ヘテロ原子含有環状ダイマー

申请号 JP2017085214 申请日 2017-04-24 公开(公告)号 JP6387434B2 公开(公告)日 2018-09-05
申请人 ノーバス・インターナショナル・インコーポレイテッド; NOVUS INTERNATIONAL,INC.; 发明人 グラシエラ・ビー・アーハンセット; マシュー・マホニー; ワン・シャオジュン;
摘要
权利要求

式(XX): [式中: R1は、素、アルキル、または置換アルキルアリールであり; R2、R3、R4、およびR5は、水素であり; R6は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり; R7は、存在せず; Zは、硫黄、スルホン、スルホキシド、またはセレンであり; nは、1〜10の整数であり;そして pは、1より大きい整数である] で示される繰り返し単位を含むポリマー。式(XXI) [式中: Rは、水素、アルキル、または置換アルキルであり; R1は、水素、アルキル、または置換アルキルであり; R2、R3、R4、およびR5は、水素であり; R6は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり; R7は、存在せず; Zは、硫黄、スルホン、スルホキシド、またはセレンであり; Xは、酸素または窒素であり; nは、1〜10の整数であり;そして pは、1より大きい整数である] を含むポリマー。Xが、酸素であり、Rがアルキルである、請求項2に記載のポリマー。R1が、水素またはメチルであり;R6が、C1−C6アルキルであり;そしてnが、1または2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー。R1が、(CH2)mYR10であって;R10は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり;Yは、硫黄、スルホン、スルホキシド、またはセレンであり;そして、mは、1〜10の整数である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー。R6およびR10が、C1−C6アルキルであり;そして、nおよびmの各々が、1または2である、請求項5に記載のポリマー。R6およびR10が、メチルであり;Zが、硫黄であり;そして、nおよびmの各々が、2であるが、ただし、pが4未満の場合、前記ポリマーが、約1.3以下の多分散指数を有する、請求項6に記載のポリマー。約5重量%以下のモノマーを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー。少なくとも約2,000Da、少なくとも約10,000Da、少なくとも約100,000Da、または少なくとも約1,000,000Daの平均分子量を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリマー。式(XX)で示される第一の繰り返し単位および第二の繰り返し単位を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリマー。第二の繰り返し単位が、式(XX)で示されるが、ただし、第二の繰り返し単位が、少なくとも1個の位置で、式(XX)で示される第一の繰り返し単位と異なって置換されているものであるか;あるいは第二の繰り返し単位が、ラクチド、ラクトン、ラクタム、ヒドロキシルアルカノエート、またはヒドロキシルエステルに由来するものである、請求項10に記載のポリマー。第二の繰り返し単位が、ラクチドに由来するものである、請求項11に記載のポリマー。可塑剤、接着剤、コーティング、ラッカー、フィルム、乳化剤、抗酸化剤、抗菌剤、防食剤、飼料組成物、包装材料、消費者製品、医療用途、または農業用途として用いられる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリマー。請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリマーおよび栄養剤または医薬品を含む組成物。請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリマーおよび少なくとも1個の付加的ポリマーを含む組成物。式(XX)で示される繰り返し単位を含むポリマーの製造方法であって、式(II)で示される複数のモノマーを触媒と接触させて、式(XX)で示される繰り返し単位を含むポリマーを製造することを特徴とする方法: [式中: R1は、水素、アルキル、または置換アルキルであり; R2、R3、R4、およびR5は、水素であり; R6は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり; R7は存在せず; Zは、硫黄、スルホン、スルホキシド、またはセレンであり;そして nは、1〜10の整数である]。触媒が、オクタン酸スズ(II)、アルミニウム(III)イソプロポキシド、乳酸亜鉛(II)、イットリウム錯体、ビス−もしくはトリスアリールスズ錯体、ヘテロ二金属鉄(II)錯体、架橋ビフェノレートリガンドとのチタン錯体、カチオン性アルミニウム錯体、またはピリジン触媒であり;そして、反応が、約100℃〜約200℃の範囲の温度で不活性雰囲気下にて実施されるものである、請求項16に記載の方法。反応が、開環開始剤の存在下で実施されるものであって、開環開始剤は、少なくとも1個のヒドロキシル基および/またはアミン基を含む小分子またはポリマーである、請求項16または17に記載の方法。開環開始剤が、水、アルコール、ポリオール、ポリアルキレンオキシド、グリコール、ポリグリコール、または低分子量の第一級または第二級アミンである、請求項18に記載の方法。触媒が、オクタン酸スズ(II)であり;そして、開環開始剤が、アルコールである、請求項19に記載の方法。式(XX)で示される繰り返し単位を含むポリマーの製造方法であって、式(II)で示される複数のモノマーを触媒と約100℃〜200℃の温度に加熱して、前記モノマーから式(XX)で示される繰り返し単位を含むポリマーを製造することを特徴とする方法: [式中: R1は、水素、アルキル、または置換アルキルであり; R2、R3、R4、およびR5は、水素であり; R6は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり; R7は存在せず; Zは、硫黄、スルホン、スルホキシド、またはセレンであり;そして nは、1〜10の整数である]。加熱が、押し出し機内で行われる、請求項21に記載の方法。R1が、水素またはメチルであり;R6が、C1−C6アルキルであり;そして、nが、1または2である、請求項16〜22のいずれか1項に記載の方法。R1が、(CH2)mYR10であって;R10は、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり;Yは、硫黄、スルホキシド、またはセレンであり;そして、mは、1〜10の整数である、請求項16〜22のいずれか1項に記載の方法。R6およびR10が、C1−C6アルキルであり;そして、nおよびmの各々が、1または2である、請求項24に記載の方法。R6およびR10が、メチルであり;Zが、硫黄であり;そして、nおよびmの各々が、2である、請求項25に記載の方法。複数の付加的モノマーと接触させて、式(XX)で示される第一の繰り返し単位および付加的モノマーに由来する第二の繰り返し単位を含むコポリマーを製造することをさらに特徴とする、請求項16〜26のいずれか1項に記載の方法。付加的モノマーが、ラクチド、ラクトン、ラクタム、ヒドロキシアルカノエート、またはヒドロキシエステルである、請求項27に記載の方法。前記コポリマーが、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、線状コポリマー、グラフトコポリマー、または分岐コポリマーである、請求項27または28に記載の方法。

说明书全文

関連出願へのクロスリファレンス 本出願は2012年2月9日に出願された米国仮出願第61/596,843号、および2012年2月10日に出願された米国仮出願第61/597,444号の優先権を主張するものであり、そのそれぞれは全体において参照することによって本明細書に組み込まれる。

発明の分野 本発明は、α酸の環状ダイマーおよびそれに由来するポリマー、環状ダイマーおよびそれに由来するポリマーの製造方法および使用方法に関する。

発明の背景 α酸は工業化学物質、飼料添加物、治療剤、および様々な他の用途を含む様々な目的に重要な分子である。α酸は、例えばアミノ酸およびαヒドロキシ酸を含む。2つのα酸が反応すると、直鎖状または環状ダイマーを形成することができる。α酸が反応して環状ダイマーを形成すると、酸部分はもはや遊離しておらず、それゆえ環状ダイマーは異なる物性、例えば反応性、安定性、および溶解性を有し得、特定の用途に有利となりうる。

例えば、環状ダイマーはα酸を放出することができる化合物として用いることができる。α酸の環状ダイマーは、α酸のポリマーおよびコポリマーを合成するための重要な経路も提供しうる。例えば、ラクチドとも呼ばれる乳酸環状ダイマーは、ポリ乳酸への重要な経路を提供するが、このポリ乳酸はその生体適合性および生分解性、ならびにその生物医学および工業分野での使用適合性のために魅的で非常に興味深い重要なポリマーである。乳酸からのラクチドの形成は、オリゴマー化反応と競合するため複雑である。ラクチド化合物を製造するために開発されたほとんどの製造方法は、高温真空下での処理を含む。例えば、米国特許第5,274,073号は、乳酸からを蒸発させてオリゴマーを得、次いでオリゴマーと脱重合触媒を混合し、次いで熱分解してラクチドを蒸気として製造するラクチドの製造方法を記載している。

ラクチドと異なり、ヘテロ原子側鎖部分を有するα酸の環状ダイマーは、熱分解製法を用いて合成されていない。ヘテロ原子置換環状ダイマーは、環状化合物の多数の用途のための重要な官能性を提供することができるため、望ましい化合物である。例えば、置換環状ダイマーは官能化され、構造的に多様な(すなわち分岐状、星型、ブロック型)ポリマーおよびコポリマーへの経路を提供しうるが、これらはポリ乳酸と比較して異なった、または改善された性質を有しうる。環状ダイマーを合成する他の方法も、ヘテロ原子含有α酸について失敗している。ハロゲン置換モノマーの反応から環状化合物を製造する理論的経路は、ハロゲン化モノマーが不安定であるため、収量が低い。それゆえ、官能化されたα酸の環状ダイマーへの経路は、合成上の課題として残っている。

それゆえ、ヘテロ原子含有環状ダイマー、およびそれらの製造方法が必要とされている。

発明の概略 本発明はα酸の環状ダイマー、α酸の環状ダイマーから製造されるポリマー、環状ダイマーおよびそこから製造されるポリマーの製造方法、ならびに環状ダイマーおよびポリマーの用途に関する。

本発明の第一の態様は、式(I):

[式中、 X1およびX2は窒素および酸素から選択されるが、ただしX1およびX2が共に窒素となることはなく; R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数であり; ただしZが硫黄であり、かつ、nが1である場合、R1およびR3は水素以外であり;かつ、Zが窒素であり、nが2〜4であり、かつ、R3が水素である場合、R1は水素またはメチル以外である] を含む化合物を包含する。

本開示の別の態様は、式(IX)を含む化合物の製造方法を提供する。該製造方法は、(a)式(VI)を含む化合物と、式(VII)を含む化合物または式(VIII)を含む化合物および酸触媒を接触させる工程、ならびに(b)得られた反応混合物を脱水して式(IX)を含む化合物を製造する工程を含む(ここで、式(IX)、(VI)、(VII)、および(VIII)を含む化合物はそれぞれ以下の構造を有する)。:

[式中、 X1は酸素および窒素から選択され、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である]。

本開示のさらなる態様は、式(IX)を含む化合物の別の製造方法を包含する。該製造方法は、(a)式(VI)を含む化合物を、式(VII)を含む化合物または式(VIII)を含む化合物と共に加熱してポリマーを製造する工程、ならびに(b)該ポリマーを温度約200℃および圧力約1Torr未満で加熱して式(IX)を含む化合物を製造する工程を含む(ここで、式(IX)、(VI)、(VII)、および(VIII)を含む化合物はそれぞれ以下の構造を有する)。:

[式中、 X1は酸素および窒素から選択され、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である]。

さらに別の態様は、式(XX):

[式中: R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である] を含む繰り返し単位を含むポリマーを提供する。

本開示のさらに別の態様は、式(XXI):

[式中: Rは水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Xは酸素および窒素から選択され;かつ pは1より大きな整数である] を含むポリマーを提供する。

本開示のさらなる態様は、ポリマーの製造方法を包含する。該製造方法は、式(II):

を含む複数の化合物を触媒と接触させ、式(XX):

[式中: R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である] を含む繰り返し単位を含むポリマーを製造する工程を含む。

本発明の他の特徴および反復は、本明細書により詳細に記載されている。

カラー図面への言及 本特許または出願ファイルはカラーで作成された少なくとも1個の図面を含有する。カラー図面を含む本特許または特許出願公開のコピーは、要請および必要な料金の支払いがあれば庁から提供されるであろう。

図1は、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタン酸(HMTBA)と塩酸の反応後に製造された生成物を示している。(A)は、異なる生成物が同定されたHPLCクロマトグラムを示している。(B)は、(A)と同一のクロマトグラムを示しているが、3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの溶出プロファイルを示すクロマトグラムを重ねている。

図1は、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタン酸(HMTBA)と塩酸の反応後に製造された生成物を示している。(A)は、異なる生成物が同定されたHPLCクロマトグラムを示している。(B)は、(A)と同一のクロマトグラムを示しているが、3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの溶出プロファイルを示すクロマトグラムを重ねている。

図2は、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタン酸(HMTBA)の共沸蒸留後に製造された生成物を示している。(A)は、異なる化合物が同定されたHPLCクロマトグラムを示している。(B)は、(A)と同一のクロマトグラムを示しているが、3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの溶出プロファイルを示すクロマトグラムを重ねている。

図2は、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)−ブタン酸(HMTBA)の共沸蒸留後に製造された生成物を示している。(A)は、異なる化合物が同定されたHPLCクロマトグラムを示している。(B)は、(A)と同一のクロマトグラムを示しているが、3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの溶出プロファイルを示すクロマトグラムを重ねている。

図3は、3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンから製造されたポリマーの構造を示す

1H NMRスペクトルを示している。

図4は、時間の関数として3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの開環重合をモニターするゲル浸透クロマトグラフトレースを示している。

図5は、24時間での3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの開環重合の反応混合物のHPLCクロマトグラムを示している。

図6は、200℃、500mTorrで2時間蒸留後の図5に示している生成物の反応混合物のHPLC分析を示している。

図7は、200℃、500mTorrで2時間蒸留後の脱重合反応の留出物のHPLC分析を示している。

図8は、HMTBaから製造されたポリマーの脱重合反応の留出物のHPLCクロマトグラムを示している。

発明の詳細な記載 本発明は多くの目的に用いられうるα酸の環状ダイマーを提供する。本発明は環状ダイマーの製造方法、環状ダイマーを含む組成物、および環状ダイマーの使用方法も提供する。環状ダイマーから製造されるポリマー、ポリマーの製造方法、およびポリマーを含む組成物も提供する。有利には、非常に高分子量のポリマーを環状ダイマーから製造することができる。環状ダイマーおよびこれらの環状ダイマーから製造されるポリマーは、例えば、可塑剤、添加剤、加工助剤、栄養剤、抗酸化剤、抗菌剤、および飼料添加物として用いることができる。

本明細書に開示されているα酸の環状ダイマーは、以下に示す一般構造を有している。議論目的のために、環原子に1〜6までの番号を付している。3位および6位での置換は、環状構造へのペンダント基として記載することができる。立体化学を示していないが、いずれの立体化学をも表しうることを意図している。

(I)環状ダイマー化合物 本発明の1つの態様は、式(I):

