Rigid polymer

申请号 JP51249990 申请日 1990-08-10 公开(公告)号 JP3078011B2 公开(公告)日 2000-08-21
申请人 マックスデム インコーポレイテッド; 发明人 レイモンド ギャグニ,ロバート; スティーブン トリマー,マーク; ルイス,ザ サード マロッコ,マシュー;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】(a)パラフェニレン、パラビフェニレン、パラターフェニレン、1,4−ナフタレン、1,4−アントラセン、9,10−アントラセン及び2,5−ピリジンから成る群より選ばれる有機モノマー単位少なくとも25個から成る剛直性主鎖であって、前記モノマー単位が炭素−
    炭素共有結合により互いに連結されており、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行である剛直性主鎖、及び (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものであり、ポリフルオロアリール、スルホンアミド、アリールエステル、アルキルエステル、スルホネートエステル、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルケトン、アリールケトン及びアミド(但し、アルキルアミド、アリールアミド及びポリアミドを除く)から成る群から選ばれる複数個の可溶化有機側基、から成る線状ポリマーであって、前記有機モノマー単位自体または前記有機モノマー単位と前記可溶化有機側基はモノマー繰り返し単位を構成し、当該ポリマーおよびその出発物質が共通溶媒系に可溶なものである線状ポリマー。
  • 【請求項2】可溶化有機側基の各々の分子量が15より大きい請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項3】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ(パラ−ベンゾイルモルホリン)構造を有するホモポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項4】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ(パラ−ベンゾイルピペリジン)構造を有するポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項5】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン)
    構造を有するホモポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項6】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ(パラ−ベンゼンスルホニルモルホリン)構造を有するホモポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項7】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ(パラ−ベンゼンスルフォニルピペリジン)
    構造を有するホモポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項8】モノマー繰り返し単位が、 (式中、 は可溶化有機側基である。 ) であるポリ(パラ−ビー2,2′−ベンゾイルモルホリン)構造を有するホモポリマーである請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項9】少なくとも1.2dl/gの固有粘度を有する請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項10】ポリマー主鎖が少なくとも100個の有機モノマー単位を有し、且つ、少なくとも1.8dl/gの固有粘度を有する請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項11】(a)パラフェニレン、パラビフェニレン、パラターフェニレン、2,6−ナフチレン、2,6−アントラセニル、9,10−アントラセニル、2,6−キノリン、
    2,6−キナゾレン、パラフェニレン2,2′−ベンゾビスチアゾール、パラフェニレン−N,N′−ベンゾビスイミダゾール、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,4−アントラセニル、1,10−アントラセニル、1,5−アントラセニル及び2,5−ピリジニルから成る群より選ばれる有機モノマー単位少なくとも100個から成る剛直性主鎖であって、前記モノマー単位が共有結合により互いに連結されており、前記結合の95%が実質的に互いに平行である剛直性主鎖、及び (b)前記主鎖のモノマー単位の少なくとも1%に結合している可溶化有機側基であって、少なくとも300の平均分子量を有する可溶化有機側基(但し、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、アルキルアミド、
    アリールアミド及びポリアミドを除く)、 から成り、少なくとも1.8dl/gの固有粘度を有する線状ポリマー。
  • 【請求項12】(a)炭素−炭素共有結合により互いに連結されている複数のパラフェニレンモノマー単位から成る主鎖であって、前記結合の少なくとも99%が実質的に平行である主鎖、および (b)前記主鎖のモノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものである複数個の可溶化有機側基(但し、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、アルキルアミド、アリールアミド及びポリアミドを除く)、から成り、少なくとも1.2dl/gの固有粘度を有する線状ポリマーであって、
    当該ポリマーおよびそのモノマー出発物質が共通溶媒系に可溶である線状ポリマー。
  • 【請求項13】(a)炭素−炭素共有結合により互いに連結されている少なくとも25個のパラフェニレンモノマー単位から成る主鎖であって、前記結合の少なくとも95
    %が実質的に平行である主鎖、および (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものである複数個の可溶化有機側基(但し、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、アルキルアミド、アリールアミド及びポリアミドを除く)、 から成り、少なくとも、1.8dl/gの固有粘度を有する線状ポリマーであって、当該ポリマーおよびそのモノマー出発物質が共通溶媒系に可溶である線状ポリマー。
  • 【請求項14】(a)炭素−炭素共有結合により互いに連結されている複数のアリーレンモノマー単位から成る剛性クランクシャフト状主鎖であって、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行である主鎖、および (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものである複数個の可溶化有機側基(但し、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、アルキルアミド、アリールアミド及びポリアミドを除く)、 から成り、少なくとも1.2dl/gの固有粘度を有する線状ポリマーであって、当該ポリマーおよびそのモノマー出発物質が共通溶媒系に可溶である線状ポリマー。
  • 【請求項15】主鎖が、1,5−ナフタレン、2,6−ナフチレン、1,5−アントラセン、2,6−アントラセン、1,10−
    アントラセン、2,6−キノリン及び2,6−キナゾレンから成る群から選ばれる複数の有機モノマー単位より成る請求項14記載の線状ポリマー。
  • 【請求項16】共有結合により互いに結合した有機モノマー単位の鎖より成る剛直性ポリパラフェニレン主鎖を有し、少なくとも1.2dl/gの固有粘度を有し、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行であり、可溶化有機側基が前記モノマー単位に結合している可溶性線状ポリマーを製造する方法であって、下記式IC,II C,III C,VII
    IC,IX C,XII C,XIV C,ID,II D,III D,VIII D,IX D,XI
    DおよびXIV D: により表されるモノマーから成る群から選ばれる置換パラ−ジハロベンゼン型モノマーを、遷移金属により触媒される還元−脱ハロゲン化重合条件下、25〜100℃の温度で前記モノマーおよび生成するポリマーが互いに可溶な無水溶媒系中で処理され、触媒混合物を含む前記溶媒系が無水ニッケル化合物、トリアリールホスフィン及び二座テトラアリールビスホスフィンからなる群から選ばれるリガンド、およびプロモーター塩添加物を含み、マンガン、マグネシウム及び亜鉛から成る群から選ばれる少なくとも1当量の還元性金属が前記溶媒系に加えられ、前記溶媒系が活性触媒種に対して不活性な保護雰囲気下にある方法。
  • 【請求項17】共有結合により互いに結合した有機モノマー単位の鎖より成る剛性クランクシャフト状ポリアリーレン主鎖を有し、少なくとも1.2dl/gの固有粘度を有し、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行であり、
    可溶化有機側基が前記モノマー単位に結合している可溶性線状ポリマーを製造する方法であって、下記式VI C,V
    II C,XC,XI C,XIII C,XV C,XVI C,VI D,VII D,XD,XI
    D,XIII D,XV DおよびXVI D: により表されるモノマーから成る群から選ばれる置換ジハロアレーン型モノマーを、遷移金属により触媒される還元−脱ハロゲン化重合条件下、25〜10℃の温度で前記モノマーおよび生成するポリマーが互いに可溶な無水溶媒系中で処理され、触媒混合物を含む前記溶媒系が無水ニッケル化合物、トリアリールホスフィン及び二座テトラアリールビスホスフィンからなる群から選ばれるリガンド、およびプロモーター塩添加物を含み、マンガン、
    マグネシウム及び亜鉛から成る群から選ばれる少なくとも1当量の還元性金属が前記溶媒系に加えられ、前記溶媒系が活性触媒種に対して不活性な保護雰囲気下にある方法。
  • 【請求項18】無水ニッケル化合物が二塩化ニッケル無水物であり、リガンドがトリフェニルホスフィンであり、プロモーター塩が沃化ナトリウムであり、還元性金属が亜鉛粉末であり、不活性雰囲気下で無水N−メチルピロリジノン中で50℃で重合が行われ、置換ジハロベンゼンモノマーと二塩化ニッケル無水物とのモル比が10:1
    〜5000:1である請求項16記載の方法。
  • 【請求項19】可溶化有機側基が、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアリール、アルコキシ、アリールオキシまたはポリフルオロアルコキシであり、重合溶媒が相当量の芳香族化合物あるいはエーテルよりなる請求項16
    記載の方法。
  • 【請求項20】可溶化有機側基が、アルキルアミド、アリールアミド、スルホンアミド、アルキルエステル、アリールエステル、アルキルケトン、アリールケトン、スルホネートエステル、アルキルスルホンまたはアリールスルホンであり、重合溶媒が25より大きい比誘電率および3.0デバイより大きい双極子モーメントを有する相当量の無水非プロトン性溶媒から成る芳香族化合物あるいはエーテルよりなる請求項16記載の方法。
  • 【請求項21】無水ニッケル錯体が1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−(エタン)であり、リガンドがトリフェニルホスフィンである請求項16記載の方法。
  • 【請求項22】置換ジハロベンゼンモノマーが2,5−ジクロロベンゾイル−モルホリン、2,5−ジクロロベンゾイルピペリジン、2,5−ジクロロ−N,N−ジメチルベンズアミド、及び4,4′−ジハロ−ビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)から成る群から選ばれる請求項16記載の方法。
  • 【請求項23】アリレーンが、1,5−ナフタリン、2,6−
    ナフチレン、1,5−アントラセン、2,6−アントラセン、
    1,10−アントラセン、2,6−キノリン及び2,6−キナゾレンから成る群から選ばれる請求項17記載の方法。
  • 【請求項24】有機側基が300を超える分子量を有する請求項1記載の線状ポリマーを含む分子コンポジットであって、前記線状ポリマーがコイル状のマトリックス樹脂中に混合されており、前記コイル状マトリックス樹脂が前記線状ポリマーを取り囲むことができる程度に十分にフレキシブルであり、さらに応力によって伸びることができるポリマーである分子コンポジット。
  • 【請求項25】可溶化有機側基が、フェニル、ナフチル、アントラシル、ポリフェニレン、ヘキサデシルオキシ、C 22アルキル基、ヒドロキシ、アミノ、繰り返し単位が、 下記式: により表される基、および繰り返し単位が下記式: により表される基から成る群から選ばれる請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項26】パラービ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)とパラフェニレンのコポリマーとして同定される請求項1記載の線状ポリマー。
  • 【請求項27】請求項1記載の線状ポリマーを製造する方法であって、下記式IC,II C,III C,VIII C,XI C,XII
    C,XIV C,ID,II D,III D,VIII D,XI D,XII DおよびXIV
    D: により表されるモノマーから成る群から選ばれる置換パラ−ジハロベンゼン型モノマーを、遷移金属により触媒される還元−脱ハロゲン化重合条件下、25〜100℃の温度で前記モノマーおよび生成するポリマーが互いに可溶な無水溶媒系中で処理され、触媒混合物を含む前記溶媒系が無水ニッケル化合物、トリアリールホスフィン及び二座テトラアリールビスホスフィンからなる群から選ばれるリガンド、およびプロモーター塩添加物を含み、マンガン、マグネシウム及び亜鉛から成る群から選ばれる少なくとも1当量の還元性金属が前記溶媒系に加えられ、前記溶媒系が活性触媒種に対して不活性な保護雰囲気下にある方法。
  • 【請求項28】溶媒系が25より大きい比誘電率を有する極性非プロトン性溶媒を含む請求項27記載の方法。
  • 【請求項29】溶媒系が3デバイより大きい双極子モーメントを有する極性非プロトン性溶媒を含む請求項27記載の方法。
  • 【請求項30】溶媒系が25より大きい比誘電率および3
    デバイより大きい双極子モーメントを有する極性非プロトン性溶媒を含む請求項27記載の方法。
  • 【請求項31】(a)共有結合により互いに連結されている少なくとも25個の有機モノマー単位の鎖から成る剛直性主鎖であって、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行である剛直性主鎖、及び (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものであり、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアリール、ポリフルオロアルコキシ、スルホンアミド、アリールエステル、アルキルエステル、スルホネートエステル、アルキルスルホン、アミールスルホン、アルキルケトン及びアリールケトンから成る群から選ばれる複数個の可溶化有機側基、 から成るポリマーを含む分子コンポジットであって、前記有機モノマー単位自体または前記有機モノマー単位と前記可溶化有機側基はモノマー繰り返し単位を構成し、
    当該ポリマーおよびその出発物質が共通溶媒系に可溶である分子コンポジット。
  • 【請求項32】(a)炭素−炭素共有結合により互いに連結されている少なくとも25個のパラフェニレンモノマー単位から成る剛直性主鎖であって、前記結合の少なくとも95%が実質的に平行である剛直性主鎖、及び (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものであり、ポリフルオロアリール、スルホンアミド、スルホネートエステル、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルケトン及びアリールケトンから成る群から選ばれる複数個の可溶化有機側基、 から成るポリマーであって、前記有機モノマー単位自体または前記有機モノマー単位と前記可溶化有機側基はモノマー繰り返し単位を構成し、当該ポリマーおよびその出発物質が共通溶媒系に可溶なものであるポリマー。
  • 【請求項33】各繰り返し単位が1個の可溶化有機側基を有する請求項32記載のポリマー。
  • 【請求項34】ポリマーがコポリマーである請求項32記載のポリマー。
  • 【請求項35】ポリマーのモノマー単位のうちの1種が有機側基を有しない請求項34記載のポリマー。
  • 【請求項36】可溶化有機側基がアリールケトンである請求項32記載のポリマー。
  • 【請求項37】(a)共有結合により互いに連結されている少なくとも25個のパラフェニレンモノマー単位の鎖から成る剛直性主鎖であって、前記結合の少なくとも95
    %が実質的に平行である剛直性主鎖、及び (b)前記モノマー単位に結合している複数個の可溶化有機側基であって、その数および大きさが当該ポリマーを重合溶媒系に可溶にするのに充分なものであり、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアリール、ポリフルオロアルコキシ、スルホンアミド、アリールエステル、アルキルエステル、スルホネートエステル、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルケトン及びアリールケトンから成る群から選ばれる複数個の可溶化有機側基、 から成るポリマーを含む分子コンポジットであって、前記有機モノマー単位自体または前記有機モノマー単位と前記可溶化有機側基はモノマー繰り返し単位を構成し、
    当該ポリマーおよびその出発物質が共通溶媒系に可溶である分子コンポジット。
  • 【請求項38】前記ポリマーの可溶化有機側基がアリールケトンである請求項37記載の分子コンポジット。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、剛直性(rigid−rod)の主鎖を有し該主鎖に結合したフレキシブルな可溶化有機基を有する可溶性剛直性ポリマーに関する。 該ポリマーは自己強化性(se
    lf−reinforced)エンジニアリングプラスチックスとして使用できる。 該剛直性ポリマーは、剛直性ポリマーとフレキシブルなコイル状ポリマーとの引張強さの高い分子コンポジットの製造に使用できる。 これらは、繊維含有コンポジットのマトリックス樹脂として使用できる。

