surface treatment

申请号 JP2003502078 申请日 2002-06-05 公开(公告)号 JP2004527642A 公开(公告)日 2004-09-09
申请人 ダウ・コーニング・アイルランド・リミテッドDow Corning Ireland Limited; 发明人 ウォード、リューク; グッドウィン、アンドリュー・ジェイムズ; バドヤル、ジャス・パル・シン; メルラン、パトリック・ジャック・ジャン;
摘要 低表面エネルギー 基板 の表面をコーティングする方法であって、該基板を、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法残渣、Z
x SiR
5
4-x 、Si
n Y
2n+2 またはこれらの混合物から選択される液状またはガス状形態のシリコン含有化合物に晒し(式中、各Zはクロロまたはアルコキシ基であり、各R
5 はアルキル基または置換アルキル基であり、xは1〜4であり、nは2〜10であり、各Yはクロロ、フルオロ、アルコキシまたはアルキル基から選択されてもよいが、少なくとも2つのY基は、クロロまたはアルコキシ基あるいはこれらの混合物でなくてはならない)、該基板表面上にグラフトコーティング層を形成し、引き続き、好ましくはプラズマまたはコロナ処理を、特に大気圧グロー放電または絶縁障壁放電を利用する 酸化 または還元により、該グラフトコーティング層を後処理することによる方法。
权利要求
  • 低表面エネルギー基板の表面をコーティングする方法であって、以下の段階:
    (i)該基板表面上にグラフトコーティング層を形成するために、液体またはガス状形態のシリコン含有化合物に該基板を晒し、該シリコン含有組成物は、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法残渣、Z x SiR 5 4-x 、Si n2n+2またはこれらの混合物の1つ以上から選択され、式中、各Zは、クロロまたはアルコキシ基であり、各R 5は、アルキル基または置換アルキル基であり、xは1、2、3または4であり、nは2〜10であり、各Yはクロロ、フルオロ、アルコキシまたはアルキル基から選択されてもよいが、少なくとも2つのY基は、クロロまたはアルコキシ基あるいはこれらの混合物でなくてはならない段階;ならびに(ii)段階(i)において調製された該グラフトコーティング層を、酸化または還元により後処理する段階により、低表面エネルギー基板の表面をコーティングする方法。
  • 前記シリコン含有化合物が直接法残渣である、請求項1に記載の方法。
  • 前記グラフトコーティング層が、プラズマまたはコロナ処理を適用することにより引き続き酸化または還元される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  • 酸化に引き続き、前記グラフトコーティング層が、以下:
    (i)追加的な一層または多層の系を生産するための、更なる化学的グラフト工程か;
    (ii)プラズマによりポリマー化されたコーティングでコーティングされるか;
    (iii)従来のコーティング工程により、液体でコーティングされるか;または(iv)もう1つ別の同様に調製された基板へ積層されるかのいずれか1つに付されてもよい、請求項3に記載の方法。
  • 追加的なグラフトコーティング層が、請求項1の方法による更なるグラフトコーティング層を適用すること、およびこの結果得られる層をプラズマまたはコロナ処理を適用することにより酸化することにより、請求項3または4の酸化されたコーティング層上へ適用されてもよい、請求項3または請求項4に記載の方法。
  • 前記の更なるグラフトコーティング層が、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法残渣、Z x SiR 5 4-x 、Si n2n+2またはこれらの混合物から選択される酸化可能なシリコン含有化合物を含む、請求項5に記載の方法。
  • シリコン含有化合物を含む上塗りが、最も外側の酸化されたグラフトコーティング層へ適用される、請求項6に記載の方法。
  • 前記プラズマまたはコロナ処理が、絶縁障壁放電または大気圧グロー放電のいずれかである、請求項3または請求項4に記載の方法。
  • 前記低表面エネルギー基板を、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、または式Z x SiR 5 4-xのシランに、お互い別々にまたは組み合わせて晒す前に、該低エネルギー基板がプラズマ前処理に付される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  • 直接法残渣または式Si n2n+2の化合物を含む酸化可能なシリコン含有化合物に前記低表面エネルギー基板を晒す前に、該化合物がプラズマ前処理に付されてもよい、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記プラズマ前処理が、大気圧グロー放電または絶縁障壁放電による、請求項9または10のいずれかに記載の方法。
