)とを対比させて絶対的フィブリノゲン吸着または減少のパーセントを計算する。 減少パーセントは、以下と等しい:(1−ノンファウリング試料CPM/基準基材の平均CPM) 100%。

    乾燥状態での全体的な平均厚さ:他に指摘されていない限り、「乾燥状態での全体的な平均厚さ」とは、ポリマー層に関連して本明細書で使用される場合、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つの代表的な位置の、乾燥状態での局所的な平均厚さを平均化することにより計算した平均値を意味するものとする。 ポリマー層で覆われた製品の部分の一番長い寸法の全域で代表的な点の厚さを測定することが好ましい。 乾燥状態での全体的な平均厚さの標準偏差は、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の代表的な位置の全域で、乾燥状態での局所的な平均厚さの標準偏差を計算することにより見出される。

    加湿状態での全体的な平均厚さ:他に指摘されていない限り、「加湿状態での全体的な平均厚さ」とは、ポリマー層に関連して本明細書で使用される場合、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つの代表的な位置の、加湿状態での局所的な平均厚さを平均化することにより計算した平均値を意味するものとする。 ポリマー層で覆われた製品の部分の一番長い寸法の全域で代表的な点の厚さを測定することが好ましい。 加湿状態での全体的な平均厚さの標準偏差は、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の代表的な位置の全域で、加湿状態での局所的な平均厚さの標準偏差を計算することにより見出される。

    全体的な平均R rms表面粗さ:他に指摘されていない限り、「全体的な平均R rms表面粗さ」は、ポリマー層に関連して本明細書で使用される場合、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の代表的な位置のR rms表面粗さを平均化することにより計算した平均値を意味するものとする。 ポリマー層で覆われた製品の部分の一番長い寸法の全域で代表的な点の厚さを測定することが好ましい。 全体的な平均R rms表面粗さの標準偏差は、ポリマー層を保持する製品の部分の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の代表的な位置の全域で局所的な平均R rm s表面粗さの標準偏差を計算することによって見出される。
    グラフト:他に指摘されていない限り、「グラフト」という用語は、ポリマーに関連して本明細書で使用される場合、「グラフトフロム」、「グラフトスルー」、または「グラフトトゥ」法、またはこれらの組合せによって材料の表面をポリマーで改質して、グラフトポリマーを形成することを意味する。

    グラフトフロム法:他に指摘されていない限り、「グラフトフロム」という用語は、ポリマーを用いた材料の改質のための方法に関連して本明細書で使用される場合、材料の表面での、または材料内でのポリマーのインサイツの重合および成長を意味するものとする。
    グラフトフロムポリマー:他に指摘されていない限り、「グラフトフロムポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、グラフトフロム法から形成されるポリマーを意味するものとする。
    グラフトスルー方法:他に指摘されていない限り、「グラフトスルー」という用語は、ポリマーを用いた材料の改質のための方法に関連して本明細書で使用される場合、材料表面から現れる官能基を介して重合し得る材料の付近でのモノマーのインサイツの重合を意味するものとする。 例えば、材料は、重合が生じる表面から現れるビニル基を有し得る。

    グラフトスルーポリマー:他に指摘されていない限り、「グラフトスルーポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、グラフトスルー法により形成されるポリマーを意味するものとする。
    グラフトトゥ法:他に指摘されていない限り、「グラフトトゥ」という用語は、ポリマーを用いた材料の改質のための方法に関連して本明細書で使用される場合、予め合成したポリマーを用いた材料の表面の改質を意味するものとする。
    グラフトトゥポリマー:他に指摘されていない限り、「グラフトトゥポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、グラフトトゥ法で形成されたグラフトポリマーを意味するものとする。

    ヘテロアリール:他に指摘されていない限り、「ヘテロアリール」という用語は、環員の少なくとも1つ、好ましくは各環内の5または6個の原子がヘテロ原子である、アリール基を意味する。 ヘテロ芳香族基は、好ましくは環内に1または2個の酸素原子、1または2個の硫黄原子、および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りに結合することができる。 例示的ヘテロ芳香族として、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルなどが挙げられる。 例示的置換基として、以下の基のうちの1つまたは複数が挙げられる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト(すなわち、=0)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
    ヘテロ原子:他に指摘されていない限り、「ヘテロ原子」という用語は、水素または炭素以外の原子、例えば、塩素、ヨウ素、臭素、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素、セレンまたはケイ素原子などを意味する。

    ヘテロシクロ:他に指摘されていない限り、「ヘテロシクロ」および「ヘテロ環式」という用語は、本明細書で単独でまたは別の基の一部として使用される場合、少なくとも1つの環内に少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは各環内に5または6個の原子を有する、置換されていてもよい、完全に飽和または不飽和の、単環式または二環式の、芳香族または非芳香族基を意味する。 ヘテロシクロ基は、好ましくは、環内に1または2個の酸素原子、1または2個の硫黄原子、および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素またはヘテロ原子を介して、分子の残りと結合していてもよい。 例示的ヘテロシクロとして、ヘテロ芳香族、例えば、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルなどが挙げられる。 例示的置換基として、以下の基のうちの1つまたは複数が挙げられる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。

    ヘテロヒドロカルビル:他に指摘されていない限り、「ヘテロヒドロカルビル」という用語は、鎖炭素原子のうちの少なくとも1個がヘテロ原子で置き換えられているヒドロカルビル基を意味する。
    加湿状態での厚さ:他に指摘されていない限り、「加湿状態での厚さ」は、ポリマー層に関連して本明細書で使用される場合、環境制御型走査型電子顕微鏡(ESEMおよび約26%の相対湿度)を使用したポリマー層の厚さを意味するものとする。 加湿状態での厚さを測定するため、試料は、液体窒素中に漬け、次いで超ミクロトームブレードで割ることによって画像化のために凍結破断する。 凍結破断は、基材に垂直なポリマー層の厚さを測定するために、ポリマー改質された表面に対して直角の平面で製品を破壊するべきである。 破断後、試料を少なくとも1時間水中に浸漬させ、次いで液体窒素に漬け、−8℃〜−12℃で低温ステージに固定する。 次いで、試料を、環境制御型走査型電子顕微鏡(E−SEM)を用いて走査型電子顕微鏡(SEM)下で、最も高い分析可能な湿度(約26%または81Pa)で、VPSE検出器を使用して撮像する。 例示的ミクロトームブレードとして、Leica Ultracut UCT Ultramicrotomeが挙げられ、例示的SEMとして、Supra55VP FESEM、Zeissが挙げられ、例示的E−SEMとして、Zeiss EVO 55が挙げられる。

    炭化水素またはヒドロカルビル:他に指摘されていない限り、「炭化水素」および「ヒドロカルビル」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素および水素の元素から独占的になる有機化合物またはラジカルについて記載している。 これらの部分として、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分が挙げられる。 これらの部分として、他の脂肪族または環式の炭化水素基で置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分、例えば、アルカリル、アルケンアリール(alkenaryl)およびアルキンアリール(alkynaryl)などもまた挙げられる。 他に指摘されていない限り、これらの部分は、好ましくは、1〜20個の炭素原子を含む。
    親水性:他に指摘されていない限り、「親水性」とは、水に対して親和性を有する、溶媒、分子、化合物、ポリマー、混合物、材料、または官能基を指す。 このような材料として通常、1種または複数の親水性官能基、例えば、ヒドロキシル、両性イオン、カルボキシ、アミノ、アミド、ホスフェート、スルホニル、水素結合形成、および/またはエーテル基などが挙げられる。

    親水性ポリマー:他に指摘されていない限り,「親水性ポリマー」とは、水に対して親和性を有するポリマー表面を指す。 水に対するポリマー表面の親和性を求める1つの方法は、接触角を測定することである。 本出願の目的のため、表面は、50度未満の前進接触角を有する場合、親水性であると定義されることになる。 超親水性ポリマーとは、30度未満の前進接触角を有するポリマー表面を指すことになる。
    疎水性:他に指摘されていない限り、「疎水性」は、水ではじかれる溶媒、分子、化合物、ポリマー、混合物、材料、または官能基を指す。 このような材料は通常、非極性官能基を含有する。
    疎水性ポリマー:他に指摘されていない限り、「疎水性ポリマー」とは、水をはじくポリマー表面を指す。 ポリマー表面が疎水性であるかどうか判定する1つの方法は、接触角を測定することである。 本出願の目的のため、ポリマー表面は、前進接触角が50度を超える場合疎水性であると定義されることになる。 超疎水性ポリマーは、前進接触角が80度を超えるポリマー表面を指すことになる。

    固定化/固定化した:他に指摘されていない限り、「固定化」または「固定化した」とは、基材に対して、直接または間接的に、共有結合的または非共有結合的に付いている材料または生理活性剤を指す。 「共に固定化すること」とは、2種以上の薬剤の固定化を指す。
    開始剤:他に指摘されていない限り、「開始剤」とは、比較的穏やかな条件下でラジカルまたは他の種を生成し、重合反応を促進することができる物質または物質の組合せを指す。 例えば、本明細書中で他に記載されているようなレドックス対は開始剤であってよい。

    乾燥状態での局所的な平均厚さ:他に指摘されていない限り、「乾燥状態での局所的な平均厚さ」とは、約80〜120マイクロメーターに及ぶ製品の断面の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つの代表的な位置の、乾燥状態での厚さの測定値を平均化することにより計算した乾燥状態での厚さを意味する。 乾燥状態での局所的な平均厚さの標準偏差は、約80〜120マイクロメーターに及ぶ製品の断面の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、より好ましくは少なくとも10の代表的な位置の全域での乾燥状態での厚さの標準偏差を計算することによって求める。

    加湿状態での局所的な平均厚さ:他に指摘されていない限り、「加湿状態での局所的な平均厚さ」とは、約80〜120マイクロメーターに及ぶ製品の断面の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つの代表的な位置の、加湿状態での厚さの測定値を平均化することにより計算した加湿状態での厚さを意味する。 加湿状態での局所的な平均厚さの標準偏差は、約80〜120マイクロメーターに及ぶ製品の断面の全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも5、好ましくは少なくとも10の代表的な位置の全域での加湿状態での厚さの標準偏差を計算することによって求めることができる。

    潤滑性能:他に指摘されていない限り、「潤滑性能」とは、摩擦を減少させるための表面改質の能力を指す。 例えば、極めて滑らかな表面は、約0.01〜約0.03の摩擦係数を有するものであるのに対して、あまり滑らかでない表面は、約0.35〜約0.6の摩擦係数を有するものである。 摩擦測定を実施する1つの方法は、Roba, et al. (Friction Measurements on contact Lenses in their Operating Environment, Tribol Lett (2011) 44:387-397)の方法に従い、超小型摩擦計(Basalt(登録商標)Must、Tetra(登録商標)、Germany)を利用する。 異なる範囲のバネ剛性(N/m)を有するカンチレバー(Tetra(登録商標)、Germany)が使用される:kn=23、kt=23、+/−10%およびkn=15、kt=15、+/−10%(knは、垂直力のバネ定数であり、ktは、接線力のバネ定数である)。 コンタクトレンズは、レンズの内部曲率半径をマッチングさせて、サンドブラストした丸いプラスチックホルダー(シクロオレフィンポリマー、Johnson & Johnson Vision Care inc.、USA)の上のTeflon(登録商標)チャンバー内に置き、キャストシリコーンゴムカバー(ポリビニルシロキサン、provil Novo、Germany)およびプラスチックリング(ポリ(メチルメタクリレート)、PMMA)でその位置に保持する。 シリコーンカバーおよびPMMAリングは、互いに180°となるように設置された2つのスクリューにより、Teflon(登録商標)チャンバーへねじ込む。 レンズの前面は、上方を向いている。 対抗する面は、機能化した直径5mmのガラスディスクからなる(カバーガラス、Thermo Scientific、Germany)。 6mmの長さのガラス棒を摩擦計カンチレバーの先端に接着する。 機能化したガラスディスクを、シアノアクリレートを有するガラス棒に接着し、摩擦計内に固定する。 コンタクトレンズをガラスディスクと接触させる。 滑沢剤として涙の模倣溶液およびムチン−コーティングしたシラン処理ガラスディスクを0、50および100サイクルで用いて、平坦なガラスディスクとソフトコンタクトレンズとの間の接触域および圧力を測定する。 未改質のレンズの測定された平均摩擦係数は約0.4であるのに対して、改質されたレンズの測定は約0.02である。

    マクロマー:他に指摘されていない限り、「マクロマー」とは、少なくとも1つの架橋性基を含有し、重合および/または架橋することによって、ポリマーを形成することができる中間分子量および高分子量化合物またはポリマーを指す。 中間分子量および高分子量は通常、700ダルトンを超える平均分子量を意味する。
    モノマー:他に指摘されていない限り、「モノマー」とは、重合することができる低分子量化合物を意味する。 低分子量とは通常、700ダルトン未満の平均分子量を意味する。

    非分解性:他に指摘されていない限り、「非分解性」とは、生物学的な環境内で、加水分解により、還元により、酵素によりまたは酸化により有意に反応して、より小さなまたは単純な成分へと切断されない材料組成物を指す。

    ノンファウリング組成物/ノンファウリング材料/ノンファウリングポリマー/ノンファウリングポリマー層:他に指摘されていない限り、本明細書中で交換可能なように使用される、「ノンファウリング組成物」または「ノンファウリング材料」または「ノンファウリングポリマー」または「ノンファウリングポリマー層」は、組成物が付いている製品の表面のタンパク質耐性を提供するまたは増加させる組成物である。 例えば、基材に付いた場合、基準基材(組成物のない同じ基材、またはさもなければ機能的に同等の基材)への接着量と比べて、このような組成物は、血液タンパク質、血漿、細胞、組織および/または病原菌を含めたタンパク質の基材への接着性に対して抵抗性を示すことができる。 好ましくは、基材表面は、ヒト血液の存在下で実質的にノンファウリングとなる。 好ましくは、接着の量は、基準基材に対して、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%以上、例えば、85%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%以上減少することになる。 ノンファウリング特性または表面のタンパク質耐性の1つの特に好ましい尺度は、本明細書中に記載されているフィブリノゲン吸着アッセイにおいて吸着されたフィブリノゲンの量である。 好ましくは、本明細書中に記載されているフィブリノゲン吸着アッセイを使用して吸着したフィブリノゲンの量は、<125ng/cm 、<90ng/cm 、<70ng/cm 、<50ng/cm 、<30ng/cm 、<20ng/cm 、<15ng/cm 、<12ng/cm 、<10ng/cm 、<8ng/cm 、<6ng/cm 、<4ng/cm 、<2ng/cm 、<1ng/cm 、<0.5ng/cm 、または<0.25ng/cm である。

    眼用デバイス:他に指摘されていない限り、眼用デバイスとは、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)、眼内レンズ、角膜アンレー、または眼の上もしくは周囲、または眼の近くで使用される他の眼用デバイス(例えば、ステント、緑内障シャントなど)を指す。
    酸素透過性:他に指摘されていない限り、「酸素透過性」とは、酸素が材料を通り抜ける率を指すことになる。 レンズ材料に固有の「酸素透過性」Dkは、レンズの厚さに依存しない。 酸素透過性は、バーラーという単位で慣例的に表現され、「バーラー」は、[(cm 酸素)(mm)/(cm )(秒)(mm Hg)]×10 −10として定義される。 これらは、当技術分野で一般的に使用されている単位である。 したがって、一貫性を保つために、単位「バーラー」は、上記に定義されたような意味を有することになる。 例えば、90バーラー(「酸素透過性バーラー」)のDkおよび90μm(0.090mm)の厚さを有するレンズは、100バーラー/mmのDk/t:[(90×10 −10 /0.09)=100×10 −9 ]を有する。 本開示に従い、材料またはコンタクトレンズに関連する高い酸素透過性は、電量測定方法に従い厚さ100μmの試料(膜またはレンズ)で測定した、少なくとも40バーラー以上という明らかな酸素透過性により特徴づけられる。 酸素透過性を判定する1つの特定の電量測定法は、ASTM F1927−07−電量測定検出器を使用し、バリア材料を介した、制御された相対湿度での、酸素ガス透過率、透過性およびパーミアンスを求めるための標準試験法である。

    酸素透過率:他に指摘されていない限り、コンタクトレンズの「酸素透過率」は、本明細書で使用される場合、酸素が特定の眼用レンズを通り抜ける率である。 酸素透過率、Dk/tは、バーラー/mm(式中、tは測定される領域にわたる材料[単位:mm]の平均厚さである)の単位で慣例的に表現され、「バーラー/mm」は以下のように定義される:
    [(cm 酸素)/(cm )(秒)(mm Hg)]×10 −9

    浸透深さ:他に指摘されていない限り、「浸透深さ」とは、表面改質ポリマーが、レンズ表面の下で、レンズの表面に対して垂直方向に広がる距離を指すことになる。 距離は、明確な化学信号または表面改質ポリマーに対して選択的な染色が与えられて、測定することができる。 距離は、コンタクトレンズのボディーに対して規準化することができる。 表面改質を含有する領域に対する境界は、改質に結合する色素(例えば、スルホベタインに対してエオシンまたはカルボキシベタインに対して四酸化オスミウム)で染色後、目視により検出されるか、またはEDSにより原子の%信号が少なくとも2×ベースラインである領域により検出される、ポリマー改質が基材に浸透する距離と定義することができる。 図1〜4を参照されたい。 代表的化学信号の査定として、以下が挙げられる:SEM−EDS、FTIR−顕微鏡、およびXPS。 浸透深さのプロファイルは、例えば、エオシン、アシッドモリブデート試薬、オレンジB、EDS、SEM染色、四酸化オスミウム、および疎水性染色を使用して求めることができる。 例えば、改質されたコンタクトレンズは、大気下で一晩脱水し、次いで5×5mmの正方形の小片に切断することができる。 次いで、試料をSEMで観察する。 断面の表面の元素の組成、特に硫黄およびケイ素を、EDSを使用してマッピングする。 代わりに、試料は、染色および分析前にパラフィンワックス内に埋め込むことができる。 パラフィンワックスを、60℃のオーブン(30分間〜1時間)内で、ガラス容器の中で溶融する。 試料を金属の金型の底面に置き、溶融したワックスを金型に注ぎ入れる。 冷却後、パラフィンワックス内に埋め込んだレンズを10μmの厚さの切片に切断する。 次いで、切断した切片を60℃に加熱したガラススライドの上に置く。 パラフィンを溶融し、室温に冷却した後で、パラフィンワックスをNeo−Clearキシレン代替物または他の溶媒と共に溶解する。 次いで、試料を、H O中2%エオシンの中で2分間着色し、色の変化が観察されなくなるまで水ですすぐ。 試料は、光学顕微鏡またはレーザー顕微鏡で観察することができる。 代替法は、パラフィンワックス内への包埋以前に、コンタクトレンズからの5mm正方形の小片を、H O中2%エオシンの中で2分間染色することによって実施することができる。 試料は、色の変化が観察されなくなるまで水ですすぐ。 次いで、試料をパラフィンワックス内に埋め込み、埋め込んだ試料から10μmの厚さの切片を切り出す。 切片をガラススライド上で溶融し、冷却し、パラフィンワックスをNeo−Clearキシレン代替物または他の溶媒で除去する。 試料は、光学顕微鏡またはレーザー顕微鏡で観察することができる。 別の代替法は、液体窒素内で着色した試料を破壊し、新鮮な断面を光学顕微鏡またはレーザー顕微鏡で観察することができる。

    光開始剤:他に指摘されていない限り、「光開始剤」は、光(可視、紫外線または赤外線)を使用することによってラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。 適切な光開始剤として、制限なしで、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Darocure(登録商標)タイプ、およびIrgacure(登録商標)タイプ、好ましくはDarocure(登録商標)1173、およびIrgacure(登録商標)2959が挙げられる。

    ポリマー:他に指摘されていない限り、「ポリマー」は、複数の繰り返し単位を含む、自然および合成のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられ、他に指摘されていない限り、直鎖状、分岐状、または樹状であってよい。 コポリマーの例として、これらに限定されないが、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマー、スマートポリマー、温度応答性(例えば、NIPAM)、およびpH応答性(例えば、ピリジルベース)ポリマーが挙げられる。

    第四級窒素:他に指摘されていない限り、「第四級窒素」とは、本明細書で使用される場合、第四級アンモニウムカチオンのメンバーである窒素原子を指す。

    rms表面粗さ:他に指摘されていない限り、「R rms表面粗さ」とは、2乗平均平方根表面粗さを指し、これは、その理想的形態から本当の表面の高低偏差を測定するものである。 粗さは、大規模な表面のばらつきの測定とは異なる可能性がある表面のミクロ粗さを指す。 好ましくは、これは、約1〜30μm×1〜30μmのフィールド、好ましくは20μm×20μmのフィールド全域で原子間力顕微鏡法(MFP−3D、Asylum)を使用して測定することができる。 試料は、水和した条件下または脱水した条件下の両方で測定することができる。 標準的ケイ素カンチレバー(Olympus AC160TS、バネ定数42N/m)が、AC/Tappingモードでの測定に採用されている。 R rms表面粗さを、AFM機器に付いているソフトウエア(IGOR Pro)で計算する。 代わりに、粗さは、スタイラス表面形状測定装置を使用して測定することもできる。 例えば、試料の表面粗さは、60度、2μmダイヤモンド先端スタイラスを有するTencorP−16+表面形状測定装置により測定することができる。 好ましくは、800μmのスキャン長が、20μm/秒のスキャン速度、50Hzスキャン周波数、および2μgの荷重力と共に選ばれる。 少なくとも3つの異なる部位を同じ試料に対して測定し、表面粗さを少なくとも3つの試料から平均する。 代わりに、R rms表面粗さは、好ましくは、光学表面形状測定装置の使用を含めて、非接触法により測定することができる。 例えば、試料の表面粗さは、光学的表面形状測定装置(ゼータZ20またはOlympus Lext OLS4000)で測定する。 好ましくは、光学的表面形状測定装置により、50×対物レンズ下で3−D画像を撮り、次いで試料の表面粗さを、画像を横断する少なくとも3つの異なる線に沿って測定する。 少なくとも3つの異なるスポットを測定し、表面粗さを少なくとも3つの試料から平均する。 好ましい例では、Olympus LEXT OLS4000 3Dレーザー測定顕微鏡を粗さ測定および3D画像化に対して採用する。 共焦点スキャニングと組み合わせて408nmレーザーでの低波長光学の技術を利用するLEXT顕微鏡を、測定に使用することができる。 測定すべき試料を、両面テープでガラススライド上に固定する。 Olympus LEXT OLS4000 レーザー共焦点顕微鏡(「LEXT」)を用いて、Olympus MPLAPON 50X対物レンズ下で、デジタル3−D画像を撮る。 このようにして撮ったデジタル画像は、256×256μmのフィールド領域を有する。 このLEXT機器に対するZ−方向の再現性は、Olympusにより0.012μm未満であることが保証されている。 粗さを測定するため、少なくとも3つの画像を各試料から撮り、9μmの切断の長さを使用して、R rms粗さを計算する。

    シリケート:他に指摘されていない限り、「シリケート」または「シリケート(複数)」とは、ケイ素保持アニオンを含有する化合物を指す。
    ケイ素:他に指摘されていない限り、「ケイ素」または「Si」とは、記号Siおよび原子番号14を有する化学元素を指す。
    シリコーン:他に指摘されていない限り、「シリコーン」または「シリコーン(複数)」とは、炭素、水素、酸素、および、任意選択で、他の化学元素(例えば、窒素、塩素、およびリン)と一緒にケイ素を含むポリマーである。

    シリコーンハイドロゲル:他に指摘されていない限り、「シリコーンハイドロゲル」とは、少なくとも1つのシリコーン含有モノマーまたは少なくとも1つのシリコーン含有マクロマーまたは少なくとも1つの架橋可能なシリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物の共重合により得たシリコーン含有ハイドロゲルを指す。 シリコーンハイドロゲルは、シリコーン、シリコーン誘導体、例えば、フルオロシリコーンおよびこれらのコポリマーなどを含むことができる。

    シロキサン:他に指摘されていない限り、「シロキサン」または「シロキサン(複数)」とは、式R SiO(式中、Rは水素またはヒドロカルビルである)を有する単位から構成される任意の化学化合物を指す。