    発明の背景 高性能繊維−ポリマーコンポジットは、軍用および民間航空機、スポーツおよび産業機器、および自動車部品の設計および構造に重要な役割を急速に果たしつつある。 コンポジットは、他の材料ではできない剛性、強度、および軽量の要求を満たしている。 最も広く用いられている高性能繊維−ポリマーコンポジットは、適当なポリマーマトリックスに包み込まれた配向カーボン(グラファイト)繊維である。 このコンポジットに妥当な強度および剛性を付与するには、繊維は少なくとも25、好ましくは100のアスペクト比(長さ対幅)を有しなくてはならない。 繊維含有コンポジットの製造は相当な労を必要とする。 繊維−ポリマーコンポジットは、リサイクルができず、また、欠損したコンポジット材を修理するのが困難である。

    分子コンポジットは、従来の繊維−ポリマーコンポジットよりも、より経済的で加工が容易な高性能材料となる見込みのあるものである。 さらに、分子コンポジットはリサイクルができ、修繕もできるであろう。 分子コンポジットはポリマー材のみから成り、繊維材を含まない。 したがって、分子コンポジットは巨視的な繊維を含む繊維−ポリマー組成物よりずっと簡単に加工することができる。

    分子コンポジットはフレキシブルなポリマーマトリックスに含浸された剛直性ポリマーより成る材料である。
    剛直性ポリマーは、繊維−ポリマーコンポジットの繊維に微視的に相当するものと考えることができる。 最適な機械的性質を持つ分子コンポジットは剛直性ポリマーを相当量、少なくとも30%含み、残りがポリマーバインダーである。 分子コンポジットは配向したあるいは配向していない任意の剛直性ポリマーを含むことができる。

    分子コンポジットでは、剛直性ポリマーが、フレキシブルな、可能であればコイル状のマトリックス樹脂ポリマーに効果的に包み込まれねばならない。 フレキシブルポリマーは、剛直性ポリマーを分散させ、剛直性ポリマーが集束するのを防ぐ役割を果たす。 従来のファイバー/樹脂コンポジットにおけるように、分子コンポジットにおけるフレキシブルポリマーは、フレキシブルポリマーの弾性変形により剛直性分子に沿っての応力の分散を助ける。 したがって、この第二のマトリックス樹脂ポリマーは、応力により延伸することができ、剛直性ポリマーを有効に取り囲むことができるよう充分にフレキシブルでなくてはならない。 フレキシブルポリマーと剛直性ポリマーとは、ファンデルワールス力、素結合、あるいはイオン的相互作用により強く相互作用することもできる。 分子コンポジットの長所は、剛直性ポリマーを使ってのみはじめて実現できる。

    現在商業的に製造されている線状ポリマーの殆どはコイル状ポリマーである。 このポリマー鎖の化学構造は、
    鎖に沿って構造的および回転的に動くことができ鎖全体がフレキシブルで、コイル状構造となることができる。
    この微視的な性質は、巨視的な曲げ強さ、曲げ弾性率、
    および剛性に直接関連する。 構造的な変化がより少なければ、あるいは、その程度がより狭ければ、より剛性の高いポリマーとなる。

    分子コンポジットを試験室的にいろいろ試みようとするとき、二つの技術的制約がある。 第一に、従来技術の分子コンポジットでは、剛直性ポリマーをフレキシブルポリマーと単に配合あるいは混合することを要するのみである。 異なるタイプのポリマーは混和しないことは当業者に周知である。 即ち、均一な配合物は得られない。
    剛直性ポリマー、および小さな重量フラクションの剛直性ポリマーのみを用いて製造することができる初期分子コンポジットにもこのルールは当てはまる。 剛直性ポリマーの割合を増すと相分離が生じ、もはや分子コンポジットは得られなくなる。

    第二に、相当な分子量の剛直性ポリマーは、製造することが非常に困難である。 この技術的問題は、ポリパラフェニレンで例示する。 ポリパラフェニレンになるベンゼンあるいはその他のモノマーの重合中に、成長しているポリマー鎖の溶解性が減少し溶液から沈殿し重合が終わる。 モノマー単位がわずか6ないし10の長さに鎖が成長すると、これが起こる。 これらのオリゴマー、即ち、
    剛直性ポリマーでは短すぎてコンポジットの強度に寄与できない。 溶解性が無いことは、剛直性ポリマーの一般的性質であり、したがって重合が困難である。

    この溶解性の問題は、生成するポリマーが強酸中でプロトン化され得る塩基性基を有し、重合が強酸中で行うことができるという特殊な場合にのみ避けることができる。 例えば、ポリキノリンは酸性溶媒のジクレゾールリン酸水素中で重合を行なうことができる。 キノリン基が酸性溶媒に作用して沈殿を防ぐからである。 生成するポリマーは強酸にのみ溶解し、さらに加工することが困難である。

    分子コンポジットが現実に実際的なものとなるには、
    (a)剛直性とフレキシブル成分とを配合して安定な均質相とすること、および(b)ポリマーの低い溶解度
    の問題を克服しなくてはならない。

    発明の要約 剛直性ポリマーは、炭素−炭素および炭素−窒素共有結合のように共有結合で互いに結合した複数のモノマーより成る。 モノマーを結合あるいは連結している共有結合の少なくとも95%は平行、即ち、モノマー単位間のすべての共有結合の長軸は実質的に平行であり、ポリマー主鎖が線状で実質的に真直ぐなポリマーとなる。

    本発明の剛直性ポリマーは、一種以上の溶媒に可溶であることにおいてユニークである。 ポリマーおよびモノマーは普通の溶媒系に相当程度可溶であり、重合溶媒系においてポリマーは溶解した状態のままでいる。 本発明の剛直性ポリマーは主鎖即ちモノマー単位に結合した可溶化有機側基(側基あるいは側鎖)により可溶性となる。 この有機側基はフレキシブルな基であり、ポリマーの溶解性および溶融性を増大させる。 有機側基が比較的高い、例えば約300より大きい分子量を有するものである場合は、分子コンポジットのコイル状マトリックス成分のような役割を果たす。 したがって、このようなポリマーは、自己強化性プラスチックスあるいは単成分分子コンポジットと考えることができる。 逆に、剛直性ポリマーが比較的低分子量の有機側基を有する場合は、剛直性ポリマーはコイル状マトリックス樹脂と混合して分子コンポジットを形成することができ、有機側基は相分離を防ぐ相容化剤として作用する。 即ち、本発明の剛直性ポリマーは、一つの分子の中に棒状成分およびコイル状成分を含む。

    過去において製造された剛直性ポリマーは、一般的に非常に不溶性であり(塩基性基を有し強酸中に溶解し得る特殊なポリマーを除く)且つ不融解性である。 この性質のために、製造し加工することが困難である。 本発明者らは、驚くべきことに、ポリマーに適当な有機側基を結合させることにより溶解性および融解性が実質的に改良されることを見出した。 以前の業績によれば、このような有機側基は剛直性ポリマーの溶解性を増大させないことが示唆されている。 しかしながら、側鎖の大きさを増し、および/あるいは、重合溶媒にその性質(主として極性および誘電率)を適合させることにより、相当な分子量の剛直性ポリマーが製造できるのである。 例えば、ジメチルホルムアミドのような極性溶媒中で重合を行なう場合には、可溶化有機側基は極性があり例えば5
    より大きい比誘電率のような高誘電率を有するものが好ましい。

    さらに、側基が比較的長く且つフレキシブルで、ポリマー全体の実質的な分子量の割合を構成する場合には、
    剛直性主鎖/フレキシブル鎖ポリマー単独で分子コンポジットとして挙動する。 側基すなわち可溶化有機基の、
    ポリマー全体に対する分子量の割合は、約30%ないし約
    95%であり、好ましくは約30%ないし約60%であり、最も好ましくは約45%ないし約55%である。 「分子量の割合」という用語は、可溶化有機基の分子量の剛直性ポリマー全体(すなわち、モノマー単位および有機基)の分子量に対する百分率を意味する。 すなわち例えばポリマー全体の分子量が1,000,000であり、可溶化有機基の分子量が500,000であれば、可溶化有機基の分子量の割合は50%×100である(500,000/1,000,000)。

    本発明により提供されるポリマーにおいては、フレキシブルな有機側基部分は剛直性ポリマー成分に化学的に結合しているので、相分離は生じない。 本発明の剛直性主鎖/フレキシブル側鎖ポリマーは、常用の溶媒中で製造することができ、標準的な方法で加工することができ、安定な単独成分の分子コンポジットとなり高強度および高い弾性率を要求する構造材やその他の用途に使用できる。

    本発明の剛直性ポリマーが分子コンポジットあるいは自己強化性プラスチックスに用いられる場合には、高い引張強さおよび弾性率の主たる源となる。 繊維のアスペクト比が1から約100に増えるとチョップト繊維(chopp
    ed fiber)コンポジットの性質が改良され、それ以上アスペクト比が増えても相対的に良くならないことが文献により知られている。 剛直性ポリマーとフレキシブルポリマーとの単なる配合では、配合分子コンポジットの強度および弾性率は、剛直性成分のアスペクト比の関数であり、このような配合物は加熱により相分離が生じることも文献により知られている(WFHwang,DRWiff,
    CLBenner,TEHelminak,Journal of Macromolecular
    Scienc−Physics,B22,pp.231−257(1983))。 自己強化性プラスチックスとして用いる場合には、本発明の剛直性ポリマーは少なくとも100、すなわち、ポリマーの主鎖は平均アスペクト比少なくとも100の直鎖セグメントを有することが好ましい。 例えば構造物および宇宙用には100より大きいアスペクト比が望ましい。 その他のより強度が要求されない用途、例えばキャビネット、ハウジング、ボート船体、回路基板およびその他多くの用途に対しては、剛直性ポリマーのアスペクト比は25以上でよい。

    本発明の可溶性剛直性ポリマーの高い強度および硬さは、ポリマー鎖を構成する直鎖セグメントのアスペクト比に直接的に関係する。 本発明においては、モノマー単位のアスペクト比は、長さに対するモノマー単位を包含する最小直径円筒の直径の比を意味する。 この場合、連結結合が円筒の軸に平行な各々を連結する結合の長さの半分を含むが、可溶化性側基は含まない。 例えば、ポリフェニレンモノマー単位(−C 6 H 4 −)のアスペクト比は約1である。

    ポリマーセグメントのアスペクト比は、ポリマーセグメントを包含する最小直径と円筒の長さと直径の比であって、当該円筒の軸が直鎖セグメント中の連結結合と平行であるような末端連結結合の半分を含むが、結合している側鎖の長さを含まない比である。

    本発明においては、アスペクト比は剛直性ポリマー、
    剛直性モノマー単位、あるいは剛直性ポリマーの直鎖セグメントにのみ適用する。 剛直性ポリマーのアスペクト比は、直鎖セグメントの平均アスペクト比を意味する。
    上のように定義したアスペクト比は、繊維含有コンポジットに関して普通に使われる用語に密接に類似するように意図したものである。

    本発明により提供される剛直性ポリマーの主鎖は、実質的に直鎖であり、主鎖中に曲げあるいはキンク(kin
    k)を生じるフレキシビリティは無い。 すなわち、高いアスペクト比を有する。 したがって、ポリマーは主鎖の剛性を不完全に妨げるようなキンクその他が生じないようなプロセスにより製造されねばならない。 それにも拘らず、殆どすべての化学反応は副反応があり、製造中にモノマー単位間に平行でない共有結合がいくらかできる。 しかしながら、剛直性ポリマーは少なくとも95%の平行な共有結合を有し、好ましくは少なくとも99%の平行な共有結合を有する。 ポリマー鎖中のモノマー単位の平行でない結合は、いずれも直鎖セグメントの平均長を短くすることになる。 すなわち、共有結合が99%のモノマー単位が1000の長さのポリマー鎖は、平均して、10の平均長さ100の直鎖セグメントを有する。 99%以上の平行な共有結合を有する剛直性ポリマーは、例外的に硬く且つ強く、宇宙用途向けのような高い引張強さおよび曲げ強度および弾性率を要求されるところに使用できる。
    平行な共有結合を約95%ないし約99%有する剛直性ポリマーは、より厳しくない用途、例えばボディパネル、モールド部材、電子基板およびその他多くの用途に使用できる。

    本発明のポリマーは、限定的でない例として炭素−炭素、炭素−窒素、炭素−酸素、炭素−硫黄、窒素−窒素、珪素−酸素、あるいは珪素−炭素、共有結合のような共有結合により結合した少なくとも25のモノマー単位、好ましくは約100のモノマー単位、より成る剛直性主鎖より成るポリマーにおいて、少なくとも約95%好ましくは99%の結合が実質的に平行であり、該ポリマーおよびそのモノマーが共通の溶媒系に可溶性であるポリマーである。 該剛直性主鎖に、すなわち、主鎖のモノマー単位のいくつかに、可溶化基が結合している。 該ポリマーは、二種以上のモノマーの共重合体でもよい。