[式中、 X1およびX2は窒素および酸素から独立して選択されるが、ただしX1およびX2は共に窒素以外であり; R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数であり; ただしZが硫黄であり、かつ、nが1である場合、R1およびR3は水素以外であり;かつ、Zが窒素であり、nが2〜4であり、かつ、R3が水素である場合、R1は水素またはメチル以外である] を含む環状ダイマー化合物を提供する。

環の1位および4位のヘテロ原子X1およびX2は窒素および酸素から独立して選択されるが、ただし共に窒素となることはない。いくつかの実施態様では、ヘテロ原子はそれらの中性状態にある。それゆえ、X1またはX2が窒素である場合、窒素原子は別の置換基でさらに置換されていてよい。ヘテロ原子のさらなる置換は好ましくは水素であるが、当該技術分野で周知の様々な他の基から選択されてよい。他の実施態様では、ヘテロ原子は電荷を有していてよい。いくつかの実施態様では、X1およびX2は共に酸素である。他の実施態様では、X1は窒素であり、かつX2は酸素である。さらに別の実施態様では、X1は酸素であり、かつX2は窒素である。

R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7の各々は、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択されてよい。様々な実施態様では、ヒドロカルビルは、限定されるものではないが、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルケノキシ、アリール、またはアルキルアリールであってよい。置換ヒドロカルビルは、限定されるものではないが、アリールアルコキシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ハロゲン化スルホニル、スルホニルエステル、カルボキシル、カルボン酸、ヒドロキシアルキル、ハロゲン化アルキル、アルキルアミン、アルキルアミド、置換アルキルアミン、またはアルキルアミドであってよい。特定の実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、置換アルキル、置換アリール、および置換アルキルアリールから選択されてよい。様々な態様では、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7の1個以上は水素であってよい。代表的な実施態様では、R2、R3、R4、およびR5の各々は水素である。

いくつかの実施態様では、R2およびR3はヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および水素から独立して選択される。いくつかの実施態様では、R2およびR3は低級アルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルである。別の実施態様では、R2およびR3はフェニル、ベンジル、または置換されたフェニルもしくはベンジルである。好ましい実施態様では、R2は水素であり、かつR3は水素、メチル、エチル、フェニル、およびベンジルから選択される。1つの実施態様では、R2およびR3は水素である。

R4およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択される。いくつかの実施態様では,(CR4R5)nはヒドロカルビル鎖を構成し、直鎖状または分岐状であってよく、nは鎖内の結合した炭素原子の数を表す。様々な実施態様では、nは1以上である。いくつかの実施態様では、nは1〜20の範囲であり、かつ、ヒドロカルビル鎖は1〜20個の結合した炭素原子を含む。さらに別の実施態様では、nは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20と等しい。代表的な実施態様では、nは1または2である。いくつかの実施態様では、R4およびR5は鎖の至る所で水素であってよく、他の態様では、R4およびR5は鎖の至る所でヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。

R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択されてよい。R6がヒドロカルビルである場合、いずれかのアルキル鎖であってよいが、好ましくは低級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。低級アルキル基は、さらに分岐状または環状であってよい。非限定的例はイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルなどを含む。別の実施態様では、R6はフェニル、ベンジル、または置換されたフェニルもしくはベンジルである。代表的な実施態様では、R6はメチルである。

R7は式(I)を含む化合物に場合によって存在してよい。存在する場合、R7はヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および水素から選択される。R7がヒドロカルビルである場合、いずれかのアルキル基であってよいが、好ましくは低級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。低級アルキル基は、さらに分岐状または環状であってよく、非限定的例はイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルなどを含む。別の実施態様では、R7はフェニル、ベンジル、または置換されたフェニルもしくはベンジルであってよい。さらなる実施態様では、R7は水素であってよい。

式(I)を含む化合物はヘテロ原子(Z)も含有する。いくつかの実施態様では、Zは窒素、セレン、または硫黄原子であり、スルホキシドおよびスルホン基を含む。窒素、セレン、または硫黄原子は電荷を有してよく、および/または分子内で様々な酸化状態で存在してよい。Zが電荷を有する場合、化合物は対イオン、例えば限定されるものではないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどをさらに含んでよい。

特定の実施態様では、Zが硫黄であり、かつ、nが1である場合、R1およびR3は水素以外である。他の実施態様では、Zが窒素であり、nが2〜4であり、かつ、R3が水素である場合、R1は水素またはメチル以外である。

いくつかの実施態様では、R1は(CR8R9)mYR10R11を含み、それによって化合物は式(Ia):

[式中: R2、R3、R4、R5、R6、R7、X1、X2、Z、およびnは、式(I)を含む化合物について上記されている通りであり; R8、R9、およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R11は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Yは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ mは>1の整数である] を含む。

R8、R9、R10、およびR11の各々は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択されてよい。ヒドロカルビルは、限定されるものではないが、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルケノキシ、アリール、またはアルキルアリールであってよい。置換ヒドロカルビルは、限定されるものではないが、アリールアルコキシル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ハロゲン化スルホニル、スルホニルエステル、カルボキシル、カルボン酸、ヒドロキシアルキル、ハロゲン化アルキル、アルキルアミン、アルキルアミド、置換アルキルアミン、またはアルキルアミドであってよい。特定の実施態様では、R8、R9、R10、およびR11の各々は水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、置換アルキル、置換アリール、および置換アルキルアリールから選択されてよい。様々な態様では、R8、R9、R10、およびR11の1個以上は水素であってよい。代表的な実施態様では、R3、R8、およびR9は水素である。

R10がヒドロカルビルである場合、いずれかのアルキル鎖であってよいが、好ましくは低級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。低級アルキル基は、さらに分岐状または環状であってよい。非限定的例はイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルなどを含む。別の実施態様では、R10はフェニル、ベンジル、または置換されたフェニルもしくはベンジルである。代表的な実施態様では、R10はメチルである。

R11は式(Ia)を含む化合物に場合によって存在してよい。存在する場合、R11はヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および水素から選択される。R11がヒドロカルビルである場合、いずれかのアルキル基であってよいが、好ましくは低級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。低級アルキル基は、さらに分岐状または環状であってよく、非限定的例はイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルなどを含む。別の実施態様では、R11はフェニル、ベンジル、または置換されたフェニルもしくはベンジルであってよい。さらなる実施態様では、R11は水素であってよい。

いくつかの実施態様では、(CR8R9)mはヒドロカルビル鎖を構成し、直鎖状または分岐状であってよく、mは鎖内の結合した炭素原子の数を表す。様々な実施態様では、mは1以上である。いくつかの実施態様では、mは1〜20の範囲であり、かつ、ヒドロカルビル鎖は1〜20個の結合した炭素原子を含む。さらに別の実施態様では、mは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20と等しい。代表的な実施態様では、mは1または2である。いくつかの実施態様では、R8およびR9は鎖の至る所で水素であってよく、他の態様では、R8およびR9は鎖の至る所でヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。

式(Ia)を含む化合物はヘテロ原子(Y)も含有する。いくつかの実施態様では、Yは窒素、セレン、または硫黄原子であり、スルホキシドおよびスルホン基を含む。窒素、セレン、または硫黄原子は電荷を有してよく、および/または分子内で様々な酸化状態で存在してよい。Yが電荷を有する場合、化合物は対イオン、例えば限定されるものではないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどをさらに含んでよい。

1つの実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9は水素であり、nおよびmは独立して1〜10の範囲にあり;ZおよびYは硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択される。いくつかの反復では、R6およびR10は低級アルキルであり、かつ、R7およびR11は、存在する場合、独立して水素または低級アルキルである。

式(I)または式(Ia)を含む非限定的化合物は、表1に記載している。

別の実施態様では、化合物は式(II):

[式中、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数であり; ただしZが硫黄であり、かつ、nが1である場合、R1およびR3は水素以外であり;かつ、Zが窒素であり、nが2または4であり、かつ、R3が水素である場合、R1はメチル以外である] を含む。

R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnの各々は、式(I)について記載されているのと同様に選択されてよい。式(II)を含む化合物のいくつかの実施態様では、Zが窒素である場合、R1およびR3は共にメチルであるか、またはR1およびR3はいずれもメチルではない。別の実施態様では、Zが硫黄である場合、R6は水素またはベンジルではない。さらに別の実施態様では、Zが硫黄であり、かつ、nが1である場合、R6は水素、ベンジル、またはパラメトキシベンジルではない。

1つの実施態様では、化合物は式(IIb):

[式中: R1およびR6は水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、置換アルキル、置換アリール、および置換アルキルアリールから独立して選択される] を含む。

いくつかの実施態様では、R1はメチル、エチル、フェニル、およびベンジルから選択され;かつ、R6は水素、メチル、およびエチルから選択される。代表的な実施態様では、式(IIc):

を含む化合物のように、R1およびR6は共にメチルである。

式(IIb)または式(IIc)を含む化合物の環の3位および6位の原子は、それぞれRR、RS、SR、およびSSから選択される立体配置を有していてよい。

さらなる実施態様では、式(II)を含む化合物のR1は(CR8R9)mYR10R11を含み、それによって化合物は式(IIa):

[式中: R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは、式(II)を含む化合物について上記されている通りであり; R8、R9、およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R11は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Yは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ mは>1の整数である] を含む。

R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnの各々は、式(I)を含む化合物について記載されているのと同様に選択されてよく、かつ、R8、R9、R10、R11、Y、およびmの各々は、式(Ia)を含む化合物について記載されているのと同様に選択されてよい。

式(IIa)を含む化合物のいくつかの実施態様では、2つのペンダント基はリジンまたはリジン誘導体を含まない。いくつかの実施態様では、ZおよびYが窒素であり、かつ、nおよびmが4または5である場合、R6およびR10は水素またはCOOR8ではなく、かつ、R8およびR11は水素、ベンジル、およびt−ブチルから選択される。

様々な実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9は水素であり、nおよびmは独立して1〜10の範囲にあり;ZおよびYは硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択される。いくつかの反復では、R6およびR10は低級アルキルであり、かつ、R7およびR11は、存在する場合、独立して水素または低級アルキルである。代表的な実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9の各々は水素であり、nおよびmは共に2であり、ZおよびYは共に硫黄であり、R6およびR10は共にメチルであり、かつ、R7およびR11はいずれも存在しない。

式(II)または式(IIa)を含む化合物の非限定的例は、表2に示している。

さらに他の実施態様では、化合物は式(III):

[式中、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である] を含む。

R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnの各々は、式(I)について記載されているのと同様に選択されてよい。

いくつかの実施態様では、式(III)を含む化合物のR1は(CR8R9)mYR10R11を含み、それによって化合物は式(IIIa):

[式中: R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは、式(III)を含む化合物について上記されている通りであり; R8、R9、およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R11は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Yは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ mは>1の整数である] を含む。

R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnの各々は、式(I)を含む化合物について記載されているのと同様に選択されてよく、かつ、R8、R9、R10、R11、Y、およびmの各々は、式(Ia)を含む化合物について記載されているのと同様に選択されてよい。

様々な実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9は水素であり、nおよびmは独立して1〜10の範囲にあり;ZおよびYは硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択される。いくつかの反復では、R6およびR10は低級アルキルであり、かつ、R7およびR11は、存在する場合、独立して水素または低級アルキルである。

式(III)または式(IIIa)を含む非限定的化合物は、表3に示している。

さらに別の実施態様は、式(IV):

[式中、 R6およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R7およびR11は場合によって存在し、存在する場合、それぞれ水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; ZおよびYはスルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択され;かつ nおよびmは>1の整数であり; ただしZおよびYがスルホキシドである場合、R6およびR10はメチル以外である] を含む化合物を提供する。

R6、R7、R10、R11、Y、Z、n、およびmの各々は、式(I)および(Ia)を含む化合物について上記されているのと同様に選択されてよい。

式(IV)を含む化合物の1つの実施態様では、YおよびZはセレンであり、R6およびR10は低級アルキルであり、かつ、R7およびR11は存在しない。別の実施態様では、YおよびZはセレンであり、R6およびR10はメチルであり、かつ、R7およびR11は存在しない。表4は式(IV)を含む化合物の非限定的例を記載している。

代表的な実施態様では、本発明の化合物は式(V):

を含む。

本発明のいくつかの態様では、化合物は1個以上のキラル中心を含む。式(I)、(II)、(III)、(IV)、および(V)を含む化合物の各キラル中心は、RまたはS立体配置を有してよい。いくつかの実施態様では、3位および6位の炭素原子が4個の異なる置換基を有する場合、該位置はキラル中心である。そのような実施態様では、3位および6位の立体配置はそれぞれRR、RS、SR、およびSSから選択されてよい。別の態様では、組成物は2個以上の異性体の混合物であってよい。別の態様では、組成物は光学的に純粋であってよく、または1個以上の異性体で強化されていてよい。本発明の態様では、3位および6位のペンダント基が同一である場合、化合物はD−異性体、L−異性体、またはメソ異性体を含んでよい。別の実施態様では、組成物はD−異性体、L−異性体、およびメソ異性体の2個以上の混合物であってよい。

本発明の化合物は、実質的に純粋な化合物として提供されてもよい。いくつかの態様では、化合物は立体異性体の混合物中で実質的に純粋であり、副生成物、例えばモノマー、非環状ダイマー、または他のオリゴマーを実質的に含まない。別の態様では、本明細書に記載されている化合物は実質的に純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマーとして提供されてよい。実質的に純粋とは、所望の化合物が約80%の純度、約90%の純度、もしくは約95%の純度、約99%の純度、約99.5%の純度、約99.9%の純度、99.99%の純度、またはそれ以上の純度で存在することを意味する。別の実施態様では、化合物は光学的に純粋な化合物として提供されてよく、光学的に純粋な化合物は約80%、約90%、約99%の光学純度、約99.9%、もしくは約99.99%の光学純度、またはそれ以上の光学純度を有してよい。

このセクションで提供される化合物は、それらの環状形態で、またはポリマーとして、様々な用途および目的を有することができる(以下参照)。本明細書で提供される化合物または化合物を含む組成物は、1組の条件下で1組の性質を有してよく、異なる条件下で異なる性質を有してよい。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、中性付近のpH下の水溶液中で安定となりうる。他の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、約6.0未満、約5.0未満、約3.0未満、約2.0未満、または約1.0未満のpH値の水溶液中で加水分解しうる。

