Using a mixture of ureido silane and the multi-silyl-functional silanes, a method for processing a metal

申请号 JP2000597374 申请日 2000-02-04 公开(公告)号 JP2002536159A 公开(公告)日 2002-10-29
申请人 チェメタル パブリック リミティド カンパニー; 发明人 ソン,ジュン; タン,ニー; バリー バインズ,アーウィン; ブラウン,ケビン;
摘要 (57)【要約】 本発明は、金属処理の方法、特に、耐腐食性を改善するための金属処理の方法に関する。 本方法は、1種以上の多シリル官能性シランと混合した1種以上のウレイドシランを含有する溶液を、金属表面に塗布することを含む。 本方法は、特に、冷間圧延鋼、亜鉛、鉄、アルミニウムおよびアルミニウム 合金 表面上への使用に適する。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 (a)金属基板を供給すること、および (b)1種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシラン、1種以上の加水分解または部分的に加水分解された多シリル官能性シランおよび溶媒を含む溶液に、金属基板を接触させることにより、金属基板上に被覆を塗布し、
    実質的に溶媒を除去すること、 の段階からなる、薄板金処理の方法。
  • 【請求項2】 金属基板が、 −冷間圧延鋼、 −亜鉛、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選択された金属で被覆された鋼鉄、 −鉄、 −アルミニウム、および −アルミニウム合金、 からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項3】 さらに、段階(b)の後に、約40℃〜180℃間の温度で前記被覆を硬化する段階を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項4】 さらに、1種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシラン、および1種以上の加水分解または部分的に加水分解された多シリル官能性シランを含有する第2処理溶液を、前記金属板に塗布する段階を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項5】 さらに、1種以上の加水分解または部分的に加水分解された有機官能性シランを含有する第2処理溶液を塗布する段階を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項6】 ウレイドシランが一般構造式、 【化1】 を有する、請求項1に記載の方法。 (Rは水素、C 〜C 24アルキル、好ましくはC 〜C アルキル、C 〜C 24アシル、好ましくはC 〜C アシルからなる群から選択され、各Rは同じか、または異なることが可能である。 Xは結合基、C 〜C アルキレン、C 〜C アルケニレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルキレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルケニレン、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択された基から選ばれる。 R およびR はそれぞれ、水素、C 〜C アルキル、C 〜C アルケニル、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルキル、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルケニル、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択された基である)
  • 【請求項7】 各Rがそれぞれ、水素、エチル、メチル、プロピル、イソ−
    プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびアセチルからなる群から選択され、各Rが同じかまたは異なることが可能である、請求項5に記載の方法。
  • 【請求項8】 R およびR がそれぞれ、水素、エチル、メチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびアセチルからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  • 【請求項9】 Xが結合基、C 〜C アルキレン、C 〜C アルケニレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルキレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルケニレン、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択された基から選ばれる、請求項6に記載の方法。
  • 【請求項10】 多シリル官能性シランが一般構造式、 【化2】 を有する、請求項1に記載の方法。 (式中、Zは結合基、C 〜C アルキレン、C 〜C アルケニレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルキレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC 〜C アルケニレン、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択され、R は水素、C 〜C 24アルキルおよびC 〜C 24アシル、好ましくはC 〜C アシルからなる群から選択され、同じかまたは異なることが可能であり、nは2または3である)
  • 【請求項11】 R が水素、C 〜C アルキルおよびC 〜C アシルからなる群から選択され、同じかまたは異なることが可能である、請求項10に記載の方法。
  • 【請求項12】 各R がそれぞれ、水素、エチル、メチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびアセチルからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  • 【請求項13】 前記ウレイドシランが実質的にY−ウレイドプロピルトリエトキシシランである、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項14】 多官能性シランが1,2−ビス−(トリエトキシシリル)
    エタンである、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項15】 溶液が付加的に酸を含む、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項16】 酸が酢酸、シュウ酸、ギ酸またはプロピオン酸からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  • 【請求項17】 溶媒が有機溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項18】 溶媒がアルコールである、請求項11に記載の方法。
  • 【請求項19】 溶媒が水を含む、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項20】 ポリマー被覆がシラン処理の上部に塗布される、請求項1
    の方法。
  • 【請求項21】 ポリマー被覆が塗料、ゴムおよび接着剤からなる群から選択され、好ましくはポリマー被覆がシラン被覆に接着される、請求項1の方法。
  • 【請求項22】 溶液中の多シリル官能性シランの濃度が、約0.1%〜約10%の間、好ましくは0.2%〜約2%の間であり、最も好ましくは1より低い、請求項1の方法。
  • 【請求項23】 溶液中のウレイドシランの濃度が、約0.1%〜10%の間、さらに好ましくは0.2%〜約3%の間であり、最も好ましくは1より低い、請求項1の方法。
  • 【請求項24】 ウレイドシラン対多シリル官能性シラン比率が、約1:1
    〜1:10の範囲内、好ましくは1:1〜1:8の範囲内、最も好ましくは1:
    2〜1:5の比率である、請求項1の方法。
  • 【請求項25】 処理溶液中の金属基板の浸漬時間が、約1秒〜約20分の間、好ましくは約10秒〜2分の間にある、請求項1の方法。
  • 【請求項26】 金属基板の耐腐食性を絶えず改善するための、1種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシラン、1種以上の加水分解または部分的に加水分解された多シリル官能性シランおよび溶媒を含む溶液の使用。
  • 【請求項27】 ウレイドシラン対多シリル官能性シランの比率が1:1〜
    1:10の範囲内、好ましくは1:1〜1:8の範囲内にあり、最も好ましくは1:2〜1:5の比率にある、少なくとも1個のウレイドシランおよび少なくとも1個の多シリル官能性シランを含む組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 発明の背景 本発明は金属処理の方法に関する。 さらに詳細には、本発明は、耐腐食性を改善するための金属処理の方法に関する。 金属に、続けて塗装をしようとする時、
    または金属にゴムを結合、または金属に金属を結合する操作などをシラン処理に続けて実施しようとする時に、本方法は特別の使用効果を示す。 本方法は、1種以上の多シリル官能性シランと混合した1種以上のウレイドシランを含有する溶液を金属基板に塗布することを含む。 本方法は、特に、冷間圧延鋼、亜鉛、鉄、
    アルミニウムおよびアルミニウム合金表面上への使用に適する。

