Thermally decomposable polymer

申请号 JP2004503532 申请日 2003-05-07 公开(公告)号 JP4457183B2 公开(公告)日 2010-04-28
申请人 独立行政法人科学技術振興機構; 发明人 環 中野;
摘要
权利要求
  • 下記構造式1で表されるジベンゾフルベンを、酸素雰囲気下で重合させてなることを特徴とする熱分解性ポリマー;
    但し、Arはベンゼン環、R 、R は、水素、 直鎖アルキル基、−OR、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−NRR'、−SR、ハロゲン、NO 及び下記の基から選択される基(但し、R及びR'はH、又 はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基である)である。 また、R 及びR は、それぞれ置換基として2〜4個導入されても良い。 この場合の各R 又はR は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。
    R''及びR'''はH又 はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基であり、R''とR'''は同一でも異なっていても良い。
    及びR は、水素、 メチル基、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−CN、又はエステル基、Xは単結合である。
  • 前記ポリマーの熱分解温度が20〜200℃である、請求項1に記載された熱分解性ポリマー。
  • 下記構造式1で表されるモノマーを重合させる熱分解性ポリマーの製造方法であって、前記重合を酸素の存在下で行わせることを特徴とする熱分解性ポリマーの製造方法。
    構造式1.
    但し、Arはベンゼン環、R 、R は、水素、 直鎖アルキル基、−OR、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−NRR'、−SR、ハロゲン、NO 及び下記の基から選択される基(但し、R及びR'はH、又 はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基である)である。 また、R 及びR は、それぞれ置換基として2〜4個導入されても良い。 この場合の各R 又はR は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。
    R''及びR'''はH又 はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基であり、R''とR'''は同一でも異なっていても良い。
    及びR は、水素、 メチル基、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−CN、又はエステル基、Xは単結合である。
  • 前記重合を空気雰囲気下で行う、請求項3に記載された熱分解性ポリマーの製造方法。
  • 前記重合時に200〜800nmの光を照射する、請求項3に記載された熱分解性ポリマーの製造方法。
  • 構造式1におけるR が、H、CH 又はCNである、請求項3に記載された熱分解性ポリマーの製造方法。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は加熱により容易に分子量が低下する熱分解性ポリマーに関し、特に、ポリマー主鎖中に酸素原子を取り込みながら重合を進行させることにより得られる、高分子ラジカル重合開始剤のようなラジカル発生剤、または、再剥離性接着剤のようなリサイクルの為に好適な熱分解性ポリマー及びその製造方法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    中野、第48回高分子討論会予稿集、48,(7),1279(1999)にあるように、ジベンゾフルベンが重合しポリマーが得られることは知られていた。 しかしながら、この場合には嫌気性雰囲気下で重合がなされるので、本発明の場合のように主鎖に酸素原子を取り込みながら重合が進行するということはなく、従って、得られたポリマーは加熱によって容易に分解するということはなかった。 一方、廃棄容易性やリサイクル容易性の観点から、或は高分子ラジカル重合開始剤という観点から、加熱によって容易に分子量が低下したり、接着が低下する熱分解性ポリマーが近年注目されている。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0003】
    本発明者は、偶然、ジベンゾフルベンの重合を酸素の存在下で行ったところ、得られたポリマーが熱分解性ポリマーとなることを見出し、本発明に到達した。
    従って本発明の目的は、加熱によって容易に分子量が低下する熱分解性ポリマーを提供することにある。
    【課題を解決するための手段】
    【0004】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の上記の目的は、構造式1で表されるジベンゾフルベンを、酸素雰囲気下で重合させてなることを特徴とする熱分解性ポリマーによって達成された。
    構造式1

    但し、Arはベンゼン環、R

    、R

    は、素、

    直鎖アルキル基、−OR、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−NRR、−SR、ハロゲン、NO

    及び下記の基から選択される基(但し、R及びR'はH、又

    はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基である)である。 また、R

    及びR

    は、それぞれ置換基として2〜4個導入されても良い。 この場合の各R

    又はR

    は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。


    R''及びR'''はH、又

    はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基であり、R''とR'''は同一でも異なっていても良い。


    及びR

    は、水素、

    メチル基、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−CN、又はエステル基、Xは単結合である。


    【0005】


    【発明を実施するための最良の形態】


    本発明の熱分解性ポリマーの原料モノマーは、下記構造式1で表される。


    構造式1


    但し、Arはベンゼン環、R

    、R

    は、水素、

    直鎖アルキル基、−OR、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−NRR、−SR、ハロゲン、NO