    本発明の目的のためには、「可溶性」という用語は、
    ポリマーの0.5重量%以上および該ポリマーを生成するのに用いられるモノマーの約0.5重量%以上を含有する溶液をつくることができることを意味する。

    「可溶化基」は、問題のポリマーに側鎖として結合した場合、適当な溶媒系に可溶性にできる官能基を意味する。 或るポリマーおよび溶媒に対して可溶化基を選択する際に種々のファクターが考慮されるべきであることが了解されるであろう。 他が同じであれば、高分子量の可溶化基ほど溶解性は高くなる。 逆に、低分子量の可溶化基は、溶媒と可溶化基との性質の合致がより重要なものとなり可溶化性を助けるために該ポリマーにその他の有利な固有な作用があることが必要になることもある。

    「剛直性モノマー単位」という用語は、剛直性ポリマー主鎖の基本的な、有機の、構造単位で、隣接するモノマー単位と連結する共有結合が剛直性モノマー単位内の構造が変化しても平行なものを意味する。 剛直性モノマー単位の例としては、フェニレン基、芳香族基、および/あるいは複素環基が含まれ、有機基である側鎖がこれらに結合していてもよい。

    典型的なものは、二つの共有結合だけで各々のモノマー単位をポリマー鎖に結合する。 これらの結合は平行なものでも、1,4−ナフチル単位のように互いに線状なものでもよい。 これらは、1,5−ナフチル単位のように、
    互いに線状ではないが平行なものでもよい。

    「モノマー単位」という用語は、本発明では常に「剛直性モノマー単位」を意味する。 フレキシブルなあるいは非剛直性モノマー単位を論じる場合には、「非剛直性モノマー単位」と記す。 殆どの非剛性モノマー単位では、例えば1,3−フェニレン基や4,4′−ジフェニルエーテル基は、ポリマー鎖に平行な結合をするような構造をとれない。 しかしながら、KEVLAR(DuPont商標)(1,4
    −フェニレンジアミンとテレフタル酸とのポリアミド)
    のフェニレンアミドタイプの非剛直性モノマー単位のような幾つかの非剛性モノマー単位はポリマー鎖への結合が平行な構造をとれる。 このような非剛性モノマー単位より成るポリマーは、曲がったあるいはキンクのある構造を取る可能性があるため「擬似剛性(psuedo−rigi
    d)」である。 一般に、剛直性ポリマーは擬似剛直性ポリマーより剛性が高い。

    或るポリマーをモノマー単位に概念的に分けるのに二つ以上の方法があることがある。 そのポリマーをつくるモノマーにできるだけ近いようにモノマー単位を選ぶのが普通である。 本発明の目的のためには、二つの単独の結合により隣接する繰り返しセグメントを連結するモノマー単位をモノマー単位として選択することが(可能な場合は)最も便利である。 例えば、キノリン単位は、ポリキノリン合成に用いられる二つのモノマーのいずれでもないけれども、モノマー単位が二つの単独の結合の端末になるようにモノマー単位の部分として選択される。

    本発明の目的のためには、「モノマー」という用語はポリマーの直前の化学的先駆体を意味する。 本明細書に記載する重合反応の殆どが縮合重合であるので、モノマーは対応するモノマー単位に対して一つ以上の官能基を失うのが典型的である。 例えば、ジクロロベンゼン(C 6
    H 4 Cl 2 )モノマーは重合してフェニレン(C 6 H 4 )モノマー単位のポリマーとなる。

    モノマーは、それ自体ポリマーである側鎖を有してもよい。 本発明の目的のためには、このようなモノマーは側基の任意の他のモノマーとして記述することがある。
    例えば、2−(ポリオルガノ)−1,4−ジクロロベンゼン、あるいは、2−(ポリ−2,6−ジメチルフェニレンオキシド)テレフタル酸。 対応するモノマー単位は、2
    −(ポリオルガノ)−1,4−フェニレンおよび2−(ポリ−2,6−ジメチルフェニレンオキシド)−1,4−フェニレンである。 もう一つの命名法はポリマーの末端をキャップしたモノマーとして扱う方法である。 例えば、テレフタル酸末端ポリ−2,6−ジメチルフェニレンオキシド。 後者の命名法は本明細書では用いない。

    本発明で提供される剛直性ポリマーの溶解性は、ポリマー単位の少なくともいくつかにした可溶化有機基を結合することにより与えられる。 有機置換基(有機側基)、ポリマー主鎖、ポリマー構造、溶媒系、およびその他の環境要因(例、温度、圧力)のどのような組合せが、可溶性を与えることになるかを先験的に決めることは、多くの複雑な相互作用があるため困難であることを、当業者は理解できるであろう。 事実、前述のように、他の研究者達は、有機側基が剛直性オリゴマーおよびポリマーの溶解性を実質的に増すことはできないことを見出しているのである。 しかしながら、本発明者らは、可溶性剛直性ポリマー系の合理的な設計の一般的戦略を見出したのである。 例えば、剛直性ポリマーが極性溶媒中で合成されるのであれば、ポリマーの可溶化有機側基および出発原料として用いる物質は極性溶媒に可溶性のものである。 同様に、剛直性ポリマーが非極性溶媒中で合成されるのであれば、ポリマーの可溶化有機側基および出発原料として用いる物質は、非極性溶媒に可溶性のものである。

    誘電率や双極子モーメントのような性質を比較することにより、溶媒と有機側基との相溶性を評価することができる。 相容性を評価するのに用いることができる非重合質に関する種々のタイプの半径験的なパラメーターの組がある(Hildebrand's solubility parameters−JH
    Hildebrand,RIScott共著The solubility of Non−ele
    ctrolyted,3rd Ed.,Dover Publication,NY,1964−のようなもの、およびその関連論文)。 このような溶解性パラメーターの違う種類の組が、溶媒/溶質相互作用の種々のタイプ(例えば、分散相互作用、誘導、および誘電相互作用)を説明するために開発されており、これらのパラメーターの組の多くが適合する、より高い可溶性が実現されている。 本明細者らは、他の要因が同じであれば、全ポリマーの溶解特性に対して、相対的に高分子量の有機側基が相対的に低分子量の基より大きな影響をおよぼすことを見出した。 したがって、可溶化有機側基は中程度の高分子量、すなわち約300より大きい分子量であることが一般に好ましい。 さらに、有機側基の分子量が約300より大きいと、分子コンポジットのコイル状マトリックスに相当する官能基としての役割を果たす。

    主鎖それ自体の性質による種々の要因も、ポリマーの固有の溶解性に影響を及ぼす。 塩基性の官能基をモノマー単位中に含有するポリマー、例えばポリキノリンは、
    一般に酸性溶媒に溶解する。 棒状の複素芳香族ポリマーは、水素結合およびイオン作用により溶解する。 例えば、ポリアミドは、LiCl含有の極性中性溶媒および強酸に溶けることが多い。 個々のモノマー単位の配向性、特に有機側基の位置に関しての配向性は、ポリマーの溶解性に影響することが示されている。 特に、芳香族ポリエステルのなかに導入された2,2′−ジ置換ビフェニレン基(HGRogers et al.,1984年2月21日米国特許第4,43
    3,132号明細書)、棒状ポリアミド(FWHarris et al,
    High Performance Polymers 1989,1,3)は、一般に溶解性を高める。 おそらく、置換基同士が同一であるためではなく、ビフェニレン芳香族環が立体的に強制される非共平面性によるものであろう。 共役した芳香族の広がった平面鎖および網状構造は、高い積層性及び強い分子間相互作用があり、高い結晶性を示し、従って低い溶解性を示すことが一般に期待される。 ホモポリマー中、特にコポリマー中の側鎖がランダムに分布するとポリマー鎖の対称性を低下させることにより結晶性を低め溶解性を高める。

    本発明において提供される剛直性ポリマー(ホモポリマーおよびコポリマー)は、剛直性主鎖中の各100モノマー単位毎に可溶化有機基で置換されたモノマー単位を少なくとも1個を有する。 該モノマー単位に置換、結合する可溶化有機基は、一つ以上の有機溶媒系に可溶性を示すものである。 分子量が約300より小さい相対的に小さな有機基が適当な溶解性を付与することができるためには、上述のようにその他の好ましい主鎖の作用が必要となるかも知れない。 例えば、ポリパラフェニレン型ポリマーでは、主鎖中の200モノマー単位毎に2,2′−ジ置換ビフェニレンフラグメントが少なくとも1個必要である。

    本発明の態様において、剛直性ポリマーがホモポリマーである場合には各モノマー単位毎に同じ有機基あるいは側基が存在する。 側鎖は、特に重合溶媒系において溶解性を高めるように選択される。 例えば、N,N−ジメチルアミド基のような極性基は、極性溶媒への溶解性を高める。 エーテル、アリール、およびアルキル基のようなより極性が低い側基は、より極性が低い溶媒に用いる。
    本発明の一つの態様において、ポリマーは二つ以上のモノマー単位タイプのコポリマーで、大部分のモノマー単位は未置換であり、残りが可溶化有機基で置換されているものである。 該ポリマーは、二つの異なるモノマー単位あるいはモノマー、三つの異なるモノマー単位あるいはモノマー、四つの異なるモノマー単位あるいはモノマー等からつくられる。 剛直性主鎖中の各100モノマー単位毎に結合した可溶化性有機置換基を少なくとも1個を有する。 好ましくは、各100モノマー単位毎に一つより多くの可溶化有機基を有する。

    本発明のモノマー単位の多くについて、普遍的に認識されている命名法は見られない。 例えば、1,4−フェニレン(式IA参照)はベンゼン−1,4−ジデヒドロと名付けられ、1,10−アントラセニル(式XV A参照)は1,10−
    アントリレンと名付けられ、2,6−キノリン(式XA参照)は2,6−キノリンジイルと名付けられ、1,5−ナフチレン(式XIII A参照)は1,5−ナフテニレンと、名付けられることもある。 従って、モノマー単位は最近の文献で用いられている命名法に従った。

    発明の詳細な説明 本発明は剛直性ポリマーは、平行共有結合で結合されている事実上任意の有機モノマーから製造することができる。 本発明の可溶性剛直性ポリマーは以下のモノマー単位の一つ以上から成る剛直性主鎖から成るものが好ましい。 即ち、パラフェニル、パラビフェニル、パラターフェニル、2,6−キノリン、2,6−キナゾリン、パラフェニレン−2−ベンゾビスチアゾール、パラフェニレン−
    2−ベンゾビスオキサゾール、パラフェニレン−2−ベンゾビスイミダゾール、パラフェニレン−1−ピロメリトイミド、2,6−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−
    ナフチレン、1,4−アントラセニル、1,10−アントラセニル、1,5−アントラセニル、2,6−アントラセニル、9,
    10−アントラセニル、および2,5−ピリジニル。 しかしながら本発明の剛直性ポリマーは、前記のもの以外はモノマー単位からつくることができる。 ポリマーの長さは、少なくとも25の、好ましくは100のモノマー単位より長く、少なくとも100以上のモノマー単位の長さのものが最も好ましい。 ポリマーは、単一のモノマーのホモポリマーでもよく、異なった二種以上のモノマーあるいはモノマー単位のコポリマーでもよい。

    本発明の剛直性ポリマーは、モノマー単位間の共有結合が平行な線状ポリマーである。 剛直性ポリマーは、少なくとも95%の平行な共有結合を有し、好ましくは少なくとも99%の平行な共有結合を有する。 即ち、高いアスペクト比を有する。 モノマー単位は、必ずしも直鎖でなくてもよい。 或る種のポリマーでは、モノマー単位の大部分は直鎖である(下記の鎖A参照)。 他の或る種のポリマーでは、モノマー単位は梯子状(下記の鎖B参照)
    であり、あるいはクランクシャフト状(下記の鎖C参照)である。 (鎖A,BおよびCモノマー単位は、結合した有機側鎖なしに模式的に示したものである。)モノマー単位は、モノマー間の共有結合の線状軸のまわりを回転することができる。 しかしながら、モノマー単位は結合に関してフレキシブルにならないよう制限されており、剛直性ポリマーを形成する。 モノマー単位間の共有結合は一直線上にある必要はないが、即ち同じ線上になくてもよいが、結合は平行であり実質的に線状の剛直性ポリマーとなる。

    過去において他のポリマー系が、剛性あるいはロッド状として記述されているが、本発明により提供される真の剛直性ポリマーと混同されるべきではない。 例えば、


    長鎖のパラ配向芳香族ポリイミドおよびポリエステルは、種々の分子間力により秩序化し、棒状に集合し、結果として真の剛直性ポリマーの長所(例えば高強度)および短所(例えば溶解性が乏しい)の幾つかを示すことがしばしばある。 このようなポリマーは、実際には「擬似剛性」にすぎない。 なぜならば、平行な結合で全体が連結されていないためである。 従って、ポリマー主鎖にキンクを有する構造となり、不十分な強化特性をもたらす。

    本発明の剛直性ポリマーは、剛直性主鎖中の各100モノマー単位に対して可溶化有機基で置換されたモノマー単位を少なくとも1個有する。 好ましくは、各100モノマー単位に対して可溶化有機基で置換されたモノマー単位を1個以上有する。 モノマー単位に置換し結合する可溶化有機基は、一つ以上の有機溶媒系に可溶性の有機分子である。 用いることができる可溶化有機基には、アルキル基、アリール基、アルカリール基、アラールキル基、アルキルあるいはアリールアミド基、アルコキシ基、ポリアルケンオキシ基、ポリフェニレンオキシド基、ポリフェニレンスルフィド基、ポリスチレン基、ポリ塩化ビニル基、ポリアルキルメタクリレート基、ポリアクリロニトリル基、ポリアルキルビニルエーテル基、
    ポリビニルアルコール基、ポリビニルアセテート基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基、ポリエステル基、ポリイミド基、ポリアミド基、およびポリ(フェノキシフェニルケトン)基が含まれるがこれらに限定されるものではない。 特定の溶媒への可溶性を与えるその他の有機基も、可溶化有機基として用いることができる。