    【0002】 関連技術の説明 殆どの金属は、ある形態の腐食、特に種々のタイプの錆び形成を含む大気腐食を受けやすい。 こうした腐食は、こうした金属基板の品質およびそれから生産される製品の品質に、重大な影響を及ぼしうる。 腐食は多くの場合、金属基板から除去することが可能であるが、これらのプロセスは多くの場合、時間がかかる高価なものであり、さらに、金属の結合性を減少させてしまうことがありえる。 加えて、塗料、接着剤またはゴムなどのポリマー被覆を金属基板に塗布する場合に、金属母材の腐食は、ポリマー被覆および金属母材の間の接着損失を引き起こしうる。 被覆層および金属母材間のこうした接着力損失は、同様に金属の腐食に至ることになりえる。

    【0003】 亜鉛メッキ鋼などの金属被覆薄鋼板は、例えば、自動車、建設および家庭電化製品産業を含む多くの産業において用いられる。 殆どの場合において、亜鉛メッキ鋼は塗装されるか、または別にポリマー層で被覆されて、耐久性および美的に好ましい製品を実現している。 しかし、亜鉛メッキ鋼、特に熱浸漬亜鉛メッキ鋼は、多くの場合、貯蔵および出荷の間に「白錆び」を生じる。 白錆び(または「
    貯蔵しみ」と呼ばれる)は、一般に、亜鉛被覆と反応する亜鉛メッキ鋼の表面での結露により引き起こされる。 白錆びは美的に好ましくなく、塗装されたり、または別にポリマー層で被覆されたりなどの後のプロセスステップを行おうとする亜鉛メッキ鋼の能力を損なってしまう。 従って、こうした被覆の前に、亜鉛メッキ鋼の亜鉛表面は、存在する白錆びが除かれ、且つそれがポリマー層の直下に再形成することを防ぐために前処理されねばならない。 現在、種々の方法が、出荷および貯蔵の間の白錆びの形成を防止するのみならず、ポリマー被覆(例えば、
    塗料)直下の白錆びの形成をも防止するために用いられている。

    【0004】 貯蔵および出荷の間に熱浸漬亜鉛メッキ鋼上に形成する白錆びの防止は、薄いクロム酸塩膜により鋼鉄表面を処理することにより達成しえることは、よく認められている。 こうしたクロム酸塩被覆は白錆び形成への抵抗性を供給する一方で、クロムは極めて毒性が高く、環境的には望ましくない。

    【0005】 塗料接着性を改善し、腐食保護性を提供するために、クロム酸塩すすぎ洗いと共に燐酸塩転換被覆を用いることも、知られている。 クロム酸塩すすぎ洗いは燐酸塩被覆中の細孔を覆い、それによって、耐腐食性および接着性能を改善することは、信じられている。 しかし、再度にわたるが、クロム酸塩の使用をすべて排除することは極めて望ましい。 しかし、残念なことに、燐酸塩転換被覆は、一般に、クロム酸塩すすぎ洗いなしでは有効とならない。

    【0006】 アルミニウム合金は、金属の機械特性を改善するために用いられる合金用金属(例えば、銅、マグネシウムおよび亜鉛)が耐腐食性を減少させるので、特に腐食を受けやすい。

    【0007】 最近、クロム酸塩使用排除のためのさまざまな技術が提案されてきている。 これらは、薄鋼板を被覆するための量の無機珪酸塩および金属塩を含有する性アルカリ溶液を供給し、次いで珪酸塩被覆を有機官能シランで処理する段階を含む(米国特許第5,108,793号)。

    【0008】 米国特許第5,292,549号は、一時的な腐食防止を提供するために、低濃度の有機官能性シランおよび架橋剤を含有する水性溶液で、薄板金をすすぎ洗いすることを教示している。 架橋剤は有機官能性シランを架橋して、より濃度の高いシロキサン膜を形成する。 シラン対架橋剤の比率範囲は20:1〜2:1である。

    【0009】 WO第98/30735号は、別個に塗布される2処理溶液を用いる腐食防止方法を開示している。 第1溶液は多シリル官能性シラン架橋剤を用い、一方第2
    溶液は有機官能性シランを用いる。

    【0010】 米国特許第5,433,976号は、シロキサン含有不溶性複合層を形成するために、溶解珪酸塩またはアルミン酸塩、有機官能性シランおよび架橋剤を含有するアルカリ性溶液での薄板金のすすぎ洗いを教示している。

    【0011】 WO第98/19798号は、1種以上の加水分解されたビニルシランを含有する溶液を薄板金に塗布することにより影響を受ける薄板金の腐食を防止するための方法に関する。 この方法は、ビニル官能基が金属表面および塗料被覆間の接着性を増進するので、亜鉛メッキ鋼塗装前の前処理段階として、特に有用である。 しかし、不利は、ビニルシランが金属表面には、特にうまく結合されないということである。