  • 前記基板が、ポリオレフィンまたはポリエステルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記基板が、有機ポリマー性材料および該有機ポリマー性材料とは実質的に非混和性である有機シリコン−含有添加剤の配合物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記基板が、膜、天然繊維、合成繊維、織布、不織布、または粉末である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  • 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得られるコーティングされた基板。
  • 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により調製されるコーティングされた基板の、積層接着剤、酸素および/または湿気障壁、燃料または汚れ耐性コーティング、親水性または湿潤可能なコーティング、放出コーティングとしての使用。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、低表面エネルギー基板をコーティングする方法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    基板表面を修飾するプラズマ処理技術の使用は、周知である;一般的に基板は、それを反応容器内に置き、それをプラズマ放電に付すことにより処理される。 表面上の効果は、該プラズマ放電の間中該反応器内に存在するガス状材料に大きく依存する。 例えばプラズマ処理は、他の材料との該基板の接着、または該基板表面上への材料の沈着を増大させる、該基板表面上の化学種を活性化させてもよい。
    【0003】
    仕立てられた表面特性は、生物的相容性、油および燃料耐性、接着、光学的ならびに障壁特性を包含し、広い範囲の適用において要求される。 ポリマー性材料は、しばしば理想的なバルク、機械的、加工およびコストの性質を持つが、この要求される表面特性をいつも持っているわけではない。 反応性シランは、非常にヒドロキシル化された鉱物および金属表面を修飾するのに広く使用されてきた。 しかしながら、それらの低い表面エネルギーおよび化学的不活性さのために、ポリマー性表面は、湿潤させる接着または反応性グラフトに対して有意により敏感ではないようである。 プリント、積層、接着またはグラフト前の、プラスチック表面を活性化させるための酸化的処理の多くの例がある。
    【0004】
    コロナ放電処理は、接着性結合を形成する前にプラスチック表面を活性化させるための、最もよく使用される方法の1つである。 コロナ放電は、大気圧下の空気中の電極へ、高電圧(約5〜10kV)、相対的に高い周波数(例えば10kHz)のシグナルを適用することにより典型的に生成される。 しかしながら、コロナ放電処理が大気圧下の操作の利点を持つ一方、コロナ放電処理の有用性に対して、幾つかの有意な限界がある。 特に、コロナ放電は点源から生成され、このようにしてストリーマーとして共通に知られている局在化されたエネルギーの放電を生成する。 この局在化されたエネルギーの放電の生成は、しばしば結果的に前記基板の非一様処理となる。
    【0005】
    EP0978324は、生物的相容性を促進するためにプラスチック表面上へガス状の有機シリコン試薬をグラフトする前にプラスチック表面を活性化するための、酸化的低圧グロー放電プラズマの使用を記載している。 最も好ましい有機シリコン試薬は、特に式:
    1 n SiR 2 m (I)
    の有機シラン(式中、各基R 1は独立に、素または任意に置換されたアルケニルからなる群から選択され;各基R 2は独立に、1〜20炭素原子の任意に置換されたアルキル基;または基(OR 3 )もしくは(OSiR 3 3 )から選択され、ここで各R 3は独立に、1〜20炭素原子の任意に置換されたアルキル基であり;nは1〜3の整数であり;mは1〜3の整数であり、n+mは4である);ならびに構造(II)の有機シロキサンR 1 a2 (3-a) Si(OSiR 4 2x OSiR 1 b2 (3-b) (II)
