Polymers having a soft segment containing a silane-containing group, a medical device, and methods

申请号 JP2004568934 申请日 2003-09-16 公开(公告)号 JP2005539134A 公开(公告)日 2005-12-22
申请人 メドトロニック・インコーポレーテッド; 发明人 スパーエル,ランドール・ヴイ; ベンズ,マイケル・イー; ボネッマ,ケルビン; ホボット,クリストファー・エム;
摘要 ソフトセグメント中にシラン含有基を含んでいて、また任意にウレタン基も含むポリマー、ならびに医療用デバイス、及び前記化合物を作る方法。
权利要求
  • ソフトセグメントが、下式:
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH
    [式中、
    n=1以上であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び 各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含有していない]の化合物から誘導される、シラン含有基を含む1つ以上のソフトセグメントを含むセグメント化ポリマー。
  • 実質的に尿素結合を含有していない請求項1記載のポリマー。
  • 該式中n=1〜50である請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、直鎖又は枝分れ鎖(C3−C20)アルキレン基である請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、アルキル基、フェニル基、又はアルキル置換フェニル基である請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、直鎖もしくは枝分れ鎖(C1−C20)アルキル基、フェニル基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖(C1−C20)アルキル置換フェニル基である請求項5記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、直鎖(C1−C3)アルキル基である請求項6記載のポリマー。
  • ウレタン基を更に含む請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、(C1−C20)アルキレン基である請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、(C4−C12)アルキレン基である請求項1記載のポリマー。
  • 各R が、独立に、(C6−C10)アルキレン基である請求項10記載のポリマー。
  • が未置換の直鎖アルキレン基であるとき、R は4個を超える炭素を有するという条件がつく請求項1記載のポリマー。
  • 医用生体材料である請求項1記載のポリマー。
  • エーテル結合及びエステル結合を実質的に含有していない請求項1記載のポリマー。
  • 線状、枝分れ、又は架橋されている請求項1記載のポリマー。
  • シラン含有基を含んでいないジオールから誘導された1つ以上のソフトセグメントを更に含む請求項1記載のポリマー。
  • 連鎖延長剤から誘導された1つ以上のハードセグメントを更に含む請求項1記載のポリマー。
  • 下式:
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH
    [式中、
    n=1以上であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び 各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含有していない]の化合物から誘導されたシラン含有基を含む1つ以上のソフトセグメントを含むセグメント化ポリマーを含む医療用デバイス。
  • 該セグメント化ポリマーが、実質的に尿素結合を含有していない請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該式中n=1〜50である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、直鎖又は枝分れ鎖(C3−C20)アルキレン基である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、アルキル基、フェニル基、又はアルキル置換フェニル基である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、直鎖もしくは枝分れ鎖(C1−C20)アルキル基、フェニル基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖(C1−C20)アルキル置換フェニル基である請求項22記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、直鎖(C1−C3)アルキル基である請求項23記載の医療用デバイス。
  • ウレタン基を更に含む請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、(C1−C20)アルキレン基である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、(C4−C12)アルキレン基である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 各R が、独立に、(C6−C10)アルキレン基である請求項27記載の医療用デバイス。
  • が未置換の直鎖アルキレン基であるとき、R は4個を超える炭素を有するという条件がつく請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該ポリマーが医用生体材料である請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該ポリマーが、実質的にエーテル結合及びエステル結合を含有していない請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該ポリマーが、線状、枝分れ、又は架橋されている請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該ポリマーが、シラン含有部分を含んでいないジオールから誘導された1つ以上のソフトセグメントを更に含む請求項18記載の医療用デバイス。
  • 該ポリマーが、連鎖延長剤から誘導された1つ以上のハードセグメントを更に含む請求項18記載の医療用デバイス。
  • 下式:
    −R −Si(R −[−R −Si(R −] −R
    [式中、
    n=1以上であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び 各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含有していない]のシラン含有基を含む1つ以上のソフトセグメントを含むセグメント化ポリマー。
  • ウレタン基を含む請求項35記載のポリマー。
  • 下式:
    −R −Si(R −[−R −Si(R −] −R
    [式中、
    n=1以上であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び 各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含有していない]のシラン含有基を含む1つ以上のソフトセグメントを含むセグメント化ポリマーを含む医療用デバイス。
  • 該セグメント化ポリマーが、ウレタン基を含む請求項37記載の医療用デバイス。
  • ポリイソシアネートを、下式:
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH [式中、
    n=1以上であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基であり;
    各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び 各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含有していない]の化合物と化合させる工程を含む、セグメント化ポリマーを作る方法。
  • 該セグメント化ポリマーが、ウレタン基を含む請求項39記載の方法。
  • 说明书全文

    関連出願の相互参照 本出願は、その内容を本明細書に完全に引用したものとする2002年9月17日に出願された米国仮特許出願第60/411,818号及び2003年4月1日に出願された米国仮特許出願第60/459,299号の優先権を主張する。

    発明の分野 本発明は、シラン含有ソフトセグメントを有するポリマーに関するものであり、好ましくは、前記化合物は、ウレタン基を含むポリマー、特にエラストマーである。 前記材料は、医療用デバイスにおける医用生体材料として特に有用である。

    発明の背景 ポリウレタン及び/又はポリ尿素の化学は、広範であり、充分に開発されている。 典型的には、ポリウレタン及び/又はポリ尿素は、ポリイソシアネートと反応性である少なくとも2つの官能基を有する分子、例えばポリオール又はポリアミンとポリイソシアネートを反応させる方法によって作られる。 得られたポリマーは、例えば、ジオール又はジアミンのような連鎖延長剤と更に反応させることができる。 ポリオール又はポリアミンは、典型的には、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、若しくはポリカーボネートポリオール又はポリアミンである。

    ポリウレタン及び/又はポリ尿素を調整して、ソフトで柔軟な製品からハードで硬質な製品まで広範に製造できる。 ポリウレタン及び/又はポリ尿素は、例えば、押出、射出成形、圧縮成形、及び溶液紡糸することができる。 而して、ポリウレタン及びポリ尿素、特にポリウレタンは、重要な医用生体ポリマーであって、人工心臓、心血管カテーテル、ペースメーカーリード絶縁などのような移植可能なデバイスで用いられる。

    移植可能な用途で用いられる市販のポリウレタンとしては、カリフォルニア州バークレーにあるPolymer Technology Groupによって製造されたBIOSPANセグメント化ポリウレタン、ミシガン州ミッドランドにあるDow Chemicalによって市販されているPELLETHANEセグメント化ポリウレタン、及びマサチューセッツ州ウィルミントンにあるThermedics Polymer Productsから市販されているTECOFLEXセグメント化ポリウレタンが挙げられる。 ポリウレタンは、ペンシルベニア州ランカスターにあるTechnomic Publishing Co. 発行のKurt C. Frisch及びDaniel Klempnerによって編集されたAdvancesin Urethane Science and Technologyの9,130−168(1984)に掲載されているCouryらによる論文“Biomedical Uses of Polyurethanes”に記載されている。 典型的には、ポリエーテルポリウレタンは、ポリエステルポリウレタン及びポリカーボネートポリウレタンに比べて、加分解され易いので、より高い生体安全性を示す。 而して、ポリエーテルポリウレタンは一般的に好ましいバイオポリマーである。

    1,4−ブタンジオール(BDO)によって延長された、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)とメチレンビス(ジイソシアナトベンゼン)(MDI)ーとから調製される、例えばPELLETHANE 2363−80A(P80A)及び2363−55D(P55D)のようなポリエーテルポリウレタンは、移植可能な心臓ペーシングリード用に広範に用いられている。 ペーシングリードは、組織に刺激を伝え、且つ生体信号を植え込まれたパルス発生装置に戻す電極である。 前記リードに関する絶縁としてポリエーテルポリウレタンエラストマーを使用すると、主にポリウレタンのより高度の引張強さの故に、シリコーンゴムを凌駕する有意な利点が得られた。

    しかしながら、故障を引き起こし得るポリエーテルポリウレタン絶縁の生分解についてはいくつかの問題が存在する。 ポリエーテルポリウレタンは、身体中で、特にストレス下にある領域では酸化され易い。 酸化されると、ポリエーテルポリウレタンエラストマーは、強度を失うことがあり、また、クラックが生じることがあり、その結果として絶縁が破壊される場合がある。 それにより、体液がリードに入ることが可能となり、リードワイヤと移植可能なパルス発生装置(IPG)との間にショートを生じさせることがある。 おそらく材料のストレスポイントにおける金属イオンで触媒された酸化攻撃が原因となってエーテル結合が劣化すると考えられる。

    その問題を解決するための一つのアプローチは、リードの導電ワイヤを被覆することであった。 別のアプローチは、ポリウレタンに酸化防止剤を加えることであった。 もう一つ別のアプローチは、酸化攻撃に対してより抵抗性である新しいポリウレタンを開発することであった。 前記ポリウレタンは、金属誘導酸化に対して抵抗性であるセグメントのみ、例えば、炭化水素含有及びカーボネート含有セグメントのみを含む。 例えば、エーテル結合及びエステル結合を実質的に有していないポリウレタンが開発された。 その例としては、米国特許第4,873,308号(Couryら)のセグメント化脂肪族ポリウレタンが挙げられる。 更にもう一つ別のアプローチは、ポリマー中のすべての他の部分に比して選択的に酸化し、酸化前のポリマーに比して、酸化時に引張強さの増大を提供する犠牲部分を(好ましくは、ポリマー主鎖中に)含んでいた。 それは、米国特許第5,986,034号(DiDomenicoら)、第6,111,052号(DiDomenicoら)、及び第6,149,678号(DiDomenicoら)で開示されている。

    前記材料からは、ポリエーテルポリウレタンに比べて、より安定な移植可能なデバイスが得られるが、それでもなお、ペーシングリードを絶縁するのに好適な生体安定性ポリマー、特にポリウレタンに関するニーズが存在する。

    発明の概要 本発明は、シラン含有ソフトセグメントを含むポリマーに関する。 特に好ましいポリマーとしては、ウレタン基、尿素基、又はそれらの組み合わせを含むポリマー(すなわち、ポリウレタン、ポリ尿素、又はポリウレタン・尿素)が挙げられる。 好ましくは、前記ポリマーはセグメント化ポリウレタンである。 本発明のポリマーのある種の態様は、医療用デバイスにおける医用生体材料として用いることができる。 本発明のポリマーのある種の態様は、カーボネート結合及び/又は尿素結合を実質的に含んでいない。 好ましいポリマーは、好ましくは、エステル結合及びエーテル結合も実質的に含んでいない。

    また、本発明は、ポリマーを提供し、また前記ポリマーを含む医療用デバイスも提供する。 前記ポリマーは、シラン含有基を含む1つ以上のソフトセグメントを含み、そのソフトセグメントは、下式(式I):
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH
    [式中、n=1以上であり;各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基(典型的には、二価飽和脂肪族基と呼ぶ)であり;各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせ(典型的には、一価基と呼ぶ)であり;及び各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基(典型的には、二価基と呼ぶ)であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む]の化合物(典型的には、ポリマー出発化合物)から調製される。