    【0012】 米国Re. 第34,675号(米国特許第4,689,085号の再発行)には、従来のシランカップリング剤およびビス(トリアルコキシ)有機化合物、および特にこうした混合物の部分加水分解生産物を含む、カップリング剤およびプライマー組成物が記載されている。

    【0013】 発明の概要 金属基板の耐腐食性を改善するための方法を提供することは、本発明の目的である。 単一段階処理工程を用いる、金属基板の長期の耐腐食性に対する被覆を供給する方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 処理組成物が塗装の前に除去される必要がない、金属基板への耐腐食性のための被覆を供給する処理溶液を提供することは、本発明のさらなる目的である。 ゴムの金属への結合を増進するための処理被覆および溶液を提供することは、
    本発明のさらなる目的である。 接着剤を用いて金属対金属結合を増進するための処理溶液を提供することは、
    本発明のさらなる目的である。

    【0014】 これらの目的は、 (a)金属基板を供給すること、および (b)1種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシラン、1
    種以上の加水分解または部分的に加水分解された多シリル官能性シランおよび溶媒を含む溶液に金属基板を接触させることにより、金属基板上に被覆を塗布し、
    実質的に溶媒を除去すること、 の段階からなる、金属基板処理の方法を提供することにより、本発明の1態様に従って達成することが可能である。

    【0015】 金属基板は、好ましくは、 −鋼鉄、 −亜鉛、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選択された金属で被覆された鋼鉄、 −鉄、 −亜鉛および亜鉛合金、 −アルミニウム、および −アルミニウム合金、 からなる群から選択される。

    【0016】 本発明の一つの重要な利点は、下に重なる珪酸塩、アルミン酸塩または他の被覆層に対する必要性がなく、処理溶液を直接金属表面上に塗布しうることである。 別の重要な利点は1段処理の実用性である。

    【0017】 実施されている金属基板の処理に続いて、金属基板が接着剤またはゴムなどのポリマーにより塗装されるか、または被覆される予定の場合に、本発明は、特に適している。 これは1回以上のシラン処理後にありえて、有利には前記シラン処理(複数回を含む)の硬化後である。

    【0018】 特に好ましい実施形態において、本発明は、耐腐食性、特に長期の耐腐食性を提供する。

    【0019】 シラン処理溶液は、少なくとも部分的に加水分解された1種以上の有機官能性シランを組み込むことも可能である。

    【0020】 好ましい実施形態の詳細な説明 出願者らは、金属、特に冷間圧延鋼、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウムおよびアルミニウム合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金それ自体および鉄からなる群から選択された金属により被覆された鋼鉄の腐食は、1種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシランを含有し、さらに多シリル官能性シラン(複数を含む)が少なくとも部分的に加水分解された2または3いずれかの三置換シリル基を有する1種以上の多シリル官能性シランを含有する処理溶液を、前記金属に塗布することにより防止することが可能である、
    ことを見出してきた。

    【0021】 これらの被覆により提供される改善された耐腐食性は、驚くことに、従来のクロム酸塩に基づく処理よりも優れており、クロム廃棄処理問題を避けている。 加えて、被覆は、塗料、ゴム、接着剤または他のポリマー層への、金属基板の優れた接着性を提供する。

    【0022】 出願者らは、また、前述の処理溶液が、接着剤を用いるゴム対金属結合および金属対金属結合の増進において、ユーザーへの特別の便宜性を示すことを見出してきた。

    【0023】 本明細書において用いられる「ウレイドシラン」という用語は、置換基がそれぞれアルコキシおよびアシルオキシ、およびウレイド部分からなる群から選択される三置換シリル基を有するシランを意味する。

    【0024】 本発明の処理方法は、特に冷間圧延鋼、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウムおよびアルミニウムおよびアルミニウム合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金それ自体、および鉄からなる群から選択された金属により被覆された鋼鉄を含む、
    あらゆる多様な金属基板において用いることが可能である。 本発明の方法は、1
    種以上の加水分解または部分的に加水分解されたウレイドシランを含有し、さらに金属に対して付加的に、多シリル官能性シラン(複数を含む)が少なくとも部分的に加水分解された2または3いずれかの三置換シリル基を有する1種以上の多シリル官能性シランを含有する処理溶液を、前記金属に塗布することにより、
    成し遂げられる。

    【0025】 本明細書において用いられる「多官能性シラン」という用語は、置換基がそれぞれアルコキシおよびアシルオキシからなる群から選択される2または3の三置換シリル基(すなわち、ビス−またはトリス−官能基)を有するシランを意味する。

    【0026】 本発明において用いることが可能である好ましいウレイドシランは、置換基がそれぞれアルコキシ、アシルオキシおよびアリールオキシからなる群から選択される、単一の三置換シリル基を、それぞれ有する。 従って、本発明において用いることが可能であるウレイドシランは、以下の一般構造式を有することが可能である。

    【化3】

    Rは水素、C

    〜C

    24アルキル、好ましくはC

    〜C

    アルキル、C

    〜C

    24アシル、好ましくはC

    〜C

    アシルからなる群から選択され、各Rは同じか、または異なることが可能である。 好ましくは、Rはそれぞれ、水素、エチル、メチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t


    −ブチルおよびアセチルからなる群から選択される。 Xは結合基、置換または非置換の脂肪族、オレフィン族または芳香族基からなる群から選択される基である。 好ましくは、Xは結合基、C

    〜C

    アルキレン、C

    〜C

    アルケニレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルキレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルケニレン、


    アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択された基から選ばれる。 R

    およびR

    は水素、C

    〜C

    アルキル、C

    〜C

    アルケニル、少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルキル、少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルケニル、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群からそれぞれ選択された基である。 好ましくは、R