    (式中、各R 1およびR 2は、前に定義された通りであり、各基R 4は独立に、水素、任意に置換されたアルケニル基;1〜20炭素原子の任意に置換されたアルキル基およびアリール基からなる群から選択され、但し1分子につき少なくとも1つのR 1またはR 4基が、無置換のアルケニル基または水素であり;aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、xは0または正の整数である)である。 しかしながら、このようなプラズマ表面処理は、基板が減圧条件下にある必要があり、これ故に真空チャンバーを必要とする。 典型的なコーティング形成ガス圧は、5〜25Nm -2 (1アトム=1.01×10 5 Nm -2 )の範囲である。 減圧に関してのこの要求の結果として、この型の表面処理は高価であり、バッチ処理に限定され、このコーティング形成材料は、減圧条件を維持するためにガス状でなければならない。
    【0006】
    米国特許第5,372,851号においては、プラズマ活性化表面は、多機能Si−X材料で処理され、機能的シランでグラフトする前に、親水性シロキサンネットワークを生成する。
    【0007】
    ジシランは、例えばEP0256337において記載されているようなタングステンシリサイド膜、EP0935284において記載されているような窒化物、米国特許第5,098,865号において記載されているような二酸化シリコンコーティング、および半導体チップ市場における窒化シリコンコーティングの調製における先行技術の適用において、反応剤として使用されて来た。
    【0008】
    ハロシランおよび有機ハロシラン、特にメチルクロロシランは、これらからシリコーンポリマーが生産される素材(building-blocks)である。 ハロシランおよび有機ハロシランは、「直接法」と共通に呼ばれるものにより商業的に生産され、ここでシリコン金属が、任意に触媒の存在下に、有機ハロゲン化物または塩化水素と反応させられる。 例えば、該直接法によるメチルクロロシランの商業生産において、シリコン金属は、触媒の存在下に塩化メチル(CH 3 Cl)と反応させられる。 該直接法は、当業界においてよく知られ、特許文献においてよく記載されており、例えば、英国特許第375667、375668、375669、375673および375674号参照。 メチルクロロシランの商業生産のために、この反応は、細かく砕かれたシリコン金属粉が200℃〜500℃の温度にて塩化メチルガスをそこを通り抜けさせることにより流動化される液床反応器中で行われる。 該直接法の副生産物は、直接法残渣(DPR)である。 DPRは、該直接法により生産されるより高い沸点のハロシランの混合物を含む。 DPRは、化学的に活性であり、危険な材料である。 このDPRの活性は、輸送および/または廃棄前に、抑えられなければならない。 これ故に、一旦その他の反応生産物から分離されると、DPRはその活性を抑えるために例えば石灰溶液で中和され、一般的に「DPRゲル」として知られるゲル固体混合物を形成するように脱水されてもよい。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0009】
    本発明者らは、低表面エネルギー基板の表面をコーティングする方法を、今や開発した。
    【課題を解決するための手段】
    【0010】
    本発明は、以下の段階により、低表面エネルギー基板の表面をコーティングする方法を提供する:
    (i)該基板表面上にグラフトコーティング層を形成するために、液体またはガス状形態のシリコン含有化合物に該基板を晒し、該シリコン含有組成物は、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法残渣、Z x SiR 5 4-x 、Si n2n+2またはこれらの混合物の1つ以上から選択され、式中、各Zは、クロロまたはアルコキシ基であり、各R 5は、アルキル基または置換アルキル基であり、xは1、2、3または4であり、nは2〜10であり、各Yはクロロ、フルオロ、アルコキシまたはアルキル基から選択されてもよいが、少なくとも2つのY基は、クロロまたはアルコキシ基あるいはこれらの混合物でなくてはならない段階;ならびに(ii)段階(i)において調製された該グラフトコーティング層を、酸化または還元により後処理する段階。
    【0011】
    明確化のために、この特許出願の目的のためには、低表面エネルギー基板は、50mJ/m 2の最大表面エネルギーを持つ基板であることが理解される。
    【0012】
    最も好ましくは、本方法は、室温および常圧にて行われる。
    【0013】
    本発明の方法に従って使用される液状またはガス状形態のシリコン含有化合物は、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法の残渣、式Z x SiR 4-xおよびSi n2n+2 、またはこれらの混合物から選択される。
    【0014】
    該シリコン含有化合物が塩素末端化ポリジメチルシロキサンである場合には、このポリマー化の度合いは、好ましくは5〜20、最も好ましくは5〜10であり、該鎖中の各末端シリコンは、1、2または3つのSi−Cl結合を持っていてもよい。
    【0015】