(II)環状ダイマーの製造方法 本開示のさらに別の態様は、本明細書に開示されている化合物の製造方法を包含する。特に、環状ダイマーの製造方法は、α酸を、α酸が環状ダイマーを形成する条件下で接触させる工程を含む。

(a)式(IX)を含む化合物の製造 − 縮合 1つの態様では、式(IX)を含む化合物の製造方法は、(a)式(VI)を含む化合物と、式(VII)を含む化合物または式(VIII)を含む化合物および酸触媒を接触させる工程、ならびに(b)得られた反応混合物を脱水して式(IX)を含む化合物を製造する工程を含む。式(IX)、(VI)、(VII)、および(VIII)を含む化合物は、以下の構造を有する:

[式中、 X1は酸素および窒素から選択され、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である]。

R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは、セクション(I)において式(I)を含む化合物について上記されているのと同様に選択されてよい。いくつかの実施態様では、R1は(CR8R9)mYR10R11であってよく、ここでR8、R9、R10、R11、Y、およびmはセクション(I)において式(Ia)を含む化合物について記載されているのと同様に選択されてよい。

いくつかの実施態様では、製造方法は反応スキーム1(a)にしたがって進行し、式(II)を含む化合物を製造する:

[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは上記で定義された通りである]。

さらに他の実施態様では、反応は反応スキーム1(b)にしたがって進行し、式(III)を含む化合物を製造する:

[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは上記で定義された通りである]。

式(VII)を含む化合物はアミノ酸であってよい。適切なアミノ酸の非限定的例は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、リジン、δ−ヒドロキシリジン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、シスチン、メチオニン、セレノメチオニン、チロシン、チロキシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、およびトリプトファンを含む。いくつかの態様では、アミノ酸は保護を必要としない。他の態様では、アミノ酸は、例えば側鎖上またはN末端で、当該技術分野で周知の手段で保護されていてよい。

製造方法は、式(VI)を含む化合物と、式(VII)を含む化合物または式(VIII)を含む化合物を接触させる工程を含む。一般に、2個の化合物はほぼ等しいモル比で反応に提供される。いくつかの実施態様では、式(VI)を含む化合物は、式(VII)または式(VIII)を含む化合物に対して、約0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1;0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1.0、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:2.0、1:2.5、1:3、または約1:3.5のモル比で提供されてよい。好ましい実施態様では、式(VI)を含む化合物は、式(VII)または式(VIII)を含む化合物と1:1のモル比で提供される。

いくつかの態様では、反応は脱水条件下、酸触媒の存在下で実施されてよい。いくつかの実施態様では、出発物質は接触工程の前に低水濃度まで精製される。例えば、式(VI)および(VII)または(VIII)の化合物を含む出発物質は、含水量約5%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満で反応混合物に提供されてよい。

式(IX)を含む化合物を製造するために、様々な酸触媒が適切となりうる。いくつかの実施態様では、酸触媒は有機酸、無機酸、および固体樹脂から選択されてよい。代表的酸触媒は、限定されるものではないが、リン酸、酢酸、ホウ酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、オルト−、メタ−、およびパラ−トルエンスルホン酸、ポリリン酸、硫酸、トシル酸、キシレンスルホン酸、Dowex樹脂、Amberlyst樹脂、Zn末、およびSnベース触媒(例えば、Sn末、酸化スズ、塩化スズ(II)、ジブチルスズジラウレート、および第一スズオクトエート)、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化鉄(III)、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、その混合物ならびに組み合わせを含む。

酸触媒は、式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物に対して、広い範囲の比率で添加されてよい。いくつかの態様では、添加される触媒の量は、式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の量の0.0001mol%〜式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の約5mol%の範囲であってよい。いくつかの実施態様では、酸触媒は、5mol%未満、2mol%未満、または1mol%未満の量で添加される。より好ましくは、酸触媒は、式(VI)を含む化合物に対して、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、または0.010mol%の反応モル比で提供される。

環状ダイマーの形成を促進するために、反応は脱水条件下で実施されてよい。特定の実施態様では、脱水は蒸留によって達成されてよい。例えば、反応は単蒸留、分別蒸留、共沸蒸留、水蒸気蒸留、真空蒸留、Dean Starkトラップまたは別の類似のトラップを用いる蒸留、およびDean Starkまたは別の類似のトラップを用いる共沸蒸留などに付されてよい。他の実施態様では、脱水はモレキュラ・シーブス、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、水酸化カリウム、および炭酸カリウムなどを含んでよい乾燥試薬によって達成されてよい。

反応が行われる温度は、異なる実施態様で、および反応の間に変化してよい。1つの実施態様では、反応は約100℃〜約200℃の範囲の温度で実施されてよい。別の実施態様では、反応は約100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、またはこれらの値のいずれか2つの間でこれらの値を含む範囲の温度で実施されてよい。別の実施態様では、温度は約130℃〜約150℃の範囲であってよい。さらに別の実施態様では、温度は約110℃〜約120℃の範囲であってよい。一般に、反応は大気圧で実施されるが、特定の実施態様では、反応は大気圧よりも高い、または低い圧力下で実施されてもよい。

製造方法は、溶媒の存在下で実施されてよく、または反応は未希釈で実施されてよい。反応が溶媒を含む場合、溶媒の種類は反応物のアイデンティティーに依存して変化してよい。それゆえ、溶媒は非極性溶媒、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、またはその組み合わせであってよい。適切な非極性溶媒の非限定的例は、アニソール、ベンゼン、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジ−tert−ブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジグリム、ジイソプロピルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、エチレンオキシド、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、キシレンおよびその組み合わせを含む。適切なプロトン性極性溶媒の例は、限定されるものではないが、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール)、ジオール(例えば、プロピレングリコールなど)、有機酸(例えば、ギ酸、および酢酸など)、アミド(例えば、ホルムアミド、およびアセトアミドなど)、ならびに上記のいずれかの組み合わせを含む。適切な非プロトン性極性溶媒の非限定的例は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルホスホルアミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、酢酸プロピル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびその組み合わせを含む。代表的な実施態様では、溶媒はトルエン、キシレン、アニソール、およびその混合物から選択される。

溶媒と式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の重量/重量比は変化してよく、変化するであろう。典型的には、溶媒と式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜約100:1の範囲であってよい。様々な実施態様では、溶媒と式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜5:1、約5:1〜約20:1、約20:1〜約40:1、約40:1〜約80:1、または約80:1〜約100:1の範囲であってよい。いくつかの実施態様では、溶媒と式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物の重量/重量比は、約30:1、または約60:1であってよい。

反応の持続時間は変化してよく、変化するであろう。一般に、反応は数時間〜数日間進行してもよい。しかしながら、典型的には、反応は、当業者に周知の手段によって決定される反応が完了するまでの十分な期間進行してもよい。この文脈において、最終反応混合物は、反応開始時に存在するそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の式(VI)および(VII)または(VIII)を含む化合物、ならびに有意に増加した量の式(IX)を含む化合物を含有する。いくつかの実施態様では、反応は約1時間〜約10時間の範囲の期間進行してもよい。別の実施態様では、反応は約1時間〜約5時間の範囲の期間進行してもよい。好ましい実施態様では、反応は約3時間〜約5時間の期間進行してもよい。

式(IX)を含む化合物の収率は変化してよく、変化するであろう。一般に、式(IX)を含む化合物の収率は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%であろう。

式(IX)を含む化合物は、サイズ排除クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオン交換クロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー、他の種類のクロマトグラフィー、沈殿、蒸留、または結晶化を含む手段によって反応混合物から単離および/または精製されてよい。

(b)式(IX)を含む化合物の製造 − 重合および熱分解 他の実施態様では、式(IX)を含む化合物は、(a)式(VI)を含む化合物を、式(VII)を含む化合物または式(VIII)を含む化合物と共に加熱し、ポリマーを製造する工程、次いで(b)ポリマーを加温および減圧下で加熱し、式(IX)を含む環状ダイマー化合物を製造する工程によって製造されてよい。反応物、すなわち、式(VI)、(VII)、および(VIII)を含む化合物は、セクション(II)(a)に上記されている。

この製造方法の第一工程は、酸触媒の存在下または非存在下で反応物を加熱する工程を含む。適切な酸触媒および適切な量は、上記セクション(II)(a)で詳述している。いくつかの実施態様では、加熱工程は真空下で実施される。加熱工程は、上記で詳述しているように溶媒の存在下で実施されてよく、または加熱工程は、溶媒の非存在下(すなわち、未希釈)で実施されてよい。上記で詳述している方法と同様に、反応混合物は約100℃〜約200℃の範囲の温度まで加熱および維持されてよい。代表的な実施態様では、反応混合物は約130℃〜約160℃まで加熱されてよい。加熱工程の持続時間は変化してもよい。いくつかの実施態様では、加熱工程の持続時間は約2時間〜約10時間、または約3時間〜約5時間の範囲であってよい。

この製造方法の第二工程は、より高温および減圧下でのさらなる加熱工程(すなわち、熱分解)を含む。第二工程の温度は、約150℃〜約250℃の範囲であってよい。いくつかの実施態様では、第二工程の温度は、150℃〜約180℃、約180℃〜約200℃、約200℃〜約220℃、または約220℃〜約250℃の範囲であってよい。一般に、第二工程は真空下で実施される。反応の圧力は約10Torr未満、約1Torr未満、約500mTorr未満、または約200mTorr未満であってよい。様々な実施態様では、反応の第二工程の圧力は、約200mTorr〜約500mTorrの範囲にあってよく、または約0.5Torr〜約1Torrの範囲であってよい。製造方法の第二工程の持続時間は、約1時間〜約5時間の範囲であってよい。1つの実施態様では、製造方法の第二工程の持続時間は、約2時間〜約3時間の範囲であってよい。製造方法の第二工程の間、式(IX)を含む化合物は、上記セクション(II)(a)で詳述しているように蒸留されてよい。

重合/熱分解工程によって製造される式(IX)を含む化合物の収率は、様々な要因に依存して変化してよく、変化するであろう。様々な実施態様では、反応混合物からの留出物中の式(IX)を含む化合物の収率は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%であってよい。

式(IX)を含む化合物は、サイズ排除クロマトグラフィー、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー、他の種類のクロマトグラフィー、沈殿、蒸留、または結晶化を含む手段によって反応混合物から単離および/または精製されてよい。

(c)式(IV)を含む化合物の製造 式(IV)を含む化合物の製造方法は、反応スキーム2にしたがって式(X)を含む化合物と式(XI)を含む化合物を接触させる工程を含む:

[式中、 R6およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され、 R7およびR11は場合によって存在し、存在する場合、それぞれ水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; YおよびZはスルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択され;かつ nおよびmは>1の整数である]。

一般に、式(IV)を含む化合物は、式(X)および(XI)を含む化合物を、化合物が環状ダイマーを形成するような条件に付することによって製造されてよい。式(X)、(XI)、および(IV)を含む化合物のR6、R7、R10、R11、Y、Z、nおよびmは、一般的にセクション(I)に示されている通りであってよい。

式(X)および(XI)を含む化合物は、ほぼ等しいモル比で反応に提供されてよい。いくつかの実施態様では、式(X)および(XI)を含む化合物は、約0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1;0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1.0、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:2.0、1:2.5、1:3、または1:3.5のモル比で提供されてよい。好ましい実施態様では、式(X)および(XI)を含む化合物は、等モル比で提供される。

様々な酸触媒を反応に用いることができる。いくつかの実施態様では、酸触媒は有機酸、無機酸、および固体樹脂から選択されてよい。代表的酸触媒は、限定されるものではないが、酢酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、オルト−、メタ−およびパラ−トルエンスルホン酸、硫酸、リン酸、キシレンスルホン酸、Dowex樹脂、Amberlyst樹脂、Zn末、およびSn末を含む。

酸触媒は、式(X)および(XI)を含む化合物に対して広い範囲の比率で添加されてよい。いくつかの態様では、添加される触媒の量は、式(X)および(XI)を含む化合物の量の約0.0001mol%〜式(X)および(XI)を含む化合物の約5mol%の範囲である。いくつかの実施態様では、酸触媒は、5mol%未満、2mol%未満、または1mol%未満の量で添加されてよい。より好ましくは、酸触媒は、式(X)および(XI)を含む化合物に対して、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、または0.010mol%のモル比で反応に提供されてよい。

反応が行われる温度は、異なる実施態様で、および/または反応の間に変化してよい。いくつかの態様では、反応は100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、またはこれらの値のいずれか2つの間でこれらの値を含む範囲の温度で実施されてよい。1つの実施態様では、反応は約100℃〜約200℃の範囲の温度で実施されてよい。別の実施態様では、温度は約130℃〜約150℃の範囲であってよい。一般に、反応は大気圧で実施されるが、特定の実施態様では、反応は大気圧よりも高い、または低い圧力下で実施されてもよい。

製造方法は、溶媒の存在下で実施されてよく、一方他の態様では、反応は未希釈で実施されてよい。溶媒が存在する場合、溶媒は、非限定的例として、セクション(II)(a)に記載している溶媒から選択されてよい。1つの実施態様では、溶媒はトルエン、キシレン、アニソール、およびその混合物から選択される。

溶媒と式(X)および(XI)を含む化合物の重量/重量比は変化してよく、変化するであろう。典型的には、溶媒と式(X)および(XI)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜約100:1の範囲であってよい。様々な実施態様では、溶媒と式(X)および(XI)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜5:1、約5:1〜約20:1、約20:1〜約40:1、約40:1〜約80:1、または約80:1〜約100:1の範囲であってよい。

反応の持続時間は変化してよく、変化するであろう。一般に、反応は数時間〜数日間進行してもよい。しかしながら、典型的には、反応は、当業者に周知の手段によって決定される反応が完了するまでの十分な期間進行してもよい。この文脈において、最終反応混合物は、反応開始時に存在するそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の式(X)および(XI)を含む化合物、ならびに有意に増加した量の式(IV)を含む化合物を含有する。いくつかの実施態様では、反応は約1時間〜約10時間の範囲の期間進行してもよい。

式(IV)を含む化合物の収率は変化してよく、変化するであろう。一般に、式(IV)を含む化合物の収率は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%であろう。

(d)式(V)を含む化合物の製造 1つの実施態様では、式(V)を含む化合物の製造方法が提供され、それは反応スキーム3にしたがって進行する:

代表的な実施態様では、酸触媒はp−トルエンスルホン酸である。式(VIb)を含む化合物は、Dean Starkトラップを用いて水を継続的に除去しながら、3〜5時間、トルエン中、酸触媒の存在下、110〜115℃まで加熱される。

いくつかの実施態様では、製造方法は式(V)を含む化合物の立体異性体(すなわち、D−、L−、およびメソ異性体;それぞれ表5の化合物2、3、および4を参照のこと)を含むラセミ混合物として、式(V)を含む化合物を提供する。ラセミ混合物は式(V)を含む化合物の個々のジアステレオマーに分離されてよい。いくつかの実施態様では、D−、およびL−異性体は、当該技術分野で周知の方法、例えば限定されるものではないが、再結晶化、蒸留、およびクロマトグラフィーによって、メソ異性体から最初に分離されてよい。次いでD−およびL−異性体は、当該技術分野で周知の手段、例えば限定されるものではないが、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、および蒸留によって分離されてよい。他の実施態様では、D−、L−、およびメソ異性体は、キラルクロマトグラフィーによって分離されてよい(実施例4参照)。

(III)用途 上記セクション(I)で詳述した環状ダイマー化合物は、様々な用途に用いることができる。適切な用途は、限定されるものではないが、可塑剤、乳化剤、添加剤、加工助剤、栄養剤、抗酸化剤、抗菌剤、防食剤、および飼料添加物としての用途を含む。

いくつかの実施態様では、環状ダイマー化合物はα酸源として用いられてよい。いくつかの実施態様では、本明細書に開示されている化合物は飼料添加物として用いることができ、または飼料組成物もしくは飼料プレミックスに包含される。他の実施態様では、上記セクション(I)の化合物は、少なくとも1個の栄養剤および/または医薬品を含む組成物の一部であってよい。

環状ダイマー化合物を含む組成物は、ヒトまたは動物対象に投与されてよい。適切な動物対象の非限定的例は、コンパニオン動物、例えばネコ、イヌ、ウサギ、ウマ、およびげっ歯類、例えばスナネズミ;農業用動物、例えばウシ、乳、乳用子牛、肉牛、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、シカ;動物園の動物、例えば霊長類、ゾウ、シマウマ、大型のネコ、およびクマなど;研究動物、例えばウサギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、霊長類、マウス、ラットおよび他のげっ歯類;鳥類、例えば限定されるものではないが、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ダチョウ、およびエミュー;ならびに、魚類および甲殻類から選択される水生動物、例えば限定されるものではないが、サケ、エビ、コイ、ティラピア、および貝類を含む。対象は単胃または反芻胃であってよい。対象が反芻動物である場合、セクション(I)に記載されている化合物は、化合物が第一胃内で分解されないように、第一胃内で実質的に未変化のままであってよい。それゆえ、飼料組成物は、反芻胃を有する対象について、増加した分解効率を有してよい。いくつかの態様では、セクション(I)に記載されている化合物は、第一胃内で実質的に未変化のままである。他の態様では、セクション(I)に記載されている化合物は、第一胃を通過後に加水分解してよい。

(IV)環状ダイマーを含む組成物 さらに別の態様では、本発明は上記セクション(I)で詳述した少なくとも1個の環状ダイマー化合物を含む組成物を提供する。組成物は少なくとも1個の栄養剤および/または医薬品をさらに含んでよい。

(a)飼料組成物 いくつかの実施態様では、組成物は飼料組成物または飼料プレミックスであってよい。飼料組成物はセクション(I)に記載されている化合物の1個以上および少なくとも1個の栄養剤を含む。栄養剤は環状ダイマーの加水分解生成物であってよい。セクション(I)に記載されている化合物は、対象の胃または第一胃を通過後に加水分解してよい。例えば、セクション(I)の化合物は、化合物がpH約4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.5、1.0、もしくは0.5、または記載された値の間でこれらの値を含むいずれかのpHに付された場合の条件下で加水分解してよい。本明細書で用いられている実質的に加水分解された組成物は、組成物のセクション(I)の化合物の50%超が非環状形態である溶液を指す。いくつかの実施態様では、実質的に加水分解されたとは、60%超、または70%超、または80%超、または90%超が加水分解されたことを指す。

他の実施態様では、栄養剤は炭水化物源、脂肪源、タンパク質源、アミノ酸、およびαヒドロキシ酸、またはその組み合わせであってよい。適切な炭水化物源は当該技術分野で周知のものから選択されてよく、限定されるものではないが、アルギン酸塩、クズウコン、オオムギ、キャノーラ、キャッサバ、コーン、コーンシロップ、綿実粉、フルクトース、グルコース、ガラクトース、穀実用モロコシ、海藻粉、ラクトース、トウモロコシ、マルトース、マンノース、ジャガイモ、オート麦、米、ライ麦、サゴ、ソルビトール、ダイズ豆、タピオカ、小麦、小麦グルテン、ヤムイモ、およびその組み合わせを含む。

脂肪源は不活性脂肪または非不活性脂肪であってよい。非不活性脂肪の非限定的例は、植物由来油(例えば、キャノーラ油、コーン油、綿実油、パーム油、落花生油、ベニバナ油、ダイズ豆油、およびヒマワリ油)、魚油(例えば、メンハーデン油、アンチョビ油、ビンナガマグロ油、タラ肝油、ニシン油、レイクトラウト油、サバ油、サケ油、およびイワシ油)、動物脂肪(例えば、家禽脂肪、牛脂、バター、豚脂、および鯨の皮下脂肪)、黄色油脂(すなわち、レストランからの廃棄油脂および動物飼料精製工場からの低級脂肪)、ならびにその組み合わせを含む。非不活性脂肪源は、高脂肪産物、例えば魚粉(例えば、メンハーデン粉、アンチョビ粉、ニシン粉、タラ粉、サケ粉、マグロ粉、およびホワイトフィッシュ粉)、油糧種子(例えば、キャノーラ種、綿実、亜麻仁(flax seeds)、亜麻仁(linseeds)、ニガー種子、ゴマ種子、ダイズ豆、およびヒマワリ種子)、または蒸留穀物(例えば、可溶分添加乾燥蒸留穀物残渣(DDGS)ならびに湿潤蒸留穀物残渣)であってもよい。脂肪源は第一胃で不活性な脂肪であってよい。第一胃で不活性な脂肪の適切な例は、パーム脂肪酸のカルシウム塩(例えば、MEGALAC(登録商標))、飽和遊離脂肪酸、または水素化獣脂(例えば、ALIFET(登録商標))を含む。

適切なタンパク質源は動物由来タンパク質、植物由来タンパク質、またはその組み合わせであってよい。いくつかの実施態様では、適切な動物由来タンパク質源は血粉、骨粉、魚粉、魚加工副産物、肉粉、肉骨粉、家禽副産物粉、羽毛粉、およびその組み合わせを含む。他の実施態様では、適切な植物由来タンパク質源は穀物、例えばコーン、オート麦、およびダイズ豆など;穀物タンパク質濃縮物、例えばダイズタンパク質濃縮物;マメ科植物、例えばエンドウマメ、ルピナス、アルファルファ;蒸留穀物;油糧種子粉、例えばキャノーラ粉、綿実粉、亜麻仁粉、ダイズ豆粉、ヒマワリ種子粉;ならびにその組み合わせを含む。

いくつかの実施態様では、飼料組成物/プレミックスは1個以上のα酸、例えばアミノ酸およびαヒドロキシ酸を含んでよい。アミノ酸の適切な例は、製剤に依存して、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸(aspartate)、システイン、グルタミン酸(glutamate)、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、セレノメチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンを含む。飼料添加物として使用できる他のアミノ酸は、非限定的例として、N−アシルアミノ酸、ヒドロキシ相同体化合物、およびその生理的に許容される塩、例えばアミノ酸の塩酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびナトリウム塩を含む。飼料組成物はαヒドロキシ酸をさらに含んでよい。いくつかの態様では、αヒドロキシ酸はアミノ酸のαヒドロキシ類似体である。1つの態様では、α酸はメチオニンのヒドロキシ類似体である。

飼料組成物は液体、乳剤、乾燥ペレット、または粉末として製剤化されてよく、様々な他の成分と混合されてよい。

(b)栄養剤および/または医薬品との組み合わせ 他の実施態様では、組成物はセクション(I)で詳述した少なくとも1個の化合物を少なくとも1個の栄養剤および/または医薬品と組み合わせて含む。栄養剤は対象に投与された場合に栄養価を提供するいずれかの薬剤を含んでよい。栄養剤の非限定的例はビタミン、ミネラル(例えば、有機または無機)、抗酸化剤、有機酸、ポリ不飽和脂肪酸(「PUFA」)、プレバイオティクス、プロバイオティクス、薬草、および色素を含む。

適切なビタミンはビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、およびビオチンを含む。ビタミンの形態はビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンの同一または類似の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝物を含んでよい。

適切な有機微量ミネラルは、金属イオンおよびアミノ酸リガンドを含む金属キレートを含んでよい。あるいは、有機微量ミネラルは金属イオンおよびアミノ酸アニオンを含む金属塩であってよい。金属イオンは亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオン、鉄イオン、クロムイオン、コバルトイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびその組み合わせからなる群から選択されてよい。好ましい実施態様では、金属イオンは亜鉛イオン、マンガンイオン、および銅イオンである。アミノ酸はアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン、またはそれらのヒドロキシ類似体を含む群から選択されてよい。特定の実施態様では、銅および亜鉛イオンは好ましくは二価、すなわち、各イオンは2+の電荷を保有する。キレート分子内のアミノ酸と金属イオンのモル比は、一般的に1:1〜3:1またはそれ以上の範囲で変化してよい。典型的には、金属キレートは1:1、2:1および3:1の化学種の混合物を含んでよい。好ましくは、キレート分子内のアミノ酸と金属イオンのモル比は、一般的に1.5:1〜2.5:1の範囲で変化してよい。水性媒体において、これらの化学種の相対比率は適用可能な安定度定数によって決定される。アミノ酸のカルボキシル部分は脱プロトン化型にあるため、リガンドの数が金属イオンの電荷と一致する場合、電荷は典型的には釣り合っている。例えば、金属カチオンが2+の電荷を保有し、かつアミノ酸と金属の比が2:1であるキレート化学種の場合、ヒドロキシまたはアミノ基の各々は金属イオンに対する配位共有結合によって結合していると理解される。リガンドの数が金属イオンの電荷を上回る場合、例えば、二価の金属イオンの3:1キレートにおいては、電荷の釣り合いのために、電荷過剰のアミノ酸は典型的にはプロトン化状態のままであってよい。他方、金属イオンの正電荷がアミノ酸の数を上回る場合、電荷は別のアニオン、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸水素イオン、リン酸二水素イオンおよびその組み合わせの存在によって釣り合っていてよい。二価のアニオンも存在していてよい。代表的な実施態様では、金属キレートは2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を含む。

ミネラルは無機微量ミネラルであってもよい。適切な無機微量ミネラルは、例えば、金属硫酸塩、金属酸化物、金属炭酸塩、および金属ハロゲン化物を含む。非限定的例として、無機微量ミネラルは硫酸銅、酸化銅、塩化銅、または炭酸銅であってよい。あるいは、無機微量ミネラルは硫酸マンガン、塩化マンガン、または酸化マンガンであってよい。別の実施態様では、無機微量ミネラルは硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛、または炭酸亜鉛であってよい。さらに別の実施態様では、無機微量ミネラルは亜セレン酸ナトリウムまたはセレン酸ナトリウムであってよい。

適切な抗酸化剤は、限定されるものではないが、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノクソマー、n−アセチルシステイン、ベンジルイソチオシアネート、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸(PABA)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、β−カラオテン(caraotene)、β−アポ−カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えば、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−没食子酸塩、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、リンドウ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤカムガム(gum guaiacum)、ヘスペレチン、α−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、n−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米糠抽出物、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン;R−α−リポ酸、ルテイン、リコピン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、β−ナフトフラボン、ノルジヒドログアヤレト酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、フォスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメル(phytylubichromel)、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス−レスベラトロール、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリンガ酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわち、α−、β−、γ−およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわち、Ionox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−bi−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわち、Ionox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、tert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、またはその組み合わせを含む。

カルボン酸で構成される様々な有機酸が適切である。1つの実施態様では、有機酸は約1〜約25個の炭素原子を含有してよい。別の実施態様では、有機酸は約3〜約22個の炭素原子を有してよい。さらなる実施態様では、有機酸は約3〜約12個の炭素原子を含有してよい。さらに別の実施態様では、有機酸は約8〜約12個の炭素原子を含有してよい。さらに別の実施態様では、有機酸は約2〜約6個の炭素原子を含有してよい。適切な有機酸は、非限定的例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、クエン酸、フマル酸、ソルビン酸、ホウ酸、コハク酸、アジピン酸、グリコール酸、桂皮アルデヒド、およびグルタル酸を含む。

カルボン酸を含む有機酸の塩は、特定の実施態様にも適切である。代表的な適切な塩は、有機酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、および亜鉛塩を含む。1つの実施態様では、有機酸はギ酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。別の実施態様では、有機酸は酢酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸はプロピオン酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸はブタン酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸は安息香酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸は乳酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸はリンゴ酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸は酒石酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸はマンデル酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸はクエン酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸はフマル酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸はソルビン酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。別の実施態様では、有機酸はホウ酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸はコハク酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。別の実施態様では、有機酸はアジピン酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらに別の実施態様では、有機酸はグリコール酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。さらなる実施態様では、有機酸はグルタル酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、または亜鉛塩である。

あるいは、有機酸は置換カルボン酸で構成されていてよい。置換カルボン酸は、一般的にカルボン酸について上記で詳述した特徴と同一の特徴を有するが、ヒドロカルビル鎖は修飾されており、分岐状となっているか、環構造の一部となっているか、または他のいくつかの置換を含有する。1つの実施態様では、置換カルボン酸は1個以上の付加的カルボキシル基を含有してよい。飽和ジカルボン酸はマロン酸、コハク酸、グルタル酸、およびアジピン酸を含み、不飽和ジカルボン酸はマレイン酸およびフマル酸を含む。別の実施態様では、置換カルボン酸は1個以上のヒドロキシ基を含有してよい。α炭素、すなわちカルボキシル炭素に隣接した炭素上にヒドロキシ基を有する置換カルボン酸は、一般的にα−ヒドロキシカルボン酸と呼ばれる。適切なα−ヒドロキシカルボン酸の例は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、および酒石酸を含む。別の実施態様では、置換カルボン酸は1個以上のカルボニル基を含有してよい。さらに別の実施態様では、置換カルボン酸はα炭素上にアミノ基を含有してよく、すなわちα−アミノ酸であってよい。1つの実施態様では、α−アミノ酸は20種の標準アミノ酸またはその誘導体の1つであってよい。別の実施態様では、α−アミノ酸はアルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される必須α−アミノ酸であってよい。置換カルボン酸を含む有機酸の塩も特定の実施態様に適切である。代表的な適切な塩は置換カルボン酸を含む有機酸のアンモニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セレン、鉄、銅、および亜鉛塩を含む。