    溶媒抽出可能な重合開始剤:他に指摘されていない限り、「溶媒抽出可能な重合開始剤」とは、製品内に組み込まれた、ラジカル重合を開始することが可能な任意の化合物を指し、この場合、開始剤またはその分解生成物のいずれかが、適切な溶媒を使用して製品から抽出され得る。 一般的に、抽出は、無極性溶媒または極性溶媒を使用することができる。 例えば、抽出溶媒、例えば、水、アセトンまたはエタノールなど;ならびに/または開始剤および/もしくはその分解生成物の溶解度が少なくとも1mg/Lである他の抽出溶媒。 抽出は、抽出物の濃度の変化が、毎時5%より多く増加しないよう、十分な時間をかけて行うべきである。 代わりに、抽出は、それに続く抽出における抽出物質の量が最初の抽出において検出された抽出物質の量の10%未満となるまで、または検出された累積的抽出物質レベルにおいて分析的に有意な増加がなくなるまで行うべきである。 抽出条件は以下を含む:37℃で72時間;50℃で72時間;70℃で24時間;121℃で1時間。 抽出率は、6cm /mL表面積/容量および/または0.2g試料/mLを含む。 ある場合には、完全な基材の溶解が適当となり得る。 材料は、抽出物培地の中でいっそうよく漬かるように抽出前に小さな小片へと切断すべきであり、例えば、ポリマー基材に対して、約10mm×50mmまたは5mm×25mmが適当である。 使用される計測手段は、有機物分析のための高速液体クロマトグラフィー−フォト−ダイオードアレイ検出−質量分析法(HPLC−PDA−MS);有機物分析のためのガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS);金属分析のための誘導結合プラズマ−光学発光分光法または質量分析法(ICP−OESまたはICP−MS);および時には無機物分析およびイオン分析のためのイオンクロマトグラフィー(IC)を含む。 時にはより高度なMS検出器、例えば、飛行時間型(TOF)などを使用することによって、正確な質量情報を得る。 ヘキサンおよびアルコール抽出物はGC−MSで分析する。 水およびアルコール抽出はHPLCで分析する。 開始剤またはその分解生成物は、以前に記述された方法により、基材もしくはグラフトポリマー内で定量化し、および/または検出することができる。 これらは、FTIR−ATR、化学分析用の電子分光法(ESCA、またX線光電子分光法、XPSとも呼ばれる)、二次イオン質量分析法(SIMS)、および表面強化ラマン分光法(SERS)を含む。 例えば、ペルオキシドは、以下の3つの方法のうちのいずれかを使用して分光光度法で検出することができる:ヨウ化物法(塩化第二鉄の存在下でのペルオキシドによるヨウ化ナトリウムの酸化)、DPPH法(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、ラジカルスカベンジャーでの処理によるペルオキシドの分解)、またはペルオキシダーゼ法(グルタチオンペルオキシダーゼで触媒したグルタチオンの還元、これに続くグルタチオンレダクターゼの存在下でのNADPHのカップリング酸化の測定)。 例えば、Fujimoto et al., Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, Vol. 31, 1035-1043(1993)を参照されたい。

    安定した:他に指摘されていない限り、「安定した」とは、材料に関連して本明細書で使用される場合、材料が長期間にわたり機能性を保持することを意味する。 一実施形態では、参照された材料は、タンパク質、媒体、もしくは血清を含有するリン酸緩衝生理食塩水のうちの少なくとも1つの中で、またはインビボで、37℃で少なくとも30日間の間、参照された活性(または特性)の少なくとも90%を保持する。 一実施形態では、基準材料は、タンパク質、媒体、もしくは血清を含有するリン酸緩衝生理食塩水のうちの少なくとも1つの中で、またはインビボで、37℃で少なくとも90日間の間、参照された活性(または特性)の少なくとも80%を保持する。 一実施形態では、参照された材料は、37℃で少なくとも30日間の間、参照された活性(または特性)の少なくとも90%を保持し、37℃で少なくとも90日間の間、参照された活性(または特性)の少なくとも80%を保持する。 参照された活性または特性は、表面接触角、ノンファウリング性、抗血栓形成性、および/または抗菌剤活性を含み得る。

    静的接触角:他に指摘されていない限り、「静的接触角」は、水/蒸気界面が、平衡状態で、またはそれに近い状態で固体基材表面と接触する角度である。 1滴の精製水(例えば、1μL)を試験表面上に堆積させ、「固着性の」液滴の形状を、ビデオ接触角システム(例えば、VCA 2000、AST Inc.)を使用してCCDカメラを有する顕微鏡により撮影し、次いで接触角を求める(例えば、VCA Optima XEを使用)。 接触角を求めるために使用した水滴のサイズは、基材タイプおよび組成に応じて異なり得る。 コンタクトレンズに対して、固着性液滴の代わりに、水中捕獲気泡技法が多くの場合使用される。 コンタクトレンズを水中に漬けて、湾曲した針を使用してコンタクトレンズの表面に気泡を送達し、空気/液体/固体界面の角度を測定する。 ある場合には、表面が極めて親水性である場合、針からの放出の際に、気泡はコンタクトレンズと相互作用せずに、漂って行ってしまう。

    実質的に細胞無毒性:他に指摘されていない限り、「実質的に細胞無毒性」は、組成物の表面と接触する哺乳動物細胞の代謝、増殖、または生存能力を実質的に変化させない組成物を指す。 これらは、抽出物試験、直接接触試験および間接接触試験を含めた、材料の細胞傷害性を査定するための3つの主要な試験を規定する国際規格ISO10993−5により定量化することができる。
    実質的に無毒性:他に指摘されていない限り、「実質的に無毒性」は、実質的に血液適合性および実質的に細胞無毒性である表面を意味する。

    置換されている/置換されていてもよい:他に指摘されていない限り、「置換されている」および「置換されていてもよい」という用語は、参照された基が、1種または複数の追加の適切な基(複数可)で置換されているまたは置換されていてもよいことを意味し、これらの基は、個々におよび独立して、例えば、アセタール、アシル、アシルオキシ、アルケノキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキノキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アジド、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシル、シアノ、エステル、エーテル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロ脂環式、ヘテロアリール、ヒドロキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ケタール、ケト、メルカプト、ニトロ、ペルハロアルキル、シリル、スルファモイル、スルフェート、スルフヒドリル、スルホンアミド、スルホネート、スルホニル、スルホキシド、チオカルボニル、チオシアナト、チオール、および/またはこれらの保護された誘導体から選択されてもよい。 このような置換は、置換されている原子および置換基の許された原子価に従うものであり、安定した化合物、例えば、転位、環化、脱離などにより自然に変換が生じないような安定した化合物が置換の結果として生じるという暗黙の条件を含むことを理解されたい。

    基材:他に指摘されていない限り、「基材」は、ノンファウリングポリマーがグラフトされる材料を指す。
    スルホアンモニウム:他に指摘されていない限り、「スルホアンモニウム」部分は、スルフェートおよびアンモニウム官能基を含む両性イオン部分であり、例えば、スルホアンモニウムモノマー、スルホアンモニウムオリゴマー、スルホアンモニウムポリマー、スルホアンモニウム繰り返し単位、および他のスルホアンモニウム含有材料を含む。 スルホベタインモノマー、オリゴマー、ポリマー、繰り返し単位、および他のスルホベタイン材料は、例示的なスルホアンモニウム部分である。

    こすり洗い試験を通過する:他に指摘されていない限り、コンタクトレンズ上の表面改質に関連した「こすり洗い試験を通過する」とは、本明細書中で記載された場合、コンタクトレンズ洗浄液または同等物の存在下で、ニトリルグローブをはめた手でレンズをこすり洗いした後、接触角における顕著な増加がないことを意味する。 代表的な洗浄液として、AQuify Multi−Purpose Solution(MPS)(Ciba Vision)、Opti−Free Replenish Multi−Purpose Disinfecting Solution(Alcon)、Renu Multi−Purpose Solution(Bausch&Lomb)、Biotrue Multi−Purpose Solution(Bausch&Lomb)、Complete Multi−Purpose Solution Easy Rub Formula、およびClear Care(Ciba Vision)が挙げられる。 好ましくは、コンタクトレンズ上の表面改質に関連した「こすり洗い試験を通過する」とは、本明細書中で記載された場合、上に記載の通り、レンズを20秒間こすり洗いした後、前進接触角が、試験前の前進接触角よりも5%、10%、15%、20%、または25%より多く増加しないことを意味する。

    涙液層破壊:他に指摘されていない限り、「涙液層破壊時間」は、観察されている無処理の膜がコンタクトレンズの不在下で角膜の外側の表面上に、またはコンタクトレンズの外側の表面上に維持されている、まばたきの間の時間を指す。 一般的に、涙液層破壊時間を得るために、審査官が最後のまばたきから、涙のパターンに最初の破壊、ドライスポット、または歪曲が生じるまでの時間間隔を測る間、患者は、両方の眼を開いたまま保持するように要求される。 患者は、不快を感じた際に反射で湧き出る涙を回避するためにまばたきを促される。 涙液層が破壊する前に、患者が試験手順の間にまばたきした場合、この患者は、少しの間休み、涙液層を安定させるように指導され、指示の強化と共に測定を繰り返す。 涙液層破壊時間を3回測定し、平均を統計的分析において使用する。 涙液層破壊時間を測定する1つの特定の方法が、Nichols et al., Ophthalmology & Visual Science, April 2006, Vol.47, No.4, p. 1319-1328に記載されている。

    熱開始剤:他に指摘されていない限り、「熱開始剤」は、熱エネルギーを使用することによって、ラジカル架橋/重合化反応を開始する化学物質を指す。 適切な熱開始剤の例として、これらに限定されないが、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、ペルオキシド、例えば、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。 好ましくは、熱開始剤は2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)である。
    アンダーコーティング層:他に指摘されていない限り、「アンダーコーティング層」とは、ノンファウリングポリマーがグラフトされる基材に組み込まれた、任意のコーティング、またはコーティングの組合せを指す。
    両性イオン/両性イオン材料:他に指摘されていない限り、「両性イオン」または「両性イオン材料」は、カチオン性基およびアニオン性基の両方を保有する巨大分子、材料、または部分を指す。 ほとんどの場合には、これらの荷電した基はバランスがとれており、実効電荷がゼロの材料を結果として生じる。

    両性イオンポリマー:他に指摘されていない限り、「両性イオンポリマー」は、ホモポリマーまたはコポリマーであってよく、高分子両性電解質(例えば、異なるモノマー単位上で荷電した基を有するポリマー)およびポリベタイン(同じモノマー単位上でアニオン性基およびカチオン性基を有するポリマー)の両方を含む。 例示的両性イオンポリマーとして、2つ、3つまたはそれ以上のモノマーの、交互コポリマー、統計コポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーが挙げられる。

    詳細な説明 本発明の一態様は、表面改質を有する、コンタクトレンズなどの医療用デバイスを対象とする。 医療用デバイスが例えばコンタクトレンズである場合、コンタクトレンズは、ケイ素含有ハイドロゲル(シリコーン、シリコーン誘導体、例えば、フルオロシリコーンなど、およびこれらのコポリマーを含む)が好ましい。 改質により、表面改質ポリマーがバルク基材材料、例えば、コンタクトレンズなどの表面に共有結合により組み入れられるような構造が作り出される。 他の特徴の中でも、表面改質は、浸出せず、安定している。 例えば、表面改質コンタクトレンズは、複数のオートクレーブサイクルを含めた様々な殺菌環境下で安定している。 加えて、または代わりに、改質は、酸化性溶液、コンタクトレンズ洗浄液、およびUV曝露下で安定している。 改質された製品はまた耐久性があり、機械的難題にも対処し、例えば、コンタクトレンズに対するこすり洗い試験および摩擦試験などを通過する。

    本製品を調製するための、本明細書中に記載されているプロセスは、製品(例えば、コンタクトレンズ)の表面への親水性ポリマーの適用を含む。 特定の実施形態では、モノマーは、スルホベタイン、カルボキシベタイン、ホスホリルコリン、およびこれらの誘導体を含めた両性イオン化合物が好ましい。 いかなる特定の理論にも束縛されることなく、これらのポリマーは、毎日の装着および長期に渡る装着の間、コンタクトレンズの快適さを改善することができる高い湿潤性、潤滑性能、および堆積耐性を提供すると考えられている。 ポリマーはまた、病原菌の付着を食い止めることにより感染症を減少させることもできる。 本明細書中に記載されている表面改質は、医療用デバイスのこれらおよび他の機械的特性に実質的に影響を及ぼさないことが好ましい。 コンタクトレンズに関しては例えば、レンズの形状は視力に関連し、端は快適さのために設計されており、表面改質はこれらの特性に悪影響を及ぼさない。

    一般的に、表面改質は、本明細書中に記載されている比較的に穏やかな条件を使用して、湿性化学反応法を介して適用し得る。 本明細書中に記載されている方法は、液体反応物しか利用しないことが好ましい。 好ましい実施形態では、最小数の工程しか必要とせず、工程は、現在のコンタクトレンズ製造プロセスに受け入れられる。 好ましい実施形態では、5、4、3、2または1つの反応工程が使用される。 プラズマ処理が必要とされないのが有利である。

    一部の実施形態では、表面改質ポリマー層は、コンタクトレンズ基体材料まで広がる。 いかなる理論にも束縛されることなく、バルク材料の表面上およびバルク材料内への表面改質の深さにより、表面改質ポリマー鎖の付加を改善することができ、この改善が、今度は、改質されたデバイスの侵食または化学的応力に対する耐性を改善することができる。 一実施形態では、表面改質ポリマーは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%の最小浸透深さに広がっている。 したがって、例えば、表面改質ポリマーは、およそ0.1%〜およそ0.5%、およそ0.1%〜およそ2%、およそ0.1%〜およそ10%、またはおよそ0.1%〜およそ30%の最小浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ0.5%〜およそ1%、およそ0.5%〜およそ5%、およそ0.5%〜およそ20%、またはおよそ0.5%〜およそ40%の最小浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ1%〜およそ5%、およそ1%〜およそ10%、およそ1%〜およそ20%、またはおよそ1%〜およそ40%の最小浸透深さに広がることができる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    一部の実施形態では、表面改質ポリマーのバルク材料への最大の浸透の深さを有することが好ましいこともある。 いかなる理論にも束縛されることなく、表面改質ポリマーの浸透を制限することは、表面改質が、レンズのバルク特性、例えば、含水量および酸素透過性などを変化させる度合を制限し得る。 したがって、例えば、これらのバルク特性を変化させない表面改質を有することが望ましいこともある。 一実施形態では、表面改質ポリマーは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、1%、2%、5%、10%、15%、20%、30%、または45%の最大浸透深さに広がっている。 言い換えると、特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの45%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの30%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの20%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの15%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの10%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの5%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの2%を超えない。 特定の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、表面から、およびレンズ表面に垂直方向に測定したレンズの厚さの1%を超えない。 したがって、例えば、表面改質ポリマーは、およそ1%〜およそ5%、およそ1%〜およそ10%、およそ1%〜およそ20%、またはおよそ1%〜およそ30%の最大浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ2%〜およそ5%、およそ2%〜およそ15%、およそ2%〜およそ30%、またはおよそ2%〜およそ45%の最大浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ5%〜およそ10%、およそ5%〜およそ20%、およそ5%〜およそ30%、またはおよそ5%〜およそ45%の最大浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ0.25%〜およそ2%、およそ0.25%〜およそ1.5%、およそ0.25%〜およそ1%、またはおよそ0.25%〜およそ0.75%の最大浸透深さに広がることができる。 別の例として、表面改質ポリマーは、およそ0.5%〜およそ2%、およそ0.5%〜およそ1.5%、およそ0.5%〜およそ1%、またはおよそ0.5%〜およそ0.75%の最大浸透深さに広がることができる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    一実施形態では、表面改質ポリマーのバルクへの浸透深さは、およそ0.1μmを超え、およそ100μm未満である。 浸透深さは、乾燥レンズ上または水和レンズ上で測定することができる。 したがって、例えば、浸透深さは、少なくともおよそ0.1μm、およそ0.25μm、およそ0.5μm、およそ0.75μm、およそ1μm、およそ5μm、およそ10μm、およそ15μm、およそ20μm、およそ25μm、およそ30μm、およそ35μm、およそ40μm、およそ45μm、およそ50μm、およそ55μm、およそ60μm、およそ65μm、およそ70μm、およそ75μm、およそ80μm、およそ85μm、およそ90μm、またはおよそ95μmとすることができる。 別の実施形態では、例えば、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ0.1μmを超え、およそ2μm未満(例えば、およそ0.1μm〜およそ1.5μm;およそ0.1μm〜およそ1μm、またはおよそ0.1μm〜およそ75μm)である。 別の実施形態では、例えば、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ0.25μmを超え、およそ2μm未満(例えば、およそ0.25μm〜およそ1.5μm;およそ0.25μm〜およそ1μm、またはおよそ0.25μm〜およそ75μm)である。 別の実施形態では、例えば、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ0.5μmを超え、およそ2μm未満(例えば、およそ0.5μm〜およそ1.5μm;およそ0.5μm〜およそ1μm、またはおよそ0.5μm〜およそ75μm)である。 別の実施形態では、例えば、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ0.5μmを超え、およそ50μm未満(例えば、およそ1μm〜およそ45μm;およそ5μm〜およそ35μm、またはおよそ10μm〜およそ25μm)である。 別の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ2μmを超え、およそ30μm未満(例えば、およそ5μm〜およそ25μm、およそ10μm〜およそ20μm、またはおよそ12.5μm〜およそ17.5μm)である。 別の実施形態では、表面改質ポリマーの浸透深さは、およそ5μmを超え、およそ20μm未満(例えば、およそ10μm〜およそ15μm)である。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    一部の実施形態では、医療用デバイスの表面上または表面内に少なくとも最小の塊の表面改質ポリマーを有することが好ましい。 最小の塊を作り出すことは、改質なしの欠陥が見出される可能性、または応力を加えるか、化学物質で洗浄するか、もしくは擦った際にデバイスの一部分から表面改質が除去される可能性を減少させる。 一実施形態では、例えば、表面改質の最小質量パーセンテージは、製品の総質量の少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも5%、または少なくとも10%である。 したがって、例えば、表面改質の最小質量パーセンテージは、製品の総質量の少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%、少なくとも4.0%、少なくとも4.5%、少なくとも5.0%、少なくとも5.5%、少なくとも6.5%、少なくとも7.0%、少なくとも7.5%、少なくとも8.0%、少なくとも8.5%、少なくとも9.0%、少なくとも9.5%、または少なくとも10%であってよい。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    この質量分率は、例えば、元素分析、XPSまたはSEM−EDSにより査定することができる。 他の定量的な方法として以下が挙げられる:重量測定、この場合、試料を溶解し、次いで対象となる元素を沈殿させ、その質量を測定するか、または対象となる元素を揮発させ、質量損失を測定する;および光学的原子分光法、例えば、フレーム原子吸光、黒鉛炉原子吸光、および誘導結合したプラズマ原子発光などであり、これらは、原子の外側の電子構造を精査する。

    改質されたポリマーの濃度はまた、特徴的元素分析法により求めることもできる。 スルホベタインポリマー改質されたレンズに対して、例えば、全硫黄分析を燃焼およびガスクロマトグラフィー(GC)法を使用して測定することができる。 いかなる特徴的元素も含まない改質されたポリマーに対しては、全元素、例えば、改質レンズおよび非改質レンズの両方のC、N、H、S、およびOなどの広範な調査分析を、燃焼/GC、電量測定、または化学滴定法により実施することができ、相対的な改質濃度を測定することができる。

    独特の元素が表面改質ポリマー中には存在するが、レンズ中には存在しない場合、レンズ中のその元素の質量分率を測定することができる。 次いで、単一元素のこの質量分率を使用することによって、表面改質ポリマー中のその元素の質量パーセンテージに基づき、表面改質ポリマーの質量分率を計算することができる。 例えば、スルホベタインに対して、全レンズ(または他の製品)中の硫黄の質量分率を実験的に測定することができる。 スルホベタインのホモポリマー内の硫黄の質量分率は硫黄0.109g/スルホベタイン1gであることが知られており、したがって製品中のスルホベタインの質量分率は、硫黄0.109g/スルホベタイン1gで割ったレンズ中の硫黄の質量分率に基づき計算することができる。 一実施形態では、ICP方法により分析したコンタクトレンズ中の全硫黄濃度は、1μg、5μg、10μg、50μg、100μg、500μg、1mg、20mg、または50mg/コンタクトレンズ1gであり;より好ましくは、硫黄濃度は1〜20mg/コンタクトレンズ1gである。

    改質された製品がコンタクトレンズである場合、この改質されたレンズは、およそ50バーラーを超える酸素透過性を有することが好ましい。 より好ましくは、レンズは、およそ90バーラーを超える酸素透過性を有する。 さらにより好ましくは、レンズは、およそ150バーラーを超える酸素透過性を有する。 さらにより好ましくは、レンズはおよそ160バーラーを超える酸素透過性を有する。 したがって、様々な実施形態では、改質されたレンズは、およそ55、およそ60、およそ65、およそ70、およそ75、およそ80、およそ85、およそ90、およそ95、およそ100、およそ105、およそ110、およそ115、およそ120、およそ125、およそ130、およそ135、およそ140、およそ145、およそ150、およそ155、およそ160、およそ165、およそ170、およそ175、およそ180、およそ185、およそ190、およそ195、またはおよそ200バーラーの酸素透過性を有することができる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。

    本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30度未満の静的接触角を示すことが好ましい。 例えば、一実施形態では、本明細書中に記載されている製品の改質された表面は、25度未満、20度未満、15度未満の静的接触角を示す。 好ましい一実施形態では、本明細書中に記載されている製品の改質された表面は、10度未満;より好ましくは5度未満の静的接触角を示し;さらにより好ましくは完全に湿潤可能である、すなわち、固着性の液滴法では測定することができず、捕獲気泡法を使用して表面と相互作用しない。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、5度を超える、10度を超える、15度を超える、20度を超える、25度を超える、30度を超える、35度を超える、40度を超える、45度を超える、50度を超える、55度を超える、または60度を超える静的接触角における減少を示すことが好ましい。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30度未満の前進接触角を示すことが好ましい。 例えば、一実施形態では、本明細書中に記載されている製品の改質された表面は、25度未満、20度未満、または19度未満の前進接触角を示す。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、未改質のレンズと比べて、5度を超える、10度を超える、15度を超える、20度を超える、25度を超える、30度を超える、35度を超える、40度を超える、45度を超える、50度を超える、55度を超える、または60度を超える前進接触角における減少を示すことが好ましい。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、およそ0.1未満、およそ0.05未満、またはおよそ0.02未満の摩擦係数を有することが好ましい。 したがって、例えば、本製品は、およそ0.1、およそ0.09、およそ0.08、およそ0.07、およそ0.06、およそ0.05、およそ0.04、およそ0.03、およそ0.02、およそ0.01以下の摩擦係数を有することができる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    特定の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30未満の静的接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、25未満の静的接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、20未満の静的接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、15未満の静的接触角および80を超える酸素透過性を有する。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    特定の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30未満の静的接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、25未満の静的接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、20未満の静的接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、15未満の静的接触角および100を超える酸素透過性を有する。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    特定の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30未満の前進接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、25未満の前進接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、20未満の前進接触角および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、15未満の前進接触角および80を超える酸素透過性を有する。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    特定の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、30未満の前進接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、25未満の前進接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、20未満の前進接触角および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、15未満の前進接触角および100を超える酸素透過性を有する。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    特定の実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.1未満の摩擦係数および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.05未満の摩擦係数および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.02未満の摩擦係数および80を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.1未満の摩擦係数および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.05未満の摩擦係数および100を超える酸素透過性を有する。 別の特定な実施形態において、本明細書中に記載されているポリマーの表面改質を含む製品は、0.02未満の摩擦係数および100を超える酸素透過性を有する。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    製品がコンタクトレンズである場合、例えば、製品を使用する患者は10秒を超える、より好ましくは15秒を超える、より好ましくは20秒を超える涙液層破壊時間を示すことになる。 一実施形態では、例えば、患者において使用されている製品に対する涙液層破壊時間はおよそ7.5秒〜およそ20秒である。 別の実施形態では、例えば、患者において使用されている製品に対する涙液層破壊時間はおよそ10秒〜およそ20秒である。 別の実施形態では、例えば、患者において使用されている製品に対する涙液層破壊時間は、およそ10秒〜およそ15秒である。 別の実施形態では、例えば、患者において使用されている製品に対する涙液層破壊時間はおよそ15秒〜およそ20秒である。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、カルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウム繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は、スルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーである。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料は両性イオンポリマーであり、この両性イオンポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーであり、このカルボキシアンモニウムまたはスルホアンモニウムポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落で列挙された前述の実施形態および例のうちのそれぞれにおけるポリマー表面改質材料はスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーであり、このスルホベタインまたはカルボキシベタイン繰り返し単位を含有するポリマーはシリコーンハイドロゲル材料からグラフトされる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は30度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は25度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は20度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は19度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、摩擦係数は0.05未満、または0.02未満である。 これらおよび他の実施形態では、使用中の涙液層破壊時間は、15秒を超えるか、または20秒を超えてもよい。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、表面改質はレンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さ少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は30度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は25度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は20度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角は19度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有する。 これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、例えば、摩擦係数は0.05未満、または0.02未満である。 これらのおよび他の実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり,表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ25度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ20度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質材料は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ19度未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において,ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり,表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。