    は水素、エチル、


    メチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−


    ブチルおよびアセチルからなる群からそれぞれ選択される。

    【0027】 本明細書において用いられる「置換」脂肪族または芳香族という用語は、炭素主鎖が、主鎖中に位置するヘテロ原子、または炭素主鎖に結合したヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を有することが可能である脂肪族または芳香族基を意味する。

    【0028】 本発明の方法において用いられる特別好ましいウレイドシランは、Y−UPS
    と呼ばれるY−ウレイドプロピルトリエトキシシランであり、以下の構造式を有する。

    【化4】

    【0029】 商業的に生産されたY−UPSは純粋の化合物ではないが、しかし、同じ珪素原子に結合したメトキシおよびエトキシ基の両方を含む。 十分に加水分解される時に、シランの識別は同じであろうが、しかし、部分的に加水分解された混合物中においては処理溶液の組成物は変わりうる。

    【0030】 1種以上の多シリル官能性シランは用いることが可能であると共に、多シリル官能性シランは、置換基がそれぞれアルコキシおよびアシルオキシからなる群から選択される、少なくとも2個の三置換シリル基を有する。 好ましくは、本発明の多シリル官能性シランは以下の一般構造式を有する。

    【化5】

    式中、Zは結合基、脂肪族または芳香族基のいずれかからなる群から選択される。 各R

    はアルキルまたはアシル基であり、nは2または3である。 各R

    は水素、C

    〜C

    24アルキル、好ましくはC

    〜C

    アルキル、C

    〜C

    24アシル、好ましくはC

    〜C

    アシルからなる群から選択され、同じかまたは異なることが可能である。 好ましくは各R

    はそれぞれ水素、エチル、メチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびアセチルからなる群から選択される。 好ましくは、Zは結合基、C

    〜C

    アルキレン、C

    〜C

    アルケニレン、


    少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルキレン、少なくとも1アミノ基により置換されたC

    〜C

    アルケニレン、アリーレンおよびアルキルアリーレンからなる群から選択される。 Zが結合基である場合において、多シリル官能性シランは、直接互いに結合された2個の三置換シリル基を含んでなる。

    【0031】 好ましい多シリル官能性シランは、BTSEと呼ばれ以下の構造式を有するビス−(トリエトキシシリル)エタンである。

    【化6】

    【0032】 他の適する多シリル官能性シランには、1,2−ビス−(トリメトキシシリル)エタン(TMSE)、および1,6−ビス−(トリアルコキシシリル)ヘキサン(1,6−ビス−(トリメトキシシリル)ヘキサンを含む)、1,2−ビス−
    (トリエトキシシリル)エチレン、1,4−ビス−(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、および1,2−ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。

    【0033】 上述のウレイドおよび多シリル官能性シランは、シランが金属表面に結合するように、少なくとも部分的に、好ましくは十分に加水分解されねばならない。 加水分解の間に、アルキルまたはアシル基(すなわち、「R」および「R 」部分)は、水素原子により置換される。 本明細書において用いられる「部分的に加水分解される」という用語は、単純に、シラン上のアルキルまたはアシル基の1部分のみが水素原子により置換されることを意味する。 シランは、好ましくは、各分子上のアルキルまたはアセチル基の少なくとも2個が水素原子により置換される程度に加水分解されるべきである。 シランの加水分解は、単に、シランを水で混合し、任意に溶解性を改善するためにアルコールなどの溶媒を含むことにより達成することが可能である。

    【0034】 また、加水分解を促進するために、溶液のpHは、好ましくは約7より下、最も好ましくは約3〜約6の間を維持する。 pHは例えば、酢酸、シュウ酸、ギ酸またはプロピオン酸などの酸の添加により調整することが可能である。 pHが約7より上に上がるような場合に、加水分解された多シリル官能性シランは、縮合反応を通じて重合を始めうる。 これが起こる場合には、シランが金属表面に強固に結合できないので、耐腐食性は大きく減少してしまう。

    【0035】 溶液中のBTSEなどの多シリル官能性シランの濃度は、約0.01%〜約5
    %の間、好ましくは0.1%より大きくあるべきである。 さらに好ましくは約0
    . 4%〜約3%の間の濃度、最も好ましくは約0.5%である。

    【0036】 溶液中のウレイドシランの濃度は、約0.1%〜10%の間であるべきである。 さらに好ましくは約0.2%〜約3%の間の濃度、最も好ましくは約2%である。

    【0037】 ウレイドシランおよび多シリル官能性シラン間の比率は、得られる腐食防止のタイプを決定する。 高い比率の、多シリル官能性シラン対ウレイドシラン比は、
    長期の耐腐食性を提供する。 本明細書において用いられる「長期の」という用語は、「シロキサン膜は、燐酸塩転換被覆および塗料で板を被覆する前に、アルカリ性溶液中で金属被覆薄鋼板をすすぎ洗いすることにより除去することが可能である」と請求している米国特許第5,292,549号に開示されているような「一時的な腐食防止」を基準としている。 耐腐食性に関連して、「長期の」は、
    洗い流され、または除去されることに抵抗する被覆を意味する。 本発明は、金属表面上で優れた特性を示し、アルカリ性溶液によっては除去されえない。 この態様は、本発明の被覆を除去する試験のために実施例10に設定されたように、アルカリ性すすぎ溶液を用いて評価することができる。 低い比率の多シリル官能性シラン対ウレイドシラン比は、例えばさらなるポリマー層の塗布の前に、除去可能である一時的な耐腐食性被覆の提供をもたらす。 この除去は、上述のように、
    また実施例7において設定したように、アルカリ性すすぎ溶液の使用によるものである。