    本発明の一つの態様において、剛直性ポリマーは、以下に示す式IA,II A,III A,IV A,VA,VI A,VII A,VIII
    A,IX A,XA,XI A,XII A,XIII A,XIV A,XV A、あるいはX
    VI Aにより表されるA群のモノマー単位の少なくとも一つを有する。 本発明の第2の態様において、剛直性ポリマーは、(1)A群のモノマー単位から選択される少なくとも二つの異なるモノマー単位、あるいは、(2)以下に示す式IB,II B,III B,IV B,VB,VI B,VII B,VIII
    B,IX B,XB,XI B,XII B,XIII B,XIV B,XV B、あるいはX
    VI Bにより表されるB群のモノマー単位から選択される少なくとも二つの異なるモノマー単位、あるいは、
    (3)A群のモノマー単位から選択される少なくとも一つのモノマー単位、および、B群のモノマー単位から選択される少なくとも一つのモノマー単位(B群のモノマー単位の一つ以上は未置換でもよい)、あるいは、
    (4)B群モノマー単位から選択された少なくとも一つのモノマー単位(B群モノマー単位の一部は未置換でもよい)、より成るコポリマーである。 本発明の第3の態様において、剛直性ポリマーは、式IB,II B,III B,VI
    B,VII B,VIII B,IX B,XII B,XIII B,XIV B,XV BあるいはXVI Bにより表されるB群のモノマー単位から選択された少なくとも一つのモノマー単位を含む。

    上式において、R

    1 ,R

    2 ,R

    3 、およびR

    4は、同じものでも異なるものでもよく、水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラールキル、アルキルあるいはアリールアミド、アルコキシ、ポリアルケンオキシ、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、およびポリ(フェノキシフェニルケトン)であり、R

    1 ,R

    2 ,R

    3 、およびR

    4の少なくとも一つは水素以外のものであり、R

    1 ,R

    2 ,R

    3 、およびR

    4


    の少なくとも一つの分子量は少なくとも300であり、X


    はNH,O、あるいはSである。

    上式において、R

    5およびR

    6は、同じものでも異なるものでもよく、水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラールキル、アルキルあるいはアリールアミド、


    アルコキシ、ポリアルケンオキシ、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ボリ塩化ビニル、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、およびポリ(フェノキシフェニルケトン)であり、R

    5およびR

    6の少なくとも一つは水素以外のものであり、R

    5およびR

    6の少なくとも一つの分子量は少なくとも300である。

    上式において、R

    8 ,R

    9 ,R

    10およびR

    11は、同じものでも異なるものでもよく、水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラールキル、アルキルあるいはアリールアミド、アルコキシ、ポリアルケンオキシ、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ボリ塩化ビニル、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、およびポリ(フェノキシフェニルケトン)であり、R

    8 ,R

    9 ,R

    10およびR

    11の分子量は各々300より大きくなく、XはNH,O、あるいはSである。

    上式において、R

    12およびR

    13は、同じものでも異なるものでもよく、水素、アルキル、アリール、アルカリール、アラールキル、アルキルあるいはアリールアミド、


    アルコキシ、ポリアルケンオキシ、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ボリ塩化ビニル、ポリアルキルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、ポリエステル、ポリ(フェノキシフェニルケトン)、ポリアミド、およびポリイミドであり、R

    12およびR

    13の分子量は各々300より大きくない。

    アルキル基は、一つ以上の炭素原子を有することができ、直鎖アルキルでも分岐鎖アルキルでも、あるいはポリシクロアルキルでもよく、例えば、C 22アルキル(すなわち、少なくとも炭素原子数22のアルキル)、C 72アルキル、C 100アルキル、C 163アルキル等でよい。 アリール有機基は、モノアリールあるいはポリアリールでよく、例えば、フェニル、ナフチル、アントラシル、ポリフェニレン、およびポリアントラセニレンでよい。 アルカリールは、一つ以上のアルキル基で置換された芳香族基であり、好ましくはアルキル基で置換されたポリアリールが好ましく、例えば、ポリ(メチル)フェニレン、
    ポリ(ジブチルナフタレン)、ポリ(トリ−テトラコンチルアントリル)、ポリ(ジオクチル)フェニレン、ポリ(ペンタデシル)ナフチレン、ポリ(ヘントリアコンチル)アントラセニレン等がよい。 アラールキル有機基は、一つ以上のアリール基で置換されたアルキル基で、
    例えば、フェニルオクチル、ジナフチルトリアコンチル等である。 アルキルあるいはアリールアミド有機基は、
    モノマー単位にアミド結合により連結したアルキル基(上述の)あるいはアリール基(上述の)である。 アルコキシ有機基は、モノマー単位に酸素−エーテル結合により連結したアルキル基(上述の)であり例えばヘキサデシルオキシである。

    ポリアルキレンオキシ有機基は、エチレンオキシド、
    プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、オクタデシレンオキシド等のようなアルキレンオキシドのホモポリマーあるいはコポリマーでモノマー単位にエーテル結合で連結されている。 ポリフェニレンオキシド有機基は、エーテル結合で互いに連結されている二つ以上のフェニレン基を含むポリマーで、ポリマーはモノマー単位にエーテル結合で連結している。 ポリフェニレンスルフィド有機基は、チオエーテル結合で各々隣接するフェニレン基に連結している二つ以上のフェニレン基を含むポリマーで、ポリマーはモノマー単位にチオエーテル結合で連結している。 ポリ塩化ビニル有機基は、二つ以上の塩化ビニルモノマー単位を含むポリマーである。 このポリマーの分子量は、124から数百万以上である。

    ポリアルキルメタクリレート有機基は、メチルメタクリレートのようなアルキルメタクリレートのポリマーである。 これらのポリマーの分子量は、約200から数百万である。 ポリアクリロニトリル有機基は、二つ以上のアクリロニトリルモノマーのポリマーである。 これらのポリマーの分子量は、約100から数百万である。 ポリビニルアルコール有機基は、一つ以上のビニルアルコールモノマーを有するポリマーである。 このポリマーの分子量は約100から数百万である。 ポリビニルアセテート有機基は、一つ以上のビニルアセテートモノマーから生成するポリマーで、分子量は約150から数百万である。 ペルフルオロアルキル有機基は、アルキル有機基(上述の)
    でその水素原子のすべてが弗素原子で置換されているものである。 ペルフルオロアルコキシ有機基は、アルコキシ有機基(上述の)でその水素原子のすべてが弗素原子で置換されているものである。 ポリエステル基は、エステル結合で連結したモノマー単位を有するアルキルあるいはアリールポリマーであり、約100から数百万の分子量を有する。 ポリアミド有機基は、アミド結合で連結したモノマーを有するアルキルあるいはアリールポリマーであり、約150から数百万の分子量を有する。 ポリイミド有機基は、イミド結合で連結したモノマーを有するポリマーであり、約200から数百万の分子量を有する。 ポリ(フェノキシフェニルケトン)有機基は、フェニレンオキシドおよびベンゾイル単位から成り、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)

    およびポリエーテルケトン(PEK) である。

    ポリ(フェノキシフェニルケトン)有機基は、剛直性主鎖のモノマー単位にカルボニル基あるいはエーテル結合で連結している。

    本発明の態様のうち、分子量が約300より大きい可溶化有機基を含む場合、すなわち、自己強化性分子コンポジットとして作用できる剛直性ポリマーでは、ポリマーの可溶化有機基R 1ないしR 6は、ポリマー全体(主鎖および有機基)の約30%ないし約95%であり、好ましくは約
    30%ないし約60%であり、最も好ましくは約45%ないし約55%である。

    式IA,II A,III A,VI A,VII A,VIII A,IX A,XA,XI
    A,XII A,XIII A,XIV A,XV A,あるいはXVI Aにより表されるモノマー単位を含む本発明のポリマーは、以下の式
    IC,II C,III C,VI C,VII C,VIII C,IX C,XC,XI C,XII
    C,XIII C,XIV C,XV C、あるいはXVI Cの各々に対応するジハロモノマーを出発原料として製造することができる。 以下の式で、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5およびR 6は前に定義した通りであり、WはCl,Br、あるいはIである。 同様に、式IB,II B,III B,VI B,VII B,VIII B,IX B,XB,XI
    B,XII B,XIII B,XIV B,XV B、あるいはXVI Bにより表されるモノマー単位を含む本発明のポリマーは、以下の式ID,II D,III D,VI D,VII D,VIII D,IX D,XD,XI D,X
    II D,XIII D,XIV D,XV D、あるいはXVI Dの各々に対応するモノマーを出発原料として製造することができる。
    以下の式で、R 8 ,R 9 ,R 10 ,R 11 、およびR 13は前に定義した通りであり、WはCl,Br、あるいはIである。

    式III A,III B,III C、およびIII Dのターフェニルモノマー単位あるいはモノマーの第一環および第三環は有機基で置換されていない。 しかしながら、所望であれば、ターフェニルモノマー単位あるいはモノマーの第一環および第三環は、ターフェニルモノマー単位あるいはモノマーの第二環(中間)と同様に有機基で置換することができる。

    式VI A,VII A,VIII A,IX A,XA,XI A,XII A,XIII A,X
    IV A,XV A,XVI A,VI B,VII B,VIII B,IX B,XB,XI B,XI
    IB,XIII B,XIV B,XV B、およびVI Bにより表されるモノマー単位、および、VI C,VII C,VIII C,IX C,XC,XI
    C,XII C,XIII C,XIV C,XV C,XVI C,VI D,VII D,VIII D,
    IX D,XD,XI D,XII D,XIII D,XIV D,XV D、あるいはXVI
    Dにより表されるモノマー単位は、二つの有機基(R 5およびR 6 、あるいは、R 12およびR 13 )で置換されたものとして示されている。 しかしながら、これらの基は、2個より多くの基で置換されたものでもよく、例えば、ナフチル基は6個以下の基(R 5およびR 6 、あるいは、R 12およびR 13 )で置換されたものでもよく、アントラセニル基は8個以下の基で置換されたものでもよく、ピリビニル基は3個以下の基で置換されたものでもよく、キノリニル基は5個以下の基で置換されたものでもよく、ジアザアントラセニル基は6個以下の基で置換されたものでもよい。

    フェニルモノマー、ビフェニルモノマー、ターフェニルモノマー、2,6−ナフチルモノマー、2,6−アントラセニルモノマー、9,10−アントラセニルモノマー、1,4−
    ナフチルモノマー、1,5−ナフチルモノマー、1,4−アントラセニルモノマー、1,10−アントラセニルモノマー、
    あるいは、1,5−アントラセニルモノマーのような芳香族モノマー単位で結合したピロメリミドを有する本発明のポリマーは、式IC,II C,III C,VI C,VII C,VIII C,X
    II C,XIII C,XIV C,XV C、および、XVI C(ここで、W
    はアミノであり、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5およびR 6は前に定義した通りである)に対応するジアミノモノマーと、無水ピロメリット酸との本明細書に記載した縮合反応により、
    製造することができる。

    ベンゾビスチアゾールモノマー単位を含有するコポリマーは、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチアゾールと、式IC,II C,III C,VI C,VII C,VIII C,XIV C,XV C,
    XVI C,ID,II D,III D,VI D,VII D,VIII D,XII D,XIII
    D,XIV D,XV D、およびXVI Dの(ここで、WはCOOHであり、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 ,R 8 ,R 9 ,R 10 ,R 11 ,R 12およびR 13は前に定義した通りである)のモノマーとを、高温においてポリ燐酸中の2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオールで本明細書に記載のように処理することにより、製造することができる。

    ベンゾビスオキサゾールモノマー単位を含有するコポリマーは、2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼンと、式IC,II C,III C,VI C,VII C,VIII C,XII C,XIII
    C,XIV C,XV C,XVI C,ID,II D,III D,VI D,VII D,VIII
    D,XII D,XIII D,XIV D,XV D、およびXVI Dの(ここで、
    WはCOOHであり、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 ,R 8 ,R 9 ,R 10 ,R 11 ,R
    12およびR 13は前に定義した通りである)のモノマーを、高温においてポリ燐酸中の2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼンで処理することにより、製造することができる。

    ベンゾビスイミダゾールモノマー単位を含有するコポリマーは、1,2,4,5−テトラアミノベンゼンと、式IC,I
    IC,III C,VI C,VII C,VIII C,XII C,XIII C,XIV C,XV
    C,XVI C,ID,II D,III D,VI D,VII D,VIII D,XII D,XII
    ID,XIV D,XV D、およびXVI Dの(ここで、WはCOOHであり、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 ,R 8 ,R 9 ,R 10 ,R 11 ,R 12およびR 13
    は前に定義した通りである)のモノマーとを、高温においてポリ燐酸中の1,2,4,5−テトラアミノベンゼンで本明細書に記載のように処理することにより、製造することができる。

    ベンゾビスチアゾール、ベンゾビスオキサゾール、あるいは、ベンゾビスイミダゾールモノマー単位(各々X
    が、S,O、あるいはNHである式VAおよびVBのモノマー単位)は、フェニルコモノマー単位とともに示される。
    しかしながら、これらのポリマーは、式IA,II A,III
    A,VI A,VII A,VIII A,XII A,XIII A,XIV A,XV A,XVI A,
    IB,II B,III B,VI B,VII B,VIII B,XII B,XIII B,XIV
    B,XV B、およびXVI Bの4,4′−ビフェニル、4′,4″−
    ターフェニル、2,6−ナフチル、2,6−アントラセニル、
    9,10−アントラセニル、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,4−アントラセニル、1,10−アントラセニル、
    および、1,5−アントラセニルモノマーのようなその他のアリールモノマー単位を持つことができる。