    本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 本実施形態では、例えば、浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間10秒超を示す。

    様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%または45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間15秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.1未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.05未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 別の特定な実施形態において、ポリマーの表面改質は両性イオンポリマーであり、前進接触角はおよそ30度未満であり、摩擦係数は0.02未満であり、表面改質は、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの少なくともおよそ0.1%の浸透深さを有し、使用中の涙液層破壊時間20秒超を示す。 様々な実施形態では、例えば、接触角は、およそ25度未満、およそ20度未満、もしくはおよそ19度未満とすることができ、および/または浸透深さは、レンズ表面下で、レンズ表面に対して垂直方向に、レンズの厚さの0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%もしくは45%とすることができる。 一実施形態では、この段落における前述の例および実施形態のうちのそれぞれの製品はコンタクトレンズである。

    一般的に、グラフトポリマー材料は、EDSマッピング、XPS、またはTOF−SIMSを使用して、基材の表面近くのゾーンで検出することができる。 試料は、液体窒素中で凍結破断させることによって、コーティング/基材界面を曝露させることができる。 次いで、破断された表面をAu/Ptの薄層でコーティングし、元素分析のためのエネルギー分散型X線分析装置(EDAX)を用いて走査型電子顕微鏡で観察することができる。 適切な装置として、FEI/Philips XL30 FEG ESEMが挙げられる。 ポリマー材が表面近くゾーンまで広がっているかどうか査定するためには、グラフトポリマー層を保持する製品の部分全域でほぼ均等に距離をあけて配置された、少なくとも25、および好ましくは少なくとも50の代表的な位置を分析して、表面近くゾーンにおけるポリマー材の検出可能な強化を特定すべきである。 グラフトポリマー層で覆われている製品の部分の一番長い寸法の全域にわたる代表的な点において厚さを測定することが好ましい。

    本明細書中の他の箇所でより詳細に記載されているように、開始剤を基材に組み入れることにより、ポリマー材を基材の表面から、および基材の表面近くのゾーン内からグラフトさせることができるようになる。 しかし一般的には、ポリマー材は基材の中へ広がり過ぎないことが好ましい;したがって、一実施形態ではポリマー材は表面近くのゾーンに存在するが、あまり深くない位置であり、すなわち、バルクの中には存在しない。 表面近くのゾーンが広がる最大の深さは、少なくとも部分的には、基材の中に開始剤を取り込むために使用される開始剤および技法の関数である。 しかし通常は、表面近くのゾーンの下方境界が、表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から20マイクロメートル以下であることが一般的に好ましい。 例として、下方境界は、表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から15マイクロメートル以下でよい。 さらなる例として、下方境界は表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から10マイクロメートル以下でよい。 同様に、表面近くのゾーンの最小の深さ、すなわち、基材表面からの上方境界の距離もまた、少なくとも部分的には、基材内に開始剤を取り込むために使用される開始剤および技法の関数である。 しかし通常は、上方境界は表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から少なくとも0.1マイクロメートルとなる。 例として、上方境界は、表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から少なくとも0.2マイクロメートルであってよい。 さらなる例として、上方境界は、表面に対して垂直方向に測定した場合、基材表面から少なくとも0.3マイクロメートルであってよい。

    ポリマー材は基材の表面からおよび基材の表面近くのゾーン内からグラフトすることができるので、基材の元の表面は、ポリマーがこのような実施形態でグラフトした後で正確に線引きするのは困難なこともある。 それにもかかわらず、グラフトポリマーの濃度勾配は(基材のポリマー材と比べて)、基材ポリマーの化学組成、重合されるモノマー、重合開始剤、溶媒系および重合反応条件などの変数に応じて、勾配曲線の形状を用いて観察可能となり得る。 一部の実施形態では、例えば、グラフトポリマーの濃度勾配はほぼ直鎖状となり得る。 他の実施形態では、グラフトポリマーの濃度勾配は指数関数となる。 他の実施形態では、グラフトポリマーの濃度勾配はシグモイドとなり得る。

    グラフトポリマーに対する濃度勾配曲線の形状は(基材のポリマー材と比べて)、各実施形態に対していくらか異なり得るが、改質された製品の表面から、表面に対して垂直の方向に増加する距離の関数として、全般的におよび徐々に低減することになる。 一実施形態では、グラフトポリマーの最大浸透深さの10%の浸透深さで、例えば、グラフトポリマーの濃度はグラフトポリマーの最大濃度の少なくとも50%である(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの10%の浸透深さ(改質された基材の表面、もしくは表面付近)でのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはさらに少なくとも90%であってよい。 しかし、一般的に、最大浸透深さの10%の浸透深さ(改質された基材の表面、もしくは表面付近)でのグラフトポリマーの濃度は通常、グラフトポリマーの最大濃度の95%を超えない。 したがって、例えば、最大浸透深さの10%の浸透深さ(改質された基材の表面、もしくは表面付近)でのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の85%未満、75%未満、65%未満、またはさらに55%未満となる。 この段落の中の前述の実施形態および例のそれぞれにおいて、グラフトポリマーは、少なくとも50nm、100nm、150nm、200nm、250nm以上の最小浸透深さを有することができる。 しかし一般的に、グラフトポリマーは、10μm、5μm、1μm、またはさらに500nm未満の最大浸透深さを有することができる。

    一実施形態では、グラフトポリマーの最大浸透深さの25%の浸透深さでは、例えば、グラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも20%である(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの25%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも30%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%またはさらに少なくとも80%であってよい(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 しかし一般的には、最大浸透深さの25%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は通常、グラフトポリマーの最大濃度の85%を超えない(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの25%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の85%未満、75%未満、65%未満、またはさらに55%未満となる(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 この段落の中の前述の実施形態および例のそれぞれにおいて、グラフトポリマーは、少なくとも50nm、100nm、150nm、200nm、250nm以上の最小浸透深さを有することができる。 しかし一般的には、グラフトポリマーは、10μm、5μm、1μm、またはさらに500nm未満の最大浸透深さを有することができる。

    一実施形態では、グラフトポリマーの最大浸透深さの50%の浸透深さでは、例えば、グラフトポリマーの濃度はグラフトポリマーの最大濃度の少なくとも5%である(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの50%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%またはさらに少なくとも50%であってよい(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 しかし一般的には、最大浸透深さの50%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は通常、グラフトポリマーの最大濃度の55%を超えない(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの50%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の45%未満、35%未満、25%未満、またはさらに15%未満となる(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 この段落の中の前述の実施形態および例のそれぞれにおいて、グラフトポリマーは、少なくとも50nm、100nm、150nm、200nm、250nm以上の最小浸透深さを有することができる。 しかし一般的に、グラフトポリマーは、10μm、5μm、1μm、またはさらに500nm未満の最大浸透深さを有することができる。

    一実施形態では、グラフトポリマーの最大浸透深さの75%の浸透深さでは、例えば、グラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも1%である(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの75%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%またはさらに少なくとも25%であってよい(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 しかし一般的には、最大浸透深さの75%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は通常、グラフトポリマーの最大濃度の30%を超えない(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 したがって、例えば、最大浸透深さの75%の浸透深さでのグラフトポリマーの濃度は、グラフトポリマーの最大濃度の25%未満、20%未満、15%未満、またはさらに10%未満となる(改質された基材の表面、もしくは表面付近で)。 この段落の中の前述の実施形態および例のそれぞれにおいて、グラフトポリマーは、少なくとも50nm、100nm、150nm、200nm、250nm以上の最小浸透深さを有することができる。 しかし一般的に、グラフトポリマーは、10μm、5μm、1μm、またはさらに500nm未満の最大浸透深さを有することができる。

    医療用デバイス 一般的に、医療用デバイスの基材材料は、例えば、1種または複数の金属、セラミック、ガラス、ポリマー、生物学的組織(生きているものまたは死んだもの)、織り繊維および不織繊維、半金属、例えば、ケイ素など、ならびにこれらの組合せから選択される広範囲な材料のいずれかを含む。 一実施形態では、基材は2種以上の材料の複合材である。 例えば、基材は、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、織り繊維もしくは不織繊維または半金属のコア上のポリマーコーティング、また時には本明細書中で「アンダーコーティング」、または「プレコーティング」と呼ばれるものも含み得る。 代わりに、基材は、全体にわたり、すなわち、その表面からそのバルクまでポリマー材を含み得る。 さらなる例として、基材は、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、織り繊維もしくは不織繊維または半金属のコアを覆っている、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、織り繊維もしくは不織繊維または半金属のコア内層を覆っているポリマーコーティングを含み得る。

    基材は、ゲル、液体、膜、粒子(ナノ粒子、微小粒子、またはミリメーター直径のビーズ)、繊維(外傷用包帯、包帯、ガーゼ、テープ、パッド、織りスポンジおよび不織スポンジを含めたスポンジ、ならびに歯科用または眼科的手術に対して特別に設計されたもの)、血液保存用バッグ、外科用、医療用または歯科用器具、血液酸素付加装置、ステント(冠状動脈、尿管、腎臓、胆管、結腸直腸、食道、、尿道、血管系、末梢、神経血管を含む)、ステントグラフト(腹腔、胸部、神経血管および末梢血管を含む)、大静脈フィルター、血管内コイル、カテーテル(中心静脈、末梢中心、正中、末梢、トンネル型、透析アクセス、尿、神経系、腹膜、大動脈内バルーンポンプ、血管形成バルーン、診断用、インターベンショナル、ドラッグデリバリーなどを含む)、カテーテルコネクターおよび弁(無針コネクターを含む)、静脈内輸送ラインおよびマニホールド、ドラッグデリバリーバッグおよび管類、移植可能なセンサー(例えば、血管内、経皮的、頭蓋内、グルコースセンサー)、診断用デバイス(例えば、微小流体、マイクロエレクトロメカニカル、および光学デバイス)、コンタクトレンズを含む眼用デバイス、眼内レンズおよび水晶体乳化デバイス、あるいは体内もしくはこれらのうちのいずれかのいずれか部分の内部で、または体もしくはこれらのうちのいずれかのいずれか部分と接触させて使用される他の医療用デバイスの形態、あるいは形態の一部であってよい。

    一つの特定の実施形態では、基材は眼科用デバイスであり、より好ましくは本実施形態では基材はコンタクトレンズである。 コンタクトレンズを含めた眼用レンズに一般的に使用されるソフトな材料および堅い材料の両方を含む、本明細書中の生体適合性材料を採用することは特に有用である。 好ましい基材はシリコーンハイドロゲル材料を含めたハイドロゲル材料である。 特に好ましい材料として、親水性モノマーと共重合したビニル官能化ポリジメチルシロキサンならびに親水性モノマーと共重合したフッ化メタクリレートおよびメタクリレート官能化したフッ化ポリエチレンオキシドが挙げられる。 本明細書中で使用するための基材物質の代表的な例として、その内容が参照により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,310,779号;第5,387,662号;第5,449,729号;第5,512,205号;第5,610,252号;第5,616,757号;第5,708,094号;第5,710,302号;第5,714,557号および第5,908,906号において開示されているものが挙げられる。

    多種多様な材料を本明細書中で使用することができ、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ材料が特に好ましい。 ハイドロゲルは一般的に、平衡状態で水を含有する、水和した、架橋したポリマー系を含む周知のクラスの材料である。 シリコーンハイドロゲルは一般的に、およそ5質量パーセント超、より一般的におよそ10〜およそ80質量パーセントの間の含水量を有する。 このような材料は普通、少なくとも1種のシリコーン含有モノマーおよび少なくとも1種の親水性モノマーを含有する混合物を重合化することによって調製される。 通常、シリコーン含有モノマーまたは親水性モノマーのいずれかが架橋剤(架橋剤とは、複数の重合可能な官能基を有するモノマーとして定義される)として機能するか、または別個の架橋剤を採用してもよい。 シリコーンハイドロゲルの形成に使用するための適用可能なシリコーン含有モノマー単位は当技術分野で周知であり、その内容が参照により本明細書中に組み込まれている、米国特許第4,136,250号;第4,153,641号;第4,740,533号;第5,034,461号;第5,070,215号;第5,260,000号;第5,310,779号;5,358,995号;第5,760,100号;第6,039,913号;第7,919,136号;および第8,044,112号において多くの例が提供されている。

    かさ高いモノマーの具体例は、時にはTRISと呼ばれる、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチル−シロキシ)シランまたはトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、および時にはトリス−VCと呼ばれる、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルビニルカルバメートなどがある。 このようなかさ高いモノマーは、シリコーンマクロモノマーと共重合することができるが、このシリコーンマクロモノマーは、2つ以上の分子末端において不飽和の基でキャッピングされているポリ(オルガノシロキサン)である。 米国特許第4,153,641号は、例えば、様々な不飽和の基、例えば、アクリルオキシ基またはメタクリルオキシ基などを開示している。
    別のクラスの代表的なシリコーン含有モノマーとして、これらに限定されないが、シリコーン含有ビニルカルボネートまたはビニルカルバメートモノマー、例えば、1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン;3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボネート;3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボネート;t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカルボネート;トリメチルシリルエチルビニルカルボネート;トリメチルシリルメチルビニルカルボネートなど、およびこれらの混合物が挙げられる。

    別のクラスのケイ素含有モノマーとして、ポリウレタン−ポリシロキサンマクロモノマー(また時にはプレポリマーとも呼ばれる)が挙げられ、これらは、従来のウレタンエラストマーのように、ハード−ソフト−ハードブロックを有することができる。 これらは、親水性モノマー、例えば、HEMAなどでエンドキャッピングされていてもよい。 このようなシリコーンウレタンの例は、Lai, Yu-Chin, "The Role of Bulky Polysiloxanylalkyl Methacryates in Polyurethane-Polysiloxane Hydrogels," Journal of Applied Polymer Science, Vol. 60, 1193-1199 (1996)を含めた様々な公報において開示されている。 その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれているPCT公開出願WO96/31792は、このようなモノマーの例を開示している。

    シリコーン含有モノマーのさらなる例として、制限なしで、メタクリルオキシアルキルシロキサン、3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチル−ジシロキサン、モノメタクリレート化ポリジメチルシロキサン、メルカプト末端化ポリジメチルシロキサン、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、およびトリス(ペンタメチルジシロキサニル(pentamethyldisiloxyanyl))−3−メタクリラトプロピルシラン(T2)が挙げられる。

    エチレン性不飽和基(複数可)との任意の適切なシロキサン含有マクロマーもまたシリコーンハイドロゲル材料を生成するために使用することができる。 ある特定の好ましいシロキサン含有マクロマーは、全体として本明細書中に参照により組み込まれている、米国特許第5,760,100号において記載されているマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC、およびマクロマーDからなる群から選択される。 2種以上の重合性基(ビニル基)を含有するマクロマーはまた、クロスリンカーとして機能することもできる。 ポリジメチルシロキサンおよびポリアキレンオキシド(polyakyleneoxides)からなるジブロックマクロマーおよびトリブロックマクロマーもまた有用であり得る。 このようなマクロマーは、アクリレート、メタクリレートまたはビニル基で単官能化または二官能化することができる。 例えば、メタクリレートエンドキャップポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン−ブロック−ポリエチレンオキシドを使用して、酸素透過性を強化することができる。

    さらに他のコンタクトレンズ配合物は、それぞれがこれら全体において参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,710,302号、WO9421698、EP406161、JP2000016905、米国特許第5,998,498号、第6,087,415号、第5,760,100号、第5,776,999号、第5,789,461号、第5,849,811号、および第5,965,631号で開示されている。
    さらに他のコンタクトレンズ配合物は、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2010/0048847号(例えば、「Filcon II 3」)において開示されている。

    一つの特定の実施形態では、コンタクトレンズのコアポリマーのバルク材料は、シリコーンエラストマー、シリコーンハイドロゲル、フルオロハイドロゲル、フルオロシリコーンハイドロゲル、ポリ−2−メタクリル酸ヒドロキシエチル(p−HEMA)、またはこれらの組合せを含む。

    適切なバルク親水性材料の代表的な例として、これらに限定されないが、以下の米国認証名により公知の以下の材料が挙げられる:abafilcon A、acofilcon A、acofilcon B、acquafilcon A、alofilcon A、alphafilcon A、amfilcon A、astifilcon A、atlafilcon A、balafilcon A、bisfilcon A、bufilcon A、comfilcon A、crofilcon A、cyclofilcon A、darfilcon A、delefilcon A、deltafilcon A、deltafilcon B、dimefilcon A、droxifilcon A、efrofilcon A、elastofilcon A、enfilcon A、epsiflcon A、esterifilcon A、etafilcon A、focofilcon A、galyfilcon A、genfilcon A、govafilcon A、hefilcon A、hefilcon B、hefilcon C、hefilcon D、hilafilcon A、hilafilcon B、hioxifilco nA、hioxifilcon B、hioxifilcon C、hioxifilcon D、hydrofilcon A、iberfilcon A、lenefilcon A、licryfilcon A、licryfilcon B、lidofilcon A、lidofilcon B、lotrafilcon A、lotrafilcon B、mafilcon A、mesifilcon A、methafilcon B、mipafilcon A、narafilcon A、narafilcon B、nelfilcon A、nesofilcon A、netrafilcon A、ocufilcon A、ocufilcon B、ocufilcon C、ocufilcon D、ocufilcon E、ocufilcon F、ofilcon A、omafilcon A、oxyfilcon A、pentafilcon A、perfilcon A、petrafocon A−hem−larafilcon A、pevafilcon A、phemfilcon A、phemfilcon B、polymacon A、polymacon B、senofilcon A、shofilcon A、sifilcon A、silafilcon A、siloxyfilcon A、surfilcon A、tasfilcon A、tefilcon A、tetrafilcon A、trifilcon A、uvifilcon A、vasurfilcon A、vifilcon A、vifilcon B、およびxylofilcon A。

    適切なバルク疎水性材料の代表的な例として、これらに限定されないが、以下の米国認証名により公知の以下の材料が挙げられる:amefocon A、amsilfocon A、aquilafocon A、arfocon A、cabufocon A、cabufocon B、carbosilfocon A、crilfocon A、crilfocon B、dimefocon A、enflufocon A、enflufocon B、erifocon A、filofocon A、flurofocon A、flusilfocon A、flusilfocon B、flusilfocon C、flusilfocon D、flusilfocon E、hermafocon A、hexafocon A、hexafocon B、hirafocon A、hofocon A、hybufocon A、itabisfluorofocon A、itafluorofocon A、itafocon A、itafocon B、kolfocon A、kolfocon B、kolfocon C、kolfocon D、lotifocon A、lotifocon B、lotifocon C、melafocon A、migafocon A、nefocon A、nefocon B、nefocon C、onsifocon A、onsifocon B、oprifocon A、oxyflufocon A、paflufocon A、paflufocon B、paflufocon C、paflufocon D、paflufocon E、paflufocon F、paflufocon D−hem−iberfilcon A、pahrifocon A、pasifocon A、pasifocon B、pasifocon C、pasifocon D、pasifocon E、pemufocon A、petrafocon A−hem−larafilcon A、porofocon A、porofocon B、roflufocon A、roflufoconB、roflufocon C、roflufocon D、roflufocon E、rosilfocon A、satafocon A、siflufocon A、silafocon A、sterafocon A、sulfocon A、sulfocon B、telafocon A、tisilfocon A、tolofocon A、trifocon A、unifocon A、vinafocon A、およびwilofocon A。

    医療用デバイスがコンタクトレンズである場合、例えば、このようなレンズは、所望のレンズ後面および前面を有する造形品を生成するための様々な従来の技法を採用して製造することができる。 スピンキャスティング法は、米国特許第3,408,429号および第3,660,545号(これら全体が本明細書中に参照により組み込まれている)において開示されており、スタティック式キャスティング方は米国特許第4,113,224号、第4,197,266号および第5,271,876号(これら全体が本明細書中に参照により組み込まれている)において開示されている。 機械加工作業に続いて、モノマー混合物の硬化を行うことによって、所望の最終構成を有するコンタクトレンズを得ることができる。 例として、米国特許第4,555,732号(全体が本明細書中に参照により組み込まれている)は、過剰のモノマー混合物を金型内でスピンキャスティングにより硬化させることによって、レンズ前面および比較的に太い厚さを有する造形品を形成するプロセスを開示している。 続いて、硬化したスピンキャスト製品の後表面は、レースカットすることによって、所望の厚さおよびレンズ後面を有するコンタクトレンズを得る。 レンズ表面のレースカットに続いて、さらなる機械加工作業、例えば縁仕上げ作業などを行うことができる。

    例えば、金型(キャストモールド用)は、少なくとも2つの金型部分(または金型の一部)または型半部分、すなわち第1および第2の型半部分を一般的に含む。 第1の型半部分は、第1の成型(または光学的)表面を規定し、第2の型半部分は第2の成型(または光学的)表面を規定する。 第1のおよび第2の型半部分は、レンズ形成用空洞が第1の成型表面と第2の成型表面との間に形成するように互いを受け合うように構成される。 金型の半分の成型表面は、金型の空洞形成表面であり、レンズ形成材料と直接接触している。

    コンタクトレンズをキャストモールドするための金型部分を製造する方法は当業者に一般的に周知である。 本発明のプロセスは、金型を形成する任意の特定の方法に限定されない。 実際、金型を形成するいかなる方法も本発明において使用することができる。 第1のおよび第2の型半部分は、様々な技法、例えば、射出成形または旋盤加工などを介して形成することができる。 型半部分を形成するための適切なプロセスの例が、同様にその全体が本明細書中に参照により組み込まれている米国特許第4,444,711号;米国特許第4,460,534号;米国特許第5,843,346号;および米国特許第5,894,002号において開示されている。

    金型を作製するための当技術分野で公知のほとんどすべての材料を、コンタクトレンズを作製するための金型を作製するために使用することができる。 例えば、ポリマー材、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、Topas(登録商標)COCグレード8007−S10(エチレンおよびノルボルネンの透明なアモルファスコポリマー、Ticona GmbH of Frankfurt、GermanyおよびSummit、N.J.製)などを使用することができる。 紫外光透過を可能にする他の材料、例えば、クオーツガラスおよびサファイアなどを使用することができる。
    再利用可能な金型もまた使用することができ、シリコーン−ハイドロゲルレンズ形成材料を、化学線の空間的制限下で化学線により硬化することによって、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを形成することができる。 再利用可能な金型の例は、その全体が本明細書中に参照により組み込まれている、米国特許第6,627,124号;米国特許第6,800,225号;および米国特許第7,384,590号に開示されているものが挙げられる。

    別の実施形態では、レンズ形成材料が溶液(例えば、水、水の混合物および水混和性有機溶媒、または有機溶媒中に溶解したもの)、溶媒を含まない液体、または任意選択で他の成分の存在下でエチレン性不飽和の基を有する1種または複数のシリコーン含有プレポリマーの溶融物である場合、再利用可能な金型を使用し、レンズ形成材料を化学線の空間的制限下で化学線により硬化することによって、着色されたコンタクトレンズを形成する。 シリコーン含有プレポリマーの例として、制限なしで、これら全体が本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第6,039,913号;および米国特許第7,091,283号において開示されているものが挙げられる。