    而して、本発明のポリマーは、下式(式II)
    −R −Si(R −[−R −Si(R −] −R
    (式中、R 、R 、及びR は上記したものである)の基を含むソフトセグメントを含む。

    好ましくは、ポリマーは、カーボネート結合及び尿素結合を実質的に含んでいない。 更に好ましくは、ポリマーはウレタン結合(すなわち、基)を含む。
    上記式において、部分−R −Si(R −のそれぞれは任意の一つの分子内で変化できることを理解すべきである。 すなわち、R 基のそれぞれが、各Si(R 基内において同じか又は異なっている(すなわち、独立している)ことに加えて、−R −Si(R −基のそれぞれは、任意の一つの分子中において同じか又は異なっていることができる。

    上記ポリマーの調製法も提供する。 その一つの方法では、セグメント化ポリマーは、ポリイソシアネートを、下式:
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH
    [式中、n=1以上であり;各R は、独立に、へテロ原子を任意に含むアルキレン基であり;各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせであり;及び各R は、独立に、アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む;ただし、セグメント化ポリマーはカーボネート結合を実質的に含んでいない]の化合物と化合させることによって調製される。

    本明細書で使用される「1つ」、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は同じ意味で用いている。
    本明細書で使用される「脂肪族基」という用語は、飽和もしくは不飽和の線状(すなわち、直鎖)、環状(すなわち、脂環式)、又は枝分れ有機炭化水素基を意味している。 その用語は、アルキル基(例えば「一価」基と考えられる−CH )、(又は、鎖中にある場合アルキレン、例えば「二価」基と考えられる−CH −)、アルケニル基(又は、鎖中にある場合アルケニレン)、及びアルキニル基(又は、鎖中にある場合アルキニレン)を包含するために用いられる。 「アルキル基」という用語は、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、及び2−エチルヘキシルなどを含む飽和した線状又は枝分れ炭化水素基を意味している。 「アルケニル基」という用語は、1つ以上の炭素・炭素二重結合を有する例えばビニル基のような不飽和の線状又は枝分れ炭化水素基を意味している。 「アルキニル基」という用語は、1つ以上の炭素・炭素三重結合を有する不飽和の線状又は枝分れ炭化水素基を意味している。 「芳香族基」又は「アリール基」という用語は、単環式又は多環式芳香族有機炭化水素基を意味している。 これらの炭化水素基は、へテロ原子で置換してもよく、官能基の形態であることができる。 「へテロ原子」という用語は、炭素以外の他の元素(例えば、窒素、酸素、硫黄、塩素など)を意味している。 同じか又は異なっていてもよい基は、「独立している」何かと呼ばれる。

    本明細書で使用される「医用生体材料」とは、体液及び組織中に実質的に可溶性であり、また、身体中もしくは身体上に配置されるように又は身体の体液もしくは組織に接触するように設計され且つ構成される材料と規定できる。 理想的には、医用生体材料は、血液凝固、組織死、腫瘍形成、アレルギー反応、異物反応(拒絶反応)又は炎症反応のような身体における望ましくない反応を引き起こさず;また、意図される目的のための機能に必要とされる強度、弾性、透過性及び柔軟性のような物理的性質を有していて;また、容易に精製、二次加工及び滅菌することができ;また、身体中に植え込まれている間又は身体と接触している間にその物理的性質及び機能を実質的に維持する。 「生体安定性」材料は、身体によって破壊されない材料であり、「生体適合性」材料は、身体によって拒絶されない材料である。

    本明細書で使用される「医療用デバイス」とは、それらの運転の過程で、血液又は他の身体組織に接触する表面を有するデバイスと規定できる。 前記医療用デバイスとしては、例えば、手術時に使用するための体外デバイス、例えば、対象へと戻される血液と接触する、血液酸素付加装置、血液ポンプ、血液センサー、血液を運ぶためのチューブなどが挙げられる。 また更に、医療用デバイスとしては、例えば人工血管、ステント、電気刺激用リード、心臓弁、整形外科用デバイス、カテーテル、シャント、センサー、髄核用置換デバイス、内又は中耳のインプラント、及び眼内レンズなどのような移植可能なデバイスが挙げられる。

    発明の例示的態様の詳細な説明 本発明は、ポリマー(好ましくは、セグメント化ポリマー、及び更に好ましくはセグメント化ポリウレタン)、及び前記ポリマー(好ましくは、医用生体材料)を含む医療用デバイスを提供する。 好ましくは、一般的に、前記ポリマーは、それらの側鎖とは対照的に、特にそれらの主鎖に関して、酸化及び/又は加水分解に対して抵抗性である。

    本発明のポリマーは、1つ以上のソフトセグメント中に1つ以上のシランキ基を含む。 これらのシラン基は、一般式−Si(R −[式中、各R は独立に(すなわち、同じか又は異なっていることができる)、(官能基中において見られるように、有機基の鎖中又は前記鎖から伸びているペンダント中に存在できる)へテロ原子を任意に含む、飽和もしくは不飽和脂肪族基、芳香族基、又はそれらの組み合わせである]で表される。

    また、ポリマーは、シラン基に結合されたR 基も含み、それにより−R −Si(R −部分(好ましくは、繰り返し単位)を形成する。 各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む、直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基(典型的には、二価脂肪族基と呼ぶ、例えば−CH −CH −など)、フェニレン、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレンである。

    本発明のポリマーは、下式(式I):
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH
    [式中、n=1以上であり;R 及びR は上で規定されたものであり、また、各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基(典型的には、二価飽和脂肪族基と呼ぶ)である]の化合物から調製される。 好ましくは、ポリマーはカーボネート結合を実質的に含んでいない。

    更に詳しくは、セグメント化ポリマーのソフトセグメント、特にウレタン基及び/又は尿素基を含むポリマーのソフトセグメント、また更に特にウレタン基を含むポリマーのソフトセグメントは、式Iの化合物から誘導され、それにより、下式(式II):
    −R −Si(R −[−R −Si(R −] −R
    (式中、R 、R 、及びR は上記したものである)の基を含むシラン含有ソフトセグメントを有するポリマーが得られる。

    本発明は、国際公開公報第WO99/03863号に記載されているハードセグメントを形成するシラン含有連鎖延長剤から誘導されるポリマーに比べて、得られるポリマーの合成及び特性に関して利点を提供する。 この後者の方法では、ハードセグメントにおけるシラン含有連鎖延長剤は、ハードセグメントとソフトセグメントとの間の相容性を向上させ、そしてポリマーの強度を向上させる。 本発明では、式Iのシラン含有化合物をソフトセグメントにおいて使用して、前記相溶性を提供する。 これらのポリマーは、WO 99/03863に記載されているポリマーに比べて、市販の連鎖延長剤を用いて強度を向上させた。 更に、本発明のポリマーの特性は、ソフトセグメントの構造を式Iの化合物を用いてより容易に変えることができるので、WO99/03863のポリマーの特性に比べて、更に容易に調節できると考えられる。

    本発明のポリマーは、医療用デバイスならびに非医療用デバイスにおいて用いることができる。 好ましくは、本発明のポリマーは、医療用デバイスで用いられ、また医用生体材料として好適である。 医療用デバイスとしては、例えば、上記したものが挙げられる。 非医療用デバイスとしては、フォーム、絶縁材、衣類、履物、ペイント、コーティング、接着剤、及び建築構造材料などが挙げられる。

    本発明による医療用デバイスで使用するための医用生体材料を形成するのに好適なポリマーとしては、シラン含有基(すなわち、シラン含有部分又は単にシラン基又はシラン部分)、及び、好ましくはポリウレタン、ポリ尿素、又はポリウレタン・尿素が挙げられる。 更に好ましくは、好適なポリマーはポリウレタンである。 これらのポリマーは、ハードで硬質なポリマーからソフトで軟質なポリマーまで変化させることができる。 好ましくは、ポリマーはエラストマーである。 「エラストマー」は、その元の長さの約二倍まで伸ばすことができ、また、離したときに、ほぼその元の長さまで収縮できるポリマーである。

    本発明のポリマーは、セグメント化ポリマー(すなわち、任意のポリマー鎖上にハード及びソフトな領域又はセグメントの両方から成る多重部分(multiplicity)を含む)であって、交互に配置されている相対的にソフトなセグメント及び相対的にハードなセグメントから実質的に成っている。 ソフトセグメントの少なくとも一つは、シラン含有部分を含み、それにより、少なくともポリマー主鎖では酸化及び/又は加水分解に対する感受性が低下した。 1つ以上のハードセグメントは、シラン含有部分を含むこともできる。 本明細書で使用される「ハード」セグメントとは、使用温度で結晶質であるか又は使用温度を超えるガラス転移温度を有するアモルファス(すなわち、ガラス状)であるセグメントであり、また、「ソフト」セグメントは、使用温度を下回るガラス転移温度を有するアモルファス(すなわち、ゴム状)であるセグメントである。 結晶質もしくはガラス状の部分又はハードセグメントは、ポリマーに対して、相当な強度及びより高度の弾性率を付与するものである。 同様に、ゴム部分又はソフトセグメントは、柔軟性及びより低い弾性率を付与するが、例えば、特に歪み結晶化を経験する場合には強度を付与できるものである。

    ランダム又は交互ソフトセグメント及びハードセグメントは、ウレタン基及び/又は尿素基(好ましくは、ウレタン基)によって結合され、また、そのポリマーは、ヒドロキシル基又はアミン基、(好ましくは、ヒドロキシル基)及び/又はイソシアネート基を末端基とすることができる。

    本明細書で使用される「結晶質」材料又はセグメントとは、規則領域を有するものである。 「非晶質の」材料又はセグメントとは、アモルファスであるものである(非晶質材料はガラス状又はゴム状であることができる)。 「歪み結晶化」材料とは、歪み又は機械的が施用されるときに規則領域を形成するものである。

    本発明のポリマーが特に良く適する医用生体材料としては、医療用電気リード、例えば、心臓ペーシングリード、神経刺激用リード(neurostimulation lead)などが挙げられる。 前記リードの例は、例えば、米国特許第5,040,544号(Lessarら)、第5,375,609号(Molacekら)、第5,480,421号(Otten)、及び第5,040,544号(Markowitz)で開示されている。

    ポリマー及び調製法
    幅広い種類のセグメント化ポリマーが、本発明によって提供される。
    好ましくは、セグメント化ポリマーは、本明細書に記載してあるようなシラン含有基を含むコポリマー(ターポリマー、テトラポリマー)である。 また、それらは、オレフィン、アミド、エステル、イミド、エポキシ、尿素、ウレタン、カーボネート、スルホン、エーテル、アセタール、及びホスホネートなどを含むこともできる。 更に好ましくは、それらは、以下のもの:すなわち、尿素、カーボネート、エステル、及びエーテルのうちの1つ以上を実質的に含有していない。 前記ポリマーは、様々な技術を用いて、シラン基を含む重合可能な化合物(例えば、モノマー、オリゴマー、又はポリマー)から調製できる。 前記化合物は、ジエン、ジオール、ジアミン、又はそれらの組み合わせを含む。 シラン含有基を有するソフトセグメントは、式Iの化合物から誘導され、それにより、式IIの化合物を含む。