    置換キノリンモノマーは、1−アセチル−4−ニトロベンゼンを、フェニルアセトニトリル、フェノキシフェニルアセトニトリル、ポリフェニレンオキサイドアセトニトリル(末端がアセトニトリルのポリフェニレンオキサイド)のような有機シアン化物で処理して対応するイソオキサゾールとし、これを対応する2−オルガノカルボニル−4−アセチル−アニリンに還元し、これを重合して対応するポリ−2,6−(4−オルガノキノリン)とする。 ポリキノリンは、また、4,4′−ジアミノ−3,3′
    −ジオルガノカルボニルビフェニルおよび4,4′−オルガノアセチルビフェニルを重合してポリ(4,4′−ビフェニル−4−オルガノ−2,6−キノリン−4−オルガノ−6,2−キノリン)剛直性ポリマーとすることができる。 ビフェニル基は、有機基で置換することもできる。
    例えば、4,4′−ジアミノ3,3′−ジオルガノカルボニルビフェニルを3,3′−ジオルガノ−4,4′−ジアセチルビフェニルと共に重合して、ポリ(3,3′−ジオルガノ−
    4,4′−ビフェニル,4−オルガノ−2,6−キノリン−4−
    オルガノ−6,2−キノリン)とすることができる。

    本発明の剛直性ポリマーは、周知の化学重合および付加反応により、あるいは、本明細書に記載する新規なプロセスにより製造される。 本発明の剛直性ポリマーのこのような製造プロセスでは、剛直性ポリマーおよび出発原料モノマーが共に可溶性の溶媒系における重合付加反応を用いる。 もちろん、このモノマーおよびポリマーがすべての条件下で完全に可溶性であるわけではない。 その溶媒−ポリマー対により、また温度のようなその他の要因により、ポリマーは或る重量分率までしか可溶でないことが多い。 モノマーが溶媒に完全に可溶であることが、化学反応の進行にかならずしも必要でないことは明らかである。 当業者には周知のように、或る化学的混合物に限定的にしか溶解しない化合物が、溶解したモノマーと溶解してないモノマーとの平衡により完全に反応して製品となる。 すなわち、溶解したモノマーが反応により連続的に消費されるに従って、溶解していないモノマーが徐々に溶解する。 ここで論じたように、モノマーを少なくとも約0.5%、ポリマーを少なくとも約0.5%含有する溶液をつくることができる場合には、そのモノマーとポリマーはその溶媒系い「可溶性」であると考えられる。

    モノマーおよびポリマーの溶媒への溶解性を確かなものとするには、結合する有機基の性質が所望の溶媒に適合するものでなくてはならない。 したがって、剛直性ポリマーが極性溶媒中で合成されるのであれば、ポリマーに結合する可溶化有機側基および出発原料モノマーは極性溶媒に可溶な基でなくてはならない。 同様に、剛直性ポリマーが非極性溶媒中で合成するのであれば、ポリマーに結合する可溶化有機側基および出発原料モノマーは非極性溶媒に可溶な基でなくてはならない。 本発明者らは、可溶化有機側基の誘電率および双極子モーメントが溶媒の誘電率および双極子モーメントに適合させることが、可溶性を達成するのに非常に重要であることを見出した。 例えば、NMPのような極性非プロトン性溶媒(pol
    ar aprotic solvent)に可溶であるためには、可溶化性有機基は、約5より大きい比誘電率と約1.5デバイより大きい双極子モーメントを持たなくてはならない。 一般に、本発明の剛直性ポリマーの溶解性を高めるには、
    例えば約300より大きい分子量の比較的長い有機側鎖が好ましい。

    驚くべきことに、ポリフェニレンタイプの剛直性ポリマー、即ち、タイプIA,II A,III A,VIII ,IX A,XII A,
    XIV A,IB,II B,III B,VIII B,IX B,XII B、あるいはXV
    IBの線状ポリパラフェニレンタイプのモノマー単位より成る剛直性ポリマー、および、タイプVI A,VII A,XII
    IA,XV A,XVI A,VI B,VII B,VIII B,XIII B,XV B、あるいはXVI Bのクランクシャフトタイプのポリフェニレンタイプのモノマー単位より成る剛直性ポリマーが、例えば分子量が約15ないし約300の有機基のような比較的短い有機側基で溶解性になることを本発明者らは見出した。 好ましい相互作用の組合せにより溶解性となるのが典型的である。 例えば、ヒドロキシ(−OH)およびアミノ(−NH 2 )のように小さい(即ち、低分子量の)が極性の強い側鎖で置換されると剛直性ポリパラフェニレンは可溶性となる。

    モノマー単位IX AあるいはIX B、あるいはポリ(5,8
    −キノリン)のような複素環芳香族ポリパラフェニレンタイプのポリマーは、複素環芳香族主鎖の塩基性により酸性溶媒に良く溶解する。 平面状芳香族は良く重なりやすく、結晶性が大になり、従って溶解性が低い。 この重なる傾向は、隣接する芳香族環例えばモノマー単位を平面から捻り放すことにより減少させることができる。 モノマー単位に結合している共有結合に隣接して置換基を加え、ジ置換2,2′−ビアリールタイプの結合の数を相当多くすることにより、これを行なうことができる。 このような単位は、他のタイプのポリマー系に入った時に溶解性が増す。 従って、短い側鎖が結合したポリパラフェニレンの溶解性を最大限にするためには、モノマー単位の性質かあるいは重合の性質を、相当数の2,2′−ビアリール結合がポリマーに入るようにしなくてはならない。

    グリニャール試薬から未置換あるいはアルキル置換ポリフェニレンを製造する方法が、T.Yamoto et al,Bull.
    Chem.Soc.Jpn.,1978,51,2091およびM.Rehahn et al,Pol
    ymer,1989,30,1054に記述されている。 パラポリフェニレンポリマー(式IAあるいはIBのモノマー単位から成る)は、グリニャール試薬をパラフェニルジハライドと遷移金属錯合体触媒でカップリングさせてつくることができる。 すなわち、4−ブロモ−フェニルマグネシウムブロミド(1mole)と4−ブロモ−3−アルキル−フェニルマグネシウムブロミド(0.01mole)との混合物(アルキル基は平均約24の炭素原子数の長さの鎖を有するもの)がエーテル溶媒中で、遷移金属錯合体の存在下で反応し、モノマー単位100に対して長鎖アルキル基置換モノマー単位を約1有するポリパラフェニレン剛直性ポリマーとなる。 この遷移金属錯合体触媒によるカップリング反応は選択的に且つ定量的に緩やかな条件下で進行する。 この反応のもう一つの変形では、1,4−ジブロモベンゼン(1mole)と長鎖アルコキシ基置換1,4−ジブロモベンゼン(0.1mole)が、エーテルのような不活性溶媒中で、金属マグネシウムおよび遷移金属触媒の存在下でカップリングし、10モノマー単位当たり長鎖アルコキシ基置換モノマー単位を約1有するポリパラフェニレン剛直性ポリマーができる。 これらの方法により、種々のジハロゲン化ベンゼン(式ICのモノマー)、ビフェニル(式II CおよびII Dのモノマー)、ターフェニル(式II
    ICおよびIII Dのモノマー)、アントラセエン(式VII
    C,VIII C,VII D、およびVIII Dのモノマー)、ナフタリン(式VI CおよびVI Dのモノマー)、キノリン(式XC
    およびXDのモノマー)、1,5−ジアゾアントラセン(式
    XI CおよびXI Dのモノマー)を重合することができる。
    反応の本質は、銅およびナトリウムでジハロ芳香族化合物のジハロゲン化重合に類似している。 この反応でジブロモ置換化合物も選択できるが、多くの場合、反応が開始できるのであればジクロロ化合物も用いることができる。 本発明者らは、この反応にNiCl 2 (2,2′−ビピリジン)遷移金属触媒が満足に作用することを見出した。

    パラジハロアレンモノマーのカップリングはニッケルあるいはパラジウム触媒で還元剤として亜鉛を用いて行なうのが好ましい。 本発明者らは、このような重合により、高分子量の可溶性剛直性ポリパラフェニレンが事実上定量的な収率で与えられることを見出した。 このアプローチは明らかな長所を有している。 なぜならば、N,N
    −ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ヘキサメチレンホスホリックトリアミド(HMPA)、およびベンゼンのような非常に多くの溶媒を用いることができるからである。 このカップリング反応は、ニトリルおよびカルボニル基のような特別に活性な基を有するモノマーにも用いることができる。 更に、亜鉛はマグネシウムより安価で且つ取り扱いが容易である。 ビフェニル誘導体で剛性でないポリマー系をつくる同様な反応が、Colonにより示されている(I.ColonおよびD.Kelsey,J.Org.Chem.,1986,51,2627;I.Colonおよび
    CNMerriam、米国特許4,486,576号、1984年12月4日、
    明細書)。 不都合なことに、置換基によりニッケル触媒が失活するため置換ジハロベンゼン型モノマーをつくるのには不満足であることが示されている。

    従って、無水極性中性溶媒中で、可溶化性有機基で置換されたパラジハロベンゼンモノマー単位の還元カップリングにより高分子量のポリパラフェニレンを製造するのに、無水のニッケル化合物、トリアリールホスフィンリガンド、無機塩プロモーターの或る混合物が有効であることを本発明者らが発見したことは、予期できないことであった。 水あるいはその他の中性不純物が除去された高純度の(好ましくは約99%以上の純度の)パラジハロベンゼンモノマーを用いることが強く薦められる。 例えば、無水の塩化ニッケル1当量、沃化ナトリウム3当量、トリフェニルホスフィン7当量、および金属亜鉛50
    当量の混合物が、置換パラジクロロベンゼンモノマー30
    当量の重合に有効である。 重合反応は、約50℃で行なうのが好ましいが、約25℃ないし約100℃で行うことができる。 モノマー当量のニッケル触媒当量に対する割合は約10から約5000の範囲で変えられる。 亜鉛当量のモノマー当量に対する割合は、少なくとも約1.0である。 ホスフィンリガンドおよび無機塩プロモーターのニッケル触媒当量に対する割合は約1.0から約10あるいはそれ以上である。

    ポリフェニレンをつくるためのアリール基カップリングは、YHKim et al,Polymer Preptints,1988,29,31
    0、およびM.Rehahn et al,Polymer,1989,30,1060が報じているように、パラジウム触媒によるハロアリール酸の縮合によっても行なわれる。 ポリパラフェニレンの生成に必要なパラハロアリール硼酸モノマーは、低温でブチルリチウムでパラジハロベンゼンをモノリチウム化し、引き続き水冷し、酸水溶液でワークアップして調製することができる。 これらの重合は、炭酸ナトリウムのような塩基の存在下で芳香族あるいはエーテル中で行なわれる。 従って、このタイプの反応は、アルキル、アリール、アラールキル、アルカリール、ポリフルオロアルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシなどのような有機基で置換されたポリパラフェニレンをつくるのに適している。

    ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾールの製法は、JFWolfeおよびFEArnold,Macromolecules,14,90
    9(1981)および米国特許4,229,556号明細書に記載されている。

    ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾールの製法は、JFWolfeおよびBHLoo,Macromolecules,14,915
    (1981)および米国特許4,229,556号明細書に記載されている。 ポリ−p−フェニレンビスイミダゾールの製法は、米国特許4,229,556号明細書に記載されている。 ポリキノリンの製法は、JKStille、米国特許4,000,187
    号明細書に記載されている。 上述の文献および米国特許第4,000,187号明細書は、引用により本明細書に含めることにする。

    ポリイミド型剛直性コポリマー(式IV AおよびIV Bのモノマー単位からつくられる)は、酸無水物を、アミンあるいはイソシアネートと、好ましくはジ酸無水物モノマーをジアミンあるいはジイソシアネートモノマーと縮合させることにより製造することができる。 例えば、ポリフェニレンメリトイミドは2,3,5、及び/又は6位置で置換されたパラフェニレンジアミンから製造することができる。 線状剛直性ポリマーは、無水ピロメリト酸(PMDA)をアリールジアミン即ちp−ジアミノベンゼンと縮合させてつくることができる。 例えば、PMDAは2,6
    −アントラセンジアミンと縮合させることができる。 できるポリイミドは、捻ることができる剛直性ポリマーで「クランクシャフト」配列を主鎖に含有する(鎖C参照)。 同様に、広範なフェノキシフェニルおよびフェノキシビフェニル結合を有するベンジジン誘導体(4,4′
    −ジアミノビフェニル)を用いることができる。

    式IV AおよびIV Bのモノマー単位についてポリイミド型剛直性コポリマーを説明したが、該コポリマーはピロメリトイミドモノマー単位とその他のアリールモノマー単位とを有することができ、アリールモノマー単位は4,
    4′−ビフェニル、4,4″−ターフェニル、2,6−ナフチル、2,6−アントラセニル、9,10−アントラセニル、1,4
    −アントラセニル、1,10−アントラセニル、および、式
    IA,II A,III A,VI A,VII A,VIII A,XA,XII A,XIII A,
    XIV A,XV A,XVI A,IB,II B,III B,VI B,VII B,VIII B,
    XII B,XIII B,XIV B,XV B、およびXVI Bの1,5−アントラセニルモノマー単位である。