    【0038】 BTSE対Y−UPS比率は約1:1〜1:10の範囲内、好ましくは1:1
    〜1:8の範囲内、最も好ましくは1:4の比率である。

    【0039】 より濃い溶液は金属上により大きな膜厚を供給するが、これは費用上昇となって経費に出てくる。 加えて、厚膜は、多くの場合、弱くて脆い。 膜厚は、一般に、
    0.05〜0.2μmの範囲内にある。

    【0040】 本明細書において論じられ、請求されるシランの濃度は、すべて、用いられた未加水分解の多シリル官能性シランの量(すなわち、加水分解の前)および処理溶液成分の全体体積(すなわち、シラン、水、任意の溶媒およびpH調整酸)間の比率の条件下で測定されることは、留意されるべきである。 加えて、濃度は、
    多シランが任意にこの処理溶液中に用いられうるので、加えられた未加水分解の多シリル官能性シランの全体量に関係する。

    【0041】 溶液温度は決定的な要素ではない。 0℃までの温度は満足するべきものである。 溶液を熱する必要はないが、しかし40℃の温度は満足であろう。 より高い温度は、シランの重合を引き起こしえて(すなわち、それらは浴寿命を短くしうる)、何の利点もない。 用いられるいくつかのシランの水中での溶解度が限定されているので、処理溶液は、シラン溶解度を改善するために、任意にアルコールなどの1種以上の溶媒を含むことが可能である。 アルコールは、金属基板の湿潤性のみならず、処理溶液の安定性を改善することも可能である。 アルコールまたはアセトンなどの他の非水性溶媒の使用も、水と接触する際に腐食(CRSを含むある種の合金の電解腐食など)を受けやすい金属基板に対して、特に有用である。 特に好ましいアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびそれらの異性体が挙げられる。 用いられる量は、処理溶液中の特定多シリル官能性シランの溶解度に応じて決まり、よって、本発明の処理溶液中の水に対するアルコールの濃度範囲は、1:99〜99:1(体積による)の比率内にある。 シランの少なくとも部分的な加水分解を確保するために十分な水があるべきであり、よって、少なくとも5部の水が95部のアルコール毎に用いられることが好ましい。 しかし、シラン(複数を含む)が水に溶解性の場合には、アルコールは全面的に省略することが可能である。 アルコールが用いられる時には、メタノールおよびエタノールが好ましいアルコールである。

    【0042】 処理溶液それ自体の製造は簡単明瞭である。 未加水分解ウレイドシランは、必要濃度を得るために、水で希釈することにより前加水分解される。 pHは、上述のように、酸を用いて調整することが可能である。 BTSEは、同様の方法を用いることにより前加水分解され、溶液は混合され、pHは酸により調整される。
    アルコールは任意に用いられて、必要とされる溶解度または安定性に役立てる。
    実際には、浴には、本発明で利用されるシランを補給する。 これらは前加水分解され、水希釈性濃縮物として前混合されて供給することが可能である。

    【0043】 処理しようとする金属基板は、好ましくは、本発明の上述処理組成物の塗布前に、溶媒および/またはアルカリ洗浄される。 その後、金属を溶液中に浸漬する(または「すすぎ洗い」と呼ばれる)か、溶液を金属表面上に噴霧するか、またはさらに金属基板上で処理溶液を拭くかブラシをかけるかのいずれかにより、処理溶液を清浄金属に塗布することが可能である。 実際、表面上に実質的に均一な膜を残すあらゆる方法が有効に用いられうる。 好ましい浸漬塗布方法が用いられる時、浸漬の持続は、それが一般に得られる膜厚に影響を与えないので、決定的な要因ではない。 浸漬時間は、金属の完全な被覆を確保するために、約2秒〜約30分の間、好ましくは約0.5分〜2分の間であることが望ましい。

    【0044】 金属に塗料などのポリマーでの被覆がなされない場合、特に、アルミニウムおよびアルミニウム合金の場合に、シラン被覆は上述の塗布プロセスの後に、有利に硬化されるべきである。 硬化において、加水分解されたシラノール基が重合する。 金属はブロー乾燥または代わりの方法で乾燥することが可能である。

    【0045】 シラン処理被覆は、約40℃〜180℃間の温度で硬化することが可能である。 硬化時間は、決定的なものではないが、硬化温度に応じて決まる。 物品を最短可能時間で乾燥することで、まさに十分である。 より低い温度は過度に乾燥時間を長くするであろう。 硬化後、第2処理溶液を塗布することが可能であり、または第1処理溶液を再塗布し、必要なら硬化することが可能である。 硬化時間は、
    0.5分〜1時間の間でありうるが、しかし、好ましくは約0.5分〜3分の間の硬化時間が用いられる。 硬化は、結果的に室温でさえも十分な時間の中で起こる。

    【0046】 硬化後に、シラン処理溶液の第2被覆を塗布し、その後、同じ方法で硬化することが可能である。

    【0047】 第2または次のシラン処理溶液は、ウレイドシランおよび少なくとも部分的に加水分解された多シリル官能性シランに加えて、または代替として、1種以上の有機官能性シランを組み込むことも可能である。 有機官能性シランは、好ましくは、置換基がそれぞれアルコキシ、アシルオキシおよびアリールオキシ、および少なくとも1個の有機官能基からなる群から選択される三置換シリル基を有する。 有機官能基は、アミノ(アミノ部分のいかなる数をも持つ)、ビニル、エポキシ、マーカプト、シアナート、メタクリレート、およびビニルベンジルからなる群から選択することが可能である。