    ある種の好ましいポリマーを本明細書で説明しているが、本発明の医療用デバイスにおいて好ましい医用生体材料を形成するために使われるポリマーは、ウレタン基、尿素基、又はそれらの組み合わせを含む幅広い種類のポリマーであることができる。 前記ポリマーは、イソシアネート含有化合物、例えばポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)と、イソシアネート基と反応性である少なくとも2つの官能基を有する化合物、例えばポリオール及び/又はポリアミン(好ましくはジオール及び/又はジアミン)とから調製される。 これらの反応体のうちのいずれの反応体も、シラン部分(好ましくは、ポリマー主鎖中に)を含むことができるが、好ましくは、シラン部分は式Iのジオールによって提供される。 而して、好ましくは、ポリマーはポリウレタンである。

    シラン含有部分が存在していると、酸化及び/又は加水分解による劣化に対して典型的により抵抗性があるが、Tgは依然として低いポリマーが提供される。 更に、好ましくは、ハードセグメント及びソフトセグメントの両方とも、それ自体、実質的に、エーテル無含有、エステル無含有、及びカーボネート無含有のポリウレタン、ポリ尿素、又はそれらの組み合わせである。 好ましくは、本発明のポリマーは、 ポリウレタン(実質的に尿素結合を含有していない)である。

    本発明の好ましいポリマーは、1つ以上のウレタン基、尿素基、又はそれらの組み合わせ(好ましくは、ウレタン基のみ)を含む。 別の態様では、特に好ましいポリマーは、コポリマー(すなわち、2つ以上のモノマーから調製される、ターポリマー又はテトラポリマーを含む)である。 而して、本発明は、セグメント中に分散されたシラン基を有するポリマーを提供する。

    本発明のポリマーは、線状、枝分れ、又は架橋されたポリマーであることができる。 前記様々なポリマーは、多官能のイソシアネート又はポリオール(例えば、ジオール、トリオールなど)を用いて、又は1つ以上のモノマー中に不飽和もしくは他の官能基(例えば、チオール)を有する化合物を用いて、放射線架橋によって得ることができる。 前記方法は、当業者には公知である。

    好ましくは、前記ポリマー(及びそれらを作るために用いられる化合物)は、その主鎖(すなわち、バックボーン)中に実質的に第三級炭素原子を有していない。
    上記したように、本発明のポリマーは、下式(式I):
    HO−R −Si(R −[−R −Si(R −] −R −OH [式中、n=1以上であり;R 及びR は上で規定されたものであり、また、各R は、独立に、へテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基である]の化合物から調製される。 好ましくは、ポリマーは、 カーボネート結合及び/又は尿素結合を実質的に含んでいない。

    上記式において、部分−R −Si(R −のそれぞれは任意の一つの分子内で変化できることを理解すべきである。 すなわち、R 基のそれぞれが、各Si(R 基内において同じか又は異なっていることに加えて、−R −Si(R −基のそれぞれは、任意の一つの分子中において同じか又は異なっていることができる。 「n」の値は平均値である。 好ましくはnは1〜50であり、更に好ましくはnは1〜20である。

    基、R 基、及びR 基は、本発明のポリマー出発材料の数平均分子量が、好ましくは1モルあたり約100,000(g/モル又はダルトン)以下であり、更に好ましくは約5000g/モル以下であり、及び最も好ましくは約1500g/モル以下であるように選択される。 好ましくは、ポリマー出発材料の数平均分子量は、少なくとも約500g/モルである。

    本発明の生成ポリマー(架橋なし)の数平均分子量は、好ましくは約100,000,000g/モル以下であり、ポリマーを溶融加工するのに望ましい。 更に好ましくは、本発明の生成ポリマー(架橋なし)の数平均分子量は、約500,000g/モル以下である。 好ましくは、ポリマー(架橋なし)の数平均分子量は、少なくとも約20,000g/モルである。

    この化合物(及び生成ポリマー)では、好ましくは、各R は、独立に、直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基である。 更に好ましくは、それらは、20個以下の炭素原子を含み、最も好ましくは3〜20個の炭素原子を含む。

    各R は、独立に、窒素、酸素、リン、硫黄、及びハロゲンのようなへテロ原子を任意に含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基である。 へテロ原子は、ポリマーの主鎖中に又はそこから伸びているペンダント中に存在することができ、そして官能基を形成できる(例えば、カルボニル)。 好ましくは、R は、へテロ原子を含まない。 更に好ましくは、各R は、独立に、20個以下の炭素原子を含む直鎖又は枝分れ鎖アルキレン基である。 最も好ましくは、各R は、独立に、直鎖又は枝分れ鎖(C3−C20)アルキレン基である。

    珪素原子上にある式Iの化合物(及び生成ポリマー)のR 基は、最終生成物(例えば、セグメント化ポリウレタンポリマー)が、シラン基を含有していないポリマーに比べて、次の特性が高くなるように:すなわち、鎖の柔軟性が高い;酸化及び加水分解され難い;及び/又はR基中の官能基を用いてポリマーを改質する能力が高くなるように、選択される。

    シラン基は、酸化又は加水分解に対するポリマー出発材料及び最終ポリマーの感受性を低下させるが、主鎖(すなわち、バックボーン)が一般的に酸化又は加水分解に影響されない限りにおいては、R 基それら自体は、前記反応に対して感受性を持ち得ると考えられる。

    好ましくは、R 基は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はそれらの組み合わせである。 更に好ましくは、各R は、独立に、アルキル基、フェニル基、又はアルキル置換フェニル基である。 なお更に好ましくは、各R は、独立に、直鎖又は枝分れ鎖アルキル基(好ましくは20個以下の炭素原子を有する)、フェニル基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニル基(アルキル置換中に、好ましくは20個以下の炭素原子、及び更に好ましくは6個以下の炭素原子を有する)である。 最も好ましくは、R 基は、それぞれ独立に、直鎖又は枝分れ鎖(C1−C3)アルキル基(好ましくは、へテロ原子を有していない)である。

    任意には、R 基は、窒素、酸素、リン、硫黄、及びハロゲンのようなへテロ原子を含むことができる。 これらのR 基は、ポリマーが、その側鎖とは対照的に、特にその主鎖が酸化及び/又は加水分解に対して一般的に抵抗性である限りにおいては、官能基の形態で、有機基の鎖中又はそれから伸びているペンダントの鎖中に存在できると考えられる。 前記へテロ原子含有基(例えば、官能基)としては、例えば、保護されているか否かにかかわらず、アルコール、エーテル、アセトキシ、エステル、アルデヒド、アクリレート、アミン、アミド、イミン、イミド、ニトリルが挙げられる。

    各R は、独立に、直鎖アルキレン基、フェニレン基、又は直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル置換フェニレン基であり、その場合、各R はへテロ原子を任意に含む。 好ましくは、各R は、独立に、直鎖アルキレン基である。 好ましくは、R は、へテロ原子を含んでいない。 更に好ましくは、各R は、20個以下の炭素原子を含み、より更に好ましくは12個以下の炭素原子、及び最も好ましくは10個以下の炭素原子を含む。 更に好ましくは、各R は、少なくとも1個の炭素原子を含み、更に好ましくは少なくとも4個の炭素原子、及び最も好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含む。 別法として、フェニレン基上の各アルキル置換基は、独立に且つ好ましくは、20個以下の炭素原子、より更に好ましくは12個以下の炭素原子、及び最も好ましくは10個以下の炭素原子を含む。 更に好ましくは、フェニレン基上の各アルキル置換基は、独立に且つ好ましくは、少なくとも1個の炭素原子を含み、更に好ましくは少なくとも4個の炭素原子、及び最も好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含む。 ある種の態様のために、例えば、R が未置換の直鎖アルキレン基であるとき、R は5個以上の炭素原子を有する。

    本発明のポリマーは、標準的な技術を用いて調製できる。 ある種のポリマーは、式Iの化合物のうちの1つ以上を用いて作ることができる。
    式Iの出発材料のヒドロキシル基を、ジ−、トリ−、もしくはポリ(酸)、又はジ−、トリ−、もしくはポリ(塩化アシル)、又は環状エステル(環状ラクトン)と反応させて、ポリ(エステル)を作ることができると考えられる。 別法として、これらのヒドロキシル基を、ビニルエーテル含有化合物と反応させて、ポリ(アセタール)を作ることができると考えられる。 別法として、これらのヒドロキシルを、水酸化ナトリウムと反応させて、ナトリウム塩を生成させ、更にそれらをホスゲンと反応させてポリ(カーボネート)を作ることができると考えられる。 それらのナトリウム塩を、他のハロゲン化アルキル含有部分と反応させて、ポリ(スルホン)、ポリ(ホスフェート)、及びポリ(ホスホネート)を誘導できる。

    典型的には、好ましいウレタン含有ポリマーは、ポリイソシアネートと、式Iの1つ以上の化合物とを用いて作られる。 しかしながら、式Iのジオールに起因する少なくともいくつかのシラン含有部分を生成ポリマーが含んでいる限りにおいては、本発明のポリマー(例えば、ポリマーのソフトセグメント)を調製するために、前記シラン含有部分を含有していないジオールも用い得ることを理解すべきである。 また、例えばポリエステル、ポリエーテル、及びポリカーボネートポリオールを含む他のポリオール及び/又はポリアミンを用いることができるが、前記ポリオールは、生体安定性が低い材料を生成するので、あまり好ましくない。 更に、ポリオール及びポリアミンは、脂肪族(脂環式を含む)又は複素環式を含む芳香族、又はそれらの組み合わせであることができる。

    適当なポリオール(典型的には、ジオール)としては、例えば、POLYMEGという商品名で市販されているポリオール、及び他のポリエーテル、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレンオキシド、ポリブタジエンジオール、ダイマージオール(例えば、イリノイ州シカゴにあるUnichema North AmericaからDIMEROLという商品名で市販されているダイマージオール)、ポリエステルベースのジオール、例えば(イリノイ州ノースフィールドにあるStepan Corp.から)STEPANPOLとして市販されているポリエステルベースのジオール、CAPA(英国チェシャー州ウォリントンにあるSolvayから市販されているポリカプロラクトンジオール)、TERATE(テキサス州ヒューストンにあるKosaから市販されている)、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(エチレンスクシネート)ジオール、ポリ(1,4−ブタンジオールアジペート)ジオール、ポリ(カプロラクトン)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンフタレート)ジオール、及びポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)ジオール、ならびにポリカーボネートベースのジオール、例えばポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールが挙げられる。

    例えば、ポリウレタンを調製する場合に従来から行われているように、ポリマーを調製するときに、連鎖延長剤として他のポリオールを用いることができる。 連鎖延長剤は、ハードセグメントを提供するために用いられる。 適当な連鎖延長剤としては、例えば、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、9−ヒドロキシメチルオクタデカノール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ビス(メタノール)、シクロヘキサン−1,2−ビス(メタノール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、グリセロール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、及びペンタエリトルトールなどが挙げられる。 他の連鎖延長剤は、国際公開公報第WO99/03863号に記載されている。