    高分子量ポリイミド(式IV AおよびIV Bのモノマー単位は有する剛直性ポリマー)は、縮合反応を二段階で行なうことにより得られる。 第一段階は、初期反応により高分子量でポリアミドカルボン酸が得られる。 第二段階では、高温で、溶媒中であるいは溶媒無しで、反応を行い脱水環化してポリイミドを得る。 ポリイソイミドのようなフレキシブルポリマーは、剛直性ポリマーより遙かに可溶性であり、したがってポリイソイミドプレポリマーは、剛直性ポリマーに対しては良い溶媒でないが縮合反応には適している溶媒系でつくることができる。 プレポリマーができた後、プレポリマーを分離し、ポリイミドが可溶な第二の溶媒系に再溶解する。 このポリアミドカルボン酸を充分にイミド化したポリマーに転化すると線状のキンクが無い剛直性ポリマーが得られる。 ポリアミドカルボン酸中間体の環化を促進するために脱水剤を用いてもよい。 脂肪酸無水物、ケトン、および三塩化燐のような殆どの化学品脱水剤により環化ポリイミドが生成する。 無水三弗化酢酸およびN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドを含む或る試薬により、ポリアミドカルボン酸は対応するイソイミドポリマーへの転化が促進され、イソイミドポリマーは通常、熱により環状ポリイミドに転化する。 側鎖結合基(即ち、有機基)により成長しつつあるポリマーの溶解性が大になることにより、
    生成するポリイミドが高分子量となる。 ポリイミドおよびプレカーサーポリアミドカルボン酸の両者が、アミド溶媒のような(例えば、N,N−アセトアミドおよびN−
    メチルピロリドン)或る溶媒に可溶であれば、ポリイミド化は、異なる反応温度で二段階で行なうことができる。 完全にイミド化したポリマーが、プレカーサーポリアミドカルボン酸とは異なる溶媒への溶解度が大きいことが分かった場合には、ポリアミドカルボン酸を分離し、イミド化は第二の溶媒中で行なうのが有利である。
    あるいは、ポリアミドカルボン酸をある溶媒中で調製し、沈殿させ、生成したポリアミドカルボン酸を加熱して完全にイミド化することもできる。 ジアミンの代わりにジイソシアネートを用いることができる。 イソシアネートは無水ピロメリト酸と反応して7員環中間体となり、自然に壊れてポリイミドとなる。 イソシアネートモノマーは、対応するジアミンよりつくるのが難しい。

    剛直性ポリマーの製造は陽極重合によることが好ましく、モノマーは次の有機側鎖があってはならない:ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、およびポリイミド。 剛直性ポリマーがグリニャール条件でつくられる場合には、次のタイプの有機基はグリニャール試薬と反応して望ましくない副反応をおこすことがある:アルコキシ、アリールオキシ、ポリアルケンオキシ、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ペルフルオロアルコキシ、および、フェノキシフェニルペルフルオロイソプロピリデン。 剛直性ポリマーがグリニャール条件でつくられる場合には、次の有機側基はグリニャール条件で相容性がなく含有されないことが好ましい:ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、およびポリ塩化ビニル。 前述のプロセスで、このような側鎖を持つ剛直性ポリマーができる。 ニッケル触媒プロセスが用いられる場合には、モノマーの側鎖はポリビニルアルコールのような酸性プロトンが無いことが好ましい。 ポリビニルアルコール側鎖は、対応するポリビニルアセテート側鎖から加水分解によりできる。

    種々の重合あるいは縮合反応での溶媒の選択は、反応のタイプおよびモノマーに結合する可溶化性有機基のタイプにもよる。 遷移金属触媒でグリニャール試薬を用いるアリールモノマーの縮合では、選択される溶媒は、エーテルであり、最も良い可溶化性側鎖はポリエチレンオキシドおよび長鎖アルキルのようなポリエーテルである。 アセトニトリルタイプの溶媒中でアニオン重合が行なわれ、ポリフェニレンおよびポリスチレンのような芳香族側鎖が好ましい側鎖である。 陰極重合は、ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドン中で行なわれる。 このような溶媒系では、ポリアクリレートおよびポリビニルアルコールのような、より極性の側鎖が有利であろう。

    モノマー単位は既知であり、あるいは既知の出発原料から慣用の化学反応により製造できる。 例えば、2位置でアルコキシ基で置換されたパラジハロベンゼンモノマーは、対応する2,5−ジハロフェノールから、水酸化ナトリウムおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロライドの存在下で該フェノールを対応する1−ハロアルキル(1−ブロモヘキサデカンのような)と反応させてつくることができる。

    二置換された中間のフェニル基を有するアリールあるいはアリールオキシド基のパラ−ジブロモ−ターフェニルモノマー類は、対応するジフェニル、フェノキシフェニル、あるいはポリフェノキシフェニルジケトンから調製することができる。 例えば、ジフェニルエーテルで塩化オキザリルを二重フリーデル−クラフトアシル化を行なうと4,4′−ジフェノキシベンジルが生成する。 このジケトンを1,3−ジ(パラ−ブロモフェニル)−2−プロパノンで処理すると、2,5−ジ(パラ−ブロモフェニル)−3,4−ジフェノキシフェニルテトラシクロンができる。 最後に、テトラシクロンをノルボナジエンで処理して、4,4″−ジブロモ−2′,3′−ジ(パラ−フェノキシフェニル)パラ−ターフェニルとなる。あるいは、
    最後の反応をアセチレンの存在下で行ないターフェニルに5′及び/又は6′置換を行なわせることができる。

    フェニレンオキシド−可溶化有機オリゴマーで置換した置換パラ−ジハロベンゼンは、対応する置換パラ−ニトロアニリンを還元してジアミンとすることにより調製することができる。 置換基は、アルコキシド、フェノキシド等でよい。 パラジアミンのジアゾ化の後、臭素化(臭化銅:サンドマイヤー反応)して、対応する置換パラジブロモベンゼンとなる。 置換ポリフェニレンを得る上述のニッケル触媒重合に、対応するグリニャール試薬を用いることができる。

    あるいは、アルコキシ−およびフェノキシ−置換ジハロベンゼンは、ブロモテレフタル酸あるいは対応するジブロモ化を、アルコキシド−或はフェノキシド−置換テレフタル酸で処理して調製することができる。 酸化水銀、臭素および可視光線を用いる改良型ハンスディッカー反応によるハロジカルボキシル化反応によって、対応する置換ジブロモベンゼンが得られる。 過去においては、これらの銅触媒エーテル生成反応は、かなり強烈な条件下で行なわれた。 しかしながら、ウルマンエーテル縮合についてのいくつかの変性により、多くの官能基が許容できるようになり求電子基体に活性化(電子を引き抜く)基を必要としなくなり比較的緩やかな反応条件で行なわれる。

    ポリアルキレンオキシドおよびポリフェニレンオキシドは、ジアゾニウムルートにより、フェニル基等を含むアリール基に付加することができる。 例えばベンゼンモノマーを、パラジクロロベンゼンから調製することができる。 即ち、まずニトロ化し、対応する2−ニトロ−1,
    4−ジクロロベンゼンとし、ニトロ基を還元してアミノ基とし、対応するp−ジクロロベンゼンジアゾニウム塩を得る。 該ジアゾニウム塩を、エトキシエタノール(Ce
    llosolve TM )、2−(2−エトキシ−エトキシ)エタノール、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のようなアルコキシアルコールで処理して、対応するポリアルケンオキシ置換ジクロロベンゼンが得られる。 該ジアゾニウム塩は、フェノール、
    フェノキシフェノール、ポリ(フェノキシ)フェノール等のようなアルコールで処理して、対応するポリフェニレンオキシ置換ジクロロベンゼンが得られる。

    置換アリールパラジアミンは、種々のルートで得られる。 例えば、アルコキシ−、ポリアルカレンオキシ−、
    および、ポリフェニレンオキシド−置換ベンゼンジアミンは、2−ブロモ−4−ニトリルアニリンから対応するトリフルオロアセトアミドを調製し、アルコキシドあるいはフェノキシドで処理して調製することができる。 ニトロ基を還元して対応する置換ベンゼンジアミンを形成させる。 あるいは、2−ヒドロキシ−4−ニトロアニリンを、沃素化ポリアルキレンオキシアルキルあるいは沃素化ポリフェニレンオキシドジフェニルで処理して、対応するアルコキシ−、ポリアルキレンオキシ−、あるいはポリフェニレンオキシド−、置換ニトロアニリンを得ることができる。 該ニトロアニリンを還元して対応する置換ベンゼンジアミンが得られる。 ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でフェノールとアルコールとをカップリングするのは、アリールアルキルエーテルを緩やかな条件下で調製するもう一つの方法である。

    2−ヒドロキシテレフタル酸を4−フルオロ−4′−
    ヒドロキシ−ベンゾフェノンと処理することにより、ベンゼン基をポリ(フェノキシフェニルケトン)可溶化性有機基で置換することができる。

    塩基の存在下で2−ニトロ−テレフタル酸ジエチルエステルをモノ−ヒドロキシ−末端ポリフェニレンオキシドとジメチルスルホキシド中で処理し続いてエステル基を加水分解することにより、2−ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)テレフタル酸を得ることにより、
    テレフタル酸に2−ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)を結合することができる。 ポリフェニレンオキシドは、典型的には、ピリジン溶媒系中で銅および酸素の存在下で2,6−ジメチルフェノールの重合によりつくられる。 成長するポリマー鎖は常に一端にのみフェノール基を有しており、従って一端でのみ2−ニトロテレフタル酸ジエチルエステルと反応する。 対応するフェノール出発原料を用いてベンゼン環にその他の有機基を付加することができる。 例えば、ノニルフェノールを用いてノニルフェノキシテレフタル酸モノマーをつくることができる。

    パラジブロモベンゼンの2−アセチル誘導体のようなジブロモアリール出発原料を用いて、オリゴイソプロペニル基をアリール基に結合することができる。 該アセチル誘導体を次に、イソプレンとt−ブチルリチウムとからつくられるオリゴイソプロペニルリチウムで処理する。

    ジニトロアリール誘導体をつくり、ブチル置換ジニトロアリール基に転化し、ブチル基をカルボキシル基に酸化し、その対応する酸塩化物を生成することにより、アリール基にポリ−ε−カプロラクタム可溶化性基を結合することができる。 該酸塩化物をポリ−ε−カプロラクタム(ε−カプロラクタムからつくられる直鎖)で処理して、所望のポリ−ε−カプロラクタム置換ジニトロアリール化合物が得られる。 生成するモノマーは還元され、対応するジアミノモノマーが得られ、これは剛直性ポリマーをつくるのに用いられる。

    ポリフェニレンスルフィド基、ポリビニル基、ポリアルキルメタクリレート基、ポリアクリロニトリル基、ポリビニルアルコール基、およびポリビニルアセテート基のようなその他の可溶化性有機基は、本明細書に記載のモノマー単位にアニオン重合法のような慣用の化学的方法で結合することができる('Anionic Polymerizatio
    n,'James E.McGrath,ED.,ACS Symposium Series 166,Am
    erican Chemical Society,1981参照) 実施例 I 2,5−ジブロモアニリンのテトラメチルジシルエチレン付加物 乾燥テトラヒドロフラン40ml中に2,5−ジブロモアニリン6.27g(0.025mole)を含む溶液に、−78℃で、アルゴン下で、冷却したn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
    2.5M(0.053mole)30.3mlを加える。 この混合物に、40m
    lのテトラヒドロフラン中に5.55g(0.025mole)の1,2−
    ビス(クロロジメチルシリル)エタンを含む溶液を徐々に添加する。 最終混合物を室温まで暖めて水に注ぐ。 この溶液をエーテルで希釈し、有機層を分離する。 さらにエーテルで水層を洗浄後、エーテル抽出物を乾燥し凝縮する。 生成物を結晶化により精製する。

    ポリ−(2,5−アニリン):30mlのテトラヒドロフラン中に0.61g(0.025mole)を含有する溶液に、アルゴン下で、2,5−ジブロモアニリンのテトラメチルジシルエチレン付加物9.83g(0.025mole)を加える。 混合物を室温で1時間撹拌後、NiCl 2 bpy(2,2′−ビビピリジン)0.0
    50g(0.00018mole)をこの溶液に加える。 最終混合物を加熱し24時間還流し、250mlのエタノールに注ぐ。 生成する沈殿物を水洗下で遠心分離して回収する。 この固体物質を、稀塩酸/エタノール溶液下で還流する。 最終的なポリマー沈殿物を、濾過により回収し、減圧下で乾燥させ、ポリ−(2,5−アニリン)を得る。

    実施例 II 2,5−ジクロロフェニルジメチルオクチルシリルエーテル 30mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に2,5−ジクロロフェノール3.75g(0.023mole)を含む溶液中に、イミダゾール5.58g(0.082mole)およびクロロジメチルオクチルシラン16.6ml(0.070mole)を、アルゴン下で加える。 室温で2時間撹拌後、混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で希釈し、エーテルで抽出する。 一緒になった有機抽出液を乾燥し凝縮する。 生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。

    ポリ(2,5−フェノール):30mlの乾燥テトラヒドロフラン中に活性金属マグネシウム0.61g(0.025mole)を含有する溶液に、2,5−ジクロロフェニル(ジメチルオクチル)シリルエーテル8.33g(0.025mole)をアルゴン下で加える。 室温で1時間撹拌後、NiCl 2 bpy0.050g(0.0001
    8mole)をこの溶液に加える。 最終混合物を加熱し24時間還流し、250mlのエタノールに注ぐ。 生成する沈殿物を水洗下で遠心分離して回収する。 次にこの固体を、アセトニトリル水溶液中の稀弗化水素酸で48時間撹拌する。 最終沈殿物を、濾過により回収し、減圧下で乾燥しポリ−(2,5−フェノール)を得る。