    【0048】 以下の実施例は、本発明の方法を用いることにより得られるいくつかの優れた、および予期しなかった結果について説明する。

    【0049】 〔実施例〕 本発明の効力の評価に用いられる標準前処理、比較前処理および試験は以下の通りである。

    【0050】 試験: 加速腐食試験は、BS6496アルミニウムに対する酢酸塩噴霧およびBS6
    497亜鉛に対する酢酸塩噴霧、ASTMB117鋼鉄および亜鉛に対する中性塩噴霧である。 これら両方の方法は1000時間試験に適用される。

    【0051】 短期試験が選択プロセスをスピードアップするために導入され、試験基板のセット内の結果に、塩噴霧方式に対する密接な相関関係が見出された。 この短期試験は、刻み目を入れたパネルを2重量%の塩化ナトリウム溶液中に55℃、pH
    7±0.25で、5日間にわたり浸漬し、塗料剥離の程度を検査することを含んだ.

    【0052】 BS3900パートE3による逆効果、および塗料膜に1.5mm間隔の、直交直線のグリッドパターンの刻み目を金属基板まで入れ、続いてBS3900パートE4により固定深さまで圧伸する変性圧伸方法を用いて、塗料接着性を評価した。 圧伸後、接着性テープを金属ひずみにより誘導される塗料剥離の程度を立証するために塗布する。 損失は剥離された面積の数として表現される(=グリッドパターンの%)。

    【0053】 粉末被覆塗料によるアルミニウムパネルも、BS6496の17項による圧力鍋試験を行った。

    【0054】 周期性疲労試験: 一般的な周期性疲労試験は、8Hzの周波数で、+/−1200Nの周期性加力での500,000サイクルである。 すべての変形体はこの試験を失敗なしで通過した。

    【0055】 実施例1:電気塗装 6″×4″試験パネルをパイロクリーン(登録商標)1055(珪酸塩化多金属洗浄剤)中において、55℃で3.5分間にわたり噴霧洗浄した。 その後、パネルを以下のように、シラン前処理がそれを基準にして測定される標準用に加工した。 鋼鉄:これを室温で30秒間、2g/lのパーコレン(登録商標)X中で調整し、50℃で3分間ボンダーライト(登録商標)26SF(トリカチオン燐酸亜鉛)中に浸漬して、〜2.1g/m の微細な結晶燐酸亜鉛被覆を生成した。 1
    . 5g/lのパーコレン(登録商標)86(クロムIII溶液)中での後すすぎ洗いに続いて、すすぎ洗いおよび乾燥を行った。 亜鉛:(電気亜鉛メッキされた(EZ)および熱浸漬亜鉛メッキされた(HD
    G))−上述と同じ加工条件を用いた。 表1に示すシラン混合物は以下の通りである:(1). 1体積%BTSE+2体積%UPS

    【表1】

    【0056】 実施例2:粉末被覆塗料 鋼鉄:金属表面を同時に、洗浄し、燐酸塩化する洗浄−被覆器を用いた。 パネルに60℃で3分間パイレン(登録商標)2−68を噴霧して、1.1g/m 重量の燐酸鉄被覆を生成した。 この被覆に5g/lのパイレンエコシール(登録商標)800で後すすぎ洗いを行った。 亜鉛(EZおよびHDG):上述の洗浄−被覆器を用いたが、一つは亜鉛およびアルミニウム用に配合した。 パネルに60℃で3分間パイレン(登録商標)2
    −69を噴霧して、0.65g/m 重量の被覆を鋼鉄上に生成した。 この燐酸塩被覆に5g/lのパイレンエコシール800で後すすぎ洗いを行った。 アルミニウム:上述の亜鉛と同じ手順。 結果を表2に示す。 シラン混合物(1
    )は2体積%Y−UPS+1体積%BTSEである。

    【表2】

    【0057】 実施例3:シラン前処理 シラン溶液の製造は以下の通りである。 BTSEを以下のように使用前に加水分解した:BTSE3体積部を、脱塩水4体積部、工業用変性アルコール17体積部と混合した。 この混合物を7日間にわたり放置した。

    【0058】 シルケストA1160(メタノール中Y−UPS50%溶液)を取り出し、脱塩水を添加してY−UPS40%溶液を生成し、1時間放置することにより、使用前にY−UPSの加水分解を行った。 その後、Y−UPSを2%まで希釈し、
    酢酸でpHを6に調整した。 その後、十分に加水分解されたBTSEを中和されたY−UPSに添加して、1%濃度を得た。

    【0059】 前処理としての鋼鉄に対する塗布のために、シラン溶液のpHは、錆びを引き起こすことにより、鋼鉄のいくつかの品種および/または表面仕上げに悪影響を及ぼしうることが、見出されてきた。 pH6での溶液の塗布は、我々が今まで経験してきたすべての変形体に対して一貫して信頼の置けるものであることを、我々は見出した。 シランをこれらの基板に塗布する時に、より低いpHも許容されうるのであろうが、操作を簡単にするために、このpHを亜鉛およびアルミニウムにも採用してきた。

    【0060】 2%Y−UPS+1%BTSEを含有する溶液中に、基板を30秒間浸漬し、
    放置して短時間に排水し、その後、オーブンの中において、85℃で乾燥した。

    【0061】 電気塗装パネルは30μm厚さの層により被覆され、一方で粉末被覆成分では60〜90μmの塗料膜を生成した。 その後、パネルに加速腐食試験および塗料膜接着性試験を行った。

    【0062】 実施例4:冷間圧延鋼上のY−UPS/BTSEの腐食性能 冷間圧延鋼上のY−UPS/BTSEの腐食性能は種々の塗料系において観察されてきた。 シラン溶液は、4%Y−UPS、0.5%BTSE、5%エタノール、0.02%酸、〜90%脱イオン水を含有した。 それら塗料の商標名および樹脂ベースを以下の表に一覧した。 最初の3塗料は溶媒ベースであり、フェロは粉末塗料である。