    一般的に、レンズ形成材料は、2つの型半部分からなる金型に入れ、この2つの型半部分は互いに接触していないが、環状デザインの細いギャップがこれらの間に配置されている。 このギャップは金型空洞に接続されており、過剰のレンズ材料がギャップに流れ出ることができるようになっている。 1回しか使用できないポリプロピレン金型の代わりに、再利用可能なクオーツ、ガラス、サファイア金型を使用することが可能である。 これは、レンズの生産後、これらの金型は、水または適切な溶媒を使用して、架橋されていないプレポリマーおよび他の残渣を素早くおよび効果的に落とすことができ、空気で乾燥させることができるからである。 再利用可能な金型はまた、Topas(登録商標)COCグレード8007−S10(エチレンおよびノルボルネンの透明なアモルファスコポリマー)(Ticona GmbH、Frankfurt、GermanyおよびSummit、N.J.製)から作製することもできる。 型半部分を再使用できることから、非常に高い精度および再現性のある金型を得るためにこれらの生産時には比較的多額の費用を費やすことができる。 型半部分は、生産されるべきレンズの領域内、すなわち、空洞または実際の金型の面の中で互いに接触しないので、接触の結果生じる損傷は阻止される。 これにより、型の耐用年数は確実に高くなり、これによって、特に生産されるコンタクトレンズの再現性も確実に高くなる。

    コンタクトレンズの2つの相対する表面(前面および後面)は、2つの成形面により規定され、その一方で端は、金型壁を用いるよりむしろ化学線照射の空間的制限により規定される。 通常では、2つの成形面により結合した領域内のレンズ形成材料および空間的制限のきちんと規定された外周境界の突出のみが架橋されるが、空間的制限の外周境界の外側およびすぐ周りのいかなるレンズ形成材料も架橋されず、これによって、コンタクトレンズの端はスムースとなり、化学線の空間的制限の寸法および形状が正確に複製されるはずである。 コンタクトレンズを作製するこのような方法は、これら全体が参照により組み込まれている米国特許第6,627,124号;米国特許第6,800,225号;および米国特許第7,384,590号に記載されている。

    化学線の空間的制限(またはエネルギー衝突の空間的制限)は、米国特許第6,627,124号;および米国特許第6,800,225号(これら全体が本明細書中に参照により組み込まれている)に例示されているように、特定の形態の使用エネルギーに対して少なくとも部分的に透過性のない金型用マスキングにより、または米国特許第6,627,124号;米国特許第6,800,225号;および米国特許第7,384,590号;(これら全体が本明細書中に参照により組み込まれている)に例示されているように、架橋を引き起こすエネルギー形態に対して(少なくとも片側は)極めて透過性があり、このエネルギーに対して透過性がない、もしくは透過性が乏しい金型部位を有する金型により実行することができる。 架橋のために使用されるエネルギーは、照射エネルギー、特にUV照射、ガンマ照射、電子照射または熱放射であり、照射エネルギーは、一方では良好な制限を達成するため、他方ではエネルギーの効率的使用のために、実質的に平行なビームの形態が好ましい。

    表面改質 一般的に、ノンファウリングポリマー材料は、コンタクトレンズなどの医療用デバイスの基材からグラフトされる。 様々なプロセスおよびプロセス工程を表面改質の適用において採用することができる。 選ばれた特定のプロセス(複数可)およびプロセス工程(複数可)は、少なくとも部分的に、改質される基材、適用されるポリマー材およびこれらのモノマー前駆体、重合技法(複数可)、および/または改質された表面の所望の特性に依存し得る。 一部の実施形態では、例えば、レドックス開始剤を使用することによって、レンズ材料内に含有されている官能基からグラフトさせる、例えば、Ce(IV)の存在下でヒドロキシル基からグラフトさせる。 一部の実施形態では、例えば、レンズ成形プロセスから残留する、レンズ内に存在するUV開始剤を使用することによって、ノンファウリングポリマー材料をグラフトさせる。 一部の実施形態では、例えば、UV開始剤をレンズ成形プロセス中にコンタクトレンズに加え、今度はこれを使用してノンファウリングポリマー材料をグラフトさせる。 一部の実施形態では、例えば、ノンファウリングポリマー材料は、1種または複数の重合開始剤が組み込まれたコンタクトレンズ基材からグラフトさせる。 一部の実施形態では、例えば、ノンファウリングポリマー材料は、2種以上の材料の複合材である基材からグラフトさせる。 これらのおよび他のプロセスおよびプロセス工程の組合せもまた採用することができる。

    好ましくは、基材からグラフトされるノンファウリングポリマー材料は鎖成長ポリマー(すなわち、付加重合により形成されるポリマーまたはポリマーブロック)、またはこれらの組合せを含む。 鎖成長ポリマーは、例えば、二重結合または三重結合を組み込んだモノマー(複数可)から誘導される付加ポリマー、例えば、オレフィンなどであってよい。 さらなる例として、鎖成長ポリマーは、開環重合反応を用いて環式モノマーから誘導される付加ポリマーを含み得る。 したがって、ポリマーは鎖成長ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。 好ましい実施形態では、ポリマーは、2種以上のモノマーの残基を含む鎖成長付加ホモポリマーまたは鎖成長付加コポリマーである。

    本発明の一態様に従い、多官能性架橋剤を過度に使用することなく、ノンファウリングポリマー材料を調製することが一般的に好ましい。 例えば、ノンファウリングポリマー材料は50モル%未満の多価架橋剤の残基を含有することが一般的に好ましい。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、25モル%未満の多価架橋剤の残基を含有する。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、10モル%未満の多価架橋剤を含有する。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、5モル%未満の多価架橋剤の残基を含有する。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、3モル%未満の多価架橋剤を含有する。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、0.1モル%未満の多価架橋剤の残基を含有する。 このような一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は多価架橋剤の残基を含有しない。

    グラフト、工程成長または鎖成長技法を介して、ノンファウリングポリマー材料は、一連のポリマータイプまたはこれらの組合せのいずれかを含んでもよい。 ポリマー骨格は、中性(例えば、ポリアルキレンまたはポリエーテル)であってよく、または永久に荷電した部分(例えば、環状または非環状の四級化された窒素原子)、または両性イオン骨格(例えば、ホスホリルコリン骨格)さえも含有する。 したがって、一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸無水物、ポリアジン、ポリ(カルボネート)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリグアニジン、ポリイミド、ポリケタール、ポリ(ケトン)、ポリオレフィン、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファジン、多糖、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリウレア、ポリウレタン、ハロゲン化ポリマー、シリコーン、炭化水素、エーテル−エステル、エーテル−アミドまたはイオン化したポリエチレンおよびこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーまたはコポリマーを含む。

    ポリマーはまた、親水性および疎水性、中性、アニオン性、カチオン性、または混合荷電したものなどの広範囲なペンダント(側鎖)基を含有し得る。 例えば、ペンダント基として、中性の親水基、例えば、ヒドロキシ、オリゴ(エチレングリコール)および/またはポリ(エチレングリコール)部分などを挙げることができ、またはペンダント基として、荷電した基、例えば、アニオン性部分、カチオン性部分、および両性イオン部分などを挙げることができる。

    両性イオン基 両性イオンは、求電子試薬もしくは求核試薬の添加もしくは除去により、または保護基の除去によりイオン化し得る、同じ分子(複数可)内で隣接しない原子上に形式正電荷および形式負電荷を保持する分子である。 両性イオン官能基を含有する天然ポリマーおよび合成ポリマーの両方とも、タンパク質接着性に抵抗することが示されている。 一実施形態では、両性イオンモノマーは、ホスホリルコリン部分、カルボキシアンモニウム部分、スルホアンモニウム部分、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有する。 一実施形態では、両性イオンモノマーは、カルボキシアンモニウム部分、スルホアンモニウム部分、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有する。 一実施形態では、両性イオンモノマーは、スルホベタイン部分またはカルボキシベタイン部分を含有する。 両性イオンポリマーは、1種または複数のモノマー、例えば、スルホベタインメタクリレートまたはカルボキシベタインメタクリレートモノマーなどの存在下で、ポリマー基材中に存在するラジカルとの重合を開始することによって形成することができる。

    ポリスルホアンモニウムポリマー、例えば、ポリスルホベタインなど、ポリカルボキシアンモニウムポリマー、例えばポリカルボキシベタインなど、ならびに他の天然両性イオンおよび合成両性イオンの化学的性質を使用することによって、本明細書中に記載されている生物医学的用途のためのノンファウリング材料を設計することができる。 ノンファウリング材料のための使用することができる天然の両性イオンの化学物質のいくつかの例として、これらに限定されないが、アミノ酸、ペプチド、天然小分子、例えば、これらに限定されないが、Ν,Ν,Ν−トリメチルグリシン(グリシンベタイン)、トリメチルアミンオキシド(TMAO)、ジメチルスルホニオプロピオネートサルコシン、リゼルギン酸およびシロシビンを含めたものが挙げられる。 ノンファウリング材料を作り出すために使用することができる追加の合成両性イオンとして、これらに限定されないが、アミノカルボン酸(カルボキシベタイン)、アミノスルホン酸(スルホベタイン)、ココアミドプロピルベタイン、キノノイドベースの両性イオン、デカフェニルフェロセン、および非天然アミノ酸が挙げられる。 天然ポリマーおよび合成ポリマーとしてまた、主鎖、または末端基において、ペンダント基上に正に荷電した部分と負に荷電した部分の両方を有する混合荷電した構造体も含まれる。

    これらの天然両性イオンまたは合成両性イオンを含有する、またはこれらから構成される材料は、表面、特に医療用デバイスの表面からグラフトさせることによって、生体適合性を改善し、血栓形成(例えば、ステントまたは静脈弁の表面上など)を減少させ、および溶液中に存在するタンパク質または細菌の付着を減少させることができる。 これは、溶液中のタンパク質の非特異的結合が、デバイスの所望のまたは必要な機構に悪影響を与える可能性がある表面に対して特に適用可能である。

    一実施形態では、ノンファウリングポリマーは、ポリマー骨格に直接的または間接的に共有結合的に付いている両性イオンペンダント基を含有する。 両性イオンペンダント基は、例えば、アニオン性電荷の二価中心およびカチオン性電荷の一価中心(または逆もまた同様である)を有することにより、または2つのカチオン性電荷の中心および1つのアニオン性電荷の中心(または逆もまた同様である)を有することにより、全体で実効電荷を有することができる。 しかし、両性イオンは全体で実効電荷を有さないことが好ましく、一価のカチオン性電荷の中心および一価のアニオン性電荷の中心を有するのが最も好ましい。 加えて、カチオン性電荷の中心(複数可)は永久的であることが好ましく、すなわち、これは第四級窒素、第四級ホスホニウムまたは第三級スルホニウム基であることが好ましい。 加えて、アニオン性電荷の中心(複数可)もまた永久的であり、すなわち、これらは、生理学的pHにおいて完全にイオン化しており、カルボン酸イオン、リン酸イオン、ホスホニック、ホスホン酸イオン、硫酸イオン、スルフィニック、またはスルホン酸イオンであることが好ましい。
    別の実施形態では、ポリマーは、ポリマー骨格に直接的または間接的に共有結合的に付いている両性イオンペンダント基を含有し、両性イオンは式ZI−3に対応する。

    (式中、


    は、結合、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロであるか、またはT

    およびT

    10 、ならびにこれらが付いている窒素原子と組み合わさって、窒素含有ヘテロ芳香族環を形成し、


    およびT

    10は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであるか、または、T

    およびT

    10は、T

    、およびこれらが付いている窒素原子と組み合わさって窒素含有ヘテロ芳香族環を形成し、


    11はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、エーテル、またはオキシレート化アルキレンであり、


    はカルボン酸イオン、リン酸イオン、ホスホニック、ホスホン酸イオン、硫酸イオン、スルフィニック、またはスルホン酸イオンであり、


    は、式ZI−3の両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味する)

    ポリマーが式ZI−3に対応する両性イオンペンダント基を含有する特定の好ましい実施形態では、T 、T 、T 10 、およびT 11は、より狭い範囲の置換基から選択され、Z はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンであり、両性イオンは式ZI−4に対応する。

    (式中、

    は、式ZI−4の両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味し;T

    12は結合または−(CH

    −(mは1〜3である)であり;T

    13およびT

    14は、独立して、水素、アルキル、または置換アルキルであり;T

    15は置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、エーテル、またはオキシレート化アルキレンであり;Z

    はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンである)。 例えば、本実施形態では、T

    13およびT

    14は、独立して、水素または低級アルキル、例えば、メチル、エチル、またはプロピルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    13およびT

    14は、独立して、水素または低級アルキル、例えば、メチル、エチル、またはプロピルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −(nは1〜8である)であってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −または−(CH

    −であってよく、T

    13およびT

    14はメチルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −または−(CH

    −であってよく、T

    13およびT

    14は水素またはアルキルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    12は−(CH

    −であってよく、T

    13およびT

    14はメチルであってよく、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    はカルボン酸イオンであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    12は−(CH

    −であってよく、T

    13およびT

    14はメチルであってよく、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    は硫酸イオンであってよい。

    ポリマーが式ZI−3に対応する両性イオンペンダント基を含有する特定の好ましい実施形態では、T 、T およびT 10ならびにこれらが付いている窒素原子は、窒素含有ヘテロ芳香族環を形成する。 例えば、T 、T およびT 10ならびにこれらが付いている窒素原子は、第四級窒素原子を含有する、置換されていてもよいヘテロ環を形成し得る。 このような一実施形態は、式ZI−5に対応する。

    (式中、

    は、式ZI−5の両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味し;HETは第四級窒素原子を含有するヘテロ環であり、T

    15は置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、エーテル、またはオキシレート化アルキレンであり;Z

    はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンである)。 例えば、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −(nは1〜8である)であってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −または−(CH

    −であってよく、Z

    はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    は硫酸イオンであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    はカルボン酸イオンであってよい。

    式ZI−5に対応する例示的両性イオンとして、式ZI−6AおよびZI−6Bに対応する両性イオンが挙げられる。

    (式中、

    は、式ZI−6AおよびZI−6Bの両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味し;T

    15は置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、エーテル、またはオキシレート化アルキレンであり;Z

    はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンである)。 例えば、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −(nは1〜8である)であってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −または−(CH

    −であってよく、Z

    はカルボン酸イオンまたは硫酸イオンであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    は硫酸イオンであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    15は−(CH

    −であってよく、Z

    はカルボン酸イオンであってよい。

    一実施形態では、ポリマーは、ポリマー骨格に直接的または間接的に共有結合的に付いている両性イオンペンダント基を含有し、両性イオンは式ZI−7に対応する。

    (式中、T

    、T

    およびT

    は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;T

    12は結合、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、またはヘテロシクロであり、

    は、式ZI−7の両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味する)

    一実施形態では、ポリマーは、ポリマー骨格に、直接的または間接的に、共有結合的に付いている両性イオンペンダント基を含有し、この両性イオンは、式ZI−1に対応する。

    (式中、


    およびT

    は、独立して酸素、硫黄、NHまたは結合であり、


    は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、エーテル、またはオキシレート化アルキレンであり、


    は、第四級窒素、ホスホニウムまたはスルホニウムカチオン性基を含む部分であり、


    は、式ZI−1の両性イオンのポリマー骨格への直接的または間接的な共有結合点を意味する)

    ポリマーが式ZI−1に対応する両性イオンペンダント基を含有する特定の好ましい実施形態では、T およびT は酸素であり、Z は第四級窒素であり、両性イオンは式ZI−2に対応する。

    (式中、

    は、式ZI−2の両性イオンのポリマー骨格への共有結合点を意味し、T

    はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、またはオキシレート化アルキレンであり、T

    、T

    およびT

    は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)。 例えば、本実施形態では、T

    は−(CH

    −(nは1〜8である)であってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    、T

    およびT

    は、独立して、低級アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    は−(CH

    −(nは1〜3である)であってよく、T

    、T

    およびT

    は、独立して、低級アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピルであってよい。 さらなる例として、本実施形態では、T

    は−(CH

    −(nは1〜3である)であってよく、T

    、T

    およびT

    のうちの1種または複数は、置換ヒドロカルビル、例えば、オリゴマー性ホスホリルコリン(例えば、式9)などであってよい。

    中性の親水性ペンダント基 一実施形態では、ポリマーは、ポリマー骨格に直接的または間接的に共有結合的に付いている中性の親水性ペンダント基を含有する。 例示的中性の親水基として、ヒドロキシ、チオール、オキシレート化アルキル(例えば、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコール)、エーテル、チオエーテルなどが挙げられる。 このような一つの特定の実施形態では、ポリマーは、式POA−1に対応するアルコキシ化部分を含むペンダント基を含有する。

    (式中、aは1〜3であり、bは1〜8であり、各R

    およびR

    は、独立して、水素、ハロゲン、および置換されていてもよい低級アルキルからなる群から選択され、R

    は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、

    は、式POA−1に対応する部分の、ペンダント基の残りの部分および骨格への結合点を意味する)。 例として、一つのこのような実施形態では、各R

    およびR

    は水素であり、nは2または3である。 さらなる例として、一つのこのような実施形態では、各R

    およびR

    は水素であり、nは2または3であり、bは3〜5である。 さらなる例として、一つのこのような実施形態では、各R

    およびR

    は水素であり、nは2または3であり、bは3〜5であり、R

    はアルキルである。 一実施形態では、繰り返し単位は、2〜20のアルキレンオキシド単位を含有するマクロモノマーから誘導される。

    繰り返し単位 一般的に、両性イオンペンダント基、中性の親水性ペンダント基、カチオン性ペンダント基および/またはアニオン性ペンダント基を含むホモポリマーまたはコポリマーは、広範囲なモノマーのうちのいずれかを重合することにより調製することができる。 好ましい一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、オレフィンモノマーから誘導された繰り返し単位を含むホモポリマーまたはコポリマーである。 したがって、例えば、一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、オレフィンモノマーから誘導され、式1に対応する繰り返し単位を含む。

    (式中、


    およびX

    は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ、または置換カルボニルであるが、ただし、X

    およびX

    は、それぞれアリール、ヘテロアリール、およびヘテロ置換されているカルボニルからなる群から選択されないものとし、


    は水素、アルキルまたは置換アルキルであり、


    は−OX

    40 、−NX

    41

    42 、−N

    41

    42

    43 、−SX

    40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり、


    40は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり、


    41 、X

    42およびX

    43は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)

    ノンファウリングポリマー材料が、式1に対応する繰り返し単位を含む特定の実施形態では、繰り返し単位の少なくとも1画分のX がアルコキシ化部分、両性イオン部分、アニオン性部分、またはカチオン性部分を含むことが好ましい。 このような実施形態では、例えば、X およびX は水素であってよく、ポリマーは、式2に対応する繰り返し単位を含む。

    (式中、X

    は水素、アルキルまたは置換アルキルであり、X

    は、オキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、またはカチオン性部分を含むペンダント基である)。 例えば、X

    は水素または低級アルキルであってよい。 さらなる例として、X

    は、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分を含むペンダント基であってよい。 さらなる例として、式2の繰り返し単位は、式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、またはZI−7に対応する両性イオン部分を含む両性イオン繰り返し単位であってよい。 さらなる例として、式2の繰り返し単位はカチオン性繰り返し単位であってよい。 さらなる例として、式2の繰り返し単位はアニオン性繰り返し単位であってよい。 さらなる例として、X

    は水素またはメチルであってよく、X

    は、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分または式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、またはZI−7に対応する両性イオン部分を含むペンダント基であってよい。

    1つの現在の好ましい実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、式2(式中、X はアシルである)に対応する繰り返し単位を含み、この繰り返し単位は、式3に対応する。

    (式中、X

    44はオキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、またはカチオン性部分を含む)例えば、X

    44は−OX

    45 ,−NX

    45

    46または−SX

    45 (式中、X

    45は、オキシレート化アルキレン部分、両性イオン部分、アニオン性部分、もしくはカチオン性部分を含む、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロ部分であり、X

    46は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)であってよい。 例えば、X

    は水素または低級アルキルであってよい。 さらなる例として、X

    44は−OX

    45 、または−NHX

    45であってよい。 さらなる例として、X

    44は、−OX

    45 、または−NHX

    45 (式中、X

    45は、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分を含む)であってよい。 さらなる例として、X

    44は、−OX

    45 、または−NHX

    45 (式中、X

    45は、式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、またはZI−7に対応する両性イオン部分を含む)であってよい。 さらなる例として、式3の繰り返し単位はカチオン性繰り返し単位であってよい。 さらなる例として、式3の繰り返し単位はアニオン性繰り返し単位であってよい。 さらなる例として、X

    は、水素またはメチルであってよく、X

    44は、式POA−1に対応するオキシレート化アルキレン部分または式Zl−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、もしくはZI−7に対応する両性イオン部分を含んでもよい。 1つの特に好ましい実施形態では、ポリマーは、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X

    44は、−O(CH

    (CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    (CH

    (CH

    CO

    、−NH(CH

    (CH

    (CH

    CO

    、または−NH(CH

    (CH

    (CH

    SO

    (式中、nは1〜8である)。 一実施形態では、ポリマーは、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X

    44は、−NH(CH

    N(CH

    CH

    (CH

    SO

    、−NH(CH

    N(CH

    CH

    (CH

    CO

    、−NH(CH

    [(CH

    CH

    (CH

    SO

    、−NH(CH

    )N

    [(CH

    CH

    (CH

    CO

    、−NH(CH

    Nシクロ−(CH

    CO

    、または−NH(CH

    Nシクロ−(CH

    SO

    、(Nシクロはヘテロ環式構造であるか、または少なくとも1個の窒素元素を含有するヘテロ環式誘導体である)(式中、mは1〜8であり;nは0〜5であり;pは1〜8である)である。 一実施形態では、ポリマーは式3に対応する繰り返し単位を含有し、X

    44は、−O(CH

    N(CH

    CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    N(CH

    CH

    (CH

    CO

    、−O(CH

    [(CH

    CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    )N

    [(CH

    CH

    (CH

    CO

    、−O(CH

    Nシクロ−(CH

    CO

    、または−O(CH

    Nシクロ−(CH

    SO

    (式中、mは1〜8であり;nは0〜5であり;pは1〜8である)である。 一実施形態では、ポリマーは、式3に対応する繰り返し単位を含有し、X

    44は、−O(CH

    (CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    (CH

    (CH

    CO

    、−NH(CH

    (CH

    (CH

    SO

    、−NH(CH

    (CH

    (CH

    CO

    、−NH(CH

    (CH

    (CH

    SO

    、−NH(CH

    (CH

    (CH

    CO

    、−O(CH

    (CH

    CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    (CH

    CH

    (CH

    CO

    、−O(CH

    (CH

    CH

    CH

    CH

    (CH

    SO

    、−O(CH

    (CH

    CH

    CH

    CH

    (CH

    CO

    または−NH(CH

    Nシクロ−(CH

    SO

    である)

    好ましい一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は両性イオンポリマーまたはコポリマーである。 例えば、ノンファウリングポリマー材料は、カルボキシベタイン繰り返し単位および/またはスルホベタイン繰り返し単位を含んでもよい。 代わりに、ノンファウリングポリマー材料は、アニオン性およびカチオン性繰り返し単位を含有する高分子両性電解質であってよい。 任意選択で、ノンファウリングポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)繰り返し単位および/または他の中性のオレフィン繰り返し単位を含有してもよい。 したがって、例えば、好ましい一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は式4の繰り返し単位を含む両性イオンポリマーまたはコポリマーである。

    (aは0〜1であり;bは0〜1であり;cは0〜1であり;dは0〜1であり;mは1〜20であり;nおよびoは独立して0〜11であり;pおよびqは独立して0〜11であり;X

    は水素、アルキルまたは置換アルキルであり、X

    は−OX

    40 ,−NX

    41

    42 、−SX

    40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり;X

    40は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり;X

    41およびX

    42は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり;X

    49は水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであるが、ただし、a、b、cおよびdの合計が0を超え、繰り返し単位DのX