    適当なポリアミン(典型的には、ジアミン)としては、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,8−ジアミノオクタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びリジンエチルエステルなどが挙げられる。

    適当な混合アルコール/アミンとしては、例えば、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−アミノフェネチルアルコール、及びエタノールアミンなどが挙げられる。

    ポリウレタン、ポリ尿素、又はポリウレタン・尿素を調製するための適当なイソシアネート含有化合物は、典型的には、脂肪族、脂環式、芳香族、及び複素環式(又はそれらの組み合わせ)のポリイソシアネートである。 イソシアネート基に加えて、前記化合物は、医用生体材料において典型的に用いられる、例えばビウレット、尿素、アロファネート、ウレチジンジオン(すなわち、イソシアネートダイマー)、及びイソシアヌレートなどのような他の官能基を含むこともできる。 適当なポリイソシアネートとしては、例えば、4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、4,4'−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(HMDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ベンゼン−1,4−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトブタン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルフェニルイソシアネート)、4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、1,3−フェニレンジイソシアネート、ポリ((フェニルイソシアネート)−コ−ホルムアルデヒド)、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ダイマージイソシアネート、ならびにBayerからDESMODUR RC、DESMODUR RE、DESMODUR RFE、及びDESMODUR RNという商品名で市販されているポリイソシアネートなどが挙げられる。

    本発明のポリマーの比較的硬質なセグメントは、短鎖から中鎖のジイソシアネートと、短鎖から中鎖のジオール又はジアミン(そのすべてが好ましくは約1000g/モル未満の分子量を有する)とから好ましくは二次加工される。 適当な短鎖から中鎖のジオール、ジアミン、及びジイソシアネートとしては、直鎖、枝分れ鎖、及び環状の脂肪族が挙げられるが、芳香族も用いることができる。 これらのより硬質なセグメントで有用なジオール及びジアミンとしては、例えば、既に上で検討された短鎖及び中鎖両方のジオール又はジアミンが挙げられる。

    本明細書に記載したポリマーに加えて、本発明の医用生体材料は様々な添加剤を含むこともできる。 添加剤としては、抗酸化剤、着色剤、加工潤滑剤、安定剤、イメージングエンハンサー(imaging enhancer)、及び充填材などが挙げられる。

    出発材料及び調製法 上記式Iの化合物は、実施例で説明される合成経路によって作ることができる。 その経路は、典型的には、ADMET(非環状ジエン複分解)重合経路又はヒドロシリル化経路又はそれらの組み合わせのいずれかを含む。

    シラン含有ジオールを調製するための典型的なADMET法では、シラン含有ジエンモノマー及び保護アルコールを含むアルケン化合物、及び任意に他のジエンモノマーを、適当なメタセシス重合触媒の存在下で化合させる。 この初期生成物は、実質的に脱保護且つ水素化されて、所望のシラン含有ジオールを生成する。

    シラン含有ジオールを調製するための典型的なヒドロシリル化法では、ジシラン、及び保護アルコールを有するビニル含有化合物、及び任意にジビニル化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下で重合させる。 この重合後に、アルコールは、脱保護されて、所望のシラン含有ジオールを生成する。

    上記方法は単なる例示である。 本発明は、式Iの化合物を作る方法又は式Iの化合物から誘導されるポリマーによって限定されない。
    本発明を、様々な特定且つ好ましい態様に関して説明してきたが、以下、詳細な実施例を掲げて本発明を更に説明する。 しかしながら、実施例及び詳細な説明において示されているものを超える本発明の根本的テーマに基づく多くの拡張、変更、及び改良が存在すること、そしてそれらが、本発明の精神及び範囲内にあることが了解される。

    (実施例)
    すべてのガラス器具を使用前に乾燥させた。 Fluka(ウィスコンシン州ミルウォーキ)から1,10−ジブロモデカンを購入した。 流下膜式蒸発器は、Aldrich Chemical Company,Incorporated(ウィスコンシン州ミルウォーキ)から購入した。 マグネシウムターニング、無水テトラヒドロフラン、クロロジメチルシラン、ヘキサン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ドデカン、キシレン、無水ジメチルアセトアミド、ジブチル錫ジラウレート、1,5−ヘキサジエン、ジエチルシラン、ヘキサン、水酸化ナトリウム、AMBERLITEIRC−718イオン交換樹脂、ALIQUOT 336、硫酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、炭酸カリウム、1,6−ジクロロヘキサン、無水ジオキサン、塩化メチレン、シリカゲル、活性中性アルミナ、p−トルエンスルホン酸一水和物、ジエチルシラン、ジフェニルシラン、試薬用エタノール、トルエン、活性炭素上10%パラジウムは、Aldrichからすべて市販されている。 使用前に、AMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂ビーズを、回転蒸発器を用いて乾燥させる。

    トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリジン]ルテニウム(IV)ジクロリド(Grubbsイミダゾリウムルテニウムメタセシス触媒)を、マサチューセッツ州ニューベリーポートにあるStrem Chemicals Inc. から購入し、使用するまで、アルゴン雰囲気のグローブボックス中に−30℃で貯蔵した。 メタセシス反応で生じる温度を、フラスコと加熱マントルとの間に配置された熱電対を用いて測定した。

    実施例1.1,10−ビス(ジメチルシリル)デカンの合成 3リットル三つ口丸底フラスコにメカニカルスターラー、熱電対、及び2リットル添加漏斗を取り付けた。 気泡発生器に接続された窒素ラインを添加漏斗の頂部に取り付けた。 マグネシウムターニング85gをそのフラスコに入れた。 次に、1,10−ジブロモデカンを添加漏斗に加えた。 更に次に、乾燥テトラヒドロフラン(Aldrich製無水グレード)を添加漏斗に一杯になるまで加えた。 この溶液約50mLをマグネシウムターニングに加え、得られた混合物を撹拌した。 反応が開始した後(混合物が濁るので反応開始が分かる)、テトラヒドロフランの沸点を発熱線が超えないような速度で残りの溶液を滴下して加えた。 添加が完了したら、テトラヒドロフランの追加のアリコートで添加漏斗をすすいだ。 次に、添加漏斗の代わりに冷却器を取り付け、反応混合物を加熱して還流した。 その反応混合物を2時間還流してから、室温まで冷却した。 次に、添加漏斗を冷却器の代わりに反応フラスコに再度取り付け、クロロジメチルシラン325gを、反応混合物の温度がシランの沸点未満の温度に維持される速度で滴下して加えた。 次に、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。 次に、最少量の水を注意深く加えて、残っているグリニャール試薬を急冷し、その混合物を、ブフナー漏斗で真空濾過して、沈殿したマグネシウム塩を除去した。 その塩を少量のヘキサンで数回洗浄し、そしてその濾液にヘキサンを加えた。 回転蒸発器を用いて、真空下で、溶媒を除去した。 次に、粗生成物を、20センチメートル(cm)ヴィグロウカラムを使用して真空下で蒸留した。 いくつかの分画が得られた。 約0.32パスカル(Pa,2.4ミリトル)及び104〜118℃で蒸留された分画は大量の生成物を含んでいた。 その分画には生成物276.8gが存在しており、生成物の同定及び純度は、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、及び核磁気共鳴分光法を用いて確認した。

    実施例2. トリメチルシリル保護10−ウンデセン−1−オールの合成 10−ウンデセン−1−オールを、磁気撹拌棒を備えている丸底フラスコの中に入れた。 そのフラスコにヘキサメチルジシラザン0.5当量を含む添加漏斗を取り付けた。 フラスコにトリメチルクロロシラン10滴を加え、撹拌を開始した 。 ヘキサメチルジシリザンを滴下して加えた。 反応によって放出された窒素によって反応の進行をモニターした。 反応が完了したら、粗生成物を真空下で蒸留し、所望の生成物を得た。

    実施例3. ジシランジオール1の合成

    撹拌棒と、窒素入口アダプターと、温度計と、及び窒素出口アダプターを有する添加漏斗とが取り付けてある1リットル三つ口丸底フラスコの中に、予め合成された1,10−ビス(ジメチルシリル)デカン258gを入れた。 白金(ジビニルテトラメチルジシロキサン)のキシレン溶液(United Chemical Technologies、ペンシルベニア州ブリストル)を2滴、キシレン1ミリリットル中に溶かし、フラスコに加えた。 次に、添加漏斗の中にトリメチルシリル保護10−ウンデセン−1−オールを496.1g入れた。 窒素によるパージ及び撹拌を開始した。 その反応を50℃まで加熱し、次に、添加するために、加熱マントルを停止し、保護アルコールを40分間にわたって滴下して加えた。 その混合物は濁った。 それはおそらく分離相が存在していることを示しており、添加の終わりには温度は44℃であった。 加熱を継続すると、反応混合物は約62〜65℃で明澄になった。 次に、その反応混合物は穏やかな発熱を示した。 再び、加熱マントルを停止した。 発熱は、反応混合物が明澄になった約25分後に93℃でピークになった。 次に、その反応を更に加熱し、赤外分光法でモニターした。 2時間後、触媒を更に3滴加え、反応を100℃で一晩撹拌した。 翌朝、その反応混合物のIRは、反応が完了していないことを示し、また、そのGCは、少量の保護アルコールの二重結合が、対応するシス−及びトランス−9−ウンデシル化合物へと異性化したことを示唆した。 これは、ヒドロシリル化反応の公知の副反応であり、残りのシランの反応は、100℃まで反応混合物を加熱し、その反応混合物に触媒を5滴加え、そして保護アルコールを更に100g滴下して加えることによって完了させた。 IRによれば、24時間後、シラン基はほとんど完全に反応した。 粗生成物をヘキサン2リットルに溶かし、中性アルミナ20cmと、微粉砕されたAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂15cmとを含むカラムで濾過して、触媒を除去した。 そのカラムに取り付けられた受け器を水流吸引器による真空下に配置して、濾過を速め、そして回転蒸発器を用いてヘキサンを除去した。 オイルポンプ真空下で流下膜式蒸発器中を通過させることによって、過剰の保護ウンデセノール及び副生物を粗生成物の一部から除去した。 ドデカンの還流は、蒸発器のホットフィンガーで行った。 IRによると、不揮発性分画(395g)にはシランは残っていなかった。 エタノール700mLと、水35mLと、及び濃塩酸1滴との溶液中で各バッチを室温で一晩撹拌することによって、ジオールは2つのバッチで脱保護された。 そのバッチを組み合わせ、そしてGPC,IR,及びNMRを用いて生成物の構造を確認した。