    該シリコン含有化合物が式Z x SiR 5 4-xのシランである場合には、各R 5は、同じかまたは異なり、アルキル基または置換アルキル基であることが好ましい。 R 5がアルキル基である場合、それは、メチル、エチル、2−メチルヘキシルまたはイソプロピル基のような1〜10炭素原子を持つ如何なる直線上または分岐状アルキル基を含んでもよい。 R 5が置換アルキル基である場合、該基は、1〜10炭素原子を持つ如何なる直線上または分岐状アルキル基をも好ましくは含み、少なくとも1つの置換基は、例えばフルオロ、クロロ、エポキシ、アミン、アクリレート、メタクリレート、メルカプトから選択される。 最も好ましくは、該置換基はフルオロ基である。 各Zは、同じかまたは異なっていてもよく、好ましくはアルコキシまたはクロロ基であり、最も好ましくはクロロ基である。 好ましくは、xは3である。
    【0016】
    該シリコン含有化合物が式Si n2n+2のシランである場合、各Yは同じかまたは異なり、Si n2n+2分子につき少なくとも2つであるが2n+1より多くないY基が、クロロまたはアルコキシ基である。 好ましくはnは2〜5であり、最も好ましくはnは2または3である。 Yがアルキル基である場合、好ましくは各アルキル基はメチル、エチルまたはイソプロピル基であり、最も好ましくはメチル基である。 Yがアルコキシ基である場合、このアルキル基は、好ましくはメチル、エチルまたはイソプロピル基であり、最も好ましくはメチル基である。
    【0017】
    最も好ましくは、該シリコン含有化合物は、直接法残渣である。
    【0018】
    本発明の方法において、該基板は一般的に、密封された容器中で該シリコン含有化合物に晒される。 特にSi n2n+2分子または直接法残渣の場合には、該コーティングは、該基板の前もっての活性化の必要なしに、低表面エネルギー基板上へグラフトされると信じられており、つまり、それは該基板の表面の基と共有結合することによりグラフトコーティング層を形成し、該基板が該グラフト工程前に例えばプラズマまたはコロナ処理による活性化に晒された場合、先行技術において以前に唯一観測された作用である。 最も好ましくは、本方法は、室温および常圧にて行われる。
    【0019】
    本発明の方法の段階(i)において提供される該グラフトコーティング層は、引き続いて酸化または還元される。 好ましくは、該酸化または還元は、プラズマまたはコロナ処理、最も好ましくは絶縁障壁放電(DBD)または大気圧グロー放電(APGD)を使用して達成される。
    【0020】
    酸化時に、該グラフトコーティング層は、引き続いて式Si−O mの基を含み、その後更に処理されてもよく、例えば酸化に引き続き、この処理された基板は、以下のいずれか1つに付されてもよい:
    (i)追加的な一層または多層の系を生産するための、更なる化学的グラフト工程;
    (ii)プラズマによりポリマー化されたコーティングでコーティングされる;
    (iii)従来のコーティング工程により、液体でコーティングされてもよい;または(iv)もう1つ別の同様に調製された基板へ積層されてもよい。
    【0021】
    更なる化学的グラフトの場合、如何なる適切なグラフト剤も、もしそれが利用可能なSi−O m基と反応するならば、利用されてもよい。 この化学的グラフト工程は、該基板表面上に該シリコン含有コーティングの厚みを効果的に構築するために、該基板上へ前に定義されたシリコン含有材料の1つ以上の追加的な層を適用する機会を提供してもよい。
    【0022】
    シリコン含有材料の追加的な層は、前記方法を繰り返すことにより、つまり、この酸化されたコーティング層上へ更なるグラフトされたコーティング層を適用することにより、シリコン含有化合物の、酸化されグラフトされたコーティング層上へ適用されてもよく、この更なるグラフトされたコーティング層は、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、直接法の残渣、Z x Si 54-x 、Si n2n+2 、またはこれらの混合物から再度選択されてもよい、酸化可能なシリコン含有化合物を含む。 この結果得られる更なるグラフトコーティング層は、もし要求される場合は、例えばこの更なるグラフトコーティング層上でプラズマまたはコロナ処理を適用することにより、その後酸化されてもよい。 前記は、予め決定された数の更なるグラフトコーティング層が該基板上へ適用されてしまうまで、繰り返されてもよい。
    【0023】
    代わりに、一旦本発明による該シリコン含有化合物が、該基板表面上に該グラフトコーティングを形成するように適用され、その後酸化されてしまうと、この結果得られるSi−O m基と反応可能な如何なる適切なコーティング材料も、次の追加のコーティング層を形成するために利用されてもよく、これらは、例えばEP0978324中に記載され、および本明細書中で以前に議論されたもののような適切なシリコン含有材料を含んでもよい。 必要な場合は、各々の追加の層が、この要求されている表面の特徴を達成するために、酸化または還元されてもよい。