    が、繰り返し単位A、BおよびCの対応するペンダント基と異なるものとする)。 1つのこのような実施形態では、X

    はヒドロキシ置換アルキル、例えば、ヒドロキシプロピルなどである。

    特定の実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、式5、式6、式7、式8、または式9に対応する繰り返し単位を含む、ホモポリマーまたはコポリマーである。

    (HETはヘテロ環式構造の一部であり、


    は水素、アルキルまたは置換アルキルであり、


    は−OX

    40 ,−NX

    41

    42 、−SX

    40 、アリール、ヘテロアリールまたはアシルであり、


    は、エステル、無水物、イミド、アミド、エーテル、チオエーテル、チオエステル、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、ウレタン、またはウレアであり、


    は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、


    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、


    はアニオン性部分であり、


    は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、


    10は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、


    11はカチオン性部分であり、


    12はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、


    13は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、


    14はアニオン性部分であり、


    およびL

    は、独立して、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり、


    40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロまたはアシルであり、


    41およびX

    42は、独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロである)

    一実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、式7に対応する繰り返し単位を含み、式7において、ヘテロ環、HETは式10、11または12に対応する。

    (式中、X

    はヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、無水物、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、またはウレアであり;X

    は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり;およびX

    はアニオン性部分である)

    適切なコモノマーとして、これらに限定されないが、アクリレート、アクリルアミド、ビニル化合物、多官能性分子、例えば、ジイソシアネート、トリイソシアネート、およびテトライソシアネート、ジオール、トリオール、およびテトラオール、ジアミン、トリアミン、およびテトラアミン、ならびにジチオシアネート、トリチオシアネート、およびテトラチオシアネートなど;環式モノマー、例えば、ラクトンおよびラクタムなど、ならびにこれらの組合せが挙げられる。 簡潔にするため、例示的メタクリレートモノマーを以下に列挙する(しかし、類似のアクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドモノマーが同様に列挙され、同様に含まれていてもよいことを理解されたい)。
    第一級、第二級または第三級アミン基を有する荷電したメタクリレートまたはメタクリレート、例えば、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート)塩化メチル第四級塩、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチル−塩化アンモニウム、塩化メタクリロイル、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]−トリメチルアンモニウムクロリド)、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、および2−(tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレートなど。

    アルキルメタクリレートまたは他の疎水性メタクリレート、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、デシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、および3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートなど。

    反応性のまたは架橋可能なメタクリレート、例えば、2−(トリメチルシリルオキシ)エチルメタクリレート、3−(トリクロロシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、アリルメタクリレート、ビニルメタクリレート、3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(ジエトキシメチルシリル)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルクロロシリル)プロピルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリコールメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、および2−ヒドロキシプロピル2−(メタクリロイルオキシ)エチルフタレートなど。
    他のメタクリレート、例えば、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、およびエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレートなど。

    多官能性モノマー、例えば、ジアクリレート、トリアクリレート、またはテトラアクリレートおよびジアクリルアミド、トリアクリルアミド、またはテトラアクリルアミドなどを使用して、表面上により高い濃度のノンファウリング基を提供できる高度に分岐した構造を形成することができる。 以前に観察されたように、ノンファウリングポリマー材料は、非両性イオンノンファウリング材料を、単独でまたは両性イオン材料と組み合わせて含有することができる。 これらのノンファウリング基は、様々な環境で異なる度合のノンファウリング性能を有することができる。 適切な非両性イオン材料として、これらに限定されないが、ポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコールなど、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)(PEO−PPO)ブロックコポリマー、多糖、例えば、デキストランなど、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシエチル−メタクリレート(HEMA)など、アクリロニトリル−アクリルアミドコポリマー、ヘパリン、ヘパリンフラグメント、誘導体化したヘパリンフラグメント、ヒアルロン酸、混合した電荷材料、および水素結合受け入れ基を含有する材料、例えば、米国特許第7,276,286号(全体として本明細書中に参照により組み込まれている)に記載されているものなどが挙げられる。 適切なポリマー構造は、これらに限定されないが、式Iのモノマー(式中、Zlは、非両性イオン、ノンファウリング頭部基により置き換えられる)を含有するポリマーまたはコポリマーを含んだ。

    一実施形態では、ノンファウリング材料は、スルホベタイン含有モノマーおよび/またはカルボキシベタイン含有モノマーから誘導される繰り返し単位を含有するポリマーである。 モノマーの例として、スルホベタインメタクリレート(SBMA)、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、カルボキシベタインメタクリレート(CBMA)、カルボキシベタインアクリルアミドおよびカルボキシベタインメタクリルアミドが挙げられる。 このようなポリマーの例として、これらに限定されないが、ポリ(カルボキシベタインメタクリレート)(ポリCBMA)、ポリ(カルボキシベタインアクリルアミド)、ポリ(カルボキシベタインメタクリルアミド)ポリ(スルホベタインメタクリレート)(ポリSBMA)、ポリ(スルホベタインアクリルアミド)、およびポリ(スルホベタインメタクリルアミド)が挙げられる。 別の実施形態では、ノンファウリング材料ポリマーは、CBMAまたはSBMAおよび1種または複数の追加のモノマーの残基を含有するポリマーである。 追加のモノマーは両性イオンまたは非両性イオンモノマーとすることができる。

    一部の実施形態では、永久に荷電した基を保有する両性イオンポリマーを使用することが好ましく、これによって、いかなる理論にも束縛されることなく、荷電した基は水でイオン溶媒和されるので、ノンファウリング性能を改善することができる。 両性イオンポリマー中に永久的電荷を有することができる、一般的に使用される基の存在は、XPSを使用して、表面最上部の約1〜50nmに存在する元素を分析することによって検出することができる。 両性イオンにおいて一般的に使用される1つの代表的な基は、第4級アミン基の中の窒素である。 スルホベタインにおいて、窒素の元素信号は、硫黄に対する信号とほぼ同等となり得る。 さらに、TOF−SIMSなどの技法を使用して、グラフトポリマー層内の両性イオン基を特定することができる。 いくつかの好ましい実施形態では、グラフトポリマー層は、窒素、任意選択で硫黄のXPS信号を含有する。

    一般的に、グラフトポリマー材料は、式1〜12のうちのいずれかに対応する繰り返し単位を含み得る。 さらなる例として、グラフトポリマー材料は両性イオンポリマーを含み得る。 さらなる例として、ポリマー材は式1に対応する繰り返し単位を含み得る。 さらなる例として、グラフトポリマー材料は式2に対応する繰り返し単位を含み得る。 さらなる例として、グラフトポリマー材料は、式3に対応する繰り返し単位を含み得る。 さらなる例として、グラフトポリマー材料は、式4に対応する繰り返し単位を含み得る。 加えて、グラフトポリマー材料は、ペンダント基として、本明細書中に開示されているペンダント基のうちのいずれかを含み得る。 したがって、例えば、グラフトポリマー材料は、式ZI−1〜ZI−7またはPOA−1のうちのいずれかに対応するペンダント基を含み得る。 1つの特に好ましい実施形態では、グラフトポリマー材料は式1に対応し、両性イオンペンダント基を含む。 別の特に好ましい実施形態では、グラフトポリマー材料は、式3に対応し、スルホベタインまたはカルボキシベタインペンダント基を含む。 1つの特に好ましい実施形態では、グラフトポリマー材料は、スルホベタインメタクリレート、スルホベタインアクリレート、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、カルボキシベタインメタクリレート、カルボキシベタインアクリレート、カルボキシベタインアクリルアミド、またはカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される繰り返し単位を含む。 一般的に、グラフトポリマー材料の高さおよび任意の分岐は、表面の凹凸および欠陥を克服するのに役立つことができ、分岐の増加は、付着材料がノンファウリング層へと浸透するための能力を減少させることもある。

    重合 本発明の開示のポリマーの表面改質は、これらに限定されないが、フリーラジカル重合、イオン性重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、窒素酸化物媒介重合(NMP)、可逆的付加フラグメント化重合(RAFT)、開環メタセシス重合(ROMP)、テルル化物媒介重合(TERP)または非環式ジエンメタセシス重合(ADMET)、およびUV、熱、またはレドックスフリーラジカルにより開始される重合を含めた合成手段により形成することができる。 好ましい実施形態では、ポリマーは、酸化剤と還元剤を組み合わせて、すなわち、レドックス対として、レドックスフリーラジカル重合における重合開始剤として使用して形成される。

    一部の実施形態では、多くの場合、ATRPに使用される開始剤および配位子、例えば、臭化物含有開始剤および塩化物含有開始剤、ならびにビピリジンなどの配位子は、特定のレベルで非生体適合性または有毒性となり得るので、このプロセスに使用しないことが好ましい。 回避すべき代表的な臭化物または塩化物含有化合物または残基として、tert−ブチル2−ブロモプロピオネート、tert−ブチル2−ブロモイソブチレート、ヒドロキシエチル2−ブロモプロピオネート、ヒドロキシエチル2−ブロモイソブチレート、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート、グリシジル2−ブロモプロピオネート、グリシジル2−ブロモイソブチレート、4−シアノベンジルブロミド、ブロモアセトニトリルおよび2−ブロモシアノプロパンが挙げられる。 さらなる実施形態において、ポリマー改質された製品またはポリマー改質された製品の水性抽出物もしくは有機物抽出物の中に検出可能なレベルのビピリジンを有していないことが好ましい。 さらなる実施形態において、ポリマー改質された製品またはポリマー改質された製品の水性抽出物もしくは有機物抽出物の中に検出可能なレベルの臭化物を有していないことが好ましい。 ビピリジンおよび臭化物は、例えば、HPLCまたはUV分析で検出することができる。 一部の実施形態では、いかなる残留臭化物も含有しない表面改質コンタクトレンズを有することが好ましい。 臭化物または塩化物の濃度は1ppm未満、5ppm未満、10ppm未満、または50ppm未満であるのが好ましい。 XPS、SEM−EDS、および他の元素分析法により、いかなる臭化物または塩化物も検出できないことが好ましい。

    上述のように、本明細書中に記載されている一般的手順は、必要に応じて、異なる基材材料、開始剤系、および/またはモノマー組成物に適合させるように修正することができる。 一部の実施形態では、例えば、高濃度の開始剤を、基材またはアンダーコーティング層の中および/または上に取り込むことが望ましいこともある。 高い開始剤濃度により、組成物のノンファウリング活性を改善する、極めて高密度でコーティングされた表面を結果として生じることができる。 例えば、極めて高密度でコーティングされた表面は、コーティングへの付着分子の浸透を減少させるポリマー鎖を含有する。 いかなる特定の理論にも束縛されることなく、基材内に組み込まれた開始剤の貯蔵所が、基材の表面および表面付近からのノンファウリングポリマーの再開始および分岐を強化することができることが現在理論化されている。 今度はこの再開始が、ノンファウリングポリマーの厚さ(言い換えると、ノンファウリングポリマーが基材表面に対して垂直方向に基材上に伸びる距離)ならびに分岐の度合を増加させることができる。

    本発明の開示に従い、本明細書中に記載されているプロセスは、表面改質を、医療用デバイス、例えば、コンタクトレンズ(例えば、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ)などに適用させる工程を含む。 例えば、本プロセスは、コンタクトレンズを本明細書中に記載されている重合溶液に接触させる工程を一般的に含む。 一実施形態では、コンタクトレンズをポリマーの表面改質溶液に接触させることは、レンズを溶液中にディップもしくは漬けることにより、またはレンズに溶液を噴霧することにより生じることができる。 1つの例示的表面改質プロセスは、単にディップ−改質の工程のみ、任意選択でディップ−すすぎの工程を含む。 別の例示的表面改質プロセスは、単にスプレー−改質およびスプレー−すすぎの工程のみを含む。 しかし,スプレー−改質およびディップ−改質ならびに/またはすすぎの工程の様々な組合せを含むいくつかの代替形態は、当業者により設計することができる。

    例えば、本明細書中に記載されている表面改質を形成するための単にディップ−改質のみのプロセスは、(a)コンタクトレンズを表面改質溶液中に浸す工程と、(b)任意選択で、金型の半分を水中に浸すことによってこれをすすぐ工程と、(c)任意選択で(a)から(b)の工程を数回にわたり繰り返す工程とを含む。 より厚い表面改質は、工程(a)から(b)を好ましくは数回にわたり繰り返すことにより生産することができる。 他の工程も含むことができる。

    一部の実施形態では、基材に開始剤を組み入れることにより、基材表面から、および基材表面真下の表面付近ゾーン内からポリマー材をグラフトさせることを可能にする。 表面近くゾーンが広がる最大深さ、すなわち、基材表面から測定した場合の、表面付近ゾーンの下方境界の距離は、少なくとも部分的に、開始剤および基材内に開始剤を取り込むために使用される技法の関数である。 しかし、通常は、下方境界がコンタクトレンズの厚さの1%、5%、10%、20%、30%、45%を超えないことが一般的に好ましい。 同様に、表面付近ゾーンの最小深さ、すなわち、基材表面から表面付近ゾーンの上方境界の距離もまた、少なくとも部分的に、開始剤および基材内に開始剤を取り込むために使用される技法の関数である。 例として、上方境界は基材表面から少なくとも1%であってよい。 さらなる例として、上方境界は基材表面から少なくとも45%であってよい。

    しかし通常は、下方境界は、基材表面から、乾燥材料として1マイクロメーターを超えない、または水和材料として20マイクロメーターを超えないことが一般的に好ましい。 例として、下方境界は、水和した基材表面から15マイクロメーターを超えることはできない。 さらなる例として、下方境界は、水和した基材表面から10マイクロメーターを超えることはできない。 同様に、表面付近ゾーンの最小深さ、すなわち、基材表面からの表面付近ゾーンの上方境界の距離もまた、少なくとも部分的に、開始剤および基材内に開始剤を取り込むために使用される技法の関数である。 しかし通常は、上方境界は、基材表面から少なくとも0.1マイクロメーターとなる。 例として、上方境界は、基材表面から少なくとも0.2マイクロメーターであってよい。 さらなる例として、上方境界は、基材表面から少なくとも0.3マイクロメーターであってよい。

    小さな重合開始剤分子が基材表面(ここで重合が開始され、伝播する)においてまたはその付近に集結するよう誘発させるため、基材の表面エネルギーとは規模の異なる表面張力を有する重合混合物溶媒系、および重合混合物溶媒系の中で限られた溶解度を有する1種または複数の重合開始剤が選択される。 ノンファウリング材料がグラフトされることになる基材の表面は、疎水性または親水性であってよく、重合混合物溶媒系は水性であってよく、極性有機溶媒、極性有機溶媒の水性混合物、または水溶液の表面張力を改質することを目的とする任意の有機化合物の水性混合物を含む。 任意選択で、疎水性基材に対して、疎水性開始剤(複数可)および親水性溶媒系、例えば、水性媒体が選択される。 基材が親水性である場合、少なくとも1種の親水性開始剤および非極性の有機溶媒系が選択されるのが好ましい。

    開始剤(複数可)が基材に組み込まれている実施形態では、開始剤は、重合混合物により構成される溶媒系中で限られた溶解度を有するのが好ましく、本明細書中で特定された開始剤のいずれかを含む。 一般的に、組み込まれた開始剤(複数可)は、25〜175℃の10時間T1/2分解温度を有することが好ましい。 一つの特定の実施形態では、組み込まれた開始剤(複数可)は、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有する。 有利なことには、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有することは、レドックス反応により生じる界面開始性事象の密度を増加させ、熱開始反応を効果的に上回る傾向がある。

    本明細書中の他の箇所に記載されているように、開始剤はレドックス対を含むことができる。 このような実施形態では、このような対のうちの少なくとも一方のメンバーは、重合混合物溶媒系においてこのような限られた溶解度を有する。 一実施形態では、レドックス対の両方のメンバーは、重合混合物溶媒系において限られた溶解度を有する。 代替の実施形態では、この対のうちの一方のメンバーは、重合混合物溶媒系に可溶性であるが、他方のメンバーは重合混合物溶媒系に限られた溶解度を有する。 いかなる特定の理論にも束縛されることなく、レドックス対の一方のメンバーは重合混合物溶媒系に可溶性であり、他方は重合混合物溶媒系において限られた溶解度を有する場合、これら2つのメンバーは相分離し、2相の界面において開始が強化され、これによって、溶液重合が低減し、基材表面において、またはその付近で、グラフトを増加させる傾向にあると現在考えられている。 したがって、例えば、レドックス対のうちのいずれかのメンバーは疎水性であってよく、この対のうちのいずれかのメンバーは親水性であってよいが、ただし、メンバーのうちの少なくとも1つは、重合混合物溶媒系において限られた溶解度を有するものとする。 好ましい一実施形態では、疎水性の酸化剤は親水性還元剤と対にされる。 別の好ましい実施形態では、親水性酸化剤は、疎水性還元剤と対にされる。 例えば、一実施形態では、レドックス対は、ペルオキシドおよび還元剤を含み、このペルオキシドは重合溶媒系において限られた溶解度を有し、還元剤は重合溶媒系において高い溶解度を有する。 さらなる例として、特定の実施形態では、ペルオキシドは、疎水性の基材および相に対して3以上のログP分配係数を有し、親水性の基材および相に対して3未満のログP分配係数を有する。 さらなる例として、特定の実施形態では、ペルオキシドは、疎水性の基材および相に対して5以上のログP分配係数を有し、親水性の基材および相に対して1未満のログP分配係数を有する。 さらなる例として、特定の実施形態では、ペルオキシドは、疎水性の基材および相に対して7以上のログP分配係数を有し、親水性の基材および相に対して−1未満のログP分配係数を有する。 さらなる例として、特定の実施形態では、ペルオキシドは、疎水性の基材および相に対して9以上のログP分配係数を有し、親水性の基材および相に対して−3未満のログP分配係数を有する。

    一実施形態では、開始剤−前駆体を基材に最初に組み込み、この開始剤−前駆体を活性化して開始剤にすることにより、開始剤を基材に組み込む。

    開始剤の吸収 本発明の一態様に従い、重合開始剤(複数可)は、様々な技法で基材の中および/または上に組み込むことができる。 一つのこのような方法では、基材(一部の実施形態における、すでに記述されたようなプレコートまたはアンダーコートを有する基材を含む)は重合開始剤を吸収する、すなわち、重合開始剤は基材に吸収される。 一実施形態では、開始剤(複数可)、すなわち、開始剤または異なる開始剤の混合物は、物理吸着により基材の表面の中および/または上に導入され、開始剤は溶媒または溶媒の組合せの中に溶解され、基材により十分な吸収を達成するための時間にわたり、および温度で、基材(アンダーコーティング層あり、またはなしで)を混合物に漬ける。 基材を膨張させておき、最終的には開始剤を基材に吸収させる。 一般的に、浸漬中に基材に組み込まれる開始剤の量は、少なくとも部分的に、開始剤の溶媒系中での溶解度、開始剤の基材中での溶解度、ならびに溶液中での開始剤の浸漬時間、温度および濃度、ならびに基材および開始剤の化学組成の関数となる。 一部の実施形態では、基材は開始剤を吸収し、モノマー(以下に記載されている)も吸収する;例えば、開始剤およびモノマーを単一の溶液(任意選択で、しかし、好ましくは、溶媒または溶媒系を含む)の中で組み合わせることができ、基材をこの溶液中に浸すことができる。

    好ましい実施形態では、重合開始剤(複数可)を吸収することになる基材の表面は、天然または合成のポリマーを含む。 代替の実施形態では、基材は、天然または合成のポリマー、生きているまたは死んだ生物学的組織、織り繊維または不織繊維、およびこれらの組合せの中から選択される吸収可能な材料である。 特定の(コーティングされてない)基材、例えば、金属、セラミック、ガラス、および半金属の基材などは、十分な開始剤を吸収する能力が欠如している。 したがって一般的には、これらの基材に対して、金属、セラミック、ガラスまたは半金属の基材の表面を、アンダーコーティングまたはプレコーティング(これらからポリマー材がグラフトされ得る)でプレコートすることが好ましい。 例えば、金属、セラミック、ガラス、および半金属基材は、ポリアミド、ポリアミン、ポリ酸無水物、ポリアジン、ポリ(カルボネート)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリグアニジン、ポリイミド、ポリケタール、ポリ(ケトン)、ポリオレフィン、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファジン、多糖、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリウレア、ポリウレタン、ハロゲン化ポリマー、シリコーン、アルデヒド架橋した樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ラテックス、またはこれらのコポリマーもしくはブレンドから選択されるポリマーでプレコートすることができ、次いでこのプレコートした基材にすでに記述されたように吸収させる。

    基材に導入する開始剤の量は、溶媒溶液中の開始剤の濃度を変更することによって、および/または1回の開始剤吸収時間の間に、基材を開始剤溶液中に浸漬させておくことができる時間を変更することによって、または必要に応じて、任意の回数の開始剤吸収時間を繰り返すことによって制御することができる。 温度は、それほど重要とはならず、温度は、室温から高温の範囲が典型的である。 複数回の開始剤吸収時間を利用する場合、後に続く吸収時間に使用される開始剤は、その前の開始剤吸収時間で使用された開始剤と同じでも、異なっても、またはこの開始剤との混合物であってもよい。 一般的に、基材は、重合が開始される前に、少なくとも数秒間、開始剤含有溶液に浸す。 一部の実施形態では、基材は、より長時間の間、開始剤含有溶液に浸す。 例えば、基材は、少なくとも数分間開始剤含有溶液に浸すことができる。 さらなる例として、基材は、重合が開始される前に、少なくともおよそ15分間の間、開始剤含有溶液に浸すことができる。 一部の実施形態では、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有する開始剤に対して、基材は、重合が開始される前に、室温または高温で少なくとも1時間の間、開始剤含有溶液に浸すことになる。 さらなる実施形態において、基材は、重合が開始される前に、少なくとも2時間の間、開始剤含有溶液に浸すことになる。 さらなる実施形態では、基材は、重合が開始される前に、少なくとも16時間の間、開始剤含有溶液に浸すことになる。 時間、温度および開始剤含有溶液中の開始剤の濃度に応じて、基材中の開始剤濃度勾配を確立することができる。 一部の実施形態では、表面に近づくにつれて基材中により高い濃度の開始剤を有することが好ましいこともある。 記述されているように、開始剤は、開始剤含有溶液中で様々な濃度で存在し得る。 一般的に、開始剤含有溶液中の開始剤の濃度は、少なくとも0.01質量%となる。 例えば、一部の実施形態では、開始剤の濃度は、一般的に少なくとも0.1質量%となる。 一部の実施形態では、濃度はさらにより高く、例えば、少なくとも0.5質量%となる。 一部の実施形態では、濃度はさらにより高く、例えば、少なくとも1質量%となる。 一部の実施形態では、濃度はさらにより高く、例えば、少なくとも10質量%となる。 特定の例示的実施形態では、開始剤含有溶液中の開始剤の濃度はおよそ0.2〜およそ1質量%の範囲となる。 特定の例示的実施形態では、開始剤含有溶液中の開始剤の濃度はおよそ0.2〜およそ10質量%の範囲となる。 特定の例示的実施形態では、開始剤含有溶液中の開始剤の濃度はおよそ0.5〜およそ5質量%の範囲となる。 特定の例示的実施形態では、開始剤含有溶液中の開始剤の濃度は、およそ0.75〜およそ3質量%の範囲となる。 これらの実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、本明細書中の他の箇所で記載されているUV開始剤、熱開始剤またはレドックス開始剤のうちの1つであることが好ましい。

    一部の実施形態では、開始剤は溶媒中に溶解されており、好ましくは、この溶媒は水性溶媒である。 溶媒は、水、任意の適当な有機溶媒、水と1種もしくは複数の水溶性または水混和性有機溶媒との混合物、あるいはいくつかの有機溶媒の混合物であってよい。 開始剤を溶解することができさえすれば、いかなる公知の適切な溶媒も使用することができる。 例示的溶媒として、制限なしで、水、アセトン、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、グリコール、ケトン、エステル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトフェノン、二塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、ガンマ−ブチロラクトン、二塩化エチレン、イソホロン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、2−ニトロプロパン、エチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノール、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロベンゼン、ニトロエタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、1−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ニトロメタン、トルエン、エタノール、ジエチレングリコール、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノールアミン、四塩化炭素、プロピレングリコール、ヘキサン、エチレングリコール、およびホルムアミドが挙げられる。 水溶性または水混和性の有機成分の例として、制限なしで、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、ウレア、置換ウレア、カルボン酸およびこれらの塩、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン(例えばスルホランなど)、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル、スルホキシド、ラクトン、高分子電解質、メチルスルホニルエタノール、テトラヒドロフラン(THF)、イミダゾール、ベタイン、および他の水溶性または水混和性の材料、ならびにこれらの混合物が挙げられる。