    【表3】

    ACT(Advanced Coating Technologies,I


    nc. ,ヒルスデール、ミシガン州)からの標準冷間圧延鋼パネル(サイズ4″


    x6″)を、(Y−UPS/BTSE)溶液で処理した。処理されたパネルおよび対照パネルを、上記表に一覧された塗料で塗装した。対照パネルを、ACTによる燐酸亜鉛およびクロム密封すすぎ水により処理した。各パネルの塗装された表面上に十字のけがきを刻んだ。けがきされたパネルを、ある時間にわたり、塩噴霧試験室の中に置いた。試験時間は以前の実験から決めた。腐食性能をけがきに沿っての沿面漏れを測定することにより評価した。より小さい沿面漏れのパネルは、より良い耐腐食性を有すると見なされた。表4はすべての試験パネルの沿面漏れを一覧する。

    【表4】

    上述の塗料系において、Y−UPS/BTSEは燐酸亜鉛/クロムを凌いでいるのを見ることができる。

    【0063】 実施例5:電気亜鉛メッキ鋼パネルの処理 実施例1に述べた処理と同一の(Y−UPS/BTSE)処理溶液をまた用いて、ACTからの電気亜鉛メッキ鋼パネルを処理した。 性能評価の目的のために、同じ塗料系および試験方法を用いた。 表5は亜鉛メッキパネルの腐食試験結果を示す。

    【表5】

    【0064】 実施例6:3基板上へのコイル被覆塗布 Y−UPS/BTSEを、ACTのCRS、ベイコートのHot Dippe
    d Galvanized Steel(HDG)およびガルバルーム(登録商標)パネル上で処理した。 対照パネルは、CRSに対してB1000P60DI
    W、HDGに対してベイコート生産系統品上のクロム酸塩処理およびガルバルーム(登録商標)であった。 ガルバルームパネルをプライマー(m856−016
    )および上塗り(22−20752)で塗装し、HDGパネルをリリー工業(L
    illy Industries)製のプライマー(PMY0154)および上塗り(SPG0068)で塗装し、CRSパネルをスペシャルテイコーテイング社(Specialty Coating Company)製の80GNew
    ell White Polyester(408−1−w976)で塗装した。 それらはすべてポリエステルベースの塗料である。 表6は以下の処理溶液に対する腐食試験結果を一覧する。 1. Y−UPS2体積% +BTSE0.25体積%、pH=5 2. Y−UPS2体積% +BTSE0.5体積%、pH=5 3. Y−UPS2体積% +BTSE1体積%、pH=5 4. 対照処理

    【表6】

    【0065】 実施例7 アルミニウム合金グレード5251試験パネルを、Y−UPS/BTSEを用いて以下のように加工した。 1. アルミニウム板を、パイロクリーン630(25g/l、70℃、5分)
    中で浸漬洗浄した。 (パイロクリーン630は珪酸塩化アルカリ性、非腐食性洗浄剤である)。 2. 薄板を冷水ですすぎ洗いをした。 BTSEを使用前に以下のように加水分解を行った:BTSE3体積部を、脱塩水4体積部、および工業用変性アルコール17体積部と混合した。 この混合物を7日にわたり放置した。 3. (a)BTSE1v/v%およびY−UPS2v/v%および(b)BT
    SE0.5v/v%およびY−UPS2v/v%を含有する溶液中に、薄板を3
    0秒間浸漬した。 両方の溶液をpH4〜5で用いた。 シルケストA1160(メタノール中Y−UPS50%溶液)を取り上げ、脱塩水を添加してY−UPS40%溶液を生成し、1時間放置することにより、Y
    −UPSを使用前に加水分解した。 その後、Y−UPS溶液を2%まで希釈し、
    pHを酢酸で6に調整した。 その後、十分に加水分解されたBTSEを中和されたY−UPSに添加して、1%濃度を得た。 4. その後、パネルを80℃で乾燥した。 比較として、525 パネルを、以下のようにクロム酸塩前処理で加工した: 1. パイロクリーン71(25g/l、70℃、5分)中で浸漬洗浄を行った。 (パイロクリーン71は非珪酸塩化アルカリ性、非腐食性洗浄剤である)。 2. 冷水すすぎ洗いをした。 3. アルマエッチ701(40g/lアルマ701添加剤、50℃、2分)
    中に浸漬した。 4. 冷水すすぎ洗いをした。 5. 10v/v%硝酸中に浸漬した(エッチにより残されたスマットを除去するために)。 6. 冷水すすぎ洗いをした。 7. ボンダーライト711(15g/l、40℃、4分、被覆重量0.74
    g/m )中に浸漬した。 (ボンダーライト711は過剰塗装に適する黄色のクロム酸塩転換被覆を生成するために設計された一つの過程である)。 8. 冷水すすぎ洗いをした。 9. 脱塩水すすぎ洗いをした。 10. 圧縮空気流の中で乾燥した。

    【0066】 クロム酸塩化およびシラン処理パネルの両方共、以下のもので塗装した: (a)6部の塗料を1部の硬化剤と混合することにより配合され、120℃で3
    0分間加熱して塗料膜厚50μmを生成し、建築用アルミニウム産業界で用いられている、2パック液体ポリウレタン塗料。 (b)200℃金属温度で10分間加熱して最小塗料膜厚60μmを生成するポリエステル粉末被覆塗料。 パネルに1000時間のBS6496酢酸塩噴霧を行い、2パック液体塗料により塗装されたパネルに4mm裏面衝撃および3mmおよび7mmのエリクセン押込み/1.5mmクロスハッチ接着性試験を行った。