    【0024】
    上塗りが、最も外側のグラフトコーティング層へ適用されてもよい。 このような上塗りは、如何なる適切な組成物を含んでもよいが、好ましくは酸化可能であってもよいが必ずしも酸化可能でなくてもよいシリコン含有化合物を含む。
    【0025】
    本発明による方法により得られるグラフトコーティング層の還元は、好ましくは酸素および水蒸気を有さない水素または窒素雰囲気中で該基板をプラズマ処理することにより達成されてもよい。 代わりに、還元は、窒素または水素に富んだ雰囲気中で、本発明によるグラフトコーティング層を適用することにより達成されてもよい。 この結果得られる酸素を有さない層は、典型的にはシリコンおよび/またはシリコンカーバイド基に富んでいるであろう。
    【0026】
    好ましくは、本明細書中で記載されるようなプラズマまたはコロナ処理は、如何なる従来の手段により適用されてもよい。 多くの異なるプラズマ処理方法が知られており、例えば、酸化が要求される場合は、該基板表面上の前記有機シリコン−含有添加剤をSiO mへ変換し得る如何なる酸化的処理方法も、本発明の方法における使用に適切である。 適切な酸化的処理方法は、例えばO 2 、UV、VUV、IR、オゾンおよびプラズマ(直流、低周波数、高周波数、マイクロ波、ECR、コロナ、絶縁障壁および大気グロー放電を包含する)処理方法を包含する。 該プラズマ処理方法における使用のためのガスは、例えば、酸素含有ガス、例えば、O 2 、H 2 O、NO 2 、および空気、または不活性ガスであってもよく;しかしながら、後者がプラズマ処理方法において使用される場合、該基板表面のエッチングも行われてもよく、これ故に酸素含有ガス、特にO 2および空気が好ましい。 ガスの圧力は大気圧またはこれより低くてもよく、例えば、10Nm -2 〜1000Nm -2でもよい。 好ましい適用方法はDBD、特にAPGDによる。
    【0027】
    酸化の場合、酸化される表面に効果を与えるプラズマまたはコロナ処理の期間は、問題となっている特定の基板、および該基板の該表面上の有機シリコン化合物のSiO mへの所望の度合いの変換に依存し、これは、典型的には秒のオーダーであろう。
    【0028】
    該基板表面のプラズマ処理は、基板の加熱および/または該プラズマ放電のパルス化で実行されてもよい。 該基板は、その融点まで、および下回る温度に加熱されてもよい。 基板の加熱およびプラズマ処理は周期的、つまり該基板は加熱なしでプラズマ処理され、その後プラズマ処理なしで加熱される等であってもよく、または同時、つまり基板の加熱およびプラズマ処理が一緒に行われてもよい。 特に好ましいプラズマ処理方法は、該基板の一定の加熱で、該プラズマ放電をパルス化することを含む。 該プラズマ放電は、特定の「on」の時間および「off」の時間を持つようにパルス化される。 この「on」の時間は、典型的には10〜10000μs、好ましくは100〜1000μsであり、この「off」の時間は、典型的には1000〜10000μs、好ましくは1000〜2000μsである。
    【0029】
    最も好ましくは、該大気圧プラズマグロー放電は、ペニングイオン化機構を経由して均一な大気圧グロー放電を生成するために、ヘリウム希釈剤および高周波数(例えば>1kHz)の電力供給を用いるであろう(例えば、Kanazawa et al, J. Phys. D: Appl. Phys. 1988, 21, 838, Okazaki et al, Proc. Jpn. Symp. Plasma Chem. 1989, 2, 95, Kanazawa et al. Nuclear Instruments and Methods in Physical Research 1989, B37/38, 842, および Yokoyama et al., J. Phys. D: Appl. Phys. 1990, 23, 374 参照)。
    【0030】
    必要とみなされる場合、該低表面エネルギー基板は、該低表面エネルギー基板表面の活性化を促進するために該シリコン含有化合物に晒す前に、大気圧プラズマまたはコロナ放電処理、例えば大気圧グロー放電または直流障壁放電により活性化されてもよい。 好ましくは該低表面エネルギー基板を、塩素末端化ポリジメチルシロキサン、または式Z x SiR 5 4-xのシランに、お互い別々にまたは組み合わせて晒す前に、該低エネルギー基板はプラズマ前処理に付される。 しかし直接法残渣または式Si n2n+2の化合物を含む酸化可能なシリコン含有化合物に該低表面エネルギー基板を晒す前に、該基板はプラズマ前処理に付されてもよいが、このような処理は任意である。
    【0031】