    及び下記の基から選択される基(但し、R及びR'はH、又

    はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基である)である。 また、R

    及びR

    は、それぞれ置換基として2〜4個導入されても良い。 この場合の各R

    又はR

    は、それぞれ同一であっても異なっていても良い。


    R''及びR'''はH、又

    はベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基であり、R''とR'''は同一でも異なっていても良い。


    【0006】


    及びR

    は、水素、

    メチル基、ベンゼン核をもつ(縮合環中にもってもよい)炭素環式基、−CN、又はエステル基、Xは単結合である。


    【0007】


    前記構造式1における、好ましいR

    、R

    、R

    及びR

    の組み合わせは、下記のようなものである。


    1)R

    :H、R

    :H、R

    :H、R

    :H、CH

    、またはCN


    2)R

    及びR

    :アルキル基、R

    及びR

    :H、CH

    、またはCN


    3)R

    及びR

    :直鎖アルキル基、R

    及びR

    :H、CH

    、またはCN


    4)R

    及びR

    :NO

    、R

    及びR

    :H、CH

    、またはCN


    5)R

    及びR

    :NH

    、R

    及びR

    :H、CH

    、またはCN


    【0008】


    本発明においては、上記モノマーを用い、酸素又は酸素含有雰囲気下、好ましくは空気雰囲気下で、モノマーを固相で反応させるか、溶媒中に酸素を溶解した条件下でモノマーを反応させることが好ましい。 また、反応時に光照射をする事が好ましい。 このとき照射する光は、200nmから800nmの波長の光であることが好ましく、特に200nmから400nmの波長の光が好ましい。


    【0009】


    上記の重合反応時における酸素濃度や光強度、若しくは反応時間等を制御することによってポリマーの重合度を調整したり、熱分解温度を制御することが出来る。 このようにして得られるポリマーの熱分解温度は、20℃から200℃であることが好ましい。


    以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。


    【0010】


    <ジベンゾフルベン(DBF)の合成>


    9−ヒドロキシメチルフルオレン10gとKOH1gをメタノール90mlに溶解し、60℃で1時間反応させた後、メタノールを揮発させた。 得られた固体をヘキサンと水を用いて抽出分離した後ヘキサン相が中性になるまで水で洗浄し、フィルターで濾過した。 次いでヘキサン相のみを分離し、ヘキサンを揮発させた。 得られた固体をヘキサン−ジエチルエーテルの混合溶媒(4/6 v/v)から再結晶させた。 このようにして得られたジベンゾフルベンの融点は50−52℃であった。


    【実施例1】


    【0011】


    (ポリマーの合成:固相)


    先に合成したジベンゾフルベンのヘキサン溶液をエバポレーターで濃縮し、0.976gのジベンゾフルベンを得た。 この固体を乾燥して空気中に24時間放置したところ、クロロホルムに不溶のポリマーを69mg、クロロホルムに可溶でヘキサンに不溶のポリマーを326mg得た。 クロロホルムに可溶のポリマーのTOF−MASSスペクトル、ラマンスペクトル(第1図)、赤外吸収スペクトル図(第2図)及びNMRスペクトルを測定したところ、このポリマーは酸素原子を含んでいることが明らかになった。 NMRスペクトルには3.5ppm付近および4ppm付近に−O−O−基に隣接するメチレン基水素に基づく吸収が観測された(図3)。 元素分析の結果、DBF1単位に対し、酸素原子が1.7個含まれていることがわかった。 また、クロロホルム不溶のポリマーの組成は、DBF1単位に対して酸素原子が1.4個となった。


    【0012】


    クロロホルム可溶ポリマーの数平均分子量を、ポリスチレン標準試料で作成した検量線を使用してGPCで求めたところ4640となり、GPC−MALLSを用いて決定した数平均分子量は16,000、分子量分布は2.17であった。 この固体状態のポリマーを100℃で1時間加熱し数平均分子量を測定したところ、2900(GPC:ポリスチレン換算)となった。 又、175℃で1時間加熱した場合には、数平均分子量が300に減少した。


    【0013】


    一方、クロロホルム不溶のポリマーを175℃で同様に処理すると数平均分子量が300の可溶ポリマーが一部生成した。 尚、クロロホルム不溶ポリマーのラマンスペクトル図及び赤外吸収スペクトル図は第4図及び第5図に示した通りであり、−O−O−基の存在が確認された。 また、比較のためのフルオレンのラマンスペクトルは第6図に示した通りである。


    【実施例2】


    【0014】


    (ポリマー

    合成:液相)