    実施例4. ジシランジオールを用いるポリウレタン合成 二段溶液重合法を用いて、ソフトセグメントとして実施例3のジシランジオールを含むポリウレタンポリマーを作った。 窒素でパージされたグローブボックスにおいて、ジシランジオール36.09g(0.1127当量)を、火炎乾燥させた1リットルフラスコに加えた。 そのジオールを無水ジメチルアセトアミド300gと配合した。 90℃まで加熱した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(DESMODUR H D240,Miles Laboratories,ペンシルベニア州ピッツバーグ)を19.23g(0.2299当量)加えた。 30分後、ジブチル錫ジラウレート触媒を約0.006g加えた。 反応の発熱は、ポット温度を98℃まで上昇させた。 生成したイソシアネート末端プレポリマーに対して、1,4−ブタンジオール(Mitsubishi Chemical America,Inc.、ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)5.05g(0.1127当量)を加えた。 30分後、赤外分光分析によって、残留イソシアネートは検出されなかった。 赤外分光分析によって残留イソシアネートの小さなピークを検出させる前には、ヘキサメチレンジイソシアネート(1.52g,総量で0.0182当量)の2当量%を4滴加えることが必要であった。 必要とされる過剰なヘキサメチレンジイソシアネートは、少なくとも部分的には、ジメチルアセトアミド溶媒中に見出されるアミン不純物によって生成されると考えられる。 防爆性変速実験室用ブレンダーが取り付けてある1.2リットル容器中で撹拌しながら、メタノールを加えることによって、溶液から明澄で低粘性の溶液を沈殿させた。 白色粉末樹脂を濾別した後、ポリマーをブレンダー容器に戻し、新鮮なメタノールと一緒に撹拌し、そして更に2回濾過して、ジメチルアセトアミド重合溶媒を選択的に除去した。 50℃で72時間真空オーブン中で乾燥させた後、165℃でCarverプレスでポリマーを成形して0.635ミリメートル(mm,25ミル)フィルムにした。 透明な成形フィルムを切断してASTM D638−5試験標本にした後、伸び計を有するMTS Sintech I/Dを用いて機械的性質を得た。 結果は、極限引張強さ(UTS)=20.9メガパスカル(MPa,一平方インチ当たり3031ポンド(psi))、伸び率=318%及びヤング率=65.4MPa(9489psi)であった。 ASTM D624,ダイBカッターで フィルムから割裂強さ標本も切り出した。 引裂強さは、一メートル当たり108.6キロニュートン(620ポンド/リニアインチ)であった。 ジメチルアセトアミド担体溶媒及びポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって分子量を測定した。 結果は:Mw(重量平均分子量)=40,600,Mn(数平均分子量)=25,600,多分散性=1.64であった。

    実施例5. 二段法によるポリウレタンの合成 溶媒中で二段重合法を用いてジシランジオールを含むポリマーを合成した。 無水条件下で、ジシランジオール37.50g(0.1171当量)を、1リットル丸底フラスコに加えた。 無水ジメチルアセトアミド300gを添加した後、フラスコの内容物を90℃まで加熱した。 そのとき、ヘキサメチレンジイソシアネート(DESMODUR H D240,Miles Laboratories)4.91g(0.0586当量)を15分間にわたって滴下して加えた。 90℃で40分後、ジブチル錫ジラウレートを約0.006g加えた。 反応による発熱により、ポット温度は98℃まで上昇した。 30分後、赤外分光分析により、すべてのイソシアネートが反応したことが確認された。 生成したポリマーに対して、1,4−ブタンジオール(Mitsubishi Chemical America,Inc.,ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)を2.66g(0.0585当量)加え、次いで、固体でフレーク化されたMDI(融解MONDUR M,Bayer Corporation,ペンシルベニア州ピッツバーグ)を14.99g(0.1194当量)加えた。 反応による発熱により、ポット温度は90℃〜95℃まで上昇した。 15分後、赤外分光分析により、すべての利用可能なイソシアネートが反応したことが確認された。 反応を完了させて約1.01/1.00の理論的イソシアネート/ヒドロキシル比を有するポリマーを生成させるために、四つに分けてMDIを0.38g添加する必要があった。 各添加に関する反応過程は、2272cm −1におけるイソシアネートの吸光度の存在の有無を観察することによる赤外分光分析によってモニターした。 必要とされる過剰のイソシアネートは、ジメチルアセトアミド重合溶媒中に存在する不純物との副反応によって少なくとも部分的に引き起されると考えられる。

    防爆性変速実験室用ブレンダーで絶えず攪拌しながら、1.2リットル容器中に含まれているメタノールに溶液を添加することによって、生成したポリマーを溶液から沈殿させた。 溶媒から白色沈殿ポリマーを濾過した後、そのポリマーをブレンダー容器に戻し、新鮮なメタノールと一緒に撹拌し、そして更に2回濾過して、重合溶媒の大部分を選択的に除去した。 50℃で72時間真空オーブン中でポリマーを乾燥させた後、Carverプレスを用いて、165℃でポリマーを成形して2つの厚さ0.635mm(25ミル)のフィルムにした。 前記フィルムからASTM D638−5引張標本を切り出して、Sintech I/D伸び計を用いて機械的性質を測定した。 ASTM D638−5試験標本に関して測定された機械的性質は、極限引張強さ(UTS)=25.9MPa(3750(psi)、伸び率=310%、及びヤング率=70.3MPa(10,200psi)であった。分子量は、ジメチルアセトアミド溶媒及びポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィーによって分析した。結果は、Mw=47,000,Mn=29,100,多分散性=1.62であった。

    酸化安定性及び加水分解安定性に関するin vitro試験を、実施例5のポリマーについて行った。 更に、ポリテトラメチレンエーテルグリコールソフトセグメントを有する市販のポリウレタンエラストマー(PELLETHANE 80A)及びMED 4719シリコーンエラストマー(ショアー硬度=60A、カリフォルニア州カーピンテリアにあるNusil Silicone Technologyから入手した)の対照サンプルを比較のために用いた。 in vitro試験溶液は1.0N(規定)水酸化ナトリウム及び塩化第二鉄であった。 ASTM D638−5試験標本を上記のようにプレスされたフィルムから切り出した。 試験標本を、選択されたin vitro試験溶液100ミリリットルで満たされているガラスジャーに入れた。 その密封されたジャーを70℃のオーブンの中に8週間置いた。 追加の試験標本は、周囲実験室条件で8週間貯蔵した。 8週間後に、22.67キログラム(kg)(50−ポンド)荷重計を用いて、一分あたり12.7cmのクロスヘッド速度で、伸び計を有するSintech 1/Dを用いて、試験標本の引張特性を測定した。 各条件下で5つの試験標本を試験した。 表1に記録してある値は、それらの試験標本の平均である。

    以下の表1において、「8週間、RT空気」とは、周囲実験室条件(例えば、室温)下で8週間貯蔵されたサンプルを指しており;「8週間、湿潤」とは、70℃で8週間各試験溶液中に貯蔵され、脱イオン水で洗浄され、軽く乾燥され、そして直ちに試験されたサンプルを指しており;「8週間、乾燥」とは、70℃で8週間各試験溶液中に貯蔵され、脱イオン水で洗浄され、そして37℃の真空オーブン中で乾燥させたサンプルを指している。 また、「UTS」とは、メガパスカル単位で記録された極限引張強さを意味しており、「%E」とは、破断前の伸び率を意味しており、そして「Young's Mod.」とは、これまたメガパスカルで記録されたヤング率を意味している。 「残率(percent retained)」とは、溶液中に浸漬された標本の値を、周囲条件下貯蔵された標本の値で割り、%としたものである。 その値は、それらの元来の機械的性質に基づいて、試験条件にポリマー標本がどれだけ耐えるのかに関する基準を提供する。

    上記データからは、実施例5のポリウレタンが、PELLATHANE 80Aに比べて、塩化第二鉄溶液中において、酸化に対してより大きな抵抗性を示すことが認められる。 そのことは、2種のポリマーの極限引張強さを比較することによって確認できる。 実施例5のポリマーは、その極限引張強さの87%(湿潤)及び96%(乾燥)を維持しているが、PELLETHANE 80Aは、その極限引張強さの48%(湿潤)及び72%(乾燥)を維持している。 塩化第二鉄は酸化剤であるので、この試験は、実施例5のポリマーの優れた耐酸化性を証明している。 この優れた性能は、対照として用いたPELLETHANE 80Aが酸化防止剤を含み且つより高い分子量を有することを考えれば、驚くべきことである。

    シリコーンエラストマー試験データは、実施例5のポリウレタンが、シリコーンエラストマーであるNusil MED 4719に比べて、塩化第二鉄溶液中において、酸化に対してより大きな抵抗性を有していたことも証明している。 実施例5のポリマーは、その極限引張強さの87%(湿潤)及び96%(乾燥)を維持しているのに対して、Nusil MED 4719は、その極限引張強さの33%(湿潤)及び38%(乾燥)を維持していた。

    実施例6.7,7−ジエチル−7−シリル−1,12−トリデカジエンの合成 1,5−ヘキサジエン100gを500ミリリットル丸底フラスコの中に入れた。 そのフラスコに、磁気撹拌棒、加熱マントル、水冷冷却器、熱電対、及び添加漏斗を取り付けた。 そのフラスコを撹拌しながら加熱した。 同時に、添加漏斗にはジエチルシラン25ミリリットル及び1,5−ヘキサジエン200gを入れた。 キシレン(2−3% Pt)中白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(United Chemical Technologies、ペンシルベニア州ブリストル)2ミリリットルをフラスコに加えた。 フラスコの内容物が40℃に達したとき、添加漏斗中の混合物を滴下して加えた。 若干の発熱が観察された。 添加完了後に、その混合物を40℃で一晩撹拌した。 次に、その反応混合物を1リットル単一口丸底フラスコに移し、回転蒸発器を用いて過剰の1,5−ヘキサジエンを除去した。 次に、5倍体積のヘキサンでフラスコの内容物を希釈し、乾燥させたAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂ビーズを加えて、白金を封鎖した。 その反応混合物を、シリカゲル約15cmと、次に活性中性アルミナ15cmとが充填された直径1.5cmのクロマトグラフィーカラムを通過させて、精製した。 時計皿上で蒸発された溶出液のサンプルが残留物をまったく残さなくなるまで、追加のヘキサンを用いて、生成物を溶出した。

    実施例7. ジエチルシリル基を含むヒドロキシテレケリックポリカルボシランの合成 工程1:7,7−ジエチル−7−シリル−1,12−トリデカジエンのメタセシス重合。 7,7−ジエチル−7−シリル−1,12−トリデカジエンを、真空下で蒸留し、ガスクロマトグラフィーによる純度が99%超の留分を用いた。 磁気撹拌棒及び7,7−ジエチル−7−シリル−1,12−トリデカジエン100.3gを1リットル丸底単一口フラスコの中に加えた。 30分間モノマーを窒素と共に散布した。 次に、フラスコをアルゴン雰囲気のグローブボックスへと入れた。 Grubbsイミダゾリウムルテニウムメタセシス触媒(0.75g)をフラスコに加えた。 そのフラスコを真空ラインに接続した。 真空ラインにおけるバルブは、反応溶液の急速な泡立ちを誘発させるのに充分なだけ開けた。 圧力は、急速な泡立ちと共に、480Pa(3.6トル)で安定した。 その反応は周囲グローブボックス温度33℃で継続した。 68時間後、溶液は茶色で粘性であった。 気泡は依然として生成しており、圧力は40Pa(300トル)まで低下した。 次に、真空ライン上のバルブを全開にし、圧力を7Pa(54トル)まで落とした。 次いで、拡散ポンプをシステムに対して開けた。 33℃で71.5時間後、加熱マントルで温度を50℃まで上昇させた。 温度が上昇すると、より大きな気泡が生成し、圧力は17Pa(128トル)まで増した。 50℃で28時間後、反応温度は60℃まで上昇した。 反応を6日間継続させた。 そのときポリマーは非常に粘性で撹拌し難かった。 気泡は依然として生成し、圧力は3.2Pa(24ミリトル)であった。 反応を終わらせ、フラスコをグローブボックスから取り出した。 フラスコを計量すると、減圧により、モノマーは失われていないことがわかった。