    コーティングされる該低表面エネルギー基板は、如何なる適切な材料、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例えばポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレート)、ポリメタクリレート(例えばポリメチルメタクリレート、およびヒドロキシエチルメタクリレートのポリマー)、ポリエポキシド、ポリスルホン、ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、フェノール性、エポキシおよびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ならびにこれらの配合物およびコポリマーのような熱可塑性プラスチックを含んでもよい。 好ましい有機ポリマー性材料は、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレンである。
    【0032】
    代わりに該基板は、合成および/または天然の繊維、織または不織繊維、粉末の形態であってもよい。
    【0033】
    更なる実施形態において、該基板は、本願出願人の共に未決定のままである出願WO01/40359のおいて記載されている型であってもよく、これは本発明の優先日後に公開されたものであり、ここで該基板は、有機ポリマー性材料、および有機ポリマー性材料とは実質的に非混和性である有機シリコン−含有添加剤の配合物を含む。 該有機ポリマー性材料は、前にリストアップされたものの内のいずれであってもよく、該有機シリコン−含有添加剤は、好ましくは直線状有機ポリシロキサンである。 このような基板の場合、該有機シリコン−含有添加剤は、該混合物の表面へと移動し、このようにして、反応、あるいは必要とみなされる場合プラズマまたはコロナ処理のために利用可能となる。 用語「実質的に非混和性」は、該有機シリコン−含有添加剤および該有機材料が、平衡条件において非混和性であるように、充分異なった相互作用パラメータを持っていることを意味することが、理解される。 これは典型的には、しかしそれに限るわけではないが、該有機シリコン−含有添加剤および該有機材料の溶解性パラメータが0.5MPa 1/2よりも大きく違う場合であろう。
    【0034】
    しかしながら、大気圧グロー放電がプラズマ処理の好ましい手段である場合、該基板の大きさは、該大気圧プラズマ放電が発生される範囲内の領域の寸法、つまり該プラズマを発生させるための手段の電極間の距離により限定される。 典型的なプラズマ発生装置に関しては、該プラズマは、5〜50mm、例えば10〜25mmのギャップ内で発生される。 これ故に、本発明は、膜、繊維および粉末をコーティングするための特別な利便性を持つ。 該基板の大きさを増す1つの手段は、1サイクルの開始において該基板の実質的な大部分が第1のリールの周りに巻かれ、該サイクルの間に該電極の領域を通過させられ、引き続き第2のリール上へ巻かれるように、2つのリールに該基板を取り付けることによる。 この場合、いつも第1のリールの周りに該基板が巻かれた状態で該サイクルが完了するように、一旦この単独の運転が完了するか、または所望される場合は例えばこの逆の運転の後のいずれかに、該サイクルが終わってもよい。 この型の方法が使用される場合、各サイクルが同じ期間であることを確実にすることが不可欠である。
    【0035】
    本発明の方法によりコーティングされる基板は、種々の利用法を持つことがある。 例えばコーティングは、疎水性、疎油性、燃料および汚れ耐性、耐水性および/または該基板の放出特性を増加させることがあり;ならびに触る布の柔らかさを増すことがある。 多層コーティング基板の利用は、観測された利点を増強するように思われる。
    【0036】
    本発明は、以下の実施例により、今や詳細に例示されるであろう。
    【実施例】
    【0037】
    [実施例1. 乾燥窒素中でのポリエチレンへの直接法残渣のグラフト]
    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 第2のポリエチレン試料が、前もっての活性化なしに該試薬に晒された。
    【0038】
    該ポリエチレン試料は、0.02mlの直接法残渣(DPR)を含有する乾燥窒素の雰囲気内で、密封された60cm 3の管中のせりあがった台上にその後置かれた。 1時間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、乾燥窒素雰囲気下に乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 DPRから生産された該膜は、脱イオン化水の接触およびX線光電子分光学(XPS)を使用してその後分析され、この結果は表3中に示される。
    【0039】
    【表1】