適切なPUFAは少なくとも18個の炭素原子および少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有し、一般的にシス立体配置の長鎖脂肪酸を含む。代表的な実施態様では、PUFAはオメガ脂肪酸である。PUFAは、第一の二重結合が炭素鎖のメチル末端(すなわち、カルボン酸基の反対側)から3番目の炭素−炭素結合に現れるオメガ−3脂肪酸であってよい。オメガ−3脂肪酸の適切な例は、オール−シス7,10,13−ヘキサデカトリエン酸;オール−シス−9,12,15−オクタデカトリエン酸(α−リノレン酸、ALA);オール−シス−6,9,12,15,−オクタデカテトラエン酸(ステアリドン酸);オール−シス−8,11,14,17−エイコサテトラエン酸(エイコサテトラエン酸);オール−シス−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸、EPA);オール−シス−7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸(クルパノドン酸、DPA);オール−シス−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(ドコサヘキサエン酸、DHA);オール−シス−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸;およびオール−シス−6,9,12,15,18,21−テトラコセン酸(ニシン酸)を含む。別の実施態様では、PUFAは第一の二重結合が炭素鎖のメチル末端から6番目の炭素−炭素結合に現れるオメガ−6脂肪酸であってよい。オメガ−6脂肪酸の例は、オール−シス−9,12−オクタデカジエン酸(リノール酸);オール−シス−6,9,12−オクタデカトリエン酸(γ−リノレン酸、GLA);オール−シス−11,14−エイコサジエン酸(エイコサジエン酸);オール−シス−8,11,14−エイコサトリエン酸(ジホモ−γ−リノレン酸、DGLA);オール−シス−5,8,11,14−エイコサテトラエン酸(アラキドン酸、AA);オール−シス−13,16−ドコサジエン酸(ドコサジエン酸);オール−シス−7,10,13,16−ドコサテトラエン酸(アドレン酸);およびオール−シス−4,7,10,13,16−ドコサペンタエン酸(ドコサペンタエン酸)を含む。さらに別の別の実施態様では、PUFAは第一の二重結合が炭素鎖のメチル末端から9番目の炭素−炭素結合に現れるオメガ−9脂肪酸、または少なくとも1組の二重結合が1個の単結合のみによって分離されている共役脂肪酸であってよい。オメガ−9脂肪酸の適切な例は、シス−9−オクタデセン酸(オレイン酸);シス−11−エイコセン酸(エイコセン酸);オール−シス−5,8,11−エイコサトリエン酸(ミード酸);シス−13−ドコセン酸(エルカ酸)、およびシス−15−テトラコセン酸(ネルボン酸)を含む。共役脂肪酸の例は、9Z,11E−オクタデカ−9,11−ジエン酸(ルーメン酸);10E,12Z−オクタデカ−9,11−ジエン酸;8E,10E,12Z−オクタデカトリエン酸(α−カレンジン酸);8E,10E,12E−オクタデカトリエン酸(β−カレンジン酸);8E,10Z,12E−オクタデカトリエン酸(ジャカル酸);9E,11E,13Z−オクタデカ−9,11,13−トリエン酸(α−エレオステアリン酸);9E,11E,13E−オクタデカ−9,11,13−トリエン酸(β−エレオステアリン酸);9Z,11Z,13E−オクタデカ−9,11,13−トリエン酸(カタルプ酸)、および9E,11Z,13E−オクタデカ−9,11,13−トリエン酸(プニカ酸)を含む。

プロバイオティクスおよびプレバイオティクスは、免疫保護性の第一胃または腸内細菌叢の確立を助ける酵母および細菌、ならびに小さなオリゴ糖を含んでよい。非限定的例として、酵母由来プロバイオティクスおよびプレバイオティクスは、酵母細胞壁由来成分、例えばβ−グルカン、アラビノキシラン イソマルトース、アガロオリゴ糖、ラクトスクロース、シクロデキストリン、ラクトース、フルクトオリゴ糖、ラミナリヘプタオース、ラクツロース、β−ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラフィノース、スタキオース、オリゴフルクトース、グルコシルスクロース、スクロース熱オリゴ糖(sucrose thermal oligosaccharide)、イソマルツロース、カラメル、イヌリン、およびキシロオリゴ糖を含む。代表的な実施態様では、酵母由来薬剤はβ−グルカンおよび/またはマンナンオリゴ糖であってよい。酵母細胞壁由来成分源は、サッカロミセス・ビスポラス(Saccharomyces bisporus)、サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)、サッカロミセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・カプサラリス(Saccharomyces capsularis)、サッカロミセス・デルブルエッキ(Saccharomyces delbrueckii)、サッカロミセス・フェルメンタティ(Saccharomyces fermentati)、サッカロミセス・ラグヴィギィ(Saccharomyces lugwigii)、サッカロミセス・ミクロエルリプソイデス(Saccharomyces microellipsoides)、サッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロミセス・ロゼイ(Saccharomyces rosei)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・クロアセア(Candida cloaceae)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・ユチリス(Candida utilis)、ゲオトリクム・カンジドゥム(Geotrichum candidum)、ハンセヌラ・アメリカーナ(Hansenula americana)、ハンセヌラ・アノマーラ(Hansenula anomala)、ハンセヌラ・ウィンゲイ(Hansenula wingei)、およびアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)を含む。

プロバイオティクスおよびプレバイオティクスは細菌細胞壁由来薬剤、例えばペプチドグリカンおよび高含量のペプチドグリカンを含むグラム陽性細菌に由来する他の成分も含んでよい。代表的グラム陽性細菌は、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ビフェドバクト・テルモフィルム(Bifedobact thermophilum)、ビフェドバト・ロングム(Bifedobat longhum)、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus faecium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidium)、プロピオニバクテリウム・アシディプロピオニシ(Propionibacterium acidipropionici)、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacteriium freudenreichii)、およびビフィドバクテリウム・プソイドロングム(Bifidobacterium pscudolongum)を含む。

本明細書で用いられている適切な薬草および薬草誘導体は、限定されるものではないが、薬草抽出物、ならびに植物および植物部位、例えば葉、花および根に由来する物質を指す。非限定的な代表的薬草および薬草誘導体は、キンミズヒキ、アルファルファ、アロエベラ、アマランス、アンゼリカ、アニス、メギ、バジル、ヤマモモ、蜂花粉、カバノキ、ビストート、ブラックベリー、ブラック・コホッシュ、クログルミ、オオアザミ、ブルー・コホッシュ、ブルー・バーべイン、ヒヨドリバナ、ルリジサ、ブッコ、クロウメモドキ、キランソウ、ゴボウ、トウガラシ、カイエン、キャラウェー、カスカラサグラダ、キャットニップ、セロリ、シマセンブリ、カモミール、シャパラル、ハコベ、チコリ、キナ(chinchona)、クローブ、フキタンポポ、コンフリー、トウモロコシの毛、シバムギ、ガマズミ、カルバーのルート、シアニ(cyani)、ヤグルマソウ、ダミアナ、タンポポ、デビルズクロー、トウキ、エキナセア、オオグルマ、マオウ、ユーカリ、月見草、コゴメグサ、ファルスユニコーン、ウイキョウ、コロハ、ゴマノハグサ、亜麻仁、ニンニク、リンドウ、ショウガ、朝鮮人参、ヒドラスチス、ゴツコーラ、グリンデリア、サンザシ、ホップ、ホアハウンド、セイヨウワサビ、ツクシ、ホショウー(hoshouwu)、アジサイ、ヒソップ、アイスランドゴケ、アイリッシュ・モス、ホホバ、ビャクシン、ケルプ、アツモリソウ、レモングラス、甘草、ロベリア、マンドレイク、マリーゴールド、マジョラム、ウスベニタチアオイ、ヤドリギ、モウズイカ、カラシナ、没薬、イラクサ、エンバクわら、ヒイラギナンテン、パパイヤ、パセリ、トケイソウ、モモ、メグサハッカ、ペパーミント、ニチニチソウ、オオバコ、ヤナギトウワタ、ヨウシュヤマゴボウ、アメリカサンショウ、サイリウム、ニガキ、セイヨウナツユキソウ、アカツメクサ、レッド・ラズベリー、レドモンド・クレイ(redmond clay)、ダイオウ、ローズヒップ、ローズマリー、ルー、ベニバナ、サフラン、セージ、セイヨウオトギリソウ、サルサパリラ、サッサフラス、ノコギリヤシ、スカルキャップ、セネガ、センナ、ナズナ、アカニレ、スペアミント、スパイクナード、スクワバイン、スティリンジア(stillingia)、イチゴ、タヒーボ、タイム、ウヴァウルシ、カノコソウ、スミレ、オランダガラシ、ホワイトオークバーク、ホワイトパインバーク、セイヨウミザクラ、野生種のレタス、自然薯、ヤナギ、ウィンターグリーン、マンサク、カッコウチョロギ、ヨモギ、ノコギリソウ、イエロードック、イエルバ・サンタ、ユッカ、およびその組み合わせを含む。

適切な非限定的色素は、アクチニオエリトリン、アリザリン、アロキサンチン、β−アポ−2'−カロテナール、アポ−2−リコペナール、アポ−6'−リコペナール、アスタセイン(astacein)、アスタキサンチン、アザフリンアルデヒド(azafrinaldehyde)、バクテリオルベリン(aacterioruberin)、アイシン(aixin)、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、β−カロテノン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、シトラナキサンチン、シトロキサンチン、クロセチン、クロセチンセミアルデヒド、クロシン、クルスタキサンチン、クリプトカプシン、α−クリプトキサンチン、β−クリプトキサンチン、クリプトモナキサンチン(cryptomonaxanthin)、シンチアキサンチン、デカプレノキサンチン、デヒドロアドニルビン(dehydroadonirubin)、ジアジノキサンチン、1,4−ジアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、2,2'−ジケトスピリロキサンチン、エッショルツキサンチン、エッショルツキサントン、フレキシキサンチン、フォリアクロム(foliachrome)、フコキサンチン、ガザニアキサンチン、ヘキサヒドロリコピン、ホプキンシアキサンチン、ヒドロキシスフェリオデノン(hydroxyspheriodenone)、イソフコキサンチン、ロロキサンチン、ルテイン、ルテオキサンチン、リコピン、リコペルセン、リコキサンチン、モリンドン、ムタトキサンチン、ネオクロム、ネオキサンチン、ノナプレノキサンチン、OH−クロロバクテン、オケノン、オシラキサンチン、パラセントロン、ペクテノロン、ペクテノキサンチン、ペリジニン、フレイキサントフィル、フォエニコノン、フォエニコプテロン、フォエニコキサンチン、フィサリエン、フィトフルエン、ピロキサンチニノール、キノン、ロドピン、ロドピナール、ロドピノール、ロドビブリン、ロドキサンチン、ルビキサントン、サプロキサンチン、セミ−α−カロテノン、セミ−β−カロテノン、シンタキサンチン、シホナキサンチン、シホネイン、スフェロイデン、タンゲラキサンチン、トルラロジン、トルラロジンメチルエステル、トルラロジンアルデヒド、トルレン、1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン、トリファシアキサンチン、トロリクロム、バウケリアキサンチン、ビオラキサンチン、ワミンゴン(wamingone)、キサンチン、ゼアキサンチン、α−ゼアカロテン、およびその組み合わせを含む。