    【表7】

    【表8】

    【0067】 実施例8:コイルアルミニウムに対する前処理 アルミニウム(合金グレード3005および3105試験パネル)を以下のように加工した: 1. パイロクリーン630(25g/l、70℃、5分)中に浸漬。 2. 冷水でのすすぎ洗い。 3. シラン溶液中で10秒間浸漬し、ゴムスキージーローラーを通して過剰の液体を除去し、80℃でオーブン乾燥を行う。 用いられたシラン溶液は以下であった: BTSE1%+UPS2%、pH4.5 BTSE0.5%+UPS2%、pH4.5

    【0068】 比較として、3005および3105試験パネルを上述のように洗浄し、すすぎ洗いをすると共に、クロム被覆で塗装して次ぎの通りにすすぎ工程にかけた。
    アコメットC(アルブライトおよびウイルソンにより供給される、すすぎ工程を含まないクロム)を12.5v/v%に希釈し、パネル上に注ぎ、その後、パネルを回転して過剰液体を除去し、105℃で乾燥した。 パネル上のクロム被覆重量は45mgCr/m であった。

    【0069】 ボリッヒおよびケンパーにより供給されるポリコートポリエステル塗料で、パネルを塗装した。 パネルをピーク金属温度243℃で40秒間にわたり硬化させた。 乾燥膜厚は17μmであった。

    【0070】 パネルに、1000時間BS6496酢酸塩噴霧およびTベンド接着性試験(
    ECCA−T20[1992]仕様に対する)を行った。 結果を表9および10
    に示す。

    【表9】

    【表10】

    【0071】 実施例9:ゴム結合 自動車業界で緩衝装置および防振マウントに広く用いられているように、金属対ゴム結合の現在のやり方は、金属部分を燐酸塩化し、その後プライマー被覆を塗布し、続いてゴムが結合される上塗りを塗布する手順である。 さまざまな製造者に供給される加工成形品から、金属表面へのシラン塗布と次の上塗り(プライマー被覆なし)が、現在のシステムに匹敵する強度および耐久性を持つ金属−ゴム結合を生み出すことを、出願者らは確立してきた。

    【0072】 金属部分を、以下のシラン混合物2%Y−UPS+0.25%BTSE、pH
    5、室温で30秒間加工し、続いて100℃で乾燥し、周期性疲労試験を行って、複合構造の強度および破損モードを決定した。 最終の強度測定値: 2%UPS+0.25%BTSE 8691N

    【0073】 すべての場合に、破損はゴム内部に起こり、金属−ゴム界面においてはなかった。 現在のやり方に合うには、>3500Nの値が必要である。

    【0074】 実施例10:長期の耐腐食性評価 CRS、HDG70Gおよびアルミニウム3003を試験基板として選択した。 パーカー338に類似のアルカリ性洗浄剤ブレントケムクリーン1111(A
    C1111)をCRSおよびHDGに対する洗浄剤として選択した。 基板をAC
    1111(15g/l)中で140°F、2分間すすぎ洗いをした。 AC111
    1などの強く、抑制を受けないアルカリ性洗浄剤はアルミニウムを攻撃し溶解するという理由により、AC1220をアルミニウム3003洗浄のために選択した。 AC1220を130°F、5体積%で用いた。 基板をY−UPS/BTS
    E(それぞれ2%および0.5%)溶液で処理し、その後、220°Fで30分間硬化した。 赤外分光学は、多年、分子構造および組成研究のための最も強力な手段の一つであると考えられてきた。 シロキサン基はIRスペクトルの約100
    0cm −1で独特の吸収を示すことは、よく実証されている。 従って、アルカリ性洗浄の前後での、APS/BTSEにより金属表面上に堆積する膜の特性分析を行うために、ニコレAVATAR−360FTIRを用いた。 IRスペクトルを収集した後、これらの基板を上述の洗浄剤中で洗浄した。 IRスペクトルを再度収集した。 同じ処理および同じ基板に対する洗浄の前後のスペクトルを比較した。 シロキサン基の吸収が洗浄後消える場合、それはシロキサン膜が除去されたことを示す。 評価結果: IRスペクトルによると、アルカリ性洗浄剤がCRSおよびHDG上のシロキサン膜を除去できないこと、および珪酸塩洗浄剤がアルミニウム上のシロキサン膜を除去できないことも示された。 結果を表11に示す。

    【表11】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 バインズ,アーウィン バリー イギリス国,ミルトン ケインズ エムケ ー1 1ピービー,ブレッチレイ,デンバ イ ウエスト,デンバイ ロード 65,ブ レント インターナショナル パブリック リミティド カンパニー (72)発明者 ソン,ジュン アメリカ合衆国,ミシガン 481734 ロマ ラス,ヒューロン リバー ドライブ 13177,オーカイト プロダクツ インコ ーポレイティド (72)発明者 タン,ニー アメリカ合衆国,ミネソタ 55311,メイ プル グローブ,メイル ストップ エー 310,シー/オー シムド ライフ シス テムズ,インコーポレイティド,ボストン サイエンティフィク コーポレイション Fターム(参考) 4D075 AB01 AB56 AE03 BB26Z BB93Z CA13 CA33 DA03 DA06 DB02 DB05 DB07 DC01 DC11 DC18 EA06 EA07 EA35 EB12 EB22 EB38 EB43 EB47 EB56 EC07 EC30 4J038 DL021 JC35 PC02 4K062 AA01 AA03 BB30 CA04 CA05 FA16

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