    【0040】


    前もっての活性化を伴い、および伴わない両方の場合、DPR蒸気の適用が、結果的にポリエチレン表面上での効果的なコーティングの形成となった。 大気中の湿気に少ししか晒されないので、高いレベルのClが、該コーティング中に保持される。


    【0041】


    [実施例2. 乾燥窒素/空気中でのポリエチレンへの直接法残渣のグラフト]


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 第2のポリエチレン試料が、前もっての活性化なしに該グラフト試薬に晒された。


    【0042】


    該ポリエチレン試料は、0.02mlのDPRを含有する乾燥窒素の雰囲気内で、密封された60cm

    3の管中のせりあがった台上にその後置かれた。 1時間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、周囲の雰囲気下に乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 DPRから生産された該膜は、脱イオン化水の接触角およびX線光電子分光学(XPS)を使用してその後分析され、この結果は表2中に示される。


    【0043】


    【表2】


    【0044】


    DPRは、シロキサンコーティングを生産するために、活性化および非活性化ポリエチレン表面の両方へ、効果的にグラフトする。 低いレベルのClは、Si−Cl結合における以下の反応に基づいて、該コーティング内の残留Si−Cl結合の加水分解を指し示している。


    (Si−Cl + H

    2 O → Si−OH + HCl)


    【0045】


    [実施例3. 空気中でのポリエチレンへの直接法残渣のグラフト]


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 第2のポリエチレン試料が、前もっての活性化なしに該グラフト試薬に晒された。


    【0046】


    該ポリエチレン試料は、0.02mlのDPRを含有する周囲の雰囲気内で、密封された60cm

    3の管中のせりあがった台上にその後置かれた。 1時間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、周囲の雰囲気下に乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 DPRから生産された該膜は、脱イオン化水の接触角およびX線光電子分光学(XPS)を使用してその後分析され、この結果は表3中に示される。


    【0047】


    【表3】


    【0048】


    DPRは、シロキサンコーティングを生産するために、活性化および非活性化ポリエチレン表面の両方へ効果的にグラフトする。 グラフトおよび洗浄が周囲の条件下に行われる場合、低いレベルのClが保持される。


    【0049】


    DPRは、シロキサンコーティングを生産するために、周囲の条件下に、活性化および非活性化ポリエチレン基板の両方へ効果的にグラフトする。 低いレベルのClは、該コーティング内の残留Si−Cl結合の加水分解を指し示している。 この場合、該グラフトおよび洗浄段階両方の間中、大気の湿気に晒されることにより、このClの結果は特に低い。


    【0050】


    [実施例4. 実施例1および3において生産されたグラフト層のDBD酸化]


    前に実施例1および実施例3において記載されたDPR由来のコーティングは、空気中における絶縁障壁放電装置での処理(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、60秒の処理)により、更に酸化された。 この酸化された試料は、その後XPSを使用して分析され、この結果は表4中に示される。


    【0051】


    【表4】


    【0052】


    グラフトDPRコーティングのDBD酸化は、酸素に富んだSiO

    mコーティングを与える。


    【0053】


    [実施例5. 実施例1および3において生産されたグラフト層のAPGD酸化]


    前に実施例1および実施例3において記載されたDPR由来のコーティングは、大気圧グロー放電装置での処理(1800sccmの合計流速、5%の酸素、95%のヘリウム、60秒の処理)により、更に酸化された。 この酸化された試料は、その後XPSを使用して分析され、この結果は表5中に示される。


    【0054】


    【表5】


    【0055】


    これ故に、グラフトDPRコーティングのAPGD酸化は、酸素に富んだSiO

    mコーティングを与える。


    【0056】


    [実施例6. DBDを使用した、直接法残渣(DPR)由来の多層膜の調製]


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 該ポリエチレン基板が、台上に持ち上げられた試料と共に、0.02mlのDPRを含有する60cm