    先に合成したジベンゾフルベン(0.525g)のヘキサン溶液13.3g(濃度は4重量%)に30秒間空気を吹き込んだところ、白色沈殿が生成した。 この溶液を引き続き空気中で96時間放置したところ、クロロホルムに可溶でヘキサンに不溶のポリマーを189mg得た。 得られたポリマーのNMRスペクトルは実施例1で得られたポリマーと同じパターンを持ち、3.5ppm付近および4ppm付近に−O−O−基に隣接するメチレン基の水素に基づく吸収が観測された(第7図)。 GPC−MALLSの測定から、このポリマーの数平均分子量は17,000で分子量分布は1.51であることがわかった。 この、固体状態のポリマーを100℃で1時間加熱した後数平均分子量を測定すると、2800(GPC:ポリスチレン換算)に減少した。 また、175℃で1時間加熱した場合には、数平均分子量は300に減少した。 クロロホルム不溶のポリマーを175℃で同様に処理すると、数平均分子量が300の可溶ポリマーが部分的に生成した。


    【実施例3】


    【0015】


    先に合成したジベンゾフルベン(0.505g)のヘキサン溶液13.0g(濃度は4重量%)に30秒間空気を吹き込んだところ、白色沈殿が生成した。 この溶液に365nmの紫外線を2mw/cm

    で24時間照射したところ、クロロホルムに可溶でヘキサンに不溶のポリマーを423mg得た。 このポリマーのNMRスペクトルは実施例1で得られたポリマーと同じパターンを持ち、3.5ppm付近および4ppm付近に−O−O−基に隣接するメチレン基水素に基づく吸収が観測された(図3)。 GPC−MALLSの測定により、このポリマーの数平均分子量は20,000で分子量分布は1.45であることがわかった。 この固体状態のポリマーを100℃で1時間加熱して数平均分子量を測定すると、2000(GPC:ポリスチレン換算)であった。 また、175℃で1時間加熱した場合には、数平均分子量は300に減少した。


    一方、クロロホルム不溶のポリマーを175℃で同様に処理すると、数平均分子量が300の可溶ポリマーが部分的に生成した。


    【0016】


    比較例1.


    先に得られたジベンゾフルベン0.5mモルを30分間真空乾燥した後、蒸留、脱気したTHF3mlに溶解し、0.025mモルの重合開始剤n−BuLiを用い、−78℃で24時間反応させた。 メタノール2mlを加えて反応を停止させた後、ヘキサン不溶分を遠心分離により取り出した。 クロロホルムに可溶のポリマーのTOF−MASSスペクトル、及びNMRスペクトルを測定したところ、このポリマーは酸素原子を含んでいないことが明らかになった(図4)。 元素分析の結果、DBFの1単位に対し、酸素原子の含有量が0.001個以下であることがわかった。 また、クロロホルムに不溶のポリマーの組成は、DBFの1単位に対し、酸素原子の含有量が0.001個以下であった。


    【0017】


    クロロホルム可溶ポリマーの数平均分子量を、ポリスチレン標準試料を用いて作成した検量線を使用してGPCで求めたところ、800となり、GPC−MALLSを用いて決定した数平均分子量は2000、分子量分布は1.2であった。 この固体状態のポリマーを100℃で1時間加熱し、数平均分子量を測定したところ変化は見られなかった。 175℃で1時間加熱しても分子量に変化は見られなかった。


    同様に、クロロホルム不溶のポリマーを、175℃で同様に処理しても可溶分は生成しなかった。


    【産業上の利用可能性】


    【0018】


    本発明のポリマーは加熱によって容易に分子量が低下するので高分子ラジカル重合開始剤として使用することが可能である上、廃棄が容易である。 特に、接着剤として使用した場合には、加熱によって接着力が低下し、再剥離が容易となるので、被接着物をリサイクルし易くなるという効果も生じる。


    【図面の簡単な説明】


    【0019】


    【第1図】 実施例1で得られたポリマーのうち、クロロホルム可溶部のラマンスペクトル図である。


    【第2図】 実施例1で得られたポリマーのうち、クロロホルム可溶部の赤外吸収スペクトル図である。


    【第3図】 実施例1で得られたポリマーのうち、クロロホルム可溶部のNMRスペクトル図である。


    【第4図】 実施例1で得られたポリマーのうち、クロロホルム不溶部のラマンスペクトル図である。


    【第5図】 実施例1で得られたポリマーのうち、クロロホルム不溶部の赤外吸収スペクトル図である。


    【第6図】 比較のためのフルオレンのラマンスペクトル図である。


    【第7図】 実施例2で得られたポリマーのうち、クロロホルム可溶部のNMRスペクトル図である。


    【第8図】 実施例3で得られたポリマーのうち、クロロホルム可溶部のNMRスペクトル図である。


    【第9図】 比較例1で得られたポリマーのNMRスペクトル図である。

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