    ヘキサン250ミリリットル(mL)でポリマーを希釈して粘度を低下させた。 次いで、AMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂を27.8g加え、その混合物を18時間撹拌した。 次に、AMBERLITE IRC−718を、Number 40 Whatman濾紙を有するブフナー漏斗を用いて濾過した。 ヘキサンを使用してイオン交換樹脂及びフィルターフラスコを洗浄し、ポリマーを1リットル丸底フラスコに戻した。 溶液は依然として茶色のままであり、AMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂を更に40g加えた。 その混合物を2時間撹拌し、次に、イオン交換樹脂を、ブフナー漏斗中のNumber 2 Whatman濾紙で濾過した。 溶液の色は茶色がかった灰色であった。 その溶液を、シリカゲル4cm及び活性アルミナ(中性)3cmを含む直径3cmのカラムから溶出した。 溶出液としてヘキサンを用いた。 シリカゲルは暗褐色に変わり、アルミナは白色のままであった。 溶液された溶液は明澄で無色であった。 ヘキサンは回転蒸発器を用いて除去した。 明澄で無色粘性のポリマーが得られた。 収量は84.67gであり、収率は84.7%であった。

    ポリマー分子量は、プロトンNMRスペクトルに基づいて、一モルあたり36,000g(g/モル)と推定された。 プロトンNMRによって観察されたピークは:δ6.05−5.95(多重線(m)),5.85−5.75(m),5.6−5.1(m),5.05−4.9(m),2.1−1.9,1.65,1.45−1.2(m),1.0−0.8(m),0.7−0.4(m)であった。 FTIRによって観察された吸光度は:2951.7,2873.8,2852.6,1457.1,1414.9,1377.4,1340.2,1235.7,1169.2,1013.8,965.0,850.7,753.8,720.4cm −1であった。

    工程2:連鎖移動剤として1,20−ジアセトキシエイコサ−10−エンを用いる不飽和アセトキシテレケリックポリカルボシランの合成。 活性中性アルミナ15cmを含む外径18cm(7.6インチ)のクロマトグラフィーを、真空アダプターを有するアダプターを用いて、12リットル単一口丸底フラスコに接続した。 そのアダプターを介して施用された真空によって、カラムから直接にフラスコ中に通すことによって、10−ウンデセン−1−イルアセテートを精製した。 フラスコを計量すると、4.82kgがフラスコに移動したことが分かった。 そのフラスコを、磁気撹拌プレート上にある加熱マントルの中に配置した。 磁気撹拌棒をフラスコに加え、そしてすり合わせ結合に取り付けられた多孔分散管をフラスコに嵌め込んだ。 撹拌されたモノマーを20時間散布し、次いで、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド(Stremより)10.93gを、フラスコに加え、そのフラスコの口を、アダプターを介して真空ラインに接続された20cmヴィグロウカラムで迅速に蓋をした。 真空ラインはオイルポンプ及び拡散ポンプを含んでいた。 真空を直ちに施用し、45分後、フラスコ内部の圧力を、拡散ポンプがシステムに対して開放され得るように充分に低下した。 フラスコ内部の圧力は1.33Paに低下し、更に、反応開始5時間後には0.67Paまで低下した。 触媒を加えた6時間後、反応は凝固し始めた。 熱を穏やかに施用して反応を撹拌可能なスラリーに維持した。 加熱開始1時間後、フラスコと加熱マントルとの間に配置した熱電対によって温度を測定すると47.2℃であった。 この時点で、加熱マントルを調節するバリアック(variac)を少ししぼった。 真空ラインにある冷トラップは、凝縮されたエチレンを除去するために、5時間ごとに空にしなければならなかった。 反応開始10時間後、温度は38℃であり、更に15時間後には41.5℃であった。 この時点で、バリアックを再びわずかにしぼった。 この時点で、反応混合物は濃い赤紫色の液体(加熱マントル上のフラスコの壁と混合物が接触し凝固している場所を除く)であり、フラスコ内部の圧力は0.4Paであった。 捕集された液体エチレンの体積を測定することによって、この時点で、反応が75%完了していることが推定された。 フラスコとマントルとの間で測定される温度を43〜44℃に維持しながら、7日間、反応を継続させた。 この時点で、バリアックを上げ、温度を55.7℃で平衡させた。 12時間後、バリアックを再び上げ、温度を63.5℃で平衡させた。 この最終温度で12時間後、反応を終了させ、フラスコを窒素で充填し、そしてIRGANOX 1010を10g加えた。 その反応混合物を、ヘキサンで1:1に希釈し、窒素下で保持した。 そこにAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂(脱イオン水で洗浄し、真空下で乾燥させた)480gをフラスコに加え、そして圧縮空気駆動式メカニカルスターラーを用いて反応を一晩撹拌した。 次の日に、長さ76cm及び直径7.6cmのクロマトグラフィーカラムに、砂5cm、活性中性アルミナ20cm、AMBERLITE樹脂(ボールミルで粉砕されている)5cm、及び砂5cmを連続的に充填した。 そのカラムを、12リットル三つ口フラスコ丸底フラスコに取り付けた。 水流吸引器からの真空を、アダプターを介してフラスコに接続する。 溶液を、蠕動ポンプを用いて、カラム中にポンプで注入した。 濾過された溶液は薄い琥珀色であった。 反応フラスコ中の残留物をヘキサンで数回洗浄し、それをまたカラムの中にポンプで注入した。 そのカラムを、測定可能な生成物がカラムに残留しなくなるまで、ヘキサンで更に溶出した。 その溶液を、一晩、フリーザーの中に置くと、溶液は固体結晶質塊となった。 室温で24時間静置すると、薄い琥珀色の溶液中に大きな塊の白色結晶が認められた。 フラスコから液体をポンプで汲み出し、白色結晶をヘキサン1リットルで2回洗浄した。 それらの洗浄時に生じた液体もフラスコからポンプで汲み出した。 次に、フラスコにヘキサンを加えて、総体積を約11リットルにし、フラスコを加熱して結晶を溶解させた。 生成した溶液は、初期のヘキサン溶液に比べて、はるかに色が薄かった。 それを室温で一晩静置させたが、結晶は沈殿しなかった。 次いで、それを、フリーザーの中に一晩置くと、固体の塊が生じた。 室温で2時間静置させると、その塊は、充分に解凍し、大きなブフナー漏斗の濾紙によって2つの部分に濾過することができた。 結晶の各部分を室温のヘキサン500mLで洗浄した。 その結晶をパイレックス皿に配置し、そして真空下に一晩置いて、残留ヘキサンを除去した。 白色の結晶生成物の総量640gを単離した(反応の残留生成物も単離し、他の用途のために保存した)。 生成物は使用前にヘキサンから再結晶させた。 予期されたように、12のピークが13 C NMRによって観察された:すなわち、δ171.3,130.4,64.7,31.2,29.7,29.5,29.4,29.3,29.1,28.6,25.9,20.3パーツパーミリオン(ppm)。 プロトンNMRによって観察されたピークは:δ5.3(三重線(t)),4.0(t),2.1(一重線(s)),1.9(m),1.5(m),1.2(m)であった。

    工程3:1リットル丸底フラスコにおいて、ポリシラン84.67gを窒素と一緒に3時間散布して、すべての酸素を除去した。 1,20−ジアセトキシエイコサ−10−エンを、真空オーブン中で3時間乾燥させた。 次いで、その試薬をアルゴン雰囲気のグローブボックスに移し、そして1,20−ジアセトキシエイコサ−10−エンをポリシランに加えた。 温度を60℃まで上昇させ、混合物を磁気撹拌した。 45分後、その混合物は均一溶液になった。 そのとき、その溶液に、Grubbsのイミダゾリウムルテニウムメタセシス触媒を0.2g加えた。 真空を施用し、溶液を激しく泡立たせた。 温度は60℃に維持した。 1時間後、溶液の色はピンクからオレンジに変わった。 65時間後、溶液は茶色で粘性が低下し、気泡は観察されなかった。 フラスコをグローブボックスから取り出し、ヘキサン250mL及び乾燥したAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂を40g加えた。 溶液の色が明るいオレンジ色になるまで、その混合物を1.5時間撹拌し、次に、ブフナー漏斗及びNumber 2 Whatman濾紙を用いて濾過した。 その溶液を、直径3cmカラムにおいて活性アルミナ2cm及びシリカゲル4cmの中を通過させた。 ヘキサンを溶出剤として用い、次いで、ヘキサンを回転蒸発器で除去した。 収量は薄い黄色の液体113.25gであった。 その液体を、ヘキサン250mLで希釈し、シリカゲル4cmを含む直径3cmのカラムに通した。 ヘキサンは回転蒸発器で除去した。 生成物は薄い黄色のままであり、105.81gが捕集された。

    アセトキシテレケリックポリカルボシランの分子量は、プロトンNMRスペクトルに基づいて、1050g/モルと推定された。 プロトンNMRで観察されたピークは:δ5.3,4.0(t),2.0,1.6,1.4−1.2,0.9,0.5ppmであった。 FTIRによって観察された吸光度は:2874,2853,1744,1458,1414,1377,1237,1168,1014,965,851,753,720cm −lであった。

    工程4:ヒドロキシル基の脱保護。 水80.64g中にNaOH80.52gを溶解させることによって、50%NaOH溶液を作った。 この溶液を、工程3から得られたアセトキシテレケリックポリマー105.81gを含む1リットル丸底フラスコに加え、次いで、ヘキサン175mL及びALIQUOT 336を8.11g加えた。 そのフラスコに冷却器を取り付けた。 冷却器の頂部を、気泡発生器への出口を有する窒素ガス源に接続した。 その溶液を高速で磁気撹拌して、2つの相を混合し、還流した。 18時間後、白色エマルジョンがフラスコの中に存在していた。 FTIR分析のためにサンプルを採取した。 1744cm −1におけるアセトキシのピークは完全に消失しており、3330cm −1における広いヒドロキシルのピークが形成されており、それは、脱保護が完了したことを示唆している。 次に、二相溶液を1000mL分液漏斗に移した。 エマルジョンを有効に分離させるクロロホルムを加えると、有機層及び水性層を明確に区別することができた。 水性相を取り除き、残留している有機相を、水性洗浄液が中性のpHになるまで、脱イオン水で数回すすいだ。 総量で6.5リットルの脱イオン水を使用して、中性pHを達成した。 有機相を100mL三フラスコに移し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。 次に、Number2 Whatman濾紙を有するブフナー漏斗を用いて、有機相を濾過した。 ヘキサン及びクロロホルムは回転蒸発器を用いて除去した。 結果は、ジエチルシリル基を含む不飽和ヒドロキシテレケリックポリカルボシランであった。 ポリマーは、粘性で薄い黄色の液体であり、100.42gが単離された。