適切な非限定的な医薬的に許容される薬剤は、酸/アルカリに不安定な薬物、pH依存性薬物、または弱酸または弱塩基である薬物を含む。酸に不安定な薬物の例は、スタチン(例えば、プラバスタチン、フルバスタチンおよびアトルバスタチン)、抗生物質(例えば、ペニシリンG、アンピシリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシン)、ヌクレオシド類似体[例えば、ジデオキシイノシン(ddIまたはジダノシン)、ジデオキシアデノシン(ddA)、ジデオキシシトシン(ddC)]、サリチル酸塩(例えば、アスピリン)、ジゴキシン、ブプロピオン、パンクレアチン、ミダゾラム、ならびにメタドンを含む。酸性pHでのみ可溶性の薬物は、ニフェジピン、エモナプリド、ニカルジピン、アモスラロール、ノスカピン、プロパフェノン、キニーネ、ジピリダモール、ジョサマイシン、ジレバロール、ラベタロール、エニソプロスト、およびメトロニダゾールを含む。弱酸である薬物は、フェノバルビタール、フェニトイン、ジドブジン(AZT)、サリチル酸塩(例えば、アスピリン)、プロピオン酸化合物(例えば、イブプロフェン)、インドール誘導体(例えば、インドメタシン)、フェナム酸化合物(例えば、メクロフェナム酸)、ピロールアルカン酸化合物(例えば、トルメチン)、セファロスポリン(例えば、セファロチン、セファレキシン(cephalaxin)、セファゾリン、セフラジン、セファピリン、セファマンドール、およびセフォキシチン)、6−フルオロキノロン、ならびにプロスタグランジンを含む。弱塩基である薬物は、アドレナリン作動薬(例えば、エフェドリン、デスオキシエフェドリン、フェニレフリン、エピネフリン、サルブタモール、およびテルブタリン)、コリン作動薬(例えば、フィゾスチグミンおよびネオスチグミン)、鎮痙剤(例えば、アトロピン、メタンテリン、およびパパベリン)、クラーレ様薬剤(例えば、クロリソンダミン)、精神安定剤ならびに筋弛緩剤(例えば、フルフェナジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、およびトリフルプロマジン)、抗うつ剤(例えば、アミトリプチリンおよびノルトリプチリン)、抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、トリペレナミン、ペルフェナジン、クロルプロフェナジン、およびクロルプロフェンピリダミン)、心臓作用薬(例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、ガラポミル(gallapomil)、シンナリジン、プロプラノロール、メトプロロールおよびナドロール)、抗マラリア剤(例えば、クロロキン)、鎮痛剤(例えば、プロポキシフェンおよびメペリジン)、抗真菌剤(例えば、ケトコナゾールおよびイトラコナゾール)、抗菌剤(例えば、セフポドキシム、プロキセチル、およびエノキサシン)、カフェイン、テオフィリン、ならびにモルヒネを含む。別の実施態様では、薬物は、骨粗鬆症を治療するために用いられるビスホスホネート(biphosphonate)または別の薬物であってよい。ビスホスホネート(biphosphonate)の非限定的例は、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、エチドロネート、クロドロネート、およびチルドロネートを含む。他の適切な薬物は、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERMs)、および副甲状腺ホルモン(PTH)薬物を含む。さらに別の実施態様では、薬物は抗菌剤であってよい。適切な抗生物質は、アミノグリコシド系(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、およびトブラマイシン)、カルベセフェム(carbecephems)系(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム系(例えば、セルタペネム(certapenem)、イミペネム、およびメロペネム)、セファロスポリン系(例えば、セファドロキシル セファゾリン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セファレキシン、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、およびセフトリアキソン)、マクロライド系(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、およびトロレアンドマイシン)、モノバクタム、ペニシリン系(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、およびチカルシリン)、ポリペプチド系(例えば、バシトラシン、コリスチン、およびポリミキシンB)、キノロン系(例えば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、およびトロバフロキサシン)、スルホンアミド系(例えば、マフェニド、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、およびトリメトプリム−スルファメトキサゾール)、ならびにテトラサイクリン系(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、およびオキシテトラサイクリン)を含む。別の実施態様では、薬物は抗ウイルスプロテアーゼ阻害剤(例えば、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル/リトナビル、リトナビル、サキナビル、およびネルフィナビル)であってよい。さらに別の実施態様では、薬物は心血管治療薬であってよい。適切な心血管治療薬の例は、強心薬(例えば、ジギタリス(ジゴキシン)、ユビデカレノン、およびドーパミン)、血管拡張剤(例えば、ニトログリセリン、カプトプリル、ジヒドララジン、ジルチアゼム、および二硝酸イソソルビド)、降圧剤(例えば、α−メチルドパ、クロルタリドン、レセルピン、シロシンゴピン、レシナミン、プラゾシン、フェントラミン、フェロジピン、プロパノロール、ピンドロール、ラベタロール、クロニジン、カプトプリル、エナラプリル、およびリシノプリル(lisonopril))、β遮断薬(例えば、レボブノロール、ピンドロール、マレイン酸チモロール、ビソプロロール、カルベジロール、およびブトキサミン)、α遮断薬(例えば、ドキサゾシン、プラゾシン、フェノキシベンザミン、フェントラミン、タムスロシン、アルフゾシン、およびテラゾシン)、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、アムロジピン、フェロジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ベラパミル、ガロパミル、およびジルチアゼム)、および抗凝固剤(例えば、ジピリダモール(dipyrimadole))を含む。

医薬製剤および栄養製剤に通常用いられる様々な賦形剤は、上記されているいずれかの薬剤と共に利用されてよい。適切な賦形剤の非限定的例は、非発泡性崩壊剤、着色剤、香味変性剤、口腔内分散剤、安定剤、防腐剤、希釈剤、圧縮剤、滑沢剤、充填剤、結合剤、矯味剤、発泡性崩壊剤、およびこれらの薬剤のいずれかの組み合わせからなる群から選択される薬剤を含む。

(V)ポリマー 本発明の別の態様は、式(XX):

[式中、 R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である] を有する繰り返し単位を含むポリマーを包含する。

それゆえ、本明細書に開示されているポリマーの繰り返し単位は、式(II)または(V)の環状ダイマー化合物に由来する。様々な実施態様では、R2、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは、上記セクション(I)で詳述しているように変化してよい。例えば、R2、R4、R5、R6、およびR7は、存在する場合、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、置換アルキル、置換アリール、および置換アルキルアリールから独立して選択されてよい。

いくつかの実施態様では、R1は(CR8R9)mYR10R11を含み、かつ、ポリマーの繰り返し単位は式(XXa):

[式中: R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、およびR10は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R7およびR11は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; YおよびZは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択され;かつ nおよびmは>1の整数である] を含む。

R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、Y、Z、nおよびmの各々は、上記セクション(I)に記載されているように変化してよい。様々な実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9は水素であり、nおよびmは独立して1〜10の範囲にあり;ZおよびYは硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから独立して選択される。いくつかの反復では、R6およびR10は低級アルキルであり、かつ、R7およびR11は、存在する場合、独立して水素または低級アルキルである。代表的な実施態様では、R2、R3、R4、R5、R8およびR9の各々は水素であり、nおよびmは共に2であり、ZおよびYは共に硫黄であり、R6およびR10は共にメチルであり、かつ、R7およびR11はいずれも存在しない。

代表的な実施態様では、繰り返し単位は式(XXV):

[式中: pは1より大きな整数であり; ただしpが4未満である場合、該ポリマーは約1.3未満の多分散指数を有する] を含む。

式(XX)、(XXa)、および(XXV)を有する繰り返し単位を含むポリマーは、様々な平均分子量を有してよい。様々な実施態様では、ポリマーは約200〜約2,000Da、約2,000〜約5,000Da、約5,000〜約10,000Da、約10,000〜約30,000、約30,000〜約60,000Da、約60,000〜約100,000Da、約100,000〜約150,000Da、約150,000〜約300,000Da、約300,000〜約600,000Da、約600,000〜約1,000,000Da、約1,000,000〜約2,000,000Da、約2,000,000〜約5,000,000Da、または約5,000,000Daを超える範囲の平均分子量であってよい。

本明細書に開示されているポリマーは、一般的に狭いモル質量分布を有する。多分散指数(PDI)は、Mw/Mnと等しく、一般的に約1.8未満である。いくつかの実施態様では、PDIは約1.7未満、約1.6未満、約1.5未満、約1.4未満、約1.3未満、約1.2未満、または約1.1未満である。代表的な実施態様では、ポリマーは約1.3未満のPDIを有する。

本明細書に開示されているポリマーは、本質的にモノマーまたはモノマーの断片を含有しない。モノマーは、上記セクション(I)で詳述している式(II)または(V)を含む化合物であってよい。特定の実施態様では、ホモポリマーのモノマー含量は、モノマーの約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、または約0.5%未満であってよい。

本明細書に開示されているポリマーは、直鎖状、環状、分岐状のポリマーまたはコポリマーであってよい(下記参照)。分岐状ポリマーは、限定されるものではないが、星型ポリマー、櫛形ポリマー、ブラシポリマー、デンドリマー、デンドロナイズドポリマー、およびラダーポリマーを含む。光学的に純粋なモノマーから製造されるポリマーは、結晶性または半結晶性であってよい。

式(XX)、(XXa)、または(XXV)を有する繰り返し単位を含むポリマーは、1組の条件下で1組の性質を有してよく、異なる条件下で異なる組の性質を有してよい。いくつかの実施態様では、本明細書で提供されるホモポリマーは、中性付近のpH下の水溶液中で安定であってよい。他の実施態様では、本明細書で提供されるホモポリマーは、約6.0未満、約5.0未満、約3.0未満、約2.0未満、または約1.0未満のpH値の水溶液中で加水分解してよい。

一般に、本明細書に開示されているポリマーの繰り返し単位は、少なくとも1個のキラル中心を有する。特に、カルボニル単位に隣接したα炭素はキラルであってよい。R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、Y、およびZのアイデンティティーに依存して、繰り返し単位はさらにキラル中心を有してよい。各キラル中心はRまたはS立体配置を有してよい。繰り返し単位が式(XXVI)を含む実施態様では、各繰り返し単位は2個のキラル炭素を有する。それゆえ、各繰り返し単位は、RR、RS、SR、またはSS立体配置を有してよい。

(a)ホモポリマー いくつかの実施態様では、上記で詳述しているポリマーはホモポリマーであってよい。すなわち、各繰り返し単位は、ポリマーの全長を通じて同一であってよい。

いくつかの実施態様では、ホモポリマーは式(XXI):

[式中: Rは水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され; Xは酸素および窒素から選択され; nは>1の整数であり;かつ pは1より大きな整数である] を含む。

様々な実施態様では、Rは水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、置換アルキル、置換アリール、または置換アルキルアリールであってよい。いくつかの実施態様では、Rはアルキルであってよい。他の実施態様では、Rはポリエチレンオキシド、ポリプロピレン・オキシド、ポリビニルアルコール、または別のポリマーであってよい。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z、およびnは、上記セクション(I)に記載されているように変化してよい。

1つの実施態様では、上記で詳述しているように、R1は(CR8R9)mYR10R11を含み、かつ、繰り返し単位は式(XXa)を含むポリマーを含む。

1つの代表的な実施態様では、ポリマーは式(XXV):

[式中: Rは水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Xは酸素および窒素から選択され;かつ pは1より大きな整数であり; ただしpが4未満である場合、該ポリマーは約1.3未満の多分散指数を有する] を含む。

式(XXVI)を含むポリマーのいくつかの実施態様では、Xは酸素であり、かつ、RはC1〜C20アルキルである。式(XXVI)を含むポリマーの他の実施態様では、XRはアミンであってよい。

(b)コポリマー いくつかの実施態様では、上記で詳述しているポリマーは少なくとも1個の第二の繰り返しをさらに含んでよい。すなわち、ポリマーは、式(XX)を含む第一の繰り返し単位および少なくとも1個の第二の繰り返し単位を含むコポリマーである。

この実施態様のいくつかの反復では、第二の繰り返し単位も式(XX)を含むが、しかしながら、第二の繰り返し単位は、少なくとも1個の位置で、式(XX)を含む第一の繰り返し単位と異なって置換されている。

他の反復では、第二の繰り返し単位は、アクリレート、アミノアクリレート、アルキレンスクシネート、アルキレンオキサレート、アミド、アミノ酸、無水物、アリレート、炭酸塩、セルロース、カプロラクトン、シアノアクリレート、環状エーテル、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキサノン、エーテルエーテルケトン、エチレングリコール、フマル酸塩、ヒドロキシルアルカノエート、ヒドロキシエステル、イミド、ケタール、ラクチド、ラクトン、メタクリレート、メチルオレフィン、オルトエステル、ホスファジン、スチレン、テレフタラート、テトラヒドロフラン トリメチレンカーボネート、ウレタン、酢酸ビニル、ビニルケトン、ハロゲン化ビニル、前記物質のいずれかの誘導体、またはその混合物であってよい。特定の実施態様では、第二の繰り返し単位は、ラクチド、ラクトン、ラクタム、ヒドロキシルアルカノエート、ヒドロキシルエステル、環状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサノン、またはその混合物であってよい。代表的な実施態様では、第二の繰り返し単位はラクチドおよびエチレンオキシドから選択されてよい。1つの代表的な実施態様では、第一の繰り返し単位は式(XXVI)を含み、かつ、第二の繰り返し単位はラクチドである。別の代表的な実施態様では、第一の繰り返し単位は式(XXV)を含み、かつ、第二の繰り返し単位はエチレンオキシドである。

第一の繰り返し単位と第二の繰り返し単位の重量比は、コポリマーの所望の性質に依存して変化してよい。いくつかの態様では、式(XX)を含む第一の繰り返し単位と第二の繰り返し単位の重量比は、約99.9:0.1〜約0.1:99.9の範囲であってよい。様々な実施態様では、式(XX)を含む第一の繰り返し単位と第二の繰り返し単位の重量比は、約99:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、5:95、または1:99重量%であってよい。同様に、組み合わせが3個以上の繰り返し単位を含む実施態様では、各化合物の量は変化してよく、変化するであろう。

様々な実施態様では、コポリマーは約200〜約2,000Da、約2,000〜約5,000Da、約5,000〜約10,000Da、約10,000〜約30,000、約30,000〜約60,000Da、約60,000〜約100,000Da、約100,000〜約150,000Da、約150,000〜約300,000Da、約300,000〜約600,000Da、約600,000〜約1,000,000Da、約1,000,000〜約2,000,000Da、約2,000,000〜約5,000,000Da、または約5,000,000Daを超える範囲の平均分子量であってよい。

本明細書に開示されているコポリマーは、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、線状コポリマー、グラフトコポリマー、または分岐コポリマーであってよい。適切な分岐コポリマーは、星型ポリマー、AB2星型ポリマー、パームツリーABnポリマー、H型B2AB2ポリマー、ダンベルポリマー、星型ブロックABnポリマー、星型AnBnポリマー、櫛型ポリマー、ブラシポリマー、デンドリマー、デンドロナイズドポリマー、およびラダーポリマーなどを含む。コポリマーは結晶性または半結晶性であってよい。

(VI)重合工程 本開示のさらなる態様は、上記セクション(V)で詳述しているポリマーの製造方法を提供する。

セクション(V)で詳述しているポリマーは、触媒の存在下で式(II)を含む複数の化合物を接触させ、式(XX)を含む繰り返し単位を含むホモポリマーを製造する工程によって製造されてよい。式(II)を含む化合物および式(XX)を含む繰り返し単位は、以下の構造を有する:

[式中: R1、R2、R3、R4、およびR5は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから独立して選択され; R6は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; R7は場合によって存在し、存在する場合、水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルから選択され; Zは窒素、硫黄、スルホン、スルホキシド、およびセレンから選択され;かつ nは>1の整数である]。

R1、R2、R4、R5、R6、R7、Z、およびnの各々は、上記セクション(I)に記載されているのと同様に選択されてよい。いくつかの実施態様では、R1は(CR8R9)mYR10R11を含み、ここでR8、R9、R10、R11、Y、およびmはセクション(I)に記載されているのと同様に選択されてよい。

代表的な実施態様では、反応化合物は式(V)を含み、かつ、ポリマーの繰り返し単位は式(XXVI)を含む:

製造方法は、重合を促進するために適切な開環条件下、式(II)または式(V)を含む複数の化合物を接触させる工程を含む。一般に、重合反応は触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、限定されるものではないが、オクタン酸スズ(II)(オクタン酸第一スズ)、アルミニウム(III)イソプロポキシド、乳酸亜鉛(II)、イットリウム錯体、ビス−およびトリスアリールスズ錯体、ヘテロ二金属鉄(II)錯体、架橋−ビフェノレートリガンドを含むチタン錯体、カチオン性アルミニウム錯体、およびピリジン触媒などを含む。代表的な実施態様では、触媒はオクタン酸第一スズであってよい。