    実施例 III 1,4−ジブロモ−2−(オリゴ−α−メチルスチレン)
    −ベンゼン 500mlの塩化メチレン/メチルシクロヘキサンに溶解されたジブロモベンジルブロミド3.3g(0.01mole)の溶液を−50℃に冷却する、三塩化硼素の1Mヘキサン溶液10
    mlを添加する。 次に、α−スチレンモノマー23.6g(0.2
    mole)を徐々に連続的に加える。 6時間後、メタノールで反応を冷やし、溶液をメタノールに注いでオリゴマー(オリゴ−α−メチルスチレン)を沈殿させる。 各々ジブロモベンゼンは、約20スチレン単位(分子量2000)の平均長さを有する。 スチレンのジブロモベンジルブロミドに対する割合を変えることにより異なる側鎖ができる。

    実施例 IV 1,4−ジブロモ−2−(オリゴイソブチルビニルエーテル)−ベンゼン(擬リビングカチオン重合) 3.4gの銀ヘキサフルオロアンチモネート(AgSbF 6
    を、ジクロロメタン中の、3.3g(0.01mole)の2,5−ジブロモベンジルブロマイドの冷(−70℃)溶液に加えてジブロモベンジルカチオンを調製する。 イソブチルビニルエーテル(50g[65ml,0.5mole])を、徐々に連続的に加える。 反応に冷却し、アルコールを加えてオリゴマー(オリゴイソブチルビニルエーテル)を回収する。 擬リビングカチオン重合(quasi−living cationic pol
    ymerization)で調製することができる側鎖の例を、非限定的にあげると、オリゴビニルエーテル、オリゴイソブテン、オリゴ−p−t−ブチルスチレン、オリゴインデン、およびオリゴスチレンがある。

    2,5−ジブロモベンジルブロミド: 還流コンデンサー、およびシールされた機械的撹拌機付きの100ml三つ口フラスコ(フラスコの底近くに達するステム付き分離ろ斗を備えた)に、33g(0.1mole)の
    2,5−ジブロモトルエンを加える。 反応中フラスコを、
    二つの300ワットタングステンランプで照らす。 油浴中でフラスコを150℃に加熱し、臭素18.4g(5.9ml,0.115m
    ole)を2時間で加える。 混合物をさらに10分撹拌する。 内容物をまだ液状のうちに、温めた軽質石油エーテル300mlおよび脱色カーボン2gを含有する500ml丸底フラスコに注ぐ。 還流コンデンサーを取り付け、混合物を、
    混合物が溶解するまで、還流下で加熱し、次に、予熱したブフナーろ斗で、急速にろ過する。 ろ液を冷却し、冷石油エーテルで洗浄する。

    実施例 V 1,4−ジブロモ−2−(オリゴ−α−メチルスチレン)
    −ベンゼンと1,4−ジブロモベンゼンとの共重合(コポリマー生成物) 希HClについで水で洗浄し、乾燥し、沃素の存在下で一晩撹拌することにより活性化したマグネシウム粉末0.
    029g(0.020mole)を10mlテトラヒドロフラン中に有する溶液に、30mlテトラヒドロフラン中の、1,4−ジブロモ−2−(オリゴ−α−メチルスチレン)−ベンゼン2.
    0g(0.001mole)、および、1,4−ジブロモベンゼン4.7g
    (0.02mole)の溶液をアルゴン下で加える。 混合物を室温で1時間撹拌後、溶液にNiCl 2ビピリジン0.050g(0.0
    0018mole)を加える。 最終混合物を還流下で24時間加熱する。 固体p−ポリフェニレンはすべてろ過して除去する。 エタノール200ml中に、ろ液を注ぎコポリマー生成物が沈殿する。 コポリマー生成物を回収し、水洗し、乾燥する。

    実施例 VI 実施例Vと同様にして、1,4−ジブロモ−2−オリゴイソブチルビニルエーテルと1,4−ジブロモベンゼンとの共重合を行なう。

    実施例 VII 2−[オリゴ−(フェノキシフェニルケトン)]−テレフタル酸:モノマー10 側鎖合成:600mlのジメチルスルホキシド中の、フェノール9.5g(0.1mole)、4−フルオロ−4′−ドロキシベンゾフェノン173g(0.8mole)、炭酸カリ55g(0.4mole,
    0.8当量)の溶液を、6時間、150℃で加熱する。 次に、
    混合物を水1リットル中に徐々に注ぎ、沈殿したポリマー(PEK−OH)を液相から分離し、メタノールで洗い、
    減圧下で乾燥してオリゴ−(フェノキシフェニルケトン)を得る。

    モノマー合成:200mlのジメチルスルホキシドを用いて、
    PEK−OH 76g、ニトロテレフタル酸ジエチルエステル1
    0.5g(0.05mole)、および炭酸カリ14g(0.1mole)を溶解する。 溶液を、6時間、130℃で加熱する。 冷却後、2
    5mlの水中のNaOH4gを加える。 混合物を2時間、100℃で加熱する。 次に、溶媒を減圧下で除去し、残渣を水洗し次いでメタノールで洗う。 乾燥して2−[オリゴ−(フェノキシフェニルケトン)]−テレフタル酸:モノマー
    10を得る。

    実施例 VIII 2−[オリゴ−(2,6−ジメチルフェノキシ)]−テレフタル酸:モノマー11 側鎖合成:200mlのニトロベンゼン中の、ピリジン70mlおよび塩化銅(I)1g溶液を、100ml/分で酸素をバブルさせる。 次に、2,6−ジメチルフェノール15g(0.12mole)
    を加え、反応を5分間継続する。 次に、100mlクロロホルムで稀釈し、濃塩酸3mlを含むメタノール1リットルに加える。 生成するオリゴ−(2,6−ジメチルフェノキシ)を徹底的に洗浄し乾燥する。

    モノマー合成:700mlのジメチルスルホキシド中の、ポリジメチルフェニレンオキシド192g(約0.1mole)溶液を、ニトロテレフタル酸ジエチルエステル21g(0.1mol
    e)、および炭酸カリ14g(0.1mole)と、6時間、130℃
    で処理する。 冷却後、25mlの水中のNaOH4g溶液を加える。 溶媒を減圧下で除去する。 残渣を徹底的に水洗し、
    エタノールで洗う。 減圧下で乾燥して、2−[オリゴ−
    (2,6−ジメチルフェノキシ)]−テレフタル酸:モノマー11を得る。

    実施例 IX モノマー10、テレフタル酸、および、2,5−ジアミノ−
    1,4−ベンゼンジチオールよりのコ−ポリベンゾビスチアゾール 実施例VIIのモノマー10 33g(20mmoles)、テレフタル酸33g(200mmoles)、および、2,5−ジアミノ−1,4−
    ベンゼンジチオール二塩酸塩54g(220mmoles)の、77%
    700mlポリ燐酸中の混合物を、減圧(60mmHg)下の窒素下で70−90℃に加熱する(塩酸の除去を容易にするため)。 塩酸が完全に除去された後、五酸化燐を減圧下で加え84〜86%のポリ燐酸となるようにする。 次に、温度を20時間170℃にあげ、最後に4時間190℃とする。 水への沈殿により、このパラフェニレン「未置換および2−
    オリゴ(フェノキシフェニルケトン)置換]−2−ベンゾビスチアゾールコポリマーが分離され、すべての燐酸が除去されるまで水を還流させて洗浄する。 分離されたコポリマーを、次にアルコールで洗浄し、減圧下で乾燥する。 このコポリマーは平均して、主鎖の10モノマー単位毎に側鎖を持つ。 側鎖は、ポリマーの38wt%を占め、
    残りの62wt%が主鎖である。

    実施例 X モノマー10、テレフタル酸、および、2,5−ジアミノ−
    1,4−ヒドロキシベンゼンの共重合 実施例IXのベンゼンジチオールの代わりに、2,5−ジアミノ−1,4−ヒドロキシベンゼンを用いて、実施例IX
    の方法により、パラフェニレン[未置換およびオリゴ(フェノキシフェニルケトン)置換]−2−ベンゾビスイソオキサゾールをつくる。

    実施例 XI モノマー11、テレフタル酸、および、2,5−ジアミノ−
    1,4−ベンゼンジチオールよりのコ−ポリベンゾビスチアゾール 実施例VIIIのモノマー11を4g(約20mmoles)、テレフタル酸10g(60mmoles)、および、2,5−ジアミノ−1,4
    −ベンゼンジチオールジ塩酸19.6g(80mmoles)の、77
    %450mlポリ燐酸中の混合物を、減圧(60mmHg)下の窒素下で70−90℃に加熱する(塩酸の除去を容易にするため)。 塩酸が完全に除去された後、五酸化燐を減圧下で加え84−86%のポリ燐酸となるようにする。 次に、温度を20時間170℃にあげ、最後に4時間190℃とする。 水への沈殿により、このパラフェニレン[未置換および2−
    オリゴ(2,6−ジメチルフェノキシフェニル)置換]−
    2−ベンゾビイソオキサゾールコポリマーが分離され、
    すべての燐酸が除去されるまで水を還流させて洗浄する。 分離されたコポリマーを、次にアルコールで洗浄し、減圧下で乾燥する。 このコポリマーは平均して、主鎖の40単位毎に側鎖を持つ。 側鎖はポリマーの38wt%を占め、残りの62wt%が主鎖である。

    実施例 XII モノマー11、テレフタル酸、および、2,5−ジアミノ−
    1,4−ヒドロキシベンゼンからの共重合 実施例XIのベンゼンジチオールの代わりに、2,5−ジアミノ−1,4−ヒドロキシベンゼンを用いて、実施例XI
    の方法により、パラフェニレン[未置換および2−オリゴ−(2,6−ジメチルフェノキシ)置換]−2−ベンゾビスイソオキサゾールをつくる。

    実施例 XIII ポリ−p−フェニレン−コ−2−オリゴイソプロペニル−1,4−フェニレン2′−アセチル−4,4″−ジブロモターフェニル:ニトロベンゼン200ml中の4,4″−ジブロモターフェニル3.8g(0.01mole)に、塩化アセチル0.86g
    (0.011mole)、三塩化アルミニウム1.46g(0.011mol
    e)を加える。 この混合物を不活性雰囲気下で3時間、8
    0℃で加熱する。 混合物を室温まで冷却し、1M HClで洗浄する。 2′−アセチル−4,4″−ジブロモターフェニルの有機相を分離し、固体をろ過し、いくらかのエタノールで洗浄し、乾燥する。

    セミテレケリックポリイソプレン;4,4″−ジブロモ−
    2′−オリゴイソプレニルターフェニル:S.Dumas,J.Sle
    dzおよびF.Schue,'Anionic Poltmerization,'JEMcGr
    ath,Ed.,ACS Symposium Series 166,Chapter 29,pp.463
    −475,1981に従って、リビングオリゴイソプレニルリチウムの溶液をつくる。 18℃に保ったシクロヘキサン1リットル中のイソプレン(0.7mmole)溶液に、t−ブチルリチウム(0.4mmole)を加えた。 4時間後に、2′−アセチル−4,4″−ジブロモターフェニル(0.05mmole)を加えて反応を終結する。溶媒を除去し、固体の4,4″−
    ジブロモ−2′−オリゴイソプレニルターフェニルを回収する。

    ポリ−p−フェニレン−コ−2−オリゴイソプロペニル−1,4−フェニレン: 希HClについで水で洗浄し、乾燥し、沃素の存在下で一晩撹拌することにより活性化したマグネシゥム粉末0.
    029g(0.020mole)を10mlテトラヒドロフラン中に有する溶液に、50mlテトラヒドロフラン中の、4,4′−ジブロモ−2′−オリゴイソプレニルターフェニル1.0g(0.
    001mole)および1,4−ジブロモベンゼン4.7g(0.02mol
    e)溶液をアルゴン下で加える。 混合物を室温で1時間撹拌後、溶液にNiCl 2ビピリジン0.050g(0.00018mole)
    を加える。 最終混合物を還流下で24時間加熱する。 ゼン
    4.7g(0.02mole)の溶液をアルゴン下で加え撹拌後、溶液にNiCl 2ビピリジン0.050g(0.00018mole)を加える。
    最終混合物を還流下で24時間加熱する。 固体p−ポリフェニレンはすべてろ過して除去する。 エタノール200ml
    中に、ろ液を注ぎポリ−p−フェニレン−コ−2−オリゴイソプロペニル−1,4−フェニレンポリマー生成物が沈殿する。 ポリマー生成物を回収し、水洗し乾燥する。

    実施例 XIV 4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル,1:p−ターフェニル(200g,0.87mole)を2リットル無水酢酸中で0℃で撹拌し、発煙硝酸(d1.5,90ml)を30分間で滴下する。
    0℃での撹拌を更に30分間つづける。 温度を20℃にあげ次いで1時間45゜−50℃に保つ。 黄色針状で4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル、1(mp272゜−273℃)が収率65%得られる。

    4,4″−ジニトロ−2′−ブチル−p−ターフェニル,2:
    上部に乾燥剤チューブ付きのコンデンサー、均圧管付きろ斗、および撹拌機を備えた三つ口フラスコ中に、混合物1(160g,0.5mole)、塩化アルミニウム(67g,0.4mol
    e)及びニトロベンゼン(1.5リットル)との混合物を入れ、75℃に暖め、その後に1−クロロブタン(46g,0.5m
    ole)を別のろう斗から混合物に加える。 添加が終了した後、混合物を更にもう1時間、75℃で撹拌する。 次いで、室温まで冷却する。 次いで、氷水−塩酸混合物(約1リットル、1−250ml)上に、フラスコの内容物を注ぎ、氷が完全に融けるまで激しく撹拌する。 水相を捨て、有機相を引き続き水(1.5リットル)および重炭酸ソーダ(1.5リットル)で洗う。 次に有機相を乾燥し、
    減圧蒸留によりニトロベンゼンの一部を除去する。 ヘキサンに沈殿させて、製品4,4″−ジニトロ−2′−ブチル−p−ターフェニルを最終的に回収する。