    吸収プロセスの結果、吸収した基材はおよそ0.001質量%の開始剤を含有することができる。 一部の実施形態では、吸収した基材は、より多量の開始剤、例えば、少なくともおよそ0.01質量%を含有する。 例えば、一部の実施形態では、吸収した基材は、少なくともおよそ0.1質量%を含有する。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材はおよそ0.05質量%〜およそ2質量%の開始剤を含有する。 さらなる例として、一部の実施形態では吸収した基材はおよそ0.1質量%〜およそ1質量%の開始剤を含有する。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材はおよそ0.2質量%〜およそ0.5質量%の開始剤を含有する。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材はおよそ1質量%〜およそ10質量%の開始剤を含有する。 しかし通常では、吸収した基材はおよそ20質量%未満の開始剤を含有する。 これらの実施形態のそれぞれでは、開始剤は、本明細書中の他の箇所に記載されているUV開始剤、熱開始剤またはレドックス開始剤のうちの1つが好ましい。 基材が開始剤を吸収するために使用される溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を様々な度合にまで膨張させる能力を有することができる。 通常、吸収する溶媒は、室温および大気圧で、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を900容量%未満膨張させる能力を有する。 例えば、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を750容量%未満膨張させる能力を有する。 さらなる例として、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を500容量%未満膨張させる能力を有する。 さらなる例として、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を250容量%未満膨張させる能力を有する。 さらなる例として、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を100容量%未満膨張させる能力を有する。 さらなる例として、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を100容量%未満膨張させる能力を有する。 さらなる例として、1つのこのような実施形態では、吸収する溶媒は、基材(または少なくとも、開始剤を吸収する基材の部分)を25容量%未満膨張させる能力を有する。

    好ましい実施形態では、吸収した基材は、溶媒を、任意選択でその基材を膨張させる溶媒と共に使用して洗浄し、任意選択で乾燥させることが好ましい。 他の実施形態では、基材は、吸収する溶媒と同じでも異なっていてもよい溶媒で洗浄するか、または基材は洗浄しなくてもよい。 例えば、洗浄溶媒は基材を膨張させても、基材を収縮させてもよいし、またはどちらでもなくてよい。 一実施形態では、基材は乾燥させるか、部分的に乾燥させるか、または乾燥させない。 任意選択で、溶媒の交換が行われてもよい。

    モノマーの吸収 本発明の別の態様に従い、コンタクトレンズ表面へのモノマー(例えば、親水性モノマー)の界面グラフトは、重合反応の開始前にレンズをモノマーで飽和させることによって促進される。 この方法は、2つの反応液の使用を含む。 レンズをモノマーで飽和させた後、新規溶液をより少量のモノマーで作り出す。 この態様は、コンタクトレンズの表面への反応を制御し、レンズ表面の改質を達成するのに必要とされるモノマーの量を低減させる。 表面改質反応中に、モノマーは、溶液中で重合することによって、非グラフトホモポリマーを形成することができる。 このホモポリマーは一般的に純水中で低い溶解度を有し、反応液中に沈殿させることができ、溶液中とレンズ表面上の両方に濁りを作り出す。 最小量のモノマーの使用は、ホモポリマーの沈殿を制限し、ならびにコストおよび化学廃棄物を減少させるのに好ましい。 重合反応の開始前に、コンタクトレンズを親水性モノマー溶液で飽和させることによって、モノマー(レンズ内)と開始剤(レンズ外)の界面であるレンズ表面において重合は進行し、表面の反応を促進させる。 交互に、UVで開始される表面改質反応に対しては、親水性モノマー溶液で予め飽和したレンズは、モノマー溶液から取り出した後、未反応の開始剤を使用することなく、これに直接照射をすることによって重合反応を開始することができる。 好ましくは、バルク反応液中に過剰のモノマーは存在せず、これによって、ホモポリマーの沈殿ならびに溶液中およびレンズ表面上の濁りが制限される。 一部の実施形態では、基材はモノマーを吸収し、開始剤も吸収する(上に記載の通り)。 例えば、モノマーとモノマーを単一の溶液(任意選択で,しかし好ましくは、溶媒または溶媒系を含む)中で合わせ、基材をこの溶液中に浸すことができる。

    モノマーは、様々な技法により基材の中および/または上へ組み込むことができる。 1つのこのような方法では、基材(例えば、すでに記述されたようなコンタクトレンズ)はモノマーを吸収する、すなわち、重合開始剤は基材中に吸収される。 一実施形態では、モノマー(複数可)、すなわち、モノマーまたは異なるモノマーの混合物は物理吸着により基材の表面の中および/または上に導入され、モノマーは、溶媒または溶媒の組合せの中に溶解され、基材による十分な吸収を達成するための時間にわたり、および温度で、基材を混合物に漬ける。 基材を膨張させておき、最終的にはモノマーを基材に吸収させる。 一般的に、浸漬中に基材に組み込まれるモノマーの量は、少なくとも部分的に、モノマーの溶媒系中での溶解度、モノマーの基材中での溶解度、ならびに溶液中でのモノマーの浸漬時間、温度および濃度、ならびに基材およびモノマーの化学組成の関数となる。

    一部の実施形態では、モノマーは、溶媒中に溶解されており、好ましくは、この溶媒は水性溶媒である。 溶媒は、水、任意の適当な有機溶媒、水と1種もしくは複数の水溶性または水混和性有機溶媒との混合物、あるいはいくつかの有機溶媒の混合物であってよい。 電解質(および/またはモノマーおよび/または開始剤)を溶解することができさえすれば、いかなる公知の適切な溶媒も使用することができる。 例示的溶媒として、制限なしで、水、アセトン、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、グリコール、ケトン、エステル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトフェノン、二塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、ガンマ−ブチロラクトン、二塩化エチレン、イソホロン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、2−ニトロプロパン、エチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノール、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロベンゼン、ニトロエタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、1−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ニトロメタン、トルエン、エタノール、ジエチレングリコール、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノールアミン、四塩化炭素、プロピレングリコール、ヘキサン、エチレングリコール、およびホルムアミドが挙げられる。 水溶性または水混和性の有機成分の例として、制限なしで、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、ウレア、置換ウレア、カルボン酸およびこれらの塩、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン(例えばスルホランなど)、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル、スルホキシド、ラクトン、高分子電解質、メチルスルホニルエタノール、テトラヒドロフラン(THF)、イミダゾール、ベタイン、および他の水溶性または水混和性の材料、ならびにこれらの混合物が挙げられる。

    基材に導入するモノマーの量は、溶媒溶液中のモノマーの濃度を変更することによって、および/または1回のモノマー吸収時間の間に、基材をモノマー溶液中に浸漬させておくことができる時間を変更することによって、または必要に応じて、任意の回数のモノマー吸収時間を繰り返すことによって制御することができる。 温度は、それほど重要とはならず、温度は室温から高温の範囲が典型的である(例えば、−15℃〜80℃)。 複数回のモノマー吸収時間を利用する場合、後に続く吸収時間に使用されるモノマーは、その前のモノマー吸収時間に使用されたモノマーと同じでも、異なっても、またはこのモノマーとの混合物であってよい。 したがって、モノマー含有溶液は、複数のまたは連続的な用途に、通常、ポリマー濃度が溶液の1質量%を超える、2質量%を超える、10質量%を超える、20質量%を超えるまで再使用することができる。 一般的に、基材は、モノマー含有溶液中に少なくとも数秒(例えば、30秒)の間浸す。 一部の実施形態では、基材はモノマー含有溶液中により長時間の間浸す。 例えば、基材は、モノマー含有溶液中に少なくとも数分間の間浸すことができる。 さらなる例として、基材は、モノマー含有溶液中に少なくともおよそ5分間、10分間、または15分間の間浸すことができる。 一部の実施形態では、基材は、モノマー含有溶液中に、少なくとも1時間、2時間、4時間、または6時間の間浸すことになる。 さらなる実施形態において、基材は、モノマー含有溶液中に少なくとも6時間、8時間、または12時間の間浸すことになる。 さらなる実施形態では、基材は、モノマー含有溶液中に、少なくとも14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、または24時間の間浸すことになる。 好ましい一実施形態では、基材は、モノマー含有溶液に1時間の間浸す。 一部の実施形態では、開始剤はモノマーの吸収中に存在する(すなわち、モノマーおよび開始剤は共吸収される)。 他の実施形態では、開始剤はモノマー吸収時間の後で加える。

    吸収プロセスの結果として、吸収した基材はおよそ0.01質量%〜およそ50質量%のモノマーを含有することができる。 一部の実施形態では、例えば、吸収した基材は、より多量のモノマー、例えば、少なくともおよそ0.1質量%、少なくともおよそ0.5質量%、または少なくともおよそ1質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、少なくともおよそ2質量%、少なくともおよそ5質量%、または少なくともおよそ10質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ0.01質量%〜およそ2質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ0.1質量%〜およそ1質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ0.2質量%〜およそ0.5質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ1質量%〜およそ10質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ1質量%〜およそ20質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ5質量%〜およそ25質量%のモノマーを含有することになる。 さらなる例として、一部の実施形態では、吸収した基材は、およそ10質量%〜およそ50質量%のモノマーを含有することになる。 しかし通常、は、吸収した基材は、およそ20質量%未満のモノマーを含有することになる。

    例として、コンタクトレンズは、開始剤を含む反応混合物(例えば、0.5〜200mM Ce(IV)、好ましくはおよそ5mM)に入れる前に、10%、25%、または50%SBMA水溶液中で、30秒〜2時間の間(好ましくは1時間)予備平衡化することができる。 次いで反応を25〜80℃(例えば、40〜60℃)で1時間実施する。 コンタクトレンズはまた、反応に加える前に、水中に40〜60分間予め浸漬させるのが好ましい。 これは、反応混合物に直接入れられた乾燥レンズは、反応完了時に乏しい透明度および形状を示す傾向にあるので、レンズの形状および透明度を保持するのに役立つことができる。 別の例として、0.15M NaCl中の5%SBMAおよび1mM Ce(IV)と60℃で2.5時間反応させる前に、0.15M NaCl中の5%SBMAに予め浸漬させておくと、レンズは、すすぎの後で良好な形状および透明度を示した。 その一方で、予め平衡化させなかったレンズは形状および透明度が良好ではなかった。 NMRにより、1%、2%、10%、または20%より高いポリマーが溶液中に見出されるまで、浸漬溶液は再利用することができた。

    イオン強度 本発明の開示の別の態様に従い、表面改質を電解質の存在下で行う。 一実施形態では、例えば、電解質、例えば、一価の塩などを反応液に加えることによって、イオン強度を増加させ、両性イオンポリマーの沈殿を最小限に抑える。 さらに、いくつかの塩、例えば、KClなどを追加的に作用させることによって、高分子量ホモポリマーの形成を減少させることができ、これによって、均質の反応液が維持され、溶液中とレンズの表面上の両方において濁りが妨げられることにもなる。

    一実施形態では、例えば、表面改質溶液は、明細書中に記載されているモノマーおよび開始剤と共に電解質を含む。 一般的に、電解質は、反応の任意のステージで加えることができ、または反応全体を通しておよび基材の任意の事前調整を通して存在することができる。 例として、電解質はモノマー吸収時間、開始剤吸収時間、組合せのモノマー開始剤吸収時間の間に存在してもよいし、またはモノマーおよび/または開始剤の吸収時間の後(例えば、重合反応の開始時またはその直後)に加えてもよい。 適切な電解質は、イオン強度を増加させ、他の溶液成分(例えば、両性イオンポリマー)の沈殿を最小限に抑えるまたは妨げるものである。 電解質は通常、カチオン性成分およびアニオン性成分を有する塩を含む。 適切なカチオンは一価または多価であってよく、有機物または無機物であってよく、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、セシウム、およびリチウムカチオン、ならびに第一級、第二級、第三級または第四級アンモニウムまたはピリジニウムのカチオンが挙げられる。 適切なアニオンは、一価または多価であってよく、有機物または無機物であってよく、例えば、塩化物、硫酸、硝酸、亜硝酸、炭酸、クエン酸、シアン酸、酢酸、安息香酸、酒石酸(tartarate)、シュウ酸、リン酸、およびホスホン酸のアニオンが挙げられる。 適切な電解質として、例えば、多価アニオンの一価カチオンとの塩、例えば、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、およびクエン酸ナトリウムなど、多価カチオンと一価アニオンとの塩、例えば、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ハロゲン化亜鉛、塩化バリウム、および硝酸カルシウムなど、ならびに一価カチオンの一価アニオンとの塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、アルカリ金属硝酸塩、および硝酸アンモニウムなどが挙げられる。 好ましい一実施形態では、電解質は、一価カチオン成分および一価アニオン性成分、例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどを含む。

    電解質は、これに加えてまたは代わりに緩衝剤を含んでもよい。 代表的な緩衝剤として、酢酸塩、リン酸塩、およびクエン酸塩が挙げられ、これらおよび他の特定の緩衝剤の非独占的リストは以下の通り:リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ホウ酸塩、Na−アセテート;N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸(HEPES);Na−カコジレート;Na−シトレート;Na−スクシネート;Na−K−ホスフェート;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS);トリス−マレエート;イミダゾール−マレエート;ビストリスプロパン;N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS);N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPSO);3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホン酸(CHAPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、およびイミダゾール(imidizole)緩衝剤。

    通常、電解質(および/または他の反応物質、例えば、モノマーおよび/または開始剤など)は溶媒中に溶解される。 溶媒は、水、任意の適当な有機溶媒、水と1種もしくは複数の水溶性または水混和性有機溶媒との混合物、あるいはいくつかの有機溶媒の混合物であってよい。 電解質(および/またはモノマーおよび/または開始剤)を溶解することができさえすれば、いかなる公知の適切な溶媒でも使用することができる。 例示的溶媒として、制限なしで、水、アセトン、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、グリコール、ケトン、エステル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトフェノン、二塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、ガンマ−ブチロラクトン、二塩化エチレン、イソホロン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、2−ニトロプロパン、エチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、シクロヘキサノール、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロベンゼン、ニトロエタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、1−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ニトロメタン、トルエン、エタノール、ジエチレングリコール、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノールアミン、四塩化炭素、プロピレングリコール、ヘキサン、エチレングリコール、およびホルムアミドが挙げられる。 水溶性または水混和性の有機成分の例として、制限なしで、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、ウレア、置換ウレア、カルボン酸およびこれらの塩、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン(例えばスルホランなど)、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル、スルホキシド、ラクトン、高分子電解質、メチルスルホニルエタノール、テトラヒドロフラン(THF)、イミダゾール、ベタイン、および他の水溶性または水混和性の材料、ならびにこれらの混合物が挙げられる。 一実施形態では、溶媒は水である。 別の実施形態では、溶媒は、水中に5%、10%、または20%メタノールを含む溶媒の混合物である。

    一部の実施形態では、例えば、反応液は、およそ10mM〜およそ10Mの電解質(または電解質の組合せ)を含む。 例えば、反応液は、およそ100mM〜およそ5Mの電解質を含んでもよい。 別の例として、反応液は、150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、500mM、750mM、1M、2M、3M、4M、または5Mの電解質を含んでもよい。 一つの特定の実施形態では、電解質は、150mM〜およそ5Mの濃度で反応液中に存在する。 別の特定の実施形態では、電解質は150mMの塩化ナトリウムである。

    好ましい実施形態では、反応液は透明であり、ホモポリマーを含まない。 反応液の濁りを定量化する1つの方法により、コンタクトレンズの周りの反応液の600nmでの光学密度はおよそ0.2未満である。 例えば、600nmでの光学密度は、およそ0.1未満、およそ0.05未満、またはおよそ0.01未満であってよい。 一実施形態では、この段落で列挙された、前述の例および実施形態のそれぞれの光学密度測定値は、本明細書中で考察されたUV重合反応条件またはおよそ60℃の反応温度において取られている。 別の実施形態では、この段落で列挙された、前述の例および実施形態のそれぞれの光学密度測定値は室温で取られている。 別の実施形態では、この段落で列挙された、前述の例および実施形態のそれぞれの光学密度測定値は、試料バイアルを氷水槽内に置いた後、0℃で取られている。

    ポリマー表面改質反応は、開始剤の使用を介して開始される。 一般的に、いかなる公知の適切な開始剤も本明細書中に記載されているプロセスにおいて使用することができ、このプロセスは、開始剤、モノマー、および基材を接触させることもしくは混合すること、またはさもなければ反応混合物中に開始剤を含めることを含む。 当業者であれば、重合を開始するための開始剤をどのように選択するか熟知している。 例えば、1種もしくは複数の種の紫外線(UV)開始剤、1種もしくは複数の種の熱開始剤、および/または1種もしくは複数の種のレドックス開始剤を採用することができる。
    一実施形態に従い、開始剤は、基材に吸収させるか、または開始剤を含有するコーティングを基材上に堆積させることによって、基材の中へ組み込む。 組み込まれた開始剤は、1種の開始剤の種、または2種以上の開始剤の種を含んでもよい。 例えば、1種もしくは複数の種の紫外線(UV)開始剤、1種もしくは複数の種の熱開始剤、および/または1種もしくは複数の種のレドックス開始剤を基材の中に組み込むことができる。 さらに具体的には、現在好ましい一実施形態では、開始剤(複数可)は、本明細書中の他の箇所で記載されているような、その上方境界と、下方境界との間の表面付近ゾーンへ組み込まれる。 今日までの実験の証拠に基づき、およびいかなる特定の理論にも束縛されることなく、組み込まれた開始剤は、表面付近ゾーン内ならびに基材表面からのポリマー材のグラフトを可能にするようにみえる。

    理論に関わらず、基材に組み込まれる開始剤の量は、重合以前の基材内での開始剤の検出、および重合後の基材内での開始剤またはその分解生成物の検出を可能にするのに十分であることが一般的に好ましい。 一般的に、抽出は、無極性溶媒および極性溶媒の両方を使用することができる。 例えば、抽出溶媒、例えば、水、アセトンもしくはエタノールなど、ならびに/または開始剤および/もしくはその分解生成物の溶解度が少なくとも1mg/Lである、他の抽出溶媒である。 抽出は、抽出物の濃度の変化が毎時5%を超えて増加しないよう、十分な時間行うべきである。 代わりに、抽出は、それに続く抽出において抽出した材料の量が、最初の抽出において検出された量の10%未満になるまで、または抽出された材料の累積的なレベルにおいて、分析による有意な増加が検出されなくなるまで行うべきである。 例示的抽出条件として以下が挙げられる:37℃で72時間;50℃で72時間;70℃で24時間;および121℃で1時間。 例示的抽出率として、6cm /mL表面積/容量および/または0.2g試料/mLが挙げられる。 ある場合には、基材の完全な溶解が適切なこともある。 材料は、抽出前に小さな小片に切断することによって、抽出媒体中でいっそうよく漬かるようにすべきであり、例えば、ポリマー基材に対して、約10mm×50mmまたは5mm×25mmが適当である。

    分析のために使用される計測手段の例として、有機物分析のための高速液体クロマトグラフィー−フォト−ダイオードアレイ検出−質量分析法(HPLC−PDA−MS);有機物分析のためのガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS);金属分析のための誘導結合プラズマ−光学発光分光法または質量分析法(ICP−OESまたはICP−MS);および無機物分析およびイオン分析のためのイオンクロマトグラフィー(IC)が挙げられる。 さらに高度なMS検出器、例えば、飛行時間(TOF)などを使用することによって、正確な質量情報を得ることもできる。 ヘキサンおよびアルコール抽出物は、例えばGC−MSおよびHPLCで分析する。 水およびアルコール抽出は、例えばHPLCで分析する。

    開始剤またはその分解生成物は、以前に記述された方法により、基材もしくはグラフトポリマー中で定量化し、および/または検出することができる。 これらは、FTIR−ATR、化学分析用の電子分光法(ESCA、またX線光電子分光法、XPSとも呼ばれる)、二次イオン質量分析法(SIMS)、および表面強化ラマン分光法(SERS)を含む。 例えば、ペルオキシドは、以下の3つの方法のうちのいずれかを使用して分光光度法により検出することができる:ヨウ化物法(塩化第二鉄の存在下でのペルオキシドによるヨウ化ナトリウムの酸化)、DPPH法(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、ラジカルスカベンジャーでの処理によるペルオキシドの分解)、またはペルオキシダーゼ法(グルタチオンペルオキシダーゼで触媒したグルタチオンの還元、これに続くグルタチオンレダクターゼの存在下でのNADPHのカップリング酸化の測定)。 例えば、Fujimoto et al., Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, Vol. 31, 1035-1043 (1993)を参照されたい。

    同様に、開始剤(複数可)および/またはその分解生成物はまた、適切な溶媒、例えば、水、アセトンまたはエタノールなどを使用して基材/グラフトポリマーから抽出し、すでに記述された方法により、基材またはグラフトポリマー中で定量化および/または検出することができる。 これらは、化学分析(ESCA、またX線光電子分光法、XPSとも呼ばれる)のための、FTIR−ATR、電子分光法、二次イオン質量分析法(SIMS)、および表面−強化するラマン分光法(SERS)を含む。 例えば、ペルオキシドは、以下の3つの方法のうちのいずれかを使用して分光光度法により検出することができる:ヨウ化物法(塩化第二鉄の存在下でのペルオキシドによるヨウ化ナトリウムの酸化)、DPPH法(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、ラジカルスカベンジャーでの処理によるペルオキシドの分解)、またはペルオキシダーゼ法(グルタチオンペルオキシダーゼで触媒したグルタチオンの還元、これに続くグルタチオンレダクターゼの存在下でのNADPHのカップリング酸化の測定)。 例えば、Fujimoto et al., Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, Vol. 31, 1035-1043 (1993)を参照されたい。

    別の実施形態では、基材の予備重合における開始剤の定量化および/もしくは検出、または基材の後重合における開始剤もしくはその分解生成物(複数可)の定量化および/または検出は、抽出を行い、それに続いて一連の分析技術のうちのいずれかを行うことにより遂行することができる。 例えば、抽出物中の開始剤またはその分解生成物(複数可)の量の定量化および/または検出は、UV/VIS、FTIR、核磁気共鳴分光法、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、および液体クロマトグラフィーを含めた、分光法およびクロマトグラフィーを使用して遂行することができる。

    モノマーは、これらの反応率により、交互コポリマー、各モノマーの前もって指定された比を有する周期コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーまたはホモポリマーが得られるように選択することができる。 各モノマー単位上に2つより多くの反応性基を包含することによって、星形ポリマー、デンドリマー、規則的に分岐したポリマー、ランダムに分岐したポリマー、およびブラシポリマーの形成が可能となる。 一般的に、モノマーは、本明細書中に開示されているモノマーのうちのいずれかから選択することができる。 したがって、例えば、モノマーは、式ZI−1〜ZI−7に対応するペンダント基のいずれかを含有し得る。 さらなる例として、重合時、モノマーは、式1〜12のうちのいずれかに対応する繰り返し単位を有するポリマーを提供し得る。 好ましい実施形態では、モノマーは、重合混合物の溶媒系と混和性がある。

    疎水性基材の表面改質のためのプロセスにおいて、親水性溶媒系が採用されるのが好ましい。 溶媒系として、任意選択で、イオンまたは緩衝剤、例えば、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、塩化物、リン酸塩、または酢酸塩などを含有してもよい、水溶液が使用されるのが好ましい。 親水性基材を改質するためのプロセスにおいて、疎水性溶媒系が使用されるのが好ましい。 このようなプロセスでは、好ましい媒体は有機溶媒であり、通常は、非極性有機溶媒、またはこれらの混合物である。 例示的有機溶媒として、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、および脂肪族アルコールのうちの1種または複数が挙げられる。 好ましい実施形態では、溶媒系は、基材(または少なくとも、そこからポリマーがグラフトされる基材の部分)を、25容量%を超えて膨張させない。 例えば、1つのこのような実施形態では、溶媒系は、基材(または少なくとも、そこからポリマーがグラフトされる基材の部分)を、10容量%を超えて膨張させない。 好ましい実施形態では、溶媒系は、基材(または少なくとも、そこからポリマーがグラフトされる基材の部分)を、5容量%を超えて膨張させない。 一実施形態では、溶媒系は、基材(または少なくとも、そこからポリマーがグラフトされる基材の部分)をさらに収縮させてもよい。