反応に用いられる触媒の量は変化してよく、変化するであろう。一般に、触媒の量は、式(II)または式(V)を含む化合物の量の約0.001wt%〜式(II)または式(V)を含む化合物の約2wt%の範囲であってよい。いくつかの実施態様では、触媒は、2wt%未満、1wt%未満、または0.1wt%未満の量で添加されてよい。より好ましくは、触媒は、式(IIb)を含む化合物に対して約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.10mol%の重量パーセンテージで反応に提供されてよい。

反応は溶媒の存在下で実施されてよい。あるいは、反応は未希釈で実施されてよい。溶媒が反応混合物に含まれた実施態様では、溶媒の選択は式(II)または式(V)を含む化合物のアイデンティティーに依存するであろう。適切な溶媒の例は、上記セクション(IIa)で詳述している。代表的な実施態様では、溶媒はトルエンであってよい。反応混合物に添加される溶媒の量は変化してよく、変化するであろう。典型的には、溶媒と式(II)または式(V)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜約100:1の範囲であってよい。様々な実施態様では、溶媒と式(II)または式(V)を含む化合物の重量/重量比は、約1:1〜5:1、約5:1〜約20:1、約20:1〜約40:1、約40:1〜約80:1、または約80:1〜約100:1の範囲であってよい。

反応混合物は、開環開始剤をさらに含んでよい。開始剤は、少なくとも1個のヒドロキシル基および/またはアミン基を含むいずれかの化合物(すなわち、小分子またはポリマー)であってよい。適切な開始剤は、水、アルコール、ポリオール(例えば、グリセロール、糖アルコールなど) ヒドロキシル基を含むポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン・オキシド、ポリビニルアルコール)、グリコール、ポリグリコール、および低分子量の第一級または第二級アミンを含む。代表的な実施態様では、開始剤は水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールなどであってよい。

重合反応の温度は変化してよい。一般に、反応は約100℃〜約200℃の範囲の温度で実施される。様々な実施態様では、反応の温度は約100℃〜約120℃、約120℃〜約140℃、約140℃〜約160℃、または約160℃〜約200℃の範囲であってよい。代表的な実施態様では、反応の温度は約140℃、約160℃、またはその間のいずれかの温度であってよい。一般に、反応は不活性雰囲気下で実施される。例えば、反応は窒素下、アルゴン下、または別の不活性ガス下で実施されてよい。

反応の持続時間は変化してよく、変化するであろう。一般に、反応の持続時間は約1時間〜約3日間の範囲であってよい。様々な実施態様では、反応の持続時間は約1〜5時間、約5〜10時間、約10〜18時間、約18〜24時間、約24〜約30時間、約30〜約40時間、または約40時間〜約60時間の範囲であってよい。

いくつかの実施態様では、ポリマーは押し出し法によって製造されてよい。一般的に、押し出し法は、反応混合物を押し出し機に入れ、混合物を加熱および剪断することを含む。一般的に、剪断工程は装置を通して行い、開口部を通して加熱されたポリマーを押し出す。押し出し機はいずれかの市販の押し出し機から選択されてよく、混合物をスクリュー要素で機械的に剪断する一軸スクリュー押し出し機または好ましくは二軸スクリュー押し出し機であってよい。

一般に、実質的に全ての式(II)または式(V)を含む化合物は、ポリマーに重合および変換される。様々な実施態様では、式(II)または式(V)を含む化合物の変換は、約90%超、約95%超、約98%超、または約99%超であってよい。一般に、ポリマーは実質的にモノマー(すなわち、式(IIb)または式(V)を含む化合物)を含まない。

得られたポリマーは、サイズ排除クロマトグラフィー、HPLC、イオン交換クロマトグラフィー、他の種類のクロマトグラフィー、沈殿、および/または結晶化を含む当該技術分野で周知の手段を用いて反応混合物から単離および/または精製されてよい。

セクション(V)(b)で詳述しているコポリマーは、重合工程の間、式(II)または式(V)を含む複数の化合物と、複数の少なくとも1個の付加的種類のモノマーを接触させる工程によって製造されてよい。付加的モノマーは、式(II)または式(V)を含む化合物と同時に添加されてよく、式(II)または式(V)を含む化合物の後に添加されてよく、または式(II)または式(V)を含む化合物と交互に添加されてよい。当業者であれば、製造されうる多くの異なる種類のコポリマーを考慮して、多くのバリエーションが可能であることを理解できるであろう。

付加的モノマーは、アクリレート、アミノアクリレート、アルキレンスクシネート、アルキレンオキサレート、アミド、アミノ酸、無水物、アリレート、炭酸塩、セルロース、カプロラクトン、カプロラクタム、シアノアクリレート、環状エーテル、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキサノン、エーテルエーテルケトン、エチレングリコール、フマル酸塩、ヒドロキシアルカノエート、ヒドロキシエステル、イミド、ケタール、ラクチド、ラクトン、メタクリレート、メチルオレフィン、オルトエステル、ホスファジン、スチレン、テレフタラート、テトラフラン、トリメチレンカーボネート、ウレタン、酢酸ビニル、ビニルケトン、ハロゲン化ビニル、その誘導体、異性体、および混合物から選択されてよい。

付加的モノマーと式(II)または式(V)を含む化合物の比は、約99.9:0.1〜約0.1:99.9重量%の範囲であってよい。例えば、付加的モノマーは、式(II)または式(V)を含む化合物と、99:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、5:95、または1:99重量%の比で提供されてよい。同様に、組み合わせが3個以上のモノマーを含む実施態様では、各モノマーの量は変化してよく、変化するであろう。

(VII)用途 上記セクション(V)で詳述したポリマーは、様々な用途に用いることができる。適切な用途の非限定的例は、可塑剤、加工助剤、接着剤、コーティング、ラッカー、フィルム、乳化剤、抗酸化剤、抗菌剤、防食剤、栄養剤、または飼料添加物を含む。様々な実施態様では、本明細書に開示されているポリマーは、包装材料(例えば、ごみ袋、生分解性袋、買い物袋、ラッピング、食品容器、フィルムラッピング、ラミネート紙、ビン)、消費財(例えば、ファーストフード・テーブルウェア、容器、鶏卵箱、レイザー・ハンドル、歯ブラシ、ペン、カートリッジ、玩具)、使い捨ての不織布(例えば、人工織物;おむつ用裏地、外科用ガウン、およびドレープなど)、化粧品、パーソナルケア製品、ホームケア製品、医療用途(例えば、薬物送達、組織工学用の足場、医療用装具、創傷被覆材、縫合、骨置換、骨折の固定、靱帯の固定、軟骨修復、半月板修復、医療機器、ステント、整形外科/外科用材料(例えば、スクリュー、ピン、およびプラグなど)、止血装置、センサー装置)、および農業用途(例えば、マルチフィルム、プランター)に用いることができる。

(VIII)ポリマー組成物 さらに別の態様では、本開示はポリマー組成物を包含する。いくつかの実施態様では、ポリマー組成物は、セクション(V)に記載されている第一のポリマーおよび少なくとも1個の付加的ポリマーを含み、ポリマーブレンドを形成する。本明細書で用いられているブレンドは、2個以上の異なるポリマーの肉眼で均一または混和性の混合物であり、特定の最終用途の要件を満たすよう組成物を調整することによって製造される。

様々な実施態様では、付加的ポリマーは結晶性および半結晶性ポリマーから選択されてよい。適切なポリマーの例は、限定されるものではないが、アクリレート、アミノアクリレート、アルキレンスクシネート、アルキレンオキサレート、アミド、アミノ酸、無水物、アリレート、炭酸塩、セルロース、カプロラクトン、シアノアクリレート、環状エーテル、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキサノン、エーテルエーテルケトン、エチレングリコール、フマル酸塩、ヒドロキシアルカノエート、ヒドロキシエステル、イミド、ケタール、ラクチド、ラクトン、メタクリレート、メチルオレフィン、オルトエステル、ホスファジン、スチレン、テレフタラート、テトラフラン、トリメチレンカーボネート、ウレタン、酢酸ビニル、ビニルケトン、ハロゲン化ビニル、誘導体、異性体、およびその混合物のポリマーである。代表的な実施態様では、第二のポリマーはポリ(ラクチド)、ポリ(エチルセルロース)、およびポリビニルアルコールから選択されてよい。

付加的ポリマーの分子量は変化してよい。いくつかの実施態様では、付加的ポリマーは約500Da〜1,000,000Daを超える範囲であってよい。いくつかの実施態様では、付加的ポリマーの分子量は約2,000Da、10,000Da、20,000Da、30,000Da、40,000Da、50,000Da、60,000Da、70,000Da、80,000Da、90,000Da、100,000Da、500,000Da、1,000,000Daであってよく、またはこれらの値のいずれか2つの間でこれらの値を含む範囲であってよい。付加的ポリマーは、重量−平均分子量によって特徴づけられてよい。いくつかの態様では、ブレンドに用いられる付加的ポリマーの重量−平均分子量は、少なくとも500Daであってよい。他の態様では、付加的ポリマーの重量−平均分子量は約1,000Da〜約1,000,000Daであってよい。

セクション(V)で詳述している第一のポリマーおよび付加的ポリマーの量は、組み合わせの所望の性質に依存してよい。いくつかの態様では、第一のポリマーと付加的ポリマーの重量比は、約99.9:0.1〜約0.1:99.9重量%の範囲であってよい。様々な実施態様では、第一のポリマーと付加的ポリマーの重量比は、約99:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、5:95、または1:99重量%であってよい。いくつかの実施態様では、ブレンドは2個以上の付加的ポリマーを含む。組み合わせが2個以上の付加的ポリマーを含む実施態様では、各ポリマーの量は変化してよく、変化するであろう。

他の実施態様では、ポリマー組成物は、セクション(V)から選択されるポリマーおよび以下の1個以上から選択される少なくとも1個の付加的薬剤を含む飼料組成物であってよい:炭水化物、脂肪、タンパク質、アミノ酸、およびαヒドロキシ酸。炭水化物、脂肪、タンパク質、アミノ酸、およびαヒドロキシ酸の適切な源は、上記セクション(IV)(a)で詳述している。さらに他の実施態様では、ポリマー組成物は、セクション(V)から選択されるポリマーならびに少なくとも1個の栄養剤および/または医薬品を含んでよい。適切な栄養剤および医薬品は、上記セクション(IV)(b)で詳述している。

定義 本明細書に記載されている実施態様の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1個以上の要素があること意味することを意図している。用語「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」および「〜を有する」は、包含的であり、記載されている要素以外の付加的要素があってよいことを意味することを意図している。

本明細書に記載されている化合物は、不斉中心を有する。非対称的に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体に単離されてよい。特定の立体化学または異性体が具体的に示されていない限り、構造の全てのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体および全ての幾何異性体を意図している。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「アシル」は、有機カルボン酸のCOOH基からヒドロキシル基を除去することによって形成される部分、例えば、RC(O)−(式中、RはR1、R1O−、R1R2N−、またはR1S−であり、R1はヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビル、またはヘテロシクロであり、かつ、R2は水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルである)を意味する。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「アシルオキシ」は、酸素結合(O)を通じて結合している上記アシル基、例えばRC(O)O−(式中、Rは用語「アシル」に関して定義した通りである)を意味する。

本明細書で用いられている用語「アリル」は、単純なアリル基(CH2=CH-CH2−)を含有する化合物のみならず、置換アリル基または環系の一部を形成するアリル基を含有する化合物も指す。

本明細書で用いられている用語「アルキル」は、好ましくは主鎖内に1〜8個の炭素原子、最大20個の炭素原子を含有する低級アルキルである基を記載している。それらは直鎖もしくは分岐鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、およびヘキシルなどを含む。

本明細書で用いられている用語「アルケニル」は、好ましくは主鎖内に2〜8個の炭素原子、最大20個の炭素原子を含有する低級アルケニルである基を記載している。それらは直鎖もしくは分岐鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、およびヘキセニルなどを含む。

本明細書で用いられている用語「アルコキシド」または「アルコキシ」は、アルコールの共役塩基である。アルコールは直鎖、分岐鎖、または環状であってよく、アリールオキシ化合物を含む。

本明細書で用いられている用語「アルキニル」は、好ましくは主鎖内に2〜8個の炭素原子、最大20個の炭素原子を含有する低級アルキニルである基を記載している。それらは直鎖または分岐鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、およびヘキシニルなどを含む。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「芳香族」は、非局在化電子を含む、置換されていてもよいホモ−またはヘテロ環式共役平面環または環系を意味する。これらの芳香族基は、好ましくは環部分に5〜14個の原子を含有する単環式(例えば、フランまたはベンゼン)、二環式、または三環式基である。用語「芳香族」は、以下で定義する「アリール」基を包含する。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「アリール」または「Ar」は、置換されていてもよいホモ環式芳香族基、好ましくは環部分に6〜10個の炭素を含有する単環式または二環式基、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニル、または置換ナフチルを意味する。

用語「コポリマー」は、2個以上の異なる繰り返し単位を含有するポリマーを指す。

本明細書で用いられている用語「結晶性ポリマー」は、特徴的または規則的三次元パッキングを有するポリマーを指す。

用語「濃縮」は、全てのキラル中心がαまたはβになる等しい可能性を有する場合の統計分布を超える量を意味する。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「炭素環(carbocyclo)」または「炭素環式(carbocyclic)」は、環内の全ての原子が炭素であり、好ましくは各環内に5または6個の炭素原子を有する、置換されていてもよい芳香族または非芳香族の、ホモ環式環または環系を意味する。代表的置換基は、以下の基の1個以上を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、炭素環(carbocyclo)、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシル、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。

本明細書で用いられている用語「エポキシ」または「エポキシド」は、環状エーテルを意味する。環構造は、一般的に環内に2〜5個の炭素原子を含む。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「ハロゲン」または「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素を指す。

用語「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を指す。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「ヘテロ芳香族」は、少なくとも1個の環内に少なくとも1個のヘテロ原子、および好ましくは各環内に5または6個の原子を有する置換されていてもよい芳香族基を意味する。ヘテロ芳香族基は、好ましくは環内に1または2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、かつ、炭素を通じて分子の残部に結合している。代表的な基は、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、およびイミダゾピリジルなどを含む。代表的置換基は以下の基の1個以上を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、炭素環(carbocyclo)、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシル、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。