    プロトンNMRによって観察されたピークは:δ5.3,3.6 (t),3.3,3.2,2.0,1.5,1.5−1.2,1.2,0.9,0.5ppmであった。 FTIRによって観察された吸光度は:3330,2874,2853,1457,1415,1377,1340,1237,1168,1057,1014,965,851,753,720cm −1であった。

    工程5:ジエチルシリル基を含む不飽和ヒドロキシテレケリックポリカルボシランの水素化。 工程4で製造されたポリマーを分割し(60g/40g)、2つの異なる方法で水素化した。 不飽和ジオール60.4gを含む5リットル三つ口丸底フラスコは、冷却器、空気モーターで駆動される撹拌機、熱電対、及び温度調節機に接続された加熱マントルを備えていた。 冷却器の頂部に、窒素パージのための入口と、気泡発生器への出口とを設けた。

    キシレン1リットルをフラスコに加え、続いて、p−トルエンスルホンヒドラジド60.0g、トリブチルアミン72mL、及びキシレン1400mLを加えた。 濁った白色溶液を機械撹拌し、133℃までゆっくりと加熱した。 温度が80℃に達すると、溶液は、わずかに黄色ではあるが明澄になった。 133℃では、小さな気泡が形成し、その気泡は、水素化が進行するときに窒素ガスが放出されていることを示している。 15.5時間後、溶液の色は暗いオレンジ・ブラウンであった。 反応は、アリコートを採取してNMR分析することによってモニターした。 各アリコートは、水ですすぎ、有機層のサンプルを分析するために用いた。 この時点で、ジオールは60%水素化された。 3時間後、反応の温度は137℃まで上昇し、その温度で、20時間維持した。 そのとき、ジオールは70%水素化された。 その溶液を40℃まで冷却し、そしてp−トルエンスルホンヒドラジド30g及びトリブチルアミン35gを更に加えた。 その溶液を136.5℃まで加熱した。 気泡が観察された。 18時間後、溶液からは気泡は発生しておらず、NMRによってアルケンによる信号は検出されなかった。 次いで、溶液を6リットル分液漏斗に移し、脱イオン水800mLで3回すすいだ。 有機層を4リットル三角フラスコに移し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。 次に、硫酸マグネシウムを、Number2 Whatman濾紙を有するブフナー漏斗を用いて濾過した。 回転蒸発器によって溶媒のいくらかを除去して、体積を減少させた。 その溶液を、中性活性酸化アルミニウム5cmを含む直径3cmのカラムに通した。 溶出液としてキシレンを用いた。 次いで、残留溶媒を回転蒸発器で除去した。 ジオールの色は黄色であった。 アセトンで黄色を抽出した。 得られたジオールは粘性で濁った白色であり、21.98gが捕集された。 精製されたジオールのNMRは、残留している二重結合が4%であることを示した。

    両方のポリマーサンプルを、Parr圧力反応器で別々に水素化した。 触媒として10%Pd/Cを用いて4.14 MPa及び60℃で水素化を1週間行って、完全に水素化されたヒドロキシテレケリックポリカルボシランを得た。 10%固体溶液を得るのに充分なトルエン中にサンプルを溶かした。

    得られた水素化ジオール(18.7g)はNMR及びFTIRによって特性化された。 プロトンNMRによって観察されたピークは:δ3.61,1.45(m),1.4−1.1,0.9(t),及び0.055−0.40ppmであった。 FTIRスペクトルにおいて観察された吸光度は:3329,2921,2873,2852,1463,1339,1377,1306,1235,1179,1057,755,及び717cm −1であった。

    実施例8. 実施例7のジオールを用いてのポリウレタンの合成 250ミリリットル三つ口丸底フラスコを、窒素雰囲気グローブボックス中に配置し、ストッパー、熱電対ウェルアダプター、機械式撹拌棒、冷却器を取り付けた。 そのフラスコに加熱マントルを取り付け、磁気撹拌プレート上に配置した。 そのフラスコに対して、実施例7で合成されたヒドロキシテレケリックポリカルボシラン7.31g及び無水ジオキサン90gを加えた。 撹拌された溶液は濁っており、そこに無水テトラヒドロフラン22.5gを加えて、ほとんど明澄な溶液を得た。 次いで、4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を2.18g加え、その溶液を50℃まで加熱した。 溶液が望ましい温度に達したら、ジブチル錫ジラウレート(約0.005g)を加えた。 発熱は認められなかった。 次いで、ヒドロキシテレケリックポリカルボシランの核磁気共鳴分析によって示唆されるように、必要とされる1,4−ブタンジオールの70%に相当する0.36gの1,4−ブタンジオールを加えた。 この添加の50分後に、一滴の溶液を、KBr赤外線(IR)プレート上で蒸発させ、ポリマーのIRを取った。 このIRは、予期されたように、イソシアネートに起因する大きなバンドを示した。 更に、約45分間隔で、1,4ブタンジオールを0.09g、0.06g、及び0.03g連続して加えた。 添加された1,4−ブタンジオールの総量は、推定されたヒドロキシテレケリックポリカルボシランの分子量に基づいた必要量に相当した。 これらの添加の効果はIRを使用してモニターした。 第三の添加後には、残留イソシアネートに起因する赤外スペクトル中バンドは非常に弱くなり、そのことは、イソシアネートの1〜2%が未反応のままであることを示唆している。 溶液を、実験室用ブレンダー中で撹拌された試薬用エタノール500mL中に注ぎ、微細白色沈殿を得た。 その混合物を、水流吸引器による真空を使用してブフナー漏斗中のNumber 41 Whatman濾紙で濾過することによって、沈殿を単離した。 次に、ポリマー沈殿を、実験室用ブレンダーにおいて追加の試薬用エタノール500mL中で撹拌することによって洗浄し、上記のように濾過した。 単離した沈殿は、真空オーブン中において50℃で約60時間乾燥させた。 乾燥させたポリマーの最終収量は8.83gであった。 プレスして0.254mmのフィルムにし、それから5つのASTM D638−5試験標本を切り出した。 ポリマーサンプルの残りは50℃の真空オーブンで再乾燥させた。 そのフィルムをプレスして0.635mmのフィルムにし、それから6つのASTM D638−5試験標本を切り出した。 45.5kg(100ポンド)荷重計を用いて、一分あたり1.27cmのクロスヘッド速度で、伸び計を有するMTS Sintech 1/D引張試験機を用いて、試験標本の引張特性を測定した。 見出された特性は:極限引張強さ5.46MPa、破断点伸び39.3%、及びヤング率19.9MPaであった。 FTIRで観察された吸光度は:3329,2922,2852,1704,1597,1534,1464,1414,1311,1234,1080,1016,817,718,及び510cm −1であった。 プロトン及び炭素核磁気共鳴スペクトルは、重水素化テトラヒドロフラン中においてJEOL ECLIPSE 400分光計を用いて得た。 プロトンNMRスペクトルにおいて観察されたピークは:δ10.83(s),8.59(s),8.54(s),7.36(s),7.34(s),7.04(s),7.01(s),4.1(m),3.6(s),2.49(s),1.29−1.32(m),0.92(m),0.52(m)ppmであった。 13 C NMRによって観察されたピークは:δ153.4,128.9,118.0,66.7,66.5,66.3,34.0,24.8,24.6,24.4,24.2,24.0,23.9,11.6,7.0,3.57ppmであった。

    実施例9. ヒドロシリル化経路を用いて合成されたシラン基を含む高分子量ポリマー 工程1:テトラヒドロピラニル基がアルコールを保護しているビニルジメチルシリル末端アルコール(化合物1)の合成。 三つ口12リットル丸底フラスコには、空気モーターに接続された撹拌機と、冷却器とが取り付けてある。 そのフラスコに、10−ウンデセン−1−オール(BedoukianResearch,Inc.,コネチカット州ダンバリー)を1010g及び3,4−ジヒドロ−2H−ピランを500g加える。 その混合物を撹拌して成分を混合し、p−トルエンスルホン酸一水和物を2g加える。 発熱が終わり、そして反応が室温に戻るまで、4時間撹拌し続ける。 直径5cmのクロマトグラフィーカラムにおいて10cmのアルミナ床を通して濾過することによって、反応混合物から触媒を除去する。

    蒸留された生成物500g及び白金・ジビニルテトラメチルジシロキサンヒドロシリル化触媒20ppmを、加熱マントルが取り付けられている乾燥12リットル四つ口丸底フラスコに入れる。 空気モーターに接続された撹拌機をフラスコの真中の口に取り付ける。 有効な冷却器を、一つの口に取り付け、そして冷却水の供給源と接続する。 その冷却器に対して、窒素源及び気泡発生器に接続されたアダプターを取り付ける。 フラスコの別の口に熱電対を取り付ける。 ジメチルクロロシラン190gを含む添加漏斗は四つ目の口に取り付ける。 撹拌を開始し、フラスコの内容物を40℃まで加熱する。 ジメチルクロロシランを、冷却器に過剰に流れないような速度で滴下して加える。 添加完了後、温度を60℃まで上昇させて撹拌し続ける。 反応は、IRによってモニターし、加熱は、すべてのアルケンが反応するまで続ける。 次に、加熱を停止し、フラスコを室温まで冷却する。 無水テトラヒドロフラン6リットルをフラスコに加え、続いて、テトラヒドロフラン中ビニルマグネシウムクロリド1.6M(モル/リットル)溶液(Aldrich)を1.25リットル加える。 添加完了後に、反応を加熱して還流し、一晩還流し続ける。 次に、反応を室温まで冷却する。 注意深く水を加えて、未反応のビニルマグネシウムクロリドを急冷し、その溶液を濾過して、沈殿した塩を除去する。 回転蒸発器で溶媒を除去し、粗生成物を、真空下で分別蒸留する。

    工程2:1,6−ビス(ビニルジメチルシリル)ヘキサン(化合物2)の合成。 1,6−ビス(クロロジメチルシリル)ヘキサン(Gelest, Inc.,ペンシルベニア州モーリスビル)500gを、乾燥12リットル四つ口丸底フラスコに入れる。 そのフラスコに、空気モーターに接続された撹拌機、熱電対、添加漏斗、及び冷却器を取り付ける。 冷却器に、窒素源及び気泡発生器に接続されたアダプターを取り付ける。 フラスコに無水テトラヒドロフランを5リットルを加え、続いて、テトラヒドロフラン中ビニルマグネシウムクロリド1.6M溶液(Aldrich)を2.32リットル加える。 その反応混合物を一晩還流し、次いで、室温まで冷却する。 水を加えて、未反応のビニルマグネシウムクロリドを急冷する。 その溶液を濾過して沈殿塩を除去し、回転蒸発器を用いて、溶媒を除去する。 得られた粗生成物を真空下で分別蒸留する。