    1つの特に好ましい実施形態では、ノンファウリングポリマー材料は、鎖成長付加重合により基材からグラフトされる。 本明細書中に記載されている重合条件は、他の重合方法と比較して一般的に穏やかであり、したがって基礎をなす基材の機械的特性、柔軟性、または寸法特性を有意に変化させない。 好ましい一実施形態では、例えば、重合は、60℃を超えない温度で行う。 重合は、比較的に広いpH範囲、例えば、およそ0〜10にわたり行うことができる。 一実施形態では、重合反応はおよそ2〜8のpHで行う。 例えば、DCPおよびグルコン酸第一鉄がレドックス対として使用される場合、重合反応は、およそ6〜8のpHで行うことができる。 さらなる例として、過酸化ベンゾイルおよびグルコン酸第一鉄がレドックス対として使用される場合、重合反応はおよそ4〜6のpHで行うことができる。 さらなる例として、O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)モノ−ペルオキシカルボネート(「TBEC」)およびグルコン酸第一鉄がレドックス対として使用される場合、重合反応はおよそ5〜7のpHで行うことができる。

    ラジカル重合プロセスの例として、これらに限定されないが、UV、熱、およびレドックスで開始されるプロセスが挙げられる。 特定の実施形態において、任意選択で、最初に1種または複数のモノマーおよび/または開始剤(例えば、紫外線(UV)、熱、またはレドックス開始剤など)を基材に吸収させ、表面からの1種または複数のモノマーの重合を開始することによって、ポリマーを基材からグラフトさせる。 一実施形態では、基材に開始剤を吸収させることによって、または開始剤を含む層、例えば、アンダーコーティング層(本明細書中で、時には共堆積した層と呼ばれる)を基材にコーティングすることによって、開始剤は基材に組み込まれる。 別の実施形態では、基材にモノマーを吸収させることによって、モノマーは基材に組み込まれる。 重合は通常、基材を、重合すべきモノマー(複数可)および開始剤の溶液または懸濁液に曝露することによって開始される。 溶媒溶液中のポリマー濃度、ポリマー溶液の表面張力、重合温度、ポリマー溶液のpH、重合溶液の撹拌条件もしくは流れの条件を変更することによって、1回の重合時間中に基材がポリマー溶液中に留まることが許される時間を変更することによって、および/または必要に応じて、重合時間を何回か繰り返すことによって、基材に導入されるポリマー量を制御することができる。 重合時間を複数回利用する場合、それに続く重合時間に使用されるポリマー(複数可)は、前の重合時間に使用されたポリマー(複数可)と同じでも、異なってもよいし、またはそれとの混合物であってもよい。

    連鎖移動剤をモノマー溶液に加えることによって、グラフトフロムラジカル重合反応動態を媒介することができる。 連鎖移動剤としてこれらに限定されないが、ハロ炭素を含有する分子、チオール、ジチオカルバミン酸塩、トリチオ炭酸塩、ジチオエステル、キサンテート、第一級または第二級アルコールが挙げられる。 連鎖移動剤の例は、ブロモトリクロロメタン、4−メチルベンゼンチオール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、およびイソプロパノールである。 一実施形態では、ラジカル重合グラフトは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(tetramethylpiperidinie)−1−オキシル(TEMPO)を使用して媒介される。 一実施形態では、ラジカル重合グラフトは、可逆的付加フラグメント化移動(RAFT)剤を使用して媒介される。 RAFT剤の例として、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオエート、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボネート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド、シアノメチルドデシルトリチオカルボネート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、ならびにこれらの類似体および誘導体が挙げられる。

    酸素は、フリーラジカル重合において阻害剤として作用することができる。 これは、酸素が開始剤により生成されたフリーラジカルと急速に反応することによって、安定したラジカル種を形成でき、このラジカル種が今度は他のラジカル種と反応することによって、重合を停止させる非反応性種を形成できるからである。 したがって、通常、窒素もしくはアルゴンまたは真空での脱気により酸素を含まない環境を作り出すことが、重合前および重合中に酸素を除去するために使用される。 しかし、特定の実施形態については、商業生産においてこのような脱気工程を必要としないことが好ましい。 好ましい一実施形態では、重合方法はATRP以外であり、つまり、ATRPは通常、酸素レベルの厳格な制御を必要とし、これは製造中に達成するのが困難なこともある。
    代わりに、系内の酸素は、反応器に反応混合物を充填すること、したがって反応器内の酸素を物理的に置き換えることによって最小限に抑えることができる。 別の実施形態では、酸素をスカベンジする試薬を反応混合物に加えることができる。 適切な酸素スカベンジング試薬として、これらに限定されないが、(メタ)過ヨウ素酸ナトリウム、リボフラビン、およびアスコルビン酸が挙げられる。 これらの薬剤は、重合が不活性雰囲気を採用していない場合、生成したポリマーの有効性を改善することができる。

    モノマーおよび溶媒系に加えて、重合混合物は表面のグラフトを促進させるためのフリーラジカル阻害剤を任意選択で含有することができる。 いかなる特定の理論にも束縛されることなく、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェナザチオニウムクロリド、トリエチレンジアミン、t−ブチルカテコール、ブチル化ヒドロキシトルエン、および4−t−ブチルフェノールを含めたフリーラジカル阻害剤のグラフト溶液への添加は、溶液重合を低減させ、これによって基材表面/重合混合物の界面上または界面付近で、グラフトに対してより多くのモノマーを利用可能にすることができると現在考えられている。
    可塑剤は、表面の重合中いつでも、および/または重合後いつでも、グラフトポリマーに組み込むことができる。 好ましい実施形態では、親水性可塑剤(例えば、クエン酸エステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、および/またはポリエチレングリコール[<2000M ])を、後重合の水での洗浄時間中に、グラフトポリマーに組み込む。

    i. UV開始剤 一実施形態では、開始剤は紫外線(UV)開始剤である。 基材および開始剤は通常、両性イオンモノマーを含有する、水性の、脱気した溶液中に入れ、紫外光に曝露するとラジカル重合が開始する。 通常、紫外光は、およそ220〜400nmの波長および100Wの強度を有する。 反応液の距離は、例えば、およそ2cmからおよそ50cmまでの距離で変化させることができる。 UV曝露時間もまた、例えば、30秒からおよそ4時間まで変化させることができる。 一つの例示的実施形態では、紫外光は、365nmのピーク波長を有し、これは、100WのUVで生成される。

    本開示の1つの態様に従い、非抽出のレンズ内の未反応の開始剤の残留物を使用することによって、UV反応を介して表面改質を促進させることができる。 UVおよび/または可視光エネルギーを介して重合したレンズは、UV−可視光で励起可能な化合物を使用することによって、ラジカルを生成し、硬化重合プロセスを開始する。 過剰な開始剤を好ましくは使用することによって、十分な反応を確定的にする。 過剰な開始剤の残留物はその後、パッケージングおよび殺菌の前にレンズから抽出することができる。

    一実施形態では、コンタクトレンズの表面に対して親水性モノマーのUVで開始される重合を使用して表面改質反応を実施するが、この場合、レンズ形成から残留する開始剤だけしか使用しない。 他の開始剤を導入する必要がないので、この方法は、現在のコンタクトレンズ製造プロセスに好都合に適合し、コストおよび化学廃棄物を減少させ、表面改質を簡素化する。 例えば、コンタクトレンズを製造するための現在のプロセスは、硬化したコンタクトレンズを水溶液、溶媒および/またはアルコールに曝露することによって、残留する開始剤および未反応のモノマーを抽出する、抽出工程を含んでもよい。 未反応の開始剤を抽出することなく、親水性モノマーを加えた後でUVで開始される重合を使用して、別々の反応を開始することができる。 UVの波長および強度を制御することによって、レンズの1つの表面のみをUVに曝露させることができる。 これによって、内面または外面だけが改質されたコンタクトレンズを生産することができる。 この方法で両方の表面を改質させることもできる。 別の実施形態では、本プロセスは、UV開始剤を有するコンタクトレンズ基材モノマーを金型に導入する工程と、金型内で重合化する工程と、表面改質のためにモノマーを加える工程と、新規開始剤を導入することなくUV曝露を継続する工程とからなる、モノマーからコンタクトレンズを製造する工程を含む。 特定の実施形態では、より高いレベルの開始剤をコンタクトレンズの最初の重合に使用することによって、表面改質工程において開始剤の残留を可能にする。 例として、反応混合物の重量の少なくともおよそ1ppm〜およそ50,000ppmの開始剤の質量パーセントがUV開始ステージに対して存在する。 コンタクトレンズ本体および表面改質の重合に対して異なる強度および波長のUVを使用することができる。 表面改質後、コンタクトレンズは、未改質のコンタクトレンズを製造するための現在のプロセスの抽出工程に曝露させることができる。

    交互の実施形態では、プロセスの第1段階において、2つの別個のUV開始剤をコンタクトレンズモノマーと同時に導入する。 別の交互の実施形態では、2つの別個のUV開始剤は、1つはプロセスの第1段階の間(すなわち、レンズの硬化)に、もう1つはプロセスの第2段階の間(すなわち、表面改質の適用)に導入する。 これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、これらの別個の開始剤は、互いに異なる条件下、例えば、独自の波長などでの開始が可能である。 言い換えると、1つのタイプの開始剤は、コンタクトレンズ成形工程中での開始が可能であり、第2のタイプの開始剤は、表面改質工程中での開始が可能である。 この段落の中の実施形態および例では、紫外光は、およそ250〜400nm(例えば、360nm)の波長および100Wの強度を有し、曝露の範囲は、およそ15分間〜およそ2時間(例えば、30分間)であることが好ましい。

    本明細書中に記載されている実施形態および例において使用するための代表的なUVラジカル開始剤として、これらに限定されないが、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4'−モルホリノブチロフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−4'−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン、3'−ヒドロキシアセトフェノン、4'−エトキシアセトフェノン、4'−ヒドロキシアセトフェノン、4'−フェノキシアセトフェノン、4'−tert−ブチル−2',6'−ジメチルアセトフェノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾイン、4,4'−ジメチルベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、2−メチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ビス[2−(1−プロペニル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ベンゾフェノン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルホルメート、ミヒラーケトン、スルホニウム、ヨウ素、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドペルフルオロ−1−ブタンスルホネート、N−ヒドロキシナフタリミドトリフレート、2−tert−ブチルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩一水和物、カンファーキノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、10−メチルフェノチアジン、チオキサントン、およびIRGACURE2959が挙げられる。

    ii. 熱開始剤 別の実施形態では、上記に記載されているUV開始剤の代わりに、またはこれに加えて、加熱活性化(熱)開始剤を使用し、水性のモノマー溶液温度を所望の温度に加熱し、所望の重合度が達成されるまで温度を一定に保持することにより、グラフトフロム重合を開始する。

    適切な熱開始剤として、これらに限定されないが、tert−アミルペルオキシベンゾエート、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス[(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,3,−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、過酸化ジクミル、過酸化ラウロイル、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、過酢酸、および過硫酸カリウムが挙げられる。

    溶液を加熱する温度は、とりわけ、モノマーおよび/または開始剤、および/または基材に依存する。 熱ラジカル開始剤の例として、これらに限定されないが、アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などが挙げられる。 好ましいグラフト温度は、選択された開始剤の10時間T1/2付近である。 グラフトフロムラジカル重合反応は、開始剤の半減期を超えて加熱することによって熱的にクエンチすることができる。

    iii. レドックス開始剤 別の実施形態では、レドックス開始剤系を使用して、基材の表面からの重合を開始する。 レドックス開始剤系は通常、開始剤の対:酸化剤および還元剤を含む。 本明細書中に記載されているレドックス化学反応を修正することによって、ノンファウリングポリマー材料、例えば、両性イオンポリマー材などを調製することができる。 レドックス開始は、穏やかな条件下でフリーラジカルを効果的に生成するための1個の電子の移動反応とみなされる。 適切な酸化剤として、これらに限定されないが、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、ペルオキシ炭酸塩、ペルオキシ二硫酸塩、ペルオキシ二リン酸塩、過マンガン酸塩、金属の塩、例えば、Mn(III)、Ce(IV)、V(V)、Co(III)、Cr(VI)およびFe(III)などの塩が挙げられる。

    適切な還元剤として、これらに限定されないが、金属塩、例えば、Fe(II)、Cr(II)、V(II)、Ti(III)、Cu(II)、およびAg(I)塩など、ならびに硫黄、ヒドロキシ酸、アルコール、チオール、ケトン、アルデヒド、アミン、およびアミドのオキシ酸が挙げられる。 例えば、一部の実施形態では、還元剤は、鉄(II)塩、例えば、L−アスコルビン酸鉄(II)、硫酸鉄、酢酸鉄(II)、アセチルアセトン酸鉄(II)、硫酸エチレンジアンモニウム鉄(II)、グルコン酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、または硫酸鉄(II)などである。
    重合は、レドックス反応から直接形成されるラジカルにより、および/またはレドックス反応中に形成された過渡ラジカルにより基材から水素原子を抽出することによって形成されるマクロラジカルにより開始することができる。

    一実施形態では、基材は、アンダーコーティングのコーティングでコーティングし、レドックス重合によりアンダーコーティング層からノンファウリング材料をグラフトさせる。 アンダーコーティングのコーティングは酸化剤または還元剤を含有する。 好ましい実施形態では、アンダーコーティング層は、1種または複数の還元剤、例えば、酸、アルコール、チオール、ケトン、アルデヒド、アミンおよびアミドなどを含有する。 酸化剤を使用して、アンダーコーティング層の1種または複数の官能基と反応させることによって、グラフトフロム重合を開始するラジカルを形成する。

    特定の実施形態では、アンダーコーティング層は、シラノールおよび/またはヒドロキシル基を含有する脂肪族鎖のペンダント基を有するコポリマーである。 このような材料を使用することによって、ポリマー基材、例えば、ポリウレタン(PU)などの上にアンダーコーティング層を形成することができる。 酸化剤、例えば、Ce(IV)の塩などを穏やかな条件下でヒドロキシル基と反応させて、アンダーコーティング層の中にヒドロキシルラジカルを形成することによって、両性イオンポリマーを成長させる。

    さらなる別の実施形態では、ペルオキシドおよび金属塩(例えば、フェントン反応に使用されるようなFe(II)など)の対をレドックス重合に使用することによって、ポリマーから両性イオンポリマーをグラフトする。 レドックス重合に使用するためのペルオキシドとして、過酸化水素、過酸化ジアシル、過酸化ジアルキル、ジペルオキシケタール、ヒドロペルオキシド、過酸化ケトン、ペルオキシ二炭酸塩、およびペルオキシエステルが挙げられる。 例示的過酸化ジアシルとして、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化コハク酸、および過酸化ベンゾイルが挙げられ、例示的過酸化ジアルキルとして、過酸化ジクミル、2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−ブチル過酸化クミル、異性体のa,a'−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン混合物、過酸化ジ(t−アミル)、過酸化ジ(t−ブチル)および2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシンが挙げられる。 例示的ジペルオキシケタールとして、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレート、エチル3,3−ジ−(t−アミルペルオキシ)ブタノエートおよびエチル3,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ブチレートが挙げられる。 例示的ヒドロペルオキシドとして、クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。 例示的過酸化ケトンとして、メチルエチル過酸化ケトン混合物および2,4−ペンタンジオンペルオキシドが挙げられる。 例示的ペルオキシジカルボネートとして、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカルボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカルボネート、およびジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネートが挙げられる。 例示的ペルオキシエステルとして、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエートアルファ−クミルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘクサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘクサノエート、t−アミルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、OO−(t−アミル)O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、OO−(t−ブチル)−O−イソプロピルモノペルオキシカルボネート、OO−(t−ブチル)−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、ポリエーテルポリ−t−ブチルペルオキシカルボネート、およびt−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘクサノエートが挙げられる。

    1つの適切なプロセスに従い、例えば、フェントン反応を使用することによって、表面改質反応を開始する。 一実施形態では、鉄(II)種と過酸化水素の混合物による酸化を、穏やかな条件下、例えば、室温、水溶液および比較的に低濃度の過酸化水素(例えば、いくつかの商業的に市販されているコンタクトレンズクリーニング溶液よりも低濃度)中で実施する。 フェントン反応により開始される表面改質は高速で、単純な、ワンステップの反応であり、他の開始剤系とは異なり、残留する開始剤は無毒であり、本明細書中の他の箇所で記載されているように容易に抽出される。 一つの特定の実施形態では、鉄(II)種は、反応混合物中に、およそ0.1mM〜およそ0.5M(例えば、0.5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、または250mM)の濃度で存在する。 これらおよび他の実施形態では、ペルオキシド(例えば、過酸化水素)は、反応混合物のおよそ0.05%〜およそ10%の濃度で存在する。 反応混合物に対して適切な溶媒および溶媒系、ならびに反応を実行するための代表的な温度は、本明細書中の他の箇所で記載されている通りである。

    一部の実施形態では、上述のペルオキシドのうちのいずれも、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化水素、または過酸化ジクミルなどは、シリコーンハイドロゲルなどのポリマーを有機溶媒中のペルオキシド溶液へ既定の時間ディップすることによってこのポリマーに吸収させ、乾燥させることができる。 ペルオキシド含有ポリマーをモノマーの溶液の中へ入れる。 レドックス重合は、還元剤、例えば、Fe(II)の塩、例えば、塩化Fe(II)、硫酸Fe(II)、硫酸アンモニウムFe(II)、またはグルコン酸Fe(II)などを、室温でまたは高温でモノマー溶液に添加することによって開始される。

    製品の表面を改質するため、および/または表面グラフト重合のために、疎水性−親水性のレドックス開始剤の対を使用するのが特に有用であることが判明した。 例えば、一実施形態では疎水性−親水性のレドックス開始剤の対の疎水性のメンバーをすでに記述されたように疎水性の基材に組み込む。 次いで、基材表面をモノマー、通常では親水性モノマー、およびレドックス対の親水性メンバーを含有する水性の重合混合物で処理する。 この方法は、改質されるべき外部表面および内部表面が曝露されている構成部分(例えばカテーテルなど)、および光に容易に曝露させることができない任意の基材からポリマーがグラフトされる場合、特定の利点を提供する。 加えて、このような系は、重合混合物/基材表面界面から離れて広がるバルク重合混合物中の非グラフト重合の範囲を最小限に抑える傾向にある。

    好ましい実施形態では、親水性−疎水性のレドックス対は、(i)疎水性酸化剤がtert−アミルペルオキシベンゾエート、O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)モノ−ペルオキシカルボネート、過酸化ベンゾイル、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、過酸化ジクミル、過酸化ラウロイル、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、または1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)であり、(ii)親水性還元剤がFe 2+ 、Cr 2+ 、V 2+ 、Ti 3+ 、Co 2+ 、Cu 、またはアミン;遷移金属イオン錯体、例えば、銅(II)アセチルアセトネート、HSO 3− 、SO 2− 、S 2− 、またはS である、疎水性酸化剤/親水性還元剤の対である。 例示的組合せは、上述のペルオキシドおよびFe 2+のいずれも含む。 いくつかの好ましい実施形態では、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、またはO,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)モノ−ペルオキシカルボネートがFe 2+と組み合わせて使用される。

    代替の実施形態では、親水性−疎水性のレドックス対は、(i)親水性酸化剤が過酢酸、過硫酸塩、例えば、過硫酸カリウム、Fe 3+ 、CIO 3− 、H 、Ce 4+ 、V 5+ 、Cr 6+ 、もしくはMn 3+など、またはこれらの組合せであり、(ii)疎水性還元剤がアルコール、カルボン酸、アミン、またはホウ素アルキルまたはこれらの組合せである、親水性酸化剤/疎水性還元剤の対である。
    1つの適切なプロセスに従い、例えば、過硫酸カリウムを使用することによって、上記に記載されているフェントン反応プロトコルと同様の表面改質反応を開始することができる。 レドックス対を必要とする多くのレドックス反応とは異なり、過硫酸カリウムは単独で、水溶液中でワンステップ反応を効率的に開始することができる。 一つの特定の実施形態では、過硫酸カリウムは、およそ0.1mM〜およそ0.5M(例えば、0.5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、または250mM)の濃度で反応混合物中に存在する。 反応混合物に対して適切な溶媒および溶媒系、ならびにこの反応を実行するための代表的な時間および温度は、本明細書中の他の箇所で記載されている通りである。

    他の適切なレドックス系として、(1)有機物−無機物のレドックス対、例えば、Ce 4+ 、V 5+ 、Cr 6+ 、Fe 3+ Mn 3+によるアルコールの酸化など;(2)レドックス対の成分として作用することができるモノマー、例えば、チオスルフェートとアクリルアミド、チオスルフェートとメタクリル酸、およびΝ,Ν−ジメチルアニリンとメタクリル酸メチルなど、ならびに(3)ホウ素アルキル−酸素系が挙げられる。

    もう一つの適切なプロセスに従い、例えば、Ce(IV)で開始するレドックス化学反応は、ヒドロキシル官能基を、グラフトの出発点、および表面改質を基材に固着させる点として使用する。 しかし、任意のシリコーンベースのハイドロゲルコンタクトレンズ、すなわち、ケイ素で構成され(>5%の非水性相)および酸素透過性、50×10 −11 (cm /秒)より高いD を保有するハイドロゲルコンタクトレンズは、ヒドロキシル部分が基材内に存在するかどうかに関わらず、この化学反応を用いて改質することができる。 一部の実施形態では、例えば、基材(例えば、コンタクトレンズ)内のシリコーンの濃度は少なくとも1質量%、少なくとも5質量%、少なくとも10質量%、少なくとも15質量%、少なくとも20質量%、少なくとも25質量%または少なくとも30質量%である。 通常これらの実施形態では、Ce(IV)濃度は、水溶液中でおよそ1mM〜およそ10mMとなり、一部の実施形態では、例えば、Ce(IV)濃度は、およそ1mM、およそ2mM、およそ3mM、およそ4mM、およそ5mM、およそ6mM、およそ7mM、およそ8mM、およそ9mM、またはおよそ10mMとなる。 反応混合物に対して適切な溶媒および溶媒系、ならびに反応を実行するための代表的な時間および温度は、本明細書中の他の箇所で記載されている通りである。

    iv. 例示的開始剤 例示的開始剤として、これらに限定されないが、過酸化ジアシル、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、ジ過酸化ラウロイル、ジ過酸化デカノイル、過酸化ジアセチル、過酸化コハク酸、ジ過酸化コハク酸およびジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシドなどが挙げられる。 好ましい実施形態では、過酸化ジアシルは、芳香族過酸化ジアシル、例えば、過酸化ベンゾイルなどである。

    他の例示的開始剤として、これらに限定されないが、ペルオキシジカルボネート、例えば、ジエチルペルオキシジカルボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカルボネート、ジイソブチルペルオキシジカルボネート、ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシルペルオキシジカルボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカルボネートおよびジイソプロピルペルオキシジカルボネート;ペルオキシエステル、例えば、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルおよびt−アミルペルオキシ2−エチルヘクサノエート、ならびにt−ブチルペルオキシベンゾエート;t−ブチルおよびt−アミルモノペルオキシ2−エチルヘキシルカルボネートベースのモノペルオキシカルボネート;過硫酸塩、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、および過硫酸ナトリウムなど;クメン水酸化物、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ(tert−アミル)ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、2−ブタノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、過酸化ジクミル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルペルアセテート、tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカルボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、4−ニトロ−ベンゼンカルボペルオキソ酸(bezenecarboperoxoic acid)t−ブチルエステル、シクロヘキサノンペルオキシド、[(メチルペルオキシ)(ジフェニル)メチル]ベンゼン、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、および2、4、6−トリフェニルフェノキシルダイマーが挙げられる。