    4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−カルボン酸,3:混合物2(113g,0.3mole)、過マンガン酸カリ(9
    5g,0.6mole)、18−クラウン−6(80g,0.3mole)、および、ベンゼン(1.2リットル)の混合物を30分間還流させる。 中性になるまで有機相を水洗し、硫酸マグネシゥムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去し、4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−カルボン酸を得る。

    4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−アシルクロリド,4: 混合物3(73g,0.2mole)および塩化チオニル(400m
    l)を沸点まで穏やかに加熱する。 更に1時間、混合物を還流温度に保ち、その後塩化チオニルをデカントさせる。 残渣塩化チオニルを減圧下で除去して、4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−アシルクロリドを得る。

    ポリ−ε−カプロラクタム 5:ガス入口および出口チューブを備えた大きな試験管に、ε−カプロラクタム(50
    g)、および、ピペリジンの50wt%水溶液2.0gを入れる。 試験管は窒素気流下におき、280℃で蒸気浴に浸す。 1時間後、試験管を浴から出し窒素気流下で室温まで冷却する。 試験管を壊し、ポリマーを小粒子(約1mm
    以下)にする。 ソックスレー抽出器により水で抽出してポリマーから不純物を除く。 減圧下で100℃で乾燥して、ポリ−ε−カプロラクタムを得る。

    4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−(ポリ−
    ε−カプロラクタム),6: ピリジン(300ml)およびm−クレゾール(3リットル)の中の、混合物4(38g,0.1mole)および5(1.1k
    g,0.1mole)を、5℃で激しく撹拌する。 その後、混合物を徐々に室温まで暖め、さらに30分間撹拌する。 次に、溶媒を減圧下で除去し、モノマーを徹底的に水洗し、続いて減圧下で100℃で乾燥する。 4,4″−ジニトロ−p−ターフェニル−2′−(ポリ−ε−カプロラクタム)が得られる。

    4,4″−ジアミノ−p−ターフェニル−2′−(ポリ−
    ε−カプロラクタム),7: 還流コンデンサーおよび撹拌機を備えた三つ口フラスコに混合物6(54g、約10mole)、鉄(3.4g,60mmol
    e)、および、エタノール50wt%を入れる。 水浴で加熱して、混合物を沸騰させ、50wt%エタノール約5ml中の濃塩酸(0.4ml,5mole)溶液を徐々に加える。 酸の添加が完了後、さらに2時間混合物を還流させる。 この時間の終わりに、15%アルコール性苛性カリを添加してリトマスでちょうどアルカリ性になるようにする。 暖かい溶液からろ過により鉄を除く。

    エタノール溶液から低温で結晶化することにより、4,
    4″−ジアミノ−p−ターフェニル−2′−(ポリ−ε
    −カプロラクタム)が分離される。

    ポリイミド,8:窒素パージした撹拌機付きフラスコに、乾燥ジメチルアセトアミド500ml中の7(54g、約10
    mole)を入れる。 無水ピロメリト酸(440mg,10mole)をろ斗からフラスコに加える。 フラスコを閉じ、混合物を1時間撹拌する。 乾いたガラスプレートに注ぎ、80℃で強制通風オーブン中で窒素ブレード下で20分乾燥することにより、ポリアミド酸が生成する。 このポリアミド酸フィルムを、枠にクランプして、注意深く強制オーブン中で60分間300℃に加熱することにより、4,4″−ジアミノ−p−ターフェニル−2′−(ポリ−ε−カプロラクタム)と無水ピロメリト酸とのポリイミドフィルムから得られる。

    実施例 XV ポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン) 100ml丸底フラスコに、乾燥塩化ニッケル(60mg,0.46
    mmol)、トリフェニルホスフィン(0.917g,3.5mmol
    e)、2,2′−ビピリジン(64.7mg,0.41mmole)、沃化ナトリウム(0.39g,1.44mmole)、および亜鉛粉末(0.92
    g,14.1mmole)を入れた。 フラスコとその内容物は、動的減圧下に50℃で90分間加熱し微量の水を除去した。 脱水を止め、アルゴンをフラスコに入れた。 ドライジメチルホルムアミド(DMF)(8ml)を加え、温度を80℃にあげた。 5分以内に、混合物は深紅色になった。 アルゴン下で20分撹拌後、DMF(5ml)中の2,5−ジクロロベンズアミド(2.016g,9.1mmole)、溶液を加えた。 2時間後、混合物を室温まで冷やし、15%HCl水溶液200mlに注いで、ベンゼンで抽出した。 製品はベンゼンへの懸濁液として、5%HClで洗浄した。 ジクロロメタンを、この濃い白い懸濁液に加え、わずかに曇った溶液となった。
    これを残った水から分離して、ロータリーエバポレーターで乾燥し、白い粉末であるポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン)0.5gを得た。

    ポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン)の繰返し単位は

    である。

    実施例 XVI ポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン) 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(60mg、0.
    46mmole)、トリフェニルホスフィン(800mg,3.05mmol
    e)、沃化ナトリウム(180mg,1.2mmole)および活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、7mlの無水N−メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。 次に、無水
    NMP8ml中の2,5−ジクロロベンズアミド2.6g(11.7mmol
    e)の溶液を、注射器で加える。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸
    100mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで二回粉砕してポリ−p−(N,N−ジメチルアミドフェニレン)が得られる。

    実施例 XVII ポリ−パラ−ベンゾイルモルホリン 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(50mg,0.3
    9mmole)、トリフェニルホスフィン(750mg,2.88mmol
    e)、沃化ナトリウム(150mg,1.0mmole)および活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、5mlの無水N−メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れた。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となった。 次に、無水NMP10ml中の2,5−ジクロロベンゾイルモルホリン(>
    99%純度HPLC分析による)3g(11.5mmole)の溶液を、
    注射器で加えた。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸100mlに注ぎ、
    過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させた。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕して、分離、乾燥後、2.2g(収率100%)のポリ−パラ−ベンゾイルモルホリンが淡褐色粉末として得られた。 このポリマーの固有粘度を、NMP中で40℃で測定したところ1.8(1)dL
    /gであり、高分子量であることを示した。

    ポリ−パラ−ベンゾイルモルホリンの繰返し単位は

    である。

    実施例 XVIII ポリ−パラ−ベンゾイルピペリジン 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(60mg,0.4
    6mmole)、トリフェニルホスフィン(800mg,3.05mmol
    e)、沃化ナトリウム(180mg,1.2mmole)および325メッシュ活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、5mlの無水N−
    メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れた。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となった。 次に、無水NMP10ml中の2,5−ジクロロベンゾイルピペリジン(>99%純度HPLC分析による)3g(11.5mmol
    e)の溶液を、注射器で加えた。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸
    200mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕して、分離、乾燥後、2.2g(収率100%)のポリ−パラ−ベンゾイルピペリジンが淡褐色粉末として得られた。
    このポリマーの固有粘度を、NMP中で40℃で測定したところ1.2(1)dL/gであり高分子量であることを示した。

    ポリ−パラ−ベンゾイルピペリジインの繰返し単位は

    である。

    実施例 XIX ポリ−パラ−ビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン) 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(50mg,0.3
    9mmole)、トリフェニルホスフィン(750mg,2.86mmol
    e)、沃化ナトリウム(150mg,1.0mmole)および325メッシュ活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、5mlの無水N−
    メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。
    次に、無水NMP10ml中の4,4′−ジブロモビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)5g(9.3mmole)の溶液を、注射器で加えた。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸200mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕してポリ−パラ−ビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)を得る。

    ポリ−パラ−ビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)の繰返し単位は

    である。

    実施例 XX ポリ−2−(オリゴ−α−メチルスチレン)−1,4−フェニレン パラ−ブロモ−(オリゴ−α−メチルスチレン)−ベンゼン硼酸モノマーをつくるために、ヘキサン中のn−
    ブチルリチゥム(7.8mmole)を−78℃のジエチルエーテル200ml中の1,4−ジブロモ−2−(オリゴ−α−メチルスチレン)−ベンゼン(実施例IIIより:20g,7.7mmole)
    溶液に滴下し、続いて室温まで暖める。 この混合物を次に、−78℃のジエチルエーテル200ml中のトリメチルボレート(2.5g,24mmole)の溶液中に冷却し、8−12時間で室温まで暖める。 酸性加水分解し、水でワークアップし、続いて、濃縮し、ヘキサンでモノマーを沈殿させて、パラブロモ−(オリゴ−α−メチルスチレン)−ベンゼン硼酸を得る。

    パラ−ブロモ−(オリゴ−α−メチルスチレン)−ベンゼン硼酸(15.8g,5.8mmole)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(65mg,0.056mmole)、ベンゼン(100ml)、および、炭酸ナトリウム(2M25ml)
    の混合物を、不活性雰囲気下で48時間還流する。 反応を、200mlのアセトン中で冷却することにより、ポリ−
    2−(オリゴ−α−メチルスチレン)−1,4−フェニレンが沈殿し、これをろ過して分離することができる。

    実施例 XXI ポリ−2−(オリゴイソブチルビニルエーテル)−1,4
    −フェニレン 100mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(50mg,0.
    39mmole)、トリフェニルホスフィン(750mg,2.86mmol
    e)、沃化ナトリウム(150mg,1.0mmole)および325メッシュ活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、5mlの無水N−
    メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。
    次にこの触媒混合物を、無水NMP100ml中の50g(10mmol
    e)実施例IVよりの1,4−ジブロモ−2−(オリゴイソブチルビニルエーテル)−ベンゼン溶液に加える。 48時間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸500mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕すると、ポリ−2−(オリゴイソブチルビニルエーテル)−1,4−フェニレンが得られる。

    実施例 XXII ポリ−パラ−ベンゼンスルフォニルモルホリン 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(60mg,0.4
    6mmole)、トリフェニルホスフィン(800mg,3.05mmol
    e)、沃化ナトリウム(180mg,1.2mmole)および活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、7mlの無水N−メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。 次に、8ml
    の無水NMP中の、2,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドとモルホリンとの反応でつくられる、2,5−ジクロロベンゼンスルフォニルモルホリン3.4g(11.5mmol
    e)溶液を、注射器で加える。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸10
    0mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕すると、分離、乾燥後、固体のポリ−パラ−ベンゼンスルホニルモルホリンが得られる。

    ポリ−パラ−ベンゼンスルホニルモルホリンの繰返し単位は

    である。

    実施例 XXIII ポリ−パラ−ベンゼンスルホニルピペリジン 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(60mg,0.4
    6mmole)、トリフェニルホスフィン(800mg,3.05mmol
    e)、沃化ナトリウム(180mg,1.2mmole)および活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、7mlの無水N−メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。 次に、8ml
    の無水NMP中の、2,5−ジクロロベンゼンスルフォニルクロライドとピペリジンとの反応でつくられる、2,5−ジクロロベンゼンスルホニルピペリジン3.4g(11.6mmol
    e)溶液を、注射器で加える。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸20
    0mlに注ぎ、過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕すると、分離、乾燥後、固体のポリ−パラ−ベンゼンスルホニルピペリジンが得られる。

    ポリ−パラ−ベンゼンスルホニルピペリジンの繰返し単位は

    である。

    実施例 XXIV 4,4′−ジブロモビ−(2,2′−ベンゾイルモルホリン)
    とパラジクロロベンゼンとのコポリマー 25mlフラスコに、無水塩化ニッケル(II)(60mg,0.4
    6mmole)、トリフェニルホスフィン(800mg,3.05mmol
    e)、沃化ナトリウム(180mg,1.2mmole)および活性亜鉛粉末(1.2g,18mmole)を、5mlの無水N−メチルピロリドン(NMP)と共に、不活性雰囲気下で入れる。 混合物を50℃で約10分間撹拌して深紅色となる。 次に、5ml
    の無水NMP中の、1g(1.9mmole)の4,4′−ジブロモビ−
    (2,2′−ベンゾイルモルホリン)溶液を、注射液で加える。 10mlの無水NMP中の、1.5g(10.2mmole)のパラジクロロベンゼン溶液を未置換の不溶性ポリパラフェニレンオリゴマーの生成を防ぐために徐々に24時間で反応混合物に滴下する。 約60分間撹拌後、生成する非常に粘度が高い溶液を、エタノール中の1mol塩酸200mlに注ぎ、
    過剰の金属亜鉛を溶解しポリマーを沈殿させる。 この懸濁液をろ過し、沈殿物をアセトンで粉砕すると、分離、
    乾燥後、固体のポリ−パラ−ビ(2,2′−ベンゾイルモルホリン)ベンゼンスルホニルピペリジン/ポリパラフェニレンコポリマーが得られる。

    上述のものは、剛直性ポリマーを製造する方法の態様の例示であり、この方法により製造される剛直性ポリマーを説明のために示したものである。 当業者には明らかな態様があるため、上述の具体例により本発明は限定されるものではない。 本発明の範囲は、請求の範囲に記載の通りである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギャグニ,ロバート レイモンド アメリカ合衆国,91107 カリフォルニ ア州,パサデナ,ラス ルナス ストリ ート 2047 (72)発明者 トリマー,マーク スティーブン アメリカ合衆国,91101 カリフォルニ ア州,パサデナ,イースト コルドバ ストリート 330,アパートメント 328 (56)参考文献 特開 昭63−110214(JP,A) 特開 昭61−175035(JP,A) 特開 昭58−32629(JP,A) 特開 昭57−159818(JP,A) 特開 昭56−40615(JP,A) 特許3009691(JP,B2) 米国特許4628125(US,A) 米国特許4229566(US,A) 国際公開87/4180(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C08G 61/00 - 61/12 C08L 65/00 - 65/04

    QQ群二维码
    意见反馈