単独または別の基の一部として本明細書で用いられている用語「ヘテロシクロ」または「ヘテロ環式」は、少なくとも1個の環内に少なくとも1個のヘテロ原子、および好ましくは各環内に5または6個の原子を有する、置換されていてもよい、完全飽和または不飽和の、単環式または二環式、芳香族または非芳香族基を意味する。ヘテロシクロ基は、好ましくは環内に1または2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、かつ、炭素またはヘテロ原子を通じて分子の残部に結合している。代表的ヘテロシクロ基は、上記ヘテロ芳香族を含む。代表的置換基は、以下の基の1個以上を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、炭素環(carbocyclo)、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシル、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオ。

用語「ホモポリマー」は、1種類の繰り返し単位を含有するポリマーを指す。

本明細書で用いられている用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、炭素および水素元素のみからなる有機化合物またはラジカルを記載している。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を含む。これらの部分は、他の脂肪族または環状炭化水素基、例えばアルカリール(alkaryl)、アルケンアリール(alkenaryl)、およびアルキンアリール(alkynaryl)で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分も含む。別段の記載がない限り、これらの部分は好ましくは1〜20個の炭素原子を含む。

本明細書で用いられている用語「保護基」は、特定の部分を保護することができる基を意味し、保護基は分子の残部を妨害することなく保護が利用される反応の後で除去されてよい。様々な保護基およびその合成は、"Protective Groups in Organic Synthesis" by T.W. Greene and P.G.M. Wuts, John Wiley & Sons, 1999に見ることができる。

本明細書で用いられている用語「半結晶性ポリマー」は、上記のような「結晶性」領域、および規則的な三次元構造へのパッキングを有さない非結晶領域の両方の領域を有するポリマーを指す。

本明細書に記載されている「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素以外の少なくとも1個の原子で置換されているヒドロカルビル部分、例えば炭素鎖原子がヘテロ原子、例えば窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、またはハロゲン原子などで置換されている部分、および炭素鎖が付加的置換基を含む部分を含む。これらの置換基は、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、炭素環(carbocyclo)、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシル、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロ、およびチオを含む。

本発明は詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく修正およびバリエーションが可能であることは明らかであろう。

以下の実施例は、本発明の様々な実施態様を説明するものである。

実施例1:3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの製造 環状ダイマー3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンは、以下の反応スキームにしたがって製造した:

524.6gのAlimet(登録商標)(88%の2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸(HMTBa))のトルエン(14054g)溶液を、触媒のp−トルエンスルホン酸一水和物(21.1g)で処理した。反応フラスコにDean Starkトラップおよび冷却器を取り付けた。反応を110℃まで加熱し、およそ95mLの水を約5時間かけて収集した。5時間後、反応を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで2回、および水で2回洗浄した。次いで、トルエンを減圧除去した。高真空下で残渣を乾固した。次いで固体残渣に300mLのメチルt−ブチルエーテルを添加し、固体を50℃で溶解した。溶液を周囲温度まで冷却し、次いで2〜4℃まで冷却し、結晶化した。溶液を周囲温度まで温め、固体を濾取し、最小限のメチルt−ブチルエーテルで洗浄した。固体を高真空乾燥し、91.4g(22mol)のオフホワイト固体を得た。LC/MSはラセミ混合物(2ピーク)を示し、いずれもM+H=265、M+Na=287を有した。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d、ラセミ混合物) ppm2.07−2.16(m,6H),2.21−2.46(m,4H),2.65−2.83(m,4H),5.17−5.32(m,2H)。TLC(25%酢酸エチル/ヘプタン) rf:0.16。

実施例2.2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸の蒸留 フラスコ中、11gのHMTBaおよび11mLの濃HClを添加した。混合物を90℃まで1時間加熱した。混合物を冷却し、次いでポット温度が100℃に達するまで5〜10Torrで1.25時間濃縮した。室温まで冷却後、一定分量の反応混合物をHPLCによって分析した。図1Aに示しているクロマトグラムは、反応混合物中のHMTBaのモノマー、ダイマー、トリマー、およびテトラマーの存在を証明している。反応混合物中に環状ダイマーが存在しないことを確認するために、本質的に実施例1に記載されているように製造された一定分量の環状ダイマーをHPLCに付した(反応混合物の分析で用いられたものと同一のパラメーターを用いる)。図1Bは、環状ダイマークロマトグラムをHMTBaオリゴマークロマトグラムに重ねたものを示している。この分析は、環状ダイマーがHMTBaオリゴマーと異なる溶出時間を有することを証明した。

実施例3.2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタン酸の共沸蒸留 フラスコ中、精製HMTBaおよびキシレンを添加した(酸は存在していない)。混合物を加熱し、4〜6時間の共沸蒸留によって水を除去した。室温まで冷却後、一定分量の反応混合物をHPLCによって分析した。図2Aに示しているように、サンプルはHMTBaのモノマー、ダイマー、トリマー、およびテトラマーを含有したが、環状ダイマーは含有しなかった。これを確認するために、本質的に実施例1に記載されているように製造された一定分量の環状ダイマーをHPLCに付した(反応混合物の分析に用いられたものと同一のパラメーターを用いる)。図2Bは、環状ダイマークロマトグラムをHMTBaオリゴマークロマトグラムに重ねたものを示している。この分析は、環状ダイマーがHMTBaオリゴマーと異なる溶出時間を有することを証明した。

実施例4.ジアステレオマーの分離 Alimet(登録商標)とp−トルエンスルホン酸を実施例1に記載されているように反応させた。一定分量(4.7g)の得られた固体をキラルクロマトグラフィー(Chiralpak IAカラム、70:30のヘキサン:THF、25℃で溶出、UV検出220nm)に付し、3個の異なるジアステレオマーのサンプルを得た。サンプルは表6に詳述している。

(−)−3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン 315mgの#1を10mLのメチルt−ブチルエーテルに懸濁し、次いで濾過し、高真空下で乾燥し、235mgの#1を98.7%の純度(HPLC)で得た。αD25(c=1.042、CH2Cl2):−250.212。LCMS MH+ 265、M+Na 287。

(+)−3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン 309mgの#2を10mLのメチルt−ブチルエーテルに懸濁し、次いで濾過し、高真空下で乾燥し、190mgの#2を>99%の純度(HPLC)で得た。αD25(c=1.037、CH2Cl2):+250.263。LCMS MH+ 265、M+Na 287。

(メソ)−3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン 420mgの#3を10mLのメチルt−ブチルエーテルに懸濁し、次いで濾過し、高真空下で乾燥し、250mgの#3を96%の純度(HPLC)で得た。αD25(c=1.036、CH2Cl2):=0°(ラセミ体)。LCMS MH+ 265、M+Na 287。

実施例5.3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンの重合 25mLのフラスコに実施例1で記載したように製造された1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンおよび攪拌子を入れ、次いでこのフラスコを1.5時間真空にした。次いで、0.15mLの触媒溶液(第一スズオクトエートのトルエン溶液、7.63mM)をフラスコに注入し、窒素を満たした。混合物の温度を140℃で48時間制御した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリマーの分析は、数平均モル質量(Mn)が3470g/molであることを証明した。(Mn=Σni/Σni/Mi)。多分散指数(PDI)は1.26であった。(PDI=Mw/Mn;Mw=質量平均モル質量=ΣniMi/Σni)。

実施例6.重合試験2 25mLのフラスコに1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンおよび攪拌子を入れ、次いでこのフラスコを1.5時間真空にした。次いで、0.15mLの触媒溶液(第一スズオクトエートのトルエン溶液、7.63mM)をフラスコに注入し、窒素を満たし、次いで2.5mgの1−オクタノールを添加した。混合物の温度を140℃で48時間制御した。得られたポリマーの分析は、2620g/molのMnおよび1.5のPDIを有することを証明した。

実施例7.重合試験3 25mLのフラスコに磁気攪拌子および1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空オーブン中にて30℃で3日間乾燥した。モノマーを真空ラインにて室温でさらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、0.15mLの触媒(第一スズオクトエートのトルエン溶液、7.63mM)を添加した。重合の温度を160℃で48時間制御した。ポリマーの分析は、Mnが4700g/molであり、PDIが1.46であることを証明した。

実施例8.重合試験4 25mLのフラスコに磁気攪拌子および1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空オーブン中にて30℃で3日間乾燥した。モノマーを真空ラインにて室温でさらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、0.15mLの触媒(第一スズオクトエートのトルエン溶液、7.63mM)および3.25mgのオクタノールを添加した。重合の温度を160℃で48時間制御した。GPC分析は、ポリマーが3500g/molのMn、および1.69のPDIを有することを証明した。

実施例9.重合試験5 25mLのフラスコに磁気攪拌子および1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空オーブン中にて50℃で一晩乾燥した。モノマーを真空ラインにて室温で1時間さらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、4.5mgの第一スズオクトエートを添加した。重合の温度を140℃まで徐々に上げ(ramped to)、28時間制御した。分析は、ポリマーのMnは8600g/molであり、PDIは1.27であることを証明した。ポリマーの構造は、1H−NMRによって分析した。図3はNMRスペクトルを示している。

実施例10.重合試験6 25mLのフラスコに磁気攪拌子および1.5グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空ポンプによって50℃で数日間乾燥した。モノマーを真空ラインにて室温で1時間さらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、3mgの第一スズオクトエートを添加した。重合の温度を140℃まで徐々に上げ(ramped to)、22時間制御した。GPC分析は、ポリマーのMnは3.3×104g/molであり、PDIは1.22であることを証明した。光散乱検出器を備えたGPC(GPC−LS)は、Mnが8.8×104g/molであり、PDIは1.34であることを証明した。

実施例11.重合試験7 25mLのシュレンク反応管に磁気攪拌子および10.24グラムの3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、50℃で数日間、完全に真空乾燥した。モノマーを真空ラインにて58℃で2時間さらに乾燥した。反応器に乾燥N2を満たした後、9mgの第一スズオクトエートを添加した。重合の温度を140℃まで徐々に上げ(ramped to)、21時間制御した。GPC分析は、6.3×104g/molのMnを証明し、PDIが1.52であることを証明した。GPC−LS分析は、Mnが1.1×105g/molであり、PDIが1.36であることを証明した。

実施例12.重合試験8 500mLのシュレンク反応フラスコに120グラムの乾燥3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空ラインにて60℃で2.5時間さらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、0.1mLの第一スズオクトエートおよび19mLのオクタノールを注入し、モノマーの開環重合を開始した。混合物を140℃まで加熱し、保温した(thermostated)。反応を2.5時間継続した。N2保護下で容器に反応混合物を注ぐことによってポリマーを回収した。モノマーの変換は98%であった。GPC分析は、ポリマーのMnは1.3×103g/molであり、PDIは1.2であることを証明した。

実施例13.開環重合の動態研究 500mLのシュレンク反応フラスコに122グラムの乾燥3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンを入れ、真空ラインにて53〜60℃で1時間さらに乾燥した。フラスコに乾燥N2を満たした後、0.1mLの第一スズオクトエートを注入し、モノマーの開環重合を触媒した。混合物を140℃まで加熱し、保温した(thermostated)。反応を23.5時間継続した。反応時間の特定の間隔で、一定分量を除去し、GPCによって分子量を分析した。様々な時点でのGPCクロマトグラムは図4に示している。N2保護下で容器に反応混合物を注ぐことによって、最終ポリマーを回収した。モノマーの変換は96.1%であった。ポリマーのMnは4.35×104g/molであり、PDIは1.58であった。

実施例14.3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオンから形成されたポリマーの脱重合 第一に、ポリマーは、3.5gの環状ダイマー(3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン)をシュレンク反応フラスコに入れ、次いで0.15mLのオクタノールおよび5滴の第一スズオクトエート(〜15mg)を注入することによって形成される。反応混合物を140℃まで加熱し、反応を24時間進行させる。一定分量の混合物をサンプリングし、環状ダイマーのポリマーへの変換を95wt%と決定した(最終混合物中の環状ダイマーの濃度は5%であった)(図5を参照のこと)。

熱分解工程のために、反応器に蒸留装置を備え付けた。混合物の温度を200℃まで上げ、真空(〜500mTorr)にした。蒸留を2時間継続した。一定分量の蒸留した反応混合物および留出物をHPLCによって分析した(それぞれ図6および図7を参照のこと)。HMTBaおよび環状ダイマー(3,6−ビス(2−メチルチオ)エチル−1,4−ジオキサン−2,5ジオン)の両方が留出物中に検出された。反応ポット中の混合物をGPCによって分析し、環状ダイマーの濃度を8.8%と決定した。留出物中の環状ダイマーの濃度の増加およびHMTBAの存在は、熱分解工程の間にポリマーがモノマーに分解したことを強く示唆するものである。

実施例15.ポリマーの脱重合 ポリマーは、3.0gの環状ダイマーをシュレンク反応フラスコに入れ、次いで5滴の第一スズオクトエート(〜15mg)を注入することによって形成される。反応混合物を140℃まで加熱し、22時間反応させた。一定分量の混合物をサンプリングし、環状ダイマーのポリマーへの変換を97%と決定した。

熱分解工程のために、反応器に冷却器を備え付け、真空(200〜500mTorr)に接続した。混合物の温度を200℃まで上げ、2.5時間維持した。最終反応混合物をGPCによって分析し、混合物中の環状ダイマーの濃度が7.0%であることが分かった。

実施例16.HMTBaから形成されたポリマーの脱重合 重縮合によって製造された4.0gのHMTBaのオリゴマー(Mn=1.0×103g/mol)をフラスコに添加し、オリゴマーを真空中、60℃で一晩乾燥した。オリゴマーを140℃で1時間加熱した(さらに重合した)。その後、フラスコを冷却し、約15mgのスズ触媒を添加した。フラスコをクーゲルロール(Kugelrohr)に移し、200℃で2時間、真空下(500mTorr〜1Torr)でオリゴマーを脱重合した。留出物を収集した。フラスコ中の留出物および混合物の両方をHPLCおよびGPCによって分析した。留出物はHPLCによる90.7%の純度、収率0.62グラムの環状ダイマーを有した。反応混合物中の環状ダイマー濃度は4.3%であった。この反応における環状ダイマー収率の推定は18%であった。留出物のHPLCスペクトルは図8に示している。

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