    内部表面および外部表面の両方、またはさらには凸面および凹面の両表面上にコーティングを必要とする製品(基材)に対しては、重合を開始するために追加的考慮がなされることもある。 熱開始剤を使用することができるが、通常必要とされる高温は、基材材料に悪影響を及ぼす可能性がある。 UVベースの手法は、これらが、材料を介して浸透できるように、または内腔を含有する製品に対しては、管腔中に通した光ファイバーの光源から腔内に適用できるように、またはコンタクトレンズなどの製品に対しては、製品の上からおよび/または真下から方向づけられるように設計されなければならない。 これは、基材ポリマーにより吸収されないUV波長において不安定な光活性開始剤を選択することによって達成することができる。 一般的に、より低い波長UV照射は、あまり吸収されず、高い波長UVよりもずっと容易に浸透する。

    対照的に、重合は光分解的に開始されないので、レドックス化学反応は一般的に、重合を開始するために光源への直接的視野方向を必要とせず、したがって、UV供給源へ曝露させるのが困難な1つまたは複数の表面を有するコーティング基材に対して有利となり得る。 さらに、レドックス重合は通常、低温で、例えば100℃未満、80℃未満、60℃未満、55℃未満、50℃未満、45℃未満、40℃未満、35℃未満、または30℃未満などで行うことができる。
    グラフトフロム重合は、カチオン性反応またはアニオン性反応を介して伝播することができ、この場合、基材表面はカチオン開始剤もしくはアニオン開始剤として作用するか、またはカチオン性開始剤もしくはアニオン性開始剤は基材上に固定され、モノマーは反応性オレフィンを含有する。 アニオン重合の例は、ポリカプロラクトンまたはポリカプロラクタムの合成の場合のようなアニオン性開環であり、重合は、ペンダント両性イオン基を含有する環構造内のラクトンまたはラクタム部分を介して進行する。 代わりに、不飽和およびペンダント両性イオン基の1つまたは複数の単位を含有する有機環を重合する。 一実施形態では、ペンダントオレフィンはモノマー単位内に含まれており、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)の場合のように、架橋のために使用される。

    パッケージングおよび保存溶液 表面改質を提供するために上記に記載されている方法の代替として、コンタクトレンズなどの医療用デバイスは、本明細書中上に記載されているポリマーまたはコポリマーを含有するパッケージングまたは保存溶液中にデバイスを浸すことによって表面改質することができる。 一実施形態では、溶液はレンズを保存するためのパッケージング溶液である。 本発明の開示によるパッケージング溶液および保存溶液は、生理学的相容性があってもよく、またはエンドユーザーがレンズの洗浄もしくはすすぎを行い、これを生理学的相容性のある保存溶液中に収納することを必要としてもよい。 一実施形態では、例えば、溶液がコンタクトレンズなどのレンズとの使用に対して「眼科用に安全である」とは、溶液で処理したコンタクトレンズは、一般的にすすぎなしでの眼の上への直接配置に対して適切および安全であること、すなわち、溶液は、この溶液で湿らせたコンタクトレンズを介した眼との毎日の接触に対して安全および快適であることを意味する。 眼科用に安全な溶液は、眼と相容性のある張度およびpHを有し、ISO標準および米国食品医薬品局(U.S.Food & Drug Administration(FDA))規則により非細胞毒性である材料およびその量を含む。 別の実施形態では、保存溶液およびパッケージング溶液は、その中に保存されているレンズは眼内に収納する前に洗浄またはすすぎを必要とするようになっている。 ポリマーまたはコポリマーは普通、およそ10ppm〜およそ10質量%、および好ましくはおよそ0.1質量%〜およそ5質量%の範囲の量で溶液中に存在することになる。

    パッケージング溶液または保存溶液はまた、開封前の製品中に微生物の混入物が存在しないことを、このような製品に対して必要とされる度合まで統計的に実証しなければならないという点から、滅菌されているべきである。 本発明に有用な液体媒体は、処理されている、またはケアを受けているレンズに対して相当な有害な影響を与えないように、および本発明のレンズ処理(複数可)を可能にするように、または促進さえするように選択される。 液体媒体は水性ベースが好ましい。 特に有用な水性液体媒体は、生理食塩水、例えば、従来の生理食塩水または従来の緩衝生理食塩溶液から誘導されるものである。

    パッケージング溶液または保存溶液のpHは、およそ6〜およそ9、好ましくはおよそ6.5〜およそ7.8の範囲内で維持されるべきである。 適切な緩衝剤は、例えば、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸、重炭酸ナトリウム、トリメタミンなど、および様々な混合したリン酸緩衝液(Na HPO 、NaH PO およびKH PO の組合せを含む)ならびにこれらの混合物を加えることができる。 一般的に、緩衝剤は、溶液のおよそ0.05〜およそ2.5質量パーセント、好ましくはおよそ0.1〜およそ1.5質量パーセントの範囲の量で使用されることになる。

    通常、本発明の溶液はまた、等張化剤で調節することによって、0.9パーセントの塩化ナトリウム溶液または2.5パーセントのグリセロール溶液と等しい標準的な涙液の浸透圧に近づける。 溶液は、単独でまたは組み合わせて使用される生理的食塩水と実質的に等張にされた場合、さもなければ単に滅菌水とブレンドされ、低浸透圧にされるかまたは高浸透圧にされた場合、レンズはこれらの望ましい光学的パラメーターを失うことになる。 同様に、過剰な生理食塩水は高浸透圧の溶液の形成を結果として生じる可能性があり、これによって、強烈な刺激および眼の刺激が引き起こされる。
    適切な等張性調整剤の例として、これらに限定されないが、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、デキストロース、グリセリン、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムなど、ならびにこれらの混合物が挙げられる。 これらの薬剤は通常、個々におよそ0.01〜およそ2.5%w/v、好ましくはおよそ0.2〜およそ1.5%w/vの範囲の量で使用される。 好ましくは、等張化剤は、少なくともおよそ200mOsm/kg、好ましくはおよそ200〜およそ400mOsm/kg、より好ましくはおよそ250〜およそ350mOsm/kg、最も好ましくはおよそ280〜およそ320mOsm/kgの最終浸透圧値を得るような量で採用されることになる。

    所望する場合、1つまたは複数の追加的成分をパッケージング溶液または保存溶液中に含めることができる。 このような追加的成分(複数可)は、パッケージング溶液または保存溶液に少なくとも1つの有利なまたは所望の特性を与えるまたは提供するように選ばれる。 このような追加的成分は、1つまたは複数の眼科用デバイスケア組成物において慣例的に使用されている成分から選択することができる。 このような追加的成分の例として、洗浄剤、湿潤剤、栄養剤、金属イオン封鎖剤、粘度上昇剤、コンタクトレンズコンディショニング剤、抗酸化剤などおよびこれらの混合物が挙げられる。 これらの追加的成分は、パッケージング溶液または保存溶液に有利なまたは所望の特性を与えるまたは提供するのに有効な量でパッケージング溶液または保存溶液の中にそれぞれ含めることができる。 例えば、このような追加的成分は、他の、例えば、従来のコンタクトレンズケア製品で使用されているこのような成分の量と同様の量でパッケージング溶液または保存溶液の中に含めることができる。

    例示的金属イオン封鎖剤として、これらに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、アルカリ金属ヘキサメタホスフェート、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどおよびこれらの混合物が挙げられる。 例示的粘度上昇剤として、これらに限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどおよびこれらの混合物が挙げられる。 例示的抗酸化剤として、これらに限定されないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、N−アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどおよびこれらの混合物が挙げられる。

    製品をパッケージングおよび保存するキットおよび方法 本発明の開示のもう一つの態様は、本明細書中に記載されている、コンタクトレンズなどの医療用デバイスをパッケージングおよび保存する方法を対象とする。 一実施形態では、本方法は、コンタクトレンズパッケージング水溶液、例えば、本明細書中に記載されている表面改質を提供することが可能なパッケージング溶液および保存溶液中に浸した、本明細書中に記載されているコンタクトレンズを少なくともパッケージングすることを含む。 本方法は、コンタクトレンズの製造直後、顧客/着用者へ送達される前に、レンズを水性のパッケージング溶液に浸すことを含み得る。 交互に、上記に記載されている溶液中にパッケージングおよび保存することは、レンズの乾燥状態での製造および輸送の後ではあるが、最終顧客(着用者)への送達以前の中間時点で行うことができ、この場合、乾燥レンズはレンズをコンタクトレンズパッケージング溶液中に浸すことによって水和する。 結果的に、顧客への送達のためのパッケージは、本発明の開示によるパッケージング水溶液および保存水溶液中に浸した1つまたは複数の未使用のコンタクトレンズを含有する密封された容器を含み得る。

    一実施形態では、本発明の眼用レンズパッケージングシステムをもたらす工程は、(1)後方および前方の金型部分を含む金型の中で眼用レンズを成形する工程と、(2)金型からレンズを取り出し、レンズを水和させる工程と、(3)表面改質ポリマーまたはコポリマーを有するパッケージング溶液を、その中にレンズが担持された容器に導入する工程と、(4)容器を密閉する工程とを含む。 追加的工程は、本明細書中に記載されているように、吸収工程および/または1つまたは複数の表面改質工程を実施することを含むことができる。 例えば、上記工程(3)は、例えば、1つまたは複数のモノマーおよび開始剤の組合せを導入し、本明細書中に記載されている重合を開始する(例えば、紫外線(UV)、熱、またはレドックスで開始される重合)ことにより、パッケージング溶液中の水和レンズ上に表面改質を適用させる工程を含むことができる。 好ましくは、本方法はまた、容器の内容物を殺菌消毒する工程を含む。 殺菌は、容器の密閉前、または最も便利には、容器の密閉後に行ってもよく、当技術分野で公知の任意の適切な方法、例えば、およそ120℃以上の温度で密封された容器およびその内容物をオートクレーブすることにより実行することができる。

    別の実施形態では、本発明は以下を含む:(1)後方および前方の金型部分を含む金型の中で眼用レンズを成形する工程、(2)レンズを金型から取り出す工程、ならびに(3)レンズ、および表面改質ポリマーまたはコポリマーを有する溶液を容器に導入する工程。
    本発明を詳細に記載してきたが、付随する特許請求の範囲において定義された本発明の範囲から逸脱することなく、改質および変化が可能であることは明らかである。 さらに、本発明の開示におけるすべての例は非限定的な例として提供されることを理解されたい。

    以下の非限定的例は、本発明をさらに例示するために提供される。 以下の例に開示されている技法は、本発明の実施においてうまく機能することを発明者らが発見した手法を表し、したがって、その実施のための方式の例を構成するとみなすことができることを当業者は理解されたい。 しかし、当業者であれば、本発明の開示を考慮して、開示されている特定の実施形態において多くの変更が可能であり、しかも本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様のまたは類似の結果が得られることを理解されよう。

    実施例1
    Ce(IV)媒介性反応を介したコンタクトレンズ表面上でのSBMAポリマーのグラフト。
    コンタクトレンズを、1mMの硝酸アンモニウムセリウム(IV)を有する5%(質量/質量)SBMAの水溶液で満たしたガラスバイアルの中に配置した。 同じ反応液を継ぎ足してバイアルを満杯にし、いかなる気泡もないように蓋をした。 これを絶縁テープで密封した後、バイアルを、100rpmで、60℃で1時間、振盪機にかけた。 反応後、試料を取り出し、0.15MのNaClで一晩すすいだ。

    実施例2
    UV化学反応を介したコンタクトレンズ表面上でのSBMAポリマーのグラフト。
    工程1. 開始剤IRGACURE 2959を吸収させる。 IRGACURE 2959を37℃で水中に溶解することによって、0.5%溶液を作製した。 コンタクトレンズを20mLのガラスバイアル中に配置し、0.5%IRGACURE溶液を10Orpmで、37℃で1時間を振盪機にかけた。 水でおよそ30秒間すすいだ後、コンタクトレンズをポリエチレンラックに置き、互いに分離させた。 レンズを弱い気流で乾燥させた後、これらを暗所で一晩保持してさらに乾燥させた。

    工程2. UVグラフト. IRGACURE 2959を吸収させたコンタクトレンズを、水中10%SBMA(質量)を有する、ゴムセプタムで栓をしたクオーツガラス管(1つの管につき1つのレンズ)に入れ、パラフィルムで固定した。 SBMA溶液は、針を介して窒素で20分間パージし、針を取り出した。 管の栓を抜いて、コンタクトレンズ上に付着したあらゆる気泡を除去した。 管をUV−反応器内に直立に配置し、回転させながら30分間照射した。 管を反応器から取り出した後、各コンタクトレンズを0.15MのNaCl中で一晩すすいだ。

    実施例3
    表面親水性および湿潤性を改善するための、TBEC−Fe(II)で開始されたレドックス重合を使用したシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ表面からのpSBMAのグラフト。
    t−ブチルエチルヘキシルペルオキシカルボネート(TBEC、熱開始剤)(1.0質量/容量%)をヘプタンに加えることによって、溶液を調製した。 5つのシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを50mlの上記溶液中に浸した。 溶液容器を光から保護し、120rpmで30分間でセットしたオービタルシェーカーを使用して、溶液を撹拌した。 30分後、上記溶液をデカントし、レンズを浸し、約20mlのヘプタン中で約10秒撹拌することによって、残留するTBECを除去した。 ヘプタンをデカントし、閉じることができるラックの各側面上に約10秒、圧縮空気を穏やかに流してTBECを吸収したレンズを乾燥させた。 次いで、TBECを吸収したレンズを光から保護し、周囲条件で1〜2時間乾燥させておいた。

    N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン(SBMA)を脱イオン水中に溶解することによって、溶液を調製した。 鉄(II)グルコン酸塩二水和物(グルコン酸第一鉄)を脱イオン水に溶解することによって、溶液を調製した。 グルコン酸第一鉄水溶液をSBMA水溶液に加え、十分に混合することによって、反応液を作り出した(1.0、5.0、または10.0質量%のSBMA、5mMのグルコン酸第一鉄)。 次いで、反応液を反応容器に加え、TBECを以前に吸収させておいたレンズを反応液中に浸した。 すべての気泡がレンズから除去され、反応容器が完全に一杯になるまで反応液を加えた。 反応容器に蓋をして、パラフィルムおよびビニル絶縁テープで固定することによって、気密な密封部を作り出した。 120rpmでセットしたオービタルシェーカーを使用して、レンズを含有する溶液を撹拌し、これを60℃で2時間加熱して、レンズ表面からの熱グラフト重合を誘発した。 2時間の重合後、レンズを0.15Mの生理食塩水中に浸し、120rpmで30分間でセットしたオービタルシェーカーで撹拌することによって、もつれたオリゴマー、ホモポリマーおよび未反応のモノマーをレンズ表面から除去した。 この30分間のすすぎ手順をもう2回繰り返し、続いて一晩すすいだ。

    静的捕捉気泡法を使用して処置したレンズの表面の接触角を測定した。 対照レンズに対する接触角の測定が19°〜36°の範囲であったのに対して、本発明に従い処置したレンズに対する接触角の測定はすべて接触角測定値が0°であり、捕獲した気泡と改質された表面との相互作用は存在しなかった。
    このデータは、本発明の方法がシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの表面の親水性および湿潤性を有意に強化することを実証している。

    実施例4
    処理を改善するための塩の添加 Ce(IV)およびUV化学反応の両方を介した、コンタクトレンズ上でのSBMAのグラフト中に、SBMAのホモポリマーが反応中に生成された。 SBMAホモポリマーのUCSTの存在により、反応が高温で実行されない場合、これが溶液から沈殿した。 ホモポリマーは塩溶液中に可溶性であるため、塩の添加は、上記反応中に沈殿の形成を減少させ、保持されて、透明な溶液を保った。 例えば,実施例1および2では0.15MのNaClを加えた。

    実施例5
    様々な製造プロセス(開始剤なし)におけるUVのプロセスの記載 非抽出コンタクトレンズを、クオーツガラス管内のSBMA溶液に入れた。 SBMA溶液は、20分間針を介して窒素でパージし、針を取り出した。 管の栓を抜いて、コンタクトレンズ上に付着したあらゆる泡を除去した。 管をUV−反応器内に直立に配置し、回転させながら30分間照射した(100W、水銀ランプ、波長約360nm)。 反応器から管を取り出した後、各コンタクトレンズを0.15MのNaClで一晩すすぎ、その後ATR−FTIRおよび接触角試験を使用して評価した。

    実施例6
    他の開始剤を使用したベタインポリマーのグラフト コンタクトレンズおよびポリHEMAハイドロゲルを、1〜5mMの鉄(III)または他の遷移金属またはランタニド金属を有する5%(質量/質量)SBMAの水溶液で満たされたガラスバイアルに加えた。 バイアルが一杯になるまで反応液を加え、いかなる気泡もないように蓋をした。 絶縁テープで密封した後、100rpmで、60℃で1時間、バイアルを振盪機にかけた。 反応後、試料を取り出し、0.15MのNaClで一晩すすいだ。 他の開始剤を試し、反応は表1に列挙されている。

    実施例7
    他の開始剤を使用したベタインポリマーのグラフト コンタクトレンズおよびポリHEMAハイドロゲルを、1〜5mM過硫酸カリウムを有する5%(質量/質量)SBMAの水溶液で満たされたガラスバイアルに加えた。 バイアルが一杯になるまで反応液を加え、いかなる気泡もないように蓋をした。 絶縁テープで密封した後、バイアルを、100rpmで、60℃で1時間振盪機にかけた。 反応後、試料を取り出し、0.15MのNaClで一晩すすいだ。 他の開始剤を試し、反応は表2に列挙されている。

    実施例8
    CIBA、Cooper、J&J、B&LおよびContamac製の他のレンズ上でのSBMAのグラフト 異なる会社の以下のレンズ(すべてシリコーンベースのハイドロゲル)を、セリウムおよびUV化学反応を使用して、表面上にSBMAをグラフトさせて改質した。 表面をATR−FTIRで特徴づけた。 改質後の接触角を測定した。

    実施例9
    複数のタイプのシリコーンハイドロゲルレンズを、以前の例に従い改質して、エオシン染色またはEDSを使用して分析した。 シリコーンハイドロゲルレンズ、測定の反応条件は表1で特定され、結果は図1〜4に描写されている。 図4は、レンズの外側の位置から、レンズ表面を介して(約4μm)、次いで4μm超のレンズの深さまで進行して、y−軸上に原子のパーセンテージの測定を示している。 これらの例は、各レンズ上の表面改質の均一性を実証している。 これらの例はまた、反応条件に基づき、化学反応の柔軟性および様々な深さの浸透を有する様々なレンズを改質する能力を実証している。

    実施例10
    実施例1に記載されている通り(ただし、水溶液が、1mMの硝酸アンモニウムセリウム(IV)を有する15%(質量/質量)SBMA水溶液であることを除く)、複数のバッチのシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(Air Optix(登録商標)Aquaレンズ)を改質し、バイアルを4時間振盪機上に置き、接触角および寸法を測定した。 平均前進接触角は19.3±2.4度であった。 平均寸法は直径14.2±0.04mmであり、ベースカーブ8.53±0.05mmであった。

    実施例11
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を摩擦係数測定に提出した。 結果から、改質されたレンズは未改質の対照レンズより62%摩擦が少ないことが実証された。

    実施例12
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を全硫黄分析に出した。 結果は0.078%であった。

    実施例13
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料をポーラログラフ法による酸素透過性(Dk)の測定に提出した。 結果は、未改質のレンズが110Fatt Dk単位であったのに対して、有効な透過性は106Fatt Dk単位であった。 これは、レンズのバルク特性の1つであるDkは、実質的に変化しなかったことを実証している。

    実施例14
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を、90日間、周辺温度で保存後、パワー測定に提出した。 未改質のレンズが−0.50Dioptersであったのに対して、改質されたレンズに対する結果は−0.53Dioptersであり、これは、表面を改質することにより、レンズのパワーは実質的に変化しなかったことを実証している。

    実施例15
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を含水量の測定のために提出した。 結果は、未改質の対照レンズが33%の含水量であるのに対して、改質されたレンズは36%の含水量であった。 これは、表面改質が実質的にバルク含水量を変化させないことを実証している。

    実施例16
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料をゼータ電位測定のために提出した。 結果は、改質されたレンズおよび未改質のレンズの両方に対して中性の電荷を実証し、表面改質により表面の電荷が変化しないことを示している。

    実施例17
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料をオートクレーブで滅菌し、滅菌性試験に提出した。 結果は、ソイビーンカゼインダイジェスト培地(SCDB)または流体チオグリコール酸培地(FTM)中で2週間にわたり生体の成長がないことを実証した。 この結果は、コンタクトレンズは、無菌化することができ、選ばれたパッケージングにより、レンズの滅菌性を維持することができたことを示す。

    実施例18
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料は、LAL方法によりエンドトキシンについて試験した。 結果は、レンズには検出可能なエンドトキシンがないこと(1デバイス当たり、<0.025エンドトキシン単位)を実証した。

    実施例19
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を生体適合性試験に提出した。 結果は、レンズは、ISO 10993−5により細胞毒性がない、ISO 10993−10により眼組織に対して刺激性がないことを実証し、ISO10993−11による全身毒性の証拠はなかった。

    実施例20
    改質されたコンタクトレンズの試料は、30サイクルのシミュレートしたクリーニングレジメンの対象とした。 レンズを3%過酸化水素溶液ですすぎ、手袋をはめた手のひらと人差し指の間で30秒間擦った。 この応力を加えることを30回継続的に実施することによって、1カ月のクリーニングをシミュレートした。 こすった後の改質されたレンズに対する前進接触角は17±2度であったのに対して、対照レンズに対する平均前進接触角は30度よりも大きく増加した。

    実施例21
    実施例10に従い改質されたコンタクトレンズの試料を、安全性の評価のために、IRB認可プロトコル下で10人の患者で試験した。 安全性の懸念は観察されなかった。

    実施例22
    実施例10に従い調製した改質されたコンタクトレンズ、およびさもなければ実施例10に従い改質されなかった、同質のコンタクトレンズを、12kV電子ビームで生成される単色の軟アルミニウム(alumninum)K−アルファエックス線を使用して、1.4866keVのエックス線エネルギー、線幅0.85eV、およびスポットサイズ400μmを使用して、Thermo Scientific K−アルファXPS上で分析した。 炭素または他のスパッタ−コーティングは使用しなかった。 深さプロファイルを研究するために、試料のそれぞれを、アルゴンスパッタリングガンでエッチングした。 アルゴンイオンは1000eVのエネルギーを有した。 ラスターサイズは2mmであった。 各エッチングサイクルは30秒であった。 調査スペクトルを各エッチング後にスキャンすることによって、表面元素を検出し、定量化することができるようにした。 改質された試料に対して、60エッチングサイクルを実施した。 未改質の対照試料に対して、30サイクルを実施した。

    結果は図5および6に描写されている。 これらのうちのそれぞれにおいて、元素の濃度を比(X:B)(式中、「X」は測定点で測定された値であり、「B」は濃度が実質的に変更しない、バルク濃度である)として規準化した。 これらの測定において、連続した50nm間隔で平均濃度を計算し、平均濃度がその前の間隔の平均濃度の10%以内である最初の間隔を特定することによって、バルク濃度「B」を求めた。 図5および6において、濃度を50nm間隔で平均し、間隔の一番左の点において濃度をプロットした(例えば、100nmでプロットした濃度は100nm〜150nmの濃度の平均である)。

    未改質の試料に関して、表面上のケイ素の濃度は、バルクよりも30%低かった(0.7の比率)。 改質された試料に対して、表面上の硫黄の濃度の規準化された比率は、バルクでの硫黄濃度(200nm後)よりも最初に10倍大きく、200nmにわたり、10から1へほぼ直線的に低減したのに対して、規準化されたケイ素の比率は表面上で0.04から1へと増加した。 (図5を参照されたい)。

    図6は改質された表面の先端部250nm内での第4級アミン(N1)の分析である。 第4級アミンN1に対して最大規準化された比率はおよそ50(すなわち、硫黄に対する最大規準化された比よりもおよそ5倍大きい)であるが、N1の規準化された比率曲線は、表面改質のための硫黄に対する規準化された比率曲線のスロープおよび勾配と一致するスロープおよび勾配を有する。

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