    3の管中に密封された。 1時間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 ポリエチレン基板上のDPR由来の該膜は、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、60秒の処理)処理された。 該コーティングおよび酸化の手順を10回繰り返すことにより、多層を形成した。 DPR由来の該膜の酸素ガス障壁性能が、その後評価された。 このコーティングされた膜を通してのガスの輸送は、質量分析により測定され、障壁改善因子は、[コーティングされた基板のガス透過]/[対照試料のガス透過]として計算された。 この結果は表6中に示される。


    【0057】


    【表6】


    【0058】


    10回の繰り返しDBD活性化/酸化およびDPRグラフトは、有意な酸素ガス障壁の改善を与えなかった。


    【0059】


    [実施例7. ]


    APGD(1時間のグラフト時間)を使用した直接法残渣(DPR)由来多層膜の調製【0060】


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 該ポリエチレン基板が、台上に持ち上げられた試料と共に、0.02mlのDPRを含有する60cm

    3の管中に密封された。 1時間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 ポリエチレン基板上のDPR由来の該膜は、その後、APGD装置を使用して(1800sccmの合計流速、5%の酸素、95%のヘリウム、60秒の処理)処理された。 該コーティングおよび酸化の手順を10回繰り返すことにより、多層を形成した。 DPR由来の該膜の酸素ガス障壁性能が、その後評価された。 このコーティングされた膜を通してのガスの輸送は、質量分析により測定され、障壁改善因子は、[コーティングされた基板のガス透過]/[対照試料のガス透過]として計算された。 この結果は表7中に示される。


    【0061】


    【表7】


    【0062】


    10回の繰り返しAPGD活性化/酸化およびDPRグラフト(1時間)は、酸素ガス障壁の改善を与えた。


    【0063】


    [実施例8. APGD(10分のグラフト時間)を使用した直接法残渣由来多層膜の調製]


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。 該ポリエチレン基板が、台上に持ち上げられた試料と共に、0.02mlのDPRを含有する60cm

    3の管中に密封された。 10分間該DPR蒸気に晒した後、該試料は取り出され、乾燥トルエン中で1分間洗浄された。 ポリエチレン基板上のDPR由来の該膜は、その後、APGD装置を使用して(1800sccmの合計流速、5%の酸素、95%のヘリウム、60秒の処理)処理された。 該コーティングおよび酸化の手順を10回繰り返すことにより、多層を形成した。 DPR由来の該膜の酸素ガス障壁性能が、その後評価された。 このコーティングされた膜を通してのガスの輸送は、質量分析により測定され、障壁改善因子は、[コーティングされた基板のガス透過]/[対照試料のガス透過]として計算された。 この結果は表8中に示される。


    【0064】


    【表8】


    【0065】


    10回の繰り返しAPGD活性化/酸化およびDPRグラフト(10分)は、酸素ガス障壁の改善を与えた。


    【0066】


    [実施例9. DBDを使用した塩素末端化PDMS由来膜の酸化]


    ポリエチレン膜基板が、プロパン−2−オールおよびシクロヘキサンの1:1混合物中30秒間、超音波洗浄により調製された。 1つのポリエチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)活性化された。


    【0067】


    ポリエチレン基板が、プロパン−2−オール中30秒間、超音波洗浄により調製された。 ポリスチレン試料が、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)処理された。 該ポリスチレン基板は、その後、滴下ピペットからの塩素末端化PDMSポリマー(典型的なポリマー化の度合い6〜8を有する)でコーティングされ、40分間放置された。 このコーティングされたポリスチレン基板は、その後、ヘプタン中で2分間洗浄された。 ポリスチレン基板上の塩素末端化PDMS由来の該膜は、その後、空気中でDBD装置を使用して(11kVまでの電圧、328Hz、2mmの電極間ギャップ、10秒の処理)処理された。 該コーティング、洗浄および酸化の手順は、より厚い層を形成するように繰り返された。 この酸化された試料は、その後XPSを使用して分析された。 この結果は表9中に示される。


    【0068】


    【表9】


    【0069】


    塩素末端化PDMSポリマーの、繰り返されたコーティング、洗浄および酸化は、シロキサンコーティングを与える。 繰り返された処理は、多層の、厚いシロキサン膜を与える。

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