    工程3:1,6−ビス(ジメチルシリル)ヘキサン(化合物3)。 1,6−ジクロロヘキサン500g及び無水テトラヒドロフラン6リットルを、ゴム隔壁が設けられている乾燥12リットル丸底フラスコに入れる。 また、マグネシウムターニング175gを、第二の乾燥12リットル四つ口丸底フラスコに入れる。 その第二のフラスコには、空気モーターに接続された撹拌機、隔壁、熱電対、及び窒素気泡発生器に接続された冷却器が取り付けてある。 1,6−ジクロロヘキサン溶液の充分量を、窒素圧力下で、第二のフラスコに移して、それらに蓋をする。 フラスコの内容物を撹拌し、グリニャール反応が始まるまで加熱する。 加熱を停止し、反応混合物の穏やかな還流が維持されるように、残っている1,6−ジクロロヘキサン溶液をゆっくり加える。 その反応混合物を加熱して一晩還流し続ける。 次に、フラスコの内容物を室温まで冷却し、フラスコにジメチルクロロシラン672gを滴下して加える。 その混合物を24時間還流する。 次に、室温まで冷却し、水を注意深く加えて、残留グリニャール試薬を急冷する。 沈殿塩を濾過し、そして回転蒸発器を用いて、溶媒を除去する。 得られた粗生成物を真空下で分別蒸留する。

    工程4:重合及びポリマーの脱保護。 化合物1(2モル)と化合物2(1モル)とを、5リットル三つ口丸底フラスコ中で化合させる。 そのフラスコに、白金・ジビニルテトラメチルジシロキサンヒドロシリル化触媒20ppmを加える。 フラスコに取り付けられた添加漏斗に化合物3を2モル入れて置く。 そのフラスコには、空気モーターに接続された撹拌機が取り付けてある。 フラスコの内容物を撹拌し、60℃まで加熱する。 フラスコ温度が100℃を超えないような速度で化合物3をフラスコに加える。 赤外スペクトルにおけるビニル吸光度の消失を利用して、反応の進行を追跡する。 IRによって反応の完了が確認されたら、ポリマーをメタノール中に溶解させる。 DOWEX−50W−X8イオン交換樹脂50gを加え、反応を室温で4時間撹拌して、ポリマーを脱保護する。 そのポリマー溶液を濾過してイオン交換樹脂を除去し、また、回転蒸発器を用いて、メタノールを除去する。 そのポリマーを、エーテル4リットル中に再溶解させ、重炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄することによって中和させる。 次に、有機相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして直径5cmクロマトグラフィーカラム中の中性アルミナの10cmプラグに通して濾過する。 更に1リットルのテトラヒドロフランをアルミナを介して溶出させて、残留ポリマーを取り出し、そしてそれをポリマー・テトラヒドロフラン溶液と組み合わせた。 回転蒸発器を用いてテトラヒドロフランを除去した。

    工程5:ポリウレタン中への混和。 工程4にしたがって合成されたポリマー117gを、1,4−ブタンジオール11.72g及びジブチル錫ジラウレート3滴を有する3リットル三つ口丸底フラスコに入れる。 無水ジオキサン1リットルを加える。 その溶液を磁気撹拌して50℃まで加熱し、次いで、そこに4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)58.5gを加える。 その溶液を撹拌し、IRスペクトルが、ヒドロキシルが反応したこと、また、約2272cm −1におけるイソシアネート吸光度が、経験的にはイソシアネート対ヒドロキシルの割合が約1.02/1.00である一定の値であることを示すまで、IRでモニターする。 次いで、その反応混合物を室温まで冷却する。 その反応混合物を、撹拌された冷アセトン中に注ぐことによって、ポリマーを沈殿させる。 沈殿したポリマーを、ブフナー漏斗中の濾紙上に置き、追加の冷アセトンで洗浄する。 次に、そのポリマーを、真空オーブン中のガラストレー上に置き、真空下、50℃で一晩乾燥させる。

    実施例10. ジフェニルシランモノマーの合成
    1,5−ヘキサジエン(Aldrich)100gを500ミリリットル丸底三つ口フラスコの中に入れた。 そのフラスコには、磁気撹拌棒、加熱マントル、水冷冷却器、熱電対、及び添加漏斗が取り付けてあった。 フラスコを撹拌しながら加熱した。 同時に、添加漏斗にはジフェニルシラン25ミリリットル及び1,5−ヘキサジエン200gを入れた。 キシレン(2〜3%Pt)中白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(United Chemical Technologies、ペンシルベニア州ブリストル)2ミリリットルをフラスコに加えた。 フラスコの内容物が60℃に達したとき、添加漏斗中の混合物を滴下して加えた。 添加完了後に、その混合物を60℃で一晩撹拌した。 次に、その反応混合物を1リットル単一口丸底フラスコに移し、回転蒸発器を用いて過剰の1,5−ヘキサジエンを除去した。 次に、5倍体積のヘキサンでフラスコの内容物を希釈し、乾燥させたAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂ビーズを用いて白金を封鎖した。 その反応混合物を、シリカゲル約15cmと、次に活性中性アルミナ15cmとが充填された直径1.5cmのクロマトグラフィーカラムに通して精製した。 時計皿上で蒸発された溶出液のサンプルが残留物をまったく残さなくなるまで、追加のヘキサンを用いて、生成物を溶出した。

    実施例11. ジフェニルシラン基を含む不飽和ポリマーの合成 磁気撹拌棒が取り付けてある1リットル単一口丸底フラスコを、グローブボックス(1ppm未満の湿気及び酸素を有するアルゴン雰囲気)中にある撹拌プレート上に配置する。 フラスコの下に加熱マントルを配置し、実施例10で合成されたジフェニルシランモノマー95.7g及び10−ウンデセン−1−イルアセテート(Bedoukian Research,Inc.,コネチカット州ダンバリー)42.4gをそのフラスコに加える。 撹拌を開始し、Grubbsのイミダゾリウムルテニウムメタセシス触媒を500ミリグラム加える。 15cmヴィグロウカラムをフラスコ上に配置し、次に、真空ラインに接続されたバルブ付アダプターをヴィグロウカラム上に配置する。 真空ラインは機械式真空ポンプ及びオイル拡散ポンプの両方を含む。 反応混合物がフラスコから泡立ち外に出てくることがないようにしながら、真空ラインアダプターを可能な限り最も大きく開放し、そして発泡が静まってきたら更に開放し、そして完全に開放する。 発泡が静まったら、完全真空を施用し、反応混合物を、50℃の温度に達するまで穏やかに加熱する。 反応混合物が粘性となり、また気泡の発生が認められなくなるまで、前記状態に反応混合物を3日間に維持する。 次に、加熱を中止し、フラスコを、真空ラインからはずし、そしてグローブボックスから取り出す。 次に、その反応混合物を4倍体積のヘキサンで希釈し、乾燥させたAMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂ビーズ20gを用いて白金を封鎖した。 水流吸引器による真空下でブフナー漏斗を用いて、溶液からイオン交換樹脂を濾過する。 次に、濾液を、シリカゲルと活性中性アルミナとを含むカラムに通す。 更なるポリマーがカラム先端部で回収されなくなるまで、追加のヘキサンを用いて、カラムを溶出する。 次に、ヘキサンで溶出されたポリマーを、1リットル単一口丸底フラスコに入れ、回転蒸発器を用いて、ヘキサン対ポリマーの比が初期の約4:1から1:1になるまでヘキサンをポリマーから取り除く。 次いで、磁気撹拌棒と、水中水酸化ナトリウム50重量%溶液200ミリリットルとをフラスコに加え、撹拌を開始する。 そのフラスコにALIQUOT−336相間移動触媒(Aldrich)10gを加える。 フラスコの内容物を、磁気式撹拌プレートを用いて、可能な限り迅速に撹拌する。 反応の進行は、赤外分光法でモニターし、反応が完了したら、有機相を、洗浄水のpHがpH試験紙によって中性であることが示されるまで、脱イオン水で数回洗浄する。

    実施例12. 不飽和ポリマーの水素化 実施例11のポリマー生成物をトルエン4リットル中に溶かし、11.4リットル(3ガロン)Parr高圧容器中に置く。 活性炭上10%パラジウム20gを加え、反応器を密封する。 その反応器に3.45MPa(500psi)超高純度水素(グレード5)を充填し、そしてその混合物を100回転/分で撹拌し50℃まで加熱する。 5日後、反応器を室温まで冷却し、そして圧力を放出する。 その反応混合物を、移動相としてトルエンと酢酸エチルの3:1混合物を用いて、シリカゲルのショートパッド(直径10cmのカラム中6cm)を介して濾過して、触媒を除去する。 溶媒を回転蒸発器で除去すると、所望のポリマーが得られた。

    実施例13. ジシランモノマーの合成 1,5−ヘキサジエン(Aldrich)100gを1リットル丸底三つ口フラスコの中に入れる。 そのフラスコには、磁気撹拌棒、加熱マントル、水冷冷却器、熱電対、及び添加漏斗が取り付けてある。 ジシラン化合物3(実施例9の工程3に記載した)100g及び1,5−ヘキサジエン400gを添加漏斗に入れる。 キシレン(2〜3% Pt)中白金・ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(United Chemical Technologies、ペンシルベニア州ブリストル)2ミリリットルをフラスコに加える。 フラスコの内容物が40℃に達したら、添加漏斗中の混合物を滴下して加えた。 添加完了後に、その混合物を60℃で一晩撹拌した。 次に、その反応混合物を1リットル単一口丸底フラスコに移し、回転蒸発器を用いて過剰の1,5−ヘキサジエンを除去する。 次に、フラスコの内容物を5倍体積のヘキサンで希釈する。 その溶液を、乾燥AMBERLITE IRC−718イオン交換樹脂ビーズと一緒に撹拌して、白金を封鎖する。 その反応混合物を、シリカゲル約15cmと、次に活性中性アルミナ15cmとが充填されている直径1.5cmのクロマトグラフィーカラムに通すことによって、精製した。 時計皿上で蒸発させた溶出液のサンプルが残留物をまったく残さなくなるまで、追加のヘキサンを用いて、生成物を溶出する。

    特許、特許文書、及び本明細書に記載されている公報は、そのそれぞれが独立に引用されているかのように、それらの内容を本明細書に完全に引用したものとする。 本発明の様々な改良及び変更は、当業者には明らかであり、それらは本発明の範囲及び精神から逸脱していない。 本発明は、本明細書に記載してある例示的な態様及び実施例によって過度に限定されることは意図されておらず、また、前記の実施例及び態様は単なる例として提示されているのであって、本発明の範囲は本明細書に記載してある請求の範囲によってのみ限定されることが意図されることを了解すべきである。

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